説明

難燃性組成物

難燃剤組成物は(a)15μ以下の平均粒子サイズを有する粉末の形態の有機ハロゲン化物難燃剤及び(b)有機ハロゲン化物及び無機酸化物の合計重量の5%までの量の無機酸化物を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、難燃性組成物、詳しくはデカブロモジフェニルエタンを含む難燃性組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
デカブロモジフェニルエタン(Deca−DPE)は、様々な樹脂系を難燃化するために広く使用されている市販の材料である。この材料の構造は次の通りである:
【化1】

【0003】
デカブロモジフェニルエタンは通常低表面積の顆粒として製造され、一般的に後のポリマー樹脂系における分散を助長するために微細な粉に粉砕される。しかし、もたらされるデカブロモジフェニルエタンの粉末は、貯槽及び供給機におけるホッパーの壁や他の装置に付着する傾向があり、配合作業中に製品を輸送したり供給したりする上で問題となる。類似の問題には、他の細かく分割された有機ハロゲン化物難燃剤、例えば構造的に関連する材料であるデカブロモジフェニルエーテル(Deca)などでも遭遇する:
【化2】

【0004】
したがって、現在顧客によって報告されている供給及び取り扱い上の問題を回避するためにこれらの製品の粉体流動特性を向上させることは大いに望まれる。流動性を向上させることはまた、加工においてより一貫した供給速度をもたらし、装置への付着を防ぎ、廃棄物を最少化し、環境上、健康上及び安全上の懸念を低減する。
【0005】
加工装置において微粉の一貫した流れを達成するという課題は周知である。米国特許第4849134号及び第4965021号によって例示されている通り、デカブロモジフェニルエーテルの場合においてこの問題に対処する1つの方法は、粉末を約2〜約4mmの間の粒子サイズを有し、難燃性を有さない結合材料を実質的に含まない顆粒に冷間圧縮することである。残念ながら、この解決策は、ポリマー添加物にとって、通常その製品が、形成されたポリマーマトリックス中に溶融混合できる場合だけしか有用ではない。デカブロモジフェニルエタンの場合のように、添加物がポリマーマトリックスよりも高い融点を有し、通常の加工条件下においてポリマーと混和性ではない場合、圧縮された材料マトリックス中において所望のレベルの分散を達成することは極めて困難である。
【0006】
粉末の流動特性を向上させるために流動性改良添加物を使用することは知られており、PETS(ステアリン酸ペンタエリスリトール)ワックス、ステアリン酸グリセリン及び酸化ケイ素などの様々な種類の材料が、様々な用途の粉末の流動特性を改良するために使用されてきた。この技術は特に食品及び医薬品用途において知られている。
【0007】
例えば、国際特許出願第2004/039485号は、表面又は構造を改良された金属酸化物が、微粉状粉末製品のケーキング防止混合物を改良するのにシリカよりも有効であることを開示している。
【0008】
米国特許公開第2005/0139039号は、鉄系粉末の易流動性において役立つ、ポリエチレンワックス及びエチレンビスステアラミドからなる結合剤/潤滑剤の組合せの使用を開示している。
【0009】
米国特許公開第2006/0134419号は、粉末ポリマー組成物中にヒュームドシリカを含む粉末流動助剤の使用を開示している。
【0010】
米国特許第7129371号は、シリカなどの不活性ケーキング防止剤との圧縮物又は混合物のいずれかによってベンゼンホスフィン酸の流動性を向上させることを記載している。
【0011】
米国特許第4234469号は、0.5から15.0g/10分のメルトインデックスを有するポリプロピレン30〜80重量パーセント、0.01〜2.0g/10分のメルトインデックスを有するポリエチレン5〜25重量パーセント、粉末タルク、カオリナイト、セリサイト、シリカ及び珪藻土からなる群から選択される少なくとも1種の無機充填材20〜40重量パーセント、デカブロモジフェニルエーテル、ドデカクロロドデカヒドロジメタノベンゾシクロオクテン及びこれらの混合物からなる群から選択される有機ハロゲン化物難燃剤5〜35%、及び難燃助剤としての無機アンチモニー化合物の前記難燃剤の量の1/4〜1/2の量から本質的になる樹脂組成物を開示している。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明により、今回、シリカ、特にヒュームドシリカなどの無機酸化物は、微粉形態で使用されるデカブロモジフェニルエタン及び他の有機ハロゲン化物難燃剤の流動特性を向上させるのに特に有用であることが見出された。これらの添加物により、ホッパー及び他の加工装置の壁に付着して残ることがほとんどなく貯槽及び輸送装置を滑らかに流れる製品を提供することができる。
【0013】
したがって、本発明は、(a)15μ以下の平均粒子サイズを有する粉末の形態の有機ハロゲン化物難燃剤及び(b)有機ハロゲン化物難燃剤及び無機酸化物の合計重量の5%までの無機酸化物を含む難燃剤組成物の一態様に属する。
【0014】
好都合には、有機ハロゲン化物難燃剤の粉末は、5μ以下(例えば1〜2μ)などの10μ以下の平均粒子サイズを有する。
【0015】
一実施形態において、有機ハロゲン化物難燃剤は有機臭化物、特にデカブロモジフェニルエタンを含む。
【0016】
好都合には、無機難燃剤は、有機ハロゲン化物難燃剤及び無機酸化物の合計重量の0.5%〜1%などの1%までの量で存在する。
【0017】
好都合には、無機酸化物はシリカを含む。
【0018】
一実施形態において、シリカはヒュームドシリカ、特に少なくとも250m/gのBET表面積を有するヒュームドシリカを含む。
【0019】
