説明

電力ケーブルの終端接続部

【課題】 電力ケーブルの終端接続部において、ケーブル端部を被覆する絶縁体の製品寿命、つまり、耐用年数を長くすること。
【解決手段】 電力ケーブル110の端部110aは、オイルが充填された碍管125に挿入されている。碍管125内の電力ケーブル110の端部110aにおけるケーブル絶縁体113の周囲には、ケーブル絶縁体113を覆うようにストレスコーン130が取り付けられている。ストレスコーン130は、ケーブル絶縁体113を覆うシリコーンゴム製の絶縁体132を有する。この絶縁体132は、その外面を、フッ素樹脂からなるコーティング膜133により覆われ、オイルとの接触が防止されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発電所、変電所などに配置される電力機器や架空送電線と電力ケーブルとを接続する電力ケーブルの終端接続部に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、CV(架橋ポリエチレン絶縁)ケーブル等の電力ケーブルには、絶縁体内の電界ストレスを緩和するため、絶縁体上に遮蔽層(外部半導電層)が設けられている。
【0003】
このような電力ケーブルの終端接続部を形成する場合、ただ単に遮蔽層を取り除くのみでは、遮蔽層端部に電界が集中し、絶縁体である架橋ポリエチレンの破壊を引き起こすおそれがある。そのため、特に高電圧用の電力ケーブルの終端接続部では、電界ストレスが集中しないよう、様々な工夫が施されている。
【0004】
その一例として、CVケーブル等の電力ケーブルの終端接続部には、ストレスコーンが用いられている。ストレスコーンは、ケーブル絶縁体に取り付けられる。このため、ストレスコーンは、ケーブル絶縁体と密着させるため、引っ張り伸び率の大きな材料、例えば、エチレンプロピレンゴム(Ethylene Propylene Methylene Linkage)、シリコーンゴム(Silicone Rubber)等のゴム材により構成されている。
【0005】
このストレスコーンは、先端部が径方向外方にラッパ状に広げられた形状部、を有し、その基端部を電力ケーブルの遮蔽層の端部に接触させることで、遮蔽層の端部における電界ストレスを緩和するようにしたものである。しかし、このストレスコーンのみでは、電圧が高くなるに伴い、ストレスコーン沿層電界ストレス(碍子表面)が高くなり、碍子の表面閃絡を引き起こす可能性がある。
【0006】
そこで、高圧用の電力ケーブルの終端接続部において碍子の表面閃絡特性を改善する一方法として、従来、コンデンサコーンが使用されている(例えば、特許文献1参照)。このコンデンサコーンは、油浸絶縁紙内に薄い金属箔電極を設け、箔間の静電容量を適当に分布させたものである。
【0007】
図4は、コンデンサコーンを用いた従来の電力ケーブルの終端接続部の一例を示す要部断面図である。
【0008】
図4に示す終端接続部1は、電力ケーブルの終端部2におけるケーブル絶縁体3の周囲に碍管4が設けられ、碍管4の内周面とケーブル絶縁体3の外周面との間の空間5内に、下方に開口する略円錐筒状のエポキシ受座6を介して接続されたプレモールド絶縁体(ストレスコーン)7およびコンデンサコーン8が設けられている。
【0009】
プレモールド絶縁体(ストレスコーン)7は、エポキシ受座6内に、下部金具9に結合された図示しない押圧装置のバネの弾性力により下方から押し込まれ、ケーブル絶縁体3上に設けられている。
【0010】
コンデンサコーン8は、絶縁筒10を介してケーブル絶縁体3の周囲を囲む複数のコンデンサ素子8a〜8dにより構成されている。これら複数のコンデンサ素子8a〜8dは、それぞれ径寸法および軸方向の寸法が互いに異なる複数の油浸絶縁紙11を円筒状に巻き、巻かれた油浸絶縁紙11の間に、アルミ箔等からなる複数の円筒状の電極12を互いの端部が径方向で対向するように軸方向に並べて形成される。
【0011】
これにより、各電極12は、電力ケーブルの終端部2に沿って高圧側と接地側との間に並べられることになる。このとき、コンデンサコーン8は、各電極12間の静電容量を適当に分布させて各電極12間がプレモールド絶縁体7表面および碍管4表面の沿層方向の電界ストレスを均一に分担するように設計されている。
【0012】
このようなコンデンサコーン8の組み立ては、複数のコンデンサ素子8a〜8dをそれぞれ作業者が組み立てやすいように多少の径差を持たせて分割しておき、これら分割されたコンデンサ素子8a〜8d同士を互いに接合して行われる。なお、コンデンサコーン8の組み立て完了後、筒状空間5内には絶縁オイルが充填される。
【0013】
ところで、従来の気中終端接続部の一例に示すように、コンデンサコーンを用いた構造においては、複数のコンデンサ素子8a〜8dを組立てる際にコンデンサ素子間あるいは油浸紙間に空気を巻き込んでしまう恐れがある。この空気の巻き込みは、ケーブル運転中にコンデンサコーン8内で放電が生じ終端接続部の性能低下をもたらすため、コンデンサコーン8の組み立ての際には、筒状空間5内に絶縁オイルを充填したのち、長時間、真空ポンプにより脱気を行い、巻き込んだ空気を取り除くという工程がさらに必要となる。
