説明

電子ペーパー、その制御プログラム、および、表示システム

【課題】文書表示システムにおいて、文書の表示内容を複数の表示装置に振り分ける際の振り分けに要する手間を軽減する。
【解決手段】画像表示システムにおいて、複数の電子ペーパーを用いた文書の表示が実現される。文書の或る部分の表示が指示されると、電子ペーパー1Aでは、当該指示された部分が表示される。そして、他の電子ペーパー(電子ペーパー1B,1C)では、当該指示された部分と関連する部分が表示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子ペーパー、および、複数の電子ペーパーを備える表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、Webページ等の画像を、複数の表示装置に分けて表示するための技術が提案されている。
【0003】
たとえば、特許文献1(特開2007−333797号公報)には、複数枚の電子表示シートに画像を表示させるシステムにおいて、表示させる全体の画像から当該画像のインデックスを生成し、最初のページに対応する電子表示シートに当該インデックスを表示させる技術が開示されている。
【0004】
また、特許文献2(特開2006−039834号公報)には、複数の電子ペーパーと通信するフォルダ式データ処理装置において、各電子ペーパーから取得したコンテンツデータのサムネイル画像を生成して、サムネイル画像で表示されたコンテンツと転送先とを選択することにより、コンテンツデータを転送等する技術が開示されている。
【0005】
また、特許文献3(特開2004−110525号公報)には、異なるアプリケーションで作成された複数の画像データを1つの電子バインダシステムとして管理する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−333797号公報
【特許文献2】特開2006−039834号公報
【特許文献3】特開2004−110525号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、コンテンツのような画像を、複数の、電子ペーパーのような表示装置に振り分けて表示させる場合、その振り分けの作業に手間を要するという課題があった。
【0008】
本発明は、かかる実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、文書表示システムにおいて、文書の表示内容を複数の表示装置に振り分ける際の振り分けに要する手間を軽減することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に従った電子ペーパーは、複数の電子ペーパーからなる表示システムを構成する電子ペーパーであって、文書および文書に対する解析結果を記憶するための記憶手段と、文書の表示に関する指示を受付けるための入力手段と、入力手段が文書の一部を表示する指示を受付けた場合に、表示システムにおける他の電子ペーパーに対して、文書のうち解析結果において一部と関連付けられている部分の表示を指示するための指示手段とを備える。
【0010】
好ましくは、解析結果は、文書のインデックスデータであり、一部と関連付けられている部分は、一部において参照される図表である。
【0011】
好ましくは、自機において解析結果を表示させる制御手段をさらに備え、指示手段は、入力手段が文書の一部を表示する指示を受付けた場合に、表示システムにおける第1の電子ペーパーに対して、一部の表示を指示し、表示システムにおける第2の電子ペーパーに対して、解析結果において一部と関連付けられている部分の表示を指示する。
【0012】
好ましくは、解析結果は、文書に、当該文書における参照資料の提供場所を特定する情報を含み、指示手段は、提供場所と通信することにより参照資料を取得し、当該参照資料を、表示システムにおける他の電子ペーパーに送信する。
【0013】
好ましくは、表示システムを構成する各電子ペーパーの表示装置の、当該表示装置の表示面に沿う面についての位置である第1の位置と、当該表示装置の表示面に交わる方向についての位置である第2の位置とを取得するための取得手段とを備え、指示手段は、取得手段が取得した各電子ペーパーの表示装置の位置に基づいて、表示装置の位置が他の電子ペーパーの表示装置より表示に関する前側に重なって位置すると判断された電子ペーパーに対して、透過モードで表示を行なうように指示する。
【0014】
本発明に従った制御プログラムは、複数の電子ペーパーからなる表示システムを構成する電子ペーパーのコンピュータにおいて実行される制御プログラムであって、コンピュータを、文書および文書に対する解析結果を記憶するための記憶手段、文書の表示に関する指示を受付けるための入力手段、および、入力手段が文書の一部を表示する指示を受付けた場合に、表示システムにおける他の電子ペーパーに対して、文書のうち解析結果において一部と関連付けられている部分の表示を指示するための指示手段として機能させる。
【0015】
本発明に従った表示システムは、複数の電子ペーパーと画像処理装置とからなる表示システムであって、画像処理装置は、文書を解析するための解析手段と、解析手段による解析結果に基づいて、文書を複数の部分に分割するための分割手段とを含み、解析手段による解析結果は、複数の部分を互いに関連付け、画像処理装置は、解析結果における関連付けに基づいて、各部分と各電子ペーパーとを対応付けるための情報である対応関係情報を生成するための振分手段と、各電子ペーパーに、対応関係情報と、当該対応関係情報において当該電子ペーパーに対応付けられた部分とを送信するための送信手段とを含み、電子ペーパーは、情報を表示するための表示手段と、送信手段から送信された部分の表示の指示を受付けるための受付手段と、受付手段が部分の表示の指示を受付けた場合に、表示手段に当該部分を表示させ、さらに、解析結果において当該部分が関連付けられる部分の表示を、対応関係情報において当該関連付けられる部分が対応する電子ペーパーに対して指示するための制御手段とを含む。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、複数の電子ペーパーにおいて、互いに関連した情報が表示される。
これにより、コンテンツの表示内容を複数の表示装置に振り分ける作業をユーザに課すことなく、複数の電子ペーパー間で関連した情報を表示させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施の形態である文書表示システムの構成を示す図である。
【図2】図1のMFP(Multi Function Peripheral)のハードウェア構成の一例を示す図である。
【図3】図1のMFPの機能的構成の一例について説明するためのブロック図である。
【図4】図1の電子ペーパーのハードウェア構成を示す図である。
【図5】図1の電子ペーパーの機能ブロック図である。
【図6】文書の構造の一例を模式的に示す図である。
【図7】MFPにおいて実行される、目次情報の生成のための処理のフローチャートである。
【図8】MFPにおいて実行される、文書の部分を電子ペーパーに振り分けるための処理のフローチャートである。
【図9】本実施の形態の文書表示システムにおいて、複数の電子ペーパーで連動した表示を行なうために実行される処理のフローチャートである。
【図10】本実施の形態の電子ペーパーにおける表示内容を説明するための図である。
