説明

電子デバイスの性能改善のための電子デバイスコントローラ

【課題】電子デバイスの性能改善のための電子デバイスコントローラを提供する。
【解決手段】本発明の電子デバイスコントローラは、電子デバイスの動作と状態とに関する細部情報に基づいて電子デバイスの性能を計算する計算部と、計算部によって計算された電子デバイスの性能に基づいて、細部情報のうち少なくとも一つをチューニングするチューニング部と、を含みうる。電子デバイスコントローラは、電子デバイスの動作に関連した細部情報及び性能情報をユーザに提供することができ、さらに、細部情報をチューニングして、電子デバイスの性能を改善することができる効果がある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子デバイスを制御するための電子デバイスコントローラに係り、より詳細には、電子デバイスの情報を収集してチューニングして、電子デバイスの性能を改善するための電子デバイスコントローラに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、SOC(System−On−Chip)は、電子デバイスと接続するためにコントローラを備える。SOCに接続される電子デバイスには、例えば、HDD、ROM、Flashメモリのように主にプログラムを保存するのに使われる不揮発性メモリと、SRAM、SDRAMのように汎用で使われる揮発性メモリがある。そして、LCD、LEDのようなディスプレイ装置が、SOCの外部デバイスに接続され、キャッシュメモリのようにSOCの内部に含まれている内部デバイスがあり得る。SOC及び電子デバイスを含むシステムでは、性能の改善のために、SOC自体の電力消費と、これら電子デバイスの電力消費とをいずれも最小化しなければならない。したがって、性能の改善のために、電力消費に関連した情報を測定して、これに基づいて電力消費量を計算して最適化された状態を作ることが重要である。
【0003】
従来、電力消費量を測定するために、電力消費に関連した情報を実測を通じて測定する方法が主に使われた。例えば、電流計などを用いて電流値を測定する方法や性能測定のためにソフトウェアを動作させて実際の遂行時間を測定する方法が使われた。しかし、このような方法は、ユーザが使っている間に、ユーザのパターンによって動的にチューニングすることが不可能であり、ボード(board)状況などその他の諸般の状況によって電流計を利用した電流測定が難しい場合が発生し、また、外部要人によって影響を多く受けて測定誤差も大きいために、精密な調整などで使いにくいという問題点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が果たそうとする技術的課題は、電子デバイスの細部情報をチューニングすることで、前記電子デバイスの性能を改善するための電子デバイスコントローラを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記技術的課題を果たすための電子デバイスコントローラは、電子デバイスの動作と状態とに関する細部情報に基づいて電子デバイスの性能を計算する計算部と、前記計算部によって計算された前記電子デバイスの性能に基づいて、前記細部情報のうち少なくとも一つをチューニングするチューニング部と、を含みうる。
【0006】
また、前記電子デバイスコントローラは、前記細部情報及び前記電子デバイスの性能情報を保存する保存部をさらに含み、前記計算部は、チューニング後の細部情報に基づいて電子デバイスの性能をさらに計算し、前記チューニング部は、チューニング前の細部情報に基づいて計算された前記電子デバイスの性能と前記チューニング後の細部情報に基づいて計算された前記電子デバイスの性能とによって、前記チューニング前の細部情報と前記チューニング後の細部情報とのうち一つを選択するか、前記電子デバイスの性能と既定の基準性能とを比較し、これに基づいて前記細部情報を前記基準性能に相応する細部情報にチューニングすることができる。
【0007】
また、前記細部情報は、前記電子デバイスの動作に関するインターフェース情報及び前記電子デバイスの内部状態に関する状態情報を含み、前記電子デバイスコントローラは、前記チューニング部によって選択された細部情報または前記基準性能に相応する細部情報を前記電子デバイスに出力するか、前記細部情報及び前記電子デバイスの性能情報のうち少なくとも一つをディスプレイ装置に提供する送受信部をさらに含みうる。
