説明

集積回路リードフレームグリッド製造用の鉄ニッケル合金ストリップ

【課題】寸法安定性と折り曲げ性とを改善した、鉄ニッケル合金のストリップを提供する。
【解決手段】32≦Co+Ni≦45重量%、0≦Co≦6.5重量%、0≦Cr≦6.5重量%、Cu≦3重量%、Si≦0.5重量%、Mn≦0.75重量%を含み、残りが鉄と、製錬により生じた不可避の不純物とであり、その微細構造が、再結晶体積率3%〜97%、および厚み0.5mm未満である、鉄ニッケル合金ストリップ、およびそれを用いた集積回路リードフレーム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スタティックメモリ、ダイナミックメモリまたはプログラマブルメモリ、およびマイクロプロセッサ等の広範な電子部品における集積回路リードフレーム(仏語でsupport)グリッドの製造のために特に使用可能な鉄ニッケル合金ストリップに関する。
【背景技術】
【0002】
電子部品は、特に集積回路の接続端子を形成するためのグリッドにシリコンチップをエッチングおよび貼り合わせて製造される集積回路を含む。これらのグリッドを構成する合金は、「電子チップ」と名づけられたシリコンチップと適合可能な多数の特性を持ち、良好な条件で電子部品を製造可能でなければならない。特に、合金の熱膨張率をシリコンの熱膨張率よりもわずかに高くして、電子部品の製造方法における熱サイクルの冷却時に、また電子部品の使用中に、電子部品を圧縮保持し、強い機械応力が出ないようにしなければならない。
【0003】
さらに、合金は、機械強度Rmを十分に大きくして、自動装置による操作時に接続端子が変形しないようにしなければならない。一方では、また、良好な成形性を備えなければならず、すなわち、全体の伸張が5%より大きいことを特徴とする十分な伸張性を有するとともに、弾性限界Rp0.2%とヤング率Eとの比率を十分に小さくして、端子の折り曲げ時の弾性的な戻りを少なくすることが必要である。これらの特徴全体によって、成形時の端子のあらゆる損傷を回避できる。
【0004】
さらに、得られたストリップならびに製造された端子は、カット後だけでなく、製造方法のさまざまな熱サイクルに沿ってずっと、またその使用中にも、できるだけ大きな寸法安定性を有することが必要である。
【0005】
このような寸法安定性は、グリッドの内部および外部の端子を同一平面上におくためにストリップの残留ひずみを小さくするだけでなく、電子部品の製造に使用される熱処理時の収縮を少なくする段階を経る。そのため、4分間に500℃の加熱サイクルを受ける長さ180mmのストリップの収縮値は、いかなる場合も15μmを超えてはならず、すなわち、変形λrは8・10−3%未満とし、最も厳密な電子部品に対して、好適には4・10−3%未満としなければならない。
【0006】
一般に、集積回路リードフレームグリッドは、約41%のニッケルを含む鉄ニッケル合金であるN42(登録商標)合金で製造される。使用されるストリップは、中間の再結晶焼きなましを伴う一連の冷間圧延操作を含む標準的な製造方法により得られ、最終操作は、冷間加工率(すなわち厚み減少率)によって機械的な特徴、特に、製造されるグリッドの機械強度Rmを調整可能な、冷間圧延である。しかし、得られたストリップの特性は、折り曲げ性だけでなく寸法安定性に関して、また特に収縮に関して不十分である。実際、よく観察される収縮は、40・10−3%にまで及ぶことがあり、6・10−3%未満にはならない。
【0007】
上記の不都合を解消するために、再結晶温度よりもずっと低い温度で応力除去と呼ばれる最終的な追加熱処理を行ったストリップを使用することが通常行われており、これによって、機械強度を著しく下げることなく残留ひずみと収縮とを低減している。しかし、この処理では、収縮を5・10−3%未満に減らすことはできず、また、残留ひずみ全体を低減することはできないので、最も厳しい用途専用のグリッドの場合に寸法安定性の問題が出てくる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、本発明の目的は、集積回路リードフレームグリッドの製造にいっそう適していて、特に従来技術の解決方法に比べて寸法安定性と折り曲げ性とを改善した、鉄ニッケル合金のストリップを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
このため、本発明の第一の目的は、
32≦Co+Ni≦45重量%
0≦Co≦6.5重量%
0≦Cr≦6.5重量%