さらなる一態様において、本発明は、可燃性高分子材料と、(a)15μ以下の平均粒子サイズを有する粉末の形態の有機ハロゲン化物難燃剤及び(b)有機ハロゲン化物難燃剤及び無機酸化物の合計重量の5%までの無機酸化物を含有する混合物とを含む難燃性ポリマー組成物にある。
【0020】
一実施形態において、可燃性高分子材料は高耐衝撃性ポリスチレンであり、前記混合物は難燃性ポリマー組成物の全重量の10〜16%の間の量で存在する。
【0021】
別の実施形態において、可燃性高分子材料はポリプロピレンであり、前記混合物は難燃性ポリマー組成物の全重量の22〜34%の間の量で存在する。
【発明を実施するための形態】
【0022】
ここでは、細かく分割された有機ハロゲン化物難燃剤、特にデカブロモジフェニルエタンを、組成物の流動性を向上させ付着防止性を高めるための5重量%までの量の無機酸化物と一緒に含む難燃性組成物について詳述する。もたらされる組成物は、ポリスチレン及びポリプロピレンなどの可燃性高分子材料の難燃性を高めるために使用することができる。
【0023】
難燃剤として使用される場合、有機ハロゲン化物は通常これらの表面積を増大させることでこれらの可燃性高分子材料中における分散を助長するように細かく分割された粉末として使用される。通常、本明細書において使用される有機ハロゲン化物難燃剤は15μ以下、例えば10μ以下(5μ以下など)の粒子サイズを有する。一実施形態において、有機ハロゲン化物難燃剤は1μ〜5μの範囲内など(例えば1〜2μの範囲内などの1μ〜3μの範囲内)の0.5μ〜10μの範囲内の平均粒子サイズを有する。かかる微細なサイズにおいて、粉末はしばしば貯槽及び供給装置のホッパーの壁及び他の装置に固着する傾向を示し、配合操作の間に製品を移送し供給する上で問題を生じる。
【0024】
今回、この問題は、粉末有機ハロゲン化物を、微粒子状無機酸化物と、当該無機酸化物を有機ハロゲン化物難燃剤及び無機酸化物の合計重量の5%まで、通常は1重量%まで(0.5〜1%など)の量で混合することによって少なくとも部分的に軽減され得ることが見出された。アルミナ、酸化亜鉛、酸化マグネシウム及びケイ酸アルミニウム粘土などの多くの無機酸化物が試験されたが、様々な程度の流動性の向上がもたらされ、最良の結果は通常シリカ、特にヒュームドシリカが混合添加物として使用された場合に得られた。これに関して、ヒュームドシリカは四塩化ケイ素などのケイ素化合物の水素酸素炎中の気相加水分解によって得られるケイ素であることは理解されたい。適当な市販のヒュームドシリカの例としては、Cabot CorporationによってCab−OSilの商品名で供給されている材料、及びDwgussa AGによってAerosilの商品名で供給されている材料がある。少なくとも300m/gなど(例えば少なくとも350m/g)の少なくとも250m/gのBET表面積を有する高表面積のヒュームドシリカが、最も有望である。同様に高表面積は他の無機酸化物についても有益であるとも考えらる。
【0025】
意外にも、微粒子状無機酸化物の添加は有機ハロゲン化物難燃剤の流動性及び供給特性の顕著な向上をもたらすことが見出された。得られる混合物は有機ハロゲン化物自体ほど供給ホッパーなどのポリマー加工装置の金属壁に固着又は付着しない。この混合物は押出成形機のホッパーの供給口でもブリッジを形成せず、有機ハロゲン化物単独と比較してずっと円滑に押出成形機の供給口へ流れ込む。
【0026】
さらに、デカブロモジフェニルエタンなどの有機臭化物難燃剤に、微粒子状無機酸化物を添加すると、流動性及び供給特性が単に向上するだけでなく、組成物の色の変化を伴わずに、特に黄色度指数及び/又は白色度指数(WIE)の顕著な変化を伴わずに向上する。
【0027】
デカブロモジフェニルエタンに加えて、本明細書に記載されている無機酸化物は、デカブロモジフェニルエーテル、テトラブロモフタル酸無水物、ヘキサブロモシクロドデカン、テトラブロモビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールAビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)、テトラブロモビスフェノールAビス(アリルエーテル)、ビス(トリブロモフェノキシ)エタンなどの他の微粒子状有機ハロゲン化物難燃剤並びにテトラブロモビスフェノールA(TBBPA)及びジブロモスチレン(DBS)に基づくものなどのハロゲン化ポリマー難燃剤、更にはハロゲン化アリールエーテルオリゴマー及びポリマー並びにハロゲン化エポキシオリゴマーの流動性を向上させるために使用することができる。
【0028】
本明細書に記載されている有機ハロゲン化物/無機酸化物の混合物は、ポリスチレン、高耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、ポリ(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)(ABS)、ポリカーボネート(PC)、PC−ABSブレンド、ポリオレフィン(プロピレン及びエチレンのホモポリマー及びコポリマー並びに熱可塑性オレフィンなど)、ポリエステル及び/又はポリアミドなどの熱可塑性ポリマーを含む多くの種々のポリマー樹脂系のための難燃剤として使用され得る。さらに、有機ハロゲン化物/無機酸化物の混合物は、充填剤を含まないポリマー並びにガラス及び他の繊維補強材で充填されたポリマーの両方と一緒に使用され得る。このようなポリマーと共に、デカブロモジフェニルエタンを有機ハロゲン化物として使用して、Underwriters Laboratoriesの燃焼性試験手順に供された場合にV−0等級をもたらすために必要なポリマー配合物中の有機ハロゲン化物/シリカ混合物の装填量は一般的に次の範囲内である:
【表1】

