説明

電力制御装置および温度調整装置における電力制御装置

【課題】 温度調整装置など、電力が供給されることによって作動する装置を、断線検出という警報を発生させることなく、所望する任意の電力量に制限して使用する。
【解決手段】 温度調整装置100に、流体の温度の値を目標値にするための操作量を演算する操作量演算部30と、演算された操作量に対応する電力が供給されて流体の温度が調整される温度調整部40とを含む電力制御装置20が備えられている。この電力制御装置20には、更に電力上限値設定部50と操作量補正部60が設けられる。電力上限値設定部50では、温度調整部40に供給される電力の上限値が設定される。操作量補正部60では、設定された電力上限値を超えないように、演算された操作量が補正されて、温度調整部40に出力される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力制御装置および温度調整装置における電力制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
(現在の実施技術)
半導体製造ラインにおいて、シリコンウェーハを洗浄したり、液晶製造ラインにおいて液晶用ガラスを製造したりするために、純水加熱装置が採用されている。
【0003】
純水加熱装置は、ハロゲンランプの発光に伴う輻射熱を、流路内を流れる純水に輻射して、流路内を流れる純水を目標温度になるまで加熱して、加熱された温純水をシリコンウェーハ等に対して供給してシリコンウェーハ等を温純水洗浄するものである。
【0004】
図1は、純水加熱装置の構成を示している。
【0005】
純水加熱装置100は、装置の下側から上側に向かって配置された純水の流路10と、流路10の上流から下流に沿って、離間して設けられた加熱容器3、加熱容器2、加熱容器1と、加熱容器1、2、3毎に設けられた空焚き防止用の温度ヒューズ11、12、13と、流路10の上流側に設けられ、流路10を流れる純水の流量(L/min)を検出する流量計14と、流路10の下流側に設けられ、流路10を流れる純水の温度T(℃)を検出する温度センサ15と、流路10の下流側に設けられた、エア抜き及び排水時のエア取り入れ用のメクラキャップ16と、流路10の下流側に設けられ、流路10の下流まで水位が上がっていることを検出する水位センサ17とを含んで構成されている。流路10の上流は、純水入口10aを介して外部の純水源に接続されている。流路10の下流は、温純水出口10bを介して外部の洗浄漕に接続されている。
【0006】
図2(a)に示すように、加熱容器1、2、3にはそれぞれ、たとえば6本のハロゲンランプ41が設けられている。ハロゲンランプ41の1本当りで消費される最大電力は、4kWである。したがって、加熱容器1、2、3の1個当りの消費最大電力は、24kW(4kW×6本)となる。よって、純水加熱装置100全体の消費最大電力は、72kW(24kW×3ユニット)となる。加熱容器1、2、3の内部は、ハロゲンランプ41の発光に伴う輻射熱が、加熱容器内の流路10内の純水に効率的に輻射されて、流路10内の純水を効率的に加熱するように、構成されている。
【0007】
外部の純水源から純水加熱装置100の純水入口10aに純水が供給され、流路10内を純水が流れる。流路10を純水が流れる過程で、流路10の上流から下流に沿って設けられた加熱容器3、加熱容器2、加熱容器1にて、流路10内の純水がハロゲンランプ41の発光に伴う輻射熱によって加熱される。これにより流路10の温純水出口10bから、所望する目標温度Tpに温調された温純水が流出され、外部の洗浄漕に供給されて、シリコンウェーハ等が温純水洗浄される。
【0008】
上記のごとく説明した3個の加熱容器1、2、3を備えた純水加熱装置100を最大能力で稼動させるには、72kWの電力が必要とされる。純水加熱装置100の種類によって、加熱容器の個数が異なり、必要な電力量が異なる。加熱容器の個数が1個、2個、3個、4個、6個の純水加熱装置100を最大能力で稼動させるには、それぞれ24kW、48kW、72kW、96kW、144kWの電力を供給する必要がある。
【0009】
純水加熱装置100には、ハロゲンランプ41への電流通電箇所の断線を検出して、断線検出時に警報ブザーを鳴らすとともに操作盤に断線が検出されたことを示す断線エラーを表示する断線検出装置が備えられている。
【0010】
(特許文献にみられる従来技術1)
下記特許文献1には、温度調整装置に関し、温度調整を行うために電力を制御するという発明が記載されている。
【0011】
(特許文献にみられる従来技術2)
下記特許文献2には、温度調整装置に関し、電源投入時に突入電流が流れるという問題を解決するために、電源投入時に電力量を制限するという発明が記載されている。
【特許文献1】特開2006−244824号公報
【特許文献2】特開2004−9099号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
純水加熱装置100を設置する場所に応じて、電力供給事情が異なる。このため、設置場所の供給可能電力に適した純水加熱装置100を用意すれば問題はないが、実際には、設備の移設などによって、たとえば144kW規格の純水加熱装置100を、72kW程度の電力しか供給できない場所に設置しなければならないことがある。また、たとえば144kW規格の純水加熱装置100を、72kW規格の純水加熱装置100と同等に使用するために、電力を落として使用したいとの要請がある。
