説明

電子機器のスイッチ機構

【課題】部品数が少なく、低コストで良好な操作感を有する電子機器のスイッチ機構を提供する。
【解決手段】電子機器のスイッチ機構は、スイッチばね32と、スイッチばね32の先端部33と係合しスイッチばね32の撓み方向位置を規制する規制部36とが、スイッチばね32の基部31が連続するスイッチ板体30aと一体に構成され、スイッチばね32が、スイッチばね32の基部31と先端部33の中間に設けられる作用部35と、先端部33と作用部35の中間に設けられる回路端子部51との接続部34と、を備え、作用部35を回路端子部51の方向に押し力を付勢して規制部36と先端部33との係合を解除して接続部34を回路端子部51に接続し、作用部35への押し力を解除したとき、スイッチばね32の弾性力によって回路端子部51と接続部34との接続を開放するとともに、スイッチばね32を押し力が付勢される前の初期位置まで復帰させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器のスイッチ構造に関する。詳しくは、回路端子部に接続する接続部を有するスイッチばねと、スイッチばねの位置を規制する規制部とが一体で形成されるスイッチ構造に関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器には、電子機器のON/OFF操作を行うために、外部から操作可能な入力手段が備えられている。入力手段としては、入力ボタンの押し操作、引出し操作、回転操作等によりスイッチ機構を操作する方法が一般的である。特に、携帯用小型電子機器では、確実に入力操作ができること、携帯時には誤入力されないこと、良好な操作感を有するスイッチ機構が要求される。
【0003】
このような要求に応えるスイッチ機構として、機枠上に回動可能に配置され、外部操作部材の押し操作によって作動するスイッチレバーと、機枠上に配置されたピンと、回路ブロックの接点部と接触可能な回路押え部材と、を備え、スイッチレバーは、弾性部を備え、前述したピンとの係合の有無により操作感を発生させるための突起部を弾性部の先端に有し、スイッチレバーの回動によって回路ブロック側に押し圧されて捩れるスイッチ機構を備える電子時計が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、プリント配線板に実装された押しボタン式スイッチをこのスイッチ上に配設したキートップを介して操作するキースイッチにおいて、比較的大面積の押圧部を有する有蓋筒体内の蓋中心部に柱状アクチュエータを立設したキートップと、有蓋筒体の柱状部と押しボタン式スイッチを内包し一端を有蓋筒体内に嵌合させると共に、他端をプリント配線板に当接させた筒状緩衝材とから構成されるスイッチ構造が知られている(例えば、特許文献2、参照)。
【0005】
【特許文献1】特開2000−98065号公報(第3,4頁、第1図)
【特許文献2】特開平8−17285号公報(第2頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このような特許文献1では、スイッチ機構として少なくともスイッチレバーと、スイッチレバーの回動を規制するピンを有しており、部品数が多くなるという課題を有している。また、スイッチレバーとピンとの係合の有無により良好な操作感を実現しようとしているが、これら構成部品の相互位置、形状を高精度に加工することが要求され、その結果、高コストになることが考えられる。
【0007】
さらに、スイッチレバーは、機枠上に沿って回動するため、回動に可能な空間を必要とし小型化が困難になることが推測される。
【0008】
また、特許文献2によれば、操作感の良好な汎用スイッチをプリント配線板上にハンダ付け等により固着し、この汎用スイッチを動作するためのキートップを配設している。従って、部品数が多くなるとともに、スペース効率が悪くなるという課題を有している。
【0009】
さらに、キートップと汎用スイッチとを精度よく組立てる必要があり、プリント配線板への汎用スイッチの実装精度、キートップの柱状アクチュエータの加工精度も要求される。
【0010】
また、上述した特許文献1及び特許文献2では、それぞれのスイッチ機構を複数個備える電子機器においては、それぞれに要求される数のスイッチ機構のブロックを搭載することになる。そのために、さらに部品数が増加してコスト高となり、且つ占有空間が増えることから小型化が困難にあるという課題も有している。
【0011】
本発明の目的は、上述した課題を解決することを要旨とし、部品数が少なく、低コストで良好な操作感を有する電子機器のスイッチ機構を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明による電子機器のスイッチ機構は、スイッチばねと、前記スイッチばねの先端部と係合し前記スイッチばねの撓み方向位置を規制する規制部とが、前記スイッチばねの基部が連続する基板体と一体に構成され、前記スイッチばねが、前記スイッチばねの基部と前記先端部の中間に設けられる作用部と、前記先端部と前記基部の中間に設けられる回路端子部との接続部と、を備え、前記作用部を前記回路端子部の方向に押し力を付勢して前記規制部と前記先端部との係合を解除して前記接続部を前記回路端子に接続し、前記作用部への押し力を解除したとき、前記スイッチばねの弾性力によって前記回路端子部と前記接続部との接続を開放するとともに、前記スイッチばねを押し力が付勢される前の初期位置まで復帰させることを特徴とする。
