説明

難燃性材料を加工する方法及びシステム

ポリアミド及び臭素化炭化水素を含む難燃性材料の説明である。臭素化炭化水素は難燃性材料の約2%〜約25%を占めている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、参照することにより本明細書に組み込まれる2006年12月21日出願の米国仮特許出願第60/871,374号の優先権を主張するものである。
【0002】
本発明は概して、材料の加工、更に具体的には難燃性材料を加工する方法及びシステムに関するものである。特に本方法は概して、三次元物体の固体自由造形法、具体的にはこれらの三次元物体を形成するための材料及び技術について説明する。
【背景技術】
【0003】
選択的レーザー焼結(SLS)は、粉体化合物から材料を生成する工程である。SLS工程においては、粉体化合物をある表面上に分散させ、例えばレーザー機器のような機器を粉体の少なくとも一部に当てて、これらの粉体粒子を互いに結合させて焼結材料の一部を形成する。連続的な粉体層が表面上に分散され、レーザー焼結材料の結合層の形状及び厚みが材料の使用目的に適切なものになるまで、レーザー焼結工程を継続して粉体材料の粒子同士を結合させて層状に形成し且つ隣接する層同士を結合させる。
【0004】
しかしながら、これらの材料は全て少なくとも一次元において難燃性への応用に欠けている。上記の材料を評価する際の標準的なパラメータには、一以上の引張強度、破断伸び、12秒及び60秒燃焼試験に対する耐性、燃焼中の煙の発生、及び火炎環境から取り出されたときの材料の自己消炎能力が含まれる。
【発明の概要】
【0005】
一態様では、ポリアミド及び臭素化炭化水素を含むことができる難燃性材料が提供されている。臭素化炭化水素は難燃性材料の約2〜25%を占めている。
【0006】
別の態様では、難燃性材料の物体を形成する方法が提供されている。本方法は、ポリアミドと臭素化炭化水素の混合粉体からなる第1層を表面上に形成し、混合粉体の第1層の少なくとも第1部分が結合して物体の第1断面を形成するように第1層の少なくとも第1部分にエネルギーを照射して、混合粉体の追加層を連続的に形成し、連続的な物体の断面を形成するようにエネルギーを照射して、この照射されたエネルギーによって隣接した断面層も結合させるステップを含む。
【0007】
更に別の態様では、難燃性材料から形成された物体が提供されている。この物体の少なくとも一領域は、ポリアミドと臭素化炭化水素の混合からなる選択的にレーザー焼結された複数の断面層からなっている。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は粉体材料から物体を形成するためのシステムを図示している。
【図2】図2は選択的レーザー焼結工程を図示している。
【図3】図3は難燃性材料を加工する方法を表すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
難燃性部品を加工する方法は、選択的にレーザー焼結(SLS)する工程を使用して開発されてきた。また、SLS工程によって得られる材料も説明されている。結果的に得られる生産物には、SLS工程及び回転成形工程のうちの一つあるいは両方を用いて部品を加工するためのナイロン11(ポリアミド−11とも呼ばれる)の粉体と混合した臭素化炭化水素化合物の粉体が含まれる。この加工工程により、航空宇宙及び他の機能上使用に必要な機械特性を維持しながら、機能的な難燃性部品を作製することが可能になる。難燃性部品を作製する以前の試みは、SLS工程において粉体を処理できないか、又は加工された部品の機械特性が劣化するかのどちらかの結果となった。
【0010】
図1は上述した粉体の組み合わせから物体を形成するシステム10を示す図である。図示した実施形態では、システム10は、部品の土台12、部品の土台12の表面16にエネルギーを照射する機構14、部品の土台表面16に粉体20を供給する機構18、及びシステム10の操作を制御するコンピュータ22を備える。
【0011】