【0029】
本発明の混合物は、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル、ポリウレタン及び/又はゴムなどの熱硬化性ポリマーと一緒にでも使用することができる。ベースポリマーが熱硬化性ポリマーである場合、有機ハロゲン化物としてデカブロモジフェニルエタンを使用する混合物の適当な燃焼性低減量は10重量%〜35重量%の間である。
【0030】
本発明の難燃性混合物を含有するポリマー配合物の通常の用途は、自動車用成形部品、接着剤及び封止材、織物の裏打ちコーティング、電線及びケーブルのジャケット、並びに電気用及び電子用のハウジング、構成要素及びコネクターを含む。建築及び建設の分野における本発明の難燃性混合物の通常の用途は、自己消火性のポリオレフィンフィルム、電線及びケーブル用のジャケット、壁処理を含むカーペット及び織物の裏打ちコーティング、木材及び他の天然繊維で充填された構造要素、屋根用膜を含む屋根材料、屋根用複合材料、及び複合材料の施工において使用される接着剤を含む。一般の消費者製品においては、本発明の難燃性混合物は、燃焼性要件を必要とする人により操作される(attended)及び人によらずに操作される(unattended)の器具のための電気器具用部品、ハウジング及び構成要素の形成において使用され得る。
【0031】
ここで、本発明は以下の非限定的実施例を参照しつつより具体的に記載される。実施例において、黄色度指数(YI)値はASTM D−1925によって測定され、白色度指数(WIE)値はASTM E−313によって測定された。
【実施例】
【0032】
(例1)
Henschelブレンダー中でモノステアリン酸グリセリンに基づく帯電防止剤をデカブロモジフェニルエタンに加え、2400rpmで4分間混合した。材料の出口温度は138〜152°F(59〜67℃)にわたった。得られた混合物はブレンダーから円滑に排出され、ブレンダー中に残留物はわずかしか又は全く残らなかった。ブレンドは約12のYI値を有していた。
【0033】
(例2)
デカブロモジフェニルエタンの流動特性に対する効果を決定するために、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、粘土、ステアリン酸バリウム、ワックスを含むいくつかの添加物を試験した。それぞれの添加物をWig−L−Bug実験用ミキサー中でデカブロモジフェニルエタンと混合し、2分間撹拌した。全添加物の内で、ステアリン酸亜鉛だけが≧2重量%のデカブロモジフェニルエタンにおいて流動性の向上に効果を示した。ごくわずかな材料がバイアルの側面に付着しており、デカブロモジフェニルエタンのサンプルと比較すればきれいに見えた。
【0034】
(例3及び4)
高表面積の未処理のヒュームドシリカ(Cabot Corporation によって Cab−O−Sil EH−5の商品名で供給され、BET表面積380m/gを有する)及び処理されたヒュームドシリカ(Cabot Corporation によって Cab−O−Sil TS−530の商品名で供給され、BET表面積225m/gを有する)をそれぞれ別々のデカブロモジフェニルエタンのサンプルに(重量でデカブロモジフェニルエタンの)0.5%の添加量で加えた。それぞれのサンプルをWig−L−Bug実験用ミキサー中で2分間混合し、得られた混合物をプラスチック容器に移し、その流動挙動を観察するために回転させた。未処理の高表面積を有しているサンプルはデカブロモジフェニルエタン単独のサンプルと比較してずっと良好な流動性の向上を示した。しかし、処理されたヒュームドシリカサンプルの場合にはそのような向上は見られなかった。
【0035】
(例5)
デカブロモジフェニルエタン3〜4kgを例3において使用した未処理の高表面積シリカ(デカブロモジフェニルエタンの0.5重量%のシリカ)と10lのHenschelブレンダー中で1200rpmにおいて4分間混合した。得られた混合物はミキサーから排出され円滑に収集バッグ中へ流れた。ミキサーの側面にはあまり残留物はなかった。
【0036】
(例6から9)
流動性の向上を実証するために、供給試験を他の一連のデカブロモジフェニルエタン混合物についてBrabender Technologie H−31−DSR28/10 Loss−in−weight単軸スクリューフィーダーを使用して行った。この装置は28mmの直径スクリュー及び35mmのピッチを有する内部撹拌機を有している。このフィーダーはBrabender RC−4コントローラーによって制御される。コントローラーのモーター速度は0.001%まで正確である。
【0037】
手順は、空のフィーダーをゼロ設定し、次いでホッパー中へ材料を装填することを含む。フィーダーは24kg/hrの供給速度に設定され、ホッパー中に残っている材料がないか(空)又はスクリューが最大速度に達したか(材料がホッパー中に付着し流速を保つためにスクリュー速度が上った)のいずれかの理由でコントローラーがフィーダーを停止するまで運転される。運転開始時及び停止時のフィーダー重量が記録されフィーダーに残っていた量が決定された。表Iは一部の評価された添加物についてのデータを示す。
【0038】
すべての添加物が、デカブロモジフェニルエタン単独のサンプルと比較して、ホッパーの壁に付着している混合物の量の顕著な低減をもたらした。しかし、最も低い残留物レベルは高表面積の未処理ヒュームドシリカ、Cab−O−Sil EH−5、を含有しているサンプルで得られた。
【表2】

