説明

電子メール通信装置

【課題】各種の電子データを電子メールとして送信する際のユーザの待ち時間を可及的に短くした電子メール通信装置を提供する。
【解決手段】本発明に係る電子メール通信装置は、メールサーバに接続して、電子メールの送信が可能な電子メール通信装置であって、ユーザの第1指示入力により、当該電子メール通信装置と前記メールサーバとの間で接続を確立するために必要となる詳細な接続テストを行う、接続テスト実行手段と、ユーザの第2指示入力により、当該電子メール通信装置と前記メールサーバとの間で前記詳細な接続テストよりも簡易な接続テストを行った後、該簡易な接続テストが成功した場合は所定の電子データを電子メールとして前記メールサーバに送信する、メール送信手段と、を備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子メール通信装置に関し、特に、電子データを電子メールとして送信することのできる電子メール通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
スキャナ機能やプリンタ機能を有するいわゆる複合機では、スキャナ機能を用いて読み込んだ画像をファイル化し、電子メールとして送信できる機能が備わっているものがある。電子メールとして読み込んだ画像を送信する場合、この読み込んだ画像は、Tiff等の形式でファイル化されて送信される。
【0003】
この電子メール送信の機能を用いる場合、スキャナ機能を用いてすべての画像を読み込んだ後に、メールサーバに接続することとすると、複合機とメールサーバとの間の接続に失敗した場合に、再送信のためには画像の読み込みをやり直さなければならなくなる。このため、スキャナ機能を用いて画像を読み込む前に、複合機はメールサーバに接続を要求し、この接続が正式に確立された後に、スキャナ機能を用いて画像の読み込みを開始する技術が知られている(特開2000−324293号公報)。
【0004】
しかしながら、このような手法は、画像の読み込みを開始する直前に、複合機とメールサーバとの間の接続の確立に必要なすべての手順を実行するため、複合機とメールサーバとの間のやり取りに時間がかかり、その間、ユーザを待たしてしまうという問題がある。そして、複合機とメールサーバとの間の接続が失敗した場合、ユーザを長い時間待たせたあげく、接続エラーとなってしまうことになる。
【0005】
また、画像の読み取りを開始する直前にしか、複合機はメールサーバに接続しないため、電子メールの宛先など、メールサーバそのものに対する設定以外の情報も正しく設定した後でないと、ユーザは、メールサーバに対する設定が正しいかどうかを判定することができないという問題もある。
【0006】
また、電子データが記憶された可搬型記憶媒体と接続可能な複合機では、複合機が、可搬型記憶媒体から電子データを取得し、この取得した電子データを電子メールとして送信する場合にも、同様の問題が生じる。
【0007】
また、ファクシミリ受信機能を備えており、このファクシミリ受信機能を用いて受信したファクシミリデータを記憶する補助記憶装置を有する複合機では、この補助記憶装置に記憶されているファクシミリデータを電子データとして送信する場合にも、同様の問題が生じる。
【0008】
さらに、このような問題は、複合機以外の他の電子メール通信装置でも同様に生じ得る。
【特許文献1】特開2000−324293号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そこで本発明は、前記課題に鑑みてなされたものであり、各種の電子データを電子メールとして送信する際のユーザの待ち時間を可及的に短くした電子メール通信装置を提供することを目的とする。また、メールサーバに関する設定を行った後であれば、メールサーバに関する設定以外の情報を入力する前であっても、メールサーバに対する設定が正しいかどうかを判定することのできる電子メール通信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、本発明に係る電子メール通信装置は、
メールサーバに接続して、電子メールの送信が可能な電子メール通信装置であって、
ユーザの第1指示入力により、当該電子メール通信装置と前記メールサーバとの間で接続を確立するために必要となる詳細な接続テストを行う、接続テスト実行手段と、
ユーザの第2指示入力により、当該電子メール通信装置と前記メールサーバとの間で前記詳細な接続テストよりも簡易な接続テストを行った後、該簡易な接続テストが成功した場合は所定の電子データを電子メールとして前記メールサーバに送信する、メール送信手段と、を備えることを特徴とする。
【0011】
この場合、前記メール送信手段は、前記簡易な接続テストが成功しなかった場合には、前記所定の電子データの電子メールとしての送信は、行わないようにしてもよい。
【0012】
また、前記第1指示入力は、当該電子メール通信装置と前記メールサーバとの間の接続を設定する際に、ユーザが入力するようにしてもよい。
【0013】
また、前記第2指示入力は、前記所定の電子データの電子メール送信に関する指示であるようにしてもよい。
【0014】
また、前記メール送信手段はさらにスキャナ機能部を有しており、前記所定の電子データとは原稿から該スキャナ機能部を用いて画像として読み込んだ画像データであるようにしてもよい。
【0015】
この場合、前記メール送信手段は、前記簡易な接続テストが成功しなかった場合には、前記スキャナ機能部を用いた画像の読み込みを行なわないようにしてもよい。
【0016】
或いは、当該電子メール通信装置は、
外部記憶媒体を接続可能な接続機能部と、
前記接続機能部に接続された外部記憶媒体に記憶された電子データを取得する電子データ取得手段と、
をさらに備えており、
前記所定の電子データは、該電子データ取得手段によって取得した電子データであるようにしてもよい。
【0017】
この場合、前記メール送信手段は、前記簡易な接続テストが成功しなかった場合には、電子データ取得手段による電子データの取得を行なわないようにしてもよい。
