説明

電動式開閉装置の配線方法及び配線構造

【課題】開閉機から延びる紐状部材の配線作業の容易化が図れるようになる電動式開閉装置の配線方法及び配線構造を提供すること。
【解決手段】開閉機21が収納されている巻取軸20を支持用ブラケット7,8に支持させるときに、開閉機21から延びる紐状部材である切替部材35と電源線39を、ブラケット本体7A,8Aに形成された第1孔である孔36,34と、シャッターケース5の蓋部材5B,5Cに形成された第2孔である孔5E,5Gとに挿通して蓋部材5B,5Cの外部に一旦突出させる作業工程が実施され、この後、切替部材35と電源線39を、蓋部材5B,5Cに形成された第3孔である孔5F,5Hに挿通してブラケット本体7A,8Aと蓋部材5B,5Cとの間に形成された隙間部S1,S2を通過させる作業工程が実施される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、開閉体を開き移動と閉じ移動のうち、少なくとも開き移動させるための開閉機を備えた電動式開閉装置の配線方法及び配線構造に係り、例えば、窓用シャッター装置や出入口用シャッター装置や防災用シャッター装置を含む各種の電動式シャッター装置(手動式巻取軸から電動式巻取軸に改修されたシャッター装置を含む)、ロールブラインド装置、オーニング装置、防煙垂れ幕装置、オーバーヘッドドア(オーバースライディングドア)等に利用できるものである。
【背景技術】
【0002】
下記の特許文献1には、窓サッシの外側に配設された電動式開閉装置である窓用シャッター装置が示されている。
【0003】
この窓用シャッター装置は、開閉体であるシャッターカーテンを開閉移動させるための開閉機と、シャッターカーテンを巻き取り、繰り出す巻取軸と、この巻取軸を支持するための支持部材である支持用ブラケットと、開閉機から延びる紐状部材である電源コードと、前記開閉機と前記支持用ブラケットと前記巻取軸を収納するための収納部材であるシャッターケースと、を含んで構成されている。また、この窓用シャッター装置では、開閉機は、巻取軸の内部に収納されており、開閉機の電源コードは、巻取軸の軸方向の端部から延びている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−257063号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、開閉機から延びる電源コードは、所定の箇所(例えば、商用電源のコンセント)まで、できるだけ雨水や埃等にさらされないように配線することが好ましく、このため、開閉機から延びる電源コードを支持用ブラケットとシャッターケースとの間に形成された隙間部に配線することが求められる場合がある。
【0006】
しかし、支持用ブラケットとシャッターケースとの間隔は狭くなっており、開閉機(上記の例では、開閉機とこの開閉機を内部に収納する巻取軸)を支持用ブラケットに支持させる作業を行うときに、この作業と同時に、電源コードを支持用ブラケットに形成した孔に挿通するとともにこの電源コードを直接的に支持用ブラケットとシャッターケースとの間に形成された上記隙間部に配線する作業を行うことは容易ではない。
【0007】
また、電源コードをこのように配線することにより、電源コードは、支持用ブラケットの孔から上記隙間部へ垂直方向に折れ曲がって配線されることになるため、電源コードを上記隙間部に配線する途中において、あるいは、電源コードを上記隙間部に配線した後において、開閉機から延びる電源コードがこの開閉機と支持用ブラケットとの間で絡まった場合には、この絡まりをほどく作業は容易ではない。
【0008】
このため、開閉機から延びる電源コードの配線作業が容易となる配線方法及び配線構造の工夫が求められている。
【0009】
本発明の目的は、開閉機から延びる紐状部材の配線作業の容易化が図れるようになる電動式開閉装置の配線方法及び配線構造を提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る電動式開閉機の配線方法は、開閉体を開き移動と閉じ移動のうち、少なくとも開き移動させるための開閉機と、この開閉機を支持するための支持部材と、前記開閉機から延びる紐状部材と、前記開閉機と前記支持部材を収納するための収納部材と、を含んで構成されている電動式開閉装置の配線方法において、少なくとも前記開閉機を前記支持部材に支持させるときに、前記紐状部材を、前記支持部材に形成された第1孔と前記収納部材に形成された第2孔とに挿通して前記収納部材の外部に一旦突出させる作業工程と、前記収納部材の前記外部に一旦突出させた前記紐状部材を、前記収納部材に形成された第3孔に挿通して前記支持部材と前記収納部材との間に形成された隙間部を通過させる作業工程と、を含むことを特徴とするものである。
【0011】
前述したように、前記支持部材と前記収納部材との間隔は狭くなっており、少なくとも前記開閉機を前記支持部材に支持させるときに、前記紐状部材を、前記支持部材に形成された孔に挿通するとともにこの紐状部材を直接的に前記支持部材と前記収納部材との間に形成された前記隙間部に配線する作業を行うことは容易ではない。
【0012】
また、前述したように、前記紐状部材をこのように配線することにより、前記紐状部材は、前記支持部材の孔から前記隙間部へ例えば垂直方向に折れ曲がって配線されることになるため、前記紐状部材を前記隙間部に配線する途中において、あるいは、前記紐状部材を前記隙間部に配線した後において、前記開閉機から延びる前記紐状部材がこの開閉機と前記支持部材との間で絡まった場合には、この絡まりをほどく作業は容易ではない。
【0013】
これに対して、本発明では、少なくとも前記開閉機を前記支持部材に支持させる(後述するように、前記開閉機が巻取軸の内部に収納されている場合には、この巻取軸を前記支持部材に支持させる)ときに、前記紐状部材を、前記支持部材に形成された前記第1孔と前記収納部材に形成された前記第2孔とに挿通して前記収納部材の前記外部に一旦突出させる作業工程が実施される。
【0014】
そして、前記開閉機を前記支持部材に支持させた後は、前記収納部材の前記外部に一旦突出させた前記紐状部材を、前記収納部材に形成された前記第3孔に挿通して前記支持部材と前記収納部材との間に形成された前記隙間部を通過させる作業工程が実施される。
【0015】
これにより、作業者は、前記開閉機を前記支持部材に支持させた後は、前記収納部材の前記外部に一旦突出させた前記紐状部材を、前記収納部材に形成された前記第3孔に挿通して前記支持部材と前記収納部材との間に形成された前記隙間部を通過させる作業を行うことに専念できるようになる。
【0016】
また、これにより、前記紐状部材の一部が前記収納部材の前記外部に露出した状態となるため、前記開閉機を前記支持部材に支持させた後、前記紐状部材を前記隙間部に配線する途中において、あるいは、前記紐状部材を前記隙間部に配線した後において、前記開閉機から延びる前記紐状部材がこの開閉機と前記支持部材との間で絡まった場合には、前記作業者は、前記紐状部材のうちの前記収納部材の前記外部に露出した部分を引っ張り操作等することで前記紐状部材の絡まりをほどく作業を容易に行うことができる。
【0017】
このため、本発明によると、少なくとも前記開閉機を前記支持部材に支持させるときに、前記紐状部材を、前記支持部材に形成された孔に挿通するとともにこの紐状部材を直接的に前記支持部材と前記収納部材との間に形成された前記隙間部に配線する場合と比較して、配線作業が容易となる。
【0018】
このように、本発明に係る電動式開閉装置の配線方法によると、開閉機から延びる紐状部材の配線作業の容易化が図れるようになる。
【0019】
本発明において、前記収納部材における前記第2孔の形成箇所は、任意な箇所でよいが、前記収納部材における前記第1孔の形成箇所と対面する箇所に形成することが好ましい。
【0020】
これによると、前記第2孔の形成箇所を前記第1孔の形成箇所と対面しない箇所とした場合と比較して、前記第1孔に挿通した前記紐状部材をさらに前記第2孔に挿通する作業が容易となる。
【0021】
さらに、前記第1孔の中心位置は、前記第2孔の中心位置と一致又は略一致していることが好ましい。
【0022】
これによると、前記第1孔の中心位置が前記第2孔の中心位置と一致又は略一致していない場合と比較して、前記第1孔に挿通した前記紐状部材をさらに前記第2孔に挿通する作業がより容易となる。
【0023】
また、本発明において、前記収納部材における前記第3孔の形成箇所は、任意な箇所でよく、例えば、前記第3孔は、前記第2孔の形成箇所から前記開閉体の開閉移動方向に離間した箇所に形成してもよく、前記第2孔の形成箇所から前記開閉体の開閉移動方向にずれて離間した箇所に形成してもよい。
【0024】
したがって、例えば、前記第1孔と前記第2孔とに挿通した前記紐状部材を前記開閉体の閉じ移動方向へ延ばす場合には、前記第3孔は、前記第2孔の形成箇所から前記開閉体の閉じ移動方向に離間した箇所、あるいは、前記第2孔の形成箇所から前記開閉体の閉じ移動方向にずれて離間した箇所に形成する。
【0025】
本発明において、前記第2孔の径寸法は、前記第1孔の径寸法よりも同じ又はこれよりも大きいことが好ましい。
【0026】
これによると、前記第2孔の径寸法が前記第1孔の径寸法よりも小さい場合と比較して、前記第1孔に挿通した前記紐状部材を前記第2孔に挿通する作業が容易となる。
【0027】
本発明において、前記紐状部材は、紐状となっている部材であれば形状、構造、用途等は任意なものでよく、前記紐状部材の第1の例は、前記開閉機に接続された電気コード(例えば、前記開閉機を構成する電動モータ、この電動モータの駆動制御を行う制御装置、前記電動モータの制動を行うブレーキ等に電源を供給するための電源コード(電源線)やアース線)である。また、前記紐状部材の第2の例は、前記開閉機の前記電動モータが停止しているときに、前記開閉機の前記ブレーキをオン、オフ切り替え操作するための切替部材(ワイヤー部材)である。さらに、前記紐状部材の第3の例は、前記開閉機の前記電動モータの回転や停止を操作するための操作装置からの制御信号を前記制御装置に伝達(送信)するための信号線(信号ケーブル)である。またさらに、前記紐状部材の第4の例は、前記開閉体の閉じ移動中にこの開閉体の閉じ移動方向に存在する障害物を感知(検出)する障害物感知手段を備えている場合において、前記障害物感知出手段からの障害物感知信号を前記電動モータの駆動制御を行う前記制御装置に伝達(送信)するための信号線(信号ケーブル)である。
【0028】
なお、本発明において、前記紐状部材の本数は、1本でもよく、少なくとも2本(言い換えると、複数本)でもよい。前者の場合には、前記紐状部材は、例えば、上述した紐状部材の各例のうちのいずれかでもよく、後者の場合には、前記紐状部材は、1種類(例えば、上述した紐状部材の各例のうちのいずれか)の紐状部材で構成されるものでもよく、複数種類(例えば、上述した紐状部材の各例のうちの少なくとも2例)の紐状部材で構成されるものでもよい。
【0029】
後者の場合の一例として、前記紐状部材は少なくとも2本あり、これらの紐状部材のうちの1本は、前記開閉機に接続された電気コードであり、他の1本は、前記開閉機の電動モータが停止しているときに、前記開閉機のブレーキをオン、オフ切り替え操作するための切替部材であるものを挙げることができる。
【0030】
本発明において、前記第1孔と前記第2孔と前記第3孔のうちの少なくとも1つに、案内部材を嵌入する作業工程が実施され、この後、前記案内部材の内部孔に前記紐状部材を挿通する作業工程が実施されるようにしてもよい。
【0031】
これによると、前記紐状部材が上記各孔を通過する際に、この紐状部材が上記各孔と擦れて損傷することを、案内部材により防止することができる。すなわち、上記各孔と擦れることによる前記紐状部材の耐久性の低下を防止することができる。
【0032】
なお、前記第1孔に嵌入する前記案内部材は、前記支持部材よりも軟質の材料で形成することが好ましく、また、前記第2孔と前記第3孔に嵌入する前記案内部材は、前記収納部材よりも軟質の材料で形成することが好ましい。
【0033】
また、本発明において、前記第2孔と前記第3孔のうちの少なくとも1つに、前記紐状部材の配線方向にしたがって湾曲した湾曲部を有している案内部材の一部を嵌入するとともに、前記案内部材を止め具により前記収納部材に止める作業工程が実施され、この後、前記案内部材の内部孔に前記紐状部材を挿通する作業工程が実施されるようにしてもよい。
【0034】
これによると、上述したように、前記紐状部材が上記各孔を通過する際に、この紐状部材が上記各孔と擦れて損傷することを、前記案内部材により防止することができるだけでなく、前記案内部材の前記湾曲部による湾曲案内作用により、前記紐状部材を所定方向に湾曲させて配線することができる。
【0035】
以上の本発明において、前記開閉体は、巻取軸から繰り出され、巻き取られるシャッターカーテンでもよく、巻取軸から繰り出され、巻き取られるものではない例えば、防煙垂れ壁やオーバーヘッドドア(オーバースライディングドア)でもよい。
【0036】
また、前記開閉機は、前記巻取軸の内部に収納されるものでもよく、前記巻取軸の外部に配置されるものでもよい。
【0037】
前者の場合には、前記巻取軸は、前記開閉機とともに前記支持部材で支持されるものとなる。一方、後者の場合には、前記開閉機と前記巻取軸のそれぞれが前記支持部材で支持されるものとしてもよく、前記開閉機は前記支持部材で支持され、前記巻取軸は前記支持部材とは別の支持部材で支持されるものとしてもよい。
【0038】
なお、前者の場合には、前記開閉機から延びる前記紐状部材は、前記巻取軸の軸方向の端部から延びるようにすることが好ましい。
【0039】
なお、本発明において、紐状部材の終端部や途中部等に付属部品等の別部材が取り付けられるものである場合には、第1〜第3孔の径寸法は、前記別部材を含む紐状部材の径寸法よりも大きいものとしてもよく、しなくてもよい。言い換えると、第1〜第3孔は、別部材が取り付けられた場合の紐状部材が挿通可能な径寸法を有するものものでもよく、有しないものでもよい。
