説明

電力交換装置、電力交換方法、プログラム、および電力交換システム

【課題】電力交換装置、電力交換方法、プログラム、および電力交換システムを提供すること。
【解決手段】他装置と接続される接続部と、周囲の電力交換装置と無線通信を行う無線通信部と、前記周囲の電力交換装置と電力交換を行なう電力交換部と、前記電力交換部により交換される電力を前記接続部と前記他装置の間で入出力させる電力管理部と、前記無線通信部による前記周囲の電力交換装置との無線通信の後に、前記電力交換部に前記周囲の電力交換装置と電力交換を行なわせるか否かを前記他装置の電源状態に応じて制御する電力制御部と、を備電力交換装置に設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力交換装置、電力交換方法、プログラム、および電力交換システムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、情報処理装置には、他の情報処理装置と接続するためのUSB(Universal Serial Bus)端子が実装される傾向にある。情報処理装置と、他の情報処理装置のUSB端子をUSB(シリアルバス)ケーブルで接続することにより、装置間でのデータ通信に加え、電力交換を実現することができる。
【0003】
具体的には、ホスト側情報処理装置のUSB端子の「VBUS」に所定の電圧が印加されると、デバイス側情報処理装置は、自装置のUSB端子の「VBUS」から上記所定の電圧を得ることができる。
【0004】
また、近日、無線で電力を伝送することが可能な無線送電装置が提案されており、無線送電装置の一例は例えば特許文献1に記載されている。より詳細には、特許文献1に記載されている無線送電装置は、電力伝送の効率化を図ることを目的とし、受電装置による電力の受電結果に応じた画面を表示する。
【0005】
また、有線のUSBケーブルを無線通信プロトコルに置換してデータ交換を行なうワイヤレスUSBシステムの標準化作業が終了した。かかるワイヤレスUSBシステムにおいては、情報処理装置間でのデータ通信を、情報処理装置間を物理的にUSBケーブルで接続する必要が無い点で、ユーザの利便性に優れる。
【0006】
【特許文献1】特開2006−238548号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、ワイヤレスUSBシステムにおいては、USB端子の「VBUS」が存在しないため、電力交換を行なうことができないという問題があった。また、特許文献1に記載の無線送電装置は、自装置側または受電装置側の電源状態を考慮しないため、不要に電力が伝送されてしまうことが懸念された。
【0008】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、電力交換を実行するか否かをより適切に制御することが可能な、新規かつ改良された電力交換装置、電力交換方法、プログラム、および電力交換システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、他装置と接続される接続部と、周囲の電力交換装置と無線通信を行う無線通信部と、前記周囲の電力交換装置と電力交換を行なう電力交換部と、前記電力交換部により交換される電力を前記接続部と前記他装置の間で入出力させる電力管理部と、前記無線通信部による前記周囲の電力交換装置との無線通信の後に、前記電力交換部に前記周囲の電力交換装置と電力交換を行なわせるか否かを前記他装置の電源状態に応じて制御する電力制御部と、を備える電力交換装置が提供される。
【0010】
かかる構成においては、電力制御部が前記電力交換部に前記周囲の電力交換装置と電力交換を行なわせるか否かを前記他装置の電源状態に応じて制御し、電力管理部が前記電力交換部により交換される電力を前記接続部と前記他装置の間で入出力させる。
【0011】
前記電力制御部は、前記周囲の電力交換装置との前記無線通信部を介した認証処理が行われた後に前記電力交換部に電力交換を行なわせるか否かを制御してもよい。
【0012】
前記電力制御部は、前記周囲の電力交換装置から電力伝送を要求する電力伝送要求が前記無線通信部により受信されると、前記電力交換部に前記周囲の電力交換装置への電力伝送を行なわせるか否かを前記他装置の電源状態に応じて制御してもよい。
【0013】
前記電力伝送要求は、電力伝送に関する条件として、電力量、電力伝送の形式、または伝送が要求される時間帯を示す情報の少なくともいずれかを含み、前記電力制御部は、前記電力交換部に前記周囲の電力交換装置への電力伝送を行なわせる場合、前記電力伝送に関する条件に従ってもよい。
【0014】
前記電力制御部は、前記周囲の電力交換装置から電力伝送の停止要求が前記無線通信部により受信された場合、前記電力交換部からの電力伝送を停止させてもよい。
【0015】
前記電力交換装置は、前記周囲の電力交換装置に電力伝送を行なわせると前記電力制御部により判断された場合、前記周囲の電力交換装置へ電力伝送を要求する電力伝送要求を前記無線通信部から送信させる通信制御部をさらに備えてもよい。
【0016】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、周囲の電力交換装置と無線通信を行うステップと、電力交換を行なうか否かを接続されている他装置の電源状態に基づいて判断するステップと、前記電力交換を行なうと判断した場合、前記周囲の電力交換装置との間で電力交換を行なうステップと、前記周囲の電力交換装置との間で交換される電力を、前記他装置との間で入出力するステップと、を含む電力交換方法が提供される。
【0017】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、コンピュータを、他装置と接続される接続部と、周囲の電力交換装置と無線通信を行う無線通信部と、前記周囲の電力交換装置と電力交換を行なう電力交換部と、前記電力交換部により交換される電力を前記接続部と前記他装置の間で入出力させる電力管理部と、前記無線通信部による前記周囲の電力交換装置との無線通信の後に、前記電力交換部に前記周囲の電力交換装置と電力交換を行なわせるか否かを前記他装置の電源状態に応じて制御する電力制御部と、として機能させるためのプログラムが提供される。
【0018】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、電力受領装置および電力伝送装置を含む電力交換システムが提供される。前記電力受領装置は、電力利用装置と接続される第1の接続部、無線通信を行う第1の無線通信部、伝送された電力を受領する電力受領部、および、前記電力受領部により受領された電力を前記第1の接続部から前記電力利用装置へ出力させる第1の電力管理部を備える。また、電力伝送装置は、電力供給装置と接続される第2の接続部、前記電力受領装置の前記第1の無線通信部と無線通信を行う第2の無線通信部、前記電力受領装置へ前記電力供給装置から供給される電力を伝送する電力伝送部、および、前記第2の無線通信部により前記電力受領装置の第1の無線通信部との無線通信が行われた後に、前記電力伝送部に前記電力受領装置への電力伝送を行なわせるか否かを前記電力利用装置または前記電力供給装置の電源状態に応じて制御する電力制御部を備える。
【発明の効果】
【0019】
以上説明したように本発明にかかる電力交換装置、電力交換方法、プログラム、および電力交換システムによれば、電力交換を実行するか否かをより適切に制御することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0021】
また、以下に示す項目順序に従って当該「発明を実施するための最良の形態」を説明する。
〔1〕本実施形態にかかる電力交換システムの概要
〔2〕電力交換システムに含まれる無線通信装置の構成
〔3〕電力交換の実現例
〔4〕本実施形態にかかる電力交換システムの動作
〔5〕ホスト側無線通信装置の動作
〔6〕デバイス側無線通信装置の動作
〔7〕まとめ
【0022】
〔1〕本実施形態にかかる電力交換システムの概要
