電子機器、コンテンツ記録方法及びそのプログラム
【課題】再生不可能なコンテンツを他の機器からコピーまたは移動してしまうことを確実に防ぐことが可能な電子機器、コンテンツ記録方法及びそのプログラムを提供すること。
【解決手段】DVR1は、DVR2に記録されているコンテンツについて、ユーザからDVR1の光ディスク20への移動要求があると、DVR2に対して、当該コンテンツを判定用コンテンツとして送信するよう送信要求信号を送信し、それに応じたDVR2から判定用コンテンツを受信し、当該判定用コンテンツを受信してデコード処理を試みることで、コンテンツの再生可否を判定し、再生可能である場合には当該コンテンツを再度DVR2から受信し、光ディスク20へ当該コンテンツを記録する。再生不可能である場合には、その旨をユーザへ通知する。
【解決手段】DVR1は、DVR2に記録されているコンテンツについて、ユーザからDVR1の光ディスク20への移動要求があると、DVR2に対して、当該コンテンツを判定用コンテンツとして送信するよう送信要求信号を送信し、それに応じたDVR2から判定用コンテンツを受信し、当該判定用コンテンツを受信してデコード処理を試みることで、コンテンツの再生可否を判定し、再生可能である場合には当該コンテンツを再度DVR2から受信し、光ディスク20へ当該コンテンツを記録する。再生不可能である場合には、その旨をユーザへ通知する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像等のコンテンツを記録することが可能な電子機器、コンテンツ記録方法及びそのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、例えば複数のビデオレコーダやテレビジョン等の電子機器をホームネットワーク(家庭内LAN((Local Area Network)))等のネットワークを介して相互に接続し、各電子機器間で映像等のコンテンツをやり取りすることで、例えば家庭内の複数の場所でコンテンツを再生可能なネットワークシステムが提案されている。
【0003】
このようなシステムにおいて、ネットワークを介してある機器からコンテンツを他の機器のHDD(Hard Disk Drive)のような記憶装置やDVD(Digital Versatile Disk)やBD(Blu-ray Disc)等の光ディスクのようなメディアへコピーまたは移動(いわゆるムーブ)する場合、コピーまたは移動した後に再生不能であることが判明することがある。この場合、無駄なコピー処理を行うこととなり、また例えばDVD−Rのように、1度のみ書き込み可能なメディアに書き込みを行う場合には、当該メディアを無駄にしてしまうおそれもある。更には、著作権管理されたコンテンツについては、移動元のコンテンツが消去されることでコンテンツ自体を消失してしまうおそれもある。
【0004】
ネットワークを介してコンテンツのコピーまたは再生を行う際の処理に関連して、下記特許文献1には、コンテンツをコピーまたは再生するに際して、当該コピーまたは再生に不適切なアプリケーションの種別やバージョンを記した不許可リストと、当該コンテンツのコピーまたは再生に適したアプリケーションの種別やバーションを記した起動ファイルとを外部から取得して、起動ファイルに基づいて、自身にインストールされているアプリケーションを特定し、当該特定されたアプリケーションと不許可リストとを照合することで、当該不許可リストに記載されたアプリケーションによる実行を防ぐことが可能な情報処理装置が記載されている。
【特許文献1】特開2005−338959号公報(段落[0008]、図8等)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術においては、コンテンツのコピーまたは再生を行なうアプリケーションの実行の可否を判断するために、上記不許可リスト及び起動ファイルを例えばインターネットを介して外部のWebサーバから取得する必要がある。したがって、例えばコンテンツ提供側の機器とコンテンツ利用側の機器のみがネットワークに接続されている環境下(専用線で接続されている場合)等では、上記不許可リスト及び起動ファイルを取得できないため、上記可否の判断を行うことができない。
【0006】
また、上記特許文献1の技術においては、アプリケーションの種別やバージョン等の情報を基準としてコンテンツのコピーまたは再生の許可/不許可を判断しているため、コンテンツのコピーを行うに際してアプリケーションの実行を許可したとしても、実際に再生してみると再生不能であることが判明する場合もある。例えば、上記特許文献1におけるコンテンツのように、コンテンツ配信サービスにおいて提供され、所定のアプリケーションを利用すれば再生が保障されるようなコンテンツではなく、他の機器のユーザが独自に記録、編集または作成したコンテンツ等は、上記配信サーバから配信されるコンテンツ等と拡張子が同一であっても、別のフォーマットで作成されたコンテンツであったり、複数のフォーマットのコンテンツが合成されたコンテンツであったりする場合もある。そのようなコンテンツのコピーを許可してしまうと、依然としてメディアを無駄にしたりコンテンツを消失したりしてしまう危険性がある。
【0007】
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、再生不可能なコンテンツを他の機器からコピーまたは移動してしまうことを確実に防ぐことが可能な電子機器、コンテンツ記録方法及びそのプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の課題を解決するため、本発明の主たる観点に係る電子機器は、ネットワークを介して他の電子機器と通信可能な電子機器であって、前記他の電子機器の第1の記録媒体に記録されているコンテンツを前記他の電子機器から受信する受信手段と、前記受信されたコンテンツをデコードして前記コンテンツが再生可能であるか否かを判断する判断手段と、前記コンテンツが再生可能であると判断された場合に前記コンテンツを第2の記録媒体へ記録する記録手段とを具備する。
【0009】
ここで電子機器とは、例えばHDD(Hard Disk Drive)レコーダ、DVD(Digital Versatile Disk)レコーダ、BD(Blu-ray Disc)レコーダ及びそれらの複合レコーダ等の記録再生装置、PC(Personal Computer)(デスクトップ型でもノート型でもよい)、携帯型オーディオ/ビデオプレーヤ、テレビジョン(携帯型テレビジョンを含む)、携帯型電話機、PDA(Personal Digital Assistants)、ゲーム機器、その他の電化製品である。またコンテンツとは、テレビ番組等の映像データ、音楽等の音声データ、いわゆる電子書籍等のテキストデータ等である。また第1の記録媒体は、例えばハードディスクやフラッシュメモリ等であり、第2の記録媒体は、例えばハードディスクや、DVD(DVD−Video、DVD−RAM、DVD−R、DVD−RW、DVD+R、DVD+RW等)、BD(Blu-ray Disc)等の光ディスク、その他磁気光ディスクや、半導体メモリ等である。また記録手段は、例えばHDDや、DVDドライブ、BDドライブ等のドライブや、フラッシュメモリを含む回路等である。
【0010】
この構成により、再生可能か否かを確認した上でコンテンツを他の電子機器の第1の記録媒体から第2の記録媒体へコピーまたは移動(いわゆるムーブ)することとしているため、第2の記録媒体に記録したコンテンツが再生不能となり、第2の記録媒体を無駄にしてしまったり、コンテンツ自体を消失してしまったりすることを防ぐことができる。
【0011】
上記電子機器は、前記判断手段により再生可能であると判断されたコンテンツの再送信を要求する送信要求信号を前記他の電子機器へ送信する手段を更に具備し、前記受信手段は、前記送信要求信号に基づいて前記他の電子機器から再送信された前記コンテンツを受信し、前記記録手段は、前記再送信され受信されたコンテンツを記録していてもよい。
【0012】
これにより、コンテンツが再生不可能であると判断された場合に初めてコンテンツが第2の記録媒体へ記録されるため、例えば判断にあたって上記第2の記録媒体とは異なる、メモリ等の記憶領域へコンテンツを一時的に記憶する場合に比べて、記憶領域の使用領域を極力削減することができる。
【0013】
上記電子機器は、前記受信されたコンテンツを一時的に記憶するバッファメモリを更に具備し、前記記録手段は、前記判断手段により前記コンテンツが再生可能であると判断された場合に前記コンテンツを前記バッファメモリから前記第2の記録媒体へ転送する手段を有していても構わない。
【0014】
これにより、コンテンツを、再生の可否の判断用と第2の記録媒体への記録用に2度受信する場合に比べて処理負担を軽減することができる。
【0015】
上記電子機器は、前記第2の記録媒体へ記録されたコンテンツを第1の速度でデコードして再生する再生手段を更に具備し、前記判断手段は、前記コンテンツを前記再生手段によるデコード速度よりも早い第2の速度でデコードするようにしてもよい。
【0016】
これにより、再生手段におけるデコード速度と同じ速度でデコードして再生の可否を判断する場合に比べて判断処理を迅速に行うことができる。
【0017】
上記電子機器は、前記判断結果を基に、前記コンテンツの再生の可否を記した再生可否リストを生成して記憶する記憶手段を更に具備していてもよい。
【0018】
ここで記憶手段とは、例えば上記フラッシュメモリやHDDといった、当該電子機器に内蔵される記憶装置を指す。これにより、上記再生可否リストを生成しておき、当該再生可否リストを参照することで、確実に再生可能なコンテンツを即座に記録可能となるとともに、再生不可能なコンテンツを無駄に記録してしまうことを防ぎ、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0019】
上記電子機器において、前記受信手段は、前記他の電子機器の前記第1の記録媒体に記録されているコンテンツの属性情報を受信し、前記記憶手段は、前記ユーザの、前記コンテンツに対する嗜好度情報を記憶し、前記判断手段は、前記取得された属性情報及び前記記憶された嗜好度情報を基に、前記第1の記録媒体に記録されたコンテンツのうち前記嗜好度の高いコンテンツの再生の可否を優先的に判断するようにしても構わない。
【0020】
ここで属性情報とは、例えばコンテンツのタイトル、出演者、ジャンル等のメタデータであり、例えば上記受信されるコンテンツから抽出する場合、受信した放送データから抽出する場合、インターネット等のネットワークを介して受信する場合等がある。また嗜好度が高いコンテンツとは、例えば当該電子機器において以前に記録されたコンテンツと同一タイトルのコンテンツや、同一ジャンルのコンテンツ等、当該電子機器において以前に記録され最後まで再生したことのあるコンテンツと同一の属性情報を有するコンテンツ等である。
【0021】
これにより、ユーザが嗜好する可能性の高いコンテンツの再生可否を優先的に判断しているため、ユーザが記録を所望したコンテンツについて再生可否を即座に報知し、記録処理をスムーズに行わせることができる。
【0022】
上記電子機器は、前記再生可否リストを表示するよう制御する手段と、前記表示された再生可否リストを基に、当該再生可能リスト中に記載された前記コンテンツの記録を要求するユーザ操作を入力する手段とを更に具備していてもよい。
【0023】
ここで、「表示するよう制御する」とは、当該電子機器がディプレイ等の表示手段を有する場合のみならず、当該電子機器に接続されたテレビジョンやディスプレイ装置へ表示するためのデータを出力する場合も含む概念である。これにより、再生可能リストを基にユーザからコンテンツの移動要求を受け付けて記録媒体へ記録するため、ユーザはネットワーク上のコンテンツのうち再生可能なコンテンツのみを、再生可否の判断等を意識することなく容易に記録させることができる。
【0024】
上記電子機器は、前記判断手段により前記コンテンツが再生不可能であると判断された場合に、前記コンテンツを再生可能な記録形式に変換するよう要求する変換要求情報を前記他の電子機器へ送信する手段を更に具備し、前記受信手段は、前記変換されたコンテンツを前記他の電子機器から受信するようにしても構わない。
【0025】
