説明

電動機の制御装置

【課題】電力変換器の過熱を抑止しながら電動機が大トルクをより長時間出力することができる電動機の制御装置を提供する。
【解決手段】駆動制御部34は、モータのトルクτが上限値τmaxを超えないようにモータの駆動制御を行う。許容時間設定部36は、モータのトルクτが継続して上限値τmaxに一致する状態でモータを駆動する許容時間t1をインバータの冷却を行う冷却器の冷却液の温度Tに応じて変化させる。駆動制御部34は、モータのトルクτが継続して上限値τmaxに一致する状態が許容時間t1を超えた場合に、モータのトルクτを上限値τmaxから減少させるようにモータを駆動制御するとともに、モータのトルクτを減少させるときの時間減少率δτ/δtを冷却液の温度Tに応じて変化させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動機の制御装置に関し、特に、電力変換器を介して電源からの電力が供給される電動機の駆動制御を行う制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電源からの電力を変換して電動機に供給するために、インバータ等の電力変換器が用いられている。電力変換器は、一般にスイッチング素子のスイッチング動作により電力変換を行うが、スイッチング動作に伴いスイッチング素子が発熱するため、スイッチング素子の過熱を抑止する必要がある。例えば下記特許文献1においては、電力変換器のスイッチング素子温度が高温状態にあり、素子温度の時間変化率が大きいときは、これに応じてモータのトルク指令を小さく設定している。この設定によりモータのトルクを小さくすることで、スイッチング素子の発熱量を少なくし、スイッチング素子の過熱を抑止している。
【0003】
その他にも、下記特許文献2,3による電動機の制御装置が開示されている。
【0004】
【特許文献1】特開平10−210790号公報
【特許文献2】特開2003−274509号公報
【特許文献3】特開2005−20891号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
電力変換器の過熱を抑止しながら電動機のトルクをより有効利用するためには、電力変換器が過熱しない範囲で電動機が大トルクをより長時間出力できることが望ましい。特許文献1においては、スイッチング素子が過熱しないようにスイッチング素子温度に応じてモータのトルクを調整しているが、モータのトルクが設定された上限値に達する状態でモータを駆動する許容時間を調整することや、モータのトルクを設定された上限値から減少させるときの時間減少率を調整することについては何ら示されていない。
【0006】
本発明は、電力変換器の過熱を抑止しながら電動機が大トルクをより長時間出力することができる電動機の制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る電動機の制御装置は、上述した目的を達成するために以下の手段を採った。
【0008】
本発明に係る電動機の制御装置は、電力変換器を介して電源からの電力が供給される電動機と、冷媒により電力変換器の冷却を行う冷却器と、を有する電動機駆動装置にて用いられる制御装置であって、冷媒の温度を検出する冷媒温度検出部と、電動機のトルクが設定された上限値を超えないように電動機を駆動制御する駆動制御部と、電動機のトルクが前記上限値にほぼ一致する状態で電動機を駆動する許容時間を設定する許容時間設定部と、を備え、駆動制御部は、電動機のトルクが前記上限値にほぼ一致する状態が前記許容時間を超えた場合に、電動機のトルクを減少させるように電動機を駆動制御し、許容時間設定部は、冷媒温度検出部で検出された冷媒の温度に応じて前記許容時間を変化させることを要旨とする。
【0009】
本発明によれば、電動機のトルクが設定された上限値にほぼ一致する状態で電動機を駆動する許容時間を、電力変換器の冷却を行う冷媒の温度に応じて変化させることで、電力変換器が過熱しない範囲で電動機が上限値のトルクをより長時間出力することができる。したがって、電力変換器の過熱を抑止しながら電動機が大トルクをより長時間出力することができる。
【0010】
本発明の一態様では、許容時間設定部は、冷媒温度検出部で検出された冷媒の温度の低下に対して前記許容時間を増大させることが好適である。
【0011】