【0018】
或いは、当該電子メール通信装置は、
ファクシミリデータの受信を行うファクシミリ受信機能部と、
前記ファクシミリ受信機能部で受信したファクシミリデータを、電子データとして記憶する、ファクシミリデータ記憶手段と、
前記ファクシミリデータ記憶手段に記憶された前記ファクシミリデータを取得するファクシミリデータ取得手段と、
をさらに備えており、
前記メール送信手段で送信する前記所定の電子データは、前記ファクシミリデータ取得手段によって取得したファクシミリデータであるようにしてもよい。
【0019】
この場合、前記メール送信手段は、前記簡易な接続テストが成功しなかった場合には、ファクシミリデータ取得手段によるファクシミリデータの取得を行なわないようにしてもよい。
【0020】
また、前記メール送信手段が行う前記簡易な接続テストは、所定のTCPポート番号を用いた接続要求をすることにより行われるようにしてもよい。
【0021】
この場合、前記接続テスト実行手段が行う詳細な接続テストは、少なくとも、前記所定のTCPポート番号を用いた接続要求と、HELOコマンドを用いた接続確認と、mailコマンドを用いた送信者設定とを含んでいるようにしてもよい。
【0022】
この場合、前記接続テスト実行手段が行う詳細な接続テストは、さらに、認証情報の送信をさらに含んでいるようにしてもよい。
【0023】
本発明に係る電子メール通信装置の制御方法は、
メールサーバに接続して、電子メールの送信が可能な電子メール通信装置の制御方法であって、
ユーザの第1指示入力により、当該電子メール通信装置と前記メールサーバとの間で接続を確立するために必要となる詳細な接続テストを行うステップと、
ユーザの第2指示入力により、当該電子メール通信装置と前記メールサーバとの間で前記詳細な接続テストよりも簡易な接続テストを行った後、該簡易な接続テストが成功した場合は所定の電子データを電子メールとして前記メールサーバに送信するステップと、
を備えることを特徴とする。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態を説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0025】
本発明の一実施形態においては、複合機のメールサーバに対する設定をするための設定モードの中に、メールサーバ接続テスト処理を用意し、ユーザがメールサーバの設定をする際に、複合機とメールサーバの間の詳細な接続テストも行って、両者の接続設定が正しいかどうかを判定できるようにしたものである。また、ユーザがスキャン機能を用いて読み込んだ画像に基づく画像情報を、メールサーバーに電子メールで送信しようとする際には、複合機とメールサーバとの間の簡易な接続テストのみを行い、接続に向けての簡易なコマンドに対する応答がメールサーバからあった場合には、複合機はメールサーバとの接続が確立できるであろうと判断して、スキャナ機能によるスキャンを開始するようにしたものである。そして、これにより、スキャナ機能を用いて読み込んだ画像を電子メールで送信する場合のユーザの待ち時間の短縮を図ったものである。
【0026】
また同様に、ユーザが補助記憶装置や可搬型記憶媒体に格納されている電子データを、メールサーバーに電子メールで送信しようとする際には、複合機とメールサーバとの間の簡易な接続テストのみを行い、接続に向けての簡易なコマンドに対する応答がメールサーバからあった場合には、複合機はメールサーバとの接続が確立できるであろうと判断して、電子データの取り込み処理を開始するようにしたものである。そして、これにより、電子データを電子メールで送信する場合のユーザの待ち時間の短縮を図ったものである。より詳しくを、以下に説明する。
【0027】
図1は、本発明の一実施形態に係る複合機を備える複合機システムの全体構成図の一例を示しており、図2は、本発明の一実施形態に係る複合機の内部構成のブロック図の一例を示しており、図3は、本発明の一実施形態に係るメールサーバの内部構成のブロック図の一例を示している。
【0028】
図1に示すように、本実施形態に係る複合機システム10は、ネットワーク20を介して、1又は複数の複合機30と、1又は複数のコンピュータ40と、1台のメールサーバ50とが、相互に接続されている。本実施形態においては、ネットワーク20は、ローカルネットワークであり、例えば、イーサネット(登録商標)などの任意の規格のネットワークで構成することが可能である。
【0029】
さらに、メールサーバ50は、インターネットなどの外部ネットワーク60に接続されている。本実施形態では、特に、このメールサーバ50は、複合機30から送信された電子メールを受信し、この受信した電子メールが、自らが管理するメールアドレス(メールボックス)を宛先としているか、それ以外のメールサーバが管理するメールアドレス(メールボックス)を宛先としているかを判断する。そして、電子メールの宛先が、メールサーバ50の管理するメールアドレスを宛先としたものではなく、例えばメールサーバ70の管理するメールアドレスを宛先としたものである場合には、外部ネットワーク60を介して、その電子メールをメールサーバ70に送信する。なお、図1においては、メールサーバ50に加えて、別のメールサーバが、ネットワーク20に接続されていてもよい。
【0030】
また、複合機30は、ファクシミリ通信網62を介して、ファクシミリ送信をしたり、ファクシミリ受信をしたりする機能を有している。具体的には、複合機30は、ユーザからの指示に基づいて、ファクシミリ通信網62を介して、ファクシミリデータを指定された宛先に送信する機能を有している。また、複合機30は、ファクシミリ通信網62に接続された他のファクシミリ送信装置から、ファクシミリデータを受信して、このファクシミリデータを記憶して保存したり、印刷したりする機能を有している。
【0031】
