説明

電子デバイス内にチャンバを形成するための方法およびそれにより形成されるデバイス

【課題】 組立工程において、漏れ、気泡、空隙などを少なくするように流体または流動
可能な材料を導入することができる工程、およびその結果として形成される電子デバイス
を提供する。
【解決手段】 固化したコア材料(334)上に外側表面(336)を準備するステップ
であって、該固化したコア材料(334)は基板(312)内に形成される凹所(316
)内にあるステップと、前記固化したコア材料(334)の前記準備された外側表面(3
36)、および前記凹所(316)を包囲する前記基板(312)の一部の上に層(33
8)を配設することであって、該配設された層(338)および前記基板(312)はチ
ャンバ(350)を画定するステップとにより、電子デバイス内にチャンバを形成するこ
ととした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子デバイス内にチャンバを形成するための方法およびそれにより形成され
るデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
多くの半導体デバイスが、種々の理由のために、その中に形成されたチャンバを利用す
る。たとえば、インクジェットデバイスは、気泡などを発生させることなどによって押し
出されるインクを収容するために作り出されたチャンバを備える。流体光エンジンデバイ
スでは、流体または気体材料と、種々の光制御デバイスとを収容するチャンバが用いられ
る。そのようなデバイスの需要を考えると、そのようなデバイスを大規模に、しかも高い
信頼性で製造する方法が必要とされている。それらの製造方法は、従来の工程において特
有の問題に対処することが望ましい。そのような問題の例には、限定はしないが、材料の
位置決めの制御、材料の破損、境界での漏れ、ならびに積重および界面結合安定性などの
、組立工程において生じる機械的な応力によって引き起こされる破損が含まれる。
【0003】
さらに、いくつかの微小電気機械(MEMS)デバイスは、MEMSデバイスが機能す
るのを容易にするために、ある画定された空洞内に収容される流体材料を利用する。デバ
イス組立工程は、流体充填ステップまたは工程を含む。流体充填工程は、漏れ、気泡など
を生じることなく空洞を最適に封止しなければならない点で、複雑になる可能性が高い。
したがって、組立工程において、漏れ、気泡、空隙などを少なくするように流体または流
動可能な材料を導入することができる工程、およびその結果として形成される電子デバイ
スを提供することが望ましいであろう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、組立工程において、漏れ、
気泡、空隙などを少なくするように流体または流動可能な材料を導入することができる工
程、およびその結果として形成される電子デバイスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明に係る電子デバイス内にチャンバを形成するための方
法は、固化したコア材料上に外側表面を準備するステップであって、該固化したコア材料
は基板内に形成される凹所内にあるようにしたステップと、前記固化したコア材料の前記
準備された外側表面、および前記凹所を包囲する前記基板の一部の上に層を配設するステ
ップであって、該配設された層および前記基板はチャンバを画定するステップを含む。
また、本発明は、別の側面で、集積回路デバイスであって、基板と、封止された状態で
重なるように前記基板に固着する層であって、前記基板および該層のうちの少なくとも一
方はその中に凹所を画定され、前記基板および該層はチャンバを画定する層と、前記チャ
ンバ内に配置される微小構造または微小電気機械デバイスと、前記チャンバ内に存在する
二機能性コア材料であって、該二機能性コア材料は第1の条件において固化した状態を示
し、第2の条件において流体化した状態を示す、二機能性コア材料とを含む。
またさらに、本発明は、別の側面で、ディスプレイ装置であって、1つの光路に沿って
光のビームを与えるための光源と、画像データ信号に応答して、前記光のビームの一部を
第2の光路に沿って選択的に反射させるために前記光路上にあるデバイスと、前記光路デ
バイス上にある前記デバイスに前記画像データ信号を与えるためのコントローラと、前記
選択的に反射された光を1つの画像として解像するために、前記第2の光路上にある少な
くとも1つの素子とを備え、光を選択的に反射させるための前記デバイスは、基板と、前
記基板からある間隔の距離に配置される上側基板層であって、前記基板および該上側基板
層はチャンバを画定し、該上側基板層および前記基板のうちの少なくとも一方は光学的に
透過性である、上側基板層と、前記チャンバ内に支持される少なくとも1つの微小電気機
械デバイスとを備える。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】本明細書において開示される形成方法の一実施形態の工程流れ図である。
【図2】本明細書において開示されるチャンバ形成方法の一実施形態の詳細な工程流れ図である。
【図3A】本明細書において開示される工程の一実施形態によって作製される集積回路デバイスの一実施形態の一連の断面図である。
【図3B】本明細書において開示される工程の一実施形態によって作製される集積回路デバイスの一実施形態の一連の断面図である。
【図3C】本明細書において開示される工程の一実施形態によって作製される集積回路デバイスの一実施形態の一連の断面図である。
【図3D】本明細書において開示される工程の一実施形態によって作製される集積回路デバイスの一実施形態の一連の断面図である。