Cu≦3重量%
Si≦0.5重量%
Mn≦0.75重量%
を含み、残りが、鉄と、製錬により生じた不可避の不純物とであり、その微細構造が、再結晶体積率3%〜97%、厚み0.5mm未満である、鉄ニッケル合金ストリップから構成される。
【0010】
実際、発明者は、このような微細構造が、意外にも、提起された各種の技術的な問題全体を解決できることを確認した。
【0011】
本発明による合金ストリップは、さらに、単独または組み合わせにより選択される以下のような任意の特徴の一つを含むことができる。
【0012】
−上記微細構造は、薄膜上で透過型電子顕微鏡(MET)により観察可能な最大粒径20μmの完全には再結晶されていない粒子を含む。
【0013】
−ストリップの機械強度Rmが540MPa〜755MPaである。
【0014】
−ストリップの機械強度Rmが540MPa〜600MPaであり、再結晶体積率が3%〜97%で、好適には45%〜95%である。
【0015】
−ストリップの機械強度Rmが620MPa〜755MPaであり、再結晶体積率が3%〜70%、好適には40%〜70%である。
【0016】
−ストリップの収縮が、500℃で4分間の試験後、4・10−3%以下であり、好適には3・10−3%以下である。
【0017】
本発明の第二の目的は、本発明による鉄ニッケル合金ストリップの製造方法からなり、この方法によれば、次のような連続操作を実施する。
【0018】
32≦Co+Ni≦45重量%
0≦Co≦6.5重量%
0≦Cr≦6.5重量%
Cu≦3重量%
Si≦0.5重量%
Mn≦0.75重量%
を含み、残りが、鉄と、製錬により生じた不可避の不純物とである、鉄ニッケル合金のインゴット、ビレット、またはスラブを供給する操作と、
熱間加工してストリップを得るための操作と、
第一の冷間圧延操作でストリップを冷却してから、場合によっては、全面的に再結晶したストリップを得るために、冷間圧延されたストリップに焼きなまし熱処理を施して、第二の冷間圧延操作を行って、場合によっては、目標とする厚みを得るまでこの二つの操作を繰り返す操作と、および、
得られたストリップに、部分的な再結晶の最終熱処理を行って、再結晶体積率が3%〜97%のストリップを得るための操作とを含む。
【0019】
本発明によるストリップを構成する鉄ニッケル合金は、32重量%〜45重量%、好適には38重量%〜43重量%、さらに好適には40重量%〜42重量%のニッケルと、累積含有量が1%未満のCu、Co、およびCrとを組み合わせて含む。
【0020】
ニッケルは、最大6.5%程度、好適には4.5%程度のコバルトに部分的に代えてもよく、コバルトの最低含有量は0%とすることができる。
【0021】
成分は、腐蝕抵抗と、空気酸化抵抗とを改善するために、3%まで銅を含むことができるが(最低含有量は0%か、または微量)、熱膨張率を劣化させないようにするには、この含有量を超えてはならない。
【0022】
成分のクロム含有率は、ニッケル含有量を調整しながら6.5重量%まで上げられるが、この含有率を超えてはならず、これを超えると、熱膨張率が劣化する。好適には、5.5重量%を超えないようにする。この元素の添加によって、グリッドの端子の錫めっき段階および蝋付け段階の間、特に、合金の腐食抵抗と酸化抵抗とを改善できる。
【0023】
ニッケル、コバルト、銅、およびクロムの含有量は、20℃と、20℃〜300℃のあらゆる温度との間で、3.5・10−6から6.5・10−6/Kの熱膨張率を得るように選択される。
【0024】
成分は、また0.5%までのシリコンと、0.75%までのマンガンとを含み、これらは、様々な程度の(de la nuance)脱酸を行うために、場合によっては製錬時に導入される。これらの元素の最低含有量は微量である。
【0025】
成分の残りは、鉄と、製錬によって生じる不可避の不純物とからなる。
【0026】
本発明による合金は、精錬段階の後に、たとえば加熱鍋で冶金ステップが行われるアーク電気炉で製錬可能である。また、真空誘導炉もしくは他のあらゆる適切な方法で同様に製錬可能である。
【0027】
その後、合金は、インゴット、ビレット、スラブ、または再溶融電極等の半製品として鋳込まれる。合金が再溶融電極として鋳込まれる場合、再溶融電極は、より高い純度を得るとともに、より均質な半製品を得るために、真空で、または導電性スラグで鋳直される。
【0028】
