説明

階段配置バンプ構造を伴う半導体チップ

【解決手段】
種々の半導体チップ入力/出力構造及びそれを作製する方法が開示される。ある態様においては、半導体チップの第1の側上に第1の導体構造を形成することと、第1の導体構造に電気的に接触する第2の導体構造を形成することと、を含む製造の方法が提供される。第2の導体構造は、半田構造に結合されるように適合させられており、また少なくとも2つのトレッドを有する階段配置を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は概して半導体処理に関し、より特定的には半導体チップ半田バンプパッド及びその作製の方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体チップを半導体チップパッケージ基板等の回路板に実装するために、フリップチップ実装スキームが何十年にわたり用いられてきた。多種多様な従来のフリップチップにおいて、半導体チップの入力/出力(I/O)サイトと回路板の対応するI/Oサイトとの間で多数の半田接合が確立される。1つの従来の処理においては、半導体チップの所与のI/Oサイト又はパッドには半田バンプが金属学的に接合され、また回路板の対応するI/Oサイトには所謂プリ半田(pre-solder)が金属学的に接続される。その後に、半田バンプとプリ半田は接近させられ、そして半田バンプ及びプリ半田の一方又は両方をリフローする熱処理にさらされて、必要な半田接合を確立する。
【0003】
1つの従来の処理においては、半導体チップの特定のI/Oサイトへの半田バンプの接続は、そのI/Oサイトに最も近い半導体チップの最上層誘電体膜に開口を形成すること及びその後に金属を堆積させてアンダーバンプメタライゼーション(under bump metallization)(UBM)構造を確立することを伴う。半田バンプは次いで、リフローによってUBM構造に金属学的に接合される。この従来のUBM構造は、ベース、側壁、及び誘電体膜上に位置する上部フランジを含む。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
フリップチップ半田接合は、熱膨張係数の不整合、延性差、及び回路板の反り等の種々の原因からの機械的な応力にさらされることがある。そのような応力は、上述した従来のUBM構造を曲げモーメントの影響下に置き得る。応力はダイのエッジ及び角で最大になりまたダイ中央に近づくに従って低下する傾向があるという点において、影響はやや方向性のものである。この所謂エッジ効果に関連する曲げモーメントは、UBM構造の直下の誘電体膜に応力を与え、これが十分に大きい場合には破壊を生じさせる可能性がある。
【0005】
本発明は、上述した1つ以上の不都合の影響を克服し又は低減することに向けられている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態の1つの態様によると、半導体チップの第1の側上に第1の導体構造を形成することと、第1の導体構造に電気的に接触する第2の導体構造を形成することと、を含む製造の方法が提供される。第2の導体構造は、半田構造に結合されるように適合させられており、また少なくとも2つのトレッドを有する階段配置を含む。
【0007】
本発明の実施形態の別の態様によると、半導体チップの第1の側上に位置する第1の導体構造に第1の半田構造を結合することを含む、半導体チップを回路板に結合する方法が提供される。第1の導体構造は、少なくとも2つのトレッドを有する階段配置を含む。第1の半田構造は回路板に結合される。
【0008】
本発明の実施形態の別の態様によると、第1の側及び第1の側に対向する第2の側を有する半導体チップを含む装置が提供される。第1の導体構造は、第1の側上にあり且つ半田構造に結合されるように適合させられている。第1の導体構造は、少なくとも2つのトレッドを有する階段配置を含む。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明の前述の及び他の利益は、以下の詳細な説明を読む場合及び図面を参照する場合に明らかになるはずである。
【0010】