【図11】本実施の形態の電子ペーパーにおける表示内容を説明するための図である。
【図12】本実施の形態の電子ペーパーにおける表示内容を説明するための図である。
【図13】本実施の形態の電子ペーパーにおける表示内容を説明するための図である。
【図14】本実施の形態の電子ペーパーにおける表示内容を説明するための図である。
【図15】本実施の形態の電子ペーパーにおける表示内容を説明するための図である。
【図16】本実施の形態の電子ペーパーにおける表示内容を説明するための図である。
【図17】本実施の形態の電子ペーパーにおける表示内容を説明するための図である。
【図18】本実施の形態の電子ペーパーにおける表示内容を説明するための図である。
【図19】本実施の形態の電子ペーパーにおける表示内容を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態おける文書表示システムについて、図面を参照して説明する。
【0019】
<文書表示システムの概要>
本実施の形態における文書表示システムは、コンテンツの構造が解析され、当該解析結果に基いてコンテンツが分割され、そして、当該分割されたコンテンツが、解析結果において関連付けられた部分が互いに異なる電子ペーパーに蓄積されるように、複数の電子ペーパーに分散される。
【0020】
図1は、文書表示システムの構成を示す図である。
文書表示システムは、コンテンツサーバーとして機能するPC3と、画像処理装置の一例としてのMFP100と、携帯表示装置の一例としての電子ペーパー1A,1B,1Cとを備える。本明細書では、適宜、電子ペーパー1A,1B,1Cを総称して「電子ペーパー1」という。
【0021】
電子ペーパー1は、電力なしで半永久的に表示が可能であり、書換え時のみ、微量の電力を使うデバイスである(他の薄型ディスプレイ(PDP)では300〜350ワットほど消費するのに対し、40型のもので1回の書換えに3ワットの消費)。また、微弱な電波のエネルギーを用い、無線で電子ペーパーの書き換えが可能である。
【0022】
電子ペーパーは、薄くて軽く(厚さ0.8mm程度、40型のもので重さ480g程度)、曲げられるという特徴を有している。
【0023】
MFP100は、コピー、ネットワークプリンティング、スキャナ、FAX、またはドキュメントサーバなどの機能を集約した画像形成装置であり、複合機などと呼ばれることもある。MFP100は、操作部11と、ディスプレイ部12と、ドキュメントフィーダ17と、排紙トレイ19とを備えている。また、HDD23と、通信インターフェース16とを内蔵する。
【0024】
電子ペーパー1A〜1Cのそれぞれは、操作スイッチなどからなる操作部50と、メモリ性を有する液晶を用いた液晶表示デバイス55と、後に図4で説明する制御部とを備えている。また、電子ペーパー1A〜1Cのそれぞれは、それぞれの端末固有のID、およびメモリ9(図4参照)に格納しているファイルのファイル情報を記憶する記憶部53(ICタグなど)を内蔵している。
【0025】
サーバ3は、コンテンツサーバとして機能する情報処理装置であり、たとえば、通信機能を備えた汎用のコンピュータによって実現される。
【0026】
<MFPのハードウェア構成>
図2は、MFP100のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0027】
MFP100は、操作部11、ディスプレイ部12、スキャナ部13、プリンタ部14、通信インターフェース16、ドキュメントフィーダ17、給紙装置18、CPU20、ROM21、RAM22、ハードディスク23、ユーザ認証部24、および無線通信制御部26などによって構成される。
【0028】
操作部11は、数字、文字、および記号などを入力するための複数のキー、押下されたキーを認識するセンサ、ならびに認識したキーを示す信号をCPU20に送信する送信用回路などによって構成される。
【0029】
ディスプレイ部12は、ユーザに対してメッセージを表示する画面、ユーザが設定内容や処理内容を入力するための画面、およびMFP100で実行された処理の結果を示す画面などを表示する。本実施の形態ではディスプレイ部12にタッチパネルが用いられており、これは操作部11に含まれる。タッチパネルは、ユーザが指で触れたタッチパネル上の位置を検知し、検知結果を示す信号をCPU20に送信する機能を備えている。
【0030】
スキャナ部13は、原稿に描かれている画像を光電的に読み取って、デジタルの画像データ(ここでは、RGBまたはブラックの濃度を表す濃度データ)を生成する。このようにして得られた画像データは、プリンタ部14において印刷のために用いられるほか、TIFF、PDF、JPEGなどのフォーマットのファイルに変換されてハードディスク23に記憶される。これらデータは、FAXデータに変換されてFAX送信に供されることもある。
【0031】
ドキュメントフィーダ17は、MFP100の本体の上部に設けられており、1枚または複数枚の原稿をスキャナ部13に順次送るために用いられる。
【0032】
プリンタ部14は、スキャナ部13にて読取られた画像、LAN(ローカルエリアネットワーク)等のネットワークを介して接続されたPC(パーソナル・コンピュータ)等の外部装置から送信されてきたデータの画像、またはFAX受信したFAXデータの画像を、用紙またはフイルムなどの記録シートに印刷する。
【0033】
給紙装置18は、MFP100本体の下部に設けられており、印刷対象の画像に適した記録シートをプリンタ部14に供給するために用いられる。プリンタ部14によって画像が印刷された記録シートはトレイ19に排出される。
【0034】
通信インターフェース16は、PC等の外部装置とネットワークを介して通信を行ったり、電話回線を通じてFAX送受信等を行なうための装置である。通信インターフェース16として、NIC(ネットワーク・インターフェース・カード)、モデム、TA(ターミナル・アダプタ)、無線通信(Bluetoothなど)装置などが用いられる。
【0035】
ROM21には、画像の読取(スキャン)、原稿の複写(コピー)、FAXデータの送受信、ネットワークプリンティング、およびドキュメントサーバ(ボックス機能)などのMFP100の基本機能を実現するためのプログラムやデータが記憶されている。またROM21には、本発明を実施するための機能を実現するプログラムおよびデータが記憶されている。これらのプログラムまたはデータの一部または全部を、ハードディスク23にインストールしておいてもよい。この場合は、ハードディスク23にインストールされているプログラムまたはデータは、必要に応じてRAM22にロードされる。
【0036】
本実施の形態で説明する機能は、必ずしもCPU20だけでなく、専用ハードウェアを利用したり、一部はオペレーティングシステム(OS)等の汎用プログラムの機能を利用して実現することもできる。また、ROM21やRAM22として、不揮発性の半導体メモリを用いることもできる。
【0037】
<MFPの機能構成>
図3は、MFP100の機能的構成の一例について説明するためのブロック図である。
【0038】
MFP100は、ネットワークを介してPC3や電子ペーパー1と通信するためのインターフェースとして機能するネットワークインターフェース部105と、コンテンツ等の文書や種々のデータを格納する文書・データ格納部103と、文書の構造を解析する文書解析部101と、文書解析部101による解析結果を格納する解析結果格納部102と、データ振分部104とを含む。データ振分部104は、上記解析結果に基いて文書を分割し、そして、分割された文書を、文書表示システムを構成する複数の電子ペーパー1に振り分けて格納するための情報を生成する。
