説明

電動車両充電システム

【課題】家庭に供給される契約電力のうち家庭において使用されない残余の電力の範囲内で電動車両に給電するものであり、電動車両に給電された電力を、蓄電器への充電電力と蓄熱材への蓄熱電力とに分配して充電池への充電に加えて蓄熱材の蓄熱を行うことが可能な電動車両充電システムを提供すること。
【解決手段】電動車両充電システムは、家庭に給電される系統電力を電動車両への充電に使用する電動車両充電システムであって、電動車両は、電力を蓄える蓄電池と、蓄熱する蓄熱材とを備え、系統電力を、家庭への給電分と電動車両への給電分とに分配の制御をする第1制御部と、電動車両に給電される供給電力を、蓄電池を充電する充電電力と蓄熱材を蓄熱する蓄熱電力とに分配して、蓄電池への充電と蓄熱材への蓄熱とを並列制御する第2制御部を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、家庭に供給される系統電力を電動車両への給電にも使用する電動車両充電システムに関する。
【背景技術】
【0002】
電動車両の蓄電器を充電する際に用いられる電動車両充電電力マネジメントシステムにとして、制御手段を備え、住宅で使われる電力と電動車両に備えられる蓄電器の充電に必要な電力との和が住宅に供給される電力の許容値を超えないように蓄電器の充電電力を制御するものがある(特許文献1)。
【0003】
また、外部電源により蓄電装置を充電可能に構成された電動車両として、熱容量要素に熱エネルギーを蓄積するための蓄熱機構を備え、蓄熱機構は、蓄電装置の充電電流に伴う抵抗性発熱によって熱容量要素に所定の熱エネルギーが与えられるように、充電電流を制御するものがある(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−136291号公報
【特許文献2】特開2008−92696号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
背景技術における電動車両充電電力マネジメントシステムでは、家庭に供給される電力を、家庭で使われる電力と電動車両に備えられる蓄電器の充電に必要な電力とに分配することが記載されてはいる。しかしながら、電動車両に備えられる蓄熱材に蓄熱するための蓄熱電力については記載がなく、如何に蓄熱電力を確保するかについては何ら開示されていない。
【0006】
背景技術における蓄熱機構では、蓄電装置の内部抵抗が低抵抗である場合もあり、充電電流に伴う抵抗性発熱により得られる熱量が少なく、目標とする熱量に満たない恐れがある。必要な熱量を獲得するために充電電流を増大させることも考えられる。
【0007】
しかしながら、リチウムイオン二次電池等の蓄電装置によっては、電池特性、耐久性、安全性確保などのため、蓄電装置に印加する充電電流および充電電圧は管理されている場合もある。この場合、熱量を増大させるために充電電流を増加することは、蓄電装置にとって必ずしも望ましくない。過度の充電電流により蓄電装置に対しダメージを与え、電池特性、耐久性等が劣化し、安全性にも問題が生ずる恐れがあるからである。
【0008】
また、供給される契約電力の制約により、充電電流を十分に増大させることができない場合もある。
【0009】
本願は、家庭に供給される契約電力のうち家庭において使用されない残余の電力の範囲内で電動車両に給電するものであり、電動車両に給電された電力を、蓄電器への充電電力と蓄熱材への蓄熱電力とに分配して充電池への充電に加えて蓄熱材の蓄熱を行うことが可能な電動車両充電システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本願に開示される技術に係る電動車両充電システムは、家庭に給電される系統電力を電動車両への充電に使用する電動車両充電システムである。電動車両は、電力を蓄える蓄電池と、蓄熱する蓄熱材とを備えている。また、第1制御部と第2制御部とを備えている。第1制御部は、系統電力を、家庭への給電分と電動車両への給電分とに分配の制御をする。第2制御部は、電動車両に給電される供給電力を、蓄電池を充電する充電電力と蓄熱材を蓄熱する蓄熱電力とに分配して、蓄電池への充電と蓄熱材への蓄熱とを並列制御する。
【0011】
これにより、家庭に給電される系統電力を、家庭への給電分と電動車両への給電分とに分配することで電動車両にも給電が可能となる。電動車両に給電された供給電力は、蓄電池と蓄熱材とに分配されるので、蓄電池への充電と蓄熱材への蓄熱とを並列に行うことができる。
【0012】
また、本願に開示の電動車両充電システムにおいて、第1制御部は、系統電力の家庭への分配割合である家庭電力分配率の時間帯に応じた設定に基づいて、分配の制御をする。
【0013】
これにより、家庭電力分配率に応じて系統電力のうち家庭へ振り向けられる電力が設定される。家庭電力分配率は時間帯に応じて設定されるため、時間帯に応じて的確な電力を家庭用として確保することができる。
【0014】
