電子ブック
【課題】
複数の表示画面を有する電子ブックを提供することを目的とする。
【解決手段】
内部表示画面を複数備える電子ブックは、少なくともページごとに対応づけられた本文データを含む書籍データを取り込む書籍データ取込部と、取り込んだ書籍データを記憶する書籍データ記憶部と、内部表示画面に対して、それぞれページごとの本文データの表示制御を実行する表示制御処理部と、開かれているページを特定する開ページ情報特定部と、開ページ情報特定部で特定された開ページ情報を記憶する開ページ情報記憶部と、を有しており、表示制御処理部は、本文データを内部表示画面に表示する際に、開ページ情報記憶部に記憶する開ページ情報に基づいて、その開ページ情報より所定量だけ少ないページに対応づけられた本文データから順に、内部表示画面にそれぞれ表示する、電子ブックである。
複数の表示画面を有する電子ブックを提供することを目的とする。
【解決手段】
内部表示画面を複数備える電子ブックは、少なくともページごとに対応づけられた本文データを含む書籍データを取り込む書籍データ取込部と、取り込んだ書籍データを記憶する書籍データ記憶部と、内部表示画面に対して、それぞれページごとの本文データの表示制御を実行する表示制御処理部と、開かれているページを特定する開ページ情報特定部と、開ページ情報特定部で特定された開ページ情報を記憶する開ページ情報記憶部と、を有しており、表示制御処理部は、本文データを内部表示画面に表示する際に、開ページ情報記憶部に記憶する開ページ情報に基づいて、その開ページ情報より所定量だけ少ないページに対応づけられた本文データから順に、内部表示画面にそれぞれ表示する、電子ブックである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電子ブックに関する。さらに詳細には、複数の表示画面を有する電子ブックに関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータ技術の発達に伴い、書籍を電子化することが行われている。これは、書籍のデータを、電子ブックという表示端末にダウンロードし、当該電子ブックの表示面で書籍のデータを表示することで、ユーザは読書が可能となる。
【0003】
電子ブックには大別すると2つの形態があり、一つの表示画面で書籍のデータを表示するもの、複数の表示画面をあたかもページとして用いることで書籍のデータを表示するものがある。前者の一例として、たとえばアマゾンドットコム社が販売するキンドル(kindle)がある。また後者の例として、下記特許文献1乃至特許文献4に記載の電子ブックがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−175767号公報
【特許文献2】特開2007−293365号公報
【特許文献3】特開2007−41624号公報
【特許文献4】特開2006−3906号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
複数の表示画面で書籍のデータを表示する電子ブックの場合、ユーザは、通常の書籍と同様に表示画面をページのようにめくることが出来る。そのため、書籍を読んでいるのと同様の感覚を得られ、一つの表示画面で表示する電子ブックよりも違和感が生じにくい利点がある。
【0006】
しかしながら、複数の表示画面を備える電子ブックの場合、如何にユーザが読みやすい表示を行うかが問題となる。たとえば通常の書籍と同様のページ数の表示画面を備える場合には、その重量などが問題となることから現実的ではない。しかし表示画面の数を減らした場合には、どの表示画面にどのタイミングでどのページの書籍データを表示したらよいのかを考慮しなければならないが、従来の電子ブックではこの点についてあまり考慮されていない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで本願発明者は、上記問題点に鑑み、複数の表示画面を備えた電子ブックのユーザが読みやすくなるように配慮した電子ブックを発明した。
【0008】
第1の発明は、内部表示画面を複数備える電子ブックであって、前記電子ブックは、少なくともページごとに対応づけられた本文データを含む書籍データを取り込む書籍データ取込部と、前記取り込んだ書籍データを記憶する書籍データ記憶部と、前記内部表示画面に対して、それぞれページごとの本文データの表示制御を実行する表示制御処理部と、開かれているページを特定する開ページ情報特定部と、前記開ページ情報特定部で特定された開ページ情報を記憶する開ページ情報記憶部と、を有しており、前記表示制御処理部は、前記本文データを前記内部表示画面に表示する際に、前記開ページ情報記憶部に記憶する開ページ情報に基づいて、その開ページ情報より所定量だけ少ないページに対応づけられた本文データから順に、前記内部表示画面にそれぞれ表示する、電子ブックである。
【0009】
たとえばユーザが通勤途中などの場合、読書が中断することがある。その場合、前に読んだ内容を失念することもあり、従来の電子ブックの場合、その確認が難しかった。そこで本発明のように構成することで、ユーザが読書を再開する場合に、前に読んだ内容を読み返しながら、読書を進めることが可能となる。
【0010】
上述の発明において、前記電子ブックは、さらに、内部表示画面とそこに表示している本文データに対応するページ情報とを記憶する表示画面・ページ対応情報記憶部、を有しており、前記表示制御処理部は、さらに、前記開ページ情報特定部において前記表示画面・ページ対応情報記憶部を参照することで所定の内部表示画面が開かれていることを判定すると、または、ページ更新の情報の入力を受け付けたことを判定すると、前記表示画面・ページ対応情報記憶部を参照することで、開いている内部表示画面よりも前に位置する一部または全部の内部表示画面を更新対象として、最後の本文データ表示画面に表示されているページまたはその次の値のページから、更新対象となる内部表示画面の数に相当するページ数分の本文データを、前記書籍データ記憶部から抽出し、抽出した各ページの本文データを、更新対象とした内部表示画面から順に表示することで、本文データの表示の更新を行う、電子ブックのように構成することも出来る。
【0011】
また、前記表示制御処理部は、さらに、前記更新対象とした内部表示画面について、表示する本文データを更新したあと、最初の内部表示画面が表示されたことを開ページ情報特定部が判定すると、または、ページ更新の情報の入力を受け付けたことを判定すると、未更新の内部表示画面を新たな更新対象として、前記表示画面・ページ対応情報記憶部を参照することで、すでに更新を行った内部表示画面のうち最後の内部表示画面に対応するページの次のページから、前記新たに更新対象とした内部表示画面の数に相当するページ数の本文データを、前記書籍データ記憶部から抽出し、抽出した各ページの本文データを、前記新たに更新対象とした内部表示画面から順に表示することで、本文データの表示の更新を行う、電子ブックのように構成することも出来る。
【0012】
一つの画面しかない電子ブックとは異なり、複数の表示画面をページのように備えている電子ブックの場合には、どのタイミングでページを更新するかがポイントとなる。そこで、本発明のように構成することで、ページを更新することが可能となり、ユーザが最後の表示画面まで読み進んだとしても、最初の表示画面に戻って、違和感なく読書を進めることが出来る。
【0013】
上述の発明において、前記表示制御処理部は、さらに、本文データの表示の更新処理を行うことの入力を受け付けると、すべての内部表示画面を更新対象として、前記開ページ情報記憶部に記憶する開ページ情報またはその次の値のページから更新対象とした内部表示画面の数に相当するページ数分の本文データを、前記書籍データ記憶部から抽出し、抽出した各ページの本文データを、最初の内部表示画面から順に表示することで、本文データの表示の更新を行う、電子ブックのように構成することも出来る。
【0014】
表示画面の表示を更新する方法として、本発明のように行うことも可能である。
【0015】
上述の発明において、前記開ページ情報記憶部には、さらに、前記開ページ情報に対応づけて日時情報が記憶されており、前記表示制御処理部は、前記本文データを前記内部表示画面に表示する際に、前記開ページ情報記憶部に記憶する開ページ情報に対応づけられた日時情報と現在の日時情報とを比較し、その比較結果に応じて、前記開ページ情報より前のページに対応づけられた本文データから順に、前記内部表示画面にそれぞれ表示する、電子ブックのように構成することも出来る。
【0016】
前回読んだときから時間が経過すればするほど、内容を失念している量が多くなる。そうすると、それだけ読み返す量を多くした方が好ましい。そこで本発明のように構成することで、その時間経過に応じて、読み返す量を自動的に調整することが可能となる。
【0017】
上述の発明において、前記書籍データには、さらに目次データが含まれており、前記表示制御処理部は、さらに、前記書籍データ記憶部から前記目次データを抽出し、抽出した目次データを、所定の内部表示画面に表示する、電子ブックのように構成することも出来る。
【0018】
上述の発明において、前記書籍データには、さらに人物データが含まれており、前記表示制御処理部は、さらに、前記書籍データ記憶部から前記人物データを抽出し、抽出した人物データを、所定の内部表示画面に表示する、電子ブックのように構成することも出来る。
【0019】
上述の発明において、前記書籍データには、さらに、本文データの文章単位ごとのあらすじデータが含まれており、前記表示制御処理部は、さらに、前記開ページ情報記憶部に記憶する開ページ情報に基づいて、開ページ情報が対応する文章単位を特定し、前記特定した文章単位に対応するあらすじデータを前記書籍データ記憶部から抽出し、抽出したあらすじデータを、所定の内部表示画面に表示する、電子ブックのように構成することも出来る。
【発明の効果】
【0020】
本発明の電子ブックによって、従来の電子ブックよりも読みやすい電子ブックとなる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の複数の表示画面を備えた電子ブックの全体の構成を模式的に示す図である。
【図2】本発明の複数の表示画面を備えた電子ブックに、ダウンロードドックを用いてコンピュータから書籍データを読み込む状態を模式的に示す図である。
【図3】書籍データのデータ構造の一例を模式的に示す図である。
【図4】外部表示画面に表紙データが、表示画面に本文データが表示されている場合の一例を模式的に示す図である。
【図5】制御部および記憶部の処理機能を模式的に示す概念図である。
【図6】本発明の複数の表示画面を備えた電子ブックにおける処理プロセスの一例を模式的に示すフローチャートである。