【0008】
また、前記計算部は、前記細部情報のそれぞれに相応して既定の性能ファクターを用いて、前記電子デバイスの性能を計算することができる。
【0009】
また、前記計算部は、前記細部情報の種類別の個数と前記細部情報の種類とに相応する前記性能ファクターを乗算した値を用いて、前記電子デバイスの性能を計算することができる。
【0010】
また、前記チューニング部は、前記細部情報のうち少なくとも一つの順序を変更するか、削除あるいは再配列して、前記細部情報をチューニングするチューニングブロックと、前記チューニング前の細部情報に基づいて計算された前記電子デバイスの性能と前記チューニング後の細部情報に基づいて計算された前記電子デバイスの性能とを比較して、さらに良い性能に相応する細部情報を選択するか、前記電子デバイスの性能と前記基準性能とを比較して、さらに良い性能に相応する細部情報を選択する選択ブロックと、を含みうる。
また、前記インターフェース情報は、前記電子デバイスに対する一つ以上の命令を含み、前記チューニング部は、前記一つ以上の命令の順序を変更することで、前記細部情報をチューニングすることができる。
【0011】
また、前記電子デバイスは、メモリ装置であり、前記電子デバイスコントローラは、前記メモリ装置を制御するメモリコントローラであり、前記インターフェース情報は、前記メモリ装置をアクセスするための命令を含みうる。
【0012】
また、前記性能情報は、前記電子デバイスの電力消費量を含み、前記チューニング部は、前記チューニング前の細部情報に基づいて計算された前記電子デバイスの電力消費量と前記チューニング後の細部情報に基づいて計算された前記電子デバイスの電力消費量とを比較して、さらに少ない電力消費量に該当する細部情報を選択するか、前記電子デバイスの電力消費量と既定の基準電力消費量とを比較して、これに基づいて前記細部情報を前記基準電力消費量に相応する細部情報にチューニングすることができる。
【0013】
また、前記電子デバイスは、キャッシュメモリまたはディスプレイ装置を含みうる。
また、前記電子デバイスコントローラは、システムの内部または外部に含まれうる。
【発明の効果】
【0014】
電子デバイスコントローラは、電子デバイスの動作に関連した細部情報及び性能情報をユーザに提供することができ、さらに、細部情報をチューニングして、前記電子デバイスの性能を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1A】本発明の一実施形態による電子デバイスコントローラを含むSOCを示すブロック図である。
【図1B】本発明の一実施形態による電子デバイスコントローラを含むSOCを示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態による図1Aに示された電子デバイスコントローラをさらに詳しく示す図である。
【図3】本発明の一実施形態による図2のチューニング部をさらに詳しく示す図である。
【図4】本発明の一実施形態による電子デバイスコントローラの動作過程を説明するための図である。
【図5】本発明の一実施形態による電子デバイスがメモリ装置である場合、細部情報による消費電力量を示すための図である。
【図6】本発明の一実施形態によるメモリ装置の書き込み命令による電流プロファイルを示すための図である。
【図7】本発明の一実施形態によるメモリ装置の読み出し命令による電流プロファイルを示すための図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明と本発明の動作上の利点及び本発明の実施によって達成される目的を十分に理解するためには、本発明の望ましい実施形態を例示する添付図面及び添付図面に記載の内容を参照しなければならない。以下、添付した図面を参照して、本発明の望ましい実施形態を説明することによって、本発明を詳しく説明する。各図面に付された同じ参照符号は、同じ部材を表わす。
【0017】
図1Aは、本発明の一実施形態による電子デバイスコントローラ10を含むSOC1を示すブロック図である。図1Bは、本発明の他の一実施形態によるオンチップキャッシュ(On−chip Cache)50を制御する電子デバイスコントローラ10’を含むSOC1を示すブロック図である。図1A及び図1Bを参考にすると、前記SOC1は、電子デバイスコントローラ10、DMA(Direct Memory Access)20、内部メモリ30、マイクロプロセッサ40及びオンチップキャッシュ50を含む。