また、本願に開示の電動車両充電システムにおいて、第1制御部は、家庭での活動が活発となる昼間の活動時間帯では、家庭電力分配率を最大「1」として系統電力を家庭に対して優先的に振り向けるので、活動時間帯に家庭で必要とされる電力は十分に給電することができる。一方、家庭での活動が不活発となる就寝時間帯では、家庭で必要となる電力が小さいので家庭電力分配率を低減することができる。低減された家庭電力分配率により系統電力の一部を電動車両に振り向けることができる。
【0015】
また、本願に開示の電動車両充電システムにおいて、蓄電池の状態を検出する第1センサと、蓄熱材の状態を検出する第2センサとを備えている。第1制御部は、第1および第2センサからの検出情報に応じて、就寝時間帯の範囲内で、蓄電池への充電と蓄熱材への蓄熱とを並列に行う時間帯を設定する。
【0016】
これにより、就寝時間帯として設定されている時間帯の範囲内で電動車両に供給電力が送られ、蓄電池への充電と蓄熱材への蓄熱とを並列に行うことができる。電動車両への供給電力の給電は家庭での電力消費が小さい時間帯に行うことができる。
【0017】
また、本願に開示の電動車両充電システムにおいて、第2制御部は、蓄電池への充電を優先して行う。これにより、供給電力から充電電力を差し引いた電力が蓄熱電力として蓄熱材への蓄熱に使用される。
【0018】
また、本願に開示の電動車両充電システムにおいて、緊急充電モードでは、第1制御部は、家庭電力分配率に関わらず電動車両への緊急時の電力の分配率に基づき、電動車両への給電を優先する。これにより、家庭への給電に優先して緊急充電を行うことができる。
【0019】
また、本願に開示の電動車両充電システムにおいて、緊急充電モードでは、第2制御部は、供給電力の全量を充電電力とする。これにより、効率的に緊急充電を行うことができる。
【発明の効果】
【0020】
本願に開示される電動車両充電システムによれば、家庭に給電される系統電力のうち家庭への給電電力を除いた残余の電力を供給電力として電動車両に給電する際、供給電力を充電電力と蓄熱電力とに分配して充電池と蓄熱材とに給電することができる。家庭での電力消費に支障のない範囲で、電動車両において、充電池への充電と蓄熱材への蓄熱とを並行して行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】家庭における消費電力優先供給の時間帯と電動車両への充電・蓄熱電力の供給可能な時間帯を例示する図である。
【図2】本発明の実施形態における電動車両充電システムを示すブロック図である。
【図3】電動車両充電システムのメインフローチャートである。
【図4】電動車両への充電・蓄熱の開始・終了時刻設定処理のフローチャートである。
【図5】電動車両への通常充電モードにおける充電処理のフローチャートである。
【図6】電動車両への通常充電モードにおける蓄熱処理のフローチャートである。
【図7】電動車両への緊急充電モードにおける充電処理のフローチャートである。
【図8】系統電力の分配を示す表である。
【図9】電動車両に供給される供給電力のうち充電電力と蓄熱電力との分配の時間推移を示すグラフである。
【図10】電動車両充電システムの変形例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
ガソリンエンジン車では車両を走行させるエンジン自体が発熱体となるため、車室内の暖房などにはエンジンから発せられる熱を利用することができる。これに対して電動車両は、車両を走行させる電動モーターからの発熱は僅かであるため、車室内の暖房などには別途熱源が必要となる。また、蓄電池の充放電特性を充分に確保するためには蓄電池を加温することが有効である場合がある。
【0023】
電動車両に備えられる熱源として、蓄電池の充電時に流れる充電電流による抵抗性発熱を利用することは公知であるが、この手段を超える手段として、ヒーターや蓄熱材を利用することが考えられる。
【0024】
ここで、ヒーターの利用は、発熱に必要な電力を蓄電池に充電されている電力に頼ることになる。蓄電池に充電されている電力の一部を走行以外の目的に消費することになるため、充電当りの走行距離が制限されるなど、電動車両の走行性能にとって好ましくない。そこで、蓄熱材を熱源として備えることが望まれる。
【0025】
以下の実施形態では、家庭から電力供給を受けるいわゆるプラグイン方式の電動車両への電力供給について説明する。電動車両が蓄電池の他に蓄熱材を備える場合に、電力供給を受ける時間帯を家庭での電力消費が僅少な深夜の時間帯に設定すると共に、供給される電力により蓄電池の充電に加えて蓄熱材の蓄熱を行う際の電力の分配について説明する。
【0026】
