離席処理方法、通信システムおよび制御対象装置
【課題】携帯端末装置と制御対象装置間の近距離無線通信における受信電力を基に離席処理を自動的に行うにあたり、ハードウェアを追加することなく、ソフトウェア的な処理により誤動作の発生を抑止する。
【解決手段】制御対象装置100が、デバイス情報(携帯端末装置200のデバイスデータおよび制御対象装置100のデバイスデータ)を収集して、サーバ装置300に出力し、サーバ装置300が、予め記憶された受信電力閾値を含むパラメータ情報から、上記デバイス情報に適合したパラメータ情報を検索して、制御対象装置100に出力し、制御対象装置100が、パラメータ情報を受信・記憶した後、携帯端末装置200からの信号の受信電力を測定し、該受信電力が上記パラメータ情報に含まれた受信電力閾値以下となる所定の場合に離席と判定し、所定の離席処理を実行する。
【解決手段】制御対象装置100が、デバイス情報(携帯端末装置200のデバイスデータおよび制御対象装置100のデバイスデータ)を収集して、サーバ装置300に出力し、サーバ装置300が、予め記憶された受信電力閾値を含むパラメータ情報から、上記デバイス情報に適合したパラメータ情報を検索して、制御対象装置100に出力し、制御対象装置100が、パラメータ情報を受信・記憶した後、携帯端末装置200からの信号の受信電力を測定し、該受信電力が上記パラメータ情報に含まれた受信電力閾値以下となる所定の場合に離席と判定し、所定の離席処理を実行する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末装置を用いて制御対象装置の離席処理を行う離席処理方法、通信システムおよび制御対象装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に携帯電話などの携帯端末装置はユーザが常時所持する使用形態であるため、制御対象装置からユーザが離席する際の離席処理を自動的に行うことを目的として、携帯端末装置と制御対象装置間の距離に応じて変動する近距離無線通信における受信電力を基に、受信電力が所定値以下になると自動的に制御対象装置の使用制限や警報出力を行う方法が知られている(下記の特許文献1参照)。
【0003】
また、同様に携帯端末装置と制御対象装置間の近距離無線通信における受信電力を基にした離席処理方法で、複数のアンテナを用いて複数の周波数を用いることで誤動作を軽減する方法が知られている(下記の特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第2931276号公報
【特許文献2】特開2006−325232号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のとおり、受信電力を基に離席処理を行う方法が提案されているが、受信電力は周辺環境の影響を大きく受けるため、離席処理を行うにあたって誤動作が発生し易いという問題がある。
【0006】
また、受信電力はデバイスの備える特性、例えばアンテナ特性等にも左右されるため、ユーザの所持する携帯端末装置や制御対象装置の特性に適合したパラメータを設定しなければ、誤動作が発生し易いという問題がある。
【0007】
一方、複数の周波数を用いることで誤動作を軽減させる特許文献2の技術では、携帯端末装置や制御対象装置に複数のアンテナを設置する必要があるなどハードウェアの追加が必要であり、装置構成が複雑になってコスト高になり、実際には実現が困難である。
【0008】
そこで、上述の課題を解決するために、本発明は、携帯端末装置と制御対象装置間の近距離無線通信における受信電力を基に離席処理を自動的に行うにあたり、ハードウェアを追加することなく、ソフトウェア的な処理により誤動作の発生を抑止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述の課題を解決するために、本発明に係る離席処理方法は、携帯端末装置を所持したユーザが制御対象装置から離席したことを判定し所定の離席処理を実行する離席処理方法であって、前記制御対象装置が、前記携帯端末装置と該制御対象装置それぞれのデバイス情報を収集するステップと、前記制御対象装置が、収集した前記携帯端末装置と前記制御対象装置それぞれのデバイス情報をサーバ装置に出力するステップと、前記サーバ装置が、前記制御対象装置から出力されたデバイス情報を受信するステップと、前記サーバ装置が、予め記憶された、受信電力閾値を含む離席判定用パラメータ情報から、前記受信したデバイス情報に適合した離席判定用パラメータ情報を検索するステップと、前記サーバ装置が、検索で得られた離席判定用パラメータ情報を該制御対象装置に出力するステップと、前記制御対象装置が、前記サーバ装置から出力された離席判定用パラメータ情報を受信するステップと、前記制御対象装置が、前記携帯端末装置から受信される信号についての受信電力を測定し、前記受信電力が、前記離席判定用パラメータ情報に含まれた前記受信電力閾値以下となる所定の場合に離席と判定し、所定の離席処理を実行する判定実行ステップと、を備えることを特徴とする。
【0010】
上記離席処理方法によれば、制御対象装置は、制御対象装置と携帯端末装置それぞれのデバイス情報に適合した離席判定用パラメータ情報をサーバ装置から受信し、該離席判定用パラメータ情報に含まれた受信電力閾値と、端末装置からの受信信号についての受信電力とを比較することで、離席判定を適切に行うことができ、携帯端末装置と制御対象装置間の近距離無線通信における受信電力を基に離席処理を自動的に行うにあたり、ハードウェアを追加することなく、ソフトウェア的な処理により誤動作の発生を抑止することができる。
【0011】
なお、前記離席判定用パラメータ情報はタイマー基準値をさらに含んでおり、前記判定実行ステップにおいて、前記受信電力が前記受信電力閾値以下の場合、前記タイマー基準値を基にしたタイマーを開始し、前記タイマーが終了する前に前記受信電力が前記受信電力閾値を上回った場合には、前記離席処理の実行を回避することが望ましい。この場合、受信電力が一時的に受信電力閾値以下になるような状況で離席処理の実行を回避できるため、ユーザが制御対象装置の前に着席しているにもかかわらず周辺環境の変化によって一時的に受信電力が下がるような状況でも、誤動作の発生を抑止することができる。
【0012】
また、前記離席判定用パラメータ情報はソフトウェア情報をさらに含んでおり、前記判定実行ステップにおいて、前記ソフトウェア情報のうち、前記制御対象装置にて実行されているアプリケーションソフトウェアに該当するソフトウェア情報に従って、前記タイマー基準値を調整することが望ましい。例えば、前記ソフトウェア情報は、ソフトウェアごとに定められた、前記タイマー基準値に対する調整量を含むことが望ましい。これにより、制御対象装置にて実行されているアプリケーションソフトウェアに応じてタイマー基準値を調整することが可能となり、例えば、ユーザが離席しにくいアプリケーションソフトウェアを実行している場合にタイマー基準値を長くするよう調整するなどの処理により、誤動作の発生をさらに抑止することができる。
【0013】
また、前記判定実行ステップでは、前記制御対象装置に対しユーザ操作が行われた後、所定の無操作時間基準値が経過する前に、前記制御対象装置に対する別のユーザ操作が行われた場合には、前記離席処理の実行を回避することが望ましい。これにより、ユーザが制御対象装置への操作を行っている際に離席処理の実行を回避することが可能となるため、ユーザが制御対象装置の前に着席しているにもかかわらず、周辺環境の変化によって一時的に受信電力が下がるような状況でも、誤動作の発生を抑止することができる。
【0014】
また、前記離席判定用パラメータ情報は歩行状態認識レベルをさらに含んでおり、前記離席処理方法は、前記携帯端末装置が、該携帯端末装置が備えたユーザの歩行状態を識別するためのセンサ、から出力されるセンサ値を前記制御対象装置に出力するステップと、前記制御対象装置が、前記携帯端末装置から出力されたセンサ値を受信するステップと、前記制御対象装置が、受信した該センサ値と、前記離席判定用パラメータ情報に含まれた前記歩行状態認識レベルとを比較することで、該携帯端末装置のユーザが歩行状態であるか否かを識別するステップと、をさらに備え、該携帯端末装置のユーザが歩行状態でないと識別された場合、前記判定実行ステップでは、前記離席処理の実行を回避することが望ましい。これにより、ユーザが歩行状態でない場合に離席処理の実行を回避することが可能となるため、ユーザが制御対象装置の前に着席しているにもかかわらず、周辺環境の変化によって一時的に受信電力が下がるような状況でも、誤動作の発生を抑止することができる。
【0015】
また、前記判定実行ステップにおいて、前記受信電力が前記受信電力閾値以下の場合に、前記制御対象装置は該携帯端末装置における前記センサの電源を起動させることが望ましい。これにより、必要なときにのみ携帯端末装置のセンサを起動させることが可能となり、携帯端末装置の消費電力を削減することが可能になる。
【0016】
また、前記離席判定用パラメータ情報は歩行状態認識レベルをさらに含んでおり、前記離席処理方法は、前記判定実行ステップにて離席と判定された後に、前記制御対象装置が、該携帯端末装置における前記センサの電源を起動させるステップと、前記携帯端末装置が、前記センサのセンサ値を前記制御対象装置に出力するステップと、前記制御対象装置が、前記携帯端末装置から出力されたセンサ値を受信するステップと、前記制御対象装置が、受信した該センサ値と、前記離席判定用パラメータ情報に含まれた前記歩行状態認識レベルとを比較することで、該携帯端末装置のユーザが歩行状態であるか否かを識別するステップと、該携帯端末装置のユーザが歩行状態でないと識別された場合に、前記制御対象装置が、前記離席処理の実行を回避するステップと、をさらに備えることが望ましい。この場合、判定実行ステップにて離席と判定された後であっても、携帯端末装置のユーザが歩行状態であるか否かを適切に識別し、該ユーザが歩行状態でないと識別された場合に離席処理の実行を回避できるため、周辺環境の変化によって一時的に受信電力が下がるような状況でも、誤動作の発生を抑止することができる。
【0017】
ところで、本発明は、上記のように離席処理方法に係る発明として捉える以外に、通信システムに係る発明および制御対象装置に係る発明として捉えることもでき、以下のように記述することができる。通信システムに係る発明および制御対象装置に係る発明も、同様の作用・効果を奏する。
【0018】
本発明に係る通信システムは、携帯端末装置と、サーバ装置と、前記携帯端末装置を所持したユーザが制御対象装置から離席したことを判定し所定の離席処理を実行する当該制御対象装置と、を含んで構成される通信システムであって、前記制御対象装置は、前記携帯端末装置と前記制御対象装置それぞれのデバイス情報を収集するデバイス情報収集手段と、収集された前記携帯端末装置と前記制御対象装置それぞれのデバイス情報を前記サーバ装置に出力するデバイス情報出力手段と、を備え、前記サーバ装置は、前記制御対象装置から出力されたデバイス情報を受信するデバイス情報受信手段と、予め記憶された、受信電力閾値を含む離席判定用パラメータ情報から、前記受信したデバイス情報に適合した離席判定用パラメータ情報を検索する検索手段と、検索で得られた離席判定用パラメータ情報を該制御対象装置に出力するパラメータ情報出力手段と、を備え、前記制御対象装置は、さらに、前記サーバ装置から出力された離席判定用パラメータ情報を受信するパラメータ情報受信手段と、前記携帯端末装置から受信される信号についての受信電力を測定する受信電力測定手段と、前記受信電力が、前記離席判定用パラメータ情報に含まれた受信電力閾値以下となる所定の場合に離席と判定し、所定の離席処理を実行する判定実行手段と、を備えることを特徴とする。
【0019】
本発明に係る制御対象装置は、携帯端末装置を所持したユーザが制御対象装置から離席したことを判定し所定の離席処理を実行する当該制御対象装置であって、前記携帯端末装置と該制御対象装置それぞれのデバイス情報を収集するデバイス情報収集手段と、収集された前記携帯端末装置と該制御対象装置それぞれのデバイス情報をサーバ装置に出力するデバイス情報出力手段と、前記サーバ装置から出力された、受信電力閾値を含み且つ前記デバイス情報に適合した離席判定用パラメータ情報を受信するパラメータ情報受信手段と、前記携帯端末装置から受信される信号についての受信電力を測定する受信電力測定手段と、前記受信電力が、前記離席判定用パラメータ情報に含まれた受信電力閾値以下となる所定の場合に離席と判定し、所定の離席処理を実行する判定実行手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、携帯端末装置と制御対象装置間の近距離無線通信における受信電力を基に離席処理を自動的に行うにあたり、ハードウェアを追加することなく、ソフトウェア的な処理により誤動作の発生を抑止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】実施の形態1に係る各装置の構成を示すブロック図である。
【図2】実施の形態1に係るサーバ装置のパラメータデータベースに記憶されたデバイスデータ管理表を説明するための図である。
【図3】実施の形態1に係るサーバ装置のパラメータデータベースに記憶されたソフトウェア情報管理表を説明するための図である。
【図4】実施の形態1〜3に係る制御対象装置と携帯端末装置との距離に応じた離席処理を説明するための図である。
【図5】実施の形態1に係る処理動作の前半を示すフロー図である。
【図6】実施の形態1に係る処理動作の後半を示すフロー図である。
【図7】実施の形態2に係る各装置の構成を示すブロック図である。
【図8】実施の形態2に係るサーバ装置のパラメータデータベースに記憶されたデバイスデータ管理表を説明するための図である。
【図9】実施の形態2に係る処理動作の前半を示すフロー図である。
【図10】実施の形態2に係る処理動作の後半を示すフロー図である。
【図11】実施の形態3に係る各装置の構成を示すブロック図である。
【図12】実施の形態3に係るサーバ装置のパラメータデータベースに記憶されたデバイスデータ管理表を説明するための図である。
【図13】実施の形態3に係る処理動作の前半を示すフロー図である。
【図14】実施の形態3に係る処理動作の後半を示すフロー図である。
【図15】制御対象装置、携帯端末装置およびサーバ装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0023】
(実施の形態1)
実施の形態1は、制御対象装置と携帯端末装置との距離に応じて制御対象装置に対する離席処理の実行を制御しつつ、例外処理としてタイマー基準値に基づく判断およびソフトウェア状態に基づく判断を導入するものである。
【0024】