半製品は、その断面に応じて、950℃以上、好適には1050℃以上、好適には1300℃未満の温度により、1回または2回の操作で熱間加工され、厚みが一般に2mm〜6mm、好適には2.5mm〜5mmの高温ストリップを得る。熱間加工操作は、分塊圧延および/または熱間圧延を含むことができ、必要であれば950℃〜1300℃の均質化熱処理を施してもよい。この熱処理は、数分から数時間続けることができる。熱間加工後、得られたストリップは、室温に近い温度まで冷却される。
【0029】
薄いストリップの連続鋳込みにより同等のストリップを直接得ることも可能であり、その場合、この方法は、場合によっては直線の熱間圧延を含む。
【0030】
冷却されたストリップに対しては、その後、第一の冷間圧延操作を実施して、たとえば厚さ1mm〜2mmのストリップを得る。この操作は、1回または複数回の連続パス(仏語でpasse)で実施可能である。
【0031】
第一の冷間圧延操作後、全体的な再結晶焼きなましからなる熱処理をストリップに行うことができる。この熱処理は、700℃を超える温度で10分間から数時間にわたってスタティック炉で実施するか、あるいは、好適には不活性雰囲気または還元雰囲気のもと、炉の保持領域で好適には800度を超える温度で、数秒から約1分間にわたって連続焼きなまし炉にて実施可能である。処理温度に関して時間を調整するこうした熱処理の終了時に、ストリップは完全に再結晶化されるので、後段の冷間加工のために改めて引き伸ばしができる延性の合金が得られる。
【0032】
また、上記のような全体的な再結晶焼きなましを行わずに、冷間圧延操作を1回だけ行ってから、部分的な再結晶の最終的な熱処理を実施することによっても同様に、本発明によるストリップを製造可能である。
【0033】
全体的な再結晶焼きなましを行う場合、最終的な厚みがたとえば0.05mm〜0.5mmのストリップを得るために第二の冷間圧延操作を行う。この操作は、一回または複数回の連続パスにより実施可能である。
【0034】
第二の冷間圧延操作後、冷間圧延と、それに続く全体的な再結晶焼きなましとからなる熱サイクルを一回または複数回繰り返してもよいし、あるいは、合金ストリップに対して目標とされる最終厚みに応じて、部分的な再結晶の最終熱処理をストリップに直接実施してもよい。
【0035】
部分的な再結晶の熱処理は、好適には不活性雰囲気または還元雰囲気のもとで、650℃〜825℃の温度Tで120秒未満の時間にわたって、好適には660℃を超える温度で60秒未満の時間にわたって、好適には通過炉内を次々と移動させて実施される。特に、熱処理温度は、好適には、20秒未満の時間にわたって695℃を超え、さらに好適には、10秒未満の時間にわたって710℃を超える。一般に、本発明による時間t(単位:秒)および熱処理温度T(単位:℃)は、次の等式により関係付けられる。
【0036】
T=775−27ln(t)
このとき、精度は±15℃である。
【0037】
比較として、従来技術による熱処理は、次の等式に従う。
【0038】
T=700−27ln(t)
このとき、精度は±15℃である。
【0039】
本発明により得られた微細構造は混合構造であり、特に、回復された粒子と、部分的に再結晶化した粒子とを含む。
【0040】
これは、特に、添付図により示される。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】従来技術により冷間加工された合金ストリップの薄膜で、透過型電子顕微鏡(MET)により観察された微細構造を示す図である。
【図2】本発明による合金ストリップの薄膜で、METにより観察された微細構造を示す図である。
【図3】従来技術により全体的に再結晶化された合金ストリップの薄膜で、METにより観察された微細構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
図1を参照すると、焼きなまし熱処理と、25%の冷間加工による最終冷間圧延とで終了する従来の方法で得られた冷間ストリップの微細構造がみられる。図では、転位密度が高いことが分かる。このストリップの再結晶体積率は0%である。
【0043】
再結晶体積率Fvrは、特に、次の等式により決定可能である。
【0044】
Fvr=100×(R−R)/(R−525)
ここで、
Rm:冷間加工状態におけるストリップの機械強度、
Rm:部分的な再結晶処理後のストリップの機械強度である。
【0045】
図1のストリップの場合、ストリップは部分的な再結晶の最終熱処理を施されていないので、機械強度Rmは、Rmに等しく、従って、再結晶体積率はゼロである。
【0046】
