説明

集合住宅用インターホンシステム

【課題】 同一の幹線に接続されている住戸端末同士の通信が可能な集合住宅用インターホンシステムを提供する。
【解決手段】 伝送メディア変換器4は、第1のポートで信号を受信した場合、受信した信号の送信先が第1のポート側に存在する住戸端末2であれば、受信した信号を所定のレベルに復元した後に第1のポートから送信し、受信した信号の送信先が第2のポート側に存在する住戸端末であれば、受信した信号を第2のポートから送信し、ロビーインターホン1および住戸端末2は、伝送メディア変換器4から主幹線L1および分岐器5を介して信号を受信し、分岐器5および主幹線L1を介して伝送メディア変換器4に信号を送信することで互いに通信を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、集合住宅用インターホンシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
図17は、従来の一般的な集合住宅用インターホンシステムの構成の一例を示す。このような集合住宅用インターホンシステムは、集合住宅のロビー(共用玄関)にロビーインターホン装置101を設置し、集合住宅の各住戸内には住戸端末102を設置し、各住戸の玄関にはドアホン子器103を設置している。そして、ロビー玄関の来訪者は、ロビーインターホン装置101で所望の住戸内の住戸端末102を呼び出し、住戸内の家人と通話を行うことができ、また各住戸の玄関の来訪者は、ドアホン子器103で所望の住戸内の住戸端末102を呼び出し、住戸内の家人と通話を行うことができる。さらに、ロビーインターホン装置101、住戸端末102は、マイクロホンやスピーカ等の音声入出力手段だけでなく、ロビーインターホン装置101にカメラを設け、住戸端末102にモニタ画面を設けており、カメラで撮像したロビー玄関の来訪者の画像を住戸端末102のモニタ画面に表示する画像入出力手段を備えている。このとき、ロビーインターホン装置101と住戸端末102との間で授受される音声や画像の各データは、デジタル圧縮や変調処理を経て、パケット化されて伝送される(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
ロビーインターホン装置101から送信される通信パケットは、まず主幹線L1を伝わり、伝送メディア変換器104を経由して、より高速なバックボーン幹線L2に伝送される。バックボーン幹線L2には複数の伝送メディア変換器104が接続されており、通信パケットは夫々の宛先に応じて、どの伝送メディア変換器104を経由して住戸端末102に到達すべきか振り分けされる。通信パケットは、宛先に応じて振り分けされた伝送メディア変換器104を経由して再び主幹線L1に伝送される。なお、主幹線L1の終端には終端器106が接続されている。
【0004】
主幹線L1では、長距離伝送による信号ロスを補償するために、伝送メディア接続器107が挿入されている場合がある。通信パケットは、伝送メディア接続器107で中継増幅され、さらに主幹線L1のインピーダンスを低下させないようにハイインピーダンス分岐させる分岐器105を介して住戸端末102に到達する。
【特許文献1】特開2005−136478号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の集合住宅用インターホンシステムでは、住戸間通話等のように、同一の主幹線L1接続されている住戸端末102同士が通信を行おうとした場合、通信パケットは図18に示すように2つの分岐器105を経由する必要がある。しかし、通信パケットは、住戸別線L3から分岐器105を介して主幹線L1に伝達される際、および主幹線L1から分岐器105を介して住戸別線L3に伝達される際に、その信号レベルが低下してしまう。したがって、従来、同一の主幹線L1接続されている住戸端末102同士が通信を行おうとすると、2台の分岐器105を通過するために、通信パケットの信号レベルが著しく減衰して通信不可能となり、住戸端末102同士の通信ができなかった。
【0006】
本発明は、上記事由に鑑みてなされたものであり、その目的は、同一の幹線に接続されている住戸端末同士の通信が可能な集合住宅用インターホンシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明は、集合住宅の共用玄関に設置されて音声の入出力が可能な共用部装置と、集合住宅の各住戸にそれぞれ設置されて音声の入出力が可能な住戸端末と、1つ以上の共用部装置または複数の住戸端末が接続する1乃至複数の第1の幹線と、第1の幹線と各住戸端末との間に介装される分岐器と、第1,第2のポートを具備して、第1の幹線を第1のポートに接続し、第1の幹線とは通信プロトコルが異なる第2の幹線を第2のポートに接続し、第1の幹線と第2の幹線との間で通信プロトコルの変換を行う変換器とを備え、変換器は、第1のポートで信号を受信した場合、受信した信号の送信先が第1のポート側に存在する住戸端末であれば、受信した信号を所定のレベルに増幅した後に第1のポートから転送し、受信した信号の送信先が第2のポート側に存在する住戸端末であれば、受信した信号を第2のポートから転送し、住戸端末は、分岐器および第1の幹線を介して変換器に信号を送信し、変換器から第1の幹線および分岐器を介して信号を受信することで通信を行うことを特徴とする。
【0008】
この発明によれば、変換器が第1の幹線へ出力する信号の増幅処理を行ってから転送する簡単な処理で、同一の幹線に接続されている住戸端末同士の通信が可能になる。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1において、第1の幹線では、信号を最初に送信した前記住戸端末に付与されたアドレスである送り元アドレスと、現時点で当該信号を最後に送信した住戸端末または前記変換器に付与されたアドレスである送信端末アドレスと、当該信号を次に受信する住戸端末または変換器に付与されたアドレスである受信端末アドレスと、当該信号を最後に受信する住戸端末に付与されたアドレスである宛て先アドレスとを信号に付加して通信を行い、第2の幹線では、送り元アドレスと、宛て先アドレスとを信号に付加して通信を行い、変換器は、受信した信号の送り元アドレスおよび送信端末アドレスを、当該変換器が具備する第1,第2のポートのうちいずれかに対応付けた第1のアドレステーブルを作成し、住戸端末は、第1の幹線を介して接続している変換器のアドレスをデフォルトの受信端末アドレスに設定して信号を送信することを特徴とする。
【0010】
この発明によれば、変換器が第1のアドレステーブルに基づいて信号の振り分けを行うとともに、第1の幹線へ出力する信号の増幅処理を行ってから転送する簡単な処理で、同一の幹線に接続されている住戸端末同士の通信が可能になる。
【0011】
請求項3の発明は、請求項2において、前記住戸端末は、受信した信号に付加されている送り元アドレスと送信端末アドレスとが互いに異なれば、当該送信端末アドレスを、前記デフォルトの受信端末アドレスに設定することを特徴とする。
【0012】
この発明によれば、住戸端末は、常に同じデフォルトの受信端末アドレス宛に信号を送信すればよいので、動的な処理が不要となり、通信処理の簡略化を図ることができる。
【0013】
請求項4の発明は、請求項2または3において、前記変換器は、第1のポートで受信した信号の宛て先アドレスと同値の送り元アドレスが第1のアドレステーブルにおいて第1のポートに対応しておれば、受信した信号を第1のポートから転送し、第1のポートで受信した信号の宛て先アドレスと同値の送り元アドレスが第1のアドレステーブルにおいて第2のポートに対応しておれば、受信した信号を第2のポートから転送することを特徴とする。
【0014】
この発明によれば、変換器は、第1の幹線からの信号に対して第1のアドレステーブルに基づいてパケットフィルタリングを実施するため、同一幹線に接続されている住戸端末間の通信、および異なる幹線に接続されている住戸端末間の通信が可能となる。
【0015】
請求項5の発明は、請求項2乃至4いずれかにおいて、前記変換器は、第2のポートで受信した信号の宛て先アドレスと同値の送り元アドレスが第1のアドレステーブルにおいて第1のポートに対応しておれば、受信した信号を第1のポートから転送し、第2のポートで受信した信号の宛て先アドレスと同値の送り元アドレスが第1のアドレステーブルにおいて第2のポートに対応しておれば、受信した信号を破棄することを特徴とする。
【0016】
この発明によれば、変換器は、第2の幹線から受信した信号の宛て先アドレスが、第2の幹線側に対応付けられているときは、その信号を破棄するため、第2の幹線側から第1の幹線側への通信トラフィック量の抑制が可能となる。
【0017】
請求項6の発明は、請求項2乃至5いずれかにおいて、前記変換器は、第1のポート,第2のポートで受信した信号の宛て先アドレスと同値の送り元アドレスが第1のアドレステーブルにおいて第1のポート、第2のポートのいずれにも対応していなければ、受信した信号を破棄することを特徴とする。
【0018】
この発明によれば、変換器は、受信した信号の宛て先アドレスが、第1のアドレステーブルに未登録の場合、その信号を破棄するので、不要な信号を低減し、通信トラフィック量の抑制が可能となる。
【0019】
請求項7の発明は、請求項1乃至6いずれかにおいて、第1の幹線に介挿されて、前記変換器に近い側の第1の幹線を接続する第3のポート、変換器に遠い側の第1の幹線を接続する第4のポートを具備し、第3,第4のポート間を通過する信号を増幅する接続器を備え、接続器は、受信した信号の送り元アドレスおよび送信端末アドレスを、当該接続器が具備する第3,第4のポートのうちいずれかに対応付けた第2のアドレステーブルを作成することを特徴とする。
【0020】
この発明によれば、第1の幹線上での通信距離を延長するために接続器を設けた場合でも、同一の幹線に接続されている住戸端末同士の通信が可能になる。
