説明

電動パワーステアリング装置

【課題】アライメント測定作業及び整備・点検作業におけるステアリングホイール操作の煩わしさを解消することができる電動パワーステアリング装置を提供する。
【解決手段】操作者が車室外から操作を行うことによってモータ制御手段を任意に制御可能な外部操作装置100を備える。外部操作装置100からコントローラ15のRAMへアクセス可能とし、アライメント測定作業におけるキャスター角測定時にステアリングをロックツーロック操作する指令信号を与えたり、アライメント調整作業時にステアリングを中立点に固定する指令信号を与えたりすることで、ステアリング操作を車外から任意に行えるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動パワーステアリング装置に関し、特にステアリング操作を車外から任意に行えるようにする電動パワーステアリング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車の各車輪に赤外線センサを固定し、そのセンサから出力される赤外線により車輪のジオメトリーを測定する4輪アライメント測定器を使用した4輪アライメント測定作業において、キャスター角測定時に、ステアリングホイールを一方向に最大舵角まで切り込んだ状態から他方向の最大舵角まで切り返す、所謂ロックツーロック操作を行う必要がある。
【0003】
従来の電動パワーステアリング装置としては、自動切り返しスイッチがオンされている状態で、車両のシフト位置が前進位置から後退位置に、又は後退位置から前進位置に切り替えられた場合に、運転者によってブレーキペダルが踏まれ、且つ車速が“0”であることを条件として、その時にステアリングホイールが切り込まれている方向とは反対方向の最大舵角までステアリング機構を自動操舵することで、ロックツーロック操作の煩わしさを解消するというものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2000−95124号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記4輪アライメント測定作業においては、作業者は車両外部からステアリングホイールを操作しなければならず、さらに、その際、センサからの赤外線を遮らないようにする必要があり、非常に煩わしい。
また、一般的な整備・点検作業において、車両をリフトアップして、車両下部にてステアリングホイール操作を行うことも考えられるが、このような整備・点検作業においては、作業者が2名必要であったり、リフト操作を繰り返したりする必要がある。
【0005】
そこで、本発明は、アライメント測定作業及び整備・点検作業におけるステアリングホイール操作の煩わしさを解消することができる電動パワーステアリング装置を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、請求項1に係る電動パワーステアリング装置は、操舵系に操舵補助力を付与する電動モータと、該電動モータを駆動制御するモータ制御手段とを備える電動パワーステアリング装置であって、
車室外に設けられ、操作者が操作することによって前記モータ制御手段に対して任意の指令信号を出力し、当該モータ制御手段を任意に制御可能な外部操作手段を備えることを特徴としている。
【0007】
また、請求項2に係る電動パワーステアリング装置は、請求項1に係る発明において、ステアリング機構に入力される操舵トルクを検出する操舵トルク検出手段を有し、前記モータ制御手段は、前記外部操作手段から前記指令信号が入力されているとき、当該指令信号に応じた電流指令値を演算し、前記外部操作手段から前記指令信号が入力されていないとき、少なくとも前記操舵トルク検出手段で検出した操舵トルクに基づいて電流指令値を演算する電流指令値演算手段を備え、該電流指令値演算手段で演算された電流指令値に基づいて前記電動モータを駆動制御することを特徴としている。
【0008】
さらに、請求項3に係る電動パワーステアリング装置は、請求項2に係る発明において、操舵角を検出又は推定する操舵角検出手段と、該操舵角検出手段で検出又は推定した操舵角に基づいてステアリング中立点を検出する中立点検出手段とを有し、前記電流指令値演算手段は、前記外部操作手段からステアリングホイールを中立位置に固定するための指令信号が入力されたとき、前記中立点検出手段で検出したステアリング中立点にてステアリングホイールを固定するための電流指令値を演算することを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る電動パワーステアリング装置によれば、外部操作手段から指令信号を入力することで、車両外部から任意にステアリングホイールを操作することができるので、アライメント測定作業及び一般的な整備・点検作業における作業者のステアリング操作の煩わしさを解消することができるという効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明に係る電動パワーステアリング装置の一実施形態を示す全体構成図である。
