電子カメラ
【構成】光学/撮像系12aおよび12bは、互いに異なる態様で発光するビデオライト38およびストロボ40にそれぞれ対応する。CPU34は、動画撮像モードおよび静止画撮像モードのうち所望の撮像モードを選択し、ビデオライト38およびストロボ40のうち選択された撮像モードに対応する発光装置を駆動し、そして駆動された発光装置に対応する光学/撮像系で捉えられたシーンを表す画像データをメモリI/F28を通して記録媒体30に記録する。
【効果】記録画像の品質が向上する。
【効果】記録画像の品質が向上する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電子カメラに関し、特に複数の光学系をそれぞれ経由した複数の光学像に基づいて電子画像を作成する、電子カメラに関する。
【背景技術】
【0002】
この種のカメラの一例が、特許文献1に開示されている。この背景技術によれば、モード選択スイッチによって3次元撮影モードが選択されると、2つの映像信号処理回路の出力がVTR部へ供給され、3次元映像信号として記録される。一方、モード選択スイッチによって2次元撮影モードが選択されると、一方の映像信号処理回路の出力のみがVTR部へ供給され、2次元映像信号として記録される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−274213号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、背景技術では、被写体に向けて光を照射するライトが設けられることはなく、ライトの駆動態様が撮影モードに応じて切り換えられることもない。このため、背景技術では、記録される映像信号の品質に限界がある。
【0005】
それゆえに、この発明の主たる目的は、電子画像の品質を高めることができる、電子カメラを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に従う電子カメラ(10:実施例で相当する参照符号。以下同じ)は、互いに異なる態様で発光する複数の発光手段(38, 40)、複数の発光手段にそれぞれ対応する複数の光学系(121a~122a, 121b~122b)、互いに異なる態様でシーンを捉える複数の撮像モードの中から所望の撮像モードを選択する選択手段(S17, S31)、複数の発光手段のうち選択手段によって選択された撮像モードに対応する発光手段を駆動する駆動手段(S55, S65)、および複数の光学系のうち駆動手段によって駆動された発光手段に対応する光学系を経由した光学像に基づいて電子画像を作成する作成手段(S35~S41)を備える。
【0007】
好ましくは、複数の発光手段と複数の光学系との間の対応関係をユーザ操作に応じて変更する変更手段(S9)、およびシーンの明るさが基準以下のとき変更手段の変更処理を制限する制限手段(S3)がさらに備えられる。
【0008】
好ましくは、複数の光学系はシーンを重複して捉えるようにカメラ筐体(CB1)の互いに異なる複数の位置に設けられる。
【0009】
好ましくは、複数の撮像モードは、シーンを継続的に捉える動画撮像モード、およびシーンを瞬間的に捉える静止画撮像モードを含み、複数の発光手段は、継続的に光を発生する第1発生手段(38)、および瞬間的に光を発生する第2発生手段(40)を含み、駆動手段は、動画撮像モードに対応して第1発生手段を駆動する第1駆動手段(S51~S53)、および静止画撮像モードに対応して第2発生手段を駆動する第2駆動手段(S59~S61)を含む。
【0010】
さらに好ましくは、選択手段は動画撮像モードの選択/非選択に関わらず静止画撮像モードの選択を受け付け、作成手段は静止画撮像モードの下で捉えられたシーンを表す静止画像を静止画撮像モードと並列する動画撮像モードの下で捉えられたシーンを表す動画像に割り当てる割り当て手段(S41)を含む。
【0011】
より好ましくは、静止画像モードの下でシーンが捉えられるタイミングで第1発光手段を停止する停止手段(S63)がさらに備えられる。
【0012】
好ましくは、静止画撮像モードの選択に対応して第1発生手段を駆動する第3駆動手段(S71~S73)がさらに備えられる。
【0013】
この発明に従う撮像制御プログラムは、互いに異なる態様で発光する複数の発光手段(38, 40)、および複数の発光手段にそれぞれ対応する複数の光学系(121a~122a, 121b~122b)を備える電子カメラ(10)のプロセッサ(34)に、互いに異なる態様でシーンを捉える複数の撮像モードの中から所望の撮像モードを選択する選択ステップ(S17, S31)、複数の発光手段のうち選択ステップによって選択された撮像モードに対応する発光手段を駆動する駆動ステップ(S55, S65)、および複数の光学系のうち駆動ステップによって駆動された発光手段に対応する光学系を経由した光学像に基づいて電子画像を作成する作成ステップ(S35~S41)を実行させるための、撮像制御プログラムである。
【0014】
この発明に従う撮像制御方法は、互いに異なる態様で発光する複数の発光手段(38, 40)、および複数の発光手段にそれぞれ対応する複数の光学系(121a~122a, 121b~122b)を備える電子カメラ(10)によって実行される撮像制御方法であって、互いに異なる態様でシーンを捉える複数の撮像モードの中から所望の撮像モードを選択する選択ステップ(S17, S31)、複数の発光手段のうち選択ステップによって選択された撮像モードに対応する発光手段を駆動する駆動ステップ(S55, S65)、および複数の光学系のうち駆動ステップによって駆動された発光手段に対応する光学系を経由した光学像に基づいて電子画像を作成する作成ステップ(S35~S41)を備える。
【0015】
この発明に従う外部制御プログラムは、互いに異なる態様で発光する複数の発光手段(38, 40)、複数の発光手段にそれぞれ対応する複数の光学系(121a~122a, 121b~122b)、およびメモリ(32)に保存された内部制御プログラムに従う処理を実行するプロセッサ(34)を備える電子カメラ(10)に供給される外部制御プログラムであって、互いに異なる態様でシーンを捉える複数の撮像モードの中から所望の撮像モードを選択する選択ステップ(S17, S31)、複数の発光手段のうち選択ステップによって選択された撮像モードに対応する発光手段を駆動する駆動ステップ(S55, S65)、および複数の光学系のうち駆動ステップによって駆動された発光手段に対応する光学系を経由した光学像に基づいて電子画像を作成する作成ステップ(S35~S41)を内部制御プログラムと協働してプロセッサに実行させるための、外部制御プログラムである。
【0016】
この発明に従う電子カメラ(10)は、互いに異なる態様で発光する複数の発光手段(38, 40)、複数の発光手段にそれぞれ対応する複数の光学系(121a~122a, 121b~122b)、外部制御プログラムを取り込む取り込み手段(42)、および取り込み手段によって取り込まれた外部制御プログラムとメモリ(32)に保存された内部制御プログラムとに従う処理を実行するプロセッサ(34)を備える電子カメラであって、外部制御プログラムは、互いに異なる態様でシーンを捉える複数の撮像モードの中から所望の撮像モードを選択する選択ステップ(S17, S31)、複数の発光手段のうち選択ステップによって選択された撮像モードに対応する発光手段を駆動する駆動ステップ(S55, S65)、および複数の光学系のうち駆動ステップによって駆動された発光手段に対応する光学系を経由した光学像に基づいて電子画像を作成する作成ステップ(S35~S41)を内部制御プログラムと協働して実行するプログラムに相当する。
【発明の効果】
【0017】
この発明によれば、互いに異なる態様でシーンを捉える複数の撮像モードと互いに異なる態様で発光する複数の発光手段とが準備され、選択された撮像モードに対応する発光手段が駆動される。電子画像は、駆動された発光手段に対応する光学系を経由した光学像に基づいて作成される。これによって、電子画像の品質が向上する。
【0018】
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】この発明の一実施例の基本的構成を示すブロック図である。
【図2】この発明の一実施例の構成を示すブロック図である。
【図3】図2実施例の外観を示す斜視図である。
【図4】図2実施例によって捉えられるシーンの一例を示す図解図である。
【図5】図2実施例に適用される光学/撮像系の構成の一例を示す図解図である。
【図6】撮像面における評価エリアEVAの割り当て状態の一例を示す図解図である。
【図7】図2実施例に適用されるCPUの動作の一部を示すフロー図である。
【図8】図2実施例に適用されるCPUの動作の他の一部を示すフロー図である。
【図9】図2実施例に適用されるCPUの動作のその他の一部を示すフロー図である。
【図10】図2実施例に適用されるCPUの動作のさらにその他の一部を示すフロー図である。
【図11】図2実施例に適用されるCPUの動作の他の一部を示すフロー図である。
【図12】この発明の他の実施例に適用されるCPUの動作の一部を示すフロー図である。
【図13】この発明の他の実施例の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、この発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
[基本的構成]
【0021】
図1を参照して、この実施例の電子カメラは、基本的に次のように構成される。複数の発光手段1,1,…は、互いに異なる態様で発光する。複数の光学系2,2,…は、複数の発光手段1,1,…にそれぞれ対応する。選択手段3は、互いに異なる態様でシーンを捉える複数の撮像モードの中から所望の撮像モードを選択する。駆動手段4は、複数の発光手段1,1,…のうち選択手段3によって選択された撮像モードに対応する発光手段1を駆動する。作成手段5は、複数の光学系2,2,…のうち駆動手段4によって駆動された発光手段1に対応する光学系2を経由した光学像に基づいて電子画像を作成する。
