説明

電子機器、挟持体保持部材、及び、挟持体

【課題】被挟持体を挟持した場合であっても、筐体構成部材を他の筐体構成部材から離隔しようとする過大な力が働くことを防止することが可能な電子機器を提供すること。
【解決手段】電子機器100は、筐体を備える電子機器である。上記筐体は、複数の筐体構成部材101,102,103により構成される。電子機器100は、上記筐体の内部において、複数の筐体構成部材101,102,103の1つである挟持体保持部材101により保持された第1の挟持体110と、挟持体保持部材101により保持された第2の挟持体120、又は、挟持体保持部材101と、の間に被挟持体130を挟持するように構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、筐体を備える電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
筐体を備える電子機器が知られている。この種の電子機器の一つとして、特許文献1に記載の電子機器において、筐体は、複数の筐体構成部材により構成される。この電子機器は、筐体の内部において、第1の筐体構成部材としてのフロントケースと、第2の筐体構成部材としてのリアケースと、の間に、被挟持体としてのカメラを挟持する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−32271号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
また、図1乃至図3に示したように、第1の筐体構成部材としてのフロントケース91により保持された基板91aと、第2の筐体構成部材としてのリアケース92により保持された金属製プレート92aと、の間に、被挟持体を挟持するように、電子機器90を構成する場合がある。ここで、被挟持体は、カメラ95、レシーバ94、及び、接点バネ93a,93bである。
【0005】
なお、図1は、電子機器90の斜視図である。また、図2は、電子機器90の分解斜視図である。また、図3は、図1のIII−III線により電子機器90を切断した断面図である。
【0006】
更に、この電子機器90は、フロントケース91に配設されたパッキン91bを備える。電子機器90は、パッキン91bが、フロントケース91と金属製プレート92aとにより押圧されるように構成されることにより、筐体の内部を防水するように構成される。また、電子機器90は、両面粘着テープ91dによってフロントケース91に接着されたスクリーン91cを備える。
【0007】
加えて、電子機器90は、リアケース92に形成された爪92cを、フロントケース91に形成された溝91eに嵌合させることにより、フロントケース91とリアケース92とを固定する。更に、電子機器90は、金属製プレート92aに接着された加飾パネル92bを備える。
【0008】
ところで、上記電子機器90においては、被挟持体を挟持する力の反作用により生じる力が、第1の筐体構成部材と第2の筐体構成部材とを離隔させるように働く。
具体的には、図3に示したように、被挟持体を挟持する第1の挟持体としての基板91aは、フロントケース91によって保持され、且つ、第2の挟持体としての金属製プレート92aは、リアケース92によって保持されている。
【0009】
従って、被挟持体を挟持する力の反作用により生じる力は、フロントケース91を図3における下方向へ押圧するとともに、金属製プレート92aを介してリアケース92を図3における上方向へ押圧するように働く。これにより、パッキン91bと金属製プレート92aとの間に隙間が生じ、その結果、筐体の内部を防水することができない虞があった。
【0010】
また、図4に示したように、パッキンに代えて、金属製プレート92aとフロントケース91とを接着する両面粘着テープ92dを用いるとともに、フロントケース91とリアケース92とを嵌合させないことにより、筐体の内部を防水しながら、電子機器90を小型化することが好適であると考えられる。
【0011】
このように電子機器90が構成された場合、特に、被挟持体を挟持する力の反作用により生じる力によって第1の筐体構成部材と第2の筐体構成部材とが離隔しやすい。従って、この場合、上述した問題がより一層顕著に現れる。
【0012】
このように、上記電子機器においては、被挟持体を挟持した場合、筐体構成部材を他の筐体構成部材から離隔しようとする過大な力が働いてしまうという問題があった。
【0013】