図中、符号1は、ステアリングホイールであり、このステアリングホイール1に運転者から作用される操舵力が入力軸2aと出力軸2bとを有するステアリングシャフト2に伝達される。このステアリングシャフト2は、入力軸2aの一端がステアリングホイール1に連結され、他端は操舵トルク検出手段としてのトルクセンサ3を介して出力軸2bの一端に連結されている。
【0011】
そして、出力軸2bに伝達された操舵力は、ユニバーサルジョイント4を介してロアシャフト5に伝達され、さらに、ユニバーサルジョイント6を介してピニオンシャフト7に伝達される。このピニオンシャフト7に伝達された操舵力はステアリングギヤ8を介してタイロッド9に伝達され、図示しない転舵輪を転舵させる。ここで、ステアリングギヤ8は、ピニオンシャフト7に連結されたピニオン8aとこのピニオン8aに噛合するラック8bとを有するラックアンドピニオン形式に構成され、ピニオン8aに伝達された回転運動をラック8bで直進運動に変換している。
【0012】
ステアリングシャフト2の出力軸2bには、操舵補助力を出力軸2bに伝達する操舵補助機構10が連結されている。この操舵補助機構10は、出力軸2bに連結した減速ギヤ11と、この減速ギヤ11に連結されて操舵系に対して操舵補助力を発生する電動モータ12とを備えている。
ここで、減速ギヤ11はウォームギヤ減速機構であり、電動モータ12の駆動軸に連結されたウォームシャフトと、ウォームシャフトに形成されたウォームと噛み合い、ウォームの回転を減速してステアリングシャフト2の出力軸2bに伝達するウォームホイールとを備えている。
【0013】
ウォームホイールには、操舵角検出手段としてのアングルセンサ等で構成される舵角センサ14が配置されており、この操舵角センサ14で検出した舵角検出値δはコントローラ15に入力される。
トルクセンサ3は、ステアリングホイール1に付与されて入力軸2aに伝達された操舵トルクを検出するもので、操舵トルクを入力軸2a及び出力軸2b間に介装した図示しないトーションバーの捩れ角変位に変換し、この捩れ角変位を例えばポテンショメータで検出するように構成されている。このトルクセンサ3から出力されるトルク検出値Tはコントローラ15に入力される。
【0014】
コントローラ15には、舵角検出値δ及びトルク検出値Tの他に、車速センサ16で検出した車速Vも入力される。
このコントローラ15は、図示しないが、各種制御や演算処理を担う演算処理装置(Processing Unit)と、主記憶装置(Main Storage)を構成するRAM(Random Access Memory)とを少なくとも有し、車両外部の外部操作装置100から上記RAMへアクセス可能となっている。
【0015】
外部操作装置100は、パソコンや各メーカーの診断ツール等により構成され、図示しないケーブルを介してコントローラ15に接続可能となっており、操作者が車室外から外部操作装置100を操作することによって、ステアリングホイール1を任意の位置に操作するための指令信号(任意操作信号)やステアリングホイール1を中立位置に固定するための指令信号(中立点固定信号)がコントローラ15に入力される。
【0016】
そして、コントローラ15は、外部操作装置100からの指令信号が入力されていない通常制御時には、演算処理装置で運転者の操舵操作に応じた通常の操舵補助制御処理を実行し、上記指令信号が入力されている外部操作時には、演算処理装置で外部操作装置100からの指令信号に従って操舵補助制御処理を実行する。
具体的には、通常制御時には、操舵トルクT及び車速Vに応じた操舵補助力を電動モータ12で発生するための電流指令値Irefを演算し、その電流指令値Irefとモータ電流検出値Imとで電流フィードバック処理を行って、電動モータ12を駆動制御するようになっている。これにより、運転者の操舵操作に応じた操舵補助力を操舵系に付与することができる。
【0017】
一方、外部操作時には、外部操作装置100から入力される指令信号に応じた電流指令値Irefと、モータ電流検出値Imとで電流フィードバック処理を行って、電動モータ12を駆動制御するようになっている。これにより、ステアリングホイール1に触れることなく、外部操作装置100から任意に操舵操作を行うことができる。