【0022】
互いに異なる態様でシーンを捉える複数の撮像モードと互いに異なる態様で発光する複数の発光手段1,1,…とが準備され、選択された撮像モードに対応する発光手段1が駆動される。電子画像は、駆動された発光手段1に対応する光学系2を経由した光学像に基づいて作成される。これによって、電子画像の品質が向上する。
[実施例]
【0023】
図2を参照して、この実施例のディジタルカメラ10は、共通のシーンを捉える光学/撮像系12aおよび12bを含む。電源が投入されると、CPU34は、撮像タスクの下で光学/撮像系12aおよび12bを起動する。光学/撮像系12aおよび12bのいずれも、SG(Signal Generator)18から周期的に出力される垂直同期信号Vsyncに応答して、シーンを表す生画像データを繰り返し出力する。
【0024】
図3に示すように、光学/撮像系12aはカメラ筐体CB1の前面の中央やや上部に固定的に設けられ、光学撮像系12bはカメラ筐体CB1の前面の右側やや上部に固定的に設けられる。また、後述するビデオライト38は光学/撮像系12aの近傍に設けられ、後述するストロボ40は光学/撮像系12bの近傍に設けられる。つまり、ビデオライト38は光学/撮像系12aに割り当てられ、ストロボ40は光学/撮像系12bに割り当てられる。
【0025】
ここで、光学/撮像系12aおよび12bはそれぞれ光軸AX1およびAX2を有し、カメラ筐体CB1の底面から光軸AX1までの距離(=H1)はカメラ筐体CB1の底面から光軸AX2までの距離(=H2)と一致する。また、水平方向における光軸AX1およびAX2の間隔(=W1)は、人間の両目の間隔を考慮して6cm程度に設定される。
【0026】
したがって、カメラ筐体CB1の前方に図4に示すシーンが広がっているとき、光学/撮像系12aは視野VF_Rに属するシーンを捉える一方、光学/撮像系12bは視野VF_Lに属するシーンを捉える。光学/撮像系12aおよび12bはカメラ筐体CB1において互いに同じ高さに設けられるため、視野VF_RおよびVF_Lの水平位置は僅かにずれるものの、視野VF_RおよびVF_Lの垂直位置は互いに一致する。
【0027】
図2に戻って、光学/撮像系12aから出力された生画像データは信号処理回路14aに与えられ、光学/撮像系12bから出力された生画像データは信号処理回路14bに与えられる。信号処理回路14aおよび14bの各々は、与えられた生画像データに色分離,白バランス調整,YUV変換などの処理を施し、YUV形式の画像データをメモリ制御回路20を通してSDRAM22に書き込む。
【0028】
光学/撮像系12aおよび12bの一方は動画撮像モードに対応し、光学/撮像系12aおよび12bの他方は静止画撮像モードに対応する。以下では、動画撮像モードに対応する光学/撮像系を“光学/撮像系MV”と定義し、静止画撮像モードに対応する光学/撮像系を“光学/撮像系STL”と定義する。
【0029】
電源が投入された当初、CPU34は、撮像タスクと並列する設定制御タスクの下で、光学/撮像系12aおよび12bの役割を初期化する。光学/撮像系12aは“光学/撮像系MV”として設定され、光学/撮像系12bは“光学/撮像系STL”として設定される。初期化が完了すると、光学/撮像系12aおよび12bによって捉えられるシーンの照度が後述する輝度評価値に基づいて算出され、算出された照度の大きさおよび/またはビデオライト38の状態に応じて異なる要領で光学/撮像系12aおよび12bの役割が設定される。
【0030】
ビデオライト38には点灯/消灯を制御するための基準値REF1が割り当てられ、ストロボ40には発光/非発光を制御するための基準値REF2が割り当てられる。ここで、基準値REF2は基準値REF1よりも大きい。
【0031】
照度が基準値REF2以下であれば、ビデオライト38および/またはストロボ40が必要であるとして、光学/撮像系12aが“光学/撮像系MV”として設定され、光学/撮像系12bが“光学/撮像系STL”として設定される。また、現時点でビデオライト38が点灯中である場合も、光学/撮像系12aが“光学/撮像系MV”として設定され、光学/撮像系12bが“光学/撮像系STL”として設定される。
【0032】
これに対して、照度が基準値REF2を上回り、かつビデオライト38が消灯中であれば、ビデオライト38およびストロボ40のいずれも必要ではないとして、撮像設定スイッチ36swの操作に応答して光学/撮像系12aおよび12bの役割が切り換えられる。
【0033】
具体的には、撮像設定スイッチ36swが“ST1”に設定されていれば、光学/撮像系12aが“光学/撮像系MV”として設定され、光学/撮像系12bが“光学/撮像系STL”として設定される。一方、撮像設定スイッチ36swが“ST2”に設定されていれば、光学/撮像系12aが“光学/撮像系STL”として設定され、光学/撮像系12bが“光学/撮像系MV”として設定される。
【0034】
SDRAM22において、光学/撮像系MVで捉えられたシーンを表す画像データは動画エリア22mvに格納される一方、光学/撮像系STLで捉えられたシーンを表す画像データは静止画エリア22stlに格納される。LCDドライバ24は、動画エリア22mvに格納された画像データをメモリ制御回路20を通して繰り返し読み出し、読み出された画像データに基づいてLCDモニタ26を駆動する。この結果、光学/撮像系MVで捉えられたシーンを表すリアルタイム動画像(スルー画像)がモニタ画面に表示される。
【0035】
図5を参照して、光学/撮像系12aは、ドライバ124a,125aおよび126aによってそれぞれ駆動されるフォーカスレンズ121a,絞り機構122aおよび撮像装置123aを有する。シーンを表す光学像は、フォーカスレンズ121aおよび絞り機構122aを経由して撮像装置123aの撮像面に照射される。ドライバ126aは、SG18から与えられた垂直同期信号Vsyncに応答して撮像面を露光し、これによって生成された電荷をラスタ走査態様で読み出す。撮像装置123aからは、読み出された電荷に基づく生画像データが出力される。
【0036】
なお、光学/撮像系12bは、光学撮像系12aと同様であるため、各部材の参照番号に付された記号“a”を“b”に代えることで、重複した説明を省略する。
【0037】
撮像装置123aおよび123bの各々の撮像面には、評価エリアEVAが図6に示す要領で割り当てられる。図2に示すAE/AF評価回路16aは、光学/撮像系12aで捉えられたシーンの明るさおよび鮮鋭度をそれぞれ示す輝度評価値およびフォーカス評価値を、信号処理回路14aによって生成されたYUV形式の画像データのうち評価エリアEVAに属する一部の画像データに基づいて繰り返し作成する。
【0038】
同様に、AE/AF評価回路16bは、光学/撮像系12bで捉えられたシーンの明るさおよび鮮鋭度をそれぞれ示す輝度評価値およびフォーカス評価値を、信号処理回路14bによって生成されたYUV形式の画像データのうち評価エリアEVAに属する一部の画像データに基づいて繰り返し作成する。
【0039】
CPU34は、AE/AF評価回路16aおよび16bの各々から出力された輝度評価値に基づく動画用AE処理を撮像タスクの下で実行し、適正EV値を算出する。算出された適正EV値を定義する絞り量はドライバ125aおよび125bに設定され、算出された適正EV値を定義する露光時間はドライバ126aおよび126bに設定される。この結果、信号処理回路14aおよび14bの各々から出力される画像データの輝度が適正に調整される。
【0040】
CPU34はまた、AE/AF評価回路16aおよび16bの各々から出力されたフォーカス評価値に基づく動画用AF処理を撮像タスクの下で実行する。ドライバ124aおよび124bは、CPU34の制御の下でフォーカスレンズ121aおよび121bを合焦点が存在する方向に移動させる。この結果、信号処理回路14aおよび14bの各々から出力される画像データの鮮鋭度が適正に調整される。
【0041】
キー入力装置36に設けられたムービボタン36mvが操作されると、CPU34は、動画撮像モードが選択されたとみなし、動画記録処理の実行を撮像タスクの下でメモリI/F28に命令する。メモリI/F28は、新規の動画ファイルを記録媒体30に作成し(作成した動画ファイルはオープンされる)、SDRAM22の動画エリア22mvに格納された画像データをメモリ制御回路20を通して繰り返し読み出し、読み出された画像データをオープン状態の動画ファイルに収める。
【0042】
ムービボタン36mvが再度操作されると、CPU34は、動画撮像モードの選択が解除されたとみなし、動画記録処理の停止を撮像タスクの下でメモリI/F28に命令する。メモリI/F28は、動画エリア22mvからの画像データの読み出しを終了し、オープン状態の動画ファイルをクローズする。これによって、所望のシーンを継続的に表す動画像がファイル形式で記録媒体30に記録される。
【0043】
キー入力装置36に設けられたシャッタボタン36shの操作は、このような動画記録処理の実行/中断に関わらず撮像タスクの下で受け付けられる。CPU34は、シャッタボタン36shが半押しされたとき、光学/撮像系STLに対応するAE/AF評価回路から出力された輝度評価値およびフォーカス評価値に基づく静止画用AE処理および静止画用AF処理を撮像タスクの下で実行する。
【0044】
静止画用AE処理の結果、最適EV値を定義する絞り量および露光時間が算出される。算出された絞り量は光学/撮像系STLに設けられた絞り調整用のドライバ(125aまたは125b)に設定され、算出された露光時間は光学/撮像系STLに設けられた画像出力用のドライバ(126aまたは126b)に設定される。これによって、光学/撮像系STLの出力に基づく画像データの輝度が最適値に調整される。