図2に示された微細構造は、部分的な再結晶の最終的な熱処理で終了する本発明の方法で得られた、本発明の実施形態によるストリップに対応する。回復粒子(セル構造)が、部分的な再結晶粒子(転位のない構造)で囲まれていることが観察される。
【0047】
この実施形態は、機械強度Rmが540MPa〜600MPaの「1/4硬度」と呼ばれる商業品質に対応する。その再結晶体積率は85%であり、熱処理後の機械強度Rmは565MPa、熱処理前の機械強度Rmは、795MPa(+/−10MPa)である。
【0048】
また、機械強度Rmが620MPa〜755MPaである「1/2硬度」と呼ばれる別の商品品質が存在し、本発明によれば、特に、再結晶体積率を3%〜70%の範囲で調節することによって、この品質を得られる。標準的な再結晶体積率は50%であり、熱処理後の660MPaの機械強度Rmと、熱処理前の795MPa(+/−10MPa)の機械強度Rmとに対応する。
【0049】
図3に示した微細構造は、全体的な再結晶の最終熱処理で終了する従来の方法で得られた、従来技術による合金ストリップである。従って、再結晶体積率は100%である。
【0050】
熱応力を除去したストリップの微細構造は、図1の冷間加工状態のストリップと区別されない。その再結晶体積率は、非常に0%に近く、いずれにしても3%よりずっと低い。
【0051】
例1−寸法安定性
1.1. 収縮試験
ニッケル41%、コバルト0.05%、シリコン0.15%、マンガン0.50%、銅0.05%を含み、残りは鉄である同一の合金成分から、厚み0.1mmの一連の試料を製造した。
【0052】
シリーズAと呼ばれる第一の試料区分は、10%〜25%の冷間加工を伴う冷間圧延で終了する従来技術の一般的な方法に従って製造された。
【0053】
シリーズA’と呼ばれる第二の試料区分は、6秒間、温度650℃の応力除去熱処理で終了する従来技術の一般的な方法に従って製造された。
【0054】
シリーズBと呼ばれる第三の試料区分は、10秒未満の間、温度700℃〜780℃で、通過炉内を次々と移動させて実施される部分的な再結晶の最終的な熱処理を実施することにより、本発明に従って製造された。
【0055】
収縮試験は、30×200mmの帯で実施される。これは、次の3段階からなる。
【0056】
(a)約180mm離れた微小硬度の2個のくぼみ(empreinte)を製造し、電動台板を備えた光学顕微鏡により(x、y、z方向の移動精度−0.1μm)、2個のくぼみ間の相互距離L(+/−2μm)を測定する。
【0057】
(b)アルゴン下で4分間、500℃で帯を熱処理する。
【0058】
(c)処理後、2個のくぼみ間の相互距離Lを測定し、収縮を計算する。
【0059】
λr=(L−L)/L
測定結果を下表にまとめた。
【0060】
【表1】

本発明によるストリップの収縮レベルは、この測定方法による検出限度で従来技術により得られた値よりもずっと低い。
【0061】
1.2. 片面の化学腐食後の湾曲試験
化学腐食または他の方法による片面の厚み減少に応じた薄いストリップの湾曲面の変化は、薄い製品の厚みに存在する残留ひずみレベルを特徴付ける通常の方法である。
【0062】
この技術を、室温で過塩化鉄溶液(48℃で41.5ボーメ度、pH=0.8の溶液)による片面化学腐食に適用した。観察される湾曲は、幅10mmの帯で圧延方向のレーザ距離測定により、50mmの弦のたわみを測定して決定された。
【0063】
結果を表2にまとめた。
【0064】
【表2】

シリーズBの試料は、シリーズAおよびシリーズA’の試料と違って、たわみが全くないことが確認できる。横方向の湾曲測定でも同じ結果が観察された。
【0065】
従って、本発明による試料の寸法安定性は優れている。
【0066】
例2 折り曲げ性
2.1. Rp0.2%/Eの比率
例1で定義した3つのシリーズの試料A、A’、Bを再び使用して、それらの弾性限度Rp0.2%、ヤング率E、機械強度を測定し、再結晶体積率を決定する。
【0067】
得られた結果を表3にまとめた。
【0068】
【表3】

本発明によるシリーズBは、シリーズAに比べてRp0.2%/Eの比率が20%〜30%減少し、シリーズA’に比べて10%〜20%減少したことが確認できる。そのため、折り曲げ性は、著しく改善されている。
【0069】
2.2. 全体伸張率At%
偏平牽引により実施された全体伸張率の測定を、例1で定義されたシリーズA、A’、Bの試料で実施した。
【0070】
【表4】