【0040】
後者の場合には、紐状部材を第1〜第3孔に挿通する作業工程が実施された後に、前記別部材を紐状部材に取り付ける作業工程が実施されるようにする。
【0041】
ここで、前記別部材の第1の例は、紐状部材が前記電気コードである場合であって、この電気コードが電源コード(電源線)である場合におけるこの電源コードの終端部に取り付けられる電源プラグである。
【0042】
また、前記別部材の第2の例は、紐状部材が前記電気コードである場合であって、この電気コードが信号線である場合におけるこの信号線から外部からのノイズを減衰させるためのフェライトコアである。
【0043】
また、前記別部材の第3の例は、紐状部材が切替部材(ワイヤー部材)である場合には、この切替部材の終端部に取り付けられ、この切替部材を操作するための操作部材(切替部材を引張り操作する場合には、引張操作部材)である。
【0044】
本発明に係る電動式開閉装置の配線構造は、開閉体を開き移動と閉じ移動のうち、少なくとも開き移動させるための開閉機と、この開閉機を支持するための支持部材と、前記開閉機から延びる紐状部材と、前記開閉機と前記支持部材を収納するための収納部材と、を含んで構成されている電動式開閉装置の配線構造において、前記紐状部材は、前記支持部材に形成された第1孔と前記収納部材に形成された第2孔とに挿通されて前記収納部材の外部に突出され、かつ、前記収納部材に形成された第3孔に挿通されて前記支持部材と前記収納部材との間に形成された隙間部を通過していることを特徴とするものである。
【0045】
前述したように、前記支持部材と前記収納部材との間隔は狭くなっており、前記紐状部材が、前記支持部材に形成された孔に挿通され、かつ、直接的に前記支持部材と前記収納部材との間に形成された前記隙間部を通過する配線構造となっている場合には、前記紐状部材は、前記支持部材の孔から前記隙間部へ例えば垂直方向に折れ曲がって配線されることになるため、前記紐状部材が前記隙間部に配線される途中において、あるいは、前記紐状部材が前記隙間部に配線された後において、前記開閉機から延びる前記紐状部材がこの開閉機と前記支持部材との間で絡まった場合には、この絡まりをほどく作業は容易ではない。
【0046】
これに対して、本発明では、前記紐状部材は、前記支持部材に形成された第1孔と前記収納部材に形成された第2孔とに挿通されて前記収納部材の外部に突出され、かつ、前記収納部材に形成された第3孔に挿通されて前記支持部材と前記収納部材との間に形成された隙間部を通過する配線構造となっている。
【0047】
これにより、前記紐状部材の一部が前記収納部材の前記外部に露出した状態となるため、前記紐状部材が前記隙間部に配線される途中において、あるいは、前記紐状部材が前記隙間部に配線された後において、前記開閉機から延びる前記紐状部材がこの開閉機と前記支持部材との間で絡まった場合には、前記作業者は、前記紐状部材のうちの前記収納部材の前記外部に露出した部分を引っ張り操作等することで前記紐状部材の絡まりをほどく作業を容易に行うことができる。
【0048】
このため、本発明によると、前記紐状部材が、前記支持部材に形成された孔に挿通され、かつ、直接的に前記支持部材と前記収納部材との間に形成された前記隙間部を通過する配線構造とした場合と比較して、配線作業が容易となる。
【0049】
このように、本発明に係る電動式開閉装置の配線構造によると、開閉機から延びる紐状部材の配線作業の容易化が図れるようになる。
【0050】
なお、本発明において、前記収納部材には、前記紐状部材のうちの前記収納部材の前記外部に露出した部分を覆うためのカバー部材を設けることが好ましい。
【0051】
これによると、前記紐状部材のうちの前記収納部材の前記外部に露出した部分を、外力、雨水、埃等から保護することができる。
【0052】
以上の本発明において、前記開閉体が前記巻取軸から繰り出され、巻き取られる前記シャッターカーテンである場合には、このシャッターカーテンは、複数種類のシャッターカーテン構成部材の複合により形成されていてもよく、これらの複数種類のシャッターカーテン構成部材は、スラットでもよく、シートでもよく、ネットでもよく、リンクで連結されたパイプ、パネル等でもよく、これらを複合したものでもよい。
【0053】
また、本発明は、シャッターカーテンが巻取軸で巻き取られ、繰り出される各種のシャッター装置に適用することができ、その一例のシャッター装置は窓用シャッター装置であり、また、本発明は、出入口をシャッターカーテンで開閉する出入口用シャッター装置や、火災発生等の非常時等にシャッターカーテンが全閉位置に達することにより防災区画が形成される防災用シャッター装置等にも適用することができる。
【0054】
また、本発明は、ロールブラインド装置、オーニング装置、防煙垂れ幕装置、オーバーヘッドドア(オーバースライディングドア)等にも適用することができる。
【0055】
なお、本発明は、手動式巻取軸から電動式巻取軸に改修された各種シャッター装置、ロールブラインド装置、オーニング装置等にも適用することができる。
【発明の効果】
【0056】
本発明によると、開閉機から延びる紐状部材の配線作業の容易化を図れるようになるという効果を得られる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】図1は、本発明の一実施形態が適用される電動式に改修される前の手動式の窓用シャッター装置の全体を示す正面図である。
【図2】図2は、図1で示されている手動式巻取軸の端部が支持部材である支持用ブラケットで支持されている構造を示す斜視図である。
【図3】図3は、図2の支持構造を示す分解斜視図である。
【図4】図4は、手動式巻取軸から改修される本実施形態に係る巻取軸である電動式巻取軸の構造を示す正断面図である。
【図5】図5は、電動式巻取軸における図4の右側の端部の支持用ブラケットによる支持構造を示す斜視図である。
【図6】図6は、図5の支持構造を示す分解斜視図である。
【図7】図7は、電動式巻取軸の内部に収納されていて、電動モータが構成要素となっている開閉機が、中間構成体を介して図4の左側の支持用ブラケットで支持されている構造を示す正面図である。
【図8】図8は、図7の支持構造を示す平面図である。
【図9】図9は、電動式巻取軸に改修された後の電動式開閉装置である窓用電動式シャッター装置の一部を示す正面図である。
【図10】図10は、図9のS10−S10線断面図である。
【図11】図11は、図7のS11−S11線断面図である。
【図12】図12は、図7のS12−S12線断面図である。
【図13】図13は、図4の左側の支持用ブラケット及び収納部材であるシャッターケースの部分拡大図である。
【図14】図14は、図4の右側の支持用ブラケット及びシャッターケースの部分拡大図である。
【図15】図15は、電動式巻取軸の両端部から延びる紐状部材である開閉機の電源線と切替部材のそれぞれを、第2孔から一旦突出(露出)させたときを示す図4と同様の図である。
【図16】図16は、図4の電動式巻取軸の左側の端部から延びる電源線を第2孔から一旦突出させたときを示す斜視図である。
【図17】図17は、図16の第2孔から一旦突出させた電源線を第3孔に挿通させたときを示す斜視図である。
【図18】図18は、図4の電動式巻取軸の右側の端部から延びる切替部材を第2孔から一旦突出させたときを示す斜視図である。
【図19】図18は、図18の第2孔から一旦突出させた切替部材を第3孔に挿通させたときを示す斜視図である。
【図20】図20は、図13に示されている紐状部材である開閉機の電源線を案内するために支持用ブラケットとシャッターケースに設けられる案内部材の実施形態を示す正断面図である。
【図21】図21は、図20の案内部材とは異なる別実施形態に係る案内部材の一部を第2孔に嵌入したときを示す正断面図である。
【図22】図22は、図20及び図21の案内部材とは異なるさらなる別実施形態に係る案内部材の斜視図である。
【図23】図23は、支持用ブラケットに形成された孔に図22の案内部材の開口した部分を嵌入する作業状態を示す斜視図である。
【図24】図24は、図21に示す第2孔に一部が嵌入した案内部材を、第3孔にも嵌入したときを示す図21と同様の図である。
【図25】図25は、図14に示されている紐状部材である開閉機のブレーキの切替部材を案内する案内部材を図20の案内部材としたときを示す図20と同様の図である。
【図26】図26は、図25に示す第2孔に嵌入した案内部材を、図21の案内部材としたときを示す図21と同様の図である。
【図27】図27は、図26に示す第2孔に一部が嵌入した案内部材を、第3孔にも嵌入したときを示す図26と同様の図である。
【図28】図28は、図9で示されている中間構成体のうち、開閉機の側となっている第1中間物を構成するそれぞれの部材を示す分解斜視図である。
【図29】図29は、図9で示されている中間構成体のうち、支持用ブラケットの側となっている第2中間物を構成するそれぞれの部材を示す分解斜視図である。
【図30】図30は、第1中間物の正面図である。
【図31】図31は、第1中間物の側面図である。
【図32】図32は、第2中間物の正面図である。
【図33】図33は、第2中間物の側面図である。
【図34】図34は、図4の左側の支持用ブラケットに設けられている軸受け部を示す側面図である。
【図35】図35は、図34の軸受け部に適用される部材であって、図29で示されている第2中間物を構成するものとなっている部材を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0058】
以下に本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。図1には、本発明の一実施形態が適用される窓用シャッター装置の全体正面図が示されている。図1に示されているこの窓用シャッター装置は、本実施形態に係る電動式開閉装置である電動式シャッター装置に改修される前の手動式シャッター装置である。
【0059】
図1の手動式の窓用シャッター装置は、障子1が配設された窓サッシよりも外側の建物外壁2の部分に設置され、この窓用シャッター装置の手動用シャッターカーテン3は、左右一対のガイドレール4に案内されて上下に開閉移動することにより、窓サッシの外側の窓用開口部を開閉する。この窓用開口部の上部には収納部材であるシャッターケース(言い換えると、シャッターボックス)5が配設され、このシャッターケース5の内部に水平に収納されている手動式巻取軸6にシャッターカーテン3の上端が連結されているとともに、この手動式巻取軸6は、左右一対の支持部材である支持用ブラケット7,8で回転自在に支持されている。
【0060】
このように、本実施形態では、シャッターケース5は、手動式巻取軸6と、支持用ブラケット7,8を収納するものとなっており、後述するように、手動式巻取軸6を取り外した後に設置される内部に開閉機21が収納された電動式巻取軸20も、シャッターケース5に収納される。
【0061】
なお、シャッターケース5は、上面部(天板部)と正面部と底面部(底板部)とを含んで構成される本体5Aと、この本体5Aの左右両端を塞いでいる左右一対の蓋部材5B,5Cと、を含んで構成されており、図1に示すように、蓋部材5Bがシャッターケース5の右側面部を、蓋部材5Cがシャッターケース5の左側面部を構成するものとなっている。また、シャッターケース5の本体5Aは、前記窓用開口部の前記上部に取り付けられた状態で少なくとも底面部が取り外し可能となっている。
【0062】
なお、シャッターケース5の左右の側面部は、本体5Aとは別部材となっている蓋部材5B,5Cで構成するものではなく、本体5Aと一体となっているものでもよい。すなわち、シャッターケース5は、上面部と、正面部と、下面部(底面部)と、左右の側面部と、を有する一体成形によるものとしてもよい。
【0063】
シャッターカーテン3の下端の座板3A等を手等による手動で押し上げると、シャッターカーテン3は巻取軸6に巻き取られて上方へ開き移動し、座板3A等を押し下げると、シャッターカーテン3は巻取軸6から繰り出されて下方へ閉じ移動する。また、巻取軸6の内部には、シャッターカーテン3が巻取軸6から繰り出されるときに戻しばね力が蓄圧されるねじりコイルばねによる戻しばねが収納されており、このため、シャッターカーテン3が巻取軸6に巻き取られて上方へ開き移動することは、この戻しばねの戻しばね力によって補助されて行われる。
【0064】
左右一対の支持用ブラケット7,8による巻取軸6の支持は、巻取軸6の軸方向両端の端部となっている軸部6A,6Bが、これらのブラケット7,8に設けられている軸受け部9,10で支持されることにより行われている。図2には、支持用ブラケット7,8のうち、一方のブラケット8の軸受け部10による巻取軸6の軸部6Bの支持構造が示されており、他方のブラケット7及び軸受け部9と、この軸受け部9による巻取軸6の軸部6Aの支持構造は、図2で示されているものと左右対称の同じものになっている。
【0065】
次に、手動式巻取軸6の構造及び図2の支持構造を説明する。前述したように手動式巻取軸6の内部には、シャッターカーテン3が巻取軸6から繰り出されるときに戻しばね力が蓄圧される戻しばねが収納されているため、図2で示されている軸部6Bは、巻取軸6の内部に端部を残して挿入されている非回転軸のこの端部により形成され、この非回転軸との間に軸受け部材が介設されている巻取軸6は、この非回転軸を中心に回転自在となっている。また、この非回転軸又は上記軸部6Aを形成している別の非回転軸には、巻取軸6の内部に収納されている戻しばねの一端が連結され、戻しばねの他端は巻取軸6に連結されている。このため、上述のように、シャッターカーテン3が巻取軸6から繰り出されるときには、巻取軸6の回転により戻しばねに戻しばね力が蓄圧され、シャッターカーテン3が巻取軸6に巻き取られるときの巻取軸6の回転は、戻しばね力によって補助される。