【図1】図1は回路板上に実装される半導体チップを含む半導体チップデバイスの例示的な実施形態の斜視図である。
【0011】
【図2】図2は断面2−2についての図1に対する断面図である。
【0012】
【図3】図3は従来の半田接合の一部分の断面図である。
【0013】
【図4】図4は図2の一部分をより大きな倍率で示す図である。
【0014】
【図5】図5は半導体チップの導体構造への開口の例示的な形成を示す断面図である。
【0015】
【図6】図6は図5と同様の断面図であるが、絶縁層及びマスクの適用を示す断面図である。
【0016】
【図7】図7は図6と同様の断面図であるが、絶縁層内の開口の形成を示す断面図である。
【0017】
【図8】図8は図7と同様の断面図であるが、階段配置を伴う開口内の別の導体構造の形成を示す断面図である。
【0018】
【図9】図9は図8の階段配置導体構造の平面図である。
【0019】
【図10】図10は図8と同様の断面図であるが、階段導体構造上への半田構造の形成を模式的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
半導体チップの種々の実施形態がここに説明される。1つの例は、2つ以上のトレッド(treads)を伴う階段配置と共に作製されるUBM構造等の半田バンプ接続構造を含む。階段配置は、半田接合からの応力をより大きな面積にわたって拡散させ、下層の不動態積層物損傷の可能性を低減する。付加的な詳細が以下に説明される。
【0021】
以下に説明される図面において、同一の要素が2つ以上の図に現れる場合には、参照番号は概して繰り返される。図面の特に図1を参照すると、回路板20上に実装される半導体チップ15を含む半導体チップデバイス10の例示的な実施形態の斜視図が示されている。半導体チップ15と回路板20の間には、アンダーフィル材質層25がある。半導体チップ15は、電子機器に用いられる無数にある様々な種類の回路デバイス、例えばマイクロプロセッサ、グラフィクスプロセッサ、組み合わせに係るマイクロプロセッサ/グラフィクスプロセッサ、特定用途向け集積回路、メモリデバイス等の任意のものであってよく、そして単一若しくは多重コアであってよく又は追加的なダイと共に積層されていてもよい。半導体チップ15は、シリコン又はゲルマニウム等のバルク半導体、あるいは絶縁体上シリコン(silicon-on-insulator)材質等の絶縁体材質上の半導体から構成されていてよい。半導体チップ15は、回路板20にフリップチップ実装され、そして半田接合又は他の構造(図1には見えないが図2以降に示される)によって回路板20と電気的に接続されている。
【0022】
回路板20は、半導体チップパッケージ基板、回路カード、又は実際上は任意の他の種類のプリント回路板であってよい。モノリシック構造が回路板20のために用いられ得るが、より典型的な構造はビルドアップ設計を利用するであろう。この点において、回路板20は、その上に1つ以上のビルドアップ層が形成され且つその下方に追加的な1つ以上のビルドアップ層が形成される中央コアから構成され得る。コアそれ自体は、1つ以上の層の積層物から構成され得る。そのような配置の1つの例は所謂「2−2−2」配置と称されることがあり、この場合、2つのビルドアップ層の2セットの間に単一層コアが積層される。半導体チップパッケージ基板として実装される場合、回路板20内の層の数は4乃至16以上に変わり得るが、4層未満が用いられることもある。所謂「コアレス」設計もまた用いられ得る。回路基板20の層は、金属相互接続が組み込まれる種々の周知のエポキシ類等の絶縁性材質から構成され得る。ビルドアップ以外の多重層構成が用いられることもある。随意的に、回路板20は、周知のセラミックス又はパッケージ基板若しくは他のプリント回路板に適した他の材質から構成され得る。
【0023】
半導体チップ15と図示しない別の回路デバイスとの間で電力、接地、及び信号の伝達を提供するために、回路板20には多数の導体トレース及びビア並びに他の構造が設けられている。これらの伝達を容易にするために、回路板20には、ピングリッドアレイ、ボールグリッドアレイ、ランドグリッドアレイ又は他の種類の相互接続スキームの形態にある入力/出力が設けられていることがある。