【0013】
しかしながら、現状の純水加熱装置100には、電力を落として使用する機能は備えられていない。このため、図2(b)に示すように、必要な電力量に合致するように、加熱容器1、2、3から、適当な本数のハロゲンランプ41を外して、純水加熱装置100を稼動させているのが実情である。
【0014】
しかしながら、ハロゲンランプ41を外すと、断線検出装置が作動してしまい、警報ブザーが鳴るとともに操作盤に断線が検出されたこと示す断線エラーが表示されることになる。また、仮に、このまま純水加熱装置100を稼動し続けると、本当に断線が検出されたという異常が発生した場合に、その異常による警報発生(断線エラー表示)と、ハロゲンランプ41が外されたことに伴う警報発生(断線エラー表示)とを判別できなくなるおそれがある。また、ハロゲンランプ41を外して電力量を制限しているため、ハロゲンランプ41の1個当りの電力単位でしか、電力量を制限することができない。
【0015】
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、温度調整装置など、電力が供給されることによって作動する装置を、断線検出という警報(断線エラー)を発生させることなく、所望する任意の電力量に制限して使用することを解決課題とするものである。
【0016】
なお、特許文献1に記載された発明は、温度を目標温度にするために電力を制御するものであって、所望する電力になるように制御するものではない。また、特許文献2に記載された発明は、電源投入時に電力量を制限するという発明であって、所望する電力に制限するものではない。
【課題を解決するための手段】
【0017】
第1発明は、
制御パラメータの値を目標値にするための操作量を演算する操作量演算部と、
演算された操作量に対応する電力が供給されて制御パラメータが調整される制御パラメータ調整部と
を含む電力制御装置であって、
制御パラメータ調整部に供給される電力の上限値を設定する電力上限値設定部と、
設定された電力上限値を超えないように、操作量演算部で演算された操作量を補正して、温度調整部に出力する操作量補正部と
が更に設けられたこと
を特徴とする。
【0018】
第2発明は、
流体の温度の値を目標値にするための操作量を演算する操作量演算部と、
演算された操作量に対応する電力が供給されて流体の温度が調整される温度調整部と
を含む温度調整装置における電力制御装置であって、
温度調整部に供給される電力の上限値を設定する電力上限値設定部と、
設定された電力上限値を超えないように、操作量演算部で演算された操作量を補正して、温度調整部に出力する操作量補正部と
が更に設けられたこと
を特徴とする。
【0019】
第3発明は、第2発明において、
温度調整部は、供給される電力に応じて加熱若しくは冷却若しくは加熱および冷却を行う温度調整手段を含んで構成され、
流体の流路に沿って、複数の温度調整手段が設けられ、流体の流路のうち、複数の温度調整手段の下流に設けられた温度検出部で検出された温度に基づいて、流体の温度の値を目標値にする温度調整装置における電力制御装置であって、
電力上限値設定部で、電力制限値が設定された場合に、流体の流路の上流側に位置する温度調整手段から順に、操作量が制限されるように操作量を補正すること
を特徴とする。
【0020】
第2発明では、図3に示すように、温度調整装置100に、流体の温度Tの値を目標値Tpにするための操作量Sを演算する操作量演算部30と、演算された操作量Sまたは補正演算された補正操作量S´に対応する電力Pが供給されて流体の温度Tが調整される温度調整部40とを含む電力制御装置20が備えられている。
【0021】
この電力制御装置20には、更に電力上限値設定部50と操作量補正部60が設けられる。電力上限値設定部50では、温度調整部40に供給される電力Pの上限値Pmaxが設定される。操作量補正部60では、設定された電力上限値Pmaxを超えないように、演算された操作量Sが補正され、補正操作量S´として、温度調整部40に出力される。
【0022】
本第2発明によれば、設定された電力上限値Pmaxを超えないように、演算された操作量Sが補正されて、温度調整部40に出力されるため、ハロゲンランプ41を外すことなく、つまり断線検出という警報(断線エラー)を発生させることなく、温度調整装置100を、所望する任意の電力量Pmaxに制限して使用することができる。本発明は、既存の装置に、電力上限値設定部50と操作量補正部60を付加するだけでよく、しかも、かかる電力上限値設定部50と操作量補正部60の付加は、既存のプログラムの改変、画面表示内容の改変だけで済み、既存の純水加熱装置100のハードウエアに改変を加えることなく、ソフトウエアの改変だけで本発明装置を構築することができる。このため発明の実施にあたりコストを大幅に抑えることができる。
【0023】
なお、温度調整装置100は、図1に例示されるように、流体を加熱する装置であってもよく、流体を冷却する装置であってもよく、流体を加熱および冷却する装置であってもよい。また、加熱する手段、冷却する手段は、問わない。
