電子機器およびキー制御方法
【課題】 多方向入力キーの略中央に設けられた決定キーへの誤入力を回避することが可能となる。
【解決手段】
本発明の電子機器100は、多方向入力キーとしての十字キー216aと、多方向入力キーの略中央に配される決定キーとしての第1決定キー216bと、ユーザによる多方向入力キーおよび決定キーそれぞれの、押下時から反応するまでの時間である反応時間を制御する反応制御部230と、を備え、反応制御部は、多方向入力キーの反応時間と決定キーの反応時間を異ならせることを特徴としている。
【解決手段】
本発明の電子機器100は、多方向入力キーとしての十字キー216aと、多方向入力キーの略中央に配される決定キーとしての第1決定キー216bと、ユーザによる多方向入力キーおよび決定キーそれぞれの、押下時から反応するまでの時間である反応時間を制御する反応制御部230と、を備え、反応制御部は、多方向入力キーの反応時間と決定キーの反応時間を異ならせることを特徴としている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のキーを有する電子機器およびキー制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話やPHS(Personal Handy phone System)、PDA(Personal Digital Assistant)などに代表される電子機器は、小型化および軽量化に加えて高機能化が進んでいる。その結果、通話やメールといった通信関連の機能のみでなく、カメラ、音楽再生、テレビジョンなど、コンピュータに劣らないほどの機能が取り込まれてきている。
【0003】
このような電子機器の高機能化に伴って、様々なタスク(アプリケーション)を快適に使用するために、表示領域の大画面化の要請がある。しかし、大画面化と小型化という相反する要請から、大画面化すれば操作部のための面積が減少し、同じ操作キーにいくつもの機能を兼用させたり、メニューの階層が深くなったりしており、ユーザにとって操作が不明瞭化または煩雑化する傾向にある。
【0004】
そこで、携帯端末装置に実装された複数の機能の中から、任意の機能を選択し、かかる選択された機能を1のキーに変更可能に割り当てることで、ユーザが所望する例えば頻繁に使用する機能を簡単なキー操作で行うことができる技術が開示されている(例えば、特許文献1)。
【特許文献1】特開平9−18945号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、昨今、電子機器では、表示部に表示されたアプリケーションのGUI(Graphical User Interface)におけるカーソルの移動に適していること、また、メニュー等における階層間移動と階層の上下移動との区別に適していることから、操作部に十字キー等の多方向入力キーが含まれ、さらに、多方向入力キーの略中央に決定キーが配される構成が広く採用されている。
【0006】
ここで、決定キーとは、ユーザによるテンキーの押下入力に応じて文字を入力する際の確定指示として機能したり、アプリケーションの操作における承認動作や実行指示として機能したり、任意の相手に対して電話する際の発信指示として機能したりするキーのことである。かかる決定キーは、様々な機能の認証に用いられ、最も利用頻度が高いキーの1つであるといえる。
【0007】
しかし、上記多方向入力キーの略中央に決定キーが配される構成では、多方向入力キーの押し間違えにより、ユーザの意に反して決定キーが押下(誤入力)されてしまうことがある。かかる決定キーの誤入力によって、選択のためカーソルを移動している途中の、ユーザが意図しない機能が遂行されたり、意図せず機能が終了してしまったりしていた。
【0008】
そこで、本発明は、このような問題に鑑み、多方向入力キーの略中央に設けられた決定キーへの誤入力を回避することが可能な電子機器およびキー制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明にかかる電子機器の代表的な構成は、多方向入力キーと、多方向入力キーの略中央に配される決定キーと、ユーザによる多方向入力キーおよび決定キーそれぞれの、押下時から反応するまでの時間である反応時間を制御する反応制御部と、を備え、反応制御部は、多方向入力キーの反応時間と決定キーの反応時間を異ならせることを特徴とする。上記反応制御部は、決定キーの反応時間を多方向入力キーの反応時間よりも長くしてもよい。
【0010】
多方向入力キーの反応時間と決定キーの反応時間を異ならせる、すなわち決定キーの反応時間を多方向入力キーの反応時間よりも長くすることにより、多方向入力キーを押し間違えたことに起因する決定キーへの誤入力を回避することが可能となる。
【0011】
上記課題を解決するために、本発明にかかる電子機器の他の代表的な構成は、多方向入力キーと、多方向入力キーの略中央に配される第1決定キーと、ユーザ入力に応じて第1決定キーの機能を、多方向入力キー以外の他のキーに割り当てるキー割当部と、を備えることを特徴とする。
【0012】
第1決定キーを多方向入力キーの略中央から離隔する上記構成により、多方向入力キーとそのキーに隣接する第1決定キーとを押し間違えたことに起因する第1決定キーへの誤入力を回避することができる。また、経年劣化により第1決定キーの反応が変化した場合、他のキーに割り当てることができるので、ユーザの使い勝手を向上させることが可能となる。
【0013】
上記キー割当部は、第1決定キーの機能を他のキーに割り当てる際に、当該第1決定キーを無効にしてもよい。
【0014】
これにより、多方向入力キーとそのキーに隣接する第1決定キーとを押し間違えたことに起因する第1決定キーへの誤入力を確実に回避することが可能となる。
【0015】
上記キー割当部は、第1決定キーの機能を割り当てるキーを、アプリケーションごとに変更してもよい。アプリケーションによっては、各キーの使用頻度が異なり、使用頻度が少ないキー、即ち、第1決定キーとして割り当ててもよいキーが異なる場合がある。したがって、キー割当部がアプリケーションに応じて、第1決定キーを、かかる使用しないキーに割り当てればキーの有効活用を図ることができる。
【0016】
当該電子機器は、第2決定キーをさらに備え、キー割当部は第2決定キーに第1決定キーの機能を割り当ててもよい。これにより、多方向入力キーとそのキーに隣接する第1決定キーとを押し間違えたことに起因する第1決定キーへの誤入力を確実に回避することが可能となる。