【図7】開いている内部表示画面を検出する場合の一例を模式的に示す図である。
【図8】開ページ情報記憶部に記憶される開ページ情報のデータ構造の一例を模式的に示す図である。
【図9】表示画面・ページ対応情報記憶部に記憶される情報のデータ構造の一例を模式的に示す図である。
【図10】開ページ情報のデータ構造の一例を模式的に示す図である。
【図11】本文データの更新後の表示画面・ページ対応情報記憶部に記憶される情報のデータ構造の一例である。
【図12】本文データ更新後の表示画面・ページ対応情報記憶部に記憶される情報のデータ構造の一例である。
【図13】電子ブックにメモリカードスロットを設けた場合の一例を模式的に示す図である。
【図14】表示更新ボタンを設けた場合の電子ブックの一例を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の複数の表示画面を備えた電子ブック1(以下、「電子ブック1」という)の全体の構成を図1に模式的に示す。
【0023】
電子ブック1は、通常の書籍と同様の形状の筐体7を備えており、筐体7の外側表面には書籍データのうち表紙に関するデータなどを表示可能な外部表示画面が取り付けられており、筐体7の内側には、通常の書籍のページに相当する、書籍データのうち本文などのデータを片面または両面に表示可能な、複数の内部表示画面2とを備えている。この表示画面は、それぞれいわゆる電子ペーパーである。電子ペーパーとは、紙のような感覚で利用可能な、柔らかい素材の極薄の表示装置であって、その表示装置で表示させる表示内容を、電気、磁気または熱により変化させることが可能な表示装置である。また電力を供給しない状態であっても、表示装置に表示する表示内容は固定的に表示可能である。
【0024】
電子ペーパーにはいくつかの方法があるが、ツイストボール方式、電気泳動方式、磁気泳動方式、電子噴流体方式、帯電トナー型表示方式、液晶表示方式、電解析抽出方式、エレクトロクロミック方式、フィルム移動方式、干渉制御方式、有機EL方式、ロイコ染料による発色・消色方式、透明白濁型リライタブル方式などによるものがあるが、それらに限定されず、如何なる方式であっても良い。
【0025】
電子ブック1の筐体7の背部分には複数の表示画面が取り付けられており、後述する制御部10、記憶部30とデータの送受信が可能となっている。この取付方にはさまざま方法があり、如何なる方法を用いることも可能である。たとえば背の内側部分と内部表示画面2の一辺縁部とが固定的に取り付けられていても良いし、背部分の内側(筐体7の内側)に開閉可能なリング部を設け、そのリング部に、内部表示画面2に設けられた孔部を通すことで、バインダーのように内部表示画面2の取り外しを可能としても良い。この場合、各内部表示画面2は、背の部分(後述する制御部10、記憶部30など)と通信線で結線されることなどによりデータの送受信が可能となる。
【0026】
また、各表示画面(両面に表示可能な場合には各面それぞれ)が識別可能なように、それぞれ識別情報が付されている。電子ブック1の筐体7における背部分には、制御部10、記憶部30および後述するダウンロードドック4への接続機構を備えている。すなわち電子ブック1の背部分の筐体7内部に制御部10、記憶部30などが備えられている。なお制御部10、記憶部はそれぞれ演算装置、記憶装置として実現されていることが好ましく、制御部10における機能はソフトウェア的に実現されていても良い。
【0027】
電子ブック1は、図1に示すダウンロードドック4と接続可能であり、電子ブック1の背部分に設けられた接続機構と、ドックの接続機構とが接続することで、ドックを介してコンピュータから書籍データの取込が可能である。ダウンロードドック4と接続した電子ブック1が、コンピュータから書籍データを取り込む状態を模式的に示す図を図2に示す。ダウンロードドック4は有線または無線によりコンピュータと通信が可能であり、書籍データの配信サーバからダウンロードした書籍データを、有線または無線により、電子ブック1に送信する。たとえば、USB接続を行うことで、電力が電子ブック1にもコンピュータから供給される。また表示画面は電子ペーパーであるので、電力がなくてもその表示を維持することが出来る。従って、図1のような形態をとることで、電子ブック1に電源を備えない構成とすることも出来る。ただしページ数が多い書籍データの場合には、ページの更新処理を行う必要があることから、電子ブック1に小型電池などの電力供給装置を電源として備えていても良い。
【0028】
またダウンロードドック4を設けずとも、筐体7にUSB接続端子を設け、コンピュータに接続したUSBケーブルの接続端子を、筐体7のUSB接続端子に挿入することで、当該USBケーブルを介してコンピュータから書籍データを取り込んでも良い。
【0029】
なお電子ブック1に、赤外線通信やブルートゥース(2.4GHz帯の電波を使用した無線通信)などの通信機能を備えることで、無線通信により、書籍データの配信サーバから、直接、書籍データをダウンロード可能とするように構成することも可能である。また、電子ブック1の筐体7にメモリカードスロット5を設けることで、半導体メモリに記憶された書籍データを読み込むように構成することも可能である。この場合の電子ブック1を図13に模式的に示す。
【0030】
書籍データは書籍の内容を示すデータであって、本文データ、目次データ、あらすじデータ、人物表示データ、表紙データなど、通常の書籍に対応する各データから構成されている。本文データは、書籍における本文のデータであって、ページごとに対応づけられている。従って、内部表示画面2ではページごとに本文データが表示されることとなる。なお本文データには挿絵の画像(静止画、動画を問わない)、音声データなどが含まれていても良い。書籍データのデータ構造の一例を図3に模式的に示す。
【0031】
目次データとは書籍の目次のデータである。あらすじデータとは、予め定められた文章単位、たとえば章ごとなどの単位ごとのあらすじのデータである。あらすじデータについては書籍データに含めずとも、電子ブック1の制御部10で自動的にあらすじを生成しても良い。人物表示データとは、登場人物に関するデータ、たとえば登場人物に関する説明、相関図などである。表紙データとは、電子ブック1の外部表示画面3に表示するデータであって、主にタイトル、著作者名、出版社名(発行社名)などが含まれる。また装丁の画像データが含まれていても良い。図4に、外部表示画面3に表紙データが、内部表示画面2に本文データが表示されている場合の一例を模式的に示す。
【0032】
制御部10及び記憶部の処理機能の一例の概念図を模式的に図5に示す。制御部10は、書籍データ取込部11と表示制御処理部12と開ページ情報特定部13とページめくり検出部14とを有している。
【0033】
なお、本発明における各手段は、その機能が論理的に区別されているのみであって、物理上あるいは事実上は同一の領域を為していても良い。
【0034】
書籍データ取込部11は、ダウンロードドック4やメモリカードスロット5、USB接続端子などを介して、コンピュータや半導体メモリなどの記憶装置から、書籍データを取り込む手段である。書籍データ取込手段が取り込んだ書籍データは、後述する書籍データ記憶部31に記憶する。
【0035】
表示制御処理部12は、外部表示画面3や、書籍データの本文データなどの内容を表示する内部表示画面2についての表示制御の処理を実行する手段である。たとえばユーザが電子ブック1を開いたことを検出すると、表示開始ページとして設定されているページに対応する本文データから順番に、各ページに対応する本文データを各内部表示画面2にそれぞれ表示する。その後、表示画面を更新する入力を受け付ける、または最後(あるいは所定)の内部表示画面2が表示されたことを特定すると、その次のページに対応する本文データから順に、各内部表示画面2に順番に表示する。
【0036】
開ページ情報特定部13は、現在、開かれている内部表示画面2を検出することで、ユーザが読んでいるページを特定する手段である。開かれている内部表示画面2の検出方法にはさまざまな方法があるが、たとえば、所定時間における2つの内部表示画面2の角度αをそれぞれ検出し、もっとも角度が広い2つの内部表示画面2が開かれている内部表示画面2であると判定することが出来る。図7にその状態の一例を模式的に示す。
【0037】
ほかの方法としては、内部表示画面2に外部の明るさを検出するセンサーを設けることで明るさを検出し、所定時間における明るさの値が高い隣り合う2つの内部表示画面2を、開かれている内部表示画面2として検出することも出来る。あるいは、内部表示画面2に、重さを検出するセンサーを設けることで、所定時間におけるその内部表示画面2にかかっている重さを検出し、その値が少ない隣り合う2つの内部表示画面2を、開かれている内部表示画面2として検出することも出来る。なおこれ以外の方法によって検出しても良い。
【0038】
開ページ情報特定部13は、上記で検出した、開いている内部表示画面2の情報に基づいて、表示画面・ページ対応情報記憶部33を参照することで、当該開いている内部表示画面2で表示しているページの情報(開ページ情報)を特定し、それを開ページ情報記憶部32に記憶させる。
【0039】
なお上述の説明では、開かれている内部表示画面2を自動的に検出することで、開かれているページを自動的に特定する方法を説明したが、「しおり」のように、ユーザが現在読んでいるページ情報の入力をユーザから受け付けることで、その入力を受け付けたページを開ページ情報として特定しても良い。この場合、ページ番号そのものの入力のほか、ページの所定箇所をタッチする、「しおり」などの所定のボタン等を押下するなどであっても良い。
【0040】
ページめくり検出部14は、内部表示画面2がめくられたことを検出する手段である。ページがめくられたことの検出にはさまざまな方法があるが、開ページ情報記憶部32で記憶した開ページ情報の値が更新された場合に、内部表示画面2がめくられたことを検出できる。またこれ以外の方法によってそれを検出しても良い。
【0041】
記憶部30は書籍データ記憶部31と開ページ情報記憶部32と表示画面・ページ対応情報記憶部33とを有している。
【0042】
書籍データ記憶部31は、図3に示すような書籍データを記憶する。
【0043】
開ページ情報記憶部32は、開ページ情報特定部13で特定した、ユーザが読んでいるページ、すなわち現在、開かれているページを開ページ情報として記憶している。図8に開ページ情報記憶部32の一例を模式的に示す。図8の場合、開ページ情報として「25」、「26」が記憶されているので、25ページ、26ページが現在開かれている、すなわちユーザは、25ページ、26ページに対応する本文データを読んでいることが分かる。なお、開ページ情報として、ページそのものではなく、ページに対応づけられる情報であれば、開ページ情報として如何なる情報であっても良い。