これにより、コンテンツが再生不可能な記録形式で記録されていても、他の機器に再生可能な記録形式に変換させて受信することで、再生させることが可能となる。ここで記録形式とは、例えばMPEG-1(Moving Picture Experts Group phase 1)、MPEG-2、MPEG-4、MPEG-4 AVC等の映像形式(圧縮形式)や、リニアPCM(Linear Pulse Code Modulation)、ドルビーデジタル(AC-3)、DTS、ATRAC(Adaptive TRansform Acoustic Coding)、MPEG-1 Audio、MPEG-2 Audio(MPEG-2 Audio AAC(Advanced Audio Coding))等の音声形式(圧縮形式)、またはMPEG-2 PS(Program Stream)、MPEG-2 TS(Transport Stream)等の多重化形式等のフォーマットをいう。
【0026】
上記電子機器は、当該電子機器の機種に関する第1の機種情報を記憶する手段を更に具備し、前記受信手段は、前記他の機器の機種に関する第2の機種情報を前記他の電子機器から受信し、前記判断手段は、前記記憶された第1の機種情報と前記受信された第2の機種情報とが一致する場合に前記コンテンツをデコードすることなく、当該コンテンツを再生可能と判断するようにしてもよい。
【0027】
ここで機種情報とは、例えば機種名や機種ID、製品番号等である。これにより、当該電子機器と他の電子機器が同種の機器であった場合には、デコード処理を省略することで、再生可能なコンテンツを第2の記録媒体へ迅速に記録させることができる。
【0028】
本発明の他の観点に係るコンテンツ記録方法は、ネットワークを介して他の電子機器と通信可能な電子機器がコンテンツを記録する方法であって、前記他の電子機器の第1の記録媒体に記録されているコンテンツを前記他の電子機器から受信するステップと、前記受信されたコンテンツをデコードして前記コンテンツが再生可能であるか否かを判断するステップと、前記コンテンツが再生可能であると判断された場合に前記コンテンツを第2の記録媒体へ記録するステップとを具備する。
【0029】
本発明の更に別の観点に係るプログラムは、ネットワークを介して他の電子機器と通信可能なコンピュータに、前記他の電子機器の第1の記録媒体に記録されているコンテンツを前記他の電子機器から受信するステップと、前記受信されたコンテンツをデコードして前記コンテンツが再生可能であるか否かを判断するステップと、前記コンテンツが再生可能であると判断された場合に前記コンテンツを第2の記録媒体へ記録するステップとを実行させるためのものである。
【発明の効果】
【0030】
以上のように、本発明によれば、再生不可能なコンテンツを他の機器からコピーまたは移動してしまうことを確実に防ぐことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
【0032】
(第の1実施形態)
まず、本発明の第1の実施形態について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るデジタルビデオレコーダが接続されるシステムの概略的な構成を示した図である。
【0033】
同図に示すように、本システムは、デジタルビデオレコーダ1(以下、DVR1と称する)及びデジタルビデオレコーダ2(以下、DVR2と称する)で構成される。DVR1、DVR2は、例えばEthernet(登録商標)や無線LAN(Local Area Network)等のネットワーク4(いわゆる家庭内LAN)に接続され、相互に通信が可能となっている。特に本実施形態においては、当該ネットワーク4を介して、例えばDLNA(Digital Living Network Alliance guideline)の仕様に基づいて、各機器間で相互にコンテンツのやり取り(コピーまたは移動(ムーブ))が可能となっている。またDVR1及びDVR2はそれぞれデジタルテレビジョン3(以下、デジタルTV3と称する)に専用線を介して接続されている。デジタルTV3はディスプレイ及びスピーカ(図示せず)を有し、各DVRから送信される映像信号及び音声信号を出力可能となっている。
【0034】
図2は、上記DVR1の構成を示したブロック図である。同図に示すように、DVR1は、CPU(Central Processing Unit)11、RAM(Random Access Memory)12、
ROM(Read Only Memory)13、操作入力部14、デジタルチューナ15、IEEE1394インターフェース(I/F)16、Ethernet(登録商標)/無線LANインターフェース17、USB(Universal Serial Bus)インターフェース18、フラッシュメモリインターフェース19、光ディスクドライブ21、バッファコントローラ22、Mux/Demux(マルチプレクサ/デマルチプレクサ)23、CODEC(COmpresser DECompressor)24、OSD(On-Screen Display)25、D/A(Digital/Analog)コンバータ26・27、セレクタ28及びフラッシュメモリ29を有している。
【0035】
CPU11は、必要に応じてRAM12等に適宜アクセスし、DVR1の各ブロック全体を統括的に制御する。RAM12は、CPU11の作業用領域等として用いられ、OSやプログラム、処理データ等を一時的に保持するメモリである。またRAM12は、ネットワーク4を介して受信されたストリーミング再生用のデータのバッファリング領域としても使用される。ROM13は、CPU11に実行させるOS、プログラムや各種パラメータなどのファームウェアが固定的に記憶されている不揮発性のメモリである。
【0036】
フラッシュメモリ29は、例えば上記OSや、光ディスク20へ記録されるコンテンツに関するデータ等を記憶する不揮発性のメモリである。
【0037】
操作入力部14は、ボタン、スイッチ、キー、操作確認用の表示器や、リモートコントローラ(図示せず)から送信される赤外線信号の受光部等で構成され、ユーザの操作による各種設定値や指令を入力してCPU11へ出力する。
【0038】
デジタルチューナ15は、CPU11の制御に従って、図示しないアンテナを介してデジタル放送の特定のチャンネルを選局して放送データを受信し、当該放送データを復調して、セレクタ30を介してMux/Demux23に出力して再生させたり、バッファコントローラ22を介して光ディスク20へ記録させたりする。当該放送データは、例えばMPEG-2 TS方式で圧縮されたMPEGストリーム等であるが、このフォーマットに限られるものではない。
【0039】
IEEE1394インターフェース16は、例えばデジタルビデオカメラ等の外部機器に接続可能である。例えばデジタルビデオカメラによって撮影され記録された動画像データ等のコンテンツデータは、上記デジタルチューナ15によって受信された動画像データと同様に再生させたり、光ディスク20に記録させたりすることが可能である。
【0040】
Ethernet(登録商標)/無線LANインターフェース17は、上記DVR2に記録された動画像データ等のコンテンツデータやその他のデータを、Ethernet(登録商標)または無線LAN等の上記ネットワーク4を介して入力する。そして当該コンテンツデータも、再生したり、光ディスク20に記録させたりすることが可能である。
【0041】
USBインターフェース18は、USBを介して例えばUSBメモリ等の外部記憶装置やデジタルカメラ等の機器からコンテンツデータやその他のデータを入力する。これらデータも再生及び光ディスク20への記録が可能である。
【0042】
フラッシュメモリインターフェース19は、例えばフラッシュメモリを内蔵したメモリーカード(例えばメモリーカード)と接続して、当該フラッシュメモリに記録されたコンテンツデータやその他のデータを入力する。当該データも、再生及び光ディスク20への記録が可能である。
【0043】
セレクタ28は、上記各インターフェースや光ディスク20のいずれかから入力されるデータをCPU11からの制御信号に基づき選択する。
【0044】
光ディスクドライブ21は、光ディスク20を装着可能であり、当該光ディスク20に対する信号の記録及び再生が可能である。光ディスクドライブ21は例えば、上記動画像データ等のデータを読み出し、バッファコントローラ22へ入力する。光ディスク20は、例えばDVD(DVD−Video、DVD−RAM、DVD−R、DVD−RW、DVD+R、DVD+RW等)やBD、CD等である。
【0045】
バッファコントローラ22は、光ディスクドライブ21から連続的に入力されるデータの読み出しのタイミングやデータ量を制御し、光ディスクドライブ21から断続的に読み出されるMPEGストリーム等のデータを、Mux/Demux23へ連続的に出力する。
【0046】
またバッファコントローラ22は、光ディスク20へ読み書きされるデータのみならず、例えば上記Ethernet(登録商標)/無線LANインターフェース17からストリーミング再生用に入力されたストリームデータをバッファリングし、当該ストリームデータをMux/Demux23へ供給するタイミングの制御を行う。
【0047】
Mux/Demux23は、上記バッファコントローラ22から入力された、多重化されたMPEGストリームをMPEGオーディオストリームとMPEGビデオストリームとに分離して、CODEC24へ出力したり、CODEC24から入力されたMPEGオーディオストリーム及びMPEGビデオストリームを多重化し、セレクタ28を介してバッファコントローラ22へ出力したりする。
【0048】
CODEC24は、Mux/Demux23で分離されたMPEGオーディオストリーム及びMPEGビデオストリームにそれぞれデコード(伸張)処理を施して、デジタルオーディオ信号及びデジタルビデオ信号に変換し、デジタルオーディオ信号をD/Aコンバータ27へ、またデジタルビデオ信号をOSD25へ出力する。またCODEC24は、バッファコントローラ22から入力されるデジタルオーディオ信号及びデジタルビデオ信号に対して、所定のフォーマットによりエンコード(圧縮)処理を施し、Mux/Demux23へ出力する。なお、CODEC24は、バッファコントローラ22から入力されるデジタルオーディオ信号及びデジタルビデオ信号をそのままD/Aコンバータ27及びOSD25へ出力したりすることも可能である。
【0049】
D/Aコンバータ27は、上記CODEC24から入力されたデジタルオーディオ信号をアナログオーディオ信号に変換して、例えば専用線を介してデジタルTV3のスピーカに出力して再生させる。
【0050】
OSD25は、デジタルTV3のディスプレイに表示するためのグラフィックス等を生成して、上記デジタルビデオ信号との合成処理や切り替え処理を施し、処理後の映像データをD/Aコンバータ26に出力する。
【0051】
D/Aコンバータ26は、OSD25でグラフィック処理を施されたデジタルビデオ信号をアナログビデオ信号(NTSC(National Television Standards Committee)信号)に変換し、例えば専用線を介してデジタルTV3のディスプレイに出力して表示させる。
【0052】
また、上記デジタル放送の放送データには、オーディオストリーム及びビデオストリームの他に、データ放送信号やEPG(Electronic Program Guide)データ等を伝送するためのPSI/SI(Program Specific Information / Service Information)信号等が含まれている。上記RAM12またはフラッシュメモリ29には、当該PSI/SI信号等から抽出されたEPGデータも記憶される。
【0053】
図3は、上記DVR2の構成を示したブロック図である。DVR2は、上記DVR1における光ディスクドライブ21及びフラッシュメモリ29に代えて、HDD41を有している。HDD41は、デジタルチューナ35やその他各種インターフェースから入力された動画像データ等のコンテンツデータ、各種プログラムやその他のデータ等を内蔵のハードディスクに記録し、また再生時等にそれらを当該ハードディスクから読み出す。またHDD41には、上記EPGデータも記憶される。その他の構成は、上記図2に示したDVR1の構成と同様であるため、説明を省略する。