【0021】
請求項8の発明は、請求項7において、前記接続器は、第3のポートで受信した信号の宛て先アドレスと同値の送り元アドレスが第2のアドレステーブルにおいて第3のポートに対応しておれば、受信した信号を破棄し、第3のポートで受信した信号の宛て先アドレスと同値の送り元アドレスが第2のアドレステーブルにおいて第4のポートに対応しておれば、受信した信号を第4のポートから転送し、第4のポートで受信した信号の宛て先アドレスと同値の送り元アドレスが第2のアドレステーブルにおいて第3のポートに対応しておれば、受信した信号を第3のポートから転送し、第4のポートで受信した信号の宛て先アドレスと同値の送り元アドレスが第2のアドレステーブルにおいて第4のポートに対応しておれば、受信した信号を第4のポートから転送することを特徴とする。
【0022】
この発明によれば、接続器は、第1の幹線上の信号に対して第2のアドレステーブルに基づいてパケットフィルタリングを実施するため、通信トラフィックの抑制が可能となる。
【0023】
請求項9の発明は、請求項7において、前記接続器は、第3のポートで受信した信号の宛て先アドレスと同値の送り元アドレスが第2のアドレステーブルにおいて第3のポートに対応しておれば、受信した信号を第3のポートから転送し、第3のポートで受信した信号の宛て先アドレスと同値の送り元アドレスが第2のアドレステーブルにおいて第4のポートに対応しておれば、受信した信号を第4のポートから転送し、第4のポートで受信した信号の宛て先アドレスと同値の送り元アドレスが第2のアドレステーブルにおいて第3のポートに対応しておれば、受信した信号を第3のポートから転送し、第4のポートで受信した信号の宛て先アドレスと同値の送り元アドレスが第2のアドレステーブルにおいて第4のポートに対応しておれば、受信した信号を第4のポートから転送することを特徴とする。
【0024】
この発明によれば、接続器は、第3のポート側での処理と第4のポート側での処理とが同じになるため、施工時に接続器の接続方向に注意する必要がなく、施工の簡便化を図ることができる。
【0025】
請求項10の発明は、請求項7乃至9いずれかにおいて、前記接続器は、第3のポート,第4のポートで受信した信号の宛て先アドレスと同値の送り元アドレスが第2のアドレステーブルにおいて第3のポート、第4のポートのいずれにも対応していなければ、受信した信号を破棄することを特徴とする。
【0026】
この発明によれば、接続器は、受信した信号の宛て先アドレスが、第2のアドレステーブルに未登録の場合、その信号を破棄するので、不要な信号を低減し、通信トラフィック量の抑制が可能となる。
【発明の効果】
【0027】
以上説明したように、本発明では、同一の幹線に接続されている住戸端末同士の通信が可能になるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0029】
(実施形態1)
図1は、本実施形態の集合住宅用インターホンシステムの構成を示しており、このような集合住宅用インターホンシステムは、集合住宅のロビー(共用玄関)にロビーインターホン装置1を設置し、集合住宅の各住戸内には住戸端末2を設置し、各住戸の玄関にはドアホン子器3を設置している。そして、ロビー玄関の来訪者は、ロビーインターホン装置1で所望の住戸内の住戸端末2を呼び出し、住戸内の家人と通話を行うことができ、また各住戸の玄関の来訪者は、ドアホン子器3で当該住戸内の住戸端末2を呼び出し、住戸内の家人と通話を行うことができる。さらに、ロビーインターホン装置1、住戸端末2は、マイクロホンやスピーカ等の音声入出力手段だけでなく、ロビーインターホン装置1にカメラを設け、住戸端末2にモニタ画面を設けており、カメラで撮像したロビー玄関の来訪者の画像を住戸端末2のモニタ画面に表示する画像入出力手段を備えている。このとき、ロビーインターホン装置1と住戸端末2との間で授受される音声や画像の各データは、デジタル圧縮や変調処理を経て、パケット化されて伝送される。
【0030】
ロビーインターホン装置1から送信される通信パケットは、まず主幹線L1を伝わり、伝送メディア変換器4を経由して、より高速なバックボーン幹線L2に伝送される。バックボーン幹線L2には複数の伝送メディア変換器4が接続されており、通信パケットは夫々の宛先に応じて、どの伝送メディア変換器4を経由して住戸端末2に到達すべきか振り分けされる。通信パケットは、宛先に応じて振り分けされた伝送メディア変換器4を経由して再び主幹線L1に伝送される。そして、主幹線L1のインピーダンスを低下させないようにハイインピーダンス分岐させる分岐器5を主幹線L1上に介挿して、分岐器5から住戸別線L3を各住戸の住戸端末2へ配線しており、主幹線L1上の通信パケットは、分岐器5から住戸別線L3に伝送されて住戸端末2に到達する。
【0031】
また、住戸端末2から送信された通信パケットは、住戸別線L3から分岐器5を介して主幹線L1を伝わり、伝送メディア変換器4を経由してバックボーン幹線L2に伝送され、再び伝送メディア変換器4から主幹線L1を伝わってロビーインターホン装置1に到達する。なお、主幹線L1の終端には終端器6が接続されている。
【0032】
主幹線L1での通信プロトコルは独自の伝送方式であり、主幹線L1上の通信パケットには、送り元アドレスSA(Source Address)、送信端末アドレスTA(Transmitter Address)、受信端末アドレスRA(Receiver Address)、宛て先アドレスDA(Destination Address)が含まれる。また、バックボーン幹線L2での通信プロトコルは、主幹線L1の通信よりも高速なイーサネット(登録商標)を用いており、バックボーン幹線L2上の通信パケットには、送り元アドレスSA、宛て先アドレスDAが含まれる。
【0033】
なお、送り元アドレスSAは、通信パケットを最初に送信した住戸端末2に付与されたアドレスであり、送信端末アドレスTAは、現時点で当該通信パケットを最後に送信した住戸端末2または伝送メディア変換器4に付与されたアドレスであり、受信端末アドレスRAは、当該通信パケットを次に受信する住戸端末2または伝送メディア変換器4に付与されたアドレスであり、宛て先アドレスDAは、当該通信パケットを最後に受信する住戸端末2に付与されたアドレスである。
【0034】
そして、伝送メディア変換器4は、上記2つの互いに異なる通信プロトコル間で通信パケットのプロトコル変換を行う機能を有しており、通信パケットがバックボーン幹線L2から主幹線L1へ伝達される場合には、送信端末アドレスTA、受信端末アドレスRAの各情報が通信パケットに付加され、通信パケットが主幹線L1からバックボーン幹線L2へ伝達される場合には、送信端末アドレスTA、受信端末アドレスRAの各情報が通信パケットから削除される。また、送り元アドレスSA、宛て先アドレスDAに対して変換処理は施されない。
【0035】
以下、本発明の要旨である住戸端末2同士の通信について説明する。例えば、住戸端末2aが住戸端末2bと通信を行う場合、住戸端末2aは、送り元アドレスSA[住戸端末2aのアドレス]、送信端末アドレスTA[住戸端末2aのアドレス]、受信端末アドレスRA[受信端末デフォルトアドレス]、宛て先アドレスDA[住戸端末2bのアドレス]を設定した通信パケットを送信する。
【0036】
ここで、受信端末デフォルトアドレスとは、各住戸端末2aが存在する主幹線L1に接続している伝送メディア変換器4に付与されたアドレスであり、主幹線L1側から見た当該伝送メディア変換器4の自己アドレスのことである。そして、住戸端末2aは、今までに受信した通信パケットに設定されていた送り元アドレスSAと送信端末アドレスTAとが互いに異なる場合に、この送信端末アドレスTAを受信端末デフォルトアドレスに登録し、以降のパケット送信では、受信端末アドレスRA[受信端末デフォルトアドレス]に設定して、特定の住戸端末2へのユニキャスト送信が可能となる。受信端末デフォルトアドレスが未登録の場合は、受信端末アドレスRA[FF]、宛て先アドレスDA[FF]に設定して、ブロードキャスト送信のみを行うことができる。すなわち、受信端末デフォルトアドレスとは、各住戸端末2が通信パケットを送信するときに、当該通信パケットの最初の送信先に設定される伝送メディア変換器4のアドレスのことであり、住戸端末2は、常に同じ受信端末デフォルトアドレス宛に通信パケットを送信すればよいので、動的な処理が不要となり、通信処理の簡略化を図ることができる。
【0037】
そして、伝送メディア変換器4は、図2に示すように、主幹線L1に接続するポートP21、バックボーン幹線L2に接続するポートP20を備えており、主幹線L1側から見た伝送メディア変換器4の自己アドレスが付与されている。そして、伝送メディア変換器4は、主幹線L1を伝送される通信パケットのうち、受信端末アドレスRAが自己アドレスに一致する通信パケットを受信し、バックボーン幹線L2を伝送される通信パケットは全て受信する。通信パケットを受信すると、受信した通信パケットの送り元アドレスSA,送信端末アドレスTA、受信ポートの各情報を収集し、図2に示すように、送り元アドレスSA、送信端末アドレスTA、ポート番号を互いに対応付けてブリッジアドレステーブルTB1に格納し、ブリッジアドレステーブルTB1を構築する。すなわち、ブリッジアドレステーブルTB1は、ポート番号[21]のポートP21側(主幹線L1側)に存在する住戸端末2、ポート番号[20]のポートP20側(バックボーン幹線L2側)に存在する住戸端末2を認識可能に構築され、通信パケットをその宛先に応じて振り分ける処理に用いられる。
【0038】