【0014】
このようにコンデンサコーン8を用いた構成では、その組み立て自体に熟練と手間の掛かることに加えて、長時間の脱気工程が必要となり、人手と時間を要する。このため、コンデンサコーン8をなくし、また、プレモールド絶縁体(ストレスコーン)7、エポキシ受座6、押圧装置を要しない構成が考えられている。
【0015】
この構成の一例としては、常温収縮型シリコーンゴム製ストレスコーンと、性能の安定性及び引火しにくい特性を有する安価で取り扱い容易なシリコーンオイルとを用いる構造であり、この構造では、熟練を要せず、短時間で簡単に終端接続部を組立てることができる。
【特許文献1】特開2003−189454号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
しかしながら、シリコーンゴム製ストレスコーンとシリコーンオイルを用いた終端接続部では、シリコーンゴムは常時、シリコーンオイルに漬った状態となるため、シリコーンオイルがシリコーンゴム内に浸透し、所謂膨潤を生じる。このように、ストレスコーンが膨らむと共に、内径外径が大きくなり、電力ケーブルの絶縁体との締め付ける力が弱くなり、所用の電気特性を維持できなくなるという欠点がある。つまり、製品寿命が短くなるという問題があった。
【0017】
また、電界ストレスが集中しないような他の終端接続部の構造として、コンデンサコーン、シリコーンオイルならびに碍管を使わず、導体の周囲を硬化性樹脂、例えば、エポキシ樹脂で固め、エポキシ樹脂の外周面に、襞を設けたシリコーンゴムによる被覆を施した気中終端接続部が考えられる。
【0018】
しかし、この構造では、シリコーンゴム被覆のみでは表面が、特に、大気汚染による酸性雨に対する抵抗力や炎に対する耐炎性に劣り、シリコーンゴム被覆部分の製品寿命が短くなるという問題があった。
【0019】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、電力ケーブルの終端接続部において、ケーブル端部を被覆する絶縁体の製品寿命、つまり、耐用年数を長くする電力ケーブルの終端接続部を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明の電力ケーブルの終端接続部は、電力ケーブルの端部と、前記電力ケーブルの端部に取り付けられ、前記電力ケーブルの端部における絶縁体の周囲を覆う被覆絶縁体と、前記被覆絶縁体の外面に設けられ、前記外面を被覆するコーティング層とを有する構成を採る。
【0021】
この構成によれば、電力ケーブルの端部における絶縁体が、外面をコーティングされた被覆絶縁体によって被覆されているため、被覆絶縁体が外部に露出することがない。つまり、被覆絶縁体自体が外部環境に晒されることがなく、絶縁体とともに、電力ケーブルの端部における絶縁体としての機能が劣化しにくく、その製品寿命、つまり、耐用年数を長くすることができる。
【0022】
本発明の電力ケーブルの終端接続部は、上記構成において、前記被覆絶縁体はシリコーンゴムからなる構成を採る。
【0023】
この構成によれば、絶縁体の周囲をシリコーンゴムにより覆い、このシリコーンゴムの外面にはコーティング層が設けられているため、常温収縮性を有し、絶縁体の所定の箇所にて収縮させるだけで容易に取り付けられるシリコーンゴムが外部に露出することがなく、外部環境により受ける影響を減少させることができる。
【0024】
本発明の電力ケーブルの終端接続部は、上記構成において、前記コーティング層は、フッ素樹脂からなる構成を採る。
【0025】
この構成によれば、被覆絶縁体の外面にはフッ素樹脂層が設けられるため、被覆絶縁体は、ガス浸透性を有し、無機酸対抗性に乏しくとも、コーティング層により覆われたものとなる。よって、終端接続部では、被覆絶縁体のガス浸透性、無機耐酸性を向上させることができる。
【0026】
本発明の電力ケーブルの終端接続部は、上記構成において、前記電力ケーブルの端部における前記絶縁体は前記電力ケーブルのケーブル導体の周囲を覆うケーブル絶縁体であり、このケーブル絶縁体と、前記被覆絶縁体とを内部に据え付ける碍管をさらに有し、前記碍管の前記内部は密閉されているとともにオイルが充填されている構成を採る。
【0027】
この構成によれば、油中終端接続部において、オイルが充填された碍管内に、ケーブル絶縁体とともに据え付けられる被覆絶縁体の外面には、コーティング層が設けられているため、オイルが充填された碍管内において被覆絶縁体はコーティング層によりオイルに接することがない。
【0028】
よって、被覆絶縁体へのオイルの浸透を防ぐことができ、被覆絶縁体自体の耐用年数を長くすることができる。ここで、被覆絶縁体が、シリコーンゴムである場合、外面に設けられたコーティング層により、オイル、例えば、シリコーンオイルの浸透による膨潤を起こすことがなく、絶縁体を締め付ける力の減少を防止することができる。
【0029】
また、コーティング層がフッ素樹脂であれば、より好適である。特に、フッ素樹脂は、シリコーンオイルと相溶性がないため、碍管にシリコーンオイルを充填した場合、さらに効果的である。さらに、フッ素樹脂は耐炎性に優れ、オイルが熱を有しても、被覆絶縁体を保護することができる。
