説明

電子機器におけるカード挿入スロットの開閉蓋構造

【課題】樹脂製蓋部材から突設したアーム部先端の突軸が、装置本体側の軸受け凹所に嵌入する構造のヒンジ機構を有する開閉蓋構造において、突軸が軸受け凹所から離脱した場合に、ユーザが蓋部材を閉じる方向へ押し込むことによって、開閉自在な状態へとスムーズに復旧させることができる。
【解決手段】プリンタ装置の本体筐体に形成した凹部11内にカード挿入スロット4が形成され、凹部11前面を開閉自在に覆うように蓋部材6が設けられる。蓋部材のアーム部8先端に形成した突軸9が本体筐体側の軸受け凹所に、アーム部8自身の弾性によって嵌入し、回動中心となる。折れ曲がった複数の平面8a、8b、8cで構成されたアーム部8の湾曲した外面のうち、蓋部材6を開閉動作する時に切欠きと最も接近する部分8dを滑らかな曲面に形成することにより、蓋部材6を閉じる方向へ押し込む時に、アーム部8が本体筐体側に引っ掛かることなく回動する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンタ装置その他の電子機器において、筐体の前面に形成されたカード挿入スロット用凹部の開閉蓋の構造に関する。
【背景技術】
【0002】
スマートカード(登録商標)、コンパクトフラッシュカード(登録商標)等のカード状不揮発性メモリは、近年飛躍的に大容量化してきており、例えばプリンタ装置にそれらのカードの挿入スロットを形成して、挿入抜脱自在とし、カード状不揮発性メモリに蓄積した画像情報を直接プリンタ装置によって用紙上に印字出力できるようになっている。この場合、ユーザによるカード挿入操作又は抜取り操作が容易なように、プリンタ装置の前面にカードの挿入スロットが設けられ、かつカードの挿入抜脱方向は水平方向とされる。また、カード挿入スロットの開口がプリンタ装置の前面に露出する構造は、スロット開口からの埃が侵入し易いとか、デザイン上好ましくない等の理由で採用されず、通常は、装置本体の筐体前面の一部に凹部を形成して、その凹部内にカード挿入スロットの開口を形成すると共に、凹部の前面を覆うように開閉蓋が設けられる。
【0003】
一方、スキャナの原稿押さえカバーのヒンジ機構として、カム体と引っ張りばねを用いて、ユーザが適宜角度に開いた原稿押さえカバーを、原稿押さえカバーの重さに拮抗するように支持し、ユーザに原稿押さえカバーの重量を感じさせないように図ったものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平11−294000号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のように、プリンタ装置等の前面に形成したカード挿入スロット用凹部の開閉蓋は、閉じた状態では、埃の侵入を防ぐために凹部の前面を隙間無く覆って筐体前面と蓋部材の表面とが一連のプリンタ装置の外形を形成し、開いた状態では、ユーザが水平方向のカード挿入スロットへと容易にカードを挿入できるように蓋部材が大きく前方へ開かれなければならないので、本体へのヒンジ構造として次の構造のものが多く用いられる。
【0005】
つまり、樹脂材料からなる蓋部材の裏面から略J字状に湾曲したアーム部が後方へ大きく延出され、このアーム部先端の突軸が本体側の内部に設けた軸受け凹所に嵌入することによってヒンジが形成されて、蓋部材が、凹部の下方に位置するヒンジ軸を中心として大きな円弧を描いて回動するように設計してある。
【0006】
これを図7及び図8に基づいてさらに詳細に説明する。図7は蓋部材の一例を示し、図8はプリンタ装置本体に組み込んだ状態を示す。蓋部材51の本体部52は、装置本体の外形と連なるゆるい湾曲形状をしており、その裏面両側から略J字状に湾曲したアーム部53が一体に延出形成されている。アーム部53の先端には外側方へ突出した突軸54が形成され、この2つの突軸54が、装置本体側に形成した軸受け凹所(不図示)にアーム部53自身の弾性によって内方から外方へと嵌入してヒンジを構成するようになっている。また、装置本体側の凹部55の内壁には、蓋部材51が開閉動作する時のアーム部53の回動を許容する切欠き56(後述する本発明における切欠き12に相当する)が形成してある。
【0007】