【0054】
次に、以上のように構成されたDVR1及びDVR2の動作について説明する。上述したように、本実施形態において、DVR1とDVR2は、ネットワーク4を介して相互にコンテンツを移動(ムーブ)することが可能となっている。以下、DVR2のHDD41からDVR1の光ディスク20へコンテンツを移動する場合の動作について説明する。図4は、この場合の処理の流れを示したシーケンス図であり、図5は、この場合のDVR1の動作の流れを示したフローチャートである。
【0055】
両図に示すように、まず、DVR1のCPU11は、DVR1のユーザから、DVR2のHDD41に記録されたコンテンツをDVR1の光ディスクへ移動する処理を要求する操作を、操作入力部14を介して入力する(図4のステップ51、図5のステップ61)。なお、当該操作入力は、例えばDVR1がDVR2のHDD41に記録されたコンテンツのリストを、ネットワーク4を介して取得してデジタルTV3のディスプレイに表示させ、当該リストを基にユーザが所望のコンテンツを選択することで行われる。
【0056】
続いて、DVR1のCPU11は、Ethernet(登録商標)/無線LANI/F17を介して、当該操作入力の対象となっているコンテンツを、再生可能か否かの判定用に送信するよう要求する送信要求信号をDVR2へ送信する(図4のステップ52、図5のステップ62)。
【0057】
続いて、DVR2のCPU31は、上記送信要求信号に応答して、Ethernet(登録商標)/無線LANI/F37によりネットワーク4を介してDVR1へ判定用コンテンツを送信し(図4のステップ53)、DVR1は当該判定用コンテンツをEthernet(登録商標)/無線LANI/F17により受信する(図5のステップ63)。なお、当該判定用コンテンツの送受信は例えばストリーミングにより行われる。ストリーミングとすることで、判定用コンテンツを一時的に記憶するためのバッファ等を不要としている。
【0058】
そして、DVR1のCPU11は、受信した判定用コンテンツに対して、CODEC24によりデコード処理を試み、当該判定用コンテンツがDVR1において再生可能であるか否かを判定する(図4のステップ54、図5のステップ64)。
【0059】
具体的には、CPU11は、当該判定用コンテンツが、CODEC24に対応した所定のフォーマットによりエンコードされたコンテンツであるか否かを判定する。ここで所定のフォーマットとは、例えばMPEG-1、MPEG-2、MPEG-4、MPEG-4 AVC等の映像圧縮形式や、リニアPCM、ドルビーデジタル(AC-3)、DTS、ATRAC、MPEG-1 Audio、MPEG-2 Audio等の音声圧縮形式、またはMPEG-2 PS、MPEG-2 TS等の多重化形式等であるが、これらに限られるものでなない。CODEC24が対応していないフォーマットのコンテンツは、デコード処理を行うことができないため、再生不可能と判定される。
【0060】
また、コンテンツによっては、DVR2のユーザが、例えば放送番組を録画したコンテンツと、デジタルビデオカメラ等で撮影したコンテンツとを合成したり、インターネットを介してダウンロードしたコンテンツとを合成したりした場合等、ユーザが独自に編集、生成等することによって、一のコンテンツに複数のフォーマットが混在しているような場合もある。CODEC24は、このようにフォーマットが混在するコンテンツについては、途中までデコードできてもある時点からデコードできず、また逆に途中からデコードできたりするため、このようなコンテンツも再生不可能なコンテンツであると判定する。
【0061】
当該判定により判定用コンテンツが再生可能であると判断された場合(ステップ64のYes)、すなわち、CODEC24が当該判定用コンテンツのデコード処理に対応していると判定された場合、CPU11は、当該判定されたコンテンツの、DVR2のHDD41からDVR1の光ディスク20への移動を要求する移動要求信号をDVR2へ送信する(図4のステップ55、図5のステップ66)。
【0062】
DVR2のCPU31は、当該移動要求信号に応答して、コンテンツをHDD41からDVR1の光ディスク20へ移動するために送信し(図4のステップ56)、DVR1のCPU11は、Ethernet(登録商標)/無線LANI/F17により当該コンテンツを受信し(図5のステップ67)、セレクタ28及びバッファコントローラ22を介して、当該コンテンツを光ディスクドライブ21により光ディスク20へ書き込む(図5のステップ68)。このとき、移動されたコンテンツはDVR2のHDD41から削除される。
【0063】
上記判定において、判定用コンテンツが再生不可能であると判定された場合(ステップ65のNo)、すなわち、CODEC24が上記判定用コンテンツのデコード処理に対応していないと判定された場合には、CPU11は、コンテンツの移動処理を取り消し(図5のステップ69)、当該コンテンツが移動できない旨をデジタルTV3のディスプレイに表示させる(図5のステップ70)。
【0064】
以上の動作により、コンテンツの再生の可否を判定した上で当該コンテンツを光ディスク20へ書き込むため、再生不可能な無駄な光ディスク20を作成してしまったり、移動によりコンテンツがDVR2のHDD41から消去されてしまうことによりコンテンツを消失してしまったりすることを防ぐことができ、ユーザの不便を回避することができる。
【0065】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。なお、本実施形態においては、上記DVR1、DVR2の他、例えばDVR2と同様の構成を有する複数のDVRがネットワーク4を介して相互に通信可能となっているものとする。また本実施形態において、DVR1及びDVR2の基本的な構成については上記第1の実施形態の場合と同様であるため、説明を省略する。
【0066】
本実施形態においては、上記第1の実施形態におけるコンテンツの記録動作がよりスムーズに行われるように、ユーザによるコンテンツの移動要求がない間に、DVR1以外のネットワーク4上に存在するDVRに記録されているコンテンツのDVR1における再生の可否を事前に判定することとしている。
【0067】
図6は、本実施形態におけるDVR1の動作の流れを示したフローチャートである。同図に示すように、まずDVR1のCPU11は、ネットワーク4上にDVR1の他に存在するDVRを検索し(ステップ71)、各DVRのHDDに記録されているコンテンツを検索し、当該コンテンツのリストを作成する(ステップ72)。
【0068】
続いて、DVR1のCPU11は、上記コンテンツリストに記載されているコンテンツを、メタデータを基に優先順位付けする(ステップ73)。ここでメタデータとは、コンテンツのタイトル、出演者、ジャンル、放送開始時刻、放送終了時刻等の情報である。当該メタデータは、例えば上記ネットワーク上のコンテンツを検索する際に、タイトルとともに他のDVRから取得されるようにしてもよいし、各DVRのタイトルを取得した際に、フラッシュメモリ29に記憶されているEPGデータ中から当該タイトルを基に検索して抽出するようにしてもよいし、またインターネット等を介して新たにEPGデータを取得して、当該EPGデータ中から上記タイトルを基に検索して抽出するようにしてもよい。
【0069】
また優先順位とは、コンテンツに対するユーザの嗜好度が高い順番である。CPU11は、当該DVR1において過去に録画したり再生したりしたコンテンツの履歴情報を、例えばフラッシュメモリ29に保存しておき、当該履歴情報中の、タイトルや出演者、ジャンル等の情報を基に、ユーザの嗜好を学習して嗜好度情報として保存しておく。当該嗜好度情報においては、コンテンツの種類がそのタイトルや出演者、ジャンル等によって優先順位付けされている。例えば、DVR1において録画を行ったことがあるコンテンツと同じタイトルを有するコンテンツは嗜好度が最優位コンテンツとされ、録画して最後まで再生したコンテンツと同じタイトルまたは出演者等のキーワード情報を含むコンテンツが2番目に優位なコンテンツとされ、録画及び再生したコンテンツと同じジャンルのコンテンツが3番目に優位なコンテンツとされ、その他のコンテンツが4番目に優位なコンテンツとされる。しかし、この優先付け方法に限られるものではなく、例えば出演者やジャンルの類似度によって優先順位付けを行ってもよいし、特定の時間帯に対する放送開始/終了時刻の近似度によって優先順位付けを行ってもよい。またユーザが操作入力部14を介して嗜好度情報を直接入力するようにしても構わない。
【0070】
図7は、上記ステップ72において作成され、ステップ73において優先順位付けされたコンテンツリストの例を示した図である。同図に示すように、当該コンテンツリストには、ネットワーク上に存在する各DVRに記録されているコンテンツのタイトル、各DVRのDVR名、それらのDVRの、ネットワーク4上におけるURL(IPアドレス)、及びそれらの機種名がそれぞれ記載されている。DVR名とは、例えばDVR2がリビング用ならリビング用DVR、DVR1及びDVR2とは異なる他のDVRが家庭内の2階用なら2F用DVR、当該他のDVRとは異なるもう一つのDVRが父用のDVRなら父用DVRといったように、ユーザが覚えやすいように付けた名前等であるが、こういった名付け方法に限られるものではない。また、URLは、DVR1がEthernet(登録商標)/無線LANI/F17によりコンテンツの移動要求信号及びコンテンツを送受信する際に参照される情報である。また、機種名とは例えば「DVR−xyz」、「DVR−abc−1」といった型番等の情報である。当該コンテンツリストは、DVR1の例えばフラッシュメモリ29内に記憶されている。また、DVR1は、他のDVRの機種名のみならず、自身の機種名も例えばフラッシュメモリ29内またはROM13内に記憶している。
【0071】
続いて、CPU11は、上記作成されたコンテンツリスト中の他のDVRの機種名と、自身の機種名とを比較して、上記コンテンツリスト中に、DVR1と同機種のDVRに記録されたコンテンツが存在するか否かを確認する(ステップ74)。ステップ74において、同機種のDVRに記録されたコンテンツが存在すると判断された場合(Yes)には、当該コンテンツを、コンテンツの再生可否を記した再生可否リスト(後述)に、再生可能なコンテンツとして追加する(ステップ79)。これは、同種の機種であれば同様のCODECを有しているため、当該コンテンツを再生可能である可能性が極めて高いからである。なお、機種名の代わりに、機種IDや製造番号等を比較することで機種の同一性を判定するようにしても構わない。
【0072】
また、ステップ74において、同機種のDVRに記録されたコンテンツが存在しない場合(No)には、上記優先順位付けされたコンテンツリスト中、優先順位が最も高く、かつコンテンツの再生可否を未だ判定していないコンテンツを送信するよう、送信要求信号をDVR2へ送信する(ステップ75)。
【0073】
続いて、CPU11は、ネットワーク4を介してEthernet(登録商標)/無線LANI/F17により上記最優先のコンテンツを受信し(ステップ76)、上記第1の実施形態と同様に、当該コンテンツに対してデコード処理を試みることで、当該コンテンツの再生可否を判定する(ステップ77)。当該ステップ77においてコンテンツが再生可能と判定された場合(Yes)、CPU11は、当該コンテンツを再生可能なコンテンツとして上記再生可否リストへ追加し(ステップ79)、再生不可能と判断された場合(No)には、当該コンテンツを再生不可能なコンテンツとして再生可否リストへ追加して終了する(ステップ80)。
【0074】
図8は、当該再生可否リストを示した図である。同図に示すように、再生可否リストには、コンテンツのタイトルの他、当該コンテンツが記録されているDVRのDVR名、そのDVRのURL、当該コンテンツに対して判定を既に行っているか否か(確認/未確認)及び当該判定の結果、コンテンツが再生可能か否か(OK/NG)といった情報がコンテンツ毎に記載され、また上記優先順位に基づいて順位付けされている。当該再生可否リストも、例えば上記フラッシュメモリ29内に記憶される。
【0075】
