説明

電子機器、及びプロジェクター

【課題】温度検出対象の電子部品の温度を適切に検出可能な電源装置を提供する。
【解決手段】電源装置4は、電源筐体5と、この電源筐体5内に設けられた複数の電子部品62と、前記複数の電子部品62のうち検出対象部品620の温度を検出する温度検出部7と、この温度検出部7を支持する支持部8とを備え、電源筐体5内には、複数の電子部品62を冷却するように空気を導く主流路Cmが形成され、支持部8には、主流路Cmの検出対象部品620を介した被加温空気A1の一部である副被加温空気A12を取り込む副流路Csが形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器、及びプロジェクターに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プロジェクターの電源装置において、当該電源装置の部品を適切に冷却するための検討がなされている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1に記載の電源装置では、電源筐体内の冷却ファンから送出される空気の経路上や、熱を発生する電子部品の近傍、あるいは上昇した熱により温められる電源筐体の上部に設置された温度センサーで、電源装置の電源筐体内の温度を検出している。そして、この検出された温度に基づいて、冷却ファンの回転数を制御している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−161890号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の電源装置のように、電子部品の近傍に温度センサーを配置すると、温度センサーが絶縁破壊してしまうおそれがある。また、空気の経路上や電源筐体上部に温度センサーを配置すると、当該温度センサーで検出された温度には、温度検出対象以外の電子部品の熱の影響も含まれてしまう。このことにより、温度検出対象の電子部品の温度を適切に検出できない。
【0005】
本発明の目的は、温度検出対象の電子部品の温度を適切に検出可能な電子機器、及びプロジェクターを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の電子機器は、機器筐体と、前記機器筐体内に設けられた複数の電子部品と、前記複数の電子部品のうち温度検出対象の電子部品の温度を検出する温度検出部と、前記温度検出部を支持する支持部とを備え、前記機器筐体内には、前記複数の電子部品を冷却するように空気を導く主流路が形成され、前記支持部には、前記主流路の前記温度検出対象の電子部品を介した空気の一部を取り込む副流路が形成されていることを特徴とする。
【0007】
本発明の電子機器では、複数の電子部品が設けられた機器筐体内に、当該複数の電子部品を冷却するように空気を導く主流路を設けている。さらに、複数の電子部品のうち温度検出対象の電子部品(以下、検出対象部品という)の温度を検出する温度検出部を、支持部で支持させている。そして、支持部に、主流路の検出対象部品を介した空気の一部を取り込む副流路を形成している。
ここで、主流路の検出対象部品を介した空気は、検出対象部品により温められる。このことにより、検出対象部品で温められた直後の空気(以下、被加温空気という)の一部を副流路に取り込み、当該被加温空気の温度を温度検出部で検出することで、検出対象部品のみの温度を適切に検出できる。また、検出対象部品の近傍に温度検出部を配置していないので、温度検出部が絶縁破壊することを防止できる。
【0008】
本発明の電子機器では、前記支持部には、前記温度検出部で温度が検出された後の空気を、前記副流路の外部へ導く副流路空気導出部が設けられていることが好ましい。
ここで、副流路空気導出部を設けない場合、温度が検出された後の空気(以下、温度検出後空気という)と被加温空気とが、副流路内で混ざってしまい、検出対象部品の温度を適切に検出できないおそれがある。
これに対して、本発明では、副流路空気導出部を設けて、温度検出後空気を副流路の外部に導くことで、温度検出後空気と、新たに副流路内に導かれる被加温空気とが副流路内で混ざることを防止でき、検出対象部品の温度を適切に検出できる。
【0009】
本発明の電子機器では、前記副流路空気導出部は、前記温度検出部で温度が検出された後の空気を前記主流路に再度導くことが好ましい。
本発明では、温度検出後空気を主流路に再度導くことで、温度検出後空気を主流路に導かないときと比べて、主流路の空気の量を増やすことができ、検出非対象部品の冷却効率を向上できる。