図1には、実施の形態1に係る通信システムを構成する各装置の機能ブロック構成を示す。本実施の形態1では、携帯端末装置として携帯電話機を適用した例を想定している。ただし、携帯電話機に限定されるものではないので、以下では「携帯端末装置」の名称を用いて説明する。
【0025】
図1に示すように、実施の形態1に係る通信システムは、離席判定を行う制御対象装置100と、制御対象装置100との間で離席判定のための双方向無線通信を行う携帯端末装置200と、制御対象措置100との間でデータ送受信のための双方向通信を行うサーバ装置300とを含んで構成される。
【0026】
このうち制御対象装置100は、アンテナ111を内蔵し携帯端末装置200との間で無線通信を行う無線通信部110と、受信電力強度測定部112と、サーバ装置300との間で通信を行うためのサーバ通信部120と、サーバ装置300から得られた離席判定の基準値となる予め定められた受信電力強度の閾値(以下「閾値」と略称する)を記憶する閾値記憶部121と、サーバ装置300から得られたタイマー基準値を記憶するタイマー基準値記憶部122と、サーバ装置300から得られたソフトウェア情報を記憶するソフトウェア情報記憶部123と、各デバイスデータを記憶するデバイスデータ記憶部130と、離席判定部140と、離席処理部150と、を備える。なお、デバイスデータ記憶部130は、制御対象装置100のデバイスデータを記憶する制御対象装置デバイスデータ記憶部131と、携帯端末装置200のデバイスデータを記憶する携帯端末装置デバイスデータ記憶部132と、を含んで構成される。
【0027】
受信電力強度測定部112は、携帯端末装置200から受信される信号の受信電力強度を測定する。
【0028】
離席判定部140は、閾値記憶部121に記憶された閾値を設定する閾値設定部141と、タイマー基準値記憶部122に記憶されたタイマー基準値を用いて、後述する例外処理を行う判定時間測定部142と、ソフトウェア情報記憶部123に記憶された各ソフトウェアの状態に応じた加算タイマー基準値を用いてソフトウェアの使用状況に応じた例外処理を行うソフトウェア状態判断部143と、設定されたタイマー値に基づき動作するタイマー144と、を含んで構成される。離席判定部140は、受信電力強度測定部112により測定された受信電力強度により制御対象装置100と携帯端末装置200との相対距離を測定することで、離席判定を行う。ただし、離席判定部140は、離席判定を行う際に判定時間測定部142により、後述する例外処理を行う。例外処理の後、離席判定部140により離席と判定された場合に、離席処理部150が、制御対象装置100の入力操作等の制御を行う離席処理を実行する。一方、離席と判定されなかった場合には、受信電力強度測定部112より次の受信電力強度が測定され、離席判定部140により離席判定が行われる。
【0029】
図15には、制御対象装置100のハードウェア構成の一例を示す。制御対象装置100は、ハードウェア構成として、CPU100Aと、RAM100Bと、ROM100Cと、入力デバイスであるキーボードやマウス等の入力装置100Dと、外部装置との通信を行う通信装置100Eと、補助記憶装置100Fと、出力デバイスであるディスプレイやプリンタ等の出力装置100Gと、を備える。前述した制御対象装置100の各機能ブロックの機能は、RAM100B等に所定のプログラムを読み込ませ、CPU100Aの制御の下で入力装置100D、通信装置100E、出力装置100Gを動作させ、補助記憶装置100F等に対しデータの読み書きを行うことで実現される。
【0030】
一方、携帯端末装置200は、アンテナ211を内蔵し制御対象装置100との間で無線通信を行う無線通信部210と、携帯端末装置200のデバイスデータを記憶する携帯端末装置デバイスデータ記憶部220と、を備える。また、サーバ装置300は、制御対象装置100との間で通信を行うためのサーバ通信部310と、制御対象装置100から送られてくるデバイスデータに対応した離席判定用パラメータおよび制御対象装置100から送られてくるソフトウェア情報に対応した加算タイマー基準値を記憶するパラメータデータベース320と、を備える。なお、携帯端末装置200およびサーバ装置300のハードウェア構成は、基本的には、前述した図15のハードウェア構成と同様であり、特別なハードウェア構成を必要とするものではない。
【0031】
本実施の形態1における「パラメータ」とは、閾値、タイマー基準値、およびソフトウェア情報を意味する。このうちソフトウェア情報とは、ソフトウェア種類およびソフトウェア状態の組合せに対応する加算タイマー基準値を示す対応表の情報である。図2には、パラメータデータベース320に記憶されたデバイスデータ管理表の一例を示す。図2に示すように、デバイスデータ管理表には、制御対象装置デバイスデータ、携帯端末装置デバイスデータ、閾値、およびタイマー基準値が対応付けられて記憶されている。一方、図3には、パラメータデータベース320に記憶されたソフトウェア情報管理表の一例を示す。図3に示すように、ソフトウェア情報管理表には、ソフトウェア種類、ソフトウェア状態、および加算タイマー基準値が対応付けられて記憶されている。
【0032】
以下、上述のように構成された制御対象装置100の離席判定動作について説明する。図4は、本離席判定方式の基本概念を説明するための図である。本離席判定方式では、制御対象装置100と携帯端末装置200との距離が長くなるほど、制御対象装置100にて測定される携帯端末装置200からの信号の受信電力強度が小さくなる点を利用し、受信電力強度が予め設定された閾値より大きくなるか、閾値以下になるかの境界線が、図4に示すように閾値境界線400として想定され、閾値境界線400の内側領域が、在席判定エリア401(即ち、携帯端末装置200を所持したユーザが制御対象装置100に対し在席していると判定されるエリア)とされ、一方、閾値境界線400の外側領域が、離席判定エリア402(即ち、携帯端末装置200を所持したユーザが制御対象装置100に対し離席していると判定されるエリア)とされる。
【0033】
制御対象装置100が、測定により得られた図4の携帯端末装置Aからの受信電力強度と閾値とを比較し、受信電力強度が閾値より大きい場合(即ち、閾値境界線400の内側である場合)、携帯端末装置A(携帯端末装置Aを所持したユーザ)は在席判定エリア401に位置すると判定する。一方、制御対象装置100が、測定により得られた図4の携帯端末装置Bからの受信電力強度と閾値とを比較し、受信電力強度が閾値以下である場合(閾値境界線400の外側である場合)、携帯端末装置B(携帯端末装置Bを所持したユーザ)は離席判定エリア402に位置すると判定する。
【0034】
ここで、在席判定エリア401に位置すると判定された場合は、制御対象装置100の機能に制約を設けない状態で利用できる。それに対し、離席判定エリア402に位置すると判定された場合は、離席処理部150により、制御対象装置100が利用不可能な状態とされる。例えば、制御対象装置100に搭載されているキーボードおよびマウスの入力操作の停止、ディスプレイ映像の非表示を行う。本実施の形態1では、使用されるデバイスに応じて離席判定に用いられるパラメータの最適値が異なることを考慮するため、制御対象装置100は、制御対象装置100と携帯端末装置200それぞれのデバイスデータをサーバ装置300に送信し、該デバイスデータに適合したパラメータをサーバ装置300から入手し、入手したパラメータを用いて離席判定を行う。
【0035】
次に、本実施の形態1における例外処理について説明する。本実施の形態1における例外処理として、判定時間測定部142は、タイマー基準値記憶部122より得られたタイマー基準値を基にタイマー144を開始し、もしタイマー144が終了する前に受信電力強度が閾値を上回った場合には、離席処理の実行を回避する。ここで、ソフトウェア状態判断部143は、制御対象装置100にて実行中のソフトウェアの種類や状態に応じた加算タイマー基準値をソフトウェア情報記憶部123から取得し、上記のタイマー基準値に加算タイマー基準値を加算することで、実行中のソフトウェアの種類や状態に応じてタイマー基準値を調整する。なお、ソフトウェア情報は、サーバ装置300のパラメータデータベース320から取得される。
【0036】
以下、図5、図6を用いて、実施の形態1に係る処理動作を説明する。
【0037】
まず、図5のステップS1でパラメータの設定を行う。初めに、制御対象装置100の無線通信部110は、携帯端末装置200に対し携帯端末装置200のデバイスデータの送信を要求する(S1-1)。携帯端末装置200では、無線通信部210が、上記要求を受信し(S1-2)、携帯端末装置デバイスデータ記憶部220に記憶されている携帯端末装置200のデバイスデータを読み出し、無線通信部110へ送信する(S1-3)。そして、無線通信部110は、携帯端末装置200のデバイスデータを無線通信部210から受信し、携帯端末装置デバイスデータ記憶部132に記憶する(S1-4)。
【0038】
次いで、サーバ通信部120は、制御対象装置デバイスデータ記憶部131に記憶されている制御対象装置100のデバイスデータ、および携帯端末装置デバイスデータ記憶部132に記憶されている携帯端末装置200のデバイスデータを読み出し(S1-5)、制御対象装置100のデバイスデータおよび携帯端末装置200のデバイスデータをサーバ装置300に送信する(S1-6)。
【0039】
次いで、サーバ装置300では、サーバ通信部310が、制御対象装置100のデバイスデータおよび携帯端末装置200のデバイスデータ(これらを「デバイス情報」と総称する)を受信し(S1-7)、受信したデバイス情報をパラメータデータベース320に記憶されているデバイスデータ管理表と照合することで、受信したデバイス情報に適合したパラメータ(ここでは、閾値およびタイマー基準値)を検索する(S1-8)。そして、サーバ通信部310は、検索で得られたパラメータを制御対象装置100のサーバ通信部120に送信する(S1-9)。
【0040】
そして、サーバ通信部120は、パラメータをサーバ通信部310から受信し、受信したパラメータのうち閾値を閾値記憶部121に、タイマー基準値をタイマー基準値記憶部122に、それぞれ記憶する(S1-10)。
【0041】
次いで、サーバ通信部120は、サーバ装置300に対し、ソフトウェア情報の送信を要求する(S1-11)。サーバ装置300では、サーバ通信部310は、上記要求を受信すると(S1-12)、パラメータデータベース320に記憶されているソフトウェア情報管理表からソフトウェア情報を読み出し、サーバ通信部120へ送信する(S1-13)。そして、サーバ通信部120は、ソフトウェア情報をサーバ通信部310から受信し、ソフトウェア情報記憶部123に記憶する(S1-14)。
【0042】
そして、離席判定部140は、閾値記憶部121に記憶されている閾値を閾値設定部141に記憶し、タイマー基準値記憶部122に記憶されているタイマー基準値を判定時間測定部142に記憶することで、離席判定処理の設定を行う(S1-15)。
【0043】
次に、図6に示すステップS2へ進み、制御対象装置100は、以下の離席判定処理を行う。まず、離席判定部140は、タイマー144のタイマー値を初期値0に初期設定する(S2-1)。次いで、ソフトウェア状態判断部143は、制御対象装置100にて当該時点で実行中のソフトウェア情報を確認し、ソフトウェア情報記憶部123に記憶されているソフトウェア情報に対応する加算タイマー基準値を判定時間測定部142のタイマー基準値に加算する(S2-2)。ここで、加算タイマー基準値が正の値の場合、タイマー基準値は増加するが、加算タイマー基準値が負の値の場合、タイマー基準値は減少する。このようにしてタイマー基準値は調整される。
【0044】
次いで、受信電力強度測定部112は、無線通信部110により受信された携帯端末装置200からの信号の受信電力強度を測定する(S2-3)。次いで、離席判定部112は、受信電力強度測定部112により測定された受信電力強度が、閾値設定部141に記憶されている閾値以下か否かを判断し(S2-4)、受信電力強度が閾値より大きい場合は、ステップS2-1に戻り、タイマー値の初期設定を行う。
【0045】
一方、ステップS2-4で受信電力強度が閾値以下の場合、判定時間測定部142はタイマー144を起動する(S2-5)。次いで、判定時間測定部142は、タイマー144のタイマー値がタイマー基準値以上になったか否かを判定し(S2-6)、タイマー値がタイマー基準値以上の場合は、後述するステップS2-11へ進み、一方、タイマー値がタイマー基準値より小さい場合は、以下のステップS2-7に進む。
【0046】
ステップS2-7ではソフトウェア状態判断部143は、上記ステップS2-2と同様に、制御対象装置100にて当該時点で実行中のソフトウェア情報を確認し、ソフトウェア情報記憶部123に記憶されているソフトウェア情報に対応する加算タイマー基準値を判定時間測定部142のタイマー基準値に加算する。
【0047】
次いで、受信電力強度測定部112は、上記ステップS2-3と同様に、無線通信部110により受信された携帯端末装置200からの信号の受信電力強度を測定する(S2-8)。次いで、離席判定部112は、受信電力強度測定部112により測定された受信電力強度が、閾値設定部141に記憶されている閾値以下か否かを判断し(S2-9)、受信電力強度が閾値より大きい場合は、ステップS2-1に戻り、タイマー値の初期設定を行う。
【0048】
一方、ステップS2-9で受信電力強度が閾値以下の場合、判定時間測定部142は、タイマー144のタイマー値がタイマー基準値以上になったか否かを判定し(S2-10)、タイマー値がタイマー基準値より小さい場合は、前述したステップS2-7へ戻り、一方、タイマー値がタイマー基準値以上の場合、ステップS2-11において判定時間測定部142は、離席と判定する。
【0049】
そして、ステップS3で離席処理部150は、制御対象装置100に対し所定の離席処理を行い、処理を終了する。
【0050】
以上説明した実施の形態1によれば、制御対象装置は、デバイス情報(制御対象装置のデバイスデータおよび携帯端末装置のデバイスデータ)に適合したパラメータをサーバ装置から受信し、該パラメータに含まれた受信電力閾値と、携帯端末装置からの受信信号についての受信電力とを比較することで、離席判定を適切に行うことができ、携帯端末装置と制御対象装置間の近距離無線通信における受信電力を基に離席処理を自動的に行うにあたり、ハードウェアを追加することなく、ソフトウェア的な処理により誤動作の発生を抑止することができる。
【0051】
また、パラメータはタイマー基準値を含んでおり、受信電力が受信電力閾値以下の場合、タイマー基準値を基にしたタイマーを開始し、タイマーが終了する前に受信電力が受信電力閾値を上回った場合には、離席処理の実行を回避する。これにより、受信電力が一時的に受信電力閾値以下になるような状況で離席処理の実行を回避できるため、ユーザが制御対象装置の前に着席しているにもかかわらず周辺環境の変化によって一時的に受信電力が下がるような状況でも、誤動作の発生を抑止することができる。