図1は、家庭における消費電力優先供給の時間帯と電動車両への充電・蓄熱電力の供給可能な時間帯を例示する図である。家庭に供給される電力を、生活リズムに合わせて、家庭内で使用する電力に優先的に振り向ける時間帯と電動車両に給電する電力の供給可能な時間帯とを分けて設定するものである。横軸に1日の時刻を表している。午前6時から深夜24時までの時間帯は、家庭内での電力消費が優先され電動車両への給電は禁止あるいは制限される。一方、深夜24時から午前6時までの時間帯は、電動車両への給電を可能とし電動車両に備えられる充電池の充電と蓄熱材の蓄熱が可能な時間帯とされる。家庭内では生活者の活動に応じて電力が消費される。その消費電力は、生活者の活動時間帯である午前6時から深夜24時までの時間帯には大きくなり、就寝時間帯である深夜24時から午前6時までの時間帯には小さくなる。家庭に供給される電力は契約電力による上限があるので、生活に支障のない範囲内で電動車両に充電電力および蓄熱電力を供給する必要がある。そこで、午前6時から深夜24時までの活動時間帯には電動車両への給電を禁止あるいは制限して家庭内への電力供給を優先して生活を支障なく行えるようにし、深夜24時から午前6時までの就寝時間帯に電動車両の備える蓄電器の充電と蓄熱材の蓄熱をするように設定することが好都合である。また、電動車両への給電が可能な深夜24時から午前6時までの時間帯においても、家庭内で電力が使われる事態に対応するため家庭内への電力の割り当てを残しておくこともできる。
【0027】
図2は、実施形態における電動車両充電システムのブロック図である。電動車両充電システム1aは、家庭2の装置構成と電動車両3aとを備える。家庭2は、ブレーカ20、家電等の負荷22、家庭電力制御部24、インターフェース部26を備える。ブレーカ20には、電力会社からの系統電力Woが図示しない電力メータを介して接続されている。家庭2に供給された系統電力Woは、ブレーカ20により分岐されて、家庭内の様々な機器全体を示す家電等の負荷22と電動車両3aとに供給される。家庭電力制御部24はブレーカ20と接続され、家電等の負荷22の家電消費電力Whの監視、及び制御や、電動車両3aへの供給電力4の制御をする。また、家庭電力制御部24は電動車両3aの備える車両電力制御部34と有線あるいは無線の通信手段により接続され、後述する蓄電池30の充電状態SOC(State of Charge)等の情報や、後述する蓄熱材36の温度である蓄熱材温度Th等の情報を取得する。また、蓄電池30に供給される充電電力Wcや蓄熱材36に供給される蓄熱電力Wbの制御指令を送信する。インターフェース部26は、利用者からの家庭電力制御部24への指令等の入力を受付ける入力部(不図示)と、電動車両3a等の情報や、充電・蓄熱等の表示を行う表示部(不図示)とを備える。インターフェース部26により、利用者は、電動車両3a等の情報を取得し、電動車両3aへの充電・蓄熱等の指令を送信できる。
【0028】
電動車両3aは、蓄電池30、コンバータ32、車両電力制御部34、蓄熱材36、センサ381、382を備える。家庭2から図示しない電源プラグを電動車両3aの備える図示しない電源ジャックに接続する有線方式(いわゆるプラグイン方式)による電力伝送経路を介し、電動車両3aへの供給電力4はコンバータ32に供給される。電力供給は有線方式に限定されるものではなく、非接触給電などの無線方式でも利用可能である。コンバータ32は車両電力制御部34からの指令に基づき供給電力4を変換し、蓄電池30および蓄熱材36に対して充電電力Wcおよび蓄熱電力Wbを供給する。車両電力制御部34は、蓄電池30の充電状態SOCの監視をするセンサ381から出力される情報、および蓄熱材36の蓄熱材温度Thを監視するセンサ382から出力される情報を取得する。車両電力制御部34は、これら情報に基づきコンバータ32に対し指令を送信することにより、蓄電池30と蓄熱材36とに供給する電力を制御する。電動車両3aもインターフェース部(不図示)を有しており、利用者は各種情報の取得や充電・蓄熱等の指令を送信できる。
【0029】
図3に示す電動車両充電システム1aのメインフローについて説明する。家庭電力制御部24の動作開始(S0)後、家庭電力制御部24は、有線あるいは無線の通信手段により車両電力制御部34と接続され通信可能状態になるまで待機する(S2:NO)。車両電力制御部34との通信可能状態になった後(S2:YES)、車両電力制御部34と通信を行い、充電状態SOCおよび蓄熱材温度Th等の情報を取得する(S4)。
【0030】
次に、利用者はインターフェース部26を用い、電動車両3aに対して行う充電モードの選択、および充電・蓄熱の開始時刻t1、終了時刻t2の設定を入力する(S6)。尚、開始時刻t1、終了時刻t2の設定は、利用者による設定のほか、家庭2の電力利用傾向の分析により得られた情報から自動的に設定されてもよい。開始時刻t1は深夜24時以降の時間に設定され、終了時刻t2は午前6時以前の時間に設定される。開始時刻t1から終了時刻t2までの時間帯は、深夜24時から午前6時までの時間帯に含まれる時間帯として設定される。
【0031】
次に、充電モードの判別を行う(S8)。通常の充電モードが設定されている場合、ステップS10の処理に移行し(S8:YES)、緊急充電モードが設定されている場合、ステップS12の処理に移行する(S8:NO)。
【0032】
ステップS10では、充電・蓄熱の開始時刻t1になると、ブレーカ20から電動車両3aのコンバータ32に対し供給電力4が供給される。コンバータ32は、蓄電池30の充電および蓄熱材36の蓄熱を開始する(S10)。
