説明

電力供給ユニット、及び画像形成装置

【課題】電子機器を設置する環境に容易に対応が可能となり、且つ、安全規格を満足できる電力供給ユニットを提供する。
【解決手段】タイプAの電力供給ユニット27は、既存の電源設備に適応したプラグ30、38により装置1に電力を供給する電力供給ユニットであって、先端にプラグ30、38を夫々備えた2本の電源コード31、37と、2本の電源コード31、37の夫々の電路に設置され、夫々の電路に流れる電流が規定の値を超過したときに、この電路を遮断する2つの遮断器33、34と、2つの遮断器33、34の夫々の出線側に設置され、夫々の出線側に重畳する不要輻射ノイズを減衰する2つのノイズフィルタ(図示せず)と、2つのノイズフィルタから出力される電力を装置1に供給するための2つの接続端子35、36と、電源コード31、37、2つの遮断器33、34、2つのノイズフィルタ、及び2つの接続端子35、36を一体的に実装するユニットケース32と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力供給ユニット、及び画像形成装置に関し、特に、国ごとに異なる電源設備事情に対応した電力供給ユニット、及び当該電力供給ユニットを備えた画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、日本の画像形成装置メーカーは、日本国内ばかりでなく、北米、EU領域内でも現地生産している。EU領域内では国毎にプラグソケットの形状、端子の個数、配置が微妙に異なっているため、プラグソケットに装着される機器側の電源プラグの形状も国毎に異なっている。また、それらの電源プラグは電源コードを介して装置本体に直付けされているため、本体装置の構成が同じであっても、特定の国専用の電源プラグを取り付けることによりその国専用の機種とすることができる。このため、本体装置の構成を他の国の規格を満足させるために変更する場合には、電源プラグと電源コードを別なものに付け替えなければならず、手間がかかるといった課題がある。
また、消費電力の少ない装置を設置後に、高速機に機種を置き換える場合には、当然、消費電力も大きくなるため、プラグソケットもそれに応じて変更しなければならない。
更に、画像形成装置をEU領域内で使用する場合、EU領域内の各国が定めた安全規格試験に合格することが条件となる。特に、電源ライン等から放出される伝導性妨害ノイズ試験をクリアするために、ブレーカーからノイズフィルタまでの1次ハーネスを最短とするように構成する必要がある。また、安全規格上、1次ハーネス(AC系)と2次ハーネス(DC系)を極力離して配線することが要求されている。しかし、装置内の部品の配置は、最適なハーネスの配回しを考慮して決定されているとは限らないため、ハーネスを最適位置に配置するために、多くの試行錯誤(ノイズ試験の繰り返し)を経なければならず、開発に多くの時間と費用を要する。
【0003】
例えば、図4(a)は従来装置を背面から見た概略図であるが、図4(b)のように、電源プラグ129を備えた電源コード130は、端子台135を介して遮断器131、132に分岐接続後、夫々がノイズフィルタ133、134に接続されて、夫々の出力が装置101に電力を供給している。しかし、図4(a)のように、装置前部137に対して装置後部138が開閉自在に支持されている場合には、装置後部138を閉じたときに、装置前部137と装置後部138の接触面136に隙間が発生することがあり、その隙間からハーネスやノイズフィルタ等が露出して安全規格上好ましくない構成となり、そのための対策(隙間を塞ぐ等)が必要となる。また、1次ハーネスが筐体内でむき出しのため、不要輻射ノイズを低減する意味では必ずしも好ましい構成とはいえなかった。