【0018】
前記SOC1は、追加のその他のブロックをさらに含みうるが、図面の簡略化のために省略する。前記電子デバイスコントローラ10、DMA20、内部メモリ30、マイクロプロセッサ40及びオンチップキャッシュ50は、システムバス60に連結されて相互通信する。前記SOC1内に含まれる装置のうち、本発明と関連していない部分の具体的な動作の説明は省略する。
【0019】
図1A及び図1Bの実施形態では、前記電子デバイスコントローラ10は、SOC1の内部に位置したように示されているが、本発明の範囲が、これに限定されるものではない。例えば、前記電子デバイスコントローラ10は、前記SOC1の外部に位置することもできる。
【0020】
前記マイクロプロセッサ40は、前記システムバス60を通じて前記電子デバイスコントローラ10に、前記電子デバイス70の動作と関連したインターフェース情報を提供して、前記電子デバイスコントローラ10が、前記電子デバイス70を制御できるようにする。この際、前記電子デバイス70は、メモリ装置、SOC1に含まれたキャッシュメモリ、カメラまたは液晶表示装置(LCD:Liquid Crystal Display)であり得る。
【0021】
また、図1Bを参考にすると、電子デバイスコントローラ10’は、オンチップキャッシュ(On−chip Cache)50の細部情報をチューニングすることができる。細部情報は、インターフェース情報と状態情報とを含む。インターフェース情報は、システムバス60を通じて受信されるキャッシュメモリの動作と関連した情報である。前記状態情報は、キャッシュメモリの内部状態を表わす情報である。この際、前記キャッシュメモリは、オンチップキャッシュ50メモリであり得る。
【0022】
以下、図1Aと関連して、前記電子デバイス70が、メモリ装置であり、電子デバイスコントローラ10が、メモリコントローラである実施形態を中心に記述されるが、本発明の範囲が、これに限定されるものではない。
【0023】
前記インターフェース情報は、メモリ装置の動作と関連したアクティブ(active)、読み出し(read)、書き込み(write)及びプリチャージ(precharge)などのような命令情報を含みうる。
【0024】
また、前記電子デバイスコントローラ10は、前記メモリ装置の内部状態を表わす状態情報を前記メモリ装置から受信することもできる。前記装置の状態情報には、前記メモリ装置に含まれたメモリセルアレイの内部状態を表わすオープン(open)、クローズ(close)、セルフリフレッシュ(self−refresh)などが含まれうる。
【0025】
図1Aには、図示されていないが、前記電子デバイスコントローラ10は、システムバス60を通じて外部ディスプレイ装置(図示せず)と連結されていて、情報交換ができる。この際、ユーザは、前記電子デバイスコントローラ10が、前記電子デバイス70を制御するための前記インターフェース情報及び前記状態情報を含む各種の情報を外部ディスプレイ装置を通じて確認することができる。
【0026】
図2は、本発明の一実施形態による図1Aに示された電子デバイスコントローラ10をさらに詳しく示す図である。図2を参考にすると、前記電子デバイスコントローラ10は、送受信部110、保存部120、計算部130及びチューニング部140を含む。
【0027】
送受信部110は、システムバス60を通じて前記インターフェース情報を受信し、電子デバイス70から電子デバイス70の状態情報を受信し、前記インターフェース情報及び前記状態情報を含む細部情報を前記システムバス60を通じて出力することもできる。
【0028】
前記保存部120には、前記インターフェース情報及び前記状態情報を含む細部情報及び電子デバイス70の性能情報が保存され、また、前記電子デバイス70のスペック(specification)などのような基本動作情報、前記チューニング部140によってチューニングされた細部情報及び前記チューニングされた細部情報に基づいたチューニングされた前記電子デバイス70の性能情報などが保存することができる。
【0029】
計算部130は、前記細部情報に基づいて電子デバイス70の性能を計算する。計算部130によって計算された性能情報は、前記保存部120に保存することができる。前記計算部130は、前記電子デバイスコントローラ10の内部でハードウェア及び/またはソフトウェアとして具現可能である。