【0039】
ネットワークインターフェース部105は、通信インターフェース16によって実現される。また、文書解析部101、および、データ振分部104は、たとえば、CPU20がROM21に格納されたプログラムを実行することにより、実現される。解析結果格納部102、および、文書・データ格納部103は、たとえばハードディスク23によって実現される。
【0040】
<電子ペーパーのハードウェア構成>
図4は、電子ペーパー1のハードウェア構成を示す図である。なお、電子ペーパー1A,1B,1Cのハードウェア構成は、いずれも図4に示されたものとすることができる。
【0041】
電子ペーパー1は、制御部として、CPU7と、メモリ9と、表示装置4と、センサ制御部5と、操作スイッチ6と、クロック回路8と、外部インターフェース10と、ケーブル通信ユニット31と、無線通信ユニット32と、タイマー制御部33と、加速度センサを含む各種センサ38とを備えている。
【0042】
CPU7は、操作スイッチ6からの指示や外部インターフェース10(ケーブル通信ユニット31および無線通信ユニット32も含む)からの入力命令に基づいて各部を制御する。表示装置4は、液晶表示デバイス55(図1)に画像を表示させるための制御を行なう。メモリ9は、少なくとも1画像分の表示用のデータを記憶する。メモリ9には、さらにCPU7の動作プログラムなどが格納される。
【0043】
センサ制御部5は、例えば加速度センサの制御を行なう。タイマー制御部33は、メモリ9に設定される設定値までタイマーカウンタをカウントアップしたり、カウント値のクリアなどの制御を行なう。
【0044】
外部インターフェース10およびケーブル通信ユニット31は、LANなどのネットワーク、拡張カードなどの外部機器、または情報記憶メディアとの接続を確立するものである。無線通信ユニット32は、無線ICタグのリード・ライト命令に対するデータ送受信や、BlueToothなどを用いた無線通信による電子ペーパーへのリード・ライト命令に対するデータ送受信を行なうものである。
【0045】
電子ペーパー1において、操作スイッチ6は、液晶表示デバイス55に重ねられて設けられるシート状のタッチセンサを含んでいても良い。この場合、当該タッチセンサと液晶表示デバイス55とによって、タッチスクリーンが構成される。
【0046】
<電子ペーパーの機能構成>
図5は、電子ペーパー1の機能ブロック図である。
【0047】
電子ペーパー1は、MFP100やPC3、または、他の電子ペーパーと通信するためのインターフェースである通信部64と、外部からの情報の入力を受付ける操作部65と、コンテンツ等の文書や種々のデータを記憶する文書・データ格納部63と、表示対象となる文書を選択するための表示選択部62と、情報を表示する表示部61とを含む。表示選択部62は、操作部65が受付けた情報に基づいて、文書を選択する。
【0048】
表示部61は、表示装置4によって実現される。通信部64は、外部インターフェース10、無線通信ユニット32、および/または、ケーブル通信ユニット31によって実現される。操作部65は、操作スイッチ6によって実現される。表示選択部62は、たとえばCPU7がメモリ9に格納されたプログラムを実行することにより、実現される。
【0049】
<目次情報>
本実施の形態では、文書の構造が解析される。解析は、文書が、たとえばXML(Extensible Markup Language)形式で記載されている場合には、XMLファイルについての公知の構文解析技術により実現される。また、文書がPDF(Portable Document Format)の場合には、フォントの大きい文字を見出しとみなす等の、公知の技術に基づく構造解析技術により実現される。
【0050】
本明細書では、文書の構造解析の結果として得られる階層構造を、[1],[2]のように、大括弧を付して表す。具体的には、文書における第1階層(いわゆる「章」に相当するようなもの)を[1],[2]のように、1文字で表し、第2階層(いわゆる「セクション」のようなもの)を[1−1],[1−2],[2−1]のように第1階層を表す文字の次に第2階層の区分を表す文字を含むように表す。なお、本実施の形態では、第2階層は、第1階層の本文において参照される図表を含むものとする。また、本明細書では、各階層の要素を「インデックス」と呼ぶ。
【0051】
本実施の形態では、文書の構造解析がなされた後、各インデックスごとに文書のデータが分割される。そして、各インデックスは、そのタイトル、および、当該インデックスに対応する部分のデータと関連付けられる。このような関連付けを、本明細書では、「目次情報」という。ここで、目次情報の一例について説明する。図6は、文書の構造の一例を模式的に示す図である。図6に示す構造を有する文書についての目次情報の一例を、表1に模式的に示す。
【0052】
【表1】

【0053】
まず図6を参照して、文書700は、第1章の本文に対応する部分701と、第1章の本文が参照する図に対応する部分702と、第2章の本文に対応する部分703とを含む。部分703には、第2章の本文が参照する文書の所在(URL(Uniform Resource Locator))が含まれる。
【0054】
表1では、インデックスが、タイトルとデータ格納場所に関連付けられている。表1中のインデックス[1]は、部分701に対応する。また、インデックス[1−1],[2]は、それぞれ、部分702,703に対応する。そして、インデックス[2−1],[2−2]は、部分703において参照されているURLに対応する。なお、インデックスが生成される場合、文書において、「http://」等のように資料の参照先を表す文字列や、「参照図」等のように図表を参照することを示す文字列が検出されると、独立したインデックスとして、参照図や参照資料のタイトルを付されたインデックスが生成される。
【0055】
各インデックスのタイトルは、たとえば各インデックスに対応する部分の一行目に記載された文字列が抽出されることによって生成される。また、インデックスの部分が図表である場合には、たとえば、当該インデックスの一段階上の階層のタイトルに所定の処理が施されたものがタイトルとされる。具体的には、第1階層[1]において参照される1つ目の図表であるインデックス[1−1]に対しては、インデックス[1]の「本文(1)」に対して、「本文」という文字列の代わりに「参照図」という文字列が付されて「参照図(1)」というタイトルが生成される。
【0056】
各インデックスのデータ格納場所(表1では、「loc01」「loc02」「loc03」「loc04」「loc05」と表記)は、文書データが上記のように分割されたときの、分割されたデータの格納場所とされる。インデックスがURLに対応する場合には、格納場所は、URLとされても良いし、当該URLからデータが取得されたときの格納場所とされても良い。
【0057】
<関連情報>
本実施の形態では、1の文書の表示に複数の電子ペーパーが利用される。
【0058】
具体的には、1の電子ペーパーに対して1の文書の中の1のインデックスの表示の指示がなされると、当該1の電子ペーパーでは当該指示されたインデックスに対応する部分が表示され、そして、他の電子ペーパーには、当該部分に関連する部分が表示される。本明細書では、部分同士の関連を表す情報を、関連情報という。関連情報の一例を、表2に示す。