特許文献1には、コンシューマに低電圧を供給するためのプラグイン電源に関し、特に、電源プラグユニットが変換プラグ方式で交換可能であることを特徴とするプラグイン電源について開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に開示されている従来技術は、電源プラグユニットを交換することにより、各国の電源設備に対応することはできるが、プラグインタイプの電源専用であり、大きな電源容量には対応できず、適用範囲が狭いといった問題がある。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、国毎に異なったプラグソケットの規格に対応することができ、電子機器を設置する環境に容易に対応が可能となり、且つ、安全規格を満足できる電力供給ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明はかかる課題を解決するために、請求項1は、電子機器に装備された機器側コネクタに対して電気的に着脱される電力供給ユニットであって、電源一次側部品と、該電源一次側部品と電気的に接続され、且つ前記機器側コネクタに対して電気的に接離されるユニット側コネクタと、該電源一次側部品と電気的に接続されて外部電源のプラグソケットと電気的に接離されるユニット側プラグと、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、特定の電流容量を備えた電源プラグを有する電源コードを1本、又は複数本備えた電力供給ユニットを備え、当該電力供給ユニット内に遮断器、及びノイズフィルタを最適な位置に配置して一体構造とし、且つ電子機器に着脱可能な構成とすることにより、電子機器を設置する環境に容易に対応が可能となり、且つ、電子機器の安全規格を満足することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本実施形態の電力供給ユニットを備えた画像形成装置の構成を説明する図である。
【図2】(a)は、画像形成装置に備えたユニット実装部の構成を示す図であり、(b)は、本実施形態に係る電力供給ユニットのタイプA、Bの概観構造を示す斜視図であり、(c)は、電力供給ユニットとAC制御基板との接続状態を説明する図である。
【図3】本実施形態のAC制御基板の構成を示すブロック図である。
【図4】(a)は従来装置を背面から見た概略図、(b)は遮断器の部分を拡大した図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載される構成要素、種類、組み合わせ、形状、その相対配置などは特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する主旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
図1は、本実施形態の電力供給ユニットを備えた画像形成装置の構成を説明する図である。尚、電力供給ユニットは、画像形成装置の背面に設置されるため、図示を省略する。
本実施形態の画像形成装置1は本実施形態の電力供給ユニットを適用した一例である。画像形成装置1の中央付近には、複数のローラにより張設された無端ベルト状の中間転写ベルト2が設置されている。この中間転写ベルト2は、複数の支持ローラに掛け回して時計回りに回転搬送するように構成されている。中間転写ベルト2上には、その搬送方向に沿って、複数の画像形成手段3(Y、M、C、K)を併設配置して、タンデム画像形成装置4を構成している。
【0009】
タンデム画像形成装置4内の上部には、中間転写ベルトの上部走行経路に沿って2つの露光装置5を設けている。タンデム画像形成装置4の各画像形成手段3は、各色のトナー像を担持する像担持体としての感光体ドラム6を夫々有している。また、各感光体ドラム6から中間転写ベルト2にトナー像を転写する一次転写位置には、中間転写ベルト2を挟んで各感光体ドラム6に対向するように一次転写ローラ7が夫々設けられている。また、支持ローラ8は中間転写ベルト2を回転駆動する駆動ローラとしての役割を担っている。
中間転写ベルト2の下部には、2次転写装置9を備える。2次転写装置9は、図示例では、2次転写対向ローラ10に2次転写ローラ11を圧接して転写電界を印加することで、中間転写ベルト2上の画像を図示しない記録部材に転写する。2次転写装置9では、転写条件のパラメータである2次転写ローラ11の転写電流を記録部材の種類、サイズによって変化させる。また、2次転写装置9の下流側には、記録部材上の転写画像(トナ−像)を熱溶融溶着させる定着機構部12を設ける。定着機構部12は熱源としてハロゲンランプ(図示せず)を備え、無端ベルトである定着ベルト13に加圧ローラ14を当接した構成としている。定着機構部12は、定着条件のパラメータである定着ベルト13及び加圧ローラ14の温度、定着ベルト13と加圧ローラ14間のニップ幅、加圧ローラ14の速度を記録部材の種類、サイズによって変化させる。搬送ベルト15により、画像転写後の記録部材をこの定着機構部12へと搬送する。