【0030】
また、碍管にシリコーンオイルを充填し、被覆絶縁体をシリコーンゴムにより形成した終端接続部においては、シリコーンゴム製の被覆絶縁体の膨潤を防止することができ、被覆絶縁体、つまりは、終端接続部自体の耐用年数を長くできる。
【0031】
本発明の電力ケーブルの終端接続部は、上記構成において、前記電力ケーブルの端部における前記絶縁体は、エポキシ樹脂からなり、前記絶縁体の内部には、前記電力ケーブルの端部のケーブル導体に接続される導体が配置されている構成を採る。
【0032】
この構成によれば、電力ケーブルの端部における絶縁体がエポキシ樹脂からなり、その内部にケーブル導体に接続される導体が配置されているため、エポキシ樹脂からなる絶縁体は、その周囲を、コーティング層が被覆する被覆絶縁体により覆われたものとなる。このため、エポキシ樹脂は、被覆絶縁体とともに、コーティング層により覆われた状態となり、外部に晒されることがない。つまり、気中などに配置された場合、エポキシ樹脂製の絶縁体及び被覆絶縁体を、コーティング層によって、大気汚染、雨水などから保護することができる。なお、コーティング層は、フッ素樹脂により形成することが好ましい。また、被覆絶縁体はシリコーンゴムにより形成することが好ましい。
【発明の効果】
【0033】
以上説明したように、本発明によれば、電力ケーブルの終端接続部において、ケーブル端部を被覆する絶縁体の製品寿命、つまり、耐用年数を長くできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、ここで、終端接続部とは、いわゆる気中終端接続部、つまり、電力ケーブルの終端部を、例えば、トランス、架空線、変電所の母線等に接続するための一般的な終端部を意味する。
【0035】
図1は、本発明の一実施の形態に係る電力ケーブルの終端接続部の構造を示す部分縦断面図である。図2は、図1の終端接続部におけるストレスコーンを含む要部の拡大断面図である。また、図3は、本発明の一実施の形態に係る電力ケーブルの終端接続部におけるストレスコーンの部分断面図である。
【0036】
図1において、電力ケーブルの終端接続部100は、電力ケーブル110の終端部110aを、上記のように、トランスや、架空線、変電所の母線等に接続するために用いられる。なお、図1では、電力ケーブル110の終端部(端部)110aを除く部分の一部を部分縦断面図として示している。
【0037】
終端接続部100は、電力ケーブル110の終端部110aと、この終端部110aに取り付けられ、終端部110aにおけるケーブル絶縁体113の周囲を覆うストレスコーン130とを有する。
【0038】
電力ケーブル110は、ケーブル導体111の周囲を内側から順に内部半導電層(図示せず)、ケーブル絶縁体113、外部半導電層115、およびケーブルシース117で被覆して構成されている。この電力ケーブル110の終端部110aは、電力ケーブル110の終端から順にそれぞれ所定の長さでケーブル導体111、ケーブル絶縁体113、および外部半導電層115が露出している。すなわち、電力ケーブル110の終端部110aは、電力ケーブル110を構成するケーブル絶縁体113、外部半導電層115、およびケーブルシース117を外側から順にそれぞれ所定の長さ分剥ぎ取ることで構成されている。
【0039】
ここで、ケーブル絶縁体113は、絶縁性を有するゴムプラスチック材料、例えば、エチレンプロピレンゴム(EPM EPDM)やポリエチレン(Polyethylene)、架橋ポリエチレン等で作られている。また、外部半導電層115は、導電性を有する材料、例えば、エチレンプロピレンゴムやポリエチレン、エチレンビニルアセテイト等のエラストマーにカーボン等の導電性物質を混ぜ合わせたもので作られている。
【0040】
電力ケーブル110の終端で露出したケーブル導体111の端部には、電力ケーブル110と同軸線上に配置された導体引出棒121の下端部が固定されている。この導体引出棒121は、ケーブル導体111の上方でカバー(雨覆い)123に挿通され、上端部で、トランスや架空線、変電所の母線等に接続される。カバー123は、ケーブル絶縁体113およびケーブル導体111の周囲を囲むように配置された碍管125に固定されている。
【0041】
碍管125は、絶縁性を有する材料で作られ(例えば、陶器製、ゴムプラスチック製等)、円錐筒状の碍管本体の外周面に放射方向に張り出すようにヒダ部を設けて形成されている。碍管本体は、上端開口部がケーブル導体111の先端(つまり、電力ケーブル110の終端)よりも上方に配置され、下端開口部がケーブル絶縁体113の基端部の周囲に配置されている。
【0042】
この碍管125の碍管本体の上端開口部には、上部金具126を介してカバー123が固定され、碍管本体の上端開口部は、カバー123と該カバー123に挿通された導体引出棒121により密閉された状態となっている。
【0043】
