電子モジュール及びその駆動方法並びに電子機器
【課題】 少ない種類の電源を入力して駆動することができる電子モジュール及びその駆動方法並びに電子機器を提供することにある。
【解決手段】 電子モジュールは、電子基板210と、電子基板210に取り付けられており集積回路チップ242が搭載されてなる配線基板240と、を有する。配線基板240は、入力端子244と、入力端子244に入力された外部電源V0を増幅して異なる複数の増幅電源V1〜V5を生成する1つ又は複数の増幅回路250,252,254と、を有する。
【解決手段】 電子モジュールは、電子基板210と、電子基板210に取り付けられており集積回路チップ242が搭載されてなる配線基板240と、を有する。配線基板240は、入力端子244と、入力端子244に入力された外部電源V0を増幅して異なる複数の増幅電源V1〜V5を生成する1つ又は複数の増幅回路250,252,254と、を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子モジュール、その製造方法及び駆動方法並びに電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、エレクトロルミネセンス(以下、ELという。)モジュールの開発が進んでいる。ELモジュールなどの電子モジュールは、電子基板(例えばELパネル)と配線基板(例えばフレキシブル基板)を有する。ELパネルは液晶装置(例えば液晶パネル)と同様に配線基板に搭載された半導体チップ(例えばドライバIC)により駆動される。しかし、ELパネルと液晶パネルでは駆動原理が異なるため、ELパネルを駆動するために配線基板に形成される配線パターンはELの構造に対応して配置する必要がある。また、電子基板と配線基板は、多数の端子同士が電気的に接続されている。したがって、従来、電子基板の端子の配列順序が変更されると、配線基板の端子の配列順も変更しなければならなかった。さらに、従来、電子基板の駆動のために複数種類の電源が必要な場合、これらを電子モジュールの外部から入力していた。したがって、電子基板の変更に対応しにくいなどの問題があった。
【0003】
本発明の目的は、ELの構造に対応して配置された配線を有する電子モジュール及びその製造方法並びに電子機器を提供し、あるいは、電子基板の端子の配列順序の変更に対応することができる電子モジュール及びその製造方法並びに電子機器を提供し、あるいは、少ない種類の電源を入力して駆動することができる電子モジュール及びその駆動方法並びに電子機器を提供することにある。
【特許文献1】国際公開第WO98/40871号パンフレット
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0004】
(1)電子モジュールは、EL部と、
前記EL部が形成されてなる第1の基板と、
前記第1の基板に取り付けられてなる第2の基板と、
前記第2の基板に搭載されてなる集積回路チップと、
前記EL部に電流を流すための複数の電源配線と、
を有し、
前記複数の電源配線は、前記第1の基板上の前記EL部を挟む一対の領域を通るように形成された複数の第1の電源配線と、前記第2の基板上の前記集積回路チップを挟む一対の領域を通るように形成された複数の第2の電源配線と、を有し、前記第1及び第2の電源配線が電気的に接続されて構成される。これによれば、EL部及び集積回路チップを挟む一対の領域を通るように複数の電源配線が形成されている。したがって、EL部の両側に対して、電流を均一に流すことができる。
(2)この電子モジュールにおいて、
前記集積回路チップから前記EL部に駆動信号を入力するための複数の信号配線をさらに有し、
前記複数の信号配線は、前記複数の電源配線に挟まれる領域に形成されていてもよい。
(3)この電子モジュールにおいて、
それぞれの前記信号配線は、それぞれの前記電源配線よりも幅が狭くてもよい。
(4)この電子モジュールにおいて、
前記第1の基板上に前記EL部を挟む領域に配置された一対の走査ドライバと、
前記集積回路チップからそれぞれの前記走査ドライバに制御信号を入力するための複数の制御配線と、
をさらに有し、
前記複数の制御配線は、前記複数の信号配線を挟む一対の領域であって、前記複数の電源配線に挟まれる領域に形成されていてもよい。
(5)この電子モジュールにおいて、
前記第2の基板の前記第1の基板との取付部を除いた端部に形成されてなる複数のコネクタ端子をさらに有し、
それぞれの前記コネクタ端子は、それぞれの前記電源配線よりも幅が広く形成されていてもよい。
(6)電子機器は、上記電子モジュールを有する。
(7)電子モジュールの製造方法は、EL部が形成されてなる第1の基板と、集積回路チップが搭載されてなる第2の基板とを固定することを含み、
前記第1の基板は、前記EL部を挟む一対の領域を通るように形成された複数の第1の電源配線を有し、
前記第2の基板は、前記集積回路チップを挟む一対の領域を通るように形成された複数の第2の電源配線を有し、
前記第1及び第2の基板を固定する工程で、前記第1及び第2の電源配線を電気的に接続する。これによれば、EL部及び集積回路チップを挟む一対の領域を通るように複数の電源配線を形成する。したがって、EL部の両側に対して、電流を均一に流すことができる。
(8)電子モジュールは、複数の第1の端子を有する電子基板と、
前記電子基板の前記第1の端子と電気的に接続される複数の第2の端子と、2つ以上の前記第2の端子から延びる2つ以上の第1の配線と、前記第1の配線とは電気的に絶縁された状態で形成されてなる2つ以上の第2の配線と、を含む配線パターンが形成された配線基板と、
少なくとも1つの前記第1の配線と、少なくとも1つの前記第2の配線と、を電気的に接続する電気的接続部と、
を有する。これによれば、電気的接続部が、どの第1及び第2の配線を電気的に接続するかによって、配線パターンの伝送線路を変更することができる。したがって、電子基板の第1の端子の配列順序が変更されても、電気的接続部による伝送線路を変更するだけで対応することができる。
(9)この電子モジュールは、
前記配線基板に搭載された集積回路チップをさらに有し、
前記第2の配線は、前記集積回路チップに電気的に接続されていてもよい。
(10)この電子モジュールにおいて、
前記電気的接続部は、前記集積回路チップよりも前記電子基板に近い位置に設けられていてもよい。
(11)この電子モジュールにおいて、
前記電気的接続部は、前記配線基板の幅方向の中央よりも両端に近い一対の領域のそれぞれに設けられていてもよい。
(12)電子機器は、上記(8)〜(11)の電子モジュールを有する。
(13)電子モジュールの製造方法は、電子基板の複数の第1の端子と、配線基板の複数の第2の端子と、を電気的に接続すること、及び、
2つ以上の前記第2の端子から延びる2つ以上の第1の配線の少なくとも1つと、前記第1の配線とは電気的に絶縁された状態で形成されてなる2つ以上の第2の配線の少なくとも1つと、を電気的接続部によって電気的に接続すること、
を含む。これによれば、電気的接続部が、どの第1及び第2の配線を電気的に接続するかによって、配線パターンの伝送線路を変更することができる。したがって、電子基板の第1の端子の配列順序が変更されても、電気的接続部による伝送線路を変更するだけで対応することができる。
(14)本発明に係る電子モジュールは、電子基板と、
前記電子基板に取り付けられており、集積回路チップが搭載されてなる配線基板と、
を有し、
前記配線基板は、入力端子と、前記入力端子に入力された外部電源を増幅して異なる複数の増幅電源を生成する1つ又は複数の増幅回路と、を有する。本発明によれば、外部電源を増幅して異なる複数の増幅電源を生成するので、少ない種類の外部電源(例えば、単一電源)を入力して電子モジュールを駆動することができる。
(15)この電子モジュールにおいて、
前記外部電源によって、前記集積回路チップが駆動され、
前記複数の増幅電源によって、前記電子基板が駆動されてもよい。
(16)この電子モジュールにおいて、
前記集積回路チップと前記入力端子との間の領域に前記増幅回路が形成されていてもよい。
(17)この電子モジュールにおいて、
前記配線基板の幅方向の中央部に前記集積回路チップが搭載され、
前記1つ又は複数の増幅回路のうち一対の増幅回路が、前記配線基板の幅方向の両端側に形成されていてもよい。
(18)この電子モジュールにおいて、
前記配線基板は、前記集積回路チップから前記電子基板に向けて延びる信号配線と、前記一対の増幅回路から前記電子基板に向けて延びる電源配線と、を有し、
前記電源配線は、前記信号配線よりも幅が広くなるように形成されていてもよい。
(19)この電子モジュールにおいて、
前記1つ又は複数の増幅回路のうち1つの増幅回路は、前記集積回路チップに形成された第1の回路と、前記集積回路チップとは別に設けられた第2の回路と、によって構成されていてもよい。
(20)この電子モジュールにおいて、
前記第2の回路は、キャパシタを含んでもよい。
(21)この電子モジュールにおいて、
前記第2の回路は、インダクタを含んでもよい。
(22)本発明に係る電子機器は、上記(14)〜(21)の電子モジュールを有する。
(23)本発明に係る電子モジュールの駆動方法は、集積回路チップが搭載されてなる配線基板に形成された入力端子に外部電源を入力すること、
前記外部電源を、前記配線基板に形成された1つ又は複数の増幅回路によって増幅して、異なる複数の増幅電源を生成すること、及び、
前記異なる複数の増幅電源によって、前記配線基板に電気的に接続された電子基板を駆動すること、
を含む。本発明によれば、外部電源を増幅して異なる複数の増幅電源を生成するので、少ない種類の外部電源(例えば、単一電源)を入力して電子モジュールを駆動することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0005】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0006】
図1は、電子モジュールを示す図である。電子モジュールは、第1の基板10を有する。図2は、第1の基板の平面図であり、図3は、第1の基板の断面図である。
【0007】
第1の基板10は、ガラス基板、プラスチック基板又はシリコン基板のいずれであってもよい。図3に示すように、第1の基板10から光を取り出す場合、光透過性基板を第1の基板10として使用する。第1の基板10は、EL(例えば有機EL)部12を有する。EL部12は、EL現象によって発光するものである。EL部12は、キャリア注入型であってもよい。EL部12は、電流によって駆動される。詳しくは、発光材料(例えば有機材料)14(図3参照)を電流が流れる。EL部12を有する第1の基板10は、ELパネルであってもよい。
【0008】
図2に示すように、第1の基板10には、複数の第1の電源配線16,18,20,22が形成されている。複数の第1の電源配線16,18,20,22は、EL部12を挟む一対の領域を通るように形成されている。第1の電源配線16,18,20は、それぞれ、EL部12に電流を流すための陽極配線である。第1の電源配線16,18,20は、それぞれ、異なる幅で形成されており、発光材料14の色(R,G,B)による発光効率の違いに対応して、異なる値の電流を流すのに適している。第1の電源配線22は、陰極配線である。第1の電源配線22は、他の第1の電源配線16,18,20の外側に配置されている。また、第1の電源配線22は、第2の基板50との取付側を除くように、コ状(又はC状)に形成されている。
【0009】
第1の電源配線(陽極配線)16,18,20は、複数の陽極24(図3参照)に接続されている。また、第1の電源配線(陰極配線)22は、陰極26(図3参照)に接続されている。陰極26は、複数の陽極24に対向するように形成されている。各陽極24と陰極26の間に発光材料14が設けられている。なお、陽極24と発光材料14の間に正孔輸送層を形成し、陰極26と発光材料14の間に電子輸送層を形成してもよい。複数の第1の電源配線16,18,20,22のそれぞれは、複数の配線に分割され、各分割配線は端子28を有する。
【0010】
第1の基板10には、EL部12に駆動信号を入力するための複数の第1の信号配線30が形成されている。第1の信号配線30は、第1の電源配線16,18,20,22に挟まれる領域に形成されている。各第1の信号配線30は、第1の電源配線16,18,20,22よりも幅が狭くなるように形成されている。また、第1の信号配線30の端子32は、第1の電源配線の端子28よりも幅が狭くなるように形成されている。
【0011】
第1の基板10には、EL部12を挟む領域に一対の走査ドライバ34が配置されている。走査ドライバ34は、チップ部品であってもよいし、第1の基板10上に形成された薄膜回路(例えばTFTを含む回路)であってもよい。各走査ドライバ34は、EL部12と第1の電源配線16,18,20,22の間に配置されている。一対の走査ドライバ34には、制御信号を入力するための複数の第1の制御配線36が接続されている。複数の第1の制御配線36は、第1の信号配線30を挟む一対の領域であって、第1の電源配線16,18,20,22に挟まれる領域に形成されてなる。第1の制御配線36の端子38は、第1の電源配線の端子28と同じ幅で形成されていてもよく、第1の信号配線30の端子32よりも大きい幅で形成されていてもよい。
【0012】