【図4A】本明細書において開示される工程の一実施形態後に行うことができるオプションのステップを示す図である。
【図4B】本明細書において開示される工程の一実施形態後に行うことができるオプションのステップを示す図である。
【図5】本明細書において記載されるようなチャンバを有する電子デバイスを利用するディスプレイ装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
これ以降、種々の実施形態が図示される添付の図面を参照しながら、本発明の例示的な
実施形態がさらに十分に説明されるであろう。しかしながら、本発明は、種々の形態にお
いて具現されることができ、本明細書に記載される実施形態に限定されるものと解釈され
るべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が詳細かつ完全に述べ、本発明の
範囲を当業者に十分に伝えるために提供される。図面においては、明瞭にするために、層
および領域の厚みが誇張されている。なお、図面全体を通して、類似の番号は類似の構成
要素を指している。
【0008】
本明細書では、集積回路デバイスのような電子デバイス内に少なくとも1つのチャンバ
を形成するための方法が開示される。本明細書において検討される集積回路デバイスのタ
イプは、限定はしないが、微小電気機械デバイス、詳細には光微小電気機械デバイスを含
む。そのようなデバイスは、種々のシステムおよびデバイスにおいて利用されることがで
きる。そのようなデバイスの例には、限定はしないが、空間光変調器などのディスプレイ
装置が含まれる。
【0009】
本明細書に開示される方法では、基板内に形成された幾何学的な凹所に合致するように
存在する固化したコア材料上に、適当な外側表面が準備される。一旦、コア材料の外側表
面が適当に準備されたなら、コア材料の外側表面上、および少なくとも、幾何学的な凹所
を包囲する領域内にある基板上に重なるように材料層が堆積され、堆積された材料層およ
び基板によってチャンバが画定されるようにする。
【0010】
固化したコア材料の外側表面の準備は、平面性などの相応しい特性を与える任意の適当
な方法によることができる。そのような工程の例には、限定はしないが、研磨、平削りな
どが含まれる。研磨は、固化したコア材料に適切に作用する適当な工程によって達成され
ることができる。これらの工程は、限定はしないが、所望の平面性を有する固化したコア
材料の外側表面を設けるのに適したウエットまたはドライエッチング工程、ならびに機械
的および/または化学的な工程を含むことができる。
【0011】
固化したコア材料の準備された外側表面と、固化したコア材料が配置される幾何学的な
凹所を包囲する基板との上に重なるように、少なくとも1つの材料層が堆積される。材料
層の堆積は、基板に重なるように適当に均一な層を形成することができ、その層の内面が
、その堆積された層によって画定されるチャンバに隣接し、また基板の平坦性および表面
特性が、固化したコア材料の外側表面によって規定されるようにすることができる任意の
堆積方法によって達成されることができる。
【0012】
本明細書において定義されるような用語「固化した」は、少なくとも1つの表面上で作
業できるようにし、かつその上に適当な材料を堆積することができるだけの十分な固体特
性を有することを意味するものと解釈される。
【0013】
本明細書に開示される方法の実施形態では、図1の工程図に示されるように、参照番号
110において、電子デバイス内にチャンバを形成するために、基板内の幾何学的な凹所
内に適当なコア材料が導入されることができる。本明細書において用いられるような用語
「基板」は、ある一定の幅広く定義された意味であり、集積回路デバイスのような電子デ
バイスにおいて典型的に見られる任意のベース支持材料および積層構造を含む。基板は、
適当な半導体材料からなり、適当な態様で構成されることができる。
【0014】
幾何学的な凹所または空洞は、関連する電子デバイスの最終的な用途に相応しい任意の
適当な構成を有することができる。基板内に画定される凹所は、任意の適当な製造工程に
よって形成されることができる。これらの工程は通常、種々のウエットまたはドライエッ
チング技術を考えている。しかしながら、相応しい場合には、限定はしないが、化学気相
成長および物理気相成長を含む、任意の付加的な技術によって幾何学的な凹所を形成する
ことができるものと考えられる。凹所は、適当な側壁、底壁などを含むように構成される
ことができる。したがって、限定しない例として、その幾何学的な凹所または空洞は、イ
ンクジェットデバイスチャンバ、ディスプレイ装置ピクセルチャンバ、あるいは流体また
は気体材料を収容するために典型的には気密封止を必要とする他のチャンバなどの種々の
構成を製造する際に形成されるようなものにすることができる。幾何学的な凹所または空
洞は、システム要件に応じて、種々の微小構造または微小電気機械(MEMS)システム
構造を収容する場合も、収容しない場合もある。本明細書において用いられるような用語
「微小電気機械システム」は、限定はしないが、シリコンを基にする機械デバイス、化学
的および生物的なアクチュエータ、小型の非シリコン構造、たとえばプラスチックまたは
セラミックから形成されるデバイスを含む、小型および超小型のシステムとして幅広く解
釈されるべきである。そのようなシステムは、検出する機能、処理する機能、および/ま
たは作動させる機能を含むことができるものと考えられる。本明細書において用いられる
ような「微小構造」は、関連するデバイス上に作り出される構成および構造を意味するよ