【0052】
また、パラメータはソフトウェア情報を含んでおり、ソフトウェア情報のうち、制御対象装置にて当該時点で実行中のアプリケーションソフトウェアに該当するソフトウェア情報に従って、タイマー基準値を調整する。これにより、例えば、ユーザが離席しにくいアプリケーションソフトウェアを実行している場合にタイマー基準値を長くするよう調整するなどの処理により、誤動作の発生をさらに抑止することができる。
【0053】
(実施の形態2)
実施の形態2は、制御対象装置と携帯端末装置との距離に応じて制御対象装置に対する離席処理の実行を制御しつつ、例外処理として制御対象装置に対する操作監視を導入する例である。
【0054】
図7には、実施の形態2に係る通信システムを構成する各装置の機能ブロック構成を示す。図7に示すように、実施の形態2に係る通信システムは、離席判定を行う制御対象装置400と、制御対象装置400との間で離席判定のための双方向無線通信を行う携帯端末装置200と、制御対象措置400との間でデータ送受信のための双方向通信を行うサーバ装置500とを含んで構成される。以下、前述した実施の形態1の図1と同一構成部分には同一符号を付して重複箇所の説明を省略する。
【0055】
このうち制御対象装置400は、アンテナ111を内蔵し携帯端末装置200との間で無線通信を行う無線通信部110と、受信電力強度測定部112と、サーバ装置500との間で通信を行うためのサーバ通信部120と、サーバ装置500から得られた閾値を記憶する閾値記憶部121と、サーバ装置500から得られた無操作時間基準値を記憶する無操作時間基準値記憶部401と、各デバイスデータを記憶するデバイスデータ記憶部130と、離席判定部402と、離席処理部150と、制御対象装置400に対する操作が発生した最終時刻を記憶する操作最終時刻タイマー部404と、現在の時刻を計時する時計405と、を備える。なお、上記の閾値は、離席判定の基準値となる受信電力強度の閾値である。また、デバイスデータ記憶部130は、制御対象装置100のデバイスデータを記憶する制御対象装置デバイスデータ記憶部131と、携帯端末装置200のデバイスデータを記憶する携帯端末装置デバイスデータ記憶部132と、を含んで構成される。
【0056】
離席判定部402は、閾値記憶部121に記憶された閾値を設定する閾値設定部141と、無操作時間基準値記憶部401に記憶された無操作時間基準値を設定し、操作最終時刻タイマー部404に記憶された操作最終時刻、現在の時刻および上記無操作時間基準値に基づきユーザ操作状況を検出するユーザ操作検出部403と、を含んで構成される。離席判定部402は、受信電力強度測定部112により測定された受信電力強度により制御対象装置400と携帯端末装置200との相対距離を測定することで、離席判定を行う。ただし、離席判定部402は、離席判定を行う際にユーザ操作検出部403により、後述する例外処理を行う。例外処理の後、離席判定部402により離席と判定された場合に、離席処理部150が、制御対象装置400の入力操作等の制御を行う離席処理を実行する。一方、離席と判定されなかった場合には、受信電力強度測定部112より次の受信電力強度が測定され、離席判定部402により離席判定が行われる。
【0057】
一方、携帯端末装置200は、実施の形態1と同様に、アンテナ211を内蔵した無線通信部210と、携帯端末装置デバイスデータ記憶部220と、を備える。また、サーバ装置500は、制御対象装置400との間で通信を行うためのサーバ通信部310と、制御対象装置400から送られてくるデバイスデータに対応した離席判定用パラメータおよび無操作時間基準値を記憶するパラメータデータベース501と、を備える。
【0058】
なお、制御対象装置400、携帯端末装置200およびサーバ装置500のハードウェア構成は、基本的には、実施の形態1で説明した図15のハードウェア構成と同様であり、特別なハードウェア構成を必要とするものではない。
【0059】
本実施の形態2における「パラメータ」とは、閾値と無操作時間基準値を意味する。図8には、パラメータデータベース501に記憶されたデバイスデータ管理表の一例を示す。図8に示すように、デバイスデータ管理表には、制御対象装置デバイスデータ、携帯端末装置デバイスデータ、閾値、および無操作時間基準値が対応付けられて記憶されている。
【0060】
上述のように構成された制御対象装置400の離席判定動作については、その離席判定方式の基本概念は、前述した図4と同一であるため説明を省略する。
【0061】
次に、本実施の形態2における例外処理について説明する。本実施の形態2における例外処理として、制御対象装置400は、操作最終時刻タイマー部404から得られた操作最終時刻と時計405から得られる現在の時刻との差分値を求め、求めた差分値と無操作時間基準値記憶部401より得られた無操作時間基準値とを比較し、差分値が無操作時間基準値以上の場合は離席と判定して所定の離席処理を実行するが、差分値が無操作時間基準値より小さい場合は離席と判定せず所定の離席処理の実行を回避する。
【0062】
以下、図9、図10を用いて、実施の形態2に係る処理動作を説明する。
【0063】
まず、図9のステップS4でパラメータの設定を行う。初めに、制御対象装置400の無線通信部110は、携帯端末装置200に対し携帯端末装置200のデバイスデータの送信を要求する(S4-1)。携帯端末装置200では、無線通信部210が、上記要求を受信し(S4-2)、携帯端末装置デバイスデータ記憶部220に記憶されている携帯端末装置200のデバイスデータを読み出し、無線通信部110へ送信する(S4-3)。そして、無線通信部110は、携帯端末装置200のデバイスデータを無線通信部210から受信し、携帯端末装置デバイスデータ記憶部132に記憶する(S4-4)。
【0064】
次いで、サーバ通信部120は、制御対象装置デバイスデータ記憶部131に記憶されている制御対象装置400のデバイスデータ、および携帯端末装置デバイスデータ記憶部132に記憶されている携帯端末装置200のデバイスデータを読み出し(S4-5)、制御対象装置400のデバイスデータおよび携帯端末装置200のデバイスデータをサーバ装置500に送信する(S4-6)。
【0065】
次いで、サーバ装置500では、サーバ通信部310が、制御対象装置400のデバイスデータおよび携帯端末装置200のデバイスデータ(これらを「デバイス情報」と総称する)を受信し(S4-7)、受信したデバイス情報をパラメータデータベース501に記憶されているデバイスデータ管理表と照合することで、受信したデバイス情報に適合したパラメータ(ここでは、閾値および無操作時間基準値)を検索する(S4-8)。そして、サーバ通信部310は、検索で得られたパラメータを制御対象装置400のサーバ通信部120に送信する(S4-9)。
【0066】
そして、サーバ通信部120は、パラメータをサーバ通信部310から受信し、受信したパラメータのうち閾値を閾値記憶部121に、無操作時間基準値を無操作時間基準値記憶部401に、それぞれ記憶する(S4-10)。
【0067】
そして、離席判定部402は、閾値記憶部121に記憶されている閾値を閾値設定部141に記憶し、無操作時間基準値記憶部401に記憶されている無操作時間基準値をユーザ操作検出部403に記憶することで、離席判定処理の設定を行う(S4-11)。
【0068】
次に、図10に示すステップS5へ進み、制御対象装置400は、以下の離席判定処理を行う。まず、受信電力強度測定部112は、無線通信部110により受信された携帯端末装置200からの信号の受信電力強度を測定する(S5-1)。次いで、離席判定部402は、受信電力強度測定部112により測定された受信電力強度が、閾値設定部141に記憶されている閾値以下か否かを判断し(S5-2)、受信電力強度が閾値より大きい場合は、ステップS5-1に戻り、一方、受信電力強度が閾値以下の場合は、以下のステップS5-3へ進む。
【0069】
ユーザ操作検出部403は、ステップS5-3にて、時計405から現在の時刻を、操作最終時刻タイマー部404から制御対象装置400の操作最終時刻を、それぞれ取得し、ステップS5-4にて、現在の時刻と操作最終時刻との差分値を算出する。次いで、離席判定部402は、差分値が無操作時間基準値以上か否かを判定し(S5-5)、差分値が無操作時間基準値より小さい場合は、例外値の恐れがあると判断されてステップS5-1に戻る。一方、ステップS5-5で差分値が無操作時間基準値以上の場合、ステップS5-6において離席判定部402は、離席と判定する。
【0070】
そして、ステップS6で離席処理部150は、制御対象装置400に対し所定の離席処理を行い、処理を終了する。
【0071】
以上説明した実施の形態1によれば、制御対象装置400に対しユーザ操作が行われた後、所定の無操作時間基準値が経過する前に、制御対象装置400に対する新たなユーザ操作が行われたことを検出し、かかる場合に離席処理の実行を回避することができる。これにより、ユーザが制御対象装置400の前に着席しているにもかかわらず、周辺環境の変化によって一時的に受信電力が下がるような状況でも、誤動作の発生を抑止することができる。
【0072】
(実施の形態3)
実施の形態3は、制御対象装置と携帯端末装置との距離に応じて制御対象装置に対する離席処理の実行を制御しつつ、例外処理として携帯端末装置の加速度センサ監視を導入する例である。
【0073】
図11には、実施の形態3に係る通信システムを構成する各装置の機能ブロック構成を示す。図11に示すように、実施の形態3に係る通信システムは、離席判定を行う制御対象装置600と、制御対象装置600との間で離席判定のための双方向無線通信を行う携帯端末装置700と、制御対象措置600との間でデータ送受信のための双方向通信を行うサーバ装置800とを含んで構成される。以下、前述した実施の形態1の図1と同一構成部分には同一符号を付して重複箇所の説明を省略する。
【0074】
このうち制御対象装置600は、アンテナ111を内蔵し携帯端末装置700との間で無線通信を行う無線通信部110と、受信電力強度測定部112と、加速度センサ制御部604と、サーバ装置800との間で通信を行うためのサーバ通信部120と、サーバ装置800から得られた閾値を記憶する閾値記憶部121と、サーバ装置800から得られた歩行状態認識レベルを記憶する歩行状態認識レベル記憶部601と、各デバイスデータを記憶するデバイスデータ記憶部130と、離席判定部602と、離席処理部150と、を備える。なお、上記の閾値は、離席判定の基準値となる受信電力強度の閾値である。また、デバイスデータ記憶部130は、制御対象装置600のデバイスデータを記憶する制御対象装置デバイスデータ記憶部131と、携帯端末装置700のデバイスデータを記憶する携帯端末装置デバイスデータ記憶部132と、を含んで構成される。
【0075】
加速度センサ制御部604は、後述する携帯端末装置700の加速度センサ部701の起動を制御し、起動時には加速度センサ部701から加速度センサ値を取得する。
【0076】
離席判定部602は、閾値記憶部121に記憶された閾値を設定する閾値設定部141と、歩行状態認識レベル記憶部601に記憶された歩行状態認識レベルを設定し、上記歩行状態認識レベルと加速度センサ制御部604により取得された加速度センサ値とを比較することでユーザの歩行状態を識別する歩行状態識別部603と、を含んで構成される。離席判定部602は、受信電力強度測定部112により測定された受信電力強度により制御対象装置600と携帯端末装置700との相対距離を測定することで、離席判定を行う。ただし、離席判定を行う際に、加速度センサ制御部604は携帯端末装置700の加速度センサ部701を起動し、歩行状態識別部603により、後述する例外処理を行う。例外処理の後、離席判定部602により離席と判定された場合に、離席処理部150が、制御対象装置600の入力操作等の制御を行う離席処理を実行する。一方、離席と判定されなかった場合には、受信電力強度測定部112より次の受信電力強度が測定され、離席判定部602により離席判定が行われる。
【0077】
一方、携帯端末装置700は、アンテナ211を内蔵し制御対象装置600との間で無線通信を行う無線通信部210と、携帯端末装置700のデバイスデータを記憶する携帯端末装置デバイスデータ記憶部220と、携帯端末装置700の振動を加速度センサ値として測定する加速度センサ部701と、を備える。また、サーバ装置800は、制御対象装置600との間で通信を行うためのサーバ通信部310と、制御対象装置600から送られてくるデバイスデータに対応した離席判定用パラメータおよび歩行状態認識レベルを記憶するパラメータデータベース801と、を備える。
【0078】
なお、制御対象装置600、携帯端末装置700およびサーバ装置800のハードウェア構成は、基本的には、実施の形態1で説明した図15のハードウェア構成と同様であり、特別なハードウェア構成を必要とするものではない。
【0079】
本実施の形態3における「パラメータ」とは、閾値と歩行状態認識レベルを意味する。図12には、パラメータデータベース801に記憶されたデバイスデータ管理表の一例を示す。図12に示すように、デバイスデータ管理表には、制御対象装置デバイスデータ、携帯端末装置デバイスデータ、閾値、および歩行状態認識レベルが対応付けられて記憶されている。
【0080】
上述のように構成された制御対象装置600の離席判定動作については、その離席判定方式の基本概念は、前述した図4と同一であるため説明を省略する。
【0081】
次に、本実施の形態3における例外処理について説明する。本実施の形態3における例外処理として、制御対象装置600は、加速度センサ制御部604から得られた加速度センサ値と歩行状態認識レベル記憶部601より得られた歩行状態認識レベルとを比較し、加速度センサ値が歩行状態認識レベル以上の場合は離席と判定して所定の離席処理を実行するが、加速度センサ値が歩行状態認識レベルより小さい場合は離席と判定せず所定の離席処理の実行を回避する。
【0082】
以下、図13、図14を用いて、実施の形態3に係る処理動作を説明する。
【0083】
まず、図13のステップS7でパラメータの設定を行う。初めに、制御対象装置600の無線通信部110は、携帯端末装置700に対し携帯端末装置700のデバイスデータの送信を要求する(S7-1)。携帯端末装置700では、無線通信部210が、上記要求を受信し(S7-2)、携帯端末装置デバイスデータ記憶部220に記憶されている携帯端末装置700のデバイスデータを読み出し、無線通信部110へ送信する(S7-3)。そして、無線通信部110は、携帯端末装置700のデバイスデータを無線通信部210から受信し、携帯端末装置デバイスデータ記憶部132に記憶する(S7-4)。
【0084】