【0024】
本発明の適用対象は、温度調整装置100に限定されるわけではない。制御パラメータの値を目標値にするための操作量を演算する操作量演算部と、演算された操作量に対応する電力が供給されて制御パラメータが調整される制御パラメータ調整部とを含む電力制御装置が備えられた装置であれば、任意の装置に適用することができる。この場合、電力が供給されて制御パラメータが調整されるものであれば、温度に限らず、流量、風力、風量等任意の制御パラメータの値を制御する場合に本発明を適用することができる(第1発明)。
【0025】
第3発明では、図3に示すように、温度調整部40は、供給される電力Pに応じて加熱若しくは冷却若しくは加熱および冷却を行う温度調整手段41を含んで構成されている。たとえば温度調整部40は、加熱を行う温度調整手段としてのハロゲンランプ41を含んで構成されている。
【0026】
図1に示すように、温度調整装置100には、流体の流路10に沿って、互いに離間して、複数の温度調整手段41、41、41が設けられている。電力制御装置20は、流体の流路10のうち、複数の温度調整手段41、41、41の下流に設けられた温度検出部15で検出された温度Tに基づいて、流体の温度Tの値を目標値Tpにする。
【0027】
電力上限値設定部50で、電力制限値Pmaxが設定されると、操作量補正部60では、流体の流路10の上流側に位置する温度調整手段41(加熱容器3内の温度調整手段41)から順に、操作量Sが制限されるように操作量Sが補正される。
【0028】
本第3発明によれば、温度を目標温度にする制御の精度を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、図面を参照して本発明に係る電力制御装置および温度調整装置における電力制御装置の実施の形態について説明する。
【0030】
図1は、温度調整装置としての純水加熱装置の構成を示している。
【0031】
純水加熱装置100は、装置の下側から上側に向かって配置された純水の流路10と、流路10の上流から下流に沿って互いに離間して設けられた加熱容器3、加熱容器2、加熱容器1と、加熱容器1、2、3毎に設けられた空焚き防止用の温度ヒューズ11、12、13と、流路10の上流側に設けられ、流路10を流れる純水の流量(L/min)を検出する流量計14と、流路10の下流側に設けられ、流路10を流れる純水の温度T(℃)を検出する温度センサ15と、流路10の下流側に設けられた、エア抜き及び排水時のエア取り入れ用のメクラキャップ16と、流路10の下流側に設けられ、流路10の下流まで水位が上がっていることを検出する水位センサ17とを含んで構成されている。流路10の上流は、純水入口10aを介して外部の純水源に接続されている。流路10の下流は、温純水出口10bを介して外部の洗浄漕に接続されている。
【0032】
加熱容器1、加熱容器2、加熱容器3の外側に配置される流路10は、パイプなどの配管によって構成されている。また、加熱容器1、加熱容器2、加熱容器3の内側に配置される流路10は、ハロゲンランプ41からの輻射熱により効率的に加熱できる形状に形成されている。
【0033】
図2(a)に示すように、加熱容器1、2、3にはそれぞれ、No.1、No.2、No.3、No.4、No.5、No.6の合計6本のハロゲンランプ41、41…が設けられている。ハロゲンランプ41の1本当りで消費される最大電力は、4kWである。したがって、加熱容器1、2、3の1個当りの消費最大電力は、24kW(4kW×6本)となる。よって、純水加熱装置100全体の消費電力は、72kW(24kW×3容器)となる。加熱容器1、2、3の内部は、ハロゲンランプ41の発光に伴う輻射熱が、加熱容器内の流路10内の純水に効率的に輻射されて、流路10内の純水を効率的に加熱するように、構成されている。
【0034】
外部の純水源から純水加熱装置100の純水入口10aに純水が供給され、流路10内を純水が流れる。流路10を純水が流れる過程で、流路10の上流から下流に沿って設けられた加熱容器3、加熱容器2、加熱容器1にて、流路10内の純水がハロゲンランプ41の発光に伴う輻射熱によって加熱される。これにより流路10の温純水出口10bから、所望する目標温度Tpに温調された温純水が流出され、外部の洗浄漕に供給されて、シリコンウェーハ等が温純水洗浄される。
【0035】
温度ヒューズ11、12、13はそれぞれ、加熱容器1、加熱容器2、加熱容器3内の流路10を流れる純水が、危険域となる温度に達すると、ハロゲンランプ41への通電を遮断する。
【0036】
上記のごとく説明した3個の加熱容器1、2、3を備えた純水加熱装置100を最大能力で稼動させるには、72kWの電力が必要とされる。
【0037】
図4(a)は、実施例の操作盤50を示している。
【0038】
操作盤50は、純水加熱装置100に取り付けられている。操作盤50は、表示画面51を有している。表示画面51は、種々の設定画面、エラー表示画面等に切り替えられる。
【0039】
図3は、実施例の制御装置200の構成を示している。
【0040】
制御装置200は、電力制御装置20と、断線検出装置70とからなる。
【0041】