このため、本発明の目的は、上述した課題である「被挟持体を挟持した場合、筐体構成部材を他の筐体構成部材から離隔しようとする過大な力が働いてしまうこと」を解決することが可能な電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
かかる目的を達成するため本発明の一形態である電子機器は、筐体を備える電子機器である。
【0015】
更に、上記筐体は、複数の筐体構成部材により構成され、
上記電子機器は、
上記筐体の内部において、上記複数の筐体構成部材の1つである挟持体保持部材により保持された第1の挟持体と、当該挟持体保持部材により保持された第2の挟持体、又は、当該挟持体保持部材と、の間に被挟持体を挟持するように構成される。
【0016】
また、本発明の他の形態である挟持体保持部材は、電子機器の筐体を構成する複数の筐体構成部材の1つである挟持体保持部材である。
【0017】
更に、この挟持体保持部材は、
上記筐体の内部において、第1の挟持体と、第2の挟持体、又は、当該挟持体保持部材と、の間に被挟持体を挟持するように構成される。
【0018】
また、本発明の他の形態である挟持体は、電子機器の筐体の内部に配設された挟持体である。
【0019】
更に、この挟持体は、
上記筐体を構成する複数の筐体構成部材の1つである挟持体保持部材により保持されるように構成され、且つ、当該挟持体保持部材により保持された他の挟持体、又は、当該挟持体保持部材とともに被挟持体を挟持するように構成される。
【発明の効果】
【0020】
本発明は、以上のように構成されることにより、被挟持体を挟持した場合であっても、筐体構成部材を他の筐体構成部材から離隔しようとする過大な力が働くことを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】電子機器の斜視図である。
【図2】電子機器の分解斜視図である。
【図3】図1のIII−III線により電子機器を切断した断面図である。
【図4】電子機器の断面図である。
【図5】本発明の第1実施形態に係る電子機器の斜視図である。
【図6】本発明の第1実施形態に係る電子機器の分解斜視図である。
【図7】図6の金属製プレートの近傍の拡大斜視図である。
【図8】図5及び図7のVIII−VIII線により電子機器を切断した断面図である。
【図9】本発明の第2実施形態に係る電子機器の分解斜視図である。
【図10】図9の金属製プレートの近傍の拡大斜視図である。
【図11】図10のXI−XI線により電子機器を切断した断面図である。
【図12】本発明の第3実施形態に係る電子機器の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明に係る、電子機器、挟持体保持部材、及び、挟持体、の各実施形態について図5〜図12を参照しながら説明する。
【0023】
<第1実施形態>
(構成)
図5乃至図8に示したように、第1実施形態に係る電子機器10は、携帯電話端末である。図5は、電子機器10の斜視図である。図6は、電子機器10の分解斜視図である。図7は、図6の金属製プレート15の近傍の拡大斜視図である。図8は、図5及び図7のVIII−VIII線により電子機器10を切断した断面図である。
【0024】
なお、電子機器10は、スマートフォン、PHS(Personal Handyphone System)、PDA(Personal Data Assistance、Personal Digital Assistant)、カーナビゲーション端末、タブレット端末、パーソナル・コンピュータ、又は、ゲーム端末等であってもよい。
【0025】
図5に示したように、電子機器10は、正面視において長方形状を有する、平板状の筐体を有する。
なお、電子機器10は、2つの筐体を備えていてもよい。この場合、電子機器10は、本発明が、両方の筐体に適用されるように構成されていてもよく、一方の筐体のみに適用されるように構成されていてもよい。例えば、電子機器10は、折り畳み式、又は、スライド式の電子機器であってもよい。
【0026】
電子機器10の筐体は、図6に示したように、フロントケース11と、スクリーンパネル13と、加飾パネル14と、からなる。即ち、フロントケース11、スクリーンパネル13、及び、加飾パネル14は、電子機器10の筐体を構成している。なお、フロントケース11、スクリーンパネル13、及び、加飾パネル14のそれぞれは、筐体構成部材とも呼ばれる。また、フロントケース11は、挟持体保持部材とも呼ばれる。
【0027】