図2に示すように、本実施形態に係る複合機30は、少なくとも、スキャナ機能部31とプリンタ機能部32とを備えて構成されている、いわゆるマルチファンクションプリンタである。この複合機30は、さらに、操作ユニット33と、ネットワークインターフェース34と、制御ユニット35と、外部記憶媒体インターフェース36と、ファクシミリ機能部37と、補助記憶装置38と、ファクシミリ通信インターフェース39とを備えて構成されている。スキャナ機能部31は、この複合機30にユーザがセットした原稿を読み取るための機能部である。一般的には、スキャナ機能部31は、原稿読み取り面にセットされた原稿を、ラインセンサで読み取り、この読み取った画像に基づいて画像情報を生成する。
【0032】
プリンタ機能部32は、この複合機30にコンピュータ40から送信された印刷データを印刷したり、スキャナ機能部31で読み取った画像に基づく情報を印刷したりする機能部である。一般的には、印刷データや画像に基づく情報を印刷可能なデータに展開して、レーザープリンタやインクジェットプリンタなどのプリントエンジンで印刷を行う。
【0033】
操作ユニット33は、ユーザがこの複合機30に各種の指示を入力するためのユニットである。本実施形態においては、この操作ユニット33は、例えば、様々な情報が表示され、ユーザがタッチすることにより指示を入力できるタッチパネルにより構成されている。
【0034】
ネットワークインターフェース34は、この複合機30をネットワーク20に接続するためのインターフェースである。制御ユニット35は、この複合機30の全体的な制御を行うためのユニットである。本実施形態では、この制御ユニット35に、制御を行う本体部であるCPU(Central Processing Unit)や、制御を行うために必要な情報が揮発的に保持されるRAM(Random Access Memory)や、制御を行うためのプログラムが不揮発的に保持されるROM(Read Only Memory)や、電気的に書き換え可能なEEPROM(Electronically Erasable and Programmable ROM)などが、設けられている。本実施形態においては、特に、後述するメールサーバ接続テスト処理やスキャン画像メール送信処理、電子データメール送信処理を実行するためのプログラムが、このROMに格納されており、これらの処理を実行する上で必要となる情報がRAMに一時的に格納される。
【0035】
外部記憶媒体インターフェース36は、この複合機30に、可搬型記憶媒体PMDを接続するためのインターフェースである。すなわち、ユーザは、この外部記憶媒体インターフェース36を介して、複合機30に可搬型記憶媒体PMDを一時的に接続することができる。可搬型記憶媒体PMDは、複合機30の外部記憶媒体の一例であり、例えば、USBメモリ、メモリカード、フレキシブルディスクなどが、その代表例である。また、外部記憶媒体インターフェース36は、外部記憶媒体である可搬型記憶媒体PMDを複合機30に接続可能にするための接続機能部の一例であり、接続する可搬型記憶媒体PMDの種類に応じた仕様に準拠している。
【0036】
本実施形態においては、例えば、ユーザは、操作ユニット33を操作して、可搬型記憶媒体PMDに格納されている電子データを読み出し、この電子データに基づく印刷をプリンタ機能部32で実行することができる。また、ユーザは、操作ユニット33を操作して、可搬型記憶媒体PMDに格納されている電子データを読み出し、メールサーバ50を介して、この電子データを電子メールとして送信することもできる。
【0037】
ファクシミリ機能部37は、この複合機30でファクシミリ機能を実現させるための様々な制御を実行する。すなわち、複合機30は、ファクシミリ通信インターフェース39を介して、上述したファクシミリ通信網62に接続されている。このため、ファクシミリ機能部37は、ファクシミリ通信インターフェース39を介して、ファクシミリ通信網62からファクシミリデータを受信し、このファクシミリデータをプリンタ機能部32で印刷することにより、ファクシミリ受信機能を実現する。また、ファクシミリ機能部37は、ファクシミリ通信インターフェース39を介して、ファクシミリ通信網62からファクシミリデータを受信し、補助記憶装置38に電子データとして格納することによっても、ファクシミリ受信機能を実現する。本実施形態においては、この補助記憶装置38は、例えば、ハードディスクドライブなどの大容量な記憶装置で構成されている。このため、データサイズの大きな電子データであっても、補助記憶装置38に多量に格納できるよう構成されている。
【0038】
さらに、ファクシミリ機能部37は、ユーザから指示に基づいて、スキャナ機能部31で読み込んだ画像に基づく情報をファクシミリデータに変換し、ファクシミリ通信網62から送信することにより、ファクシミリ送信機能を実現する。ファクシミリ送信機能を用いて送信する宛先、つまりファックス番号は、ユーザが操作ユニット33を操作して指定する。
【0039】
また、本実施形態においては、ファクシミリ機能部37が補助記憶装置38に格納した電子データを、電子メールとして送信することもできる。すなわち、また、ユーザは、操作ユニット33を操作することにより、補助記憶装置38に格納されている電子データを読み出し、メールサーバ50を介して、この電子データを電子メールとして送信することもできる。なお、この際の具体的なユーザ操作及び複合機30における処理内容の詳細は、後述する。
【0040】
図3に示すように、メールサーバ50は、少なくとも、ネットワークインターフェース51と、制御ユニット52と、情報格納部53とを備えて構成されている。ネットワークインターフェース51は、このメールサーバ50をネットワーク20や外部ネットワーク60に接続するためのインターフェースである。制御ユニット52は、このメールサーバ50の全体的な制御を行うユニットである。本実施形態では、この制御ユニットに、制御を行う本体部であるCPU(Central Processing Unit)や、制御を行うために必要な情報が揮発的に保持されるRAM(Random Access Memory)や、制御を行うためのプログラムが不揮発的に保持されるROM(Read Only Memory)が、設けられている。
