説明

電子機器装置、およびフレキシブルケーブルの接続判定方法

【課題】フレキシブルケーブルの斜め挿し検出のための専用ラインを設けずに誤挿入を検出することができる電子機器装置、およびフレキシブルケーブルの接続判定方法を提供することを課題とする。
【解決手段】電源制御部3は、記録ヘッド7とヘッド制御基板接続部9を接続するフレキシブルケーブル8の両端の信号線のうちの、少なくとも一方の信号線の出力信号からフレキシブルケーブル8が正常に接続されているかどうかを判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器装置を構成する機器のフレキシブルケーブルによる接続に関し、特にフレキシブルケーブルの斜め挿しを含む挿入異常の検出および誤挿入を防止する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器装置においては、各種信号の伝達のための接続にはフレキシブルケーブルが用いられている。このフレキシブルケーブルは、複数の信号線を備え、その一端または両端が機器に着脱が可能なように、機器に接続構造が設けられている。以下にフレキシブルケーブルを用いた電子機器の例として画像記録装置を例にして説明する。
【0003】
画像記録装置の1つであるインクジェット方式のフルライン型のカラープリンタでは、記録媒体が搬送される搬送方向に対して直交する方向(主走査方向)に、インク吐出のための複数のノズルを形成した記録ヘッドが、(副走査方向)に離間してインク色毎に配設されている。
【0004】
このような画像記録装置(カラープリンタ)の記録ヘッドは、圧電部材(PZT)による基板に多数の溝を形成してインク室を並設し、これらのインク室の内面に電極を形成して電圧を印加することによりインク室の容積を変化させてインクを吐出する構成となっている。
【0005】
画像記録装置は、このような記録ヘッドに対して電圧を印加して駆動するための制御基板を備えている。そしてこの制御基板は、基板内部に電源を持たないで別の基板からフレキシブルケーブルを介して電源が供給される構成を取るのが一般的である。そしてこのような、フレキシブルケーブルが、基板に対して誤挿入されると、基板の回路の破壊につながる。
【0006】
これに関連した技術として、特許文献1には、フレキシブルケーブルが誤挿入された場合に回路の短絡による装置の破壊を未然に防止するために、斜め刺し防止機能を備えた技術が開示されている。この技術を用いればフレキシブルケーブルの誤挿入によって装置の破壊を未然に防ぐことが可能とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−92868号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記した特許文献1では、電源供給装置と電子機器(インクジェットヘッド)とを接続するフレキシブルケーブルの両端に斜め挿し検出専用のラインを設け、この斜め挿し検出専用のラインの電圧レベルを調べることで斜め刺しを検出している。
【0009】
そのため特許文献1の方法は、フレキシブルケーブルのライン数が増加し、対応するコネクタのピン数も増え、装置の大型化を招く。また、フレキシブルケーブルの両端を斜め挿し検出ラインに占有するため装置の設計上の自由度を妨げることとなる。
【0010】
そこで本発明は、フレキシブルケーブルの斜め挿し検出のための専用ラインを設けずに誤挿入を検出することができる電子機器装置、およびフレキシブルケーブルの接続判定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明による電子機器装置は、機器と機器とがフレキシブルケーブルで接続される構成を有する電子機器装置において、接続元となる第1の機器と、接続先となる第2の機器と、複数の信号線よりなり、当該複数の信号線で前記第1の機器と第2の機器とを接続し、当該複数の信号線のうちの両端に当たる信号線のうちの少なくとも一方を前記第2の機器から前記第1の機器に出力する信号線とするフレキシブルケーブルと、前記第1の機器と前記第2の機器とが前記フレキシブルケーブルによって正常に接続されているか否かを、前記フレキシブルケーブルの前記両端に当たる信号線のうちの少なくとも一方から出力される信号の状態から判断する電源制御部と、を備えることを特徴とする。
【0012】