【0066】
図2に示されているように、板金製のブラケット8は、ブラケット本体8Aと、このブラケット本体8Aの補強のためにも設けられている後端折曲部8Bと、下端折曲部8Cとを有するものとなっており、後端折曲部8Bが図1で示した建物外壁2にアンカー部材等の結合具で結合されることにより、ブラケット8は建物外壁2に固定されている。そして、ブラケット本体8Aには、巻取軸6の軸部6Bを受けて支持するための上記軸受け部10が設けられている。なお、左右のブラケット7,8の間(左右の下端折曲部の間)には、断面形状が略L字状となった補強部材(左右のブラケット本体7A,8Aの間隔と同じ長さ寸法を有する長尺の板材)を架設するようにしてもよい。
【0067】
この軸受け部10は、板金の折り曲げ品となっている1個の軸受け部材で形成されており、また、軸受け部10は、軸受け部本体16と、この軸受け部本体16におけるブラケット本体8Aの側から巻取軸6の外径方向に突出しているフランジ部17とからなる。軸受け部本体16は、底部16Aと、この底部16Aの両端から立ち上がった立上部16B,16Cとを有するため、上向きに開口したコ字形状となっている。また、フランジ部17は、軸受け部本体16の下部から、言い換えると底部16Aから下方へ突出する第1突出部17Aと、軸受け部本体16の両側部から、言い換えると立上部16B,16Cから水平方向又は略水平方向に突出する2個の第2突出部17B,17Cとからなり、これらの第1及び第2突出部17A〜17Cがブラケット本体8Aに溶接又はリベット等の結合具で結合されることにより、上記軸受け部材によって形成されている軸受け部10が支持用ブラケット8に設けられていることになる。
【0068】
図3に示されているように、軸受け部本体16の立上部16B,16Cと巻取軸6の軸部6Bには、孔11〜13が形成され、軸部6Bを軸受け部本体16に挿入した後に、これらの孔11〜13にボルト14を挿入し、立上部16Cの孔13から突出したボルト14の軸端にナット15を螺合することにより、手動式巻取軸6の端部を形成している軸部6Bは、非回転状態となって軸受け部10の軸受け部本体16で支持されることになる。
【0069】
図4は、窓用手動式シャッター装置を窓用電動式シャッター装置に改修するために、手動式巻取軸6から交換される電動式巻取軸20を示している。本発明の一実施形態に係る巻取軸となっているこの電動式巻取軸20における支持用ブラケット8の側の端部20Bの内部には、後述する本発明の一実施形態に係る開閉体となっている電動用シャッターカーテン31を開閉移動させる開閉機21が収納されている。この開閉機21は、電動モータ21Cと、この電動モータ21Cを制動するためのブレーキ21Dと、これら電動モータ21Cの駆動制御とブレーキ21Dのオン、オフの電気的制御を行う制御装置21Bと、を含んで構成されている。
【0070】
本実施形態における紐状部材となっている電源コードである電源線(アース線を含んでいてもよく、含んでいなくてもよい)39は、開閉機21を構成する上述した各装置に接続され、これらの装置に電源を供給するためのものとなっている。図4に示されているように、開閉機21から延びている電源線39は、電動式巻取軸20における一方の端部である支持用ブラケット8側の端部20Bから延びている。
【0071】
開閉機21のブレーキ21Dは、後述するように、巻取軸20が電動モータ21Cの回転駆動力により回転してシャッターカーテン31が全開位置や全閉位置に達したことが巻取軸20の図示しない回転数検出センサ等で検出されて、この検出信号が、紐状部材となっている図示しない信号線を経由して制御装置21Bに入力したときや、電動モータ21Cの回転や停止を操作するための操作装置からの停止信号が前記信号線を経由してこの制御装置21Bに入力したときに、電動モータ21Cの出力部材の回転駆動を停止させて巻取軸20を回転停止状態とするためのものである。
【0072】
開閉機21には、電動モータ21Cの出力部材の回転駆動により回転するリング状の駆動部材22が設けられ、この駆動部材22の円周方向に複数形成されている溝22Aに、巻取軸20の内面に設けられている突起20Aが挿入されているため、駆動部材22と巻取軸20は、巻取軸20の回転方向に連結されている。このため、電動モータ21Cの出力部材の回転駆動により駆動部材22が回転すると、巻取軸20は回転することになる。また、開閉機21の外周には、巻取軸20と一体となって回転するリング状の従動部材23が嵌合され、電動モータ21Cの回転駆動力による巻取軸20の回転は、この従動部材23が、巻取軸20と開閉機21との間の回転軸受け部材となって行われる。
【0073】
一方、電動式巻取軸20における支持用ブラケット7の側の端部の内部には、戻しばねユニット24が挿入されている。この戻しばねユニット24は、非回転の中心軸25と、この中心軸25に軸受け部材26で回転自在に配置された2個のホイール部材27と、これらのホイール部材27の間に配設されたねじりコイルばねによる2個の戻しばね28とを含んで構成されている。それぞれのホイール部材27は巻取軸20にリベット等で結合され、また、それぞれの戻しばね28の一端は連結具29Aで中心軸25に連結されているとともに、他端は連結具29Bでそれぞれのホイール部材27に連結されている。
【0074】
このため、電動式巻取軸20に後述する電動用シャッターカーテンの上端が連結された後に、この電動用シャッターカーテンを巻き取っている電動式巻取軸20が、電動モータ21Cの回転駆動力により非回転の中心軸25を中心に回転して電動用シャッターカーテンが繰り出されたときには、戻しばね28に戻しばね力が蓄圧され、この戻しばね力は、電動式巻取軸20が電動モータ21Cの回転駆動力により逆回転して電動用シャッターカーテンを巻き取るときに、補助力として利用される。
【0075】
本実施形態では、図4に示されているように、中心軸25の軸端部25Aは巻取軸20から突出しており、このため、この軸端部25Aは、電動式巻取軸20における支持用ブラケット7の側の端部を形成しており、また、この軸端部25Aは、手動式巻取軸6のときにも使用されていたこの支持用ブラケット7の軸受け部9で支持されている。そして、これらの軸端部25Aと軸受け部9は、図5及び図6で示されているように、図3及び図4で説明したと同様な構造により、ボルト14及びナット15により連結されている。
【0076】
このため、本実施形態では、電動式巻取軸20における支持用ブラケット7の側の端部を形成している中心軸25の軸端部25Aを支持するためにも、窓用手動式シャッター装置における既存の支持用ブラケット7と、この支持用ブラケット7のブラケット本体7Aに設けられている既存の軸受け部9が用いられている。
【0077】
なお、既存の支持用ブラケット7のブラケット本体7Aと中心軸25の軸端部25Aとの間に、既存の軸受け部9によって邪魔されないでブラケット本体7Aと中心軸25の軸端部25Aとを連結するための中間構成体を介入してもよい。
【0078】
図7には、図2及び図3で説明した支持用ブラケット8に、電動式巻取軸20における支持用ブラケット8の側の端部20Bを連結支持させるための構造が示されており、図7は、この構造の正面図であり、図8は、この構造の平面図である。電動式巻取軸20におけるこの支持用ブラケット8の側の端部20Bは、具体的な構造を後述する中間構成体30により支持用ブラケット8のブラケット本体8Aに連結支持されている。一層具体的には、電動式巻取軸20の内部に収納固定されている開閉機21における支持用ブラケット8の側の端部21Aは、この巻取軸20から露出しており、電動モータ21Cが構成要素となっている開閉機21のこの端部21Aが、中間構成体30により支持用ブラケット8のブラケット本体8Aに連結支持されることにより、電動式巻取軸20における支持用ブラケット8の側の端部20Bと、支持用ブラケット8のブラケット本体8Aとが、開閉機21及び中間構成体30を介して連結支持されている。
【0079】
したがって、前述した手動式巻取軸6から電動式巻取軸20に改修された後でも、既存の支持用ブラケット8がそのまま用いられており、また、この支持用ブラケット8に設けられている図2及び図3で示した軸受け部10はそのまま残されている。そして、開閉機21と支持用ブラケット8のブラケット本体8Aとを連結するための中間構成体30は、後述の説明から分かるように、軸受け部10に邪魔されずに開閉機21と支持用ブラケット8のブラケット本体8Aとの間に介入されている。
【0080】
図9には、手動式巻取軸6から電動式巻取軸20に改修された後の窓用電動式シャッター装置の正面図が示されており、本実施形態では、手動式巻取軸6から電動式巻取軸20に改修されるときに、図1で示した手動用シャッターカーテン3は図9で示した電動用シャッターカーテン31に改修されている。電動式巻取軸20に上端が連結されているこの電動用シャッターカーテン31の左右両端部は、図1で示した左右一対のガイドレール4に上下スライド自在に挿入され、このシャッターカーテン31は、電動式巻取軸20による巻き取り、繰り出しにより、これらのガイドレール4で案内されて上下方向に開閉移動する。そして、シャッターカーテン31の全体は、座板等の付属的部材を除き、多数のスラット32を上下に連設することにより形成されている。
【0081】
図10は、図9のS10−S10線断面図であり、この図10に示されているように、それぞれのスラット32の上下両端にはカール部33が形成され、上側のスラット32Aの下端カール部33Aと、下側のスラット32Bの上端カール部33Bとが係合することにより、これらのスラット32A,32Bは回動自在に連結されている。そして、それぞれのカール部33は左右方向へ同一断面形状が連続するものとなっているため、左右一対のガイドレール4から外れた箇所では、すなわち、図5で示されているシャッターケース5の内部の箇所では、それぞれのスラット32は左右方向にスライドするおそれのある状態になっている。
【0082】
なお、図1で示した手動用シャッターカーテン3の少なくとも一部が、複数のスラットの連設で形成されているときには、本実施形態に係る上述の中間構成体30は、手動式巻取軸6から電動式巻取軸20に改修された後にこの手動用シャッターカーテン3を電動用シャッターカーテンとして用いる場合にも、適用することができる。
【0083】
すなわち、少なくとも一部がスラットの連設で形成されている既存の手動用シャッターカーテン3を電動用シャッターカーテンとして用いる場合にも、本実施形態に係る中間構成体30は適用することができる。
【0084】
図4に示されているように、開閉機21からはワイヤー等による紐状部材35が延びており、この紐状部材35は、中空部材となっている前述の中心軸25の一方の端部からこの中心軸25の内部に挿通されている。
【0085】
そして、この紐状部材35は、電動モータ21Cと共に開閉機21の構成要素となっている前述のブレーキ21Dを、電動式巻取軸20の回転が停止しているときに、オン、オフ切り替え操作するための切替部材35となっている。すなわち、ブレーキ21Dがオンとなっているために電動式巻取軸20の回転が停止している電動用シャッターカーテン31の全開時や全閉時等において、例えば、停電になった場合に、切替部材35が1回引っ張り操作されると、ブレーキ21Dはオフとなるため、巻取軸が手動式巻取軸6から電動式巻取軸20に改修されていても、この電動式巻取軸20は自由回転可能状態となり、このため、電動用シャッターカーテン31を手動により開閉移動させることができる。また、切替部材35がもう1回引っ張り操作されると、ブレーキ21Dはオンとなるため、開閉機21は上述の引っ張り操作前の状態に戻り、電動式巻取軸20は自由回転不能状態となって、電動用シャッターカーテン31を手動により開閉移動させることはできなくなる。
【0086】
なお、紐状部材を引っ張り操作することで開閉機のブレーキをオン、オフできるようにするための機構は、既に周知となっている。例えば、特開2004−27841号公報には、紐状部材を引っ張り操作することにより、モータの駆動力を巻取軸に伝達するためのクラッチ機構が切断、連結する機構が開示されており、本実施形態も、これと同様の機構を備えたものとなっている。このため、上述した紐状部材である切替部材35を引っ張り操作することで開閉機21のブレーキ21Dをオン、オフできるようにするための機構についての詳細な説明は省略する。
【0087】
図5及び図6から分かるように、軸受け部9は、軸受け部10と同様に、軸受け部本体18と、この軸受け部本体18におけるブラケット本体7Aの側から巻取軸20の外径方向に突出しているフランジ部19とからなる。軸受け部本体18は、底部18Aと、この底部18Aの両端から立ち上がった立上部18B,18Cとを有するため、上向きに開口したコ字形状となっている。また、フランジ部19は、軸受け部本体18の下部から、言い換えると底部18Aから下方へ突出する第1突出部19Aと、軸受け部本体18の両側部から、言い換えると立上部18B,18Cから水平方向又は略水平方向に突出する2個の第2突出部19B,19Cとからなり、これらの第1及び第2突出部19A〜19Cがブラケット本体7Aに溶接又はリベット等の結合具で結合されることにより、上記軸受け部材によって形成されている軸受け部9が支持用ブラケット7に設けられていることになる。
【0088】
図13は、図4で示されている左側の支持用ブラケット8及びシャッターケース5の蓋部材5Cの部分拡大図である。この図13に示すように、支持用ブラケット8のブラケット本体8Aには、電源線39が挿通される円形状又は略円形状の孔34が形成されており、また、シャッターケース5の左側面部を構成する蓋部材5Cにおける前記孔34と対面する位置には、この孔34と同じ又は略同じ直径寸法を有する孔5Gが形成されている。この孔5Gの中心位置は、孔34の中心位置と一致又は略一致しており、また、孔5Gの直径寸法は、孔34の直径寸法と同じ又は略同じとなっている。また、図4に示す蓋部材5Cを簡略化して示した斜視図である図17(支持用ブラケット8等の表示は省略)にも示されているように、蓋部材5Cにおける孔5Gからシャッターカーテン31の閉じ移動方向である下方向に離間した箇所には、円形状又は略円形状の孔5Hが形成されている。なお、孔5Hの直径寸法は、図13にも示されているように孔5Gの直径寸法よりも小さくなっていてもよく、孔5Gの直径寸法と同じ又は略同じとなっていてもよい。