【0041】
情報格納部53は、このメールサーバ50が管理するユーザの認証情報や、自らが管理する電子メールアドレスの宛先、自らが管理するメールボックに格納した電子メールなどが格納され、保持される。本実施形態では、この情報格納部53は、例えばハードディスクドライブなどの補助記憶装置により構成されている。
【0042】
次に、図4及び図5に基づいて、本実施形態に係る複合機30で実行されるメールサーバ接続テスト処理について説明する。図4は、本実施形態に係るメールサーバ接続テスト処理の内容を説明するフローチャートを示す図であり、図5は、メールサーバ接続テスト処理における複合機30とメールサーバ50との間の通信プロトコルの一例を説明する図である。
【0043】
この図4に示すメールサーバ接続テスト処理は、複合機30における制御ユニット35で実行される処理であり、より具体的には、制御ユニット35に設けられたCPUが、同じく制御ユニット35に設けられたROMからメールサーバ接続テスト処理プログラムを読み出して実行することにより実現される処理である。
【0044】
また、このメールサーバ接続テスト処理は、ユーザがこの複合機30のモードを設定モードに移行して、複合機30とメールサーバとの間で接続を確立するために必要となる詳細な接続テストを行う処理の起動を、複合機30に指示入力した場合に、起動される処理である。例えば、図6に示すように、操作ユニット33のタッチパネル100に、メインメニューである機能選択画面W10が表示されていたとする。この図6の例では、機能選択画面W10に、コピー機能選択ボタンB10と、プリンタ機能選択ボタンB12と、スキャナ機能選択ボタンB14と、メモリデータ取得機能選択ボタンB15と、機器設定ボタンB16とが表示されている。
【0045】
この状態で、ユーザがコピー機能選択ボタンB10をタッチすると、複合機30は、コピーを行うモードに移行し、ユーザがプリンタ機能選択ボタンB12をタッチすると、複合機30は、コンピュータ40から受信した印刷データを印刷するモードに移行する。また、機能選択画面W10で、ユーザがスキャナ機能選択ボタンB14をタッチすると、複合機30は、スキャナ機能部31を使用するモードに移行し、ユーザがメモリデータ取得機能選択ボタンB15をタッチすると、可搬型記憶媒体PMDや補助記憶装置38に格納されている電子データを電子メールとして送信するモードに移行する。
【0046】
一方、ユーザが、機器設定ボタンB16をタッチすると、複合機30は、複合機30の各種設定を行うための設定モードに移行し、操作ユニット33のタッチパネル100に、図7に示す設定モード画面W20を表示する。
【0047】
この図7の例では、モード設定画面W20に、メール送信者設定ボタンB20と、認証設定ボタンB22と、メールサーバ設定ボタンB24と、メールサーバ接続テストボタンB26とが表示されている。この状態で、ユーザがメール送信者設定ボタンB20をタッチすると、複合機30は、メール送信者設定モードに移行し、ユーザは自らのメールアドレスを設定できるようになり、ユーザが認証設定ボタンB22をタッチすると、複合機30は、認証設定モードに移行し、ユーザは自らの認証情報(ユーザIDとパスワードなど)を設定できるようになり、ユーザがメールサーバ設定ボタンB24をタッチすると、複合機30は、メールサーバ設定モードに移行し、ユーザはメールサーバのIPアドレスやポート番号などを設定できるようになる。これらのモードで設定された情報は、上述した制御ユニット35のEEPROMに格納され、保持される。一方、ユーザが、メールサーバ接続テストボタンB26をタッチすると、図4のメールサーバ接続テスト処理が起動されるのである。
【0048】
図4に示すように、メールサーバ接続テスト処理が開始されると、複合機30は、メールサーバ50に接続する(ステップS10)。通信プロトコルとして、SMTP(Simple Mail Transfer Protocol)が用いられている場合を例に説明すると、この場合、複合機30は送信側SMTPクライアントとなり、メールサーバ50は受信側SMTPサーバとなる。
【0049】
このステップS10の処理は、図5の接続要求T1とその応答である接続応答T2に相当している。接続要求T1においては、複合機30はメールサーバ50に対して、例えばTCPポート25番を用いて、接続要求T1を送信する。接続要求T1で用いるTCPポート番号は、メールサーバ50において任意に設定できる場合もあり、このTCPポート番号の設定がメールサーバ50でなされている場合には、設定された所定のTCPポート番号を用いて複合機30は接続要求T1を行う。但し、メールサーバ50でTCPポート番号の設定ができない場合や、そのような設定がなされていない場合には、TCPポート25番を用いて、複合機30は接続要求T1を行えばよい。この接続要求T1を行うために必要な設定情報は、上述したメールサーバ設定ボタンB24をタッチすることにより移行するモードで、この複合機30に入力される。この接続要求T1を受信したメールサーバ50は、接続要求T1を正常に受け付けた旨の接続応答T2を複合機30に返信する。
【0050】
次に、図4に示すように、複合機30は、SMTPのプロトコルに従って、メールサーバ50に対して接続の挨拶を行う(ステップS12)。このステップS12の処理は、図5の接続の挨拶T3とその応答である正常応答T4に相当している。接続の挨拶T3においては、複合機30はメールサーバ50に対して、HELOコマンドを用いて自らのホスト名を送信する。これを受信したメールサーバ50は、これを正常に受け付けた旨の正常応答T4を複合機30に返信する。
【0051】
次に、図4に示すように、複合機30は、メールサーバ50に対して認証情報の送信を行う(ステップS14)。このステップS14の処理は、図5の認証情報T5とその応答である認証許可T6に相当している。認証情報T5の送信においては、複合機30は、ユーザIDとパスワードとをメールサーバ50に送信する。この認証情報T5を送信するのに必要な情報は、上述した認証設定ボタンB22をタッチすることにより移行するモードで、この複合機30に入力される。この認証情報T5を受信したメールサーバ50は、受信したユーザIDとパスワードが、予め登録されている登録ユーザIDと登録パスワードと合致するかどうかを判断する。