本発明によるフレキシブルケーブルの接続判定方法は、第1の機器と第2の機器が複数の信号線からなるフレキシブルケーブルで接続される構成を有する電子機器装置におけるフレキシブルケーブルの接続判定方法において、前記複数の信号線のうちの両端に当たる信号線のうちの少なくとも一方を前記第2の機器から前記第1の機器に出力する信号線とし、前記第1の機器と前記第2の機器とが前記フレキシブルケーブルによって正常に接続されているか否かを、前記フレキシブルケーブルの前記両端に当たる信号線のうちの少なくとも一方から出力される信号の状態から判断する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、フレキシブルケーブルが斜め挿し等により正常に接続されていないことを検出することが出来る。
また正常でない接続によって、機器が破壊されるのを防ぐことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本実施形態の画像記録装置1の構成例を概念的に示す図である。
【図2】記録ユニットの構成を示す図である。
【図3】本実施形態の画像記録装置におけるキャリッジ上のノズル列を配置例を模式的に示す測面図である。
【図4】図3の12−1部分を拡大してヘッド制御基板と記録ヘッドの接続関係を模式的に示した図である。
【図5】本実施形態の画像記憶装置の電源制御部によって行われる制御処理を示すフローチャートである。
【図6】記録ヘッドの別構成を示す図である。
【図7】図6の記録ヘッドをフレキシブルケーブルによってヘッド制御基板接続部と接続した記録ユニットの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の第1実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
なお以下の説明では、本実施形態の電子機器装置の例として、画像記憶装置に本発明を適用した場合を例として説明している。しかし、本実施形態の電子機器装置は、画像記憶装置に限定されるものではなく、電子機器装置を構成する機器をフレキシブルケーブルで接続する構成のものであれば他の電子機器装置であっても良い。
【0016】
また以下に示す本実施形態の画像記憶装置の説明においては、記録媒体の搬送方向をX軸方向(副走査方向)とし、この搬送方向と直行する方向をY軸方向(主走査方向)または記録媒体50の幅方向と定義して説明している。そしてさらにXY平面に直行する方向をZ軸方向又は上下方向と定義して説明している。
【0017】
まず、本実施形態におけるフレキシブルケーブルの誤挿入を検出できる画像記録装置について説明する。
図1は、本第1実施形態の画像記録装置1の構成例を概念的に示す図である。
【0018】
図1に示されているように、画像記録装置1は、制御部2、画像記録部12、及びエラー報知部11を少なくとも備えている。
ここで、制御部2は、画像記録装置1全体の制御を司るものである。また画像記録部12は搬送された記録媒体50に対する記録処理を司るものである。
【0019】
なお、画像記録装置1は、この他に記録媒体50を画像記録部12に搬送する搬送機構、インクによる詰まりや汚れからノズル列21を回復させる回復部、記録後の記録媒体50を収納する収納部なども備えているが、図1では図示を省略している。
【0020】
上述した画像記録装置1の各構成部について説明する。
制御部2は、電源制御部3を少なくとも備えており、この電源制御部3は、画像記録部12の電源制御を行う。制御部2は、例えば制御機能及び演算機能を有するMPU(Micro Processor Unit:演算処理装置)及び制御プログラムを格納するROM(Read Only Memory)等とからなる処理回路と、画像記録装置1の制御に関する設定値等を保存しておく不揮発性メモリから構成される。
【0021】
エラー報知部11は、フレキシブルケーブルが誤挿入状態であることをユーザに報知するものであり、液晶表示パネルやCRT等による表示部やLED等の表示機能を備える。また、エラー報知部11は電子ブザー等の音声によってユーザに報知する構成であっても良い。
【0022】
画像記録部12は、ヘッド制御基板4−1乃至4−n、記録ユニット10−1乃至10−n、及びフレキシブルケーブル8−1乃至8−nを少なくとも備えている。
ヘッド制御基板4−1乃至4−nは、ヘッド制御基板接続部9を備え、記録ユニット10−1乃至10−nを制御する制御回路6−1乃至6−nと記録ヘッド7−1乃至7−nと接続されている。このヘッド基板4−1乃至4−nは、制御回路6−1乃至6−nの指示に基づいて記録ヘッド7−1乃至7−nを制御する。