断線検出装置70は、ハロゲンランプ41への電流通電箇所の断線(たとえば電気信号線42の断線)を検出して、断線検出時に警報ブザーを鳴らすとともに操作盤50の表示画面51を、図4(b)に示すエラー表示画面51Aに切り換えて、エラー表示画面51A上に断線が検出されたことを表示する。たとえば、加熱容器2のNo.1のハロゲンランプ41への電流通電箇所で断線が検出されると、「断線エラー発生、断線箇所は、加熱容器2のNo.1のハロゲンランプ」というエラー表示がなされる。
【0042】
電力制御装置20は、操作量演算部30と、温度調整部40とを含んで構成されている。
【0043】
操作量演算部30では、流体の温度Tの値を目標値Tpにするための操作量Sが演算される。温度調整部40では、演算された操作量Sまたは補正演算された補正操作量S´に対応する電力Pがハロゲンランプ41に供給されて流体の温度Tが調整される。温度調整部40は、ハロゲンランプ41と、操作量Sまたは補正操作量S´に対応する電力Pを生成して、電力Pに対応する電圧Vを信号線42を介して、ハロゲンランプ41に印加する電力供給回路43とからなる。
【0044】
温度調整部40は、加熱ユニット1、2、3毎に設けられている。
【0045】
電力制御装置20には、更に、操作盤(図4(a))として構成された電力上限値設定部50と、操作量補正部60が設けられている。
【0046】
電力上限値設定部50では、温度調整部40に供給される電力Pの上限値Pmaxが設定される。操作量補正部60では、設定された電力上限値Pmaxを超えないように、演算された操作量Sが補正されて、補正操作量S´として温度調整部40に出力される。
【0047】
以下、図5に示すフローチャートを併せ参照して、実施例装置の動作について説明する。
【0048】
操作盤50の表示画面51が、図4(c)に示す目標温度設定画面51Bに切り替えられると、この目標温度設定画面51B上のボタン52を操作することで、目標温度Tpを設定することができる。設定された目標温度Tpを示す信号は、操作量演算部30に入力される。
【0049】
操作量演算部30には、目標温度Tpを示す信号が目標値として入力されるとともに、温度センサ15で検出された現在の温度Tを示す信号がフィードバック量として入力される。操作量演算部30では、目標温度Tpと、温度センサ15で検出された流水の実際の温度Tとの偏差Tp−Tをゼロにするための操作量Sが演算される。なお、操作量Sは、たとえばPID(比例、積分、微分)制御の手法を用いて求めることができる。
【0050】
図6(a)は、操作量Sと、温度調整部40のハロゲンランプ41に供給される電力量Pとの対応関係を示している。
【0051】
操作量Sは、0%〜100%で表され、温度調整部40のハロゲンランプ41に供給される電力量Pにほぼ比例する関係にある。72kW規格の純水加熱装置100の場合には、操作量Sが100%のときに、最大電力である72kWに対応する電力P(ハロゲンランプ1個当り4kW)がハロゲンランプ41に供給され、操作量Sが50%のときに、最大電力72kWの50%に対応する電力P(ハロゲンランプ1個当り2kW)がハロゲンランプ41に供給され、操作量Sが0%のときには、ハロゲンランプ41に供給される電力Pは、0となる(ステップ301)。
【0052】
つぎに、電力上限値Pmaxの設定がなされたか否かが判別される(ステップ302)。
【0053】
電力上限値Pmaxの設定は、操作盤としての電力上限値設定部50で行われる。すなわち、図4(d)に示すように、表示画面51が、電力上限値設定画面51Cに切り替えられると、この電力上限値設定画面51C上のボタン53を操作することで、電力上限値Pmaxを設定することができる。電力上限値Pmaxは、任意の値に設定できるようにしてもよく、操作の煩雑さを避け、装置構成を簡易にするために、予め定められた所定の刻み量で設定できるようにしてもよい。本実施例では、操作の煩雑さを避け、装置構成が簡易になることを重視して、加熱容器1個当たり、50%刻みで電力上限値Pmaxが設定されるようにしている。すなわち、加熱容器1個当たりで、0%、50%、100%の電力上限値が選択される。もちろん、これよりも細かい刻みで電力上限値Pmaxを設定する実施も可能である。
【0054】
また、本実施例では、温度Tを目標温度Tpにする制御の精度を高めるために、電力制限値Pmaxが設定された場合に、流体の流路10の上流側に位置するハロゲンランプ41(加熱容器3内のハロゲンランプ41)から順に、操作量Sが制限されるように操作量Sを補正するようにしている。
【0055】
すなわち、72kW規格の純水加熱装置100であれば、ボタン53をダウン側53Dに押動操作する毎に、流路10の上流側に位置する加熱容器3のハロゲンランプ41から順に操作量Sが制限されていく。
【0056】
ボタン53をダウン側53Dに押動操作する毎に、加熱容器3が、「100%」から「50%」へ、「50%」から「0%」へと変化し、つぎに、加熱容器3が「0%」のままで、加熱容器2が、「100%」から「50%」へ、「50%」から「0%」へと変化し、つぎに、加熱容器3および加熱容器2が「0%」のままで、加熱容器1が、「100%」から「50%」へ、「50%」から「0%」へと変化する。これに対応して、電力上限値Pmaxは、72kWからから、60kW、48kW、36kW、24kW、12kW、0kWへと順次低下するように設定されることになる。なお、ボタン53をアップ側53Uに押動操作する毎に、上記と逆に変化し、電力上限値Pmaxが順次上昇するように設定されることになる。