【0052】
具体的には、メールサーバ50は、情報格納部53に格納されている登録ユーザIDの中に、認証情報T5で受信したユーザIDが存在するかどうかを判断し、受信したユーザIDが存在する場合には、認証情報T5で受信したパスワードが、その登録ユーザIDに対応して情報格納部53に格納されている登録パスワードと合致するかどうかを判断する。これら受信したユーザIDとパスワードとが、情報格納部53に予め登録されている登録ユーザIDと登録パスワードと合致した場合には、メールサーバ50は、複合機30に認証許可T6を返信する。なお、受信したユーザIDとパスワードとが、情報格納部53に予め登録されている登録ユーザIDと登録パスワードと合致しない場合には、メールサーバ50は複合機30に認証拒絶を返信し、メールサーバ接続テスト処理は失敗に終わることとなる。
【0053】
なお、このステップS14の認証情報の送信は、メールサーバ50で複合機30の認証処理を要求していないような場合には、省略することが可能である。
【0054】
次に、図4に示すように、複合機30は、メールサーバ50に対してメール送信者の設定を行う(ステップS16)。このステップS16の処理は、図5のメール送信者設定T7とその応答である正常応答T8に相当している。メール送信者設定T7の送信においては、複合機30は、mailコマンドを用いて、送信元のメールアドレス(つまり、このユーザの電子メールアドレス)をメールサーバ50に送信する。この送信元のメールアドレスは、上述したメール送信者設定ボタンB20をタッチすることにより移行するモードで、この複合機30に入力される。このメール送信者設定を受信したメールサーバ50は、受信した送信元のメールアドレスの書式チェックを行った上で、情報格納部53に格納し、正常に送信元のメールアドレスを受信した旨の正常応答T8を複合機30に返信する。
【0055】
次に、図4に示すように、複合機30は、ユーザにメールサーバ接続テストの結果を通知する(ステップS18)。すなわち、ステップS10〜ステップS16の処理が正常に行われて、複合機30とメールサーバ50との間の接続が確立された場合には、複合機30はユーザに接続テストが成功したことを通知する。一方、これらステップS10〜ステップS16の過程で、何らかのエラーが発生し、複合機30とメールサーバ50との間の接続が確立できなかった場合には、複合機30はユーザに接続テストが失敗したことを通知する。その際には、例えば、ステップS14の認証でエラーが発生した等、エラーが発生した理由を付して、ユーザに通知することも可能である。
【0056】
これらの通知は、例えば、タッチパネル100に通知内容を表示することにより、行うことができる。但し、ユーザに通知するべき情報が多く、タッチパネル100には表示しきれないような場合には、プリンタ機能部32で通知内容を印刷して、ユーザに知らせるようにすることもできる。
【0057】
これにより、本実施形態に係るメールサーバ接続テスト処理が終了する。
【0058】
<スキャン画像メール送信処理>
次に、図8に基づいて、本実施形態に係る複合機30で実行されるスキャン画像メール送信処理について説明する。図8は、本実施形態に係るスキャン画像メール送信処理の内容を説明するフローチャートを示す図である。
【0059】
この図8に示すメール送信処理は、複合機30における制御ユニット35で実行される処理であり、より具体的には、制御ユニット35に設けられたCPUが、同じく制御ユニット35に設けられたROMからメール送信処理プログラムを読み出して実行することにより実現される処理である。
【0060】
また、このメール送信処理は、ユーザがこの複合機30のモードをメールtoスキャンモードに移行して、原稿の読み込みを開始する指示を複合機30に指示入力した場合に、起動される処理である。例えば、上述した図6の機能選択画面W10で、ユーザがスキャナボタンB14にタッチした場合には、図9に示すようなスキャン機能選択画面W30がタッチパネル100に表示される。
【0061】
この図9の例では、スキャン機能選択画面W30に、スキャンtoファイルボタンB30と、スキャンtoファックスボタンB32と、スキャンtoメールボタンB34とが表示されている。このスキャン機能選択画面W30において、ユーザが、スキャンtoファイルボタンB30をタッチすると、スキャナ機能部31でスキャンして生成された画像情報が、ユーザの指定した保存先フォルダに、送信されて格納されるモードに移行する。さらに、スキャン機能選択画面W30において、ユーザが、スキャンtoファックスボタンB32をタッチすると、スキャナ機能部31でスキャンして生成された画像情報が、ユーザの指定したファックス宛先番号にファックスされ、送信されるモードに移行する。
【0062】
また、スキャン機能選択画面W30において、ユーザが、スキャンtoメールボタンB34をタッチすると、スキャナ機能部31でスキャンして生成された画像情報が、ユーザの指定した電子メールアドレス宛に、送信されるモードに移行する。本実施形態では、ユーザが、このスキャンtoメールボタンB34にタッチすると、図10に示すようなメールスキャン実行画面W40がタッチパネル100に表示される。
【0063】
このメールスキャン実行画面W40で、ユーザがメール宛先設定ボタンB40をタッチすると、ユーザがこれからスキャナ機能部31を用いてスキャンした画像に基づく画像情報を、電子メールとして送信する宛先を指定するモードに移行する。一方、ユーザが自動給紙機構(ADF:Auto Document Feeder)に原稿をセットした上で、スキャン実行ボタンB42をタッチすると、図8のメール送信処理が起動される。
【0064】