図3は、主幹線L1側の住戸端末2からの通信パケットを受信した場合の伝送メディア変換器4の動作を示すフローチャートであり、まず、主幹線L1側の住戸端末2からの通信パケットを、伝送メディア変換器4がポートP21を介して受信すると(S1)、受信した通信パケットに設定されている送り元アドレスSAが、ブリッジアドレステーブルTB1に登録されているか否かを判定し(S2)、当該送り元アドレスSAがブリッジアドレステーブルTB1に登録されておれば、実際に通信パケットを受信したポートのポート番号が、ブリッジアドレステーブルTB1内で当該通信パケットの送り元アドレスSAに対応するポート番号と同一か否かを判定し(S3)、同一であれば(すなわち、主幹線L1側のポートP21のポート番号[21]であれば)、ブリッジアドレステーブルTB1内のデータ追加、更新を行うことなく、ステップS6に進む。
【0039】
ステップS2において、受信した通信パケットに設定されている送り元アドレスSAが、ブリッジアドレステーブルTB1に登録されていなければ、当該送り元アドレスSAに対応する送信端末アドレスTA、ポート番号とともにブリッジアドレステーブルTB1に格納し、ブリッジアドレステーブルTB1内のデータ追加を行う(S4)。
【0040】
ステップS3において、実際に通信パケットを受信したポートのポート番号が、ブリッジアドレステーブルTB1内で当該通信パケットの送り元アドレスSAに対応するポート番号に一致しなければ、ブリッジアドレステーブルTB1内で当該通信パケットの送り元アドレスSAに対応するポート番号を、実際に通信パケットを受信したポートのポート番号に更新する(S5)。
【0041】
上記ステップS3〜S5の後、受信した通信パケットの宛て先アドレスDAに基づいて、ユニキャスト送信か否かを判定し(S6)、ユニキャスト送信であれば、受信した通信パケットの宛て先アドレスDAが、ブリッジアドレステーブルTB1内のいずれかの送り元アドレスSAに一致するか否かを判定する(S7)。受信した通信パケットの宛て先アドレスDAが、ブリッジアドレステーブルTB1内のいずれかの送り元アドレスSAに一致すれば、次にブリッジアドレステーブルTB1内の当該送り元アドレスSAに対応するポート番号を判別する(S8)。
【0042】
ポート番号の判別結果が[20]であれば、送信端末アドレスTA、受信端末アドレスRAの各情報を削除して、送り元アドレスSA、宛て先アドレスDAのみを設定した通信パケットを、その信号レベルを所定のレベルにまで増幅した後にポートP20からバックボーン幹線L2へパケット転送し(S9)、処理を終了する。
【0043】
ポート番号の判別結果が[21]であれば、ブリッジアドレステーブルTB1内の当該送り元アドレスSAに対応する送信端末アドレスTAを、通信パケットの受信端末アドレスRAに設定し(S10)、さらに伝送メディア変換器4の自己アドレスを、通信パケットの送信端末アドレスTAに設定した通信パケット(送り元アドレスSA、宛て先アドレスDAの各情報は変更なし)を、その信号レベルを所定のレベルにまで増幅した後にポートP21から主幹線L1へパケット転送し(S11)、処理を終了する。
【0044】
また、ステップS6において、受信した通信パケットの宛て先アドレスDAに基づいて、ユニキャスト送信ではなく、ブロードキャスト送信であると判定されれば、ステップS9に進んで、送信端末アドレスTA、受信端末アドレスRAの各情報を削除して、送り元アドレスSA、宛て先アドレスDAのみを設定した通信パケットを、ポートP20からバックボーン幹線L2へパケット転送して、処理を終了する。
【0045】
また、ステップS7において、受信した通信パケットの宛て先アドレスDAが、ブリッジアドレステーブルTB1内の送り元アドレスSAに一致しなければ、受信した通信パケットを破棄して(S12)、処理を終了する。
【0046】
図4は、バックボーン幹線L2側の住戸端末2からの通信パケット(すなわち、他の主幹線L1からバックボーン幹線L2を介して送信された通信パケット)を受信した場合の伝送メディア変換器4の動作を示すフローチャートであり、まず、バックボーン幹線L2側の住戸端末2からの通信パケットを、伝送メディア変換器4がポートP20を介して受信すると(S21)、受信した通信パケットに設定されている送り元アドレスSAが、ブリッジアドレステーブルTB1に登録されているか否かを判定し(S22)、当該送り元アドレスSAがブリッジアドレステーブルTB1に登録されておれば、実際に通信パケットを受信したポートのポート番号が、ブリッジアドレステーブルTB1内で当該通信パケットの送り元アドレスSAに対応するポート番号と同一か否かを判定し(S23)、同一であれば(すなわち、バックボーン幹線L2側のポートP20のポート番号[20]であれば)、ブリッジアドレステーブルTB1内のデータ追加、更新を行うことなく、ステップS26に進む。
【0047】
ステップS22において、受信した通信パケットに設定されている送り元アドレスSAが、ブリッジアドレステーブルTB1に登録されていなければ、当該送り元アドレスSAに対応するポート番号とともにブリッジアドレステーブルTB1に格納し、ブリッジアドレステーブルTB1内のデータ追加を行う(S24)。
【0048】
ステップS23において、実際に通信パケットを受信したポートのポート番号が、ブリッジアドレステーブルTB1内で当該通信パケットの送り元アドレスSAに対応するポート番号に一致しなければ、ブリッジアドレステーブルTB1内で当該通信パケットの送り元アドレスSAに対応するポート番号を、実際に通信パケットを受信したポートのポート番号に更新する(S25)。
【0049】
上記ステップS23〜S25の後、受信した通信パケットの宛て先アドレスDAに基づいて、ユニキャスト送信か否かを判定し(S26)、ユニキャスト送信であれば、受信した通信パケットの宛て先アドレスDAが、ブリッジアドレステーブルTB1内のいずれかの送り元アドレスSAに一致するか否かを判定する(S27)。受信した通信パケットの宛て先アドレスDAが、ブリッジアドレステーブルTB1内のいずれかの送り元アドレスSAに一致すれば、次にブリッジアドレステーブルTB1内の当該送り元アドレスSAに対応するポート番号を判別する(S28)。
【0050】
ポート番号の判別結果が[21]であれば、ブリッジアドレステーブルTB1内の当該送り元アドレスSAに対応する送信端末アドレスTAを、通信パケットの受信端末アドレスRAに設定し(S29)、さらに伝送メディア変換器4の自己アドレスを、通信パケットの送信端末アドレスTAに設定した通信パケット(送り元アドレスSA、宛て先アドレスDAの各情報は変更なし)を、その信号レベルを所定のレベルにまで増幅した後にポートP21から主幹線L1へパケット転送し(S30)、処理を終了する。
【0051】
ステップS26においてブロードキャスト送信であると判定された場合、ステップS27において受信した通信パケットの宛て先アドレスDAが、ブリッジアドレステーブルTB1内の送り元アドレスSAに一致しなかった場合、ステップS28においてポート番号の判別結果が[20]である場合は、受信した通信パケットを破棄して(S31)、処理を終了する。
【0052】
このように、伝送メディア変換器4は、主幹線L1からの通信パケットに対してブリッジアドレステーブルTB1に基づいてパケットフィルタリングを実施するため、同一の主幹線L1に接続されている住戸端末2間の通信、および異なる主幹線L1に接続されている住戸端末2間の通信が可能となる。また、伝送メディア変換器4は、バックボーン幹線L2から受信した通信パケットの宛て先アドレスDAが、バックボーン幹線L2側に対応付けられているときは、その通信パケットを破棄するため、バックボーン幹線L2側から主幹線L1側への通信トラフィック量の抑制が可能となる。さらに、受信した通信パケットの宛て先アドレスDAが、ブリッジアドレステーブルTB1に未登録の場合、その通信パケットを破棄するので、不要な通信パケットを低減し、通信トラフィック量のさらなる抑制が可能となる。
【0053】
次に、住戸端末2が伝送メディア変換器4を介した通信を行う際の具体的なシーケンスを図5〜図7に示す。図5は、ブリッジアドレステーブルTB1を構築する場合のシーケンスを示しており、ブリッジアドレステーブルTB1がまだ構築されていない伝送メディア変換器4の自己アドレスを[1]、ポートP21のポート番号を[21]、ポートP20のポート番号を[20]とし、通信パケットを送信する住戸端末2のアドレスを[5]とする。
【0054】
ここで、住戸端末2は、ユニキャスト通信を行う場合には受信端末アドレスRAに、受信端末デフォルトアドレスを設定する必要がある。しかし、初期状態では受信端末デフォルトアドレスが未設定であるため、ブロードキャスト通信しか行うことができず、ブロードキャスト通信時には、受信端末アドレスRA[FF]、宛て先アドレスDA[FF]を設定する。
【0055】
そして、住戸端末2が、送り元アドレスSA[5]、送信端末アドレスTA[5]、受信端末アドレスRA[FF]、宛て先アドレスDA[FF]を設定した通信パケットをブロードキャスト送信すると(S41)、ポートP21を介してこの通信パケットを受信した伝送メディア変換器4は、ブリッジアドレステーブルTB1において、送り元アドレスSA[5]、送信端末アドレスTA[5]、ポート番号[21]を互いに対応付けて格納する。すなわち、アドレス[5]を付与された住戸端末2は、ポート番号[21]のポートP21側(主幹線L1側)に存在することを認識可能になる。
【0056】
さらに、伝送メディア変換器4は、主幹線L1側の住戸端末2から受信した通信パケットに、送り元アドレスSA[5]、宛て先アドレスDA[FF]のみを設定して、ポートP20からバックボーン幹線L2へブロードキャスト送信する(S42)。そして、バックボーン幹線L2へのブロードキャスト送信の返信として、バックボーン幹線L2を介した別の主幹線L1上に存在してアドレス[10]を付与された住戸端末2から、送り元アドレスSA[10]、宛て先アドレスDA[5]のみを設定した通信パケットがユニキャストで伝達されると(S43)、ポートP20を介してこの通信パケットを受信した伝送メディア変換器4は、ブリッジアドレステーブルTB1において、送り元アドレスSA[10]、ポート番号[20]を互いに対応付けて格納する。すなわち、アドレス[10]を付与された住戸端末2は、ポート番号[20]のポートP20側(バックボーン幹線L2側)に存在することを認識可能になる。