次いで、サーバ通信部120は、制御対象装置デバイスデータ記憶部131に記憶されている制御対象装置600のデバイスデータ、および携帯端末装置デバイスデータ記憶部132に記憶されている携帯端末装置700のデバイスデータを読み出し(S7-5)、制御対象装置600のデバイスデータおよび携帯端末装置700のデバイスデータをサーバ装置800に送信する(S7-6)。
【0085】
次いで、サーバ装置800では、サーバ通信部310が、制御対象装置600のデバイスデータおよび携帯端末装置700のデバイスデータ(これらを「デバイス情報」と総称する)を受信し(S7-7)、受信したデバイス情報をパラメータデータベース801に記憶されているデバイスデータ管理表と照合することで、受信したデバイス情報に適合したパラメータ(ここでは、閾値および歩行状態認識レベル)を検索する(S7-8)。そして、サーバ通信部310は、検索で得られたパラメータを制御対象装置600のサーバ通信部120に送信する(S7-9)。
【0086】
そして、サーバ通信部120は、パラメータをサーバ通信部310から受信し、受信したパラメータのうち閾値を閾値記憶部121に、歩行状態認識レベルを歩行状態認識レベル記憶部601に、それぞれ記憶する(S7-10)。
【0087】
そして、離席判定部602は、閾値記憶部121に記憶されている閾値を閾値設定部141に記憶し、歩行状態認識レベル記憶部601に記憶されている歩行状態認識レベルを歩行状態識別部603に記憶することで、離席判定処理の設定を行う(S7-11)。
【0088】
次に、図14に示すステップS8へ進み、以下の離席判定処理が行われる。まず、制御対象装置600の受信電力強度測定部112は、無線通信部110により受信された携帯端末装置700からの信号の受信電力強度を測定する(S8-1)。次いで、離席判定部602は、受信電力強度測定部112により測定された受信電力強度が、閾値設定部141に記憶されている閾値以下か否かを判断し(S8-2)、受信電力強度が閾値より大きい場合は、ステップS8-1に戻り、一方、受信電力強度が閾値以下の場合は、以下のステップS8-3へ進む。
【0089】
加速度センサ制御部604は、携帯端末装置700の加速度センサ部701の電源を起動させるべく、ステップS8-3にて、加速度センサ部701の電源の起動制御信号を無線通信部110から携帯端末装置700へ向けて送信する。
【0090】
携帯端末装置700では、無線通信部210が上記起動制御信号を受信し、加速度センサ部701へ転送する(S8-4)。これにより、加速度センサ部701の電源は起動され、加速度センサ部701が動作開始する。そして、加速度センサ部701は携帯端末装置700における加速度センサ値を測定し(S8-5)、測定で得られた加速度センサ値は無線通信部210へ転送され、無線通信部210は加速度センサ値を制御対象装置600へ向けて送信する(S8-6)。
【0091】
制御対象装置600では、上記の加速度センサ値が無線通信部110により受信されて加速度センサ制御部604へ転送され、加速度センサ制御部604は加速度センサ値を歩行状態識別部603に記憶する(S8-7)。
【0092】
次いで、歩行状態識別部603は、ステップS8-7で記憶された加速度センサ値が、ステップS7-10で記憶された歩行状態認識レベル以上か否かを判定する(S8-8)。ここで、加速度センサ値が歩行状態認識レベルより小さい場合はユーザが歩行状態ではないと判断され、ステップS8-9にて加速度センサ制御部604は、携帯端末装置700の加速度センサ部701の電源を停止させるべく、加速度センサ部701の電源の停止制御信号を無線通信部110から携帯端末装置700へ向けて送信し、その後、ステップS8-1に戻る。携帯端末装置700では、無線通信部210が上記停止制御信号を受信し、加速度センサ部701へ転送する(S8-10)。これにより、加速度センサ部701の電源は停止され、加速度センサ部701の動作は停止する。
【0093】
一方、ステップS8-8にて加速度センサ値が歩行状態認識レベル以上の場合はユーザが歩行状態であると判断され、ステップS8-11において離席判定部602は、離席と判定する。そして、ステップS9で離席処理部150は、制御対象装置600に対し所定の離席処理を行い、処理を終了する。
【0094】
以上説明した実施の形態3によれば、制御対象装置が、受信した加速度センサ値と歩行状態認識レベルとを比較することで、ユーザが歩行状態であるか否かを的確に識別することができ、ユーザが歩行状態でないと識別された場合、離席処理の実行を回避することができる。これにより、ユーザが制御対象装置の前に着席しているにもかかわらず、周辺環境の変化によって一時的に受信電力が下がるような状況でも、誤動作の発生を抑止することができる。
【0095】
また、受信電力が閾値以下と判定された場合にのみ、携帯端末装置の加速度センサの電源を起動させる。このように、必要なときにのみ携帯端末装置の加速度センサを起動させるため、携帯端末装置の消費電力を削減することが可能になる。
【0096】
なお、前述した実施の形態1〜3における例外処理を2つ以上組み合わせて実行してもよい。例えば、実施の形態1又は2で離席と判定された後に、実施の形態3のように携帯端末装置の加速度センサの電源を起動し、加速度センサ値と歩行状態認識レベルとを比較し、その比較結果に基づいて離席判定を改めて行ってもよい。この場合、実施の形態1又は2の手法で離席と判定された後であっても、携帯端末装置のユーザが歩行状態であるか否かを適切に識別し、もし該ユーザが歩行状態でないと識別された場合に離席処理の実行を回避することができる。そのため、ユーザが離席していないときに周辺環境の変化によって一時的に受信電力が下がるような状況であっても、誤動作の発生をさらに抑止することができる。
【0097】
以上の説明は、本発明の好適な実施の形態の例証であり、本発明の範囲はこれらに限定されることはない。例えば、携帯端末装置として携帯電話機に適用した例について説明しているが、携帯端末装置としては、携帯電話機に限らず、PDAなどの携帯情報端末、パーソナルコンピュータ、又はそれらが融合された装置など、さまざまな携帯機器に適用可能である。
【0098】
また、上記の制御対象装置の実例としては、パーソナルコンピュータに限らず、銀行のATM装置や法人向け各種情報端末装置など、ユーザが離席する際に所定の離席処理を行うべき装置全てに適用可能である。
【0099】
また、本発明を実施するにあたり、携帯端末装置と制御対象装置との間の無線通信方式については特に限定されるものではない。具体例としてはBluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)、無線LANといった各種の無線通信技術を適用することが可能である。
【0100】
また、上記の実施の形態で説明した加速度センサについては、ユーザの歩行状態を識別可能なセンサであればよく、センサ種別を加速度センサに限定するものではない。加速度センサ以外には、例えばジャイロセンサや測位システム(GPS)などを適用することも可能である。
【0101】
また、本願では、携帯端末装置、制御対象装置、サーバ装置といった名称を用いたが、これは説明の便宜上であり、携帯電話機、機器の使用制限装置、サーバ機器等の別の名称を用いてもよい。
【0102】
さらに、上記の制御対象装置、携帯端末装置及びサーバ装置を構成する各機能ブロックについて、例えば、無線通信部等の種類、数及び相互接続の態様などは、前述した実施の形態に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0103】
100、400、600…制御対象装置、110、210…無線通信部、111、211…アンテナ、112…受信電力強度測定部、120、310…サーバ通信部、121…閾値記憶部、122…タイマー基準値記憶部、123…ソフトウェア情報記憶部、130…デバイスデータ記憶部、131…制御対象装置デバイスデータ記憶部、132、220…携帯端末装置デバイスデータ記憶部、140、402、602…離席判定部、141…閾値設定部、142…判定時間測定部、143…ソフトウェア状態判断部、144…タイマー、150…離席処理部、200、700…携帯端末装置、300、500、800…サーバ装置、320、501、801…パラメータデータベース、401…無操作時間基準値記憶部、403…ユーザ操作検出部、404…操作最終時刻タイマー部、405…時計、601…歩行状態認識レベル記憶部、603…歩行状態識別部、604…加速度センサ制御部、701…加速度センサ部、100A…CPU、100B…RAM、100C…ROM、100D…入力装置、100E…通信装置、100F…補助記憶装置、100G…出力装置。
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末装置を用いて制御対象装置の離席処理を行う離席処理方法、通信システムおよび制御対象装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に携帯電話などの携帯端末装置はユーザが常時所持する使用形態であるため、制御対象装置からユーザが離席する際の離席処理を自動的に行うことを目的として、携帯端末装置と制御対象装置間の距離に応じて変動する近距離無線通信における受信電力を基に、受信電力が所定値以下になると自動的に制御対象装置の使用制限や警報出力を行う方法が知られている(下記の特許文献1参照)。
【0003】
また、同様に携帯端末装置と制御対象装置間の近距離無線通信における受信電力を基にした離席処理方法で、複数のアンテナを用いて複数の周波数を用いることで誤動作を軽減する方法が知られている(下記の特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第2931276号公報
【特許文献2】特開2006−325232号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のとおり、受信電力を基に離席処理を行う方法が提案されているが、受信電力は周辺環境の影響を大きく受けるため、離席処理を行うにあたって誤動作が発生し易いという問題がある。
【0006】
また、受信電力はデバイスの備える特性、例えばアンテナ特性等にも左右されるため、ユーザの所持する携帯端末装置や制御対象装置の特性に適合したパラメータを設定しなければ、誤動作が発生し易いという問題がある。
【0007】
一方、複数の周波数を用いることで誤動作を軽減させる特許文献2の技術では、携帯端末装置や制御対象装置に複数のアンテナを設置する必要があるなどハードウェアの追加が必要であり、装置構成が複雑になってコスト高になり、実際には実現が困難である。
【0008】
そこで、上述の課題を解決するために、本発明は、携帯端末装置と制御対象装置間の近距離無線通信における受信電力を基に離席処理を自動的に行うにあたり、ハードウェアを追加することなく、ソフトウェア的な処理により誤動作の発生を抑止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述の課題を解決するために、本発明に係る離席処理方法は、携帯端末装置を所持したユーザが制御対象装置から離席したことを判定し所定の離席処理を実行する離席処理方法であって、前記制御対象装置が、前記携帯端末装置と該制御対象装置それぞれのデバイス情報を収集するステップと、前記制御対象装置が、収集した前記携帯端末装置と前記制御対象装置それぞれのデバイス情報をサーバ装置に出力するステップと、前記サーバ装置が、前記制御対象装置から出力されたデバイス情報を受信するステップと、前記サーバ装置が、予め記憶された、受信電力閾値を含む離席判定用パラメータ情報から、前記受信したデバイス情報に適合した離席判定用パラメータ情報を検索するステップと、前記サーバ装置が、検索で得られた離席判定用パラメータ情報を該制御対象装置に出力するステップと、前記制御対象装置が、前記サーバ装置から出力された離席判定用パラメータ情報を受信するステップと、前記制御対象装置が、前記携帯端末装置から受信される信号についての受信電力を測定し、前記受信電力が、前記離席判定用パラメータ情報に含まれた前記受信電力閾値以下となる所定の場合に離席と判定し、所定の離席処理を実行する判定実行ステップと、を備えることを特徴とする。
【0010】
上記離席処理方法によれば、制御対象装置は、制御対象装置と携帯端末装置それぞれのデバイス情報に適合した離席判定用パラメータ情報をサーバ装置から受信し、該離席判定用パラメータ情報に含まれた受信電力閾値と、端末装置からの受信信号についての受信電力とを比較することで、離席判定を適切に行うことができ、携帯端末装置と制御対象装置間の近距離無線通信における受信電力を基に離席処理を自動的に行うにあたり、ハードウェアを追加することなく、ソフトウェア的な処理により誤動作の発生を抑止することができる。
【0011】
なお、前記離席判定用パラメータ情報はタイマー基準値をさらに含んでおり、前記判定実行ステップにおいて、前記受信電力が前記受信電力閾値以下の場合、前記タイマー基準値を基にしたタイマーを開始し、前記タイマーが終了する前に前記受信電力が前記受信電力閾値を上回った場合には、前記離席処理の実行を回避することが望ましい。この場合、受信電力が一時的に受信電力閾値以下になるような状況で離席処理の実行を回避できるため、ユーザが制御対象装置の前に着席しているにもかかわらず周辺環境の変化によって一時的に受信電力が下がるような状況でも、誤動作の発生を抑止することができる。
【0012】
また、前記離席判定用パラメータ情報はソフトウェア情報をさらに含んでおり、前記判定実行ステップにおいて、前記ソフトウェア情報のうち、前記制御対象装置にて実行されているアプリケーションソフトウェアに該当するソフトウェア情報に従って、前記タイマー基準値を調整することが望ましい。例えば、前記ソフトウェア情報は、ソフトウェアごとに定められた、前記タイマー基準値に対する調整量を含むことが望ましい。これにより、制御対象装置にて実行されているアプリケーションソフトウェアに応じてタイマー基準値を調整することが可能となり、例えば、ユーザが離席しにくいアプリケーションソフトウェアを実行している場合にタイマー基準値を長くするよう調整するなどの処理により、誤動作の発生をさらに抑止することができる。
【0013】
また、前記判定実行ステップでは、前記制御対象装置に対しユーザ操作が行われた後、所定の無操作時間基準値が経過する前に、前記制御対象装置に対する別のユーザ操作が行われた場合には、前記離席処理の実行を回避することが望ましい。これにより、ユーザが制御対象装置への操作を行っている際に離席処理の実行を回避することが可能となるため、ユーザが制御対象装置の前に着席しているにもかかわらず、周辺環境の変化によって一時的に受信電力が下がるような状況でも、誤動作の発生を抑止することができる。
【0014】