うに解釈される。これらの構造は、限定はしないが、可撓性部材、支柱、ヒンジなどを含
むことができる。
【0015】
用いられるコア材料は、初めに流体の状態で存在し、基板とは異なるが、基板に適合し
、固化過程によって固化を達成する双安定性の材料である。固化過程は可逆的、部分的に
可逆的、または可逆的にすることができ、物理的または化学的な過程の結果であり得る。
そのような過程の例には、限定はしないが、温度変化、重合、単量体架橋、単量体/重合
体ゲル架橋などを含む。コア材料は、幾何学的な凹所の構成に合致することができ、初期
の流体状態およびその固化した状態の両方において、その中に任意のデバイスを収容する
ことができる材料である。「適合性」は、凹所を画定する材料、すなわち基板、およびそ
の中に収容される任意の微小構造、MEMS構造などの材料と熱的および化学的な適合性
を含むように解釈される。
【0016】
基板内の幾何学的な凹所内に用いられ、導入される双安定コア材料には、第1の条件ま
たは環境において固化した状態で存在し、第2の条件または環境において概ね流体化した
状態で存在する材料を用いることができる。本明細書において用いられるような用語「環
境」は、コア材料の状態に影響を及ぼす少なくとも1つの特性または要因を意味するもの
と解釈される。限定はしないが、それらの特性の例には、温度および磁界のうちの少なく
とも1つが含まれる。その特性または要因には、コア材料が収容されるチャンバの外部に
おいて生じるものを用いることができる。望ましい場合、または必要とされる場合には、
その要因または特性は、チャンバおよび関連するデバイス素子内で引き起こされる事象に
よって変更されるか、または影響を及ぼされることができる。
【0017】
環境の少なくとも1つの特性が温度である場合、コア材料には、第1の温度において固
化した状態で存在し、第1の温度よりも高い第2の温度において概ね流体化した状態で存
在する材料を用いることができる。典型的には、流体化温度は、基板材料を損傷したり、
または劣化させたりすることなく、基板内に画定される幾何学的な凹所内に、流体化した
コア材料を導入できるようにする温度である。別法では、双安定コア材料には、初期の流
体状態において導入され、その後、熟練者に知られているような任意の適当な化学的また
は物理的な工程によって引き起こされる架橋のような適当な工程によって固化することが
できる材料を考えることができる。
【0018】
本明細書に開示される工程において用いることができる材料および化合物は、半導体材
料とともに用いるのに適した溶融または流体化温度および固化温度を有する種々の蝋およ
びポリマーを含む。限定はしないが、これらの材料の例には、種々の蝋、ナフタレン、ナ
フタレン誘導体、アクリル酸モノマー、アクリル酸モノマーの誘導体、アクリル酸ポリマ
ー、樟脳、樟脳誘導体、カンフィン酸ポリマー(camphinic acid pol
ymers)およびポリエステルが含まれる。有用な調合物は、ポリメチル グルタルイ
ミド(PMGI)、ポリジメチル グルタルイミドなどのポリグルタルイミド、ベンゾシ
クロブテンのような置換シクロアルケン、ポリメチルメタクリレートがその一例であるア
ルキルアクリレートのようなアクリル酸誘導体のうちの少なくとも1つを含む調合物であ
る。
【0019】
本明細書に開示される製造工程および方法では、導入されるコア材料は幾何学的な凹所
に合致する。一旦、固化したなら、コア材料は、形成されることになるチャンバの壁部の
少なくとも1つの形成を支持するために用いることができる少なくとも1つの外側表面を
提供する。導入されるコア材料の外側表面は、所望のチャンバの壁部を支持および形成し
、そのように形成されたチャンバ壁表面に適当な特性を付与するように準備されることが
できる。参照番号120において、その準備は、平面性および一致性のような所望の特性
を与える層収容公差にすることができる。
【0020】
本明細書において用いられるような「平面性」は、その上に層を設けるのに相応しい所
定の公差内の表面特性および表面形状の偏差(topographical devia
tion)と定義される。したがって、特定の表面滑らかさまたは層厚が要求される場合
、固化したコア材料の外側表面は、許容可能な偏差内で内側に面した層表面を設けるよう
に準備されるものと考えられる。
【0021】
本明細書において用いられるような用語「一致性」は、不連続性および凹凸がなく概ね
一様で連続しているように、固化したコア材料と周囲の基板とが、特に基板とコア材料と
の間の接合部において一体化または接触することを意味するものと解釈される。
【0022】
層収容公差に準備することは、限定はしないが、平削り、研磨などを含む任意の適当な
工程によって達成されることができる。先に示されたように、平削りおよび/または研磨
は、任意の適当な物理的、化学的または物理/化学的な方法によって達成されることがで
きる。平削り/研磨工程として、コア材料の外側表面だけに作用することができ、その外
側表面に適当な表面特性を与える工程を用いることができるものと考えられる。また、平
削り/研磨工程には、コア材料の外側表面を、周囲の基板表面の寸法と合致させ、後続の
層を配設するための平坦で連続した表面を設ける工程を用いることができるものと考えら
れる。
【0023】
本明細書において用語「層収容公差(layer receiving tolera
nce)」が用いられるとき、導入されるコア材料の外側表面は、上に重なる層の堆積、
および所望のチャンバの内壁の形成のために適した望ましい平面性を有するものと考えら
れる。平面性は、所望の電子デバイスの最終的な用途に応じて、確認され、規定されるこ