【0057】
そして、伝送メディア変換器4は、バックボーン幹線L2側の住戸端末2から受信した通信パケットに、送り元アドレスSA[10]、送信端末アドレスTA[1]、受信端末アドレスRA[5]、宛て先アドレスDA[5]を設定し、この通信パケットの信号レベルを所定のレベルにまで増幅した後にポートP21からユニキャスト送信する(S44)。
【0058】
伝送メディア変換器4から通信パケットを受信した主幹線L1側の住戸端末2は、通信パケットに設定されている送り元アドレスSA[10]と送信端末アドレスTA[1]とが互いに異なるアドレスであることから、この送信端末アドレスTA[1]を受信端末デフォルトアドレスに登録する。すなわち、主幹線L1側の住戸端末2は、以降の通信パケットの送信時において、受信端末アドレスRAをアドレス[1]に設定するのである。
【0059】
図6は、同一の主幹線L1上の住戸端末2a,2bが互いに通信する場合のシーケンスを示しており、住戸端末2aはアドレス[5]、住戸端末2bはアドレス[6]を付与されており、住戸端末2a,2bともに、受信端末デフォルトアドレスとして伝送メディア変換器4の自己アドレス「1」を設定している。さらに、伝送メディア変換器4のブリッジアドレステーブルTB1には、住戸端末2aのアドレス[5]、および住戸端末2bのアドレス[6]が、送り元アドレスSA、送信端末アドレスTAとして、主幹線L1側のポート番号[21]に対応して格納されている。
【0060】
まず住戸端末2aが、送り元アドレスSA[5]、送信端末アドレスTA[5]、受信端末アドレスRA[1]、宛て先アドレスDA[6]を設定した通信パケットをユニキャスト送信すると(S51)、ポートP21を介してこの通信パケットを受信した伝送メディア変換器4は、ブリッジアドレステーブルTB1を参照して、受信した通信パケットの宛て先アドレスDA[6]が、ブリッジアドレステーブルTB1内のいずれかの送り元アドレスSAに一致するか否かを判定する。この場合、受信した通信パケットの宛て先アドレスDA[6]が、ブリッジアドレステーブルTB1内の送り元アドレスSA[6]に一致しており、ブリッジアドレステーブルTB1内の送り元アドレスSA[6]に対応する送信端末アドレスTA[6]を、通信パケットの受信端末アドレスRAに設定し、さらに伝送メディア変換器4aの自己アドレス[1]を、通信パケットの送信端末アドレスTAに設定した通信パケット(送り元アドレスSA[5]、送信端末アドレスTA[1]、受信端末アドレスRA[6]、宛て先アドレスDA[6])を、その信号レベルを所定のレベルにまで増幅した後にポートP21から主幹線L1へパケット転送する(S52)。アドレス[6]を付与された住戸端末2bは、受信端末アドレスRA[6]が設定されているこの通信パケットを受信する。
【0061】
上記のように住戸端末2aから住戸別線L3に送信された通信パケットは、分岐器5を介して主幹線L1に伝達されるときに、分岐器5で損失が発生して信号レベルが低下する。しかし、伝送メディア変換器4は、通信パケットを転送する際に、通信パケットの信号レベルを所定のレベルにまで増幅した後に転送しており、伝送メディア変換器4から主幹線L1に出力された通信パケットの信号レベルは、元のレベルにまで復元している。そして、通信パケットは、伝送メディア変換器4から主幹線L1に出力された後、主幹線L1から分岐器5を介して住戸端末2bが接続している住戸別線L3に伝達される際に、分岐通過する分岐器5での損失によって信号レベルの低下が再び生じるが、この1台の分岐器5による信号レベル低下のみに抑えられている。したがって、住戸端末2間の通信時に、従来では2台の分岐器5による信号レベルの低下が発生していたが、本実施形態では、1台の分岐器5による信号レベル低下に抑えられており、住戸端末2間の通信に必要な信号レベルを確保でき、住戸端末2間の通信が可能となる。
【0062】
このように、伝送メディア変換器4がアドレステーブルTB1に基づいて通信パケットの振り分けを行うとともに、主幹線L1へ出力する信号の増幅処理を行ってから転送する簡単な処理で、同一の主幹線L1に接続されている住戸端末2同士の通信が可能になるのである。
【0063】
図7は、異なる主幹線L1上の住戸端末2a,2cが互いに通信する場合のシーケンスを示しており、住戸端末2aはアドレス[5]、住戸端末2cはアドレス[7]を付与されており、住戸端末2aは、受信端末デフォルトアドレスとして伝送メディア変換器4aの自己アドレス「1」を設定し、住戸端末2cは、受信端末デフォルトアドレスとして伝送メディア変換器4cの自己アドレス「2」を設定している。さらに、伝送メディア変換器4aのブリッジアドレステーブルTB1aには、住戸端末2aのアドレス[5]が、送り元アドレスSA、送信端末アドレスTAとして、主幹線L1側のポート番号[21]に対応して格納され、住戸端末2cのアドレス[7]が、送り元アドレスSAとして、バックボーン幹線L2側のポート番号[20]に対応して格納されている。また、伝送メディア変換器4cのブリッジアドレステーブルTB1cには、住戸端末2cのアドレス[7]が、送り元アドレスSA、送信端末アドレスTAとして、主幹線L1側のポート番号[21]に対応して格納されているが、住戸端末2aの情報はまだ格納されていない。
【0064】
まず住戸端末2aが、送り元アドレスSA[5]、送信端末アドレスTA[5]、受信端末アドレスRA[1]、宛て先アドレスDA[7]を設定した通信パケットをユニキャスト送信すると(S61)、ポートP21を介してこの通信パケットを受信した伝送メディア変換器4aは、ブリッジアドレステーブルTB1aを参照して、受信した通信パケットの宛て先アドレスDA[7]が、ブリッジアドレステーブルTB1a内のいずれかの送り元アドレスSAに一致するか否かを判定する。この場合、受信した通信パケットの宛て先アドレスDA[7]が、ブリッジアドレステーブルTB1a内の送り元アドレスSA[7]に一致しており、受信した通信パケットから送信端末アドレスTA、受信端末アドレスRAの各情報を削除して、送り元アドレスSA[5]、宛て先アドレスDA[7]のみを設定した通信パケットを、その信号レベルを所定のレベルにまで増幅した後にポートP20からバックボーン幹線L2へパケット転送する(S62)。
【0065】
バックボーン幹線L2へ伝達された通信パケットをポートP20を介して受信した伝送メディア変換器4cは、ブリッジアドレステーブルTB1cを参照して、受信した通信パケットの宛て先アドレスDA[7]が、ブリッジアドレステーブルTB1c内のいずれかの送り元アドレスSAに一致するか否かを判定する。この場合、受信した通信パケットの宛て先アドレスDA[7]が、ブリッジアドレステーブルTB1c内の送り元アドレスSA[7]に一致しており、ブリッジアドレステーブルTB1c内の送り元アドレスSA[7]に対応する送信端末アドレスTA[7]を、通信パケットの受信端末アドレスRAに設定し、さらに伝送メディア変換器4cの自己アドレス[2]を、通信パケットの送信端末アドレスTAに設定した通信パケット(送り元アドレスSA[5]、送信端末アドレスTA[2]、受信端末アドレスRA[7]、宛て先アドレスDA[7])を、その信号レベルを所定のレベルにまで増幅した後にポートP21から主幹線L1へパケット転送する(S63)。アドレス[7]を付与された住戸端末2cは、受信端末アドレスRA[7]が設定されているこの通信パケットを受信する。
【0066】
また伝送メディア変換器4cは、受信した通信パケットに設定されている送り元アドレスSA[5]が、ブリッジアドレステーブルTB1cに登録されていないので、送り元アドレスSA[5]に対応するポート番号[20]とともにブリッジアドレステーブルTB1cに格納し、ブリッジアドレステーブルTB1c内のデータ追加を行う。
【0067】
次に、住戸端末2cが、送り元アドレスSA[7]、送信端末アドレスTA[7]、受信端末アドレスRA[2]、宛て先アドレスDA[5]を設定した通信パケットをユニキャスト送信すると(S64)、ポートP21を介してこの通信パケットを受信した伝送メディア変換器4cは、ブリッジアドレステーブルTB1cを参照して、受信した通信パケットの宛て先アドレスDA[5]が、ブリッジアドレステーブルTB1c内のいずれかの送り元アドレスSAに一致するか否かを判定する。この場合、受信した通信パケットの宛て先アドレスDA[5]が、ブリッジアドレステーブルTB1c内の送り元アドレスSA[5]に一致しており、受信した通信パケットから送信端末アドレスTA、受信端末アドレスRAの各情報を削除して、送り元アドレスSA[7]、宛て先アドレスDA[5]のみを設定した通信パケットを、その信号レベルを所定のレベルにまで増幅した後にポートP20からバックボーン幹線L2へパケット転送する(S65)。
【0068】
バックボーン幹線L2へ伝達された通信パケットをポートP20を介して受信した伝送メディア変換器4aは、ブリッジアドレステーブルTB1aを参照して、受信した通信パケットの宛て先アドレスDA[5]が、ブリッジアドレステーブルTB1a内のいずれかの送り元アドレスSAに一致するか否かを判定する。この場合、受信した通信パケットの宛て先アドレスDA[5]が、ブリッジアドレステーブルTB1a内の送り元アドレスSA[5]に一致しており、ブリッジアドレステーブルTB1a内の送り元アドレスSA[5]に対応する送信端末アドレスTA[5]を、通信パケットの受信端末アドレスRAに設定し、さらに伝送メディア変換器4aの自己アドレス[1]を、通信パケットの送信端末アドレスTAに設定した通信パケット(送り元アドレスSA[7]、送信端末アドレスTA[1]、受信端末アドレスRA[5]、宛て先アドレスDA[5])を、その信号レベルを所定のレベルにまで増幅した後にポートP21から主幹線L1へパケット転送する(S66)。アドレス[5]を付与された住戸端末2cは、受信端末アドレスRA[5]が設定されているこの通信パケットを受信する。
