説明

電動圧縮機制御システム

【課題】空調性能の悪化を最低限に抑え、簡便な方法で電動圧縮機9の回転数制御を実施することで、性能スペックの低い安価な電子回路を使用した圧縮機電子ユニット1内で電動圧縮機9の消費電力制限機能を実現する。
【解決手段】車両空調装置の冷媒を吐出する電動圧縮機9を電池3の電力を用いて駆動するシステムにおいて、電動圧縮機9は、該電動圧縮機9と一体に電動機10の回転数を制御する圧縮機電子ユニット1を有し、車両用空調装置が要求する回転数指令と、電池3の電池電力残量から演算された電力上限値とを上位電子ユニット2から圧縮機電子ユニット1に導く多重通信線8aを有し、圧縮機電子ユニット1内で回転数指令と電力上限値と電動機10が消費する実消費電力とから目標回転数を演算する電力制限制御を実行し、該演算された目標回転数に応じて電動機10の回転数制御を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両空調装置に用いられ、電池の電力を利用した電動圧縮機を制御する電動圧縮機制御システムに関するものである。特に、上位電子ユニット(電池マネージ電子ユニット等)からの電力上限値に基づき自発的に消費電力を制御する電動圧縮機制御機能を持った電動圧縮機制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、エンジンから排出される排気ガスを低減する等のために、専ら電池電力を利用する電動機を動力源とする電気自動車、電動機とエンジンとを動力源とするハイブリット車両およびこれらの車両に適した車両用空調装置が周知である。ところで、動力源としてエンジンのみを有する従来型の車両における、車両用冷凍サイクル用の圧縮機は、エンジンのみから駆動力を得ていたが、ハイブリット車両では、車両の走行状態によってはエンジンが停止するので、エンジンのみから駆動力を得ていたのでは、圧縮機の停止とともに冷凍サイクルも停止してしまうという不具合が発生してしまう。
【0003】
そこで、エンジンを搭載しない電気自動車やハイブリット車両の冷凍サイクルでは、電動機を内蔵した電動圧縮機を使用している。一例として、特許文献1に記載のような電動圧縮機をハイブリット車両の冷凍サイクルに用いることが知られている。
【0004】
この車両用冷凍サイクル用の電動圧縮機は、冷媒を吸入圧縮するスクロール型の圧縮機構部と、この圧縮機構部を駆動する電動機とが一体になったものである。また、圧縮機構部を電動機のみにより駆動するもののみでなく、圧縮機構部を電動機により駆動する場合とエンジンから駆動力を得て駆動する場合とを選択的に切り換えることができるハイブリッド電動圧縮機も知られている。
【0005】
このハイブリッド電動圧縮機は、ハイブリッド車両のエンジンに取り付けられる。また、車両が停止する度にエンジンを停止させることによって低燃費を狙った車両のエンジンに電動圧縮機またはハイブリッド電動圧縮機を取り付けることも知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第4230014号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述の電動圧縮機(ハイブリッド電動圧縮機を含む)は、車載された電池の電力を消費するため、電池の残存電力量の多寡によっては、電動圧縮機で消費する電力を制限せざるを得ない。このために、発明者らは開発過程において図8に示すような電動圧縮機制御システムを案出した。この非公知の電動圧縮機制御システムは、電動圧縮機9を該電動圧縮機9と一体化された圧縮機電子ユニット1で制御している。
【0008】
また、この圧縮機電子ユニット1は、該圧縮機電子ユニット1の上位に位置する上位電子ユニット2によって制御されている。この上位電子ユニット2は少なくとも電池3の電池電力残量を監視する機能を有する。
【0009】
そして、電動機10で消費される電力を実消費電力とし、上位電子ユニット2が電池3の電池電力残量に基づいて設定した電力を電力上限値としたときに、電力上限値<実消費電力という関係となった場合に、回転数指令=0rpmとして、電動圧縮機9を停止させるか、または回転数指令=Lrpmとして、電動圧縮機9を最低回転数Lrpmにて作動させた。
【0010】
図8の電動圧縮機制御システムでは、電池電力残量を上位電子ユニット2でモニターし、エアコン電子ユニット5からの情報と電池電力残量とに基づいて回転数指令制御を実行する。この結果、車両内通信手段(CANまたはLIN等)となる多重通信線8aを介して、回転数指令が圧縮機電子ユニット1に入力される。電動圧縮機9内の圧縮機電子ユニット1は、ただ、多重通信線8aを介して送信されてきた回転数指令に従った回転数制御を実施する。
【0011】
圧縮機電子ユニット1内では電動圧縮機9の電動機10を制御するインバータの制御状態からインバータ(INV)ステータスを把握し、回転数指令に基づいた電動圧縮機9の回転数制御を実行する。また、この制御の結果、電動圧縮機9で消費される実消費電力の値は、多重通信線8aを介して上位電子ユニット2にフィードバックされている。