【0024】
半導体チップ15の追加的な詳細は図2と併せて説明されることになり、図2は断面2−2についての図1に対する断面図である。図2に移る前に、断面において示されることになるパッケージ10の部分の正確な位置を示すことが有用であろう。断面2−2はエッジ30を含む半導体チップ15の小部分を通っていることに留意されたい。この背景で改めて図2に注目する。上述したように、半導体チップ15は、バルク半導体又は絶縁体上半導体構造として構成され得る。この例示的な実施形態においては、半導体チップ15は、バルク半導体層35及び半導体デバイス層40を含むバルク半導体として実装される。半導体デバイス層40は、半導体チップ15のための機能を提供する種々の回路を含み、そして典型的には、半導体チップ15への及び半導体チップ15からの電力、接地及び信号の伝達を容易にする多数のメタライゼーション層及び/又は他の種類の導体層を含むであろう。半導体デバイス層40上には誘電体積層層45が形成されており、誘電体積層層45は絶縁材質の多重層から構成され得る。誘電体積層層45に関する更なる詳細は、後続の図面と併せて説明されることになる。半導体チップ15は、キャリア基板20にフリップチップ実装されてよく、そして多数の半田構造又は接合によってキャリア基板20と電気的に接続されてよく、それらのうちの2つが見えておりそれぞれ符合50及び55で表されている。断面2−2の位置に起因して半田接合55はその一部分のみが見えている。
【0025】
半田接合50の以下の説明は他の半田接合の例示でもある。半田接合50は半田構造又はバンプ60を含み、半田構造又はバンプ60は、プリ半田(pre-solder)と称されることもある別の半田構造65に金属学的に接合される。半田バンプ60及びプリ半田65は、半田リフロー処理によって金属学的に接合される。不規則線70は、リフローの後の半田バンプ60及びプリ半田65の間の仮想境界を示す。しかし、当業者であれば、そのような境界70は顕微鏡検査によっても容易には殆ど見えないことを理解するはずである。半田バンプ60は、種々の鉛ベースの又は無鉛の半田から構成されてよい。例示的な鉛ベースの半田は、約63%Sn及び37%Pbのような共晶比率での又はその近くでの組成を有していてよい。無鉛の例は、錫・銀(約97.3%Sn、2.7%Ag)、錫・銅(約99%Sn、1%Cu)、錫・銀・銅(約96.5%Sn、3%Ag、0.5%Cu)等を含む。プリ半田65は同じ種類の材質から構成されてよい。随意的に、単一半田構造又は半田プラス導電ポスト配置が好ましい場合には、プリ半田65はなくてよい。半田バンプ60は、アンダーバンプメタライゼーション又はUBM構造とも称される導体構造75に金属学的に接続される。他の箇所で更に詳細に説明されるように、UBM構造75には、種々の応力及び曲げモーメントに対する改善された耐性をもたらす階段配置が設けられていてよい。UBM構造75は、次いで、半導体チップ15内の符号80で示される別の導体構造又はパッドに電気的に接続されており、別の導体構造又はパッド80は、半導体チップ15内の複数のメタライゼーション層の一部であってよい。導体構造80は再分配(redistribution)層又はRDL構造と称されることがある。導体構造80は、電力、接地若しくは信号のための入力/出力サイトとして用いられてよく、又は他の構造に電気的に結ばれていないダミーパッドとして用いられてよい。プリ半田65は同様に、半田マスク90によって横方向に境界される導体85に金属学的に接合されている。導体構造85は、導体構造の多重層であってビアによって相互接続されると共に誘電体材質層によって囲まれているであろうものの一部を形成してよい。
【0026】
アンダーフィル材質層25が半導体チップ15と基板20の間に広がっており、半導体チップ15、半田接合50,55等及び回路板20の熱膨張係数(CTE)の差の影響を低減している。アンダーフィル材質層25は、例えば、シリカフィラー及びフェノール樹脂と混合されたエポキシ樹脂であってよく、半田接合50及び55を確立するためのリフロー処理の前又は後に堆積させられてよい。
【0027】