【0057】
電力上限値Pmaxが設定されたことを示す信号は、操作盤としての電力上限値設定部50から、操作量補正部60に入力される。図4(d)は、加熱容器3が「0%」に、かつ加熱容器2が「50%」に、かつ加熱容器1が「100%」に設定されることで、電力上限値Pmaxが「36kW」に設定されたときの表示内容を例示している。また、電力上限値Pmaxの設定内容を、図4(a)に示すように、グラフィック表示してもよい。
【0058】
ステップ302の判断の結果、電力上限値設定部Pmaxが設定されていない場合、つまり電力上限値Pmaxが、純水加熱装置100で出し得る最大電力である72kWのままであると判断された場合には(ステップ302の判断NO)、操作量演算部30で演算された操作量Sは、補正されることなく、そのまま温度調整部40に出力される(ステップ303)。
【0059】
これに対して、電力上限値設定部Pmaxが図4(d)に示すごとく設定された場合には(ステップ302の判断YES)、操作量補正部60では、その電力上限値Pmaxを超えないように、操作量演算部30で演算された操作量Sが補正される。補正操作量S´は、温度調整部40に出力される。
【0060】
図6(b)は、操作量Sと、補正操作量S´との対応関係を示している。
【0061】
操作量S、補正操作量S´は、ともに0%〜100%で表され、温度調整部40のハロゲンランプ41に供給される電力量Pにほぼ比例する関係にある(図6(a)参照)。
【0062】
図6(b)に示すように、操作量Sが電力上限値Pmaxに対応する50%に到達すると、リミッタをかけて、それ以上操作量Sが上昇しないように操作量Sが補正される。このようなリミッタがかけられた特性L1にて、操作量Sから補正操作量S´へ補正される。また、操作量Sと補正操作量S´との関係を示す特性Lのゲインを変化させて、操作量Sが100%になったときに、補正操作量S´が50%に到達する特性L2を設定し、この特性L2にしたがい操作量Sから補正操作量S´へ補正してもよい。
【0063】
かかる補正操作量S´の演算は、図4(d)で説明したように、加熱容器1、2、3毎に行われる。すなわち、電力上限値Pmaxが60kWに設定され、加熱容器3が「50%」に設定された場合には、操作量Sが、図6(b)に示す特性L1またはL2にしたがい補正されて、補正操作量S´が加熱容器3の温度調整部40に出力される。このとき他の加熱容器2、1の温度調整部40、40には、操作量Sが補正されることなくそのまま出力される。また、電力上限値Pmaxが48kWに設定され、加熱容器3が「0%」に設定された場合には、操作量Sが、0に補正されて、補正操作量S´(=0%)が加熱容器3の温度調整部40に出力される。このとき他の加熱容器2、1の温度調整部40、40には、操作量Sが補正されることなくそのまま出力される。また、電力上限値Pmaxが36kWに設定され、加熱容器3が「0%」に、加熱容器2が「50%」に設定された場合には(図4(d)に示す状態)、操作量Sが、0に補正されて、補正操作量S´(=0%)が加熱容器3の温度調整部40に出力されるとともに、操作量Sが、図6(b)に示す特性L1またはL2にしたがい補正されて、補正操作量S´が加熱容器2の温度調整部40に出力される。このとき他の加熱容器1の温度調整部40には、操作量Sが補正されることなくそのまま出力される。また、電力上限値Pmaxが24kWに設定され、加熱容器3が「0%」に、加熱容器2が「0%」に設定された場合には、操作量Sが、0に補正されて、補正操作量S´(=0%)が加熱容器3、2の温度調整部40、40に出力される。このとき他の加熱容器1の温度調整部40には、操作量Sが補正されることなくそのまま出力される。また、電力上限値Pmaxが12kWに設定され、加熱容器3が「0%」に、加熱容器2が「0%」、加熱容器1が「50%」に設定された場合には、操作量Sが、0に補正されて、補正操作量S´(=0%)が加熱容器3、2の温度調整部40、40に出力されるとともに、操作量Sが、図6(b)に示す特性L1またはL2にしたがい補正されて、補正操作量S´が加熱容器1の温度調整部40に出力される。また、電力上限値Pmaxが0kWに設定され、加熱容器3が「0%」に、加熱容器2が「0%」、加熱容器1が「0%」に設定された場合には、操作量Sが、0に補正されて、補正操作量S´(=0%)が加熱容器3、2、1の温度調整部40、40、40に出力される(ステップ304)。
【0064】
これにより、電力上限値Pmaxが設定されていない場合には、操作量Sに対応する電力Pが加熱容器3、2、1の温度調整部40、40、40のハロゲンランプ41、41、41に供給されて、同ハロゲンランプ41、41、41が最大出力(ハロゲンランプ41単体で4kW、加熱容器1つ当たりの6本のハロゲンランプ41全体で24kW)を上限として発光し、純水加熱装置100は最大能力で稼動する。
【0065】