上記動作の後は、CPU11は、ユーザがDVR1以外のDVRに記録されているコンテンツに対する移動要求を行う度に、上記再生可否リストを参照して、記録対象のコンテンツが再生可能であればコンテンツを光ディスク20へ移動させ、また記録対象のコンテンツが再生不可能であればその旨の表示をさせる。
【0076】
なお、ユーザが光ディスク20への記録を要求する際に、上記再生可否リストをユーザに参照させて、当該再生可否リストから再生可能なコンテンツを選択させるようにしてもよい。これにより、ユーザは再生可能なコンテンツのみに対して移動要求を行なうため、CPU11が再生不可能である旨の表示を行う処理を省略させることができ、ユーザにとっても無駄な作業を省くことができる。
【0077】
以上の動作により、ユーザによる移動要求がない間にネットワーク4上のコンテンツの再生可否が判定され、判定結果が上記再生可否リストに記載されるため、ユーザの移動要求があってから再生可否を判定する場合に比べて記録処理をよりスムーズに行うことができ、ユーザの利便性を向上させることができる。また、コンテンツに対するユーザの嗜好度情報に基づいて、嗜好度が高いコンテンツから優先的に再生可否を判定するため、ユーザがあるコンテンツに対する移動要求を行った場合に、そのコンテンツが再生可否を既に判定済みである可能性が高いため、ユーザの利便性を更に向上させることができる。更に、ユーザの嗜好度が低い、すなわちユーザが移動要求を行う可能性が低いコンテンツに対する無駄な判定処理を行うことを防いで、CPU11の処理負担を軽減させることもできる。
【0078】
なお、本発明は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0079】
上述の第1及び第2の実施形態において、DVR1は、コンテンツが再生不可能であると判定された場合には、その旨の表示をしたり、当該コンテンツを再生不可能なコンテンツとして再生不可リストへ追加したりしていたが、当該コンテンツを再生可能なフォーマットへ変換するように他のDVRへ依頼するようにしてもよい。
【0080】
例えば、上記第1の実施形態の図5のフローチャートにおいて、ステップ65で判定用コンテンツが再生不可と判定された場合(No)、CPU11は、移動処理の取消(ステップ69)及び移動不可な旨の表示(ステップ70)を行う代わりに、DVR2に対して、当該判定用コンテンツをDVR1において再生可能なフォーマットへ変換するよう要求する変換要求信号を送信し、DVR2からフォーマット変換後のコンテンツを受信し、当該コンテンツを光ディスク20へ記録するようにしてもよい。また上記第2の実施形態における図6のフローチャートにおいても、ステップ80の代わりに同様の処理が行われるようにしてもよい。CPU11は、再生可否の判定の際に、判定対象のコンテンツのフォーマットを、例えば当該コンテンツの最大ビットレートや平均ビットレートや、必要なCODECの種類等を、例えばコンテンツに含まれるプロファイル情報等を解析する等して判定し、当該判定されたフォーマットを、DVR1のCODEC24に対応したフォーマットに変換(再エンコード)するようDVR2へ要求する。
【0081】
これにより、DVR1において再生不可能と判定されたコンテンツも他のDVRにフォーマット変換させることで、DVR1においていかなるコンテンツも記録させることができ、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0082】
また、上述の2つの実施形態においては、DVR2のHDDからDVR1の光ディスク20へコンテンツを移動する例を示したが、このパターンに限られず、例えばDVR1がHDDを有する場合には、DVR2のHDD41からDVR1のHDDへコンテンツを移動する場合に本発明を適用することもできる。またこの場合、DVR1は、DVR2のように、コンテンツの移動元のDVRとしても機能することができる。したがって、DVR1のCPU11は、DVR2等の他のDVRからの要求に従ってコンテンツを自身のHDDから他のDVRへ送信したり、他のDVRにおいて再生不可能なコンテンツを、他のDVRからの要求に従ってフォーマット変換させたりすることも可能である。
【0083】
上述の実施形態においては、再生可否の判断を行う場合には、一度判定用コンテンツをストリーミング受信して、再生可能と判定された場合に再度コンテンツを受信する例を示したが、例えば、DVR1が、RAM12やフラッシュメモリ29等に十分なバッファ領域を有する場合には、当該RAM12やフラッシュメモリ29をバッファメモリとして、DVR2から受信した判定用コンテンツを一時的に保存しておき、再生可能と判断された場合に光ディスクへ転送するようにしてもよい。これにより、コンテンツを2度受信する手間を省き、処理負担を軽減させることができる。
【0084】
上述の実施形態において、CODEC24は、コンテンツの再生可否の判定処理の際には、通常の再生処理の場合に比べて高速にデコード処理するようにしても構わない。これにより、判定処理をより迅速に行うことが可能となる。また、DVR1は、CODEC24とは別に、コンテンツの再生可否の判定処理専用のCODECを更に有していてもよい。
【0085】
上述の実施形態においては、DVR2等の他のDVRに存在するコンテンツの、DVR1における再生の可否を判断して、当該コンテンツをDVR1へ移動する例を示したが、例えば、DVR2のコンテンツをDVR1へストリーミングにより受信して再生するような場合においても、本発明を適用することができる。この場合、DVR1側で当該ストリーミング対象のコンテンツの再生可否を予め判断した上で、再生可能なコンテンツのみをDVR1からストリーミングにより受信するようにすればよい。
【0086】
上述の実施形態においては、ネットワーク4は家庭内LANで構成したが、家庭内のみならず、例えば自宅と屋外、オフィス等をインターネットで接続してコンテンツのやり取りを行っても勿論構わない。
【0087】
上述の実施形態においては、電子機器として複数のDVR及びデジタルTVをネットワークで接続したシステムを例に説明したが、ネットワークに接続される電子機器の種類及び数はこれに限定されるものではない。例えば、各ビデオレコーダに代えて、PC、ゲーム機器、DVDプレーヤ、携帯型電話機、PDA等の様々な電子機器を接続してシステムを構成することができる。
【0088】
また、上述の実施形態においては、コンテンツとして放送番組の映像コンテンツを例に挙げて説明したが、コンテンツはこれに限られるものではなく、音楽等の音声コンテンツや、電子書籍等のテキストコンテンツ等、様々なコンテンツを適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るデジタルビデオレコーダが接続されるシステムの概略的な構成を示した図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係るDVR1の構成を示したブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係るDVR2の構成を示したブロック図である。
【図4】本発明の第1の実施形態において、DVR2のHDD41からDVR1の光ディスク20へコンテンツを移動する際の処理の流れを示したシーケンス図である。
【図5】本発明の第1の実施形態において、DVR2のHDD41からDVR1の光ディスク20へコンテンツを移動する際のDVR1の動作の流れを示したフローチャートである。
【図6】本発明の第2の実施形態におけるDVR1の動作の流れを示したフローチャートである。
【図7】本発明の第2の実施形態において各DVRに記録されているコンテンツのリストの例を示した図である。
【図8】本発明の第2の実施形態における再生可否リストを示した図である。
【符号の説明】
【0090】
1、2…デジタルビデオレコーダ(DVR)
3…デジタルテレビジョン(デジタルTV)
4…ネットワーク
11…CPU
12…RAM
14…操作入力部
15…デジタルチューナ
17…Ethernet(登録商標)/無線LANインターフェース
20…光ディスク
21…光ディスクドライブ
22…バッファコントローラ
23…Mux/Demux
24…CODEC
29…フラッシュメモリ
31…CPU
41…HDD
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像等のコンテンツを記録することが可能な電子機器、コンテンツ記録方法及びそのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、例えば複数のビデオレコーダやテレビジョン等の電子機器をホームネットワーク(家庭内LAN((Local Area Network)))等のネットワークを介して相互に接続し、各電子機器間で映像等のコンテンツをやり取りすることで、例えば家庭内の複数の場所でコンテンツを再生可能なネットワークシステムが提案されている。
【0003】
このようなシステムにおいて、ネットワークを介してある機器からコンテンツを他の機器のHDD(Hard Disk Drive)のような記憶装置やDVD(Digital Versatile Disk)やBD(Blu-ray Disc)等の光ディスクのようなメディアへコピーまたは移動(いわゆるムーブ)する場合、コピーまたは移動した後に再生不能であることが判明することがある。この場合、無駄なコピー処理を行うこととなり、また例えばDVD−Rのように、1度のみ書き込み可能なメディアに書き込みを行う場合には、当該メディアを無駄にしてしまうおそれもある。更には、著作権管理されたコンテンツについては、移動元のコンテンツが消去されることでコンテンツ自体を消失してしまうおそれもある。
【0004】
ネットワークを介してコンテンツのコピーまたは再生を行う際の処理に関連して、下記特許文献1には、コンテンツをコピーまたは再生するに際して、当該コピーまたは再生に不適切なアプリケーションの種別やバージョンを記した不許可リストと、当該コンテンツのコピーまたは再生に適したアプリケーションの種別やバーションを記した起動ファイルとを外部から取得して、起動ファイルに基づいて、自身にインストールされているアプリケーションを特定し、当該特定されたアプリケーションと不許可リストとを照合することで、当該不許可リストに記載されたアプリケーションによる実行を防ぐことが可能な情報処理装置が記載されている。
【特許文献1】特開2005−338959号公報(段落[0008]、図8等)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術においては、コンテンツのコピーまたは再生を行なうアプリケーションの実行の可否を判断するために、上記不許可リスト及び起動ファイルを例えばインターネットを介して外部のWebサーバから取得する必要がある。したがって、例えばコンテンツ提供側の機器とコンテンツ利用側の機器のみがネットワークに接続されている環境下(専用線で接続されている場合)等では、上記不許可リスト及び起動ファイルを取得できないため、上記可否の判断を行うことができない。
【0006】
また、上記特許文献1の技術においては、アプリケーションの種別やバージョン等の情報を基準としてコンテンツのコピーまたは再生の許可/不許可を判断しているため、コンテンツのコピーを行うに際してアプリケーションの実行を許可したとしても、実際に再生してみると再生不能であることが判明する場合もある。例えば、上記特許文献1におけるコンテンツのように、コンテンツ配信サービスにおいて提供され、所定のアプリケーションを利用すれば再生が保障されるようなコンテンツではなく、他の機器のユーザが独自に記録、編集または作成したコンテンツ等は、上記配信サーバから配信されるコンテンツ等と拡張子が同一であっても、別のフォーマットで作成されたコンテンツであったり、複数のフォーマットのコンテンツが合成されたコンテンツであったりする場合もある。そのようなコンテンツのコピーを許可してしまうと、依然としてメディアを無駄にしたりコンテンツを消失したりしてしまう危険性がある。
【0007】
