電力変換装置
【課題】商用電源の相回転が異なっていても入力系統からの電源供給を可能とする電力変換装置を得る。
【解決手段】商用電源7から供給される交流電力を直流電力に変換するコンバータ10と、10の電流が電流振幅基準に一致するように10の出力電圧指令を作成する電流制御回路20と、電流制御回路20からの10の出力指令に基づき、10を構成するスイッチング素子のゲートを制御するゲート制御回路27を有した直流出力型の電力変換装置において、7の相回転異常を検出する相回転異常検出回路51と、51の出力によりコンバータ制御回路14の入力とコンバータゲート出力を変更する回路とを備えた電力変換装置。
【解決手段】商用電源7から供給される交流電力を直流電力に変換するコンバータ10と、10の電流が電流振幅基準に一致するように10の出力電圧指令を作成する電流制御回路20と、電流制御回路20からの10の出力指令に基づき、10を構成するスイッチング素子のゲートを制御するゲート制御回路27を有した直流出力型の電力変換装置において、7の相回転異常を検出する相回転異常検出回路51と、51の出力によりコンバータ制御回路14の入力とコンバータゲート出力を変更する回路とを備えた電力変換装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施形態は、商用電源からの交流電力を電力変換して負荷に供給するする電力変換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の無停電電源装置は、商用電源から交流フィルタを介して供給される交流電力を直流電力に変換するコンバータと、コンバータにより変換された直流電力を交流電力に変換して負荷へ供給するインバータと、インバータの入力側に接続された蓄電池と、負荷への電力供給を前記商用電源側またはインバータ側のいずれかに切り換える切換回路と、コンバータの電流が電流振幅基準に一致するようにコンバータの出力電圧指令を作成する電流制御手段と、電流制御手段からのコンバータ出力指令に基づき、コンバータを構成するスイッチング素子のゲートを制御するゲート制御回路を有している。
【0003】
そして常時は、商用電源からコンバータにより所望の直流電圧源に変換され、この直流電圧源を入力とするインバータが所望の電圧を出力することによって電力変換装置から負荷への給電が行われる。
【0004】
交流入力停電等の交流入力異常時は、交流入力の異常を検出してコンバータを停止させ、蓄電池のような直流電圧源を構成できるものからインバータへの電力を供給し、負荷への給電を継続する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002―27684号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、従来の電力変換装置では例えば配線の接続違いにより商用電源の相回転が異なっていた場合、コンバータ制御系が不安定になり、直流定電圧制御機能や入力力率“1”を維持できない可能性があるため、装置を保護停止もしくは直流電源がある場合は直流電源を入力としたインバータ給電を継続する形であった。
【0007】
このため、交流電源としてはエネルギーを有している状態にもかかわらず、相回転異常をした状態では装置保護の観点から直流運転を継続してしまうため、直流電源が喪失してしまうと負荷給電が停止してしまうことがあった。
【0008】
本実施形態は、上記欠点を除去するためになされたもので、商用電源の相回転が異なっていても入力系統からの電源供給を可能とする電力変換装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
実施形態の代表的な電力変換装置は、商用電源から供給される交流電力を直流電力に変換するコンバータと、前記コンバータの電流が電流振幅基準に一致するように前記コンバータの出力電圧指令を作成する電流制御手段と、前記電流制御手段からのコンバータ出力指令に基づき、前記コンバータを構成するスイッチング素子のゲートを制御するゲート制御回路を有した直流出力型の電力変換装置において、前記商用電源の相回転を検出する相回転検出回路と、前記相回転検出回路の出力によりコンバータ制御回路の入力とコンバータゲート出力を変更する回路とを備えたものである。
【0010】
実施形態の代表的な電力変換装置によれば、商用電源の相回転が異なっていても入力系統からの電源供給が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本実施形態における電力変換装置の構成を示すブロック図。
【図2】図1のコンバータ制御回路を説明するためのブロック図。
【図3】図2の相回転異常検出回路を説明するための図。
【図4】図1のコンバータの主回路を説明するための図。
【図5】図2の直流電圧制御回路を説明するための図。
【図6】図2の交流電流検出回路を説明するための図。
【図7】図2のゲート制御回路を説明するための図。
【図8】図2の交流電流検出回路の動作を説明するための図。
【図9】図2の入力電流制御回路の動作を説明するための図。
【図10】図2の相回転異常検出回路の動作を説明するための図。
【図11】図2の相回転異常検出回路の動作を説明するための図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は本実施形態の電力変換装置の第1の例を示すもので、インバータ1の出力はインバータトランス2の1次巻線に接続され、インバータトランス2の2次巻線は本電力変換装置の出力となり、切換回路3に接続されている。切換回路3は接触器4と半導体スイッチ5から構成されており、負荷6への電力供給を電力変換装置と商用電源7のいずれかを切り換えるために用いる。
【0013】
ここでは、切換回路3は接触器4と半導体スイッチ5で構成されているが、いずれか一方だけでも構わない。また、インバータトランス2の無い構成でも構わない。