【0044】
表示画面・ページ対応情報記憶部33は、内部表示画面2で、書籍データの何ページに対応する本文データを表示しているかを対応づけて記憶している。図9に表示画面・ページ対応情報記憶部33の一例を模式的に示す。
【0045】
図9の場合、内部表示画面2の数が10あり(つまり10ページ)、それぞれ識別情報として「1」(内部表示画面21)から「10」(内部表示画面210)が与えられている。そして、内部表示画面21には書籍データにおける22ページの本文データが、内部表示画面22には書籍データにおける23ページの本文データが、内部表示画面23には書籍データにおける24ページの本文データが表示されていることを示している。
【実施例1】
【0046】
次に本発明の電子ブック1における処理を、図6のフローチャートなどを用いて説明する。
【0047】
本発明の電子ブック1を用いて読書を行うユーザは、まずその書籍データを電子ブック1に取り込む必要がある。そこで、たとえばユーザが利用するコンピュータや半導体メモリなどに、書籍データの配信を行う配信サーバから所望の書籍データをダウンロード、記憶させる。
【0048】
そして電子ブック1の筐体7の背部分にダウンロードドック4を接続する、あるいは半導体メモリを電子ブック1の筐体7の所定位置に設けられたメモリカードスロット5に挿入するなどして、電子ブック1に当該書籍データを取り込む。あるいは、ダウンロードドック4の代わりに、電子ブック1の筐体7に設けられたUSB接続端子(図示せず)にUSBケーブルを接続することで、コンピュータとデータの送受信を可能とし、書籍データを電子ブック1に取り込んでも良い。
【0049】
すなわち制御部10における書籍データ取込部11が、たとえばダウンロードドック4を介してコンピュータから書籍データを取り込み、それを記憶部30における書籍データ記憶部31に記憶させる(S100)。または書籍データ取込部11は、メモリカードスロット5に挿入された半導体メモリから書籍データを取り込み、それを記憶部30における書籍データ記憶部31に記憶させる(S100)。なお半導体メモリに書籍データが記憶されている場合には、書籍データ記憶部31として半導体メモリをそのまま利用しても良い。
【0050】
書籍データを読み込んだ後、表示制御処理部12は、書籍データにおける表紙データを読み込み、外部表示画面3に表示を行う。これによって、表示用表示画面に、書籍のタイトル、作者名などが表示される。なお、外部表示画面3に表紙データを表示させるかは設定が可能であって、表示しないように設定を行うことも出来る。これによって、ほかの人からどんな本を読んでいるのかを分からなくすることが出来る。
【0051】
以上のようにして電子ブック1の書籍データ記憶部31に書籍データを記憶させると、電子ブック1で読書が可能な状態となる。そこで、ユーザは電子ブック1を開く(S110)。なおここで「電子ブック1を開く」とは、電子ブック1を物理的に開いても良いし、電子ブック1に設けられた所定の電源ボタンを押下するなどによって、使用可能状態にすることであっても良い。
【0052】
ユーザが電子ブック1を開くと、表示制御処理部12は、前回、開いていた開ページ情報のうち小さい値(または大きい値)から所定量だけ少ない値を表示開始ページとして判定する(S120)。たとえば、開ページ情報記憶部32に記憶している開ページ情報として「25ページ」が記憶されており、所定量として「3ページ」である場合、表示開始ページとして22ページ(=25−3)として判定する。なお表示開始ページとは、最初の内部表示画面2、すなわち内部表示画面21に表示される本文データに対応するページである。
【0053】
開ページ情報記憶部32に記憶されている開ページ情報は、現在開いているページ、または、新たに電子ブック1を開く場合には、前回、電子ブック1を開いていた状態において最後にユーザが開いていたページを示す情報である。そのため、ユーザは当該ページ(上述の例では25ページ)を読んでいる。しかし当該ページについて、読み途中であることや、時間経過によって、内容を失念してしまう可能性もある。そのため、開ページ情報から所定量だけ減らした値、すなわち前回、最後に開いていたページから所定量だけ前のページから表示を行うことによって、ユーザは少し読み返しをすることが可能となる。
【0054】
なおこの所定量は、ユーザによって適宜、設定が可能である。また、開ページ情報に対応づけて日時情報(前回、当該ページに対応する本文データを表示した内部表示画面2が開かれた日時情報)が記憶されている場合には、その日時情報(前回開いた日時情報)と現在の日時情報とを比較し、その間隔によって、所定量を変化させても良い。たとえば現在の日時情報が2009年11月10日20時5分30秒であり、前回の日時情報が2009年11月10日8時23分15秒であった場合(同日の場合)には、所定量として1ページとし、前回の日時情報が2009年11月9日21時21分41秒であった場合(1日前の場合)には、所定量として3ページとし、前回の日時情報が2009年11月3日12時39分45秒であった場合(1週間前の場合)には、所定量として7ページとするなど、現在の日時情報と前回の日時情報との差に応じて所定量を判定し、それによって表示開始ページを判定しても良い。
【0055】
人間は時間がたつと書籍の内容を失念することがよくある。そのため、このように、現在の日時情報と前回の日時情報との差に応じて所定量を変化させることで、時間経過による失念に対応して、読み返しの量を変化させることが出来、ユーザの利便性が高まる。
【0056】
なお、所定量の最大値が内部表示画面2の数であることが好ましいが、内部表示画面2の数を超えても良い。この場合には、すべての内部表示画面2で、一度、読んだ本文データが表示されることとなる。
【0057】
また、開ページ情報記憶部32に記憶する開ページ情報が初期値の場合、まだ読んでいないことを意味する。その場合には所定量を減らすのではなく、そのまま1ページを表示開始ページとして判定する。また所定量を減算したら負または0になる場合には、表示開始ページとして1ページとして判定する。
【0058】
以上のようにして表示開始ページを判定すると、表示制御処理部12は、表示開始ページから順に、内部表示画面2に、書籍データ記憶部31に記憶する本文データの表示を行う(S130)。
【0059】
表示制御処理部12は、たとえばS120において、開ページ情報が25ページ、26ページであった場合、このうち小さい値(または大きな値)、25ページから所定値(=3)を減算し、表示開始ページとして22ページを判定する。そして、電子ブック1における内部表示画面2の数が10である場合、内部表示画面21には表示開始ページである22ページに対応する本文データを書籍データ記憶部31から抽出して表示し、内部表示画面22には23ページに対応する本文データを書籍データ記憶部31から抽出して表示し、内部表示画面23には24ページに対応する本文データを書籍データ記憶部31から抽出して表示する。以上のようにして、表示制御処理部12は、内部表示画面21から内部表示画面210まで、表示開始ページから順に対応するページ(22ページから31ページ)の本文データを、書籍データ記憶部31から抽出して表示する。これによって、ユーザは、各内部表示画面2を見ることで、22ページから31ページまでの読書が可能となる。なお、図9には、内部表示画面2と、そこで表示している本文データに対応するページの情報を記憶している表示画面・ページ対応情報記憶部33を模式的に示している。
【0060】
また、表示制御処理部12は、S120で用いた開ページ情報に基づいて、開ページ情報が対応するページ(上述の例では25ページ)には、わかりやすさのために、何らかの表示、たとえば背景や背景色を変える、文字や文字色を変える、マークや記号をつける、など前回、最後に表示されていたページであることをユーザが理解可能な、何らかの目立つ表示を行うことが好ましい。
【0061】
また、ユーザが読書を行う際には、通常の書籍と同様に、ページをめくるように、内部表示画面2を開くこととなる。そのため、開ページ情報特定部13は、どの内部表示画面2が開かれているかを検出し、そこに表示されている本文データに対応するページを開ページ情報として、開ページ情報記憶部32に記憶させる(S140)。
【0062】
そしてユーザが読み進んでいくと、内部表示画面2をめくる(S150)。そうするとページめくり検出部14が、内部表示画面2がめくられたことを検出する。
【0063】
そうすると表示制御処理部12は、現在、表示されている内部表示画面2が最後であるか、すなわち、上述の例であれば、内部表示画面210が開かれているかを、開ページ情報記憶部32と表示画面・ページ対応情報記憶部33とを参照することで判定し(S160)、もし、最後の内部表示画面210が開かれていることを判定した場合には、開かれている内部表示画面2よりも前に位置する内部表示画面2について、表示する本文データを更新する(S170)。
【0064】
上述の例において、最後の内部表示画面210が開かれている場合には、図10に示すように、開ページ情報記憶部32に30ページ、31ページが開ページ情報として記憶されているはずである。そして開ページ情報に基づいて表示画面・ページ対応情報記憶部33を参照することで、現在開かれている内部表示画面2が、内部表示画面29、内部表示画面210であることを判定する。そうすると、内部表示画面210は最後の内部表示画面2であるので、表示制御処理部12は、最後の内部表示画面210よりも前に位置する内部表示画面2(内部表示画面21から内部表示画面28)について、表示する本文データを更新する。ここで更新の際には、開ページ情報の次の値(32ページ)から、更新する対象となる内部表示画面2(すでに開ページ情報の前までのページを表示していた内部表示画面2)の数に相当するページ数分(8ページ分)の本文データを、それぞれ更新する。本文データの更新後の表示画面・ページ対応情報記憶部33の一例を、図11に模式的に示す。
【0065】
そしてユーザが、最後の内部表示画面2(内部表示画面210)まで読み終わると、続きを読むために、ユーザは、最初の内部表示画面2(内部表示画面21)を開くこととなる。最初の内部表示画面2(内部表示画面21)が開かれたことを開ページ情報特定部13で検出すると、表示制御処理部12は、更新をまだ行っていない内部表示画面2(内部表示画面29、内部表示画面210)について、本文データの表示の更新処理を行う。すなわち表示画面・ページ対応情報記憶部33を参照し、未更新である内部表示画面2について、順に本文データの表示の更新処理を実行する。そうすると、内部表示画面29には40ページに対応する本文データが、内部表示画面210には41ページに対応する本文データが、それぞれ表示される。この本文データ更新後の表示画面・ページ対応情報記憶部33の一例を、図12に模式的に示す。