また、碍管125の碍管本体の下端開口部は、中央部に開口部が形成された取り付けフランジ142(以下、「フランジ」という。)の開口部に内嵌された状態で取り付けられている。このフランジ142は、支持碍子(図示省略)を介在させた状態で碍管125を据え付け架台(図示省略)に取り付けるものである。
【0044】
詳細には、フランジ142には、図示しない支持碍子のボルトを挿入するためのボルト孔142aがあり、フランジ142に取り付けられた碍管125は、支持碍子を介して架台に固定される。
【0045】
また、碍管125の下端開口部の端面は、フランジ142の裏面と面一となるように配置され、フランジ142の裏面側に配置された保護金具固定フランジ127の表面に密着されている。
【0046】
保護金具固定フランジ127は、内部に電力ケーブル110が挿通された筒状のケーブル保護金具148の一方の開口縁(ここでは、ケーブル保護金具148の上部開口部縁)から放射方向に張り出すように形成されている。
【0047】
この保護金具固定フランジ127は、ケーブル保護金具148に溶接などで一体化されている。そして、この保護金具固定フランジ127は、図示しないOリングを介して、ボルト153によりフランジ142に密閉固定されている。
【0048】
このように、ケーブル保護金具148の内部は、保護金具固定フランジ127の開口部分を介して碍管125内の筒状内部空間140と連通している。また、ケーブル保護金具148における他方の開口縁(ここでは、下端)は、ケーブルシース117の端部との間にシール材156を設けることによって、ケーブルシース117の端部に気密的に結合されている。
【0049】
このように、ケーブル保護金具148及び碍管125の内部空間は、密閉されており、その内部に絶縁油が充填されている。尚、図示しないが、外部半導電層115とケーブルシース117との間には、若干の隙間があり、内部空間140にシリコーンオイルが充填されると外部半導電層115とケーブルシース117の間にシリコーンオイルが浸入する恐れがある。このため、外部半導電層115とケーブルシース117を跨いで、オイルシール処理が施される。
【0050】
絶縁油としては、例えば、ジメチルシリコーンオイル(Dimethyl Silicone Oil)、メチルフェニルシリコーンオイル(Methyl Phenyl Silicone Oil)等の性能の安定性が高く、引火しにくいシリコーンオイルが挙げられる。
【0051】
ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等は、絶縁破壊の強さが鉱油系で最良の絶縁油より優れ、極めて体積抵抗率が高く、また誘電率や誘電正接が、広い周波数領域や温度範囲で変化が少ないなど、優れた電気特性を示す。特に、絶縁油としては、シリコーンオイルのうち、安定した電気特性、耐熱性、耐寒性などを有するジメチルシリコーンオイルを用いると好適である。
【0052】
この絶縁油が充填された碍管125内の筒状内部空間140には、ストレスコーン130が装着されている。
【0053】
このストレスコーン130は、ケーブル絶縁体113の外周面113aと碍管125の内周面との間の密閉された内部空間140内にあって、ケーブル絶縁体113上に配置され、ストレスコーン抑え遮蔽層150によって、低電圧側で支持されている。
【0054】
また、ストレスコーン130は弾性体であり、ここでは、引っ張り伸び率の大きいシリコーンゴムを主体として、その内径を、自然状態において、ケーブル絶縁体113の外よりも小さくなるように成形されている。このストレスコーン130は、所謂、常温収縮型シリコーンゴム製終端接続部用ストレスコーンである。
【0055】
また、ストレスコーン130は、図1から図3に示すように、筒状をなし、内周面136がケーブル絶縁体113の外周面113aに密着した状態で配置されている。
【0056】
また、ストレスコーン130の上端部、つまり、電力ケーブル110における高圧側は、その外周面が下端部側から上端部側、つまり、電力ケーブル110における低圧側から高圧側に向かってケーブル軸側に接近するように傾斜する円錐台形状となっている。
【0057】
これにより、補強型ストレスコーン130は、内周面がケーブル絶縁体113の外周面113aを押圧することによって、ケーブル絶縁体113の外周面113aに密着し、その結果、電力ケーブル110の終端部110aの絶縁性を維持する。
【0058】
ストレスコーン130は、低電界部の導電性ベルマウス状体のストレスリリースコーン(以下、「リリースコーン」という)131と、電力ケーブル110の終端部110aに生じる高電界部とリリースコーン131との間において、リリースコーン131表面から沿層方向の電界ストレスを緩和する絶縁体132と、絶縁体132を被覆するコーティング膜133とで構成されている。つまり、ストレスコーン130は、終端部110aにおけるケーブル絶縁体113の周囲を覆う被覆絶縁体(以下「絶縁体」という)132と、絶縁体132の外面に設けられ、外面を被覆するコーティング膜133とを有する。
【0059】
本実施の形態では、ストレスコーン130におけるリリースコーン131および絶縁体132、さらにコーティング膜133は一体成形されており、これらを別個に取り扱う必要がなく、扱いやすく施工性の向上が図られている。