【0030】
例えば、前記計算部130は、前記細部情報の種類別の個数と前記細部情報の種類とに相応する性能ファクターを乗算した値を用いて、前記電子デバイス70の性能を計算することができる。この際、前記細部情報のそれぞれに相応する性能ファクター(performance factor)は、前記保存部120に保存された電子デバイス70のスペックに含まれた値であり得る。
【0031】
前記送受信部110は、保存部120に保存された前記細部情報を電子デバイス70に出力することができ、前記細部情報及び電子デバイス70の性能情報をシステムバス60に出力することができる。この際、細部情報は、システムバス60を通じて外部ディスプレイ装置(図示せず)に出力される。すなわち、本発明の実施形態による電子デバイスコントローラ10は、一般的なコントローラと異なって、前記電子デバイス70の動作を制御するだけではなく、前記電子デバイス70の動作状態及び性能情報をユーザに提供する機能も行える。
【0032】
前記計算部130によって計算される電子デバイス70の性能情報には、前記電子デバイス70の動作時の電力消費量、前記電子デバイス70の動作遂行時間、前記電子デバイス70のデータ送受信能力などであり得る。しかし、本発明の範囲が、これに限定されるものではない。
【0033】
チューニング部140は、前記電子デバイスの細部情報(インターフェース情報と状態情報)をチューニングして、該チューニングされた細部情報を発生させ、前記保存部120に保存する。前記チューニング部140は、細部情報に対するチューニングを複数回行える。ここで、チューニングされた細部情報とは、前記電子デバイス70についての細部情報を前記チューニング部140でチューニング(例えば、変更あるいはアップデート)したものである。細部情報のチューニングは、インターフェース情報のチューニングと状態情報のチューニングとを含む。
【0034】
例えば、インターフェース情報のチューニングは、前記電子デバイス70の命令遂行の順序を調整(すなわち、一連の命令の再配列)するものを含みうる。状態情報のチューニングは、状態情報を直接的に変更することを意味するよりは、前記電子デバイス70のインターフェース情報のチューニングの結果によって、前記状態情報が変更されることを意味する。しかし、本発明の範囲が、これに限定されるものではない。
【0035】
この際、前記計算部130は、前記チューニングされた細部情報に基づいてチューニング後、電子デバイス70の性能を計算し、前記保存部120に計算された性能情報を保存する。さらに具体的に説明すれば、前記計算部130は、前記チューニングされた細部情報の種類別の個数と前記チューニングされた細部情報の種類とに相応する性能ファクターを乗算した値を用いて、前記チューニングされた前記電子デバイス70の性能を計算することができる。
【0036】
前記送受信部110は、保存部120に保存された前記チューニングされた細部情報を電子デバイス70に出力することができ、前記チューニングされた細部情報及びチューニング後、電子デバイス70の性能情報をシステムバス60に出力することができる。この際、前記チューニングされた細部情報及びチューニングされた電子デバイス70の性能情報は、システムバス60を通じて外部ディスプレイ装置(図示せず)に出力される。
【0037】
また、チューニング部140は、チューニング前の電子デバイス70の性能及びチューニングされた電子デバイス70の性能に基づいて、前記電子デバイス70またはシステムバス60にチューニング前の細部情報を出力するか、前記チューニングされた細部情報を出力するかを選択することができる。
【0038】
例えば、前記チューニング部140は、システムバス60を通じて受信された細部情報に基づいて計算された電子デバイス70の性能情報とチューニングされた細部情報に基づいて計算された電子デバイス70のチューニングされた性能情報とを比較し、電子デバイス70がさらに良い性能を発揮させる細部情報を選択し、該選択された細部情報を電子デバイス70に出力することによって、前記電子デバイス70の性能を改善することができる。これにより、電子デバイスコントローラ10は、チューニングされたインターフェース情報を用いて電子デバイスをアクセスすることで、前記電子デバイス70の性能及び前記電子デバイス70を含むシステムの性能が改善されうる。
【0039】