また、前記離席判定用パラメータ情報は歩行状態認識レベルをさらに含んでおり、前記離席処理方法は、前記携帯端末装置が、該携帯端末装置が備えたユーザの歩行状態を識別するためのセンサ、から出力されるセンサ値を前記制御対象装置に出力するステップと、前記制御対象装置が、前記携帯端末装置から出力されたセンサ値を受信するステップと、前記制御対象装置が、受信した該センサ値と、前記離席判定用パラメータ情報に含まれた前記歩行状態認識レベルとを比較することで、該携帯端末装置のユーザが歩行状態であるか否かを識別するステップと、をさらに備え、該携帯端末装置のユーザが歩行状態でないと識別された場合、前記判定実行ステップでは、前記離席処理の実行を回避することが望ましい。これにより、ユーザが歩行状態でない場合に離席処理の実行を回避することが可能となるため、ユーザが制御対象装置の前に着席しているにもかかわらず、周辺環境の変化によって一時的に受信電力が下がるような状況でも、誤動作の発生を抑止することができる。
【0015】
また、前記判定実行ステップにおいて、前記受信電力が前記受信電力閾値以下の場合に、前記制御対象装置は該携帯端末装置における前記センサの電源を起動させることが望ましい。これにより、必要なときにのみ携帯端末装置のセンサを起動させることが可能となり、携帯端末装置の消費電力を削減することが可能になる。
【0016】
また、前記離席判定用パラメータ情報は歩行状態認識レベルをさらに含んでおり、前記離席処理方法は、前記判定実行ステップにて離席と判定された後に、前記制御対象装置が、該携帯端末装置における前記センサの電源を起動させるステップと、前記携帯端末装置が、前記センサのセンサ値を前記制御対象装置に出力するステップと、前記制御対象装置が、前記携帯端末装置から出力されたセンサ値を受信するステップと、前記制御対象装置が、受信した該センサ値と、前記離席判定用パラメータ情報に含まれた前記歩行状態認識レベルとを比較することで、該携帯端末装置のユーザが歩行状態であるか否かを識別するステップと、該携帯端末装置のユーザが歩行状態でないと識別された場合に、前記制御対象装置が、前記離席処理の実行を回避するステップと、をさらに備えることが望ましい。この場合、判定実行ステップにて離席と判定された後であっても、携帯端末装置のユーザが歩行状態であるか否かを適切に識別し、該ユーザが歩行状態でないと識別された場合に離席処理の実行を回避できるため、周辺環境の変化によって一時的に受信電力が下がるような状況でも、誤動作の発生を抑止することができる。
【0017】
ところで、本発明は、上記のように離席処理方法に係る発明として捉える以外に、通信システムに係る発明および制御対象装置に係る発明として捉えることもでき、以下のように記述することができる。通信システムに係る発明および制御対象装置に係る発明も、同様の作用・効果を奏する。
【0018】
本発明に係る通信システムは、携帯端末装置と、サーバ装置と、前記携帯端末装置を所持したユーザが制御対象装置から離席したことを判定し所定の離席処理を実行する当該制御対象装置と、を含んで構成される通信システムであって、前記制御対象装置は、前記携帯端末装置と前記制御対象装置それぞれのデバイス情報を収集するデバイス情報収集手段と、収集された前記携帯端末装置と前記制御対象装置それぞれのデバイス情報を前記サーバ装置に出力するデバイス情報出力手段と、を備え、前記サーバ装置は、前記制御対象装置から出力されたデバイス情報を受信するデバイス情報受信手段と、予め記憶された、受信電力閾値を含む離席判定用パラメータ情報から、前記受信したデバイス情報に適合した離席判定用パラメータ情報を検索する検索手段と、検索で得られた離席判定用パラメータ情報を該制御対象装置に出力するパラメータ情報出力手段と、を備え、前記制御対象装置は、さらに、前記サーバ装置から出力された離席判定用パラメータ情報を受信するパラメータ情報受信手段と、前記携帯端末装置から受信される信号についての受信電力を測定する受信電力測定手段と、前記受信電力が、前記離席判定用パラメータ情報に含まれた受信電力閾値以下となる所定の場合に離席と判定し、所定の離席処理を実行する判定実行手段と、を備えることを特徴とする。
【0019】
本発明に係る制御対象装置は、携帯端末装置を所持したユーザが制御対象装置から離席したことを判定し所定の離席処理を実行する当該制御対象装置であって、前記携帯端末装置と該制御対象装置それぞれのデバイス情報を収集するデバイス情報収集手段と、収集された前記携帯端末装置と該制御対象装置それぞれのデバイス情報をサーバ装置に出力するデバイス情報出力手段と、前記サーバ装置から出力された、受信電力閾値を含み且つ前記デバイス情報に適合した離席判定用パラメータ情報を受信するパラメータ情報受信手段と、前記携帯端末装置から受信される信号についての受信電力を測定する受信電力測定手段と、前記受信電力が、前記離席判定用パラメータ情報に含まれた受信電力閾値以下となる所定の場合に離席と判定し、所定の離席処理を実行する判定実行手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、携帯端末装置と制御対象装置間の近距離無線通信における受信電力を基に離席処理を自動的に行うにあたり、ハードウェアを追加することなく、ソフトウェア的な処理により誤動作の発生を抑止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】実施の形態1に係る各装置の構成を示すブロック図である。
【図2】実施の形態1に係るサーバ装置のパラメータデータベースに記憶されたデバイスデータ管理表を説明するための図である。
【図3】実施の形態1に係るサーバ装置のパラメータデータベースに記憶されたソフトウェア情報管理表を説明するための図である。
【図4】実施の形態1〜3に係る制御対象装置と携帯端末装置との距離に応じた離席処理を説明するための図である。
【図5】実施の形態1に係る処理動作の前半を示すフロー図である。
【図6】実施の形態1に係る処理動作の後半を示すフロー図である。
【図7】実施の形態2に係る各装置の構成を示すブロック図である。
【図8】実施の形態2に係るサーバ装置のパラメータデータベースに記憶されたデバイスデータ管理表を説明するための図である。
【図9】実施の形態2に係る処理動作の前半を示すフロー図である。
【図10】実施の形態2に係る処理動作の後半を示すフロー図である。
【図11】実施の形態3に係る各装置の構成を示すブロック図である。
【図12】実施の形態3に係るサーバ装置のパラメータデータベースに記憶されたデバイスデータ管理表を説明するための図である。
【図13】実施の形態3に係る処理動作の前半を示すフロー図である。
【図14】実施の形態3に係る処理動作の後半を示すフロー図である。
【図15】制御対象装置、携帯端末装置およびサーバ装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0023】
(実施の形態1)
実施の形態1は、制御対象装置と携帯端末装置との距離に応じて制御対象装置に対する離席処理の実行を制御しつつ、例外処理としてタイマー基準値に基づく判断およびソフトウェア状態に基づく判断を導入するものである。
【0024】
図1には、実施の形態1に係る通信システムを構成する各装置の機能ブロック構成を示す。本実施の形態1では、携帯端末装置として携帯電話機を適用した例を想定している。ただし、携帯電話機に限定されるものではないので、以下では「携帯端末装置」の名称を用いて説明する。
【0025】
図1に示すように、実施の形態1に係る通信システムは、離席判定を行う制御対象装置100と、制御対象装置100との間で離席判定のための双方向無線通信を行う携帯端末装置200と、制御対象措置100との間でデータ送受信のための双方向通信を行うサーバ装置300とを含んで構成される。
【0026】
このうち制御対象装置100は、アンテナ111を内蔵し携帯端末装置200との間で無線通信を行う無線通信部110と、受信電力強度測定部112と、サーバ装置300との間で通信を行うためのサーバ通信部120と、サーバ装置300から得られた離席判定の基準値となる予め定められた受信電力強度の閾値(以下「閾値」と略称する)を記憶する閾値記憶部121と、サーバ装置300から得られたタイマー基準値を記憶するタイマー基準値記憶部122と、サーバ装置300から得られたソフトウェア情報を記憶するソフトウェア情報記憶部123と、各デバイスデータを記憶するデバイスデータ記憶部130と、離席判定部140と、離席処理部150と、を備える。なお、デバイスデータ記憶部130は、制御対象装置100のデバイスデータを記憶する制御対象装置デバイスデータ記憶部131と、携帯端末装置200のデバイスデータを記憶する携帯端末装置デバイスデータ記憶部132と、を含んで構成される。
【0027】
受信電力強度測定部112は、携帯端末装置200から受信される信号の受信電力強度を測定する。
【0028】
離席判定部140は、閾値記憶部121に記憶された閾値を設定する閾値設定部141と、タイマー基準値記憶部122に記憶されたタイマー基準値を用いて、後述する例外処理を行う判定時間測定部142と、ソフトウェア情報記憶部123に記憶された各ソフトウェアの状態に応じた加算タイマー基準値を用いてソフトウェアの使用状況に応じた例外処理を行うソフトウェア状態判断部143と、設定されたタイマー値に基づき動作するタイマー144と、を含んで構成される。離席判定部140は、受信電力強度測定部112により測定された受信電力強度により制御対象装置100と携帯端末装置200との相対距離を測定することで、離席判定を行う。ただし、離席判定部140は、離席判定を行う際に判定時間測定部142により、後述する例外処理を行う。例外処理の後、離席判定部140により離席と判定された場合に、離席処理部150が、制御対象装置100の入力操作等の制御を行う離席処理を実行する。一方、離席と判定されなかった場合には、受信電力強度測定部112より次の受信電力強度が測定され、離席判定部140により離席判定が行われる。
【0029】
図15には、制御対象装置100のハードウェア構成の一例を示す。制御対象装置100は、ハードウェア構成として、CPU100Aと、RAM100Bと、ROM100Cと、入力デバイスであるキーボードやマウス等の入力装置100Dと、外部装置との通信を行う通信装置100Eと、補助記憶装置100Fと、出力デバイスであるディスプレイやプリンタ等の出力装置100Gと、を備える。前述した制御対象装置100の各機能ブロックの機能は、RAM100B等に所定のプログラムを読み込ませ、CPU100Aの制御の下で入力装置100D、通信装置100E、出力装置100Gを動作させ、補助記憶装置100F等に対しデータの読み書きを行うことで実現される。
【0030】
一方、携帯端末装置200は、アンテナ211を内蔵し制御対象装置100との間で無線通信を行う無線通信部210と、携帯端末装置200のデバイスデータを記憶する携帯端末装置デバイスデータ記憶部220と、を備える。また、サーバ装置300は、制御対象装置100との間で通信を行うためのサーバ通信部310と、制御対象装置100から送られてくるデバイスデータに対応した離席判定用パラメータおよび制御対象装置100から送られてくるソフトウェア情報に対応した加算タイマー基準値を記憶するパラメータデータベース320と、を備える。なお、携帯端末装置200およびサーバ装置300のハードウェア構成は、基本的には、前述した図15のハードウェア構成と同様であり、特別なハードウェア構成を必要とするものではない。
【0031】
本実施の形態1における「パラメータ」とは、閾値、タイマー基準値、およびソフトウェア情報を意味する。このうちソフトウェア情報とは、ソフトウェア種類およびソフトウェア状態の組合せに対応する加算タイマー基準値を示す対応表の情報である。図2には、パラメータデータベース320に記憶されたデバイスデータ管理表の一例を示す。図2に示すように、デバイスデータ管理表には、制御対象装置デバイスデータ、携帯端末装置デバイスデータ、閾値、およびタイマー基準値が対応付けられて記憶されている。一方、図3には、パラメータデータベース320に記憶されたソフトウェア情報管理表の一例を示す。図3に示すように、ソフトウェア情報管理表には、ソフトウェア種類、ソフトウェア状態、および加算タイマー基準値が対応付けられて記憶されている。
【0032】
以下、上述のように構成された制御対象装置100の離席判定動作について説明する。図4は、本離席判定方式の基本概念を説明するための図である。本離席判定方式では、制御対象装置100と携帯端末装置200との距離が長くなるほど、制御対象装置100にて測定される携帯端末装置200からの信号の受信電力強度が小さくなる点を利用し、受信電力強度が予め設定された閾値より大きくなるか、閾値以下になるかの境界線が、図4に示すように閾値境界線400として想定され、閾値境界線400の内側領域が、在席判定エリア401(即ち、携帯端末装置200を所持したユーザが制御対象装置100に対し在席していると判定されるエリア)とされ、一方、閾値境界線400の外側領域が、離席判定エリア402(即ち、携帯端末装置200を所持したユーザが制御対象装置100に対し離席していると判定されるエリア)とされる。
【0033】
制御対象装置100が、測定により得られた図4の携帯端末装置Aからの受信電力強度と閾値とを比較し、受信電力強度が閾値より大きい場合(即ち、閾値境界線400の内側である場合)、携帯端末装置A(携帯端末装置Aを所持したユーザ)は在席判定エリア401に位置すると判定する。一方、制御対象装置100が、測定により得られた図4の携帯端末装置Bからの受信電力強度と閾値とを比較し、受信電力強度が閾値以下である場合(閾値境界線400の外側である場合)、携帯端末装置B(携帯端末装置Bを所持したユーザ)は離席判定エリア402に位置すると判定する。
【0034】
ここで、在席判定エリア401に位置すると判定された場合は、制御対象装置100の機能に制約を設けない状態で利用できる。それに対し、離席判定エリア402に位置すると判定された場合は、離席処理部150により、制御対象装置100が利用不可能な状態とされる。例えば、制御対象装置100に搭載されているキーボードおよびマウスの入力操作の停止、ディスプレイ映像の非表示を行う。本実施の形態1では、使用されるデバイスに応じて離席判定に用いられるパラメータの最適値が異なることを考慮するため、制御対象装置100は、制御対象装置100と携帯端末装置200それぞれのデバイスデータをサーバ装置300に送信し、該デバイスデータに適合したパラメータをサーバ装置300から入手し、入手したパラメータを用いて離席判定を行う。
【0035】
次に、本実施の形態1における例外処理について説明する。本実施の形態1における例外処理として、判定時間測定部142は、タイマー基準値記憶部122より得られたタイマー基準値を基にタイマー144を開始し、もしタイマー144が終了する前に受信電力強度が閾値を上回った場合には、離席処理の実行を回避する。ここで、ソフトウェア状態判断部143は、制御対象装置100にて実行中のソフトウェアの種類や状態に応じた加算タイマー基準値をソフトウェア情報記憶部123から取得し、上記のタイマー基準値に加算タイマー基準値を加算することで、実行中のソフトウェアの種類や状態に応じてタイマー基準値を調整する。なお、ソフトウェア情報は、サーバ装置300のパラメータデータベース320から取得される。