フロントケース11は、電子機器10の筐体の側面(側壁面)を構成する。フロントケース11は、側面構成部材とも呼ばれる。スクリーンパネル13は、電子機器10の筐体の前面を構成する。スクリーンパネル13は、前面構成部材とも呼ばれる。加飾パネル14は、電子機器10の筐体の背面を構成する。加飾パネル14は、背面構成部材とも呼ばれる。
【0028】
図8に示したように、フロントケース11と加飾パネル14とは、両面粘着テープ16により接着されている。同様に、フロントケース11とスクリーンパネル13とは、両面粘着テープ17により接着されている。このような構成により、電子機器10の筐体の内部は、防水される。
【0029】
即ち、電子機器10は、挟持体保持部材としてのフロントケース11と、複数の筐体構成部材のうちの、フロントケース11以外の筐体構成部材(即ち、スクリーンパネル13及び加飾パネル14)のそれぞれと、を両面粘着テープ16,17により接着することにより、筐体の内部を防水するように構成されている、と言うことができる。
【0030】
更に、電子機器10は、図6乃至図8に示したように、基板12と、金属製プレート(第1の挟持体)15と、レシーバ21と、カメラ22と、を備える。
【0031】
基板12は、正面視において長方形状を有する基部12aと、基部12aの長辺方向における一端から伸びる延伸部12bと、を備える。延伸部12bは、基部12aと同一の平面を構成している。延伸部12bは、基部12aの短辺方向における両端のそれぞれに形成されている。
【0032】
基板12は、フロントケース11に固定されている。本例では、基板12は、図示しないネジにより固定されている。基板12は、図6及び図8に示したように、電子機器10の筐体の内部において、スクリーンパネル13及び加飾パネル14のそれぞれと平行に配置される。更に、基板12は、スクリーンパネル13及び加飾パネル14のそれぞれと離隔するように配置される。
【0033】
延伸部12bには、外部へ露出した導体である基板側接点12b1が形成されている。本例では、基板側接点12b1は、図示しないアンテナと接続されている。
【0034】
また、フロントケース11は、被挟持体配設部11aを備える。被挟持体配設部11aは、基板12と同一の平面を構成するように、延伸部12bの間に伸びている。被挟持体配設部11aには、挟持体保持部11bが形成されている。挟持体保持部11bは、被挟持体配設部11aのうちの、フロントケース11の短辺方向における両端のそれぞれに配置されている。挟持体保持部11bは、被挟持体配設部11aに直交する方向へ突出している。挟持体保持部11bには、爪11b1が形成されている。
【0035】
レシーバ21は、被挟持体配設部11aに配設されている。レシーバ21には、緩衝材としてのレシーバ用クッション21aが貼付されている。
カメラ22は、被挟持体配設部11aに配設されている。カメラ22には、緩衝材としてのカメラ用クッション22aが貼付されている。
【0036】
金属製プレート15は、正面視において長方形状を有する基部15aと、基部15aの長辺方向における両端のそれぞれから基部15aに直交する方向へ伸びる脚部15bと、を備える。更に、金属製プレート15は、脚部15bの、基部15aと反対側の端から、基部15aと平行な方向へ伸びるプレート側接点15cを備える。
【0037】
また、金属製プレート15には、基部15aと脚部15bとを連結する部分の、基部15aの短辺方向における中央部にて、切欠き15dが形成されている。
【0038】
金属製プレート15は、爪11b1が切欠き15dに嵌合することにより、フロントケース11に固定される。即ち、金属製プレート15は、フロントケース11によって保持される。
【0039】
金属製プレート15は、フロントケース11に固定された状態において、被挟持体配設部11aとの間に、レシーバ用クッション21aを介してレシーバ21を挟持する。従って、音を発する際に生じるレシーバ21の振動を吸収することができる。
【0040】
同様に、金属製プレート15は、フロントケース11に固定された状態において、被挟持体配設部11aとの間に、カメラ用クッション22aを介してカメラ22を挟持する。従って、カメラ22が備える、レンズユニットと撮像素子との間の位置決めを確実に行うことができる。
【0041】
なお、レシーバ21、及び、カメラ22は、被挟持体を構成している。即ち、電子機器10は、筐体の内部において、フロントケース11により保持された金属製プレート15と、フロントケース11と、の間に、被挟持体を挟持している、と言うことができる。