【0066】
内部表示画面2の表示内容の更新タイミングとして、最後の内部表示画面210が開かれたことを検出した場合を説明したが、それ以外の任意のタイミング、たとえばページがめくられたことをページめくり検出部14で検出したタイミング、予め定められたページ(あるいは内部表示画面2)がめくられたタイミングなど、如何なるタイミングであっても良い。これらの場合にも同様の方法で、そのページを表示する内部表示画面2より前に位置する内部表示画面2の表示の更新を行うことが出来る。
【0067】
なお上述では、表示制御処理部12が自動的に本文データの表示の更新を行う場合を説明したが、ユーザが表示の更新を要求する、すなわち表示の更新を示すボタン(表示更新ボタン6)を押下するなどした場合に、表示制御処理部12は、その入力を受け付けてから、すべての内部表示画面2の本文データの表示を更新しても良い(S180)。すなわち、図9の状態から図12の状態に直接更新されても良い。図14に、表示更新ボタン6を設けた場合の電子ブック1の一例を模式的に示す。
【0068】
具体的には、表示の更新の入力を受け付けたことを表示制御処理部12で検出すると、表示制御処理部12は、開ページ情報記憶部32に記憶する開ページ情報に基づいて、開ページ情報またはその次のページから順番に、内部表示画面2に、対応するページの本文データの表示を行う。
【0069】
たとえば内部表示画面210が開かれているときに、表示の更新ボタンが押下された場合、開ページ情報には30ページ、31ページが記憶されている。そのため、内部表示画面21から順にすべての内部表示画面2について、開ページ情報の順番に、当該ページに対応する本文データの表示を行う。この場合、内部表示画面21には30ページの本文データ、内部表示画面22には31ページの本文データ、内部表示画面23には32ページの本文データ、といったように、内部表示画面210には39ページの本文データまで、順に表示される。
【0070】
なお開ページ情報が30ページ、31ページの場合、開ページ情報の次のページ(32ページ)から順に、内部表示画面2に表示を行っても良い。この場合には、内部表示画面21には32ページ、内部表示画面22には33ページの本文データ、内部表示画面23には34ページの本文データ、といったように、内部表示画面210には41ページの本文データまで、順に表示される。
【0071】
また、最後の内部表示画面210が開かれている場合のほか、任意の内部表示画面2が開かれている場合に、表示の更新ボタンが押下されることで(その入力を受け付けることで)、すべてまたは現在開いている内部表示画面2よりも前の表画面について、表示の更新処理を上述と同様に行うことも出来る。
【0072】
以上のような処理を、ユーザが電子ブック1を閉じるまで繰り返し行う。
【0073】
ユーザが電子ブック1を閉じると、最後に開いていた内部表示画面2に対応するページの情報が開ページ情報として開ページ情報記憶部32に記憶される。そのため、次回、その電子ブック1を開いた場合には、前回読んだページから所定量前のページから読み返しながら、ユーザは読書を行うことが可能となる。
【実施例2】
【0074】
上述の実施例では、最初の内部表示画面21から本文データを表示する場合を説明したが、所定の内部表示画面2(好ましくは最初の内部表示画面2)には、書籍データにおける目次データを読み込み、表示を行うように構成しても良い。この場合、表示制御処理部12は、目次データを表示している内部表示画面2以外の内部表示画面2を、本文データを表示する対象の内部表示画面2として認識し、処理を実行する。
【0075】
目次データのほかに、所定の内部表示画面2に、書籍データ記憶部31における人物データを読み込み、表示を行うように構成しても良い。表示制御処理部12は、人物データを表示している内部表示画面2以外の内部表示画面2を、本文データを表示する対象の内部表示画面2として認識し、処理を実行する。
【0076】
さらに、所定の内部表示画面2に、書籍データ記憶部31におけるあらすじデータを読み込み、表示を行うように構成しても良い。この場合、表示制御処理部12は、あらすじデータを表示している内部表示画面2以外の内部表示画面2を、本文データを表示する対象の内部表示画面2として認識し、処理を実行する。
【0077】
なおあらすじデータの表示にあたっては、開ページ情報記憶部32に基づいて、開ページ情報に対応する文章単位(「章」などの所定の文章の区切りの単位)を特定し(文章単位ごとに対応するページが記憶されており、文章単位ごとのあらすじデータが書籍データに記憶されている)、それに対応するあらすじデータを書籍データ記憶部31から抽出して,表示を行えば良い。また、開ページ情報よりも前の本文データを読み込み、自動的に、あらすじを生成し、その表示を行っても良い。なお自動的にあらすじを生成する方法としては、文書生成ソフトウェアに搭載されている要約機能などを用いることも可能である。
【0078】
目次データ、人物データ、あらすじデータを表示するか否かは、ユーザが所定の方法でそれぞれ設定可能である。
【0079】
各内部表示画面2に表示した本文データを更新不可とするように設定できても良い。この場合、表示制御処理部12で書籍データにおける本文データの表示の更新は行わない。
【0080】
なお、本文データのフォントの種類や大きさ、行間、コントラストなどは任意に設定可能である。
【産業上の利用可能性】
【0081】
本発明の電子ブック1によって、従来の電子ブックよりも読みやすい電子ブック1となる。
【符号の説明】
【0082】
1:電子ブック
2:内部表示画面
3:外部表示画面
4:ダウンロードドック
5:メモリカードスロット
6:表示更新ボタン
7:筐体
10:制御部
11:書籍データ取込部
12:表示制御処理部
13:開ページ情報特定部
14:ページめくり検出部
30:記憶部
31:書籍データ記憶部
32:開ページ情報記憶部
33:表示画面・ページ対応情報記憶部
【技術分野】
【0001】
本発明は電子ブックに関する。さらに詳細には、複数の表示画面を有する電子ブックに関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータ技術の発達に伴い、書籍を電子化することが行われている。これは、書籍のデータを、電子ブックという表示端末にダウンロードし、当該電子ブックの表示面で書籍のデータを表示することで、ユーザは読書が可能となる。
【0003】
電子ブックには大別すると2つの形態があり、一つの表示画面で書籍のデータを表示するもの、複数の表示画面をあたかもページとして用いることで書籍のデータを表示するものがある。前者の一例として、たとえばアマゾンドットコム社が販売するキンドル(kindle)がある。また後者の例として、下記特許文献1乃至特許文献4に記載の電子ブックがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−175767号公報
【特許文献2】特開2007−293365号公報
【特許文献3】特開2007−41624号公報
【特許文献4】特開2006−3906号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
複数の表示画面で書籍のデータを表示する電子ブックの場合、ユーザは、通常の書籍と同様に表示画面をページのようにめくることが出来る。そのため、書籍を読んでいるのと同様の感覚を得られ、一つの表示画面で表示する電子ブックよりも違和感が生じにくい利点がある。
【0006】
しかしながら、複数の表示画面を備える電子ブックの場合、如何にユーザが読みやすい表示を行うかが問題となる。たとえば通常の書籍と同様のページ数の表示画面を備える場合には、その重量などが問題となることから現実的ではない。しかし表示画面の数を減らした場合には、どの表示画面にどのタイミングでどのページの書籍データを表示したらよいのかを考慮しなければならないが、従来の電子ブックではこの点についてあまり考慮されていない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで本願発明者は、上記問題点に鑑み、複数の表示画面を備えた電子ブックのユーザが読みやすくなるように配慮した電子ブックを発明した。
【0008】
第1の発明は、内部表示画面を複数備える電子ブックであって、前記電子ブックは、少なくともページごとに対応づけられた本文データを含む書籍データを取り込む書籍データ取込部と、前記取り込んだ書籍データを記憶する書籍データ記憶部と、前記内部表示画面に対して、それぞれページごとの本文データの表示制御を実行する表示制御処理部と、開かれているページを特定する開ページ情報特定部と、前記開ページ情報特定部で特定された開ページ情報を記憶する開ページ情報記憶部と、を有しており、前記表示制御処理部は、前記本文データを前記内部表示画面に表示する際に、前記開ページ情報記憶部に記憶する開ページ情報に基づいて、その開ページ情報より所定量だけ少ないページに対応づけられた本文データから順に、前記内部表示画面にそれぞれ表示する、電子ブックである。
【0009】
たとえばユーザが通勤途中などの場合、読書が中断することがある。その場合、前に読んだ内容を失念することもあり、従来の電子ブックの場合、その確認が難しかった。そこで本発明のように構成することで、ユーザが読書を再開する場合に、前に読んだ内容を読み返しながら、読書を進めることが可能となる。
【0010】
上述の発明において、前記電子ブックは、さらに、内部表示画面とそこに表示している本文データに対応するページ情報とを記憶する表示画面・ページ対応情報記憶部、を有しており、前記表示制御処理部は、さらに、前記開ページ情報特定部において前記表示画面・ページ対応情報記憶部を参照することで所定の内部表示画面が開かれていることを判定すると、または、ページ更新の情報の入力を受け付けたことを判定すると、前記表示画面・ページ対応情報記憶部を参照することで、開いている内部表示画面よりも前に位置する一部または全部の内部表示画面を更新対象として、最後の本文データ表示画面に表示されているページまたはその次の値のページから、更新対象となる内部表示画面の数に相当するページ数分の本文データを、前記書籍データ記憶部から抽出し、抽出した各ページの本文データを、更新対象とした内部表示画面から順に表示することで、本文データの表示の更新を行う、電子ブックのように構成することも出来る。
【0011】