上述した端子28,32,38は、第1の基板10の一辺に向かって延びるように並んでいる。第1の基板10は、第1の位置決めマーク40を有する。第1の位置決めマーク40と、後述する第2の位置決めマーク70(図4参照)を合わせることで、第1及び第2の基板10,50の位置合わせを行うことができる。第1の基板10には、必要に応じて、封止部42を設ける。封止部42は、陰極26を覆うように設け、水分や酸素の進入を防ぐ。封止部42は、光透過性が要求される場合には、ガラス基板又はプラスチック基板で形成することができ、光透過性が不要である場合には、金属やシリコン等で形成することができる。
【0013】
電子モジュールは、図1に示すように、第2の基板50を有する。第2の基板50は、フレキシブル基板であってもよい。第2の基板50は、第1の基板10に取り付けられてなる。図4は、第2の基板及びその製造方法を説明する図である。第2の基板50には、集積回路チップ52が搭載されている。集積回路チップ52には、EL部12への信号を生成する機能を含む信号ドライバが形成されていてもよい。集積回路チップ52は、フェースダウンボンディングされていてもよいし、TAB(Tape Automated Bonding)による電気的接続が図られていてもよい。
【0014】
第2の基板50には、複数の第2の電源配線54が形成されている。複数の第2の電源配線54は、集積回路チップ52を挟む一対の領域を通るように形成されている。第2の電源配線54を、集積回路チップ52を挟む一対の領域の片側のみを通るように形成すると、1つのグループの第2の電源配線54が、他のグループの第2の電源配線54よりも長くなる。これに対して、複数の第2の電源配線54の長さの差が小さいので、電流を均一に流すことが可能である。第2の電源配線54は、第1の電源配線16,18,20,22に電気的に接続されている。詳しくは、第2の電源配線54の端子56と、第1の電源配線の端子28が電気的に接続される。その電気的接続には、異方性導電材料(異方性導電膜、異方性導電ペースト等)を使用してもよい。電気的に接続された第1及び第2の電源配線によって、電源配線が構成される。この電源配線は、EL部12に電流を流すためのものである。
【0015】
第2の基板50には、集積回路チップ52からEL部12に駆動信号を入力するための複数の第2の信号配線58が形成されている。第2の信号配線58は、第2の電源配線54に挟まれる領域に形成されている。第2の信号配線58は、第2の電源配線54よりも幅が狭くなるように形成されている。また、第2の信号配線58の端子60は、第2の電源配線54の端子56よりも幅が狭くなるように形成されている。第2の信号配線58は、第1の信号配線30に電気的に接続されている。詳しくは、第2の信号配線58の端子60と、第1の信号配線30の端子32が電気的に接続される。その電気的接続は、端子28,56の電気的接続と同じであってもよい。電気的に接続された第1及び第2の信号配線によって、信号配線が構成される。この信号配線は、集積回路チップ52からEL部12に駆動信号を入力するためのものである。
【0016】
第2の基板50には、複数の第2の制御配線62が形成されている。第2の制御配線62は、集積回路チップ52に接続されており、集積回路チップ52から制御信号(例えばクロック信号)が出力される。複数の第2の制御配線62は、第2の信号配線58を挟む一対の領域であって、第2の電源配線54に挟まれる領域に形成されてなる。第2の信号配線58を挟む一対の領域のそれぞれに、同期したクロック信号が出力されてもよい。第2の制御配線62の端子64は、第2の電源配線54の端子56と同じ幅で形成されていてもよく、第2の信号配線58の端子60よりも大きい幅で形成されていてもよい。第2の制御配線62は、第1の制御配線36に電気的に接続されている。詳しくは、第2の制御配線62の端子64と、第1の制御配線36の端子38が電気的に接続される。その電気的接続は、端子28,56の電気的接続と同じであってもよい。電気的に接続された第1及び第2の制御配線によって、制御配線が構成される。この制御配線は、集積回路チップ52から走査ドライバ34に制御信号(クロック信号を含む。)を入力するためのものである。
【0017】
第2の基板50には、複数の入力配線66が形成されている。複数の入力配線66は、集積回路チップ52に接続されており、集積回路チップ52から、第2の信号配線58とは反対の方向に延びている。入力配線66は、集積回路チップ52にデータ信号(例えばデジタル信号)、チップセレクト信号又は電源等を入力するためのものである。
【0018】
第2の基板50には、コネクタ端子68が形成されている。コネクタ端子68は、第1の基板10との取付部を除いた端部に形成されている。コネクタ端子68は、それぞれの電源配線(第1の電源配線16,18,20,22又は第2の電源配線54)よりも幅が広く形成されている。コネクタ端子68は、第2の電源配線54及び入力配線66の端部である。コネクタ端子68は、第2の基板50の一辺に向かって延びるように形成されている。
【0019】
第2の基板50は、第2の位置決めマーク70を有する。第2の位置決めマーク70と、第1の位置決めマーク40を合わせることで、第1及び第2の基板10,50の位置合わせを行うことができる。
【0020】
第2の基板50は、図4に二点鎖線で示すテープ72を打ち抜いて形成してもよい。第2の基板50に穴74を予め形成しておき、穴74を基準にして、テープ72を打ち抜けば、正確な打ち抜きが可能である。また、穴74を利用して、第2の基板50を固定することができる。こうして固定された第2の基板50を第1の基板10に取り付けてもよい。
【0021】
第2の基板50には、1つ又は複数のダミーパターン76,78,80,82が形成されている。ダミーパターン76,78,80,82が形成されているので、第2の基板50における導電箔が形成されていない部分が減って、第2の基板50の反りやゆがみを抑えることができる。ダミーパターン76,82は、それぞれ、マーク84,86を有する。マーク84,86は、ダミーパターン76,82に形成された貫通穴であってもよいし、ダミーパターン76,82及び第2の基板50に形成された貫通穴であってもよいし、ダミーパターン76,82上の樹脂層(例えばレジスト層)に形成された貫通穴であってもよい。マーク84,86によって、集積回路チップ52の位置合わせを行うことができる。マーク84,86は、集積回路チップ52の複数の角部のうち、もっとも近い角部の位置合わせに使用することができる。ダミーパターン78,80は、ストライプ状等の形状をなしており、複数の穴が形成されている。したがって、ダミーパターン78,80は、その上に形成される樹脂層(例えばレジスト層)との密着力が高くなっており、樹脂層が剥離しにくくなっている。
【0022】
電子モジュールの製造方法は、EL部12が形成されてなる第1の基板10と、集積回路チップ52が搭載されてなる第2の基板50とを固定することを含む。第1の基板10は、EL部12を挟む一対の領域を通るように形成された複数の第1の電源配線16,18,20,22を有する。第2の基板50は、集積回路チップ52を挟む一対の領域を通るように形成された複数の第2の電源配線54を有する。第1及び第2の基板10,50を固定する工程で、第1の電源配線16,18,20,22と第2の電源配線54を電気的に接続する。
【0023】
図5は、電子モジュールの回路を説明する図である。EL部12には、複数の走査線90と、走査線90に対して交差する方向に延びる複数の信号線92と、信号線92に沿って延びる複数の電源線94が形成されている。走査線90は、走査ドライバ34(例えばシフトレジスタ及びレベルシフタを備える。)に電気的に接続されている。信号線92は、集積回路チップ52の信号ドライバ96に電気的に接続されている。電源線94は、第1の電源配線16,18,20のいずれかに電気的に接続されている。走査線90及び信号線92の各交点に対応して、画素となる発光材料14が設けられている。
【0024】
走査線90には、各画素に対応して、スイッチング素子98が電気的に接続されている。スイッチング素子98が薄膜トランジスタ(MOSFET)であれば、そのゲート電極に走査線90が電気的に接続される。また、信号線92には、各画素に対応して、キャパシタ100が電気的に接続されている。詳しくは、キャパシタ100は、信号線92と電源線94との間に電気的に接続されており、信号線92からの画像信号に応じた電荷を保持できるようになっている。キャパシタ100と信号線92との間に、スイッチング素子98が電気的に接続されている。走査線90からの走査信号によって、スイッチング素子98が制御され、スイッチング素子98は、キャパシタ100への電荷の蓄積を制御する。
【0025】
キャパシタ100に保持された電荷量又はその有無によって、駆動素子102が制御される。駆動素子102が薄膜トランジスタ(MOSFET)であれば、そのゲート電極とキャパシタ100の信号線92側の電極とが電気的に接続される。駆動素子102は、電源線94と発光材料14との間に電気的に接続されている。すなわち、駆動素子102は、電源線94から発光材料14への電流の供給を制御する。
【0026】
このような構成のもとに、走査線90の走査信号によってスイッチング素子98がオンとなると、そのときの信号線92と電源線94との電位差によってキャパシタ100に電荷が保持され、その電荷に応じて、駆動素子102の制御状態が決まる。そして、駆動素子102のチャネルを介して電源線94から陽極24に電流が流れ、発光材料14を通じて陰極26に電流が流れる。発光材料14は、これを流れる電流量に応じて発光するようになる。
【0027】
図6は、電子モジュール(例えばELモジュール又は液晶モジュール等)を示す図である。電子モジュールは、電子基板110を有する。図7は、電子基板の平面図であり、図8は、電子基板の断面図である。電子基板110は、例えば、表示パネル(ELパネル、液晶パネル等)であってもよい。電子基板110は、基板111を有する。基板111は、ガラス基板、プラスチック基板又はシリコン基板のいずれであってもよい。図8に示すように、基板111から光を取り出す場合、光透過性基板を基板111として使用する。
【0028】
電子基板110は、動作部112を有する。動作部112は、例えば、画像表示のための動作が行われる部分である。動作部112は、EL(例えば有機EL)部である。EL部は、EL現象によって発光するものである。EL部は、キャリア注入型であってもよい。EL部は、電流によって駆動されてもよい。詳しくは、発光材料(例えば有機材料)を電流が流れる(図8参照)。
【0029】
電子基板110は、動作部112を挟む領域に一対の走査ドライバ114が配置されている。走査ドライバ114は、チップ部品であってもよいし、基板111上に形成された薄膜回路(例えばTFTを含む回路)であってもよい。
【0030】
電子基板110は、複数の第1の端子120,122,124を有する。これらのうち、2つ以上の第1の端子120は、制御配線126によって走査ドライバ114に電気的に接続されている。また、2つ以上の第1の端子122は、電源配線130,132,134,136に電気的に接続されている。電源配線130,132,134は、それぞれ、動作部112に電流を流すための陽極配線である。電源配線130,132,134は、それぞれ、異なる幅で形成されており、発光材料144(図8参照)の色(R,G,B)による発光効率の違いに対応して、異なる値の電流を流すのに適している。電源配線136は、陰極配線である。電源配線130,132,134,136は、動作部112を挟む一対の領域を通るように形成されている。陰極配線となる電源配線136は、陽極配線となる電源配線130,132,134の外側に配置されている。また、電源配線136は、配線基板150との取付側を除くように、コ状(又はC状)に形成されている。さらに、2つ以上の第1の端子124は、信号配線138によって動作部112に電気的に接続されている。
【0031】
制御配線126は、信号配線138を挟む一対の領域であって、電源配線130,132,134,136に挟まれる領域に形成されてなる。信号配線138は、制御配線126に挟まれる領域に形成されている。信号配線138は、電源配線130,132,134,136に挟まれる領域に形成されている。信号配線138は、制御配線126よりも幅が狭くなるように形成されている。信号配線138は、電源配線130,132,134,136よりも幅が狭くなるように形成されている。
【0032】
信号配線138に接続された第1の端子124は、電源配線130,132,134,136及び制御配線126に接続された第1の端子120,122よりも幅が狭くなるように形成されている。制御配線126に接続された第1の端子120は、電源配線130,132,134,136に接続された第1の端子122と同じ幅で形成されていてもよく、信号配線138に接続された第1の端子124よりも大きい幅で形成されていてもよい。
【0033】
電源配線(陽極配線)130,132,134は、複数の陽極140(図8参照)に接続されている。また、電源配線(陰極配線)136は、陰極142(図8参照)に接続されている。陰極142は、複数の陽極140に対向するように形成されている。各陽極140と陰極142の間に発光材料144が設けられている。なお、陽極140と発光材料144の間に正孔輸送層を形成し、陰極142と発光材料144の間に電子輸送層を形成してもよい。
【0034】