【0010】
本発明の電子機器では、前記支持部は、前記温度検出部を支持する第1支持板部と、前記第1支持板部と対向する第2支持板部と、前記第1支持板部と前記第2支持板部とを保持する支持板保持部とを備え、前記副流路は、前記第1支持板部と前記第2支持板部と前記支持板保持部とで囲まれた空間により構成されていることが好ましい。
本発明では、第1支持板部と第2支持板部と支持板保持部とで囲まれた空間により副流路を構成しているため、簡単な構成で副流路を設けることができる。
【0011】
本発明の電子機器では、前記機器筐体には、互いに略直交する第1面部及び第2面部が設けられ、前記第1面部には、前記第1支持板部の平面形状に対応する形状の切欠部が設けられ、前記第2面部には、前記第1支持板部及び前記第2支持板部を前記第1支持板部の面方向に沿って挿通可能な挿通開口部が設けられ、前記第1支持板部における当該第1支持板部の挿通方向と平行な両側縁には、前記切欠部の縁との係合により前記支持部を前記挿通方向に案内して、前記支持部を前記機器筐体に取り付ける取付案内部が設けられていることが好ましい。
本発明では、第1支持板部の取付案内部と、切欠部の縁とを係合させて、支持部を第1支持板部の挿通方向に沿って案内するだけの簡単な方法で、支持部を機器筐体に取り付けることができる。また、温度検出部を支持する第1支持板部に、取付案内部を設けているため、部品点数の増加を抑制できる。
【0012】
本発明の電子機器は、電源コネクターを介して供給された電力を外部に供給する電源基板を備え、前記複数の電子部品は、前記電源基板に搭載され、当該電子機器は、電源装置であることが好ましい。
本発明では、上述した作用及び効果を享受可能な電源装置を提供できる。
【0013】
本発明のプロジェクターは、光源装置と、前記光源装置から射出された光束を変調する光変調装置と、前記光変調装置にて変調された光束を投射する投射光学装置と、上述の電子機器とを備えたことを特徴とする。
本発明では、プロジェクターは、上述した電子機器である電源装置を備えるので、上述した電源装置と同様の作用及び効果を享受できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本実施形態におけるプロジェクターを模式的に示す図。
【図2】前記実施形態における電源装置の前面側からの斜視図。
【図3】前記実施形態における電源装置の後面側からの斜視図。
【図4】前記実施形態における電源装置の前面側からの分解斜視図。
【図5】前記実施形態における電源基板の前面側からの斜視図。
【図6】前記実施形態における図2のVI−VI線に沿った断面図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
〔プロジェクターの構成〕
図1は、プロジェクター1の概略構成を示す図である。
プロジェクター1は、画像を投射してスクリーン(図示略)上に投影画像を表示する。
そして、このプロジェクター1は、図1に示すように、外装筐体2内部に収納される光学ユニット3と、電子機器としての電源装置4と、電源コネクター9と、プロジェクター1の各構成部材の動作を制御する制御装置(図示略)等を備える。
【0016】
〔光学ユニットの構成〕
光学ユニット3は、図1に示すように、発光管311及びリフレクター312を有する光源装置31と、レンズアレイ321,322、偏光変換素子323、及び重畳レンズ324を有する照明光学装置32と、ダイクロイックミラー331,332、及び反射ミラー333を有する色分離光学装置33と、入射側レンズ341、リレーレンズ342、及び反射ミラー343,344を有するリレー光学装置34と、3つの入射側偏光板35と、3つの光変調装置36と、3つの出射側偏光板37と、色合成光学装置としてのクロスダイクロイックプリズム38と、投射光学装置としての投射レンズ39とを備える。
【0017】
そして、光学ユニット3では、上述した構成により、光源装置31から出射され照明光学装置32を介した光束は、色分離光学装置33にて赤(R)、緑(G)、青(B)の3つの色光に分離される。また、分離された各色光は、各光変調装置36にてそれぞれ変調される。変調された各色光は、クロスダイクロイックプリズム38にて合成されて画像となり、投射レンズ39にてスクリーンに投射される。
なお、各部材31〜39については、一般的なプロジェクターの光学系として用いられるものであるため、説明を省略する。
【0018】
〔電源装置の構成〕