【0012】
この開発過程の電動圧縮機制御システムは、電動圧縮機9による電力消費を制限して電池3の残存電力量を確保することができるが、上位電子ユニット2が主になって、電池3の電池電力残量に基づいて電力制限制御を実行している。しかし、これでは、上位電子ユニット2の負担が重くなってしまうという問題がある。
【0013】
また、上記開発過程の電動圧縮機制御システムは、上位電子ユニット2で圧縮機電子ユニット1から多重通信線8aを介して実消費電力等の情報を入手してから、下位の圧縮機電子ユニット1に再び多重通信線8aを介して回転数指令を出していたため、制御の遅延等が発生した。
【0014】
本発明の目的は、多重通信線による制御の遅延や信号の変形が少なく、制御誤差の少ない電力制限制御を実行できる電動圧縮機制御システムを提供することにある。
【0015】
従来技術として列挙された特許文献の記載内容は、この明細書に記載された技術的要素の説明として、参照によって導入ないし援用することができる。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は上記目的を達成するために、下記の技術的手段を採用する。すなわち、請求項1に記載の発明では、電動機(10)を回転させての車両空調装置の冷媒を吐出する電動圧縮機(9)を車両内の電池(3)の電力を用いて駆動する電動圧縮機制御システムにおいて、電動圧縮機(9)は、該電動圧縮機(9)と一体に電動機(10)の回転数を制御する回転数制御を実行する圧縮機電子ユニット(1)を有し、車両用空調装置が要求する回転数指令と、電池(3)の電池電力残量から演算された電力上限値とを上位電子ユニット(2)から圧縮機電子ユニット(1)に導く車両内の多重通信線(8a)を有し、圧縮機電子ユニット(1)内で回転数指令と電力上限値と電動機(10)が消費する実消費電力とから目標回転数を演算する電力制限制御を実行し、該演算された目標回転数に応じて電動機(10)の回転数制御を行うことを特徴としている。
【0017】
この発明によれば、電動圧縮機は、一体に圧縮機電子ユニットを有するから、この圧縮機電子ユニットに回転数指令と、電力上限値とを多重通信線を介して導き、圧縮機電子ユニット内で電動機の実消費電力を考慮して電力制限制御を実行し、その結果、そのまま圧縮機電子ユニット内で電動機の回転数を制御するから、多重通信線を介して情報を上位電子ユニットに集中させ上位電子ユニットで電力制限制御を実行し制御出力を再び多重通信線を介して圧縮機ユニットに送信して回転数制御を行わせる場合に比べて、多重通信線での信号の遅延や変形が少なくなるから、制御遅れのない回転数制御を実行することができ、制御誤差の発生が少なくなる。これにより、電池電力残量を考慮する電力制限制御を正確に遅延なく実行しながら、電動機の回転数制御を行うことができる。
【0018】
請求項2に記載の発明では、圧縮機電子ユニット(1)内での電力制限制御において、電力上限値と実消費電力との関係から、少なくとも、電動機(10)の回転数を下げていく回転数減速と、電動機(10)の回転数を上げていく回転数加速と、現時点の回転数を維持する回転数維持の各制御ステータスの中から制御ステータスを決定する手段(43)と、決定された制御ステータスの制御を実行する手段(S44)とを有することを特徴としている。
【0019】
この発明によれば、電力上限値と実消費電力とから制御ステータスを決定(選択を含む)し、決定された制御ステータスの実行により、実消費電力が電力上限値よりも小さな値となるように電動機の加速、減速、および回転数維持を行うことができる。
【0020】
請求項3に記載の発明では、制御ステータスには、更に、車両用空調装置が要求する回転数指令に従った制御を行う通常処理と、緊急時に電動機(10)の回転を停止させる回転停止とを有することを特徴としている。
【0021】
この発明によれば、通常処理と、回転停止の制御ステータスを更に有するから、電力上限値に対して実消費電力がはるかに少ない場合や制御初期段階において通常処理の制御ステータスを実行でき、また、緊急時に回転停止の制御ステータスを実行することができる。
【0022】
請求項4に記載の発明では、圧縮機電子ユニット(1)内での電力制限制御(S2)において、現時点の電動機(10)の回転数である実回転数と電力上限値と実消費電力とから回転数変動幅を演算する変動幅算出手段(A1)と、算出された回転数変動幅と実回転数とから目標回転数を演算する目標回転数演算手段(A3)とを有することを特徴としている。
【0023】
この発明によれば、電動機の回転数の増加減少がそのまま実消費電力の増加減少に結びつくという簡単なモデルに基づいて、回転数変動幅を求め、この回転数変動幅と実回転数とから目標回転数を演算するから、高級な演算手段を用いることなく高速演算が実現できる。また、簡単なモデル化に伴う誤差の発生は、多重通信線による制御遅れの少ない回転数制御を実行することでカバーすることができる。
【0024】