本発明の一態様では、駆動制御部は、電動機のトルクが前記上限値にほぼ一致する状態が前記許容時間を超えた場合は、電動機のトルクを減少させるときの時間減少率を、冷媒温度検出部で検出された冷媒の温度に応じて変化させることが好適である。この態様によれば、電力変換器が過熱しない範囲で電動機のトルクの減少を必要最小限に抑えることができる。この態様では、駆動制御部は、電動機のトルクが前記上限値にほぼ一致する状態が前記許容時間を超えた場合は、電動機のトルクを減少させるときの時間減少率を、冷媒温度検出部で検出された冷媒の温度の低下に対して減少させることが好適である。
【0012】
また、本発明に係る電動機の制御装置は、電力変換器を介して電源からの電力が供給される電動機と、冷媒により電力変換器の冷却を行う冷却器と、を有する電動機駆動装置にて用いられる制御装置であって、冷媒の温度を検出する冷媒温度検出部と、電動機のトルクが設定された上限値を超えないように電動機を駆動制御する駆動制御部と、を備え、駆動制御部は、電動機のトルクが前記上限値にほぼ一致する状態が設定時間を超えた場合に、電動機のトルクを減少させるように電動機を駆動制御するとともに、電動機のトルクの時間減少率を冷媒温度検出部で検出された冷媒の温度に応じて変化させることを要旨とする。
【0013】
本発明によれば、電動機のトルクが設定された上限値にほぼ一致する状態が設定時間を超えた場合に、電動機のトルクを減少させるときの時間減少率を、電力変換器の冷却を行う冷媒の温度に応じて変化させることで、電力変換器が過熱しない範囲で電動機のトルクの減少を必要最小限に抑えることができる。したがって、電力変換器の過熱を抑止しながら電動機が大トルクをより長時間出力することができる。
【0014】
本発明の一態様では、駆動制御部は、電動機のトルクが前記上限値にほぼ一致する状態が設定時間を超えた場合に、電動機のトルクの時間減少率を冷媒温度検出部で検出された冷媒の温度の低下に対して減少させることが好適である。
【0015】
本発明の一態様では、冷媒温度検出部で検出された冷媒の温度に応じて前記上限値を変化させるトルク上限値設定部を備えることが好適である。
【0016】
本発明の一態様では、電力変換器は、インバータであることが好適である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明を実施するための形態(以下実施形態という)を図面に従って説明する。
【0018】
図1は、本発明の実施形態に係る電動機の制御装置を含むハイブリッド車両の駆動システムの概略構成を示す図である。本実施形態に係る制御装置は、以下に説明するモータ(電動機)10、インバータ12、及び冷却器18を有する電動機駆動装置にて用いられ、モータ10の駆動制御を行う。
【0019】
エンジン(内燃機関)50の出力軸は、動力分配機構52に連結されている。動力分配機構52は、エンジン50の出力軸の他に、減速機14の入力軸及びジェネレータ(発電機)54の回転子と連結されている。ここでの動力分配機構52は、例えばリングギアとキャリアとサンギアとを有する遊星歯車機構により構成することができる。減速機14の出力軸は駆動輪19と連結されている。動力分配機構52は、エンジン50からの動力を駆動輪19及びジェネレータ54に分配する。動力分配機構52からジェネレータ54に分配された動力は、ジェネレータ54による発電電力に変換される。ジェネレータ54による発電電力については、インバータ12を介してモータ10に供給可能である。また、ジェネレータ54による発電電力をインバータ12を介してバッテリ16に回収することもできる。
【0020】
直流電源として設けられたバッテリ16からの電力は、電力変換器として設けられたインバータ12により電力変換(直流から交流)が行われてからモータ10の巻線に供給される。モータ10は、インバータ12を介して巻線に供給された電力を回転子の動力に変換する。モータ10の回転子は減速機14の入力軸に連結されており、モータ10の動力は減速機14で減速されてから駆動輪19に伝達される。以上のように、本実施形態の駆動システムでは、エンジン50から動力分配機構52及び減速機14を介して駆動輪19に伝達された動力と、モータ10から減速機14を介して駆動輪19に伝達された動力とを利用して、駆動輪19の回転駆動(車両の駆動)を行うことができる。
【0021】
インバータ12では、スイッチング素子のスイッチング動作によりバッテリ16からの直流電力を交流に変換してモータ10に供給する電力変換が行われるが、その際には、インバータ12、特にスイッチング素子が発熱する。本実施形態では、インバータ12の過熱を抑止するために、冷却液(冷媒)によりインバータ12(特にスイッチング素子)の冷却を行う冷却器18が設けられている。そして、冷却器18の冷却液の温度Tを検出する温度センサ20も設けられている。温度センサ20で検出された冷却液の温度Tは、電子制御ユニット30に入力される。