図2は、電源装置4の前面側からの斜視図である。図3は、電源装置4の後面側からの斜視図である。図4は、電源装置4の前面側からの分解斜視図である。図5は、電力供給部6の前面側からの斜視図である。図6は、図2のVI−VI線に沿った断面図である。
なお、以下で記載する「上」、「下」、「左」、「右」は、図2における図面視において、上下左右に相当するものである。また、以下で説明する「前面」、「背面」も、図2における図面視において、前面および背面に相当するものである。
【0019】
まず、電源装置4の概略構成について、図2及び図3を参照して説明する。
電源装置4は、電源コネクター9(図1参照)を介して外部から供給される交流電流に対して、AC/DC変換を実施し、所定の直流電圧を生成して、プロジェクター1の各部材に出力する。この電源装置4は、図2に示すように、機器筐体としての略長方形箱状の電源筐体5と、この電源筐体5内に設けられた電力供給部6と、この電力供給部6に設けられた後述する複数の電子部品62(図5,6参照)のうち温度検出対象の電子部品(以下、検出対象部品620(図5,6参照)と称す)の温度を検出する温度検出部7と、この温度検出部7を支持するとともに電源筐体5に取り付けられる支持部8とを備える。
【0020】
電源筐体5は、断面略コ字状の筐体基部51と、当該筐体基部51の略コ字状の一部を塞ぐように筐体基部51に取り付けられる右背面部52とにより、略長方形筒状に形成されている。
筐体基部51は、金属板により形成され、電源筐体5の前面を構成する前面部511と、上面を構成する第1面部としての上面部512と、下面を構成する下面部513とを備える。また、筐体基部51には、前面部511、上面部512、及び下面部513の内面を覆うように絶縁シート53が設けられている。
右背面部52は、樹脂により形成され、電源筐体5の背面のうち右側部分を閉塞するように設けられている。
【0021】
また、電源筐体5の右面は、開口されており、電源筐体5外の空気を電源筐体5内に導入する吸気口54として機能する。さらに、電源筐体5の背面のうち右背面部52で閉塞されていない左側部分は、支持部8の第1支持板部86及び第2支持板部87を第1支持板部86の面方向に沿って挿通可能な挿通開口部55を構成している。ここで、右背面部52と挿通開口部55とにより、本発明の第2面部が構成されている。
【0022】
支持部8は、樹脂により形成されており、図3にも示すように、支持板保持部81を備える。この支持板保持部81は、背面左側に位置する略円筒状のファン配置部82と、このファン配置部82から右側に向けて略平板状に延びる中央平面部83とを備える。
ファン配置部82の背面側の開口部は、蓋部84により閉塞されている。そして、ファン配置部82及び蓋部84は、電源筐体5内の空気を外部に排出する排気部85を構成している。すなわち、図3に示すように、排気部85の左側面には、排気部85内部と外部とを連通する排気口851が開口形成されている。また、排気部85内には、電源筐体5内の空気を吸い込んで排気口851を介して外部に排出するシロッコファン10が設けられている。
また、中央平面部83には、前面側に延びる略板状の第1支持板部86と、この第1支持板部86と対向するように延びる略板状の第2支持板部87とを備える。
そして、電源筐体5と支持部8とで形成された略長方形筒状の左面は、樹脂製の左面部56により閉塞されている。
このように、金属製の筐体基部51の内面に設けられた絶縁シート53と、それぞれ樹脂製の右背面部52、左面部56、及び支持部8とにより囲まれる空間に、電源コネクター9を介して供給された電力を外部に供給する電力供給部6が配置されている。
【0023】
次に、電源装置4の詳細構成について、図4、図5、及び図6を参照して説明する。
筐体基部51の上面部512の左右方向略中央には、図4に示すように、前面部511側に向けて矩形状に切り欠かれた切欠部514が設けられている。この切欠部514は、第1支持板部86の平面形状(上面視の形状)に対応する形状に形成されている。また、前面部511の内面側には、絶縁シート53を間に挟んで、電力供給部6の電源基板60が取り付けられている。
この電源基板60の一面には、図5に示すように、電源筐体5の背面側に向けて略板状に延びる放熱板61が設けられている。そして、この放熱板61の上面には、6個の電子部品62が、前後方向に並んで配置されている。
ここで、6個の電子部品62のうち、右から3番目の電子部品62は、温度検出部7での温度検出の対象である検出対象部品620であり、他の電子部品62は、右から順に、温度検出の対象で無い検出非対象部品621,622,623,624,625である。