とができる。しかしながら、幅広く解釈されるとき、コア材料の外側表面は、幾何学的な
凹所を包囲する基板構造および境界に正確に合致するものと考えられる。また、平面性の
ような特性は、電子デバイスが配置されることになる最終的な用途に適合するものと考え
られる。したがって、電子デバイスが光学的な伝達および/または受光の機能において用
いられることになる場合、平面公差は、光学的な透過性、伝達性などのために適した公差
であると考えられる。
【0024】
本明細書に開示される工程では、その後、参照番号130のように、準備されたコア材
料の外側表面および周囲の基板の上に重なるように層(たとえば、材料層)が配設される
。その材料層は適当な堆積工程によって配設されることができる。限定はしないが、適当
な堆積工程の例には、スパッタリング、イオンプレーティングおよび種々の他の物理気相
成長技術などの、まっすぐ照準をあてて行われる衝突堆積のような付加的な工程が含まれ
る。また、限定はしないが、適当な付加的な工程の例には、一般的に化学気相成長と呼ば
れる、拡散的−対流的な物質移動技術も含まれる。他の適当な堆積技術は、スプレーコー
ティング、ローラコーティング、スピンコーティングなどを含む。
【0025】
配設される外側層は、所望により、または必要に応じて、所望の完成した外側層を形成
するようにさらに処理されることができる。たとえば、堆積された外側層は、外側層と基
板との間の架橋、結合などを達成するために、種々の硬化工程にさらされることができる
。そのような工程の例は、コーティングおよびレンズ作製のために一般的に用いられる工
程を含む。限定はしないが、堆積後の適当な硬化工程の例は、ビスフェノール−A ノボ
ラックの多機能性エポキシ誘導体のような材料を用いて、約10μmより厚いポリマーフ
ィルムをスピンコーティングする場合に用いるのに適した工程を含む。そのような材料は
、Angelo等に対する米国特許第5,102,772号に説明されており、その明細書は参
照して本明細書に援用される。
【0026】
硬化工程は、限定はしないが、高いレベルの架橋密度を含み、上記の熱いエポキシのよ
うな材料を適当な高分子材料に変換するだけの十分な紫外光(詳細には365〜436n
mの範囲内にある光)、電子衝撃およびx線照射を含む、種々の仕組みによって開始され
るカチオン重合を含むことができる。
【0027】
適当な壁部材料として用いられることができる材料は、薄膜形成を実施する際に用いら
れる種々の材料を含む。光微小電気機械デバイスでは、その壁部材料として、薄膜層とし
て用いられるときに適当な光透過率、反射率特性などを有する材料を用いることができる
ものと考えられる。壁部材料の例は、限定はしないが、アクリレート、エポキシ、ポリカ
ーボネートおよびポリイミドを含む。最適な材料として、エポキシおよびビニル化合物の
ようなカチオン重合可能なモノマーから構成される材料を用いることができる。別の態様
では、テトラエチルオルトシリケート(TEOS)、シリケート、ポリカーボネート、フ
ッ化マグネシウムおよび石英のような材料を用いることができるものと考えられる。
【0028】
外側層堆積工程の完了時に、材料層と基板とが封止された状態で係合し、コア材料が封
止されたチャンバ内に収容されるものと考えられる。材料層の堆積に続いて、チャンバ内
に収容された固化したコア材料が適当な流体化した材料に変換されることができる。適当
な流体化した材料への変換は、任意の適当な化学的または物理的な工程によって行うこと
ができる。したがって、低融点の蝋が用いられる場合、固化したコア材料は、温度の上昇
によって流体状態に戻されるであろう。
【0029】
電子デバイスが配置されることになる最終的な用途に応じて、コア材料は、そのように
形成されたチャンバ内に保持されることができるか、または後続のステップにおいて除去
されることができる。コア材料の除去は、基板内に準備される適当なバイアまたは充填材
口を通して達成されることができるものと考えられる。外側層堆積ステップの後に、流体
化したコア材料の少なくとも一部がチャンバ内に保持される場合、コア材料は、微小電気
機械デバイスを動作させるために用いることができ、最低でも、デバイスが機能するのを
妨げない材料であると考えられる。したがって、最終的な用途に応じて、最適なコア材料
は、適当な誘電性、光透過性などを有するであろう。たとえば、チャンバが少なくとも1
つのマイクロミラーを含む構成では、その流体状態にあるコア材料は、動作条件下で、低
融点および低粘度を示すものと考えられる。
【0030】
本明細書に開示されるような方法を示すさらに詳細な工程の概要が図2に示されており
、参照番号210に述べられるように、適当なMEMSデバイスが基板内に準備された空
洞内に配置される。位置決めは、任意の適当な微細加工方法によって行うことができる。
これらの方法の例は、限定はしないが、ダイ接着およびワイヤボンディング、ならびに当
業者に知られている他の微細加工技術を含む。先に開示されたように、基板内に画定され
る幾何学的な凹所または空洞は、結果として形成されるチャンバのために望ましい、ある
いは要求されるような任意の適当な幾何学的形状および/または構成を有することができ
る。
【0031】
基板には、空洞、関連するチャンバ、および最終的には電子デバイスを形成するのに適
した任意の材料を用いることができるものと考えられる。したがって、基板には、適当な
CMOS構造を支持することができる材料を用いることができる。本発明の範囲内で、チ
ャンバおよび任意の関連するMEMSデバイスを収容するのに適した基板上に相応しい構
造を形成することも考えられる
【0032】