【0045】
また、静止画用AF処理の結果、光学/撮像系STLに設けられたフォーカスレンズ(121aまたは121b)の配置が合焦点の近傍で微調整される。これによって、光学/撮像系STLの出力に基づく画像データの鮮鋭度が最適値に調整される。
【0046】
なお、静止画用AE処理および静止画用AF処理が実行される前に動画用AE処理および動画用AF処理が繰り返し実行されるため、静止画用AE処理および静止画用AF処理は短時間で完了する。
【0047】
シャッタボタン36shが全押しされると、CPU34は、静止画撮像モードが選択されたとみなし、撮像タスクの下で静止画取り込み処理を実行する。この結果、静止画エリア22stlに格納された最新の1フレームの画像データが退避エリア22svに退避される。CPU34は続いて、静止画記録処理の実行を撮像タスクの下でメモリI/F28に命令する。
【0048】
メモリI/F28は、新規の静止画ファイルを記録媒体30に作成し(作成した静止画ファイルはオープンされる)、退避エリア22svに退避された画像データをメモリ制御回路20を通して繰り返し読み出し、読み出された画像データをオープン状態の静止画ファイルに収める。画像データの格納が完了すると、メモリI/F28はオープン状態の静止画ファイルをクローズする。これによって、所望のシーンを瞬間的に表す静止画像がファイル形式で記録媒体30に記録される。
【0049】
動画記録処理の途中で静止画記録処理が実行されたとき、CPU34は、動画記録処理によって作成された動画ファイルと静止画記録処理によって作成された静止画ファイルとの間でリンクを形成する。具体的には、CPU34は、動画ファイルのファイル名が静止画ファイルのヘッダに記述し、静止画ファイルのファイル名が動画ファイルのファイル名に記述する。これによって、共通のシーンを表す動画像および静止画像を並列状態ないし合成状態して再生するなど、再生画像の表現の多様性が向上する。
【0050】
CPU34はまた、設定制御タスクおよび撮像タスクと並列する発光制御タスクの下で、動画記録処理の実行中におけるビデオライト38の点灯/消灯と、シャッタボタン36shの全押し時点でのストロボ40の発光/非発光を制御する。制御にあたっては、AE/AF評価回路16aおよび16bからの輝度評価値に基づいて算出された照度が参照される。
【0051】
ビデオライト38は、照度が基準値REF1以下であるとき点灯される一方、照度が基準値REF1を上回るとき消灯される。また、ストロボ40は、照度が基準値REF2以下のとき発光される一方、照度が基準値REF2を上回るとき非発光とされる。なお、ストロボ40を発光させるときにビデオライト38が点灯していれば、ビデオライト38は、ストロボ40が発光されるタイミングで一時的に消灯される。これによって、動画ファイルおよび静止画ファイルの各々に収められた画像データの品質が向上する。
【0052】
CPU34は、図7に示す設定制御タスク,図8〜図10に示す撮像タスク,および図11に示す発光制御タスクを、マルチタスクOSの制御の下で並列的に実行する。
【0053】
図7を参照して、ステップS1では光学/撮像系12aおよび12bの役割を初期化する。光学/撮像系12aは“光学/撮像系MV”として設定され、光学/撮像系12bは“光学/撮像系STL”として設定される。ステップS3では、光学/撮像系12aおよび12bによって捉えられるシーンの照度が基準値REF1以下であるか否かを、AE/AF評価回路16aおよび16bから出力された輝度評価値に基づいて判別する。また、ステップS8では、ビデオライト40が点灯中であるか否かを判別する。
【0054】
ステップS3の判別結果およびステップS8の判別結果のいずれか一方がYESであればステップS5〜S7の処理を経てステップS3に戻り、ステップS3の判別結果及びステップS8の判別結果のいずれもがNOであればステップS9の処理を経てステップS3に戻る。ステップS5では光学/撮像系12aを“光学/撮像系MV”として設定し、ステップS7では光学/撮像系12bを“光学/撮像系STL”として設定する。ステップS9では、撮像設定スイッチ36swの状態に従って光学/撮像系12aおよび12bの役割を設定する。
【0055】
ステップS9の処理の結果、撮像設定スイッチ36swが“ST1”に設定されていれば、光学/撮像系12aが“光学/撮像系MV”として設定され、光学/撮像系12bが“光学/撮像系STL”として設定される。撮像設定スイッチ36swが“ST2”に設定されていれば、光学/撮像系12aが“光学/撮像系STL”として設定され、光学/撮像系12bが“光学/撮像系MV”として設定される。
【0056】
図8を参照して、ステップS11では光学/撮像系MVおよびSTLを起動する。この結果、光学/撮像系MVで捉えられたシーンを表す画像データがSDRAM22の動画エリア22mvに書き込まれ、光学/撮像系STLで捉えられたシーンを表す画像データがSDRAM22の静止画エリア22stlに書き込まれ、そして動画エリア22mvに格納された画像データに基づくスルー画像がLCDモニタ26に表示される。
【0057】
ステップS13では動画用AE処理を実行し、ステップS15では動画用AF処理を実行する。ステップS13の処理の結果、信号処理回路14aおよび14bの各々から出力される画像データの輝度が適正に調整される。また、ステップS15の処理の結果、信号処理回路14aおよび14bの各々から出力される画像データの鮮鋭度が適正に調整される。
【0058】
ステップS17ではムービボタン36mvが操作されたか否かを判別し、判別結果がYESであればステップS19に進む。ステップS19では動画処理が実行中であるか否かを判別し、判別結果がYESであれば動画撮像モードが選択されたものとみなしてステップS21で動画記録処理を開始する一方、判別結果がNOであれば動画撮像モードの選択が解除されたものとみなしてステップS23で動画記録処理を中止する。ステップS21またはS23の処理が完了すると、ステップS13に戻る。
【0059】
ステップS21およびS23の処理の結果、ムービボタン36mvの1回目の操作から2回目の操作までの期間に動画エリアMVに取り込まれた画像データが動画ファイル形式で記録媒体30に記録される。
【0060】
ステップS17の判別結果がNOであれば、シャッタボタン36shが半押しされたか否かをステップS25で判別する。判別結果がNOであればステップS13に戻り、判別結果がYESであればステップS27に進む。ステップS27では静止画用AE処理を実行し、ステップS29では静止画用AF処理を実行する。この結果、光学/撮像系STLの出力に基づく画像データの輝度および鮮鋭度が最適値に調整される。
【0061】
ステップS31ではシャッタボタン36shが全押しされたか否かを判別し、ステップS33ではシャッタボタン36shの操作が解除されたか否かを判別する。ステップS33の判別結果がYESであれば、ステップS13に戻る。ステップS31の判別結果がYESであれば、静止画撮像モードが選択されたものとみなしてステップS35に進む。
【0062】
ステップS35では静止画取り込み処理を実行し、ステップS37では静止画記録処理を実行する。ステップS35の処理の結果、静止画エリア22stlに格納された最新の1フレームの画像データが退避エリア22svに退避される。また、ステップS37の処理の結果、退避された画像データを収めた静止画ファイルが記録媒体30に記録される。
【0063】
ステップS39では動画記録処理が実行中であるか否かを判別し、判別結果がNOであればそのままステップS13に戻る一方、判別結果がYESであればステップS41の処理を経てステップS13に戻る。ステップS41では、動画記録処理によって作成された動画ファイルと静止画記録処理によって作成された静止画ファイルとの間でリンクを形成するべく、動画ファイルのファイル名が静止画ファイルのヘッダに記述し、静止画ファイルのファイル名が動画ファイルのファイル名に記述する。
【0064】
図11を参照して、ステップS51では動画記録処理が実行中であるか否かを判別し、ステップS53では照度が基準値REF1以下であるか否かをAE/AF評価回路16aおよび16bから出力された輝度評価値に基づいて判別する。ステップS51の判別結果およびステップS53の判別結果のいずれもがYESであれば、ステップS55でビデオライト38を点灯する。これに対して、ステップS51の判別結果またはステップS53の判別結果がNOであれば、ステップS57でビデオライト38を消灯する。
【0065】
ステップS55またはS57の処理が完了すると、シャッタボタン36shが全押しされたか否かをステップS59で判別し、照度が基準値REF2以下であるか否かをステップS61で判別する。いずれか一方の判別結果がNOであればそのままステップS51に戻る一方、両方の判別結果がYESであればステップS63でビデオライト38を消灯し、ステップS65でストロボ40を発光させてからステップS51に戻る。
【0066】
以上の説明から分かるように、光学/撮像系12aおよび12bは、互いに異なる態様で発光するビデオライト38およびストロボ40にそれぞれ対応する。CPU34は、動画撮像モードおよび静止画撮像モードのうち所望の撮像モードを選択し(S17, S31)、ビデオライト38およびストロボ40のうち選択された撮像モードに対応する発光装置を駆動し(S55, S65)、そして駆動された発光装置に対応する光学/撮像系で捉えられたシーンを表す画像データを記録する(S35~S37)。
【0067】
このように、互いに異なる態様でシーンを捉える複数の撮像モード(動画撮像モードよよび静止画撮像モード)と互いに異なる態様で発光する複数の発光装置(ビデオライト38およびストロボ40)とが準備され、選択された撮像モードに対応する発光装置が駆動される。記録すべき画像データは、駆動された発光装置に対応する光学/撮像系で捉えられたシーンを表す。これによって、幅広い撮像条件に対応でき、ひいては記録画像の品質を高めることができる。