【0039】
(例10)
デカブロモジフェニルエタン/例3の高表面積ヒュームドシリカの混合14.0%を高耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)及び三酸化アンチモン共力剤(3.5%)と配合し、燃焼性をUL−94指針によって試験して1/16インチの成形バーについてV−0の格付けを有することが示された。平均燃焼時間は1回目及び2回目の接炎においてそれぞれ0.4秒であり、合計燃焼時間(5本のセット)は4秒であった。
【0040】
(例11及び12)
例3のデカブロモジフェニルエタン/シリカブレンドを、10.7重量%の三酸化アンチモン共力剤を含有しているホモポリプロピレンと、最終樹脂組成物がDeca−DPE/シリカブレンド32重量%を含有するように配合した。得られた樹脂組成物は、1/16インチの成形バーについてUL−94燃焼性試験においてV−0の格付けを有することが見出された。平均燃焼時間は1回目及び2回目の接炎においてそれぞれ3秒及び1秒であり、合計燃焼時間(5本のセット)は20秒であった。
【0041】
三酸化アンチモン共力剤10.7重量%を含有しているポリプロピレンコポリマーと26重量%の装填レベルで配合された場合に、同じDeca−DPE/シリカブレンドは、1/16インチの成形バーについてUL−94燃焼性試験においてV−0の格付けを有する樹脂組成物を与えた。平均燃焼時間は1回目及び2回目の接炎において1.8秒及び1.7秒であり、合計燃焼時間(5本のセット)は17.5秒であった。
【0042】
(例13から15)
例6から9の流動試験を、デカブロモジフェニルエタンとアルミナ(CabotCorporationによって供給されたSpectral 100)、酸化マグネシウム及び酸化亜鉛それぞれ0.7重量%との混合物を用いて繰返した。結果は表IIにまとめてあり、それぞれの酸化物は流動性において多少の向上を実現したが、例3の未処理ヒュームドシリカを用いて得られたものよりもわずかであった。それぞれの混合物の色測定も行ない、表IIIに示す通り、どの金属酸化物も混合物の色に対して悪影響は有していなかった。基準のデカブロモジフェニルエタンは、5.88のYI値及び70.81のWIE値を有していた。
【表3】