目標とされた機械強度値Rmに対して、本発明による試料の全体伸張率は、従来技術による試料の伸張率よりも大きいことが確認される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
32≦Co+Ni≦45重量%
0≦Co≦6.5重量%
0≦Cr≦6.5重量%
Cu≦3重量%
Si≦0.5重量%
Mn≦0.75重量%
を含み、残りが、鉄と、製錬により生じた不可避の不純物とであり、その微細構造が、再結晶体積率3%〜97%、厚み0.5mm未満である、鉄ニッケル合金ストリップ。
【請求項2】
前記微細構造が、薄膜上で透過型電子顕微鏡により観察可能な最大粒径20μmの完全には再結晶されていない粒子を含むことを特徴とする、請求項1に記載のストリップ。
【請求項3】
ストリップの機械強度Rmが540MPa〜755MPaであることを特徴とする、請求項1または2に記載のストリップ。
【請求項4】
ストリップの機械強度Rmが540MPa〜600MPaであり、再結晶体積率が3%〜97%であることを特徴とする、請求項3に記載のストリップ。
【請求項5】
ストリップの機械強度Rmが620MPa〜755MPaであり、再結晶体積率が3%〜70%であることを特徴とする、請求項3に記載のストリップ。
【請求項6】
ストリップの収縮が、500℃で4分間の試験後、4・10−3%以下であることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載のストリップ。
【請求項7】
32≦Co+Ni≦45重量%
0≦Co≦6.5重量%
0≦Cr≦6.5重量%
Cu≦3重量%
Si≦0.5重量%
Mn≦0.75重量%
を含み、残りが、鉄と、製錬により生じた不可避の不純物とである、鉄ニッケル合金のインゴット、ビレット、またはスラブを供給する操作と、
熱間加工してストリップを得るための操作と、
第一の冷間圧延操作でストリップを冷却してから、場合によっては、全面的に再結晶したストリップを得るために、冷間圧延されたストリップに焼きなまし熱処理を施して、第二の冷間圧延操作を行って、場合によっては、目標とする厚みを得るまでこの二つの操作を繰り返す操作と、および、
得られたストリップに、部分的な再結晶の最終熱処理を行って、再結晶体積率が3%〜97%のストリップを得るための操作との、連続操作を行う、請求項1から6のいずれか一項に記載のニッケル鉄合金ストリップの製造方法。
【請求項8】
32≦Co+Ni≦45重量%
0≦Co≦6.5重量%
0≦Cr≦6.5重量%
Cu≦3重量%
Si≦0.5重量%
Mn≦0.75重量%
を含み、残りが、鉄と、製錬により生じた不可避の不純物とである、鉄ニッケル合金の薄型ストリップを供給する操作と、
場合によっては、熱間圧延する操作と、
第一の冷間圧延操作でストリップを冷却してから、場合によっては、全面的に再結晶したストリップを得るために、冷間圧延されたストリップに焼きなまし熱処理を施して、第二の冷間圧延操作を行って、場合によっては、目標とする厚みを得るまでこの二つの操作を繰り返す操作と、
得られたストリップに、部分的な再結晶の最終熱処理を行って、再結晶体積率が3%〜97%のストリップを得るための操作との、連続操作を行う、請求項1から6のいずれか一項に記載の鉄ニッケル合金ストリップの製造方法。
【請求項9】
部分的な再結晶の最終熱処理が、120秒以下の時間tにわたって650℃〜825℃の温度Tで実施される、請求項7または8に記載の方法。
【請求項10】
部分的な再結晶の熱処理温度T(単位:℃)および前記熱処理の時間t(単位:秒)が、次の等式により関係付けられ、
T=775−27ln(t)
このとき、精度が±15℃である、請求項7または8に記載の方法。
【請求項11】
請求項1から6のいずれか一項に記載の鉄ニッケル合金ストリップのカットおよび成形により得られ、または請求項7から10のいずれか一項に記載の方法により得られる、集積回路のリードフレームグリッド。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−177194(P2012−177194A)
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−58896(P2012−58896)
【出願日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【分割の表示】特願2007−539608(P2007−539608)の分割
【原出願日】平成17年11月4日(2005.11.4)
【出願人】(504206160)
【Fターム(参考)】