【0014】
インバータ1の入力側には、商用電源7からの交流電力を交流フィルタ8と系統連系用リアクトル9とを介して入力し直流電力を出力するコンバータ10と、コンバータ10の出力を平滑化する直流コンデンサ11と、交流入力停電等の交流入力異常時における電圧源となる蓄電池12が接続されている。交流フィルタ8は、コンバータ10で発生する高調波を商用電源7に回生させないために設けられている。
【0015】
そして常時は、商用電源7からコンバータ10により所望の直流電圧源に変換され、この直流電圧源を入力とするインバータ1が所望の交流電圧を出力する、いわゆる電力変換装置によって負荷6への交流電力の給電が行われる。
【0016】
交流入力停電等の交流入力異常時は、交流入力の異常を検出してコンバータ10を停止させ、蓄電池12のような直流電圧源を構成できるものからインバータ1への電力を供給し、負荷6への給電を継続する。
【0017】
次に図2によりコンバータ制御回路14について説明する。
【0018】
直流コンデンサ等の直流電圧を測定する直流電圧検出器13の出力である、直流電圧検出信号16は、コンバータ制御回路14に入力され、コンバータ制御回路14内の直流電圧制御回路15に直流電圧フィードバックとして入力される。また、コンバータ制御回路14には、交流入力電圧を検出する交流電圧検出回路17の出力に基づいて交流入力停電等の交流入力異常を検出する停電検出回路18及びPLL回路19とが接続される。
【0019】
入力電流制御回路20の入力には、以下に述べる信号が入力される。すなわち、直流電圧制御回路15の出力である入力電流振幅基準21が、PLL回路19の出力であるコンバータ基準位相22が、入力電圧フィードバックとして交流電圧検出器17の入力電圧検出信号23が、入力電流フィードバックとして電流検出器25の入力電流検出信号24が、それぞれ入力される。
【0020】
入力電流制御回路20において求められる入力電圧指令26は、ゲート制御回路27に入力されると共に、ゲート制御回路27に後述する停電検出信号29及びコンバータ相順入替信号が入力され、ゲート制御回路27において求められるコンバータ10のゲート信号28が出力される。
【0021】
図2において、直流電圧制御回路15は、電力変換装置が本来出力すべき電圧相当の出力をインバータが出力できるように入力電流振幅基準21を出力する。入力電流制御回路20は電流検出器25によって検出された入力電流検出信号24が入力電流振幅基準21と等しくなり、かつPLL回路19によって検出されたコンバータ基準位相22と等しくなるように制御を行い、入力電圧指令26を出力する。ゲート制御回路27はコンバータ10の出力が入力電圧指令26に一致するようにゲート信号28を出力する。
【0022】
以上述べたコンバータ制御回路14に、次に述べる相回転異常検出回路51が付加されている。相回転異常検出回路51は、交流電圧検出回路17からの出力である入力電圧検出信号(交流入力電圧、コンバータ入力)23及び停電検出回路18からの入力電圧健全信号57を入力し、相回転異常検出回路51は出力としてコンバータ相順入替信号52を入力電流制御回路20及びゲート制御回路27にそれぞれ入力されるようになっている。
【0023】
図3は相回転異常検出回路51の具体例を示すもので、Dラッチ回路53と論理積回路58からなり、Dラッチ回路53は、クロック入力端子CLKにクロック信号54のタイミングでラッチ入力端子Dに入力信号55があれば、出力端子Qからラッチ出力を出力せず、これ以外のとき出力端子Qからラッチ出力を出力する。Dラッチ入力55とクロック入力54は、後述するように前記入力電圧検出信号23から得られ、Dラッチ回路53のDラッチ出力56及び入力電圧健全信号57が論理積回路58に入力されている。この結果、Dラッチ出力56及び入力電圧健全信号57が共に存在したとき論理積回路58からの出力としてコンバータ相順入替信号52が得られる。
【0024】
ここで、Dラッチ回路53のクロック入力54として入力電圧検出信号23の一つのa相(例えばU相)を入力し、もう一つの他のb相(前記の相がU相であれば例えばV相)をDラッチ入力55としている。これにより、交流入力電圧のU相とV相があらかじめ決められた時間(位相)内であることを検出し、あらかじめ決められた時間を超えた場合(本構成では180度:50Hzの場合10ms)、すなわち交流入力電圧の相順が正しくないと検知した場合Dラッチ回路の出力56がオンとなる。Dラッチ出力56と停電検出回路18の出力である入力電圧健全信号57は論理積回路58の入力となり、論理積回路58の出力はコンバータ相順入替信号52となっている。
【0025】
また、図1のコンバータ10には蓄電池12を充電するための充電電流制御回路(図示しない)が設けられているが、ここでは説明を省略する。
【0026】
インバータ1についてもコンバータ10のコンバータ制御回路14と同様にインバータ制御回路(図示せず)が設けられている。
【0027】
図4はコンバータ10の主回路を示すもので、以下のような素子等のアームがブリッジ接続され、その入力側に商用電源7が接続され、また出力側に正極P及び負極Nを備えている。正極Pにはスイッチング素子31a,31c,31eのコレクタが各々接続され、各スイッチング素子には各々逆並列にダイオード32a,32c,32eが接続されている。負極Nにはスイッチング素子31b,31d,31fのコレクタが各々接続され、各スイッチング素子には各々逆並列にダイオード32b,32d,32fが接続されている。正極P及び負極Nの間に、直流コンデンサ11が接続され、正極P及び負極N並びに直流コンデンサ11の両端からコンバータ出力33が得られるようになっている。
【0028】