【0022】
電子制御ユニット30は、例えばアクセル開度及び車速(いずれも図示しないセンサにより検出)に基づいて、インバータ12のスイッチング素子のスイッチング動作を制御することで、モータ10及びジェネレータ54の運転状態を制御する。図2に示すように、電子制御ユニット30は、以下に説明するトルク上限値設定部32、駆動制御部34、許容時間設定部36、及び特性記憶部38を備える。
【0023】
トルク上限値設定部32は、モータ10のトルクの上限値τmaxを設定する。ここでは、設定するモータ10のトルクの上限値τmaxを、温度センサ20で検出された冷却液の温度Tに応じて変化させる。例えば図3に示すように、冷却液の温度Tとトルクの上限値τmaxとの関係を表すトルク上限値特性マップを特性記憶部38に記憶しておき、トルク上限値設定部32は、特性記憶部38から読み出したトルク上限値特性マップにおいて、温度センサ20で検出された冷却液の温度Tに対応するトルクの上限値τmaxを設定する。図3に示すトルク上限値特性マップでは、冷却液の温度Tが低下するほどトルクの上限値τmaxが増大しているため、トルク上限値設定部32は、設定するモータ10のトルクの上限値τmaxを、温度センサ20で検出された冷却液の温度Tの低下に対して増大させる。
【0024】
駆動制御部34は、例えばアクセル開度及び車速に基づいてモータ10の目標トルクτ0を設定し、モータ10のトルクτが目標トルクτ0に一致するようにインバータ12のスイッチング動作を制御することでモータ10を駆動制御する。ここでは、モータ10の目標トルクτ0がトルク上限値設定部32で設定された上限値τmaxを超えないように制限されることで、モータ10のトルクτが上限値τmaxを超えないように(上限値τmax以下に制限されるように)モータ10の駆動制御が行われる。
【0025】
許容時間設定部36は、モータ10の目標トルクτ0が継続してトルク上限値設定部32で設定された上限値τmaxとなる(あるいはほぼ上限値τmaxとなる)許容時間t1を設定する。つまり、許容時間設定部36は、モータ10のトルクτが継続して上限値τmaxに一致する(あるいはほぼ一致する)状態でモータ10を駆動する許容時間t1を設定する。ここでは、設定する許容時間t1を、温度センサ20で検出された冷却液の温度Tに応じて変化させる。例えば図4に示すように、冷却液の温度Tと許容時間t1との関係を表す許容時間特性マップを特性記憶部38に記憶しておき、許容時間設定部36は、特性記憶部38から読み出した許容時間特性マップにおいて、温度センサ20で検出された冷却液の温度Tに対応する許容時間t1を設定する。図4に示す許容時間特性マップでは、冷却液の温度Tが低下するほど許容時間t1が増大しているため、許容時間設定部36は、設定する許容時間t1を、温度センサ20で検出された冷却液の温度Tの低下に対して増大させる。
【0026】
そして、駆動制御部34は、モータ10の目標トルクτ0が継続して上限値τmaxとなる(あるいはほぼ上限値τmaxとなる)状態が許容時間設定部36で設定された許容時間t1を超えた場合に、設定するモータ10の目標トルクτ0を上限値τmaxから設定値τ1まで減少させる。つまり、駆動制御部34は、モータ10のトルクτが継続して上限値τmaxに一致する(あるいはほぼ一致する)状態が許容時間t1を超えた場合に、モータ10のトルクτを上限値τmaxから設定値τ1まで減少させるようにモータ10を駆動制御する。ここでは、モータ10のトルクτ(目標トルクτ0)を上限値τmaxから設定値τ1まで減少させるときの時間減少率δτ/δtを、温度センサ20で検出された冷却液の温度Tに応じて変化させる。例えば図5に示すように、冷却液の温度Tとトルクの時間減少率δτ/δtとの関係を表すトルク減少率特性マップを特性記憶部38に記憶しておき、駆動制御部34は、特性記憶部38から読み出したトルク減少率特性マップにおいて、温度センサ20で検出された冷却液の温度Tに対応するトルクの時間減少率δτ/δtを設定する。図5に示す許容時間特性マップでは、冷却液の温度Tが低下するほどトルクの時間減少率δτ/δtが減少しているため、駆動制御部34は、モータ10のトルクτ(目標トルクτ0)を上限値τmaxから設定値τ1まで減少させるときの時間減少率δτ/δtを、温度センサ20で検出された冷却液の温度Tの低下に対して減少させる。なお、ここでは、モータ10のトルクτが設定値τ1まで減少する時間が短くなる方向を、時間減少率δτ/δtが増大する方向としている。