【0042】
金属製プレート15は、フロントケース11に固定された状態において、プレート側接点15cと基板側接点12b1とが当接する。
【0043】
金属製プレート15は、図8に示したように、フロントケース11に固定された状態において、加飾パネル14と離隔する。
即ち、金属製プレート15は、複数の筐体構成部材のうちの、フロントケース11以外の筐体構成部材(即ち、スクリーンパネル13及び加飾パネル14)と当接していない、と言うことができる。
【0044】
以上、説明したように、本発明の第1実施形態に係る電子機器10によれば、被挟持体(レシーバ21及びカメラ22)を挟持した場合であっても、筐体構成部材を他の筐体構成部材から離隔しようとする過大な力が働くことを防止することができる。その結果、電子機器10の筐体の内部を確実に防水することができる。
【0045】
更に、本発明の第1実施形態に係る電子機器10は、フロントケース11と、スクリーンパネル13及び加飾パネル14のそれぞれと、を両面粘着テープ16,17により接着することにより、筐体の内部を防水するように構成される。
【0046】
これによれば、フロントケースとリアケースとを嵌合させる構造、及び、パッキンを配設する構造を有する電子機器と比較して、電子機器10を小型化することができる。
【0047】
なお、第1実施形態の変形例に係る電子機器10は、被挟持体として接点バネを含んでいてもよい。また、被挟持体は、カメラ及びレシーバの一方のみであってもよい。
また、第1実施形態の他の変形例に係る電子機器10は、両面粘着テープに代えて、パッキンによって筐体の内部を防水するように構成されていてもよい。
【0048】
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態に係る電子機器について説明する。第2実施形態に係る電子機器は、上記第1実施形態に係る電子機器に対して、第1の挟持体としての金属製プレートと、第2の挟持体としての基板と、の間に被挟持体を挟持するように構成されている点において相違している。従って、以下、かかる相違点を中心として説明する。
【0049】
第2実施形態に係る電子機器10は、図9乃至図11に示したように、基板(第2の挟持体)12と、金属製プレート(第1の挟持体)15と、レシーバ21と、カメラ22と、を備える。図9は、電子機器10の分解斜視図である。図10は、図9の金属製プレート15の近傍の拡大斜視図である。図11は、図10のXI−XI線により電子機器10を切断した断面図である
【0050】
基板12は、正面視において長方形状を有する。基板12は、フロントケース11に固定されている。本例では、基板12は、図示しないネジにより固定されている。基板12は、図9及び図11に示したように、電子機器10の筐体の内部において、スクリーンパネル13及び加飾パネル14のそれぞれと平行に配置される。
【0051】
更に、基板12は、スクリーンパネル13及び加飾パネル14のそれぞれと離隔するように配置される。即ち、基板12は、複数の筐体構成部材のうちの、フロントケース11以外の筐体構成部材(即ち、スクリーンパネル13及び加飾パネル14)と当接していない、と言うことができる。
【0052】
基板12には、基板12の短辺方向に沿った同一の直線上の、互いに離隔する2つの位置にて、外部へ露出した導体である基板側接点12b1が形成されている。本例では、基板側接点12b1は、図示しないアンテナと接続されている。
【0053】
また、フロントケース11は、挟持体保持部11bを備える。挟持体保持部11bは、フロントケース11の内壁面の1つから、基板12の中央へ向かって伸びる、互いに平行な一対の直方体状の部材である。挟持体保持部11bには、爪11b1が形成されている。
【0054】
レシーバ21は、基板12に配設されている。レシーバ21には、緩衝材としてのレシーバ用クッション21aが貼付されている。
カメラ22は、基板12に配設されている。カメラ22には、緩衝材としてのカメラ用クッション22aが貼付されている。
【0055】
金属製プレート15は、正面視において長方形状を有する基部15aと、基部15aの長辺方向における両端のそれぞれから基部15aに直交する方向へ伸びる脚部15bと、を備える。更に、金属製プレート15は、脚部15bの、基部15aと反対側の端から、基部15aと平行な方向へ伸びるプレート側接点15cを備える。
【0056】