まず、図1および図2を参照し、本実施形態に関連する通信システムを比較例として説明し、次に本実施形態に至った経緯を説明した後に、図3〜図5を参照し、本実施形態にかかる電力交換システムについて概略的に説明する。
【0023】
(本実施形態に関連する通信システム)
図1は、本実施形態に関連する有線通信システムの構成例を示した説明図である。図1に示したように、当該有線通信システムは、PC(Personal Computer)80と撮像装置84とを含む。また、PC80の接続ポートおよび撮像装置84の接続ポートはUSBケーブル86によって接続されており、PC80がUSBホストとして機能し、撮像装置84がUSBデバイスとして機能する。
【0024】
このような、有線通信システムにおいては、USBケーブル86を介し、PC80と撮像装置84の間で画像データや映像データなどの任意のデータを送受信することができる。さらに、PC80は、AC(Alternating Current)電源と接続されている電源コンセント82から得た電力を、接続ポートおよびUSBケーブル86を介して撮像装置84へ供給することができる。
【0025】
したがって、有線通信システムにおいては、撮像装置84を外部のAC電源に接続しなくても、撮像装置84がUSBケーブル86を介して電力を取得することにより動作することができた。続いて、図2を参照し、本実施形態に関連する無線通信システムについて説明する。
【0026】
図2は、本実施形態に関連する無線通信システムの構成例を示した説明図である。図2に示したように、当該無線通信システムは、ワイヤレスUSB規格に則っており、USBホストとして機能するPC90と、USBデバイスとして機能する撮像装置94と、を備える。また、PC90の接続ポートは無線通信装置93と接続され、撮像装置94の接続ポートは無線通信装置97と接続されている。
【0027】
このような、無線通信システムにおいては、無線通信装置93および無線通信装置97が所定のプロトコルによって動作することにより、PC90と撮像装置94が無線通信装置93および無線通信装置97を介して任意のデータを送受信することができる。
【0028】
また、PC90は、AC電源と接続されている電源コンセント92から得た電力を、接続ポートを介して無線通信装置93へ供給し、無線通信装置93を動作させることができる。しかし、当該無線通信システムにおいては、有線通信システムと異なり、PC90から撮像装置94へ電力を伝送することができない。したがって、撮像装置94は、図2に示したように、AC電源から電源コンセント96を介して電力を取得する、あるいは内部の二次電池の電力を利用しなければ無線通信装置97を動作させることができなかった。
【0029】
(本実施形態に至る経緯)
上述したように、ワイヤレスUSBシステムでは、USB端子の「VBUS」が存在しないため、USBデバイスに対して電力を供給できないという問題があった。このため、USBデバイスは内部バッテリーを駆使して無線通信機能を動作させなければならないという問題があった。
【0030】
また、従来からの有線のUSBにおいては、例えばマウスなど簡素な構成のUSBデバイスに対して、マウスを駆動するための電力はUSB端子の「VBUS」を介して供給されていた。ここで、ワイヤレスUSBを用いてマウスをPCに接続することを想定した場合、マウスはPCから電力が供給されないため、マウスにバッテリーを設ける必要があった。
【0031】
さらに、撮像装置(デジタルスチルカメラ)などのUSBデバイスも、ワイヤレスUSBによりPCに画像データを転送できるものの、USBデバイスのバッテリー容量が少ない場合などでは、USBデバイスにAC電源から電力を供給しなければならなかった。
【0032】
また、特開2006−238548号に記載の方法は、受電装置を動作させるために電力を供給する方法であり、受電装置に接続されるアプリケーション機器へ電力を供給することはできなかった。また、送電装置は受電装置のために信号を送出する必要があり、受電装置も送電装置の信号を検出すると応答信号を送信しなければならないため、受電装置にもバッテリーを搭載する必要があった。さらに、送電装置は、電力供給が不要である装置に対して、電力を送信してしまうという問題があった。
【0033】
そこで、上記事情を一着眼点にして本実施形態にかかる電力交換システムを創作するに至った。本実施形態にかかる電力交換システムによれば、電力交換を実行するか否かをより適切に制御することができる。以下、このような電力交換システムについて、図3〜図5を参照して概略的に説明する。
【0034】
(電力交換システムの概略)
図3〜図5は、本実施形態にかかる電力交換システムの構成例を示した説明図である。図3に示したように、本実施形態にかかる電力交換システムは、ワイヤレスUSB規格に則っており、USBホストとして機能するホスト機器30と、USBデバイスとして機能するデバイス機器40と、を備える。また、ホスト機器30の接続ポートは無線通信装置10(電力伝送装置、電力交換装置)と接続され、デバイス機器40の接続ポートは無線通信装置20(電力受領装置、電力交換装置)と接続されている。
【0035】
このような、電力交換システムにおいては、無線通信装置10および無線通信装置20が所定のプロトコルによって動作することにより、ホスト機器30とデバイス機器40が無線通信装置10および無線通信装置20を介して任意のデータを送受信することができる。なお、任意のデータとしては、音楽、講演およびラジオ番組などの音楽データや、映画、テレビジョン番組、ビデオプログラム、写真、文書、絵画および図表などの映像データや、ゲームおよびソフトフェアなどがあげられる。
【0036】
また、ホスト機器30は、AC電源と接続されている電源コンセント32から得た電力を、接続ポートを介して無線通信装置10へ供給し、無線通信装置10を動作させることができる。さらに、無線通信装置10は、図3において点線で示したように、ホスト機器30から供給される電力を、無線通信装置20へ伝送することができる。このため、デバイス機器40は、AC電源に接続されていない場合であっても、無線通信装置20から供給される電力に基づいて動作することができる。
【0037】
なお、図3においては、ホスト機器30の一例としてPCを示し、デバイス機器40の一例として撮像装置を示しているが、ホスト機器30およびデバイス機器40は任意の情報処理装置であってもよい。情報処理装置としては、例えば、家庭用映像処理装置(DVDレコーダ、ビデオデッキなど)、携帯電話、PHS(Personal Handyphone System)、携帯用音楽再生装置、携帯用映像処理装置、PDA(Personal Digital Assistants)、家庭用ゲーム機器、携帯用ゲーム機器、家電機器などがあげられる。
【0038】
図3に示した例では、ホスト機器30に電源コンセント32からAC電源が供給されていたが、図4に示したようにホスト機器30にAC電源が供給されない場合、ホスト機器30は内蔵する二次電池に基づいて動作する。このようにホスト機器30にAC電源が供給されない場合、または二次電池の残量が所定基準より少ない場合、図4に示したように無線通信装置10から無線通信装置20への電力伝送は行なわれない。
【0039】
また、図5に示したように、ホスト機器30およびデバイス機器40の双方にAC電源が供給されない場合であっても、デバイス機器40の二次電池の残量が潤沢であれば、無線通信装置20が無線通信装置10へ電力を伝送することもできる。同様に、ホスト機器30の二次電池の残量が潤沢であれば、無線通信装置10が無線通信装置20へ電力を伝送することもできる。
【0040】
このように、本実施形態にかかる電力交換システムは、ホスト機器30またはデバイス機器40の電源状態に応じて電力交換をするか否かを制御することができる。以下、本実施形態にかかる電力交換システムを構成する無線通信装置10および無線通信装置20の構成について説明する。
【0041】
〔2〕電力交換システムに含まれる無線通信装置の構成