種々の物理的処理が、半田バンプ60とUBM構造75の間の金属間接合に対する顕著な応力の原因になり得る。これらの応力の幾つかは、熱サイクルに際しての半導体チップ15、回路板20及びアンダーフィル材質層25の間での歪率(strain rate)の差に起因している。差応力に対する別の寄与因子は、半田バンプ60とプリ半田65の間の延性差であろう。エッジ効果として知られる現象に起因して、これらの差応力及び結果としての歪は、半導体チップ15のエッジ30の近傍で最大になるであろうし、そしてエッジ30から半導体チップ15の中心に向かって矢印100で示されるような方向において次第に減少するであろう。
【0028】
UBM構造75の説明に役立てるために、破線楕円105で囲まれる図2の部分がより大きな倍率で図4に示されている。しかし、図4に本格的に移行する前に、半田接合及び導体パッド配置のための同様な従来の構造を対比させることは有用であろう。この点に関して図3を参照すると、従来の半田接合及び導体パッド配置の断面が示されている。関連する構造に及ぼされる種々の力を明確に示すために、図3においては断面ハッチングは示されていない。ここでは、半導体チップ110の小部分、バンプパッド115、誘電体積層物120、ポリマー材質層125、UBM構造130、アンダーフィル材質層135、半田マスク140、導体パッド145、及び半導体チップパッケージ基板150の小部分の特徴が見えている。半田接合155は破線の図として示されている。半導体チップ110の中心に向かう方向は矢印160で示される。
【0029】
製造、信頼性試験又はデバイス動作の間における基板150の反りに起因して、また主としてCTE不整合に起因して、基板150は、半田接合155を通して、下に向いている一連の矢印によって模式的に表される分配された荷重を与える。分配された荷重の大きさは、長さLに沿って最大値ωから最小値ωまで変化し、ここでω及びωは単位長さあたりの力の次元にある。分配された荷重の合力Rはx軸上の点xに位置している。図3は断面図であるから、UBM構造130に作用している分配された荷重は、線分配として現れる。実際上は、分配された荷重は面積分配になる。中心に向かう方向160におけるx軸に沿う距離の関数としてのωからωまでの力の大きさの漸減は、ここでの背景技術の項で説明したエッジ効果に起因している。角点Bに対する合力Rの位置は、角点Bに関してUBM構造130に作用するモーメントMを生じさせる。角点Bは、UBM構造130の延性及び距離Lに依存して下向き且つ点Bに関するUBM構造130の不所望な旋回運動に対する回転中心(pivot point)として作用し得る。要するに、距離Lは、特に角点Aの近傍での誘電体積層物120の層間剥離又は割れなしに屈曲し且つ曲げモーメントMを受け入れることが可能な十分な延性をUBM構造130が欠如するほどには小さいであろう。
【0030】
再び図2及び4に示される例示的な実施形態を参照する。図4は破線楕円105で囲まれる図2の部分をより大きな倍率で示している。この例示的な実施形態は、図3と共に従来の半田接合UBM構造設計に併せて説明されたエッジ効果及びCTE不整合に伴う曲げモーメントの問題に対処するUBM構造75のための構成を含む。図3における図示と同様に、種々の力が明瞭に見られ得るように、図4は特許図面において通常は存在するはずの伝統的な断面ハッチングを含まない。図4は半導体チップデバイス層40の小部分、導体パッド80、誘電体積層物43、ポリマー材質層45、UBM構造75、アンダーフィル材質25、半田接合50(破線で示される)、導体パッド85、半田マスク90、及び回路板20の小部分を示していることが思い出されるべきである。尚、誘電体積層物はモノリシックであってよく又は多重層の積層物であってよい。例示的な実施形態においては、誘電体積層物は、例えば二酸化シリコン及び窒化シリコンの交互の層から構成され得る。
【0031】