【0013】
この発明によれば、スイッチばねと、スイッチばねの位置を規制する規制部とを一体で形成しているため、主要機能部位としてのスイッチばね及び規制部とを同じ製造工程にて形成できるため相互位置の精度を高めることができる。また、前述した従来技術にくらべ部品数を少なくできるのでコスト低減を図ることができるという効果がある。
【0014】
また、詳しくは後述する実施の形態にて説明するが、回路端子部の方向に押し力を付勢して規制部とスイッチばねの先端部との係合を解除しスイッチばねの接続部を前記回路端子に接続するため、係合を解除するまでのあいだと係合解除後に回路端子部と接続するまでのあいだのスイッチばねの反力に大きな差がでることから、節度感(クリック感と呼ぶことがある)のある良好な操作感を得ることができる。
【0015】
さらに、規制部とスイッチばねの先端部との係合を解除するために要する押し力(スイッチばねの反力に相当する)を適切に設定することにより、スイッチ入力の誤動作を低減することができるという効果もある。
【0016】
また、前記規制部が、前記基板体から断面方向に曲げ形成されており、前記規制部の曲げ形成された先端部において、前記スイッチばねの先端部と係合し、前記作用部に押し力を付勢したとき、前記規制部に捩れ撓みが生ずることが好ましい。
【0017】
このように、曲げ形成された規制部の先端部とスイッチばねの先端部とが係合していることにより、スイッチばねの作用部に押し力を付勢したときに、スイッチばねが押し力の付勢方向に撓むこととともに規制部に捩れ撓みが発生する。従って、過大な押し力が付勢された場合においても、上述した両者の変形により係合が解除されることからスイッチばね及び規制部の破壊を防止できることができ、さらに、適正な節度感の設定がし易くなるという効果がある。
【0018】
また、前記規制部の先端部が、前記スイッチばねの先端部と係合する角部と、さらに押し力を付勢したとき、前記角部と連続し前記スイッチばねの先端部が摺動する摺動面とが設けられ、前記摺動面が押し力の付勢方向に延在されていることが好ましい。
【0019】
このようにすれば、規制部に角部を形成し、この角部とスイッチばねの先端部を係合させていることからスイッチばねの位置を確実に規制することができる。
【0020】
スイッチばねは、角部との係合を解除されてから回路端子部に接続するまで押し力が付勢され、押し力を解除することでスイッチばねの弾性力で初期位置まで復帰する。この際、上述した摺動面が押し力の付勢方向に延在されているので、スイッチばねの先端部がこの摺動面に沿って移動するため、回路端子部とスイッチばねの接続部との接続位置のずれを低減することができる。
【0021】
さらに、スイッチばねが初期位置に復帰する際、スイッチばねの先端部が押し力の付勢方向(つまり、スイッチばねの戻り方向に相当)に延在されている摺動面を摺動するため、このこの摺動による摩擦力の他に抵抗が生じないため、スイッチばねを確実に初期位置に復帰させることができる。
【0022】
また、前記角部が滑らかに丸められていることが望ましい。
このようにすれば、スイッチばねと規制部の角部との係合解除をスムーズに行うことができるので、係合部に潤滑剤等を用いなくても耐久性が優れるスイッチ機構を実現できる。
【0023】
また、本発明では、前記規制部が、前記基板体から外周方向に梁状に延在されていることが好ましい。
【0024】
このように規制部を形成することにより規制部の形状を簡単にすることができる。さらに、前述した規制部が基板体から断面方向に曲げ形成される構造にくらべ薄型化を実現できる。
【0025】
また、前記規制部が、前記基板体から外周方向に梁状に延在されている構造では、前記規制部の先端部において、前記スイッチばねの先端部と係合し、前記作用部に押し力を付勢したとき、前記規制部が前記スイッチばねの先端部の延長方向に撓むことが望ましい。
【0026】
このような構造にすれば、規制部が撓むことによりスイッチばねに対する反力を弱めるので、前述した規制部が基板体から断面方向に曲げ形成された構造と同様に過大な押し力が付勢された場合においても、スイッチばね及び規制部の永久変形を防止でき、さらに、適正な節度感の設定がし易くなるという効果がある。
【0027】
また、前記作用部に突起部が形成され、前記突起部に押し力を付勢して前記規制部と前記先端部との係合を解除することが好ましい。
【0028】
押し力を付勢する手段としては、例えば外部操作部材としてのボタンが考えられる。ボタンには、押しボタンやスライドボタン等がある。本発明では、スイッチばねの作用部に突起部を設けていることから、突起部の頂点を付勢する押しボタン、突起部の側面を付勢するスライドボタンの両方に対応することができる。スライドボタンを採用する構造では、ボタンのストロークがスイッチばねの撓み方向に略直角方向になるため、電子機器の小型化に寄与する。
【0029】