上述した第1の端子120,122,124は、電子基板110の一辺に向かって延びるように並んでいる。電子基板110は、第1の位置決めマーク146を有する。第1の位置決めマーク146と、後述する第2の位置決めマーク182(図10参照)を合わせることで、電子基板110と配線基板150との位置合わせを行うことができる。電子基板110には、必要に応じて、封止部148を設ける。封止部148は、陰極142を覆うように設け、水分や酸素の進入を防ぐ。封止部148は、光透過性が要求される場合には、ガラス基板又はプラスチック基板で形成することができ、光透過性が不要である場合には、金属やシリコン等で形成することができる。
【0035】
電子モジュールは、配線基板150を有する。配線基板150は、基板151を有する。基板151に配線パターンが形成されている。基板151は、フレキシブル基板であってもよい。配線基板150(基板151)は、電子基板110に取り付けられてなる。
【0036】
配線基板150には、集積回路チップ152が搭載されている。集積回路チップ152には、動作部112への信号を生成する機能を含む信号ドライバ96(図12参照)が形成されていてもよい。集積回路チップ152は、フェースダウンボンディングされていてもよいし、TAB(Tape Automated Bonding)による電気的接続が図られていてもよい。
【0037】
配線基板150は、複数の第2の端子160,162,164を有する。配線基板150は、2つ以上の第2の端子160から延びる2つ以上の第1の配線166を有する。配線基板150は、第1の配線166とは電気的に絶縁された状態で形成されてなる2つ以上の第2の配線168を有する。第2の配線168は、集積回路チップ152に電気的に接続されてなる。第2の配線168には、集積回路チップ152から制御信号(例えばクロック信号)が出力される。
【0038】
配線基板150には、電気的接続部170が設けられている。電気的接続部170は、チップ部品(例えば表面実装部品)であってもよい。電気的接続部170は、集積回路チップ152よりも電子基板110に近い位置に設けられていてもよい。電気的接続部170は、配線基板150の幅方向の中央よりも両端に近い一対の領域のそれぞれに設けられていてもよい。
【0039】
図9は、電気的接続部及びその付近の構造を説明する図である。1つの第1の配線166の先端(第2の端子160とは反対側の先端)から間隔をあけて、その延長線上に、1つの第2の配線168が形成されていてもよい。第1の配線166と同じ数の第2の配線168が形成されていてもよい。
【0040】
電気的接続部170は、少なくとも1つの第1の配線166と、少なくとも1つの第2の配線168と、を電気的に接続する。電気的接続部170は、1つ又は複数の導電部172を有していてもよい。複数の導電部172は、相互に電気的に絶縁されていてもよい。1つの導電部172が、1つの第1の配線166と1つの第2の配線168を電気的に接続してもよい。1つの導電部172をまたぐように他の導電部172が配置されていてもよい。これにより、1つの第1の配線166と、その延長線上にない第2の配線168と、を電気的に接続することができる。なお、導電部172は、抵抗を有していてもよい。導電部172は、ハンダであってもよい。電気的に接続された第1及び第2の配線166,168によって、制御配線が構成される。
【0041】
配線基板150は、2つ以上の第2の端子162から延びる2つ以上の電源配線174を有する。電源配線174は、集積回路チップ152を挟む一対の領域を通るように形成されている。電源配線174を、集積回路チップ152を挟む一対の領域の片側のみを通るように形成すると、1つのグループの電源配線174が、他のグループの電源配線174よりも長くなる。これに対して、複数の電源配線174の長さの差が小さいので、電流を均一に流すことが可能である。
【0042】
配線基板150は、2つ以上の第2の端子164から延びる2つ以上の信号配線176を有する。信号配線176は、電源配線174に挟まれる領域に形成されている。配線基板150は、複数の入力配線178を有する。複数の入力配線178は、集積回路チップ152に接続されており、集積回路チップ152から、信号配線176とは反対の方向に延びている。入力配線178は、集積回路チップ152にデータ信号(例えばデジタル信号)、チップセレクト信号又は電源等を入力するためのものである。
【0043】
配線基板150は、複数のコネクタ端子180を有する。コネクタ端子180は、電子基板110との取付部を除いた端部に形成されている。コネクタ端子180は、電源配線174よりも幅が広く形成されている。コネクタ端子180は、電源配線174及び入力配線178に接続されている。コネクタ端子180は、配線基板150の一辺に向かって延びるように形成されている。
【0044】
第1の配線166に接続された第2の端子160は、電源配線174に接続された第2の端子162と同じ幅で形成されていてもよく、信号配線176に接続された第2の端子164よりも大きい幅で形成されていてもよい。第1及び第2の配線166,168は、信号配線176を挟む一対の領域であって、電源配線174に挟まれる領域に形成されてなる。信号配線176を挟む一対の領域のそれぞれに、集積回路チップ152から第2の配線168に、同期したクロック信号が出力されてもよい。信号配線176は、電源配線174よりも幅が狭くなるように形成されている。また、信号配線176が接続される第2の端子164は、電源配線174が接続される第2の端子162よりも幅が狭くなるように形成されている。
【0045】
第2の端子160,162,164は、それぞれ、電子基板110の第1の端子120,122,124に電気的に接続されてなる。その電気的接続には、異方性導電材料(異方性導電膜、異方性導電ペースト等)を使用してもよい。詳しくは、第1の配線166に接続された第2の端子160と、制御配線126に接続された第1の端子120が電気的に接続される。すなわち、第1の配線166は、制御配線126に電気的に接続されている。また、電源配線174に接続された第2の端子162と、電源配線130,132,134,136の第1の端子122が電気的に接続される。すなわち、電源配線174は、電源配線130,132,134,136に電気的に接続されている。また、信号配線176が接続される第2の端子164と、信号配線138が接続される第1の端子124が電気的に接続される。すなわち、信号配線176は、信号配線138に電気的に接続されている。
【0046】
配線基板150は、第2の位置決めマーク182を有する(図10参照)。第2の位置決めマーク182と、第1の位置決めマーク146を合わせることで、電子基板110及び配線基板150の位置合わせを行うことができる。
【0047】
図10は、配線基板の製造方法を説明する図である。図10に示す配線基板150は、集積回路チップ152及び電気的接続部170が設けられる前の状態で示されている。配線基板150は、図10に二点鎖線で示すテープ184を打ち抜いて形成してもよい。配線基板150に穴186を予め形成しておき、穴186を基準にして、テープ184を打ち抜けば、正確な打ち抜きが可能である。また、穴186を利用して、配線基板150を固定することができる。こうして固定された配線基板150を電子基板110に取り付けてもよい。
【0048】
配線基板150には、1つ又は複数のダミーパターン188,190,192,194が形成されている。ダミーパターン188,190,192,194が形成されているので、配線基板150における導電箔が形成されていない部分が減って、配線基板150の反りやゆがみを抑えることができる。ダミーパターン188,194は、それぞれ、マーク196,198を有する。マーク196,198は、ダミーパターン188,194に形成された貫通穴であってもよいし、ダミーパターン188,194及び配線基板150に形成された貫通穴であってもよいし、ダミーパターン188,194上の樹脂層(例えばレジスト層)に形成された貫通穴であってもよい。マーク196,198によって、集積回路チップ152の位置合わせを行うことができる。マーク196,198は、集積回路チップ152の複数の角部のうち、もっとも近い角部の位置合わせに使用することができる。ダミーパターン190,192は、ストライプ状等の形状をなしており、複数の穴が形成されている。したがって、ダミーパターン190,192は、その上に形成される樹脂層(例えばレジスト層)との密着力が高くなっており、樹脂層が剥離しにくくなっている。
【0049】
電子モジュールの製造方法では、電子基板110の複数の第1の端子120、122,124と、配線基板150の複数の第2の端子160,162,164と、を電気的に接続する。2つ以上の第2の端子160から延びる2つ以上の第1の配線166の少なくとも1つと、第1の配線166とは電気的に絶縁された状態で形成されてなる2つ以上の第2の配線168の少なくとも1つと、を電気的接続部170によって電気的に接続する。
【0050】
電気的接続部170が、どの第1及び第2の配線166,168を電気的に接続するかによって、配線パターンの伝送線路を変更することができる。したがって、電子基板110の第1の端子120の配列順序が変更されても、電気的接続部170による伝送線路を変更するだけで対応することができる。
【0051】
例えば、電気的接続部170によって、図11(A)に示す伝送線路を形成する代わりに、図11(B)に示すように、他の電気的接続部200によって別の伝送線路を形成してもよい。詳しくは、図11(B)では、第1の配線166と、これの延長線上にある第2の配線168とが電気的接続部200によって電気的に接続されている。
【0052】
図12は、電子モジュールの回路を説明する図である。動作部112には、複数の走査線90と、走査線90に対して交差する方向に延びる複数の信号線92と、信号線92に沿って延びる複数の電源線94が形成されている。電源線94は、電源配線130,132,134のいずれかに電気的に接続されている。走査線90及び信号線92の各交点に対応して、画素となる発光材料144が設けられている。駆動素子102のチャネルを介して電源線94から陽極140に電流が流れ、発光材料144を通じて陰極142に電流が流れる。発光材料144は、これを流れる電流量に応じて発光するようになる。その他の説明は、図5の回路の内容が該当する。
【0053】
(本発明の実施の形態)
図13は、本発明の実施の形態に係る電子モジュール(例えばELモジュール又は液晶モジュール等)を示す図である。電子モジュールは、電子基板210を有する。図14は、電子基板の平面図であり、図15は、電子基板の断面図である。電子基板210は、例えば、表示パネル(ELパネル、液晶パネル等)であってもよい。電子基板210は、基板211を有する。基板211は、ガラス基板、プラスチック基板又はシリコン基板のいずれであってもよい。図15に示すように、基板211から光を取り出す場合、光透過性基板を基板211として使用する。
【0054】
電子基板210は、動作部212を有する。動作部212は、例えば、画像表示のための動作が行われる部分である。本実施の形態では、動作部212は、EL(例えば有機EL)部である。EL部は、EL現象によって発光するものである。EL部は、キャリア注入型であってもよい。EL部は、電流によって駆動されてもよい。詳しくは、発光材料(例えば有機材料)236を電流が流れる(図15参照)。
【0055】
電子基板210は、動作部212を挟む領域に一対の走査ドライバ214が配置されている。走査ドライバ214は、チップ部品であってもよいし、基板211上に形成された薄膜回路(例えばTFTを含む回路)であってもよい。
【0056】
電子基板210は、複数の陽極配線220,222,224を有する。陽極配線220,222,224は、それぞれ、動作部212に電流を流すための配線である。陽極配線220,222,224は、それぞれ、異なる幅で形成されており、発光材料236(図15参照)の色(R,G,B)による発光効率の違いに対応して、異なる値の電流を流すのに適している。電子基板210は、陰極配線226を有する。陽極配線220,222,224及び陰極配線226は、動作部212を挟む一対の領域を通るように形成されている。陰極配線226は、陽極配線220,222,224の外側に配置されている。また、陰極配線226は、配線基板240との取付側を除くように、コ状(又はC状)に形成されている。
【0057】
電子基板210は、信号配線228を有する。信号配線228は、動作部212に駆動信号を供給する。電子基板210は、制御配線230を有する。制御配線230は、信号配線228を挟む一対の領域であって、陽極配線220,222,224及び陰極配線226に挟まれる領域に形成されてなる。信号配線228は、制御配線230に挟まれる領域に形成されている。信号配線228は、陽極配線220,222,224及び陰極配線226に挟まれる領域に形成されている。信号配線228は、制御配線230よりも幅が狭くなるように形成されている。信号配線228は、陽極配線220,222,224及び陰極配線226よりも幅が狭くなるように形成されている。
【0058】
陽極配線220,222,224、陰極配線226、信号配線228及び制御配線230は、電子基板210の一辺に向かって延びるように並んで、それぞれの先端部が端子になっている。
【0059】