【0089】
図13に示されているように、電源線39は、ブラケット本体8Aの孔34と蓋部材5Cの孔5Gとに挿通されて蓋部材5Cの外部に突出された後、この蓋部材5Bの孔5Hに挿通されている。そして、この孔5Hに挿通された電源線39は、図13に示すように、ブラケット本体8Aと蓋部材5Cとの間に形成された隙間部S2を通過した後、図4及び図17に示すように、蓋部材5Cの下面部(底面部)5Kに形成されたシャッターカーテン31の厚さ方向である前後方向に長い開口部5Jから露出(突出)される。これ以後の電源線39の配線状態は、電源線39の終端部が、屋外又は屋内に配置された電源コンセントに接続されるものとなる。
【0090】
このため、本実施形態では、支持用ブラケット8のブラケット本体8Aに形成されている孔34は第1孔となっており、シャッターケース5の蓋部材5Cに形成されている孔5Gは第2孔となっており、シャッターケース5の蓋部材5Cに形成されている孔5Hは第3孔となっている。
【0091】
このように、本実施形態では、電源線39が、ブラケット本体8Aの孔34と蓋部材5Cの孔5Gとに挿通されて蓋部材5Cの外部に突出され、かつ、蓋部材5Bの孔5Hに挿通されてブラケット本体8Aと蓋部材5Cとの間に形成された隙間部S2を通過している配線構造となっている。
【0092】
図11及び図12は、図7のS11−S11線及びS12−S12線での断面図である。図11で示されている電源線39を通すために支持用ブラケット8のブラケット本体8Aに形成されている上記孔34は、図12に示されているように、ブラケット本体8Aにおける電源線39が軸受け部10に邪魔されない箇所となっているため、電源線39は、この軸受け部10と干渉することなく、すなわち、軸受け部10に邪魔されることなく配線されている。
【0093】
また、図5及び図6から分かるように、支持用ブラケット7のブラケット本体7Aにおける軸受け部本体18の底部18Aと立上部18B,18Cとで囲まれた箇所のうち、電動式巻取軸20の延長軸線と一致又は略一致している箇所には、円形状又は略円形状の孔36が形成されている。
【0094】
この支持用ブラケット7は、上述した中間構成体30が設けられている、あるいは設けられていない支持用ブラケット8とは電動式巻取軸20の軸方向の反対側に配置されている支持用ブラケットであり、この支持用ブラケット7に孔36が形成されている箇所は、支持用ブラケット7のブラケット本体7Aに設けられている前述の軸受け部9に邪魔されない箇所となっている。中心軸25の内部に挿通されてさらにこの中心軸25の他方の端部から突出した切替部材35は、孔36に通されているため、切替部材35は、軸受け部9と干渉することなく、言い換えると、軸受け部9に邪魔されることなく配線されている。
【0095】
図14は、図13と同様に、図4で示されている右側の支持用ブラケット7及びシャッターケース5の蓋部材5Bの部分拡大図である。この図14に示すように、シャッターケース5の右側面部を構成する蓋部材5Bにおけるブラケット本体7Aの孔36と対面する位置には、この孔36と同じ又は略同じ直径寸法を有する孔5Eが形成されている。この孔5Eの中心位置は、孔36の中心位置と一致又は略一致しており、また、孔5Eの直径寸法は、孔36の直径寸法と同じ又は略同じとなっている。また、図4に示す蓋部材5Bを簡略化して示した斜視図である図19(支持用ブラケット7等の表示は省略)にも示されているように、蓋部材5Bにおける孔5Eからシャッターカーテン31の閉じ移動方向である下方向に離間した箇所には、孔5Fが形成されている。なお、孔5Fの直径寸法は、図14にも示されているように孔5Eの直径寸法よりも小さくなっていてもよく、孔5Eの直径寸法と同じ又は略同じとなっていてもよい。
【0096】
切替部材35は、上述したようにブラケット本体7Aの孔36と蓋部材5Bの孔5Eとに挿通されて蓋部材5Bの外部に突出された後、この蓋部材5Bの孔5Hに挿通されている。そして、この孔5Fに挿通された切替部材35は、図14に示すように、ブラケット本体7Aと蓋部材5Bとの間に形成された隙間部S1を通過した後、図4及び図19に示すように、蓋部材5Bの下面部(底面部)5Lに形成されたシャッターカーテン31の厚さ方向である前後方向に長い開口部5Iから露出(突出)される。これ以後の切替部材35の配線状態は、切替部材35の終端部が、左右一対のガイドレール4のうちの一方に配置された引張操作部材38に連結されるものとなる。このため、この引張操作部材38を引っ張り操作することにより、切替部材35を介して開閉機21のブレーキ21Dがオン、オフ切り替えることになる。
【0097】
このため、本実施形態では、支持用ブラケット7のブラケット本体7Aに形成されている孔36は第1孔となっており、シャッターケース5の蓋部材5Bに形成されている孔5Eは第2孔となっており、シャッターケース5の蓋部材5Bに形成されている孔5Fは第3孔となっている。
【0098】
このように、本実施形態では、電源線39が、ブラケット本体8Aの孔34と蓋部材5Cの孔5Gとに挿通されて蓋部材5Cの外部に突出され、かつ、蓋部材5Bの孔5Hに挿通されてブラケット本体8Aと蓋部材5Cとの間に形成された隙間部S2を通過している配線構造となっている。
【0099】
本実施形態では、開閉機21から延びる電源線39の配線作業は、巻取軸20の軸方向の両端部を軸受け部9,10に支持させる作業の際に行われるが、この電源線39の終端部を、ブラケット本体8Aの孔34と蓋部材5Cの孔5Gとに挿通した後、直ちに(直接的に)蓋部材5Cの孔5Hに挿通するものではなく、図15及び図16(支持用ブラケット8等の表示は省略)に示されているように、電源線39を、ブラケット本体8Aの孔34と蓋部材5Cの孔5Gとに挿通してシャッターケース5の蓋部材5Cの外部に一旦突出(露出)させるものとなっている。なお、この後の配線作業を考慮して、蓋部材5Cの外部に一旦突出させる電源線39の突出量は、できるだけ大きい(多い)ほうが好ましい。すなわち、電源線39は、蓋部材5Cの外部に突出させるだけ突出させることが好ましい。
【0100】
また、開閉機21から延びる切替部材35の配線作業も、電源線39と同様に、巻取軸20の軸方向の両端部を軸受け部9,10に支持させる作業の際に行われる。このとき、切替部材35の終端部を、ブラケット本体7Aの孔36と蓋部材5Bの孔5Eとに挿通した後、直ちに(直接的に)蓋部材5Bの孔5Fに挿通するものではなく、図15及び図18(支持用ブラケット7等の表示は省略)に示されているように、切替部材35をブラケット本体7Aの孔36と蓋部材5Bの孔5Eとに挿通してシャッターケース5の蓋部材5Bの外部に一旦突出(露出)させるものとなっている。なお、上述した電源線39の場合と同様に、この後の配線作業を考慮して、蓋部材5Bの外部に一旦突出させる切替部材35の突出量は、できるだけ大きい(多い)ほうが好ましい。すなわち、切替部材35は、蓋部材5Bの外部に突出させるだけ突出させることが好ましい。
【0101】
巻取軸20の軸方向の両端部を軸受け部9,10に支持させる作業と、上述したように、電源線39と切替部材35をシャッターケース5の蓋部材5C,5Bから一旦突出させる作業が終了した後は、以下の配線作業を行う。
【0102】
図16及び図17から分かるように、蓋部材5Cから突出している電源線39の終端部を蓋部材5Cの孔5Hに挿通し、この蓋部材5Cから突出している電源線39を、ブラケット本体8Aと蓋部材5Cとの間の形成された図13に示す前記隙間部S2を通過させ、蓋部材5Cの前記下面部(底面部)5Kに形成されたシャッターカーテン31の厚さ方向である前後方向に長い前記開口部5Jから露出(突出)させる。これ以後の電源線39の配線作業は、前述したように、電源線39の終端部を、屋外又は屋内に配置された電源コンセントに接続させるものとなる。
【0103】
また、図18及び図19から分かるように、蓋部材5Bから突出している切替部材35の終端部を蓋部材5Bの孔5Fに挿通し、この蓋部材5Bから突出している切替部材35を、ブラケット本体7Aと蓋部材5Bとの間の形成された図14に示す前記隙間部S1を通過させ、蓋部材5Bの前記下面部(底面部)5Lに形成されたシャッターカーテン31の厚さ方向である前後方向に長い前記開口部5Iから露出(突出)させる。これ以後の切替部材35の配線作業は、前述したように、切替部材35の終端部を、左右一対のガイドレール4のうちの一方に配置された引張操作部材38に連結させるものとなる。
【0104】
なお、電源線39の上記配線作業が終了した後、図4に示されているように、蓋部材5Cには、電源線39のうちの蓋部材5Cから露出している部分39A(図13や図17も参照)を覆うためのカバー部材である下向きに開口したキャップ部材40を取り付ける。また、切替部材35の上記配線作業が終了した後、図4に示されているように、蓋部材5Bには、切替部材35のうちの蓋部材5Bから露出している部分35A(図14や図19も参照)を覆うためのカバー部材である下向きに開口したキャップ部材37を取り付ける。
【0105】
なお、本実施形態において、ワイヤー等で形成されている切替部材35の外側は、中空部材で覆うようにしてもよい。言い換えると、切替部材35はインナーワイヤーとし、この切替部材35の外側はアウターワイヤーで覆うようにしてもよい。
【0106】
なお、図13に示すように、円形又は略円形となっている蓋部材5Cの孔5G(図16や図17も参照)の直径寸法は、円形又は略円形となっているブラケット本体8Aの孔34の直径寸法と同じ又は略同じとなっているが、蓋部材5Cの孔5Gの直径寸法は、ブラケット本体8Aの孔34の直径寸法よりも大きくするようにしてもよい。
【0107】
作業者は、電源線39をブラケット本体8Aの孔34に挿通した後、さらに蓋部材5Cの孔5Gに挿通することになるが、この電源線39の挿通作業は、巻取軸20を支持用ブラケット7,8に支持させる作業と同時に行うため、ブラケット本体8Aの孔34の後方にある蓋部材5Cの孔5Gは見えにくく、ブラケット本体8Aの孔34に挿通した電源線39の終端部を、蓋部材5Cの孔5Gに目がけて挿通することは容易ではない。
【0108】
しかし、蓋部材5Cの孔5Gの直径寸法をブラケット本体8Aの孔34の直径寸法よりも大きくすることにより、ブラケット本体8Aの孔34に挿通した電源線39の終端部を蓋部材5Cの孔5Gに目がけて挿通する必要はほとんどなくなる。すなわち、ブラケット本体8Aの孔34に挿通した電源線39の終端部を蓋部材5Cの側の方向へ送り出すだけで、この電源線39の終端部を蓋部材5Cの孔5Gに容易に挿通させることが可能となる。
【0109】
また、図14に示すように、円形又は略円形となっている蓋部材5Bの孔5E(図18や図19も参照)の直径寸法も、円形又は略円形となっているブラケット本体7Aの孔36の直径寸法と同じ又は略同じとなっているが、上述したのと同様の理由により、蓋部材5Bの孔5Eの直径寸法は、ブラケット本体7の孔36の直径寸法よりも大きくするようにしてもよい。
【0110】
上述したように、電動式巻取軸20の回転が停止しているときに、開閉機21のブレーキ21Dをオン、オフ切り替え操作するための切替部材35は、電動式巻取軸20の内部において、軸受け部9に干渉されることなく、電動式巻取軸20の軸方向(左右方向)にスムーズにスライド動作する。
【0111】
このため、本実施形態によると、既存の支持用ブラケット7や軸受け部9を残しても、電動式巻取軸20の回転が停止しているときには、切替部材35による開閉機21のブレーキ21Dのオン、オフ切り替え操作が円滑に行われる。
【0112】
なお、図面では示されていないが、手動式巻取軸6から電動式巻取軸20に改修するときには、電動用シャッターカーテン31を遠隔操作により開き移動、閉じ移動、移動停止させることができるようにするために、本実施形態に係る電動式窓用シャッター装置には、電動式巻取軸20を正回転、逆回転、回転停止させるための「開」、「閉」、「停」のそれぞれのボタンが設けられている操作装置が追加される。
【0113】
この操作装置は、電源線39と同様に紐状部材となっている電気コードである図示されない前記信号線によって、開閉機21の電動モータ21Cの駆動制御やブレーキ21Dの動作制御をするための上述した制御装置21Bと接続されているもの(有線方式で接続されるもの)であるが、操作装置は、制御装置21Bと無線方式で接続されるものとしてもよい。
【0114】
なお、前記信号線は、図4に示すように、電源線39と同様に、電動式巻取軸20の両端部のうちの一方の端部(支持用ブラケット8側の端部)を形成している開閉機21の端部21Aから延ばした(導出させた)後、ブラケット本体8Aの孔34と蓋部材5Cの孔5Gとに挿通して蓋部材5Cの外部に一旦突出させ、この後、前記信号線を、蓋部材5Cの孔5Hに挿通してブラケット本体8Aと蓋部材5Cの間の隙間部S2(図13参照)を通過させるようにしてもよい。また、前記信号線は、図4に示すように、切替部材35と同様に、電動式巻取軸20の両端部のうちの他方の端部(支持用ブラケット7側の端部)を形成している軸端部25Aから延ばした後、ブラケット本体7Aの孔36と蓋部材5Bの孔5Eとに挿通して蓋部材5Bの外部に一旦突出させ、この後、前記信号線を、蓋部材5Bの孔5Fに挿通してブラケット本体7Aと蓋部材5Bの間の隙間部S1(図14参照)を通過させるようにしてもよい。
【0115】