【0010】
次に画像形成動作について説明する。画像形成装置1に画像データが送られ、作像開始の信号を受けると、不図示の駆動モータで駆動ローラ8を回転駆動して他の複数の支持ローラを従動回転し、中間転写ベルト2を回転搬送する。同時に、個々の画像形成手段3で各感光体6上にそれぞれの単色画像を形成する。そして、中間転写ベルト2の搬送とともに、それらの単色画像を転写部7で順次転写して中間転写体2上に合成カラー画像を形成する。
また、給紙テーブル16の給紙ローラ17の1つを選択回転し、給紙カセット18の1つから記録部材を繰り出し、搬送ローラ19で搬送して、レジストローラ20に突き当てて止め、中間転写ベルト2上の合成カラー画像にタイミングを合わせてレジストローラ20を回転し、2次転写装置9で転写して記録部材上にカラー画像を記録する。画像転写後の記録部材は、2次転写装置9で搬送して定着機構部12へと送り込まれ、熱と圧力とを加えて転写画像を溶融溶着した後、排出ローラ21により、デカーラユニット22へと搬送する。デカーラユニット22では、通紙評価のパラメータであるデカーラ量を記録部材により変化させる。デカーラ量はデカーラローラ23の圧力を変えることで調整し、デカーラローラ23で排出し、排紙トレイ24上にスタックする。装置1には操作部25があり、装置1の状態をメッセイジ表示に変換、及び用紙情報他を入力すると装置1に情報伝達する機能を有している。電源スイッチ26を閉じると装置が電力供給を受けて動作し、印刷動作前状態に移行する。
【0011】
図2(a)は、画像形成装置(以下、単に装置と呼ぶ)に備えたユニット実装部の構成を示す図であり、図2(b)は、本実施形態に係る電力供給ユニットのタイプA、Bの概観構造を示す斜視図であり、図2(c)は、電力供給ユニットとAC制御基板との接続状態を説明する図である。
図2(a)に示すように、装置1の背面下部に、図2(b)の電力供給ユニット27又は28が択一的に着脱可能なユニット実装部39を設ける。このユニット実装部39は、図示を省略するが、レール等で電力供給ユニット27又は28をガイドして、図2(c)のユニット側コネクタ35、36(ユニット側コネクタ36は図示を省略する)がAC制御基板54(後述する)に備えた機器側コネクタ50、51(機器側コネクタ51は図示を省略する)と嵌め合うように構成されている。尚、タイプAとタイプBのユニット本体32、42は外形寸法が同じであり、誤接続を防止するためにユニット側コネクタの配置、又は/及び、形状の異なる端子により構成されている。また、ユニット本体32、42はユニット実装部39にはめ込まれたときに、装置外面と無段状になるように構成されている。
【0012】
図2(b)は、本実施形態の電力供給ユニットについて説明する図である。タイプAの電力供給ユニット27は、既存の電源設備に適応したユニット側プラグ30、38(例えば30Aプラグ)により装置1に電力を供給する電力供給ユニットであって、先端にユニット側プラグ30、38を夫々備えた2本の電源コード31、37と、2本の電源コード31、37の夫々の電路に設置され、夫々の電路に流れる電流が規定の値を超過したときに、この電路を遮断する2組の遮断器33、34と、2組の遮断器33、34の夫々の出線側に設置され、夫々の出線側に重畳する不要輻射ノイズを減衰する2組のノイズフィルタ(図示せず)と、2組のノイズフィルタから出力される電力を装置1に供給するための2組のユニット側コネクタ35、36と、電源コード31、37、2組の遮断器33、34、2組のノイズフィルタ、及び2組のユニット側コネクタ35、36を実装するユニット本体32と、を備え、ユニット本体32が装置1のユニット実装部39に装着されることにより、2組のユニット側コネクタ35、36を介して装置1と電気的に接続される。
尚、図ではAC制御基板54までの距離を最短とした接続ハ−ネス35a、36aを介してユニット側コネクタ35、36を接続するようにしているが、図2(c)のようにハーネスを介さずにユニット本体32にユニット側コネクタ35、36を固定しても良い。