一旦、MEMSデバイスが適所に配置されたなら、参照番号220のように、MEMS
デバイスおよび関連する空洞と接触してコア材料が導入されることができる。先に示され
たように、双安定コア材料は、その材料が、たとえば、その場の応力に応じて流体状態ま
たは固体状態で存在できるようにする適当な特性を有することができる。コア材料には「
二機能性材料」を用いることができるものを考えられる。本明細書において用語「二機能
性材料」が用いられるとき、その材料は第1の条件において流体状態を示し、第2の条件
において固化した状態を示す。固体状態では、その材料は概ねコア材料として機能し、流
体状態では、そのコア材料は、いくつかの事例において、組み込まれたMEMSデバイス
が最適に動作するのを助ける、光変調および修正屈折率のような付加的な特性を有するこ
とができることは理解されたい。その条件は、少なくとも1つの外界からの応力によって
少なくともある程度支配される。外界からの応力の例は、限定はしないが、温度、磁界動
作などの条件を含む。したがって、二機能性流体は、第1の温度において流体状態にあり
、第1の温度よりも低い第2の温度において固化した状態にあることができるものと考え
られる。同様に、二機能性材料は、第1の磁界条件に応答して流体状態を示し、第2の磁
界条件に応答して固化した状態を示すことができる。
【0033】
コア材料は、個々の空洞表面およびMEMSデバイスと全面的に接触して導入されるこ
とができるものと考えられる。本明細書において用いられるような用語「全面的な接触(
comprehensive contact)」は、空隙、気泡などを生じることなく
、個々のチャンバ表面およびMEMSデバイスと概ね連続して接触することを意味するも
のと解釈される。
【0034】
コア材料は、低融点の蝋、ナフタレン、ナフタレン誘導体、アクリルモノマー、アクリ
ルポリマー、樟脳、樟脳誘導体、カンフィン酸誘導体およびポリエステルのうちの少なく
とも1つを含むことができる。典型的には、最適な材料は、第1の温度において流体状態
で存在し、それよりも低い温度において固体状態に変化することができる材料であろう。
二機能性コア材料は、温度上昇時または他の誘因となる事象で変換されて流体状態に戻る
ことができるものと考えられる。最適なコア材料は、MEMSデバイスおよび空洞と合致
するように接触することができる材料であろう。一旦、空洞内の適所に配置されたなら、
コア材料は、後続の処理および形成のために適した外側表面領域を提供するであろう。
【0035】
一旦、コア材料が適所に配置されたなら、参照番号230のように、導入されたコア材
料の外側表面が、上に重なる材料層を受け取るように準備される。また、他の作業および
製造ステップが用いられることができることも考えられる。限定はしないが、そのような
製造ステップの例は、関連する基板ウェーハのパッケージング、実装およびダイシングの
ような作業を含む。コア材料は、微小電気機械デバイスおよび他の微小構造を保護するた
めの役割を果たすことができる。
【0036】
参照番号240のように、準備されたコア材料の上に重なるように材料層を配設するこ
とができる。適当な堆積工程によって、他の材料層を配設することができるものと考えら
れる。堆積は、適当な厚みおよび寸法の層を配設する任意の適当な工程によることができ
る。最適な堆積工程は、堆積された層と周囲の基板とを封止するように取り付け、材料層
と基板とを封止された状態で結合できるようにする工程であると考えられる。
【0037】
一旦、材料層がコア材料および関連する基板の上に封止された状態で重ねられたなら、
コア材料は、参照番号250のように、そのように形成されたチャンバから除去されるこ
とができるか、または参照番号260のように、所望により、または必要に応じて変換さ
れ、利用されることができる。
【0038】
コア材料の除去は種々の方法によって達成されることができる。コア材料を流体化した
状態まで加熱し、チャンバを適度な真空または窒素のような加圧不活性ガスに晒すことに
よりパージングすることができる。他の適当な除去工程は、関連するガスパージングおよ
び/または加熱手順とともに、あるいはそれらを用いることなく、溶媒に晒すことを含む
。限定はしないが、適当な溶媒の例は、キシレン、ガンマブチルアセトン、シクロペンタ
ノン、アニソール、ヘキサン、シクロヘキサン、メチルイソブチルケトン(MIBK)な
どを含む。一旦、コア材料が除去されたなら、所望により、または必要に応じて、チャン
バは充填され、封止されることができる。
【0039】
コア材料の除去が望ましい場合、除去工程は製造工程の任意の適当な時点で行うことが
できるものと考えられる。したがって、少なくともいくつかの後続の製造工程において、
画定されたチャンバ内に合致する材料が保持され、その中に収容される壊れやすい微小電
気機械デバイスのための保護媒体としての役割を果たすことができるものと考えられる。
そのような工程は、限定はしないが、ウェーハパッケージング、実装、ダイシングなどを
含む。
【0040】
別法では、コア材料は電子デバイスが後に動作する際に有用な形態に変換されることが
できると考えられる。そのような変換は、温度変化、および/または化学処理の結果とし
て行われることができる。そのような事例では、コア材料は、固体から、MEMSデバイ
スの機能を支援することができる流体材料に変換されることができるものと考えられる。
そのような変換は、一例にすぎないが、温度上昇のような任意の適当な機械的または化学
的な工程によって行われることができる。
【0041】
温度上昇は、電子デバイスの動作、周囲温度への曝露またはデバイスそのものを包囲す
る他の環境的な要因の結果として達成されることができると考えられる。変換は、一方向