また、前記表示制御処理部は、さらに、前記更新対象とした内部表示画面について、表示する本文データを更新したあと、最初の内部表示画面が表示されたことを開ページ情報特定部が判定すると、または、ページ更新の情報の入力を受け付けたことを判定すると、未更新の内部表示画面を新たな更新対象として、前記表示画面・ページ対応情報記憶部を参照することで、すでに更新を行った内部表示画面のうち最後の内部表示画面に対応するページの次のページから、前記新たに更新対象とした内部表示画面の数に相当するページ数の本文データを、前記書籍データ記憶部から抽出し、抽出した各ページの本文データを、前記新たに更新対象とした内部表示画面から順に表示することで、本文データの表示の更新を行う、電子ブックのように構成することも出来る。
【0012】
一つの画面しかない電子ブックとは異なり、複数の表示画面をページのように備えている電子ブックの場合には、どのタイミングでページを更新するかがポイントとなる。そこで、本発明のように構成することで、ページを更新することが可能となり、ユーザが最後の表示画面まで読み進んだとしても、最初の表示画面に戻って、違和感なく読書を進めることが出来る。
【0013】
上述の発明において、前記表示制御処理部は、さらに、本文データの表示の更新処理を行うことの入力を受け付けると、すべての内部表示画面を更新対象として、前記開ページ情報記憶部に記憶する開ページ情報またはその次の値のページから更新対象とした内部表示画面の数に相当するページ数分の本文データを、前記書籍データ記憶部から抽出し、抽出した各ページの本文データを、最初の内部表示画面から順に表示することで、本文データの表示の更新を行う、電子ブックのように構成することも出来る。
【0014】
表示画面の表示を更新する方法として、本発明のように行うことも可能である。
【0015】
上述の発明において、前記開ページ情報記憶部には、さらに、前記開ページ情報に対応づけて日時情報が記憶されており、前記表示制御処理部は、前記本文データを前記内部表示画面に表示する際に、前記開ページ情報記憶部に記憶する開ページ情報に対応づけられた日時情報と現在の日時情報とを比較し、その比較結果に応じて、前記開ページ情報より前のページに対応づけられた本文データから順に、前記内部表示画面にそれぞれ表示する、電子ブックのように構成することも出来る。
【0016】
前回読んだときから時間が経過すればするほど、内容を失念している量が多くなる。そうすると、それだけ読み返す量を多くした方が好ましい。そこで本発明のように構成することで、その時間経過に応じて、読み返す量を自動的に調整することが可能となる。
【0017】
上述の発明において、前記書籍データには、さらに目次データが含まれており、前記表示制御処理部は、さらに、前記書籍データ記憶部から前記目次データを抽出し、抽出した目次データを、所定の内部表示画面に表示する、電子ブックのように構成することも出来る。
【0018】
上述の発明において、前記書籍データには、さらに人物データが含まれており、前記表示制御処理部は、さらに、前記書籍データ記憶部から前記人物データを抽出し、抽出した人物データを、所定の内部表示画面に表示する、電子ブックのように構成することも出来る。
【0019】
上述の発明において、前記書籍データには、さらに、本文データの文章単位ごとのあらすじデータが含まれており、前記表示制御処理部は、さらに、前記開ページ情報記憶部に記憶する開ページ情報に基づいて、開ページ情報が対応する文章単位を特定し、前記特定した文章単位に対応するあらすじデータを前記書籍データ記憶部から抽出し、抽出したあらすじデータを、所定の内部表示画面に表示する、電子ブックのように構成することも出来る。
【発明の効果】
【0020】
本発明の電子ブックによって、従来の電子ブックよりも読みやすい電子ブックとなる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の複数の表示画面を備えた電子ブックの全体の構成を模式的に示す図である。
【図2】本発明の複数の表示画面を備えた電子ブックに、ダウンロードドックを用いてコンピュータから書籍データを読み込む状態を模式的に示す図である。
【図3】書籍データのデータ構造の一例を模式的に示す図である。
【図4】外部表示画面に表紙データが、表示画面に本文データが表示されている場合の一例を模式的に示す図である。
【図5】制御部および記憶部の処理機能を模式的に示す概念図である。
【図6】本発明の複数の表示画面を備えた電子ブックにおける処理プロセスの一例を模式的に示すフローチャートである。
【図7】開いている内部表示画面を検出する場合の一例を模式的に示す図である。
【図8】開ページ情報記憶部に記憶される開ページ情報のデータ構造の一例を模式的に示す図である。
【図9】表示画面・ページ対応情報記憶部に記憶される情報のデータ構造の一例を模式的に示す図である。
【図10】開ページ情報のデータ構造の一例を模式的に示す図である。
【図11】本文データの更新後の表示画面・ページ対応情報記憶部に記憶される情報のデータ構造の一例である。
【図12】本文データ更新後の表示画面・ページ対応情報記憶部に記憶される情報のデータ構造の一例である。
【図13】電子ブックにメモリカードスロットを設けた場合の一例を模式的に示す図である。
【図14】表示更新ボタンを設けた場合の電子ブックの一例を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の複数の表示画面を備えた電子ブック1(以下、「電子ブック1」という)の全体の構成を図1に模式的に示す。
【0023】
電子ブック1は、通常の書籍と同様の形状の筐体7を備えており、筐体7の外側表面には書籍データのうち表紙に関するデータなどを表示可能な外部表示画面が取り付けられており、筐体7の内側には、通常の書籍のページに相当する、書籍データのうち本文などのデータを片面または両面に表示可能な、複数の内部表示画面2とを備えている。この表示画面は、それぞれいわゆる電子ペーパーである。電子ペーパーとは、紙のような感覚で利用可能な、柔らかい素材の極薄の表示装置であって、その表示装置で表示させる表示内容を、電気、磁気または熱により変化させることが可能な表示装置である。また電力を供給しない状態であっても、表示装置に表示する表示内容は固定的に表示可能である。
【0024】
電子ペーパーにはいくつかの方法があるが、ツイストボール方式、電気泳動方式、磁気泳動方式、電子噴流体方式、帯電トナー型表示方式、液晶表示方式、電解析抽出方式、エレクトロクロミック方式、フィルム移動方式、干渉制御方式、有機EL方式、ロイコ染料による発色・消色方式、透明白濁型リライタブル方式などによるものがあるが、それらに限定されず、如何なる方式であっても良い。
【0025】
電子ブック1の筐体7の背部分には複数の表示画面が取り付けられており、後述する制御部10、記憶部30とデータの送受信が可能となっている。この取付方にはさまざま方法があり、如何なる方法を用いることも可能である。たとえば背の内側部分と内部表示画面2の一辺縁部とが固定的に取り付けられていても良いし、背部分の内側(筐体7の内側)に開閉可能なリング部を設け、そのリング部に、内部表示画面2に設けられた孔部を通すことで、バインダーのように内部表示画面2の取り外しを可能としても良い。この場合、各内部表示画面2は、背の部分(後述する制御部10、記憶部30など)と通信線で結線されることなどによりデータの送受信が可能となる。
【0026】
また、各表示画面(両面に表示可能な場合には各面それぞれ)が識別可能なように、それぞれ識別情報が付されている。電子ブック1の筐体7における背部分には、制御部10、記憶部30および後述するダウンロードドック4への接続機構を備えている。すなわち電子ブック1の背部分の筐体7内部に制御部10、記憶部30などが備えられている。なお制御部10、記憶部はそれぞれ演算装置、記憶装置として実現されていることが好ましく、制御部10における機能はソフトウェア的に実現されていても良い。
【0027】
電子ブック1は、図1に示すダウンロードドック4と接続可能であり、電子ブック1の背部分に設けられた接続機構と、ドックの接続機構とが接続することで、ドックを介してコンピュータから書籍データの取込が可能である。ダウンロードドック4と接続した電子ブック1が、コンピュータから書籍データを取り込む状態を模式的に示す図を図2に示す。ダウンロードドック4は有線または無線によりコンピュータと通信が可能であり、書籍データの配信サーバからダウンロードした書籍データを、有線または無線により、電子ブック1に送信する。たとえば、USB接続を行うことで、電力が電子ブック1にもコンピュータから供給される。また表示画面は電子ペーパーであるので、電力がなくてもその表示を維持することが出来る。従って、図1のような形態をとることで、電子ブック1に電源を備えない構成とすることも出来る。ただしページ数が多い書籍データの場合には、ページの更新処理を行う必要があることから、電子ブック1に小型電池などの電力供給装置を電源として備えていても良い。
【0028】
またダウンロードドック4を設けずとも、筐体7にUSB接続端子を設け、コンピュータに接続したUSBケーブルの接続端子を、筐体7のUSB接続端子に挿入することで、当該USBケーブルを介してコンピュータから書籍データを取り込んでも良い。
【0029】
なお電子ブック1に、赤外線通信やブルートゥース(2.4GHz帯の電波を使用した無線通信)などの通信機能を備えることで、無線通信により、書籍データの配信サーバから、直接、書籍データをダウンロード可能とするように構成することも可能である。また、電子ブック1の筐体7にメモリカードスロット5を設けることで、半導体メモリに記憶された書籍データを読み込むように構成することも可能である。この場合の電子ブック1を図13に模式的に示す。
【0030】
書籍データは書籍の内容を示すデータであって、本文データ、目次データ、あらすじデータ、人物表示データ、表紙データなど、通常の書籍に対応する各データから構成されている。本文データは、書籍における本文のデータであって、ページごとに対応づけられている。従って、内部表示画面2ではページごとに本文データが表示されることとなる。なお本文データには挿絵の画像(静止画、動画を問わない)、音声データなどが含まれていても良い。書籍データのデータ構造の一例を図3に模式的に示す。
【0031】
目次データとは書籍の目次のデータである。あらすじデータとは、予め定められた文章単位、たとえば章ごとなどの単位ごとのあらすじのデータである。あらすじデータについては書籍データに含めずとも、電子ブック1の制御部10で自動的にあらすじを生成しても良い。人物表示データとは、登場人物に関するデータ、たとえば登場人物に関する説明、相関図などである。表紙データとは、電子ブック1の外部表示画面3に表示するデータであって、主にタイトル、著作者名、出版社名(発行社名)などが含まれる。また装丁の画像データが含まれていても良い。図4に、外部表示画面3に表紙データが、内部表示画面2に本文データが表示されている場合の一例を模式的に示す。