請求項5に記載の発明では、演算された回転数変動幅を、所定の範囲内に収まるように演算する手段(A2)を有していることを特徴としている。
【0025】
この発明によれば、回転数変動幅は所定の範囲内に収まるように演算されるから、目標回転数の急激な変動が抑制され、電動圧縮機の急激な回転数の変化が抑制されるため、車両用空調装置の制御が安定化する。
【0026】
請求項6に記載の発明では、電力上限値が電動機の所定出力より小さいときに、電動機の回転を停止させる無効回転停止手段(S41、S42)を有することを特徴としている。
【0027】
この発明によれば、電力上限値が電動機の所定出力、たとえば500ワットより小さいときに、電動機の回転を停止させるから、電動機を回転させても車両用空調装置として実効のある空調作用が発揮できない低出力での電動機の回転を停止することができる。
【0028】
請求項7に記載の発明では、電力上限値が実消費電力値より小さくなった場合、あらかじめ設定した特定回転数に強制的に減速させる強制的減速手段(S72、S74)と、強制的減速手段(S72、S74)による減速後に、電力上限値の方が実消費電力より大きくなるまでは、電動機の回転数を保持する回転数保持手段(S85、S86、S87)と、強制的減速手段による減速後に、電力上限値の方が、実消費電力よりも大きくなった場合は、決められた所定回転数ずつ回転数を増加させて回転数指令にて要求されている回転数に戻す回転数指令復帰手段(S78、S82、S83)を有することを特徴としている。
【0029】
この発明によれば、電力上限値が実消費電力値より小さくなった場合、あらかじめ設定した特定回転数への強制的減速後に、電力上限値の方が実消費電力より所定量を超えて大きくなるまでは、回転数を保持することができる。また、強制的減速後に、電力上限値の方が、実消費電力よりも大きくなった場合は、決められた所定回転数ずつ回転数を増加させ、回転数指令に応じた回転数に戻すことができる。これにより、電力上限値が実消費電力値より小さくなった場合に、小さな実消費電力になるように回転数制御できる。また、電力上限値が高くなってきた場合に、所定回転数ずつ回転数を増加させ、次第に車両用空調装置が要求する回転数に戻すことができる。また、回転数を保持することにより、頻繁な回転数変動を抑制できる。
【0030】
なお、特許請求の範囲および上記各手段に記載の括弧内の符号ないし説明は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を分かり易く示す一例であり、発明の内容を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の第1実施形態を示す電動圧縮機制御システムの全体構成図である。
【図2】上記実施形態における車両内の多数の電子ユニットの接続関係を示す模式図である。
【図3】上記実施形態で実行される電力制限制御を含む圧縮機電子ユニット内での制御をあらわすフローチャートである。
【図4】図3の電力制限制御を示す概略的なフローチャートである。
【図5】図4の一制御ステータスでの目標回転数を決定するアルゴリズムを説明する表である。
【図6】図4から図5に示した電力制限制御の一例を説明する説明図である。
【図7】本発明の第2実施形態を示す電力制限制御のフローチャートである。
【図8】本発明の開発過程に案出した非公知の電動圧縮機制御システムの全体構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下に、図面を参照しながら本発明を実施するための複数の形態を説明する。各形態において先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の形態を適用することができる。
【0033】
各実施形態で具体的に組合せが可能であることを明示している部分同士の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、明示していなくても実施形態同士を部分的に組合せることも可能である。
【0034】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について図1ないし図6を用いて詳細に説明する。図1は、本発明の第1実施形態を示す電動圧縮機制御システムの全体構成図である。図2は、車両内の多数の電子ユニット(ECU)の接続関係を示す模式図である。この図2に示すように、車両内には多数の電子ユニット1から7が配置されている。また、これらの電子ユニット相互間は、車両内通信を構成するCANやLIN等のプロトコルに基づく多重通信配線8a、8bにより接続されている。
【0035】
5は、図示しない空調操作パネルからの信号により車両用空調装置をなす空調ケース内の電動アクチュエータ等の制御機器を制御するとともに電動圧縮機に空調制御に必要な回転数を回転数指令として要求するエアコン電子ユニット(エアコンECU)である。
【0036】