また、前記チューニング部140は、前記計算部130によって計算された前記電子デバイスの性能と既定の基準性能とを比較し、これに基づいて前記細部情報をチューニングすることができる。
【0040】
例えば、前記チューニング部140は、一定時点あるいは一定期間の間に、前記計算部130によって計算された前記電子デバイス70の性能が、前記基準性能から外れる場合、前記細部情報を前記基準性能に相応する細部情報にチューニングすることができる。このために、前記基準性能及び前記基準性能に相応する細部情報は、あらかじめシミュレーション、テストなどの方法を通じて決定されて保存することができる。
【0041】
例えば、性能情報が電力消費量であり、基準電力消費量が10mWである場合を仮定する。この場合、前記細部情報による前記電子デバイス70の電力消費量が20mWであれば、基準電力消費量である10mWから大きく外れるので、前記チューニング部140は、チューニングを通じて前記細部情報を変更することができる。これにより、前記電子デバイス70の性能及び前記電子デバイス70を含むシステムの性能が改善されうる。
【0042】
また、前記チューニング部140は、受信された細部情報及びチューニングされた細部情報のうち、電子デバイス70がさらに良い性能を発揮させる細部情報をシステムバス60に出力することで、性能が改善された電子デバイス70の情報をユーザに提供することもできる。
【0043】
前記チューニング部140が、前記電子デバイス70の電力消費量を改善するために、細部情報をチューニングする過程を例をあげて説明する。チューニング前の細部情報に基づいた電力消費量が、チューニングされた細部情報に基づいた電力消費量より多いと仮定すれば、前記チューニング部140は、チューニングされた細部情報を前記電子デバイス70に出力させて、前記電子デバイス70の電力消費量を減少させることができ、チューニングされた細部情報を前記システムバス60を通じてユーザに伝達することもできる。
【0044】
以下、図1Bのキャッシュメモリを制御する前記電子デバイスコントローラ10’の動作を、図2と関連して説明する。送受信部110は、システムバス60を通じて前記キャッシュメモリの動作と関連したインターフェース情報を受信し、キャッシュメモリの前記状態情報を受信し、前記キャッシュメモリの動作と関連したインターフェース情報及び前記キャッシュメモリの前記状態情報を含むキャッシュメモリの細部情報を保存部120に保存する。
【0045】
この際、前記キャッシュメモリ50と関連したインターフェース情報は、キャッシュヒット(cache hit)、キャッシュミス(cache miss)及びバイパス(bypass)情報などのようなリクエスト(request)情報を含み、キャッシュメモリの状態情報は、クロック(clock)及びリフレッシュ(refresh)情報などのようなローカリティ(locality)情報を含みうる。
【0046】
計算部130は、前記キャッシュメモリ50の細部情報に基づいてキャッシュメモリ50の性能を計算する。計算部130によって計算された性能情報は、保存部120に保存される。前記送受信部110は、保存部120に保存された細部情報をキャッシュメモリ50に出力し、前記キャッシュメモリ50の細部情報及びキャッシュメモリの性能情報をシステムバス60に出力することができる。この際、キャッシュメモリ50の細部情報及び性能情報は、システムバス60を通じて外部ディスプレイに出力される。
【0047】
チューニング部140は、前記キャッシュメモリの細部情報(すなわち、インターフェース情報と状態情報)をチューニングして、該チューニングされた細部情報を発生させ、前記保存部120に保存することができる。前記計算部130は、前記チューニングされたキャッシュメモリの細部情報に基づいてチューニング後、キャッシュメモリの性能を計算し、前記保存部120に計算された性能情報を保存する。
【0048】
前記送受信部110は、保存部120に保存されたチューニングされた細部情報をキャッシュメモリ50に出力し、前記チューニングされた細部情報及びチューニング後、キャッシュメモリの性能情報をシステムバス60に出力することができる。この際、チューニングされた細部情報及びチューニングされた性能情報は、システムバス60を通じて外部ディスプレイ装置(図示せず)に出力される。
【0049】