ゲート駆動回路34にはゲート信号28が入力されている。各スイッチング素子32には個別または一括にスイッチング時のサージ電圧抑制用のスナバ回路が設けられているがここでは説明を簡単にするため省略している。ゲート信号28に対し、ゲート駆動回路34は上下直列に接続されたスイッチング素子、例えば31a,31bなどが同時にオンすることを防止する(デッドタイム)を生成したり、各スナバ回路の充放電の期間を確保したりする。コンバータ10はパルス幅変調(PWM)により直流コンデンサ11の直流電圧を制御することにより、電力蓄積要素である蓄電池12を充電する。
【0029】
図5は、コンバータ制御回路14内の直流電圧制御回路15の一構成例である。直流電圧指令(直流電圧基準信号)35は、インバータ1が所望の電圧出力できるように一定の電圧指令を出力する。電力蓄積要素である蓄電池12の特性に合わせて、各種の直流電圧指令を設定する回路を設けることもあるが、ここでは説明を簡単にするため省略している。
【0030】
直流電圧指令35と前述の直流電圧検出器13からの直流電圧検出信号16との差分が差分検出器37で求められ、この差分がPI制御回路36に入力され、PI制御回路36の出力として入力電流振幅基準21が得られる。
【0031】
なお、本例では電圧制御としてPI制御を用いた例としているが、PID制御やI−P制御その他の一般的な制御手法や現代制御理論などを用いた制御回路でもよいことは言うまでもない。
【0032】
図6はコンバータ制御回路14内の入力電流制御回路20の一構成例である。入力電流振幅基準21と、PLL回路19の出力であるコンバータ基準位相22a〜22cとは乗算器41a〜41cに接続されている。乗算器41a〜41cの出力はU相、V相、W相の交流入力電流基準となる。交流入力電流基準は入力電流検出信号24との差分を各々とられ、P制御回路42a〜42cに各々入力される。
【0033】
図6において、P制御回路42a〜42cは入力電流検出信号24が入力電流基準に追従するように制御を行う。なお、本例では電圧制御としてP制御を用いた例としているが、PID制御やI−P制御その他の一般的な制御手法や現代制御理論などを用いた制御回路でもよいことは言うまでもない。特に、高速化や安定化を図る意味で入力電流の後段または前段あるいは並列に、入力電圧などのオフセットを付加することがあってもよい。ここでは、後段に入力電圧検出信号23を各相毎に加算して、入力電圧指令26としている。また、本構成例は1相毎に個別に制御を行う構成であるが、公知のd−q軸理論を用いて、3相の電流、電圧を振幅成分と位相成分に分けた制御回路で構成であってもよい。
【0034】
図7はコンバータ制御回路14内のゲート制御回路27の一構成例である。入力電流制御回路20からの各入力電圧指令26と各キャリア発生回路43からの信号は、それぞれオペアンプ44a〜44cに入力される。オペアンプ44aは、入力電圧指令26とキャリア発生回路43からの信号の差分を求める減算器44a1と前記差分を増幅する増幅器44a2を備え、同様にオペアンプ44bは、入力電圧指令26とキャリア発生回路43からの信号の差分を求める減算器44b1と前記差分を増幅する増幅器44b2を備え、オペアンプ44cは、入力電圧指令26とキャリア発生回路43からの信号の差分を求める減算器44c1と前記差分を増幅する増幅器44c2を備えている。オペアンプ44a〜44cの出力はゲート信号出力回路45a〜45cに入力される。ゲート信号出力回路45a〜45cの出力は信号切換回路46の一方の入力となる。もう一方は出力オフとなっており、本信号切換には、停電検出回路18の出力である停電検出信号29を用いている。信号切換回路45の出力はゲート信号28となる。本構成例は、一般的に言われる三角波比較方式を示した一例である。ゲートパルスの発生手法は特に限定しない。
【0035】
図8は本実施形態で用いる入力電流制御回路25の一構成例である。コンバータ相順入替信号52がオンのときは、コンバータ基準位相22,入力電圧検出信号23及び入力電流検出信号24の相順(V相とW相)を入れ替える構成となっている
図9は本実施形態で用いるゲート制御回路27の一構成例である。コンバータ相順入替信号52がオンのときは、ゲート信号28の相順(V相とW相)を入れ替える構成となっている。
【0036】
図10は相回転異常検出回路51の動作例を説明するための図で、(1)は交流入力電圧の一つのa相(例えばU相)を入力電圧の波形を示し、(2)はa相検出信号で、(1)の負の期間をオンとする。(3)は交流入力電圧もう一つのb相(前記の相がU相であれば例えばV相)を示し、(4)はb相検出信号で、(3)の負から正に変化するゼロクロス点から1ms程度をオンとする。(5)は相回転が正常ときの相回転検出信号であり、(6)はb相検出信号が相回転が異常のときであり、(7)は相回転が異常のときの相回転異常検出信号である。(8)は、各相における相回転が正常な場合の状態と、相回転が異常な場合の状態を示している。
【0037】
図11は本実施形態で用いる相回転異常検出回路51の動作タイミング例である。
【0038】
図11の(1)に示すように切換回路3に有する接触器4により電力変換装置の交流電源入力を商用電源7から自家発電源設備60に切り換える場合、コンバータ10は一度停電を検出する。このとき、コンバータ10は停止するが、復電後、相順が異なる状態で自家発電源設備60が接続されていた場合、まず始めに図11の(3)に示す電圧健全信号57が復帰(健全)となり、その後相回転異常検出回路51のDラッチ出力56が異常(オン)となり、コンバータ相順入替信号52がオンとなる。最後に停電検出信号29が復帰(健全)となることで、再度コンバータ10が動作を始める。したがってコンバータ10の動作の前に相回転異常を検出することで、コンバータ10の動作前に相順を変更することができる。
【0039】