【0036】
以下、図5、図6を用いて、実施の形態1に係る処理動作を説明する。
【0037】
まず、図5のステップS1でパラメータの設定を行う。初めに、制御対象装置100の無線通信部110は、携帯端末装置200に対し携帯端末装置200のデバイスデータの送信を要求する(S1-1)。携帯端末装置200では、無線通信部210が、上記要求を受信し(S1-2)、携帯端末装置デバイスデータ記憶部220に記憶されている携帯端末装置200のデバイスデータを読み出し、無線通信部110へ送信する(S1-3)。そして、無線通信部110は、携帯端末装置200のデバイスデータを無線通信部210から受信し、携帯端末装置デバイスデータ記憶部132に記憶する(S1-4)。
【0038】
次いで、サーバ通信部120は、制御対象装置デバイスデータ記憶部131に記憶されている制御対象装置100のデバイスデータ、および携帯端末装置デバイスデータ記憶部132に記憶されている携帯端末装置200のデバイスデータを読み出し(S1-5)、制御対象装置100のデバイスデータおよび携帯端末装置200のデバイスデータをサーバ装置300に送信する(S1-6)。
【0039】
次いで、サーバ装置300では、サーバ通信部310が、制御対象装置100のデバイスデータおよび携帯端末装置200のデバイスデータ(これらを「デバイス情報」と総称する)を受信し(S1-7)、受信したデバイス情報をパラメータデータベース320に記憶されているデバイスデータ管理表と照合することで、受信したデバイス情報に適合したパラメータ(ここでは、閾値およびタイマー基準値)を検索する(S1-8)。そして、サーバ通信部310は、検索で得られたパラメータを制御対象装置100のサーバ通信部120に送信する(S1-9)。
【0040】
そして、サーバ通信部120は、パラメータをサーバ通信部310から受信し、受信したパラメータのうち閾値を閾値記憶部121に、タイマー基準値をタイマー基準値記憶部122に、それぞれ記憶する(S1-10)。
【0041】
次いで、サーバ通信部120は、サーバ装置300に対し、ソフトウェア情報の送信を要求する(S1-11)。サーバ装置300では、サーバ通信部310は、上記要求を受信すると(S1-12)、パラメータデータベース320に記憶されているソフトウェア情報管理表からソフトウェア情報を読み出し、サーバ通信部120へ送信する(S1-13)。そして、サーバ通信部120は、ソフトウェア情報をサーバ通信部310から受信し、ソフトウェア情報記憶部123に記憶する(S1-14)。
【0042】
そして、離席判定部140は、閾値記憶部121に記憶されている閾値を閾値設定部141に記憶し、タイマー基準値記憶部122に記憶されているタイマー基準値を判定時間測定部142に記憶することで、離席判定処理の設定を行う(S1-15)。
【0043】
次に、図6に示すステップS2へ進み、制御対象装置100は、以下の離席判定処理を行う。まず、離席判定部140は、タイマー144のタイマー値を初期値0に初期設定する(S2-1)。次いで、ソフトウェア状態判断部143は、制御対象装置100にて当該時点で実行中のソフトウェア情報を確認し、ソフトウェア情報記憶部123に記憶されているソフトウェア情報に対応する加算タイマー基準値を判定時間測定部142のタイマー基準値に加算する(S2-2)。ここで、加算タイマー基準値が正の値の場合、タイマー基準値は増加するが、加算タイマー基準値が負の値の場合、タイマー基準値は減少する。このようにしてタイマー基準値は調整される。
【0044】
次いで、受信電力強度測定部112は、無線通信部110により受信された携帯端末装置200からの信号の受信電力強度を測定する(S2-3)。次いで、離席判定部112は、受信電力強度測定部112により測定された受信電力強度が、閾値設定部141に記憶されている閾値以下か否かを判断し(S2-4)、受信電力強度が閾値より大きい場合は、ステップS2-1に戻り、タイマー値の初期設定を行う。
【0045】
一方、ステップS2-4で受信電力強度が閾値以下の場合、判定時間測定部142はタイマー144を起動する(S2-5)。次いで、判定時間測定部142は、タイマー144のタイマー値がタイマー基準値以上になったか否かを判定し(S2-6)、タイマー値がタイマー基準値以上の場合は、後述するステップS2-11へ進み、一方、タイマー値がタイマー基準値より小さい場合は、以下のステップS2-7に進む。
【0046】
ステップS2-7ではソフトウェア状態判断部143は、上記ステップS2-2と同様に、制御対象装置100にて当該時点で実行中のソフトウェア情報を確認し、ソフトウェア情報記憶部123に記憶されているソフトウェア情報に対応する加算タイマー基準値を判定時間測定部142のタイマー基準値に加算する。
【0047】
次いで、受信電力強度測定部112は、上記ステップS2-3と同様に、無線通信部110により受信された携帯端末装置200からの信号の受信電力強度を測定する(S2-8)。次いで、離席判定部112は、受信電力強度測定部112により測定された受信電力強度が、閾値設定部141に記憶されている閾値以下か否かを判断し(S2-9)、受信電力強度が閾値より大きい場合は、ステップS2-1に戻り、タイマー値の初期設定を行う。
【0048】
一方、ステップS2-9で受信電力強度が閾値以下の場合、判定時間測定部142は、タイマー144のタイマー値がタイマー基準値以上になったか否かを判定し(S2-10)、タイマー値がタイマー基準値より小さい場合は、前述したステップS2-7へ戻り、一方、タイマー値がタイマー基準値以上の場合、ステップS2-11において判定時間測定部142は、離席と判定する。
【0049】
そして、ステップS3で離席処理部150は、制御対象装置100に対し所定の離席処理を行い、処理を終了する。
【0050】
以上説明した実施の形態1によれば、制御対象装置は、デバイス情報(制御対象装置のデバイスデータおよび携帯端末装置のデバイスデータ)に適合したパラメータをサーバ装置から受信し、該パラメータに含まれた受信電力閾値と、携帯端末装置からの受信信号についての受信電力とを比較することで、離席判定を適切に行うことができ、携帯端末装置と制御対象装置間の近距離無線通信における受信電力を基に離席処理を自動的に行うにあたり、ハードウェアを追加することなく、ソフトウェア的な処理により誤動作の発生を抑止することができる。
【0051】
また、パラメータはタイマー基準値を含んでおり、受信電力が受信電力閾値以下の場合、タイマー基準値を基にしたタイマーを開始し、タイマーが終了する前に受信電力が受信電力閾値を上回った場合には、離席処理の実行を回避する。これにより、受信電力が一時的に受信電力閾値以下になるような状況で離席処理の実行を回避できるため、ユーザが制御対象装置の前に着席しているにもかかわらず周辺環境の変化によって一時的に受信電力が下がるような状況でも、誤動作の発生を抑止することができる。
【0052】
また、パラメータはソフトウェア情報を含んでおり、ソフトウェア情報のうち、制御対象装置にて当該時点で実行中のアプリケーションソフトウェアに該当するソフトウェア情報に従って、タイマー基準値を調整する。これにより、例えば、ユーザが離席しにくいアプリケーションソフトウェアを実行している場合にタイマー基準値を長くするよう調整するなどの処理により、誤動作の発生をさらに抑止することができる。
【0053】
(実施の形態2)
実施の形態2は、制御対象装置と携帯端末装置との距離に応じて制御対象装置に対する離席処理の実行を制御しつつ、例外処理として制御対象装置に対する操作監視を導入する例である。
【0054】
図7には、実施の形態2に係る通信システムを構成する各装置の機能ブロック構成を示す。図7に示すように、実施の形態2に係る通信システムは、離席判定を行う制御対象装置400と、制御対象装置400との間で離席判定のための双方向無線通信を行う携帯端末装置200と、制御対象措置400との間でデータ送受信のための双方向通信を行うサーバ装置500とを含んで構成される。以下、前述した実施の形態1の図1と同一構成部分には同一符号を付して重複箇所の説明を省略する。
【0055】
このうち制御対象装置400は、アンテナ111を内蔵し携帯端末装置200との間で無線通信を行う無線通信部110と、受信電力強度測定部112と、サーバ装置500との間で通信を行うためのサーバ通信部120と、サーバ装置500から得られた閾値を記憶する閾値記憶部121と、サーバ装置500から得られた無操作時間基準値を記憶する無操作時間基準値記憶部401と、各デバイスデータを記憶するデバイスデータ記憶部130と、離席判定部402と、離席処理部150と、制御対象装置400に対する操作が発生した最終時刻を記憶する操作最終時刻タイマー部404と、現在の時刻を計時する時計405と、を備える。なお、上記の閾値は、離席判定の基準値となる受信電力強度の閾値である。また、デバイスデータ記憶部130は、制御対象装置100のデバイスデータを記憶する制御対象装置デバイスデータ記憶部131と、携帯端末装置200のデバイスデータを記憶する携帯端末装置デバイスデータ記憶部132と、を含んで構成される。
【0056】
離席判定部402は、閾値記憶部121に記憶された閾値を設定する閾値設定部141と、無操作時間基準値記憶部401に記憶された無操作時間基準値を設定し、操作最終時刻タイマー部404に記憶された操作最終時刻、現在の時刻および上記無操作時間基準値に基づきユーザ操作状況を検出するユーザ操作検出部403と、を含んで構成される。離席判定部402は、受信電力強度測定部112により測定された受信電力強度により制御対象装置400と携帯端末装置200との相対距離を測定することで、離席判定を行う。ただし、離席判定部402は、離席判定を行う際にユーザ操作検出部403により、後述する例外処理を行う。例外処理の後、離席判定部402により離席と判定された場合に、離席処理部150が、制御対象装置400の入力操作等の制御を行う離席処理を実行する。一方、離席と判定されなかった場合には、受信電力強度測定部112より次の受信電力強度が測定され、離席判定部402により離席判定が行われる。
【0057】
一方、携帯端末装置200は、実施の形態1と同様に、アンテナ211を内蔵した無線通信部210と、携帯端末装置デバイスデータ記憶部220と、を備える。また、サーバ装置500は、制御対象装置400との間で通信を行うためのサーバ通信部310と、制御対象装置400から送られてくるデバイスデータに対応した離席判定用パラメータおよび無操作時間基準値を記憶するパラメータデータベース501と、を備える。
【0058】
なお、制御対象装置400、携帯端末装置200およびサーバ装置500のハードウェア構成は、基本的には、実施の形態1で説明した図15のハードウェア構成と同様であり、特別なハードウェア構成を必要とするものではない。
【0059】
本実施の形態2における「パラメータ」とは、閾値と無操作時間基準値を意味する。図8には、パラメータデータベース501に記憶されたデバイスデータ管理表の一例を示す。図8に示すように、デバイスデータ管理表には、制御対象装置デバイスデータ、携帯端末装置デバイスデータ、閾値、および無操作時間基準値が対応付けられて記憶されている。
【0060】
上述のように構成された制御対象装置400の離席判定動作については、その離席判定方式の基本概念は、前述した図4と同一であるため説明を省略する。
【0061】
次に、本実施の形態2における例外処理について説明する。本実施の形態2における例外処理として、制御対象装置400は、操作最終時刻タイマー部404から得られた操作最終時刻と時計405から得られる現在の時刻との差分値を求め、求めた差分値と無操作時間基準値記憶部401より得られた無操作時間基準値とを比較し、差分値が無操作時間基準値以上の場合は離席と判定して所定の離席処理を実行するが、差分値が無操作時間基準値より小さい場合は離席と判定せず所定の離席処理の実行を回避する。
【0062】
以下、図9、図10を用いて、実施の形態2に係る処理動作を説明する。
【0063】
まず、図9のステップS4でパラメータの設定を行う。初めに、制御対象装置400の無線通信部110は、携帯端末装置200に対し携帯端末装置200のデバイスデータの送信を要求する(S4-1)。携帯端末装置200では、無線通信部210が、上記要求を受信し(S4-2)、携帯端末装置デバイスデータ記憶部220に記憶されている携帯端末装置200のデバイスデータを読み出し、無線通信部110へ送信する(S4-3)。そして、無線通信部110は、携帯端末装置200のデバイスデータを無線通信部210から受信し、携帯端末装置デバイスデータ記憶部132に記憶する(S4-4)。
【0064】
次いで、サーバ通信部120は、制御対象装置デバイスデータ記憶部131に記憶されている制御対象装置400のデバイスデータ、および携帯端末装置デバイスデータ記憶部132に記憶されている携帯端末装置200のデバイスデータを読み出し(S4-5)、制御対象装置400のデバイスデータおよび携帯端末装置200のデバイスデータをサーバ装置500に送信する(S4-6)。
【0065】
次いで、サーバ装置500では、サーバ通信部310が、制御対象装置400のデバイスデータおよび携帯端末装置200のデバイスデータ(これらを「デバイス情報」と総称する)を受信し(S4-7)、受信したデバイス情報をパラメータデータベース501に記憶されているデバイスデータ管理表と照合することで、受信したデバイス情報に適合したパラメータ(ここでは、閾値および無操作時間基準値)を検索する(S4-8)。そして、サーバ通信部310は、検索で得られたパラメータを制御対象装置400のサーバ通信部120に送信する(S4-9)。
【0066】
そして、サーバ通信部120は、パラメータをサーバ通信部310から受信し、受信したパラメータのうち閾値を閾値記憶部121に、無操作時間基準値を無操作時間基準値記憶部401に、それぞれ記憶する(S4-10)。
【0067】
そして、離席判定部402は、閾値記憶部121に記憶されている閾値を閾値設定部141に記憶し、無操作時間基準値記憶部401に記憶されている無操作時間基準値をユーザ操作検出部403に記憶することで、離席判定処理の設定を行う(S4-11)。
【0068】
次に、図10に示すステップS5へ進み、制御対象装置400は、以下の離席判定処理を行う。まず、受信電力強度測定部112は、無線通信部110により受信された携帯端末装置200からの信号の受信電力強度を測定する(S5-1)。次いで、離席判定部402は、受信電力強度測定部112により測定された受信電力強度が、閾値設定部141に記憶されている閾値以下か否かを判断し(S5-2)、受信電力強度が閾値より大きい場合は、ステップS5-1に戻り、一方、受信電力強度が閾値以下の場合は、以下のステップS5-3へ進む。