図2は、コントローラ15の構成を示すブロック図である。
【0018】
この図2に示すように、コントローラ15は、電流指令値演算部21と、電流検出部22と、減算部23と、モータ駆動回路24とを備えている。
電流指令値演算部21には、トルクセンサ3で検出した操舵トルクT、操舵角センサ14で検出した操舵角δ、車速センサ16で検出した車速V及び外部操作装置100からの指令信号が入力され、後述する電流指令値演算処理が実行される。そして、その電流指令値演算処理で演算された電流指令値Irefが減算部23に出力される。
【0019】
電流検出部22は、電動モータ12のモータ電流検出値Imを検出し、これを減算部23に出力する。
減算部23では、電流指令値演算部21から出力される電流指令値Irefから、電流検出部22から出力されるモータ電流検出値Imを減算することで電流偏差ΔIを算出し、これをモータ駆動回路24に出力する。
モータ駆動回路24では、減算部23から出力される電流偏差ΔIに対してPI制御を施して電圧指令値を算出し、この電圧指令値に基づいて半導体スイッチング素子で構成されるインバータ回路を作動させて電動モータ12を駆動する。
【0020】
次に、電流指令値演算部21で実行される電流指令値演算処理について説明する。
図3は、電流指令値演算処理手順を示すフローチャートである。この電流指令値演算処理は、所定時間毎に実行され、先ずステップS1で、電流指令値演算部21は、外部操作装置100がON状態にあるか否か、即ち外部操作装置100が車両シャシの所定の接続部に接続され、コントローラ15のRAMにアクセス可能な状態であるか否かを判定する。そして、外部操作装置100がOFF状態あるときにはステップS2に移行し、ON状態であるときには後述するステップS3に移行する。
【0021】
ステップS2では、電流指令値演算部21は、通常の操舵補助制御を実行するための電流指令値Irefを演算し、これを出力してから電流指令値演算処理を終了する。ここでは、トルクセンサ3からトルク検出値Tを読み込むと共に、車速センサ16から車速検出値Vを読み込み、トルク検出値T及び車速検出値Vに応じた操舵補助力を電動モータ12で発生するための電流指令値Irefを公知の手順で算出するものとする。
【0022】
ステップS3では、電流指令値演算部21は、外部操作装置100から入力される中立点固定信号が、ステアリングホイール1の中立点固定を指令するON状態にあるか否かを判定し、中立点固定信号がOFF状態であるときにはステップS4に移行し、ON状態であるときには後述するステップS7に移行する。
ステップS4では、電流指令値演算部21は、外部操作装置100から入力される任意操作信号が、車両外部からのステアリング任意操作を指令するON状態にあるか否かを判定し、任意操作信号がON状態にあるときにはステップS5に移行する。
【0023】
ステップS5では、電流指令値演算部21は、外部操作装置100から入力される任意操作信号に応じた電流指令値Irefを演算し、これを出力してからステップS6に移行する。
一方、前記ステップS4で、任意操作信号がOFF状態にあると判定したときには、そのままステップS6に移行する。
【0024】
ステップS6では、電流指令値演算部21は、外部操作装置100がOFF状態であるか否か、即ち外部操作装置100の接続が切断されたか否かを判定する。そして外部操作装置100が引き続きON状態であるときには前記ステップS3に移行し、OFF状態に移行したときには電流指令値演算処理を終了する。
また、ステップS7では、電流指令値演算部21は、操舵角センサ14から操舵角δを読み込み、操舵角δに基づいてステアリング中立点を推定する。
【0025】
次に、ステップS8に移行して、電流指令値演算部21は、ステアリングホイール1を前記ステップS7で推定した中立位置に制御するための電流指令値Irefを演算し、これを出力してから前記ステップS6に移行する。
なお、図1において、外部操作装置100が外部操作手段に対応し、図2において、電流指令値演算部21が電流指令値演算手段に対応し、図3の処理において、ステップS7が中立点検出手段に対応している。
【0026】
次に、本実施形態の動作及び効果について説明する。
車輪アライメント測定作業時において、キャスター角測定のために、ステアリングホイール1を一方向に最大舵角まで切り込んだ状態から他方向の最大舵角まで切り返す所謂ロックツーロック操作を行うべく、作業者が外部操作装置100を操作して、一方の最大舵角まで操舵する任意操作信号をコントローラ15に出力したものとする。
【0027】