【0023】
また、記録ユニット10−1乃至10−nは、記録ヘッド7−1乃至7−n、ヘッド制御基板4−1乃至4−nを接続するためのフレキシブルケーブル8−1乃至8−n、及びヘッド制御基板接続部9−1乃至9−nから構成されている。制御部2は、制御回路6上の揮発領域である駆動波形設定部5にノズル列駆動部20への設定データを書き込むことで制御回路6−1乃至6−nを制御する。
【0024】
記録ヘッド7は、ノズル列駆動部20−1−1乃至20−m−n、ノズル列21−1−1乃至21−m−n、及び温度測定部22−1−1乃至22−m−nを備えている。
図2は、記録ユニット10の構成を示す図である。
【0025】
図2に示されているように、記録ユニット10では、記録ヘッド7とヘッド制御基板接続部9を接続するフレキシブルケーブル8には、複数の信号線L1〜L40を有しておりこれらの信号線が両端を持つようにフラットに並べられる構成となっている。このフレキシブルケーブル8の信号線L1〜L40はそれぞれヘッド制御基板接続部9の接続端子l1〜l40に接続される。
【0026】
ここで信号線L1〜L40の一端である信号線L1には、記録ヘッド7のインク温度を検出する温度測定部22(Th)からの信号が伝達され、もう一端である信号線L40には、ノズル列駆動部20の設定信号(Cf)が伝達されている。この設定信号(Cf)は、フレキシブルケーブルが誤挿入無く正常に接続されていれば、L39のリセット信号(Rst)に同期してリセットが解除されるとLOWからHIGHとなる。また信号線L2〜L38中には、ヘッド基板接続部9にVDD電源(例えば5V)やVCC電源(例えば39V)を供給する信号線を含んでいる。
【0027】
本第1実施形態では、電源制御部3がこの設定信号(Cf)をモニタすることにより、フレキシブルケーブル8が正常に挿入されていることを認識する。
温度測定部22は、記録ヘッド7のインク温度を測定し、制御部2へ通知するものである。制御部2は、温度測定部22から通知さえる温度をモニタし、インクの温度が吐出するのに最適な温度になるようノズル列21を制御する機能を備えている。
【0028】
温度計測部22の出力信号はインク温度を計測しているため、温度情報の出力範囲は設計上規定されているため、フレキシブルケーブルの断線等はこの温度信号をモニタすることでも判断が可能である。
【0029】
図3は、本第1実施形態の画像記録装置1におけるキャリッジ上のノズル列21を配置例を模式的に示す測面図である。
図3に示すように、各ノズル列21−1−1乃至21−m−n及びノズル列駆動部20−1−1乃至20−m−nは、キャリッジ31によって支持される形でY軸方向(主走査方向)に列を作って、X軸方向(副走査方向)に特定の間隔で配置されている。図4は、図3の画像記録部12部分を拡大してヘッド制御基板4と記録ヘッド7の接続関係を模式的に示した図である。
【0030】
図4に示されるように画像記録部12−1は、1枚のヘッド制御基板4−1に、フレキシブルケーブル8−1−1乃至8−2−nによって複数の記録ヘッド7−1−1乃至7−2−nと接続されている。
【0031】
このような構成により、ヘッド制御基板4−1は、制御回路6−1の指示に基づいて各記録ヘッド7−1−1乃至7−2−nを制御し、インクの温度を吐出に最適な状態にする。そして、画像記憶装置1が接続されている上位装置から画像記録開始の指示を受け取ると、制御部2は、ノズル列駆動部20に対して画像記録開始を指示し、記録媒体50を搬送してノズル列21の下方に記録媒体50が搬送されるタイミングでノズル列21を駆動してインクを吐出させる。このようにして記録ヘッド7は、ヘッド制御基板4を介して制御部2から受け取る画像データと記録媒体50の位置情報を用いて記録媒体50に画像記録を行なう。
【0032】
次に本第1実施形態の画像記録装置1が備える電源制御部3が、ノズル列21へ電力供給を開始する際の動作処理について説明する。
電源制御部3は、画像記憶装置1の電源投入時等に起動され、フレキシブルケーブル8がヘッド制御基板接続部9に正常に接続されているかどうかを、設定信号(Cf)をモニタすることにより、フレキシブルケーブル8が正常に挿入されていることを認識後に、電源VDD及びVCCをONにする。
【0033】
図5は、本第1実施形態の画像記憶装置1の電源制御部3によって行われる制御処理を示すフローチャートである。