さらに、本発明では、前記スイッチばねと前記規制部とが、前記基板体に複数対形成されていることを特徴とする。
【0030】
本発明によれば、スイッチばねと規制部からなるスイッチ機構を共通の基板体に一体に複数対形成している。従って、部品数を増やさず複数のスイッチ機構を設けることができ、コスト増を防止し、しかもスペース効率よく小型化を実現できる。
【0031】
また、複数対のスイッチ機構(スイッチばね及び規制部)を同じ製造工程で形成することが可能となるため、スイッチ機構毎の押し力や操作感のばらつきを低減することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1〜図7は実施形態1、図8,9は実施形態2、図10は実施形態3に係るスイッチ機構を示している。
(実施形態1)
【0033】
図1は、本発明の実施形態1に係る電子機器のスイッチ機構を示す平面図、図2は図1を押しボタン方向から視認した部分正面図、図3はスイッチ板30の一部を示す斜視図である。図1〜図3において、電子機器1は、筐体10内に装着されるスイッチ板30と一体に形成されるスイッチばね32と規制部36とからなるスイッチ機構と、スイッチ機構の下部に配設される図示しない電子回路が実装された回路基板50とを含んで構成されている。
【0034】
筐体10には、筐体10の内外を連通するボタン挿通孔10aが開設されており、このボタン挿通孔10aを挿通する外部操作部材としての押しボタン20が備えられている。
【0035】
押しボタン20は、筐体10の外周側に突出する鍔状の頭部20aとスイッチばね32に当接するスイッチばね押部20cと、頭部20aとスイッチばね押部20cとを連続するボタン軸20bが段状に形成されている。スイッチばね押部20cは、筐体10の内側に突設されている。
【0036】
押しボタン20の頭部20aの内部には押しボタン20を筐体10の外側に付勢するボタン復帰ばね21が設けられており、ボタン復帰ばね21は、ばね座22によって保持されている。ボタン軸20bとボタン挿通孔10aの細管部との間にはリング状のパッキン23が圧入されており、ボタン挿通孔10aの周囲における水密性を保持している。押しボタン20のスイッチばね押部20c近傍にはボタン固定座24が設けられ、押しボタン20を筐体10から脱落しないよう保持している。
【0037】
押しボタン20は、押し操作により、図中矢印A方向からの押し力をスイッチばね32に付勢する。なお、ボタン操作をやめる(つまり、押しボタンから手を離す)とボタン復帰ばね21の弾性力によって初期位置(図1に示す状態)に復帰する。
【0038】
スイッチばね32は、スイッチ板30の外周部に形成される板状のばね部材であって、基部31から断面方向下側に曲げられており、スイッチ板30の外周に沿って延在されている。スイッチばね32は、先端部33と基部31の長手方向の中間に設けられる押しボタン20のスイッチばね押部20cに当接される作用部35と、作用部35と先端部33との中間に回路基板50に設けられる回路端子部51と接続する接続部34と、を備えている。作用部35、接続部34、先端部33との間は、接続部34が、回路端子部51方向に突出するようにくの字状に曲げ形成されている。接続部34の頂部は滑らかに丸められていることが望ましい。そして、先端部33が規制部36の先端部と交差している(図2、参照)。
なお、接続部34の配設位置は、基部31とスイッチばね32の先端部33の間にあればよく本実施形態に限定されない。
【0039】
また、図2,3に示すように、規制部36は、基部31に連続する基板体(スイッチ板30の本体部)としてのスイッチ板体30aのスイッチばね32の先端部33近傍において断面下側方向に曲げ形成されている。規制部36は、スイッチばね32の先端部33の撓み方向の位置を規制する角部37と、角部37に連続する摺動面38を有しており、この摺動面38は、押しボタン20による押し力の付勢方向に略平行となるように延在されている。
【0040】
なお、図1に示す状態は、押しボタン20を押し操作する前の初期状態を示しており、スイッチばね32は弾性力で押しボタン20を外側に向かって付勢している。従って、接続部34と回路端子部51とは隙間ある状態(電気的な接続が開放されている)となっている。
【0041】
回路端子部51は、図示しない回路素子が実装される回路基板50に形成されるリードパターンの一部であって、回路素子と電気的に接続されている入力パターンが回路基板50の側面まで延在され形成されている。
【0042】
回路基板50は機枠2の上面に配設され、回路基板50の上面側にスイッチ板30が配設される(図2、参照)。機枠2と回路基板50とスイッチ板30は、図示しない共通の案内軸に挿着されることで正確に位置決めして組立てられている。なお、その一例を図3に示す。図3において図示される複数の案内孔39を先述した案内軸に挿着する。
【0043】
次に、スイッチ板30の全体形状について図4を参照して説明する。
図4は、スイッチ板30の全体形状の概略を示す平面図である。ここで、同一場所に形成されるスイッチばねと規制部を一対のスイッチ機構としたとき、図4では4対のスイッチ機構が形成されている構成を例示している。図4において、右下方向にはスイッチばね32と規制部36とが構成され、右上方向にはスイッチばね132と規制部136、左上方向にはスイッチばね232と規制部236、左下方向にはスイッチばね332と規制部336とが形成されている。