この多数の電子ユニット1〜7の中に、圧縮機電子ユニット1が存在する。この圧縮機電子ユニット1は、図1の車載された電池(二次電池)3が保有する電力を活用して電動圧縮機9の電動機10を駆動制御するものであり、電動圧縮機9の筐体内に一体的に組み付けられている。電動圧縮機9は、車両用空調装置の冷凍サイクルにおける冷媒を循環させる図示しない圧縮機構部と圧縮機構部を駆動する電動機10と圧縮機電子ユニット1からなる。
【0037】
また、この圧縮機電子ユニット1は、多重通信配線8aを介して上位電子ユニット2と成る電池マネージ電子ユニットに接続されている。この電池マネージ電子ユニットは、電池3の電池電力残量を監視する機能を有する。この電動圧縮機制御システムは、上述の開発過程の電動圧縮機制御システムの問題を解消するため、上位電子ユニット2が電池3の電池電力残量を監視するが、この上位電子ユニット内2で主となる電力制限制御を実行しない。
【0038】
次に、上位電子ユニット2には、エアコン電子ユニット5が多重通信線8bを介して接続されている。エアコン電子ユニット5は周知のように、車室内の温度、設定温度、日射量等から目標吹出温度を演算し、電動圧縮機9の回転数指令を演算する。そして上位電子ユニット2は、エアコン電子ユニット5から受信した回転数指令をそのまま、あるいは、必要な変更を行って圧縮機電子ユニット1に入力する。
【0039】
この回転数指令に基づいて、圧縮機電子ユニット1内では、図示しないインバータを制御する回転数制御を行う。また、インバータの状態である故障や発熱等をモニターして回転数制御や回転数指令制御に反映させるインバータステータス制御(INVステータス制御)を実行する。また、電動機10によって消費される時々の消費電力(実消費電力)が計測され、この計測結果に基づいて、圧縮機電子ユニット1内の主となる電力制限制御を実行する。
【0040】
後述する電力制限制御においては、変動する電動圧縮機9の現時点での測定された回転数である実回転数や、その実回転数の時の実消費電力を計測して、制御ステータスを決定する。この決定された制御ステータスに基づいた電力制限制御を圧縮機電子ユニット1内で実行する。この制御ステータスに基づいた電力制限制御では、簡略化されたアルゴリズムで電力上限値に対する実消費電力の割合を考慮した制御を実行する。
【0041】
上位電子ユニット2は、電池3の電池電力残量をモニターする。この電池3の電池電力残量は、図示しない走行用モータや電動圧縮機9やその他の車載機器で消費される電力と充電される電力に応じて変動する。
【0042】
この電池電力残量に関する情報から、上位電子ユニット2単独で電力制限制御を行わず、上位電子ユニット2は、電池電力残量に関する情報から電力上限値を演算して、多重通信線8aを介して、圧縮機電子ユニット1に電力上限値を入力する。電池電力残量から電力上限値を演算する方法は種々考えられ、電池電力残量と電力上限値との関係を規定したマップを用いた単純なマップ演算によって求めてもよい。
【0043】
以上のようにして、圧縮機電子ユニット1内には、エアコン電子ユニット5からの回転数指令、電池電力残量に基づいて演算された電力上限値が入力される。また、制御当初は、エアコン電子ユニット5からの回転数指令に基づいてインバータを制御し、電動機10を回転させる。次に、この回転に伴う電動機10の実消費電力および実回転数が計測される。
【0044】
このように、制御が開始されてから設定された時間内である制御当初は、回転数指令に基づいて、インバータを通常処理制御し、電動機10を回転させるが、設定された時間を経過すると、その他の制御ステータスの電力制限制御を実行し、この電力制限制御の結果において演算された目標回転数に基づいて圧縮機電子ユニット1内で回転数制御を実行し、電動機10の回転を制御する。
【0045】
制御当初、回転数指令に基づいて回転していた電動機10は、決定された制御ステータスに応じて制御される。この制御ステータスには、通常処理、回転数減速、回転数維持、回転数加速、回転停止の制御ステータスが存在するため、この中のひとつが選択されて、制御ステータスが決定される。
【0046】
また、回転数減速と回転数加速の制御ステータスにおいては、電池電力残量とエアコン電子ユニット5からの回転数指令とを考慮して、現時点の電動圧縮機9の実回転数に対する回転数変動幅が演算される。電池の電池電力残量に余裕のあるときは、極力エアコン電子ユニット5からの電動圧縮機9に対する回転数指令を反映させた制御が行われる。
【0047】
一方、電池3の電池電力残量に余裕のないときは、エアコン電子ユニット5からの回転数指令にかかわらず電動圧縮機9の消費電力を低減させる制御を行う。しかも、この制御を電動圧縮機9内に内蔵された圧縮機電子ユニット1内で主として行うものである。
【0048】
図3は、上記第1実施形態で実行される電力制限制御を含む圧縮機電子ユニット1内での制御をあらわすフローチャートである。図3のステップS1において、電力上限値と、電動機10の実消費電力(電力上限値と実消費電力とは、今時点の値であり変数である)とを比較する。
【0049】