【0060】
リリースコーン131は、エチレンプロピレンゴムやシリコーンゴム等にカーボン等の導電性材料を混ぜた弾性材料からなり、筒体を電力ケーブル110の終端に向かって広げたラッパ状に形成されている。すなわち、リリースコーン131の下部(以下「リリースコーン下部」という)131aの内周面は、ケーブル絶縁体113の外周面113aと、外部半導電層115の外周面115aとのそれぞれに接し、リリースコーン131の上部(以下「リリースコーン上部」という)131bの内周面は、リリースコーン下部131aの上端から上方に向かって外周面113aから離れるように形成されている。また、リリースコーン上部131bの上端には丸みが付けられている。
【0061】
リリースコーン下部131aの下側の部分は、絶縁体132から突出し、リリースコーン下部131aの上側の部分と、リリースコーン上部131bとは、絶縁体132内に密着した状態で埋め込まれている。
【0062】
上記構成により、碍管125内に配置されたストレスコーン130では、リリースコーン下部131aが外部半導電層115の端部に接続されているため、リリースコーン下部131aは、電力ケーブル110の外部半導電層115の端部に生じる高電界部を緩和する。
【0063】
絶縁体132は、エチレンポリプロピレンやシリコーン等を主材料とした弾性体からなる。
【0064】
この絶縁体132は、内周面136がケーブル絶縁体113の外周面113aに密着する円筒状をなす筒状本体部134と、筒状本体部134と同径の貫通孔を有し、筒状本体部134から上端部側、つまり、電力ケーブルの高電圧側に突出する突起部135とを備える。
【0065】
筒状本体部134内には、リリースコーン131のリリースコーン上部131bが埋設され、筒状本体部134は、リリースコーン上部131bを含めて中実に成形されている。また、突起部135では、外周面135aが下端部側から上端部側に向かって、つまり、電力ケーブル110の終端部110aにおける低圧側から高圧側に向かってケーブル絶縁体113の外周面113aに漸次近づくように傾斜し、突起部135全体としては、円錐台状の筒体に形成されている。
【0066】
この突起部135は、碍管125内に充填される絶縁油がケーブル絶縁体113との界面に染み込むことによって筒状本体部134を膨潤させることを防ぐ。なお、ケーブルの絶縁体113との界面に絶縁油が染み込まなければ、突起部135は設けずともよい。
【0067】
また、場合によっては、突起部135の外周面に、図2の想像線で示すシールテープ138を巻回し、このシールテープ138によって、突起部135を、ケーブル絶縁体113に対し気密的に取り付けることができる。このとき、突起部135の外周面135aは、上端部側に向かって傾斜しているため、突起部135と、ケーブル絶縁体113とに渡ってシールテープが巻きやすい効果も期待できる。
【0068】
よって、突起部135とケーブル絶縁体113との間から絶縁油が侵入することがなく、膨潤を確実に防止できる。
【0069】
また、絶縁体132では、外面の角部132R、詳細には、筒状本体部134の両端部の外側縁部及び、突出部の先端外縁部に、面取り処理がなされている。これにより、コーティング膜133を角部132Rにも均一な厚みで塗布できる。
【0070】
このように成形された絶縁体132は、コーティング膜133により被覆されている。このコーティング膜133は、絶縁油と相性の悪い材料、例えば、フッ素樹脂等からなり、コーティング膜133が、絶縁体132の外面を被覆することによって、絶縁体132に絶縁油が浸透することを防ぐ。本実施の形態では、コーティング膜133はフッ素樹脂製のものとする。フッ素樹脂であるコーティング膜133の厚みは、数μm〜500μmである。
【0071】
フッ素樹脂であるコーティング膜133は、シリコーンゴムと同等それ以上の引張り強度、伸びを有し、シリコーンゴムの伸縮に対し、追随する。つまり、リリースコーン131及び絶縁体132からなる成形体の伸縮に対して追従する。なお、コーティング膜133はフッ素樹脂製であるため、その引っ張り強度は、シリコーンゴムと同等以上であり、5〜15MPaである。また、フッ素樹脂製とした本実施の形態におけるコーティング膜133の伸びも、シリコーンゴムと同等以上であり、シリコーンゴムに対して100〜900%である。
【0072】
この成形体にフッ素樹脂を塗布するためには、成形体、具体的には絶縁体132の外であるシリコーンゴムの表面の油脂分を取り除く洗浄を行った後、プライマーを、刷毛あるいは、吹き付けなどによって絶縁体132の外面に塗布する。そして、乾燥させて焼き付ける。
【0073】
この焼き付けの後、再び、フッ素樹脂を絶縁体132の外面に先と同様に重ね塗りし、乾燥、焼き付ける。これを繰り返すことによって、シリコーン製の絶縁体132の外面に、強固なフッ素樹脂弾性体コーティング膜133を形成する。
【0074】
また、コーティング膜133は、絶縁体132から突出するリリースコーン下部131aの外周面において、絶縁体132との接続部分を覆う環状の基端部側被覆部133aを有する。