【0017】
上記課題を解決するために、本発明にかかる代表的な構成は、多方向入力キーと、当該多方向入力キーの略中央に配される決定キーとを備える電子機器を用いたキー制御方法であって、ユーザによる多方向入力キーの押下時から反応するまでの反応時間と決定キーの押下時から反応するまでの時間である反応時間を異ならせることを特徴とする。
【0018】
上記課題を解決するために、本発明にかかる他の代表的な構成は、多方向入力キーと、当該多方向入力キーの略中央に配される第1決定キーとを備える電子機器を用いたキー制御方法であって、ユーザ入力に応じて第1決定キーの機能を、多方向入力キー以外の他のキーに割り当てることを特徴とする。
【0019】
上述した電子機器の技術的思想に基づく構成要素やその説明は、当該キー制御方法にも適用可能である。
【発明の効果】
【0020】
以上説明したように本発明の電子機器およびキー制御方法によれば、多方向入力キーの略中央に設けられた決定キーへの誤入力を回避することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値などは、発明の理解を容易とするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0022】
(第1の実施形態:電子機器100)
図1は、本実施形態にかかる電子機器の概略的な構成を説明するための外観図であり、図2は、電子機器のハードウェア構成を示したブロック図であり、図3は、操作部の回路図である。上記電子機器100は、PHS、携帯電話、PDA、ゲーム機、カーナビゲーション等多方向入力キーおよびかかる多方向入力キーの略中央に決定キーを有する様々な電子機器で構成することができる。本実施形態では理解を容易にするため、特に電子機器100としてPHSを挙げている。
【0023】
図1および図2に示すように、電子機器100は、端末制御部210と、メモリ212と、表示部214と、操作部216と、音声入力部218と、音声出力部220と、無線通信部222とを含んで構成される。
【0024】
端末制御部210は、中央処理装置(CPU)を含む半導体集積回路により無線通信端末100全体を管理および制御し、メモリ212のプログラムを用いて、通話機能、メール送受信機能、撮像機能、音楽再生機能、TV視聴機能も遂行する。メモリ212は、ROM、RAM、EEPROM、不揮発性RAM、フラッシュメモリ、HDD等で構成され、端末制御部210で処理されるプログラムを記憶する。
【0025】
表示部214は、液晶ディスプレイ、EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等で構成され、メモリ212に記憶された、または通信網104を介してサーバ(図示せず)から提供される、WebコンテンツやアプリケーションのGUI(Graphical User Interface)を表示することができる。
【0026】
操作部216は、多方向入力キーとしての十字キー216a(図3中上下左右の矢印で示す)と、決定キーとしての第1決定キー216b(図3中「決定」で示す)と、テンキー216c(図3中「1」から「0」、「*」および「#」で示す)と、ファンクションキー216d(図3中「通話」、「クリア」、「メール」、「WEB」、「F1」および「F2」で示す)と、サイドキー216e(図3中「サイド」で示す)とを含んで構成され、ユーザの操作入力を受付ける。さらにキーボード、ジョイスティック、タッチパネル等のスイッチを備えることもできる。本実施形態において、第1決定キー216bは、十字キー216aの略中央に配されている。
【0027】
図3の回路では、端末制御部210の5本のOUT端子から電圧が時分割されて印加され、操作部216の各キーは図中行単位でその時分割された電圧を受電する。また、端末制御部210の5本のIN端子では、時分割された各期間における図中列単位の電圧を検出し、印加タイミングと検出タイミングとの関係に基づいて、配列上の全てのキーの押下状態を取得することができる。
【0028】
音声入力部218は、マイク等の音声変換手段で構成され、通話時に入力されたユーザの音声を無線通信端末100内で処理可能な電気信号に変換する。音声出力部220は、スピーカで構成され、無線通信端末100で受信した通話相手の音声信号を音声に変えて出力する。また、音声出力部220は、着信音や、操作部216の操作音、アラーム音等も出力できる。
【0029】
無線通信部222は、例えば、ARIB STD T95やPHS MoU等の次世代PHS通信技術が採用され、OFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiplexing Access:直交周波数分割多元接続)/TDD(Time Division Duplex:時分割双方向伝送方式)/(またはOFDM/TDD)方式に基づいた無線通信方式を通じて基地局102との無線通信を確立し、通信相手との音声通信やWeb情報の取得等のデータ通信を実行する。
【0030】
また、本実施形態において、端末制御部210は、反応制御部230としても機能する。
【0031】
反応制御部230は、ユーザによる十字キー216aおよび第1決定キー216bそれぞれの、押下時から反応するまでの時間である反応時間を制御し、第1決定キー216bの反応時間を十字キー216aの反応時間よりも相対的に長くする。本実施形態においては、十字キー216aの反応時間を維持し、第1決定キー216bの反応時間のみを長くすることで、反応時間の差を実現する。
【0032】
十字キー216aの反応時間と第1決定キー216bの反応時間を異ならせる、すなわち第1決定キー216bの反応時間を十字キー216aの反応時間よりも長くすることにより、十字キー216aを押し間違えたことに起因する第1決定キー216bへの誤入力を回避することが可能となる。
【0033】
上記第1決定キー216bの反応時間は、500〜1000msecに設定する。一般的に、十字キー216aの反応時間は200msec程度であり、意識して所定時間以上押下し続ける長押しは2sec程度である。したがって、第1決定キー216bの反応時間を500〜1000msecとすることで、ユーザに反応時間の遅延を認識させることなく、また、長押しと判断されることもなく、第1決定キー216bへの誤入力を回避することが可能となる。