図6は、ホスト機器30に接続される無線通信装置10の構成を示した機能ブロック図である。図6に示したように、無線通信装置10は、インターフェース104と、アンテナ106と、通信処理部110と、電力交換処理部120と、二次電池130と、を備える。さらに、通信処理部110は、送信データバッファ111と、無線送信部112と、無線受信部114と、受信データバッファ115と、プロトコル制御部116と、を備える。また、電力交換処理部120は、駆動電源管理部122と、電力交換制御部124と、電力伝送部125と、電力受領部126と、電力交換部128と、を備える。
【0042】
インターフェース104は、ホスト機器30と物理的に接続される接続部としての機能を有する。インターフェース104は、例えばUSB端子であってもよく、無線通信装置10とホスト機器30は有線USBにより接続されてもよい。ここで、図7を参照してUSB端子の信号線配置について説明する。
【0043】
図7は、USB端子の信号線配置を示した説明図である。図7に示したように、コネクト番号1の信号線は、電力を入出力するためのVBUSに該当し、赤色が割当てられている。なお、図6においては、VBUSをインターフェース104とホスト機器30の間の点線の矢印で示している。
【0044】
同様に、コネクト番号2の信号線は、負側のデータを伝送するためのD−(マイナス)に該当し、白色が割当てられている。また、コネクト番号3の信号線は、正側のデータを伝送するためのD−(プラス)に該当し、緑色が割当てられている。また、コネクト番号4の信号線は、共通のグランドとして利用されるGNDに該当し、黒色が割当てられている。さらに、筐体(Shell)は上記の各信号線をシールドするために設けられる。
【0045】
インターフェース104は、例えば上記のようなUSB端子により構成され、無線通信装置10およびホスト機器30の間でインターフェース104を介してデータおよび電力が入出力される。
【0046】
また、送信データバッファ111は、ホスト機器30からインターフェース104を介して供給されるアプリケーションデータを一時的に格納する。
【0047】
無線送信部112は、送信データバッファ111に格納されているアプリケーションデータやプロトコル管理部116から供給される制御データなどを高周波信号に変調し、アンテナ106から無線信号として送信する。また、無線受信部114は、アンテナ106により受信された無線信号を復号する。このように、無線受信部114および無線送信部112は無線通信部として機能する。
【0048】
受信データバッファ115は、無線受信部114により復号されたアプリケーションデータを一時的に格納する。
【0049】
プロトコル制御部116は、無線通信装置10および無線通信装置20間の無線通信を所定のプロトコルに従って制御する。例えば、プロトコル制御部116は、無線送信部112による無線信号の送信タイミングの管理、無線受信部114による無線信号の受信タイミングの管理、スーパーフレーム周期の管理、ビーコンの生成などを行なう。以下、図8〜図14を参照し、通信プロトコル、スーパーフレーム周期、およびビーコンについて説明する。
【0050】
図8は、USBによる通信プロトコルを示した説明図である。より詳細には、図8の上段にはUSB2.0仕様によって定義された有線USBにおける通信プロトコルを、図8の下段にはワイヤレスUSBにおける通信プロトコルを示している。
【0051】
図8の上段に示したように、有線USBにおいては、まず、USBホストがトークン302を伝送し、トークン302により指定されたデータ304が例えばUSBホストからUSBデバイスへ送信される。そして、データ304の受信の可否を通知するためのハンドシェーク(Hndsk)306が例えばUSBデバイスからUSBホストに対して受領確認として返信される。
【0052】
その後、USBホストがトークン308を伝送し、トークン308により指定されたデータ310が例えばUSBデバイスからUSBホストへ送信される。そして、データ310の受信の可否を通知するためのハンドシェーク(Hndsk)312が例えばUSBホストからUSBデバイスに対して受領確認として返信される。
【0053】
また、図8の下段に示したように、ワイヤレスUSBにおいては、まず無線伝送路へMMC320というコマンドがホスト側より送信される。その後、MMC320に記載された時間割に従い、下り回線のトークン(Token Out)、上り回線のトークン(Token In)、下り回線のハンドシェーク(Hndsk Out)が指定される。
【0054】
その後、上記トークンにより指定された時間に下り回線のデータ(Data Out)322、上り回線のデータ(Data In)324、および下り回線のハンドシェーク(Hndsk Out)326が送信される。なお、下り回線のハンドシェーク326は、次のMMC328における上り回線のトークン(Token In)のシーケンス番号によって成否が判定される。
【0055】
図9は、スーパーフレームの構成例を示した説明図である。スーパーフレーム周期は、所定の時間(例えば、約65536μs)により定義され、256個のメディアアクセススロット(MAS:Media Access Slot;以下、単にスロットと称する場合がある。)に細分化されている。無線通信装置10は、該スーパーフレーム周期を所定周期のフレームとして共有し、上記細分化されたスロットを単位としてメッセージの転送が行われる。
【0056】
さらに、スーパーフレームの先頭には、ビーコン(ビーコン信号)により管理情報の送受信を行うための管理領域としてのビーコン期間(BP)があり、所定の間隔をおいてビーコンスロット(BS)が配置されている。また、無線通信装置10に、固有のビーコンスロットが設定され、周囲の無線通信装置20との間で、ネットワークの管理やアクセス制御を行うためのパラメータが交換される。図9においては、ビーコン周期として、BS0〜BS8の9個のビーコンスロットが設定されている例を示した。なお、ビーコン周期として設定されていない期間は、通常、データ伝送領域として利用される。無線通信装置10は、このようなスロットを他の無線通信システムと融通しながら動作する。
【0057】
図10は、ビーコンフレームの構成例を示した説明図である。図10に示したように、ビーコンは、MACヘッダ70、ヘッダーチェックシーケンス(HCS)706、ビーコンペイロード(Beacon Payload)71、およびフレームチェックシーケンス(FCS)715を含む。
【0058】
MACヘッダ70は、図10に示したように、フレーム制御情報701、受信側の無線通信装置を識別する届け先アドレス702、送信側の無線通信装置を識別する送り元アドレス703、シーケンス番号などのシーケンス制御情報704、およびアクセス制御に必要なパラメータが記載されたアクセス制御情報705を含む。
【0059】
ビーコンペイロード71は、ビーコンパラメータ711、ビーコン期間利用情報エレメント712、情報エレメント(その1)713、情報エレメント(そのN)714を含む。なお、ここでの「N」は、ビーコンに付加されて送信される情報エレメントの数を示しており、送信ビーコンごとに異なる値をとってもよい。また、各情報エレメントは、必要に応じて追加、削除が行なわれてビーコンフレームが構成されてもよい。例えば、ビーコンは、図11〜図14に示す電力伝送に関する情報エレメントを含んでもよい。
【0060】
図11は、電力伝送可否情報エレメント(Power Supply IE)の構成例を示した説明図である。当該電力伝送可否情報エレメントは、自装置が可能な電力伝送の内容を示し、周囲の無線通信装置20へ自装置が可能な電力伝送の内容を事前に通知する際にプロトコル制御部116により生成される。
【0061】
かかる電力伝送可否情報エレメントは、図11に示したように、当該情報エレメントが電力伝送可否情報エレメントであることを示すエレメント識別子721、エレメントの長さを示す情報長722を含む。また、電力伝送可否情報エレメントは、電力伝送を行なう場合に利用可能な伝送の形式を示した電力伝送可能形式723、電力伝送された場合に受領可能な伝送の形式を示した電力受領可能形式724を含む。伝送の形式の具体例については、「〔3〕電力交換の実現例」において説明する。
【0062】