【0033】
ステップS12では、ステップS6での設定に応じてブレーカ20から電動車両3aのコンバータ32に対し供給電力4が供給され、蓄電池30の充電が開始される(S12)。
【0034】
充電および蓄熱の完了が電動車両3aに備えられるセンサ381および382によって検知されると、車両電力制御部34は家庭電力制御部24に充電および蓄熱の完了の通知を行う。家庭電力制御部24はブレーカ20を制御し、供給電力4の送電停止を行う(S14)。
【0035】
次に、ステップS6における、充電・蓄熱の開始・終了時刻設定処理のフローチャートを図4に示す。ステップS4において、充電状態SOCおよび蓄熱材温度Th等の情報を取得した後、図4のフローが開始される(S100)。
【0036】
家庭電力制御部24はインターフェース部26を介し、利用者の通常の充電モードまたは緊急充電モードの選択を受付ける(S102)。通常の充電モードが選択されると(S102:YES)、充電・蓄熱の開始時刻t1と終了時刻t2との入力を受付ける(S104)。開始時刻t1と終了時刻t2とが入力されると、開始時刻t1から終了時刻t2までの時間帯は、あらかじめ設定されている充電・蓄熱可能時間帯(図1において、深夜24時から午前6時までの時間帯)であるか否かを判断する(S106)。充電・蓄熱可能時間帯ではなく充電・蓄熱禁止時間帯(図1において、午前6時から深夜24時までの時間帯)が含まれている場合(S106:NO)には、再度開始時刻t1と終了時刻t2との入力を受付ける(S104)。
【0037】
開始時刻t1から終了時刻t2までの時間帯に充電・蓄熱禁止時間帯が含まれず充電・蓄熱可能時間帯である場合(S106:YES)、充電状態SOC、および供給電力4と、供給電力4のうち充電に分配される充電電力の割合である充電電力分配率a1(0≦a1≦1)とにより決定される充電電力Wcとに基づいて、定電流充電(CC充電)に要する定電流充電時間tccと定電流充電(CC充電)の終了後に行われる定電圧充電(CV充電)に要する定電圧充電時間tcvとを推測する(S108)。ここで、充電電力Wcとは、供給電力4と充電電力分配率a1との積として算出される。
【0038】
ここで、定電流充電時間tccとは、定電流充電(CC充電)を開始して、現在の充電状態SOC0から充電状態SOC1に達するまでの予定時間である。また、定電圧充電時間tcvとは、定電圧充電(CV充電)を開始して、充電状態SOC1から満充電である充電状態SOC2に達するまでの予定時間である。
【0039】
充電状態SOC1とは、定電流充電(CC充電)での充電が完了した時点での充電状態を示す。定電流充電(CC充電)は、蓄電池30への充電電流を一定に保つ充電方法である。蓄電池30に供給される電流量に応じて高速に充電が可能である。しかしながら、例えばリチウムイオン二次電池においては、充電が進むと充電池30の電極間電圧が上昇するおそれがある。また、負極の電位が負側にシフトしていく特性を有しており、負電極にリチウムが析出してしまうおそれがある。これらの特性はリチウムイオン二次電池の特性劣化つながるおそれがある。そこで、定電流充電(CC充電)での充電で充電状態SOC1まで充電した後は、充電池30の電極間電圧を監視し定電圧になるように制御を行う定電圧充電(CV充電)に切り替える。定電圧充電(CV電圧)により、電極間電圧が所定電圧以上に上昇することを防止すると共に、負極の電位の必要以上の低下を防止して充電池30の劣化を防ぐことができる。
【0040】
次に、推測された定電流充電時間tccと定電圧充電時間tcvとの合計時間である充電所要時間t3が、終了時刻t2から開始時刻t1を引いた充電設定時間t4と比較し短いかどうかを判断する(S110)。
【0041】
充電所要時間t3が充電設定時間t4より長いと判断された場合(S110:NO)、充電設定時間t4までに充電される充電状態SOC3を推測する。そして、充電状態SOC3に応じて求められる満充電に対する充電率を算出して、インターフェース部26の表示部(不図示)に「充電率○○%の充電でいいですか?」のメッセージを表示する(S112)。利用者は、表示部に表示されたメッセージに応じて、承服できない場合は(S112:NO)、ステップS104に戻り開始時刻t1と終了時刻t2とを再度入力する。
【0042】
充電所要時間t3が充電設定時間t4より短く終了時刻t2までに充電が完了する場合(S110:YES)、もしくは、ステップS112で「充電率○○%の充電でよい」と判断した場合(S112:YES)、供給電力4と分配率(1−a1)とにより決定される蓄熱電力Wb、蓄熱材36の熱容量、および現在の蓄熱材温度Thに基づいて、蓄熱時間tbを推測する(S113)。ここで、蓄熱電力Wbとは、供給電力4と分配率(1−a1)との積として算出される。
【0043】