【0059】
【表2】

【0060】
表2では、表示を示されたインデックスが、当該指示があった場合に、第1電子ペーパー、第2電子ペーパー、第3電子ペーパーのそれぞれにおいて表示されるべきインデックスと関連付けられて示されている。
【0061】
たとえば、インデックス[1]の表示が指示された場合、第1電子ペーパーに表示されるべきインデックスとして「しおり」が、第2電子ペーパーに表示されるべきインデックスとしてインデックス[1]が、第3電子ペーパーに表示されるべきインデックスとしてインデックス[1−1]が、関連付けられている。
【0062】
なお、「しおり」とは、各インデックスを、そのタイトル(表1)を含む情報として表示する内容である。
【0063】
関連情報では、複数の電子ペーパーにおいて、互いに関連した情報が表示されるように、各電子ペーパーに表示されるインデックスが登録されている。
【0064】
具体的には、表2において、インデックス[1]の表示指示が入力された場合、第2電子ペーパーにはインデクス[1]の部分が表示され、そして、第3電子ペーパーには、当該インデックス[1]に対して1つ階層の低いインデックス[1−1]が表示される。なお、インデックス[1−1]は、表1の例では、インデックス[1]の本文において参照される図面に対応している。つまり、表2の例では、第2電子ペーパーに、文書の第1章(インデックス[1])が表示されているときに、同時に、第3電子ペーパーでは、当該第1章において参照されている図面(インデックス[1−1])が表示される。
【0065】
また、インデックス[2]の表示指示が入力された場合、第2電子ペーパーにはインデクス[2]の部分が表示され、そして、第3電子ペーパーには、当該インデックス[2]に対して1つ階層の低いインデックス[2−1]が表示される。なお、インデックス[2−1]は、表1の例では、インデックス[2]の本文に記載されるURLから取得された資料に対応している。つまり、表2の例では、第2電子ペーパーに、文書の第2章(インデックス[2])が表示されているときに、同時に、第3電子ペーパーでは、当該第2章において参照されているURLから取得された参照資料(図5の部分3において1つ目に挙げられたURLに対応する資料であって、インデックス[2−1]に対応する資料)が表示される。
【0066】
なお、表2から理解されるように、第2電子ペーパーには、インデックス[2]に対応する部分とインデックス[2−2]が組み合わされて表示される。これは、インデックス[2]に対応する表示面積が予め定められた面積より小さいため、インデックス[2]と同じ章内の資料(インデックス[2]の下位に属するに対応する資料)であるインデックス[2−2]と組み合わされて、表示される。つまり、本実施の形態では、インデックスに対応するデータの表示面積が予め定められた面積より小さいか否かに応じて、他のインデックスと組み合わされて表示されるか否かが決定される。
【0067】
また、表2において、「[2]+[2−2]」と記載されているのは、インデックス[2]とインデックス[2−2]とが組合わされて表示されることを意味する。
【0068】
<文書の表示>
以下、本実施の形態の文書表示システムにおいて、複数の電子ペーパーを用いた文書の表示が行なわれるための処理について、説明する。
【0069】
(目次情報の生成)
図7は、MFP100において実行される、目次情報の生成のための処理のフローチャートである。図7の処理は、たとえばCPU20がROM21に格納されたプログラムを実行することにより、実現される。
【0070】
図7を参照して、まずステップSA10において、文書解析部101が、MFP100において格納された文書の中で、解析の対象とする文書を選択する情報の入力を受付ける。操作部11に対して、選択する情報が入力されると、ステップSA20へ処理が進められる。
【0071】
ステップSA20では、文書解析部101は、文書・データ格納部103から、選択された文書を取得して(読み込んで)、ステップSA30へ処理を進める。なお、文書は、ネットワークを介して他の装置からダウンロードされて文書・データ格納部103に格納されても良いし、スキャナ部13において原稿が読み込まれることによってPDFデータ等のデータを生成されたものが文書・データ格納部103に格納されても良い。
【0072】
ステップSA30では、文書解析部101は、ステップSA20で取得した文書の構造解析を行なって、ステップSA40へ処理を進める。これにより、処理対象となった文書のインデックスが生成される。
【0073】
ステップSA40では、文書解析部101は、ステップSA30で生成されたインデックスを用いて、処理対象となった文書の目次情報を生成して、ステップSA50へ処理を進める。生成された目次情報は、解析結果格納部102に格納される。
【0074】
ステップSA50では、文書解析部101は、インデックスの格納場所がURL等のデータの参照先を表す情報である場合、当該参照先からデータをサーバ3等からダウンロードして取得して、ステップSA60へ処理を進める。取得されたデータは、文書・データ格納部103に記憶される。なお、このようにデータを取得すると、文書解析部101は、目次情報において、当該インデックスのデータ格納場所を、ダウンロードされたデータの格納場所へと変更する。
【0075】
なお、MFP100では、設定により、後述するステップSA140において参照先の図表のデータをダウンロードするようにしても良い。この場合には、ステップSA50の処理は省略される。また、後述するステップSA140の処理は、ステップSA50においてダウンロードに失敗した場合の予備的な処理として実行されても良い。
【0076】
以上、図7を参照して説明した処理によれば、選択された文書について、構造解析がなされ、目次情報が生成され、そして、他の参照する資料がダウンロードされる。
【0077】
(文書の部分の振分)
MFP100において、図7を参照して説明したように、文書についての目次情報が生成された後、電子ペーパー1において表示させるための操作がなされると、MFP100では、文書についての複数の部分を各電子ペーパーに振り分けて送信する。図8は、MFP100において実行される、文書の部分を電子ペーパーに振り分けるための処理のフローチャートである。なお、図8の処理は、たとえばCPU20がROM21に格納されたプログラムを実行することにより、実現される。
【0078】
図8を参照して、まずステップSA110において、データ振分部104が、MFP100において格納された文書の中で、電子ペーパーにおける表示の対象とする文書を選択する情報の入力を受付ける。操作部11に対して、選択する情報が入力されると、ステップSA120へ処理が進められる。
【0079】
ステップSA120では、データ振分部104は、ステップSA110において選択を受付けた文書の目次情報を解析結果格納部102から取得して(読み込んで)、ステップSA130へ処理を進める。
【0080】
ステップSA130では、データ振分部104は、当該文書において参照される資料を取得して、ステップSA140へ処理を進める。ステップSA130では、データ振分部104は、目次情報の格納場所としてURLが格納されている場合、当該URLに格納されたファイルをダウンロードして、文書・データ格納部103に格納させる。このとき、目次情報において、対応するインデックスのデータ格納場所を、ダウンロードしたファイルの格納場所に書き換える。