以上説明したように、本実施形態に係る電動式シャッター装置では、開閉機21から延びる紐状部材である切替部材35と電源線39は、支持用ブラケット7,8のブラケット本体7A,8Aに形成された第1孔である孔36,34と、シャッターケース5の蓋部材5B,5Cに形成された第2孔である孔5E,5Gと、に挿通されて蓋部材5B,5Cの外部に突出(露出)され、かつ、蓋部材5B,5Cに形成された第3孔である孔5F,5Hに挿通されてブラケット本体7A,8Aと蓋部材5B,5Cとの間に形成された隙間部S1,S2を通過する配線構造となっている。
【0116】
図13及び図14に示すように、ブラケット本体7A,8Aと蓋部材5B,5Cとの間隔は狭くなっており、切替部材35と電源線39が、ブラケット本体7A,8Aに形成された前記孔36,34に挿通され、かつ、直接的に前記隙間部S1,S2を通過する配線構造となっている場合には、切替部材35と電源線39は、孔36,34から隙間部S1,S2へ垂直方向(下方向)に折れ曲がって配線されることになるため、切替部材35と電源線39が隙間部S1,S2に配線される途中において、あるいは、切替部材35と電源線39が隙間部S1、S2に配線された後において、開閉機21から延びる切替部材35と電源線39がこの開閉機21とブラケット本体7A,8Aの間で絡まった場合には、この絡まりをほどく作業は容易ではない。
【0117】
これに対して、本実施形態では、上述したように、切替部材35と電源線39は、ブラケット本体7A,8Aの孔36,34と蓋部材5B,5Cの孔5E,5Gとに挿通されて蓋部材5B,5Cの外部に突出(露出)され、かつ、蓋部材5B,5Cの孔5F,5Hに挿通されてブラケット本体7A,8Aと蓋部材5B,5Cとの間に形成された隙間部S1,S2を通過する配線構造となっている。
【0118】
これにより、図13及び図14に示すように、切替部材35と電源線39の一部が蓋部材5B,5Cの外部に露出した状態となるため、切替部材35と電源線39が隙間部S1,S2に配線される途中において、あるいは、切替部材35と電源線39が隙間部S1,S2に配線された後において、開閉機21から延びる切替部材35と電源線39がこの開閉機21とブラケット本体7A,8Aとの間で絡まった場合には、作業者は、切替部材35及び/又は電源線39のうちの蓋部材5B,5Cの外部に露出した部分35A(図14参照),39A(図13参照)を引っ張り操作等することで切替部材35と電源線39の絡まりをほどく作業を容易に行うことができる。
【0119】
このため、本実施形態によると、切替部材35と電源線39が、ブラケット本体7A,8Aに形成された孔36,34に挿通され、かつ、直接的に前記隙間部S1、S2を通過する配線構造とした場合と比較して、配線作業が容易となる。
【0120】
このように、本実施形態に係る電動式シャッター装置の配線構造によると、開閉機21から延びる切替部材35と電源線39の配線作業の容易化が図れるようになる。
【0121】
また、以上説明したように、本実施形態に係る電動式シャッター装置では、開閉機21が収納された巻取軸20の軸方向の両端部を支持用ブラケット7,8に支持させるときに、開閉機21から延びる切替部材35と電源線39を、ブラケット本体7A,8Aの孔36,34と蓋部材5B,5Cの孔5E,5Gとに挿通して蓋部材5B,5Cの外部に一旦突出させる作業工程と、蓋部材5B,5Cの外部に一旦突出させた切替部材35と電源線39を、蓋部材5B,5Cの孔5F,5Hに挿通して前記隙間部S1,S2を通過させる作業工程と、を含む配線方法となっている。
【0122】
前述したように、ブラケット本体7A,8Aと蓋部材5B,5Cとの間隔は狭くなっており、開閉機21が収納された巻取軸20を支持用ブラケット7,8に支持させるときに、切替部材35と電源線39を、ブラケット本体7A,8Aの孔36,34に挿通するとともにこれらの切替部材35と電源線39を直接的に前記隙間部S1,S2に配線する作業を行うことは容易ではない。
【0123】
また、前述したように、切替部材35と電源線39をこのように配線することにより、切替部材35と電源線39は、ブラケット本体7A,8Aの孔36,34から前記隙間部S1,S2へ垂直方向に折れ曲がって配線されることになるため、切替部材35と電源線39を前記隙間部S1,S2に配線する途中において、あるいは、切替部材35と電源線39を前記隙間部S1,S2に配線した後において、開閉機21から延びる切替部材35と電源線39がこの開閉機21とブラケット本体7A,8Aとの間で絡まった場合には、この絡まりをほどく作業は容易ではない。
【0124】
これに対して、本実施形態は、開閉機21が収納された巻取軸20を支持用ブラケット7,8に支持させるときに、切替部材35と電源線39を、ブラケット本体7A,8Aの孔36,34と蓋部材5B,5Cの孔5E,5Gとに挿通して蓋部材5B,5C外部に一旦突出させる作業工程が実施される。
【0125】
そして、開閉機21が収納された巻取軸20を支持用ブラケット7,8に支持させた後は、蓋部材5B,5Cの外部に一旦突出させた切替部材35と電源線39を、蓋部材5B,5Cの孔5F,5Hに挿通して前記隙間部S1,S2を通過させる作業工程が実施される。
【0126】
これにより、作業者は、開閉機21が収納された巻取軸20を支持用ブラケット7,8に支持させた後は、蓋部材5B,5Cの外部に一旦突出させた切替部材35と電源線39を、蓋部材5B,5Cの孔5F,5Hに挿通して前記隙間部S1,S2を通過させる作業を行うことに専念できるようになる。
【0127】
また、これにより、切替部材35と電源線39の一部が蓋部材5B,5Cの外部に露出した状態となるため、開閉機21が収納された巻取軸20を支持用ブラケット7,8に支持させた後、切替部材35と電源線39を前記隙間部S1,S2に配線する途中において、あるいは、切替部材35と電源線39を前記隙間部S1,S2に配線した後において、開閉機21から延びる切替部材35と電源線39がこの開閉機21とブラケット本体7A,8Aとの間で絡まった場合には、前記作業者は、切替部材35及び/又は電源線39のうちの蓋部材5B,5Cの外部に露出した部分35A(図14参照),39A(図13参照)を引っ張り操作等することで切替部材35と電源線39の絡まりをほどく作業を容易に行うことができる。
【0128】
このため、本実施形態によると、開閉機21が収納された巻取軸20を支持用ブラケット7,8に支持させるときに、切替部材35と電源線39を、ブラケット本体7A,8Aの孔36,34に挿通するとともにこれらの切替部材35と電源線39を直接的にブラケット本体7A,8Aと蓋部材5B,5Cとの間に形成された隙間部S1,S2に配線する場合と比較して、配線作業が容易となる。
【0129】
このように、本実施形態に係る電動式シャッター装置の配線方法によると、開閉機21から延びる切替部材35と電源線39の配線作業の容易化が図れるようになる。
【0130】
図20と図21は、図13で示した紐状部材である電源線39を、支持用ブラケット8のブラケット本体8Aの第1孔及び蓋部材5Cの第2孔,第3孔に通すことに関する別実施形態を示している。なお、図20に示されている実施形態では、第1孔である孔34と、第2孔である5Gと、第3孔である105Hは、全て同じ又は略同じ直径寸法を有している。また、図21に示されている実施形態では、第1孔である孔134と、第2孔である孔105Gと、第3孔である孔205Hは、全て同じ又は略同じ直径寸法を有しているが、これらの直径寸法は、図20に示す各孔の直径寸法よりも大きいものとなっている。
【0131】
図20の実施形態では、金属製のブラケット本体8Aの孔34に、このブラケット本体8Aの材料である金属よりも軟質のゴムや合成樹脂等の材料で形成された短寸の案内部材83を嵌入し、金属性の蓋部材5Cの孔5G,105Hにも、前記案内部材83を嵌入し、これらの案内部材83の内部孔83Aに電源線39を挿通している。
【0132】
これによると、電源線39をブラケット本体8A及び蓋部材5Cに挿通するときに、この電源線39が金属製の支持用ブラケット8の孔34及び蓋部材5Cの孔5G,105Hで擦れて損傷することを、案内部材83により防止することができる。
【0133】
図21の実施形態では、図20の実施形態において蓋部材5Cの第2孔である孔5Gに嵌入していた案内部材83の代わりに、図21に示す第2孔である孔105Gに挿通した後の電源線39の配線方向のうちの一方向であるシャッターカーテンの閉じ移動である下方向に湾曲した湾曲部84Aを有している長寸の案内部材84の一部を嵌入し、止め具85により、この案内部材84を蓋部材5Cに止めている。なお、図21に示す第1孔である孔134と第3孔である孔205Hには、これらに適合する案内部材183(図20に示す案内部材83と同様の形状を有するもの)が嵌入されている。
【0134】
この実施形態によると、案内部材84の湾曲部84Aによる湾曲案内作用により、案内部材84の内部孔84Bに水平方向に挿通した後の電源線39を蓋部材5Cの外部に下方向に湾曲させて一旦突出させることができる。
【0135】
なお、この案内部材84は、図20の案内部材83と同様に、金属よりも軟質のゴムや合成樹脂等の材料で形成してもよい。
【0136】
図22は、図20及び図21に示す案内部材83,84とは異なるさらなる別実施形態に係る長寸の案内部材86の長手方向の途中部を破断した斜視図である。図22に示すように、案内部材86は、ブラケット本体7A,8Aや蓋部材5B,5Cよりも軟質の材料である軟質のゴムや合成樹脂等の材料で形成されており、長手方向全長に渡って開口した部分86Aを有する断面略コ字状となっている。また、この案内部材86の長さ寸法はLとなっており、この長さ寸法Lは、ブラケット本体8Aの孔34の周寸法と同じ又は略同じとなっている。
【0137】
前述した図20及び図21に示す案内部材83,84と同様に、この案内部材86の設置は、ブラケット本体8Aの孔34に嵌入することにより行われる。
【0138】
図23は、案内部材86をブラケット本体8Aの孔34に嵌入している作業状態を示す斜視図である。この図23に示すように、案内部材86の設置作業は、案内部材86の長手方向の両端部86C,86Dのうちの一方の端部86Cの開口した部分86Aから孔34の縁部34Aに沿って嵌入し、案内部材86の長手方向の他方の端部86Dの開口した部分86Aが孔34の縁部34Aに嵌入した時点で終了する。上述したように、案内部材86の長さ寸法Lは孔34の周寸法と同じ又は略同じとなっているため、案内部材86の長手方向の他方の端部86Dの開口した部分86Aが孔34の縁部34Aに嵌入したとき、案内部材86の長手方向の両端部86C,86Dの端面同士が接触した状態又は略接触した状態となる。これにより、孔34の内周面(孔34の縁部34Aを含む)は、軟質の材料で形成された案内部材86によって覆われた状態となる。
【0139】
なお、案内部材86の設置作業は、案内部材86の長手方向の両端部86C,86Dの端面同士を、開口した部分86Aが外向き(言い換えると、底部86Bが内向き)となるように接着し、この案内部材86を環状(リング状)とした後、この環状となった案内部材86を変形させながら、開口した部分86Aをブラケット本体8Aの孔34に縁部34Aに嵌入するようにしてもよい。
【0140】
なお、蓋部材5Cの孔5G,5H、支持用ブラケット7のブラケット本体7Aの孔36、蓋部材5Bの孔5E,5Fにも、上記案内部材86(長さ寸法Lは、各孔の周寸法と同じ又は略同じとなっているもの)を嵌入するようにしてもよい。
【0141】
図24は、図21の孔105Gに一部が嵌入されている案内部材84と同じものを、孔205Hにも嵌入した実施形態を示す図である。
【0142】
前述したように、孔205Hの直径寸法は、孔105Gの直径寸法と同じ又は略同じとなっているので、図21の孔105Gに一部が嵌入されている案内部材84を、上下逆にすることで孔205Hにも嵌入することができる。このため、孔105Gに一部が嵌入された案内部材84の湾曲部84Aは、図24に示すように、蓋部材5Cの孔205Hの側へ湾曲したものとなる。
【0143】
この実施形態によると、電源線39は、上下に配置された2個の案内部材84の湾曲案内作用により、案内部材83の内部孔83Aと上側の案内部材84の内部孔84Bとに挿通された後、下側の案内部材84の内部孔84Bにも挿通されてそのまま隙間部S2を通過することになる。
【0144】
したがって、巻取軸20を支持用ブラケット8の軸受け部10に支持させるときに、電源線39をブラケット本体8Aの孔134と蓋部材5Cの孔105Gとに挿通させることができるとともに、この電源線39を蓋部材5Cの孔205Hにも挿通させて隙間部S2を通過させることができ、電源線39の配線作業のさらなる容易化を図ることができる。
【0145】
なお、この実施形態において、孔105Gと孔205Hには、上下に配置された2個の案内部材84を連結して1個の案内部材としたものを嵌入するようにしてもよい。すなわち、2個の湾曲部(シャッターカーテン31の閉じ側である下側へ湾曲する湾曲部と、蓋部材5Cの孔205Hの側へ湾曲する湾曲部)を有する1個の湾曲部材の一部を孔105Gと孔205Hとに嵌入するようにしてもよい。
【0146】
図25と図26は、図20及び図21と同様に、図14で示した紐状部材である切替部材35を、支持用ブラケット7のブラケット本体7Aの第1孔及び蓋部材5Bの第2孔,第3孔に通すことに関する別実施形態を示している。なお、図25に示されている実施形態でも、第1孔である孔36と、第2孔である5Eと、第3孔である105Fは、全て同じ又は略同じ直径寸法を有している。また、図26に示されている実施形態でも、第1孔である孔136と、第2孔である孔105Eと、第3孔である孔205Fは、全て同じ又は略同じ直径寸法を有しているが、これらの直径寸法は、図25に示す各孔の直径寸法よりも大きいものとなっている。
【0147】
図25の実施形態では、図20の実施形態と同様に、金属製のブラケット本体7Aの孔36に、このブラケット本体7Aの材料である金属よりも軟質のゴムや合成樹脂等の材料で形成された短寸の前記案内部材83を嵌入し、金属性の蓋部材5Bの孔5E,105Fにも、前記案内部材83を嵌入し、これらの案内部材83の内部孔83Aに切替部材35を挿通している。