【0032】
制御部10及び記憶部の処理機能の一例の概念図を模式的に図5に示す。制御部10は、書籍データ取込部11と表示制御処理部12と開ページ情報特定部13とページめくり検出部14とを有している。
【0033】
なお、本発明における各手段は、その機能が論理的に区別されているのみであって、物理上あるいは事実上は同一の領域を為していても良い。
【0034】
書籍データ取込部11は、ダウンロードドック4やメモリカードスロット5、USB接続端子などを介して、コンピュータや半導体メモリなどの記憶装置から、書籍データを取り込む手段である。書籍データ取込手段が取り込んだ書籍データは、後述する書籍データ記憶部31に記憶する。
【0035】
表示制御処理部12は、外部表示画面3や、書籍データの本文データなどの内容を表示する内部表示画面2についての表示制御の処理を実行する手段である。たとえばユーザが電子ブック1を開いたことを検出すると、表示開始ページとして設定されているページに対応する本文データから順番に、各ページに対応する本文データを各内部表示画面2にそれぞれ表示する。その後、表示画面を更新する入力を受け付ける、または最後(あるいは所定)の内部表示画面2が表示されたことを特定すると、その次のページに対応する本文データから順に、各内部表示画面2に順番に表示する。
【0036】
開ページ情報特定部13は、現在、開かれている内部表示画面2を検出することで、ユーザが読んでいるページを特定する手段である。開かれている内部表示画面2の検出方法にはさまざまな方法があるが、たとえば、所定時間における2つの内部表示画面2の角度αをそれぞれ検出し、もっとも角度が広い2つの内部表示画面2が開かれている内部表示画面2であると判定することが出来る。図7にその状態の一例を模式的に示す。
【0037】
ほかの方法としては、内部表示画面2に外部の明るさを検出するセンサーを設けることで明るさを検出し、所定時間における明るさの値が高い隣り合う2つの内部表示画面2を、開かれている内部表示画面2として検出することも出来る。あるいは、内部表示画面2に、重さを検出するセンサーを設けることで、所定時間におけるその内部表示画面2にかかっている重さを検出し、その値が少ない隣り合う2つの内部表示画面2を、開かれている内部表示画面2として検出することも出来る。なおこれ以外の方法によって検出しても良い。
【0038】
開ページ情報特定部13は、上記で検出した、開いている内部表示画面2の情報に基づいて、表示画面・ページ対応情報記憶部33を参照することで、当該開いている内部表示画面2で表示しているページの情報(開ページ情報)を特定し、それを開ページ情報記憶部32に記憶させる。
【0039】
なお上述の説明では、開かれている内部表示画面2を自動的に検出することで、開かれているページを自動的に特定する方法を説明したが、「しおり」のように、ユーザが現在読んでいるページ情報の入力をユーザから受け付けることで、その入力を受け付けたページを開ページ情報として特定しても良い。この場合、ページ番号そのものの入力のほか、ページの所定箇所をタッチする、「しおり」などの所定のボタン等を押下するなどであっても良い。
【0040】
ページめくり検出部14は、内部表示画面2がめくられたことを検出する手段である。ページがめくられたことの検出にはさまざまな方法があるが、開ページ情報記憶部32で記憶した開ページ情報の値が更新された場合に、内部表示画面2がめくられたことを検出できる。またこれ以外の方法によってそれを検出しても良い。
【0041】
記憶部30は書籍データ記憶部31と開ページ情報記憶部32と表示画面・ページ対応情報記憶部33とを有している。
【0042】
書籍データ記憶部31は、図3に示すような書籍データを記憶する。
【0043】
開ページ情報記憶部32は、開ページ情報特定部13で特定した、ユーザが読んでいるページ、すなわち現在、開かれているページを開ページ情報として記憶している。図8に開ページ情報記憶部32の一例を模式的に示す。図8の場合、開ページ情報として「25」、「26」が記憶されているので、25ページ、26ページが現在開かれている、すなわちユーザは、25ページ、26ページに対応する本文データを読んでいることが分かる。なお、開ページ情報として、ページそのものではなく、ページに対応づけられる情報であれば、開ページ情報として如何なる情報であっても良い。
【0044】
表示画面・ページ対応情報記憶部33は、内部表示画面2で、書籍データの何ページに対応する本文データを表示しているかを対応づけて記憶している。図9に表示画面・ページ対応情報記憶部33の一例を模式的に示す。
【0045】
図9の場合、内部表示画面2の数が10あり(つまり10ページ)、それぞれ識別情報として「1」(内部表示画面21)から「10」(内部表示画面210)が与えられている。そして、内部表示画面21には書籍データにおける22ページの本文データが、内部表示画面22には書籍データにおける23ページの本文データが、内部表示画面23には書籍データにおける24ページの本文データが表示されていることを示している。
【実施例1】
【0046】
次に本発明の電子ブック1における処理を、図6のフローチャートなどを用いて説明する。
【0047】
本発明の電子ブック1を用いて読書を行うユーザは、まずその書籍データを電子ブック1に取り込む必要がある。そこで、たとえばユーザが利用するコンピュータや半導体メモリなどに、書籍データの配信を行う配信サーバから所望の書籍データをダウンロード、記憶させる。
【0048】
そして電子ブック1の筐体7の背部分にダウンロードドック4を接続する、あるいは半導体メモリを電子ブック1の筐体7の所定位置に設けられたメモリカードスロット5に挿入するなどして、電子ブック1に当該書籍データを取り込む。あるいは、ダウンロードドック4の代わりに、電子ブック1の筐体7に設けられたUSB接続端子(図示せず)にUSBケーブルを接続することで、コンピュータとデータの送受信を可能とし、書籍データを電子ブック1に取り込んでも良い。
【0049】
すなわち制御部10における書籍データ取込部11が、たとえばダウンロードドック4を介してコンピュータから書籍データを取り込み、それを記憶部30における書籍データ記憶部31に記憶させる(S100)。または書籍データ取込部11は、メモリカードスロット5に挿入された半導体メモリから書籍データを取り込み、それを記憶部30における書籍データ記憶部31に記憶させる(S100)。なお半導体メモリに書籍データが記憶されている場合には、書籍データ記憶部31として半導体メモリをそのまま利用しても良い。
【0050】
書籍データを読み込んだ後、表示制御処理部12は、書籍データにおける表紙データを読み込み、外部表示画面3に表示を行う。これによって、表示用表示画面に、書籍のタイトル、作者名などが表示される。なお、外部表示画面3に表紙データを表示させるかは設定が可能であって、表示しないように設定を行うことも出来る。これによって、ほかの人からどんな本を読んでいるのかを分からなくすることが出来る。
【0051】
以上のようにして電子ブック1の書籍データ記憶部31に書籍データを記憶させると、電子ブック1で読書が可能な状態となる。そこで、ユーザは電子ブック1を開く(S110)。なおここで「電子ブック1を開く」とは、電子ブック1を物理的に開いても良いし、電子ブック1に設けられた所定の電源ボタンを押下するなどによって、使用可能状態にすることであっても良い。
【0052】
ユーザが電子ブック1を開くと、表示制御処理部12は、前回、開いていた開ページ情報のうち小さい値(または大きい値)から所定量だけ少ない値を表示開始ページとして判定する(S120)。たとえば、開ページ情報記憶部32に記憶している開ページ情報として「25ページ」が記憶されており、所定量として「3ページ」である場合、表示開始ページとして22ページ(=25−3)として判定する。なお表示開始ページとは、最初の内部表示画面2、すなわち内部表示画面21に表示される本文データに対応するページである。
【0053】
開ページ情報記憶部32に記憶されている開ページ情報は、現在開いているページ、または、新たに電子ブック1を開く場合には、前回、電子ブック1を開いていた状態において最後にユーザが開いていたページを示す情報である。そのため、ユーザは当該ページ(上述の例では25ページ)を読んでいる。しかし当該ページについて、読み途中であることや、時間経過によって、内容を失念してしまう可能性もある。そのため、開ページ情報から所定量だけ減らした値、すなわち前回、最後に開いていたページから所定量だけ前のページから表示を行うことによって、ユーザは少し読み返しをすることが可能となる。
【0054】
なおこの所定量は、ユーザによって適宜、設定が可能である。また、開ページ情報に対応づけて日時情報(前回、当該ページに対応する本文データを表示した内部表示画面2が開かれた日時情報)が記憶されている場合には、その日時情報(前回開いた日時情報)と現在の日時情報とを比較し、その間隔によって、所定量を変化させても良い。たとえば現在の日時情報が2009年11月10日20時5分30秒であり、前回の日時情報が2009年11月10日8時23分15秒であった場合(同日の場合)には、所定量として1ページとし、前回の日時情報が2009年11月9日21時21分41秒であった場合(1日前の場合)には、所定量として3ページとし、前回の日時情報が2009年11月3日12時39分45秒であった場合(1週間前の場合)には、所定量として7ページとするなど、現在の日時情報と前回の日時情報との差に応じて所定量を判定し、それによって表示開始ページを判定しても良い。
【0055】
人間は時間がたつと書籍の内容を失念することがよくある。そのため、このように、現在の日時情報と前回の日時情報との差に応じて所定量を変化させることで、時間経過による失念に対応して、読み返しの量を変化させることが出来、ユーザの利便性が高まる。
【0056】
なお、所定量の最大値が内部表示画面2の数であることが好ましいが、内部表示画面2の数を超えても良い。この場合には、すべての内部表示画面2で、一度、読んだ本文データが表示されることとなる。
【0057】
また、開ページ情報記憶部32に記憶する開ページ情報が初期値の場合、まだ読んでいないことを意味する。その場合には所定量を減らすのではなく、そのまま1ページを表示開始ページとして判定する。また所定量を減算したら負または0になる場合には、表示開始ページとして1ページとして判定する。
【0058】
以上のようにして表示開始ページを判定すると、表示制御処理部12は、表示開始ページから順に、内部表示画面2に、書籍データ記憶部31に記憶する本文データの表示を行う(S130)。
【0059】