【0027】
例えば車両の登坂時等においては、車両の走行負荷(モータ10の駆動負荷)が増大するため、モータ10が発生するトルクつまりモータ10に流れる電流が増大することで、インバータ12のスイッチング素子が発熱しやすくなる。スイッチング素子の過熱を抑えるためには、モータ10が発生するトルク(モータ10に流れる電流)を抑えることが要求される。しかし、その一方で、車両の登坂性能を確保するためには、モータ10が大トルクを出力することも要求される。
【0028】
本実施形態では、図6に示すように、車両の登坂時等においてモータ10のトルクτが増大して上限値τmaxに達した場合(図6の時刻t2)は、モータ10のトルクτが上限値τmaxに制限される。ここでの上限値τmaxは、冷却液の温度Tに応じて変化し、冷却液の温度Tが低下するほど増大する。そして、図6に示すように、モータ10のトルクτが上限値τmaxに達する状態が許容時間t1を超えたと判定された場合(図6の時刻t3)は、モータ10のトルクτを上限値τmaxから設定値τ1まで減少させる。ここでの許容時間t1は、冷却液の温度Tに応じて変化し、冷却液の温度Tが低下するほど増大する。そのため、冷却液の温度Tが低い場合は、インバータ12の過熱を招くことなく、モータ10は上限値τmaxのトルクτを長時間出力することができる。一方、冷却液の温度Tが高い場合は、モータ10が上限値τmaxのトルクτを出力する時間が短縮されることで、インバータ12の過熱が抑止される。なお、許容時間t1の設定に用いられる冷却液の温度Tについては、例えば図6の時刻t2において温度センサ20により検出された冷却液の温度Tを用いることができる。
【0029】
このように、本実施形態では、モータ10のトルクτが上限値τmaxに達する状態でモータ10を駆動する許容時間t1を冷却液の温度Tに応じて変化させることで、インバータ12が過熱しない範囲でモータ10が上限値τmaxのトルクτを長時間出力することができる。したがって、インバータ12の過熱を抑止しながらモータ10が大トルクをより長時間出力することができる。
【0030】
また、本実施形態では、モータ10のトルクτが上限値τmaxに達する状態が許容時間t1を超えた場合に、モータ10のトルクτを上限値τmaxから設定値τ1まで減少させるときの時間減少率δτ/δtが、冷却液の温度Tに応じて変化し、冷却液の温度Tが低下するほど減少する。そのため、冷却液の温度Tが低い場合は、インバータ12が過熱しない範囲でモータ10のトルクτの減少を必要最小限に抑えることができ、モータ10が大トルクを長時間出力することができる。一方、冷却液の温度Tが高い場合は、モータ10のトルクτを速やかに減少させることで、冷却液の温度T(インバータ12の温度)を速やかに低下させることができ、インバータ12の過熱を抑止することができる。したがって、本実施形態によれば、インバータ12の過熱を抑止しながらモータ10が大トルクをより長時間出力することができる。なお、時間減少率δτ/δtの設定に用いられる冷却液の温度Tについては、例えば図6の時刻t3において温度センサ20により検出された冷却液の温度Tを用いることができる。
【0031】
このように、本実施形態では、インバータ12の過熱を抑止しながらモータ10のトルクτをより有効利用することができる。その結果、車両の登坂時においては、インバータ12の過熱を抑止しながら車両の登坂性能を確保することができる。
【0032】
また、本実施形態では、モータ10のトルクの上限値τmaxを冷却液の温度Tに応じて変化させることによっても、インバータ12の過熱を抑止することができる。
【0033】
以上の説明では、動力発生源としてエンジン50及びモータ10を搭載したハイブリッド車両に本発明を適用するものとしたが、動力発生源としてモータ10を搭載した電気自動車にも本発明を適用することができる。さらに、車両以外の駆動システムにも本発明を適用することができる。
【0034】
以上、本発明を実施するための形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の実施形態に係る電動機の制御装置を含むハイブリッド車両の駆動システムの概略構成を示す図である。
【図2】本発明の実施形態に係る電動機の制御装置の概略構成を示すブロック図である。
【図3】冷却液の温度Tとトルクの上限値τmaxとの関係を表すトルク上限値特性マップの一例を示す図である。