陽極配線220,222,224は、複数の陽極232(図15参照)に接続されている。また、陰極配線226は、陰極234(図15参照)に接続されている。陰極234は、複数の陽極232に対向するように形成されている。各陽極232と陰極234の間に発光材料236が設けられている。なお、陽極232と発光材料236の間に正孔輸送層を形成し、陰極234と発光材料236の間に電子輸送層を形成してもよい。
【0060】
電子基板210には、必要に応じて、封止部238を設ける。封止部238は、陰極234を覆うように設け、水分や酸素の進入を防ぐ。封止部238は、光透過性が要求される場合には、ガラス基板又はプラスチック基板で形成することができ、光透過性が不要である場合には、金属やシリコン等で形成することができる。
【0061】
電子モジュールは、配線基板240を有する。配線基板240は、基板241を有する。基板241は、フレキシブル基板であってもよい。配線基板240(基板241)は、電子基板210に取り付けられてなる。電子基板210と配線基板240の電気的接続には、異方性導電材料(異方性導電膜、異方性導電ペースト等)を使用してもよい。
【0062】
配線基板240には、集積回路チップ242が搭載されている。集積回路チップ242には、動作部212への信号を生成する機能を含む信号ドライバ96(図17参照)が形成されていてもよい。集積回路チップ242は、フェースダウンボンディングされていてもよいし、TAB(Tape Automated Bonding)による電気的接続が図られていてもよい。集積回路チップ242は、配線基板240の幅方向の中央部に搭載されている。
【0063】
配線基板240は、入力端子244を有する。入力端子244は、図示しない配線パターンの端部である。入力端子244は、電子基板210との取付部を除いた端部に形成されている。入力端子244は、電源配線260,262,264,266,268よりも幅が広く形成されている。入力端子244は、配線基板240の一辺に向かって延びるように形成されていてもよい。
【0064】
入力端子244には、外部電源V0が入力される。外部電源V0は、単一電源(電圧)であってもよい。外部電源V0によって集積回路チップ242が駆動されてもよい。配線基板240は、1つ又は複数の増幅回路250,252,254を有する。1つ又は複数の増幅回路250,252,254は、入力端子244に入力された外部電源V0を増幅(例えばその電圧を昇圧)して、異なる(例えば電圧において異なる)複数の増幅電源V1〜V5を生成する。集積回路チップ242と入力端子244との間の領域に増幅回路250,252,254が形成されている。一対の増幅回路250,252が、配線基板240の幅方向の両端側に形成されている。なお、図16に示す変形例では、一対の増幅回路272,274が、集積回路チップ242を挟む一対の領域に配置されている。
【0065】
本実施の形態によれば、外部電源V0を増幅して異なる複数の増幅電源V1〜V5を生成するので、少ない種類の外部電源(例えば単一電源)V0を入力して電子モジュールを駆動することができる。
【0066】
増幅回路250,252は、集積回路チップ242とは別に形成されている。こうすることで、増幅回路250,252による増幅作用の影響を集積回路チップ242に与えないようにすることができる。例えば、増幅電源V1,V2,V3の電流値が大きくて増幅回路250,252を集積回路チップ242に内蔵できない場合に、この構成を適用することができる。
【0067】
増幅回路254は、第1及び第2の回路256,258によって構成されている。第1の回路256は、集積回路チップ242に形成されている。第2の回路258は、集積回路チップ242とは別に形成されている。第2の回路258は、例えば、キャパシタ又はインダクタを含み、昇圧回路の少なくとも一部を構成してもよい。第2の回路258が多くの部品を必要とする場合に、第2の回路258を集積回路チップ242とは別に形成することは効果的である。
【0068】
配線基板240は、電源配線260,262,264,266,268を有する。電源配線260,262,264,266,268は、増幅回路250,252,254から電子基板210に向けて延びる。
【0069】
増幅回路250は、電源配線260に電気的に接続されている。電源配線260は、電子基板210の陽極配線224に電気的に接続されている。なお、図13には、図14に示す電子基板210の裏面が示されている。増幅回路250に入力された外部電源V0は、増幅電源V1に増幅される。増幅電源V1は、電源配線260を通じて陽極配線224に入力される。増幅回路252は、電源配線262,264に電気的に接続されている。電源配線262,264は、それぞれ、電子基板210の陽極配線220,222に電気的に接続されている。増幅回路252に入力された外部電源V0は、増幅電源V2,V3に増幅される。増幅電源V2,V3は、電源配線262,264を通じて陽極配線220,222に入力される。増幅電源V1,V2,V3によって電子基板210が駆動される。
【0070】
電源配線260,262,264は、集積回路チップ242を挟む一対の領域を通るように形成されている。電源配線260,262,264を、集積回路チップ242を挟む一対の領域の片側のみを通るように形成すると、例えば、電源配線260が、他の電源配線262,264よりも長くなる。これに対して、本実施の形態では、複数の電源配線260,262,264の長さの差が小さいので、電流を均一に流すことが可能である。
【0071】
増幅回路254は、電源配線266,268に電気的に接続されている。電源配線266,268は、それぞれ、電子基板210の制御配線230に電気的に接続されている。電源配線266,268に接続される制御配線230は、走査ドライバ214に電源を供給するためのものである。増幅回路254に入力された外部電源V0は、増幅電源V4,V5に増幅される。増幅電源V4,V5は、電源配線266,268を通じて制御配線230に入力される。
【0072】
配線基板240は、集積回路チップ242から電子基板210に向けて延びる信号配線270を有する。信号配線270は、電源配線260,262,264,266,268に挟まれる領域に形成されている。信号配線270は、電子基板210の信号配線228に電気的に接続されている。電源配線260,262,264,266,268は、信号配線270よりも幅が広くなるように形成されていてもよい。
【0073】
配線基板240は、図示しない制御配線(クロック信号等を集積回路チップ242から走査ドライバ214に入力するための配線)、陰極配線(陰極配線226に電気的に接続されてなる配線)、入力配線(入力端子244に接続されてなる配線)等を有する。
【0074】
本実施の形態に係る電子モジュールの駆動方法では、集積回路チップ242が搭載されてなる配線基板240に形成された入力端子244に外部電源V0を入力する。外部電源V0を、配線基板240に形成された1つ又は複数の増幅回路250,252,254によって増幅して、異なる複数の増幅電源V1〜V5を生成する。異なる複数の増幅電源V1〜V5によって、配線基板240に電気的に接続された電子基板210を駆動する。
【0075】
図17は、本実施の形態に係る電子モジュールの回路を説明する図である。動作部212には、複数の走査線90と、走査線90に対して交差する方向に延びる複数の信号線92と、信号線92に沿って延びる複数の電源線94が形成されている。電源線94は、陽極配線220,222,224のいずれかに電気的に接続されている。走査線90及び信号線92の各交点に対応して、画素となる発光材料236が設けられている。駆動素子102のチャネルを介して電源線94から陽極232に電流が流れ、発光材料236を通じて陰極234に電流が流れる。発光材料236は、これを流れる電流量に応じて発光するようになる。その他の説明は、図5の回路の内容が該当する。
【0076】
本発明の実施の形態に係る電子モジュール(例えばELモジュール又は液晶モジュール等)を有する電子機器として、図18にはノート型パーソナルコンピュータ1000が示され、図19には携帯電話2000が示されている。
【0077】
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び結果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】図1は、電子モジュールを示す図である。
【図2】図2は、電子モジュールの第1の基板を示す平面図である。
【図3】図3は、電子モジュールの第1の基板を示す断面図である。
【図4】図4は、電子モジュールの第2の基板を示す平面図である。
【図5】図5は、電子モジュールの回路を示す図である。
【図6】図6は、電子モジュールを示す図である。
【図7】図7は、電子モジュールの電子基板を示す平面図である。
【図8】図8は、電子モジュールの電子基板を示す断面図である。
【図9】図9は、電子モジュールの電気的接続部及びその付近の構造を示す図である。
【図10】図10は、電子モジュールの配線基板の製造方法を説明する図である。
【図11】図11(A)及び図11(B)は、電子モジュールの第1及び第2の配線の接続状態を示す図である。
【図12】図12は、電子モジュールの回路を示す図である。
【図13】図13は、本発明の実施の形態に係る電子モジュールを示す図である。
【図14】図14は、本発明の実施の形態に係る電子モジュールの電子基板を示す平面図である。
【図15】図15は、本発明の実施の形態に係る電子モジュールの電子基板を示す断面図である。
【図16】図16は、本発明の実施の形態に係る電子モジュールの配線基板の変形例を示す図である。
【図17】図17は、本発明の実施の形態に係る電子モジュールの回路を示す図である。
【図18】図18は、本発明の実施の形態に係る電子機器を示す図である。
【図19】図19は、本発明の実施の形態に係る電子機器を示す図である。
【符号の説明】
【0079】
10…第1の基板、 12…EL部、 16,18,20,22…第1の電源配線、 30…第1の信号配線、 34…走査ドライバ、 36…第1の制御配線、 50…第2の基板、 52…集積回路チップ、 54…第2の電源配線、 58…第2の信号配線、 62…第2の制御配線、 68…コネクタ端子、 110…電子基板、 120,122,124…第1の端子、 150…配線基板、 152…集積回路チップ、 160,162,164…第2の端子、 166…第1の配線、 168…第2の配線、 170…電気的接続部、 210…電子基板、 240…配線基板、 242…集積回路チップ、 244…入力端子、 250,252,254…増幅回路、 256…第1の回路、 258…第2の回路、 260,262,264,266,268…電源配線
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子モジュール、その製造方法及び駆動方法並びに電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、エレクトロルミネセンス(以下、ELという。)モジュールの開発が進んでいる。ELモジュールなどの電子モジュールは、電子基板(例えばELパネル)と配線基板(例えばフレキシブル基板)を有する。ELパネルは液晶装置(例えば液晶パネル)と同様に配線基板に搭載された半導体チップ(例えばドライバIC)により駆動される。しかし、ELパネルと液晶パネルでは駆動原理が異なるため、ELパネルを駆動するために配線基板に形成される配線パターンはELの構造に対応して配置する必要がある。また、電子基板と配線基板は、多数の端子同士が電気的に接続されている。したがって、従来、電子基板の端子の配列順序が変更されると、配線基板の端子の配列順も変更しなければならなかった。さらに、従来、電子基板の駆動のために複数種類の電源が必要な場合、これらを電子モジュールの外部から入力していた。したがって、電子基板の変更に対応しにくいなどの問題があった。
【0003】
本発明の目的は、ELの構造に対応して配置された配線を有する電子モジュール及びその製造方法並びに電子機器を提供し、あるいは、電子基板の端子の配列順序の変更に対応することができる電子モジュール及びその製造方法並びに電子機器を提供し、あるいは、少ない種類の電源を入力して駆動することができる電子モジュール及びその駆動方法並びに電子機器を提供することにある。
【特許文献1】国際公開第WO98/40871号パンフレット
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0004】
(1)電子モジュールは、EL部と、
前記EL部が形成されてなる第1の基板と、
前記第1の基板に取り付けられてなる第2の基板と、
前記第2の基板に搭載されてなる集積回路チップと、
前記EL部に電流を流すための複数の電源配線と、
を有し、
前記複数の電源配線は、前記第1の基板上の前記EL部を挟む一対の領域を通るように形成された複数の第1の電源配線と、前記第2の基板上の前記集積回路チップを挟む一対の領域を通るように形成された複数の第2の電源配線と、を有し、前記第1及び第2の電源配線が電気的に接続されて構成される。これによれば、EL部及び集積回路チップを挟む一対の領域を通るように複数の電源配線が形成されている。したがって、EL部の両側に対して、電流を均一に流すことができる。
(2)この電子モジュールにおいて、