【0044】
規制部の詳細な形状について、さらに図5を参照して説明する。
図5は、本実施形態に係る規制部36の形状を示す部分斜視図であり、(a)はその具体的実施例1、(b)は実施例2を示している。実施例1(図5(a))において、規制部36のスイッチばね32の先端部33と係合する範囲の角部37が滑らかに丸められている。
【0045】
また、実施例2(図5(b))では、規制部36のスイッチばね32の先端部33と係合する範囲において、摺動面38からさらに突出部36aが延在され、角部37の位置で滑らかに丸められている。
【0046】
上述した実施例1,2による角部の形状は、図6にて説明するボタン操作の過程において、スイッチばね32の位置規制と規制解除の際の適正な反力が得られる形状に設定する。
【0047】
また、摺動面38の大きさは、図6(b)、(c)に示すボタン操作の過程において、スイッチばね32の先端部33との当接領域が確保できる範囲の大きさに設定する。
【0048】
スイッチ板30は、弾性と電気導通性に優れた金属からなり、プレス加工によって形成される。本実施形態のスイッチ機構の製造方法について簡単に説明する。
まず、図示は省略するが、板材から各スイッチばねと規制部とを同一平面に展開した形状にプレス加工によって一括成形する。このとき案内孔も形成する。
【0049】
続いて、スイッチばねと規制部を断面方向に曲げ加工して、スイッチばねと規制部とが所定の形状を有するスイッチ板30を形成する。そして、導電性と耐食性を高めるためにメッキ処理を行う。従って、図4に示すように複数対のスイッチ機構を有していても、1対のスイッチ機構を有する場合と同一の製造工程にて形成することが可能である。
【0050】
続いて、実施形態1に係るスイッチ機構の動作について図面を参照して説明する。
図6は、ボタン押し操作に伴うスイッチ機構の動作を段階的に示す部分平面図である。図6において、(a)は、押しボタン20を押し操作する前の初期状態を示している。スイッチばね32は、作用部35が押しボタン20のスイッチばね押部20cに当接しており、スイッチばね32の弾性力で押しボタン20を筐体10の外側方向に付勢している。このとき、スイッチばね32の先端部33と規制部36の角部37とは僅かに離間している。そして、接続部34は回路端子部51と十分な距離を有している。
【0051】
続いて、押しボタン20を押し操作する。図6(b)は、スイッチばね32の先端部33が規制部36の角部37との係合が解除される直前まで押しボタン20を押し操作した状態を示している。図に示すように、このときも接続部34と回路端子部51とは離間した状態である。
【0052】
さらに、押しボタン20を押し操作すると、図6(c)に示すように、スイッチばね32の先端部33が規制部36の角部37との係合が解除され、先端部33が摺動面38に沿って摺動しながら移動し、接続部34が回路端子部51と接続される。本実施形態では、スイッチばね32は電気的にはGNDとしている。従って、接続部34が回路端子部51と接続された状態においてスイッチ入力(スイッチON)となる。
【0053】
次に、図6にて示した各状態における押しボタン20のストロークとスイッチばねの作用部35が受ける反力との関係を図面を参照して説明する。
図7は、押しボタンのストロークとスイッチばねの作用部が受ける反力との関係を模式的に示すグラフである。図6も参照する。横軸に押しボタン20のストローク、縦軸に反力を表している。図7において、ストロークが0の場合(ストロークS0の位置)、つまり、図6(a)に示す状態ではスイッチばね32が押しボタン20を外側方向に付勢しているため、この付勢分の反力が存在する。
【0054】
ストロークS1の位置は、先端部33が規制部36の角部37に接触した位置を示す。このときの反力は、スイッチばね32の単純板ばねの弾性力のみが反力(図中、二点鎖線にて示す)となる。
【0055】
さらに、押しボタン20を押していくと、スイッチばね32は、先端部33と基部31を固定端とする両端支持梁状となるため反力は急激に増加する。そして、先端部33が角部37との係合が解除される直前(ストロークS2の位置)において反力は最大となる(図6(b)の状態)。
【0056】
そして、先端部33が角部37との係合から解除されると、先端部33と摺動面38との摩擦による反力とスイッチばね32の本体の撓みによる反力が加わった反力の値まで(ストロークS3の位置)急激に低下する。
【0057】
さらに、押しボタン20を押し込むと、図6(c)の状態となり、接続部34が回路端子部51に接触する(ストロークS4の位置)。この際、反力は接続部34が回路端子部51に接触することにより若干増加する。
【0058】
上述した一連の押しボタン20の押し操作では、先端部33と角部37との係合が解除される押し力(反力がピーク)が付勢される状態から、係合が解除された瞬間の短時間に接続部34が回路端子部51に接続する位置まで移動する。従って、押しボタン20の操作には、節度がある(クリック感がある)操作感が得られる。