【0148】
これによると、図20の実施形態と同様に、切替部材35をブラケット本体7A及び蓋部材5Bに挿通するときに、この切替部材35が金属製の支持用ブラケット7の孔36及び蓋部材5Bの孔5E,105Fで擦れて損傷することを、案内部材83により防止することができる。
【0149】
図26の実施形態では、図21の実施形態と同様に、図25の実施形態において蓋部材5Bの第2孔である孔5Eに嵌入していた案内部材83の代わりに、図26に示す第2孔である孔105Eに挿通した後の切替部材35の配線方向のうちの一方向であるシャッターカーテンの閉じ移動である下方向に湾曲した湾曲部84Aを有している長寸の案内部材84の一部を嵌入し、止め具85により、この案内部材84を蓋部材5Bに止めている。なお、図26に示す第1孔である孔136と第3孔である孔205Fには、これらに適合する案内部材183(図25に示す案内部材83と同様の形状を有するもの)が嵌入されている。
【0150】
この実施形態によると、案内部材84の湾曲部84Aによる湾曲案内作用により、案内部材84の内部孔84Bに水平方向に挿通した後の切替部材35を蓋部材5Bの外部に下方向に湾曲させて一旦突出させることができる。
【0151】
なお、この案内部材84は、図25の案内部材83と同様に、金属よりも軟質のゴムや合成樹脂等の材料で形成してもよい。
【0152】
図27は、図26の孔105Eに一部が嵌入されている案内部材84と同じものを、孔205Fにも嵌入した実施形態を示す図である。
【0153】
前述したように、孔205Fの直径寸法は、孔105Eの直径寸法と同じ又は略同じとなっているので、図26の孔105Eに一部が嵌入されている案内部材84を、上下逆にすることで孔205Fにも嵌入することができる。このため、孔105Eに一部が嵌入された案内部材84の湾曲部84Aは、図24に示すように、蓋部材5Bの孔205Fの側へ湾曲したものとなる。
【0154】
この実施形態によると、切替部材35は、上下に配置された2個の案内部材84の湾曲案内作用により、案内部材83の内部孔83Aと上側の案内部材84の内部孔84Bとに挿通された後、下側の案内部材84の内部孔84Bにも挿通されてそのまま隙間部S1を通過することになる。
【0155】
したがって、巻取軸20を支持用ブラケット7の軸受け部9に支持させるときに、切替部材35をブラケット本体7Aの孔136と蓋部材5Bの孔105Eとに挿通させることができるとともに、この切替部材35を蓋部材5Bの孔205Fにも挿通させて隙間部S2を通過させることができ、切替部材35の配線作業のさらなる容易化を図ることができる。
【0156】
なお、この実施形態において、孔105Eと孔205Fには、上下に配置された2個の案内部材84を連結して1個の案内部材としたものを嵌入するようにしてもよい。すなわち、2個の湾曲部(シャッターカーテン31の閉じ側である下側へ湾曲する湾曲部と、蓋部材5Bの孔205Fの側へ湾曲する湾曲部)を有する1個の湾曲部材の一部を孔105Eと孔205Fとに嵌入するようにしてもよい。
【0157】
なお、ブラケット本体7A,8Aの孔36,34、蓋部材5Cの孔5G(105Gも同様),5H(105H、205Hも同様)、蓋部材5Bの孔5E(105Eも同様),5F(105F、205Fも同様)に、上述した案内部材83(183も同様),84,86を設けない場合には、各孔の内周面(孔の縁部を含む)を滑面とすることが好ましい。
【0158】
次に、電動モータ21Cが構成要素となっている開閉機21の端部21Aと、支持用ブラケット8のブラケット本体8Aとを連結している中間構成体30の構造について説明する。
【0159】
図7及び図8に示されているように、中間構成体30は、開閉機21の側に配設された第1中間物41と、支持用ブラケット8のブラケット本体8Aの側に配設された第2中間物42とからなり、これらの第1及び第2中間物41,42が、窓用シャッター装置の正面側(作業者から見て手前側)から工具等で回転させることができるビス等の接続具43で互いに接続されることにより、開閉機21の端部21Aと支持用ブラケット8のブラケット本体8Aとが中間構成体30により連結されている。
【0160】
図28には、第1中間物41を構成するそれぞれの部材51,52が示されており、図29には、第2中間物42を構成するそれぞれの部材61〜63が示されている。さらに、図30及び図31には、第1中間物41の正面図及び側面図が示されており、図32及び図33には、第2中間物42の正面図及び側面図が示されている。
【0161】
図28に示されているように、開閉機21の側の第1中間物41は、板金製の第1部材51と第2部材52により形成されている。板金の打ち抜き品である第1部材51の全体形状は、前後寸法が小さくて上下寸法が大きい幅狭部51Aと、前後寸法が大きくて上下寸法が小さい幅広部51Bとからなる略T字形状であり、幅狭部51Aには凹部53が形成され、幅広部51Bには孔54が設けられている。また、板金の折り曲げ品である第2部材52は、上下方向の中央部に舌片部52Cが設けられている全体形状が略M字状の部材であり、舌片部52Cよりも上下の部分52A,52Bに孔55が形成され、舌片部52Cにも孔56が形成されている。
【0162】
図30及び図31から分かるように、舌片部52Cが凹部53の内部に挿入されることにより、第1部材51と第2部材52が組み合わせられ、これにより、第1中間物41が組み立てられた後に、これらの第1部材51と第2部材52は溶接により接合される。そして、図11から分かるように、第1中間物41は、孔54,56に挿入したビス等の止着具57により、開閉機21の前述した端部21Aの端面に止着される。これにより、図7及び図80に示されているように、第2部材52は、第1部材51から支持用ブラケット8のブラケット本体8Aの側に突出することになる。
【0163】
また、図29に示されているように、支持用ブラケット8のブラケット本体8Aの側の第2中間物42は、板金製の第1部材61と第2部材62と第3部材63により形成されており、第2部材62には、同一寸法及び同一形状のものが上下2個ある。板金の打ち抜き品である第1部材61の全体形状は円形であり、中央部に大きな四角形の開口部64が形成されているとともに、この開口部64のそれぞれの辺部に電動式巻取軸20の外径方向へ延出する凹部65が形成され、さらに、4個の凹部65のうち、前後2個の凹部65には、前後方向へ延びる細幅状の欠部66が設けられている。また、第1部材61には、上下2個の凹部65よりも外側において、2個の孔67が設けられているとともに、これらの孔67よりも前後の箇所であって、第1部材61の中心部よりも上下の箇所において、合計4個の孔68が第1部材61の円周方向に設けられている。
【0164】
それぞれ板金の打ち抜き品である2個の第2部材62は、向きが上下逆となっているだけであって、同じ寸法による同じ形状となっているため、図29の下側の第2部材62について説明すると、第2部材62の全体形状は、第1部材61の円形の外輪郭部61Aのうちの一部と同じ円弧状となっている円弧状輪郭部62Aの両端が直線状に延びている直線部62Bで繋がれている略三日月形状となっており、この直線部62Bには、下方へ延出する凹部69が形成されている。そして、第1部材61よりも小さい面積を有している第2部材62の厚さ寸法は、図2及び図3で説明した支持用ブラケット8に設けられている軸受け部10のフランジ部17となっている第1及び第2突出部17A〜17Cの厚さ寸法と対応するものになっており、すなわち、第2部材62の厚さ寸法と、第1及び第2突出部17A〜17Cの厚さ寸法は、同じになっている。
【0165】
また、図34及び図35に示されているように、第2部材62の凹部69の形状は、軸受け部10の第1突出部17Aの形状と対応する四角形となっており、このため、凹部69の前後寸法(図35では左右寸法)L1は、第1突出部17Aの前後寸法(図34では左右寸法)L2と対応しており、これらの寸法L1,L2は同じになっている。なお、凹部69の上下寸法L3は、第1突出部17Aの上下寸法L4よりも小さくなっている。
【0166】
図29で示す第2中間物42の第3部材63は板金の折り曲げ品であり、この第3部材63の全体形状は、上下方向の寸法を有するウェブ部63Aと、このウェブ部63Aの上下両端から後方へ延出したフランジ部63B,63Cとからなる断面チャンネル形状となっている。また、ウェブ部63Aにおける電動式巻取軸20の軸方向における一方の端部となっているこの巻取軸20の側の端部には、凹部70が形成され、この凹部70の上下に2個のねじ孔71が形成されている。
【0167】
以上の第1〜第3部材61〜63により第2中間物42を組み立てるためには、図32及び図33から分かるように、上下2個の第2部材62を、これらの第2部材62の向きを上下逆にして、第1部材61の一方の面、すなわち、第1部材61における支持用ブラケット8のブラケット本体8Aの側の面に当てるとともに、これらの第2部材62の円弧状輪郭部62Aを、第1部材61の外輪郭部61Aのうちの上下部分と一致させ、第1部材61に上下2個の第2部材62をスポット溶接等で結合する。
【0168】
また、第3部材63を、第1部材61の大きな開口部64のうち、作業者から見て手前側の部分に、第2部材62が結合された第1部材61の面とは反対側の面から挿入し、これらの第2部材62と第3部材63を溶接等で結合する。
【0169】
これによって製造された第2中間物42は、図7及び図8に示されているように、第3部材63が、第1部材61及び第2部材62から電動式巻取軸20の側へ突出したものとなっている。
【0170】
また、図7及び図8で示されている中間構成体30の一部を構成する構成物となっている第2中間物42には、図12に示されているように、支持用ブラケット8の軸受け部10のうち、軸受け部本体16を挿入することができる開口部が、この第2中間物42の第1部材61の大きな開口部64により形成されていることになり、さらに、第2中間物42には、軸受け部10うち、支持用ブラケット8のブラケット本体8Aに結合されているフランジ部17の第1突出部17Aを収容可能となったフランジ部収容部75(図12及び図33を参照)が、上下2個の第2部材62のうち、下側の第2部材62の凹部69により形成されていることになる。また、第2中間物42には、フランジ部17のうち、2個の第2突出部17B,17Cを収容可能となったフランジ部収容部76(図12及び図33を参照)が、上下2個の第2部材62の間の間隔の部分で形成されていることになる。
【0171】
以上の第2中間物42は、図7及び図8に示されているように、窓用電動式シャッター装置が窓用手動式シャッター装置のときから存在している支持用ブラケット8のブラケット本体8Aに取り付けられることになる。この取付作業は、上下2個の第2部材62のうち、下側の第2部材62の凹部69により形成されているフランジ部収容部75に第1突出部17Aを収容するとともに、フランジ部収容部76に2個の第2突出部17B,17Cを収容して行い、また、ブラケット本体8Aに設けられている軸受け部10の軸受け部本体16を、第1部材61に大きく形成されている開口部64に挿入して行う。
【0172】
次いで、図29で説明した第1部材61に4個設けられている孔68のうち、作業者の手前側でかつ上側となっている1個の孔68に位置決めピン77(図12を参照)挿入して、この位置決めピン77を上側の第2部材62及びブラケット本体8Aを貫通させることにより、第2中間物42をブラケット本体8Aに位置決め仮固定する。
【0173】
なお、このように位置決めピン77により、第2中間物42をブラケット本体8Aに位置決め仮固定する際に、第1部材61の大きな開口部64のうち、第3部材63が挿入されている部分が図12とは反対側の部分であったために、第2中間物42の向きを上下逆にしても、また、図4で説明した開閉機21が電動式巻取軸20の内部に収納配置されている箇所が、図4で示されているこの巻取軸20の端部とは反対側の端部であるため、中間構成体30が図4の右側の支持用ブラケット7の側に配置されることになっていても、位置決めピン77を挿入できる孔68は第1部材61の円周方向に4個設けられているため、作業者は、作業がし易い手前側でかつ上側となっている箇所に設けられている1個の孔68に位置決めピン77を挿入することができる。
【0174】
以上の作業を行った後に、図12から分かるように、第1部材61に上下2個設けられている孔67のうち、下側の孔67にリベット等の止着具78を、第1部材61に2個設けられている欠部66にもリベット等の止着具79をそれぞれ挿入し、止着具78を第2部材62及び/又は軸受け部10の第1突出部17Aと、ブラケット本体8Aとに貫通させ、止着具79を軸受け部10の第2突出部17B,17Cとブラケット本体8Aとに貫通させる。これにより、第2中間物42は、止着具78,79により支持用ブラケット8のブラケット本体8Aに止着されることになる。
【0175】
このように第2中間物42を止着具78,79により支持用ブラケット8のブラケット本体8Aに止着する際にも、第1部材61の大きな開口部64のうち、第3部材63が挿入されている部分が図12とは反対側の部分であったために、第2中間物42の向きを上下逆にしても、また、図4で説明した開閉機21が電動式巻取軸20の内部に収納配置されている箇所が、図4で示されているこの電動式巻取軸20の端部とは反対側の端部であるため、中間構成体30が図4の右側の支持用ブラケット7の側に配置されることになっていても、第1部材61の孔67は上下2個あり、欠部66も前後2個あるため、第2中間物42を止着具78,79により支持用ブラケット8のブラケット本体8Aに止着する作業を所定どおり行うことができる。
【0176】