現在の蓄熱材温度Thと蓄熱時間tbとにより、終了時刻t2までに蓄熱材温度Thが蓄熱材上限温度Thlまでに達しないと判断された場合(S114:NO)、終了時刻t2での蓄熱材温度Thを推測する。そして、推測された蓄熱材温度Thの蓄熱材上限温度Thlに対する割合を算出して、インターフェース部26の表示部に「○○%の蓄熱でいいですか?」のメッセージを表示する(S116)。利用者は、表示部に表示されたメッセージに応じて、承服できない場合は(S116:NO)、ステップS104に戻り開始時刻t1と終了時刻t2とを再度入力する。
【0044】
終了時刻t2までに蓄熱材温度Thが蓄熱材上限温度Thlに達する場合(S114:YES)、もしくは、ステップS116で「○○%の蓄熱でいい」と判断した場合(S116:YES)、充電・蓄熱の開始時刻および終了時刻の設定に関する入力を完了し(S118)、ステップS8(図3)に戻る。
【0045】
ステップS102において、緊急充電モードが選択されると(S102:NO)、現在の時刻を充電の開始時刻t1として設定し(S122)、車両電力制御部34から取得した蓄電池30の充電状態SOCから定電流充電時間tccを推測する(S124)。開始時刻t1と推測された定電流充電時間tccとを合計し緊急充電モードの終了時刻t2’を算出する(S126)。
【0046】
推測された終了時刻t2’をインターフェース部26の表示部に「電動車両3aが充電状態SOC1(○○%)に達するまで、これから終了時刻t2’までかかります、この間家電類を使用できませんがよろしいですか?」のメッセージを表示する(S128)。利用者は、表示部に表示されたメッセージを承服できない場合(S128:NO)、ステップS102に戻り、再度、通常充電モードと緊急充電モードとのどちらを利用するか選択する。
【0047】
メッセージに承服して緊急充電モードを選択した場合(S128:YES)、充電・蓄熱の開始時刻および終了時刻の設定に関する入力を完了する(S130)、ステップS8(図3)に戻る。
【0048】
次に、メインフローチャート(図3)におけるステップS10、S12の、充電処理・蓄熱処理のフローチャートを図5、6、7に示す。ステップS8(図3)において通常の充電モードと判別されると(S8:YES)、ステップS10に移る。ステップS10において、図5、6に示すフローチャートに移行し、通常充電モードにおける充電処理、蓄電処理が開始される(S200、S300)。
【0049】
家庭電力制御部24は、開始時刻t1になるまでブレーカ20および車両電力制御部34を制御し、待機状態にある(S202:NO)。現在時刻が開始時刻t1になると(S202:YES)、ステップS204に移行すると共に、並列にステップS300(図6)に移行する(図5中のA)。また、電動車両3aは、開始時刻t1までに、電源プラグの接続等による電力供給の可能な状態にする必要がある。以下の説明では、ステップS204に移行して充電処理が行われる場合のフローチャート(図5)について説明をする。ブレーカ20を制御しコンバータ32に対し供給電力4の供給を開始して車両電力制御部34を介しコンバータ32を制御することにより蓄電池30に対して定電流充電(CC充電)を行う(S204)。
【0050】
このとき、センサ381は蓄電池30の充電状態SOCを推定するためセル間電圧Eを監視し、計測されたセル間電圧Eを充電状態SOCの1つとして逐次車両電力制御部34に送信する。車両電力制御部34は、センサ381から取得したセル間電圧Eが、あらかじめ定められている定電流充電上限電圧Eulに達するまで蓄電池30に対し定電流充電(CC充電)を継続する(S206:NO)。
【0051】
セル間電圧Eが定電流充電上限電圧Eulに達すると(S206:YES)、車両電力制御部34は蓄電池30に対する定電流充電(CC充電)を停止すると共に(S208)、定電圧充電(CV充電)を開始する(S210)。
【0052】
このとき、センサ381は蓄電池30の充電状態SOCの1つとして充電電流Iを監視し、計測された充電電流Iを逐次車両電力制御部34に送信する。センサ381から取得した充電電流Iが、あらかじめ定められている定電圧充電下限電流Ill以下になるまで(S212:YES)、または、終了時刻t2に達するまで(S214:YES)、ステップS212に戻り定電圧充電(CV充電)が継続される。尚、蓄電池30への充電電力Wcは、定電流充電(CC充電)の場合も定電圧充電(CV充電)の場合も、供給電力4と充電電力分配率a1との積として算出される。
【0053】
充電電流Iが定電圧充電下限電流Illに達すると(S212:YES)、もしくは終了時刻t2を経過すると(S214:YES)、蓄電池30に対する定電圧充電(CV充電)を停止し(S216)、ステップS14(図3)に戻る(S218)。
【0054】
続いて、図6に示す蓄熱処理のフローチャートについて説明をする。ステップ202(図5)においてステップS300に移行する場合である(図5中のA)。開始時刻t1になると(S202:YES)、蓄熱材36に対して分配率(1−a1)に基づいた蓄熱動作が開始される(S300)。すなわち、蓄熱電力Wbは、供給電力4と分配率(1−a1)との積として算出される。
【0055】