前記集積回路チップから前記EL部に駆動信号を入力するための複数の信号配線をさらに有し、
前記複数の信号配線は、前記複数の電源配線に挟まれる領域に形成されていてもよい。
(3)この電子モジュールにおいて、
それぞれの前記信号配線は、それぞれの前記電源配線よりも幅が狭くてもよい。
(4)この電子モジュールにおいて、
前記第1の基板上に前記EL部を挟む領域に配置された一対の走査ドライバと、
前記集積回路チップからそれぞれの前記走査ドライバに制御信号を入力するための複数の制御配線と、
をさらに有し、
前記複数の制御配線は、前記複数の信号配線を挟む一対の領域であって、前記複数の電源配線に挟まれる領域に形成されていてもよい。
(5)この電子モジュールにおいて、
前記第2の基板の前記第1の基板との取付部を除いた端部に形成されてなる複数のコネクタ端子をさらに有し、
それぞれの前記コネクタ端子は、それぞれの前記電源配線よりも幅が広く形成されていてもよい。
(6)電子機器は、上記電子モジュールを有する。
(7)電子モジュールの製造方法は、EL部が形成されてなる第1の基板と、集積回路チップが搭載されてなる第2の基板とを固定することを含み、
前記第1の基板は、前記EL部を挟む一対の領域を通るように形成された複数の第1の電源配線を有し、
前記第2の基板は、前記集積回路チップを挟む一対の領域を通るように形成された複数の第2の電源配線を有し、
前記第1及び第2の基板を固定する工程で、前記第1及び第2の電源配線を電気的に接続する。これによれば、EL部及び集積回路チップを挟む一対の領域を通るように複数の電源配線を形成する。したがって、EL部の両側に対して、電流を均一に流すことができる。
(8)電子モジュールは、複数の第1の端子を有する電子基板と、
前記電子基板の前記第1の端子と電気的に接続される複数の第2の端子と、2つ以上の前記第2の端子から延びる2つ以上の第1の配線と、前記第1の配線とは電気的に絶縁された状態で形成されてなる2つ以上の第2の配線と、を含む配線パターンが形成された配線基板と、
少なくとも1つの前記第1の配線と、少なくとも1つの前記第2の配線と、を電気的に接続する電気的接続部と、
を有する。これによれば、電気的接続部が、どの第1及び第2の配線を電気的に接続するかによって、配線パターンの伝送線路を変更することができる。したがって、電子基板の第1の端子の配列順序が変更されても、電気的接続部による伝送線路を変更するだけで対応することができる。
(9)この電子モジュールは、
前記配線基板に搭載された集積回路チップをさらに有し、
前記第2の配線は、前記集積回路チップに電気的に接続されていてもよい。
(10)この電子モジュールにおいて、
前記電気的接続部は、前記集積回路チップよりも前記電子基板に近い位置に設けられていてもよい。
(11)この電子モジュールにおいて、
前記電気的接続部は、前記配線基板の幅方向の中央よりも両端に近い一対の領域のそれぞれに設けられていてもよい。
(12)電子機器は、上記(8)〜(11)の電子モジュールを有する。
(13)電子モジュールの製造方法は、電子基板の複数の第1の端子と、配線基板の複数の第2の端子と、を電気的に接続すること、及び、
2つ以上の前記第2の端子から延びる2つ以上の第1の配線の少なくとも1つと、前記第1の配線とは電気的に絶縁された状態で形成されてなる2つ以上の第2の配線の少なくとも1つと、を電気的接続部によって電気的に接続すること、
を含む。これによれば、電気的接続部が、どの第1及び第2の配線を電気的に接続するかによって、配線パターンの伝送線路を変更することができる。したがって、電子基板の第1の端子の配列順序が変更されても、電気的接続部による伝送線路を変更するだけで対応することができる。
(14)本発明に係る電子モジュールは、電子基板と、
前記電子基板に取り付けられており、集積回路チップが搭載されてなる配線基板と、
を有し、
前記配線基板は、入力端子と、前記入力端子に入力された外部電源を増幅して異なる複数の増幅電源を生成する1つ又は複数の増幅回路と、を有する。本発明によれば、外部電源を増幅して異なる複数の増幅電源を生成するので、少ない種類の外部電源(例えば、単一電源)を入力して電子モジュールを駆動することができる。
(15)この電子モジュールにおいて、
前記外部電源によって、前記集積回路チップが駆動され、
前記複数の増幅電源によって、前記電子基板が駆動されてもよい。
(16)この電子モジュールにおいて、
前記集積回路チップと前記入力端子との間の領域に前記増幅回路が形成されていてもよい。
(17)この電子モジュールにおいて、
前記配線基板の幅方向の中央部に前記集積回路チップが搭載され、
前記1つ又は複数の増幅回路のうち一対の増幅回路が、前記配線基板の幅方向の両端側に形成されていてもよい。
(18)この電子モジュールにおいて、
前記配線基板は、前記集積回路チップから前記電子基板に向けて延びる信号配線と、前記一対の増幅回路から前記電子基板に向けて延びる電源配線と、を有し、
前記電源配線は、前記信号配線よりも幅が広くなるように形成されていてもよい。
(19)この電子モジュールにおいて、
前記1つ又は複数の増幅回路のうち1つの増幅回路は、前記集積回路チップに形成された第1の回路と、前記集積回路チップとは別に設けられた第2の回路と、によって構成されていてもよい。
(20)この電子モジュールにおいて、
前記第2の回路は、キャパシタを含んでもよい。
(21)この電子モジュールにおいて、
前記第2の回路は、インダクタを含んでもよい。
(22)本発明に係る電子機器は、上記(14)〜(21)の電子モジュールを有する。
(23)本発明に係る電子モジュールの駆動方法は、集積回路チップが搭載されてなる配線基板に形成された入力端子に外部電源を入力すること、
前記外部電源を、前記配線基板に形成された1つ又は複数の増幅回路によって増幅して、異なる複数の増幅電源を生成すること、及び、
前記異なる複数の増幅電源によって、前記配線基板に電気的に接続された電子基板を駆動すること、
を含む。本発明によれば、外部電源を増幅して異なる複数の増幅電源を生成するので、少ない種類の外部電源(例えば、単一電源)を入力して電子モジュールを駆動することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0005】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0006】
図1は、電子モジュールを示す図である。電子モジュールは、第1の基板10を有する。図2は、第1の基板の平面図であり、図3は、第1の基板の断面図である。
【0007】
第1の基板10は、ガラス基板、プラスチック基板又はシリコン基板のいずれであってもよい。図3に示すように、第1の基板10から光を取り出す場合、光透過性基板を第1の基板10として使用する。第1の基板10は、EL(例えば有機EL)部12を有する。EL部12は、EL現象によって発光するものである。EL部12は、キャリア注入型であってもよい。EL部12は、電流によって駆動される。詳しくは、発光材料(例えば有機材料)14(図3参照)を電流が流れる。EL部12を有する第1の基板10は、ELパネルであってもよい。
【0008】
図2に示すように、第1の基板10には、複数の第1の電源配線16,18,20,22が形成されている。複数の第1の電源配線16,18,20,22は、EL部12を挟む一対の領域を通るように形成されている。第1の電源配線16,18,20は、それぞれ、EL部12に電流を流すための陽極配線である。第1の電源配線16,18,20は、それぞれ、異なる幅で形成されており、発光材料14の色(R,G,B)による発光効率の違いに対応して、異なる値の電流を流すのに適している。第1の電源配線22は、陰極配線である。第1の電源配線22は、他の第1の電源配線16,18,20の外側に配置されている。また、第1の電源配線22は、第2の基板50との取付側を除くように、コ状(又はC状)に形成されている。
【0009】
第1の電源配線(陽極配線)16,18,20は、複数の陽極24(図3参照)に接続されている。また、第1の電源配線(陰極配線)22は、陰極26(図3参照)に接続されている。陰極26は、複数の陽極24に対向するように形成されている。各陽極24と陰極26の間に発光材料14が設けられている。なお、陽極24と発光材料14の間に正孔輸送層を形成し、陰極26と発光材料14の間に電子輸送層を形成してもよい。複数の第1の電源配線16,18,20,22のそれぞれは、複数の配線に分割され、各分割配線は端子28を有する。
【0010】
第1の基板10には、EL部12に駆動信号を入力するための複数の第1の信号配線30が形成されている。第1の信号配線30は、第1の電源配線16,18,20,22に挟まれる領域に形成されている。各第1の信号配線30は、第1の電源配線16,18,20,22よりも幅が狭くなるように形成されている。また、第1の信号配線30の端子32は、第1の電源配線の端子28よりも幅が狭くなるように形成されている。
【0011】
第1の基板10には、EL部12を挟む領域に一対の走査ドライバ34が配置されている。走査ドライバ34は、チップ部品であってもよいし、第1の基板10上に形成された薄膜回路(例えばTFTを含む回路)であってもよい。各走査ドライバ34は、EL部12と第1の電源配線16,18,20,22の間に配置されている。一対の走査ドライバ34には、制御信号を入力するための複数の第1の制御配線36が接続されている。複数の第1の制御配線36は、第1の信号配線30を挟む一対の領域であって、第1の電源配線16,18,20,22に挟まれる領域に形成されてなる。第1の制御配線36の端子38は、第1の電源配線の端子28と同じ幅で形成されていてもよく、第1の信号配線30の端子32よりも大きい幅で形成されていてもよい。
【0012】
上述した端子28,32,38は、第1の基板10の一辺に向かって延びるように並んでいる。第1の基板10は、第1の位置決めマーク40を有する。第1の位置決めマーク40と、後述する第2の位置決めマーク70(図4参照)を合わせることで、第1及び第2の基板10,50の位置合わせを行うことができる。第1の基板10には、必要に応じて、封止部42を設ける。封止部42は、陰極26を覆うように設け、水分や酸素の進入を防ぐ。封止部42は、光透過性が要求される場合には、ガラス基板又はプラスチック基板で形成することができ、光透過性が不要である場合には、金属やシリコン等で形成することができる。
【0013】
電子モジュールは、図1に示すように、第2の基板50を有する。第2の基板50は、フレキシブル基板であってもよい。第2の基板50は、第1の基板10に取り付けられてなる。図4は、第2の基板及びその製造方法を説明する図である。第2の基板50には、集積回路チップ52が搭載されている。集積回路チップ52には、EL部12への信号を生成する機能を含む信号ドライバが形成されていてもよい。集積回路チップ52は、フェースダウンボンディングされていてもよいし、TAB(Tape Automated Bonding)による電気的接続が図られていてもよい。
【0014】
第2の基板50には、複数の第2の電源配線54が形成されている。複数の第2の電源配線54は、集積回路チップ52を挟む一対の領域を通るように形成されている。第2の電源配線54を、集積回路チップ52を挟む一対の領域の片側のみを通るように形成すると、1つのグループの第2の電源配線54が、他のグループの第2の電源配線54よりも長くなる。これに対して、複数の第2の電源配線54の長さの差が小さいので、電流を均一に流すことが可能である。第2の電源配線54は、第1の電源配線16,18,20,22に電気的に接続されている。詳しくは、第2の電源配線54の端子56と、第1の電源配線の端子28が電気的に接続される。その電気的接続には、異方性導電材料(異方性導電膜、異方性導電ペースト等)を使用してもよい。電気的に接続された第1及び第2の電源配線によって、電源配線が構成される。この電源配線は、EL部12に電流を流すためのものである。
【0015】
第2の基板50には、集積回路チップ52からEL部12に駆動信号を入力するための複数の第2の信号配線58が形成されている。第2の信号配線58は、第2の電源配線54に挟まれる領域に形成されている。第2の信号配線58は、第2の電源配線54よりも幅が狭くなるように形成されている。また、第2の信号配線58の端子60は、第2の電源配線54の端子56よりも幅が狭くなるように形成されている。第2の信号配線58は、第1の信号配線30に電気的に接続されている。詳しくは、第2の信号配線58の端子60と、第1の信号配線30の端子32が電気的に接続される。その電気的接続は、端子28,56の電気的接続と同じであってもよい。電気的に接続された第1及び第2の信号配線によって、信号配線が構成される。この信号配線は、集積回路チップ52からEL部12に駆動信号を入力するためのものである。
【0016】
第2の基板50には、複数の第2の制御配線62が形成されている。第2の制御配線62は、集積回路チップ52に接続されており、集積回路チップ52から制御信号(例えばクロック信号)が出力される。複数の第2の制御配線62は、第2の信号配線58を挟む一対の領域であって、第2の電源配線54に挟まれる領域に形成されてなる。第2の信号配線58を挟む一対の領域のそれぞれに、同期したクロック信号が出力されてもよい。第2の制御配線62の端子64は、第2の電源配線54の端子56と同じ幅で形成されていてもよく、第2の信号配線58の端子60よりも大きい幅で形成されていてもよい。第2の制御配線62は、第1の制御配線36に電気的に接続されている。詳しくは、第2の制御配線62の端子64と、第1の制御配線36の端子38が電気的に接続される。その電気的接続は、端子28,56の電気的接続と同じであってもよい。電気的に接続された第1及び第2の制御配線によって、制御配線が構成される。この制御配線は、集積回路チップ52から走査ドライバ34に制御信号(クロック信号を含む。)を入力するためのものである。