【0075】
図1に示すように、本実施の形態では、ストレスコーン130は、気中終端接続部100に使われ、電力ケーブル110に装着、碍管125内に設置されている。そして、碍管125内において、絶縁油(ここでは、シリコーンオイル)中に浸漬されているストレスコーン130は、コーティング膜133によって、絶縁油が浸透(膨潤)しない。
【0076】
また、高電圧の電力ケーブル110の終端部110aにストレスコーン130を取り付け、絶縁油を充填される碍管125内に挿入した構成によれば、電力ケーブル110の終端部110aに生じる高電界部の電界緩和を緩和できる。
【0077】
ここで、図1を参照して、このケーブル終端接続部の取り付け方法の一例を説明する。
【0078】
まず、終端接続部100が形成される電力ケーブル110の終端部110aを、図示しない、支持碍子が取り付けられた据え付け架台の所定の箇所に配置するとともに、電力ケーブル110の終端部110aのケーブルシース117、外部半導電層115、ケーブル絶縁体113を所定の位置まで除去し、電力ケーブル110の終端に露出した導体111に導体引出棒121を接続する。
【0079】
そして、電力ケーブル110の終端部110aに、筒状のケーブル保護金具148、フランジ142、保護金具固定フランジ127、Oリング(図示省略)、拡径保持材(スパイラルコア)上に拡径された状態のストレスコーン130を順次挿通する。
【0080】
そして、フランジ142を図示しない支持碍子に取り付けて、支持碍子にフランジ142を支持させたのち、拡径保持材付きストレスコーン130のリリースコーン131をケーブル絶縁体113の下端部に位置合わせする。詳細には、リリースコーン131が、外部半導電層115とケーブル絶縁体113とに跨るように位置合わせする。
【0081】
次いで、リリースコーン131の位置合わせ状態を保持したまま、拡径保持部材を抜き、ケーブル絶縁体113の外周面113aおよび外部半導電層115の外周面115aに圧接させることでストレスコーン130をケーブル絶縁体113に取り付ける。
【0082】
なお、図示しないが、組み立ての際に通常の拡径機とパイプを用いた拡径工程によってストレスコーン130を取り付けてもよい。
【0083】
また、ストレスコーン130は、非拡径時の内径を電力ケーブル110の外径よりも十分に小さくしているため、ストレスコーン130とケーブル絶縁体113との界面の面圧を高くでき、優れた耐電圧性能が保証されている。
【0084】
このように、ストレスコーン130をケーブル絶縁体113の外周面113aに十分な面圧で取り付けた後、絶縁体132から突出するリリースコーン下部131aの外周面と、外部半導電層115の外周面に跨って導電性テープとシールテープを巻き付けて、両者間を封止するとともに連結するストレスコーン抑え遮蔽層150を形成する。これより、外部半導電層115とストレスコーン130との間がシールされ、両者間への絶縁油の侵入を防ぐことができる。次いで、保護金具固定フランジ127を、ボルト153を介してフランジ142に気密的に接合する。
【0085】
そして、電力ケーブル110の終端部110aに、導体引き出し棒121をケーブル導体111の露出部分に取り付け、導体引き出し棒121を上部金具126で固定し、雨覆い123を被せる。
【0086】
そして、仮挿通しておいたケーブル保護金具148の上端をボルト(図示書略)及びパッキン(図示書略)を介して保護金具固定フランジ127に気密的に結合する。
【0087】
そして、ケーブル保護金具148の下端とケーブルシース117の端部との間をシール材156により気密的に結合する。そして、図示しない導体引出棒内通路を経て碍管125の内部空間140に絶縁油を充填し、ケーブルの終端接続部100の取り付けを終了する。
【0088】
本実施の形態のストレスコーン130は、シリコーンゴムを主体に成形されているため、常温収縮性を有し、例えば、気中終端接続部の長区間、ケーブル絶縁体表面を摺らせながら挿入する従来のエチレンプロピレンゴム製差込み式ストレスコーンに比べ、摺らせて装着させる必要がない。また、滑らせる手間(引張る力)、時間が不要になる。
【0089】
さらに、終端接続部100を組み立てる際に、ストレスコーン130を滑らせるために使われる潤滑剤が不要になる。加えて、ストレスコーン130内面が、ケーブル絶縁体113外面(表面)113aを摺らせることから受ける傷等の欠陥を生じさせることがない。
【0090】
本実施の形態における電力ケーブルの終端接続部100は、気中終端接続部であり、密閉された碍管125内に配置されたシリコーンゴム製のストレスコーン130は、シリコーンオイルである絶縁油に浸漬している。
【0091】
シリコーンオイルはシリコーンゴムに浸透しやすく、所謂、膨潤を起こす。この膨潤の速度は、シリコーンオイルの粘度に関係しており、粘度が高ければ、遅く、長時間を要する。この膨潤はどのような粘度でも進行し、シリコーンゴムにシリコーンオイルを用いる限り、付きまとう問題である。
【0092】