【0068】
なお、この実施例では、照度が基準値REF1以下の場合にビデオライト38を点灯する一方、照度が基準値REF1を上回る場合にビデオライト38を消灯するようにしている(図11のステップS53〜S57参照)。しかし、シャッタボタン36shの半押しに応答した静止画AF処理の実行タイミングで、照度に関係なくビデオライト38を一時的に点灯させるようにしてもよい。この場合、シャッタボタン36shが半押しされたか否かを判別するステップS71と判別結果がNOからYESに更新されたときにビデオライト38を点灯させるステップS73とを図11に示すステップS55またはS57の処理とステップS59の処理との間に追加する必要がある(図12参照)。これによって、ビデオライト38をAF処理の補助光として使用することができ、静止画AF処理の精度が向上する。
【0069】
また、この実施例では、シャッタボタン36shの全押しから指定時間が経過した時点で静止画取り込み処理を実行するタイマ撮像モードが設けられていない。しかし、タイマ撮像モードを準備し、ビデオライト38の点滅によって静止画取り込み処理の実行タイミングを被写体に報知するようにしてもよい。
【0070】
さらに、この実施例では、ストロボ40の発光に起因する赤目の出現を回避するための対策が準備されていない。しかし、ストロボ40を発光させる前にビデオライト40を点滅させることによって赤目の出現を回避するようにしてもよい。
【0071】
また、この実施例では、ビデオライト40が点灯している状態でシャッタボタン36shが全押しされたとき、ビデオライト40を一時的に消灯してストロボ38を発光させるようにしている(図15のステップS59〜S65参照)。しかし、ストロボ38の発光に関わらずビデオライト40の点灯を継続するようにしてもよく、さらにはストロボ38を発光させる時点でのビデオライト40の点灯/消灯をユーザ設定に従って変更するようにしてもよい。
【0072】
ただし、暗い場所でのシャッタボタン36shの全押しに応答してストロボ38およびビデオライト40の両方を発光ないし点灯させるようにすれば、近距離の被写体の明るさはストロボ38の発光によって確保され、中距離の被写体の明るさはビデオライト40の点灯によって確保され、そして遠距離の被写体の明るさは露光時間の延長によって確保される。
【0073】
さらに、この実施例では、数センチメートル〜十数センチメートルの被写体を静止画像として撮影するマクロ撮影モードが設けられていない。しかし、マクロ撮影モードを準備し、このモードが起動されたときにビデオライト40を点灯させるようにしてもよい。
【0074】
なお、この実施例では、マルチタスクOSおよびこれによって実行される複数のタスクに相当する制御プログラムは、フラッシュメモリ32に予め記憶される。しかし、図13に示すように通信I/F42をディジタルカメラ10に設け、一部の制御プログラムを内部制御プログラムとしてフラッシュメモリ32に当初から準備する一方、他の一部の制御プログラムを外部制御プログラムとして外部サーバから取得するようにしてもよい。この場合、上述の動作は、内部制御プログラムおよび外部制御プログラムの協働によって実現される。
【0075】
また、この実施例では、CPU34によって実行される処理を上述の要領で複数のタスクに区分するようにしている。しかし、各々のタスクをさらに複数の小タスクに区分してもよく、さらには区分された複数の小タスクの一部を他のタスクに統合するようにしてもよい。また、各々のタスクを複数の小タスクに区分する場合、その全部または一部を外部サーバから取得するようにしてもよい。
【0076】
また、この実施例では、光学/撮像系12aおよび12bの一方を動画撮像モードに対応付けるとともに、光学/撮像系12aおよび12bの他方を静止画撮像モードに対応付け、一方の光学/撮像系の出力に基づいて動画ファイルを作成し、他方の光学/撮像系の出力に基づいて静止画ファイルを作成するようにしている。しかし、動画撮像モードまたは静止画撮像モードとは別に3次元画像モードを準備し、光学/撮像系12aおよび12bの両方の出力に基づいて3次元画像データを作成し、作成した3次元画像データを3次元画像ファイルに収めるようにしてもよい。このとき、3次元画像ファイルは静止画ファイルおよび動画ファイルのいずれでもよい。
【符号の説明】
【0077】
10 …ディジタルカメラ
12a,12b …光学/撮像系
14a,14b …信号処理回路
34 …CPU
38 …ビデオライト
40 …ストロボ
【技術分野】
【0001】
この発明は、電子カメラに関し、特に複数の光学系をそれぞれ経由した複数の光学像に基づいて電子画像を作成する、電子カメラに関する。
【背景技術】
【0002】
この種のカメラの一例が、特許文献1に開示されている。この背景技術によれば、モード選択スイッチによって3次元撮影モードが選択されると、2つの映像信号処理回路の出力がVTR部へ供給され、3次元映像信号として記録される。一方、モード選択スイッチによって2次元撮影モードが選択されると、一方の映像信号処理回路の出力のみがVTR部へ供給され、2次元映像信号として記録される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−274213号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、背景技術では、被写体に向けて光を照射するライトが設けられることはなく、ライトの駆動態様が撮影モードに応じて切り換えられることもない。このため、背景技術では、記録される映像信号の品質に限界がある。
【0005】
それゆえに、この発明の主たる目的は、電子画像の品質を高めることができる、電子カメラを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に従う電子カメラ(10:実施例で相当する参照符号。以下同じ)は、互いに異なる態様で発光する複数の発光手段(38, 40)、複数の発光手段にそれぞれ対応する複数の光学系(121a~122a, 121b~122b)、互いに異なる態様でシーンを捉える複数の撮像モードの中から所望の撮像モードを選択する選択手段(S17, S31)、複数の発光手段のうち選択手段によって選択された撮像モードに対応する発光手段を駆動する駆動手段(S55, S65)、および複数の光学系のうち駆動手段によって駆動された発光手段に対応する光学系を経由した光学像に基づいて電子画像を作成する作成手段(S35~S41)を備える。
【0007】
好ましくは、複数の発光手段と複数の光学系との間の対応関係をユーザ操作に応じて変更する変更手段(S9)、およびシーンの明るさが基準以下のとき変更手段の変更処理を制限する制限手段(S3)がさらに備えられる。
【0008】
好ましくは、複数の光学系はシーンを重複して捉えるようにカメラ筐体(CB1)の互いに異なる複数の位置に設けられる。
【0009】
好ましくは、複数の撮像モードは、シーンを継続的に捉える動画撮像モード、およびシーンを瞬間的に捉える静止画撮像モードを含み、複数の発光手段は、継続的に光を発生する第1発生手段(38)、および瞬間的に光を発生する第2発生手段(40)を含み、駆動手段は、動画撮像モードに対応して第1発生手段を駆動する第1駆動手段(S51~S53)、および静止画撮像モードに対応して第2発生手段を駆動する第2駆動手段(S59~S61)を含む。
【0010】
さらに好ましくは、選択手段は動画撮像モードの選択/非選択に関わらず静止画撮像モードの選択を受け付け、作成手段は静止画撮像モードの下で捉えられたシーンを表す静止画像を静止画撮像モードと並列する動画撮像モードの下で捉えられたシーンを表す動画像に割り当てる割り当て手段(S41)を含む。
【0011】
より好ましくは、静止画像モードの下でシーンが捉えられるタイミングで第1発光手段を停止する停止手段(S63)がさらに備えられる。
【0012】
好ましくは、静止画撮像モードの選択に対応して第1発生手段を駆動する第3駆動手段(S71~S73)がさらに備えられる。
【0013】
この発明に従う撮像制御プログラムは、互いに異なる態様で発光する複数の発光手段(38, 40)、および複数の発光手段にそれぞれ対応する複数の光学系(121a~122a, 121b~122b)を備える電子カメラ(10)のプロセッサ(34)に、互いに異なる態様でシーンを捉える複数の撮像モードの中から所望の撮像モードを選択する選択ステップ(S17, S31)、複数の発光手段のうち選択ステップによって選択された撮像モードに対応する発光手段を駆動する駆動ステップ(S55, S65)、および複数の光学系のうち駆動ステップによって駆動された発光手段に対応する光学系を経由した光学像に基づいて電子画像を作成する作成ステップ(S35~S41)を実行させるための、撮像制御プログラムである。
【0014】
この発明に従う撮像制御方法は、互いに異なる態様で発光する複数の発光手段(38, 40)、および複数の発光手段にそれぞれ対応する複数の光学系(121a~122a, 121b~122b)を備える電子カメラ(10)によって実行される撮像制御方法であって、互いに異なる態様でシーンを捉える複数の撮像モードの中から所望の撮像モードを選択する選択ステップ(S17, S31)、複数の発光手段のうち選択ステップによって選択された撮像モードに対応する発光手段を駆動する駆動ステップ(S55, S65)、および複数の光学系のうち駆動ステップによって駆動された発光手段に対応する光学系を経由した光学像に基づいて電子画像を作成する作成ステップ(S35~S41)を備える。
【0015】