または双方向のいずれかにすることができる。したがって、コア材料がチャンバ内に保持
されるとき、そのコア材料は、温度上昇または他の誘因となる事象において機能的な流体
状態に変換され、この状態に保持されることができるものと考えられる。また、温度条件
に応じて、コア材料は、その固体状態に戻されることができるものと考えられる。
【0042】
種々の状況において、マイクロミラー、ファブリー・ペローデバイスおよび回折を基に
するデバイスのような微小電気機械システムデバイスの製造は、MEMS構成要素が脆弱
であることに起因して難しい可能性がある。製造作業は、限定はしないが、鋸引きおよび
パッケージングのような作業を含むことができる。これは、透明パッケージを要件とする
光MEMSデバイスの製造時に複雑になる可能性がある。
【0043】
双安定コア材料は、その固体状態において、組立および製造中に、壊れやすい微小電気
機械システムデバイスの構成要素を保護するための役割を果たすことができるものと考え
られる。一旦、製造が完了したなら、コア材料は、所望により、あるいは必要に応じて、
変換および/または除去されることができる。
【0044】
少なくとも1つの閉鎖されたチャンバを形成するための方法がさらに、一連の形成過程
を示す図3A、図3B、図3Cおよび図3Dを参照しながら図示および例示されることが
できる。図3Aに示されるように、未完成の集積回路デバイス310が、その上に適当な
組織化された構造314を形成された適当な基板312を含む。組織化された構造314
の形成は、任意の適当な形成または製造順序によることができる。結果として形成された
組織化された構造314は、組織化された構造314の本体内の組織化された構造314
の上側領域318から、基板312に近接した場所まで延在する少なくとも1つの幾何学
的な凹所316を有する。
【0045】
図3A、図3B、図3Cおよび図3Dに示されるような実施形態では、電子デバイス3
10は、簡単に図示するためにデバイスの大部分を包囲する少なくとも1つの幾何学的な
凹所316を有するように示される。幾何学的な凹所316は、完成した電子デバイスの
ために望ましい、あるいは必要とされる任意の適当なサイズおよび/または構成を有する
ことができることは理解されたい。必要に応じて、または電子デバイスの最終的な用途に
よって決定されるように、多数の凹所316が構成される場合もある。典型的には、幾何
学的な凹所316は、少なくとも1つの側壁構造320と、それと連続して配置される床
構造322とを有するであろう。
【0046】
図3Aに示されるように、製造中の電子デバイス310は、床322のような幾何学的
な凹所316の適当な構造に実装される適当な微小電気機械デバイス324も含む。微小
電気機械デバイス324は、その微小電気機械デバイス324と、デバイス310上に存
在するか、またはデバイスから遠隔して存在する他の素子と結合し、電気的に接続する適
当なワイヤボンディング326を有することができる。
【0047】
本明細書に開示されるように、少なくとも1つの閉鎖されたチャンバを形成するための
方法は、その上に微小電気機械デバイス324を既に配置されている、予め構成された未
完成の集積回路デバイス310を利用することを考えている。またその方法は、形成工程
の一部として、微小電気機械デバイス324が集積回路デバイス構造上に配置されること
ができるような工程も考えている。微小電気機械デバイス324の集積回路デバイス構造
への実装または配置は、任意の適当な方法によることができる。
【0048】
図3Bに示されるように、基板312内に適当なバイア、オリフィスまたはアクセスポ
ート328、330が準備されることができる。図に示されるように、バイア328、3
30は、基板312の下面332から延在し、幾何学的な凹所316の床322において
終端する。バイア328、330は、適当な充填材料で一時的に、または永久に満たされ
ることができる。
【0049】
そのようなバイア328、330はオプションと考えられることができることは理解さ
れたい。バイア328、330は、コア材料を後に除去するために、および/または最終
的に形成されることになるチャンバ内の材料を置き換えるために、幾何学的な凹所316
の内部に適当にアクセスできるようにする。しかしながら、形成されることになるチャン
バ内にコア材料が残されることになる状況では、そのようなアクセスポート328、33
0は省かれる場合もある。
【0050】
コア材料334の導入は、凹所316内の全てのエリア内に効率的に材料を導入できる
ようにする任意の適当な方法によって行うことができる。その材料は、幾何学的な開口部
316の上面を含む任意の適当な開口部を通して、または反対側から導入する手順の場合
にはオリフィス328、330を通して導入されることができる。最適な材料は異なる場
合があり、組織化された構造314内の材料、ならびにその中に存在する任意の微小電気
機械デバイス324およびワイヤボンディング326に適合する材料を用いることができ
る。コア材料334は、幾何学的な凹所316の幾何学的形状に合致し、少なくとも一時
的な支持構造を提供する。適当なコア材料334は、限定はしないが、低融点の蝋、ナフ
タレン、ナフタレン誘導体、アクリルモノマー、アクリルポリマー、樟脳、樟脳誘導体、
カンフィン酸ポリマー、ポリエステルおよび/またはその混合物を含む。適当な材料が液
体状態で幾何学的な凹所316内に導入されることができ、温度変化、架橋などによって
固化させることができる。
【0051】
コア材料334を追加する結果として、幾何学的な凹所316が充填される。コア材料
