説明

雨滴検出装置

【課題】 画像の認識方式を用いた小型の雨滴検出装置を提供する。
【解決手段】 ウインドシールド28の内面30に光学的に結合され、前記ウインドシールドの外面32に向かって光を出射する光源16と、前記光源から出射された光を平行光とする入射側レンズ面12と前記ウインドシールドの外面において反射された光を集光する出射側レンズ面14とが設けられたプリズム10と、前記出射側レンズ面から射出された光を反射するミラー18と、前記ミラーにより反射された光を撮像する撮像素子22と、前記ミラーと前記撮像素子との間に設けられた結像系レンズ24とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、雨滴検出装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両のウインドシールドに付着した雨滴等の異物を検出する異物検出装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この異物検出装置においては、ウインドシールドの外面において反射された光を撮影レンズにより集光した後に反射面において反射し、撮像素子の受光部において受光する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−315256号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、この異物検出装置においては、ウインドシールドの外面において反射された光を一旦撮影レンズにより集光させた後に反射面において反射するため十分に小型化を図ることができなかった。
【0005】
本発明の目的は、画像の認識方式を用いた小型の雨滴検出装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の雨滴検出装置は、ウインドシールドの内面に光学的に結合され、前記ウインドシールドの外面に向かって光を出射する光源と、前記光源から出射された光を平行光とする入射側レンズ面と前記ウインドシールドの外面において反射された光を集光する出射側レンズ面とが設けられたプリズムと、前記出射側レンズ面から射出された光を反射するミラーと、前記ミラーにより反射された光を撮像する撮像素子と、前記ミラーと前記撮像素子との間に設けられた結像系レンズとを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、画像の認識方式を用いた雨滴検出装置の小型化を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施の形態に係る雨滴検出装置の断面図である。
【図2】本発明の他の実施の形態に係る雨滴検出装置の断面図である。
【図3】本発明の他の実施の形態に係る雨滴検出装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態に係る雨滴検出装置について説明する。図1は、実施の形態に係る雨滴検出装置の断面図である。雨滴検出装置2は、本体4とカバー6からなる筐体8を備えている。本体4には、ポリカーボネート等により構成され後述する光源16により出射された光を透過するプリズム10が一体形成されている。また、プリズム10には凸形状を有し入射した光を平行光とする入射側レンズ面(入射側レンズ)12、凸形状を有し後述する撮像素子22に向かって出射する光を集光する出射側レンズ面(出射側レンズ)14が設けられている。また、本体4には、入射側レンズ面12に向かって光を出射するLED等の発光素子により構成される光源16、出射側レンズ面14から出射された光を反射するミラー18を本体4の上部に取り付けるミラー取付部20、後述するウインドシールド28の外面32を2次元画像として撮像し撮像信号(蓄積電荷としてのアナログ信号)を生成するCCD或いはCMOS等により構成される撮像素子22、ミラー18により反射された光を集光し撮像素子22の受光面に結像させる結像系レンズ24が設けられている。また、光源16の中心は入射側レンズ面12の中心軸L1に一致するように筐体8の本体4に取り付けられ、光源16は入射側レンズ面12の中心軸L1に沿った方向に光を出射する。また、ミラー18はプリズム10から出射側レンズ面14の中心軸L2に沿った方向に出射された光を反射する。撮像素子22の受光面はミラー18により反射される光の中心軸L3に垂直となるように筐体8の本体4またはカバー6に固定されている。
【0010】
雨滴検出装置2は、シリコンシート26を介して車両のウインドシールド28の内面30に対して押圧固定され、ウインドシールド28に対して光学的に結合される。なお、このとき雨滴検出装置2はワイパー払拭範囲内のドライバーの視界を妨げない位置に固定される。
【0011】