システム10の例示の実施形態においては、部品の土台表面16は特定の温度に維持され、機構14は部品の土台表面16上にエネルギー30を照射するCOレーザーである。照射されたエネルギー30によって粉体20の断面領域32の温度が上がり、断面領域32の粉体20が軟化し互いに結合する温度まで到達し、物体の第1層を形成する。同じ層の中の複数の断面領域はこの方法で結合させることができる。部品の土台表面16は次に粉体の供給カートリッジが持ち上げられている間下降し、ローラ40が部品の土台表面16と結合した粒子の第1層に結合していない粉体の新しい層を押し付けることが可能になる。この工程は所望の形状が形成されるまで繰り返される。この時、部品の土台容量がシステム10から取り出され、機構14(例:COレーザー)の照射エネルギーによって形成された結合物体から結合していない粉体が全て分離される。
【0012】
上述したような粉体20を層の中へ結合する工程は、しばしば選択的レーザー焼結法(SLS)とも呼ばれる。特に、SLS工程は、ある実施形態においては一層につき0.010インチ未満の、多くの場合粉体の形態である一連の薄い材料層を結合させることによって、一以上の所望の三次元物体を形成するのに用いられる。システム10により、形成される物体に粉体材料の一部が組み込まれない限り、上記材料は物体の形成中に物体を支持するように働き、ある場合にはほかの物体または形成される物体の別の部分を形成する工程に再利用することが可能である。
【0013】
更に具体的には、形成工程中に、システム10により、システム10の形成チャンバの表面(例:部品の土台表面16)全体に粉体材料の第1層が分散される。粉体材料20の一部は、機構14から粉体材料の層の選択領域にエネルギーを照射することによって、選択された場所で互いに結合される。この結合材料の領域は加工される物品の第1区域である。形成チャンバの表面16は次に、その後形成チャンバの表面16全体とその上の結合材料全てに分散される次の層の厚みによって下降する。その後照射エネルギーによってこの第2層の領域が結合され、またこの第2層が第1層に結合される。最終的な部品が複数の結合層から作製されるまで、追加の粉体層が形成チャンバに追加される。
【0014】
システム10の一実施形態について更に具体的には、部品の土台12には、酸素制御されたキャビネット又はチャンバが含まれ、機構18には粉体用供給容器が含まれており、形成チャンバ表面16には、正確に下降及び上昇させることができるプラットフォームが含まれている。上述したように、機構14には通常、例えば赤外線レーザー等の形成チャンバ表面16の異なる領域に移動可能な指向性エネルギー光線が含まれる。コンピュータ22は、所望の部品を提供するために結合される個々の粉体層の形成情報を処理する。所望の部品の提供には更に、適切な粒子径分布を有する粉体材料と、粉体を平らな層に繰り返し分散させる機構(例えばローラ40)を用いる必要がある。部品の土台12にはまた、粉体供給装置及び部品の土台表面16の正確な温度制御のために、複数の区域にヒーター(図1に図示せず)も組み込まれている。
【0015】
上述したように、粉体20は粉体供給容器(例:機構18)から形成チャンバ表面16に供給され、ローラ40又は別のタイプの散布機により、粉体は形成チャンバ表面16に進入する際に平坦な層となる。機構14(例:レーザー)により、粉体層が所望のパターンに溶解する又は軟化する。第1実施形態においては、システム10により、完全に溶解するか否かにかかわらず物体の結合断面が形成される。例えば、粉体粒子の外側領域を軟化させることにより隣接する粒子同士が「張り付く」又は結合することで結合が行われる。
【0016】
図2はこの結合又は焼結工程を示す図であり、ここで材料の個々の粒子50、52、54及び56はともに焼結されて物体の一部60を形成する。当然ながらこの図示した実施例におけるCOレーザー(例:機構14)からのビームエネルギーによって粉体粒子(50、52、54及び56)を全て溶解する必要はなく、これらの粒子を互いに結合し一つの物体を作り上げるためには、粉体粒子(50、52、54及び56)の表面を部分的に溶解する又は軟化させるだけでよい。システム10はコンピュータ22にプログラミングされている通り、形成チャンバ表面16を特定の距離を移動させる。システム10のローラ40は粉体層を粉体供給容器の上端部から形成チャンバ表面16上へ押す。
【0017】