表示制御処理部12は、たとえばS120において、開ページ情報が25ページ、26ページであった場合、このうち小さい値(または大きな値)、25ページから所定値(=3)を減算し、表示開始ページとして22ページを判定する。そして、電子ブック1における内部表示画面2の数が10である場合、内部表示画面21には表示開始ページである22ページに対応する本文データを書籍データ記憶部31から抽出して表示し、内部表示画面22には23ページに対応する本文データを書籍データ記憶部31から抽出して表示し、内部表示画面23には24ページに対応する本文データを書籍データ記憶部31から抽出して表示する。以上のようにして、表示制御処理部12は、内部表示画面21から内部表示画面210まで、表示開始ページから順に対応するページ(22ページから31ページ)の本文データを、書籍データ記憶部31から抽出して表示する。これによって、ユーザは、各内部表示画面2を見ることで、22ページから31ページまでの読書が可能となる。なお、図9には、内部表示画面2と、そこで表示している本文データに対応するページの情報を記憶している表示画面・ページ対応情報記憶部33を模式的に示している。
【0060】
また、表示制御処理部12は、S120で用いた開ページ情報に基づいて、開ページ情報が対応するページ(上述の例では25ページ)には、わかりやすさのために、何らかの表示、たとえば背景や背景色を変える、文字や文字色を変える、マークや記号をつける、など前回、最後に表示されていたページであることをユーザが理解可能な、何らかの目立つ表示を行うことが好ましい。
【0061】
また、ユーザが読書を行う際には、通常の書籍と同様に、ページをめくるように、内部表示画面2を開くこととなる。そのため、開ページ情報特定部13は、どの内部表示画面2が開かれているかを検出し、そこに表示されている本文データに対応するページを開ページ情報として、開ページ情報記憶部32に記憶させる(S140)。
【0062】
そしてユーザが読み進んでいくと、内部表示画面2をめくる(S150)。そうするとページめくり検出部14が、内部表示画面2がめくられたことを検出する。
【0063】
そうすると表示制御処理部12は、現在、表示されている内部表示画面2が最後であるか、すなわち、上述の例であれば、内部表示画面210が開かれているかを、開ページ情報記憶部32と表示画面・ページ対応情報記憶部33とを参照することで判定し(S160)、もし、最後の内部表示画面210が開かれていることを判定した場合には、開かれている内部表示画面2よりも前に位置する内部表示画面2について、表示する本文データを更新する(S170)。
【0064】
上述の例において、最後の内部表示画面210が開かれている場合には、図10に示すように、開ページ情報記憶部32に30ページ、31ページが開ページ情報として記憶されているはずである。そして開ページ情報に基づいて表示画面・ページ対応情報記憶部33を参照することで、現在開かれている内部表示画面2が、内部表示画面29、内部表示画面210であることを判定する。そうすると、内部表示画面210は最後の内部表示画面2であるので、表示制御処理部12は、最後の内部表示画面210よりも前に位置する内部表示画面2(内部表示画面21から内部表示画面28)について、表示する本文データを更新する。ここで更新の際には、開ページ情報の次の値(32ページ)から、更新する対象となる内部表示画面2(すでに開ページ情報の前までのページを表示していた内部表示画面2)の数に相当するページ数分(8ページ分)の本文データを、それぞれ更新する。本文データの更新後の表示画面・ページ対応情報記憶部33の一例を、図11に模式的に示す。
【0065】
そしてユーザが、最後の内部表示画面2(内部表示画面210)まで読み終わると、続きを読むために、ユーザは、最初の内部表示画面2(内部表示画面21)を開くこととなる。最初の内部表示画面2(内部表示画面21)が開かれたことを開ページ情報特定部13で検出すると、表示制御処理部12は、更新をまだ行っていない内部表示画面2(内部表示画面29、内部表示画面210)について、本文データの表示の更新処理を行う。すなわち表示画面・ページ対応情報記憶部33を参照し、未更新である内部表示画面2について、順に本文データの表示の更新処理を実行する。そうすると、内部表示画面29には40ページに対応する本文データが、内部表示画面210には41ページに対応する本文データが、それぞれ表示される。この本文データ更新後の表示画面・ページ対応情報記憶部33の一例を、図12に模式的に示す。
【0066】
内部表示画面2の表示内容の更新タイミングとして、最後の内部表示画面210が開かれたことを検出した場合を説明したが、それ以外の任意のタイミング、たとえばページがめくられたことをページめくり検出部14で検出したタイミング、予め定められたページ(あるいは内部表示画面2)がめくられたタイミングなど、如何なるタイミングであっても良い。これらの場合にも同様の方法で、そのページを表示する内部表示画面2より前に位置する内部表示画面2の表示の更新を行うことが出来る。
【0067】
なお上述では、表示制御処理部12が自動的に本文データの表示の更新を行う場合を説明したが、ユーザが表示の更新を要求する、すなわち表示の更新を示すボタン(表示更新ボタン6)を押下するなどした場合に、表示制御処理部12は、その入力を受け付けてから、すべての内部表示画面2の本文データの表示を更新しても良い(S180)。すなわち、図9の状態から図12の状態に直接更新されても良い。図14に、表示更新ボタン6を設けた場合の電子ブック1の一例を模式的に示す。
【0068】
具体的には、表示の更新の入力を受け付けたことを表示制御処理部12で検出すると、表示制御処理部12は、開ページ情報記憶部32に記憶する開ページ情報に基づいて、開ページ情報またはその次のページから順番に、内部表示画面2に、対応するページの本文データの表示を行う。
【0069】
たとえば内部表示画面210が開かれているときに、表示の更新ボタンが押下された場合、開ページ情報には30ページ、31ページが記憶されている。そのため、内部表示画面21から順にすべての内部表示画面2について、開ページ情報の順番に、当該ページに対応する本文データの表示を行う。この場合、内部表示画面21には30ページの本文データ、内部表示画面22には31ページの本文データ、内部表示画面23には32ページの本文データ、といったように、内部表示画面210には39ページの本文データまで、順に表示される。
【0070】
なお開ページ情報が30ページ、31ページの場合、開ページ情報の次のページ(32ページ)から順に、内部表示画面2に表示を行っても良い。この場合には、内部表示画面21には32ページ、内部表示画面22には33ページの本文データ、内部表示画面23には34ページの本文データ、といったように、内部表示画面210には41ページの本文データまで、順に表示される。
【0071】
また、最後の内部表示画面210が開かれている場合のほか、任意の内部表示画面2が開かれている場合に、表示の更新ボタンが押下されることで(その入力を受け付けることで)、すべてまたは現在開いている内部表示画面2よりも前の表画面について、表示の更新処理を上述と同様に行うことも出来る。
【0072】
以上のような処理を、ユーザが電子ブック1を閉じるまで繰り返し行う。
【0073】
ユーザが電子ブック1を閉じると、最後に開いていた内部表示画面2に対応するページの情報が開ページ情報として開ページ情報記憶部32に記憶される。そのため、次回、その電子ブック1を開いた場合には、前回読んだページから所定量前のページから読み返しながら、ユーザは読書を行うことが可能となる。
【実施例2】
【0074】
上述の実施例では、最初の内部表示画面21から本文データを表示する場合を説明したが、所定の内部表示画面2(好ましくは最初の内部表示画面2)には、書籍データにおける目次データを読み込み、表示を行うように構成しても良い。この場合、表示制御処理部12は、目次データを表示している内部表示画面2以外の内部表示画面2を、本文データを表示する対象の内部表示画面2として認識し、処理を実行する。
【0075】
目次データのほかに、所定の内部表示画面2に、書籍データ記憶部31における人物データを読み込み、表示を行うように構成しても良い。表示制御処理部12は、人物データを表示している内部表示画面2以外の内部表示画面2を、本文データを表示する対象の内部表示画面2として認識し、処理を実行する。
【0076】
さらに、所定の内部表示画面2に、書籍データ記憶部31におけるあらすじデータを読み込み、表示を行うように構成しても良い。この場合、表示制御処理部12は、あらすじデータを表示している内部表示画面2以外の内部表示画面2を、本文データを表示する対象の内部表示画面2として認識し、処理を実行する。
【0077】
なおあらすじデータの表示にあたっては、開ページ情報記憶部32に基づいて、開ページ情報に対応する文章単位(「章」などの所定の文章の区切りの単位)を特定し(文章単位ごとに対応するページが記憶されており、文章単位ごとのあらすじデータが書籍データに記憶されている)、それに対応するあらすじデータを書籍データ記憶部31から抽出して,表示を行えば良い。また、開ページ情報よりも前の本文データを読み込み、自動的に、あらすじを生成し、その表示を行っても良い。なお自動的にあらすじを生成する方法としては、文書生成ソフトウェアに搭載されている要約機能などを用いることも可能である。
【0078】
目次データ、人物データ、あらすじデータを表示するか否かは、ユーザが所定の方法でそれぞれ設定可能である。
【0079】
各内部表示画面2に表示した本文データを更新不可とするように設定できても良い。この場合、表示制御処理部12で書籍データにおける本文データの表示の更新は行わない。
【0080】
なお、本文データのフォントの種類や大きさ、行間、コントラストなどは任意に設定可能である。
【産業上の利用可能性】
【0081】
本発明の電子ブック1によって、従来の電子ブックよりも読みやすい電子ブック1となる。
【符号の説明】
【0082】
1:電子ブック
2:内部表示画面
3:外部表示画面
4:ダウンロードドック
5:メモリカードスロット
6:表示更新ボタン
7:筐体
10:制御部
11:書籍データ取込部
12:表示制御処理部
13:開ページ情報特定部
14:ページめくり検出部
30:記憶部
31:書籍データ記憶部
32:開ページ情報記憶部
33:表示画面・ページ対応情報記憶部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部表示画面を複数備える電子ブックであって、
前記電子ブックは、
少なくともページごとに対応づけられた本文データを含む書籍データを取り込む書籍データ取込部と、
前記取り込んだ書籍データを記憶する書籍データ記憶部と、
前記内部表示画面に対して、それぞれページごとの本文データの表示制御を実行する表示制御処理部と、