電池電力残量に基づいて上位電子ユニット2から指示された電力上限値の方が実消費電力より小さく、電池電力に余裕のないときは、ステップS2の電力制限制御に進み、決定された制御ステータスに応じた電動機10の回転数制御が実行される。この電力制限制御に基づいて目標回転数を設定する方法については後述する。
【0050】
ステップS1において、電池電力残量に基づいて演算された電力上限値の方が実消費電力より小さくなく、同等もしくは大きいときは、ステップS3に進む。ステップS3においては、目標回転数が、あらかじめ定めたMax回転数に設定される。
【0051】
ステップS2またはステップS3の後に、ステップS4に進み、目標回転数が1000rpm以下か否かを判定する。目標回転数が1000rpm以下のときは、ステップS5に進み、目標回転数を1000rpmとしてステップS6に進む。ステップS4において、目標回転数が1000rpm以下でないときは、ステップS4から直ちにステップS6に進む。
【0052】
ステップS6においては、上位電子ユニット2からの回転数指令と目標回転数とを比較する。現時点での目標回転数よりも回転数指令が大きいか同等のときは、ステップS7に進み、目標回転数に基づいた回転数制御をおこない、実際の回転数が目標回転数になるようにフィードバック制御される。一方、目標回転数よりも回転数指令が小さいときは、ステップS8に進み、目標回転数を回転数指令に設定し、エアコン電子ユニット5からの回転数指令に基づいて電動機10の回転をフィードバック制御する。
【0053】
このように、回転数指令が比較的大きく、目標回転数よりも回転数指令が大きいか同等のときは、目標回転数に基づいて制限された回転数制御を行う。また、回転数指令が比較的小さく、目標回転数よりも回転数指令が小さいときは、回転数指令に基づいて回転数制御を実行する。
【0054】
目標回転数と、そのときの電動機10の実回転数が比較され、その偏差に応じて電動機10の回転数がフィードバック制御されて図1の回転数制御が実行される。実際には、電池3の出力からなる直流を三相交流に変換するインバータの三相出力の周波数を制御して電動機10の回転数を制御する。
【0055】
次に、図3のステップS2における電力制限制御の詳細について図4から図6を用いて説明する。図4は、図3の電力制限制御を示す概略的なフローチャートである。図5は、図4の一制御ステータスでの目標回転数を決定するアルゴリズムを説明する表である。図6は、図4から図5に示した電力制限制御の一例を説明する説明図である。
【0056】
図4において、ステップS41において、電力上限値とあらかじめ定めた電動機10の最低出力値(固定値)とを比較する。この第1実施形態では、この最低出力値が500ワットとして設定されている。この500ワットはこれ以上小さな出力で電動圧縮機9を駆動しても有効な空調制御が実行できないと考えられる値である。
【0057】
電力上限値が比較的小さく最低出力値である500ワットより小さいときは、ステップS42において、電力制限をONとし、目標回転数を0rpmに設定して強制的に電動機10すなわち電動圧縮機9の回転を停止させる。ステップS41、ステップS42は無効回転停止手段を構成する。
【0058】
図4のステップS41において、電力上限値が比較的大きく最低出力値である500ワット以上のときは、ステップS43に進んで、制御ステータスを決定し、ステップS44では決定された制御ステータスが実行される。制御ステータスには通常処理、回転数減速、回転数維持、回転数加速、回転停止の種類があり、この中のいずれかが選択される。そして、電動機10の回転数が、決定された制御ステータスに応じて制御される。
【0059】
インバータを含む機器の故障情報や、電力上限値と実消費電力との大小関係から、制御ステータスが決定される。そして、特に回転数減速および回転数加速の制御ステータスが決定されたときは、図5に基づいたアルゴリズムに基づいて、現時点の電動機10の回転数である実回転数(rpm)、そのときの電動機10の消費電力である実消費電力、および、そのときに上位電子ユニット2から指示されている電力上限値から回転数変動幅(rpm)が演算される。
【0060】
そして、この回転数変動幅を実回転数に加算して目標回転数(rpm)が演算される。この目標回転数と実回転数の関係により、図1の回転数制御がなされる。なお、制御が開始されてから所定時間以内は、図4の通常処理の制御ステータスが優先的に決定され、エアコン電子ユニット5からの回転数指令に基づく目標回転数によって制御が行われる。
【0061】
ステップS44での決定された制御ステータスの実行の後に、ステップS45で通常制御に戻ってよいか否かを判断を行う。例えば、電力上限値が急激に上がるとか、回転数指令が下がった結果、エアコン電子ユニット5からの回転数指令に従った通常制御を行っても問題ないときは、ステップS46において通常制御による回転数制御が実行される。
【0062】