この発明に従う外部制御プログラムは、互いに異なる態様で発光する複数の発光手段(38, 40)、複数の発光手段にそれぞれ対応する複数の光学系(121a~122a, 121b~122b)、およびメモリ(32)に保存された内部制御プログラムに従う処理を実行するプロセッサ(34)を備える電子カメラ(10)に供給される外部制御プログラムであって、互いに異なる態様でシーンを捉える複数の撮像モードの中から所望の撮像モードを選択する選択ステップ(S17, S31)、複数の発光手段のうち選択ステップによって選択された撮像モードに対応する発光手段を駆動する駆動ステップ(S55, S65)、および複数の光学系のうち駆動ステップによって駆動された発光手段に対応する光学系を経由した光学像に基づいて電子画像を作成する作成ステップ(S35~S41)を内部制御プログラムと協働してプロセッサに実行させるための、外部制御プログラムである。
【0016】
この発明に従う電子カメラ(10)は、互いに異なる態様で発光する複数の発光手段(38, 40)、複数の発光手段にそれぞれ対応する複数の光学系(121a~122a, 121b~122b)、外部制御プログラムを取り込む取り込み手段(42)、および取り込み手段によって取り込まれた外部制御プログラムとメモリ(32)に保存された内部制御プログラムとに従う処理を実行するプロセッサ(34)を備える電子カメラであって、外部制御プログラムは、互いに異なる態様でシーンを捉える複数の撮像モードの中から所望の撮像モードを選択する選択ステップ(S17, S31)、複数の発光手段のうち選択ステップによって選択された撮像モードに対応する発光手段を駆動する駆動ステップ(S55, S65)、および複数の光学系のうち駆動ステップによって駆動された発光手段に対応する光学系を経由した光学像に基づいて電子画像を作成する作成ステップ(S35~S41)を内部制御プログラムと協働して実行するプログラムに相当する。
【発明の効果】
【0017】
この発明によれば、互いに異なる態様でシーンを捉える複数の撮像モードと互いに異なる態様で発光する複数の発光手段とが準備され、選択された撮像モードに対応する発光手段が駆動される。電子画像は、駆動された発光手段に対応する光学系を経由した光学像に基づいて作成される。これによって、電子画像の品質が向上する。
【0018】
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】この発明の一実施例の基本的構成を示すブロック図である。
【図2】この発明の一実施例の構成を示すブロック図である。
【図3】図2実施例の外観を示す斜視図である。
【図4】図2実施例によって捉えられるシーンの一例を示す図解図である。
【図5】図2実施例に適用される光学/撮像系の構成の一例を示す図解図である。
【図6】撮像面における評価エリアEVAの割り当て状態の一例を示す図解図である。
【図7】図2実施例に適用されるCPUの動作の一部を示すフロー図である。
【図8】図2実施例に適用されるCPUの動作の他の一部を示すフロー図である。
【図9】図2実施例に適用されるCPUの動作のその他の一部を示すフロー図である。
【図10】図2実施例に適用されるCPUの動作のさらにその他の一部を示すフロー図である。
【図11】図2実施例に適用されるCPUの動作の他の一部を示すフロー図である。
【図12】この発明の他の実施例に適用されるCPUの動作の一部を示すフロー図である。
【図13】この発明の他の実施例の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、この発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
[基本的構成]
【0021】
図1を参照して、この実施例の電子カメラは、基本的に次のように構成される。複数の発光手段1,1,…は、互いに異なる態様で発光する。複数の光学系2,2,…は、複数の発光手段1,1,…にそれぞれ対応する。選択手段3は、互いに異なる態様でシーンを捉える複数の撮像モードの中から所望の撮像モードを選択する。駆動手段4は、複数の発光手段1,1,…のうち選択手段3によって選択された撮像モードに対応する発光手段1を駆動する。作成手段5は、複数の光学系2,2,…のうち駆動手段4によって駆動された発光手段1に対応する光学系2を経由した光学像に基づいて電子画像を作成する。
【0022】
互いに異なる態様でシーンを捉える複数の撮像モードと互いに異なる態様で発光する複数の発光手段1,1,…とが準備され、選択された撮像モードに対応する発光手段1が駆動される。電子画像は、駆動された発光手段1に対応する光学系2を経由した光学像に基づいて作成される。これによって、電子画像の品質が向上する。
[実施例]
【0023】
図2を参照して、この実施例のディジタルカメラ10は、共通のシーンを捉える光学/撮像系12aおよび12bを含む。電源が投入されると、CPU34は、撮像タスクの下で光学/撮像系12aおよび12bを起動する。光学/撮像系12aおよび12bのいずれも、SG(Signal Generator)18から周期的に出力される垂直同期信号Vsyncに応答して、シーンを表す生画像データを繰り返し出力する。
【0024】
図3に示すように、光学/撮像系12aはカメラ筐体CB1の前面の中央やや上部に固定的に設けられ、光学撮像系12bはカメラ筐体CB1の前面の右側やや上部に固定的に設けられる。また、後述するビデオライト38は光学/撮像系12aの近傍に設けられ、後述するストロボ40は光学/撮像系12bの近傍に設けられる。つまり、ビデオライト38は光学/撮像系12aに割り当てられ、ストロボ40は光学/撮像系12bに割り当てられる。
【0025】
ここで、光学/撮像系12aおよび12bはそれぞれ光軸AX1およびAX2を有し、カメラ筐体CB1の底面から光軸AX1までの距離(=H1)はカメラ筐体CB1の底面から光軸AX2までの距離(=H2)と一致する。また、水平方向における光軸AX1およびAX2の間隔(=W1)は、人間の両目の間隔を考慮して6cm程度に設定される。
【0026】
したがって、カメラ筐体CB1の前方に図4に示すシーンが広がっているとき、光学/撮像系12aは視野VF_Rに属するシーンを捉える一方、光学/撮像系12bは視野VF_Lに属するシーンを捉える。光学/撮像系12aおよび12bはカメラ筐体CB1において互いに同じ高さに設けられるため、視野VF_RおよびVF_Lの水平位置は僅かにずれるものの、視野VF_RおよびVF_Lの垂直位置は互いに一致する。
【0027】
図2に戻って、光学/撮像系12aから出力された生画像データは信号処理回路14aに与えられ、光学/撮像系12bから出力された生画像データは信号処理回路14bに与えられる。信号処理回路14aおよび14bの各々は、与えられた生画像データに色分離,白バランス調整,YUV変換などの処理を施し、YUV形式の画像データをメモリ制御回路20を通してSDRAM22に書き込む。
【0028】
光学/撮像系12aおよび12bの一方は動画撮像モードに対応し、光学/撮像系12aおよび12bの他方は静止画撮像モードに対応する。以下では、動画撮像モードに対応する光学/撮像系を“光学/撮像系MV”と定義し、静止画撮像モードに対応する光学/撮像系を“光学/撮像系STL”と定義する。
【0029】
電源が投入された当初、CPU34は、撮像タスクと並列する設定制御タスクの下で、光学/撮像系12aおよび12bの役割を初期化する。光学/撮像系12aは“光学/撮像系MV”として設定され、光学/撮像系12bは“光学/撮像系STL”として設定される。初期化が完了すると、光学/撮像系12aおよび12bによって捉えられるシーンの照度が後述する輝度評価値に基づいて算出され、算出された照度の大きさおよび/またはビデオライト38の状態に応じて異なる要領で光学/撮像系12aおよび12bの役割が設定される。
【0030】
ビデオライト38には点灯/消灯を制御するための基準値REF1が割り当てられ、ストロボ40には発光/非発光を制御するための基準値REF2が割り当てられる。ここで、基準値REF2は基準値REF1よりも大きい。
【0031】
照度が基準値REF2以下であれば、ビデオライト38および/またはストロボ40が必要であるとして、光学/撮像系12aが“光学/撮像系MV”として設定され、光学/撮像系12bが“光学/撮像系STL”として設定される。また、現時点でビデオライト38が点灯中である場合も、光学/撮像系12aが“光学/撮像系MV”として設定され、光学/撮像系12bが“光学/撮像系STL”として設定される。
【0032】
これに対して、照度が基準値REF2を上回り、かつビデオライト38が消灯中であれば、ビデオライト38およびストロボ40のいずれも必要ではないとして、撮像設定スイッチ36swの操作に応答して光学/撮像系12aおよび12bの役割が切り換えられる。
【0033】
具体的には、撮像設定スイッチ36swが“ST1”に設定されていれば、光学/撮像系12aが“光学/撮像系MV”として設定され、光学/撮像系12bが“光学/撮像系STL”として設定される。一方、撮像設定スイッチ36swが“ST2”に設定されていれば、光学/撮像系12aが“光学/撮像系STL”として設定され、光学/撮像系12bが“光学/撮像系MV”として設定される。
【0034】
SDRAM22において、光学/撮像系MVで捉えられたシーンを表す画像データは動画エリア22mvに格納される一方、光学/撮像系STLで捉えられたシーンを表す画像データは静止画エリア22stlに格納される。LCDドライバ24は、動画エリア22mvに格納された画像データをメモリ制御回路20を通して繰り返し読み出し、読み出された画像データに基づいてLCDモニタ26を駆動する。この結果、光学/撮像系MVで捉えられたシーンを表すリアルタイム動画像(スルー画像)がモニタ画面に表示される。
【0035】