【0034】
(キー制御方法)
次に、上述した電子機器100を用いたキー制御方法について説明する。図4は、本実施形態にかかる電子機器を用いたキー制御方法の処理の流れを示したフローチャートである。
【0035】
ユーザによる操作部216への押下を受付けると(S300:押下ステップのYES)、当該押下されたキーが第1決定キー216bであるか否かを判定する(S302:キー判定ステップ)。第1決定キー216bであれば(S302のYES)、第1決定キー216b用の反応時間(本実施形態では、500msec)を設定する(S304:決定キー反応時間設定ステップ)。第1決定キー216bでなければ(S302のNO)、通常の反応時間(本実施形態では、200msec)を設定する(S306:通常反応時間設定ステップ)。
【0036】
そして、決定キー反応時間設定ステップS304もしくは通常反応時間設定ステップS306で設定した時間のカウントダウンを開始する(S308:カウントダウン開始ステップ)。ここで、押下ステップS300で押下されたキーが押下されたままであれば(S310:キー解放判定ステップのNO)、カウントが0になるまで待って(S312:カウント終了判定ステップのYES)、押下ステップS300で押下されたキーの検出を行う(S314:キー検出ステップ)。
【0037】
一方、押下ステップS300で入力されたキーが解放された場合(S310:キー解放判定ステップのYES)、キー検出を行わず、次のキー押下を待機する。
【0038】
以上説明したように、本実施形態にかかる電子機器100およびこれを用いたキー制御方法によれば、第1決定キー216bの反応時間を多方向入力キー(十字キー216a)の反応時間よりも長くすることができるため、多方向入力キーの略中央に設けられた第1決定キー216bへの誤入力を回避することが可能となる。
【0039】
(第2の実施形態:電子機器400)
図5は、本実施形態にかかる電子機器のハードウェア構成を示したブロック図である。上記電子機器400は、PHS、携帯電話、PDA、ゲーム機等多方向入力キーおよびかかる多方向入力キーの略中央に決定キーを有する様々な電子機器で構成することができる。本実施形態では理解を容易にするため、上記第1の実施形態と同様に特に電子機器400としてPHSを挙げている。
【0040】
図5に示すように、電子機器400は、端末制御部410と、メモリ212と、表示部214と、操作部216と、音声入力部218と、音声出力部220と、無線通信部222とを含んで構成される。なお、上述した電子機器100と実質的に等しい構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。また、上記電子機器100と電子機器400とは、外観が実質的に等しいため図示を省略し、図1を参照して説明を行う。ここでは、本実施形態の特徴である端末制御部410について詳述する。
【0041】
端末制御部410は、中央処理装置(CPU)を含む半導体集積回路により電子機器400全体を管理および制御し、メモリ212のプログラムを用いて、通話機能、メール送受信機能、音楽再生機能、TV視聴機能も遂行する。本実施形態において、端末制御部410は、キー割当部412としても機能する。
【0042】
キー割当部412は、ユーザ入力に応じて第1決定キー216bの機能を、多方向入力キーとしての十字キー216a以外の他のキー(本実施形態では、サイドキー216e)に割り当てる。
【0043】
第1決定キー216bを十字キー216aの略中央から離隔する上記構成により、十字キー216aとその十字キー216aに隣接する第1決定キー216bとを押し間違えたことに起因する第1決定キー216bへの誤入力を回避することができる。また、経年劣化により第1決定キー216bの反応が変化した場合、他のキーに割り当てることができるので、ユーザの使い勝手を向上させることが可能となる。
【0044】
本実施形態においてキー割当部412は、第1決定キー216bの機能を割り当てる際に、当該第1決定キー216bを無効にする。
【0045】
これにより、十字キー216aとその十字キー216aに隣接する第1決定キー216bとを押し間違えたことに起因する第1決定キー216bへの誤入力を確実に回避することが可能となる。
【0046】
さらに本実施形態において、キー割当部412は、アプリケーションごとに第1決定キー216bの機能を割り当てるキーを変更することもできる。アプリケーションによっては、各キーの使用頻度が異なり、使用頻度が少ないキー、即ち、第1決定キー216bの機能を割り当ててもよいキーが異なる場合がある。したがって、キー割当部412がアプリケーションに応じて、第1決定キー216bの機能を、かかる使用しないキーに割り当てればキーの有効活用を図ることができる。
【0047】
(キー制御方法)
次に、上述した電子機器400を用いたキー制御方法について説明する。図6は、本実施形態にかかる電子機器を用いたキー制御方法の処理の流れを示したフローチャートである。
【0048】
ユーザの操作部616の押下(入力)に応じた、第1決定キー216bの機能の再割当の指示があると(S500:割当指示受付ステップのYES)、キー割当部412は、第1決定キー216bの機能を、多方向入力キーとしての十字キー216a以外の他のキー(本実施形態では、サイドキー216e)に割り当てる(S502:割当実行ステップ)。そして、第1決定キー216bを無効にする(S504:無効化ステップ)。
【0049】
以上説明したように、本実施形態にかかる電子機器400およびこれを用いたキー制御方法によれば、第1決定キー216bの機能を他のキー(本実施形態では、サイドキー216e)に割り当てることができるので、多方向入力キー(十字キー216a)の略中央に設けられた第1決定キー216bへの誤入力を回避することが可能となる。
【0050】
(第3の実施形態:電子機器600)
図7は、本実施形態にかかる電子機器の概略的な構成を説明するための外観図であり、図8は、本実施形態にかかる電子機器のハードウェア構成を示したブロック図である。上記電子機器600は、PHS、携帯電話、PDA、ゲーム機等多方向入力キーおよびかかる多方向入力キーの略中央に決定キーを有する様々な電子機器で構成することができる。本実施形態では理解を容易にするため、上記第1および第2の実施形態と同様に特に電子機器600としてPHSを挙げている。