図5は、電力制限制御による目標回転数演算規則(アルゴリズム)を示している。Grpmは、電力制御ゲインである。実回転数とあるのは実際の電動圧縮機9の回転数つまりインバータで駆動される電動機10の回転数であり、インバータステータスのひとつである。
【0063】
実消費電力は、そのときの実際の電動機10の消費電力である。図5のA1で示された演算処理は、電動機10の実回転数が電動機10の実消費電力に比例すると仮定した簡単なモデル化を行って、回転数変動幅を演算している。つまり、どれだけ実回転数を上げ下げすればよいかの回転数変動幅を演算している。この図5のA1で示された演算処理が変動幅算出手段を構成する。
【0064】
これによって、エアコン電子ユニット5からの回転数指令に基づいて当初の制御がなされ、実回転数が回転数指令に基づいて確定した以後の回転数変動幅が、実回転数をベースにして演算される。ちなみに、回転数指令をベースに演算したのでは、急激に回転数指令が変更された場合に制御できなくなる。
【0065】
図5のA2で示された演算処理において、回転数変動幅は−100(rpm)から100(rpm)までの値に抑えられる。つまり、演算された回転数変動幅が−100(rpm)よりマイナス方向に大きいときは−100(rpm)とされ、回転数変動幅が100(rpm)よりプラス方向に大きいときは100(rpm)とされる。
【0066】
そして、図5のA3で示された演算処理において、目標回転数が、実回転数と回転数変動幅との和として求められる。この図5のA3に示された演算処理が目標回転数演算手段を示している。
【0067】
次に、図5のA4で示された演算処理において、求められた目標回転数が、1000rpm以上であり、かつ最大回転数以下となるように規定される。最大回転数は、機械的に限界と考えられる回転数であり、一方、1000rpmは冷媒中の潤滑油の流れを確保する等のために、運転中は流していたい冷媒の最低量に関係している。
【0068】
制御ステータスのうちのどれに決定するかは、たとえば電力上限値と変化と実消費電力の変化を考慮して決定される。図6において説明すると、太線で示した電力上限値PLの変化に対して、丸印の現時点においては、現時点の実消費電力Pnが大幅に電力上限値PLを上回っているため、回転数減速の制御ステータスが決定される。
【0069】
これにより、細線で示した電動機10の実消費電力Pnが低下していく。電力上限値PLに対して、実消費電力Pnが所定のワット数(Ws)だけ小さくなるようになったT1時点で、回転数維持の制御ステータスが決定される。この第1実施形態においては、Wsを40ワットに設定している。
【0070】
また、時点T2において、電力上限値PLが増加し始めると、電力上限値PLに対する実消費電力Pnの偏差が、そのままでは所定のワット数(Ws)を超えるので、回転数加速の制御ステータスが決定される。この回転数加速の制御ステータスの決定により、電動機10の回転数が増加し、実消費電力Pnも増加していく。この図6の回転数減速および回転数加速は、図5に示したように、回転数変動幅を−100rpmから100rpmの範囲に抑えることによって急激に変化せず、緩やかに上下動していく。
【0071】
以上のべた第1実施形態においては、上位電子ユニット2と圧縮機電子ユニット1との各電子ユニット間で、電力制限機能部を分散することで、特に上位電子ユニット2の処理負荷が低減される。また、上位電子ユニット2と圧縮機電子ユニット1との間は、車両内通信を構成するCANやLIN等のプロトコルに基づく多重通信配線8aにより接続されている。
【0072】
この結果、多重通信配線8aによる通信の遅延や、信号内容の変形が発生する。しかし、上記第1実施形態においては、圧縮機電子ユニット1側において、主の電力制限制御を実行しているので、制御の遅延や誤動作が発生しにくい。つまり、上位電子ユニット2からの電力上限値に基づいて、制御対象である電動圧縮機9内に内蔵された圧縮機電子ユニット1内で、実回転数等を基に制御を実行するため、制御の応答性が速く制御の精度も高くなる。
【0073】
更に、上位電子ユニット2は、電池電力残量の情報のみで電力上限値を決定すればよくなるので、使用するメモリ容量を低減できる。この結果、上位電子ユニット2に安価なCPU(中央演算処理ユニット)を採用することが可能となる。
【0074】
また、図5に示した制御アルゴリズムのように、制御の実施を簡便なモデル化で対応しているため、圧縮機電子ユニット1内のCPUを高機能化することが不要であり、安価に実現可能である。更に制御対象に近い部分で制御を行っているため、制御の遅延が無く、簡便なモデル化で制御を実施したことによるモデル化誤差による空調負荷の不安定な変動や電動圧縮機9の回転数変動等の悪影響を吸収できる。
【0075】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、以降の各実施形態においては、上述した第1実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付して説明を省略し、異なる構成および特徴について説明する。図7は、本発明の第2実施形態を示す電力制限制御のフローチャートである。図4の第1実施形態においては、図5のアルゴリズムに基づく制御を実行したが、この第2実施形態においては、図3に示したステップS2の電力制限制御を図7のフローチャートで実行している。