【0013】
タイプBは、先端にユニット側プラグ40(例えば、50Aプラグ)を備えた電源コード41を1本備え、この電源コード41の電路をユニット本体42内で少なくとも2系統に分岐させ、夫々の電路に遮断器43、44を個別に接続した。その他の構成はタイプAと同じであるので、説明を省略する。尚、図ではAC制御基板54までの距離を最短とした接続ハ−ネス45a、46aにユニット側コネクタ45、46を接続するようにしているが、図2(c)のようにハーネスを介さずにユニット本体42にユニット側コネクタ45、46を固定しても良い。
尚、タイプAでは、既存の電源設備が比較的電力容量が少ないプラグソケットを2組使用する場合であり、ユニット側プラグ30と38は、30Aタイプのプラグを使用するが、同じものを2本使用するため、全体の消費電力を増加することができる。また、タイプBでは、既存の電源設備が比較的電力容量が多いプラグソケットを1つ使用している場合であり、ユニット側プラグ40は50Aタイプのプラグを使用するが、1本使用するため、全体の消費電力はタイプAより少なくなる。
【0014】
単相AC200V仕様の装置の電源コードは、ユニット側プラグ30、38とコ−ド31、37から構成され、ユニット側プラグ30、38は3本の端子を有し、電源コード31、37はLine、Neutral、Gndを接続する3本のハーネスが一体となった構成である。ユニット側プラグ30、38は定格電流30Aの仕様の電源プラグを使用しているが、電流の使用上限は、各国にて規制値があり、北米向けは24A以下である。また、印刷速度を更に高速化し、機能拡張し消費電力が増した場合、従来装置で使用していた電源プラグ容量を超えるため、ユニット側プラグ付きの電源コ−ドの本数を増やすか(タイプA)、ユニット側プラグ付きの電源コードの定格電流を上げた部品を採用する(タイプB)かの何れかである。
【0015】
ここで、大型電子写真装置を設置している顧客先の設備では、電子写真装置以外の周辺機装置フィニッシャ、大容量給紙装置も設置可能としている場合が多い。それらの電流容量は一般的に20A、15A、10Aの容量であるので、顧客先にはプラグソケットが複数備えられている可能性が高く、既存の容量のユニット側プラグを流用使用して接続できることが期待できる。従って、顧客先の装置設置場所で、タイプA、タイプBの中からユニット側プラグを選択できるようにする。このように、ユニット側プラグを装置専用として直付けせず、顧客先でタイプA、タイプBの中から電力供給ユニットとして選択できるようにすることで、設備を有効活用し、最小限の設備変更とすることができる。
【0016】
また、欧州の安全規格をクリアするために以下の対策を施す。即ち、電源1次側部品を分散させておくと問題が発生しやすいので、例えば、図2(b)のタイプAの場合、電源コード31、37、2組の遮断器33、34、2組のノイズフィルタ、及び2組のユニット側コネクタ35、36を一体的に実装するユニット本体32を備える。そして、部品間を最短のハ−ネスで接続し、1次ハ−ネスを含めてユニット本体32内に収納してユニット化することで、装置1の他の実装部材から1次ハ−ネスを隔離でき、装置筐体の開口部(ドアーの隙間等)には依存しないで取り付けることが可能である。また、ユニット本体32を装置に装着することにより、装置1を介してユニット本体32を接地することができ、不要輻射ノイズの影響を最小限とすることができる。
【0017】
また、タイプAは、ユニット本体32内で、ユニット側プラグ30として30A品を使用しているので、同じユニット側プラグ38付き電源コード37を追加して使用する。ユニット本体32内では、電源コード31、37からそれぞれ遮断器33、34、ノイズフィルタ、ユニット側コネクタ35、36へ接続し、2本の電源コード31、37を並行に配置して電源供給経路とした。
タイプBは、ユニット側プラグ40として50A品を使用した電力供給ユニットである。ユニット本体42内では、電源コード41から分岐して遮断器43、44、ノイズフィルタ、ユニット側コネクタ45、46へ接続し、1本の電源コード41を配置して電源供給経路とした。