システム10はコンピュータ22又はオペレータからの命令に従って次の粉体層を追加する。SLS処理中に、複数の材料/工程の相互作用が起こる可能性がある。例えば、形成領域(例:部品の土台表面16)上に延ばされると、粉体は粒子間に無効な領域を含むことができる。システム10により粒子が溶かされると、粒子の容積が減りこれらの無効空間に充填される。標準的な材料は液体から固体状態に移るときに更に縮小する。一般的に、最初に溶解した層は最初に再固化し、再固化における差異から生じるストレスによって、部品がゆがむ又は「屈曲」する。システム10は、温度及び熱収支制御を用いて、形成される部品の全ての層を粉体材料の再固化温度に非常に近いところに維持する。システム10による溶解した層の冷却が速すぎると、底部の層が溶かされた液体から固体に移るときに部品がゆがむ又は屈曲する。システム10により焼結断面に過度の熱又は温度が加えられると、部品の外壁に隣接する粉体が軟化し、これにより部品の定義及び精度の劣化も招く。
【0018】
結果として、システム10では部品の土台の温度及びレーザーから加えられるエネルギーを制御して、隣接する粉体が溶解するのを防止し、また、溶解した層をゆっくり冷却して「屈曲」を防ぐことも可能である。システム10における高い粉体温度により、粉体の焼結されていない領域が粘着性を持ち、壊れにくくなり、システム10の焼結工程が完了した際に焼結された物体の表面から取り除きにくくなる。更に、システム10は各焼結断面に十分なエネルギーを加えて、隣接する粉体の過度の溶解から軟化される断面領域まで部品の変形を起こさずに、すでに軟化した断面に良く接着させることができる。システム10が溶解温度と再結晶温度との間に差がある粉体材料を使用して、良好な表面細部及び屈曲部がまったくない物体を精密に形成するのが、好ましい。
【0019】
他の材料処理業界(例えば射出成形)に比べて、システム10に類似のシステムによって、基準に見合った精度で、最終的な物体の屈曲又はその他の変形を起こさずに使用可能である少数の材料が開発されてきた。このため、システム10に使用される材料からは、本明細書において所望の屈曲及び変形特性に加えて、有利な防火特性も有する部品が生まれることが記載されている。SLS工程に使用される難燃性材料における重要な標準特性は、引張強度、破断伸び、12秒及び60秒燃焼試験に対する耐性、燃焼中の煙の発生、及び火炎環境から取り出されたときの材料の自己消炎能力である。
【0020】
SLS工程において通常使用される幾つかの材料は、ナイロン−11及びナイロン−12であり、これら2つの材料は本明細書に記載される可能性がある、又は記載されないかもしれないほかの材料とともにまとめてポリアミドと呼ばれる。それぞれ、ナイロン−11はポリアミド−11の一例であり、ナイロン−12はポリアミド−12の一例である。本明細書に記載されるナイロン−12材料の一実施形態は、米国カリフォルニア州の3Dシステムズ・コーポレーションから提供されており、ドイツのデグサGmbhによって生産されている焼結粉体である。上記ナイロン−12材料の商標はDuraform LSである。同様のナイロン−12材料がドイツのEOS GmbhからEOS PA2200という商品名で販売されている。焼結物体を製造するためにシステム10の工程に使用された場合のDuraform LS材料の標準的な機械特性は、最終的な引張強度が6400psi、そしてASTM638基準による破断伸びが9%である。ナイロン−11材料に関しては下に更に説明する。
【0021】
ポリマー、特にナイロンポリマーは、土台のポリマーシステムに種々の難燃性化合物を分散させることにより通常難燃性を有している。この分散工程は、例えば乾式混合又は複合等の様々な周知の技術によって行うことができる。ある一般的なポリマーの難燃化は、化合物を配合して(熱吸収反応を起こすことにより)材料の熱発生率を減らし、燃焼表面に炭化物の保護層を形成する、又はCO2又はH2Oの開放によってラジカルを希釈することを含む。
【0022】
選択的なレーザー焼結工程の特に重要な点は、システム10で使用される材料の、密度の高い、又はほぼ十分な密度を有する部品を形成して標準的により望ましい機械特性を得るために十分に溶解しそして流れることができる能力である。難燃性化合物の追加、特に非常に高い粘度又は溶融温度を有する化合物の追加により、通常システム10の温度及びレーザーエネルギーの組み合わせが適用されると、複合材料の全体的な流れる能力を抑制しやすい。したがってこの結果、システム10によって製造された部品の密度がしばしば低下し、部品の機械強度とストレス下で伸びる能力が劣化する。