電力変換装置の交流電源入力を商用電源7から発電機58に切り換える場合、コンバータ10は一度停電を検出する。このとき、コンバータは停止するが、復電後、相順が異なる状態で発電機58が接続されていた場合、まず始めに図11の(3)に示すように電圧健全信号57が復帰(健全)となり、その後位相異常検出回路のDラッチ回路出力56が異常(オン)となり、図11の(4)に示すようにコンバータ相順入替信号52がオンとなる。最後に図11の(5)に示すように停電検出信号29が復帰(健全)となることで、再度コンバータが動作を始める。したがってコンバータ動作の前に相回転異常を検出することで、コンバータ動作前に相順を変更することができる。
【0040】
以上述べた実施形態では、上位系統の相回転異常を検出することにより、電力変換装置を構成するコンバータ制御回路14内の入力信号の相順を入れ替えることで、コンバータ制御を健全に行わせ、コンバータ制御出力を出力相順に合わせることで、コンバータ制御出力を相回転異常状態でも健全な形で出力させることができる。
【0041】
以上述べた実施形態は、次のようにしても同様に実施できる。
【0042】
1)前述したコンバータ及びインバータを備えた電力変換装置に限らず、商用電源からの交流電力を電力変換して負荷に供給する電力変換器と、前記商用電源の相回転を検出する相回転検出回路と、前記相回転検出回路の出力により前記電力変換器の入力及び出力の相回転を変更する相回転変更回路とを備えた電力変換装置であってもよい。
【0043】
2)前述したコンバータ及びインバータを備えた電力変換装置に限らず、商用電源から供給される交流電力を直流電力に変換するコンバータと、前記コンバータの電流が電流振幅基準に一致するように前記コンバータの出力電圧指令を作成する電流制御手段と、前記電流制御手段からのコンバータ出力指令に基づき、前記コンバータを構成するスイッチング素子のゲートを制御するゲート制御回路を有した直流出力型の電力変換装置において、前記商用電源の相回転を検出する相回転検出回路と、前記相回転検出回路の出力によりコンバータ制御回路の入力とコンバータゲート出力を変更する回路とを備えた電力変換装置であってもよい。
【0044】
3)前述の回転検出回路は、クロック信号のタイミングで前記商用電源の入力電圧信号があれば出力をラッチするラッチ回路と、前記商用電源の入力電圧健全信号と前記ラッチ回路の出力の論理積が成立したとき相順入替信号を出力するものであるが、相回転検出回路は、前記商用電源の電圧信号を入力し、dq変換を行い、d軸に生じる2次振動により相順の異常を検出するものであってもよい。
【符号の説明】
【0045】
1…インバータ、2…インバータトランス、3…切換回路、4… 接触器、5…半導体スイッチ、6…負荷、7…商用電源、8…交流フィルタ、9…系統連系用リアクトル、10…コンバータ、11…直流コンデンサ、12…蓄電池、13…直流電圧検出器、14…コンバータ制御回路、15…直流電圧制御回路、16…直流電圧検出信号、17…交流電圧検出回路、18…停電検出回路、19…PLL回路、20…入力電流制御回路、21…入力電流振幅基準、22…コンバータ基準位相、23…入力電圧検出信号、24…入力電流検出信号、25…交流電流検出回路、26…入力電圧指令、27…ゲート制御回路、28…コンバータ10のゲート信号、29…停電検出信号、31…スイッチング素子、32…ダイオード、33…コンバータ出力、34…ゲート駆動回路、35…直流電圧基準信号、36…PI制御回路、41…乗算器、42…P制御回路、43…キャリア発生回路、44…オペアンプ、45…ゲート信号出力回路、46…信号切換回路、51…相回転異常検出回路、52…コンバータ相順入替信号、53…Dラッチ回路、54…クロック入力、55…Dラッチ入力、56…Dラッチ出力、57…入力電圧健全信号、58…論理積回路、59…相順入替回路。
【技術分野】
【0001】
本実施形態は、商用電源からの交流電力を電力変換して負荷に供給するする電力変換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の無停電電源装置は、商用電源から交流フィルタを介して供給される交流電力を直流電力に変換するコンバータと、コンバータにより変換された直流電力を交流電力に変換して負荷へ供給するインバータと、インバータの入力側に接続された蓄電池と、負荷への電力供給を前記商用電源側またはインバータ側のいずれかに切り換える切換回路と、コンバータの電流が電流振幅基準に一致するようにコンバータの出力電圧指令を作成する電流制御手段と、電流制御手段からのコンバータ出力指令に基づき、コンバータを構成するスイッチング素子のゲートを制御するゲート制御回路を有している。
【0003】
そして常時は、商用電源からコンバータにより所望の直流電圧源に変換され、この直流電圧源を入力とするインバータが所望の電圧を出力することによって電力変換装置から負荷への給電が行われる。
【0004】
交流入力停電等の交流入力異常時は、交流入力の異常を検出してコンバータを停止させ、蓄電池のような直流電圧源を構成できるものからインバータへの電力を供給し、負荷への給電を継続する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002―27684号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、従来の電力変換装置では例えば配線の接続違いにより商用電源の相回転が異なっていた場合、コンバータ制御系が不安定になり、直流定電圧制御機能や入力力率“1”を維持できない可能性があるため、装置を保護停止もしくは直流電源がある場合は直流電源を入力としたインバータ給電を継続する形であった。
【0007】
このため、交流電源としてはエネルギーを有している状態にもかかわらず、相回転異常をした状態では装置保護の観点から直流運転を継続してしまうため、直流電源が喪失してしまうと負荷給電が停止してしまうことがあった。
【0008】
本実施形態は、上記欠点を除去するためになされたもので、商用電源の相回転が異なっていても入力系統からの電源供給を可能とする電力変換装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