さらに、電力伝送可否情報エレメントは、電力伝送時に伝送可能な電力量を示す最大伝送可能電力量725、電力受領時に受領可能な電力量を示す最大受領可能電力量726を含む。このような電力伝送可否情報エレメントを受信した無線通信装置20は、無線通信装置10が可能な電力伝送の内容を事前に把握することができる。
【0063】
図12は、電力伝送要求情報エレメント(Power Request IE)の構成例を示した説明図である。当該電力伝送要求情報エレメントは、電力交換制御部124により外部からの電力供給が必要であると判断された場合に、無線通信装置20に対して電力伝送を要求するためにプロトコル制御部116により生成される情報エレメントである。または、当該電力伝送要求情報エレメントは、無線通信装置20において外部からの電力供給が必要であると判断された場合に無線通信装置20から送信される情報エレメントである。
【0064】
かかる電力伝送要求情報エレメントは、図12に示したように、当該情報エレメントが電力伝送要求情報エレメントであることを示すエレメント識別子731、エレメントの長さを示す情報長732を含む。また、電力伝送要求情報エレメントは、電力伝送を行なう無線通信装置を指定する電力伝送元アドレス733、自装置が受領する電力伝送の形式を指定する電力受領形式734、および自装置が受領を希望する受領希望電力量735を含む。また、電力伝送要求情報エレメントは、自装置が電力の受領を希望する時間帯を示す電力受領時間帯736を含む。かかる電力受領時間帯736は、スーパーフレームにおける1または2以上の任意のスロットを示してもよい。
【0065】
図13は、電力伝送応答情報エレメント(Power Response IE)の構成例を示した説明図である。当該電力伝送応答情報エレメントは、無線通信装置10が無線通信装置20から電力伝送要求情報エレメントを受信した場合に、電力伝送要求情報エレメントに応答するためにプロトコル制御部116により生成される情報エレメントである。または、当該電力伝送応答情報エレメントは、無線通信装置20が無線通信装置10から電力伝送要求情報エレメントを受信した場合に、当該電力伝送要求情報エレメントに応答するために無線通信装置20において生成される情報エレメントである。
【0066】
かかる電力伝送応答情報エレメントは、図13に示したように、当該情報エレメントが電力伝送応答・情報エレメントであることを示すエレメント識別子741、エレメントの長さを示す情報長742を含む。また、電力伝送応答情報エレメントは、電力の伝送先となる装置を指定する電力伝送先アドレス743、自装置が伝送する電力伝送の形式を示す電力伝送形式744、および自装置が伝送することに合意した伝送合意電力量745を含む。さらに、電力伝送応答情報エレメントは、自装置が伝送することに合意した時間帯を示す電力伝送時間帯746を含む。
【0067】
図14は、電力伝送解除情報エレメント(Power Terminate IE)の構成例を示した説明図である。当該電力伝送解除情報エレメントは、無線通信装置20から電力を供給されていた無線通信装置10のプロトコル制御部116により、電力供給の停止を要求する際に生成される情報エレメントである。または、当該電力伝送解除情報エレメントは、無線通信装置10から電力を供給されていた無線通信装置20により、電力供給の停止を要求する際に生成される情報エレメントである。
【0068】
かかる電力伝送解除情報エレメントは、図14に示したように、当該情報エレメントが電力伝送解除情報エレメントであることを示すエレメント識別子751、エレメントの長さを示す情報長752を含む。また、電力伝送解除情報エレメントは、電力の伝送元である装置を示す電力伝送元アドレス753を含む。
【0069】
プロトコル制御部116は、以上説明した電力伝送に関する情報エレメントを必要に応じて生成し、生成された情報エレメントを無線送信部112が無線通信装置20へ送信する。その結果、無線通信装置10および無線通信装置20間での電力伝送を開始、または解除することが可能となる。
【0070】
また、駆動電源管理部122は、ホスト機器30の電源状態を検出し、無線通信装置10およびホスト機器30間の電力の入出力を管理する電力管理部としての機能を有する。ここで、ホスト機器30の電源状態としては、AC電源などの恒常的に供給される電源に接続されている状態であるか否か、ホスト機器30がバッテリーで動作している場合にはバッテリー残量などがあげられる。また、駆動電源管理部122は、無線通信装置10に二次電池130が設けられている場合、二次電池130との間での電力の入出力を管理する。
【0071】
例えば、駆動電源管理部122は、無線通信装置10から無線通信装置20へ電力を伝送する場合、ホスト機器30からインターフェース104へ電力を入力させる。一方、駆動電源管理部122は、無線通信装置10が無線通信装置20から電力を受領する場合、受領された電力をインターフェース104からホスト機器30へ出力させる。
【0072】
電力交換部128は、無線通信装置20への電力の伝送、および無線通信装置20から伝送された電力を受領する。電力伝送部125は、電力交換制御部124による制御に基づいて電力交換部128から電力を伝送させるために必要な動作をし、電力受領部126は電力交換制御部124による制御に基づいて電力交換部128が電力を受領するために必要な動作をする。
【0073】
電力交換制御部124は、無線通信装置20との間での電力交換を電力交換部128に行わせるか否かをホスト機器30の電源状態に応じて制御する電力制御部としての機能を有する。以下、電力交換制御部124が無線通信装置20へ電力伝送を要求する必要があると判断する場合、および無線通信装置20からの電力伝送要求に応じる場合の一例を説明する。
【0074】
(電力伝送の要求について)
(例1)ホスト機器30が恒常的に電力を得ることが可能な電源(恒常電源)に接続されている場合、電力交換制御部124は、電力伝送の要求は不要であると判断する。
(例2)ホスト機器30が恒常電源に接続されてなく、デバイス機器40が恒常電源に接続されている場合、電力交換制御部124は、電力伝送の要求を行なうと判断する。なお、電源状態に関する情報は、電力伝送可否情報エレメントに含まれていてもよい。
(例3)ホスト機器30が恒常電源でなく二次電池に接続されており、二次電池の残量が所定基準を下回っている場合、電力交換制御部124は、電力伝送の要求を行なうと判断する。ここで、所定基準は、絶対的な電力残量であっても、無線通信装置10およびホスト機器30を所定時間動作させることが可能な電力量であってもよい。
(例4)電力交換制御部124は、インターフェース104からホスト機器30への電力(例えば、VBUS)の引き込みが検出された場合、電力交換制御部124は、電力伝送の要求を行なうと判断する。
【0075】
(電力伝送要求に対する応答ついて)
(例1)電力交換制御部124は、電力伝送要求情報エレメントの電力受領形式734に自装置が対応していない形式が記載されていた場合、電力交換制御部124は、無線通信装置20への電力伝送を行なわないと判断する。なお、電力交換制御部124は、電力伝送要求情報エレメントの電力受領形式734に自装置が対応している形式が記載されていた場合、当該形式で電力伝送を行なうと判断する。
(例2)電力交換制御部124は、電力伝送要求情報エレメントの受領希望電力量735に自装置の最大伝送可能電力量を超える電力量が記載されていた場合、電力交換制御部124は、無線通信装置20への電力伝送を行なわないと判断する。または、電力交換制御部124は、最大伝送可能電力量での電力伝送を行なうと判断する。プロトコル制御部116は、電力交換制御部124による判断結果に応じた電力伝送応答情報エレメントを生成する。
(例3)ホスト機器30が恒常電源に接続されている場合、電力交換制御部124は、無線通信装置20への電力伝送を行うと判断する。
(例4)ホスト機器30が恒常電源でなく二次電池に接続されており、二次電池の残量が下限値を下回っている場合、電力交換制御部124は、電力伝送の要求を行なわないと判断する。ここで、下限値は、絶対的な電力残量であっても、無線通信装置10、ホスト機器30、およびデバイス機器40を所定時間動作させることが可能な電力量であってもよい。