【0051】
図7および図8に示すように、電子機器600は、端末制御部610と、メモリ212と、表示部214と、操作部616と、音声入力部218と、音声出力部220と、無線通信部222とを含んで構成される。なお、上述した電子機器100、400と実質的に等しい構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。また、ここでは、本実施形態の特徴である端末制御部610および操作部616について詳述する。
【0052】
端末制御部610は、中央処理装置(CPU)を含む半導体集積回路により電子機器600全体を管理および制御し、メモリ212のプログラムを用いて、通話機能、メール送受信機能、音楽再生機能、TV視聴機能も遂行する。本実施形態において、端末制御部610は、キー割当部612としても機能する。
【0053】
操作部616は、多方向入力キーとしての十字キー616aと、第1決定キー616bと、テンキー616cと、ファンクションキー616dと、サイドキー616eと、第2決定キー616fとを含んで構成され、ユーザの操作入力を受付ける。さらにキーボード、ジョイスティック、タッチパネル等のスイッチを備えることもできる。本実施形態においても、第1決定キー616bは、十字キー616aの略中央に配されている。
【0054】
上記キー割当部612は、ユーザ入力に応じて第1決定キー216bの機能を第2決定キー616fに割り当てる。本実施形態において、第2決定キー616fは、ユーザが右手で電子機器600を操作する際に、ユーザの中指で操作容易な位置に設けている。一般的に電子機器600の操作部616は、ユーザの右手親指で押下、入力される。したがって、ユーザの中指で操作容易な位置に第2決定キー616を備えることにより、ユーザは親指で決定キー以外のキーを押下し、中指で第2決定キー616fを押下することができ、ユーザは片手で容易かつ確実に電子機器600を操作することが可能となる。
【0055】
上記第2決定キー616fに第1決定キー616bの機能を割り当てる構成により、十字キー616aとその十字キー616aに隣接する第1決定キー616bとを押し間違えたことに起因する第1決定キー616bへの誤入力を確実に回避することが可能となる。
【0056】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0057】
例えば、上述した実施形態において、電子機器100、400、600は、反応制御部230もしくはキー割当部412、612のいずれか一方を有しているが、両方を有していてもよい。
【0058】
なお、本明細書のキー制御方法における各工程は、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はなく、並列的あるいは個別に実行される処理(例えば、並列処理あるいはオブジェクトによる処理)も含むとしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本発明は、複数のキーを有する電子機器およびキー制御方法に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】第1の実施形態にかかる電子機器の概略的な構成を説明するための外観図である。
【図2】第1の実施形態にかかる電子機器のハードウェア構成を示したブロック図である。
【図3】操作部の回路図である。
【図4】第1の実施形態にかかる電子機器を用いたキー制御方法の処理の流れを示したフローチャートである。
【図5】第2の実施形態にかかる電子機器のハードウェア構成を示したブロック図である。
【図6】第2の実施形態にかかる電子機器を用いたキー制御方法の処理の流れを示したフローチャートである。
【図7】第3の実施形態にかかる電子機器の概略的な構成を説明するための外観図である。
【図8】第3の実施形態にかかる電子機器のハードウェア構成を示したブロック図である。
【符号の説明】
【0061】
100、400、600 …電子機器
210、410、610 …端末制御部
216、616 …操作部
216a、616a …十字キー
216b、616b …第1決定キー
216c、616c …テンキー
216d、616d …ファンクションキー
216e、616e …サイドキー
230 …反応制御部
412、612 …キー割当部
616f …第2決定キー
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のキーを有する電子機器およびキー制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話やPHS(Personal Handy phone System)、PDA(Personal Digital Assistant)などに代表される電子機器は、小型化および軽量化に加えて高機能化が進んでいる。その結果、通話やメールといった通信関連の機能のみでなく、カメラ、音楽再生、テレビジョンなど、コンピュータに劣らないほどの機能が取り込まれてきている。
【0003】
このような電子機器の高機能化に伴って、様々なタスク(アプリケーション)を快適に使用するために、表示領域の大画面化の要請がある。しかし、大画面化と小型化という相反する要請から、大画面化すれば操作部のための面積が減少し、同じ操作キーにいくつもの機能を兼用させたり、メニューの階層が深くなったりしており、ユーザにとって操作が不明瞭化または煩雑化する傾向にある。
【0004】
そこで、携帯端末装置に実装された複数の機能の中から、任意の機能を選択し、かかる選択された機能を1のキーに変更可能に割り当てることで、ユーザが所望する例えば頻繁に使用する機能を簡単なキー操作で行うことができる技術が開示されている(例えば、特許文献1)。
【特許文献1】特開平9−18945号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、昨今、電子機器では、表示部に表示されたアプリケーションのGUI(Graphical User Interface)におけるカーソルの移動に適していること、また、メニュー等における階層間移動と階層の上下移動との区別に適していることから、操作部に十字キー等の多方向入力キーが含まれ、さらに、多方向入力キーの略中央に決定キーが配される構成が広く採用されている。