【0023】
本明細書に記載された材料は、一実施形態において、少なくとも重量70%のナイロンポリマー材料と、重量30%以下の臭素化炭化水素化合物を含んでいる。上記材料を用いて例えばシステム10等のシステムを使用して加工すると、周知の材料を上回る利点が得られる。具体的には、材料の難燃性は、他の標準的な難燃性添加物と対比して最小限の機械強度及び伸びの低下で基本ポリマーを上回って改善される。
【0024】
特定の一実施形態においては、粉体形状のナイロン−11ポリマーを臭素化炭化水素と混合してシステム10を使って部品を製造する。上記ナイロン−11粉体の一調達元はフランスのアルケマ・コーポレーションのRILSANグループである。ある特定の粉体はRILSAN D−80 ナイロン−11である。この粉体はレーザー回折による測定で、75〜95ミクロンのd50粒子径を有している。粉体の融点は1分毎に10〜20℃の速さでの示差走査熱量計による測定で、185〜195℃である。
【0025】
このナイロン−11粉体は、システム10によって処理され、いかなる臭素化炭化水素化合物とも混合されない場合、最終的な引張強度がおおよそ7200psiであり、ASTM638基準による破断伸びが40%である部品を生み出す。ボーイング規格書BSS7230に記載されている垂直燃焼試験にしたがって燃焼した場合、ナイロン−11粉体を使ってシステム10によって製造された部品は発火し、自己消火しないため、そのうちに試験サンプル全体が燃焼する。
【0026】
しかしながら、臭素化炭化水素をこのナイロン−11粉体と乾式混合した場合、最終結果はかなり改善される。一実施例においては、臭素化炭化水素の重量%は11%であった。上記臭素化炭化水素の一実施例は、ICLインダストリアル・プロダクツ・コーポレーションによって生産されているFR 1025である。この材料は粉体形態で入手可能なポリ(ペンタブロモベンジル)アクリレートである。
【0027】
FR 1025及びRILSANナイロン−11 D−80粉体の重量7%及び重量16%の混合物に対して、追加の試験を行った。下記の表1を参照すると、システム10を使って加工された部品の引張強度と破断伸び特性の低下が最小限であることが分かる。BSS 7230による難燃性試験のデータも、60秒燃焼試験について下記に提示されている。全ての材料は火炎が取り除かれたときに自己消火する。これらの実施形態においては、燃焼長さ用サンプルの厚さは0.045インチであり、BSS7230に準じた試験が行われ、機械特性はASTM638に従ってテストされた。
【表1】

【0028】
更に別の材料組成物を、インディアナ州のウエストラフィーエットのグレート・レークス・コーポレーションにより製造された重量11%のビス(トリブロモフェノキシ)エタン(Great Lakes FF−680)と乾式混合されたRILSAN D−80ナイロン−11粉体を用いて、試験を行った。BSS 7230に対してサンプル厚さが0.090インチであるこの組成物の特性データはまた、下の表2に示すように機械特性の最小限の劣化と優れた難燃性の領域において難燃性部品を製造するためのシステム10工程における重要な利点を示している。
【表2】

【0029】
システム10を使用して部品を製造するにあたって、上述した材料間には大幅な差がないことが当業者には顕著であろう。焼結物体から焼結されていない粉体を取り除くのは全ての場合において同じ又は気になるほどの差は見られない。表面仕上げは、重量100%のRILSAN D−80 ナイロン−11粉体を使用して製造した部品と比べても、当業者に対し大幅な違いは見られない。試験の条件及び製造される形状は全ての場合において一定に維持された。
【0030】
更に別の実施形態においては、部品は難燃性ナイロン組成物の複合処方とシステム10によって用いられる方法を使用した物体の加工を使用して製造された。この場合、RILSAN D−80 ナイロン−11粉体とFR 1025臭素化炭化水素粉体を一緒に溶解し、ペレット状に押し出し、低温で平均100ミクロン粒子径の粉体状に細かくした。