ユニット側コネクタ45と46は誤接続防止のため、夫々配置、又は/及び、形状の異なる端子を有する部品を使用している。
【0018】
図3は、本実施形態のAC制御基板の構成を示すブロック図である。図2(b)に示すタイプAを選択した場合(タイプB45、タイプB46は未接続)、タイプA35、タイプA36をAC制御基板54の機器側コネクタ50、機器側コネクタ51にそれぞれ接続する。これにより、定着機構部12、DC電源部66へ電源供給できる。ユニット側プラグを30と38に分けたことにより、装置として負荷への消費電力増加に対応できる。
機器側コネクタ50と機器側コネクタ51にそれぞれタイプA35、タイプA36を接続し、電源スイッチ26を閉じると、DC電源部66から5V、24Vを出力し、制御基板65に搭載されたCPU等の制御手段が動作して印刷動作の準備を行う。そして検知回路60からのゼロクロス信号が検知できないため(AC開閉手段57が開放されているので、検知回路60はゼロクロス信号を出力しない)、制御手段はタイプAを接続していると認識して、AC開閉手段55を閉じて機器側コネクタ50から定着機構部12に電力を供給する。その後、検知回路58はタイプAからのゼロクロス信号を受信して、その信号に基づいて各ヒータランプの点灯制御を行なう。
タイプAは、2本の電源ケーブル31、37により電力を供給できるので、制御手段は、ヒータランプ63a〜63dの全てのヒータランプを同時に点灯制御することが可能となる。また、制御手段は、検知回路58のゼロクロス信号を常に監視しているので、その周期が変化したり、所定の時間ゼロクロス信号が検知されない場合は、電源に異常が発生したと判断して、AC開閉手段55を開放して定着ユニットに電力を供給するのを停止する。また、その状態は、操作部25に表示する。
【0019】
次に、タイプBを選択した場合(タイプA35、タイプA36は未接続)は、タイプB45、タイプB46をAC制御基板54の機器側コネクタ52、機器側コネクタ53にそれぞれ接続する。これにより、定着機構部12、DC電源部66へ電源供給できる。
機器側コネクタ52と機器側コネクタ53にそれぞれタイプB45、タイプB46を接続し、電源スイッチ26を閉じると、DC電源部66から5V、24Vを出力し、制御基板65に搭載されたCPU等の制御手段が動作して印刷動作の準備を行う。そして検知回路60からのゼロクロス信号が検知されるため、制御手段はタイプBを接続していると認識して、AC開閉手段55とAC開閉手段57を閉じて機器側コネクタ52から定着機構部12に電力を供給する。その後、検知回路58はタイプBからのゼロクロス信号を受信して、その信号に基づいて各ヒータランプの点灯制御を行なう。
タイプBは、1本の電源ケーブル41により電力を供給しているので、制御手段は、ヒータランプ63a〜63dから選択的に点灯制御して、消費電流が超過しないように制御する。また、制御手段は、検知回路58と検知回路60のゼロクロス信号を常に監視しているので、その周期が変化したり、所定の時間ゼロクロス信号が検知されない場合は、電源に異常が発生したと判断して、AC開閉手段55、又はAC開閉手段57を開放して定着ユニットに電力を供給するのを停止する。また、その状態は、操作部25に表示する。
【0020】
以上のとおり、制御手段は、機器側コネクタにどのようなタイプの電力供給ユニットが接続されているかを認識して、例えば、タイプAの電力供給ユニットが接続されていると認識した場合は、1本の電源コードで電流の使用上限を24A以下としているので、夫々AC200Vの場合、4.8KWまで電力供給が可能であり、2本で9.6KWまで電力供給が可能である。従って、それに応じたヒータランプを駆動回路59で選択して点灯制御することができる。また、タイプBの電力供給ユニットが接続されていると認識した場合は、1本の電源コードで電流の使用上限を40A以下としているので、AC200Vの場合、8KWまで電力供給が可能である。従って、それに応じたヒータランプを駆動回路59で選択して点灯制御することができる。
以上、本実施形態に係る電力供給ユニットは、画像形成装置に限らず、複合機、ファクシミリ装置等の電子機器であれば適用することは可能である。
【符号の説明】
【0021】