【0081】
ステップSA140では、データ振分部140は、文書の表示に利用する電子ペーパーについての情報を取得して、ステップSA150へ処理を進める。ここで取得される情報としては、たとえば、表示に利用される電子ペーパーの数や液晶表示デバイス55の解像度が挙げられる。当該情報は、たとえば操作部11に対する操作によって、MFP100へ入力される。
【0082】
ステップSA150では、データ振分部140は、ステップS120で取得した目次情報およびステップSA140で入力を受付けた電子ペーパーの情報に基づいて関連情報(表2参照)を生成して、ステップSA160へ処理を進める。生成された関連情報は、解析結果格納部102に格納される。
【0083】
なお、MFP100では、関連情報の関する設定が登録されている。登録される設定内容としては、たとえば、表示に利用される電子ペーパーの数が3以上である場合には、その中の1台の電子ペーパーには文書の「しおり」が表示される、インデックスに対応する表示領域が少ない場合には適宜他のインデックスと組み合わされて表示される(たとえば、表2の「[2]+[2−2]」)、などが考えられる。
【0084】
ステップSA160では、データ振分部140は、関連情報における振分に従って、文書のデータを分割する。たとえば、生成された関連情報が表2に示されるようなものである場合には、「しおり」のデータと、インデックス[1],インデックス[2],インデックス[2]とインデックス[2−2],インデックス[1−1],インデックス[2−1],インデックス[2−2]のそれぞれに対応するページを表示するためのデータが生成される。生成されたデータは、文書・データ格納部103に格納される。しおりのデータとは、目次情報におけるインデックスを、タイトルを付して表示するための情報である。なお、このような表示用のデータの生成の後、文書・データ格納部103に格納されている元の文書のデータは、削除されても良いし、そのまま残されても良い。
【0085】
そして、ステップSA160では、データ振分部140は、関連情報における振分に従って、生成された各データを各電子ペーパーに送信する。たとえば、関連情報が表2のように決定された場合には、第1電子ペーパー(たとえば、電子ペーパー1A)には、しおりのデータが送信される。そして、第2電子ペーパー(たとえば、電子ペーパー1B)には、インデックス[1],インデックス[2]とインデックス[2−2],インデックス[1−1],インデックス[2−1],インデックス[2−2]のそれぞれに対応するページを表示するためのデータが送信される。そして、第3電子ペーパー(たとえば、電子ペーパー1C)には、インデックス[1−1],インデックス[2−1],インデックス[1],インデックス[2]のそれぞれに対応するページを表示するためのデータが送信される。
【0086】
また、ステップSA160では、データ振分部140は、各電子ペーパー1に、関連情報も送信する。
【0087】
(文書の表示処理)
以上の処理により、文書表示システムでは、各電子ペーパーに、他の電子ペーパーと連動して文書を表示するためのデータが配分される。したがって、1の電子ペーパーに対して文書を表示するための指示が入力されると、文書表示システムを構成する複数の電子ペーパーの間で、連動した表示が実現される。なお、MFP100から送信された、文書の一部分(ステップSA160で送信された、インデックス[1]を表示するためのデータ等)は、各電子ペーパー1において、文書・データ格納部63に格納される。また、関連情報も、文書・データ格納部63に格納される。
【0088】
図9は、1の電子ペーパーにおいて、複数の電子ペーパーで連動した表示を行なうために実行される処理のフローチャートである。以下、電子ペーパー間での連動した表示を実現されるために1の電子ペーパーにおいて実行される処理の内容を説明する。なお、図9に示される処理は、文書表示システムにおいて、たとえば、関連情報において「第1電子ペーパー」とされた電子ペーパー1において、CPU7がメモリ9に格納されたプログラムを実行することにより実現される。
【0089】
図9を参照して、ステップSB10では、操作部65が、文書・データ格納部63に格納された文書の中から、表示の対象となる文書を選択する情報の入力を受付けて、ステップSB20へ処理を進める。
【0090】
ステップSB20では、表示選択部62は、ステップSB10で選択された文書について、格納された文書と関連情報とを文書・データ格納部63から読み出して、ステップSB30へ処理を進める。
【0091】
ステップSB30では、表示選択部62は、文書についての初期画面を表示させて、ステップSB40へ処理を進める。ここで初期画面とは、たとえば、文書を表示する際の初期画面用に予め定められ、文書・データ格納部63に格納されている画面であっても良いし、しおりのデータが格納されている場合にはしおりの画面であっても良い。また、しおりのデータが格納されていない場合には、たとえば、第1章の画像(インデックス[1])であっても良い。
【0092】
ステップSB40では、表示選択部62は、操作部65に対して、表示内容を変更する指示が入力されたか否かを判断し、入力されたと判断すると、ステップSB50へ処理を進める。
【0093】
ステップSB50では、表示部61が、操作部65に対して入力された内容に応じて、自機の表示画面を更新して、ステップSB60へ処理を進める。ここでの表示画面の更新は、たとえば、関連情報に従って行なわれる。具体的には、たとえばこの処理が第1電子ペーパーにおいて実行されている場合には、どのような表示指示がなされても、しおりが表示される。
【0094】
ステップSB60では、表示選択部62は、通信部64を介して他の電子ペーパーと通信することにより、他の電子ペーパーが使用可能か否かを判断し、使用可能であると判断すれば、ステップSB70へ処理を進め、そうではないと判断するとステップSB80へ処理を進める。
【0095】
ここで、他の電子ペーパーとは、関連情報において、ステップSB40で指示された表示内容と関連付けられている電子ペーパーをいう。たとえば、表2の関連情報について、インデックス[1]を表示する指示がなされた場合、表2では、インデックス[1]について、第1電子ペーパーがしおりを表示するように、第2電子ペーパーがインデックス[1]を表示するように、第3電子ペーパーがインデックス[1−1]を表示するように、規定されている。この場合、第1〜第3電子ペーパーのすべてが、指示された表示内容に関連付けられていることになる。
【0096】
ステップSB70では、表示選択部62は、通信部64を介して、関連情報に従って、他の電子ペーパーに、ステップSB40で指示された表示内容と関連付けられた内容の表示を指示して、ステップSB90へ処理を進める。たとえば、この処理が第1電子ペーパーにおいて実行されている場合であって、インデックス[1]の表示が指示された場合、ステップSB70では、第2電子ペーパーに対してインデックス[1]の表示を指示する情報(コマンド、等)が送信され、また、第3電子ペーパーに対してインデックス[1−1]の表示を指示する情報(コマンド、等)が送信される。
【0097】