【0069】
上記のように住戸端末2a,2cから住戸別線L3に送信された各通信パケットは、分岐器5を介して主幹線L1に伝達されるときに、分岐器5で損失が発生して信号レベルが低下する。しかし、伝送メディア変換器4a,4cは、通信パケットを転送する際に、通信パケットの信号レベルを所定のレベルにまで増幅した後に転送しており、伝送メディア変換器4a,4cから主幹線L1またはバックボーン幹線L2に出力された通信パケットの信号レベルは、元のレベルにまで復元している。そして、通信パケットは、伝送メディア変換器4から主幹線L1に出力された後、主幹線L1から分岐器5を介して通信先の住戸端末2が接続している住戸別線L3に伝達される際に、分岐通過する分岐器5での損失によって信号レベルの低下が再び生じるが、この1台の分岐器5による信号レベル低下のみに抑えられている。したがって、バックボーン幹線L2を介した住戸端末2間の通信時においても、従来では2台の分岐器5による信号レベルの低下が発生していたが、本実施形態では、1台の分岐器5による信号レベル低下に抑えられており、住戸端末2間の通信に必要な信号レベルを確保でき、バックボーン幹線L2を介した住戸端末2間の通信が可能となる。
【0070】
(実施形態2)
図8は、本実施形態の集合住宅用インターホンシステムの構成を示しており、主幹線L1に伝送メディア接続器7を設けた点が実施形態1とは異なり、伝送メディア接続器7は、主幹線L1上の長距離伝送による信号ロスを補償するために設けられ、通信パケットは伝送メディア接続器7で中継増幅される。なお、実施形態1と同様の構成には同一の符号を付して説明は省略する。
【0071】
以下、本発明の要旨である住戸端末2同士の通信について説明する。
【0072】
まず、伝送メディア接続器7は、図9に示すように、伝送メディア変換器4に近い側の主幹線L1aに接続するポートP22、伝送メディア変換器4に遠い側の主幹線L1bに接続するポートP23を備えており、主幹線L1a側から見た伝送メディア接続器7の自己アドレス、主幹線L1b側から見た伝送メディア接続器7の自己アドレスの2つの自己アドレスが付与されている。そして、伝送メディア接続器7は、主幹線L1aを伝送される通信パケットのうち、受信端末アドレスRAが主幹線L1a側から見た自己アドレスに一致する通信パケットを受信し、また主幹線L1bを伝送される通信パケットのうち、受信端末アドレスRAが主幹線L1b側から見た自己アドレスに一致する通信パケットを受信する。通信パケットを受信すると、受信した通信パケットの送り元アドレスSA,送信端末アドレスTA、受信ポートの各情報を収集し、図9に示すように、送り元アドレスSA、送信端末アドレスTA、ポート番号を互いに対応付けてブリッジアドレステーブルTB2に格納し、ブリッジアドレステーブルTB2を構築する。すなわち、ブリッジアドレステーブルTB2は、ポート番号[22]のポートP22側(主幹線L1a側)に存在する住戸端末2、ポート番号[23]のポートP23側(主幹線L1b側)に存在する住戸端末2を認識可能に構築される。
【0073】
図10は、主幹線L1a側の住戸端末2からの通信パケットを受信した場合の伝送メディア接続器7の動作を示すフローチャートであり、まず、主幹線L1a側の住戸端末2からの通信パケットを、伝送メディア接続器7がポートP22を介して受信すると(S71)、受信した通信パケットに設定されている送り元アドレスSAが、ブリッジアドレステーブルTB2に登録されているか否かを判定し(S72)、当該送り元アドレスSAがブリッジアドレステーブルTB2に登録されておれば、実際に通信パケットを受信したポートのポート番号が、ブリッジアドレステーブルTB2内で当該通信パケットの送り元アドレスSAに対応するポート番号と同一か否かを判定し(S73)、同一であれば(すなわち、主幹線L1a側のポートP22のポート番号[22]であれば)、ブリッジアドレステーブルTB2内のデータ追加、更新を行うことなく、ステップS76に進む。
【0074】
ステップS72において、受信した通信パケットに設定されている送り元アドレスSAが、ブリッジアドレステーブルTB2に登録されていなければ、当該送り元アドレスSAに対応する送信端末アドレスTA、ポート番号とともにブリッジアドレステーブルTB2に格納し、ブリッジアドレステーブルTB2内のデータ追加を行う(S74)。
【0075】
ステップS73において、実際に通信パケットを受信したポートのポート番号が、ブリッジアドレステーブルTB2内で当該通信パケットの送り元アドレスSAに対応するポート番号に一致しなければ、ブリッジアドレステーブルTB2内で当該通信パケットの送り元アドレスSAに対応するポート番号を、実際に通信パケットを受信したポートのポート番号に更新する(S75)。
【0076】
上記ステップS73〜S75の後、受信した通信パケットの宛て先アドレスDAに基づいて、ユニキャスト送信か否かを判定し(S76)、ユニキャスト送信であれば、受信した通信パケットの宛て先アドレスDAが、ブリッジアドレステーブルTB2内のいずれかの送り元アドレスSAに一致するか否かを判定する(S77)。受信した通信パケットの宛て先アドレスDAが、ブリッジアドレステーブルTB2内のいずれかの送り元アドレスSAに一致すれば、ブリッジアドレステーブルTB2内の当該送り元アドレスSAに対応する送信端末アドレスTAを、通信パケットの受信端末アドレスRAに設定し(S78)、次にブリッジアドレステーブルTB2内の当該送り元アドレスSAに対応するポート番号を判別する(S79)。
【0077】
ポート番号の判別結果が[23]であれば、伝送メディア接続器7の主幹線L1b側から見た自己アドレスを、通信パケットの送信端末アドレスTAに設定した通信パケット(送り元アドレスSA、宛て先アドレスDAの各情報は変更なし)を、その信号レベルを所定のレベルにまで増幅した後にポートP23から主幹線L1bへパケット転送し(S80)、処理を終了する。
【0078】
また、ステップS77において受信した通信パケットの宛て先アドレスDAが、ブリッジアドレステーブルTB2内の送り元アドレスSAに一致しない場合、ステップS79においてポート番号の判別結果が[22]の場合は、受信した通信パケットを破棄して(S82)、処理を終了する。
【0079】
また、ステップS76において、ユニキャスト送信でなければ、受信した通信パケットの宛て先アドレスDAを、通信パケットの受信端末アドレスRAに設定してから(S81)、ステップS80に進む。
【0080】
図11は、主幹線L1b側の住戸端末2からの通信パケットを受信した場合の伝送メディア接続器7の動作を示すフローチャートであり、まず、主幹線L1b側の住戸端末2からの通信パケットを、伝送メディア接続器7がポートP23を介して受信すると(S91)、受信した通信パケットに設定されている送り元アドレスSAが、ブリッジアドレステーブルTB2に登録されているか否かを判定し(S92)、当該送り元アドレスSAがブリッジアドレステーブルTB2に登録されておれば、実際に通信パケットを受信したポートのポート番号が、ブリッジアドレステーブルTB2内で当該通信パケットの送り元アドレスSAに対応するポート番号と同一か否かを判定し(S93)、同一であれば(すなわち、主幹線L1b側のポートP23のポート番号[23]であれば)、ブリッジアドレステーブルTB2内のデータ追加、更新を行うことなく、ステップS96に進む。
【0081】
ステップS92において、受信した通信パケットに設定されている送り元アドレスSAが、ブリッジアドレステーブルTB2に登録されていなければ、当該送り元アドレスSAに対応する送信端末アドレスTA、ポート番号とともにブリッジアドレステーブルTB2に格納し、ブリッジアドレステーブルTB2内のデータ追加を行う(S94)。
【0082】
ステップS93において、実際に通信パケットを受信したポートのポート番号が、ブリッジアドレステーブルTB2内で当該通信パケットの送り元アドレスSAに対応するポート番号に一致しなければ、ブリッジアドレステーブルTB2内で当該通信パケットの送り元アドレスSAに対応するポート番号を、実際に通信パケットを受信したポートのポート番号に更新する(S95)。
【0083】
上記ステップS93〜S95の後、受信した通信パケットの宛て先アドレスDAに基づいて、ユニキャスト送信か否かを判定し(S96)、ユニキャスト送信であれば、受信した通信パケットの宛て先アドレスDAが、ブリッジアドレステーブルTB2内のいずれかの送り元アドレスSAに一致するか否かを判定する(S97)。受信した通信パケットの宛て先アドレスDAが、ブリッジアドレステーブルTB2内のいずれかの送り元アドレスSAに一致すれば、ブリッジアドレステーブルTB2内の当該送り元アドレスSAに対応する送信端末アドレスTAを、通信パケットの受信端末アドレスRAに設定し(S98)、次にブリッジアドレステーブルTB2内の当該送り元アドレスSAに対応するポート番号を判別する(S99)。
【0084】
ポート番号の判別結果が[22]であれば、伝送メディア接続器7の主幹線L1a側から見た自己アドレスを、通信パケットの送信端末アドレスTAに設定した通信パケット(送り元アドレスSA、宛て先アドレスDAの各情報は変更なし)を、その信号レベルを所定のレベルにまで増幅した後にポートP22から主幹線L1aへパケット転送し(S100)、処理を終了する。
【0085】
ポート番号の判別結果が[23]であれば、伝送メディア接続器7の主幹線L1b側から見た自己アドレスを、通信パケットの送信端末アドレスTAに設定した通信パケット(送り元アドレスSA、宛て先アドレスDAの各情報は変更なし)を、その信号レベルを所定のレベルにまで増幅した後にポートP23から主幹線L1bへパケット転送し(S101)、処理を終了する。
【0086】