この場合、電流指令値演算部21は、図3に示す電流指令値演算処理を実行し、ステップS1で外部操作装置100がON状態であると判定してステップS3に移行する。このとき、中立点固定信号はOFF状態であり、任意操作信号はON状態であるため、ステップS3でNo、ステップS4でYesと判定してステップS5に移行する。そして、ステップS5では、上記任意操作信号に応じて、ステアリングホイール1を一方の最大舵角まで操作するための電流指令値Irefを算出する。
【0028】
これにより、図2の減算部23では、上記ステップS5で演算された電流指令値Irefとその時のモータ電流検出値Imとの電流偏差ΔIを算出し、モータ駆動回路24で、その電流偏差ΔIに応じて電動モータ12を駆動制御する。これにより、ステアリングホイール1は、一方の最大舵角まで任意操舵される。
その後、作業者が外部操作装置100を操作して、他方の最大舵角まで操舵する任意操作信号をコントローラ15に出力すると、電流指令値演算部21は、図3のステップS5で、上記任意操作信号に応じて、ステアリングホイール1を他方の最大舵角まで操作するための電流指令値Irefを算出する。これにより、ステアリングホイール1は、他方の最大舵角まで任意操舵される。
【0029】
また、整備・点検作業を行うべく、作業者が外部操作装置100を操作して、任意の舵角まで操舵する任意操作信号をコントローラ15に出力したものとすると、電流指令値演算部21は、図3のステップS1で外部操作装置100がON状態であると判定してステップS3に移行する。このとき、中立点固定信号はOFF状態であり、任意操作信号はON状態であるため、ステップS3でNo、ステップS4でYesと判定してステップS5に移行する。そして、ステップS5では、上記任意操作信号に応じて、ステアリングホイール1を任意舵角まで操作するための電流指令値Irefを算出する。
これにより、ステアリングホイール1は、任意の舵角まで任意操舵される。
【0030】
ところで、車輪のジオメトリーを測定する車輪アライメント測定作業において、キャスター角測定時にはステアリングのロックツーロック操作を行う必要があるが、従来の車輪アライメント測定作業においては、作業者は車両外部からステアリングホイールを操作しなければならず、さらに、その際、車輪にセットしたセンサからの赤外線を遮らないようにする必要があり、非常に煩わしい。
【0031】
また、一般的な整備・点検作業において、車両をリフトアップして、車両下部にてステアリングホイール操作を行うことも考えられるが、このような整備・点検作業においては、作業者が2名必要であったり、リフト操作を繰り返したりする必要がある。
これに対して、本実施形態では、外部操作装置100を用いて車外から任意にステアリング操作を行うことができるので、アライメント測定作業及び整備・点検作業における煩わしさを確実に解消することができる。
【0032】
また、アライメント調整作業では、その特性上ステアリングホイールを中立点に固定する必要性がある。従来のアライメント調整作業においては、目視にてステアリングホイールの中立位置を決めなければならず、正確な中立点を検出し、固定するのは困難であった。
これに対して、本実施形態では、外部操作装置100から中立点固定指令が入力された場合に、操舵角センサ14で検出した操舵角δに基づいてステアリングホイール1の中立点を検出すると共に、電動モータ12を制御することでステアリング位置制御を行って、中立点にてステアリングホイール1を固定するようにする。
【0033】
すなわち、作業者がアライメント調整作業を行うべく、外部操作装置100を操作してステアリングホイール1を中立点で固定する中立点固定信号をコントローラ15に出力したものとすると、電流指令値演算部21は、図3のステップS3でYesと判定してステップS7に移行する。そして、操舵角センサ14で検出した操舵角δをもとにステアリング中立位置を推定し、ステップS8で、ステアリング中立位置までステアリング操作するための電流指令値Irefを算出する。これにより、ステアリングホイール1は、中立位置まで任意操舵され、その位置で固定される。
【0034】
このように、外部操作装置100から中立点固定指令が入力されたときには、操舵角センサ14を用いてステアリング中立点を検出するので、正確な中立点を検出することができる。また、当該中立点までステアリングホイール1を任意操舵し、その位置で固定するので、作業者のステアリング操作の煩わしさを解消することができる。
また、外部操作装置100が非接続状態であり、当該外部操作装置100からコントローラ15へ指令信号が入力されていない場合には、電流指令値演算部21は、図3のステップS1でNoと判定してステップS2に移行し、トルク検出値T及び車速Vに応じた電流指令値Irefを算出する。これにより、運転者による操舵操作に応じた操舵補助力を操舵系に付与する通常の操舵補助制御が実行される。