【0006】
ここで、決定キーとは、ユーザによるテンキーの押下入力に応じて文字を入力する際の確定指示として機能したり、アプリケーションの操作における承認動作や実行指示として機能したり、任意の相手に対して電話する際の発信指示として機能したりするキーのことである。かかる決定キーは、様々な機能の認証に用いられ、最も利用頻度が高いキーの1つであるといえる。
【0007】
しかし、上記多方向入力キーの略中央に決定キーが配される構成では、多方向入力キーの押し間違えにより、ユーザの意に反して決定キーが押下(誤入力)されてしまうことがある。かかる決定キーの誤入力によって、選択のためカーソルを移動している途中の、ユーザが意図しない機能が遂行されたり、意図せず機能が終了してしまったりしていた。
【0008】
そこで、本発明は、このような問題に鑑み、多方向入力キーの略中央に設けられた決定キーへの誤入力を回避することが可能な電子機器およびキー制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明にかかる電子機器の代表的な構成は、多方向入力キーと、多方向入力キーの略中央に配される決定キーと、ユーザによる多方向入力キーおよび決定キーそれぞれの、押下時から反応するまでの時間である反応時間を制御する反応制御部と、を備え、反応制御部は、多方向入力キーの反応時間と決定キーの反応時間を異ならせることを特徴とする。上記反応制御部は、決定キーの反応時間を多方向入力キーの反応時間よりも長くしてもよい。
【0010】
多方向入力キーの反応時間と決定キーの反応時間を異ならせる、すなわち決定キーの反応時間を多方向入力キーの反応時間よりも長くすることにより、多方向入力キーを押し間違えたことに起因する決定キーへの誤入力を回避することが可能となる。
【0011】
上記課題を解決するために、本発明にかかる電子機器の他の代表的な構成は、多方向入力キーと、多方向入力キーの略中央に配される第1決定キーと、ユーザ入力に応じて第1決定キーの機能を、多方向入力キー以外の他のキーに割り当てるキー割当部と、を備えることを特徴とする。
【0012】
第1決定キーを多方向入力キーの略中央から離隔する上記構成により、多方向入力キーとそのキーに隣接する第1決定キーとを押し間違えたことに起因する第1決定キーへの誤入力を回避することができる。また、経年劣化により第1決定キーの反応が変化した場合、他のキーに割り当てることができるので、ユーザの使い勝手を向上させることが可能となる。
【0013】
上記キー割当部は、第1決定キーの機能を他のキーに割り当てる際に、当該第1決定キーを無効にしてもよい。
【0014】
これにより、多方向入力キーとそのキーに隣接する第1決定キーとを押し間違えたことに起因する第1決定キーへの誤入力を確実に回避することが可能となる。
【0015】
上記キー割当部は、第1決定キーの機能を割り当てるキーを、アプリケーションごとに変更してもよい。アプリケーションによっては、各キーの使用頻度が異なり、使用頻度が少ないキー、即ち、第1決定キーとして割り当ててもよいキーが異なる場合がある。したがって、キー割当部がアプリケーションに応じて、第1決定キーを、かかる使用しないキーに割り当てればキーの有効活用を図ることができる。
【0016】
当該電子機器は、第2決定キーをさらに備え、キー割当部は第2決定キーに第1決定キーの機能を割り当ててもよい。これにより、多方向入力キーとそのキーに隣接する第1決定キーとを押し間違えたことに起因する第1決定キーへの誤入力を確実に回避することが可能となる。
【0017】
上記課題を解決するために、本発明にかかる代表的な構成は、多方向入力キーと、当該多方向入力キーの略中央に配される決定キーとを備える電子機器を用いたキー制御方法であって、ユーザによる多方向入力キーの押下時から反応するまでの反応時間と決定キーの押下時から反応するまでの時間である反応時間を異ならせることを特徴とする。
【0018】
上記課題を解決するために、本発明にかかる他の代表的な構成は、多方向入力キーと、当該多方向入力キーの略中央に配される第1決定キーとを備える電子機器を用いたキー制御方法であって、ユーザ入力に応じて第1決定キーの機能を、多方向入力キー以外の他のキーに割り当てることを特徴とする。
【0019】
上述した電子機器の技術的思想に基づく構成要素やその説明は、当該キー制御方法にも適用可能である。
【発明の効果】
【0020】
以上説明したように本発明の電子機器およびキー制御方法によれば、多方向入力キーの略中央に設けられた決定キーへの誤入力を回避することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値などは、発明の理解を容易とするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0022】
(第1の実施形態:電子機器100)
図1は、本実施形態にかかる電子機器の概略的な構成を説明するための外観図であり、図2は、電子機器のハードウェア構成を示したブロック図であり、図3は、操作部の回路図である。上記電子機器100は、PHS、携帯電話、PDA、ゲーム機、カーナビゲーション等多方向入力キーおよびかかる多方向入力キーの略中央に決定キーを有する様々な電子機器で構成することができる。本実施形態では理解を容易にするため、特に電子機器100としてPHSを挙げている。
【0023】
図1および図2に示すように、電子機器100は、端末制御部210と、メモリ212と、表示部214と、操作部216と、音声入力部218と、音声出力部220と、無線通信部222とを含んで構成される。
【0024】
端末制御部210は、中央処理装置(CPU)を含む半導体集積回路により無線通信端末100全体を管理および制御し、メモリ212のプログラムを用いて、通話機能、メール送受信機能、撮像機能、音楽再生機能、TV視聴機能も遂行する。メモリ212は、ROM、RAM、EEPROM、不揮発性RAM、フラッシュメモリ、HDD等で構成され、端末制御部210で処理されるプログラムを記憶する。
【0025】
表示部214は、液晶ディスプレイ、EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等で構成され、メモリ212に記憶された、または通信網104を介してサーバ(図示せず)から提供される、WebコンテンツやアプリケーションのGUI(Graphical User Interface)を表示することができる。