このとき、センサ382は蓄熱材36の蓄熱材温度Thを監視し、計測された蓄熱材温度Thを逐次車両電力制御部34に送信する。車両電力制御部34は、センサ382から取得した蓄熱材温度Thが、あらかじめ定められている蓄熱材上限温度Thlより低温であり(S302:NO)、かつ、終了時刻t2に達するまで(S304:NO)、ステップS302に戻り蓄熱を継続する。
【0056】
蓄熱材温度Thが蓄熱材上限温度Thlに達すると(S302:YES)、もしくは終了時刻t2を経過すると(S304:YES)、蓄熱を停止し(S306)、ステップS14(図3)に戻る(S308)。
【0057】
次に、図7の充電処理のフローチャートについて説明する。ステップS8(図3)において緊急充電モードと判別されると(S8:NO)、図7に示すフローチャートに移行し、緊急充電モードにおける充電処理が開始される(S400)。このとき、電動車両3aは、電源プラグの接続等による電力供給の可能な状態である。
【0058】
充電処理の開始により(S400)、定電流充電(CC充電)が開始される(S402)。このとき、センサ381は蓄電池30の充電状態SOCの1つとしてセル間電圧Eを監視し、計測されたセル間電圧Eを充電状態SOCの1つとして逐次車両電力制御部34に送信する。車両電力制御部34は、センサ381から取得したセル間電圧Eが、あらかじめ定められている定電流充電上限電圧Eulに達するまで蓄電池30に対し定電流充電(CC充電)を継続する(S404:NO)。
【0059】
セル間電圧Eが定電流充電上限電圧Eulに達すると(S404:YES)、車両電力制御部34は蓄電池30に対する定電流充電(CC充電)を停止し(S406)、ステップS14(図3)に戻る(S408)。
【0060】
図8に電力の分配を示す表を示す。図8は通常充電モードおよび緊急充電モードにおいて、家庭2に供給される系統電力Woが、家電等の負荷22の家電消費電力Wh、蓄電池30に供給される充電電力Wc、および蓄熱材36に供給される蓄熱電力Wbのそれぞれに分配される電力分配率を時間帯ごとに示したものである。
【0061】
家庭電力制御部24は、家電等の負荷22の家電消費電力Whに優先的に供給する割合を家庭電力分配率Xとして設定する。通常充電モードおよび緊急充電モードにおいて、開始時刻t1から終了時刻t2、t2‘の時間帯を除く時間帯は、家庭2内で電力が消費されるため、系統電力Woは全て家電消費電力Whに供給される。よって、この時間帯において、家庭電力分配率Xは1.0とされる。
【0062】
通常充電モードにおいて、充電・蓄熱の時間帯に家電消費電力Whへの電力の分配を残すため、開始時刻t1から終了時刻t2の時間帯の家庭電力分配率Xを0.2と設定する。実施形態では、開始時刻t1から終了時刻t2の時間帯を深夜24時から午前6時までの時間帯と定める場合を例示している。この時間帯では、家庭2における電力の使用が少ないと想定されるため、家庭電力分配率Xを0.2と設定する。尚、上記に説明した分配率に限らず、実情に合わせて、通常充電モードにおける開始時刻t1から終了時刻t2の時間帯の家庭電力分配率Xを、あらかじめ設定することができる。
【0063】
緊急充電モードにおいては、充電電力Wcは最大限に優先して分配するものとし、このときの分配率を分配率a2とする。開始時刻t1から終了時刻t2の時間帯の家庭電力分配率Xは必要最低限の(1.0−a2)に限定される。通常充電モード時の家庭電力分配率Xは0.2であるので、分配率a2が0.8より大きな分配率である場合、家庭2において使用できる電力は通常充電モードより制限されることとなる。この場合を想定して、また、緊急充電モードが行われる時間帯は任意の時間帯であることから家庭2への電力供給が制限されることを考慮して、ステップS128のメッセージにより警告を行う。
【0064】
充電電力分配率a1は、供給電力4から蓄電池30に供給される充電電力Wcに分配される電力の分配率である。後述する図9に示すように、充電電力分配率a1は、蓄電池30への充電の状況により変化する。また、供給電力4から充電電力Wcを引いた電力は、蓄熱材36に供給される蓄熱電力Wbである。蓄熱電力Wbへの分配率が分配率(1−a1)である。
【0065】
通常充電モードにおいて、充電電力Wcは、供給電力4および充電電力分配率a1によって設定される。ここで、図8の表より家庭電力分配率Xは0.2であるから、供給電力4は、系統電力Woの0.8である。供給電力4と充電電力分配率a1との乗算により、充電電力Wcへの分配率は、0.8×a1である。同様に、蓄熱電力Wbへの分配率は、0.8×(1−a1)である。なお、蓄熱材温度Thが蓄熱材上限温度Thlに達した場合には蓄熱材36への蓄熱は不要であり、上記に演算された蓄熱電力Wbは供給されないことは言うまでもない。
【0066】
緊急充電モードにおいては、系統電力Woのうち充電電力Wcへは分配率a2で分配される。このとき、蓄熱材36への蓄熱は行われないので蓄熱電力Wbへの分配率は0である。したがって、供給電力4はすべて充電電力Wcとなり、分配率は分配率a2である。また、緊急充電モードの場合、家庭2への家電消費電力Whの分配は、分配率(1−a2)である。