【0076】
図7において、ステップS71で電力制限フラグがOFF状態であるか否かを判定する。電力制限フラグがOFF状態である場合は、ステップS72に進み、電力上限値と電動機10の実消費電力とを比較する。
【0077】
電力上限値が比較的大きく、電動機10の実消費電力以上であるときは、ステップS73において、目標回転数を上位電子ユニット2からの回転数指令に設定して、主としてエアコン電子ユニット5の指令に基づく制御を実行する。
【0078】
ステップS72において、電力上限値と電動機10の実消費電力とを比較した結果、実消費電力が比較的大きく、電力上限値を超えるときは、ステップS74において、目標回転数を1000rpmに設定して、図1の回転数制御を実行する。次に、ステップS75に進み、電力制限制御中であることを示すために、電力制限フラグをONにする。更に、ステップS76に進み、1秒タイマをセットする。
【0079】
ステップS71において、電力制限フラグがOFF状態であるか否かを判定した結果、電力制限フラグがOFF状態でない場合は、ステップS77に進み、1秒タイマがカウントアップしたか、つまりセットしてから1秒経過したか否かを判定する。一秒経過していれば、ステップS78に進み、電力上限値と電動機10の実消費電力とを比較する。
【0080】
ステップS78で、電力上限値が電動機10の実消費電力より小さいときは、ステップS79で目標回転数が1000rpmになっているか否かを確認する。目標回転数が1000rpmになっていれば、ステップS80で目標回転数を0rpmに設定し電動機10の回転を停止させる。一方、ステップS79で、目標回転数が1000rpmになっているか否かを確認した結果、目標回転数が1000rpmになっていなければ、ステップS81で目標回転数を1000rpmに設定する。
【0081】
ステップS78で、電力上限値と電動機10の実消費電力とを比較した結果、電力上限値が電動機10の実消費電力より小さくなければ、ステップS82で、目標回転数が回転数指令に一致していない(目標回転数≠回転数指令)ことを確認する。目標回転数が回転数指令に一致していないときは、ステップS83で、目標回転数を前回回転数に対して200rpm高くした回転数に設定する。ステップS82で、目標回転数が回転数指令に一致しているときは、電力制限制御の必要がないので、ステップS84で電力制限フラグをOFFにする。
【0082】
ステップS77で、1秒タイマがカウントアップしたか、つまりセットしてから1秒経過したか判定した結果、1秒経過していなければ、ステップS85に進み、電力上限値から実消費電力を減算した値が電力上限値のプラスマイナス10%以内の幅内にあるかどうかを判定する。電力上限値から実消費電力を減算した値が電力上限値のプラスマイナス10%以内の幅内にあれば、ステップS86に進んで、電力制限制御を延長するために、1秒タイマをセットしてからステップS87に進んで、目標回転数を現時点のままに保持する。
【0083】
ステップS85において、電力上限値から実消費電力を減算した値が、電力上限値のプラスマイナス10%以内どうかを判定した結果、電力上限値から実消費電力を減算した値が電力上限値のプラスマイナス10%以内でなければ、そのままステップS87に進む。
【0084】
なお、図7において、ステップS72で、電力上限値が実消費電力値より小さくなった場合、あらかじめ設定した特定回転数(1000rpm)に強制的に減速させる強制的減速手段をステップS72、S74で構成している。
【0085】
また、強制的減速手段S72、S74による減速後に、電力上限値の方が実消費電力より所定量を超えて大きくなるまでは、電動機の回転数を保持する回転数保持手段をステップS85、S86、S87で構成している。
【0086】
更に、強制的減速手段による減速後に、電力上限値の方が、実消費電力よりも大きくなった場合は、決められた所定回転数(200rpm)ずつ回転数を増加させて回転数指令にて要求されている回転数に戻す回転数指令復帰手段をステップS78、S82、S83で構成している。また、図7のフローチャートに従った制御によれば、図4のような制御ステータスを決定し実行するステップが不要になり、かつ、図5に示したアルゴリズムも必要ではなくなる。
【0087】
(その他の実施形態)
本発明は上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、次のように変形または拡張することができる。例えば、上述の第1実施形態では、上位電子ユニット2が、エアコン電子ユニット(エアコンECU)5以外の電池マネージ電子ユニットである場合を説明したが、エアコン電子ユニット5の中に電池マネージ部分が存在し、上位電子ユニットがエアコン電子ユニットであってもよい。