【0026】
操作部216は、多方向入力キーとしての十字キー216a(図3中上下左右の矢印で示す)と、決定キーとしての第1決定キー216b(図3中「決定」で示す)と、テンキー216c(図3中「1」から「0」、「*」および「#」で示す)と、ファンクションキー216d(図3中「通話」、「クリア」、「メール」、「WEB」、「F1」および「F2」で示す)と、サイドキー216e(図3中「サイド」で示す)とを含んで構成され、ユーザの操作入力を受付ける。さらにキーボード、ジョイスティック、タッチパネル等のスイッチを備えることもできる。本実施形態において、第1決定キー216bは、十字キー216aの略中央に配されている。
【0027】
図3の回路では、端末制御部210の5本のOUT端子から電圧が時分割されて印加され、操作部216の各キーは図中行単位でその時分割された電圧を受電する。また、端末制御部210の5本のIN端子では、時分割された各期間における図中列単位の電圧を検出し、印加タイミングと検出タイミングとの関係に基づいて、配列上の全てのキーの押下状態を取得することができる。
【0028】
音声入力部218は、マイク等の音声変換手段で構成され、通話時に入力されたユーザの音声を無線通信端末100内で処理可能な電気信号に変換する。音声出力部220は、スピーカで構成され、無線通信端末100で受信した通話相手の音声信号を音声に変えて出力する。また、音声出力部220は、着信音や、操作部216の操作音、アラーム音等も出力できる。
【0029】
無線通信部222は、例えば、ARIB STD T95やPHS MoU等の次世代PHS通信技術が採用され、OFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiplexing Access:直交周波数分割多元接続)/TDD(Time Division Duplex:時分割双方向伝送方式)/(またはOFDM/TDD)方式に基づいた無線通信方式を通じて基地局102との無線通信を確立し、通信相手との音声通信やWeb情報の取得等のデータ通信を実行する。
【0030】
また、本実施形態において、端末制御部210は、反応制御部230としても機能する。
【0031】
反応制御部230は、ユーザによる十字キー216aおよび第1決定キー216bそれぞれの、押下時から反応するまでの時間である反応時間を制御し、第1決定キー216bの反応時間を十字キー216aの反応時間よりも相対的に長くする。本実施形態においては、十字キー216aの反応時間を維持し、第1決定キー216bの反応時間のみを長くすることで、反応時間の差を実現する。
【0032】
十字キー216aの反応時間と第1決定キー216bの反応時間を異ならせる、すなわち第1決定キー216bの反応時間を十字キー216aの反応時間よりも長くすることにより、十字キー216aを押し間違えたことに起因する第1決定キー216bへの誤入力を回避することが可能となる。
【0033】
上記第1決定キー216bの反応時間は、500〜1000msecに設定する。一般的に、十字キー216aの反応時間は200msec程度であり、意識して所定時間以上押下し続ける長押しは2sec程度である。したがって、第1決定キー216bの反応時間を500〜1000msecとすることで、ユーザに反応時間の遅延を認識させることなく、また、長押しと判断されることもなく、第1決定キー216bへの誤入力を回避することが可能となる。
【0034】
(キー制御方法)
次に、上述した電子機器100を用いたキー制御方法について説明する。図4は、本実施形態にかかる電子機器を用いたキー制御方法の処理の流れを示したフローチャートである。
【0035】
ユーザによる操作部216への押下を受付けると(S300:押下ステップのYES)、当該押下されたキーが第1決定キー216bであるか否かを判定する(S302:キー判定ステップ)。第1決定キー216bであれば(S302のYES)、第1決定キー216b用の反応時間(本実施形態では、500msec)を設定する(S304:決定キー反応時間設定ステップ)。第1決定キー216bでなければ(S302のNO)、通常の反応時間(本実施形態では、200msec)を設定する(S306:通常反応時間設定ステップ)。
【0036】
そして、決定キー反応時間設定ステップS304もしくは通常反応時間設定ステップS306で設定した時間のカウントダウンを開始する(S308:カウントダウン開始ステップ)。ここで、押下ステップS300で押下されたキーが押下されたままであれば(S310:キー解放判定ステップのNO)、カウントが0になるまで待って(S312:カウント終了判定ステップのYES)、押下ステップS300で押下されたキーの検出を行う(S314:キー検出ステップ)。
【0037】
一方、押下ステップS300で入力されたキーが解放された場合(S310:キー解放判定ステップのYES)、キー検出を行わず、次のキー押下を待機する。
【0038】
以上説明したように、本実施形態にかかる電子機器100およびこれを用いたキー制御方法によれば、第1決定キー216bの反応時間を多方向入力キー(十字キー216a)の反応時間よりも長くすることができるため、多方向入力キーの略中央に設けられた第1決定キー216bへの誤入力を回避することが可能となる。
【0039】
(第2の実施形態:電子機器400)
図5は、本実施形態にかかる電子機器のハードウェア構成を示したブロック図である。上記電子機器400は、PHS、携帯電話、PDA、ゲーム機等多方向入力キーおよびかかる多方向入力キーの略中央に決定キーを有する様々な電子機器で構成することができる。本実施形態では理解を容易にするため、上記第1の実施形態と同様に特に電子機器400としてPHSを挙げている。
【0040】
図5に示すように、電子機器400は、端末制御部410と、メモリ212と、表示部214と、操作部216と、音声入力部218と、音声出力部220と、無線通信部222とを含んで構成される。なお、上述した電子機器100と実質的に等しい構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。また、上記電子機器100と電子機器400とは、外観が実質的に等しいため図示を省略し、図1を参照して説明を行う。ここでは、本実施形態の特徴である端末制御部410について詳述する。