また、ステップS97において受信した通信パケットの宛て先アドレスDAが、ブリッジアドレステーブルTB2内の送り元アドレスSAに一致しない場合は、受信した通信パケットを破棄して(S103)、処理を終了する。
【0087】
また、ステップS96において、ユニキャスト送信でなければ、受信した通信パケットの宛て先アドレスDAを、通信パケットの受信端末アドレスRAに設定してから(S102)、ステップS100に進む。
【0088】
このように、伝送メディア接続器7は、主幹線L1上の通信パケットに対してブリッジアドレステーブルTB2に基づいてパケットフィルタリングを実施しており、主幹線L1上での通信距離を延長するために伝送メディア接続器7を設けた場合でも、同一の主幹線L1に接続されている住戸端末2同士の通信が可能になるとともに、通信トラフィックの抑制が可能となる。また、伝送メディア接続器7は、受信した通信パケットの宛て先アドレスが、ブリッジアドレステーブルTB2に未登録の場合、その通信パケットを破棄するので、不要な通信パケットを低減し、通信トラフィック量のさらなる抑制が可能となる。
【0089】
次に、住戸端末2が伝送メディア接続器7を介した通信を行う際の具体的なシーケンスを図12〜図15に示す。図12は、伝送メディア変換器4のブリッジアドレステーブルTB1、伝送メディア接続器7のブリッジアドレステーブルTB2を構築する場合のシーケンスを示しており、ブリッジアドレステーブルTB1がまだ構築されていない伝送メディア変換器4の自己アドレスを[1]、ポートP21のポート番号を[21]、ポートP20のポート番号を[20]とし、ブリッジアドレステーブルTB2がまだ構築されていない伝送メディア接続器7の主幹線L1aから見た自己アドレスを[2]、主幹線L1bから見た自己アドレスを[3]、ポートP22のポート番号を[22]、ポートP23のポート番号を[23]とし、通信パケットを送信する主幹線L1b上の住戸端末2のアドレスを[5]とする。
【0090】
ここで、住戸端末2は、伝送メディア変換器4に遠い側の主幹線L1b上に存在しており、ユニキャスト通信を行う場合には受信端末アドレスRAに、受信端末デフォルトアドレスを設定する必要がある。しかし、初期状態では受信端末デフォルトアドレスが未設定であるため、ブロードキャスト通信しか行うことができず、ブロードキャスト通信時には、受信端末アドレスRA[FF]、宛て先アドレスDA[FF]を設定する。
【0091】
そして、住戸端末2が、送り元アドレスSA[5]、送信端末アドレスTA[5]、受信端末アドレスRA[FF]、宛て先アドレスDA[FF]を設定した通信パケットをブロードキャスト送信すると(S101)、ポートP23を介してこの通信パケットを受信した伝送メディア接続器7は、ブリッジアドレステーブルTB2において、送り元アドレスSA[5]、送信端末アドレスTA[5]、ポート番号[23]を互いに対応付けて格納する。すなわち、アドレス[5]を付与された住戸端末2は、ポート番号[23]のポートP23側(主幹線L1b側)に存在することを認識可能になる。
【0092】
さらに、伝送メディア接続器7は、主幹線L1b側の住戸端末2から受信した通信パケットの送信端末アドレスTAに、主幹線L1aから見た自己アドレス[2]を設定して、信号レベルを所定のレベルにまで増幅した後に、ポートP22から主幹線L1aへブロードキャスト送信する(S102)。
【0093】
そして、ポートP21を介してこの通信パケットを受信した伝送メディア変換器4は、ブリッジアドレステーブルTB1において、送り元アドレスSA[5]、送信端末アドレスTA[2]、ポート番号[21]を互いに対応付けて格納する。すなわち、アドレス[5]を付与された住戸端末2は、ポート番号[21]のポートP21側(主幹線L1a側)に存在することを認識可能になる。
【0094】
さらに、伝送メディア接続器4は、主幹線L1a側の伝送メディア接続器7から受信した通信パケットに、送り元アドレスSA[5]、宛て先アドレスDA[FF]のみを設定して、その信号レベルを所定のレベルにまで増幅した後にポートP20からバックボーン幹線L2へブロードキャスト送信する(S103)。
【0095】
そして、バックボーン幹線L2へのブロードキャスト送信の返信として、バックボーン幹線L2を介した別の主幹線L1上に存在してアドレス[10]を付与された住戸端末2から、送り元アドレスSA[10]、宛て先アドレスDA[5]のみを設定した通信パケットがユニキャストで伝達されると(S104)、ポートP20を介してこの通信パケットを受信した伝送メディア変換器4は、ブリッジアドレステーブルTB1において、送り元アドレスSA[10]、ポート番号[20]を互いに対応付けて格納する。すなわち、アドレス[10]を付与された住戸端末2は、ポート番号[20]のポートP20側(バックボーン幹線L2側)に存在することを認識可能になる。
【0096】
次に、伝送メディア変換器4は、バックボーン幹線L2側の住戸端末2から受信した通信パケットに、送り元アドレスSA[10]、送信端末アドレスTA[1]、受信端末アドレスRA[2]、宛て先アドレスDA[5]を設定し、この通信パケットの信号レベルを所定のレベルにまで増幅した後にポートP21からユニキャスト送信する(S105)。
【0097】
伝送メディア変換器4からの通信パケットをポートP22を介して受信した伝送メディア接続器7は、ブリッジアドレステーブルTB2において、送り元アドレスSA[10]、送信端末アドレスTA[1]、ポート番号[22]を互いに対応付けて格納する。すなわち、アドレス[10]を付与された住戸端末2は、ポート番号[22]のポートP22側(主幹線L1a側)に存在することを認識可能になる。
【0098】
次に、伝送メディア接続器7は、主幹線L1a側の伝送メディア変換器4から受信した通信パケットに、送り元アドレスSA[10]、送信端末アドレスTA[3]、受信端末アドレスRA[5]、宛て先アドレスDA[5]を設定し、この通信パケットの信号レベルを所定のレベルにまで増幅した後にポートP23からユニキャスト送信する(S106)。
【0099】
伝送メディア接続器7から通信パケットを受信した主幹線L1b上の住戸端末2は、通信パケットに設定されている送り元アドレスSA[10]と送信端末アドレスTA[3]とが互いに異なるアドレスであることから、この送信端末アドレスTA[3]を受信端末デフォルトアドレスに登録する。すなわち、主幹線L1b上の住戸端末2は、以降の通信パケットの送信時において、受信端末アドレスRAをアドレス[3]に設定するのである。
【0100】
図13は、同一の主幹線L1b上の住戸端末2a,2bが互いに通信する場合のシーケンスを示しており、住戸端末2aはアドレス[5]、住戸端末2bはアドレス[6]を付与されており、住戸端末2a,2bともに、受信端末デフォルトアドレスとして伝送メディア接続器7の主幹線L1bから見た自己アドレス「3」を設定している。また、伝送メディア変換器4のブリッジアドレステーブルTB1には、住戸端末2aのアドレス[5]、伝送メディア接続器7の主幹線L1aから見た自己アドレス[2]が、送り元アドレスSA、送信端末アドレスTAとして、主幹線L1a側のポート番号[21]に対応して格納されている。さらに、伝送メディア接続器7のブリッジアドレステーブルTB2には、住戸端末2aのアドレス[5]、および住戸端末2bのアドレス[6]が、送り元アドレスSA、送信端末アドレスTAとして、主幹線L1b側のポート番号[23]に対応して格納されている。
【0101】
まず住戸端末2aが、送り元アドレスSA[5]、送信端末アドレスTA[5]、受信端末アドレスRA[3]、宛て先アドレスDA[6]を設定した通信パケットをユニキャスト送信すると(S111)、ポートP23を介してこの通信パケットを受信した伝送メディア接続器7は、ブリッジアドレステーブルTB2を参照して、受信した通信パケットの宛て先アドレスDA[6]が、ブリッジアドレステーブルTB2内のいずれかの送り元アドレスSAに一致するか否かを判定する。この場合、受信した通信パケットの宛て先アドレスDA[6]が、ブリッジアドレステーブルTB2内の送り元アドレスSA[6]に一致しており、ブリッジアドレステーブルTB2内の送り元アドレスSA[6]に対応する送信端末アドレスTA[6]を、通信パケットの受信端末アドレスRAに設定し、さらに伝送メディア接続器7の主幹線L1bから見た自己アドレス[3]を、通信パケットの送信端末アドレスTAに設定した通信パケット(送り元アドレスSA[5]、送信端末アドレスTA[3]、受信端末アドレスRA[6]、宛て先アドレスDA[6])を、その信号レベルを所定のレベルにまで増幅した後にポートP23から主幹線L1bへパケット転送する(S112)。アドレス[6]を付与された住戸端末2bは、受信端末アドレスRA[6]が設定されているこの通信パケットを受信する。
【0102】
上記のように住戸端末2aから住戸別線L3に送信された通信パケットは、分岐器5を介して主幹線L1bに伝達されるときに、分岐器5で損失が発生して信号レベルが低下する。しかし、伝送メディア接続器7は、通信パケットを転送する際に、通信パケットの信号レベルを所定のレベルにまで増幅した後に転送しており、伝送メディア接続器7から主幹線L1bに出力された通信パケットの信号レベルは、元のレベルにまで復元している。そして、通信パケットは、伝送メディア接続器7から主幹線L1bに出力された後、主幹線L1bから分岐器5を介して通信先の住戸端末2bが接続している住戸別線L3に伝達される際に、分岐通過する分岐器5での損失によって信号レベルの低下が再び生じるが、この1台の分岐器5による信号レベル低下のみに抑えられている。したがって、住戸端末2間の通信時に、従来では2台の分岐器5による信号レベルの低下が発生していたが、本実施形態では、1台の分岐器5による信号レベル低下に抑えられており、住戸端末2間の通信に必要な信号レベルを確保でき、住戸端末2間の通信が可能となる。
【0103】