実施形態の代表的な電力変換装置は、商用電源から供給される交流電力を直流電力に変換するコンバータと、前記コンバータの電流が電流振幅基準に一致するように前記コンバータの出力電圧指令を作成する電流制御手段と、前記電流制御手段からのコンバータ出力指令に基づき、前記コンバータを構成するスイッチング素子のゲートを制御するゲート制御回路を有した直流出力型の電力変換装置において、前記商用電源の相回転を検出する相回転検出回路と、前記相回転検出回路の出力によりコンバータ制御回路の入力とコンバータゲート出力を変更する回路とを備えたものである。
【0010】
実施形態の代表的な電力変換装置によれば、商用電源の相回転が異なっていても入力系統からの電源供給が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本実施形態における電力変換装置の構成を示すブロック図。
【図2】図1のコンバータ制御回路を説明するためのブロック図。
【図3】図2の相回転異常検出回路を説明するための図。
【図4】図1のコンバータの主回路を説明するための図。
【図5】図2の直流電圧制御回路を説明するための図。
【図6】図2の交流電流検出回路を説明するための図。
【図7】図2のゲート制御回路を説明するための図。
【図8】図2の交流電流検出回路の動作を説明するための図。
【図9】図2の入力電流制御回路の動作を説明するための図。
【図10】図2の相回転異常検出回路の動作を説明するための図。
【図11】図2の相回転異常検出回路の動作を説明するための図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は本実施形態の電力変換装置の第1の例を示すもので、インバータ1の出力はインバータトランス2の1次巻線に接続され、インバータトランス2の2次巻線は本電力変換装置の出力となり、切換回路3に接続されている。切換回路3は接触器4と半導体スイッチ5から構成されており、負荷6への電力供給を電力変換装置と商用電源7のいずれかを切り換えるために用いる。
【0013】
ここでは、切換回路3は接触器4と半導体スイッチ5で構成されているが、いずれか一方だけでも構わない。また、インバータトランス2の無い構成でも構わない。
【0014】
インバータ1の入力側には、商用電源7からの交流電力を交流フィルタ8と系統連系用リアクトル9とを介して入力し直流電力を出力するコンバータ10と、コンバータ10の出力を平滑化する直流コンデンサ11と、交流入力停電等の交流入力異常時における電圧源となる蓄電池12が接続されている。交流フィルタ8は、コンバータ10で発生する高調波を商用電源7に回生させないために設けられている。
【0015】
そして常時は、商用電源7からコンバータ10により所望の直流電圧源に変換され、この直流電圧源を入力とするインバータ1が所望の交流電圧を出力する、いわゆる電力変換装置によって負荷6への交流電力の給電が行われる。
【0016】
交流入力停電等の交流入力異常時は、交流入力の異常を検出してコンバータ10を停止させ、蓄電池12のような直流電圧源を構成できるものからインバータ1への電力を供給し、負荷6への給電を継続する。
【0017】
次に図2によりコンバータ制御回路14について説明する。
【0018】
直流コンデンサ等の直流電圧を測定する直流電圧検出器13の出力である、直流電圧検出信号16は、コンバータ制御回路14に入力され、コンバータ制御回路14内の直流電圧制御回路15に直流電圧フィードバックとして入力される。また、コンバータ制御回路14には、交流入力電圧を検出する交流電圧検出回路17の出力に基づいて交流入力停電等の交流入力異常を検出する停電検出回路18及びPLL回路19とが接続される。
【0019】
入力電流制御回路20の入力には、以下に述べる信号が入力される。すなわち、直流電圧制御回路15の出力である入力電流振幅基準21が、PLL回路19の出力であるコンバータ基準位相22が、入力電圧フィードバックとして交流電圧検出器17の入力電圧検出信号23が、入力電流フィードバックとして電流検出器25の入力電流検出信号24が、それぞれ入力される。
【0020】
入力電流制御回路20において求められる入力電圧指令26は、ゲート制御回路27に入力されると共に、ゲート制御回路27に後述する停電検出信号29及びコンバータ相順入替信号が入力され、ゲート制御回路27において求められるコンバータ10のゲート信号28が出力される。
【0021】
図2において、直流電圧制御回路15は、電力変換装置が本来出力すべき電圧相当の出力をインバータが出力できるように入力電流振幅基準21を出力する。入力電流制御回路20は電流検出器25によって検出された入力電流検出信号24が入力電流振幅基準21と等しくなり、かつPLL回路19によって検出されたコンバータ基準位相22と等しくなるように制御を行い、入力電圧指令26を出力する。ゲート制御回路27はコンバータ10の出力が入力電圧指令26に一致するようにゲート信号28を出力する。
【0022】
以上述べたコンバータ制御回路14に、次に述べる相回転異常検出回路51が付加されている。相回転異常検出回路51は、交流電圧検出回路17からの出力である入力電圧検出信号(交流入力電圧、コンバータ入力)23及び停電検出回路18からの入力電圧健全信号57を入力し、相回転異常検出回路51は出力としてコンバータ相順入替信号52を入力電流制御回路20及びゲート制御回路27にそれぞれ入力されるようになっている。
【0023】
図3は相回転異常検出回路51の具体例を示すもので、Dラッチ回路53と論理積回路58からなり、Dラッチ回路53は、クロック入力端子CLKにクロック信号54のタイミングでラッチ入力端子Dに入力信号55があれば、出力端子Qからラッチ出力を出力せず、これ以外のとき出力端子Qからラッチ出力を出力する。Dラッチ入力55とクロック入力54は、後述するように前記入力電圧検出信号23から得られ、Dラッチ回路53のDラッチ出力56及び入力電圧健全信号57が論理積回路58に入力されている。この結果、Dラッチ出力56及び入力電圧健全信号57が共に存在したとき論理積回路58からの出力としてコンバータ相順入替信号52が得られる。