【0024】
また、図4及び図6に示すように、支持部8を構成する第1支持板部86は、中央平面部83の上端側から前面側に向けて延びるように設けられている。一方、第2支持板部87は、この第1支持板部86の下側において、第1支持板部86と略平行に延びるように設けられている。
【0025】
第1支持板部86は、長方形板状の支持板中央部861を備える。この支持板中央部861における左右方向略中央よりも若干左側には、嵌合開口部862が開口形成されている。また、支持板中央部861の右端には、右斜め下方向に延びる右傾斜部863が設けられ、左端には、左斜め下方向に延びる左傾斜部864が設けられている。さらに、右傾斜部863の延出方向先端には、右側に開口する断面略コ字状の右取付案内部865が設けられ、左傾斜部864の延出方向先端には、左側に開口する断面略コ字状の左取付案内部866が設けられている。
なお、右取付案内部865及び左取付案内部866の略コ字状をそれぞれ構成する上下の板状部分は、前後方向の長さ寸法が、支持板中央部861、右傾斜部863、及び左傾斜部864の長さ寸法よりも大きく設定されている。
【0026】
第2支持板部87は、支持板中央部861の下方に設けられている。この第2支持板部87の前後方向の長さ寸法は、右取付案内部865及び左取付案内部866と略等しく設定され、左右方向の長さ寸法は、支持板中央部861よりも若干小さく設定されている。
【0027】
温度検出部7は、サーミスタ基板71と、このサーミスタ基板71の下面に設けられたサーミスタ72とを備える。そして、温度検出部7は、サーミスタ基板71が支持板中央部861の上面に配置され、かつ、サーミスタ72が嵌合開口部862に嵌め込まれることで、支持部8に支持されている。
【0028】
そして、第1支持板部86及び第2支持板部87が設けられた支持部8を、絶縁シート53及び電力供給部6が設けられた電源筐体5に取り付ける際には、右取付案内部865及び左取付案内部866の略コ字状で囲まれた空間に切欠部514の縁を挟み込み、支持部8を第1支持板部86の面方向に沿って案内する。そして、右傾斜部863及び左傾斜部864の前面側端部が、切欠部514から露出する絶縁シート53に当接したら、図示しないねじで支持部8を電源筐体5に固定する。
【0029】
この電源筐体5と支持部8との固定により、電源筐体5には、図6に示すように、吸気口54から(図6中右側から)電源筐体5内に導入された空気を、電源基板60、電子部品62を冷却するように導き、排気口851から(図6中左側から)排出するための主流路Cmが形成される。この主流路Cmの上端は、絶縁シート53、右取付案内部865、第2支持板部87、左取付案内部866、及び絶縁シート53により規定され、下端は、放熱板61により規定されている。
【0030】
また、電源筐体5には、主流路Cmにおける検出対象部品620に対向する位置から上側に分岐する副流路Csが形成される。この副流路Csの上端は、第1支持板部86により規定され、下端は、第2支持板部87により規定され、背面側は中央平面部83で規定されている。そして、副流路Csにおける右端は、主流路Cmを流れる空気の一部を副流路Cs内に導くための副流路空気導入部Caとして機能し、左端は、温度検出部7で温度が検出された後の空気を検出非対象部品624に対向する位置に導く、すなわち主流路Cmに再度導く副流路空気導出部Cdとして機能する。この副流路空気導出部Cdは、副流路空気導入部Caよりも小さく形成されている。
【0031】
また、絶縁シート53は、切欠部514の縁部、すなわち上面部512における右取付案内部865内及び左取付案内部866内でそれぞれ挟まれる端部まで設けられる。このように、絶縁シート53を設けることで、右取付案内部865及び左取付案内部866の下方に位置する電子部品62と、金属製の上面部512との絶縁距離が長くなり、電子部品62の絶縁破壊を防止できる。
【0032】
〔温度検出部による検出対象部品の温度検出〕
次に、温度検出部7による検出対象部品620の温度検出について、図6を参照して説明する。
電源装置4による電力供給中には、電源基板60や電子部品62に電流が流れるため、これらの温度が上昇する。制御装置は、シロッコファン10を駆動させ、電源筐体5内に電源基板60や電子部品62を冷却するための空気を導入する。
【0033】