同図の処理は、制御部2のMPUがROM内の制御プログラムを実行して電源制御部3として機能することにより実現される。なお電源制御部3は、制御プログラムによるソフトウエア的手法によって実現するのではなく、ロジック回路を組むことにより専用のハードウエアによって実現しても良い。
【0034】
図5において処理が開始されると、電源制御部3は、まずステップS1として、温度測定部22から記録ヘッド7のインク温度を取得する。
次に電源制御部3は、ステップS2として、ステップS1で取得した温度情報からフレキシブルケーブル8の信号線L1がヘッド制御基板接続部9の接続端子l1に接続されているかどうかを判定する。
【0035】
温度測定部22から出力される温度情報はサーミスタ等の温度センサの出力に基づくものであるので、例えば温度範囲が0℃〜60℃のとき温度情報は1.0V〜2.5Vとなる等、温度情報の出力範囲は設計上規定されている。フレキシブルケーブル8の誤挿入および断線等でヘッド制御基板4から温度測定部22に正常な信号伝達が行なわれなかった場合、例えばフレキシブルケーブル8の接続がオープンとなったりグランドとショートしたりした場合は、温度測定部22から出力される温度情報は0V等設計値と異なった値となる。また記録ヘッド7は複数存在するため、温度情報も複数あり、これらを比較することにより、他の温度情報とかけ離れた温度情報が得られた場合は何らかの不具合があったとものと判定することが出来る。
【0036】
電源制御部3は、ステップS1で取得した温度情報が正常な値であり、フレキシブルケーブル8の信号線L1とヘッド制御基板接続部9の接続端子l1が接続されていると判定した場合(ステップS2、Yes)、ステップS3へ処理を移す。
【0037】
また、電源制御部3は、ステップS2において、温度情報からフレキシブルケーブル8の信号線L1とヘッド制御基板接続部9の接続端子l1が接続されていないと判定した場合(ステップS2、No)、ステップS9として、エラー報知部11にユーザに対してエラーを報知させた後、本処理を終了する。
【0038】
ステップS3において、電源制御部3はフレキシブルケーブル8が正常挿入されているものとして、第1の電源VDD(例えば5V)をフレキシブルケーブル8を介してヘッド制御基板接続部9へ供給するのを開始する。
【0039】
そして電源制御部3は、ステップS4として第1の電源VDD電源が安定するまで待機した後、ステップS5として記録ヘッド7へのリセット信号(Rst)をON/OFFしてパルス信号を出力する。このパルス信号の入力によって、記録ヘッド7のノズル列駆動部20にリセットがかかる。そして電源制御部3は、ステップS6において、リセット解除して信号が安定するまで待機する。
【0040】
次に電源制御部3は、ステップS7として、設定信号(Cf)がHIGHになっているかどうかを判定する。
電源制御部3が信号線L39のリセット信号(Rst)線にHIGHを出力すると、記録ヘッド7は信号線L40から設定信号(Cf)としてLOWを出力する。また電源制御部3がリセット信号(Rst)にLOWを出力すると、信号線L40の設定信号(Cf)はHIGHとなるので、電源制御部3は、信号線L40からの出力が信号線L39の指示信号に対応した正規の応答をするかどうかをモニタすることでフレキシブルケーブルが正常に接続されているかどうかの判定を行う。
【0041】
電源制御部3は、信号線L40とヘッド制御基板4の端子l40が正常に接続されていると判定した場合(ステップS7、Yes)、ステップS8へ処理を移す。また、電源制御部3は、ステップS7において、信号線L40とヘッド制御基板4の端子l40が正常に接続されていないと判定した場合(ステップS7、No)、ステップS9として、第1の電源VDDの供給を停止すると共に、エラー報知部11にユーザに対してエラーを報知させた後、本処理を終了する。
【0042】
ステップS8においては、電源制御部3は、ヘッド制御基板接続部9への第2の電源Vcc(39V)の供給を開始した後、本処理を終了する。
以上説明したように、本第1実施形態の画像記憶装置1が備える電源制御部3によるノズル列21への電力供給を開始方法ででは、温度測定部22における接続状態を判断することで第1の電源を供給する前にフレキシブルケーブル8が正常に挿入されているかどうかを検出することができる。
【0043】
また第1の電源を供給した状態で記録ヘッド7のリセット信号を操作することによってフレキシブルケーブルの他端が正常に接続されているかどうかを検出することができる。