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、再生不可能なコンテンツを他の機器からコピーまたは移動してしまうことを確実に防ぐことが可能な電子機器、コンテンツ記録方法及びそのプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の課題を解決するため、本発明の主たる観点に係る電子機器は、ネットワークを介して他の電子機器と通信可能な電子機器であって、前記他の電子機器の第1の記録媒体に記録されているコンテンツを前記他の電子機器から受信する受信手段と、前記受信されたコンテンツをデコードして前記コンテンツが再生可能であるか否かを判断する判断手段と、前記コンテンツが再生可能であると判断された場合に前記コンテンツを第2の記録媒体へ記録する記録手段とを具備する。
【0009】
ここで電子機器とは、例えばHDD(Hard Disk Drive)レコーダ、DVD(Digital Versatile Disk)レコーダ、BD(Blu-ray Disc)レコーダ及びそれらの複合レコーダ等の記録再生装置、PC(Personal Computer)(デスクトップ型でもノート型でもよい)、携帯型オーディオ/ビデオプレーヤ、テレビジョン(携帯型テレビジョンを含む)、携帯型電話機、PDA(Personal Digital Assistants)、ゲーム機器、その他の電化製品である。またコンテンツとは、テレビ番組等の映像データ、音楽等の音声データ、いわゆる電子書籍等のテキストデータ等である。また第1の記録媒体は、例えばハードディスクやフラッシュメモリ等であり、第2の記録媒体は、例えばハードディスクや、DVD(DVD−Video、DVD−RAM、DVD−R、DVD−RW、DVD+R、DVD+RW等)、BD(Blu-ray Disc)等の光ディスク、その他磁気光ディスクや、半導体メモリ等である。また記録手段は、例えばHDDや、DVDドライブ、BDドライブ等のドライブや、フラッシュメモリを含む回路等である。
【0010】
この構成により、再生可能か否かを確認した上でコンテンツを他の電子機器の第1の記録媒体から第2の記録媒体へコピーまたは移動(いわゆるムーブ)することとしているため、第2の記録媒体に記録したコンテンツが再生不能となり、第2の記録媒体を無駄にしてしまったり、コンテンツ自体を消失してしまったりすることを防ぐことができる。
【0011】
上記電子機器は、前記判断手段により再生可能であると判断されたコンテンツの再送信を要求する送信要求信号を前記他の電子機器へ送信する手段を更に具備し、前記受信手段は、前記送信要求信号に基づいて前記他の電子機器から再送信された前記コンテンツを受信し、前記記録手段は、前記再送信され受信されたコンテンツを記録していてもよい。
【0012】
これにより、コンテンツが再生不可能であると判断された場合に初めてコンテンツが第2の記録媒体へ記録されるため、例えば判断にあたって上記第2の記録媒体とは異なる、メモリ等の記憶領域へコンテンツを一時的に記憶する場合に比べて、記憶領域の使用領域を極力削減することができる。
【0013】
上記電子機器は、前記受信されたコンテンツを一時的に記憶するバッファメモリを更に具備し、前記記録手段は、前記判断手段により前記コンテンツが再生可能であると判断された場合に前記コンテンツを前記バッファメモリから前記第2の記録媒体へ転送する手段を有していても構わない。
【0014】
これにより、コンテンツを、再生の可否の判断用と第2の記録媒体への記録用に2度受信する場合に比べて処理負担を軽減することができる。
【0015】
上記電子機器は、前記第2の記録媒体へ記録されたコンテンツを第1の速度でデコードして再生する再生手段を更に具備し、前記判断手段は、前記コンテンツを前記再生手段によるデコード速度よりも早い第2の速度でデコードするようにしてもよい。
【0016】
これにより、再生手段におけるデコード速度と同じ速度でデコードして再生の可否を判断する場合に比べて判断処理を迅速に行うことができる。
【0017】
上記電子機器は、前記判断結果を基に、前記コンテンツの再生の可否を記した再生可否リストを生成して記憶する記憶手段を更に具備していてもよい。
【0018】
ここで記憶手段とは、例えば上記フラッシュメモリやHDDといった、当該電子機器に内蔵される記憶装置を指す。これにより、上記再生可否リストを生成しておき、当該再生可否リストを参照することで、確実に再生可能なコンテンツを即座に記録可能となるとともに、再生不可能なコンテンツを無駄に記録してしまうことを防ぎ、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0019】
上記電子機器において、前記受信手段は、前記他の電子機器の前記第1の記録媒体に記録されているコンテンツの属性情報を受信し、前記記憶手段は、前記ユーザの、前記コンテンツに対する嗜好度情報を記憶し、前記判断手段は、前記取得された属性情報及び前記記憶された嗜好度情報を基に、前記第1の記録媒体に記録されたコンテンツのうち前記嗜好度の高いコンテンツの再生の可否を優先的に判断するようにしても構わない。
【0020】
ここで属性情報とは、例えばコンテンツのタイトル、出演者、ジャンル等のメタデータであり、例えば上記受信されるコンテンツから抽出する場合、受信した放送データから抽出する場合、インターネット等のネットワークを介して受信する場合等がある。また嗜好度が高いコンテンツとは、例えば当該電子機器において以前に記録されたコンテンツと同一タイトルのコンテンツや、同一ジャンルのコンテンツ等、当該電子機器において以前に記録され最後まで再生したことのあるコンテンツと同一の属性情報を有するコンテンツ等である。
【0021】
これにより、ユーザが嗜好する可能性の高いコンテンツの再生可否を優先的に判断しているため、ユーザが記録を所望したコンテンツについて再生可否を即座に報知し、記録処理をスムーズに行わせることができる。
【0022】
上記電子機器は、前記再生可否リストを表示するよう制御する手段と、前記表示された再生可否リストを基に、当該再生可能リスト中に記載された前記コンテンツの記録を要求するユーザ操作を入力する手段とを更に具備していてもよい。
【0023】
ここで、「表示するよう制御する」とは、当該電子機器がディプレイ等の表示手段を有する場合のみならず、当該電子機器に接続されたテレビジョンやディスプレイ装置へ表示するためのデータを出力する場合も含む概念である。これにより、再生可能リストを基にユーザからコンテンツの移動要求を受け付けて記録媒体へ記録するため、ユーザはネットワーク上のコンテンツのうち再生可能なコンテンツのみを、再生可否の判断等を意識することなく容易に記録させることができる。
【0024】
上記電子機器は、前記判断手段により前記コンテンツが再生不可能であると判断された場合に、前記コンテンツを再生可能な記録形式に変換するよう要求する変換要求情報を前記他の電子機器へ送信する手段を更に具備し、前記受信手段は、前記変換されたコンテンツを前記他の電子機器から受信するようにしても構わない。
【0025】
これにより、コンテンツが再生不可能な記録形式で記録されていても、他の機器に再生可能な記録形式に変換させて受信することで、再生させることが可能となる。ここで記録形式とは、例えばMPEG-1(Moving Picture Experts Group phase 1)、MPEG-2、MPEG-4、MPEG-4 AVC等の映像形式(圧縮形式)や、リニアPCM(Linear Pulse Code Modulation)、ドルビーデジタル(AC-3)、DTS、ATRAC(Adaptive TRansform Acoustic Coding)、MPEG-1 Audio、MPEG-2 Audio(MPEG-2 Audio AAC(Advanced Audio Coding))等の音声形式(圧縮形式)、またはMPEG-2 PS(Program Stream)、MPEG-2 TS(Transport Stream)等の多重化形式等のフォーマットをいう。
【0026】
上記電子機器は、当該電子機器の機種に関する第1の機種情報を記憶する手段を更に具備し、前記受信手段は、前記他の機器の機種に関する第2の機種情報を前記他の電子機器から受信し、前記判断手段は、前記記憶された第1の機種情報と前記受信された第2の機種情報とが一致する場合に前記コンテンツをデコードすることなく、当該コンテンツを再生可能と判断するようにしてもよい。
【0027】
ここで機種情報とは、例えば機種名や機種ID、製品番号等である。これにより、当該電子機器と他の電子機器が同種の機器であった場合には、デコード処理を省略することで、再生可能なコンテンツを第2の記録媒体へ迅速に記録させることができる。
【0028】
本発明の他の観点に係るコンテンツ記録方法は、ネットワークを介して他の電子機器と通信可能な電子機器がコンテンツを記録する方法であって、前記他の電子機器の第1の記録媒体に記録されているコンテンツを前記他の電子機器から受信するステップと、前記受信されたコンテンツをデコードして前記コンテンツが再生可能であるか否かを判断するステップと、前記コンテンツが再生可能であると判断された場合に前記コンテンツを第2の記録媒体へ記録するステップとを具備する。
【0029】
本発明の更に別の観点に係るプログラムは、ネットワークを介して他の電子機器と通信可能なコンピュータに、前記他の電子機器の第1の記録媒体に記録されているコンテンツを前記他の電子機器から受信するステップと、前記受信されたコンテンツをデコードして前記コンテンツが再生可能であるか否かを判断するステップと、前記コンテンツが再生可能であると判断された場合に前記コンテンツを第2の記録媒体へ記録するステップとを実行させるためのものである。
【発明の効果】
【0030】
以上のように、本発明によれば、再生不可能なコンテンツを他の機器からコピーまたは移動してしまうことを確実に防ぐことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
【0032】
(第の1実施形態)
まず、本発明の第1の実施形態について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るデジタルビデオレコーダが接続されるシステムの概略的な構成を示した図である。
【0033】
同図に示すように、本システムは、デジタルビデオレコーダ1(以下、DVR1と称する)及びデジタルビデオレコーダ2(以下、DVR2と称する)で構成される。DVR1、DVR2は、例えばEthernet(登録商標)や無線LAN(Local Area Network)等のネットワーク4(いわゆる家庭内LAN)に接続され、相互に通信が可能となっている。特に本実施形態においては、当該ネットワーク4を介して、例えばDLNA(Digital Living Network Alliance guideline)の仕様に基づいて、各機器間で相互にコンテンツのやり取り(コピーまたは移動(ムーブ))が可能となっている。またDVR1及びDVR2はそれぞれデジタルテレビジョン3(以下、デジタルTV3と称する)に専用線を介して接続されている。デジタルTV3はディスプレイ及びスピーカ(図示せず)を有し、各DVRから送信される映像信号及び音声信号を出力可能となっている。
【0034】
図2は、上記DVR1の構成を示したブロック図である。同図に示すように、DVR1は、CPU(Central Processing Unit)11、RAM(Random Access Memory)12、
ROM(Read Only Memory)13、操作入力部14、デジタルチューナ15、IEEE1394インターフェース(I/F)16、Ethernet(登録商標)/無線LANインターフェース17、USB(Universal Serial Bus)インターフェース18、フラッシュメモリインターフェース19、光ディスクドライブ21、バッファコントローラ22、Mux/Demux(マルチプレクサ/デマルチプレクサ)23、CODEC(COmpresser DECompressor)24、OSD(On-Screen Display)25、D/A(Digital/Analog)コンバータ26・27、セレクタ28及びフラッシュメモリ29を有している。
【0035】
CPU11は、必要に応じてRAM12等に適宜アクセスし、DVR1の各ブロック全体を統括的に制御する。RAM12は、CPU11の作業用領域等として用いられ、OSやプログラム、処理データ等を一時的に保持するメモリである。またRAM12は、ネットワーク4を介して受信されたストリーミング再生用のデータのバッファリング領域としても使用される。ROM13は、CPU11に実行させるOS、プログラムや各種パラメータなどのファームウェアが固定的に記憶されている不揮発性のメモリである。