この導入された空気(導入空気A0)は、図6に示すように、主流路Cmに配置された検出非対象部品621,622、検出対象部品620に順次接触する。この接触により、検出非対象部品621,622、検出対象部品620が冷却される。一方で、検出対象部品620に接触した直後の被加温空気A1(検出対象部品620を介した被加温空気A1)の温度は、検出対象部品620の冷却前の温度とほぼ等しくなる。
そして、被加温空気A1は、検出対象部品620に対向する位置に設けられた主流路Cmと副流路Csとの分岐点付近に到達すると、主流路Cmを流れる主被加温空気A11と、副流路空気導入部Caから副流路Cs内に取り込まれる副被加温空気A12とに分かれる。
【0034】
この後、副被加温空気A12から分かれた主被加温空気A11は、主流路Cm内の検出非対象部品623に接触する。
一方、副被加温空気A12は、副流路Csを辿った後、副流路空気導出部Cdを介して主流路Cm内に再度導かれる。すなわち、副被加温空気A12は、副流路Cs外に導かれる。
この際、副流路Cs内に露出しているサーミスタ72により、副被加温空気A12の温度が検出され、この検出結果は、サーミスタ基板71を介して制御装置へ出力される。制御装置は、この検出結果に基づいて、シロッコファン10の回転数を制御する。例えば、制御装置は、サーミスタ72での検出結果に基づき、検出対象部品620を更に冷却する必要があると判断すると、シロッコファン10の回転数を上げる。
また、サーミスタ72での温度検出後に主流路Cm内に導かれる温度検出後空気A13は、主被加温空気A11と混ざった後に検出非対象部品624,625に接触することでこれらを冷却し、排出空気A2として排気口851から電源筐体5外に排出される。
【0035】
上述した本実施形態によれば、以下の効果がある。
本実施形態では、複数の電子部品62が設けられた電源筐体5内に、空気を導く主流路Cmを設けるとともに、検出対象部品620の温度を検出する温度検出部7を、支持部8で支持させている。そして、支持部8に、主流路Cmの検出対象部品620を介した空気の一部を取り込む副流路Csを形成している。
このことにより、検出対象部品620の熱で温められた副被加温空気A12を副流路Cs内に取り込み、当該副被加温空気A12の温度を温度検出部7により検出することで、検出対象部品620のみの温度を適切に検出できる。さらには、検出対象部品620の近傍に温度検出部7を配置していないので、温度検出部7の絶縁破壊を防止できる。
【0036】
また、温度検出部7で温度が検出された後の温度検出後空気A13を、副流路空気導出部Cdにより副流路Cs外部に導いている。
このことにより、温度検出後空気A13と、新たに副流路Cs内に導かれる副被加温空気A12とが副流路Cs内で混ざることを防止でき、検出対象部品620の温度を適切に検出できる。
【0037】
さらに、副流路空気導出部Cdは、温度検出後空気A13を主流路Cmに再度導いている。
このことにより、主流路の空気の量を増やすことができ、検出非対象部品624の冷却効率を向上できる。
【0038】
また、支持部8の支持板保持部81と第1支持板部86と第2支持板部87とで挟まれた空間により、副流路Csを構成しているため、簡単な構成で副流路Csを設けることができる。
【0039】
また、電源筐体5に、第1支持板部86の平面形状に対応する形状の切欠部514と、第1支持板部86及び第2支持板部87を第1支持板部86の面方向に沿って挿通可能な挿通開口部55とを設けている。そして、第1支持板部86に、右取付案内部865及び左取付案内部866を設けている。
このことにより、右取付案内部865及び左取付案内部866の略コ字状で囲まれた空間に切欠部514の縁を挟み込み、支持部8を第1支持板部86の面方向に沿って案内するだけの簡単な方法で、支持部8を電源筐体5に取り付けることができる。また、温度検出部7を支持する第1支持板部86に、右取付案内部865及び左取付案内部866を設けているため、部品点数の増加を抑制できる。
【0040】
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
前記実施形態では、温度検出後空気A13を副流路Csの外部に導くための副流路空気導出部Cdを設けていたが、これに限らず、第2支持板部87の左傾斜部864側の端部を左傾斜部864に連結させて副流路空気導出部Cdを設けなくても構わない。
また、前記実施形態では、副流路空気導出部Cdにより温度検出後空気A13を主流路Cmに再度導いていたが、これに限らず、電源筐体5外部に導いても構わない。
さらに、第1支持板部86と第2支持板部87との間に形成された空間を副流路Csとしたが、これに限らず、主流路Cm上に管状の部材を設け、当該部材の内部空間を副流路Csとしても構わない。