また、電力上限値設定部Pmaxが60kWに設定された場合には、補正操作量S´に対応する電力Pが加熱容器3の温度調整部40のハロゲンランプ41に供給されて、同ハロゲンランプ41が最大出力の50%(ハロゲンランプ41単体で2kW、加熱容器1つ当たりの6本のハロゲンランプ41全体で12kW)を上限として発光する。このとき操作量Sに対応する電力Pが加熱容器2、1の温度調整部40、40のハロゲンランプ41、41それぞれに供給されて、同ハロゲンランプ41、41が最大出力(ハロゲンランプ41単体で4kW、加熱容器1つ当たりの6本のハロゲンランプ41全体で24kW)を上限として発光する。
【0066】
また、電力上限値設定部Pmaxが48kWに設定された場合には、補正操作量S´(=0%)に対応する電力Pが加熱容器3の温度調整部40のハロゲンランプ41に供給されて、同ハロゲンランプ41が消灯する。このとき操作量Sに対応する電力Pが加熱容器2、1の温度調整部40、40のハロゲンランプ41、41それぞれに供給されて、同ハロゲンランプ41、41が最大出力(ハロゲンランプ41単体で4kW、加熱容器1つ当たりの6本のハロゲンランプ41全体で24kW)を上限として発光する。
【0067】
また、電力上限値設定部Pmaxが36kWに設定された場合には、補正操作量S´(=0%)に対応する電力Pが加熱容器3の温度調整部40のハロゲンランプ41に供給されて、同ハロゲンランプ41が消灯するとともに、補正操作量S´に対応する電力Pが加熱容器2の温度調整部40のハロゲンランプ41に供給されて、同ハロゲンランプ41が最大出力の50%(ハロゲンランプ41単体で2kW、加熱容器1つ当たりの6本のハロゲンランプ41全体で12kW)を上限として発光する。このとき操作量Sに対応する電力Pが加熱容器1の温度調整部40のハロゲンランプ41に供給されて、同ハロゲンランプ41が最大出力(ハロゲンランプ41単体で4kW、加熱容器1つ当たりの6本のハロゲンランプ41全体で24kW)を上限として発光する。
【0068】
また、電力上限値設定部Pmaxが24kWに設定された場合には、補正操作量S´(=0%)に対応する電力Pが加熱容器3の温度調整部40のハロゲンランプ41に供給されて、同ハロゲンランプ41が消灯するとともに、補正操作量S´(=0%)に対応する電力Pが加熱容器2の温度調整部40のハロゲンランプ41に供給されて、同ハロゲンランプ41が消灯する。このとき操作量Sに対応する電力Pが加熱容器1の温度調整部40のハロゲンランプ41に供給されて、同ハロゲンランプ41が最大出力(ハロゲンランプ41単体で4kW、加熱容器1つ当たりの6本のハロゲンランプ41全体で24kW)を上限として発光する。
【0069】
また、電力上限値設定部Pmaxが12kWに設定された場合には、補正操作量S´(=0%)に対応する電力Pが加熱容器3の温度調整部40のハロゲンランプ41に供給されて、同ハロゲンランプ41が消灯するとともに、補正操作量S´(=0%)に対応する電力Pが加熱容器2の温度調整部40のハロゲンランプ41に供給されて、同ハロゲンランプ41が消灯し、さらに補正操作量S´に対応する電力Pが加熱容器1の温度調整部40のハロゲンランプ41に供給されて、同ハロゲンランプ41が最大出力の50%(ハロゲンランプ41単体で2kW、加熱容器1つ当たりの6本のハロゲンランプ41全体で12kW)を上限として発光する。
【0070】
また、電力上限値設定部Pmaxが0kWに設定された場合には、補正操作量S´(=0%)に対応する電力Pが加熱容器3の温度調整部40のハロゲンランプ41に供給されて、同ハロゲンランプ41が消灯するとともに、補正操作量S´(=0%)に対応する電力Pが加熱容器2の温度調整部40のハロゲンランプ41に供給されて、同ハロゲンランプ41が消灯し、さらに補正操作量S´(=0%)に対応する電力Pが加熱容器1の温度調整部40のハロゲンランプ41に供給されて、同ハロゲンランプ41が消灯する(ステップ305)。
【0071】
以上のように、本実施例によれば、設定された電力上限値Pmaxを超えないように、演算された操作量Sが補正されて、補正操作量S´として温度調整部40に出力される。このため、ハロゲンランプ41を外すことなく、つまり断線検出という警報(断線エラー)を発生させることなく、純水加熱装置100を、所望する任意の電力量Pmaxに制限して使用することができる。しかも、かかる電力上限値設定部50と操作量補正部60の付加は、既存のプログラムの改変、画面表示内容の改変だけで済み、既存の純水加熱装置100のハードウエアに改変を加えることなく、ソフトウエアの改変だけで本発明装置を構築することができる。このため発明の実施にあたりコストを大幅に抑えることができる。
【0072】
なお、実施例では、温度調整装置として、図1に例示されるように、純水加熱装置100を想定し、流体を加熱する場合について説明したが、本発明の適用対象は、流体を冷却する装置であってもよく、流体を加熱および冷却する装置であってもよい。また、加熱する手段、冷却する手段は、問わない。たとえば、ランプの発熱に伴う輻射熱により流体を加熱する方式にとどまらず、抵抗加熱方式、誘導加熱方式によって流体を加熱してもよく、ペルチェ素子を用いた熱電モジュールを使用して、流体を冷却および加熱してもよい。
【0073】