【0035】
このように、本実施形態では、操作者が車室外から外部操作装置を操作することによって電動モータを任意に制御可能とするので、車輪アライメント測定作業や車輪アライメント調整作業における作業者のステアリング操作の煩わしさを解消することができる。その結果、各作業性を向上させることができ、整備作業者の負担を軽減させることができる。
また、外部操作装置から指令信号が入力されることで初めて、当該外部操作装置からのステアリング操作が可能となるので、セルフステアやステアリングロックなどの誤作動を防止することができる。
【0036】
さらに、外部操作装置から入力される指令信号に応じた電流指令値を演算し、これに基づいて電動モータを駆動制御するので、確実に外部から所望のステアリング操作を行うことができる。
また、外部操作装置から中立点固定指令を入力したとき、操舵角検出手段を用いてステアリング中立点を検出し、その位置までステアリングホイールを自動操作して固定するので、正確なステアリング中立点に固定することができる。
【0037】
なお、上記実施形態においては、外部操作装置100からケーブルを介してコントローラ15のRAMにアクセスする場合について説明したが、無線通信により外部操作装置100からコントローラ15のRAMにアクセスすることもできる。
また、上記実施形態においては、操舵角検出手段としてアングルセンサを適用する場合について説明したが、アングルセンサ以外のセンサ等の信号に基づいて操舵角を推定することもできる。この場合にも、作業者が目視にてステアリング中立点を決定する場合と比較して、大幅に中立点の検出精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の実施形態における電動パワーステアリング装置の概略構成図である。
【図2】図1のコントローラの構成を示すブロック図である。
【図3】電流指令値演算部で実行する電流指令値演算処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0039】
1…ステアリングホイール、2…ステアリングシャフト、3…トルクセンサ、10…操舵補助機構、11…減速ギヤ、12…電動モータ、14…操舵角センサ、15…コントローラ、16…車速センサ、21…電流指令値演算部、22…電流検出部、23…減算部、24…モータ駆動回路、100…外部操作装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
操舵系に操舵補助力を付与する電動モータと、該電動モータを駆動制御するモータ制御手段とを備える電動パワーステアリング装置であって、
車室外に設けられ、操作者が操作することによって前記モータ制御手段に対して任意の指令信号を出力し、当該モータ制御手段を任意に制御可能な外部操作手段を備えることを特徴とする電動パワーステアリング装置。
【請求項2】
ステアリング機構に入力される操舵トルクを検出する操舵トルク検出手段を有し、前記モータ制御手段は、前記外部操作手段から前記指令信号が入力されているとき、当該指令信号に応じた電流指令値を演算し、前記外部操作手段から前記指令信号が入力されていないとき、少なくとも前記操舵トルク検出手段で検出した操舵トルクに基づいて電流指令値を演算する電流指令値演算手段を備え、該電流指令値演算手段で演算された電流指令値に基づいて前記電動モータを駆動制御することを特徴とする請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
【請求項3】
操舵角を検出又は推定する操舵角検出手段と、該操舵角検出手段で検出又は推定した操舵角に基づいてステアリング中立点を検出する中立点検出手段とを有し、前記電流指令値演算手段は、前記外部操作手段からステアリングホイールを中立位置に固定するための指令信号が入力されたとき、前記中立点検出手段で検出したステアリング中立点にてステアリングホイールを固定するための電流指令値を演算することを特徴とする請求項2に記載の電動パワーステアリング装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−190682(P2009−190682A)
【公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−36336(P2008−36336)
【出願日】平成20年2月18日(2008.2.18)
【出願人】(000004204)日本精工株式会社 (8,378)
【Fターム(参考)】