しかし、ストレスコーン130には、リリースコーン131及び絶縁体132からなる成形体、所謂、ストレスコーン本体にシリコーンオイルが接しないように、ストレスコーン本体の表面、つまり、絶縁体132の外面にフッ素樹脂コーティング膜133が施されている。フッ素樹脂は、シリコーンオイルと相溶性が悪いため、シリコーンオイルである絶縁油の膨潤を防ぐことができる。これにより、ストレスコーン130は、膨らむことなく、ケーブル絶縁体113を締め付ける力の減少が防止され、その耐用年数を長くできる。
【0093】
また、コーティング膜133をフッ素樹脂による膜としているため、コーティング膜133の厚さは薄く、少量の使用で済み、材料費が低減できる。
【0094】
よって、ストレスコーン130は、従来の油浸絶縁紙を用いたコンデンサコーンと同等の一定の電界緩和効果を保持しつつ、従来の油浸絶縁紙を用いたコンデンサコーンと異なり、熟練を要することなく容易に組み立てることができ、組み立て作業時間を短縮することができる。
【0095】
また、本実施の形態の終端接続部100におけるストレスコーン130は、角部132R(図3参照。)に、加工あるいは面取り加工等の加工を施しているため、フッ素樹脂を塗布してコーティング膜133を形成する場合、ストレスコーン130がシリコーンゴム製であっても、その塗布を容易に行うことができる。
【0096】
また、本実施の形態に係る電力ケーブル110の終端接続部100の構成では、従来のプレモールド形接続部としてのプレモールド絶縁体圧縮式のケーブル終端部処理の構成とは異なり、プレモールド絶縁体を碍管内に押圧するスプリングや、エポキシ受座を必要とすることがない。このため、電力ケーブル110の終端接続部100として、スプリングやエポキシ受座の分の部品点数が少ないものとなっており、低コスト化を図ることができる。
【0097】
なお、本実施の形態におけるストレスコーン130では、リリースコーン131および絶縁体132は一体成形された構成としたが、これに限らず、リリースコーン131および絶縁体132をそれぞれ別体に形成した構成や、絶縁体132自体を複数に分割した構成、さらに、リリースコーン131と絶縁体132の一部とを一体的に成形し、かつそれ以外の絶縁補強成形体132部分を一体的にまたは複数に分割して成形した構成としてもよい。
【0098】
このようにストレスコーン130を複数に分割すれば、分割されることでコンパクト化され、製造、現場への運搬、施工などが容易となる。
【0099】
なお、本実施の形態では、碍管125内の筒状内部空間140には、絶縁油充填した構成としたが、これに限らず、例えば、絶縁ガス(例えば、一般的に、六フッ化硫黄(SF)ガス等)を封入した構成としてもよい。
【0100】
六フッ化硫黄は終端接続部が運転中に生ずる僅かな放電により、分解する可能性があり、フッ化水素ガスを生成する。フッ化水素ガスは、シリコーンゴムに含まれているシリカ(SiO)と反応し、シリコーンゴムの劣化を引き起こす懸念がある。これを防ぐため、本実施の形態では、コーティング膜133としてフッ素樹脂コーティングを施すことによって、例え、フッ化水素ガスが発生したとしても、フッ化水素ガスを直接、シリコーンゴムに接触させることはなく、シリコーンゴムを保護することが出来る。
【0101】
なお、本実施の形態では、ストレスコーン130において、フッ素樹脂からなるコーティング膜133を、ストレスコーン本体である成形体(ここでは、絶縁体132)の外面に形成した構成としたが、これに限らない。つまり、電力ケーブルの端部と、電力ケーブルの端部に取り付けられ、電力ケーブルの端部における絶縁体の周囲を覆う被覆絶縁体と、被覆絶縁体の外面に設けられ、外面を被覆するコーティング層とを有する電力ケーブルの終端接続部であれば、どのように構成されていてもよい。
【0102】
例えば、気中終端接続部における碍管およびケーブル絶縁体部をエポキシ樹脂製のものとし、金属製導体の表面にエポキシ樹脂製の碍管を被せ、その表面にシリコーンゴムで被覆する構成としてもよい。そして、このエポキシ樹脂製の碍管外面に施されたシリコーンゴムの外面をフッ素樹脂コーティングした構成とする。
【0103】
つまり、この終端接続部は、電力ケーブルの端部における絶縁体をエポキシ樹脂とし、このエポキシ樹脂製絶縁体の内部に、電力ケーブルの端部のケーブル導体に接続される導体を配置するとともに、エポキシ樹脂からなる絶縁体の周囲を、例えばフッ素樹脂からなるコーティング層が被覆するシリコーンゴム製の碍管(被覆絶縁体)により覆われたものである。
【0104】
シリコーンゴムに比べ、フッ素樹脂(ゴム)の方が、ガス浸透性、耐無機酸性に良好な性質を持つことが知られている。よって、フッ素樹脂の方が、シリコーンゴムに比べて、水分の浸入が少ない。
【0105】
例えば、酸素の透過率で比べると、(ml・cm)/(g・cm・Hg)で、シリコーンゴムにおける酸素の透過率は60×10−9、フッ素樹脂(ゴム)では0.0004×10−9となる(なお、シリコーンゴムにおける水の透過率は、3600×10−9となる)。
【0106】