【0067】
図9に充電電力Wcと蓄熱電力Wbの電力分配率の時間推移を示すグラフを示す。図9は、通常充電モードの場合である。このグラフにおいて、開始時刻t1に充電および蓄熱が開始され、終了時刻t2に蓄電池30は満充電に達するものとする。
【0068】
開始時刻t1から定電流充電時間tccの経過するまでは定電流充電(CC充電)が行われる。この間の充電電力分配率a1は大きく、定電流充電(CC充電)により大きな充電電力Wcが蓄電池30に供給され急速な充電が行われる。グラフが右上がりに上昇するのは、充電に伴い蓄電池30の電極間電圧が上昇し、定電流充電(CC充電)により供給される電力が上昇するためである。これに応じて充電電力分配率a1は上昇する。
【0069】
開始時刻t1から定電流充電時間tccが経過すると、定電流充電(CC充電)から定電圧充電(CV充電)に切り替わる。定電圧充電時間tcvの間、充電池30の電極間電圧は略一定として制御され満充電に近づくと共に供給すべき電力は減少する。このため、充電電力分配率a1のグラフは右下がりに減少する。時間と共に充電電力分配率a1が減少する分、蓄熱電力Wbへの分配率(1−a1)は増大し、蓄熱電力Wbは増加する。
【0070】
図10は、実施形態の変形例である電動車両充電システムのブロック図である。電動車両充電システム1bは、電動車両充電システム1aにおける電動車両3aに代えて電動車両3bを備える。電動車両3bでは、蓄電池30に充電電力Wcを供給するコンバータ321と蓄熱材36に蓄熱電力Wbを供給するコンバータ322とを備えている以外は、電動車両3aと構成が同様である。電動車両充電システム1aと同様な構成に関しては、説明を省略する。
【0071】
電動車両3bは、コンバータ32を備える代わりに、コンバータ321、322を備えることにより、車両電力制御部34は、コンバータ321、322それぞれを介して、充電電力Wcおよび蓄熱電力Wbの制御をする。蓄電池30および蓄熱材36に印加される電圧および電流の制御は各々に固有であるため、コンバータ32により蓄電池30および蓄熱材36を制御する電動車両3aに比して、蓄電池30と蓄熱材36とのそれぞれに固有のコンバータ321、322を備える電動車両3bでは、蓄電池30および蓄熱材36のそれぞれに対して適格な制御をすることができ好都合である。
【0072】
ここで、家庭電力制御部24は第1制御部の一例であり、車両電力制御部34は第2制御部の一例である。また、午前6時から深夜24時までの時間帯は活動時間帯の一例であり、深夜24時から午前6時までの時間帯は就寝時間帯の一例である。また、センサ381は第1センサの一例であり、センサ382は第2センサの一例である。
【0073】
以上、詳細に説明したように、本実施形態によれば、家庭電力制御部24は、系統電力Woを、家庭2への給電分と電動車両3aへの給電分とに分配の制御をするので、家庭2で使用しない電力を供給電力4として電動車両3aに振り向けることができ,電動車両3aにも給電が可能となる。
【0074】
また、車両電力制御部34は、電動車両3aに給電される供給電力4を、蓄電池30を充電する充電電力Wcと蓄熱材36を蓄熱する蓄熱電力Wbとに分配して給電するので、蓄電池30への充電と蓄熱材への蓄熱とを並列制御して充電と蓄熱を並行して行うことができる。
【0075】
また、家庭電力制御部24は、系統電力Woの家庭2への分配割合である家庭電力分配率Xの時間帯に応じた設定に基づいて、分配の制御をすることができる。実施形態では、家庭での活動が活発となる昼間の活動時間帯(例えば、午前6時から深夜24時までの時間帯)に家庭電力分配率Xを最大「1」に設定して、系統電力を家庭2に対して優先的に振り向けるので、活動時間帯に家庭2で必要とされる電力は十分に給電することができる。一方、家庭2での活動が不活発となる就寝時間帯(例えば、深夜24時から午前6時までの時間帯)では、家庭2で必要となる電力が小さいので家庭電力分配率Xを低減して、系統電力Woの一部を電動車両3aに振り向けることができる。
家庭電力分配率Xに応じて系統電力Woのうち家庭2へ振り向けられる電力が設定されるため、時間帯に応じて的確な電力を家庭2用として確保することができる。
【0076】
また、蓄電池30の状態を検出するセンサ381と、蓄熱材36の状態を検出するセンサ382とを備えているので、家庭電力制御部24は、センサ381、382からの検出情報に応じて、就寝時間帯(例えば、深夜24時から午前6時までの時間帯)の範囲内で、蓄電池30への充電と蓄熱材36への蓄熱とを並列に行う時間帯を設定することができる。
【0077】
また、車両電力制御部34は、蓄電池30への充電が優先されるので、例えば、リチウムイオン二次電池などのように、定電流充電(CC充電)により充電が開始され定電圧充電(CV充電)に移行する充電方式の場合、充電の初期である定電流充電(CC充電)においても十分な充電電力Wcが確保される。
【0078】