次いで、電動式巻取軸20の開口端から突出している開閉機21の端部21Aに取り付けられた第1中間物41を支持用ブラケット8に近づけ、この第1中間物41の第2部材52と、第2中間物42の第3部材63の先端部とを、図7、図8及び図11に示されているように前後方向に重ね合わせ、第1中間物41の第2部材52に形成されている2個の孔55に図7及び図8で説明したビス等の接続具43を挿入して、これらの接続具43を第2中間物42の第3部材63に2個形成されているねじ孔71に螺入して締め付ける。
【0177】
これにより、第1中間物41と第2中間物42は接続され、この接続により形成される中間構成体30により、電動式巻取軸20の内部に収納されている開閉機21と、支持用ブラケット8のブラケット本体8Aとが連結されることになる。
【0178】
以上において、第1中間物41の第2部材52と、第2中間物42の第3部材63は、図8に示されているように、これらの中間物41,42における前後方向の中央部よりも作業者の側となっている手前側に配置されているため、接続具43による第1及び第2中間物41,42の接続作業を容易に行うことができる。
【0179】
そして、本実施形態では、第2中間物42の構成部材となっている第1部材61についての電動式巻取軸20の直径方向の寸法が、図7及び図8に示されているD1となっており、この寸法D1は、中間構成体30を構成する部材のそれぞれの寸法のうちで最大の寸法となっているが、この寸法D1は、電動式巻取軸20の直径寸法D2よりも小さくなっている。また、この直径寸法D2を支持用ブラケット8の側へ延長した延長直径寸法の内側に中間構成体30が入るように、支持用ブラケット8における中間構成体30の配置位置が設定されている。
【0180】
このため、図5で示した電動用シャッターカーテン31を構成するスラット32が、前述したように、シャッターケース5の内部において左右方向にスライドするおそれがあるものとなっていて、このスライドが実際に生じても、言い換えると、シャッターカーテン31を構成するシャッターカーテン構成部材が、電動式巻取軸20に左右方向にずれて巻き取られても、このずれたシャッターカーテン構成部材が中間構成体30に干渉することはなく、したがって、巻取軸20によるシャッターカーテン31による円滑な巻き取り、繰り出しを確保することができる。
【0181】
また、上述の寸法D1を有している第1部材61は、第2中間物42の板状となっている第2部材62を介して支持用ブラケット8のブラケット本体8Aに結合されており、この第1部材61は巻取軸20から大きく離れた箇所に配置されているため、左右方向にスライドしたスラット32の端部が下方に撓むことがあっても、中間構成体30と干渉することを防止できる。
【0182】
なお、シャッターカーテン構成部材が電動式巻取軸20に左右方向にずれて巻き取られても、中間構成体30と干渉しない又は実質的に干渉するおそれがなければ、中間構成体30を構成する部材となっている箇所又は中間構成体30の一部となっている箇所についての寸法を、電動式巻取軸20の直径寸法D2よりも大きくし、かつこの箇所を上述の延長直径寸法の内側に入らないようにしてもよい。これについての一例は、巻取軸20から大きく離れていて、支持用ブラケット8のブラケット本体8Aに近い箇所に配置されている第1部材61及び第2部材62の寸法を、電動式巻取軸20の直径寸法D2よりも大きくし、かつ第1部材61及び第2部材62が上述の延長直径寸法の内側に入らないようにすることである。
【0183】
また、上述した電動式巻取軸20の直径寸法D2とは、電動用シャッターカーテン31の上端が吊り元部材を介して電動式巻取軸20の外周面に結合されているなど場合には、この吊り元部材等のャッターカーテン31や電動式巻取軸20に設けられている付属部材を含む寸法である。
【0184】
また、電動式巻取軸20の直径寸法D2は、電動用シャッターカーテン31の上端に、この電動用シャッターカーテン31が全閉位置まで閉じ移動したときでも、電動式巻取軸20に巻かれている捨て巻きの部分がある場合には、この捨て巻きの部分を含む寸法であり、さらに、電動用シャッターカーテン31の上端に、電動用シャッターカーテン31が全閉位置まで閉じ移動したときに、電動式巻取軸20から繰り出される部分であっても、この繰り出される部分が、電動式巻取軸20に左右方向にずれるおそれのない部分となっている場合には、この部分を含む寸法である。
【0185】
また、本実施形態では、第2中間物42の構成部材となっている第1部材61に形成されている開口部64は、支持用ブラケット8のブラケット本体8Aに設けられている既存の軸受け部10を構成する軸受け部本体16とフランジ部17とのうち、軸受け部本体16だけを挿入できる大きさとなっているため、この開口部を軸受け部本体16とフランジ部17との両方を挿入できる大きさとした場合と比較すると、開口部64の大きさを小さくすることができ、このため、第1部材61の強度や、この第1部材61が構成要素となっている第2中間物42の強度、さらには、この第2中間物42が構成要素となっている中間構成体30の強度を充分に大きくすることができる。
【0186】
また、本実施形態では、既存の軸受け部10の軸受け部本体16は、第2中間物42の第1部材61の開口部64に挿入され、この軸受け部10におけるブラケット本体8Aに結合されているフランジ部17となっている第1突出部17Aは、第2中間物42の第2部材62の凹部69によりブラケット本体8Aとの間で形成されているフランジ部収容部75に収容されており、また、軸受け部10の別のフランジ部17となっている2個の第2突出部17B,17Cは、第2中間物42の上下2個の第2部材62の間の間隔によりブラケット本体8Aとの間で形成されているフランジ部収容部76に収容されているため、開閉機21と支持用ブラケット8のブラケット本体8Aとを連結する中間構成体30は、既存の軸受け部10に邪魔されないで、これらの開閉機21と支持用ブラケット8のブラケット本体8Aとの間に介入されていることになる。
【0187】
また、図34及び図35で示した寸法L1と寸法L2は同じあるため、図34で示されている軸受け部10のフランジ部17のうち、第1突出部17Aの下端17Eに、第2中間物42の構成部材となっている第2部材62の凹部69の下端69Aを当接させることにより、第1突出部17Aをフランジ部収容部75に収容すると、第2中間物42及び中間構成体30は支持用ブラケット8に対して上下方向と前後方向に位置決めされることになり、このため、この位置決めにより、電動式巻取軸20を、左右一対の支持用ブラケット7,8の間に、上下方向と前後方向の所定位置にして配置することができることになり、これにより、この巻取軸20の高度の水平精度等を確保することができる。
【0188】
また、本実施形態の第2中間物42には、上下2個の第2部材62が上下の向きを逆にして設けられ、これらの第2部材62は、同一寸法で同一形状の凹部69が形成された同じものとなっているため、これらの第2部材62により、中間構成体30の一部を構成する構成物となっている第2中間物42を上下逆転して使用できるようになっている。
【0189】
このため、第2中間物42には上下の区別がなく、したがって、この第2中間物42を支持用ブラケット8のブラケット本体8Aに結合する際に、上下を気にすることなくこの結合作業を容易に行える。
【0190】
次に、紐状部材である切替部材35と電源線39の配線方法の一実施形態を、手動式巻取軸6から電動式巻取軸20への改修方法の一実施形態と併せて詳細に説明する。
【0191】
まず、図1に示されているシャッターケース5の本体5Aのうちの少なくとも下面部(底面部)と、左右一対のガイドレール4を取り外す作業工程を実施する(作業を行う)。
【0192】
次に、上端が手動式巻取軸6に連結されている図1に示されている手動式シャッターカーテン3を、手動式巻取軸6から取り外す作業工程を実施する。
【0193】
この後、左右一対の支持用ブラケット7,8に設けられている軸受け部9,10で支持されている手動式巻取軸6を、軸受け部9,10から取り外す作業工程を実施する。
【0194】
次に、図6に示す残された右側の支持用ブラケット7のブラケット本体7Aに、電動式巻取軸20における支持用ブラケット7の側の端部を形成している中心軸25の軸端部25Aから導出される切替部材35を挿通するための孔36(図25も参照)を形成する作業工程と、図3に示す残された左側の支持用ブラケット8のブラケット本体8Aに、電動式巻取軸20における支持用ブラケット8の側の端部を形成している開閉機21の支持用ブラケット8の側の端部21Aから導出される電源線39を挿通するための図20に示す孔34を形成する作業工程を実施する。なお、ブラケット本体7Aに孔36を形成する作業工程とブラケット本体8Aに孔34を形成する作業工程は、複数の作業者により同時に実施されるようにしてもよく、少なくとも1人の作業者により、孔36を形成する作業工程と孔34を形成する作業工程のうちのいずれか一方の作業工程が先に実施され、この後、他方の作業工程が実施されるようにしてもよい。
【0195】
この後、上記作業工程の実施によりブラケット本体7A,8Aに形成した孔36,34に、電動式巻取軸20から導出される切替部材35及び電源線39を案内するための前述した図20や図25に示す案内部材83あるいは図22や図23に示す案内部材86を嵌入する作業工程を実施する。
【0196】
次に、図18や図19に示すシャッターケース5の蓋部材5Bに切替部材35を挿通するための図25に示す上下2個の孔5E,105Fを形成する作業工程と、図16や図17に示すシャッターケース5の蓋部材5Cに電源線39を挿通するための図20に示す上下2個の孔5G,105Hを形成する作業工程を実施する。なお、蓋部材5Bに孔5E,105Fを形成する作業工程と蓋部材5Cに孔5G,105Hを形成する作業工程も、複数の作業者により同時に実施されるようにしてもよく、少なくとも1人の作業者により、蓋部材5Bに孔5E,105Fを形成する作業工程と蓋部材5Cに孔5G,105Hを形成する作業工程のうちのいずれか一方の作業工程が先に実施され、この後、他方の作業工程が実施されるようにしてもよい。
【0197】
この後、上記作業工程の実施によりシャッターケース5の蓋部材5B,5Cに形成した上記各孔に、電動式巻取軸20から導出される切替部材35及び電源線39を案内するための前述した図20や図25に示す案内部材83あるいは図22や図23に示す案内部材86を嵌入する作業工程を実施する。なお、蓋部材5Bの孔5Eや蓋部材5Cの孔5Gには、図21や図26に示す案内部材84と同様の形状を有する案内部材を嵌入するようにしてもよい。また、蓋部材5Bの孔105Fや蓋部材5Cの孔105Hにも、図24や図27に示す下側の案内部材84と同様の形状を有する案内部材を嵌入するようにしてもよい。
【0198】
次に、図7及び図8に示すように、開閉機21の端部21Aと、支持用ブラケット8のブラケット本体8Aとを連結するための中間構成体30を構成する第2中間物42を、ブラケット本体8Aに取り付ける作業工程と、中間構成体30を構成する図7、図8及び図11に示す第1中間物41を、電動式巻取軸20の開閉機21の端部21Aに取り付ける作業工程と、を実施する。なお、この第1中間物41を電動式巻取軸20の開閉機21の端部21Aに取り付ける作業工程は、シャッター装置の設置場所である現場ではなく、予め工場で実施するようにしてもよい。
【0199】
この後、切替部材35及び電源線39が導出されている電動式巻取軸20を、高さ位置が支持用ブラケット7,8の軸受け部9,10の上端の高さ位置よりも若干上の高さ位置となるまで、水平に持ち上げる作業工程を実施する。
【0200】
次に、電動式巻取軸20から導出されている切替部材35を、図25に示すように、ブラケット本体7Aの孔36に嵌入した案内部材83の内部孔83Aと、蓋部材5Bの孔5Eに嵌入した案内部材83の内部孔83Aとに挿通し、図15や図18に示すように、蓋部材5Bの外部に一旦突出させた後に、電動式巻取軸20における支持用ブラケット7の側の端部を形成している中心軸25の軸端部25Aを、支持用ブラケット7のブラケット本体7Aに設けられている軸受け部9の軸受け部本体18の底部18Aに載置させる作業工程を実施する。
【0201】
この作業工程の後、又はこの作業工程と同時に、電動式巻取軸20から導出されている電源線39を、図20に示すように、ブラケット本体8Aの孔34に嵌入した案内部材83の内部孔83Aと、蓋部材5Cの孔5Gに嵌入した案内部材83の内部孔83Aとに挿通し、図15や図16に示すように、蓋部材5Cの外部に一旦突出させた後に、電動式巻取軸20における支持用ブラケット7の側の端部を形成している開閉機21の端部21Aに取り付けた第1中間物41を、支持用ブラケット8のブラケット本体8Aに取り付けた第2中間物42に、図7及び図8に示すビス等の接続具43により接続(連結)する作業工程を実施する。
【0202】
次に、軸受け部9の軸受け部本体18の底部18Aに載置させた電動式巻取軸20の中心軸25の軸端部25Aを、図5及び図6に示すように、ボルト14とナット15で軸受け部9の軸受け部本体18に固定する作業工程を実施する。なお、この作業工程は、第1中間物41を第2中間物42に接続する上記作業工程と同時に実施するようにしてもよい。
【0203】
以上の作業工程の実施により、電動式巻取軸20は、支持用ブラケット7,8に支持された状態となる。
【0204】
この後、電動式巻取軸20に電動用シャッターカーテン31の上端を取り付ける作業工程を実施し、次いで、前述した最初の作業工程で取り外したシャッターケース5の本体5Aのうちの少なくとも下面部(底面部)と、左右一対のガイドレール4を取り付ける作業工程を実施する。なお、電動式巻取軸20に電動用シャッターカーテン31の上端を取り付ける作業工程は、予め工場において実施されるようにしてもよい。すなわち、電動式巻取軸20は、電動用シャッターカーテン31が巻き取られた状態で現場に搬入されるようにしてもよい。
【0205】