図3に示される従来の形態と同様に、この例示的な実施形態は、長さLに沿って何らかの最大の大きさωから最小値ωまで変化するUBM構造75上に分配された荷重を生じさせるであろうし、ここでω及びωは単位長さあたりの力の次元にある。合力Rはx軸上の点xに位置している。分配された荷重は基板20の反り及び他のCTE効果に起因しており、またその大きさの変化は、矢印100の方向におけるx軸に沿って半導体チップの中心に向かって生じる前述のエッジ効果に起因している。図4は断面図であるから、UBM構造75に作用している分配された荷重は、線分配として現れる。実際上は、分配された荷重は面積分配になる。角点Cに対する合力Rの位置は、角点Cに関してUBM構造75に作用するモーメントMを生じさせる。しかし、UBM構造75は階段配置を伴って作製されているので、角Dでだけでなく別の角点Eでも抗される。要するに、荷重はより長い長さ従って面積にわたって分配されるので、より小さな応力並びに誘電体積層物43の層間剥離及び割れに対するより小さな可能性が結果としてもたらされる。階段配置は、ランディング(landing)163と、ランディング163から突出するライズ(rise)165と、ライズ165から延びるトレッド(tread)167と、トレッド167から突出する別のライズ169と、ライズ169から延びる別のトレッド170と、を含む。しかし、トレッドの数は3以上であってもよい。この例示的な実施形態においては、トレッド167はトレッド170よりも幅広であるが、2つのトレッド167及び170は長さが等しくてもよいし、あるいはトレッド170がトレッド167よりも幅広であってもよい。
【0032】
例示的なUBM構造75を製造するための例示的な方法は、図5、6、7、8、9及び10を参照することによって理解されるであろうし、そして最初に図5を参照する。図5は、半導体チップデバイス層40の小部分並びに導体パッド80及び誘電体積層物43を示す断面図である。尚、図5は、図2及び4に示される方位からひっくり返された半導体デバイス層40及び導体パッド80を示している。また、ここに説明される処理は、ウエハレベルで又はダイ毎ベースで行われ得ることが理解されるべきである。この段階では、導体構造80及び誘電体積層物43は既に形成されている。導体構造80は、アルミニウム、銅、銀、金、チタン、高融点金属、高融点金属化合物、これらの合金、等の種々の導電材質から構成され得る。単一の構造である代わりに、導体パッド80は、複数の金属層の積層物、例えばチタン層、ニッケル・バナジウム層及び銅層の順の積層物から構成されてもよい。別の実施形態においては、チタン層が銅層に覆われその上にニッケルの上部被覆が続いてよい。しかし、当業者であれば、多種多様な導電性材質が導体構造80のために用いられ得ることを理解するはずである。金属材質を適用するための物理的気相堆積、化学的気相堆積、めっき等の周知の技術が用いられ得る。尚、付加的な導体構造が用いられてもよい。
【0033】
誘電体積層物43は、二酸化シリコン及び窒化シリコン等の誘電体材質の交互の層から構成されてよく、また周知の化学的気相堆積(CVD)及び/若しくは酸化又は酸化技術によって形成されてよい。適切なリソグラフィマスク175が誘電体積層物43上に形成されてよく、そして導体パッド80に対して位置合わせされた適切な開口180が周知の方法によってパターニングされてよい。その後、誘電体積層物43内に開口185を生成するために、1つ以上の材質除去ステップが行われてよい。例えば、材質除去ステップは、誘電体積層物43のために選択された特定の材質に適する1つ以上のドライ及び/又はウエットエッチング処理を含んでいてよい。開口185を生成するための材質除去に次いで、灰化、溶剤剥離、等によってマスク175が剥離させられてよい。
【0034】
図6を参照すると、ポリマー層45が誘電体積層物43上に形成される。ポリマー層45は、ポリイミド、ベンゾシクロブテン等、又は窒化シリコン等の他の絶縁性材質から構成されてよく、そしてスピンコーティング、CVD又は他の技術によって堆積させられてよい。層45の適用は、典型的には誘電体積層物43内の開口185を充填することになる。後で形成されるUBM構造のための階段状配置を生成するために、誘電体積層物43内の開口185よりも幅広の開口がポリマー層45内に確立される必要がある。このことは、ポリマー層45の組成に応じて種々の方法で達成され得る。ポリマー層45としてポリイミドを利用する例示的な実施形態においては、ポリイミドには光反応性の単一又は複数の化合物が注入されてよく、またポリマー層45内の開口の所望の位置を覆うように適切な非接触マスク190が置かれてよい。次いでポリマー層45は放射195にさらされる。マスク190で覆われていないポリマー層45の部分は、現像剤溶液に不溶な状態になる。非接触マスク190は除去され、そしてポリマー層45が現像されて図7に示されるような開口200を生成する。ポリマー層45が露光及び現像により材質除去することができない場合には、適切なリソグラフィマスクが適用されると共に開口200を生成するためにエッチングが行われてよい。