ところで、上述のヒンジ構造を備えた蓋部材では、アーム部先端の突軸54が、装置本体側の軸受け凹所に、アーム部53自身の弾性で嵌入しているだけであるので、ユーザが限界を超えて蓋部材を開こうとすると、アーム部先端の突軸54が軸受け凹所から離脱してしまうことがある(図8の一点鎖線で示す)。このような時にも、ユーザが手動で、蓋部材51を再び閉じる方向へ強制的に押し込めば、アーム部先端の突軸54が、その閉じ方向への移動によって軸受け凹所へと再び嵌入するように、軸受け凹所の周囲には、案内面が形成してある。つまり、具体的には、軸受け凹所の上方に、下方に向かって幅が狭くなる三角形状の案内傾斜面が形成してある。
【0008】
上述のように、樹脂の弾性によってアーム部先端の突軸54が軸受け凹所に嵌入する構造のヒンジ機構においては、突軸54の軸受け凹所からの離脱が生じても、基本的にはユーザによる処置によって、容易に復旧できるようになっているのであるが、ユーザによる上記復旧操作がスムーズに行えない場合がある。
【0009】
つまり、アーム部53の回動を許容するように凹部55の内壁に開けられた切欠き56は、装置本体内へのごみ、埃等の侵入を防ぐために、アーム部53の回動を許容する最小限の大きさに設定されており、通常の開き方向への限界を超えて回動した蓋部材51を、ユーザが閉じる方向へ押し込む時に、アーム部53の湾曲した外面のうち最も外側の部分53aが切欠き56の縁部56aに引っ掛かり、蓋部材51の閉じる方向への押し込みを阻止する場合があった。
【0010】
本発明者は、上記トラブルを仔細に点検し、上記トラブルは、主にアーム部53の湾曲した外面が成型金型の作成の便宜から複数の連続した平面で構成され、その平面同士の角張った接合部53aが切欠きの縁部56aに引っ掛かることによって発生していることを突き止めた。また、本発明者は、アーム部先端の突軸54を再度軸受け凹所内へと嵌入させるためには突軸54を案内傾斜面に沿って移動させなければならないが、その時、突軸54が案内傾斜面に拘束されてしまうために、突軸54の自由な前後移動(図8の左右方向)幅が狭まり、そのことも、アーム部53の湾曲した外面と切欠き56との間に充分な隙間をとって(アーム部53の外面が切欠き56に引っ掛からないようにして)蓋部材51を押し込み操作することを困難にしていることも突き止めた。つまり、上記のトラブルは、単純にユーザが蓋部材51を押し込む時の操作の巧拙によって発生するのではないことが分かった。
【0011】
そこで、本発明は、上述のような事情の下で、略J字状のアーム部先端の突軸が、樹脂の弾性によって装置本体側の軸受け凹所に嵌入する構造のヒンジ機構を有するカード挿入スロットの開閉蓋構造において、アーム部先端の突軸が不測の過負荷等によって軸受け凹所から離脱した場合に、ユーザが手動によって蓋部材を閉じる方向へ押し込むことによって突軸が円滑に軸受け凹所へと再び嵌入し、蓋部材を開閉自在な状態へと容易に復旧させることができる電子機器におけるカード挿入スロットの開閉蓋構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するための請求項1の発明は、電子機器の筐体前面に形成した凹部内の略垂直面にカード挿入スロットを設けると共に、該凹部の前面を開閉自在に覆い、開状態では前記カード挿入スロットへのカードの水平方向での挿入抜脱が可能なように凹部前方が大きく開放する樹脂製蓋部材を設け、該蓋部材の電子機器筐体への取付けヒンジ構造が、前記蓋部材から一体に延び先端に側方向きの突軸を有する略J字状に湾曲したアーム部と、電子機器筐体内の前記凹部下方に形成した前記突軸が嵌入する軸受け凹所とからなり、前記軸受け凹所に連続する筐体面には、組立て時に、前記アーム部が進入し、該アーム部を撓み変形させつつ、その突軸を前記軸受け凹所へ案内する案内傾斜面が形成してあり、前記凹部には、前記蓋部材が開閉動作を行う時の前記アーム部の回動を許容する最小限の大きさの切欠きを形成した電子機器におけるカード挿入スロットの開閉蓋構造において、前記アーム部は、その湾曲した内面及び外面が、段階的に折れ曲った複数の平面の連続により構成されており、その湾曲した外面のうち、前記蓋部材を開閉動作する時に、前記切欠きと最も接近する部分を角の無い滑らかな曲面に形成したことを特徴とする。
【0013】