よって、シリコーンゴムの方が、フッ素樹脂(ゴム)より、酸素の60倍の量が透過することになる。これに基づいて、水の透過率を推定すると、フッ素樹脂の方が、シリコーンゴムよりも5桁小さく、水が浸入しにくくなる。つまり、フッ素樹脂コーティングすることで、シリコーンゴムで覆われたエポキシ樹脂の劣化をより防ぐことができる。
【0107】
更に、表面に水滴が付きにくい指標である撥水性は、接触角(水の接触面と水滴との接線との角度、角度が大きいほど、濡れにくい)で比較する。ここで、シリコーンゴムの接触角は104°、フッ素樹脂の接触角は118〜160°であるため、フッ素樹脂の方が、酸性雨など有害な水滴を速やかに転がり落とすことができ、排除しやすい。
【0108】
このように、エポキシ樹脂は、シリコーンゴムの碍管(被覆絶縁体)とともに、コーティング層(フッ素樹脂)により覆われた状態となり、外部に晒されることがない。よって、フッ素樹脂のコーティング層によって、シリコーンゴムが被覆するエポキシ樹脂への水分の染み込みが少なくなるとともに、大気汚染による酸性雨に対する耐候性を有するものとなる。
【0109】
つまり、気中などに配置された場合、エポキシ樹脂製の絶縁体及びシリコーンゴム製の被覆絶縁体を、コーティング層によって、大気汚染、雨水などにより、空気中に長期間晒されて腐食する現象を防ぐことができるとともに、炎に対する強度を改善でき、終端接続部自体を長期間使用することができる。
【0110】
また、シリコーンゴムは、ガス透過性を有し、無機酸対抗性に乏しい。このため、シリコーンゴム製の碍管をフッ素樹脂コーティングすることによって、耐ガス透過性及び無機耐酸性を向上させることができる。
【0111】
このように本実施の形態では、電力ケーブルの終端部を絶縁する絶縁体としてのシリコーンゴム表面にシリコーンゴムよりオイル(例えば、シリコーンオイル)に対する浸透性がなく、また、無機酸に対する耐酸性を持ち、更に、耐炎性のよいフッ素ゴムによるコーティングを施すことにより、シリコーンゴムの欠点をカバーしたものとなっている。
【産業上の利用可能性】
【0112】
本発明に係る電力ケーブル用終端接続部は、シリコーンゴムを用いた絶縁補強体表面にフッ素ゴムコーティングを有し、外部環境物質からの浸食を防ぎ、絶縁補強体の性能維持を可能にするものとして有用である。
【図面の簡単な説明】
【0113】
【図1】本発明の一実施の形態に係る電力ケーブルの終端接続部の構造を示す部分縦断面図
【図2】図1の終端接続部におけるストレスコーンを含む要部の拡大断面図
【図3】本発明の一実施の形態に係る電力ケーブルの終端接続部におけるストレスコーンの部分断面図
【図4】従来の終端接続部の構成を示す図
【符号の説明】
【0114】
100 終端接続部
110 電力ケーブル
110a 終端部(電力ケーブルの端部)
111 ケーブル導体
113 ケーブル絶縁体
113a 外周面(絶縁体の外面)
125 碍管
130 ストレスコーン
131 リリースコーン
132 絶縁体
132R 角部
133 コーティング膜
133a 基端部側被覆部(コーティング膜)
136 内周面
140 空間(内部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力ケーブルの端部と、
前記電力ケーブルの端部に取り付けられ、前記電力ケーブルの端部における絶縁体の周囲を覆う被覆絶縁体と、
前記被覆絶縁体の外面に設けられ、前記外面を被覆するコーティング層とを有することを特徴とする電力ケーブルの終端接続部。
【請求項2】
前記被覆絶縁体はシリコーンゴムからなることを特徴とする請求項1記載の電力ケーブルの終端接続部。
【請求項3】
前記コーティング層は、フッ素樹脂からなることを特徴とする請求項1または2記載の電力ケーブルの終端接続部。
【請求項4】
前記電力ケーブルの端部における前記絶縁体は前記電力ケーブルのケーブル導体の周囲を覆うケーブル絶縁体であり、
このケーブル絶縁体と、前記被覆絶縁体とを内部に据え付ける碍管をさらに有し、
前記碍管の前記内部は密閉されているとともにオイルが充填されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の電力ケーブルの終端接続部。
【請求項5】
前記オイルはシリコーンオイルであることを特徴とする請求項4記載の電力ケーブルの終端接続部。
【請求項6】
前記電力ケーブルの端部における前記絶縁体は、エポキシ樹脂からなり、
前記絶縁体の内部には、前記電力ケーブルの端部のケーブル導体に接続される導体が配置されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の電力ケーブルの終端接続部。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−42421(P2006−42421A)
【公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−214953(P2004−214953)
【出願日】平成16年7月22日(2004.7.22)
【出願人】(502122521)株式会社エクシム (25)
【出願人】(000002255)昭和電線電纜株式会社 (71)
【Fターム(参考)】