また、チューニング部140は、チューニング前のキャッシュメモリの性能及びチューニングされたキャッシュメモリの性能に基づいて、前記チューニング前の細部情報を前記キャッシュメモリまたはシステムバス60に出力するか、チューニングされた細部情報を前記キャッシュメモリまたはシステムバス60に出力するかを選択することができる。このように、前記チューニング部140は、細部情報をチューニングして、前記キャッシュメモリ50の性能を改善することができる。
【0050】
図3は、本発明の一実施形態による図2のチューニング部140をさらに詳しく示す図である。前記チューニング部140は、チューニングブロック141及び選択ブロック142を含む。
【0051】
前記チューニングブロック141は、電子デバイス70の細部情報をチューニングする。また、前記選択ブロック142は、前記計算部130で計算されたチューニング前の電子デバイス70の性能情報及びチューニングされた電子デバイス70の性能情報を比較して、前記チューニング前の細部情報または前記チューニングされた細部情報のうち一つを選択する。
【0052】
また、前記選択ブロック142は、電子デバイス70の性能と基準性能とを比較して、さらに良い性能に相応する細部情報を選択することができる。
【0053】
図4は、本発明の一実施形態による電子デバイスコントローラ10の動作過程を説明するための図である。図4に示された電子デバイスコントローラ10の動作過程は、図2に示された電子デバイスコントローラ10によって行われる。図4を参照すると、前記電子デバイスコントローラ10は、システムバス60を通じて電子デバイス70の動作と関連したインターフェース情報と前記電子デバイス70の状態情報を含む細部情報とを受信する(ステップS10)。
【0054】
次いで、計算部130は、受信された細部情報に基づいて電子デバイス70の性能を計算する(ステップS20)。次いで、チューニング部140は、受信された細部情報をチューニングし(ステップS30)、前記計算部130は、チューニングされた細部情報に基づいてチューニングされた電子デバイス70の性能を計算する(ステップS40)。
【0055】
次いで、前記チューニング部140は、チューニングされた細部情報に基づいて計算されたチューニングされた電子デバイス70の性能が、チューニング前の細部情報に基づいて計算された電子デバイスの性能に比べて改善されたか否かを判断する(ステップS50)。
【0056】
チューニングされた細部情報に基づいて計算されたチューニングされた電子デバイス70の性能が、チューニング前の細部情報に基づいて計算された電子デバイス70の性能より改善されたなら、前記チューニング部140は、チューニングされた細部情報を選択し、これにより、チューニングされた細部情報及びチューニングされた電子デバイス70の性能を前記電子デバイス70及び/またはシステムバス60に出力することができ(ステップS60)、そうでなければ、チューニング前の細部情報を選択し、これにより、チューニング前の細部情報及びチューニング前の電子デバイスの性能を前記電子デバイス70及び前記システムバス60に出力することができる(ステップS70)。
【0057】
図5は、本発明の一実施形態による電子デバイス70がメモリ装置である場合、細部情報による消費電力量を示すための図である。前記計算部130は、図5のような各インターフェース情報及び状態情報(横軸)による性能ファクター(縦軸)を用いて、電子デバイス70の性能を計算することができる。図5は、性能ファクターの一例として、各細部情報に対する消費電力を示している。
【0058】
図5を参考にすると、本発明の一実施形態によるプリチャージ情報の消費電力量は11mW、アクティブ情報の消費電力量は20.5mW、書き込み情報の消費電力量は10mW、読み出し情報の消費電力量は20mW及びDQ情報の消費電力量は6mWである。
【0059】
電子デバイス70の性能のうち一つである電子デバイス70の電力消費量は、前記インターフェース情報及び状態情報のそれぞれの個数に、前記インターフェース情報及び前記状態情報の消費電力量を乗算した結果を合わせた結果として計算されうる。例えば、(WR)(WR)(WR)(WR)(RD)(RD)(RD)が入力された場合、WRが4回入力され、RDが3回入力されたものなので、電力消費量=4×10(mW)+3×20(mW)=100(mW)になる。
【0060】
図6は、メモリ装置の書き込み命令による電流プロファイル(profile)を示すための図であり、図7は、メモリ装置の読み出し命令による電流プロファイルを示すための図である。