【0031】
1つは重量7%のFR 1025を有し、もう1つは重量11%のFR 1025を有している2つの組成物に対し、表3にまとめたように試験を行った。これらの実施形態においては、燃焼長さサンプルは0.045インチの厚さを有し、BSS 7230にしたがって試験する一方で、機械特性はASTM 638に従って試験を行った。
【表3】

【0032】
上述した実施形態はまた、図3のフローチャート100によって図示されているように難燃性材料を製造する方法を実行した結果得たものでもある。具体的には、本方法はポリアミドと臭素化炭化水素の混合粉体の第1層を表面に形成102し、第1層の少なくとも第1部分にエネルギーを照射して、混合粉体の第1層の少なくとも第1部分を結合させて物体の第1断面を形成104し、そして連続的に混合粉体の追加層を形成しエネルギーを照射して物体の連続的な断面を形成106するステップを含む。照射されるエネルギーにより、形成される物体の断面に隣接する層もまた結合される。
【0033】
上述したように、ポリアミドは少なくとも1つのポリアミド−11及び/又は別のポリアミドを含み、臭素化炭化水素は、少なくとも一つのポリアクリレートとビスエタンを含む。上述したテスト結果に基づくと、上記混合物は一実施形態において、上述した選択的レーザー焼結工程を用いてポリアミドと結合させた約2〜25%の臭素化炭化水素を含んでいる。
【0034】
本方法の特定の実施形態においては、ポリアミド及び臭素化炭化水素は溶解工程で結合され、化合物として押し出され、次に粉砕されて、ポリアミドと臭素化炭化水素の混合粉体となる。他の実施形態においては、ポリアミドと臭素化炭化水素は乾式混合工程において結合される、又はポリアミドの粒子が臭素化炭化水素の粒子でコーティングされる。
【0035】
ナイロン粉体と混合される際にさまざまな重量%で含まれる他の臭素化炭化水素を含む、同様の特性を持つ製品を製造するための他の組成物、物体、及び方法は、システム10工程又は別の同様の工程を用いることを前提としている。これらの様々な材料と重量の更なる利用は、システム10の中で結合される個々の材料が上述したように予め結合されて化合物となるか否かを前提としている。
【0036】
本発明を様々な特定の実施形態の観点から説明したが、当業者には請求項の精神及び範囲内において変更を行い本発明を実行することができることが認識されるであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリアミド、及び
約2〜25%の難燃性材料を含む臭素化炭化水素
を含む難燃性材料。
【請求項2】
前記ポリアミド及び前記臭素化炭化水素がそれぞれ、選択的レーザー焼結工程を用いて結合された粉体化合物を含む請求項1に記載の難燃性材料。
【請求項3】
前記ポリアミドがポリアミド−11及びポリアミド−12のうちの1つを含む請求項1に記載の難燃性材料。
【請求項4】
前記臭素化炭化水素が一以上のポリアクリレート及びビスエタンを含む請求項1に記載の難燃性材料。
【請求項5】
前記ポリアクリレートがペンタブロモベンジルを含む請求項1に記載の難燃性材料。
【請求項6】
前記ビスエタンがトリブロモフェノキシを含む請求項1に記載の難燃性材料。
【請求項7】
前記ポリアミド及び前記臭素化炭化水素が溶解工程において結合され、化合物として押出される請求項1に記載の難燃性材料。
【請求項8】
前記押出された化合物が粉砕され、選択的レーザー焼結工程が施される請求項7に記載の難燃性材料。
【請求項9】
前記ポリアミド及び前記臭素化炭化水素が乾式混合工程において結合される請求項1に記載の難燃性材料。
【請求項10】
前記ポリアミド及び前記臭素化炭化水素が、前記ポリアミドの粒子を前記臭素化炭化水素の粒子でコーティングすることによって結合される請求項1に記載の難燃性材料。
【請求項11】
難燃性材料の物体を形成する方法であって、前記方法が、
ポリアミド及び臭素化炭化水素の混合粉体の第1層を表面に形成し、
第1層の少なくとも第1部分にエネルギーを照射して、混合粉体の第1層の少なくとも第1部分を結合させて物体の第1断面を形成し、
混合粉体の追加の層を連続的に形成しエネルギーを照射して物体の連続的な断面を形成し、照射エネルギーによって断面に隣接する層も結合させる
ステップを含む方法。