【0069】
ユーザ操作検出部403は、ステップS5-3にて、時計405から現在の時刻を、操作最終時刻タイマー部404から制御対象装置400の操作最終時刻を、それぞれ取得し、ステップS5-4にて、現在の時刻と操作最終時刻との差分値を算出する。次いで、離席判定部402は、差分値が無操作時間基準値以上か否かを判定し(S5-5)、差分値が無操作時間基準値より小さい場合は、例外値の恐れがあると判断されてステップS5-1に戻る。一方、ステップS5-5で差分値が無操作時間基準値以上の場合、ステップS5-6において離席判定部402は、離席と判定する。
【0070】
そして、ステップS6で離席処理部150は、制御対象装置400に対し所定の離席処理を行い、処理を終了する。
【0071】
以上説明した実施の形態1によれば、制御対象装置400に対しユーザ操作が行われた後、所定の無操作時間基準値が経過する前に、制御対象装置400に対する新たなユーザ操作が行われたことを検出し、かかる場合に離席処理の実行を回避することができる。これにより、ユーザが制御対象装置400の前に着席しているにもかかわらず、周辺環境の変化によって一時的に受信電力が下がるような状況でも、誤動作の発生を抑止することができる。
【0072】
(実施の形態3)
実施の形態3は、制御対象装置と携帯端末装置との距離に応じて制御対象装置に対する離席処理の実行を制御しつつ、例外処理として携帯端末装置の加速度センサ監視を導入する例である。
【0073】
図11には、実施の形態3に係る通信システムを構成する各装置の機能ブロック構成を示す。図11に示すように、実施の形態3に係る通信システムは、離席判定を行う制御対象装置600と、制御対象装置600との間で離席判定のための双方向無線通信を行う携帯端末装置700と、制御対象措置600との間でデータ送受信のための双方向通信を行うサーバ装置800とを含んで構成される。以下、前述した実施の形態1の図1と同一構成部分には同一符号を付して重複箇所の説明を省略する。
【0074】
このうち制御対象装置600は、アンテナ111を内蔵し携帯端末装置700との間で無線通信を行う無線通信部110と、受信電力強度測定部112と、加速度センサ制御部604と、サーバ装置800との間で通信を行うためのサーバ通信部120と、サーバ装置800から得られた閾値を記憶する閾値記憶部121と、サーバ装置800から得られた歩行状態認識レベルを記憶する歩行状態認識レベル記憶部601と、各デバイスデータを記憶するデバイスデータ記憶部130と、離席判定部602と、離席処理部150と、を備える。なお、上記の閾値は、離席判定の基準値となる受信電力強度の閾値である。また、デバイスデータ記憶部130は、制御対象装置600のデバイスデータを記憶する制御対象装置デバイスデータ記憶部131と、携帯端末装置700のデバイスデータを記憶する携帯端末装置デバイスデータ記憶部132と、を含んで構成される。
【0075】
加速度センサ制御部604は、後述する携帯端末装置700の加速度センサ部701の起動を制御し、起動時には加速度センサ部701から加速度センサ値を取得する。
【0076】
離席判定部602は、閾値記憶部121に記憶された閾値を設定する閾値設定部141と、歩行状態認識レベル記憶部601に記憶された歩行状態認識レベルを設定し、上記歩行状態認識レベルと加速度センサ制御部604により取得された加速度センサ値とを比較することでユーザの歩行状態を識別する歩行状態識別部603と、を含んで構成される。離席判定部602は、受信電力強度測定部112により測定された受信電力強度により制御対象装置600と携帯端末装置700との相対距離を測定することで、離席判定を行う。ただし、離席判定を行う際に、加速度センサ制御部604は携帯端末装置700の加速度センサ部701を起動し、歩行状態識別部603により、後述する例外処理を行う。例外処理の後、離席判定部602により離席と判定された場合に、離席処理部150が、制御対象装置600の入力操作等の制御を行う離席処理を実行する。一方、離席と判定されなかった場合には、受信電力強度測定部112より次の受信電力強度が測定され、離席判定部602により離席判定が行われる。
【0077】
一方、携帯端末装置700は、アンテナ211を内蔵し制御対象装置600との間で無線通信を行う無線通信部210と、携帯端末装置700のデバイスデータを記憶する携帯端末装置デバイスデータ記憶部220と、携帯端末装置700の振動を加速度センサ値として測定する加速度センサ部701と、を備える。また、サーバ装置800は、制御対象装置600との間で通信を行うためのサーバ通信部310と、制御対象装置600から送られてくるデバイスデータに対応した離席判定用パラメータおよび歩行状態認識レベルを記憶するパラメータデータベース801と、を備える。
【0078】
なお、制御対象装置600、携帯端末装置700およびサーバ装置800のハードウェア構成は、基本的には、実施の形態1で説明した図15のハードウェア構成と同様であり、特別なハードウェア構成を必要とするものではない。
【0079】
本実施の形態3における「パラメータ」とは、閾値と歩行状態認識レベルを意味する。図12には、パラメータデータベース801に記憶されたデバイスデータ管理表の一例を示す。図12に示すように、デバイスデータ管理表には、制御対象装置デバイスデータ、携帯端末装置デバイスデータ、閾値、および歩行状態認識レベルが対応付けられて記憶されている。
【0080】
上述のように構成された制御対象装置600の離席判定動作については、その離席判定方式の基本概念は、前述した図4と同一であるため説明を省略する。
【0081】
次に、本実施の形態3における例外処理について説明する。本実施の形態3における例外処理として、制御対象装置600は、加速度センサ制御部604から得られた加速度センサ値と歩行状態認識レベル記憶部601より得られた歩行状態認識レベルとを比較し、加速度センサ値が歩行状態認識レベル以上の場合は離席と判定して所定の離席処理を実行するが、加速度センサ値が歩行状態認識レベルより小さい場合は離席と判定せず所定の離席処理の実行を回避する。
【0082】
以下、図13、図14を用いて、実施の形態3に係る処理動作を説明する。
【0083】
まず、図13のステップS7でパラメータの設定を行う。初めに、制御対象装置600の無線通信部110は、携帯端末装置700に対し携帯端末装置700のデバイスデータの送信を要求する(S7-1)。携帯端末装置700では、無線通信部210が、上記要求を受信し(S7-2)、携帯端末装置デバイスデータ記憶部220に記憶されている携帯端末装置700のデバイスデータを読み出し、無線通信部110へ送信する(S7-3)。そして、無線通信部110は、携帯端末装置700のデバイスデータを無線通信部210から受信し、携帯端末装置デバイスデータ記憶部132に記憶する(S7-4)。
【0084】
次いで、サーバ通信部120は、制御対象装置デバイスデータ記憶部131に記憶されている制御対象装置600のデバイスデータ、および携帯端末装置デバイスデータ記憶部132に記憶されている携帯端末装置700のデバイスデータを読み出し(S7-5)、制御対象装置600のデバイスデータおよび携帯端末装置700のデバイスデータをサーバ装置800に送信する(S7-6)。
【0085】
次いで、サーバ装置800では、サーバ通信部310が、制御対象装置600のデバイスデータおよび携帯端末装置700のデバイスデータ(これらを「デバイス情報」と総称する)を受信し(S7-7)、受信したデバイス情報をパラメータデータベース801に記憶されているデバイスデータ管理表と照合することで、受信したデバイス情報に適合したパラメータ(ここでは、閾値および歩行状態認識レベル)を検索する(S7-8)。そして、サーバ通信部310は、検索で得られたパラメータを制御対象装置600のサーバ通信部120に送信する(S7-9)。
【0086】
そして、サーバ通信部120は、パラメータをサーバ通信部310から受信し、受信したパラメータのうち閾値を閾値記憶部121に、歩行状態認識レベルを歩行状態認識レベル記憶部601に、それぞれ記憶する(S7-10)。
【0087】
そして、離席判定部602は、閾値記憶部121に記憶されている閾値を閾値設定部141に記憶し、歩行状態認識レベル記憶部601に記憶されている歩行状態認識レベルを歩行状態識別部603に記憶することで、離席判定処理の設定を行う(S7-11)。
【0088】
次に、図14に示すステップS8へ進み、以下の離席判定処理が行われる。まず、制御対象装置600の受信電力強度測定部112は、無線通信部110により受信された携帯端末装置700からの信号の受信電力強度を測定する(S8-1)。次いで、離席判定部602は、受信電力強度測定部112により測定された受信電力強度が、閾値設定部141に記憶されている閾値以下か否かを判断し(S8-2)、受信電力強度が閾値より大きい場合は、ステップS8-1に戻り、一方、受信電力強度が閾値以下の場合は、以下のステップS8-3へ進む。
【0089】
加速度センサ制御部604は、携帯端末装置700の加速度センサ部701の電源を起動させるべく、ステップS8-3にて、加速度センサ部701の電源の起動制御信号を無線通信部110から携帯端末装置700へ向けて送信する。
【0090】
携帯端末装置700では、無線通信部210が上記起動制御信号を受信し、加速度センサ部701へ転送する(S8-4)。これにより、加速度センサ部701の電源は起動され、加速度センサ部701が動作開始する。そして、加速度センサ部701は携帯端末装置700における加速度センサ値を測定し(S8-5)、測定で得られた加速度センサ値は無線通信部210へ転送され、無線通信部210は加速度センサ値を制御対象装置600へ向けて送信する(S8-6)。
【0091】
制御対象装置600では、上記の加速度センサ値が無線通信部110により受信されて加速度センサ制御部604へ転送され、加速度センサ制御部604は加速度センサ値を歩行状態識別部603に記憶する(S8-7)。
【0092】
次いで、歩行状態識別部603は、ステップS8-7で記憶された加速度センサ値が、ステップS7-10で記憶された歩行状態認識レベル以上か否かを判定する(S8-8)。ここで、加速度センサ値が歩行状態認識レベルより小さい場合はユーザが歩行状態ではないと判断され、ステップS8-9にて加速度センサ制御部604は、携帯端末装置700の加速度センサ部701の電源を停止させるべく、加速度センサ部701の電源の停止制御信号を無線通信部110から携帯端末装置700へ向けて送信し、その後、ステップS8-1に戻る。携帯端末装置700では、無線通信部210が上記停止制御信号を受信し、加速度センサ部701へ転送する(S8-10)。これにより、加速度センサ部701の電源は停止され、加速度センサ部701の動作は停止する。
【0093】
一方、ステップS8-8にて加速度センサ値が歩行状態認識レベル以上の場合はユーザが歩行状態であると判断され、ステップS8-11において離席判定部602は、離席と判定する。そして、ステップS9で離席処理部150は、制御対象装置600に対し所定の離席処理を行い、処理を終了する。
【0094】
以上説明した実施の形態3によれば、制御対象装置が、受信した加速度センサ値と歩行状態認識レベルとを比較することで、ユーザが歩行状態であるか否かを的確に識別することができ、ユーザが歩行状態でないと識別された場合、離席処理の実行を回避することができる。これにより、ユーザが制御対象装置の前に着席しているにもかかわらず、周辺環境の変化によって一時的に受信電力が下がるような状況でも、誤動作の発生を抑止することができる。
【0095】
また、受信電力が閾値以下と判定された場合にのみ、携帯端末装置の加速度センサの電源を起動させる。このように、必要なときにのみ携帯端末装置の加速度センサを起動させるため、携帯端末装置の消費電力を削減することが可能になる。
【0096】
なお、前述した実施の形態1〜3における例外処理を2つ以上組み合わせて実行してもよい。例えば、実施の形態1又は2で離席と判定された後に、実施の形態3のように携帯端末装置の加速度センサの電源を起動し、加速度センサ値と歩行状態認識レベルとを比較し、その比較結果に基づいて離席判定を改めて行ってもよい。この場合、実施の形態1又は2の手法で離席と判定された後であっても、携帯端末装置のユーザが歩行状態であるか否かを適切に識別し、もし該ユーザが歩行状態でないと識別された場合に離席処理の実行を回避することができる。そのため、ユーザが離席していないときに周辺環境の変化によって一時的に受信電力が下がるような状況であっても、誤動作の発生をさらに抑止することができる。
【0097】
以上の説明は、本発明の好適な実施の形態の例証であり、本発明の範囲はこれらに限定されることはない。例えば、携帯端末装置として携帯電話機に適用した例について説明しているが、携帯端末装置としては、携帯電話機に限らず、PDAなどの携帯情報端末、パーソナルコンピュータ、又はそれらが融合された装置など、さまざまな携帯機器に適用可能である。
【0098】
また、上記の制御対象装置の実例としては、パーソナルコンピュータに限らず、銀行のATM装置や法人向け各種情報端末装置など、ユーザが離席する際に所定の離席処理を行うべき装置全てに適用可能である。
【0099】
また、本発明を実施するにあたり、携帯端末装置と制御対象装置との間の無線通信方式については特に限定されるものではない。具体例としてはBluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)、無線LANといった各種の無線通信技術を適用することが可能である。
【0100】
また、上記の実施の形態で説明した加速度センサについては、ユーザの歩行状態を識別可能なセンサであればよく、センサ種別を加速度センサに限定するものではない。加速度センサ以外には、例えばジャイロセンサや測位システム(GPS)などを適用することも可能である。
【0101】
また、本願では、携帯端末装置、制御対象装置、サーバ装置といった名称を用いたが、これは説明の便宜上であり、携帯電話機、機器の使用制限装置、サーバ機器等の別の名称を用いてもよい。
【0102】
さらに、上記の制御対象装置、携帯端末装置及びサーバ装置を構成する各機能ブロックについて、例えば、無線通信部等の種類、数及び相互接続の態様などは、前述した実施の形態に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0103】