334は、固化するとき、外側表面336を提供する。図3Bに示されるように、コア材
料334は、幾何学的な凹所316を包囲する組織化された構造314の上側表面318
から溢れるか、またはその上に重なるように追加されることができるものと考えられる。
このようにして、十分な材料を導入し、一面を覆う付加的な表面を準備することができる

【0052】
図3Cに示されるように、コア材料334の外側表面336の準備は、上に重なる層を
後に堆積するのに相応しい公差を有する表面を設けるために、矯正加工、平削りなどの作
業を含むことができると考えられる。こうして、光伝達または透過が要求される状況では
、コア材料334の外側表面336は、上に重なる層の内側表面のために相応しい品質を
得るように平削りまたは矯正加工されるものと考えられる。図3Cでは、外側表面336
は、周囲の組織化された構造314の上側表面318に合致するように矯正加工される。
【0053】
図3Dに示されるように、コア材料334の適当な表面が準備された後に、上に重なる
上層338が、組織化された構造314、基板312、およびコア材料334の外側表面
336に重なるように堆積されることができる。上に重なる、外側の上層338の堆積は
、組織化された構造314の上側表面318と外側層338の下側表面340とが封止さ
れた状態で係合できるようにする任意の工程によって達成されることができる。そのよう
な工程の一例は、コーティングおよびレンズ作製において用いられるようなスピンボンデ
ィングおよび硬化を含む。
【0054】
図3Dから理解できるように、外側層338の下側表面340は、結合される領域、お
よびコア材料334の上側表面336と接触する領域を通して、それらの領域と概ね合致
し、連続することができる。
【0055】
電子デバイス310の最終的な用途に応じて、図3Dに示されるように、コア材料33
4を除去して、チャンバ350を形成することができる。チャンバ350は気密封止され
ることができる。所望により、または必要に応じて、チャンバ350には異なる材料が導
入されることができる。代わりの材料が用いることが望ましい場合、コア材料334は流
体化し、開口されたオリフィス328、330を通して与えられる真空または不活性ガス
を用いることによりパージングされることができるものと考えられる。流体化は、アセン
ブリまたはその限られた領域を加熱することを含む適当な手段によって達成されることが
できる。また、パージング工程に加えて、またはその代わりに、種々の溶媒を用いること
ができるものと考えられる。限定はしないが、そのような溶媒の例は、キシレン、ブチル
アセトン、シクロペンタノン、アニソール、ヘキサン、シクロヘキサン、メチルイソブチ
ルケトン(MIBK)などを含む。また、所望により、または必要に応じて、種々の水性
アルコール混合物を用いることができるものと考えられる。
【0056】
また、図4Bに示されるように、コア材料334の代わりに、適当に機能する液体また
は気体352を用いることができるものと考えられる。図4Aおよび図4Bを合わせて参
照すると、上側層(一実施形態では、光学品質層)338を付加されたデバイス310は
、チャンバ350を形成するためにコア材料334を吸い出されることができ、チャンバ
は光学品質層338および幾何学的な凹所316(図3Dに示される)によって画定され
る。一旦、コア材料334が除去されたなら、所望により、または必要に応じて、バイア
328、330を通して、誘電性流体または適当な気体352のような適当な流体が、画
定されたチャンバ350内に導入されることができる。所望により、または必要に応じて
、開口部328、330が充填材口挿入物342、348で封止されることができ、デバ
イス310を使用する準備ができる。
【0057】
本明細書に開示されるデバイスは、適当なディスプレイ装置とともに用いられることが
できる。1つの限定しない例は、図5に示されるようなデバイス内で利用される空間光変
調器である。図5は、本明細書に示されるようなMEMSデバイス502を用いる画像投
影システム500の概略図である。MEMSデバイス502の1つの限定しない例はマイ
クロミラーデバイスである。図5では、光源504からの光が、第1の光路上で誘導され
、レンズ506によってMEMSデバイス502上に合焦する。単一のレンズとして示さ
れるが、レンズ506は通常、光源504からの光をMEMSデバイス502上に協動し
て合焦し、誘導する一群のレンズ、積分器およびミラーである。コントローラ514から
の画像データおよび制御信号が、各MEMSデバイス502に関連付けられる適当なSR
AMセル、DRAMセルなどに書き込まれる。これらの関連するセル内のデータによって
、MEMSデバイス502のいくつかが作動して、「オン」位置になるであろう。「オン
」位置では、光が第2の光路に誘導される。「オフ」または静止位置にあるMEMSデバ
イス502内のセルは光を、光トラップ508内に、第2の光路から離れるように誘導す
ることができる。
【0058】
投影システム500は、選択的に誘導された光を分解するために、第2の光路上に少な
くとも1つの素子510を備えることができる。そのような素子510の1つの限定しな
い例は投影レンズである。図5には単一の素子510が示されるが、多数の素子が用いら
れることができるものと考えられる。図に示されるように、投影レンズは、デバイス50
2によって第2の光路に誘導された光を、1つの画像面または画面512上に合焦する。
【0059】
いくつかの実施形態が詳細に説明されてきたが、開示される実施形態が変更されること
ができることは当業者には明らかであろう。それゆえ、これまでの説明は限定するもので