【0035】
図8を参照すると、堆積、めっき又は他の材質形成技術によってUBM構造75が形成されてよい。実際上、導体構造80に関して説明したのと同じ種類の材質及び技術が、UBM構造75に対しても用いられ得る。この例示的な実施形態においては、UBM構造75は、ポリマー層45の表面にわたって銅をめっきして、その後のUBM構造75だけを残す材質除去ステップによって形成されてよい。材質除去はウエット又はドライエッチングによってなされてよい。この段階で、UBM構造75は、前述したベース163、ライズ165及び169並びにトレッド167及び170を含む。UBM構造75は下層の導体パッド80と金属学的接合を形成する。必要であれば、導体パッド80の表面が十分に露出させられてUBM構造75との金属学的接合を可能にすることを確実にするために、事前の自然酸化物除去エッチングが行われてよい。
【0036】
図9はめっき及びそのエッチング画定の後のUBM構造75の上面図である。この例示的な実施形態においては、UBM構造75は、図9に示されるように、概して八角形形状を有していてよい。ランディング163並びにトレッド167及び170が明確に見えており、またこれらは概して同じ八角形フットプリントを有していることに留意されたい。但し、実際上は八角形フットプリントの他にも任意の他の形状がUBM構造75のために設けられてよい。
【0037】
次いで図10を参照すると、図2に示される半田バンプ60になることになる半田205の堆積が模式的に示されている。図2に示される半田バンプ60を確立するために、堆積させられる半田205に関して種々の処理が用いられてよい。1つの実施形態においては、プリンティング処理が用いられてよく、プリンティング処理は、UBM構造75上へのチタンのスパッタ蒸着と、その後のニッケル・バナジウム膜のブランケットスパッタリングと、その後の銅膜のブランケットスパッタリングと、を含む。この時点では、適切なリソグラフィマスク210がポリマー層45に適用されていてよい。リソグラフィマスク210は、周知のリソグラフィ処理によって開口220を伴う形態にあってよい。次いで半田205がスクリーンプリンティング処理によって堆積させられる。代替的な例示的実施形態においては、めっき処理が用いられてよい。この際、チタン及び銅がUBM構造75及びポリマー層45上に順次ブランケットスパッタリングされてよい。次いで、図10に示されるマスク210と同様の適切なリソグラフィマスクが開口を伴って形成されてUBM構造75を露出させてよい。この段階でニッケルがUBM構造にめっきされてよく、そして半田205がニッケルにめっきされてよい。半田205のめっきの後にマスクは化学的に除去されてよく、図2に示される前述の半田バンプ60が残ることになる。
【0038】
ここに開示される任意の例示的な実施形態は、例えば半導体、磁気ディスク、光ディスク若しくは他の記憶媒体等のコンピュータ可読媒体内に置かれる命令又はコンピュータデータ信号としての命令において具現化されてよい。命令又はソフトウエアは、ここに開示される回路構成を合成し且つ/又はシミュレートすることが可能であってよい。例示的な実施形態においては、開示されている回路構成を合成するために、ケイデンス(Cadence)APD、アンコール(Encore)等の電子設計オートメーションプログラムが用いられてよい。結果として得られるコードは、開示されている回路構成を製造するために用いられてよい。
【0039】