一方、ステップSB80では、表示選択部62は、関連情報において、MFP100に対して、使用不可と判断した電子ペーパーが表示するべきデータを、他の電子ペーパーに転送することを要求して、ステップSB90へ処理を進める。たとえば、第3電子ペーパーが使用不可と判断された場合、MFP100に対して、第2電子ペーパーに、第3電子ペーパーが表示するデータであって第2電子ペーパーに送信されていないデータ(表2の例では、インデックス[2]とインデックス[2−2]のそれぞれを単独で表示するためのデータ)を送信することを指示する情報が送信される。
【0098】
ステップSB90では、表示選択部62は、操作部65に対して、表示中の文書の表示を終了する指示が入力されたか否かを判断し、入力されていないと判断するとステップSB40へ処理を戻し、入力されたと判断すると図9の処理を終了させる。
【0099】
以上説明した処理に従えば、初期画面として、第1電子ペーパーの液晶表示デバイス55には、図10(A)に示す画面が表示される。図10(A)は、しおりの表示例を示している。
【0100】
そして、第1電子ペーパーに対してインデックス[1]を表示する指示が入力されると、表2においてインデックス[1]の表示指示に対応する第2電子ペーパーの表示内容がインデックス[1]であることに基づき、第1電子ペーパーから第2電子ペーパーに、インデックス[1]を表示する指示が送られる。これに従い、第2電子ペーパーの液晶表示デバイス55では、図10(B)に示されるように、インデックス[1]に対応する画面が表示される。なお、図10(B)に示された画面は、図6の部分701に対応する。
【0101】
また、第1電子ペーパーに上記指示が入力されると、表2においてインデックス[1]の表示指示に対応する第3電子ペーパーの表示内容がインデックス[1−1]であることに基づき、第1電子ペーパーから第3電子ペーパーに、インデックス[1−1]を表示する指示が送られる。これに従い、第3電子ペーパーの液晶表示デバイス55では、図10(C)に示されるように、インデックス[1−1]に対応する画面が表示される。なお、図10(B)に示された画面は、図6の部分702に対応する。
【0102】
また、第1電子ペーパーに対して、インデックス[2]を表示する指示が入力された場合の表示内容を説明する。
【0103】
表2において、インデックス[2]の表示指示に対応する第1電子ペーパーの表示内容は、「しおり」である。これに基づき、当該指示が入力された場合、第1電子ペーパーの液晶表示デバイス55では、図11(A)に示されるように、しおりが表示される。
【0104】
また、表2において、インデックス[2]の表示指示に対応する第2電子ペーパーの表示内容は、インデックス[2]とインデックス[2−2]である。これに基づき、当該指示が入力された場合、第1電子ペーパーから第2電子ペーパーに対して、インデックス[2]とインデックス[2−2]を合成された画面を表示する指示が送られる。これに応じて、第2電子ペーパーの液晶表示デバイス55では、図11(B)に示されるように、そのような画面が表示される。図11(B)に示された画面では、図6の部分703と、当該部分703中のURL(2)に格納されている資料(参照資料(2−2))とが含まれる。
【0105】
また、表2において、インデックス[2]の表示指示に対応する第3電子ペーパーの表示内容は、インデックス[2−1]である。これに基づき、当該指示が入力された場合、第1電子ペーパーから第3電子ペーパーに対して、インデックス[2−1]を表示する指示が送られる。これに応じて、第3電子ペーパーの液晶表示デバイス55では、図11(C)に示されるように、そのような画面が表示される。図11(C)に示された画面では、図6の部分703中のURL(1)に格納されている資料(参照資料(2−1))が含まれる。
【0106】
以上、図10および図11を参照して説明した例では、本文(文書において第1階層の部分)の表示が指示された場合、第2電子ペーパーに当該部分が表示され、そして、第3ペーパーに当該部分が参照する図表や資料が表示されていた。なお、図表や資料の表示が指示された場合に、当該図表や資料が第2電子ペーパーに表示され、そして、当該図表や資料を参照する本文が、第3電子ペーパーに、当該図表や資料に関連する情報として表示されても良い。
【0107】
第1電子ペーパーに対して、インデックス[1−1]を表示する指示が入力された場合の表示内容を説明する。
【0108】
表2において、インデックス[1−1]の表示指示に対応する第1電子ペーパーの表示内容は、「しおり」である。これに基づき、当該指示が入力された場合、第1電子ペーパーの液晶表示デバイス55では、図12(A)に示されるように、しおりが表示される。
【0109】
また、表2において、インデックス[1−1]の表示指示に対応する第2電子ペーパーの表示内容は、インデックス[1−1]である。これに基づき、当該指示が入力された場合、第1電子ペーパーから第2電子ペーパーに対して、インデックス[1−1]を表示する指示が送られる。これに応じて、第2電子ペーパーの液晶表示デバイス55では、図12(B)に示されるように、そのような画面が表示される。
【0110】
また、表2において、インデックス[1−1]の表示指示に対応する第3電子ペーパーの表示内容は、インデックス[1]である。これに基づき、当該指示が入力された場合、第1電子ペーパーから第3電子ペーパーに対して、インデックス[1]を表示する指示が送られる。これに応じて、第3電子ペーパーの液晶表示デバイス55では、図12(C)に示されるように、そのような画面が表示される。
【0111】
図12(B)の画面は、図6の部分702に対応する。一方、図12(C)の画面は、図6の部分701に対応する。部分702の表示が指示されると、文書表示システムでは、或る電子ペーパーに、部分702が表示されるとともに、他の電子ペーパーに、当該部分702を参照する本文である部分701が表示される。
【0112】
<変形例(1)>
以上説明した本実施の形態では、文書表示システムにおいて、複数の電子ペーパーを用いた文書の表示が実現される。文書の或る部分の表示が指示されると、或る電子ペーパーでは、当該指示された部分が表示される。そして、他の電子ペーパーに、当該指示された部分と関連する部分が表示される。なお、関連する部分とは、インデックス[1](図6の部分701)に対するインデックス[1−1](図6の部分702)のように、同じ文書内容の部分であっても良いし、インデックス[2](図6の部分703)に対するインデックス[2−1]のように、文書において参照している資料であって文書外の部分であっても良い。
【0113】
なお、図10〜図12を参照して説明した例では、複数の電子ペーパーの中の少なくとも1つにおいて常にしおりが表示されていた。ただし、本発明に係る文書表示システムでは、このような表示例に限定されない。
【0114】
たとえば、表3に、関連情報の他の例を示す。
【0115】
【表3】

【0116】
表3に示された例では、第1電子ペーパーでは、表示指示に対応するインデックスが表示される。そして、表3では、第2電子ペーパーおよび第3電子ペーパーに対して、第1電子ペーパーにおいて表示される部分に関連した表示内容が指定されている。なお、表3では、各電子ペーパーにおいて表示される内容は、文書について生成されたインデックスの他に、「関連情報」が指定されている。関連情報とは、たとえば、第1電子ペーパーにおいて表示を指示された内容から抽出されたキーワードを用いて、ネットワーク上に格納された情報の検索結果とすることができる。
【0117】
図13に、表3に示された関連情報に基づいた表示の例を示す。