【0036】
フラッシュメモリ29は、例えば上記OSや、光ディスク20へ記録されるコンテンツに関するデータ等を記憶する不揮発性のメモリである。
【0037】
操作入力部14は、ボタン、スイッチ、キー、操作確認用の表示器や、リモートコントローラ(図示せず)から送信される赤外線信号の受光部等で構成され、ユーザの操作による各種設定値や指令を入力してCPU11へ出力する。
【0038】
デジタルチューナ15は、CPU11の制御に従って、図示しないアンテナを介してデジタル放送の特定のチャンネルを選局して放送データを受信し、当該放送データを復調して、セレクタ30を介してMux/Demux23に出力して再生させたり、バッファコントローラ22を介して光ディスク20へ記録させたりする。当該放送データは、例えばMPEG-2 TS方式で圧縮されたMPEGストリーム等であるが、このフォーマットに限られるものではない。
【0039】
IEEE1394インターフェース16は、例えばデジタルビデオカメラ等の外部機器に接続可能である。例えばデジタルビデオカメラによって撮影され記録された動画像データ等のコンテンツデータは、上記デジタルチューナ15によって受信された動画像データと同様に再生させたり、光ディスク20に記録させたりすることが可能である。
【0040】
Ethernet(登録商標)/無線LANインターフェース17は、上記DVR2に記録された動画像データ等のコンテンツデータやその他のデータを、Ethernet(登録商標)または無線LAN等の上記ネットワーク4を介して入力する。そして当該コンテンツデータも、再生したり、光ディスク20に記録させたりすることが可能である。
【0041】
USBインターフェース18は、USBを介して例えばUSBメモリ等の外部記憶装置やデジタルカメラ等の機器からコンテンツデータやその他のデータを入力する。これらデータも再生及び光ディスク20への記録が可能である。
【0042】
フラッシュメモリインターフェース19は、例えばフラッシュメモリを内蔵したメモリーカード(例えばメモリーカード)と接続して、当該フラッシュメモリに記録されたコンテンツデータやその他のデータを入力する。当該データも、再生及び光ディスク20への記録が可能である。
【0043】
セレクタ28は、上記各インターフェースや光ディスク20のいずれかから入力されるデータをCPU11からの制御信号に基づき選択する。
【0044】
光ディスクドライブ21は、光ディスク20を装着可能であり、当該光ディスク20に対する信号の記録及び再生が可能である。光ディスクドライブ21は例えば、上記動画像データ等のデータを読み出し、バッファコントローラ22へ入力する。光ディスク20は、例えばDVD(DVD−Video、DVD−RAM、DVD−R、DVD−RW、DVD+R、DVD+RW等)やBD、CD等である。
【0045】
バッファコントローラ22は、光ディスクドライブ21から連続的に入力されるデータの読み出しのタイミングやデータ量を制御し、光ディスクドライブ21から断続的に読み出されるMPEGストリーム等のデータを、Mux/Demux23へ連続的に出力する。
【0046】
またバッファコントローラ22は、光ディスク20へ読み書きされるデータのみならず、例えば上記Ethernet(登録商標)/無線LANインターフェース17からストリーミング再生用に入力されたストリームデータをバッファリングし、当該ストリームデータをMux/Demux23へ供給するタイミングの制御を行う。
【0047】
Mux/Demux23は、上記バッファコントローラ22から入力された、多重化されたMPEGストリームをMPEGオーディオストリームとMPEGビデオストリームとに分離して、CODEC24へ出力したり、CODEC24から入力されたMPEGオーディオストリーム及びMPEGビデオストリームを多重化し、セレクタ28を介してバッファコントローラ22へ出力したりする。
【0048】
CODEC24は、Mux/Demux23で分離されたMPEGオーディオストリーム及びMPEGビデオストリームにそれぞれデコード(伸張)処理を施して、デジタルオーディオ信号及びデジタルビデオ信号に変換し、デジタルオーディオ信号をD/Aコンバータ27へ、またデジタルビデオ信号をOSD25へ出力する。またCODEC24は、バッファコントローラ22から入力されるデジタルオーディオ信号及びデジタルビデオ信号に対して、所定のフォーマットによりエンコード(圧縮)処理を施し、Mux/Demux23へ出力する。なお、CODEC24は、バッファコントローラ22から入力されるデジタルオーディオ信号及びデジタルビデオ信号をそのままD/Aコンバータ27及びOSD25へ出力したりすることも可能である。
【0049】
D/Aコンバータ27は、上記CODEC24から入力されたデジタルオーディオ信号をアナログオーディオ信号に変換して、例えば専用線を介してデジタルTV3のスピーカに出力して再生させる。
【0050】
OSD25は、デジタルTV3のディスプレイに表示するためのグラフィックス等を生成して、上記デジタルビデオ信号との合成処理や切り替え処理を施し、処理後の映像データをD/Aコンバータ26に出力する。
【0051】
D/Aコンバータ26は、OSD25でグラフィック処理を施されたデジタルビデオ信号をアナログビデオ信号(NTSC(National Television Standards Committee)信号)に変換し、例えば専用線を介してデジタルTV3のディスプレイに出力して表示させる。
【0052】
また、上記デジタル放送の放送データには、オーディオストリーム及びビデオストリームの他に、データ放送信号やEPG(Electronic Program Guide)データ等を伝送するためのPSI/SI(Program Specific Information / Service Information)信号等が含まれている。上記RAM12またはフラッシュメモリ29には、当該PSI/SI信号等から抽出されたEPGデータも記憶される。
【0053】
図3は、上記DVR2の構成を示したブロック図である。DVR2は、上記DVR1における光ディスクドライブ21及びフラッシュメモリ29に代えて、HDD41を有している。HDD41は、デジタルチューナ35やその他各種インターフェースから入力された動画像データ等のコンテンツデータ、各種プログラムやその他のデータ等を内蔵のハードディスクに記録し、また再生時等にそれらを当該ハードディスクから読み出す。またHDD41には、上記EPGデータも記憶される。その他の構成は、上記図2に示したDVR1の構成と同様であるため、説明を省略する。
【0054】
次に、以上のように構成されたDVR1及びDVR2の動作について説明する。上述したように、本実施形態において、DVR1とDVR2は、ネットワーク4を介して相互にコンテンツを移動(ムーブ)することが可能となっている。以下、DVR2のHDD41からDVR1の光ディスク20へコンテンツを移動する場合の動作について説明する。図4は、この場合の処理の流れを示したシーケンス図であり、図5は、この場合のDVR1の動作の流れを示したフローチャートである。
【0055】
両図に示すように、まず、DVR1のCPU11は、DVR1のユーザから、DVR2のHDD41に記録されたコンテンツをDVR1の光ディスクへ移動する処理を要求する操作を、操作入力部14を介して入力する(図4のステップ51、図5のステップ61)。なお、当該操作入力は、例えばDVR1がDVR2のHDD41に記録されたコンテンツのリストを、ネットワーク4を介して取得してデジタルTV3のディスプレイに表示させ、当該リストを基にユーザが所望のコンテンツを選択することで行われる。
【0056】
続いて、DVR1のCPU11は、Ethernet(登録商標)/無線LANI/F17を介して、当該操作入力の対象となっているコンテンツを、再生可能か否かの判定用に送信するよう要求する送信要求信号をDVR2へ送信する(図4のステップ52、図5のステップ62)。
【0057】
続いて、DVR2のCPU31は、上記送信要求信号に応答して、Ethernet(登録商標)/無線LANI/F37によりネットワーク4を介してDVR1へ判定用コンテンツを送信し(図4のステップ53)、DVR1は当該判定用コンテンツをEthernet(登録商標)/無線LANI/F17により受信する(図5のステップ63)。なお、当該判定用コンテンツの送受信は例えばストリーミングにより行われる。ストリーミングとすることで、判定用コンテンツを一時的に記憶するためのバッファ等を不要としている。
【0058】
そして、DVR1のCPU11は、受信した判定用コンテンツに対して、CODEC24によりデコード処理を試み、当該判定用コンテンツがDVR1において再生可能であるか否かを判定する(図4のステップ54、図5のステップ64)。
【0059】
具体的には、CPU11は、当該判定用コンテンツが、CODEC24に対応した所定のフォーマットによりエンコードされたコンテンツであるか否かを判定する。ここで所定のフォーマットとは、例えばMPEG-1、MPEG-2、MPEG-4、MPEG-4 AVC等の映像圧縮形式や、リニアPCM、ドルビーデジタル(AC-3)、DTS、ATRAC、MPEG-1 Audio、MPEG-2 Audio等の音声圧縮形式、またはMPEG-2 PS、MPEG-2 TS等の多重化形式等であるが、これらに限られるものでなない。CODEC24が対応していないフォーマットのコンテンツは、デコード処理を行うことができないため、再生不可能と判定される。
【0060】
また、コンテンツによっては、DVR2のユーザが、例えば放送番組を録画したコンテンツと、デジタルビデオカメラ等で撮影したコンテンツとを合成したり、インターネットを介してダウンロードしたコンテンツとを合成したりした場合等、ユーザが独自に編集、生成等することによって、一のコンテンツに複数のフォーマットが混在しているような場合もある。CODEC24は、このようにフォーマットが混在するコンテンツについては、途中までデコードできてもある時点からデコードできず、また逆に途中からデコードできたりするため、このようなコンテンツも再生不可能なコンテンツであると判定する。
【0061】
当該判定により判定用コンテンツが再生可能であると判断された場合(ステップ64のYes)、すなわち、CODEC24が当該判定用コンテンツのデコード処理に対応していると判定された場合、CPU11は、当該判定されたコンテンツの、DVR2のHDD41からDVR1の光ディスク20への移動を要求する移動要求信号をDVR2へ送信する(図4のステップ55、図5のステップ66)。
【0062】
DVR2のCPU31は、当該移動要求信号に応答して、コンテンツをHDD41からDVR1の光ディスク20へ移動するために送信し(図4のステップ56)、DVR1のCPU11は、Ethernet(登録商標)/無線LANI/F17により当該コンテンツを受信し(図5のステップ67)、セレクタ28及びバッファコントローラ22を介して、当該コンテンツを光ディスクドライブ21により光ディスク20へ書き込む(図5のステップ68)。このとき、移動されたコンテンツはDVR2のHDD41から削除される。
【0063】
上記判定において、判定用コンテンツが再生不可能であると判定された場合(ステップ65のNo)、すなわち、CODEC24が上記判定用コンテンツのデコード処理に対応していないと判定された場合には、CPU11は、コンテンツの移動処理を取り消し(図5のステップ69)、当該コンテンツが移動できない旨をデジタルTV3のディスプレイに表示させる(図5のステップ70)。
【0064】
以上の動作により、コンテンツの再生の可否を判定した上で当該コンテンツを光ディスク20へ書き込むため、再生不可能な無駄な光ディスク20を作成してしまったり、移動によりコンテンツがDVR2のHDD41から消去されてしまうことによりコンテンツを消失してしまったりすることを防ぐことができ、ユーザの不便を回避することができる。