はなく、例示であると見なされるべきである。
【符号の説明】
【0060】
310 電子デバイス
316 幾何学的な凹所
322 床
324 微小電気機械デバイス
326 ワイヤボンディング
328、330 バイア
500 画像投影システム
502 MEMSデバイス
504 光源
506 レンズ
508 光トラップ
510 素子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子デバイス内にチャンバを形成するための方法であって、
固化したコア材料上に外側表面を準備するステップであって、該固化したコア材料は基
板内に形成される凹所内にあるようにしたステップと、
前記固化したコア材料の前記準備された外側表面、および前記凹所を包囲する前記基板
の一部の上に層を配設するステップであって、該配設された層および前記基板はチャンバ
を画定するステップを含む、電子デバイス内にチャンバを形成するための方法。
【請求項2】
前記コア材料は二機能性材料であり、該二機能性材料は、第1の温度において固化した
状態を示し、該第1の温度よりも高い第2の温度において流体化した状態を示す、請求項
1に記載の方法。
【請求項3】
前記外側表面を準備する前に、前記方法はさらに、温度変化、重合および架橋のうちの
少なくとも1つによって前記コア材料を固化させることを含み、前記層を配設した後に、
前記方法はさらに、前記チャンバ内に収容される前記固化したコア材料を流体化したコア
材料に変換することを含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記凹所内に少なくとも1つの微小電気機械デバイスを配置するステップであって、前
記外側表面を準備する前に行われるステップと、
前記凹所内に、前記コア材料と前記凹所とが互いに合致するように前記コア材料を導入
するステップであって、前記固化させる前に行われるステップとをさらに含む、請求項3
に記載の方法。
【請求項5】
集積回路デバイスであって、
基板と、
封止された状態で重なるように前記基板に固着する層であって、前記基板および該層の
うちの少なくとも一方はその中に凹所を画定され、前記基板および該層はチャンバを画定
する、層と、
前記チャンバ内に配置される微小構造または微小電気機械デバイスと、
前記チャンバ内に存在する二機能性コア材料であって、該二機能性コア材料は第1の条
件において固化した状態を示し、第2の条件において流体化した状態を示す、二機能性コ
ア材料とを含む、集積回路デバイス。
【請求項6】
集積回路デバイスであって、
前記流体化した状態の前記二機能性コア材料が前記チャンバから除去されるようになる
ように、前記二機能性コア材料は前記流体化した状態において十分な流動性を示す、請求
項5に記載の集積回路デバイス。
【請求項7】
集積回路デバイスであって、
前記二機能性コア材料が前記流体化した状態にあるとき、前記二機能性コア材料は前記
微小電気機械デバイスが最適に動作するのを助けるように、光変調および修正屈折率のう
ちの少なくとも1つを含む特性を有する、請求項5または6に記載の集積回路デバイス。
【請求項8】
光微小電気機械デバイスを形成するための方法であって、
二機能性コア材料を基板内に画定される空洞に導入するステップ、および
前記二機能性コア材料および前記基板の上に層を配設するステップであって、該層およ
び前記基板は、その間に封止されたチャンバを画定するステップを含む、光微小電気機械
デバイスを形成するための方法。
【請求項9】
前記二機能性コア材料は少なくとも2つの物理的状態を有し、該2つの物理的状態は少
なくとも、第1の条件において固化した状態と、第2の条件において流体化した状態とを
含み、該第1および第2の条件は第1および第2の温度であり、該第2の温度は該第1の
温度よりも高く、前記二機能性コア材料は少なくとも該第2の温度と同程度の温度で導入
され、前記配設するステップは、前記二機能性コア材料が前記固化した状態にある間に行
われる、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
ディスプレイ装置であって、
1つの光路に沿って光のビームを与えるための光源と、
画像データ信号に応答して、前記光のビームの一部を第2の光路に沿って選択的に反射
させるために前記光路上にあるデバイスと、
前記光路デバイス上にある前記デバイスに前記画像データ信号を与えるためのコントロ
ーラと、
前記選択的に反射された光を1つの画像として解像するために、前記第2の光路上にあ
る少なくとも1つの素子とを備え、
光を選択的に反射させるための前記デバイスは、
基板と、
前記基板からある間隔の距離に配置される上側基板層であって、前記基板および該上側
基板層はチャンバを画定し、該上側基板層および前記基板のうちの少なくとも一方は光学
的に透過性である、上側基板層と、
前記チャンバ内に支持される少なくとも1つの微小電気機械デバイスとを備える、ディ
スプレイ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−88568(P2009−88568A)
【公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−4682(P2009−4682)
【出願日】平成21年1月13日(2009.1.13)
【分割の表示】特願2005−85289(P2005−85289)の分割
【原出願日】平成17年3月24日(2005.3.24)
【出願人】(503003854)ヒューレット−パッカード デベロップメント カンパニー エル.ピー. (1,145)
【Fターム(参考)】