このように本第1実施形態の画像記憶装置1では、記録ヘッド7とヘッド制御基板4の接続状態を検出し、続いて駆動波形設定部5に正しいデータが書き込めるかヘッド制御基板4上の制御回路6の状態を調べることでノズル列駆動部20を正常に制御できると判断して電力供給を開始することができる。
【0044】
よって誤った接続によって、機器が破壊されるのを防ぐことが出来る。
次に第2実施形態として、画像記憶装置1が複数のノズル列21を有する記録ヘッド7を備える場合について説明する。
【0045】
第2実施形態の画像記録装置1の基本構成は、図1に示した第1実施形態の構成と基本的には同じであるが、記録ヘッド7部分の構成が異なる。
第1実施形態では、記録ヘッド7が1つのノズル列21を有する場合を示し、記録ヘッド7は、ノズル列21、ノズル列駆動部20、及び温度測定部22から構成されていた。
【0046】
画像記憶装置の解像度を高める方法として、図6に示すようにピッチNのノズル列21aと、ノズル列21aに対してN/2ピッチずらしたノズル列21bを有する記録ベッド7aを用いる構成のものがある。
【0047】
このような記録ヘッド7aを有する画像記憶装置1では、全く同一な信号ラインが2系統存在するが、この信号ラインを1枚のフレキシブルケーブル8aで構成することが経済的であり、スペースも有効に使える。
【0048】
図7は、このような記録ヘッド7aをフレキシブルケーブル8aによってヘッド制御基板接続部9と接続した記録ユニット10aの構成を示す図である。
図7に示されるように記録ヘッド7aはノズル列21a、ノズル列駆動部20a、及び温度測定部22aと、ノズル列21b、ノズル列駆動部20b及び温度測定部22bで構成される。
【0049】
この図7の構成では、フレキシブルケーブル8aは、ノズル列21aの温度測定部22aの信号とノズル列21bへの設定信号(Cf)を両端に設置している。この構成により第1実施形態と同じように両端の接続状態を検出することができる。
【0050】
さらに図7においては、フレキシブルケーブル8aの両端に温度測定信号を配置しても良いし、両端に設定信号(Cf)を配置しても良いし、両端に温度検出信号と設定信号(Cf)を組み合わせて配置しても良い。
【0051】
また本実施形態の電子機器装置が画像記憶装置でない場合においても、フレキシブルケーブルで接続する接続先の機器が備えるセンサの出力をフレキシブルケーブルの片端もしくは両端に用いたり、あるいは接続元からの出力に対する応答信号をフレキシブルケーブルの片端もしくは両端に用いればよい。
【0052】
以上、本実施形態によれば、フレキシブルケーブルの斜め挿し等の誤挿入を検出するための専用ラインを設けることなくフレキシブルケーブルの誤挿入を検出することができる。
【0053】
また、本発明は前述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良・変更が可能である。
例えば、画像記録装置1の全体構成からいくつかの構成要素を削除しても良いし、別の構成要素を加えても良い。
【符号の説明】
【0054】
1 画像記憶装置
2 制御部
3 電源制御部
4 ヘッド制御基板
5 駆動波形設定部
6 制御回路
7 記録ヘッド
8 フレキシブルケーブル
9 ヘッド制御基板接続部
10 記録ユニット
11 エラー報知部
12 画像記録部
20 ノズル列駆動部
21 ノズル列
22 温度測定部
31 キャリッジ
50 記録媒体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器と機器とがフレキシブルケーブルで接続される構成を有する電子機器装置において、
接続元となる第1の機器と、
接続先となる第2の機器と、
複数の信号線よりなり、当該複数の信号線で前記第1の機器と第2の機器とを接続し、当該複数の信号線のうちの両端に当たる信号線のうちの少なくとも一方を前記第2の機器から前記第1の機器に出力する信号線とするフレキシブルケーブルと、
前記第1の機器と前記第2の機器とが前記フレキシブルケーブルによって正常に接続されているか否かを、前記フレキシブルケーブルの前記両端に当たる信号線のうちの少なくとも一方から出力される信号の状態から判断する電源制御部と、
を備えることを特徴とする電子機器装置。
【請求項2】
演算処理部、及び制御プログラムを予め記憶している記憶部を少なくとも備える制御部をさらに備え、
前記制御部は、前記演算処理部に前記制御プログラムを実行させることにより前記電源制御部として機能する、ことを特徴とする請求項1に記載の画像記録装置。
【請求項3】