図5を参照して、光学/撮像系12aは、ドライバ124a,125aおよび126aによってそれぞれ駆動されるフォーカスレンズ121a,絞り機構122aおよび撮像装置123aを有する。シーンを表す光学像は、フォーカスレンズ121aおよび絞り機構122aを経由して撮像装置123aの撮像面に照射される。ドライバ126aは、SG18から与えられた垂直同期信号Vsyncに応答して撮像面を露光し、これによって生成された電荷をラスタ走査態様で読み出す。撮像装置123aからは、読み出された電荷に基づく生画像データが出力される。
【0036】
なお、光学/撮像系12bは、光学撮像系12aと同様であるため、各部材の参照番号に付された記号“a”を“b”に代えることで、重複した説明を省略する。
【0037】
撮像装置123aおよび123bの各々の撮像面には、評価エリアEVAが図6に示す要領で割り当てられる。図2に示すAE/AF評価回路16aは、光学/撮像系12aで捉えられたシーンの明るさおよび鮮鋭度をそれぞれ示す輝度評価値およびフォーカス評価値を、信号処理回路14aによって生成されたYUV形式の画像データのうち評価エリアEVAに属する一部の画像データに基づいて繰り返し作成する。
【0038】
同様に、AE/AF評価回路16bは、光学/撮像系12bで捉えられたシーンの明るさおよび鮮鋭度をそれぞれ示す輝度評価値およびフォーカス評価値を、信号処理回路14bによって生成されたYUV形式の画像データのうち評価エリアEVAに属する一部の画像データに基づいて繰り返し作成する。
【0039】
CPU34は、AE/AF評価回路16aおよび16bの各々から出力された輝度評価値に基づく動画用AE処理を撮像タスクの下で実行し、適正EV値を算出する。算出された適正EV値を定義する絞り量はドライバ125aおよび125bに設定され、算出された適正EV値を定義する露光時間はドライバ126aおよび126bに設定される。この結果、信号処理回路14aおよび14bの各々から出力される画像データの輝度が適正に調整される。
【0040】
CPU34はまた、AE/AF評価回路16aおよび16bの各々から出力されたフォーカス評価値に基づく動画用AF処理を撮像タスクの下で実行する。ドライバ124aおよび124bは、CPU34の制御の下でフォーカスレンズ121aおよび121bを合焦点が存在する方向に移動させる。この結果、信号処理回路14aおよび14bの各々から出力される画像データの鮮鋭度が適正に調整される。
【0041】
キー入力装置36に設けられたムービボタン36mvが操作されると、CPU34は、動画撮像モードが選択されたとみなし、動画記録処理の実行を撮像タスクの下でメモリI/F28に命令する。メモリI/F28は、新規の動画ファイルを記録媒体30に作成し(作成した動画ファイルはオープンされる)、SDRAM22の動画エリア22mvに格納された画像データをメモリ制御回路20を通して繰り返し読み出し、読み出された画像データをオープン状態の動画ファイルに収める。
【0042】
ムービボタン36mvが再度操作されると、CPU34は、動画撮像モードの選択が解除されたとみなし、動画記録処理の停止を撮像タスクの下でメモリI/F28に命令する。メモリI/F28は、動画エリア22mvからの画像データの読み出しを終了し、オープン状態の動画ファイルをクローズする。これによって、所望のシーンを継続的に表す動画像がファイル形式で記録媒体30に記録される。
【0043】
キー入力装置36に設けられたシャッタボタン36shの操作は、このような動画記録処理の実行/中断に関わらず撮像タスクの下で受け付けられる。CPU34は、シャッタボタン36shが半押しされたとき、光学/撮像系STLに対応するAE/AF評価回路から出力された輝度評価値およびフォーカス評価値に基づく静止画用AE処理および静止画用AF処理を撮像タスクの下で実行する。
【0044】
静止画用AE処理の結果、最適EV値を定義する絞り量および露光時間が算出される。算出された絞り量は光学/撮像系STLに設けられた絞り調整用のドライバ(125aまたは125b)に設定され、算出された露光時間は光学/撮像系STLに設けられた画像出力用のドライバ(126aまたは126b)に設定される。これによって、光学/撮像系STLの出力に基づく画像データの輝度が最適値に調整される。
【0045】
また、静止画用AF処理の結果、光学/撮像系STLに設けられたフォーカスレンズ(121aまたは121b)の配置が合焦点の近傍で微調整される。これによって、光学/撮像系STLの出力に基づく画像データの鮮鋭度が最適値に調整される。
【0046】
なお、静止画用AE処理および静止画用AF処理が実行される前に動画用AE処理および動画用AF処理が繰り返し実行されるため、静止画用AE処理および静止画用AF処理は短時間で完了する。
【0047】
シャッタボタン36shが全押しされると、CPU34は、静止画撮像モードが選択されたとみなし、撮像タスクの下で静止画取り込み処理を実行する。この結果、静止画エリア22stlに格納された最新の1フレームの画像データが退避エリア22svに退避される。CPU34は続いて、静止画記録処理の実行を撮像タスクの下でメモリI/F28に命令する。
【0048】
メモリI/F28は、新規の静止画ファイルを記録媒体30に作成し(作成した静止画ファイルはオープンされる)、退避エリア22svに退避された画像データをメモリ制御回路20を通して繰り返し読み出し、読み出された画像データをオープン状態の静止画ファイルに収める。画像データの格納が完了すると、メモリI/F28はオープン状態の静止画ファイルをクローズする。これによって、所望のシーンを瞬間的に表す静止画像がファイル形式で記録媒体30に記録される。
【0049】
動画記録処理の途中で静止画記録処理が実行されたとき、CPU34は、動画記録処理によって作成された動画ファイルと静止画記録処理によって作成された静止画ファイルとの間でリンクを形成する。具体的には、CPU34は、動画ファイルのファイル名が静止画ファイルのヘッダに記述し、静止画ファイルのファイル名が動画ファイルのファイル名に記述する。これによって、共通のシーンを表す動画像および静止画像を並列状態ないし合成状態して再生するなど、再生画像の表現の多様性が向上する。
【0050】
CPU34はまた、設定制御タスクおよび撮像タスクと並列する発光制御タスクの下で、動画記録処理の実行中におけるビデオライト38の点灯/消灯と、シャッタボタン36shの全押し時点でのストロボ40の発光/非発光を制御する。制御にあたっては、AE/AF評価回路16aおよび16bからの輝度評価値に基づいて算出された照度が参照される。
【0051】
ビデオライト38は、照度が基準値REF1以下であるとき点灯される一方、照度が基準値REF1を上回るとき消灯される。また、ストロボ40は、照度が基準値REF2以下のとき発光される一方、照度が基準値REF2を上回るとき非発光とされる。なお、ストロボ40を発光させるときにビデオライト38が点灯していれば、ビデオライト38は、ストロボ40が発光されるタイミングで一時的に消灯される。これによって、動画ファイルおよび静止画ファイルの各々に収められた画像データの品質が向上する。
【0052】
CPU34は、図7に示す設定制御タスク,図8〜図10に示す撮像タスク,および図11に示す発光制御タスクを、マルチタスクOSの制御の下で並列的に実行する。
【0053】
図7を参照して、ステップS1では光学/撮像系12aおよび12bの役割を初期化する。光学/撮像系12aは“光学/撮像系MV”として設定され、光学/撮像系12bは“光学/撮像系STL”として設定される。ステップS3では、光学/撮像系12aおよび12bによって捉えられるシーンの照度が基準値REF1以下であるか否かを、AE/AF評価回路16aおよび16bから出力された輝度評価値に基づいて判別する。また、ステップS8では、ビデオライト40が点灯中であるか否かを判別する。
【0054】
ステップS3の判別結果およびステップS8の判別結果のいずれか一方がYESであればステップS5〜S7の処理を経てステップS3に戻り、ステップS3の判別結果及びステップS8の判別結果のいずれもがNOであればステップS9の処理を経てステップS3に戻る。ステップS5では光学/撮像系12aを“光学/撮像系MV”として設定し、ステップS7では光学/撮像系12bを“光学/撮像系STL”として設定する。ステップS9では、撮像設定スイッチ36swの状態に従って光学/撮像系12aおよび12bの役割を設定する。
【0055】
ステップS9の処理の結果、撮像設定スイッチ36swが“ST1”に設定されていれば、光学/撮像系12aが“光学/撮像系MV”として設定され、光学/撮像系12bが“光学/撮像系STL”として設定される。撮像設定スイッチ36swが“ST2”に設定されていれば、光学/撮像系12aが“光学/撮像系STL”として設定され、光学/撮像系12bが“光学/撮像系MV”として設定される。
【0056】
図8を参照して、ステップS11では光学/撮像系MVおよびSTLを起動する。この結果、光学/撮像系MVで捉えられたシーンを表す画像データがSDRAM22の動画エリア22mvに書き込まれ、光学/撮像系STLで捉えられたシーンを表す画像データがSDRAM22の静止画エリア22stlに書き込まれ、そして動画エリア22mvに格納された画像データに基づくスルー画像がLCDモニタ26に表示される。
【0057】
ステップS13では動画用AE処理を実行し、ステップS15では動画用AF処理を実行する。ステップS13の処理の結果、信号処理回路14aおよび14bの各々から出力される画像データの輝度が適正に調整される。また、ステップS15の処理の結果、信号処理回路14aおよび14bの各々から出力される画像データの鮮鋭度が適正に調整される。
【0058】
ステップS17ではムービボタン36mvが操作されたか否かを判別し、判別結果がYESであればステップS19に進む。ステップS19では動画処理が実行中であるか否かを判別し、判別結果がYESであれば動画撮像モードが選択されたものとみなしてステップS21で動画記録処理を開始する一方、判別結果がNOであれば動画撮像モードの選択が解除されたものとみなしてステップS23で動画記録処理を中止する。ステップS21またはS23の処理が完了すると、ステップS13に戻る。