請求項2の発明は、電子機器の筐体前面に形成した凹部内にカード挿入スロットを設けると共に、該凹部の前面を開閉自在に覆い、開状態では前記カード挿入スロットへのカードの挿入抜脱が可能なように凹部前方が大きく開放する樹脂製蓋部材を設け、該蓋部材の電子機器筐体への取付けヒンジ構造が、前記蓋部材から一体に延び先端に側方向きの突軸を有する略J字状に湾曲したアーム部と、電子機器筐体内の前記凹部下方に形成した前記突軸が嵌入する軸受け凹所とからなり、前記軸受け凹所に連続する筐体面には、組立て時に、前記アーム部が進入し、該アーム部を撓み変形させつつ、その突軸を前記軸受け凹所へ案内する案内傾斜面が形成してあり、前記凹部には、前記蓋部材が開閉動作を行う時の前記アーム部の回動を許容する切欠きを形成した電子機器におけるカード挿入スロットの開閉蓋構造において、記アーム部は、その湾曲した内面及び外面が、段階的に折れ曲った複数の平面の連続により構成されており、その湾曲した外面を角の無い滑らかな曲面に形成したことを特徴とする。
【0014】
請求項3の発明は、請求項2の発明において、前記切欠きが、前記蓋部材が開閉動作する時の前記アーム部の回動を許容する最小限の大きさであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、略J字状のアーム部先端の突軸が、樹脂の弾性によって装置本体側の軸受け凹所に嵌入する構造のヒンジ機構を有するカード挿入スロットの開閉蓋構造において、アーム部先端の突軸が不測の過負荷等によって軸受け凹所から離脱した場合に、ユーザが手動によって蓋部材を閉じる方向へ押し込むことによって突軸が円滑に軸受け凹所へと再び嵌入し、蓋部材を開閉自在な状態へと容易に復旧させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。図1は本実施形態の開閉蓋構造を備えたプリンタ装置1の全体を示し、筐体1aの後部に用紙の供給口2を有し、筐体1aの前下部に印字後の用紙の排出口3を有している。そして、本実施形態では、このプリンタ装置1の筐体1aの前面の右上部に横長長方形の凹部を形成し、この凹部内にカード挿入スロット4及びUSBのコネクタ5を形成してあり、さらに凹部の前面を開閉自在に覆う樹脂製の蓋部材6を設けてある。
【0017】
図2乃至図6は、蓋部材6の詳細な構成を示す。これら図面を参照して、蓋部材6と、そのプリンタ装置筐体1aへの取付けヒンジ構造について詳細に説明する。本実施形態の蓋部材6は、図2及び図5に示すように、筐体1a前面の外形と連なるゆるい湾曲形状をした本体部7と、その裏面の両側下部から一体に後方へ延びた略J字状アーム部8とからなり、アーム部8の先端には、外側方へ突出したピン状の突軸9が形成してある。アーム部8外面の湾曲は、段階的に折れ曲がった主に3つの平面8a、8b、8cの連続で構成されるが、突軸9から最も外側の平面が接合する部分8dが滑らかな曲面に形成してある。アーム部8の一部を直線形状ではなく、曲線で形成することによって、射出成型時にそりが発生する虞れがあるが、上述のように、アーム部8の全体ではなくごく一部を曲線形状にすることによってその虞れを最小限にしている。
【0018】
次に、プリンタ装置の筐体1a側の構造について説明する。筐体1aに形成した凹部は、本実施形態では、図3及び図5に示すように、筐体1a前面とは別部材の樹脂成型部品10で構成される。この樹脂成型部品10は、凹部11の内壁を形成する、垂直内壁10aと円弧状内壁10bとを有し、垂直内壁10aにカード挿入スロット4とUSBコネクタの開口5を形成してある。また、円弧状内壁10bに、蓋部材6のアーム部8の回動を許容する切欠き12が形成してある。この切欠き12は、アーム部8が大きな円弧を描いて回動しても、その回動を許容する最小限の大きさに形成されている。換言すると、この切欠き12の幅はアーム部8の幅より僅かに大であり、切欠き12の長さはアーム部8の回動軌跡の外縁より僅かに外側になるように形成してある。
【0019】