【図4】冷却液の温度Tと許容時間t1との関係を表す許容時間特性マップの一例を示す図である。
【図5】冷却液の温度Tとトルクの時間減少率δτ/δtとの関係を表すトルク減少率特性マップの一例を示す図である。
【図6】本発明の実施形態に係る電動機の制御装置の動作を説明する図である。
【符号の説明】
【0036】
10 モータ(電動機)、12 インバータ、14 減速機、16 バッテリ、18 冷却器、19 駆動輪、20 温度センサ、30 電子制御ユニット、32 トルク上限値設定部、34 駆動制御部、36 許容時間設定部、38 特性記憶部、50 エンジン(内燃機関)、52 動力分配機構、54 ジェネレータ(発電機)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力変換器を介して電源からの電力が供給される電動機と、冷媒により電力変換器の冷却を行う冷却器と、を有する電動機駆動装置にて用いられる制御装置であって、
冷媒の温度を検出する冷媒温度検出部と、
電動機のトルクが設定された上限値を超えないように電動機を駆動制御する駆動制御部と、
電動機のトルクが前記上限値にほぼ一致する状態で電動機を駆動する許容時間を設定する許容時間設定部と、
を備え、
駆動制御部は、電動機のトルクが前記上限値にほぼ一致する状態が前記許容時間を超えた場合に、電動機のトルクを減少させるように電動機を駆動制御し、
許容時間設定部は、冷媒温度検出部で検出された冷媒の温度に応じて前記許容時間を変化させることを特徴とする電動機の制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の電動機の制御装置であって、
許容時間設定部は、冷媒温度検出部で検出された冷媒の温度の低下に対して前記許容時間を増大させることを特徴とする電動機の制御装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の電動機の制御装置であって、
駆動制御部は、電動機のトルクが前記上限値にほぼ一致する状態が前記許容時間を超えた場合は、電動機のトルクを減少させるときの時間減少率を、冷媒温度検出部で検出された冷媒の温度に応じて変化させることを特徴とする電動機の制御装置。
【請求項4】
請求項3に記載の電動機の制御装置であって、
駆動制御部は、電動機のトルクが前記上限値にほぼ一致する状態が前記許容時間を超えた場合は、電動機のトルクを減少させるときの時間減少率を、冷媒温度検出部で検出された冷媒の温度の低下に対して減少させることを特徴とする電動機の制御装置。
【請求項5】
電力変換器を介して電源からの電力が供給される電動機と、冷媒により電力変換器の冷却を行う冷却器と、を有する電動機駆動装置にて用いられる制御装置であって、
冷媒の温度を検出する冷媒温度検出部と、
電動機のトルクが設定された上限値を超えないように電動機を駆動制御する駆動制御部と、
を備え、
駆動制御部は、電動機のトルクが前記上限値にほぼ一致する状態が設定時間を超えた場合に、電動機のトルクを減少させるように電動機を駆動制御するとともに、電動機のトルクの時間減少率を冷媒温度検出部で検出された冷媒の温度に応じて変化させることを特徴とする電動機の制御装置。
【請求項6】
請求項5に記載の電動機の制御装置であって、
駆動制御部は、電動機のトルクが前記上限値にほぼ一致する状態が設定時間を超えた場合に、電動機のトルクの時間減少率を冷媒温度検出部で検出された冷媒の温度の低下に対して減少させることを特徴とする電動機の制御装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1に記載の電動機の制御装置であって、
冷媒温度検出部で検出された冷媒の温度に応じて前記上限値を変化させるトルク上限値設定部を備えることを特徴とする電動機の制御装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1に記載の電動機の制御装置であって、
電力変換器は、インバータであることを特徴とする電動機の制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−135316(P2007−135316A)
【公開日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−326475(P2005−326475)
【出願日】平成17年11月10日(2005.11.10)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】