(例5)ホスト機器30が二次電池に接続されており、デバイス機器40が二次電池に接続されており、ホスト機器30の二次電池の残量がデバイス機器40の二次電池の残量を下回っている場合、電力交換制御部124は、電力伝送の要求を行なわないと判断する。
【0076】
なお、電力交換制御部124は、ホスト機器30およびデバイス機器40間が相互に認証されている場合に電力交換が行なわれるよう制御してもよい。かかる構成により、無線通信装置10が、認証されているデバイス機器40側の無線通信装置20に対して選択的に電力を伝送することができる。
【0077】
また、電力伝送要求に応じて電力伝送を行なうと電力交換制御部124により判断された場合、プロトコル制御部116は、電力伝送要求情報エレメントの電力受領時間帯736に記載されている時間帯の一部、または全体の時間帯を選択する。そして、プロトコル制御部116は、選択した時間帯が記載された電力伝送時間帯746を含む電力伝送応答情報エレメントを生成し、送信する。その結果、無線通信装置20は電力伝送時間帯746に記載された時間帯に電力を受領するための状態に移行し、無線通信装置10は電力伝送時間帯746に記載された時間帯に電力伝送を行なう。
【0078】
このように、無線通信装置10が電力伝送の時間帯を電力伝送時間帯746により指定することにより、複数の無線通信装置が時分割で無線通信装置10から電力を受領することができる。例えば、撮像装置に接続されている無線通信装置がスーパーフレーム周期の一期間に無線通信装置10から電力を受領し、音楽再生装置に接続されている無線通信装置がスーパーフレーム周期の他期間に無線通信装置10から電力を受領することが可能となる。
【0079】
続いて、図15を参照し、デバイス機器40側の無線通信装置20の構成を説明する。
【0080】
図15は、デバイス機器40に接続される無線通信装置20の構成を示した機能ブロック図である。図15に示したように、無線通信装置20は、インターフェース204と、アンテナ206と、通信処理部210と、電力交換処理部220と、二次電池230と、を備える。さらに、通信処理部210は、送信データバッファ211と、無線送信部212と、無線受信部214と、受信データバッファ215と、プロトコル制御部216と、を備える。また、電力交換処理部220は、駆動電源管理部222と、電力交換制御部224と、電力伝送部225と、電力受領部226と、電力交換部228と、を備える。
【0081】
インターフェース204、アンテナ206、および通信処理部210の構成は、無線通信装置10のインターフェース104、アンテナ106、および通信処理部110の構成と実質的に同一である。したがって、以下では、電力交換処理部220の電力交換制御部について説明する。
【0082】
電力交換制御部224は、無線通信装置10との間での電力交換を電力交換部228に行わせるか否かをデバイス機器40の電源状態に応じて制御する電力制御部としての機能を有する。以下、電力交換制御部224が無線通信装置10へ電力伝送を要求する必要があると判断する場合、および無線通信装置10からの電力伝送要求に応じる場合の一例を説明する。
【0083】
(電力伝送の要求について)
(例1)デバイス機器40が恒常電源に接続されている場合、電力交換制御部224は、電力伝送の要求は不要であると判断する。
(例2)デバイス機器40が恒常電源に接続されてなく、ホスト機器30が恒常電源に接続されている場合、電力交換制御部224は、電力伝送の要求を行なうと判断する。なお、電源状態に関する情報は、電力伝送可否情報エレメントに含まれていてもよい。
(例3)デバイス機器40が恒常電源でなく二次電池に接続されており、二次電池の残量が所定基準を下回っている場合、電力交換制御部224は、電力伝送の要求を行なうと判断する。ここで、所定基準は、絶対的な電力残量であっても、無線通信装置10およびホスト機器30を所定時間動作させることが可能な電力量であってもよい。
(例4)電力交換制御部224は、インターフェース204からデバイス機器40への電力(例えば、VBUS)の引き込みが検出された場合、電力交換制御部224は、電力伝送の要求を行なうと判断する。
【0084】
(電力伝送要求に対する応答ついて)
(例1)電力交換制御部224は、電力伝送要求情報エレメントの電力受領形式734に自装置が対応していない形式が記載されていた場合、電力交換制御部224は、無線通信装置10への電力伝送を行なわないと判断する。
(例2)電力交換制御部224は、電力伝送要求情報エレメントの受領希望電力量735に自装置の最大伝送可能電力量を超える電力量が記載されていた場合、電力交換制御部224は、無線通信装置10への電力伝送を行なわないと判断する。または、電力交換制御部224は、最大伝送可能電力量での電力伝送を行なうと判断する。プロトコル制御部116は、電力交換制御部224による判断結果に応じた電力伝送応答情報エレメントを生成する。
(例3)デバイス機器40が恒常電源に接続されている場合、電力交換制御部224は、無線通信装置10への電力伝送を行うと判断する。
(例4)デバイス機器40が恒常電源でなく二次電池に接続されており、二次電池の残量が下限値を下回っている場合、電力交換制御部224は、電力伝送の要求を行なわないと判断する。ここで、下限値は、絶対的な電力残量であっても、無線通信装置20、デバイス機器40、およびホスト機器30を所定時間動作させることが可能な電力量であってもよい。
(例5)デバイス機器40が二次電池に接続されており、ホスト機器30が二次電池に接続されており、デバイス機器40の二次電池の残量がホスト機器30の二次電池の残量を下回っている場合、電力交換制御部224は、電力伝送の要求を行なわないと判断する。
【0085】
〔3〕電力交換の実現例
以上、無線通信装置10および無線通信装置20の構成について説明した。上記説明した無線通信装置10に含まれる電力交換部128、および無線通信装置20に含まれる電力交換部228は、電磁誘導型、電波受信型、磁場共鳴型、電場共鳴型など、任意の動作原理に従って動作する。以下では、図16群を参照し、各動作原理に従って動作する電力交換部128および電力交換部228の構成を具体的に説明する。
【0086】
図16Aは、電磁誘導型で動作する電力交換部128Aおよび電力交換部228Aの構成を示した説明図である。図16Aに示したように、電磁誘導型で動作する電力交換部128Aは、交流電流源V、コンデンサC1、およびインダクタL1を含み、電力交換部228Aは、インダクタL2、コンデンサC2、コンデンサC3、およびダイオードD1を含む。かかる構成において、交流電流源Vから交流電流が出力されると、インダクタL1に交流電流が流れ、インダクタL1の周囲に磁束が生じる。そして、当該磁束によりインダクタL2に流れる交流電流をダイオードD1およびコンデンサC3が整流し、電力交換部228Aにおいて直流電流が得られる。
【0087】
このような電磁誘導型による電力伝送に際して発生する磁束の範囲内に金属が存在すると、金属が加熱されてしまうことが知られている。したがって、電磁誘導型による電力伝送を安全に行なうために、電力受領側である電力交換部228Aおよび電力伝送側である電力交換部128Aが例えば数cm以内に近接している必要があった。なお、電磁誘導型は、インダクタL1およびインダクタL2の巻き方や、配置位置によっても電力の伝送効率が変動するため、電力受領側と電力伝送側の位置関係を精密に検出することにより伝送効率を好適化できる。
【0088】
図16Bは、電波受信型で動作する電力交換部128Bの構成を示した説明図である。図16Bに示したように、電波受信型で動作する電力交換部128Bは、アンテナ152、共振回路154、コンデンサC4、コンデンサC5、ダイオードD2、ダイオードD3、コンデンサC6、およびコンデンサC7を含む。かかる構成において、アンテナ152により電波が受信されると、アンテナ152から共振回路154に交流電流が供給され、共振回路154が当該交流電流を共振により増幅する。さらに、増幅された交流電流をダイオードD3およびコンデンサC6などからなる整流回路が整流することにより直流成分が抽出され、電力交換部128Bにおいて直流電流が得られる。