図14は、主幹線L1b上の住戸端末2aから主幹線L1a上の住戸端末2cへパケット送信する場合のシーケンスを示しており、住戸端末2aはアドレス[5]、住戸端末2cはアドレス[6]を付与されており、住戸端末2aは、受信端末デフォルトアドレスとして伝送メディア接続器7の主幹線1bから見た自己アドレス「3」を設定し、住戸端末2cは、受信端末デフォルトアドレスとして伝送メディア変換器4の自己アドレス「1」を設定している。また、伝送メディア変換器4のブリッジアドレステーブルTB1には、住戸端末2aのアドレス[5]、伝送メディア接続器7の主幹線L1aから見た自己アドレス[2]が、送り元アドレスSA、送信端末アドレスTAとして、主幹線L1a側のポート番号[21]に対応して格納され、住戸端末2cのアドレス[6]が、送り元アドレスSA、送信端末アドレスTAとして、主幹線L1a側のポート番号[21]に対応して格納されている。さらに、伝送メディア接続器7のブリッジアドレステーブルTB2には、住戸端末2aのアドレス[5]が、送り元アドレスSA、送信端末アドレスTAとして、主幹線L1b側のポート番号[23]に対応して格納され、住戸端末2cのアドレス[6]、伝送メディア変換器4の自己アドレス[1]が、送り元アドレスSA、送信端末アドレスTAとして、主幹線L1a側のポート番号[22]に対応して格納されている。
【0104】
まず住戸端末2aが、送り元アドレスSA[5]、送信端末アドレスTA[5]、受信端末アドレスRA[3]、宛て先アドレスDA[6]を設定した通信パケットをユニキャスト送信すると(S121)、ポートP23を介してこの通信パケットを受信した伝送メディア接続器7は、ブリッジアドレステーブルTB2を参照して、受信した通信パケットの宛て先アドレスDA[6]が、ブリッジアドレステーブルTB2内のいずれかの送り元アドレスSAに一致するか否かを判定する。この場合、受信した通信パケットの宛て先アドレスDA[6]が、ブリッジアドレステーブルTB2内の送り元アドレスSA[6]に一致しており、ブリッジアドレステーブルTB2内の送り元アドレスSA[6]に対応する送信端末アドレスTA[1]を、通信パケットの受信端末アドレスRAに設定し、さらに伝送メディア接続器7の主幹線L1aから見た自己アドレス[2]を、通信パケットの送信端末アドレスTAに設定した通信パケット(送り元アドレスSA[5]、送信端末アドレスTA[2]、受信端末アドレスRA[1]、宛て先アドレスDA[6])を、その信号レベルを所定のレベルにまで増幅した後にポートP22から主幹線L1aへパケット転送する(S122)。
【0105】
アドレス[1]を付与された伝送メディア変換器4は、受信端末アドレスRA[1]が設定されているこの通信パケットをポートP21を介して受信する。そして、伝送メディア変換器4は、ブリッジアドレステーブルTB1を参照して、受信した通信パケットの宛て先アドレスDA[6]が、ブリッジアドレステーブルTB1内のいずれかの送り元アドレスSAに一致するか否かを判定する。この場合、受信した通信パケットの宛て先アドレスDA[6]が、ブリッジアドレステーブルTB1内の送り元アドレスSA[6]に一致しており、ブリッジアドレステーブルTB1内の送り元アドレスSA[6]に対応する送信端末アドレスTA[6]を、通信パケットの受信端末アドレスRAに設定し、さらに伝送メディア変換器4の自己アドレス[1]を、通信パケットの送信端末アドレスTAに設定した通信パケット(送り元アドレスSA[5]、送信端末アドレスTA[1]、受信端末アドレスRA[6]、宛て先アドレスDA[6])を、その信号レベルを所定のレベルにまで増幅した後にポートP21から主幹線L1aへパケット転送する(S123)。アドレス[6]を付与された住戸端末2cは、受信端末アドレスRA[6]が設定されているこの通信パケットを受信する。
【0106】
上記のように住戸端末2aから住戸別線L3に送信された通信パケットは、分岐器5を介して主幹線L1bに伝達されるときに、分岐器5で損失が発生して信号レベルが低下する。しかし、伝送メディア変換器4,伝送メディア接続器7は、通信パケットを転送する際に、通信パケットの信号レベルを所定のレベルにまで増幅した後に転送しており、伝送メディア変換器4,伝送メディア接続器7から出力された通信パケットの信号レベルは、元のレベルにまで復元している。そして、通信パケットは、伝送メディア変換器4から主幹線L1aに出力された後、主幹線L1aから分岐器5を介して通信先の住戸端末2cが接続している住戸別線L3に伝達される際に、分岐通過する分岐器5での損失によって信号レベルの低下が再び生じるが、この1台の分岐器5による信号レベル低下のみに抑えられている。したがって、伝送メディア変換器4および伝送メディア接続器7を介した住戸端末2間の通信時においても、従来では2台の分岐器5による信号レベルの低下が発生していたが、本実施形態では、1台の分岐器5による信号レベル低下に抑えられており、住戸端末2間の通信に必要な信号レベルを確保でき、伝送メディア変換器4および伝送メディア接続器7を介した住戸端末2間の通信が可能となる。
【0107】
図15は、主幹線L1a上の住戸端末2cから主幹線L1b上の住戸端末2aへパケット送信する場合のシーケンスを示しており、まず住戸端末2cが、送り元アドレスSA[6]、送信端末アドレスTA[6]、受信端末アドレスRA[1]、宛て先アドレスDA[5]を設定した通信パケットをユニキャスト送信すると(S131)、ポートP21を介してこの通信パケットを受信した伝送メディア変換器4は、ブリッジアドレステーブルTB1を参照して、受信した通信パケットの宛て先アドレスDA[5]が、ブリッジアドレステーブルTB1内のいずれかの送り元アドレスSAに一致するか否かを判定する。この場合、受信した通信パケットの宛て先アドレスDA[5]が、ブリッジアドレステーブルTB1内の送り元アドレスSA[5]に一致しており、ブリッジアドレステーブルTB1内の送り元アドレスSA[5]に対応する送信端末アドレスTA[2]を、通信パケットの受信端末アドレスRAに設定し、さらに伝送メディア変換器4の自己アドレス[1]を、通信パケットの送信端末アドレスTAに設定した通信パケット(送り元アドレスSA[6]、送信端末アドレスTA[1]、受信端末アドレスRA[2]、宛て先アドレスDA[5])を、その信号レベルを所定のレベルにまで増幅した後にポートP21から主幹線L1aへパケット転送する(S132)。
【0108】
主幹線L1aから見た自己アドレス[2]を付与された伝送メディア接続器7は、受信端末アドレスRA[2]が設定されているこの通信パケットをポートP22を介して受信する。そして、伝送メディア接続器7は、ブリッジアドレステーブルTB2を参照して、受信した通信パケットの宛て先アドレスDA[5]が、ブリッジアドレステーブルTB2内のいずれかの送り元アドレスSAに一致するか否かを判定する。この場合、受信した通信パケットの宛て先アドレスDA[5]が、ブリッジアドレステーブルTB2内の送り元アドレスSA[5]に一致しており、ブリッジアドレステーブルTB2内の送り元アドレスSA[5]に対応する送信端末アドレスTA[5]を、通信パケットの受信端末アドレスRAに設定し、さらに伝送メディア接続器7の主幹線L1bから見た自己アドレス[3]を、通信パケットの送信端末アドレスTAに設定した通信パケット(送り元アドレスSA[6]、送信端末アドレスTA[3]、受信端末アドレスRA[5]、宛て先アドレスDA[5])を、その信号レベルを所定のレベルにまで増幅した後にポートP23から主幹線L1bへパケット転送する(S133)。アドレス[5]を付与された住戸端末2aは、受信端末アドレスRA[5]が設定されているこの通信パケットを受信する。
【0109】
上記のように住戸端末2cから住戸別線L3に送信された通信パケットは、分岐器5を介して主幹線L1aに伝達されるときに、分岐器5で損失が発生して信号レベルが低下する。しかし、伝送メディア変換器4,伝送メディア接続器7は、通信パケットを転送する際に、通信パケットの信号レベルを所定のレベルにまで増幅した後に転送しており、伝送メディア変換器4,伝送メディア接続器7から出力された通信パケットの信号レベルは、元のレベルにまで復元している。そして、通信パケットは、伝送メディア接続器7から主幹線L1bに出力された後、主幹線L1bから分岐器5を介して通信先の住戸端末2aが接続している住戸別線L3に伝達される際に、分岐通過する分岐器5での損失によって信号レベルの低下が再び生じるが、この1台の分岐器5による信号レベル低下のみに抑えられている。したがって、伝送メディア変換器4および伝送メディア接続器7を介した住戸端末2間の通信時においても、従来では2台の分岐器5による信号レベルの低下が発生していたが、本実施形態では、1台の分岐器5による信号レベル低下に抑えられており、住戸端末2間の通信に必要な信号レベルを確保でき、伝送メディア変換器4および伝送メディア接続器7を介した住戸端末2間の通信が可能となる。
【0110】
(実施形態3)
本実施形態の集合住宅用インターホンシステムは、実施形態2と同様の構成を備えるが、伝送メディア接続器7が主幹線L1a側の住戸端末2から通信パケットを受信した場合の動作が実施形態2における動作(図10参照)とは異なるものである。
【0111】
図16は、本実施形態において伝送メディア接続器7が主幹線L1a側の住戸端末2から通信パケットを受信した場合の動作を示す。そして、実施形態2と同様のステップS71〜S75の後、受信した通信パケットの宛て先アドレスDAに基づいて、ユニキャスト送信か否かを判定し(S76)、ユニキャスト送信であれば、受信した通信パケットの宛て先アドレスDAが、ブリッジアドレステーブルTB2内のいずれかの送り元アドレスSAに一致するか否かを判定する(S77)。受信した通信パケットの宛て先アドレスDAが、ブリッジアドレステーブルTB2内のいずれかの送り元アドレスSAに一致すれば、ブリッジアドレステーブルTB2内の当該送り元アドレスSAに対応する送信端末アドレスTAを、通信パケットの受信端末アドレスRAに設定し(S78)、次にブリッジアドレステーブルTB2内の当該送り元アドレスSAに対応するポート番号を判別する(S79)。