図8に示すように、メール送信処理が開始されると、複合機30は、メールサーバ50に接続する(ステップS30)。このステップS30の処理は、図5の接続要求T1とその応答である接続応答T2に相当している。上述したように、接続要求T1においては、複合機30はメールサーバ50に対して、例えばTCPポート25番を用いて、接続要求T1を送信する。或いは、TCPポート番号の設定がメールサーバ50でなされている場合には、設定された所定のTCPポート番号を用いて、複合機30は接続要求T1を送信する。この接続要求T1を受信したメールサーバ50は、接続要求T1を受け付けた旨の接続応答T2を複合機30に返信する。
【0065】
次に、図8に示すように、複合機30は、メールサーバ50との接続に成功したかどうかを判断する(ステップS32)。具体的には、複合機30は、メールサーバ50から正常に接続要求を受け付けた旨の接続応答T2を受信した場合には、メールサーバ50との接続に成功したと判断し、この接続応答T2が所定時間内に受信できなかった場合には、メールサーバ50との接続に失敗したと判断する。メールサーバ50との接続に失敗した場合(ステップS32:NO)には、複合機30は、ユーザにメールサーバ50との接続に失敗した旨を通知する(ステップS34)。この通知は、例えば、上述したタッチパネル100に接続に失敗した旨を表示したり、プリンタ機能部32で接続に失敗した旨を印刷したりすることにより、行うことができる。そして、このメール送信処理を終了する。
【0066】
これに対して、メールサーバ50との接続に成功した場合(ステップS32:YES)には、複合機30は、このメールサーバ50との接続を切断する(ステップS36)。
【0067】
次に、複合機30は、スキャン処理とファイル化処理を実行する(ステップS38)。すなわち、ユーザが自動給紙機構にセットした原稿をスキャナ機能部31で読み込み、その画像をTiffなどの形式でファイル化する。
【0068】
そして、複合機30は、自動給紙機構にセットされているすべての原稿を読み込んだ後、ファイル化した画像情報を、電子メールとしてメールサーバ50に送信する処理を行う。上述したように、電子メールを送信すべき宛先は、メール宛先設定ボタンB40をタッチして移行するモードで、ユーザが設定したメールアドレスである。このメール送信処理が完了すると、メール送信処理は終了する。
【0069】
<電子データメール送信処理>
次に、図11に基づいて複合機30で実行される電子データメール送信処理について説明する。図11は、本実施形態に係る電子データメール送信処理の内容を説明するフローチャートを示す図である。
【0070】
図8で説明したスキャン画像メール送信処理においては、複合機30がメールサーバ50との接続に成功したと判断し(ステップS32:YES)、メールサーバ50との接続を切断した後に、スキャン処理とファイル化処理を実行するが、この電子データメール送信処理においては、ユーザが指定した所定の電子データを取得して、メール送信する処理を行なう。これ以外の点は、上述したスキャン画像メール送信処理と同様である。
【0071】
図11の電子データメール送信処理は、ユーザがこの複合機30のモードを電子データデータの送信モードに移行して、送信する電子データを指定し、メール送信を指示した場合に起動される処理である。例えば、上述した図6の機能選択画面W10で、ユーザがメモリデータ取得機能選択ボタンB15にタッチした場合には、図12に示すようなメモリ機能選択画面W50がタッチパネル100に表示される。
【0072】
本実施形態では、メモリ機能選択画面W50には、メモリtoプリントボタンB50と、メモリtoメールボタンB52と、が表示されている。このメモリ機能選択画面W50において、ユーザがメモリtoプリントボタンB50をタッチすると、ユーザは、これに続く操作で、印刷する電子データを指定し、プリンタ機能部32で印刷することができる。印刷する電子データは、例えば、可搬型記憶媒体PMDに格納されており、又は、補助記憶装置38に格納されている。
【0073】
また、メモリ機能選択画面W50において、ユーザがメモリtoメールボタンB52をタッチすると、ユーザは、これに続く操作で指定する電子データを、電子メールとして送信することができる。本実施形態では、ユーザが、このメモリtoメールボタンB52をタッチすると、図13に示すようなメモリtoメール実行画面W60がタッチパネル100に表示される。
【0074】
このメモリtoメール実行画面W60で、ユーザが、メール宛先設定ボタンB60をタッチすると、電子データを電子メールとして送信する宛先を指定するモードに移行する。すなわち、メール宛先設定ボタンB60をタッチすることにより、送信先の電子メールアドレスを指定するモードに移行する。
【0075】
一方、ユーザがデータ選択ボタン62をタッチすると、図14に示すようなデータ一覧表示画面W70がタッチパネル100に表示される。この図14に示すように、データ一覧表示画面W70には、補助記憶装置38に記憶されている電子データの一覧が表示される。また、可搬型記憶媒体PMDが複合機30に接続されている場合には、データ一覧表示画面W70には、可搬型記憶媒体PMDに記憶されている電子データの一覧も表示される。表示された電子データの中から、どのようにして送信する電子データを選択するのかは任意であるが、例えば、タッチパネル100に表示された電子データのファイル名にタッチすることによって選択できるようにしてもよいし、操作ユニット33に設けられている不図示の矢印キー、選択キーを用いて、選択できるようにしてもよい。また、選択済みの電子データのファイル名を強調表示するようにすることもできる。
【0076】
さらに、データ表示一覧画面W70には、送信ボタンB70が設けられており、ユーザが送信する電子データを1つ以上選択した上で、送信ボタンB70をタッチすると、図11の電子データメール送信処理が起動される。
【0077】
図11に示す電子データメール送信処理においては、複合機30とメールサーバ50との間の接続処理(ステップS30)、及び、接続に失敗したと判断した場合の処理(ステップS34)は、上述した図8のスキャン画像メール送信処理と同様である。ここでは、その他の異なる部分のみについて説明する。