【0017】
第2の基板50には、複数の入力配線66が形成されている。複数の入力配線66は、集積回路チップ52に接続されており、集積回路チップ52から、第2の信号配線58とは反対の方向に延びている。入力配線66は、集積回路チップ52にデータ信号(例えばデジタル信号)、チップセレクト信号又は電源等を入力するためのものである。
【0018】
第2の基板50には、コネクタ端子68が形成されている。コネクタ端子68は、第1の基板10との取付部を除いた端部に形成されている。コネクタ端子68は、それぞれの電源配線(第1の電源配線16,18,20,22又は第2の電源配線54)よりも幅が広く形成されている。コネクタ端子68は、第2の電源配線54及び入力配線66の端部である。コネクタ端子68は、第2の基板50の一辺に向かって延びるように形成されている。
【0019】
第2の基板50は、第2の位置決めマーク70を有する。第2の位置決めマーク70と、第1の位置決めマーク40を合わせることで、第1及び第2の基板10,50の位置合わせを行うことができる。
【0020】
第2の基板50は、図4に二点鎖線で示すテープ72を打ち抜いて形成してもよい。第2の基板50に穴74を予め形成しておき、穴74を基準にして、テープ72を打ち抜けば、正確な打ち抜きが可能である。また、穴74を利用して、第2の基板50を固定することができる。こうして固定された第2の基板50を第1の基板10に取り付けてもよい。
【0021】
第2の基板50には、1つ又は複数のダミーパターン76,78,80,82が形成されている。ダミーパターン76,78,80,82が形成されているので、第2の基板50における導電箔が形成されていない部分が減って、第2の基板50の反りやゆがみを抑えることができる。ダミーパターン76,82は、それぞれ、マーク84,86を有する。マーク84,86は、ダミーパターン76,82に形成された貫通穴であってもよいし、ダミーパターン76,82及び第2の基板50に形成された貫通穴であってもよいし、ダミーパターン76,82上の樹脂層(例えばレジスト層)に形成された貫通穴であってもよい。マーク84,86によって、集積回路チップ52の位置合わせを行うことができる。マーク84,86は、集積回路チップ52の複数の角部のうち、もっとも近い角部の位置合わせに使用することができる。ダミーパターン78,80は、ストライプ状等の形状をなしており、複数の穴が形成されている。したがって、ダミーパターン78,80は、その上に形成される樹脂層(例えばレジスト層)との密着力が高くなっており、樹脂層が剥離しにくくなっている。
【0022】
電子モジュールの製造方法は、EL部12が形成されてなる第1の基板10と、集積回路チップ52が搭載されてなる第2の基板50とを固定することを含む。第1の基板10は、EL部12を挟む一対の領域を通るように形成された複数の第1の電源配線16,18,20,22を有する。第2の基板50は、集積回路チップ52を挟む一対の領域を通るように形成された複数の第2の電源配線54を有する。第1及び第2の基板10,50を固定する工程で、第1の電源配線16,18,20,22と第2の電源配線54を電気的に接続する。
【0023】
図5は、電子モジュールの回路を説明する図である。EL部12には、複数の走査線90と、走査線90に対して交差する方向に延びる複数の信号線92と、信号線92に沿って延びる複数の電源線94が形成されている。走査線90は、走査ドライバ34(例えばシフトレジスタ及びレベルシフタを備える。)に電気的に接続されている。信号線92は、集積回路チップ52の信号ドライバ96に電気的に接続されている。電源線94は、第1の電源配線16,18,20のいずれかに電気的に接続されている。走査線90及び信号線92の各交点に対応して、画素となる発光材料14が設けられている。
【0024】
走査線90には、各画素に対応して、スイッチング素子98が電気的に接続されている。スイッチング素子98が薄膜トランジスタ(MOSFET)であれば、そのゲート電極に走査線90が電気的に接続される。また、信号線92には、各画素に対応して、キャパシタ100が電気的に接続されている。詳しくは、キャパシタ100は、信号線92と電源線94との間に電気的に接続されており、信号線92からの画像信号に応じた電荷を保持できるようになっている。キャパシタ100と信号線92との間に、スイッチング素子98が電気的に接続されている。走査線90からの走査信号によって、スイッチング素子98が制御され、スイッチング素子98は、キャパシタ100への電荷の蓄積を制御する。
【0025】
キャパシタ100に保持された電荷量又はその有無によって、駆動素子102が制御される。駆動素子102が薄膜トランジスタ(MOSFET)であれば、そのゲート電極とキャパシタ100の信号線92側の電極とが電気的に接続される。駆動素子102は、電源線94と発光材料14との間に電気的に接続されている。すなわち、駆動素子102は、電源線94から発光材料14への電流の供給を制御する。
【0026】
このような構成のもとに、走査線90の走査信号によってスイッチング素子98がオンとなると、そのときの信号線92と電源線94との電位差によってキャパシタ100に電荷が保持され、その電荷に応じて、駆動素子102の制御状態が決まる。そして、駆動素子102のチャネルを介して電源線94から陽極24に電流が流れ、発光材料14を通じて陰極26に電流が流れる。発光材料14は、これを流れる電流量に応じて発光するようになる。
【0027】
図6は、電子モジュール(例えばELモジュール又は液晶モジュール等)を示す図である。電子モジュールは、電子基板110を有する。図7は、電子基板の平面図であり、図8は、電子基板の断面図である。電子基板110は、例えば、表示パネル(ELパネル、液晶パネル等)であってもよい。電子基板110は、基板111を有する。基板111は、ガラス基板、プラスチック基板又はシリコン基板のいずれであってもよい。図8に示すように、基板111から光を取り出す場合、光透過性基板を基板111として使用する。
【0028】
電子基板110は、動作部112を有する。動作部112は、例えば、画像表示のための動作が行われる部分である。動作部112は、EL(例えば有機EL)部である。EL部は、EL現象によって発光するものである。EL部は、キャリア注入型であってもよい。EL部は、電流によって駆動されてもよい。詳しくは、発光材料(例えば有機材料)を電流が流れる(図8参照)。
【0029】
電子基板110は、動作部112を挟む領域に一対の走査ドライバ114が配置されている。走査ドライバ114は、チップ部品であってもよいし、基板111上に形成された薄膜回路(例えばTFTを含む回路)であってもよい。
【0030】
電子基板110は、複数の第1の端子120,122,124を有する。これらのうち、2つ以上の第1の端子120は、制御配線126によって走査ドライバ114に電気的に接続されている。また、2つ以上の第1の端子122は、電源配線130,132,134,136に電気的に接続されている。電源配線130,132,134は、それぞれ、動作部112に電流を流すための陽極配線である。電源配線130,132,134は、それぞれ、異なる幅で形成されており、発光材料144(図8参照)の色(R,G,B)による発光効率の違いに対応して、異なる値の電流を流すのに適している。電源配線136は、陰極配線である。電源配線130,132,134,136は、動作部112を挟む一対の領域を通るように形成されている。陰極配線となる電源配線136は、陽極配線となる電源配線130,132,134の外側に配置されている。また、電源配線136は、配線基板150との取付側を除くように、コ状(又はC状)に形成されている。さらに、2つ以上の第1の端子124は、信号配線138によって動作部112に電気的に接続されている。
【0031】
制御配線126は、信号配線138を挟む一対の領域であって、電源配線130,132,134,136に挟まれる領域に形成されてなる。信号配線138は、制御配線126に挟まれる領域に形成されている。信号配線138は、電源配線130,132,134,136に挟まれる領域に形成されている。信号配線138は、制御配線126よりも幅が狭くなるように形成されている。信号配線138は、電源配線130,132,134,136よりも幅が狭くなるように形成されている。
【0032】
信号配線138に接続された第1の端子124は、電源配線130,132,134,136及び制御配線126に接続された第1の端子120,122よりも幅が狭くなるように形成されている。制御配線126に接続された第1の端子120は、電源配線130,132,134,136に接続された第1の端子122と同じ幅で形成されていてもよく、信号配線138に接続された第1の端子124よりも大きい幅で形成されていてもよい。
【0033】
電源配線(陽極配線)130,132,134は、複数の陽極140(図8参照)に接続されている。また、電源配線(陰極配線)136は、陰極142(図8参照)に接続されている。陰極142は、複数の陽極140に対向するように形成されている。各陽極140と陰極142の間に発光材料144が設けられている。なお、陽極140と発光材料144の間に正孔輸送層を形成し、陰極142と発光材料144の間に電子輸送層を形成してもよい。
【0034】
上述した第1の端子120,122,124は、電子基板110の一辺に向かって延びるように並んでいる。電子基板110は、第1の位置決めマーク146を有する。第1の位置決めマーク146と、後述する第2の位置決めマーク182(図10参照)を合わせることで、電子基板110と配線基板150との位置合わせを行うことができる。電子基板110には、必要に応じて、封止部148を設ける。封止部148は、陰極142を覆うように設け、水分や酸素の進入を防ぐ。封止部148は、光透過性が要求される場合には、ガラス基板又はプラスチック基板で形成することができ、光透過性が不要である場合には、金属やシリコン等で形成することができる。
【0035】
電子モジュールは、配線基板150を有する。配線基板150は、基板151を有する。基板151に配線パターンが形成されている。基板151は、フレキシブル基板であってもよい。配線基板150(基板151)は、電子基板110に取り付けられてなる。
【0036】
配線基板150には、集積回路チップ152が搭載されている。集積回路チップ152には、動作部112への信号を生成する機能を含む信号ドライバ96(図12参照)が形成されていてもよい。集積回路チップ152は、フェースダウンボンディングされていてもよいし、TAB(Tape Automated Bonding)による電気的接続が図られていてもよい。
【0037】
配線基板150は、複数の第2の端子160,162,164を有する。配線基板150は、2つ以上の第2の端子160から延びる2つ以上の第1の配線166を有する。配線基板150は、第1の配線166とは電気的に絶縁された状態で形成されてなる2つ以上の第2の配線168を有する。第2の配線168は、集積回路チップ152に電気的に接続されてなる。第2の配線168には、集積回路チップ152から制御信号(例えばクロック信号)が出力される。
【0038】
配線基板150には、電気的接続部170が設けられている。電気的接続部170は、チップ部品(例えば表面実装部品)であってもよい。電気的接続部170は、集積回路チップ152よりも電子基板110に近い位置に設けられていてもよい。電気的接続部170は、配線基板150の幅方向の中央よりも両端に近い一対の領域のそれぞれに設けられていてもよい。
【0039】
図9は、電気的接続部及びその付近の構造を説明する図である。1つの第1の配線166の先端(第2の端子160とは反対側の先端)から間隔をあけて、その延長線上に、1つの第2の配線168が形成されていてもよい。第1の配線166と同じ数の第2の配線168が形成されていてもよい。
【0040】
電気的接続部170は、少なくとも1つの第1の配線166と、少なくとも1つの第2の配線168と、を電気的に接続する。電気的接続部170は、1つ又は複数の導電部172を有していてもよい。複数の導電部172は、相互に電気的に絶縁されていてもよい。1つの導電部172が、1つの第1の配線166と1つの第2の配線168を電気的に接続してもよい。1つの導電部172をまたぐように他の導電部172が配置されていてもよい。これにより、1つの第1の配線166と、その延長線上にない第2の配線168と、を電気的に接続することができる。なお、導電部172は、抵抗を有していてもよい。導電部172は、ハンダであってもよい。電気的に接続された第1及び第2の配線166,168によって、制御配線が構成される。
【0041】
配線基板150は、2つ以上の第2の端子162から延びる2つ以上の電源配線174を有する。電源配線174は、集積回路チップ152を挟む一対の領域を通るように形成されている。電源配線174を、集積回路チップ152を挟む一対の領域の片側のみを通るように形成すると、1つのグループの電源配線174が、他のグループの電源配線174よりも長くなる。これに対して、複数の電源配線174の長さの差が小さいので、電流を均一に流すことが可能である。