【0112】
そして、ステップS79においてポート番号の判別結果が[22]の場合、実施形態2では受信した通信パケットを破棄していたが、本実施形態では受信した通信パケットを破棄することなく、伝送メディア接続器7の主幹線L1a側から見た自己アドレスを、通信パケットの送信端末アドレスTAに設定した通信パケット(送り元アドレスSA、宛て先アドレスDAの各情報は変更なし)を、その信号レベルを所定のレベルにまで増幅した後にポートP22から主幹線L1aへパケット転送する(S83)。なお、正常なシステムでは、伝送メディア接続器7が主幹線L1a側の住戸端末2から通信パケットを受信した場合に、通信パケットを主幹線L1a側へ転送することは運用上ありえないことであり、上記ステップS83へ進むことはないが、本実施形態には以下のような利点がある。
【0113】
本実施形態では、主幹線L1a側の住戸端末2からの通信パケットを受信した場合の伝送メディア接続器7の動作を、図11に示される主幹線L1b側の住戸端末2からの通信パケットを受信した場合の伝送メディア接続器7の動作と同様にすることによって、伝送メディア接続器7のポートP22側の動作と、ポートP23側の動作とを区別する必要がない。したがって、伝送メディア接続器7は、ポートP22側での処理とポートP23側での処理とが同じになるため、施工時において接続方向に注意する必要がなく、施工の簡便化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0114】
【図1】実施形態1の集合住宅用インターホンシステムの構成を示す図である。
【図2】同上の伝送メディア変換器を示す図である。
【図3】同上の伝送メディア変換器の動作フローチャートを示す図である。
【図4】同上の伝送メディア変換器の動作フローチャートを示す図である。
【図5】同上のブリッジアドレステーブル構築時のシーケンスを示す図である。
【図6】同上の住戸端末同士による通信時のシーケンスを示す図である。
【図7】同上の住戸端末同士による通信時のシーケンスを示す図である。
【図8】実施形態2の集合住宅用インターホンシステムの構成を示す図である。
【図9】同上の伝送メディア接続器を示す図である。
【図10】同上の伝送メディア接続器の動作フローチャートを示す図である。
【図11】同上の伝送メディア接続器の動作フローチャートを示す図である。
【図12】同上のブリッジアドレステーブル構築時のシーケンスを示す図である。
【図13】同上の住戸端末同士による通信時のシーケンスを示す図である。
【図14】同上の住戸端末同士による通信時のシーケンスを示す図である。
【図15】同上の住戸端末同士による通信時のシーケンスを示す図である。
【図16】実施形態3の伝送メディア接続器の動作フローチャートを示す図である。
【図17】従来の集合住宅用インターホンシステムの構成を示す図である。
【図18】同上の住戸端末同士による通信を示す図である。
【符号の説明】
【0115】
1 ロビーインターホン
2 住戸端末
3 ドアホン子器
4 伝送メディア変換器
5 分岐器
6 終端器
L1 主幹線
L2 バックボーン幹線
L3 住戸別線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
集合住宅の共用玄関に設置されて音声の入出力が可能な共用部装置と、
集合住宅の各住戸にそれぞれ設置されて音声の入出力が可能な住戸端末と、
1つ以上の共用部装置または複数の住戸端末が接続する1乃至複数の第1の幹線と、
第1の幹線と各住戸端末との間に介装される分岐器と、
第1,第2のポートを具備して、第1の幹線を第1のポートに接続し、第1の幹線とは通信プロトコルが異なる第2の幹線を第2のポートに接続し、第1の幹線と第2の幹線との間で通信プロトコルの変換を行う変換器とを備え、
変換器は、第1のポートで信号を受信した場合、受信した信号の送信先が第1のポート側に存在する住戸端末であれば、受信した信号を所定のレベルに増幅した後に第1のポートから転送し、受信した信号の送信先が第2のポート側に存在する住戸端末であれば、受信した信号を第2のポートから転送し、
住戸端末は、分岐器および第1の幹線を介して変換器に信号を送信し、変換器から第1の幹線および分岐器を介して信号を受信することで通信を行う
ことを特徴とする集合住宅用インターホンシステム。
【請求項2】
第1の幹線では、信号を最初に送信した前記住戸端末に付与されたアドレスである送り元アドレスと、現時点で当該信号を最後に送信した住戸端末または前記変換器に付与されたアドレスである送信端末アドレスと、当該信号を次に受信する住戸端末または変換器に付与されたアドレスである受信端末アドレスと、当該信号を最後に受信する住戸端末に付与されたアドレスである宛て先アドレスとを信号に付加して通信を行い、
第2の幹線では、送り元アドレスと、宛て先アドレスとを信号に付加して通信を行い、
変換器は、受信した信号の送り元アドレスおよび送信端末アドレスを、当該変換器が具備する第1,第2のポートのうちいずれかに対応付けた第1のアドレステーブルを作成し、
住戸端末は、第1の幹線を介して接続している変換器のアドレスをデフォルトの受信端末アドレスに設定して信号を送信する
ことを特徴とする請求項1記載の集合住宅用インターホンシステム。
【請求項3】
前記住戸端末は、受信した信号に付加されている送り元アドレスと送信端末アドレスとが互いに異なれば、当該送信端末アドレスを、前記デフォルトの受信端末アドレスに設定することを特徴とする請求項2記載の集合住宅用インターホンシステム。
【請求項4】
前記変換器は、第1のポートで受信した信号の宛て先アドレスと同値の送り元アドレスが第1のアドレステーブルにおいて第1のポートに対応しておれば、受信した信号を第1のポートから転送し、第1のポートで受信した信号の宛て先アドレスと同値の送り元アドレスが第1のアドレステーブルにおいて第2のポートに対応しておれば、受信した信号を第2のポートから転送することを特徴とする請求項2または3記載の集合住宅用インターホンシステム。
【請求項5】
前記変換器は、第2のポートで受信した信号の宛て先アドレスと同値の送り元アドレスが第1のアドレステーブルにおいて第1のポートに対応しておれば、受信した信号を第1のポートから転送し、第2のポートで受信した信号の宛て先アドレスと同値の送り元アドレスが第1のアドレステーブルにおいて第2のポートに対応しておれば、受信した信号を破棄することを特徴とする請求項2乃至4いずれか記載の集合住宅用インターホンシステム。
【請求項6】
前記変換器は、第1のポート,第2のポートで受信した信号の宛て先アドレスと同値の送り元アドレスが第1のアドレステーブルにおいて第1のポート、第2のポートのいずれにも対応していなければ、受信した信号を破棄することを特徴とする請求項2乃至5いずれか記載の集合住宅用インターホンシステム。
【請求項7】
第1の幹線に介挿されて、前記変換器に近い側の第1の幹線を接続する第3のポート、変換器に遠い側の第1の幹線を接続する第4のポートを具備し、第3,第4のポート間を通過する信号を増幅する接続器を備え、
接続器は、受信した信号の送り元アドレスおよび送信端末アドレスを、当該接続器が具備する第3,第4のポートのうちいずれかに対応付けた第2のアドレステーブルを作成する
ことを特徴とする請求項1乃至6いずれか記載の集合住宅用インターホンシステム。
【請求項8】
前記接続器は、第3のポートで受信した信号の宛て先アドレスと同値の送り元アドレスが第2のアドレステーブルにおいて第3のポートに対応しておれば、受信した信号を破棄し、第3のポートで受信した信号の宛て先アドレスと同値の送り元アドレスが第2のアドレステーブルにおいて第4のポートに対応しておれば、受信した信号を第4のポートから転送し、第4のポートで受信した信号の宛て先アドレスと同値の送り元アドレスが第2のアドレステーブルにおいて第3のポートに対応しておれば、受信した信号を第3のポートから転送し、第4のポートで受信した信号の宛て先アドレスと同値の送り元アドレスが第2のアドレステーブルにおいて第4のポートに対応しておれば、受信した信号を第4のポートから転送することを特徴とする請求項7記載の集合住宅用インターホンシステム。
【請求項9】
前記接続器は、第3のポートで受信した信号の宛て先アドレスと同値の送り元アドレスが第2のアドレステーブルにおいて第3のポートに対応しておれば、受信した信号を第3のポートから転送し、第3のポートで受信した信号の宛て先アドレスと同値の送り元アドレスが第2のアドレステーブルにおいて第4のポートに対応しておれば、受信した信号を第4のポートから転送し、第4のポートで受信した信号の宛て先アドレスと同値の送り元アドレスが第2のアドレステーブルにおいて第3のポートに対応しておれば、受信した信号を第3のポートから転送し、第4のポートで受信した信号の宛て先アドレスと同値の送り元アドレスが第2のアドレステーブルにおいて第4のポートに対応しておれば、受信した信号を第4のポートから転送することを特徴とする請求項7記載の集合住宅用インターホンシステム。
【請求項10】
前記接続器は、第3のポート,第4のポートで受信した信号の宛て先アドレスと同値の送り元アドレスが第2のアドレステーブルにおいて第3のポート、第4のポートのいずれにも対応していなければ、受信した信号を破棄することを特徴とする請求項7乃至9いずれか記載の集合住宅用インターホンシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2010−28771(P2010−28771A)
【公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−191291(P2008−191291)
【出願日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】