【0059】
ステップS21およびS23の処理の結果、ムービボタン36mvの1回目の操作から2回目の操作までの期間に動画エリアMVに取り込まれた画像データが動画ファイル形式で記録媒体30に記録される。
【0060】
ステップS17の判別結果がNOであれば、シャッタボタン36shが半押しされたか否かをステップS25で判別する。判別結果がNOであればステップS13に戻り、判別結果がYESであればステップS27に進む。ステップS27では静止画用AE処理を実行し、ステップS29では静止画用AF処理を実行する。この結果、光学/撮像系STLの出力に基づく画像データの輝度および鮮鋭度が最適値に調整される。
【0061】
ステップS31ではシャッタボタン36shが全押しされたか否かを判別し、ステップS33ではシャッタボタン36shの操作が解除されたか否かを判別する。ステップS33の判別結果がYESであれば、ステップS13に戻る。ステップS31の判別結果がYESであれば、静止画撮像モードが選択されたものとみなしてステップS35に進む。
【0062】
ステップS35では静止画取り込み処理を実行し、ステップS37では静止画記録処理を実行する。ステップS35の処理の結果、静止画エリア22stlに格納された最新の1フレームの画像データが退避エリア22svに退避される。また、ステップS37の処理の結果、退避された画像データを収めた静止画ファイルが記録媒体30に記録される。
【0063】
ステップS39では動画記録処理が実行中であるか否かを判別し、判別結果がNOであればそのままステップS13に戻る一方、判別結果がYESであればステップS41の処理を経てステップS13に戻る。ステップS41では、動画記録処理によって作成された動画ファイルと静止画記録処理によって作成された静止画ファイルとの間でリンクを形成するべく、動画ファイルのファイル名が静止画ファイルのヘッダに記述し、静止画ファイルのファイル名が動画ファイルのファイル名に記述する。
【0064】
図11を参照して、ステップS51では動画記録処理が実行中であるか否かを判別し、ステップS53では照度が基準値REF1以下であるか否かをAE/AF評価回路16aおよび16bから出力された輝度評価値に基づいて判別する。ステップS51の判別結果およびステップS53の判別結果のいずれもがYESであれば、ステップS55でビデオライト38を点灯する。これに対して、ステップS51の判別結果またはステップS53の判別結果がNOであれば、ステップS57でビデオライト38を消灯する。
【0065】
ステップS55またはS57の処理が完了すると、シャッタボタン36shが全押しされたか否かをステップS59で判別し、照度が基準値REF2以下であるか否かをステップS61で判別する。いずれか一方の判別結果がNOであればそのままステップS51に戻る一方、両方の判別結果がYESであればステップS63でビデオライト38を消灯し、ステップS65でストロボ40を発光させてからステップS51に戻る。
【0066】
以上の説明から分かるように、光学/撮像系12aおよび12bは、互いに異なる態様で発光するビデオライト38およびストロボ40にそれぞれ対応する。CPU34は、動画撮像モードおよび静止画撮像モードのうち所望の撮像モードを選択し(S17, S31)、ビデオライト38およびストロボ40のうち選択された撮像モードに対応する発光装置を駆動し(S55, S65)、そして駆動された発光装置に対応する光学/撮像系で捉えられたシーンを表す画像データを記録する(S35~S37)。
【0067】
このように、互いに異なる態様でシーンを捉える複数の撮像モード(動画撮像モードよよび静止画撮像モード)と互いに異なる態様で発光する複数の発光装置(ビデオライト38およびストロボ40)とが準備され、選択された撮像モードに対応する発光装置が駆動される。記録すべき画像データは、駆動された発光装置に対応する光学/撮像系で捉えられたシーンを表す。これによって、幅広い撮像条件に対応でき、ひいては記録画像の品質を高めることができる。
【0068】
なお、この実施例では、照度が基準値REF1以下の場合にビデオライト38を点灯する一方、照度が基準値REF1を上回る場合にビデオライト38を消灯するようにしている(図11のステップS53〜S57参照)。しかし、シャッタボタン36shの半押しに応答した静止画AF処理の実行タイミングで、照度に関係なくビデオライト38を一時的に点灯させるようにしてもよい。この場合、シャッタボタン36shが半押しされたか否かを判別するステップS71と判別結果がNOからYESに更新されたときにビデオライト38を点灯させるステップS73とを図11に示すステップS55またはS57の処理とステップS59の処理との間に追加する必要がある(図12参照)。これによって、ビデオライト38をAF処理の補助光として使用することができ、静止画AF処理の精度が向上する。
【0069】
また、この実施例では、シャッタボタン36shの全押しから指定時間が経過した時点で静止画取り込み処理を実行するタイマ撮像モードが設けられていない。しかし、タイマ撮像モードを準備し、ビデオライト38の点滅によって静止画取り込み処理の実行タイミングを被写体に報知するようにしてもよい。
【0070】
さらに、この実施例では、ストロボ40の発光に起因する赤目の出現を回避するための対策が準備されていない。しかし、ストロボ40を発光させる前にビデオライト40を点滅させることによって赤目の出現を回避するようにしてもよい。
【0071】
また、この実施例では、ビデオライト40が点灯している状態でシャッタボタン36shが全押しされたとき、ビデオライト40を一時的に消灯してストロボ38を発光させるようにしている(図15のステップS59〜S65参照)。しかし、ストロボ38の発光に関わらずビデオライト40の点灯を継続するようにしてもよく、さらにはストロボ38を発光させる時点でのビデオライト40の点灯/消灯をユーザ設定に従って変更するようにしてもよい。
【0072】
ただし、暗い場所でのシャッタボタン36shの全押しに応答してストロボ38およびビデオライト40の両方を発光ないし点灯させるようにすれば、近距離の被写体の明るさはストロボ38の発光によって確保され、中距離の被写体の明るさはビデオライト40の点灯によって確保され、そして遠距離の被写体の明るさは露光時間の延長によって確保される。
【0073】
さらに、この実施例では、数センチメートル〜十数センチメートルの被写体を静止画像として撮影するマクロ撮影モードが設けられていない。しかし、マクロ撮影モードを準備し、このモードが起動されたときにビデオライト40を点灯させるようにしてもよい。
【0074】
なお、この実施例では、マルチタスクOSおよびこれによって実行される複数のタスクに相当する制御プログラムは、フラッシュメモリ32に予め記憶される。しかし、図13に示すように通信I/F42をディジタルカメラ10に設け、一部の制御プログラムを内部制御プログラムとしてフラッシュメモリ32に当初から準備する一方、他の一部の制御プログラムを外部制御プログラムとして外部サーバから取得するようにしてもよい。この場合、上述の動作は、内部制御プログラムおよび外部制御プログラムの協働によって実現される。
【0075】
また、この実施例では、CPU34によって実行される処理を上述の要領で複数のタスクに区分するようにしている。しかし、各々のタスクをさらに複数の小タスクに区分してもよく、さらには区分された複数の小タスクの一部を他のタスクに統合するようにしてもよい。また、各々のタスクを複数の小タスクに区分する場合、その全部または一部を外部サーバから取得するようにしてもよい。
【0076】
また、この実施例では、光学/撮像系12aおよび12bの一方を動画撮像モードに対応付けるとともに、光学/撮像系12aおよび12bの他方を静止画撮像モードに対応付け、一方の光学/撮像系の出力に基づいて動画ファイルを作成し、他方の光学/撮像系の出力に基づいて静止画ファイルを作成するようにしている。しかし、動画撮像モードまたは静止画撮像モードとは別に3次元画像モードを準備し、光学/撮像系12aおよび12bの両方の出力に基づいて3次元画像データを作成し、作成した3次元画像データを3次元画像ファイルに収めるようにしてもよい。このとき、3次元画像ファイルは静止画ファイルおよび動画ファイルのいずれでもよい。
【符号の説明】
【0077】
10 …ディジタルカメラ
12a,12b …光学/撮像系
14a,14b …信号処理回路
34 …CPU
38 …ビデオライト
40 …ストロボ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに異なる態様で発光する複数の発光手段、
前記複数の発光手段にそれぞれ対応する複数の光学系、
互いに異なる態様でシーンを捉える複数の撮像モードの中から所望の撮像モードを選択する選択手段、
前記複数の発光手段のうち前記選択手段によって選択された撮像モードに対応する発光手段を駆動する駆動手段、および
前記複数の光学系のうち前記駆動手段によって駆動された発光手段に対応する光学系を経由した光学像に基づいて電子画像を作成する作成手段を備える、電子カメラ。
【請求項2】
前記複数の発光手段と前記複数の光学系との間の対応関係をユーザ操作に応じて変更する変更手段、および
前記シーンの明るさが基準以下のとき前記変更手段の変更処理を制限する制限手段をさらに備える、請求項1記載の電子カメラ。
【請求項3】
前記複数の光学系は前記シーンを重複して捉えるようにカメラ筐体の互いに異なる複数の位置に設けられる、請求項1または2記載の電子カメラ。
【請求項4】
前記複数の撮像モードは、前記シーンを継続的に捉える動画撮像モード、および前記シーンを瞬間的に捉える静止画撮像モードを含み、