【0059】
そしてスイッチ入力がONされた状態で押しボタン20への押し力を解除する(ストロークS5の位置)と、スイッチばね32への押し力の付勢が解除されるので、スイッチばね32の弾性力により押しボタン20及びスイッチばね32自身が図6(a)に表される初期位置に復帰する。接続部34と回路端子部51の接続は開放されスイッチOFFとなる。その際、スイッチばね32を初期位置に復帰させる弾性力は、先端部33と摺動面38との摩擦による反力よりもはるかに大きいので、スイッチばね32は素早く初期位置に復帰する。なお押しボタン20も、ボタン復帰ばね21により初期位置まで復帰する。
【0060】
なお、規制部36は、図3に示すように長さと断面積との比が大きく、また断面形状は厚さと幅の比を大きくなるように設定していることから、角部37とスイッチばね32の先端部33とが係合してから係合解除までの過程で捻り撓みが生ずる。また、摺動面38を先端部33が摺動する過程(押し力が付勢されているとき、初期位置に復帰するとき)においても捻り撓みが生ずるように設計されている。従って、スイッチばね32が初期位置まで復帰する時の負荷を減じている。
【0061】
従って、前述した実施形態1によれば、スイッチばね32と、スイッチばね32の先端部33(接続部34を含む)の位置を規制する規制部36とを一体で形成しているため、主要機能部位としてのスイッチばね32及び規制部36とを同じ製造工程にて形成できるため相互位置の精度を高めることができる。また、前述した従来技術にくらべ部品数を少なくできるのでコスト低減を図ることができるという効果がある。
【0062】
また、スイッチばね32の作用部35を回路端子部51の方向に押し力を付勢し、規制部36とスイッチばね32の先端部33との係合を解除して接続部35を回路端子部51に接続する。従って、係合を解除するまでの間と係合解除後に回路端子部51と接続するまでの間のスイッチばね32の反力に大きな差がでることから、節度感のある良好な操作感を得ることができる。
【0063】
さらに、規制部36とスイッチばね32の先端部33との係合を解除するために要する押し力(スイッチばねの反力に相当する)を適切に設定することにより、スイッチ入力の誤動作を低減することが可能になるという効果もある。
【0064】
また、曲げ形成された規制部36の先端部とスイッチばね32の先端部33とを係合させていることにより、スイッチばね32の作用部35に押し力を付勢したときに、スイッチばね32が押し力の付勢方向に撓むとともに規制部36に捩れ撓みが発生する。従って、過大な押し力が付勢された場合においても、上述した両者の変形により係合が解除されることからスイッチばね32及び規制部36の破壊を防止できることができ、さらに、適正な節度感の設定がし易くなるという効果がある。
【0065】
また、規制部36の先端部に、スイッチばね32の先端部33と係合する角部37を形成していることからスイッチばね32の位置を確実に規制することができる。さらに、押し力を付勢したとき、角部37と連続し、且つスイッチばね32の先端部33が摺動する摺動面38を押し力の付勢方向に延在していることから、スイッチばね32の先端部33は、摺動面38によって長手方向の位置が規制されるので、接続部35の長手方向の位置のずれを抑えることができる。
【0066】
さらに、スイッチばね32が初期位置に復帰する際、スイッチばね32の先端部33が押し力の付勢方向に延在されている摺動面38を摺動して移動するが、このこの摺動による摩擦力の他に抵抗が生じないため、スイッチばね32を確実に初期位置に復帰させることができる。
【0067】
また、規制部36の角部37を滑らかに丸めていることにより、スイッチばね32の先端部33と規制部36の角部37との係合解除をスムーズに行うことができ、係合部に潤滑剤等を用いなくても耐久性が優れるスイッチ機構を実現できる。
【0068】
また、本実施形態では、スイッチばねと規制部からなるスイッチ機構をスイッチ板30に複数対形成している。従って、部品数を増やさず複数のスイッチ機構を一体に設けることができ、コスト増を防止し、スペース効率よく小型化を実現できる。
【0069】
さらに、複数のスイッチ機構(スイッチばね及び規制部)を同じ製造工程で形成することが可能となるため、スイッチ機構毎の押し力や操作感のばらつきを低減することができるという効果を奏する。
【0070】
なお、このように複数のスイッチ機構を有する電子機器においては、スイッチ機構毎に押し力や操作感を変更することがある。このような場合においても、スイッチばね32の弾性力、規制部36とスイッチばね32の先端部33との係合量を適宜設定することで、容易に所望の押し力や操作感を実現することができる。
(実施形態2)
【0071】
続いて、本発明の実施形態2に係るスイッチ機構について説明する。実施形態2は、前述した実施形態1では規制部36がスイッチ板30から断面方向に曲げ形成されていることに対し、規制部がスイッチ板から外周方向(押しボタン方向)に突設されていることに特徴を有している。押しボタンの構造は実施形態1と同じであるため説明を省略する。