【0088】
また、本発明は、電池(二次電池)の電力により走行用モータを駆動する電気自動車またはハイブリッド車両の空調用に供する電動圧縮機に適用できるが、その他の用途、たとえば、通常のガソリン車において、踏み切りや交差点の手前でエンジンの回転を止め、車両走行開始時にエンジンを再スタートさせる車両の空調用に供する電動圧縮機であってもよい。また、上述したハイブリッド電動圧縮機に本発明を適用することもできる。
【符号の説明】
【0089】
1 圧縮機電子ユニット
1から7 電子ユニット(ECU)
2 上位電子ユニット
3 電池
5 エアコン電子ユニット(エアコンECU)
8a、8b 車両内の多重通信線
9 電動圧縮機
10 電動機
Grpm 電力制御ゲイン
PL 電力上限値
Pn 電動機が消費する実消費電力
S41、S42 無効回転停止手段
S43 制御ステータスを決定する手段
S44 決定された制御ステータスの制御を実行する手段
S72、S74 強制的減速手段
S78、S82、S83 回転数指令復帰手段
S85、S86、S87 回転数保持手段
T1、T2 時点
Ws 所定のワット数

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動機(10)を回転させて車両空調装置の冷媒を吐出する電動圧縮機(9)を車両内の電池(3)の電力を用いて駆動する電動圧縮機制御システムにおいて、
前記電動圧縮機(9)は、該電動圧縮機(9)と一体に前記電動機(10)の回転数を制御する回転数制御を実行する圧縮機電子ユニット(1)を有し、
前記車両用空調装置が要求する回転数指令と、前記電池(3)の電池電力残量から演算された電力上限値とを上位電子ユニット(2)から前記圧縮機電子ユニット(1)に導く前記車両内の多重通信線(8a)を有し、
前記圧縮機電子ユニット(1)内で前記回転数指令と前記電力上限値と前記電動機(10)が消費する実消費電力とから目標回転数を演算する電力制限制御を実行し、該演算された目標回転数に応じて前記電動機(10)の回転数制御を行うことを特徴とする電動圧縮機制御システム。
【請求項2】
前記圧縮機電子ユニット(1)内での前記電力制限制御において、前記電力上限値と前記実消費電力との関係から、少なくとも、前記電動機(10)の回転数を下げていく回転数減速と、前記電動機(10)の回転数を上げていく回転数加速と、現時点の回転数を維持する回転数維持からなる制御ステータスを決定する決定手段(S43)と、決定された制御ステータスの制御を実行する実行手段(S44)を有することを特徴とする請本項1に記載の電動圧縮機制御システム。
【請求項3】
前記決定手段(S43)において決定される制御ステータスには、更に、前記車両用空調装置が要求する前記回転数指令に従った制御を行う通常処理と、緊急時に電動機(10)の回転を停止させる回転停止とを有することを特徴とする請本項2に記載の電動圧縮機制御システム。
【請求項4】
前記圧縮機電子ユニット(1)内での前記電力制限制御(S2)において、現時点の前記電動機(10)の回転数である実回転数と前記電力上限値と前記実消費電力とから回転数変動幅を演算する変動幅算出手段(A1)と、
算出された回転数変動幅と前記実回転数とから前記目標回転数を演算する目標回転数演算手段(A3)とを有することを特徴とする請本項1ないし3のいずれか一項に記載の電動圧縮機制御システム。
【請求項5】
前記演算された回転数変動幅を、所定の範囲内に収まるように演算する手段(A2)を有していることを特徴とする請本項4に記載の電動圧縮機制御システム。
【請求項6】
前記電力上限値が前記電動機の所定出力より小さいときに、前記電動機の回転を停止させる無効回転停止手段(S41、S42)を有することを特徴とする請本項1ないし5のいずれか一項に記載の電動圧縮機制御システム。
【請求項7】
前記電力上限値が前記実消費電力値より小さくなった場合、あらかじめ設定した特定回転数に強制的に減速させる強制的減速手段(S72、S74)と、
前記強制的減速手段(S72、S74)による減速後に、前記電力上限値の方が前記実消費電力より大きくなるまでは、前記電動機の回転数を保持する回転数保持手段(S85、S86、S87)と、
前記強制的減速手段による減速後に、前記電力上限値の方が、前記実消費電力よりも大きくなった場合は、決められた所定回転数ずつ前記回転数を増加させて前記回転数指令にて要求されている回転数に戻す回転数指令復帰手段(S78、S82、S83)を有することを特徴とする請本項1に記載の電動圧縮機制御システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−70541(P2013−70541A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−208322(P2011−208322)
【出願日】平成23年9月25日(2011.9.25)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】