また実施例では、温度という制御パラメータの値を目標値に制御する温度調整装置100を想定しているが、本発明は、他の制御パラメータの値を目標値に制御する装置に同様に適用することができる。すなわち、上述した操作量演算部30と同様に、制御パラメータの値を目標値にするための操作量Sを演算する操作量演算部が備えられ、上述した温度調整部40と同様に、演算された操作量Sまたは演算された補正操作量S´に対応する電力Pが供給されて制御パラメータが調整される制御パラメータ調整部とを含む電力制御装置20が備えられた装置であれば、任意の装置に適用することができる。この場合、電力Pが供給されて制御パラメータが調整されるものであれば、温度に限らず、流量、風力、風量等任意の制御パラメータの値を制御する場合に本発明を適用することができる。
【0074】
また、本実施例では、電力上限値設定部50で、電力制限値Pmaxが設定された場合に、操作量補正部60で、流体の流路10の上流側に位置するハロゲンランプ41(加熱容器3内のハロゲンランプ41)から順に、操作量Sが制限されるように操作量Sを補正するようにしている。このため、温度Tを目標温度Tpにする制御の精度を高めることができる。
【0075】
上述した実施例では、加熱容器1、2、3から、ハロゲンランプ41を外すことなく、純水加熱装置100の電力Pを制限することができる。しかし、ハロゲンランプ41を外すことに伴い、警報ブザーが鳴ったり断線エラー表示がなされたりすることがなく、しかも、本当に断線という異常が発生した場合に、本当に断線したという異常を認識することができるのであれば、ハロゲンランプ41を外すことで電力Pを制限する実施も可能である。
【0076】
図7(a)、(b)はそれぞれ、ハロゲンランプ41を外すことで電力Pを制限する実施例のフローチャートである。
【0077】
すなわち、図7(a)に示すように、純水加熱装置100の電源投入前に加熱容器3のNo.2のハロゲンランプ41が外されると(図2(b)参照)、電源投入に伴い(ステップ401)、図4(b)と同様のエラー表示画面が表示され、「断線エラー発生」の表示がなされる。なお断線エラーの出力に伴い警報ブザーが鳴る(ステップ402)。オペレータは、ハロゲンランプ41が外された箇所について今後エラー表示を表示させないというエラー非表示の設定をするために、操作盤50の表示画面51を、図8(a)に示すエラー非表示設定画面51Dに遷移させる。あるいは、電源投入に伴い、自動的に、図8(a)に示すエラー非表示設定画面51Dに遷移させてもよい。エラー非表示設定画面51Dでは、各加熱容器1、2、3のそれぞれ番号No.1、No.2、No.3、No.4、No.5、No.6のハロゲンランプ41、41…のうち、現在「断線エラー」が出力されているハロゲンランプ41に対応する箇所が点灯している。ここで、電源投入前に、仮に、「加熱容器3のNo.2」のハロゲンランプ41が電力量制限のために外されており、「加熱容器2のNo.1」のハロゲンランプ41への電流通電箇所で本当に断線(たとえば電気信号線42の断線)が発生していたとする。すると、これら、「加熱容器2のNo.1」、「加熱容器3のNo.2」の2箇所が点灯することになる。
【0078】
オペレータは、エラー非表示選択ボタン54を選択操作する。選択操作された箇所が点灯から点滅に変わる。点滅している間に、エラー非表示確定ボタン55を押すことで、エラーの非表示の設定をすることができる。
【0079】
仮に「加熱容器2のNo.1」のハロゲンランプ41が選択されて、当該箇所が点滅したとする。この「加熱容器2のNo.1」のハロゲンランプ41は、電力制限のために外したものではなく、本当に断然が発生した箇所であるので、エラー非表示確定ボタン55を押すことなく、もう一度エラー非表示選択ボタン54を選択操作する。すると、つぎに、「加熱容器3のNo.2」のハロゲンランプ41が選択されて、当該箇所が点滅する。この「加熱容器3のNo.2」のハロゲンランプ41は、電力制限のために外したものであり(図2(b)参照)、本当に断線が発生した箇所ではないので、エラー非表示確定ボタン55を押す。これにより以後、「加熱容器3のNo.2」のハロゲンランプ41について、断線エラー非表示の設定がなされる(ステップ403)。なお、本当に断線が発生した「加熱容器2のNo.1」のハロゲンランプ41については、図4(b)に示すごとく、エラー表示がなされるので、オペレータは、本当に断線が生じた箇所の情報を正確に取得して迅速に善処することができる。
【0080】
これにより以後、電流制限のために外され、エラー非表示の設定がされた「加熱容器3のNo.2」のハロゲンランプ41については、断線エラーが出力されることがなくなる。なお、装置稼動中に、他のハロゲンランプ41、たとえば「加熱容器1のNo.3」のハロゲンランプ41について、本当に断線が発生した場合には、断線エラーが出力され、図4(b)と同様のエラー表示画面が表示され、「加熱容器1のNo.3」のハロゲンランプ41で「断線エラー発生」という表示がなされるとともに、警報ブザーが鳴ることになる。この場合も、オペレータは、本当に断線が生じた箇所の情報を正確に取得して迅速に善処することができる(ステップ404)。
【0081】
つぎに、図7(b)に示すフローチャートについて説明する。この実施例でも、電源投入前に、仮に、「加熱容器3のNo.2」のハロゲンランプ41が電力量制限のために外され、「加熱容器2のNo.1」のハロゲンランプ41への電流通電箇所で本当に断線(たとえば電気信号線42の断線)が発生していたとする。