次に実施の形態に係る雨滴検出装置の雨滴検出処理について説明する。光源16から出射された約880nmの近赤外光は、入射側レンズ面12を通過しプリズム10に入射する。入射側レンズ面12により平行光となった光はプリズム10及びシリコンシート26を透過しウインドシールド28に内面30側から入射する。ウインドシールド28内を透過した光はウインドシールド28の外面32に到達し、外面32において反射された光は再びウインドシールド28内を内面30側に向かって進行し、シリコンシート26及びプリズム10を透過し出射側レンズ面14から出射される。出射側レンズ面14により出射され集光された光はミラー18において反射され、結像系レンズ24により撮像素子22の受光面に結像される。ここで、ウインドシールド28の外面32における雨滴等が付着していない領域では光は略全反射され、雨滴等が付着している領域では光の反射率は低下するため少なくとも一部は外面32を透過する。従って、雨滴等が付着している領域において反射される光の光量は全反射される場合と比較して減少する。
【0012】
撮像素子22は所定の間隔でウインドシールド28の外面32を2次元画像として撮像し、撮像素子22から出力された撮像信号は図示しないA/D変換部においてA/D変換され画像データが生成される。この画像データは図示しないメモリに記憶され、図示しない雨滴検出部は、画像データ中において光量が相対的に少ない領域、即ち暗い領域が存在するか否かを判定する。更に、暗い領域が存在する場合には形状等から付着物が雨滴であるか否か判定する。
【0013】
本実施の形態に係る雨滴検出装置によれば、画像の取得が可能でありながらも小型化を実現することができる。従って、ウインドシールドに取り付けた場合に雨滴検出装置の大きさや形状によりドライバーに圧迫感を与えないようにすることができる。
【0014】
なお、図2に示すようにカバー6の内壁平面部34に金属又は塗料等の反射材料をコーティングすることによりカバー6の一部にミラーとしての機能を持たせてもよい。
【0015】
また、図3に示すようにミラー18を出射側レンズ面14から出射された光の入射角が小さくなるように傾斜して配置してもよい。この場合においては、筐体8の横方向は図3の実線で示す長さとなり、図3の点線で示すウインドシールド28と平行にミラー18の反射面を配置した場合における筐体8の横方向の長さと比較して、雨滴検出装置の横方向の長さについても減少させることができる。なお、図3においては、本体4の上部にミラー取付部20がプリズム10の出射側レンズ面14方向に向くように傾斜させて設けられている。
【0016】
また、入射側レンズ面12の焦点面または焦点面近傍に光源16から出射された光を拡散し面状光源として機能する拡散部材を設けてもよい。このとき、拡散部材は入射側レンズ面12の中心軸L1に垂直となるように配置する。この場合には、拡散部材を用いて光源を面光源として機能させることにより撮像素子22の受光面において受光する光強度分布の均一性を高めることができ、雨滴検出の精度を向上させることができる。
【符号の説明】
【0017】
2…雨滴検出装置、4…本体、6…カバー、8…筐体、10…プリズム、12…入射側レンズ面、14…出射側レンズ面、16…光源、18…ミラー、22…撮像素子、24…結像系レンズ、28…ウインドシールド、30…内面、32…外面。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウインドシールドの内面に光学的に結合され、前記ウインドシールドの外面に向かって光を出射する光源と、
前記光源から出射された光を平行光とする入射側レンズ面と前記ウインドシールドの外面において反射された光を集光する出射側レンズ面とが設けられたプリズムと、
前記出射側レンズ面から射出された光を反射するミラーと、
前記ミラーにより反射された光を撮像する撮像素子と、
前記ミラーと前記撮像素子との間に設けられた結像系レンズと
を備えることを特徴とする雨滴検出装置。
【請求項2】
前記光源、前記ミラー、前記結像系レンズ及び前記撮像素子が収容される筐体を備え、
前記ミラーは、前記筐体の内壁に設けられることを特徴とする請求項1記載の雨滴検出装置。
【請求項3】
前記ミラーは、前記筐体の内壁の一部に形成された反射領域であることを特徴とする請求項1又は2記載の雨滴検出装置。
【請求項4】
前記ミラーは、前記出射側レンズ面から出射された光の入射角が小さくなるように傾斜して配置されることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の雨滴検出装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−27490(P2011−27490A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−171911(P2009−171911)
【出願日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】