【0089】
このように、電波受信型は周囲から受信される電波から電力を得る方法であるため、受信される電波が弱い場合、十分な電力を得ることが困難である。このため、電波受信型は、マウスなど消費電力が比較的少ないデバイスへの電力伝送に主に利用される。また、電波受信型においては、電力交換部128Bが長時間にわたって電波を受信して二次電池130に電力を蓄積し、二次電池に蓄積された電力を通信に利用することも可能である。
【0090】
図16Cは、磁場共鳴型で動作する電力交換部128Cおよび電力交換部228Cの構成を示した説明図である。図16Cに示したように、磁場共鳴型で動作する電力交換部128CはコンデンサC8およびインダクタL3を含み、電力交換部228CはコンデンサC9およびインダクタL4を含む。
【0091】
また、図16Dは、電場共鳴型で動作する電力交換部128Dおよび電力交換部228Dの構成を示した説明図である。図16Dに示したように、電場共鳴型で動作する電力交換部128Dおよび電力交換部228Dは誘電体で構成される。
【0092】
上記の磁場共鳴型および電場共鳴型は、固有の振動数を有する振動子を2つ並べた場合に、一方に加えた振動が他方にも伝わる共鳴の原理を利用した方法である。このような磁場共鳴型および電場共鳴型は、伝送効率が高いため、数メートルの距離で数キロワット程度の電力を伝送し得る。ただし、伝送距離に比例した大きさのアンテナが必要となるため、汎用的なシステムへの適用は難しいとも考えられている。
【0093】
〔4〕本実施形態にかかる電力交換システムの動作
次に、図17を参照し、本実施形態にかかる電力交換システム1の動作を説明する。
【0094】
図17は、本実施形態にかかる電力交換システム1の動作の流れを示したシーケンス図である。図17に示したように、まず、無線通信装置10に接続されるホスト機器30から、通信処理部110にネットワーク制御情報が送られる(S402)。そして、通信処理部110が、ネットワーク制御情報に基づいて、ビーコンの送信や、ワイヤレスUSBで規定されているMMCコマンドを送信する(S404)。その後、無線通信装置20は、無線通信装置10から受信したビーコンやMMCコマンドに基づいて、接続されているデバイス機器40にネットワーク制御情報を送信する(S406)。
【0095】
さらに、無線通信装置20に接続されているデバイス機器40が、ホスト機器30との間で所定の認証を行なう場合には、デバイス機器40から通信処理部210にデバイス認証要求が送られる(S408)。そして、通信処理部210は、MMCコマンドで指定されたタイミングに従い、所定のコマンドであるDN Connectを送信する(S410)。その後、無線通信装置10は、無線通信装置20から受信したDN Connectをデバイス認証要求としてホスト機器30へ送信する(S412)。
【0096】
そして、ホスト機器30においてデバイス機器40からの認証要求の合否が判定され(S414)、デバイス機器40が認証されると、ホスト機器30からデバイス認証情報が通信処理部110へ送信される(S416)。通信処理部110は、かかるデバイス認証情報を所定のコマンドであるConnect ACKとして送信する(S418)。そして、無線通信装置20の通信処理部210からデバイス認証情報がデバイス機器40に送信され(S420)、デバイス機器40においてデバイス認証情報が登録される(S422)。
【0097】
その後、無線通信装置20の電力受領部26により、デバイス機器40からのVBUS端子における電力の引き込みが検出された場合(S424)、電力交換制御部224は通信処理部210へ電力供給を要求する(S426)。そして、通信処理部210は、ホスト機器30に接続されている無線通信装置10に対し、電力伝送要求情報エレメント(PS Response IE)を設定したビーコンを送信する(S428)。
【0098】
無線通信装置10の通信処理部110は、電力伝送要求情報エレメントが設定されたビーコンを受信すると、電力伝送要求情報エレメントの内容を電力交換処理部120へ通知する(S430)。その後、電力交換処理部120は、ホスト機器30の電源状態や、無線通信装置20に接続されているデバイス機器40との認証状態に基づき、電力伝送を行なうか否かを判断する(S434)。そして、電力交換処理部120は、電力伝送を行なうと判断した場合、インターフェース104のVBUSを介してホスト機器30から電力を引き込む(S436)。
【0099】
また、電力交換処理部120は、電力の引き込みを開始した旨、あるいは電力伝送を行なう旨を通信処理部110に通知する(S438)。そして、通信処理部110は、該通知を受けると電力伝送応答情報エレメント(PS Response IE)を設定したビーコンを送信する(S440)。無線通信装置20の通信処理部210は、電力伝送応答情報エレメントが設定されたビーコンを受信すると、電力伝送応答情報エレメントの内容を電力交換処理部220へ通知する(S442)。そして、電力交換処理部220は、電力伝送応答情報エレメントの内容に従った電力受領の設定を行う(S444)。一方、無線通信装置10の電力交換処理部120は、送信した電力伝送応答情報エレメントの内容に従った電力伝送の設定を行う(S445)。
【0100】
その後、無線通信装置10の電力交換処理部120は、ホスト機器30から引き込んだ電力を無線通信装置20へ送信し、無線通信装置20の電力交換処理部220は、受信した電力をVBUSを介してデバイス機器40へ出力する(S446、S454)。
【0101】
さらに、電力伝送とともに、必要に応じて所定の通信プロトコルの伝送も併せて行なわれる。例えば、ホスト機器30から通信処理部110へネットワーク制御情報が送信されると(S448)、通信処理部110はネットワーク制御情報に基づいて、ビーコンの送信や、ワイヤレスUSBで規定されているMMCコマンドを送信する(S450)。そして、無線通信装置20は、受信したビーコンやMMCコマンドに基づいて、ネットワーク制御情報をデバイス機器40へ出力する。
【0102】
その後、無線通信装置20の電力交換処理部220では、デバイス機器40からVBUSを介しての電力の引き込みがなくなったことを検出した場合、電力供給の解除を通信処理部210に通知する(S456)。すると、通信処理部210は、無線通信装置10へ電力伝送解除情報エレメント(PS Terminate IE)を設定したビーコンを送信する(S458)。無線通信装置10の通信処理部110は、電力伝送解除情報エレメントが設定されたビーコンを受信すると、電力伝送解除情報エレメントの内容を電力交換処理部120へ通知する(S460)。
【0103】
電力交換処理部120は、電力伝送解除情報エレメントの内容が通知されると、電力伝送の設定を解除し、VBUS端子からの電力の引き込みを中断するとともに、無線通信装置20に接続されているデバイス機器40に対する電力伝送を停止する。
【0104】
〔5〕ホスト側無線通信装置の動作
次に、図18を参照し、ホスト機器30に接続される無線通信装置10の動作を説明する。
【0105】
図18は、ホスト機器30に接続される無線通信装置10の動作の流れを示したフローチャートである。図18に示したように、無線通信装置10は、まず、接続されているホスト機器30の指示に従い、例えばビーコン期間の構築やビーコン送受信処理の設定など、ネットワークの初期化動作を行なう(S501)。そして、無線通信装置10は、ビーコンなどの制御情報の送信時間が到来した場合には(S502)、その制御情報を送信し(S503)、自装置のデータ送信時間が到来した場合には(S504)、そのデータを送信する(S505)。
【0106】
さらに、無線通信装置10は、ビーコン期間内やデバイスからのデータ受信を行なうための自装置の受信時間が到来した場合には(S506)、その期間に送られてきたデータの受信を行なう(S507)。ここで、無線通信装置10は、データ受信があり(S508)、かつ、そのデータが新規デバイスからの認証要求(DN Connect)であれば(S509)、その要求に従ってデバイスの認証処理を行なって認証情報を交換する(S510)。さらに、無線通信装置10は、デバイスから、その認証に対する応答があれば(S511)、当該デバイスと認証関係を持つ旨の登録を行なう(S512)。なお、ここでは、デバイス機器40に接続される無線通信装置20およびデバイス機器40を含む概念としてデバイスという語を使用している。