第1電子ペーパーに対してインデックス[1]の表示指示がなされた場合、第1電子ペーパーの液晶表示デバイス55では、図13(A)に示されるように、インデックス[1]に対応した内容、つまり、図6の部分701に対応した内容が表示される。
【0118】
表3において、インデックス[1]の表示指示がなされた場合、第2電子ペーパーに表示されるべき内容はインデックス[1−1]である。これに従い、第1電子ペーパーは、第2電子ペーパーに対して、インデックス[1−1]の表示を指示する。これに応じて、第2電子ペーパーの液晶表示デバイス55では、図13(B)に示されるように、インデックス[1−1]に対応した内容、つまり、図6の部分702に対応した内容が表示される。
【0119】
表3において、インデックス[1]の表示指示がなされた場合、第3電子ペーパーに表示されるべき内容は「関連情報」である。これに従い、第1電子ペーパーは、当該第1電子ペーパーの液晶表示デバイス55において表示されている内容に対する関連情報をサーバ3等から取得し、第3電子ペーパーに対して、当該取得した内容の表示を指示する。関連情報の取得は、たとえば、上記したように、表示されているテキストや画像からキーワードを取得し、当該キーワードを用いた検索を行ない、その検索結果を取得することにより実現される。そして、これに応じて、第3電子ペーパーの液晶表示デバイス55では、図13(C)に示されるように、上記したような関連情報が表示される。
【0120】
<変形例(2)>
本実施の形態の文書表示システムでは、インデックス情報を更新することができる。
【0121】
たとえば、電子ペーパーにおいて、図10(A)に示されたしおりの画面に対して、第1章と第2章とを入れ替えるための操作がなされた場合、文書表示システムでは、第1章と第2章が入れ替えられるように、目次情報および関連情報が更新される。
【0122】
具体的には、たとえば、まず図14に示されるように、しおりの画面において、第2章が範囲指定される。図14では、範囲指定された領域が領域901で示されている。そして、当該範囲の移動先が指定される。図14では、第1章の前が指定された状態が示されている。具体的には、当該指定された位置に、カーソル902が示されている。この状態で、当該電子ペーパーに対して入れ替えを決定する操作がなされると、図15に示されるように、一時的に、入れ替えられた状態が示される。図15では、図14において指定された領域901の内容が、図14において指定された位置に移動されて表示されている。
【0123】
そして、図16に示されるように、移動後の章番号等が表示されるように、画面の表示が更新される。図7では、移動前の第2章が第1章として、そして、移動前の第1章が第2章として、表示が改められている。
【0124】
これに応じて、当該電子ペーパーでは、関連情報が更新される。
表2の関連情報において、第1章と第2章が入れ替えられた後のものを、表4に示す。
【0125】
【表4】

【0126】
表4では、表2における第1章に対応する内容(インデックス[1]に対応する内容)が、第2章に対応する内容として示されている。また、第2章に対応する内容(インデックス[2]に対応する内容)が、第1章に対応する内容として示されている。
【0127】
具体的には、表2のインデックス[1],[1−1]が、それぞれ、表4ではインデックス[2],[2−1]に変更されている。また、表2のインデックス[2],[2−1],[2−2]が、それぞれ、表4ではインデックス[1],[1−1],[1−1]に変更されている。これにより、複数の電子ペーパーにおいて関連して表示される部分同士の関係は変更されることなく、章番号のみが、変更される。
【0128】
このような更新がなされると、電子ペーパーは、他の電子ペーパーに、その内容を送信する。これにより、文書表示システムのすべての電子ペーパーにおいて、関連情報が更新される。
【0129】
また、電子ペーパーは、このような変更の内容を、MFP100に送信する。これに応じて、MFP100では、関連情報を更新するとともに、目次情報も更新する。表2から表4に関連情報が更新されることに応じて、表1の目次情報は、たとえば表5に示されるように更新される。
【0130】
【表5】

【0131】
表5の目次情報では、表1に対して、第1章と第2章の間で、対応するタイトルやデータ格納場所が入れ替えられるように、目次情報が更新されている。
【0132】
<変形例(3)>
本実施の形態では、上記のように、複数の電子ペーパーにおいて、互いに関連した内容を表示するように制御される。
【0133】
ただし、割り込み処理的に、各電子ペーパーのそれぞれに、ユーザがその時点で表示を希望した情報を表示させることができる。
【0134】
たとえば、図10(A)〜図10(C)を参照して説明されたように、第1電子ペーパーに対してインデックス[1]の表示が指示された場合、第1電子ペーパーにはしおりが表示され(図10(A))、第2電子ペーパーにはインデックス[1]の画面が表示され(図10(B))、そして、第3電子ペーパーにはインテックス[1−1]の画面が表示された(図10(C))。この状態から、第2電子ペーパーに他の電子ペーパーの表示を変更することなくインデックス[2−1]を表示する指示がなされると、文書表示システムでは、図17に示されるように、指示された電子ペーパーでのみ表示が変更される。
【0135】
図17(A),図17(B),図17(C)は、上記指示後の第1,第2,第3電子ペーパーでの表示内容をそれぞれ示す。図17(A)と図10(A)に示されるように、第1電子ペーパーでは表示内容の変更はなく、また、図17(C)と図10(C)に示されるように、第3電子ペーパーでも表示内容に変更はない。そして、図17(B)と図10(B)から理解されるように、表示内容の変更を指示された第2電子ペーパーでのみ、表示内容が変更されている。
【0136】
なお、第1〜第3のいずれかの電子ペーパーに対して、再度連動した表示をするように指示がなされると、関連情報に従った、複数の電子ペーパー間での連動した表示が再開される。
【0137】
<変形例(4)>
電子ペーパーの表示モードとして、透過、反射、半透過モードの各モードが公知とされている。
【0138】
本実施の形態では、すべての電子ペーパーがその位置を検出する手段を備え、1の電子ペーパーが、文書表示システムにおけるすべての電子ペーパーの位置を検出し、或る電子ペーパーの液晶表示デバイス55が他の電子ペーパーの液晶表示デバイス55の表示面に交わる方向について重なる位置にした場合には、当該或る電子ペーパーの液晶表示デバイス55の表示モードを、反射モードや半透過モードから透過モードへと切り替える旨の指示を出すことができる。
【0139】
具体的には、図18(A)および図18(B)に示されるように、電子ペーパー1Aと電子ペーパー1Bにおいて表示が行なわれている場合であって、図19に示されるように、電子ペーパー1Bの液晶表示デバイス55が、電子ペーパー1Aの液晶表示デバイス55の表示面の前面に位置した場合には、電子ペーパー1Bに対して、液晶表示デバイス55の表示モードを透過モードに切り替える旨の指示が出される。電子ペーパー1Bの表示部61は、当該指示に応じて、液晶表示デバイス55の表示モードを透過モードに切り替える。
【0140】
この場合、文書表示システムを構成する電子ペーパーの中の1の電子ペーパーがすべての電子ペーパーの位置情報を検出すれば良い。したがって、当該検出をする電子ペーパーが電子ペーパー1Bであった場合には、電子ペーパー1B内で、当該指示がなされる。
【0141】