【0042】
配線基板150は、2つ以上の第2の端子164から延びる2つ以上の信号配線176を有する。信号配線176は、電源配線174に挟まれる領域に形成されている。配線基板150は、複数の入力配線178を有する。複数の入力配線178は、集積回路チップ152に接続されており、集積回路チップ152から、信号配線176とは反対の方向に延びている。入力配線178は、集積回路チップ152にデータ信号(例えばデジタル信号)、チップセレクト信号又は電源等を入力するためのものである。
【0043】
配線基板150は、複数のコネクタ端子180を有する。コネクタ端子180は、電子基板110との取付部を除いた端部に形成されている。コネクタ端子180は、電源配線174よりも幅が広く形成されている。コネクタ端子180は、電源配線174及び入力配線178に接続されている。コネクタ端子180は、配線基板150の一辺に向かって延びるように形成されている。
【0044】
第1の配線166に接続された第2の端子160は、電源配線174に接続された第2の端子162と同じ幅で形成されていてもよく、信号配線176に接続された第2の端子164よりも大きい幅で形成されていてもよい。第1及び第2の配線166,168は、信号配線176を挟む一対の領域であって、電源配線174に挟まれる領域に形成されてなる。信号配線176を挟む一対の領域のそれぞれに、集積回路チップ152から第2の配線168に、同期したクロック信号が出力されてもよい。信号配線176は、電源配線174よりも幅が狭くなるように形成されている。また、信号配線176が接続される第2の端子164は、電源配線174が接続される第2の端子162よりも幅が狭くなるように形成されている。
【0045】
第2の端子160,162,164は、それぞれ、電子基板110の第1の端子120,122,124に電気的に接続されてなる。その電気的接続には、異方性導電材料(異方性導電膜、異方性導電ペースト等)を使用してもよい。詳しくは、第1の配線166に接続された第2の端子160と、制御配線126に接続された第1の端子120が電気的に接続される。すなわち、第1の配線166は、制御配線126に電気的に接続されている。また、電源配線174に接続された第2の端子162と、電源配線130,132,134,136の第1の端子122が電気的に接続される。すなわち、電源配線174は、電源配線130,132,134,136に電気的に接続されている。また、信号配線176が接続される第2の端子164と、信号配線138が接続される第1の端子124が電気的に接続される。すなわち、信号配線176は、信号配線138に電気的に接続されている。
【0046】
配線基板150は、第2の位置決めマーク182を有する(図10参照)。第2の位置決めマーク182と、第1の位置決めマーク146を合わせることで、電子基板110及び配線基板150の位置合わせを行うことができる。
【0047】
図10は、配線基板の製造方法を説明する図である。図10に示す配線基板150は、集積回路チップ152及び電気的接続部170が設けられる前の状態で示されている。配線基板150は、図10に二点鎖線で示すテープ184を打ち抜いて形成してもよい。配線基板150に穴186を予め形成しておき、穴186を基準にして、テープ184を打ち抜けば、正確な打ち抜きが可能である。また、穴186を利用して、配線基板150を固定することができる。こうして固定された配線基板150を電子基板110に取り付けてもよい。
【0048】
配線基板150には、1つ又は複数のダミーパターン188,190,192,194が形成されている。ダミーパターン188,190,192,194が形成されているので、配線基板150における導電箔が形成されていない部分が減って、配線基板150の反りやゆがみを抑えることができる。ダミーパターン188,194は、それぞれ、マーク196,198を有する。マーク196,198は、ダミーパターン188,194に形成された貫通穴であってもよいし、ダミーパターン188,194及び配線基板150に形成された貫通穴であってもよいし、ダミーパターン188,194上の樹脂層(例えばレジスト層)に形成された貫通穴であってもよい。マーク196,198によって、集積回路チップ152の位置合わせを行うことができる。マーク196,198は、集積回路チップ152の複数の角部のうち、もっとも近い角部の位置合わせに使用することができる。ダミーパターン190,192は、ストライプ状等の形状をなしており、複数の穴が形成されている。したがって、ダミーパターン190,192は、その上に形成される樹脂層(例えばレジスト層)との密着力が高くなっており、樹脂層が剥離しにくくなっている。
【0049】
電子モジュールの製造方法では、電子基板110の複数の第1の端子120、122,124と、配線基板150の複数の第2の端子160,162,164と、を電気的に接続する。2つ以上の第2の端子160から延びる2つ以上の第1の配線166の少なくとも1つと、第1の配線166とは電気的に絶縁された状態で形成されてなる2つ以上の第2の配線168の少なくとも1つと、を電気的接続部170によって電気的に接続する。
【0050】
電気的接続部170が、どの第1及び第2の配線166,168を電気的に接続するかによって、配線パターンの伝送線路を変更することができる。したがって、電子基板110の第1の端子120の配列順序が変更されても、電気的接続部170による伝送線路を変更するだけで対応することができる。
【0051】
例えば、電気的接続部170によって、図11(A)に示す伝送線路を形成する代わりに、図11(B)に示すように、他の電気的接続部200によって別の伝送線路を形成してもよい。詳しくは、図11(B)では、第1の配線166と、これの延長線上にある第2の配線168とが電気的接続部200によって電気的に接続されている。
【0052】
図12は、電子モジュールの回路を説明する図である。動作部112には、複数の走査線90と、走査線90に対して交差する方向に延びる複数の信号線92と、信号線92に沿って延びる複数の電源線94が形成されている。電源線94は、電源配線130,132,134のいずれかに電気的に接続されている。走査線90及び信号線92の各交点に対応して、画素となる発光材料144が設けられている。駆動素子102のチャネルを介して電源線94から陽極140に電流が流れ、発光材料144を通じて陰極142に電流が流れる。発光材料144は、これを流れる電流量に応じて発光するようになる。その他の説明は、図5の回路の内容が該当する。
【0053】
(本発明の実施の形態)
図13は、本発明の実施の形態に係る電子モジュール(例えばELモジュール又は液晶モジュール等)を示す図である。電子モジュールは、電子基板210を有する。図14は、電子基板の平面図であり、図15は、電子基板の断面図である。電子基板210は、例えば、表示パネル(ELパネル、液晶パネル等)であってもよい。電子基板210は、基板211を有する。基板211は、ガラス基板、プラスチック基板又はシリコン基板のいずれであってもよい。図15に示すように、基板211から光を取り出す場合、光透過性基板を基板211として使用する。
【0054】
電子基板210は、動作部212を有する。動作部212は、例えば、画像表示のための動作が行われる部分である。本実施の形態では、動作部212は、EL(例えば有機EL)部である。EL部は、EL現象によって発光するものである。EL部は、キャリア注入型であってもよい。EL部は、電流によって駆動されてもよい。詳しくは、発光材料(例えば有機材料)236を電流が流れる(図15参照)。
【0055】
電子基板210は、動作部212を挟む領域に一対の走査ドライバ214が配置されている。走査ドライバ214は、チップ部品であってもよいし、基板211上に形成された薄膜回路(例えばTFTを含む回路)であってもよい。
【0056】
電子基板210は、複数の陽極配線220,222,224を有する。陽極配線220,222,224は、それぞれ、動作部212に電流を流すための配線である。陽極配線220,222,224は、それぞれ、異なる幅で形成されており、発光材料236(図15参照)の色(R,G,B)による発光効率の違いに対応して、異なる値の電流を流すのに適している。電子基板210は、陰極配線226を有する。陽極配線220,222,224及び陰極配線226は、動作部212を挟む一対の領域を通るように形成されている。陰極配線226は、陽極配線220,222,224の外側に配置されている。また、陰極配線226は、配線基板240との取付側を除くように、コ状(又はC状)に形成されている。
【0057】
電子基板210は、信号配線228を有する。信号配線228は、動作部212に駆動信号を供給する。電子基板210は、制御配線230を有する。制御配線230は、信号配線228を挟む一対の領域であって、陽極配線220,222,224及び陰極配線226に挟まれる領域に形成されてなる。信号配線228は、制御配線230に挟まれる領域に形成されている。信号配線228は、陽極配線220,222,224及び陰極配線226に挟まれる領域に形成されている。信号配線228は、制御配線230よりも幅が狭くなるように形成されている。信号配線228は、陽極配線220,222,224及び陰極配線226よりも幅が狭くなるように形成されている。
【0058】
陽極配線220,222,224、陰極配線226、信号配線228及び制御配線230は、電子基板210の一辺に向かって延びるように並んで、それぞれの先端部が端子になっている。
【0059】
陽極配線220,222,224は、複数の陽極232(図15参照)に接続されている。また、陰極配線226は、陰極234(図15参照)に接続されている。陰極234は、複数の陽極232に対向するように形成されている。各陽極232と陰極234の間に発光材料236が設けられている。なお、陽極232と発光材料236の間に正孔輸送層を形成し、陰極234と発光材料236の間に電子輸送層を形成してもよい。
【0060】
電子基板210には、必要に応じて、封止部238を設ける。封止部238は、陰極234を覆うように設け、水分や酸素の進入を防ぐ。封止部238は、光透過性が要求される場合には、ガラス基板又はプラスチック基板で形成することができ、光透過性が不要である場合には、金属やシリコン等で形成することができる。
【0061】
電子モジュールは、配線基板240を有する。配線基板240は、基板241を有する。基板241は、フレキシブル基板であってもよい。配線基板240(基板241)は、電子基板210に取り付けられてなる。電子基板210と配線基板240の電気的接続には、異方性導電材料(異方性導電膜、異方性導電ペースト等)を使用してもよい。
【0062】
配線基板240には、集積回路チップ242が搭載されている。集積回路チップ242には、動作部212への信号を生成する機能を含む信号ドライバ96(図17参照)が形成されていてもよい。集積回路チップ242は、フェースダウンボンディングされていてもよいし、TAB(Tape Automated Bonding)による電気的接続が図られていてもよい。集積回路チップ242は、配線基板240の幅方向の中央部に搭載されている。
【0063】
配線基板240は、入力端子244を有する。入力端子244は、図示しない配線パターンの端部である。入力端子244は、電子基板210との取付部を除いた端部に形成されている。入力端子244は、電源配線260,262,264,266,268よりも幅が広く形成されている。入力端子244は、配線基板240の一辺に向かって延びるように形成されていてもよい。
【0064】
入力端子244には、外部電源V0が入力される。外部電源V0は、単一電源(電圧)であってもよい。外部電源V0によって集積回路チップ242が駆動されてもよい。配線基板240は、1つ又は複数の増幅回路250,252,254を有する。1つ又は複数の増幅回路250,252,254は、入力端子244に入力された外部電源V0を増幅(例えばその電圧を昇圧)して、異なる(例えば電圧において異なる)複数の増幅電源V1〜V5を生成する。集積回路チップ242と入力端子244との間の領域に増幅回路250,252,254が形成されている。一対の増幅回路250,252が、配線基板240の幅方向の両端側に形成されている。なお、図16に示す変形例では、一対の増幅回路272,274が、集積回路チップ242を挟む一対の領域に配置されている。
【0065】
本実施の形態によれば、外部電源V0を増幅して異なる複数の増幅電源V1〜V5を生成するので、少ない種類の外部電源(例えば単一電源)V0を入力して電子モジュールを駆動することができる。
【0066】
増幅回路250,252は、集積回路チップ242とは別に形成されている。こうすることで、増幅回路250,252による増幅作用の影響を集積回路チップ242に与えないようにすることができる。例えば、増幅電源V1,V2,V3の電流値が大きくて増幅回路250,252を集積回路チップ242に内蔵できない場合に、この構成を適用することができる。
【0067】