【0107】
また、無線通信装置10は、デバイスからデータの送信要求があった場合には(S513)、そのデバイスの送信時間を割当てて、その設定を行なったMMCコマンドを構築する(S514)。さらに、無線通信装置10は、デバイスから電力伝送要求があった場合(S515)、自装置およびホスト機器30の電源状態を把握し(S516)、ここで電力伝送が可能であるか否かを判断する(S517)。そして、無線通信装置10は、電力伝送が可能であると判断した場合、要求元のデバイスと自装置の接続状況を確認し(S518)、要求元のデバイスと既に認証処理が完了している状態であれば(S519)、デバイスへの電力伝送を開始する(S520)。
【0108】
また、無線通信装置10は、デバイスから電力伝送解除の要求があれば(S521)、該当するデバイスへ電力を伝送している場合に(S522)、そのデバイスに向けた電力伝送を停止する(S523)。一方、無線通信装置10は、デバイス認証処理中に一定時間のデータ受信待ち状態で受信がない場合は、そのデバイス認証が失敗したこととなり(S524)、そのデバイスへの電力伝送を禁止する(S525)。
【0109】
他方、無線通信装置10は、既存のデバイスが消滅した場合は(S526)、そのデバイスの認証に関する登録を削除し(S527)、もし該当するデバイスに電力伝送中であれば(S528)、そのデバイスへの電力伝送を停止する(S529)。
【0110】
あるいは、無線通信装置10は、インターフェース104を介して接続されるホスト機器30から、デバイスあてのデータを受領したら(S530)、その届け先アドレス情報を獲得する(S531)。そして、無線通信装置10は、認証済みのデバイスあてのデータであれば(S532)、そのデバイスの受信時間を割当てて、その設定を行なったMMCコマンドを構築する(S533)。
【0111】
そして、無線通信装置10は、ホスト機器30からVBUSを介した電力の引き込みが行なえなくなったなどの事情により、自装置の電源状態がバッテリー駆動に変更された場合(S534)、必要に応じてデバイスへの電力伝送を停止しても良い(S535)。そして、無線通信装置10は再びS502の処理に戻り一連の処理をくり返す。
【0112】
〔6〕デバイス側無線通信装置の動作
次に、図19を参照し、デバイス機器40に接続される無線通信装置20の動作を説明する。
【0113】
図19は、デバイス機器40に接続される無線通信装置20の動作の流れを示したフローチャートである。図19に示したように、無線通信装置20は、まず、ビーコン期間の構築やビーコン送受信処理の設定など、ネットワークの初期化動作を行なう(S601)。
【0114】
次に、無線通信装置20は、周囲に存在するホストからのMMCコマンドを収集し、自装置に接続されるデバイス機器40が認証可能なホストが周囲に存在すれば(S602)、そのホストのNotification受信時間を獲得する(S603)。そして、無線通信装置20は、ホストのNotification受信時間で認証要求(DN Connect)の送信を設定する(S604)。なお、ここでは、ホスト機器30に接続される無線通信装置10およびホスト機器30を含む概念としてホストという語を使用している。
【0115】
その後、無線通信装置20は、ホストより認証情報を受信した場合には(S605)、ホストと認証処理が成功したことになるので接続設定を行なう(S606)。なお、無線通信装置20は、ホストとの認証情報が失敗した場合には、S602に戻り、別の認証可能なホストを検索し、再度認証要求を送付する。
【0116】
そして、無線通信装置20は、デバイス機器40とのインターフェース204における接続状況を確認する(S607)。そして、無線通信装置20は、例えばインターフェース204のVBUS端子から電力が引き込まれるなど、デバイス機器40に電力供給が必要である場合(S608)、ホストから電力受領中でなければ(S609)、電力伝送要求の送信を設定する(S610)。一方、無線通信装置20は、VBUS端子から電力が引き込まれておらず、ホストから電力受領中であれば(S611)、電力伝送の解除要求の送信を設定する(S612)。
【0117】
さらに、無線通信装置20は、デバイス機器40から送信するデータを受理した場合は(S613)、送り先のホストが認証済みであれば(S614)、そのホストに対して送信要求を設定し送信する(S615)。また、無線通信装置20は、例えばビーコンなどの制御情報の送信時間が到来した場合には(S616)、その制御情報の送信を行なう(S617)。あるいは、無線通信装置20は、データ送信を行なうための自装置の送信時間が到来した場合には(S618)、その期間にデータの送信を行なう(S619)。
【0118】
さらに、無線通信装置20は、ビーコン期間内やホストからのデータ受信を行なうための自装置の受信時間が到来した場合には(S620)、その期間に送られてきた情報の受信処理を行なう(S621)。無線通信装置20、S621において受信があった場合(S622)、受信した情報に応じて以下の処理を行なう。
【0119】
例えば、無線通信装置20は、電力伝送応答情報エレメントを含むビーコンをホストから受信した場合には(S623)、電力伝送応答情報エレメントの内容にしたがった電力受領の設定を行なう(S624)。
【0120】
また、無線通信装置20は、ホストのMMCを受信した場合には(S625)、そのホストが認証登録済みのホストからのMMCであって(S626)、そこに自装置宛の受信時間の設定(Data Out)が記載されていれば(S627)、その時間に自己のデータ受信時間を設定する(S628)。また、無線通信装置20は、MMCに自装置宛の送信時間の設定(Data In/Handshake Out)が記載されていれば(S629)、その時間に自装置のデータ送信時間を設定する(S630)。
【0121】
さらに、無線通信装置20は、電力伝送要求を送信後に、ホストから電力伝送があった場合には(S631)、接続されているデバイス機器40に電力を供給する(S632)。
【0122】
一方、無線通信装置20は、既存の接続されるホストが消滅した場合には(S633)、該当するホストの登録を解消し(S634)、ここでホストより電力を受領中であれば(S635)、デバイス機器40への電力供給を停止する(S636)。その後、無線通信装置20は再びS607の処理に戻り、一連の処理をくり返す。
【0123】
〔7〕まとめ
以上説明したように、無線通信機能と電力交換機能を無線通信装置10および20に実装することによって、無線通信装置10または20が必要に応じて、電力の伝送、あるいは電力の受領を行なうことができる。その結果、例えば、無線通信装置10から無線通信装置20へ電力を伝送し、無線通信装置10から受領した電力を無線通信装置20がデバイス機器40に供給することで、デバイス機器40を動作させることができる。
【0124】
また、ワイヤレスUSBシステムに電力供給機能を付加することで、ホスト機器30からデバイス機器40への電力の供給を実現することができる。
【0125】
また、無線通信装置10は、無線通信装置20との接続状態に応じて無線通信装置20への電力伝送を行なうか否かを制御する。したがって、無線通信装置10は、無線通信装置20、または無線通信装置20に接続されているデバイス機器40に対して選択的に電力を伝送することができる。例えば、無線通信装置10は、ワイヤレスUSBのホスト機器30により認証されたデバイスにのみ電力を伝送することで、ホスト機器30の配下にあるデバイスへの電力伝送を実現できる。
【0126】
また、無線通信装置10は、ワイヤレスUSBのホスト機器30がバッテリーなどの二次電池により駆動中でも、ホスト機器30の電源状態に応じて電力伝送を制御するため、必要最低限のデバイスにのみ選択的に電力伝送を行うことができる。
【0127】