【0041】
端末制御部410は、中央処理装置(CPU)を含む半導体集積回路により電子機器400全体を管理および制御し、メモリ212のプログラムを用いて、通話機能、メール送受信機能、音楽再生機能、TV視聴機能も遂行する。本実施形態において、端末制御部410は、キー割当部412としても機能する。
【0042】
キー割当部412は、ユーザ入力に応じて第1決定キー216bの機能を、多方向入力キーとしての十字キー216a以外の他のキー(本実施形態では、サイドキー216e)に割り当てる。
【0043】
第1決定キー216bを十字キー216aの略中央から離隔する上記構成により、十字キー216aとその十字キー216aに隣接する第1決定キー216bとを押し間違えたことに起因する第1決定キー216bへの誤入力を回避することができる。また、経年劣化により第1決定キー216bの反応が変化した場合、他のキーに割り当てることができるので、ユーザの使い勝手を向上させることが可能となる。
【0044】
本実施形態においてキー割当部412は、第1決定キー216bの機能を割り当てる際に、当該第1決定キー216bを無効にする。
【0045】
これにより、十字キー216aとその十字キー216aに隣接する第1決定キー216bとを押し間違えたことに起因する第1決定キー216bへの誤入力を確実に回避することが可能となる。
【0046】
さらに本実施形態において、キー割当部412は、アプリケーションごとに第1決定キー216bの機能を割り当てるキーを変更することもできる。アプリケーションによっては、各キーの使用頻度が異なり、使用頻度が少ないキー、即ち、第1決定キー216bの機能を割り当ててもよいキーが異なる場合がある。したがって、キー割当部412がアプリケーションに応じて、第1決定キー216bの機能を、かかる使用しないキーに割り当てればキーの有効活用を図ることができる。
【0047】
(キー制御方法)
次に、上述した電子機器400を用いたキー制御方法について説明する。図6は、本実施形態にかかる電子機器を用いたキー制御方法の処理の流れを示したフローチャートである。
【0048】
ユーザの操作部616の押下(入力)に応じた、第1決定キー216bの機能の再割当の指示があると(S500:割当指示受付ステップのYES)、キー割当部412は、第1決定キー216bの機能を、多方向入力キーとしての十字キー216a以外の他のキー(本実施形態では、サイドキー216e)に割り当てる(S502:割当実行ステップ)。そして、第1決定キー216bを無効にする(S504:無効化ステップ)。
【0049】
以上説明したように、本実施形態にかかる電子機器400およびこれを用いたキー制御方法によれば、第1決定キー216bの機能を他のキー(本実施形態では、サイドキー216e)に割り当てることができるので、多方向入力キー(十字キー216a)の略中央に設けられた第1決定キー216bへの誤入力を回避することが可能となる。
【0050】
(第3の実施形態:電子機器600)
図7は、本実施形態にかかる電子機器の概略的な構成を説明するための外観図であり、図8は、本実施形態にかかる電子機器のハードウェア構成を示したブロック図である。上記電子機器600は、PHS、携帯電話、PDA、ゲーム機等多方向入力キーおよびかかる多方向入力キーの略中央に決定キーを有する様々な電子機器で構成することができる。本実施形態では理解を容易にするため、上記第1および第2の実施形態と同様に特に電子機器600としてPHSを挙げている。
【0051】
図7および図8に示すように、電子機器600は、端末制御部610と、メモリ212と、表示部214と、操作部616と、音声入力部218と、音声出力部220と、無線通信部222とを含んで構成される。なお、上述した電子機器100、400と実質的に等しい構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。また、ここでは、本実施形態の特徴である端末制御部610および操作部616について詳述する。
【0052】
端末制御部610は、中央処理装置(CPU)を含む半導体集積回路により電子機器600全体を管理および制御し、メモリ212のプログラムを用いて、通話機能、メール送受信機能、音楽再生機能、TV視聴機能も遂行する。本実施形態において、端末制御部610は、キー割当部612としても機能する。
【0053】
操作部616は、多方向入力キーとしての十字キー616aと、第1決定キー616bと、テンキー616cと、ファンクションキー616dと、サイドキー616eと、第2決定キー616fとを含んで構成され、ユーザの操作入力を受付ける。さらにキーボード、ジョイスティック、タッチパネル等のスイッチを備えることもできる。本実施形態においても、第1決定キー616bは、十字キー616aの略中央に配されている。
【0054】
上記キー割当部612は、ユーザ入力に応じて第1決定キー216bの機能を第2決定キー616fに割り当てる。本実施形態において、第2決定キー616fは、ユーザが右手で電子機器600を操作する際に、ユーザの中指で操作容易な位置に設けている。一般的に電子機器600の操作部616は、ユーザの右手親指で押下、入力される。したがって、ユーザの中指で操作容易な位置に第2決定キー616を備えることにより、ユーザは親指で決定キー以外のキーを押下し、中指で第2決定キー616fを押下することができ、ユーザは片手で容易かつ確実に電子機器600を操作することが可能となる。
【0055】
上記第2決定キー616fに第1決定キー616bの機能を割り当てる構成により、十字キー616aとその十字キー616aに隣接する第1決定キー616bとを押し間違えたことに起因する第1決定キー616bへの誤入力を確実に回避することが可能となる。
【0056】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0057】
例えば、上述した実施形態において、電子機器100、400、600は、反応制御部230もしくはキー割当部412、612のいずれか一方を有しているが、両方を有していてもよい。
【0058】