【請求項12】
ポリアミド及び臭素化炭化水素の混合粉体の第1層を形成するステップが、ポリアミド−11及びポリアミド−12のうちの少なくとも1つを臭素化炭化水素と混合するステップを含む請求項11に記載の方法。
【請求項13】
ポリアミド及び臭素化炭化水素の混合粉体の第1層を形成するステップが、ポリアクリレート及びビスエタンのうちの少なくとも1つをポリアミドと混合するステップを含む請求項11に記載の方法。
【請求項14】
ポリアミド及び臭素化炭化水素の混合粉体の第1層を形成するステップが、約2〜25%の臭素化炭化水素を含む混合物を形成するステップを含む請求項11に記載の方法。
【請求項15】
第1層の少なくとも第1部分にエネルギーを照射するステップが、ポリアミド及び臭素化炭化水素を選択的レーザー焼結工程を用いて結合させるステップを含む請求項11に記載の方法。
【請求項16】
ポリアミド及び臭素化炭化水素の混合粉体の第1層を形成するステップが、
ポリアミド及び臭素化炭化水素を溶解工程で結合させ、
結合したポリアミド及び臭素化炭化水素を化合物として押出し、そして
押出された化合物を粉砕する
ステップを含む請求項11に記載の方法。
【請求項17】
第1層の少なくとも第1部分にエネルギーを照射するステップが、粉砕された化合物に選択的レーザー焼結工程を施すステップを含む請求項16に記載の方法。
【請求項18】
ポリアミド及び臭素化炭化水素の混合粉体の第1層を形成するステップが、ポリアミドと臭素化炭化水素を乾式混合工程で結合させるステップを含む請求項11に記載の方法。
【請求項19】
ポリアミド及び臭素化炭化水素の混合粉体の第1層を形成するステップが、ポリアミドの粒子を臭素化炭化水素の粒子でコーティングするステップを含む請求項11に記載の方法。
【請求項20】
難燃性材料から形成される物体であって、前記物体の少なくとも一領域が、選択的にレーザー焼結された複数のポリアミド及び臭素化炭化水素の混合物の断面層を含む物体。
【請求項21】
ポリアミド及び臭素化炭化水素の混合物が、約2〜25%の臭素化炭化水素を含む請求項20に記載の物体。
【請求項22】
ポリアミド及び臭素化炭化水素の混合物が、約7〜16%の臭素化炭化水素を含む請求項20に記載の物体。
【請求項23】
互いに隣接する前記断面層が選択的レーザー焼結工程において互いに結合される請求項20に記載の物体。
【請求項24】
ポリアミドが、ポリアミド−11材料及びポリアミド−12材料のうちの少なくとも1つを含む請求項20に記載の物体。
【請求項25】
臭素化炭化水素が、ポリアクリレートを含む請求項20に記載の物体。
【請求項26】
ポリアクリレートが、ペンタブロモベンジルを含む請求項25に記載の物体。
【請求項27】
臭素化炭化水素が、ビスエタンを含む請求項20に記載の物体。
【請求項28】
ビスエタンが、トリブロモフェノキシを含む請求項27に記載の物体。
【請求項29】
ポリアミド及び臭素化炭化水素が溶解工程を用いて結合され化合物を形成し、化合物が押出され、その後選択的レーザー焼結処理のために粉砕されて粉体状態になる請求項20に記載の物体。
【請求項30】
ポリアミド及び臭素化炭化水素が乾式混合工程を用いて結合される請求項20に記載の物体。
【請求項31】
ポリアミド及び臭素化炭化水素が、ポリアミドの粒子を臭素化炭化水素の粒子でコーティングすることによって結合される請求項20に記載の物体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2010−514855(P2010−514855A)
【公表日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−543164(P2009−543164)
【出願日】平成19年12月19日(2007.12.19)
【国際出願番号】PCT/US2007/088050
【国際公開番号】WO2008/143712
【国際公開日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【出願人】(500520743)ザ・ボーイング・カンパニー (773)
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
【Fターム(参考)】