【0024】
ここで、Dラッチ回路53のクロック入力54として入力電圧検出信号23の一つのa相(例えばU相)を入力し、もう一つの他のb相(前記の相がU相であれば例えばV相)をDラッチ入力55としている。これにより、交流入力電圧のU相とV相があらかじめ決められた時間(位相)内であることを検出し、あらかじめ決められた時間を超えた場合(本構成では180度:50Hzの場合10ms)、すなわち交流入力電圧の相順が正しくないと検知した場合Dラッチ回路の出力56がオンとなる。Dラッチ出力56と停電検出回路18の出力である入力電圧健全信号57は論理積回路58の入力となり、論理積回路58の出力はコンバータ相順入替信号52となっている。
【0025】
また、図1のコンバータ10には蓄電池12を充電するための充電電流制御回路(図示しない)が設けられているが、ここでは説明を省略する。
【0026】
インバータ1についてもコンバータ10のコンバータ制御回路14と同様にインバータ制御回路(図示せず)が設けられている。
【0027】
図4はコンバータ10の主回路を示すもので、以下のような素子等のアームがブリッジ接続され、その入力側に商用電源7が接続され、また出力側に正極P及び負極Nを備えている。正極Pにはスイッチング素子31a,31c,31eのコレクタが各々接続され、各スイッチング素子には各々逆並列にダイオード32a,32c,32eが接続されている。負極Nにはスイッチング素子31b,31d,31fのコレクタが各々接続され、各スイッチング素子には各々逆並列にダイオード32b,32d,32fが接続されている。正極P及び負極Nの間に、直流コンデンサ11が接続され、正極P及び負極N並びに直流コンデンサ11の両端からコンバータ出力33が得られるようになっている。
【0028】
ゲート駆動回路34にはゲート信号28が入力されている。各スイッチング素子32には個別または一括にスイッチング時のサージ電圧抑制用のスナバ回路が設けられているがここでは説明を簡単にするため省略している。ゲート信号28に対し、ゲート駆動回路34は上下直列に接続されたスイッチング素子、例えば31a,31bなどが同時にオンすることを防止する(デッドタイム)を生成したり、各スナバ回路の充放電の期間を確保したりする。コンバータ10はパルス幅変調(PWM)により直流コンデンサ11の直流電圧を制御することにより、電力蓄積要素である蓄電池12を充電する。
【0029】
図5は、コンバータ制御回路14内の直流電圧制御回路15の一構成例である。直流電圧指令(直流電圧基準信号)35は、インバータ1が所望の電圧出力できるように一定の電圧指令を出力する。電力蓄積要素である蓄電池12の特性に合わせて、各種の直流電圧指令を設定する回路を設けることもあるが、ここでは説明を簡単にするため省略している。
【0030】
直流電圧指令35と前述の直流電圧検出器13からの直流電圧検出信号16との差分が差分検出器37で求められ、この差分がPI制御回路36に入力され、PI制御回路36の出力として入力電流振幅基準21が得られる。
【0031】
なお、本例では電圧制御としてPI制御を用いた例としているが、PID制御やI−P制御その他の一般的な制御手法や現代制御理論などを用いた制御回路でもよいことは言うまでもない。
【0032】
図6はコンバータ制御回路14内の入力電流制御回路20の一構成例である。入力電流振幅基準21と、PLL回路19の出力であるコンバータ基準位相22a〜22cとは乗算器41a〜41cに接続されている。乗算器41a〜41cの出力はU相、V相、W相の交流入力電流基準となる。交流入力電流基準は入力電流検出信号24との差分を各々とられ、P制御回路42a〜42cに各々入力される。
【0033】
図6において、P制御回路42a〜42cは入力電流検出信号24が入力電流基準に追従するように制御を行う。なお、本例では電圧制御としてP制御を用いた例としているが、PID制御やI−P制御その他の一般的な制御手法や現代制御理論などを用いた制御回路でもよいことは言うまでもない。特に、高速化や安定化を図る意味で入力電流の後段または前段あるいは並列に、入力電圧などのオフセットを付加することがあってもよい。ここでは、後段に入力電圧検出信号23を各相毎に加算して、入力電圧指令26としている。また、本構成例は1相毎に個別に制御を行う構成であるが、公知のd−q軸理論を用いて、3相の電流、電圧を振幅成分と位相成分に分けた制御回路で構成であってもよい。
【0034】
図7はコンバータ制御回路14内のゲート制御回路27の一構成例である。入力電流制御回路20からの各入力電圧指令26と各キャリア発生回路43からの信号は、それぞれオペアンプ44a〜44cに入力される。オペアンプ44aは、入力電圧指令26とキャリア発生回路43からの信号の差分を求める減算器44a1と前記差分を増幅する増幅器44a2を備え、同様にオペアンプ44bは、入力電圧指令26とキャリア発生回路43からの信号の差分を求める減算器44b1と前記差分を増幅する増幅器44b2を備え、オペアンプ44cは、入力電圧指令26とキャリア発生回路43からの信号の差分を求める減算器44c1と前記差分を増幅する増幅器44c2を備えている。オペアンプ44a〜44cの出力はゲート信号出力回路45a〜45cに入力される。ゲート信号出力回路45a〜45cの出力は信号切換回路46の一方の入力となる。もう一方は出力オフとなっており、本信号切換には、停電検出回路18の出力である停電検出信号29を用いている。信号切換回路45の出力はゲート信号28となる。本構成例は、一般的に言われる三角波比較方式を示した一例である。ゲートパルスの発生手法は特に限定しない。