前記第2の機器は計測部を備え、前記フレキシブルケーブルの前記両端に当たる信号線のうちの少なくとも一方は、前記計測部の出力を前記第1の機器に出力する信号線であることを特徴とする請求1に記載の電子機器装置。
【請求項4】
前記電子機器は画像記憶装置であり、前記第2の機器は記録ヘッドであり、前記計測部は、前記記録ヘッド内の温度を計測するセンサであることを特徴とする請求項3に記載の電子機器装置。
【請求項5】
前記フレキシブルケーブルの前記両端に当たる信号線のうちの少なくとも一方は、前記第1の機器から前記第2の機器への通知信号に対する応答信号の信号線であることを特徴とする請求1に記載の電子機器装置。
【請求項6】
前記第1の機器から前記第2の機器への通知信号はリセット信号であり、前記応答信号は前記第2の機器の設定信号であることを特徴とする請求項5に記載の電子機器装置。
【請求項7】
前記電源制御部は、前記第1の機器と前記第2の機器とが前記フレキシブルケーブルによって正常に接続されていると判定したとき前記第1の機器から前記第2の機器に電源を供給するよう制御することを特徴とする請求項1に記載の電子機器装置。
【請求項8】
前記電源制御部は、前記両端に当たる信号線のうちの一方から前記第1の機器と前記第2の機器とが前記フレキシブルケーブルによって正常に接続されていると判定したとき、前記第1の機器から前記第2の機器に第1の電源を供給し、前記両端に当たる信号線のうちのもう一方から前記第1の機器と前記第2の機器とが前記フレキシブルケーブルによって正常に接続されていると判定したとき、さらに前記第1の機器から前記第2の機器に第2の電源を供給するよう制御することを特徴とする請求項7に記載の電子機器装置。
【請求項9】
前記電源制御部は、前記前記第1の機器と前記第2の機器とが前記フレキシブルケーブルによって正常に接続されていないと判断したとき、前記第2の電子機器に電源を供給することを停止することを特徴とする請求項7に記載の電子機器装置。
【請求項10】
前記電源制御部が、前記第1の機器と前記第2の機器とが前記フレキシブルケーブルによって正常に接続されていないと判断したとき、異常を報知する報知部を備えたことを特徴とする請求項1に記載の電子機器装置。
【請求項11】
前記電子機器装置は画像記憶装置であり、前記第2の機器は記録ヘッドであり、前記第1の機器は前記記録ヘッドを制御するヘッド制御部であることを特徴とする請求項1に記載の電子機器装置。
【請求項12】
第1の機器と第2の機器が複数の信号線間からなるフレキシブルケーブルで接続される構成を有する電子機器装置におけるフレキシブルケーブルの接続判定方法において、
前記複数の信号線のうちの両端に当たる信号線のうちの少なくとも一方を前記第2の機器から前記第1の機器に出力する信号線とし、
前記第1の機器と前記第2の機器とが前記フレキシブルケーブルによって正常に接続されているか否かを、前記フレキシブルケーブルの前記両端に当たる信号線のうちの少なくとも一方から出力される信号の状態から判断する
ことを特徴とするフレキシブルケーブルの接続判定方法。
【請求項13】
前記第2の機器は計測部を備え、前記フレキシブルケーブルの前記両端に当たる信号線のうちの少なくとも一方は、前記計測部の出力を前記第1の機器に出力する信号線であることを特徴とする請求12に記載のフレキシブルケーブルの接続判定方法。
【請求項14】
前記フレキシブルケーブルの前記両端に当たる信号線のうちの少なくとも一方は、前記第1の機器から前記第2の機器への通知信号に対する応答信号の信号線であることを特徴とする請求12に記載のフレキシブルケーブルの接続判定方法。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図5】
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【図7】
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【図4】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−60504(P2011−60504A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−207187(P2009−207187)
【出願日】平成21年9月8日(2009.9.8)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】