【0061】
図6の場合、細部情報は、アクティブACT命令、4つの書き込みWR命令及びプリチャージPRE命令を含む一連の命令CMDに該当し、図7の場合、細部情報は、アクティブ命令、4つの読み出し命令及びプリチャージ命令を含む一連の命令CMDに該当する。
【0062】
図6を参照すると、アクティブ命令が入力される時、前記アクティブ命令に対する電流は、所定の高さほど上昇しながら下降することが見られ、書き込み命令が入力されれば、前記書き込み命令に対する電流は、所定の高さほど再び上昇しながら下降する。また、図7を参照すると、アクティブ命令が入力される時、前記アクティブ命令に対する電流は、所定の高さほど上昇しながら下降することが見られ、読み出し命令が入力されれば、前記読み出し命令に対する電流は、所定の高さほど再び上昇しながら下降する。
【0063】
そして、プリチャージ命令が入力されれば、プリチャージ命令に対する電流は、所定の高さほど再び上昇しながら下降することが見られる。図6及び図7に示したように、各命令による電流プロファイルが異なるために、各命令遂行による消費電力量も異なる。
【0064】
チューニング部140は、インターフェース情報に含まれた命令の遂行順序をチューニングすることで、前記電子デバイス70の性能をチューニングすることができる。メモリ装置が、図6に示された4つの書き込み命令と別途の3つの他の書き込み命令とを行う場合を例として、前記チューニング部140のチューニング動作を説明する。
【0065】
前記3つの他の書き込み命令が、図6に示された4つの書き込み命令と別途に行われる場合も、図6に示されたところと同様に、3つの他の書き込み命令を行うために、アクティブ命令、3つの書き込み命令、プリチャージ命令の順の電流プロファイルを形成する。前記チューニング部140は、図6に示された4つの書き込み命令と前記3つの他の書き込み命令とが別途ではない一度に行われるように、命令の順序をチューニングすることができる。例えば、チューニング前(ACT)(WR)(WR)(WR)(WR)(PRE)(ACT)(WR)(WR)(WR)(PRE)の順序を有する一連の命令をチューニングを通じて(ACT)(WR)(WR)(WR)(WR)(WR)(WR)(WR)(PRE)に変更されうる。
【0066】
そうすると、図6に示された4つの書き込み命令と前記他の3つの書き込み命令とが行われる場合、アクティブ命令、7つの書き込み命令、プリチャージ命令の順の電流プロファイルが形成される。すなわち、この場合には、図6に示された4つの書き込み命令と前記他の3つの書き込み命令とが別途に行われる場合に比べて、アクティブ命令及びプリチャージ命令の遂行過程が減少して、メモリ装置の電力消費量が減少しうる。
【0067】
本発明は、図面に示された一実施形態を参考にして説明されたが、これは例示的なものに過ぎず、当業者ならば、これより多様な変形及び均等な他実施形態が可能であるという点を理解できるであろう。したがって、本発明の真の技術的保護範囲は、特許請求の範囲の技術的思想によって決定されるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明は、電子デバイスの性能改善のための電子デバイスコントローラ関連の技術分野に適用可能である。
【符号の説明】
【0069】
1 SOC
10 電子デバイスコントローラ
20 DMA
30 内部メモリ
40 マイクロプロセッサ
50 オンチップキャッシュ
60 システムバス
70 電子デバイス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子デバイスの動作と状態とに関する細部情報に基づいて電子デバイスの性能を計算する計算部と、
前記計算部によって計算された前記電子デバイスの性能に基づいて、前記細部情報のうち少なくとも一つをチューニングするチューニング部と、
を含むことを特徴とする電子デバイスコントローラ。
【請求項2】
前記電子デバイスコントローラは、
前記細部情報及び前記電子デバイスの性能情報を保存する保存部をさらに含み、
前記計算部は、チューニング前の細部情報及びチューニング後の細部情報にそれぞれ基づいて、前記電子デバイスの性能を計算し、