また、緊急充電モードでは、家庭電力制御部24は、家庭電力分配率Xに関わらず電動車両3aへの緊急時の電力の分配率a2に基づき、電動車両3aへの給電が優先される。これにより、家庭2への給電に優先して緊急充電を行うことができる。
【0079】
また、緊急充電モードでは、車両電力制御部34は、供給電力4の全量を充電電力Wcに割り当てるので、効率的に緊急充電を行うことができる。
尚、電動車両充電システム1bについても、電動車両充電システム1aと同様の作用効果を有することは言うまでもない。
【0080】
尚、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内での種々の改良、変更が可能であることは言うまでもない。
【0081】
例えば、ステップS0の家庭電力制御部24の動作開始この作業は利用者によるスイッチの投入でも、電源プラグと電源ジャックとの接続によりスイッチの投入がされてもよい。
【0082】
また、充放電のサイクルを繰り返した蓄電池は、充電完了時においての端子間電圧差が低くなる場合がある。このため、定電流充電上限電圧Eulに達するまで定電流充電(CC充電)を行うと蓄電池は過度に充電される恐れがあり、蓄電池の寿命を損なう恐れがある。車両電力制御部34は充放電のサイクルの回数をカウントすることにより、蓄電池のサイクルの回数に応じて充電上限電圧Eulを選択してもよい。
【0083】
また、蓄熱材の熱媒体は、不凍液やオイル等の流体や、固体、気体、パラフィン・ワックスなどの相変化するものなど、適宜な熱媒体を用いることができる。また、蓄熱材の温度が高くなるほど、蓄熱材に蓄えられる熱量は単位体積当たり増加するが、それに伴い、蓄熱材をより高温にするヒーターや、より保温性の高い蓄熱材格納機構が必要となる。電動車両に必要とされる熱量や搭載に必要な空間、電動車両自体の価格によって、適宜な蓄熱材を採用することが望ましい。
【符号の説明】
【0084】
1a、1b 電動車両充電システム
2 家庭
3a、3b 電動車両
4 供給電力
Wo 系統電力
Wc 充電電力
Wb 蓄熱電力
20 ブレーカ
22 家電等の負荷
24 家庭電力制御部
26 インターフェース部
30 蓄電池
32、321、322 コンバータ
34 車両電力制御部
36 蓄熱材
381、382 センサ



【特許請求の範囲】
【請求項1】
家庭に給電される系統電力を電動車両への充電に使用する電動車両充電システムであって、
前記電動車両は、
電力を蓄える蓄電池と、
蓄熱する蓄熱材とを備え、
前記系統電力を、前記家庭への給電分と前記電動車両への給電分とに分配の制御をする第1制御部と、
前記電動車両に給電される供給電力を、前記蓄電池を充電する充電電力と前記蓄熱材を蓄熱する蓄熱電力とに分配して、前記蓄電池への充電と前記蓄熱材への蓄熱とを並列制御する第2制御部とを備えることを特徴とする電動車両充電システム。
【請求項2】
前記第1制御部は、前記系統電力の前記家庭への分配割合である家庭電力分配率の時間帯に応じた設定に基づいて、分配の制御をすることを特徴とする請求項1に記載の電動車両充電システム。
【請求項3】
前記第1制御部は、前記家庭での活動が活発となる昼間の活動時間帯では前記家庭電力分配率を最大「1」として、前記系統電力を前記家庭に対して優先的に振り向け、前記家庭での活動が不活発となる就寝時間帯では前記家庭電力分配率を低減して前記系統電力の一部を前記電動車両用として確保することを特徴とする請求項2に記載の電動車両充電システム。
【請求項4】
前記蓄電池の状態を検出する第1センサと、
前記蓄熱材の状態を検出する第2センサとを備え、
前記第1制御部は、前記第1および第2センサからの検出情報に応じて、前記就寝時間帯の範囲内で、前記蓄電池への充電と前記蓄熱材への蓄熱とを並列に行う時間帯を設定することを特徴とする請求項3に記載の電動車両充電システム。
【請求項5】
前記第2制御部は、前記蓄電池への充電を優先して行うことを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の電動車両充電システム。
【請求項6】
緊急充電モードにおいて、前記第1制御部は、前記家庭電力分配率に関わらず前記電動車両への緊急時の電力の分配率に基づき、前記電動車両への給電を優先することを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の電動車両充電システム。
【請求項7】
前記緊急充電モードにおいて、前記第2制御部は、前記供給電力の全量を前記充電電力とすることを特徴とする請求項5に記載の電動車両充電システム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−210128(P2012−210128A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−75712(P2011−75712)
【出願日】平成23年3月30日(2011.3.30)
【出願人】(591261509)株式会社エクォス・リサーチ (1,360)
【Fターム(参考)】