本発明は種々の修正及び代替的な形態を許容し得る一方で、特定の実施形態が例示の目的で図示され且つここに詳細に説明されてきた。しかし、本発明は開示される特定の形態に限定されることを意図されていないことが理解されるべきである。むしろ、本発明は、以下の添付の特許請求の範囲によって画定される本発明の精神及び範囲内にある全ての修正、均等なもの及び代替案を網羅するものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体チップの第1の側上に第1の導体構造を形成することと、
前記第1の導体構造に電気的に接触し且つ半田構造に結合されるように適合させられる第2の導体構造を形成することと、を備え、
前記第2の導体構造は少なくとも2つのトレッドを有する階段配置を含む製造の方法。
【請求項2】
前記半導体チップは前記第1の導体構造を覆って配置される誘電体積層物を含み、前記方法は、前記第1の導体構造への開口を形成することと、前記開口内に前記第2の導体構造を形成することと、を備える請求項1の方法。
【請求項3】
前記第2の導体構造に半田構造を結合することを備える請求項1の方法。
【請求項4】
前記半田構造は半田バンプ及び半田接合の1つを備える請求項1の方法。
【請求項5】
前記半田構造に回路板を電気的に結合することを備える請求項1の方法。
【請求項6】
前記回路板は半導体チップパッケージ基板を備える請求項5の方法。
【請求項7】
コンピュータ可読媒体に記憶される命令を用いて前記第1及び第2の導体構造を形成することを備える請求項1の方法。
【請求項8】
前記第1の導体構造はダミーパッドを備える請求項1の方法。
【請求項9】
半導体チップを回路板に結合する方法であって、
前記半導体チップの第1の側上に位置する第1の導体構造であって少なくとも2つのトレッドを有する階段配置を含む第1の導体構造に第1の半田構造を結合することと、
前記第1の半田構造を前記回路板に結合することと、を備える方法。
【請求項10】
前記第1の半田構造は半田バンプ及び半田接合の1つを備える請求項9の方法。
【請求項11】
前記第1の半田構造を前記回路板に結合することは、前記回路板に結合されるプリ半田に前記第1の半田構造を結合することを備える請求項9の方法。
【請求項12】
前記回路板は半導体チップパッケージ基板を備える請求項9の方法。
【請求項13】
第1の側及び前記第1の側に対向する第2の側を含む半導体チップと、
前記第1の側上にあり且つ半田構造に結合されるように適合させられる第1の導体構造と、を備え、
前記第1の導体構造は少なくとも2つのトレッドを含む階段配置を有する装置。
【請求項14】
前記第1の導体構造に結合される半田構造を備える請求項13の装置。
【請求項15】
前記半田構造は半田バンプ及び半田接合の1つを備える請求項14の装置。
【請求項16】
前記半田構造に電気的に結合される回路板を備える請求項14の装置。
【請求項17】
前記回路板は半導体チップパッケージ基板を備える請求項16の装置。
【請求項18】
前記第1の導体構造に結合される前記半導体チップの第2の導体構造を備える請求項13の装置。
【請求項19】
前記第1の導体構造は入力/出力パッドを備える請求項13の装置。
【請求項20】
前記第1の導体構造はダミーパッドを備える請求項13の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2013−504862(P2013−504862A)
【公表日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−528203(P2012−528203)
【出願日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際出願番号】PCT/CA2010/001403
【国際公開番号】WO2011/029185
【国際公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【出願人】(508301087)エーティーアイ・テクノロジーズ・ユーエルシー (68)
【氏名又は名称原語表記】ATI TECHNOLOGIES ULC
【住所又は居所原語表記】One Commerce Valley Drive East, Markham, Ontario, L3T 7X6 Canada
【Fターム(参考)】