また、金属製プレート15には、基部15aと脚部15bとを連結する部分の、基部15aの短辺方向における中央部にて、切欠き15dが形成されている。
【0057】
金属製プレート15は、爪11b1が切欠き15dに嵌合することにより、フロントケース11に固定される。即ち、金属製プレート15は、フロントケース11によって保持される。
【0058】
金属製プレート15は、フロントケース11に固定された状態において、基板12との間に、レシーバ用クッション21aを介してレシーバ21を挟持する。従って、音を発する際に生じるレシーバ21の振動を吸収することができる。
【0059】
同様に、金属製プレート15は、フロントケース11に固定された状態において、基板12との間に、カメラ用クッション22aを介してカメラ22を挟持する。従って、カメラ22が備える、レンズユニットと撮像素子との間の位置決めを確実に行うことができる。
【0060】
なお、レシーバ21、及び、カメラ22は、被挟持体を構成している。即ち、電子機器10は、筐体の内部において、フロントケース11により保持された金属製プレート15と、フロントケース11により保持された基板12と、の間に、被挟持体を挟持している、と言うことができる。
【0061】
金属製プレート15は、フロントケース11に固定された状態において、プレート側接点15cと基板側接点12b1とが当接する。
【0062】
金属製プレート15は、図11に示したように、フロントケース11に固定された状態において、加飾パネル14と離隔する。
即ち、金属製プレート15は、複数の筐体構成部材のうちの、フロントケース11以外の筐体構成部材(即ち、スクリーンパネル13及び加飾パネル14)と当接していない、と言うことができる。
【0063】
以上、説明したように、本発明の第2実施形態に係る電子機器10によっても、第1実施形態に係る電子機器10と同様の作用及び効果を奏することができる。
【0064】
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態に係る電子機器について図12を参照しながら説明する。
第3実施形態に係る電子機器100は、筐体を備える電子機器である。
【0065】
更に、上記筐体は、複数の筐体構成部材101,102,103により構成される。
上記電子機器100は、
上記筐体の内部において、上記複数の筐体構成部材101,102,103の1つである挟持体保持部材101により保持された第1の挟持体110と、当該挟持体保持部材101により保持された第2の挟持体120、又は、当該挟持体保持部材101と、の間に被挟持体130を挟持するように構成される。
【0066】
これによれば、被挟持体130を挟持した場合であっても、筐体構成部材101を他の筐体構成部材102,103から離隔しようとする過大な力が働くことを防止することができる。
【0067】
以上、上記実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成及び詳細に、本願発明の範囲内において当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【0068】
また、上記実施形態の他の変形例として、上述した実施形態及び変形例の任意の組み合わせが採用されてもよい。
【0069】
<付記>
上記実施形態の一部又は全部は、以下の付記のように記載され得るが、以下には限られない。
【0070】
(付記1)
筐体を備える電子機器であって、
前記筐体は、複数の筐体構成部材により構成され、
前記電子機器は、
前記筐体の内部において、前記複数の筐体構成部材の1つである挟持体保持部材により保持された第1の挟持体と、当該挟持体保持部材により保持された第2の挟持体、又は、当該挟持体保持部材と、の間に被挟持体を挟持するように構成された電子機器。
【0071】
これによれば、被挟持体を挟持した場合であっても、筐体構成部材を他の筐体構成部材から離隔しようとする過大な力が働くことを防止することができる。
【0072】
(付記2)
付記1に記載の電子機器であって、
前記第1の挟持体は、前記複数の筐体構成部材のうちの、前記挟持体保持部材以外の筐体構成部材と当接しないように構成された電子機器。
【0073】
これによれば、被挟持体を挟持した場合であっても、筐体構成部材を他の筐体構成部材から離隔しようとする過大な力が働くことを、より一層確実に防止することができる。
【0074】
(付記3)
付記2に記載の電子機器であって、