図8は、実施形態2に係る電子機器のスイッチ機構を示す平面図、図9は図8を押しボタン方向から視認した部分正面図である。実施形態1との相違個所を中心に説明する。また共通部には同じ符号を附している。
【0072】
図8,9において、スイッチばね42は、スイッチ板40の外周部に形成される板状のばね部材であって、基部41から断面方向下側に曲げられており、スイッチ板40の外周に沿って延在されている。スイッチばね42は、先端部43と基部41の長手方向の中間に設けられる押しボタン20のスイッチばね押部20cに当接する作用部45と、作用部45と先端部43との中間に回路基板50に設けられる回路端子部51と接続する接続部44と、を備えている。作用部45、接続部44、先端部43との間は、接続部44が、回路端子部51方向に突出するようにくの字状に曲げ形成されている。接続部44の頂部は滑らかに丸められていることが望ましい。そして、先端部43が規制部46の先端部と交差している。
【0073】
規制部46は、基部41に連続する基板体(本体)としてのスイッチ板体40aのスイッチばね42の先端位置において外周方向に突設されている。規制部46は、スイッチばね42の先端部43の撓み方向の位置を規制する角部47と、角部47に連続する摺動面48を有しており、この摺動面48は、押しボタン20による押し力の付勢方向に略平行となるように延在されている側面部である。
【0074】
なお、図8では、押しボタン20を押し操作する前の初期状態を実線にて示しており、スイッチばね42は弾性力で押しボタン20を外側に向かって付勢している。従って、接続部44と回路端子部51とは隙間ある状態(電気的な接続が開放されている)となっている。
【0075】
なお、スイッチ板40の全体形状について説明を加える。図示は省略するが、本実施形態におけるスイッチ機構においても、前述した実施形態1(図4、参照)と同様に、同一場所のスイッチばねと規制部を一対のスイッチ機構としたとき、複数対のスイッチ機構が形成される。
また、規制部46のスイッチばね42の先端部43と係合する範囲の角部47は滑らかに丸められている。
【0076】
続いて、本実施形態に係るスイッチ機構の動作について図8を参照して説明する。なお、本実施形態では規制部46の形状が前述した実施形態1と異なるだけであるため図6も参照する。図8にて実線にて表す状態は、押しボタン20を押し操作する前の初期状態を示している。スイッチばね42は、作用部45が押しボタン20のスイッチばね押部20cに当接しており、スイッチばね42の弾性力で押しボタン20を筐体10の外側方向に付勢している。このとき、スイッチばね42の先端部43と規制部46の角部47とは僅かに離間している。そして、接続部44は回路端子部51と十分な距離を有している。
【0077】
さらに、押しボタン20を押し操作すると、スイッチばね42の先端部43が規制部46の角部47との係合が解除され、接続部44が回路端子部51と接続する。接続部44が回路端子部51と接続された状態(図8において二点鎖線にて表す)においてスイッチ入力(スイッチON)となる。
【0078】
そしてスイッチ入力がONされた状態で押しボタン20への押し力を解除すると、スイッチばね42への押し力の付勢が解除されるので、スイッチばね42の弾性力により押しボタン20及びスイッチばね42自身が実線にて表される初期位置に復帰する。接続部44と回路端子部51との接続は開放されスイッチ入力はOFFとなる。その際、スイッチばね42を初期位置に復帰させる弾性力は、先端部43と摺動面48との摩擦による反力よりもはるかに大きいので、スイッチばね42は素早く初期位置に復帰する。なお押しボタン20も、ボタン復帰ばね21により初期位置まで復帰する。
【0079】
なお、規制部46は、図8,9に示すように長さと断面積との比が大きく細い梁状に形成されていることからく、角部47とスイッチばね42の先端部43とが係合して係合解除までの過程で先端部43から離れる方向の撓みが生ずる。また、摺動面48を先端部43が摺動する過程(押し力が付勢されているとき、初期位置に復帰するとき)においても同様な撓みが生じているように設計されている。従って、スイッチばね42が初期位置にまで復帰する時の負荷を減じている。
【0080】
従って、上述した実施形態2によれば、規制部46をスイッチ板体40aから外周方向に梁状に延在していることにより規制部46の形状を簡単にすることができる。さらに、規制部46をスイッチ板体40aから平面方向に延在し、規制部46の先端部において、スイッチばね42の先端部43と係合する構造であるため薄型化を実現できる。
【0081】
また、規制部46をスイッチ板体40aから外周方向に梁状に延在している、前述した実施形態1と同様に過大な押し力が付勢された場合においても、スイッチばね42及び規制部46の永久変形を防止できることができ、さらに、適正な節度感の設定がし易くなるという効果がある。
(実施形態3)
【0082】
続いて、本発明の実施形態3に係るスイッチ機構について図面を参照して説明する。実施形態3は、前述した実施形態1,2に示すような押しボタン20を外部操作部材として用いる他に、スライドボタンも用いることができるようにスイッチばねの形状を工夫していることに特徴を有している。この構造は、前述した実施形態1または実施形態2のそれぞれの規制部36,46及びスイッチばね32,42の形状どちらにも採用可能であるが、ここでは実施形態1に応用した場合を例示して説明する。なお、実施形態1と共通部分の説明は省略する。