次に、上記樹脂成型部品10の下方に設けられて、蓋部材6のアーム部8の軸受けを構成する樹脂成型部品について説明する。凹部11を構成する樹脂成型部品10の下方には、図4に斜視で示し、図6において断面で示したように、箱型の樹脂成型部品13が設けてある。この樹脂成型部品13の内容積は、蓋部材6のアーム部8の下半部が進入できる深さに形成される(図6)と共に、内部の両側壁14には、アーム部先端の突軸9が嵌入する軸受け凹所としての円形貫通孔15が開けてある。また、この貫通孔15に連続する側壁には、貫通孔15へ向かって幅狭となる側面視が三角形状の案内傾斜面16が形成してある。この案内傾斜面16は、側壁14に形成された溝であって、その深さが下方へ向かって浅くなるように形成してあり、蓋部材6のアーム部8をこの樹脂成型部品13に組み込む時に、アーム部先端の突軸9が、案内傾斜面16によって案内されながら下方へと移動し、軸受け凹所としての貫通孔15へ嵌入するようになっている。
【0020】
つまり、案内傾斜面16に進入したアーム部8先端は、案内傾斜面16が下方へ向かって浅くなっていることから、アーム部8先端が貫通孔15に接近するに従って徐々に内側へ撓み変形され、アーム部8先端の突軸9が貫通孔15に至ると、その撓みによる弾性反発力によって瞬時に突軸9が貫通孔15に嵌入し、その状態が維持される。また、案内傾斜面16が逆三角形状になっていることから、案内傾斜面16に進入したアーム部先端の突軸9は、下方へ進入するに従って、その前後位置(図6の左右位置)を規制されながら貫通孔15へと案内される。
【0021】
本実施形態の蓋部材6と、そのプリンタ装置筐体1aへの取り付けヒンジ構造は、上記の通りの構造であるので、組み立て時には次のようにして組み立てる。つまり、まず、本体筐体1a内に固定した樹脂成型部品13に、上述のとおりにして蓋部材6のアーム部8を挿入し、アーム部先端の突軸9を樹脂成型部品13の貫通孔15に嵌入させる(図6の一点鎖線で示す)。このようにして本体筐体1aに対して貫通孔15を中心として回動自在となった蓋部材6に対して、凹部を構成する樹脂成型部品10を、アーム部8が切欠き12内に進入するようにして組み付ける。
【0022】
以上のようにして組み立てられた開閉蓋構造は、ユーザが、蓋部材6の本体部7に形成したつまみ部(不図示)を持って前方へ回動させれば、貫通孔15内に嵌っている突軸9を中心として大きな円弧を描いて前下方へと開き、凹部11内のカード挿入スロット4及びUSBコネクタの開口5が露出するので、ユーザは、所定のカードをカード挿入スロット4に挿入したり、USBコネクタの開口5へUSBのコネクタを接続する。蓋部材6を閉じる時には、ユーザは、蓋部材6の本体部7を斜め上方へ持上げた後、前方へ押せば、蓋部材6が突軸9を中心として回動し、凹部11の前面が隙間無く閉じられる。
【0023】
そして、蓋部材6が前方へ開放された時に、不測に大きな負荷がかかる等の理由によって蓋部材6が限界を超えて回動し、アーム部8先端の突軸9が貫通孔15から離脱すると、蓋部材6は一時的に正常な開閉動作が不能となるが、ユーザの手動による押し込み操作によって、突軸9が再び貫通孔15へと嵌入し、容易に正常な状態へと復旧させることができる。
【0024】
つまり、ユーザが蓋部材6の本体部7を持って、閉じる方向へ押し込めば、アーム部8先端の突軸9は、樹脂成型部品13内で案内傾斜面16に案内されているので、その案内傾斜面16に沿って下方へと移動する。この時、突軸9が、案内傾斜面16によってその前後位置を規制されるので、アーム部8は正常な開閉動作時と略同一の回動軌跡を描いて、蓋閉方向(図6の時計方向)へと回動する。そして、アーム部8は、その湾曲した外面のうち最も外側(つまり、最も切欠きに接近する部位)8dを角の無い滑らかな曲面に形成してあるので、アーム部8が正常時の回動軌跡よりも凹部11の奥側寄り(図5及び図6の右方寄り)を通って回動して、仮にアーム部8の外面8dが切欠き12の縁部12a(図3)に接触したとしても、その接触で回動を停止させられてしまうことがなく、アーム部8は円滑に回動を続け、突軸9が軸受け凹所としての貫通孔15へとスムーズに嵌入する。
【0025】
なお、本実施形態では、突軸9が貫通孔15から離脱するトラブルが発生しても、突軸9は樹脂成型部品13内の案内傾斜面16に案内されており、また、切欠き12の大きさがアーム部8の回動を許容する最小限の大きさに形成されているので、突軸9が切欠き12を超えて上方へ抜け出ることがないので、蓋部材6が完全に本体筐体1aから分離してしまうことがない。