前記電子機器は、前記筐体の内部において、前記第1の挟持体と前記第2の挟持体との間に前記被挟持体を挟持するように構成され、
前記第2の挟持体は、前記複数の筐体構成部材のうちの、前記挟持体保持部材以外の筐体構成部材と当接しないように構成された電子機器。
【0075】
(付記4)
付記3に記載の電子機器であって、
前記第1の挟持体は、金属製プレートであり、
前記第2の挟持体は、基板であり、
前記金属製プレートは、前記基板に形成され且つ外部へ露出した導体である基板側接点と当接するように構成された電子機器。
【0076】
これによれば、被挟持体を挟持するとともに、金属製プレートと基板側接点とを電気的に接続することができる。
【0077】
(付記5)
付記1乃至付記4のいずれかに記載の電子機器であって、
前記筐体は、当該筐体の内部を防水するように構成された電子機器。
【0078】
ところで、筐体の内部を防水するように構成された電子機器において、筐体構成部材を他の筐体構成部材から離隔しようとする過大な力が働くと、筐体の内部を防水することができない虞がある。これに対し、上記構成によれば、筐体の内部を確実に防水することができる。
【0079】
(付記6)
付記1乃至付記5のいずれかに記載の電子機器であって、
前記挟持体保持部材と、前記複数の筐体構成部材のうちの、当該挟持体保持部材以外の筐体構成部材と、を両面粘着テープにより接着することにより、前記筐体の内部を防水するように構成された電子機器。
【0080】
ところで、両面粘着テープによって筐体の内部を防水するように構成された電子機器において、筐体構成部材を他の筐体構成部材から離隔しようとする過大な力が働くと、筐体の内部を防水することができない可能性が比較的高い。これに対し、上記構成によれば、筐体の内部を確実に防水することができる。
【0081】
更に、上記構成によれば、フロントケースとリアケースとを嵌合させる構造、及び、パッキンを配設する構造を有する電子機器と比較して、電子機器を小型化することができる。
【0082】
(付記7)
付記1乃至付記6のいずれかに記載の電子機器であって、
前記被挟持体は、カメラ、レシーバ、及び、接点バネ、の少なくとも1つを含む電子機器。
【0083】
カメラは、レンズユニットと撮像素子との間の位置決めを確実に行う必要があるため、挟持されることにより固定されることが好適である。また、レシーバは、音を発する際に生じる振動を吸収するため、緩衝材(クッション)を介して挟持されることにより固定されることが好適である。また、接点バネは、第1の挟持体と第2の挟持体とを電気的に接続するため、両者に挟持されることにより固定されることが好適である。従って、上記のように電子機器が構成されることが好適である。
【0084】
(付記8)
付記1乃至付記7のいずれかに記載の電子機器であって、
前記第1の挟持体は、金属製プレートである電子機器。
【0085】
(付記9)
付記1乃至付記8のいずれかに記載の電子機器であって、
前記第2の挟持体は、基板である電子機器。
【0086】
(付記10)
付記1乃至付記9のいずれかに記載の電子機器であって、
前記複数の筐体構成部材は、前記筐体の背面を構成する背面構成部材と、当該筐体の前面を構成する前面構成部材と、当該筐体の側面を構成する側面構成部材と、を含み、
前記挟持体保持部材は、前記側面構成部材である電子機器。
【0087】
(付記11)
電子機器の筐体を構成する複数の筐体構成部材の1つである挟持体保持部材であって、
前記筐体の内部において、第1の挟持体と、第2の挟持体、又は、当該挟持体保持部材と、の間に被挟持体を挟持するように構成された挟持体保持部材。
【0088】
(付記12)
付記11に記載の挟持体保持部材であって、
前記第1の挟持体を、前記複数の筐体構成部材のうちの、前記挟持体保持部材以外の筐体構成部材と当接させないように構成された挟持体保持部材。
【0089】
(付記13)
電子機器の筐体の内部に配設された挟持体であって、
前記筐体を構成する複数の筐体構成部材の1つである挟持体保持部材により保持されるように構成され、且つ、当該挟持体保持部材により保持された他の挟持体、又は、当該挟持体保持部材とともに被挟持体を挟持するように構成された挟持体。
【0090】
(付記14)
付記13に記載の挟持体であって、
前記複数の筐体構成部材のうちの、前記挟持体保持部材以外の筐体構成部材と当接しないように構成された挟持体。
【産業上の利用可能性】
【0091】
本発明は、筐体を備える電子機器等に適用可能である。
【符号の説明】
【0092】
90 電子機器
91 フロントケース