【表4】

【0043】
本発明は特定の実施形態を参照することによって説明され例示されてきたが、当技術分野の通常の熟練者は本発明が必ずしも本明細書において例示されていない変形形態にも役立つことをよく理解するであろう。この理由のため、本発明の真の範囲を決定する目的のためには付帯の特許請求の範囲だけが参照されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)15μ以下の平均粒子サイズを有する粉末の形態の有機ハロゲン化物難燃剤及び(b)無機酸化物を、該有機ハロゲン化物及び該無機酸化物の合計重量の5%までの量で含む、難燃性組成物。
【請求項2】
前記有機ハロゲン化物難燃剤粉末が、10μ以下、好ましくは5μ以下、より好ましくは1〜2μの平均粒子サイズを有する、請求項1に記載の難燃性組成物。
【請求項3】
前記有機ハロゲン化物難燃剤が、有機臭化物を含む、請求項1又は2に記載の難燃性組成物。
【請求項4】
前記有機ハロゲン化物難燃剤が、デカブロモジフェニルエタンを含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の難燃性組成物。
【請求項5】
前記無機酸化物が、前記有機ハロゲン化物及び前記無機酸化物の合計重量の1重量%まで、好ましくは0.5から約1重量%までの量で存在する、請求項1から4のいずれか一項に記載の難燃性組成物。
【請求項6】
前記無機酸化物が、少なくとも250m/g、好ましくは少なくとも300m/gのBET表面積を有する、請求項1から5のいずれか一項に記載の難燃性組成物。
【請求項7】
前記無機酸化物が、シリカ、アルミナ、酸化亜鉛、酸化マグネシウム及びケイ酸アルミニウム粘土の少なくとも1つから選択される、請求項1から6のいずれか一項に記載の難燃性組成物。
【請求項8】
前記無機酸化物が、シリカ、好ましくはヒュームドシリカを含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の難燃性組成物。
【請求項9】
可燃性高分子材料及び請求項1から8までのいずれか一項に記載の難燃性組成物を含む、難燃性ポリマー組成物。
【請求項10】
前記可燃性高分子材料が、高耐衝撃性ポリスチレンであり、前記難燃性組成物が、前記難燃性ポリマー組成物の合計重量の8〜16%の間の量で存在する、請求項9に記載の難燃性ポリマー組成物。
【請求項11】
前記可燃性高分子材料が、プロピレンホモポリマー又はコポリマーであり、前記難燃剤組成物が、前記難燃性ポリマー組成物の合計重量の20〜36%の間の量で存在する、請求項9に記載の難燃性ポリマー組成物。
【請求項12】
前記可燃性高分子材料が、ポリエチレンであり、前記難燃性組成物が、前記難燃性ポリマー組成物の合計重量の16〜28%の間の量で存在する、請求項9に記載の難燃性ポリマー組成物。
【請求項13】
前記可燃性高分子材料が、ポリエステルであり、前記難燃性組成物が、前記難燃性ポリマー組成物の合計重量の8〜16%の間の量で存在する、請求項9に記載の難燃性ポリマー組成物。
【請求項14】
前記可燃性高分子材料が、熱硬化性ポリマーであり、前記難燃性組成物が、前記難燃性ポリマー組成物の合計重量の10〜35%の間の量で存在する、請求項9に記載の難燃性ポリマー組成物。

【公表番号】特表2011−506748(P2011−506748A)
【公表日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−539538(P2010−539538)
【出願日】平成20年10月8日(2008.10.8)
【国際出願番号】PCT/US2008/079181
【国際公開番号】WO2009/079077
【国際公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【出願人】(508201282)ケムチュア コーポレイション (69)
【Fターム(参考)】