増幅回路254は、第1及び第2の回路256,258によって構成されている。第1の回路256は、集積回路チップ242に形成されている。第2の回路258は、集積回路チップ242とは別に形成されている。第2の回路258は、例えば、キャパシタ又はインダクタを含み、昇圧回路の少なくとも一部を構成してもよい。第2の回路258が多くの部品を必要とする場合に、第2の回路258を集積回路チップ242とは別に形成することは効果的である。
【0068】
配線基板240は、電源配線260,262,264,266,268を有する。電源配線260,262,264,266,268は、増幅回路250,252,254から電子基板210に向けて延びる。
【0069】
増幅回路250は、電源配線260に電気的に接続されている。電源配線260は、電子基板210の陽極配線224に電気的に接続されている。なお、図13には、図14に示す電子基板210の裏面が示されている。増幅回路250に入力された外部電源V0は、増幅電源V1に増幅される。増幅電源V1は、電源配線260を通じて陽極配線224に入力される。増幅回路252は、電源配線262,264に電気的に接続されている。電源配線262,264は、それぞれ、電子基板210の陽極配線220,222に電気的に接続されている。増幅回路252に入力された外部電源V0は、増幅電源V2,V3に増幅される。増幅電源V2,V3は、電源配線262,264を通じて陽極配線220,222に入力される。増幅電源V1,V2,V3によって電子基板210が駆動される。
【0070】
電源配線260,262,264は、集積回路チップ242を挟む一対の領域を通るように形成されている。電源配線260,262,264を、集積回路チップ242を挟む一対の領域の片側のみを通るように形成すると、例えば、電源配線260が、他の電源配線262,264よりも長くなる。これに対して、本実施の形態では、複数の電源配線260,262,264の長さの差が小さいので、電流を均一に流すことが可能である。
【0071】
増幅回路254は、電源配線266,268に電気的に接続されている。電源配線266,268は、それぞれ、電子基板210の制御配線230に電気的に接続されている。電源配線266,268に接続される制御配線230は、走査ドライバ214に電源を供給するためのものである。増幅回路254に入力された外部電源V0は、増幅電源V4,V5に増幅される。増幅電源V4,V5は、電源配線266,268を通じて制御配線230に入力される。
【0072】
配線基板240は、集積回路チップ242から電子基板210に向けて延びる信号配線270を有する。信号配線270は、電源配線260,262,264,266,268に挟まれる領域に形成されている。信号配線270は、電子基板210の信号配線228に電気的に接続されている。電源配線260,262,264,266,268は、信号配線270よりも幅が広くなるように形成されていてもよい。
【0073】
配線基板240は、図示しない制御配線(クロック信号等を集積回路チップ242から走査ドライバ214に入力するための配線)、陰極配線(陰極配線226に電気的に接続されてなる配線)、入力配線(入力端子244に接続されてなる配線)等を有する。
【0074】
本実施の形態に係る電子モジュールの駆動方法では、集積回路チップ242が搭載されてなる配線基板240に形成された入力端子244に外部電源V0を入力する。外部電源V0を、配線基板240に形成された1つ又は複数の増幅回路250,252,254によって増幅して、異なる複数の増幅電源V1〜V5を生成する。異なる複数の増幅電源V1〜V5によって、配線基板240に電気的に接続された電子基板210を駆動する。
【0075】
図17は、本実施の形態に係る電子モジュールの回路を説明する図である。動作部212には、複数の走査線90と、走査線90に対して交差する方向に延びる複数の信号線92と、信号線92に沿って延びる複数の電源線94が形成されている。電源線94は、陽極配線220,222,224のいずれかに電気的に接続されている。走査線90及び信号線92の各交点に対応して、画素となる発光材料236が設けられている。駆動素子102のチャネルを介して電源線94から陽極232に電流が流れ、発光材料236を通じて陰極234に電流が流れる。発光材料236は、これを流れる電流量に応じて発光するようになる。その他の説明は、図5の回路の内容が該当する。
【0076】
本発明の実施の形態に係る電子モジュール(例えばELモジュール又は液晶モジュール等)を有する電子機器として、図18にはノート型パーソナルコンピュータ1000が示され、図19には携帯電話2000が示されている。
【0077】
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び結果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】図1は、電子モジュールを示す図である。
【図2】図2は、電子モジュールの第1の基板を示す平面図である。
【図3】図3は、電子モジュールの第1の基板を示す断面図である。
【図4】図4は、電子モジュールの第2の基板を示す平面図である。
【図5】図5は、電子モジュールの回路を示す図である。
【図6】図6は、電子モジュールを示す図である。
【図7】図7は、電子モジュールの電子基板を示す平面図である。
【図8】図8は、電子モジュールの電子基板を示す断面図である。
【図9】図9は、電子モジュールの電気的接続部及びその付近の構造を示す図である。
【図10】図10は、電子モジュールの配線基板の製造方法を説明する図である。
【図11】図11(A)及び図11(B)は、電子モジュールの第1及び第2の配線の接続状態を示す図である。
【図12】図12は、電子モジュールの回路を示す図である。
【図13】図13は、本発明の実施の形態に係る電子モジュールを示す図である。
【図14】図14は、本発明の実施の形態に係る電子モジュールの電子基板を示す平面図である。
【図15】図15は、本発明の実施の形態に係る電子モジュールの電子基板を示す断面図である。
【図16】図16は、本発明の実施の形態に係る電子モジュールの配線基板の変形例を示す図である。
【図17】図17は、本発明の実施の形態に係る電子モジュールの回路を示す図である。
【図18】図18は、本発明の実施の形態に係る電子機器を示す図である。
【図19】図19は、本発明の実施の形態に係る電子機器を示す図である。
【符号の説明】
【0079】
10…第1の基板、 12…EL部、 16,18,20,22…第1の電源配線、 30…第1の信号配線、 34…走査ドライバ、 36…第1の制御配線、 50…第2の基板、 52…集積回路チップ、 54…第2の電源配線、 58…第2の信号配線、 62…第2の制御配線、 68…コネクタ端子、 110…電子基板、 120,122,124…第1の端子、 150…配線基板、 152…集積回路チップ、 160,162,164…第2の端子、 166…第1の配線、 168…第2の配線、 170…電気的接続部、 210…電子基板、 240…配線基板、 242…集積回路チップ、 244…入力端子、 250,252,254…増幅回路、 256…第1の回路、 258…第2の回路、 260,262,264,266,268…電源配線
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子基板と、
前記電子基板に取り付けられており、集積回路チップが搭載されてなる配線基板と、
を有し、
前記配線基板は、入力端子と、前記入力端子に入力された外部電源を増幅して異なる複数の増幅電源を生成する1つ又は複数の増幅回路と、を有する電子モジュール。
【請求項2】
請求項1記載の電子モジュールにおいて、
前記外部電源によって、前記集積回路チップが駆動され、
前記複数の増幅電源によって、前記電子基板が駆動される電子モジュール。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載の電子モジュールにおいて、
前記集積回路チップと前記入力端子との間の領域に前記増幅回路が形成されてなる電子モジュール。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれかに記載の電子モジュールにおいて、
前記配線基板の幅方向の中央部に前記集積回路チップが搭載され、
前記1つ又は複数の増幅回路のうち一対の増幅回路が、前記配線基板の幅方向の両端側に形成されてなる電子モジュール。
【請求項5】
請求項4記載の電子モジュールにおいて、
前記配線基板は、前記集積回路チップから前記電子基板に向けて延びる信号配線と、前記一対の増幅回路から前記電子基板に向けて延びる電源配線と、を有し、
前記電源配線は、前記信号配線よりも幅が広くなるように形成されてなる電子モジュール。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれかに記載の電子モジュールにおいて、
前記1つ又は複数の増幅回路のうち1つの増幅回路は、前記集積回路チップに形成された第1の回路と、前記集積回路チップとは別に設けられた第2の回路と、によって構成されてなる電子モジュール。
【請求項7】
請求項6記載の電子モジュールにおいて、
前記第2の回路は、キャパシタを含む電子モジュール。
【請求項8】
請求項6記載の電子モジュールにおいて、
前記第2の回路は、インダクタを含む電子モジュール。
【請求項9】
請求項1から請求項8のいずれかに記載の電子モジュールを有する電子機器。
【請求項10】
集積回路チップが搭載されてなる配線基板に形成された入力端子に外部電源を入力すること、
前記外部電源を、前記配線基板に形成された1つ又は複数の増幅回路によって増幅して、異なる複数の増幅電源を生成すること、及び、
前記異なる複数の増幅電源によって、前記配線基板に電気的に接続された電子基板を駆動すること、
を含む電子モジュールの駆動方法。
【請求項1】
電子基板と、
前記電子基板に取り付けられており、集積回路チップが搭載されてなる配線基板と、
を有し、
前記配線基板は、入力端子と、前記入力端子に入力された外部電源を増幅して異なる複数の増幅電源を生成する1つ又は複数の増幅回路と、を有する電子モジュール。
【請求項2】
請求項1記載の電子モジュールにおいて、
前記外部電源によって、前記集積回路チップが駆動され、
前記複数の増幅電源によって、前記電子基板が駆動される電子モジュール。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載の電子モジュールにおいて、
前記集積回路チップと前記入力端子との間の領域に前記増幅回路が形成されてなる電子モジュール。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれかに記載の電子モジュールにおいて、
前記配線基板の幅方向の中央部に前記集積回路チップが搭載され、
前記1つ又は複数の増幅回路のうち一対の増幅回路が、前記配線基板の幅方向の両端側に形成されてなる電子モジュール。
【請求項5】
請求項4記載の電子モジュールにおいて、
前記配線基板は、前記集積回路チップから前記電子基板に向けて延びる信号配線と、前記一対の増幅回路から前記電子基板に向けて延びる電源配線と、を有し、
前記電源配線は、前記信号配線よりも幅が広くなるように形成されてなる電子モジュール。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれかに記載の電子モジュールにおいて、
前記1つ又は複数の増幅回路のうち1つの増幅回路は、前記集積回路チップに形成された第1の回路と、前記集積回路チップとは別に設けられた第2の回路と、によって構成されてなる電子モジュール。
【請求項7】
請求項6記載の電子モジュールにおいて、
前記第2の回路は、キャパシタを含む電子モジュール。
【請求項8】
請求項6記載の電子モジュールにおいて、
前記第2の回路は、インダクタを含む電子モジュール。
【請求項9】
請求項1から請求項8のいずれかに記載の電子モジュールを有する電子機器。
【請求項10】
集積回路チップが搭載されてなる配線基板に形成された入力端子に外部電源を入力すること、
前記外部電源を、前記配線基板に形成された1つ又は複数の増幅回路によって増幅して、異なる複数の増幅電源を生成すること、及び、
前記異なる複数の増幅電源によって、前記配線基板に電気的に接続された電子基板を駆動すること、
を含む電子モジュールの駆動方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2006−23763(P2006−23763A)
【公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−234430(P2005−234430)
【出願日】平成17年8月12日(2005.8.12)
【分割の表示】特願2003−275430(P2003−275430)の分割
【原出願日】平成15年7月16日(2003.7.16)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年8月12日(2005.8.12)
【分割の表示】特願2003−275430(P2003−275430)の分割
【原出願日】平成15年7月16日(2003.7.16)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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