【0083】
図10は、本実施形態に係るスイッチ機構を示す平面図であり、(a)は、スイッチ入力操作前の状態、(b)はスイッチ入力操作の状態を表している。
まず、本実施形態に係るスイッチ機構の構造について説明する。図10(a)、(b)において、電子機器1は、筐体10内にスイッチばね32と規制部36とからなるスイッチ機構と、スイッチ機構の下部に配設される図示しない電子回路が実装された回路基板50とを含んで構成されている。
【0084】
筐体10には、筐体10の内外を連通するボタン挿通孔10aが開設されており、このボタン挿通孔10aの外周側に筐体10の周方向に設けられるスライド溝11が形成され、このスライド溝11にスライドボタン60が装着されている。
【0085】
スライドボタン60は、筐体10の内側に突出するスイッチばね押部61とスイッチばね逃げ部62とが連続して形成され、筐体10の外周方向の面にはスライド操作をし易くする溝が設けられた操作部63が形成されている。スライドボタン60は、スライドボタン保持ばね65によって、スライド溝11に沿って筐体10の外周方向に移動可能に筐体10に装着され、スライド操作によって、スイッチばね32に押し力を付勢する。
【0086】
スイッチばね32には、作用部35(図1,2、参照)に相当する位置に突起部35aが設けられている。突起部35aは、本実施形態では半球状に形成され、回路端子部51の反対側、つまり、スライドボタン60が設けられる方向に配設される。
【0087】
次に、本実施形態におけるスイッチ機構の動作について説明する。図10(a)は、スイッチ入力操作前の状態を表している。スイッチばね32の突起部35aは、スライドボタン60のスイッチばね逃げ部62の位置にあり、突起部35aとスライドボタン60とは接触していない。従って、スイッチばね32の接続部34と回路端子部51とは離間し接続していない(スイッチ入力OFFの状態)。
【0088】
続いて、図10(b)に示すようにスライドボタン60を矢印A方向に移動させる。すると、スライドボタン60のスイッチばね押部61とスイッチ逃げ部62との間の斜面部66によってスイッチばね32の突起部35aが押されてスイッチばね32は徐々に撓められる。スイッチばね32の先端部33は、規制部36の角部37に押し力が付勢される。
【0089】
さらにスライドボタン60を矢印A方向に移動させると、スイッチばね押部61がスイッチばね32の突起部35aの頂部まで達し、スイッチばね32を押し圧する。スイッチばね32の接続部34と回路端子部51とが接続され、スイッチ入力される。この操作の過程において、スイッチばね32の先端部33と規制部36の角部37との係合が解除されるので、解除時と解除後のスイッチばね32への反力の差が大きいため(図7、参照)、スイッチ入力操作における良好な節度感が得られる。
【0090】
スライドボタン60を矢印B方向に移動させる(図10(a)で表す位置まで)ことにより、スイッチばね32は、自身の弾性力によって初期位置に復帰する。
【0091】
なお、スライドボタン60のスライド方向に沿ってスライドボタン60とスライドボタン保持ばね65との間のどちらか一方に、それぞれが係合し合う突起または凹部を設けることにより、この突起または凹部を乗り越える前と、乗り越えた後におけるスライドボタン保持ばねの弾性力よる負荷の差によって節度感を有するスライドスイッチ機構を構成することが出来る。
【0092】
また、本実施形態は、前述した実施形態1または実施形態2のような押しボタン20を採用することもできる。この場合、突起部35aに押しボタン20のスイッチばね押部20cを当接するようにすればよい。このように押しボタン20を外部操作部材として採用する場合、スイッチばね32には突起部を設けずに、押しボタン20のスイッチばね押部20の先端に突起部を設ける構造としてもよい。
このようにすれば、スイッチばね押部20cと突起部35a(作用部35に相当)との当接位置ずれが発生せず、また当接時における摩擦負荷を低減することができる。
【0093】
なお、このような突起部35aは、プレス加工等によるスイッチばね32と規制部36とを展開した形状に加工する際に同時に形成することが可能であり、製造工数が増加することはない。
【0094】
従って、上述した実施形態3によれば、スイッチばね32の作用部に相当する位置に突起部35aを設けていることから、突起部35aの頂点から付勢する押しボタン20(図1、参照)、突起部35aの側面から付勢するスライドボタン60の両方に対応することができる。スライドボタン60を採用する構造では、スライドボタン60のストロークがスイッチばね32の撓み方向に略直角方向、つまり筐体10の外周に沿う方向になるため、電子機器の小型化に有効である。
【0095】