【0078】
ステップS32において、メールサーバ50との接続に成功した場合(ステップS32:YES)には、複合機30は、このメールサーバ50との接続を切断する(ステップS56)。
【0079】
次に、複合機30は、ユーザが選択したファイルの電子データを取得する処理を実行する(ステップS58)。例えば、ユーザが可搬型記憶媒体PMDに記憶されている電子データを指定していた場合には、複合機30は、可搬型記憶媒体PMDからユーザの指定した電子データを取得する。また、ユーザが補助記憶装置38に記憶されている電子データを指定していた場合には、複合機30は、補助記憶装置38に記憶されている電子データを取得する。なお、ユーザの指定した電子データが複数ある場合には、複数の電子データを取得する。
【0080】
次に、複合機30は、ステップS58で取得した電子データを電子メールとしてメールサーバ50に送信する処理(ステップS60)を行う。上述したように、電子メールを送信すべき宛先は、メール宛先設定ボタンB60をタッチして移行するモードで、ユーザが設定した電子メールアドレスである。このステップS60のメール送信処理が完了すると、メール送信処理は終了する。
【0081】
以上のように、本実施形態に係る複合機システムの複合機30によれば、メールサーバ接続テスト処理により、複合機30とメールサーバ50との間の詳細な接続テストを行うことができる。特に、ユーザがメールサーバのIPアドレスやメール送信者の設定などのメールサーバとの接続を行う上で必要な情報を入力した後であれば、電子メール送信の宛先などの情報を入力する前であっても、このメールサーバ接続テスト処理を行うことができる。このため、ユーザは、このメールサーバ接続テスト処理を実行することにより、電子メール送信の宛先などの情報を入力せずととも、複合機30とメールサーバ50との間の接続テストを行うことができる。
【0082】
また、ユーザが電子メールを送信しようとする際には、すでにメールサーバ50との接続テストは完了しているので、メール送信処理におけるステップS30においては、メールサーバ50との接続ができるかどうかの簡易な接続テストをするだけで、スキャナ機能部31を用いたスキャン処理(ステップS38)や、電子データ取得処理(ステップS58)を開始することができる。すなわち、図5の通信プロトコルを説明図において、複合機30は、接続要求T1に対する応答である接続応答T2がメールサーバ50から返信された場合には、それ以降の接続を確立するための処理を行わずとも、メールサーバ50との接続が正常に成立するであろうと判断して、スキャン処理を行うことができる。このため、ユーザがスキャン実行ボタンB42をタッチしてからスキャン開始までの待ち時間を、短くすることができる。また、同様に、送信する電子データを指定して送信ボタンB70をタッチしてから、電子データを取得するまでの待ち時間を短くすることができる。
【0083】
なお、本発明は上記実施形態に限定されず種々に変形可能である。例えば、上述した実施形態では、電子メール通信装置の一例として複合機30に本発明を適用した場合を例に説明したが、他の種類の電子メール通信装置に対しても本発明を適用することができる。
【0084】
また、上述した実施形態では、複合機30とメールサーバ50との間の通信プロトコルがSMTPである場合を例に本発明を説明したが、他の通信プロトコルを用いた場合でも本発明を適用することができる。
【0085】
また、上述の実施形態で説明したメールサーバ接続テスト処理、スキャン画像メール送信処理、及び、電子データメール送信処理については、これら各処理を実行するためのプログラムをフレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc-Read Only Memory)、ROM、メモリカード等の記録媒体に記録して、記録媒体の形で頒布することが可能である。この場合、この記録媒体に記録されたプログラムを複合機30に読み込ませ、実行させることにより、上述した実施形態を実現することができる。
【0086】
また、上述した実施形態では、メールサーバ接続テスト処理、スキャン画像メール送信処理、及び、電子データメール送信処理をソフトウェアにより実現する場合を例に説明したが、これらの各処理をASIC(Application Specific IC)などのハードウェアにより実現するようにしてもよい。さらには、これらの各処理を、ソフトウェアとハードウェアとが協働して実現するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】本発明の一実施形態に係る複合機システムのネットワーク構成の一例を示す図。
【図2】図1の複合機システムに含まれている複合機の内部構成の一例を示すブロック図。
【図3】図1の複合機システムに含まれているメールサーバの内部構成の一例を示すブロック図。
【図4】本実施形態に係る複合機で実行されるメールサーバ接続テスト処理の一例を説明するフローチャートを示す図。
【図5】本実施形態に係るメールサーバ接続テスト処理とメール送信処理において、複合機とメールサーバとの間で行われるやり取りを示す図。
【図6】本実施形態に係る複合機のタッチパネルに表示される機能選択画面の一例を示す図。
【図7】本実施形態に係る複合機のタッチパネルに表示される設定モード画面の一例を示す図。
【図8】本実施形態に係る複合機で実行されるスキャン画像メール送信処理の一例を説明するフローチャートを示す図。
【図9】本実施形態に係る複合機のタッチパネルに表示されるスキャン機能選択画面の一例を示す図。
【図10】本実施形態に係る複合機のタッチパネルに表示されるメールスキャン実行画面の一例を示す図。
【図11】本実施形態に係る複合機で実行される電子データメール送信処理の一例を説明するフローチャートを示す図。
【図12】本実施形態に係る複合機のタッチパネルに表示されるメモリ機能選択画面の一例を示す図。