【0065】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。なお、本実施形態においては、上記DVR1、DVR2の他、例えばDVR2と同様の構成を有する複数のDVRがネットワーク4を介して相互に通信可能となっているものとする。また本実施形態において、DVR1及びDVR2の基本的な構成については上記第1の実施形態の場合と同様であるため、説明を省略する。
【0066】
本実施形態においては、上記第1の実施形態におけるコンテンツの記録動作がよりスムーズに行われるように、ユーザによるコンテンツの移動要求がない間に、DVR1以外のネットワーク4上に存在するDVRに記録されているコンテンツのDVR1における再生の可否を事前に判定することとしている。
【0067】
図6は、本実施形態におけるDVR1の動作の流れを示したフローチャートである。同図に示すように、まずDVR1のCPU11は、ネットワーク4上にDVR1の他に存在するDVRを検索し(ステップ71)、各DVRのHDDに記録されているコンテンツを検索し、当該コンテンツのリストを作成する(ステップ72)。
【0068】
続いて、DVR1のCPU11は、上記コンテンツリストに記載されているコンテンツを、メタデータを基に優先順位付けする(ステップ73)。ここでメタデータとは、コンテンツのタイトル、出演者、ジャンル、放送開始時刻、放送終了時刻等の情報である。当該メタデータは、例えば上記ネットワーク上のコンテンツを検索する際に、タイトルとともに他のDVRから取得されるようにしてもよいし、各DVRのタイトルを取得した際に、フラッシュメモリ29に記憶されているEPGデータ中から当該タイトルを基に検索して抽出するようにしてもよいし、またインターネット等を介して新たにEPGデータを取得して、当該EPGデータ中から上記タイトルを基に検索して抽出するようにしてもよい。
【0069】
また優先順位とは、コンテンツに対するユーザの嗜好度が高い順番である。CPU11は、当該DVR1において過去に録画したり再生したりしたコンテンツの履歴情報を、例えばフラッシュメモリ29に保存しておき、当該履歴情報中の、タイトルや出演者、ジャンル等の情報を基に、ユーザの嗜好を学習して嗜好度情報として保存しておく。当該嗜好度情報においては、コンテンツの種類がそのタイトルや出演者、ジャンル等によって優先順位付けされている。例えば、DVR1において録画を行ったことがあるコンテンツと同じタイトルを有するコンテンツは嗜好度が最優位コンテンツとされ、録画して最後まで再生したコンテンツと同じタイトルまたは出演者等のキーワード情報を含むコンテンツが2番目に優位なコンテンツとされ、録画及び再生したコンテンツと同じジャンルのコンテンツが3番目に優位なコンテンツとされ、その他のコンテンツが4番目に優位なコンテンツとされる。しかし、この優先付け方法に限られるものではなく、例えば出演者やジャンルの類似度によって優先順位付けを行ってもよいし、特定の時間帯に対する放送開始/終了時刻の近似度によって優先順位付けを行ってもよい。またユーザが操作入力部14を介して嗜好度情報を直接入力するようにしても構わない。
【0070】
図7は、上記ステップ72において作成され、ステップ73において優先順位付けされたコンテンツリストの例を示した図である。同図に示すように、当該コンテンツリストには、ネットワーク上に存在する各DVRに記録されているコンテンツのタイトル、各DVRのDVR名、それらのDVRの、ネットワーク4上におけるURL(IPアドレス)、及びそれらの機種名がそれぞれ記載されている。DVR名とは、例えばDVR2がリビング用ならリビング用DVR、DVR1及びDVR2とは異なる他のDVRが家庭内の2階用なら2F用DVR、当該他のDVRとは異なるもう一つのDVRが父用のDVRなら父用DVRといったように、ユーザが覚えやすいように付けた名前等であるが、こういった名付け方法に限られるものではない。また、URLは、DVR1がEthernet(登録商標)/無線LANI/F17によりコンテンツの移動要求信号及びコンテンツを送受信する際に参照される情報である。また、機種名とは例えば「DVR−xyz」、「DVR−abc−1」といった型番等の情報である。当該コンテンツリストは、DVR1の例えばフラッシュメモリ29内に記憶されている。また、DVR1は、他のDVRの機種名のみならず、自身の機種名も例えばフラッシュメモリ29内またはROM13内に記憶している。
【0071】
続いて、CPU11は、上記作成されたコンテンツリスト中の他のDVRの機種名と、自身の機種名とを比較して、上記コンテンツリスト中に、DVR1と同機種のDVRに記録されたコンテンツが存在するか否かを確認する(ステップ74)。ステップ74において、同機種のDVRに記録されたコンテンツが存在すると判断された場合(Yes)には、当該コンテンツを、コンテンツの再生可否を記した再生可否リスト(後述)に、再生可能なコンテンツとして追加する(ステップ79)。これは、同種の機種であれば同様のCODECを有しているため、当該コンテンツを再生可能である可能性が極めて高いからである。なお、機種名の代わりに、機種IDや製造番号等を比較することで機種の同一性を判定するようにしても構わない。
【0072】
また、ステップ74において、同機種のDVRに記録されたコンテンツが存在しない場合(No)には、上記優先順位付けされたコンテンツリスト中、優先順位が最も高く、かつコンテンツの再生可否を未だ判定していないコンテンツを送信するよう、送信要求信号をDVR2へ送信する(ステップ75)。
【0073】
続いて、CPU11は、ネットワーク4を介してEthernet(登録商標)/無線LANI/F17により上記最優先のコンテンツを受信し(ステップ76)、上記第1の実施形態と同様に、当該コンテンツに対してデコード処理を試みることで、当該コンテンツの再生可否を判定する(ステップ77)。当該ステップ77においてコンテンツが再生可能と判定された場合(Yes)、CPU11は、当該コンテンツを再生可能なコンテンツとして上記再生可否リストへ追加し(ステップ79)、再生不可能と判断された場合(No)には、当該コンテンツを再生不可能なコンテンツとして再生可否リストへ追加して終了する(ステップ80)。
【0074】
図8は、当該再生可否リストを示した図である。同図に示すように、再生可否リストには、コンテンツのタイトルの他、当該コンテンツが記録されているDVRのDVR名、そのDVRのURL、当該コンテンツに対して判定を既に行っているか否か(確認/未確認)及び当該判定の結果、コンテンツが再生可能か否か(OK/NG)といった情報がコンテンツ毎に記載され、また上記優先順位に基づいて順位付けされている。当該再生可否リストも、例えば上記フラッシュメモリ29内に記憶される。
【0075】
上記動作の後は、CPU11は、ユーザがDVR1以外のDVRに記録されているコンテンツに対する移動要求を行う度に、上記再生可否リストを参照して、記録対象のコンテンツが再生可能であればコンテンツを光ディスク20へ移動させ、また記録対象のコンテンツが再生不可能であればその旨の表示をさせる。
【0076】
なお、ユーザが光ディスク20への記録を要求する際に、上記再生可否リストをユーザに参照させて、当該再生可否リストから再生可能なコンテンツを選択させるようにしてもよい。これにより、ユーザは再生可能なコンテンツのみに対して移動要求を行なうため、CPU11が再生不可能である旨の表示を行う処理を省略させることができ、ユーザにとっても無駄な作業を省くことができる。
【0077】
以上の動作により、ユーザによる移動要求がない間にネットワーク4上のコンテンツの再生可否が判定され、判定結果が上記再生可否リストに記載されるため、ユーザの移動要求があってから再生可否を判定する場合に比べて記録処理をよりスムーズに行うことができ、ユーザの利便性を向上させることができる。また、コンテンツに対するユーザの嗜好度情報に基づいて、嗜好度が高いコンテンツから優先的に再生可否を判定するため、ユーザがあるコンテンツに対する移動要求を行った場合に、そのコンテンツが再生可否を既に判定済みである可能性が高いため、ユーザの利便性を更に向上させることができる。更に、ユーザの嗜好度が低い、すなわちユーザが移動要求を行う可能性が低いコンテンツに対する無駄な判定処理を行うことを防いで、CPU11の処理負担を軽減させることもできる。
【0078】
なお、本発明は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0079】
上述の第1及び第2の実施形態において、DVR1は、コンテンツが再生不可能であると判定された場合には、その旨の表示をしたり、当該コンテンツを再生不可能なコンテンツとして再生不可リストへ追加したりしていたが、当該コンテンツを再生可能なフォーマットへ変換するように他のDVRへ依頼するようにしてもよい。
【0080】
例えば、上記第1の実施形態の図5のフローチャートにおいて、ステップ65で判定用コンテンツが再生不可と判定された場合(No)、CPU11は、移動処理の取消(ステップ69)及び移動不可な旨の表示(ステップ70)を行う代わりに、DVR2に対して、当該判定用コンテンツをDVR1において再生可能なフォーマットへ変換するよう要求する変換要求信号を送信し、DVR2からフォーマット変換後のコンテンツを受信し、当該コンテンツを光ディスク20へ記録するようにしてもよい。また上記第2の実施形態における図6のフローチャートにおいても、ステップ80の代わりに同様の処理が行われるようにしてもよい。CPU11は、再生可否の判定の際に、判定対象のコンテンツのフォーマットを、例えば当該コンテンツの最大ビットレートや平均ビットレートや、必要なCODECの種類等を、例えばコンテンツに含まれるプロファイル情報等を解析する等して判定し、当該判定されたフォーマットを、DVR1のCODEC24に対応したフォーマットに変換(再エンコード)するようDVR2へ要求する。
【0081】
これにより、DVR1において再生不可能と判定されたコンテンツも他のDVRにフォーマット変換させることで、DVR1においていかなるコンテンツも記録させることができ、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0082】
また、上述の2つの実施形態においては、DVR2のHDDからDVR1の光ディスク20へコンテンツを移動する例を示したが、このパターンに限られず、例えばDVR1がHDDを有する場合には、DVR2のHDD41からDVR1のHDDへコンテンツを移動する場合に本発明を適用することもできる。またこの場合、DVR1は、DVR2のように、コンテンツの移動元のDVRとしても機能することができる。したがって、DVR1のCPU11は、DVR2等の他のDVRからの要求に従ってコンテンツを自身のHDDから他のDVRへ送信したり、他のDVRにおいて再生不可能なコンテンツを、他のDVRからの要求に従ってフォーマット変換させたりすることも可能である。
【0083】
上述の実施形態においては、再生可否の判断を行う場合には、一度判定用コンテンツをストリーミング受信して、再生可能と判定された場合に再度コンテンツを受信する例を示したが、例えば、DVR1が、RAM12やフラッシュメモリ29等に十分なバッファ領域を有する場合には、当該RAM12やフラッシュメモリ29をバッファメモリとして、DVR2から受信した判定用コンテンツを一時的に保存しておき、再生可能と判断された場合に光ディスクへ転送するようにしてもよい。これにより、コンテンツを2度受信する手間を省き、処理負担を軽減させることができる。
【0084】
上述の実施形態において、CODEC24は、コンテンツの再生可否の判定処理の際には、通常の再生処理の場合に比べて高速にデコード処理するようにしても構わない。これにより、判定処理をより迅速に行うことが可能となる。また、DVR1は、CODEC24とは別に、コンテンツの再生可否の判定処理専用のCODECを更に有していてもよい。
【0085】
上述の実施形態においては、DVR2等の他のDVRに存在するコンテンツの、DVR1における再生の可否を判断して、当該コンテンツをDVR1へ移動する例を示したが、例えば、DVR2のコンテンツをDVR1へストリーミングにより受信して再生するような場合においても、本発明を適用することができる。この場合、DVR1側で当該ストリーミング対象のコンテンツの再生可否を予め判断した上で、再生可能なコンテンツのみをDVR1からストリーミングにより受信するようにすればよい。