【0082】
図7(b)に示すように、純水加熱装置100の電源が投入されると、電源投入に伴い(ステップ501)、操作盤50の表示画面51が、自動的に、図8(b)に示すエラー非表示設定画面51Eに遷移する。エラー非表示設定画面51Eでは、各加熱容器1、2、3の番号No.1、No.2、No.3、No.4、No.5、No.6のハロゲンランプ41、41…のうち、電力制限のために外した加熱容器の番号(「1」、「2」、「3」)、ハロゲンランプ41の番号No.を特定して入力することができるようになっている。ここで、電源投入前に、「加熱容器3のNo.2」のハロゲンランプ41が電力量制限のために外されたのであるから(図2(b)参照)、オペレータは画面51E上の選択ボタン56を操作して、「加熱容器3」を入力するとともに、選択ボタン57を操作して、「No.2」を入力する。ついで同画面51E上の確定ボタン57を操作すると、「加熱容器3のNo.2」のハロゲンランプ41について、エラー非表示の設定がなされる(ステップ502)。
【0083】
これにより以後、電流制限のために外され、エラー非表示の設定がなされた「加熱容器3のNo.2」のハロゲンランプ41については、断線エラーが出力されることがなくなる。ただし、電源投入前に、「加熱容器2のNo.1」のハロゲンランプ41について、本当に断線が発生しているため、断線エラーが出力され、図4(b)に示すように、「加熱容器2のNo.1」のハロゲンランプ41で断線エラーが発生したとのエラー表示がなされるとともに、警報ブザーが鳴ることになる。これによりオペレータは、本当に断線が生じた箇所の情報を正確に取得して早急に善処することができる(ステップ503)。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】図1は、純水加熱装置の構成を示した図である。
【図2】図2(a)、(b)は、加熱容器に、ハロゲンランプが設けられていることを示す斜視図である。
【図3】図3は、実施例の制御装置の構成を示した図である。
【図4】図4(a)は、実施例の操作盤を示した図で、図4(b)、(c)、(d)はそれぞれ、操作盤の表示画面を例示した図である。
【図5】図5は、実施例のフローチャートである。
【図6】図6(a)は、操作量と、温度調整部のハロゲンランプに供給される電力量との対応関係を示したグラフで、図6(b)は、操作量と、補正操作量との対応関係を示したグラフである。
【図7】図7(a)、(b)はそれぞれ、ハロゲンランプを外すことで電力を制限する実施例のフローチャートである。
【図8】図8(a)、(b)はそれぞれ、操作盤の表示画面を例示した図である。
【符号の説明】
【0085】
100 温度調整装置、30 操作量演算部、40 温度調整部、20 電力制御装置20、50 電力上限値設定部、60 操作量補正部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御パラメータの値を目標値にするための操作量を演算する操作量演算部と、
演算された操作量に対応する電力が供給されて制御パラメータが調整される制御パラメータ調整部と
を含む電力制御装置であって、
制御パラメータ調整部に供給される電力の上限値を設定する電力上限値設定部と、
設定された電力上限値を超えないように、操作量演算部で演算された操作量を補正して、温度調整部に出力する操作量補正部と
が更に設けられたこと
を特徴とする電力制御装置。
【請求項2】
流体の温度の値を目標値にするための操作量を演算する操作量演算部と、
演算された操作量に対応する電力が供給されて流体の温度が調整される温度調整部と
を含む温度調整装置における電力制御装置であって、
温度調整部に供給される電力の上限値を設定する電力上限値設定部と、
設定された電力上限値を超えないように、操作量演算部で演算された操作量を補正して、温度調整部に出力する操作量補正部と
が更に設けられたこと
を特徴とする温度調整装置における電力制御装置。
【請求項3】
温度調整部は、供給される電力に応じて加熱若しくは冷却若しくは加熱および冷却を行う温度調整手段を含んで構成され、
流体の流路に沿って、互いに離間して、複数の温度調整手段が設けられ、流体の流路のうち、複数の温度調整手段の下流に設けられた温度検出部で検出された温度に基づいて、流体の温度の値を目標値にする温度調整装置における電力制御装置であって、
電力上限値設定部で、電力制限値が設定された場合に、流体の流路の上流側に位置する温度調整手段から順に、操作量が制限されるように操作量を補正すること
を特徴とする請求項2記載の温度調整装置における電力制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−311341(P2008−311341A)
【公開日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−156248(P2007−156248)
【出願日】平成19年6月13日(2007.6.13)
【出願人】(590000835)株式会社KELK (40)
【Fターム(参考)】