前記複数の発光手段は、継続的に光を発生する第1発生手段、および瞬間的に光を発生する第2発生手段を含み、
前記駆動手段は、前記動画撮像モードに対応して前記第1発生手段を駆動する第1駆動手段、および前記静止画撮像モードに対応して前記第2発生手段を駆動する第2駆動手段を含む、請求項1ないし3のいずれかに記載の電子カメラ。
【請求項5】
前記選択手段は前記動画撮像モードの選択/非選択に関わらず前記静止画撮像モードの選択を受け付け、
前記作成手段は前記静止画撮像モードの下で捉えられたシーンを表す静止画像を前記静止画撮像モードと並列する前記動画撮像モードの下で捉えられたシーンを表す動画像に割り当てる割り当て手段を含む、請求項4記載の電子カメラ。
【請求項6】
前記静止画像モードの下で前記シーンが捉えられるタイミングで前記第1発光手段を停止する停止手段をさらに備える、請求項5記載の電子カメラ。
【請求項7】
前記静止画撮像モードの選択に対応して前記第1発生手段を駆動する第3駆動手段をさらに備える、請求項4ないし6のいずれかに記載の電子カメラ。
【請求項8】
互いに異なる態様で発光する複数の発光手段、および前記複数の発光手段にそれぞれ対応する複数の光学系を備える電子カメラのプロセッサに、
互いに異なる態様でシーンを捉える複数の撮像モードの中から所望の撮像モードを選択する選択ステップ、
前記複数の発光手段のうち前記選択ステップによって選択された撮像モードに対応する発光手段を駆動する駆動ステップ、および
前記複数の光学系のうち前記駆動ステップによって駆動された発光手段に対応する光学系を経由した光学像に基づいて電子画像を作成する作成ステップを実行させるための、撮像制御プログラム。
【請求項9】
互いに異なる態様で発光する複数の発光手段、および前記複数の発光手段にそれぞれ対応する複数の光学系を備える電子カメラによって実行される撮像制御方法であって、
互いに異なる態様でシーンを捉える複数の撮像モードの中から所望の撮像モードを選択する選択ステップ、
前記複数の発光手段のうち前記選択ステップによって選択された撮像モードに対応する発光手段を駆動する駆動ステップ、および
前記複数の光学系のうち前記駆動ステップによって駆動された発光手段に対応する光学系を経由した光学像に基づいて電子画像を作成する作成ステップを備える、撮像制御方法。
【請求項10】
互いに異なる態様で発光する複数の発光手段、
前記複数の発光手段にそれぞれ対応する複数の光学系、および
メモリに保存された内部制御プログラムに従う処理を実行するプロセッサを備える電子カメラに供給される外部制御プログラムであって、
互いに異なる態様でシーンを捉える複数の撮像モードの中から所望の撮像モードを選択する選択ステップ、
前記複数の発光手段のうち前記選択ステップによって選択された撮像モードに対応する発光手段を駆動する駆動ステップ、および
前記複数の光学系のうち前記駆動ステップによって駆動された発光手段に対応する光学系を経由した光学像に基づいて電子画像を作成する作成ステップを前記内部制御プログラムと協働して前記プロセッサに実行させるための、外部制御プログラム。
【請求項11】
互いに異なる態様で発光する複数の発光手段、
前記複数の発光手段にそれぞれ対応する複数の光学系、
外部制御プログラムを取り込む取り込み手段、および
前記取り込み手段によって取り込まれた外部制御プログラムとメモリに保存された内部制御プログラムとに従う処理を実行するプロセッサを備える電子カメラであって、
前記外部制御プログラムは、
互いに異なる態様でシーンを捉える複数の撮像モードの中から所望の撮像モードを選択する選択ステップ、
前記複数の発光手段のうち前記選択ステップによって選択された撮像モードに対応する発光手段を駆動する駆動ステップ、および
前記複数の光学系のうち前記駆動ステップによって駆動された発光手段に対応する光学系を経由した光学像に基づいて電子画像を作成する作成ステップを前記内部制御プログラムと協働して実行するプログラムに相当する、電子カメラ。
【請求項1】
互いに異なる態様で発光する複数の発光手段、
前記複数の発光手段にそれぞれ対応する複数の光学系、
互いに異なる態様でシーンを捉える複数の撮像モードの中から所望の撮像モードを選択する選択手段、
前記複数の発光手段のうち前記選択手段によって選択された撮像モードに対応する発光手段を駆動する駆動手段、および
前記複数の光学系のうち前記駆動手段によって駆動された発光手段に対応する光学系を経由した光学像に基づいて電子画像を作成する作成手段を備える、電子カメラ。
【請求項2】
前記複数の発光手段と前記複数の光学系との間の対応関係をユーザ操作に応じて変更する変更手段、および
前記シーンの明るさが基準以下のとき前記変更手段の変更処理を制限する制限手段をさらに備える、請求項1記載の電子カメラ。
【請求項3】
前記複数の光学系は前記シーンを重複して捉えるようにカメラ筐体の互いに異なる複数の位置に設けられる、請求項1または2記載の電子カメラ。
【請求項4】
前記複数の撮像モードは、前記シーンを継続的に捉える動画撮像モード、および前記シーンを瞬間的に捉える静止画撮像モードを含み、
前記複数の発光手段は、継続的に光を発生する第1発生手段、および瞬間的に光を発生する第2発生手段を含み、
前記駆動手段は、前記動画撮像モードに対応して前記第1発生手段を駆動する第1駆動手段、および前記静止画撮像モードに対応して前記第2発生手段を駆動する第2駆動手段を含む、請求項1ないし3のいずれかに記載の電子カメラ。
【請求項5】
前記選択手段は前記動画撮像モードの選択/非選択に関わらず前記静止画撮像モードの選択を受け付け、
前記作成手段は前記静止画撮像モードの下で捉えられたシーンを表す静止画像を前記静止画撮像モードと並列する前記動画撮像モードの下で捉えられたシーンを表す動画像に割り当てる割り当て手段を含む、請求項4記載の電子カメラ。
【請求項6】
前記静止画像モードの下で前記シーンが捉えられるタイミングで前記第1発光手段を停止する停止手段をさらに備える、請求項5記載の電子カメラ。
【請求項7】
前記静止画撮像モードの選択に対応して前記第1発生手段を駆動する第3駆動手段をさらに備える、請求項4ないし6のいずれかに記載の電子カメラ。
【請求項8】
互いに異なる態様で発光する複数の発光手段、および前記複数の発光手段にそれぞれ対応する複数の光学系を備える電子カメラのプロセッサに、
互いに異なる態様でシーンを捉える複数の撮像モードの中から所望の撮像モードを選択する選択ステップ、
前記複数の発光手段のうち前記選択ステップによって選択された撮像モードに対応する発光手段を駆動する駆動ステップ、および
前記複数の光学系のうち前記駆動ステップによって駆動された発光手段に対応する光学系を経由した光学像に基づいて電子画像を作成する作成ステップを実行させるための、撮像制御プログラム。
【請求項9】
互いに異なる態様で発光する複数の発光手段、および前記複数の発光手段にそれぞれ対応する複数の光学系を備える電子カメラによって実行される撮像制御方法であって、
互いに異なる態様でシーンを捉える複数の撮像モードの中から所望の撮像モードを選択する選択ステップ、
前記複数の発光手段のうち前記選択ステップによって選択された撮像モードに対応する発光手段を駆動する駆動ステップ、および
前記複数の光学系のうち前記駆動ステップによって駆動された発光手段に対応する光学系を経由した光学像に基づいて電子画像を作成する作成ステップを備える、撮像制御方法。
【請求項10】
互いに異なる態様で発光する複数の発光手段、
前記複数の発光手段にそれぞれ対応する複数の光学系、および
メモリに保存された内部制御プログラムに従う処理を実行するプロセッサを備える電子カメラに供給される外部制御プログラムであって、
互いに異なる態様でシーンを捉える複数の撮像モードの中から所望の撮像モードを選択する選択ステップ、
前記複数の発光手段のうち前記選択ステップによって選択された撮像モードに対応する発光手段を駆動する駆動ステップ、および
前記複数の光学系のうち前記駆動ステップによって駆動された発光手段に対応する光学系を経由した光学像に基づいて電子画像を作成する作成ステップを前記内部制御プログラムと協働して前記プロセッサに実行させるための、外部制御プログラム。
【請求項11】
互いに異なる態様で発光する複数の発光手段、
前記複数の発光手段にそれぞれ対応する複数の光学系、
外部制御プログラムを取り込む取り込み手段、および
前記取り込み手段によって取り込まれた外部制御プログラムとメモリに保存された内部制御プログラムとに従う処理を実行するプロセッサを備える電子カメラであって、
前記外部制御プログラムは、
互いに異なる態様でシーンを捉える複数の撮像モードの中から所望の撮像モードを選択する選択ステップ、
前記複数の発光手段のうち前記選択ステップによって選択された撮像モードに対応する発光手段を駆動する駆動ステップ、および
前記複数の光学系のうち前記駆動ステップによって駆動された発光手段に対応する光学系を経由した光学像に基づいて電子画像を作成する作成ステップを前記内部制御プログラムと協働して実行するプログラムに相当する、電子カメラ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−227894(P2012−227894A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−96487(P2011−96487)
【出願日】平成23年4月22日(2011.4.22)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月22日(2011.4.22)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】
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