【0035】
図8は本実施形態で用いる入力電流制御回路25の一構成例である。コンバータ相順入替信号52がオンのときは、コンバータ基準位相22,入力電圧検出信号23及び入力電流検出信号24の相順(V相とW相)を入れ替える構成となっている
図9は本実施形態で用いるゲート制御回路27の一構成例である。コンバータ相順入替信号52がオンのときは、ゲート信号28の相順(V相とW相)を入れ替える構成となっている。
【0036】
図10は相回転異常検出回路51の動作例を説明するための図で、(1)は交流入力電圧の一つのa相(例えばU相)を入力電圧の波形を示し、(2)はa相検出信号で、(1)の負の期間をオンとする。(3)は交流入力電圧もう一つのb相(前記の相がU相であれば例えばV相)を示し、(4)はb相検出信号で、(3)の負から正に変化するゼロクロス点から1ms程度をオンとする。(5)は相回転が正常ときの相回転検出信号であり、(6)はb相検出信号が相回転が異常のときであり、(7)は相回転が異常のときの相回転異常検出信号である。(8)は、各相における相回転が正常な場合の状態と、相回転が異常な場合の状態を示している。
【0037】
図11は本実施形態で用いる相回転異常検出回路51の動作タイミング例である。
【0038】
図11の(1)に示すように切換回路3に有する接触器4により電力変換装置の交流電源入力を商用電源7から自家発電源設備60に切り換える場合、コンバータ10は一度停電を検出する。このとき、コンバータ10は停止するが、復電後、相順が異なる状態で自家発電源設備60が接続されていた場合、まず始めに図11の(3)に示す電圧健全信号57が復帰(健全)となり、その後相回転異常検出回路51のDラッチ出力56が異常(オン)となり、コンバータ相順入替信号52がオンとなる。最後に停電検出信号29が復帰(健全)となることで、再度コンバータ10が動作を始める。したがってコンバータ10の動作の前に相回転異常を検出することで、コンバータ10の動作前に相順を変更することができる。
【0039】
電力変換装置の交流電源入力を商用電源7から発電機58に切り換える場合、コンバータ10は一度停電を検出する。このとき、コンバータは停止するが、復電後、相順が異なる状態で発電機58が接続されていた場合、まず始めに図11の(3)に示すように電圧健全信号57が復帰(健全)となり、その後位相異常検出回路のDラッチ回路出力56が異常(オン)となり、図11の(4)に示すようにコンバータ相順入替信号52がオンとなる。最後に図11の(5)に示すように停電検出信号29が復帰(健全)となることで、再度コンバータが動作を始める。したがってコンバータ動作の前に相回転異常を検出することで、コンバータ動作前に相順を変更することができる。
【0040】
以上述べた実施形態では、上位系統の相回転異常を検出することにより、電力変換装置を構成するコンバータ制御回路14内の入力信号の相順を入れ替えることで、コンバータ制御を健全に行わせ、コンバータ制御出力を出力相順に合わせることで、コンバータ制御出力を相回転異常状態でも健全な形で出力させることができる。
【0041】
以上述べた実施形態は、次のようにしても同様に実施できる。
【0042】
1)前述したコンバータ及びインバータを備えた電力変換装置に限らず、商用電源からの交流電力を電力変換して負荷に供給する電力変換器と、前記商用電源の相回転を検出する相回転検出回路と、前記相回転検出回路の出力により前記電力変換器の入力及び出力の相回転を変更する相回転変更回路とを備えた電力変換装置であってもよい。
【0043】
2)前述したコンバータ及びインバータを備えた電力変換装置に限らず、商用電源から供給される交流電力を直流電力に変換するコンバータと、前記コンバータの電流が電流振幅基準に一致するように前記コンバータの出力電圧指令を作成する電流制御手段と、前記電流制御手段からのコンバータ出力指令に基づき、前記コンバータを構成するスイッチング素子のゲートを制御するゲート制御回路を有した直流出力型の電力変換装置において、前記商用電源の相回転を検出する相回転検出回路と、前記相回転検出回路の出力によりコンバータ制御回路の入力とコンバータゲート出力を変更する回路とを備えた電力変換装置であってもよい。
【0044】
3)前述の回転検出回路は、クロック信号のタイミングで前記商用電源の入力電圧信号があれば出力をラッチするラッチ回路と、前記商用電源の入力電圧健全信号と前記ラッチ回路の出力の論理積が成立したとき相順入替信号を出力するものであるが、相回転検出回路は、前記商用電源の電圧信号を入力し、dq変換を行い、d軸に生じる2次振動により相順の異常を検出するものであってもよい。
【符号の説明】
【0045】
1…インバータ、2…インバータトランス、3…切換回路、4… 接触器、5…半導体スイッチ、6…負荷、7…商用電源、8…交流フィルタ、9…系統連系用リアクトル、10…コンバータ、11…直流コンデンサ、12…蓄電池、13…直流電圧検出器、14…コンバータ制御回路、15…直流電圧制御回路、16…直流電圧検出信号、17…交流電圧検出回路、18…停電検出回路、19…PLL回路、20…入力電流制御回路、21…入力電流振幅基準、22…コンバータ基準位相、23…入力電圧検出信号、24…入力電流検出信号、25…交流電流検出回路、26…入力電圧指令、27…ゲート制御回路、28…コンバータ10のゲート信号、29…停電検出信号、31…スイッチング素子、32…ダイオード、33…コンバータ出力、34…ゲート駆動回路、35…直流電圧基準信号、36…PI制御回路、41…乗算器、42…P制御回路、43…キャリア発生回路、44…オペアンプ、45…ゲート信号出力回路、46…信号切換回路、51…相回転異常検出回路、52…コンバータ相順入替信号、53…Dラッチ回路、54…クロック入力、55…Dラッチ入力、56…Dラッチ出力、57…入力電圧健全信号、58…論理積回路、59…相順入替回路。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商用電源からの交流電力を電力変換して負荷に供給する電力変換器と、