開かれているページを特定する開ページ情報特定部と、
前記開ページ情報特定部で特定された開ページ情報を記憶する開ページ情報記憶部と、を有しており、
前記表示制御処理部は、
前記本文データを前記内部表示画面に表示する際に、前記開ページ情報記憶部に記憶する開ページ情報に基づいて、その開ページ情報より所定量だけ少ないページに対応づけられた本文データから順に、前記内部表示画面にそれぞれ表示する、
ことを特徴とする電子ブック。
【請求項2】
前記電子ブックは、さらに、
内部表示画面とそこに表示している本文データに対応するページ情報とを記憶する表示画面・ページ対応情報記憶部、を有しており、
前記表示制御処理部は、さらに、
前記開ページ情報特定部において前記表示画面・ページ対応情報記憶部を参照することで所定の内部表示画面が開かれていることを判定すると、または、ページ更新の情報の入力を受け付けたことを判定すると、
前記表示画面・ページ対応情報記憶部を参照することで、開いている内部表示画面よりも前に位置する一部または全部の内部表示画面を更新対象として、最後の本文データ表示画面に表示されているページまたはその次の値のページから、更新対象となる内部表示画面の数に相当するページ数分の本文データを、前記書籍データ記憶部から抽出し、
抽出した各ページの本文データを、更新対象とした内部表示画面から順に表示することで、本文データの表示の更新を行う、
ことを特徴とする請求項に記載の電子ブック。
【請求項3】
前記表示制御処理部は、さらに、
前記更新対象とした内部表示画面について、表示する本文データを更新したあと、最初の内部表示画面が表示されたことを開ページ情報特定部が判定すると、または、ページ更新の情報の入力を受け付けたことを判定すると、
未更新の内部表示画面を新たな更新対象として、前記表示画面・ページ対応情報記憶部を参照することで、すでに更新を行った内部表示画面のうち最後の内部表示画面に対応するページの次のページから、前記新たに更新対象とした内部表示画面の数に相当するページ数の本文データを、前記書籍データ記憶部から抽出し、
抽出した各ページの本文データを、前記新たに更新対象とした内部表示画面から順に表示することで、本文データの表示の更新を行う、
ことを特徴とする請求項に記載の電子ブック。
【請求項4】
前記表示制御処理部は、さらに、
本文データの表示の更新処理を行うことの入力を受け付けると、
すべての内部表示画面を更新対象として、前記開ページ情報記憶部に記憶する開ページ情報またはその次の値のページから更新対象とした内部表示画面の数に相当するページ数分の本文データを、前記書籍データ記憶部から抽出し、
抽出した各ページの本文データを、最初の内部表示画面から順に表示することで、本文データの表示の更新を行う、
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の電子ブック。
【請求項5】
前記開ページ情報記憶部には、さらに、前記開ページ情報に対応づけて日時情報が記憶されており、
前記表示制御処理部は、
前記本文データを前記内部表示画面に表示する際に、前記開ページ情報記憶部に記憶する開ページ情報に対応づけられた日時情報と現在の日時情報とを比較し、
その比較結果に応じて、前記開ページ情報より前のページに対応づけられた本文データから順に、前記内部表示画面にそれぞれ表示する、
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の電子ブック。
【請求項6】
前記書籍データには、さらに目次データが含まれており、
前記表示制御処理部は、さらに、前記書籍データ記憶部から前記目次データを抽出し、抽出した目次データを、所定の内部表示画面に表示する、
ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の電子ブック。
【請求項7】
前記書籍データには、さらに人物データが含まれており、
前記表示制御処理部は、さらに、前記書籍データ記憶部から前記人物データを抽出し、抽出した人物データを、所定の内部表示画面に表示する、
ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の電子ブック。
【請求項8】
前記書籍データには、さらに、本文データの文章単位ごとのあらすじデータが含まれており、
前記表示制御処理部は、さらに、
前記開ページ情報記憶部に記憶する開ページ情報に基づいて、開ページ情報が対応する文章単位を特定し、
前記特定した文章単位に対応するあらすじデータを前記書籍データ記憶部から抽出し、抽出したあらすじデータを、所定の内部表示画面に表示する、
ことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載の電子ブック。
【請求項1】
内部表示画面を複数備える電子ブックであって、
前記電子ブックは、
少なくともページごとに対応づけられた本文データを含む書籍データを取り込む書籍データ取込部と、
前記取り込んだ書籍データを記憶する書籍データ記憶部と、
前記内部表示画面に対して、それぞれページごとの本文データの表示制御を実行する表示制御処理部と、
開かれているページを特定する開ページ情報特定部と、
前記開ページ情報特定部で特定された開ページ情報を記憶する開ページ情報記憶部と、を有しており、
前記表示制御処理部は、
前記本文データを前記内部表示画面に表示する際に、前記開ページ情報記憶部に記憶する開ページ情報に基づいて、その開ページ情報より所定量だけ少ないページに対応づけられた本文データから順に、前記内部表示画面にそれぞれ表示する、
ことを特徴とする電子ブック。
【請求項2】
前記電子ブックは、さらに、
内部表示画面とそこに表示している本文データに対応するページ情報とを記憶する表示画面・ページ対応情報記憶部、を有しており、
前記表示制御処理部は、さらに、
前記開ページ情報特定部において前記表示画面・ページ対応情報記憶部を参照することで所定の内部表示画面が開かれていることを判定すると、または、ページ更新の情報の入力を受け付けたことを判定すると、
前記表示画面・ページ対応情報記憶部を参照することで、開いている内部表示画面よりも前に位置する一部または全部の内部表示画面を更新対象として、最後の本文データ表示画面に表示されているページまたはその次の値のページから、更新対象となる内部表示画面の数に相当するページ数分の本文データを、前記書籍データ記憶部から抽出し、
抽出した各ページの本文データを、更新対象とした内部表示画面から順に表示することで、本文データの表示の更新を行う、
ことを特徴とする請求項に記載の電子ブック。
【請求項3】
前記表示制御処理部は、さらに、
前記更新対象とした内部表示画面について、表示する本文データを更新したあと、最初の内部表示画面が表示されたことを開ページ情報特定部が判定すると、または、ページ更新の情報の入力を受け付けたことを判定すると、
未更新の内部表示画面を新たな更新対象として、前記表示画面・ページ対応情報記憶部を参照することで、すでに更新を行った内部表示画面のうち最後の内部表示画面に対応するページの次のページから、前記新たに更新対象とした内部表示画面の数に相当するページ数の本文データを、前記書籍データ記憶部から抽出し、
抽出した各ページの本文データを、前記新たに更新対象とした内部表示画面から順に表示することで、本文データの表示の更新を行う、
ことを特徴とする請求項に記載の電子ブック。
【請求項4】
前記表示制御処理部は、さらに、
本文データの表示の更新処理を行うことの入力を受け付けると、
すべての内部表示画面を更新対象として、前記開ページ情報記憶部に記憶する開ページ情報またはその次の値のページから更新対象とした内部表示画面の数に相当するページ数分の本文データを、前記書籍データ記憶部から抽出し、
抽出した各ページの本文データを、最初の内部表示画面から順に表示することで、本文データの表示の更新を行う、
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の電子ブック。
【請求項5】
前記開ページ情報記憶部には、さらに、前記開ページ情報に対応づけて日時情報が記憶されており、
前記表示制御処理部は、
前記本文データを前記内部表示画面に表示する際に、前記開ページ情報記憶部に記憶する開ページ情報に対応づけられた日時情報と現在の日時情報とを比較し、
その比較結果に応じて、前記開ページ情報より前のページに対応づけられた本文データから順に、前記内部表示画面にそれぞれ表示する、
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の電子ブック。
【請求項6】
前記書籍データには、さらに目次データが含まれており、
前記表示制御処理部は、さらに、前記書籍データ記憶部から前記目次データを抽出し、抽出した目次データを、所定の内部表示画面に表示する、
ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の電子ブック。
【請求項7】
前記書籍データには、さらに人物データが含まれており、
前記表示制御処理部は、さらに、前記書籍データ記憶部から前記人物データを抽出し、抽出した人物データを、所定の内部表示画面に表示する、
ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の電子ブック。
【請求項8】
前記書籍データには、さらに、本文データの文章単位ごとのあらすじデータが含まれており、
前記表示制御処理部は、さらに、
前記開ページ情報記憶部に記憶する開ページ情報に基づいて、開ページ情報が対応する文章単位を特定し、
前記特定した文章単位に対応するあらすじデータを前記書籍データ記憶部から抽出し、抽出したあらすじデータを、所定の内部表示画面に表示する、
ことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載の電子ブック。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2011−107895(P2011−107895A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−261016(P2009−261016)
【出願日】平成21年11月16日(2009.11.16)
【出願人】(398014159)株式会社インターリンク (3)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年11月16日(2009.11.16)
【出願人】(398014159)株式会社インターリンク (3)
【Fターム(参考)】
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