前記チューニング部は、チューニング前の細部情報に基づいて計算された前記電子デバイスの性能と前記チューニング後の細部情報に基づいて計算された前記電子デバイスの性能とによって、前記チューニング前の細部情報と前記チューニング後の細部情報とのうち一つを選択することを特徴とする請求項1に記載の電子デバイスコントローラ。
【請求項3】
前記チューニング部は、
前記計算部によって計算された前記電子デバイスの性能と既定の基準性能とを比較し、該比較結果に基づいて、前記細部情報を前記基準性能に相応する細部情報にチューニングすることを特徴とする請求項1に記載の電子デバイスコントローラ。
【請求項4】
前記細部情報は、前記電子デバイスの動作に関するインターフェース情報及び前記電子デバイスの内部状態に関する状態情報を含み、
前記電子デバイスコントローラは、
前記細部情報のうち少なくとも一つを前記電子デバイスに出力するか、ディスプレイ装置に提供する送受信部をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の電子デバイスコントローラ。
【請求項5】
前記計算部は、
前記細部情報のそれぞれに相応して既定の性能ファクターを用いて、前記電子デバイスの性能を計算することを特徴とする請求項4に記載の電子デバイスコントローラ。
【請求項6】
前記計算部は、
前記細部情報の種類別の個数と前記細部情報の種類とに相応する前記性能ファクターを乗算した値を用いて、前記電子デバイスの性能を計算することを特徴とする請求項5に記載の電子デバイスコントローラ。
【請求項7】
前記チューニング部は、
前記細部情報のうち少なくとも一つの順序を変更するか、削除あるいは再配列して、前記細部情報をチューニングするチューニングブロックと、
チューニング前の細部情報に基づいて計算された前記電子デバイスの性能とチューニング後の細部情報に基づいて計算された前記電子デバイスの性能とを比較して、さらに良い性能に相応する細部情報を選択するか、
前記計算部によって計算された前記電子デバイスの性能と前記基準性能とを比較して、さらに良い性能に相応する細部情報を選択する選択ブロックと、
を含むことを特徴とする請求項4に記載の電子デバイスコントローラ。
【請求項8】
前記インターフェース情報は、前記電子デバイスに対する一つ以上の命令を含み、
前記チューニング部は、前記一つ以上の命令の順序を変更することで、前記細部情報をチューニングすることを特徴とする請求項4に記載の電子デバイスコントローラ。
【請求項9】
前記電子デバイスは、メモリ装置であり、
前記電子デバイスコントローラは、前記メモリ装置を制御するメモリコントローラであり、
前記インターフェース情報は、前記メモリ装置をアクセスするための命令を含むことを特徴とする請求項4に記載の電子デバイスコントローラ。
【請求項10】
前記性能情報は、前記電子デバイスの電力消費量を含み、
前記チューニング部は、
前記チューニング前の細部情報に基づいて計算された前記電子デバイスの電力消費量と前記チューニング後の細部情報に基づいて計算された前記電子デバイスの電力消費量とを比較して、さらに少ない電力消費量に該当する細部情報を選択するか、
前記計算部によって計算された電子デバイスの電力消費量と既定の基準電力消費量とを比較し、これに基づいて前記細部情報を前記基準電力消費量に相応する細部情報にチューニングすることを特徴とする請求項2または3に記載の電子デバイスコントローラ。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図6】
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【図7】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−70666(P2011−70666A)
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−209411(P2010−209411)
【出願日】平成22年9月17日(2010.9.17)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG ELECTRONICS CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】416,Maetan−dong,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do 442−742(KR)
【Fターム(参考)】