【0086】
上述の実施形態においては、ネットワーク4は家庭内LANで構成したが、家庭内のみならず、例えば自宅と屋外、オフィス等をインターネットで接続してコンテンツのやり取りを行っても勿論構わない。
【0087】
上述の実施形態においては、電子機器として複数のDVR及びデジタルTVをネットワークで接続したシステムを例に説明したが、ネットワークに接続される電子機器の種類及び数はこれに限定されるものではない。例えば、各ビデオレコーダに代えて、PC、ゲーム機器、DVDプレーヤ、携帯型電話機、PDA等の様々な電子機器を接続してシステムを構成することができる。
【0088】
また、上述の実施形態においては、コンテンツとして放送番組の映像コンテンツを例に挙げて説明したが、コンテンツはこれに限られるものではなく、音楽等の音声コンテンツや、電子書籍等のテキストコンテンツ等、様々なコンテンツを適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るデジタルビデオレコーダが接続されるシステムの概略的な構成を示した図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係るDVR1の構成を示したブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係るDVR2の構成を示したブロック図である。
【図4】本発明の第1の実施形態において、DVR2のHDD41からDVR1の光ディスク20へコンテンツを移動する際の処理の流れを示したシーケンス図である。
【図5】本発明の第1の実施形態において、DVR2のHDD41からDVR1の光ディスク20へコンテンツを移動する際のDVR1の動作の流れを示したフローチャートである。
【図6】本発明の第2の実施形態におけるDVR1の動作の流れを示したフローチャートである。
【図7】本発明の第2の実施形態において各DVRに記録されているコンテンツのリストの例を示した図である。
【図8】本発明の第2の実施形態における再生可否リストを示した図である。
【符号の説明】
【0090】
1、2…デジタルビデオレコーダ(DVR)
3…デジタルテレビジョン(デジタルTV)
4…ネットワーク
11…CPU
12…RAM
14…操作入力部
15…デジタルチューナ
17…Ethernet(登録商標)/無線LANインターフェース
20…光ディスク
21…光ディスクドライブ
22…バッファコントローラ
23…Mux/Demux
24…CODEC
29…フラッシュメモリ
31…CPU
41…HDD
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して他の電子機器と通信可能な電子機器であって、
前記他の電子機器の第1の記録媒体に記録されているコンテンツを前記他の電子機器から受信する受信手段と、
前記受信されたコンテンツをデコードして前記コンテンツが再生可能であるか否かを判断する判断手段と、
前記コンテンツが再生可能であると判断された場合に前記コンテンツを第2の記録媒体へ記録する記録手段と
を具備することを特徴とする電子機器。
【請求項2】
請求項1に記載の電子機器であって、
前記判断手段により再生可能であると判断されたコンテンツの再送信を要求する再送信要求信号を前記他の電子機器へ送信する手段を更に具備し、
前記受信手段は、前記再送信要求信号に基づいて前記他の電子機器から再送信された前記コンテンツを受信し、
前記記録手段は、前記再送信され受信されたコンテンツを記録する
ことを特徴とする電子機器。
【請求項3】
請求項1に記載の電子機器であって、
前記受信されたコンテンツを一時的に記憶するバッファメモリを更に具備し、
前記記録手段は、前記判断手段により前記コンテンツが再生可能であると判断された場合に前記コンテンツを前記バッファメモリから前記第2の記録媒体へ転送する手段を有する
ことを特徴とする電子機器。
【請求項4】
請求項1に記載の電子機器であって、
前記第2の記録媒体へ記録されたコンテンツを第1の速度でデコードして再生する再生手段を更に具備し、
前記判断手段は、前記コンテンツを前記第1の速度よりも早い第2の速度でデコードする
ことを特徴とする電子機器。
【請求項5】
請求項1に記載の電子機器であって、
前記判断結果を基に、前記コンテンツの再生の可否を記した再生可否リストを生成して記憶する記憶手段を更に具備することを特徴とする電子機器。
【請求項6】
請求項5に記載の電子機器であって、
前記受信手段は、前記他の電子機器の前記第1の記録媒体に記録されているコンテンツの属性情報を受信し、
前記記憶手段は、前記ユーザの、前記コンテンツに対する嗜好度情報を記憶し、
前記判断手段は、前記取得された属性情報及び前記記憶された嗜好度情報を基に、前記第1の記録媒体に記録されたコンテンツのうち前記嗜好度の高いコンテンツの再生の可否を優先的に判断する
ことを特徴とする電子機器。
【請求項7】
請求項6に記載の電子機器であって、
前記再生可否リストを表示するよう制御する手段と、
前記表示された再生可否リストを基に、当該再生可能リスト中に記載された前記コンテンツの記録を要求するユーザ操作を入力する手段と
を更に具備することを特徴とする電子機器。
【請求項8】
請求項1に記載の電子機器であって、
前記判断手段により前記コンテンツが再生不可能であると判断された場合に、前記コンテンツを再生可能な記録形式に変換するよう要求する変換要求情報を前記他の電子機器へ送信する手段を更に具備し、
前記受信手段は、前記変換されたコンテンツを前記他の電子機器から受信する
ことを特徴とする電子機器。
【請求項9】
請求項1に記載の電子機器であって、
当該電子機器の機種に関する第1の機種情報を記憶する手段を更に具備し、
前記受信手段は、前記他の機器の機種に関する第2の機種情報を前記他の電子機器から受信し、
前記判断手段は、前記記憶された第1の機種情報と前記受信された第2の機種情報とが一致する場合に前記コンテンツをデコードすることなく、当該コンテンツを再生可能と判断する
ことを特徴とする電子機器。
【請求項10】
ネットワークを介して他の電子機器と通信可能な電子機器がコンテンツを記録する方法であって、
前記他の電子機器の第1の記録媒体に記録されているコンテンツを前記他の電子機器から受信するステップと、
前記受信されたコンテンツをデコードして前記コンテンツが再生可能であるか否かを判断するステップと、
前記コンテンツが再生可能であると判断された場合に前記コンテンツを第2の記録媒体へ記録するステップと
を具備することを特徴とするコンテンツ記録方法。
【請求項11】
ネットワークを介して他の電子機器と通信可能なコンピュータに、
前記他の電子機器の第1の記録媒体に記録されているコンテンツを前記他の電子機器から受信するステップと、
前記受信されたコンテンツをデコードして前記コンテンツが再生可能であるか否かを判断するステップと、
前記コンテンツが再生可能であると判断された場合に前記コンテンツを第2の記録媒体へ記録するステップと
を実行させるためのプログラム。
【請求項1】
ネットワークを介して他の電子機器と通信可能な電子機器であって、
前記他の電子機器の第1の記録媒体に記録されているコンテンツを前記他の電子機器から受信する受信手段と、
前記受信されたコンテンツをデコードして前記コンテンツが再生可能であるか否かを判断する判断手段と、
前記コンテンツが再生可能であると判断された場合に前記コンテンツを第2の記録媒体へ記録する記録手段と
を具備することを特徴とする電子機器。
【請求項2】
請求項1に記載の電子機器であって、
前記判断手段により再生可能であると判断されたコンテンツの再送信を要求する再送信要求信号を前記他の電子機器へ送信する手段を更に具備し、
前記受信手段は、前記再送信要求信号に基づいて前記他の電子機器から再送信された前記コンテンツを受信し、
前記記録手段は、前記再送信され受信されたコンテンツを記録する
ことを特徴とする電子機器。
【請求項3】
請求項1に記載の電子機器であって、
前記受信されたコンテンツを一時的に記憶するバッファメモリを更に具備し、
前記記録手段は、前記判断手段により前記コンテンツが再生可能であると判断された場合に前記コンテンツを前記バッファメモリから前記第2の記録媒体へ転送する手段を有する
ことを特徴とする電子機器。
【請求項4】
請求項1に記載の電子機器であって、
前記第2の記録媒体へ記録されたコンテンツを第1の速度でデコードして再生する再生手段を更に具備し、
前記判断手段は、前記コンテンツを前記第1の速度よりも早い第2の速度でデコードする
ことを特徴とする電子機器。
【請求項5】
請求項1に記載の電子機器であって、
前記判断結果を基に、前記コンテンツの再生の可否を記した再生可否リストを生成して記憶する記憶手段を更に具備することを特徴とする電子機器。
【請求項6】
請求項5に記載の電子機器であって、
前記受信手段は、前記他の電子機器の前記第1の記録媒体に記録されているコンテンツの属性情報を受信し、
前記記憶手段は、前記ユーザの、前記コンテンツに対する嗜好度情報を記憶し、
前記判断手段は、前記取得された属性情報及び前記記憶された嗜好度情報を基に、前記第1の記録媒体に記録されたコンテンツのうち前記嗜好度の高いコンテンツの再生の可否を優先的に判断する
ことを特徴とする電子機器。
【請求項7】
請求項6に記載の電子機器であって、
前記再生可否リストを表示するよう制御する手段と、
前記表示された再生可否リストを基に、当該再生可能リスト中に記載された前記コンテンツの記録を要求するユーザ操作を入力する手段と
を更に具備することを特徴とする電子機器。
【請求項8】
請求項1に記載の電子機器であって、
前記判断手段により前記コンテンツが再生不可能であると判断された場合に、前記コンテンツを再生可能な記録形式に変換するよう要求する変換要求情報を前記他の電子機器へ送信する手段を更に具備し、
前記受信手段は、前記変換されたコンテンツを前記他の電子機器から受信する
ことを特徴とする電子機器。
【請求項9】
請求項1に記載の電子機器であって、
当該電子機器の機種に関する第1の機種情報を記憶する手段を更に具備し、
前記受信手段は、前記他の機器の機種に関する第2の機種情報を前記他の電子機器から受信し、
前記判断手段は、前記記憶された第1の機種情報と前記受信された第2の機種情報とが一致する場合に前記コンテンツをデコードすることなく、当該コンテンツを再生可能と判断する
ことを特徴とする電子機器。
【請求項10】
ネットワークを介して他の電子機器と通信可能な電子機器がコンテンツを記録する方法であって、
前記他の電子機器の第1の記録媒体に記録されているコンテンツを前記他の電子機器から受信するステップと、
前記受信されたコンテンツをデコードして前記コンテンツが再生可能であるか否かを判断するステップと、
前記コンテンツが再生可能であると判断された場合に前記コンテンツを第2の記録媒体へ記録するステップと
を具備することを特徴とするコンテンツ記録方法。
【請求項11】
ネットワークを介して他の電子機器と通信可能なコンピュータに、
前記他の電子機器の第1の記録媒体に記録されているコンテンツを前記他の電子機器から受信するステップと、
前記受信されたコンテンツをデコードして前記コンテンツが再生可能であるか否かを判断するステップと、
前記コンテンツが再生可能であると判断された場合に前記コンテンツを第2の記録媒体へ記録するステップと
を実行させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【公開番号】特開2007−282003(P2007−282003A)
【公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−107298(P2006−107298)
【出願日】平成18年4月10日(2006.4.10)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年4月10日(2006.4.10)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
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