【0026】
また、本実施形態では、突軸9が嵌入する軸受け凹所を、樹脂成型部品13に形成した円形貫通孔15としたが、これを樹脂成型部品の壁面を貫通しない有底の円形凹所に形成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の一実施形態に係る開閉蓋構造を備えたプリンタ装置の全体斜視図。
【図2】同蓋部材の斜視図。
【図3】同凹部を構成する樹脂成型部品の斜視図。
【図4】同軸受け凹所を構成する樹脂成型部品の斜視図。
【図5】同蓋部材の本体筐体へのヒンジ取付け状態を示す側面図。
【図6】同蓋部材の軸受け凹所を構成する樹脂成型部品へのヒンジ取付け状態を示す図。
【図7】従来における蓋部材の斜視図。
【図8】同蓋部材の本体筐体へのヒンジ取付け状態を示す側面図。
【符号の説明】
【0028】
1 プリンタ装置
4 カード挿入スロット
6 蓋部材
8 アーム部
8a 平面
8b 平面
8c 平面
8d 滑らかな曲面
9 突軸
10a 垂直内壁(垂直面)
11 凹部
12 切欠き
15 貫通孔(軸受け凹所)
16 案内傾斜面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器の筐体前面に形成した凹部内の略垂直面にカード挿入スロットを設けると共に、該凹部の前面を開閉自在に覆い、開状態では前記カード挿入スロットへのカードの水平方向での挿入抜脱が可能なように凹部前方が大きく開放する樹脂製蓋部材を設け、該蓋部材の電子機器筐体への取付けヒンジ構造が、前記蓋部材から一体に延び先端に側方向きの突軸を有する略J字状に湾曲したアーム部と、電子機器筐体内の前記凹部下方に形成した前記突軸が嵌入する軸受け凹所とからなり、前記軸受け凹所に連続する筐体面には、組立て時に、前記アーム部が進入し、該アーム部を撓み変形させつつ、その突軸を前記軸受け凹所へ案内する案内傾斜面が形成してあり、前記凹部には、前記蓋部材が開閉動作を行う時の前記アーム部の回動を許容する最小限の大きさの切欠きを形成した電子機器におけるカード挿入スロットの開閉蓋構造において、
前記アーム部は、その湾曲した内面及び外面が、段階的に折れ曲った複数の平面の連続により構成されており、その湾曲した外面のうち、前記蓋部材を開閉動作する時に、前記切欠きと最も接近する部分を角の無い滑らかな曲面に形成したことを特徴とする電子機器におけるカード挿入スロットの開閉蓋構造。
【請求項2】
電子機器の筐体前面に形成した凹部内にカード挿入スロットを設けると共に、該凹部の前面を開閉自在に覆い、開状態では前記カード挿入スロットへのカードの挿入抜脱が可能なように凹部前方が大きく開放する樹脂製蓋部材を設け、該蓋部材の電子機器筐体への取付けヒンジ構造が、前記蓋部材から一体に延び先端に側方向きの突軸を有する略J字状に湾曲したアーム部と、電子機器筐体内の前記凹部下方に形成した前記突軸が嵌入する軸受け凹所とからなり、前記軸受け凹所に連続する筐体面には、組立て時に、前記アーム部が進入し、該アーム部を撓み変形させつつ、その突軸を前記軸受け凹所へ案内する案内傾斜面が形成してあり、前記凹部には、前記蓋部材が開閉動作を行う時の前記アーム部の回動を許容する切欠きを形成した電子機器におけるカード挿入スロットの開閉蓋構造において、
前記アーム部は、その湾曲した内面及び外面が、段階的に折れ曲った複数の平面の連続により構成されており、その湾曲した外面を角の無い滑らかな曲面に形成したことを特徴とする電子機器におけるカード挿入スロットの開閉蓋構造。
【請求項3】
前記切欠きは、前記蓋部材が開閉動作する時に、前記アーム部の回動を許容する最小限の大きさであることを特徴とする請求項2に記載の電子機器におけるカード挿入スロットの開閉蓋構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−202972(P2006−202972A)
【公開日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−12890(P2005−12890)
【出願日】平成17年1月20日(2005.1.20)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】