なお、各電子ペーパー1における位置情報の検出は、たとえば、各電子ペーパーが、液晶表示デバイス55の表示面に沿う平面の位置と当該表示面に垂直な方向の位置とを検出することにより、実現される。
【0142】
なお、このような重なりが解除された場合には、表示モードは、再度反射モードや半透過モードに戻されることが好ましい。
【0143】
<変形例(5)>
以上説明した本実施の形態では、MFP100において、文書の構造解析、目次情報の生成、関連情報の生成がなされたが、本発明に係る文書表示システムでは、これらの処理はMFP100で実行される必要はない。
【0144】
たとえば、文書に、予めこれらの少なくとも1つの情報が添付されている場合には、システムの構成要素において上記解析や情報の生成が行なわれる必要はない。また、対応する機能を電子ペーパー1に備えさせておいて、これらの処理の少なくとも一部が電子ペーパー1において実行されても良い。たとえば、電子ペーパー1において文書の表示を指示する情報が入力された場合、MFP100において文書の構造解析がなされている場合には、電子ペーパー1には、文書のデータと構造解析の結果が送信される。これに応じて、電子ペーパー1では、目次情報を生成し(図7参照)、関連情報を生成し(図8参照)、関連情報に従って文書のデータを分割し(図8参照)、そして、分割したデータを関連情報に従ってシステム内の他の電子ペーパー1に送信する。
【0145】
<その他の変形例等>
以上説明した本実施の形態において、MFP100のROM21は、MFP100の本体に対して着脱可能な記憶媒体によって構成されても良い。また、電子ペーパー1のメモリ9も、電子ペーパー1本体に対して着脱可能な記憶媒体によって構成されても良い。記憶媒体としては、CD−ROM(Compact Disc - Read Only Memory)、DVD−ROM(Digital Versatile Disk - Read Only Memory)、USB(Universal Serial Bus)メモリ、メモリカード、FD(Flexible Disk)、ハードディスク、磁気テープ、カセットテープ、MO(Magnetic Optical Disc)、MD(Mini Disc)、IC(Integrated Circuit)カード(メモリカードを除く)、光カード、マスクROM、EPROM、EEPROM(Electronically Erasable Programmable Read-Only Memory)などの、不揮発的にプログラムを格納する媒体が挙げられる。
【0146】
今回開示された各実施の形態およびその変形例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。また、各実施の形態および各変形例は、可能な限り、単独でも、組合わせても、実施することを意図される。
【符号の説明】
【0147】
1,1A,1B,1C 電子ペーパー、3 サーバ、7,20 CPU、100 MFP。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電子ペーパーからなる表示システムを構成する電子ペーパーであって、
文書および前記文書に対する解析結果を記憶するための記憶手段と、
前記文書の表示に関する指示を受付けるための入力手段と、
前記入力手段が前記文書の一部を表示する指示を受付けた場合に、前記表示システムにおける他の電子ペーパーに対して、前記文書のうち前記解析結果において前記一部と関連付けられている部分の表示を指示するための指示手段とを備える、電子ペーパー。
【請求項2】
前記解析結果は、前記文書のインデックスデータであり、
前記一部と関連付けられている部分は、前記一部において参照される図表である、請求項1に記載の電子ペーパー。
【請求項3】
自機において前記解析結果を表示させる制御手段をさらに備え、
前記指示手段は、前記入力手段が前記文書の一部を表示する指示を受付けた場合に、
前記表示システムにおける第1の電子ペーパーに対して、前記一部の表示を指示し、
前記表示システムにおける第2の電子ペーパーに対して、前記解析結果において前記一部と関連付けられている部分の表示を指示する、請求項1または請求項2に記載の電子ペーパー。
【請求項4】
前記解析結果は、前記文書に、当該文書における参照資料の提供場所を特定する情報を含み、
前記指示手段は、前記提供場所と通信することにより前記参照資料を取得し、当該参照資料を、前記表示システムにおける他の電子ペーパーに送信する、請求項1または請求項2に記載の電子ペーパー。
【請求項5】
前記表示システムを構成する各電子ペーパーの表示装置の、当該表示装置の表示面に沿う面についての位置である第1の位置と、当該表示装置の表示面に交わる方向についての位置である第2の位置とを取得するための取得手段とを備え、
前記指示手段は、前記取得手段が取得した各電子ペーパーの表示装置の位置に基づいて、表示装置の位置が他の電子ペーパーの表示装置より表示に関する前側に重なって位置すると判断された電子ペーパーに対して、透過モードで表示を行なうように指示する、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の電子ペーパー。
【請求項6】
複数の電子ペーパーからなる表示システムを構成する電子ペーパーのコンピュータにおいて実行される制御プログラムであって、
前記コンピュータを、
文書および前記文書に対する解析結果を記憶するための記憶手段、
前記文書の表示に関する指示を受付けるための入力手段、および、
前記入力手段が前記文書の一部を表示する指示を受付けた場合に、前記表示システムにおける他の電子ペーパーに対して、前記文書のうち前記解析結果において前記一部と関連付けられている部分の表示を指示するための指示手段として機能させる、電子ペーパーの制御プログラム。
【請求項7】
複数の電子ペーパーと画像処理装置とからなる表示システムであって、
前記画像処理装置は、
文書を解析するための解析手段と、
前記解析手段による解析結果に基づいて、前記文書を複数の部分に分割するための分割手段とを含み、
前記解析手段による解析結果は、前記複数の部分を互いに関連付け、
前記画像処理装置は、
前記解析結果における関連付けに基づいて、各前記部分と各前記電子ペーパーとを対応付けるための情報である対応関係情報を生成するための振分手段と、
各前記電子ペーパーに、前記対応関係情報と、当該対応関係情報において当該電子ペーパーに対応付けられた前記部分とを送信するための送信手段とを含み、
前記電子ペーパーは、
情報を表示するための表示手段と、
前記送信手段から送信された前記部分の表示の指示を受付けるための受付手段と、
前記受付手段が前記部分の表示の指示を受付けた場合に、前記表示手段に当該部分を表示させ、さらに、前記解析結果において当該部分が関連付けられる部分の表示を、前記対応関係情報において当該関連付けられる部分が対応する電子ペーパーに対して指示するための制御手段とを含む、表示システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2012−243030(P2012−243030A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−111634(P2011−111634)
【出願日】平成23年5月18日(2011.5.18)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】