100、400、600…制御対象装置、110、210…無線通信部、111、211…アンテナ、112…受信電力強度測定部、120、310…サーバ通信部、121…閾値記憶部、122…タイマー基準値記憶部、123…ソフトウェア情報記憶部、130…デバイスデータ記憶部、131…制御対象装置デバイスデータ記憶部、132、220…携帯端末装置デバイスデータ記憶部、140、402、602…離席判定部、141…閾値設定部、142…判定時間測定部、143…ソフトウェア状態判断部、144…タイマー、150…離席処理部、200、700…携帯端末装置、300、500、800…サーバ装置、320、501、801…パラメータデータベース、401…無操作時間基準値記憶部、403…ユーザ操作検出部、404…操作最終時刻タイマー部、405…時計、601…歩行状態認識レベル記憶部、603…歩行状態識別部、604…加速度センサ制御部、701…加速度センサ部、100A…CPU、100B…RAM、100C…ROM、100D…入力装置、100E…通信装置、100F…補助記憶装置、100G…出力装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯端末装置を所持したユーザが制御対象装置から離席したことを判定し所定の離席処理を実行する離席処理方法であって、
前記制御対象装置が、前記携帯端末装置と該制御対象装置それぞれのデバイス情報を収集するステップと、
前記制御対象装置が、収集した前記携帯端末装置と前記制御対象装置それぞれのデバイス情報をサーバ装置に出力するステップと、
前記サーバ装置が、前記制御対象装置から出力されたデバイス情報を受信するステップと、
前記サーバ装置が、予め記憶された、受信電力閾値を含む離席判定用パラメータ情報から、前記受信したデバイス情報に適合した離席判定用パラメータ情報を検索するステップと、
前記サーバ装置が、検索で得られた離席判定用パラメータ情報を該制御対象装置に出力するステップと、
前記制御対象装置が、前記サーバ装置から出力された離席判定用パラメータ情報を受信するステップと、
前記制御対象装置が、前記携帯端末装置から受信される信号についての受信電力を測定し、前記受信電力が、前記離席判定用パラメータ情報に含まれた前記受信電力閾値以下となる所定の場合に離席と判定し、所定の離席処理を実行する判定実行ステップと、
を備える離席処理方法。
【請求項2】
前記離席判定用パラメータ情報はタイマー基準値をさらに含んでおり、
前記判定実行ステップにおいて、前記受信電力が前記受信電力閾値以下の場合、前記タイマー基準値を基にしたタイマーを開始し、前記タイマーが終了する前に前記受信電力が前記受信電力閾値を上回った場合には、前記離席処理の実行を回避する、
ことを特徴とする請求項1に記載の離席処理方法。
【請求項3】
前記離席判定用パラメータ情報はソフトウェア情報をさらに含んでおり、
前記判定実行ステップにおいて、前記ソフトウェア情報のうち、前記制御対象装置にて実行されているアプリケーションソフトウェアに該当するソフトウェア情報に従って、前記タイマー基準値を調整する、
ことを特徴とする請求項2に記載の離席処理方法。
【請求項4】
前記ソフトウェア情報は、
ソフトウェアごとに定められた、前記タイマー基準値に対する調整量を含む、
ことを特徴とする請求項3に記載の離席処理方法。
【請求項5】
前記判定実行ステップでは、前記制御対象装置に対しユーザ操作が行われた後、所定の無操作時間基準値が経過する前に、前記制御対象装置に対する別のユーザ操作が行われた場合には、前記離席処理の実行を回避する、
ことを特徴とする請求項1に記載の離席処理方法。
【請求項6】
前記離席判定用パラメータ情報は歩行状態認識レベルをさらに含んでおり、
前記離席処理方法は、
前記携帯端末装置が、該携帯端末装置が備えたユーザの歩行状態を識別するためのセンサ、から出力されるセンサ値を前記制御対象装置に出力するステップと、
前記制御対象装置が、前記携帯端末装置から出力されたセンサ値を受信するステップと、
前記制御対象装置が、受信した該センサ値と、前記離席判定用パラメータ情報に含まれた前記歩行状態認識レベルとを比較することで、該携帯端末装置のユーザが歩行状態であるか否かを識別するステップと、
をさらに備え、
該携帯端末装置のユーザが歩行状態でないと識別された場合、前記判定実行ステップでは、前記離席処理の実行を回避する、
ことを特徴とする請求項1に記載の離席処理方法。
【請求項7】
前記判定実行ステップにおいて、前記受信電力が前記受信電力閾値以下の場合に、前記制御対象装置は該携帯端末装置における前記センサの電源を起動させる、
ことを特徴とする請求項6に記載の離席処理方法。
【請求項8】
前記離席判定用パラメータ情報は歩行状態認識レベルをさらに含んでおり、
前記離席処理方法は、
前記判定実行ステップにて離席と判定された後に、前記制御対象装置が、該携帯端末装置における前記センサの電源を起動させるステップと、
前記携帯端末装置が、前記センサのセンサ値を前記制御対象装置に出力するステップと、
前記制御対象装置が、前記携帯端末装置から出力されたセンサ値を受信するステップと、
前記制御対象装置が、受信した該センサ値と、前記離席判定用パラメータ情報に含まれた前記歩行状態認識レベルとを比較することで、該携帯端末装置のユーザが歩行状態であるか否かを識別するステップと、
該携帯端末装置のユーザが歩行状態でないと識別された場合に、前記制御対象装置が、前記離席処理の実行を回避するステップと、
をさらに備えることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の離席処理方法。
【請求項9】
携帯端末装置と、サーバ装置と、前記携帯端末装置を所持したユーザが制御対象装置から離席したことを判定し所定の離席処理を実行する当該制御対象装置と、を含んで構成される通信システムであって、
前記制御対象装置は、
前記携帯端末装置と前記制御対象装置それぞれのデバイス情報を収集するデバイス情報収集手段と、
収集された前記携帯端末装置と前記制御対象装置それぞれのデバイス情報を前記サーバ装置に出力するデバイス情報出力手段と、
を備え、
前記サーバ装置は、
前記制御対象装置から出力されたデバイス情報を受信するデバイス情報受信手段と、
予め記憶された、受信電力閾値を含む離席判定用パラメータ情報から、前記受信したデバイス情報に適合した離席判定用パラメータ情報を検索する検索手段と、
検索で得られた離席判定用パラメータ情報を該制御対象装置に出力するパラメータ情報出力手段と、
を備え、
前記制御対象装置は、さらに、
前記サーバ装置から出力された離席判定用パラメータ情報を受信するパラメータ情報受信手段と、
前記携帯端末装置から受信される信号についての受信電力を測定する受信電力測定手段と、
前記受信電力が、前記離席判定用パラメータ情報に含まれた受信電力閾値以下となる所定の場合に離席と判定し、所定の離席処理を実行する判定実行手段と、
を備える、ことを特徴とする通信システム。
【請求項10】
携帯端末装置を所持したユーザが制御対象装置から離席したことを判定し所定の離席処理を実行する当該制御対象装置であって、
前記携帯端末装置と該制御対象装置それぞれのデバイス情報を収集するデバイス情報収集手段と、
収集された前記携帯端末装置と該制御対象装置それぞれのデバイス情報をサーバ装置に出力するデバイス情報出力手段と、
前記サーバ装置から出力された、受信電力閾値を含み且つ前記デバイス情報に適合した離席判定用パラメータ情報を受信するパラメータ情報受信手段と、
前記携帯端末装置から受信される信号についての受信電力を測定する受信電力測定手段と、
前記受信電力が、前記離席判定用パラメータ情報に含まれた受信電力閾値以下となる所定の場合に離席と判定し、所定の離席処理を実行する判定実行手段と、
を備える制御対象装置。
【請求項1】
携帯端末装置を所持したユーザが制御対象装置から離席したことを判定し所定の離席処理を実行する離席処理方法であって、
前記制御対象装置が、前記携帯端末装置と該制御対象装置それぞれのデバイス情報を収集するステップと、
前記制御対象装置が、収集した前記携帯端末装置と前記制御対象装置それぞれのデバイス情報をサーバ装置に出力するステップと、
前記サーバ装置が、前記制御対象装置から出力されたデバイス情報を受信するステップと、
前記サーバ装置が、予め記憶された、受信電力閾値を含む離席判定用パラメータ情報から、前記受信したデバイス情報に適合した離席判定用パラメータ情報を検索するステップと、
前記サーバ装置が、検索で得られた離席判定用パラメータ情報を該制御対象装置に出力するステップと、
前記制御対象装置が、前記サーバ装置から出力された離席判定用パラメータ情報を受信するステップと、
前記制御対象装置が、前記携帯端末装置から受信される信号についての受信電力を測定し、前記受信電力が、前記離席判定用パラメータ情報に含まれた前記受信電力閾値以下となる所定の場合に離席と判定し、所定の離席処理を実行する判定実行ステップと、
を備える離席処理方法。
【請求項2】
前記離席判定用パラメータ情報はタイマー基準値をさらに含んでおり、
前記判定実行ステップにおいて、前記受信電力が前記受信電力閾値以下の場合、前記タイマー基準値を基にしたタイマーを開始し、前記タイマーが終了する前に前記受信電力が前記受信電力閾値を上回った場合には、前記離席処理の実行を回避する、
ことを特徴とする請求項1に記載の離席処理方法。
【請求項3】
前記離席判定用パラメータ情報はソフトウェア情報をさらに含んでおり、
前記判定実行ステップにおいて、前記ソフトウェア情報のうち、前記制御対象装置にて実行されているアプリケーションソフトウェアに該当するソフトウェア情報に従って、前記タイマー基準値を調整する、
ことを特徴とする請求項2に記載の離席処理方法。
【請求項4】
前記ソフトウェア情報は、
ソフトウェアごとに定められた、前記タイマー基準値に対する調整量を含む、
ことを特徴とする請求項3に記載の離席処理方法。
【請求項5】
前記判定実行ステップでは、前記制御対象装置に対しユーザ操作が行われた後、所定の無操作時間基準値が経過する前に、前記制御対象装置に対する別のユーザ操作が行われた場合には、前記離席処理の実行を回避する、
ことを特徴とする請求項1に記載の離席処理方法。
【請求項6】
前記離席判定用パラメータ情報は歩行状態認識レベルをさらに含んでおり、
前記離席処理方法は、
前記携帯端末装置が、該携帯端末装置が備えたユーザの歩行状態を識別するためのセンサ、から出力されるセンサ値を前記制御対象装置に出力するステップと、
前記制御対象装置が、前記携帯端末装置から出力されたセンサ値を受信するステップと、
前記制御対象装置が、受信した該センサ値と、前記離席判定用パラメータ情報に含まれた前記歩行状態認識レベルとを比較することで、該携帯端末装置のユーザが歩行状態であるか否かを識別するステップと、
をさらに備え、
該携帯端末装置のユーザが歩行状態でないと識別された場合、前記判定実行ステップでは、前記離席処理の実行を回避する、
ことを特徴とする請求項1に記載の離席処理方法。
【請求項7】
前記判定実行ステップにおいて、前記受信電力が前記受信電力閾値以下の場合に、前記制御対象装置は該携帯端末装置における前記センサの電源を起動させる、
ことを特徴とする請求項6に記載の離席処理方法。
【請求項8】
前記離席判定用パラメータ情報は歩行状態認識レベルをさらに含んでおり、
前記離席処理方法は、
前記判定実行ステップにて離席と判定された後に、前記制御対象装置が、該携帯端末装置における前記センサの電源を起動させるステップと、
前記携帯端末装置が、前記センサのセンサ値を前記制御対象装置に出力するステップと、
前記制御対象装置が、前記携帯端末装置から出力されたセンサ値を受信するステップと、
前記制御対象装置が、受信した該センサ値と、前記離席判定用パラメータ情報に含まれた前記歩行状態認識レベルとを比較することで、該携帯端末装置のユーザが歩行状態であるか否かを識別するステップと、
該携帯端末装置のユーザが歩行状態でないと識別された場合に、前記制御対象装置が、前記離席処理の実行を回避するステップと、
をさらに備えることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の離席処理方法。
【請求項9】
携帯端末装置と、サーバ装置と、前記携帯端末装置を所持したユーザが制御対象装置から離席したことを判定し所定の離席処理を実行する当該制御対象装置と、を含んで構成される通信システムであって、
前記制御対象装置は、
前記携帯端末装置と前記制御対象装置それぞれのデバイス情報を収集するデバイス情報収集手段と、
収集された前記携帯端末装置と前記制御対象装置それぞれのデバイス情報を前記サーバ装置に出力するデバイス情報出力手段と、
を備え、
前記サーバ装置は、
前記制御対象装置から出力されたデバイス情報を受信するデバイス情報受信手段と、
予め記憶された、受信電力閾値を含む離席判定用パラメータ情報から、前記受信したデバイス情報に適合した離席判定用パラメータ情報を検索する検索手段と、
検索で得られた離席判定用パラメータ情報を該制御対象装置に出力するパラメータ情報出力手段と、
を備え、
前記制御対象装置は、さらに、
前記サーバ装置から出力された離席判定用パラメータ情報を受信するパラメータ情報受信手段と、
前記携帯端末装置から受信される信号についての受信電力を測定する受信電力測定手段と、
前記受信電力が、前記離席判定用パラメータ情報に含まれた受信電力閾値以下となる所定の場合に離席と判定し、所定の離席処理を実行する判定実行手段と、
を備える、ことを特徴とする通信システム。
【請求項10】
携帯端末装置を所持したユーザが制御対象装置から離席したことを判定し所定の離席処理を実行する当該制御対象装置であって、
前記携帯端末装置と該制御対象装置それぞれのデバイス情報を収集するデバイス情報収集手段と、
収集された前記携帯端末装置と該制御対象装置それぞれのデバイス情報をサーバ装置に出力するデバイス情報出力手段と、
前記サーバ装置から出力された、受信電力閾値を含み且つ前記デバイス情報に適合した離席判定用パラメータ情報を受信するパラメータ情報受信手段と、
前記携帯端末装置から受信される信号についての受信電力を測定する受信電力測定手段と、
前記受信電力が、前記離席判定用パラメータ情報に含まれた受信電力閾値以下となる所定の場合に離席と判定し、所定の離席処理を実行する判定実行手段と、
を備える制御対象装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2010−171728(P2010−171728A)
【公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−12297(P2009−12297)
【出願日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【出願人】(508236240)公立大学法人公立はこだて未来大学 (16)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【出願人】(508236240)公立大学法人公立はこだて未来大学 (16)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]