この後、前述したように蓋部材5Bの孔5Eから一旦突出させた切替部材35を、図25に示すように蓋部材5Bの孔105Fに嵌入した案内部材83の内部孔83Aに挿通するとともに、ブラケット本体7Aと蓋部材5Bとの間に形成された隙間部S1を通過させ、図4や図19に示すように、蓋部材5Bの下面部(底面部)5Lに形成されたシャッターカーテン31の厚さ方向である前後方向に長い開口部5Iから露出(突出)させる作業工程と、この切替部材35の終端部を、左右一対のガイドレール4のうちの一方に配置された引張操作部材38に連結させる作業工程を実施する。
【0206】
また、前述したように蓋部材5Cの孔5Gから一旦突出させた電源線39を、図20に示すように蓋部材5Cの孔105Hに嵌入した案内部材83の内部孔83Aに挿通するとともに、ブラケット本体8Aと蓋部材5Cとの間に形成された隙間部S2を通過させ、図4や図17に示すように、蓋部材5Cの下面部(底面部)5Kに形成されたシャッターカーテン31の厚さ方向である前後方向に長い開口部5Jから露出(突出)させる作業工程と、この電源線39の終端部を、屋外又は屋内に配置された電源コンセントに接続させる作業工程を実施する。
【0207】
これらの配線作業が終了した後は、蓋部材5B,5Cに、切替部材35や電源線39のうちの蓋部材5B,5Cから露出している部分35A,39A(図25及び図20参照)を覆うためのカバー部材である下向きに開口したキャップ部材37,40を取り付ける作業工程を実施する。
【0208】
以上で、切替部材35及び電源線39の配線作業を含む手動式巻取軸6を電動式巻取軸20に改修するためのシャッター装置の改修作業は終了する。
【0209】
なお、シャッターケース5の下面部(底面部)を取り外す作業工程を実施するタイミングは、手動式巻取軸6を取り外す作業工程を実施する前であれば作業工程の利便性を考慮して任意であり、シャッターケース5の下面部(底面部)を取り付ける作業工程を実施するタイミングも、電動式巻取軸6を取り付ける作業工程を実施した後(好ましくは、さらに紐状部材である切替部材35と電源線39を孔に挿通する作業工程を実施した後)であれば作業工程の利便性を考慮して任意である。
【0210】
なお、以上説明した実施形態において、電源線39が挿通されるブラケット本体8Aの孔34、蓋部材5Cの孔5G及び孔5Hの径寸法(案内部材が嵌入される場合にはこの案内部材の内径寸法)や、蓋部材5Cの下面部5Kの開口部5J(図17参照)の開口幅寸法は、電源線39の終端部に取り付けられる図示されない電源プラグの最大寸法(電源コンセントに挿入する方向と直交する方向の最大幅寸法(電源プラグが円柱状である場合には最大直径寸法))よりも大きくなっていてもよく、いなくてもよい。
【0211】
すなわち、孔34、孔5G、孔5H及び開口部5Jは、電源線39の終端部に取り付けられる電源プラグが挿通可能な径寸法、開口幅寸法を有するものでもよく、有しないものでもよい。
【0212】
後者の場合には、電源線39を、孔34、孔5G、孔5H及び開口部5Jに挿通する作業工程が実施された後に、電源プラグを電源線39の終端部に取り付ける作業工程が実施されるようにする。なお、この電源プラグを電源線39の終端部に取り付ける作業工程は、他の作業工程(電源線39の挿通作業工程を除く)と前後して構わない。
【0213】
同様に、切替部材35が挿通されるブラケット本体7Aの孔36、蓋部材5Bの孔5E及び孔5Fの径寸法(案内部材が嵌入される場合にはこの案内部材の内径寸法)や、蓋部材5Bの下面部5Lの開口部5I(図19参照)の開口幅寸法も、切替部材35の終端部に取り付けられる引張操作部材38(図9参照)の最大幅寸法(引張操作部材38が円柱状である場合には最大直径寸法))よりも大きくなっていてもよく、いなくてもよい。
【0214】
すなわち、孔36、孔5E、孔5F及び開口部5I等は、切替部材35の終端部に取り付けられる引張操作部材38が挿通可能な径寸法、開口幅寸法を有するものでもよく、有しないものでもよい。
【0215】
後者の場合には、切替部材35を、孔36、孔5E、孔5F及び開口部5I等に挿通する作業工程が実施された後に、引張操作部材38を切替部材35の終端部に取り付ける作業工程が実施されるようにする。なお、この引張操作部材38を切替部材35の終端部に取り付ける作業工程は、他の作業工程(切替部材35の挿通作業工程を除く)と前後して構わない。
【0216】
なお、以上説明した実施形態では、開閉機は、巻取軸の内部に収納されるものであったが、以上説明した実施形態に係る配線構造や配線方法は、開閉機を巻取軸の外部に配置した場合にも適用できる。
【0217】
すなわち、開閉機を巻取軸20の外部に配置し、この開閉機を支持部材(取付部材)を介して左右一対の支持用ブラケット7,8のブラケット本体7A,8Aのうちのいずれか一方に支持する(取り付ける)場合においても、以上説明した実施形態に係る配線構造や配線方法を適用できる。
【0218】
例えば、開閉機を取付部材を介して支持用ブラケット8に支持させるときに、開閉機から延びる電源線を、図13や図15に示されているのと同様に、ブラケット本体8Aの孔34と蓋部材5Cの孔5Gとに挿通して蓋部材5Cの外部に一旦突出させる作業工程を実施する。
【0219】
そして、開閉機を支持用ブラケット8に支持させた後、蓋部材5Cの外部に一旦突出された電源線を、図17に示されているのと同様に、蓋部材5Cの孔5Hに挿通してブラケット本体8Aと蓋部材5Cとの間に形成された隙間部S2(図13参照)を通過させる作業工程を実施する。すなわち、開閉機を支持用ブラケット8に支持させた後は、蓋部材5Cの外部に一旦突出させた電源線を、蓋部材5Cの孔5Hに挿通して前記隙間部S2を通過させる配線作業を行うことに専念できるようになる。
【0220】
なお、開閉機から延びる切替部材も、上述した電源線の例と同様に、ブラケット本体8Aの孔34と蓋部材5Cの孔5Gとに挿通して蓋部材5Cの外部に一旦突出させる作業工程を実施した後、蓋部材5Cの孔5Hに挿通して前記隙間部S2(図13参照)を通過させてもよく、ブラケット本体7Aの孔36と蓋部材5Bの孔5Eとに挿通して蓋部材5Bの外部に一旦突出させる作業工程を実施した後、蓋部材5Bの孔5Fに挿通して前記隙間部S1(図14参照)を通過させてもよい。
【0221】
なお、開閉機を巻取軸の外部に配置する場合には、開閉機は、チェーン、スプロケット等で構成される動力伝動手段を介して、巻取軸に連結する。すなわち、開閉機の電動モータの駆動力は、チェーン、スプロケット等で構成される動力伝動手段を介して、巻取軸に伝動させるようにする。
【0222】
なお、以上説明した実施形態では、支持用ブラケット7のブラケット本体7Aの軸受け部9と、支持用ブラケット8のブラケット本体8Aの軸受け部10は、共に手動式巻取軸6を受けていた既存の軸受け部であったが、これらの軸受け部9,10は、既存の軸受け部を交換した新たな軸受け部としてもよい。
【0223】
なお、以上説明した本実施形態に係る電動式シャッター装置は、手動式巻取軸から電動式巻取軸に改修されたシャッター装置であったが、本実施形態に係る配線構造、配線方法は、現場に新規に設置される電動式シャッター装置にも適用することができる。
【0224】
なお、以上説明した本実施形態に係る配線構造、配線方法及び改修方法は一例であり、これに限定されるものではない。
【産業上の利用可能性】
【0225】
本発明は、開閉体を開き移動と閉じ移動のうち、少なくとも開き移動させるための開閉機を備えた窓用シャッター装置や出入口用シャッター装置や防災用シャッター装置を含む各種の電動式シャッター装置(手動式巻取軸から電動式巻取軸に改修されたシャッター装置を含む)、ロールブラインド装置、オーニング装置、防煙垂れ幕装置、オーバーヘッドドア等に利用できる。
【符号の説明】
【0226】
5 収納部材であるシャッターケース
5B,5C シャッターケースを構成する蓋部材
5E,5G 蓋部材に形成された第2孔
5F,5H 蓋部材に形成された第3孔
7,8 支持部材である支持用ブラケット
20 巻取軸である電動式巻取軸
20B 電動式巻取軸の一方の端部
21 開閉機
21A 電動式巻取軸の一方の端部を構成する開閉機の端部
21C 開閉機の電動モータ
21D 開閉機のブレーキ
25A 電動式巻取軸の他方の端部
31 開閉体である電動用シャッターカーテン
34,36 支持用ブラケットに形成された第1孔
35 紐状部材となっている切替部材
35A 切替部材のうちの蓋部材の外部に露出した部分
37,40 カバー部材であるキャップ部材
39 紐状部材となっている電気コードである電源線
39A 電源線のうちの蓋部材の外部に露出した部分
83,84,86,183 案内部材
83A,84B 案内部材の内部孔
84A 湾曲部
85 止め具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開閉体を開き移動と閉じ移動のうち、少なくとも開き移動させるための開閉機と、この開閉機を支持するための支持部材と、前記開閉機から延びる紐状部材と、前記開閉機と前記支持部材を収納するための収納部材と、を含んで構成されている電動式開閉装置の配線方法において、
少なくとも前記開閉機を前記支持部材に支持させるときに、前記紐状部材を、前記支持部材に形成された第1孔と前記収納部材に形成された第2孔とに挿通して前記収納部材の外部に一旦突出させる作業工程と、前記収納部材の前記外部に一旦突出させた前記紐状部材を、前記収納部材に形成された第3孔に挿通して前記支持部材と前記収納部材との間に形成された隙間部を通過させる作業工程と、を含むことを特徴とする電動式開閉装置の配線方法。
【請求項2】
請求項1に記載の電動式開閉装置の配線方法において、前記第2孔は、前記収納部材における前記第1孔の形成箇所と対面する箇所に形成し、前記第3孔は、前記収納部材における前記第2孔の形成箇所から前記開閉体の開閉移動方向に離間した箇所に形成することを特徴とする電動式開閉装置の配線方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の電動式開閉装置の配線方法において、前記第2孔の径寸法は、前記第1孔の径寸法よりも同じ又はこれよりも大きいことを特徴とする電動式開閉装置の配線方法。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の電動式開閉装置の配線方法において、前記紐状部材は、前記開閉機に接続された電気コードであることを特徴とする電動式開閉装置の配線方法。
【請求項5】
請求項1〜3のいずれかに記載の電動式開閉装置の配線方法において、前記紐状部材は、前記開閉機の電動モータが停止しているときに、前記開閉機のブレーキをオン、オフ切り替え操作するための切替部材であることを特徴とする電動式開閉装置の配線方法。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の電動式開閉装置の配線方法において、前記紐状部材は少なくとも2本あり、これらの紐状部材のうちの1本は、前記開閉機に接続された電気コードであり、他の1本は、前記開閉機の電動モータが停止しているときに、前記開閉機のブレーキをオン、オフ切り替え操作するための切替部材であることを特徴とする電動式開閉装置の配線方法。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載の電動式開閉装置の配線方法において、前記第1孔と前記第2孔と前記第3孔のうちの少なくとも1つに、案内部材を嵌入する作業工程が実施され、この後、前記案内部材の内部孔に前記紐状部材を挿通する作業工程が実施されることを特徴とする電動式開閉装置の配線方法。
【請求項8】
請求項1〜6のいずれかに記載の電動式開閉装置の配線方法において、前記第2孔と前記第3孔のうちの少なくとも1つに、前記紐状部材の配線方向にしたがって湾曲した湾曲部を有している案内部材の一部を嵌入するとともに、前記案内部材を止め具により前記収納部材に止める作業工程が実施され、この後、前記案内部材の内部孔に前記紐状部材を挿通する作業工程が実施されることを特徴とする電動式開閉装置の配線方法。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれかに記載の電動式開閉装置の配線方法において、前記開閉体は、巻取軸から繰り出され、巻き取られるシャッターカーテンであり、前記開閉機は、前記巻取軸の内部に収納され、前記巻取軸は、前記開閉機とともに前記支持部材で支持され、前記開閉機から延びる前記紐状部材は、前記巻取軸の軸方向の端部から延びていることを特徴とする電動式開閉装置の配線方法。
【請求項10】
開閉体を開き移動と閉じ移動のうち、少なくとも開き移動させるための開閉機と、この開閉機を支持するための支持部材と、前記開閉機から延びる紐状部材と、前記開閉機と前記支持部材を収納するための収納部材と、を含んで構成されている電動式開閉装置の配線構造において、
前記紐状部材は、前記支持部材に形成された第1孔と前記収納部材に形成された第2孔とに挿通されて前記収納部材の外部に突出され、かつ、前記収納部材に形成された第3孔に挿通されて前記支持部材と前記収納部材との間に形成された隙間部を通過していることを特徴とする電動式開閉装置の配線構造。
【請求項11】
請求項10に記載の電動式開閉装置の配線構造において、前記収納部材には、前記紐状部材のうちの前記収納部材の前記外部に露出した部分を覆うためのカバー部材が設けられていることを特徴とする電動式開閉装置の配線構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【公開番号】特開2013−14931(P2013−14931A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−148132(P2011−148132)
【出願日】平成23年7月4日(2011.7.4)
【出願人】(000239714)文化シヤッター株式会社 (657)
【Fターム(参考)】