なお、本明細書のキー制御方法における各工程は、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はなく、並列的あるいは個別に実行される処理(例えば、並列処理あるいはオブジェクトによる処理)も含むとしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本発明は、複数のキーを有する電子機器およびキー制御方法に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】第1の実施形態にかかる電子機器の概略的な構成を説明するための外観図である。
【図2】第1の実施形態にかかる電子機器のハードウェア構成を示したブロック図である。
【図3】操作部の回路図である。
【図4】第1の実施形態にかかる電子機器を用いたキー制御方法の処理の流れを示したフローチャートである。
【図5】第2の実施形態にかかる電子機器のハードウェア構成を示したブロック図である。
【図6】第2の実施形態にかかる電子機器を用いたキー制御方法の処理の流れを示したフローチャートである。
【図7】第3の実施形態にかかる電子機器の概略的な構成を説明するための外観図である。
【図8】第3の実施形態にかかる電子機器のハードウェア構成を示したブロック図である。
【符号の説明】
【0061】
100、400、600 …電子機器
210、410、610 …端末制御部
216、616 …操作部
216a、616a …十字キー
216b、616b …第1決定キー
216c、616c …テンキー
216d、616d …ファンクションキー
216e、616e …サイドキー
230 …反応制御部
412、612 …キー割当部
616f …第2決定キー
【特許請求の範囲】
【請求項1】
多方向入力キーと、
前記多方向入力キーの略中央に配される決定キーと、
ユーザによる前記多方向入力キーおよび前記決定キーそれぞれの、押下時から反応するまでの時間である反応時間を制御する反応制御部と、
を備え、
前記反応制御部は、前記多方向入力キーの反応時間と前記決定キーの反応時間を異ならせることを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記反応制御部は、前記決定キーの反応時間を前記多方向入力キーの反応時間よりも長くすることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
多方向入力キーと、
前記多方向入力キーの略中央に配される第1決定キーと、
ユーザ入力に応じて前記第1決定キーの機能を、前記多方向入力キー以外の他のキーに割り当てるキー割当部と、
を備えることを特徴とする電子機器。
【請求項4】
前記キー割当部は、前記第1決定キーの機能を前記他のキーに割り当てる際に、該第1決定キーを無効にすることを特徴とする請求項3に記載の電子機器。
【請求項5】
前記キー割当部は、前記第1決定キーの機能を割り当てるキーを、アプリケーションごとに変更することを特徴とする請求項3または4に記載の電子機器。
【請求項6】
当該電子機器は、
第2決定キーをさらに備え、
前記キー割当部は前記第2決定キーに前記第1決定キーの機能を割り当てることを特徴とする請求項3または4に記載の電子機器。
【請求項7】
多方向入力キーと、該多方向入力キーの略中央に配される決定キーとを備える電子機器を用いたキー制御方法であって、
ユーザによる前記多方向入力キーの押下時から反応するまでの反応時間と前記決定キーの押下時から反応するまでの時間である反応時間を異ならせることを特徴とするキー制御方法。
【請求項8】
多方向入力キーと、該多方向入力キーの略中央に配される第1決定キーとを備える電子機器を用いたキー制御方法であって、
ユーザ入力に応じて前記第1決定キーの機能を、前記多方向入力キー以外の他のキーに割り当てることを特徴とするキー制御方法。
【請求項1】
多方向入力キーと、
前記多方向入力キーの略中央に配される決定キーと、
ユーザによる前記多方向入力キーおよび前記決定キーそれぞれの、押下時から反応するまでの時間である反応時間を制御する反応制御部と、
を備え、
前記反応制御部は、前記多方向入力キーの反応時間と前記決定キーの反応時間を異ならせることを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記反応制御部は、前記決定キーの反応時間を前記多方向入力キーの反応時間よりも長くすることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
多方向入力キーと、
前記多方向入力キーの略中央に配される第1決定キーと、
ユーザ入力に応じて前記第1決定キーの機能を、前記多方向入力キー以外の他のキーに割り当てるキー割当部と、
を備えることを特徴とする電子機器。
【請求項4】
前記キー割当部は、前記第1決定キーの機能を前記他のキーに割り当てる際に、該第1決定キーを無効にすることを特徴とする請求項3に記載の電子機器。
【請求項5】
前記キー割当部は、前記第1決定キーの機能を割り当てるキーを、アプリケーションごとに変更することを特徴とする請求項3または4に記載の電子機器。
【請求項6】
当該電子機器は、
第2決定キーをさらに備え、
前記キー割当部は前記第2決定キーに前記第1決定キーの機能を割り当てることを特徴とする請求項3または4に記載の電子機器。
【請求項7】
多方向入力キーと、該多方向入力キーの略中央に配される決定キーとを備える電子機器を用いたキー制御方法であって、
ユーザによる前記多方向入力キーの押下時から反応するまでの反応時間と前記決定キーの押下時から反応するまでの時間である反応時間を異ならせることを特徴とするキー制御方法。
【請求項8】
多方向入力キーと、該多方向入力キーの略中央に配される第1決定キーとを備える電子機器を用いたキー制御方法であって、
ユーザ入力に応じて前記第1決定キーの機能を、前記多方向入力キー以外の他のキーに割り当てることを特徴とするキー制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【公開番号】特開2010−108316(P2010−108316A)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−280527(P2008−280527)
【出願日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】
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