なお、本発明は前述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、前述した実施形態1〜実施形態3では、電子機器1の外周方向に外部操作部材としての押しボタン20、あるいはスライドボタン60を設け、これらの配置に対応したスイッチ機構を配設しているが、それぞれを電子機器1の平面上方または下方に配設する構造とすることができる。
【0096】
また、本発明のスイッチ機構は、外部から入力操作を行う電子機器、特に電子ウオッチや携帯型の小型電子機器の入力機構として有効である。
【0097】
従って、実施形態1〜実施形態3によれば、部品数が少なく、低コストで良好な操作感を有する電子機器のスイッチ機構を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】本発明の実施形態1に係る電子機器のスイッチ機構を示す平面図。
【図2】図1を押しボタン方向から視認した部分正面図。
【図3】本発明の実施形態1に係るスイッチ板の一部を示す斜視図。
【図4】本発明の実施形態1に係るスイッチ板の全体形状の概略を示す平面図。
【図5】本発明の実施形態1に係る規制部の形状を示す部分斜視図。
【図6】本発明の実施形態1に係るボタン押し操作に伴うスイッチ機構の動作を段階的に示す部分平面図であり、(a)は、押しボタンを押し操作する前の初期状態、(b)はスイッチばねの先端部が規制部の角部との係合を解除する直前の状態、(c)は接続部が回路端子部と接続された状態。
【図7】本発明の実施形態1に係る押しボタンのストロークとスイッチばねの作用部が受ける反力との関係を模式的に示すグラフ。
【図8】本発明の実施形態2に係る電子機器のスイッチ機構を示す平面図。
【図9】図8を押しボタン方向から視認した部分正面図。
【図10】本発明の実施形態3に係るスイッチ機構を示す平面図。
【符号の説明】
【0099】
1…電子機器、30…スイッチ板、30a…スイッチ板体、31…スイッチばねの基部、32…スイッチばね、33…スイッチばねの先端部、34…スイッチばねの接続部、35…スイッチばねの作用部、36…規制部、51…回路端子部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スイッチばねと、前記スイッチばねの先端部と係合し前記スイッチばねの撓み方向位置を規制する規制部とが、前記スイッチばねの基部が連続する基板体と一体に構成され、
前記スイッチばねが、前記スイッチばねの基部と前記先端部の中間に設けられる作用部と、前記先端部と前記基部の中間に設けられる回路端子部との接続部と、を備え、
前記作用部を前記回路端子部の方向に押し力を付勢して前記規制部と前記先端部との係合を解除して前記接続部を前記回路端子に接続し、
前記作用部への押し力を解除したとき、前記スイッチばねの弾性力によって前記回路端子部と前記接続部との接続を開放するとともに、前記スイッチばねを押し力が付勢される前の初期位置まで復帰させることを特徴とする電子機器のスイッチ機構。
【請求項2】
請求項1に記載の電子機器のスイッチ機構において、
前記規制部が、前記基板体から断面方向に曲げ形成されており、前記規制部の曲げ形成された先端部において、前記スイッチばねの先端部と係合し、前記作用部に押し力を付勢したとき、前記規制部に捩れ撓みが生ずることを特徴とする電子機器のスイッチ機構。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の電子機器のスイッチ機構において、
前記規制部の先端部が、前記スイッチばねの先端部と係合する角部と、さらに押し力を付勢したとき、前記角部と連続し前記スイッチばねの先端部が摺動する摺動面とが設けられ、前記摺動面が押し力の付勢方向に延在されていることを特徴とする電子機器のスイッチ機構。
【請求項4】
請求項3に記載の電子機器のスイッチ機構において、
前記角部が滑らかに丸められていることを特徴とする電子機器のスイッチ機構。
【請求項5】
請求項1に記載の電子機器のスイッチ機構において、
前記規制部が、前記基板体から外周方向に梁状に延在されていることを特徴とする電子機器のスイッチ機構。
【請求項6】
請求項5に記載の電子機器のスイッチ機構において、
前記規制部の先端部において、前記スイッチばねの先端部と係合し、前記作用部に押し力を付勢したとき、前記規制部が前記スイッチばねの先端部の延長方向に撓むことを特徴とする電子機器のスイッチ機構。
【請求項7】
請求項1に記載の電子機器のスイッチ機構において、
前記作用部に突起部が形成され、
前記突起部に押し力を付勢して前記規制部と前記先端部との係合を解除することを特徴とする電子機器のスイッチ機構。
【請求項8】
請求項1ないし請求項7のいずれか一項に記載の電子機器のスイッチ機構において、
前記スイッチばねと前記規制部とが、前記基板体に複数対形成されていることを特徴とする電子機器のスイッチ機構。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−323971(P2007−323971A)
【公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−153116(P2006−153116)
【出願日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】