【図13】本実施形態に係る複合機のタッチパネルに表示されるメモリtoメール実行画面の一例を示す図。
【図14】本実施形態に係る複合機のタッチパネルに表示されるデータ一覧表示画面の一例を示す図。
【符号の説明】
【0088】
10 複合機システム
20 ネットワーク
30 複合機
31 スキャナ機能部
32 プリンタ機能部
33 操作ユニット
34 ネットワークインターフェース
35 制御ユニット
40 コンピュータ
50 メールサーバ
51 ネットワークインターフェース
52 制御ユニット
53 情報格納部
60 外部ネットワーク
70 メールサーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
メールサーバに接続して、電子メールの送信が可能な電子メール通信装置であって、
ユーザの第1指示入力により、当該電子メール通信装置と前記メールサーバとの間で接続を確立するために必要となる詳細な接続テストを行う、接続テスト実行手段と、
ユーザの第2指示入力により、当該電子メール通信装置と前記メールサーバとの間で前記詳細な接続テストよりも簡易な接続テストを行った後、該簡易な接続テストが成功した場合は所定の電子データを電子メールとして前記メールサーバに送信する、メール送信手段と、を備えることを特徴とする電子メール通信装置。
【請求項2】
前記メール送信手段は、前記簡易な接続テストが成功しなかった場合には、前記所定の電子データの電子メールとしての送信は、行わない、ことを特徴とする請求項1に記載の電子メール通信装置。
【請求項3】
前記第1指示入力は、当該電子メール通信装置と前記メールサーバとの間の接続を設定する際に、ユーザが入力する、ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電子メール通信装置。
【請求項4】
前記第2指示入力は、前記所定の電子データの電子メール送信に関する指示であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の電子メール通信装置。
【請求項5】
前記メール送信手段はさらにスキャナ機能部を有しており、前記所定の電子データとは原稿から該スキャナ機能部を用いて画像として読み込んだ画像データである、ことを特徴とする請求項1乃至請求項4に記載の電子メール通信装置。
【請求項6】
前記メール送信手段は、前記簡易な接続テストが成功しなかった場合には、前記スキャナ機能部を用いた画像の読み込みを行なわない、ことを特徴とする請求項5に記載の電子メール通信装置。
【請求項7】
当該電子メール通信装置は、
外部記憶媒体を接続可能な接続機能部と、
前記接続機能部に接続された外部記憶媒体に記憶された電子データを取得する電子データ取得手段と、
をさらに備えており、
前記所定の電子データは、該電子データ取得手段によって取得した電子データである、ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の電子メール通信装置。
【請求項8】
前記メール送信手段は、前記簡易な接続テストが成功しなかった場合には、電子データ取得手段による電子データの取得を行なわない、ことを特徴とする請求項7に記載の電子メール通信装置。
【請求項9】
当該電子メール通信装置は、
ファクシミリデータの受信を行うファクシミリ受信機能部と、
前記ファクシミリ受信機能部で受信したファクシミリデータを、電子データとして記憶する、ファクシミリデータ記憶手段と、
前記ファクシミリデータ記憶手段に記憶された前記ファクシミリデータを取得するファクシミリデータ取得手段と、
をさらに備えており、
前記メール送信手段で送信する前記所定の電子データは、前記ファクシミリデータ取得手段によって取得したファクシミリデータである、ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の電子メール通信装置。
【請求項10】
前記メール送信手段は、前記簡易な接続テストが成功しなかった場合には、ファクシミリデータ取得手段によるファクシミリデータの取得を行なわない、ことを特徴とする請求項9に記載の電子メール通信装置。
【請求項11】
前記メール送信手段が行う前記簡易な接続テストは、所定のTCPポート番号を用いた接続要求をすることにより行われる、ことを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれかに記載の電子メール通信装置。
【請求項12】
前記接続テスト実行手段が行う詳細な接続テストは、少なくとも、前記所定のTCPポート番号を用いた接続要求と、HELOコマンドを用いた接続確認と、mailコマンドを用いた送信者設定とを含んでいる、ことを特徴とする請求項11に記載の電子メール通信装置。
【請求項13】
前記接続テスト実行手段が行う詳細な接続テストは、さらに、認証情報の送信をさらに含んでいる、ことを特徴とする請求項12に記載の電子メール通信装置。
【請求項14】
メールサーバに接続して、電子メールの送信が可能な電子メール通信装置の制御方法であって、
ユーザの第1指示入力により、当該電子メール通信装置と前記メールサーバとの間で接続を確立するために必要となる詳細な接続テストを行うステップと、
ユーザの第2指示入力により、当該電子メール通信装置と前記メールサーバとの間で前記詳細な接続テストよりも簡易な接続テストを行った後、該簡易な接続テストが成功した場合は所定の電子データを電子メールとして前記メールサーバに送信するステップと、
を備えることを特徴とする電子メール通信装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2009−100439(P2009−100439A)
【公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−151698(P2008−151698)
【出願日】平成20年6月10日(2008.6.10)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】