前記商用電源の相回転を検出する相回転検出回路と、
前記相回転検出回路の出力により前記電力変換器の入力及び出力の相回転を変更する相回転変更回路と、
を備えたことを特徴とする電力変換装置。
【請求項2】
商用電源から供給される交流電力を直流電力に変換するコンバータと、
前記コンバータにより変換された直流電力を交流電力に変換して負荷へ供給するインバータと、
前記インバータの入力側に接続された蓄電池と、
前記負荷への電力供給を前記商用電源側またはインバータ側のいずれかに切り換える切換回路と、
前記コンバータの電流が電流振幅基準に一致するように前記コンバータの出力電圧指令を作成する電流制御回路と、
前記電流制御回路からのコンバータ出力指令に基づき、前記コンバータを構成するスイッチング素子のゲートを制御するゲート制御回路を有した電力変換装置において、
前記商用電源の相回転を検出する相回転検出回路と、
前記相回転検出回路の出力によりコンバータ制御回路の入力とコンバータゲート出力を変更する回路とを
備えたことを特徴とする電力変換装置。
【請求項3】
商用電源から供給される交流電力を直流電力に変換するコンバータと、
前記コンバータの電流が電流振幅基準に一致するように前記コンバータの出力電圧指令を作成する電流制御回路と、
前記電流制御回路からのコンバータ出力指令に基づき、前記コンバータを構成するスイッチング素子のゲートを制御するゲート制御回路を有した直流出力型の電力変換装置において、
前記商用電源の相回転を検出する相回転検出回路と、
前記相回転検出回路の出力によりコンバータ制御回路の入力とコンバータゲート出力を変更する回路とを
備えたことを特徴とする電力変換装置。
【請求項4】
前記相回転検出回路は、クロック信号のタイミングで前記商用電源の入力電圧信号があれば出力をラッチするラッチ回路と、前記商用電源の入力電圧健全信号と前記ラッチ回路の出力の論理積が成立したとき相順入替信号を出力することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の電力変換装置。
【請求項5】
前記相回転検出回路は、前記商用電源の電圧信号を入力し、dq変換を行い、d軸に生じる2次振動により相順の異常を検出することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の電力変換装置。
【請求項1】
商用電源からの交流電力を電力変換して負荷に供給する電力変換器と、
前記商用電源の相回転を検出する相回転検出回路と、
前記相回転検出回路の出力により前記電力変換器の入力及び出力の相回転を変更する相回転変更回路と、
を備えたことを特徴とする電力変換装置。
【請求項2】
商用電源から供給される交流電力を直流電力に変換するコンバータと、
前記コンバータにより変換された直流電力を交流電力に変換して負荷へ供給するインバータと、
前記インバータの入力側に接続された蓄電池と、
前記負荷への電力供給を前記商用電源側またはインバータ側のいずれかに切り換える切換回路と、
前記コンバータの電流が電流振幅基準に一致するように前記コンバータの出力電圧指令を作成する電流制御回路と、
前記電流制御回路からのコンバータ出力指令に基づき、前記コンバータを構成するスイッチング素子のゲートを制御するゲート制御回路を有した電力変換装置において、
前記商用電源の相回転を検出する相回転検出回路と、
前記相回転検出回路の出力によりコンバータ制御回路の入力とコンバータゲート出力を変更する回路とを
備えたことを特徴とする電力変換装置。
【請求項3】
商用電源から供給される交流電力を直流電力に変換するコンバータと、
前記コンバータの電流が電流振幅基準に一致するように前記コンバータの出力電圧指令を作成する電流制御回路と、
前記電流制御回路からのコンバータ出力指令に基づき、前記コンバータを構成するスイッチング素子のゲートを制御するゲート制御回路を有した直流出力型の電力変換装置において、
前記商用電源の相回転を検出する相回転検出回路と、
前記相回転検出回路の出力によりコンバータ制御回路の入力とコンバータゲート出力を変更する回路とを
備えたことを特徴とする電力変換装置。
【請求項4】
前記相回転検出回路は、クロック信号のタイミングで前記商用電源の入力電圧信号があれば出力をラッチするラッチ回路と、前記商用電源の入力電圧健全信号と前記ラッチ回路の出力の論理積が成立したとき相順入替信号を出力することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の電力変換装置。
【請求項5】
前記相回転検出回路は、前記商用電源の電圧信号を入力し、dq変換を行い、d軸に生じる2次振動により相順の異常を検出することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の電力変換装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−106368(P2013−106368A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−246434(P2011−246434)
【出願日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【出願人】(501137636)東芝三菱電機産業システム株式会社 (904)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【出願人】(501137636)東芝三菱電機産業システム株式会社 (904)
【Fターム(参考)】
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