なお、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0128】
例えば、本明細書の電力交換システム、または無線通信装置10および20の処理における各ステップは、必ずしもシーケンス図またはフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はない。例えば、電力交換システム、または無線通信装置10および20の処理における各ステップは、並列的あるいは個別に実行される処理(例えば、並列処理あるいはオブジェクトによる処理)を含んでもよい。
【0129】
また、無線通信装置10および20に内蔵されるCPU、ROMおよびRAMなどのハードウェアを、上述した受信装置20、無線通信装置10および20の各構成と同等の機能を発揮させるためのコンピュータプログラムも作成可能である。また、該コンピュータプログラムを記憶させた記憶媒体も提供される。また、図6および図15の機能ブロック図で示したそれぞれの機能ブロックをハードウェアで構成することで、一連の処理をハードウェアで実現することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0130】
【図1】本実施形態に関連する有線通信システムの構成例を示した説明図である。
【図2】本実施形態に関連する無線通信システムの構成例を示した説明図である。
【図3】本実施形態にかかる電力交換システムの構成例を示した説明図である。
【図4】本実施形態にかかる電力交換システムの構成例を示した説明図である。
【図5】本実施形態にかかる電力交換システムの構成例を示した説明図である。
【図6】ホスト機器に接続される無線通信装置の構成を示した機能ブロック図である。
【図7】USB端子の信号線配置を示した説明図である。
【図8】USBによる通信プロトコルを示した説明図である。
【図9】スーパーフレームの構成例を示した説明図である。
【図10】ビーコンフレームの構成例を示した説明図である。
【図11】電力伝送可否情報エレメント(Power Supply IE)の構成例を示した説明図である。
【図12】電力伝送要求情報エレメント(Power Request IE)の構成例を示した説明図である。
【図13】電力伝送応答情報エレメント(Power Response IE)の構成例を示した説明図である。
【図14】電力伝送解除情報エレメント(Power Terminate IE)の構成例を示した説明図である。
【図15】デバイス機器に接続される無線通信装置の構成を示した機能ブロック図である。
【図16A】電磁誘導型で動作する電力交換部の構成を示した説明図である。
【図16B】電波受信型で動作する電力交換部の構成を示した説明図である。
【図16C】磁場共鳴型で動作する電力交換部の構成を示した説明図である。
【図16D】電場共鳴型で動作する電力交換部の構成を示した説明図である。
【図17】本実施形態にかかる電力交換システムの動作の流れを示したシーケンス図である。
【図18】ホスト機器に接続される無線通信装置の動作の流れを示したフローチャートである。
【図19】デバイス機器に接続される無線通信装置の動作の流れを示したフローチャートである。
【符号の説明】
【0131】
10、20 無線通信装置
30 ホスト機器
40 デバイス機器
104、204 インターフェース
110、210 通信処理部
120、220 電力交換処理部
128、228 電力交換部



【特許請求の範囲】
【請求項1】
他装置と接続される接続部と;
周囲の電力交換装置と無線通信を行う無線通信部と;
前記周囲の電力交換装置と電力交換を行なう電力交換部と;
前記電力交換部により交換される電力を前記接続部と前記他装置の間で入出力させる電力管理部と;
前記無線通信部による前記周囲の電力交換装置との無線通信の後に、前記電力交換部に前記周囲の電力交換装置と電力交換を行なわせるか否かを前記他装置の電源状態に応じて制御する電力制御部と;
を備える、電力交換装置。
【請求項2】
前記電力制御部は、前記周囲の電力交換装置との前記無線通信部を介した認証処理が行われた後に前記電力交換部に電力交換を行なわせるか否かを制御する、請求項1に記載の電力交換装置。
【請求項3】
前記電力制御部は、前記周囲の電力交換装置から電力伝送を要求する電力伝送要求が前記無線通信部により受信されると、前記電力交換部に前記周囲の電力交換装置への電力伝送を行なわせるか否かを前記他装置の電源状態に応じて制御する、請求項1に記載の電力交換装置。
【請求項4】
前記電力伝送要求は、電力伝送に関する条件として、電力量、電力伝送の形式、または伝送が要求される時間帯を示す情報の少なくともいずれかを含み、
前記電力制御部は、前記電力交換部に前記周囲の電力交換装置への電力伝送を行なわせる場合、前記電力伝送に関する条件に基づいて電力伝送を行なわせる、請求項3に記載の電力交換装置。
【請求項5】
前記電力制御部は、前記周囲の電力交換装置から電力伝送の停止要求が前記無線通信部により受信された場合、前記電力交換部からの電力伝送を停止させる、請求項3に記載の電力交換装置。
【請求項6】
前記周囲の電力交換装置に電力伝送を行なわせると前記電力制御部により判断された場合、前記周囲の電力交換装置へ電力伝送を要求する電力伝送要求を前記無線通信部から送信させる通信制御部をさらに備える、請求項1に記載の電力交換装置。
【請求項7】
周囲の電力交換装置と無線通信を行うステップと;
電力交換を行なうか否かを接続されている他装置の電源状態に基づいて判断するステップと;
前記電力交換を行なうと判断した場合、前記周囲の電力交換装置との間で電力交換を行なうステップと;
前記周囲の電力交換装置との間で交換される電力を、前記他装置との間で入出力するステップと;
を含む、電力交換方法。
【請求項8】
コンピュータを、
他装置と接続される接続部と;
周囲の電力交換装置と無線通信を行う無線通信部と;
前記周囲の電力交換装置と電力交換を行なう電力交換部と;
前記電力交換部により交換される電力を前記接続部と前記他装置の間で入出力させる電力管理部と;
前記無線通信部による前記周囲の電力交換装置との無線通信の後に、前記電力交換部に前記周囲の電力交換装置と電力交換を行なわせるか否かを前記他装置の電源状態に応じて制御する電力制御部と;
として機能させるための、プログラム。
【請求項9】
電力利用装置と接続される第1の接続部、
無線通信を行う第1の無線通信部、
伝送された電力を受領する電力受領部、および、
前記電力受領部により受領された電力を前記第1の接続部から前記電力利用装置へ出力させる第1の電力管理部、
を備える電力受領装置と;
電力供給装置と接続される第2の接続部、
前記電力受領装置の前記第1の無線通信部と無線通信を行う第2の無線通信部、
前記電力受領装置へ前記電力供給装置から供給される電力を伝送する電力伝送部、および、
前記第2の無線通信部により前記電力受領装置の第1の無線通信部との無線通信が行われた後に、前記電力伝送部に前記電力受領装置への電力伝送を行なわせるか否かを前記電力利用装置または前記電力供給装置の電源状態に応じて制御する電力制御部、
を備える電力伝送装置と;
を含む、電力交換システム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16A】
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【図16B】
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【図16C】
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【図16D】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2009−251895(P2009−251895A)
【公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−98612(P2008−98612)
【出願日】平成20年4月4日(2008.4.4)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】