そして、右取付案内部865及び左取付案内部866を設けずに、支持部8と電源筐体5とをねじで固定しても構わない。
【0041】
前記実施形態では、本発明の電子機器として電源装置4を説明したが、これに限らず、例えば、パーソナルコンピューター、テレビ等の電源装置以外の電子機器としても構わない。
また、電源装置4は、プロジェクター1に用いられるものに限らず、パーソナルコンピューター、テレビ等に用いられるものであっても構わない。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明は、温度検出対象の電子部品の温度を適切に検出可能なため、電子機器やプロジェクターに利用できる。
【符号の説明】
【0043】
1…プロジェクター、4…電源装置(電子機器)、6…電力供給部、7…温度検出部、8…支持部、9…電源コネクター、31…光源装置、36…光変調装置、39…投射レンズ(投射光学装置)、51…電源筐体(機器筐体)、52…右背面部(第2面部)、55…挿通開口部(第2面部)、62…電子部品、81…支持板保持部、86…第1支持板部、87…第2支持板部、512…上面部(第1面部)、514…切欠部、865…右取付案内部、866…左取付案内部、Cd…副流路空気導出部、Cm…主流路、Cs…副流路。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器筐体と、
前記機器筐体内に設けられた複数の電子部品と、
前記複数の電子部品のうち温度検出対象の電子部品の温度を検出する温度検出部と、
前記温度検出部を支持する支持部とを備え、
前記機器筐体内には、前記複数の電子部品を冷却するように空気を導く主流路が形成され、
前記支持部には、前記主流路の前記温度検出対象の電子部品を介した空気の一部を取り込む副流路が形成されている
ことを特徴とする電子機器。
【請求項2】
請求項1に記載の電子機器において、
前記支持部には、前記温度検出部で温度が検出された後の空気を、前記副流路の外部へ導く副流路空気導出部が設けられている
ことを特徴とする電子機器。
【請求項3】
請求項2に記載の電子機器において、
前記副流路空気導出部は、前記温度検出部で温度が検出された後の空気を前記主流路に再度導く
ことを特徴とする電子機器。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれかに記載の電子機器において、
前記支持部は、前記温度検出部を支持する第1支持板部と、前記第1支持板部と対向する第2支持板部と、前記第1支持板部と前記第2支持板部とを保持する支持板保持部とを備え、
前記副流路は、前記第1支持板部と前記第2支持板部と前記支持板保持部とで囲まれた空間により構成されている
ことを特徴とする電子機器。
【請求項5】
請求項4に記載の電子機器において、
前記機器筐体には、互いに略直交する第1面部及び第2面部が設けられ、
前記第1面部には、前記第1支持板部の平面形状に対応する形状の切欠部が設けられ、
前記第2面部には、前記第1支持板部及び前記第2支持板部を前記第1支持板部の面方向に沿って挿通可能な挿通開口部が設けられ、
前記第1支持板部における当該第1支持板部の挿通方向と平行な両側縁には、前記切欠部の縁との係合により前記支持部を前記挿通方向に案内して、前記支持部を前記機器筐体に取り付ける取付案内部が設けられている
ことを特徴とする電子機器。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれかに記載の電子機器において、
電源コネクターを介して供給された電力を外部に供給する電力供給部を備え、
前記複数の電子部品は、前記電力供給部に設けられ、
当該電子機器は、電源装置である
ことを特徴とする電子機器。
【請求項7】
光源装置と、前記光源装置から射出された光束を変調する光変調装置と、前記光変調装置にて変調された光束を投射する投射光学装置と、請求項6に記載された電子機器とを備えた
ことを特徴とするプロジェクター。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−243881(P2012−243881A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−110907(P2011−110907)
【出願日】平成23年5月18日(2011.5.18)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】