1 画像形成装置、2 中間転写ベルト、3 画像形成手段、4 タンデム画像形成装置、5 露光装置、6 感光体ドラム、7 一次転写ローラ、8 支持ローラ、9 2次転写装置、10 2次転写対向ローラ、11 2次転写ローラ、12 定着機構部、13 定着ベルト、14 加圧ローラ、15 搬送ベルト、16 給紙テーブル、17 給紙ローラ、18 給紙カセット、19 搬送ローラ、20 レジストローラ、21 排出ローラ、22 、デカーラユニット、23 デカーラローラ、24 排紙トレイ、25 操作部、26 電源スイッチ、27 電力供給ユニット(タイプA)、28 電力供給ユニット(タイプB)、30、38 ユニット側プラグ、31、37 電源コード、32 ユニット本体、33、34 遮断器、35、36 ユニット側コネクタ、39 ユニット実装部、40 ユニット側プラグ、41 電源コード、42 ユニット本体、43、44 遮断器、45、46 ユニット側コネクタ、50〜53 機器側コネクタ、54 AC制御基板、55、57 AC開閉手段、58 検知回路、59 駆動回路、60 検知回路、65 制御基板、66 DC電源部、68 DC負荷、69 オプションユニット
【先行技術文献】
【特許文献】
【0022】
【特許文献1】特表2008−512848公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器に装備された機器側コネクタに対して電気的に着脱される電力供給ユニットであって、
電源一次側部品と、該電源一次側部品と電気的に接続され且つ前記機器側コネクタに対して電気的に接離されるユニット側コネクタと、該電源一次側部品と電気的に接続されて外部電源のプラグソケットと電気的に接離されるユニット側プラグと、を備えたことを特徴とする電力供給ユニット。
【請求項2】
前記電源1次側部品は、前記ユニット側プラグの電路に流れる電流が規定の値を超過したときに該電路を遮断する遮断器、及び該遮断器の出線側に設置され、該出線側に重畳する不要輻射ノイズを減衰するノイズフィルタであり、
前記電源1次側部品を少なくとも2組備え、夫々の前記電源1次側部品を介して前記電子機器内の異なる負荷に電力を供給する電力供給電路を有することを特徴とする請求項1に記載の電力供給ユニット。
【請求項3】
前記ユニット側プラグを1つ備えた場合には、該ユニット側プラグの電路を少なくとも2系統に分岐して夫々の電路に前記電源1次側部品を接続することを特徴とする請求項1又は2に記載の電力供給ユニット。
【請求項4】
前記ユニット側プラグを2つ以上備えた場合には、夫々の前記ユニット側プラグの電路に前記電源1次側部品を接続することを特徴とする請求項1又は2に記載の電力供給ユニット。
【請求項5】
前記ユニット側コネクタは、誤接続防止のため夫々配置、又は/及び、形状の異なる端子を有することを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の電力供給ユニット。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れか一項に記載の電力供給ユニットを備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
前記ユニット側コネクタと夫々接続する複数の前記機器側コネクタ、該機器側コネクタから受電した交流電圧のゼロクロス信号を検知する複数の検知手段、前記ゼロクロス信号に基づいて異常が検知された場合に前記機器側コネクタからの電路を開放する電路開閉手段、及び前記ゼロクロス信号に基づいて前記負荷を駆動する駆動手段を有するAC制御基板と、
前記複数の検知手段が検知するゼロクロス信号の組み合わせにより、前記機器側コネクタに接続されている前記ユニット側プラグのタイプを識別して、前記電路開閉手段、及び駆動手段を制御する制御手段と、
を備えたことを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−55011(P2013−55011A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−194131(P2011−194131)
【出願日】平成23年9月6日(2011.9.6)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】