91a 基板
91b パッキン
91c スクリーン
91d 両面粘着テープ
91e 溝
92 リアケース
92a 金属製プレート
92b 加飾パネル
92c 爪
92d 両面粘着テープ
93a,93b 接点バネ
94 レシーバ
95 カメラ
10 電子機器
11 フロントケース
11a 被挟持体配設部
11b 挟持体保持部
11b1 爪
12 基板
12a 基部
12b 延伸部
12b1 基板側接点
13 スクリーンパネル
14 加飾パネル
15 金属製プレート
15a 基部
15b 脚部
15c プレート側接点
16,17 両面粘着テープ
21 レシーバ
21a レシーバ用クッション
22 カメラ
22a カメラ用クッション
100 電子機器
101 挟持体保持部材
101,102,103 筐体構成部材
110 第1の挟持体
120 第2の挟持体
130 被挟持体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体を備える電子機器であって、
前記筐体は、複数の筐体構成部材により構成され、
前記電子機器は、
前記筐体の内部において、前記複数の筐体構成部材の1つである挟持体保持部材により保持された第1の挟持体と、当該挟持体保持部材により保持された第2の挟持体、又は、当該挟持体保持部材と、の間に被挟持体を挟持するように構成された電子機器。
【請求項2】
請求項1に記載の電子機器であって、
前記第1の挟持体は、前記複数の筐体構成部材のうちの、前記挟持体保持部材以外の筐体構成部材と当接しないように構成された電子機器。
【請求項3】
請求項2に記載の電子機器であって、
前記電子機器は、前記筐体の内部において、前記第1の挟持体と前記第2の挟持体との間に前記被挟持体を挟持するように構成され、
前記第2の挟持体は、前記複数の筐体構成部材のうちの、前記挟持体保持部材以外の筐体構成部材と当接しないように構成された電子機器。
【請求項4】
請求項3に記載の電子機器であって、
前記第1の挟持体は、金属製プレートであり、
前記第2の挟持体は、基板であり、
前記金属製プレートは、前記基板に形成され且つ外部へ露出した導体である基板側接点と当接するように構成された電子機器。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の電子機器であって、
前記筐体は、当該筐体の内部を防水するように構成された電子機器。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の電子機器であって、
前記挟持体保持部材と、前記複数の筐体構成部材のうちの、当該挟持体保持部材以外の筐体構成部材と、を両面粘着テープにより接着することにより、前記筐体の内部を防水するように構成された電子機器。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の電子機器であって、
前記被挟持体は、カメラ、レシーバ、及び、接点バネ、の少なくとも1つを含む電子機器。
【請求項8】
請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の電子機器であって、
前記第1の挟持体は、金属製プレートである電子機器。
【請求項9】
電子機器の筐体を構成する複数の筐体構成部材の1つである挟持体保持部材であって、
前記筐体の内部において、第1の挟持体と、第2の挟持体、又は、当該挟持体保持部材と、の間に被挟持体を挟持するように構成された挟持体保持部材。
【請求項10】
電子機器の筐体の内部に配設された挟持体であって、
前記筐体を構成する複数の筐体構成部材の1つである挟持体保持部材により保持されるように構成され、且つ、当該挟持体保持部材により保持された他の挟持体、又は、当該挟持体保持部材とともに被挟持体を挟持するように構成された挟持体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−74557(P2013−74557A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−213674(P2011−213674)
【出願日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【出願人】(310006855)NECカシオモバイルコミュニケーションズ株式会社 (1,081)
【出願人】(000197366)NECアクセステクニカ株式会社 (1,236)
【Fターム(参考)】