説明

電子機器

【課題】より簡易に複数の入力形式によるパスワードの入力が可能な電子機器を提供することである。
【解決手段】ディジタルテレビ受像機100において、パスワード情報記憶手段(記憶部123)によって、パスワード情報における音声情報とキー入力情報の配列順を記憶することができ、判別手段(CPU121、判別プログラム123e)によって、パスワード情報の入力の際、音声情報の入力とキー入力による入力順と、パスワード情報記憶手段に記憶されたパスワード情報における音声情報とキー入力情報の配列順を比較し、入力順と配列順が一致しているか否かに基づいて、パスワード情報記憶手段に記憶されたパスワード情報と一致するか否かを判別する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パスワード機能を有する電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、使用者を特定又は制限するパスワード機能として、複数桁の数字やアルファベットなどの組み合わせによる方法や音声認識技術等を用いた方法が一般的に利用されている。
【0003】
パスワード機能を有する電子機器には、例えば、ユーザ名及びパスワードでの照合だけでなく、音声情報の照合を行い、照合が一致した場合のみ所望の番組の視聴を行うことができる視聴制限機能付きテレビジョン受像機が知られている(特許文献1参照)。
【0004】
また、カメラによる顔識別や指紋認識、音声認識等によりユーザを認識し、視聴しているユーザに対して番組表から得られた番組が視聴可能かどうかを判断し、ペアレンタルロックを自動的にかけるテレビジョン受像機が知られている(特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2004−040293号公報
【特許文献2】特開2000−175117号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1及び2に開示されたパスワード機能を有する電子機器は、キー入力によるパスワードの照合、音声情報の入力による照合、或いは顔画像や指紋入力による照合にしても、それぞれの単独の入力形式を用いて照合を行うものであり、仮に複数の入力形式を用いて照合する場合であっても、単純に各入力形式の照合を個別に行うだけなので、ユーザにとっては煩雑になるだけであった。
【0006】
本発明の課題は、より簡易に複数の入力形式によるパスワードの入力が可能な電子機器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、音声情報とキー入力情報の組み合わせにより構成されるパスワード情報のうち、音声情報を入力する音声情報入力手段と、
ユーザを識別する識別情報と、音声信号の周波数パターンに関する音響モデルパターンとを対応付けて記憶する音響モデルパターン記憶手段と、
ユーザによる識別情報の入力に基づいて、前記音響モデルパターン記憶手段に記憶された当該識別情報に対応する音響モデルパターンを前記音響モデルパターン記憶手段から取得する音響モデルパターン取得手段と、
前記音響モデルパターン取得手段により取得された音響モデルパターンを用いて、音声情報の音声認識を行う音声認識手段と、
前記パスワード情報のうち、キー入力情報をキー入力するためのキー入力手段と、
前記パスワード情報における前記音声情報と前記キー入力情報の配列順と、当該配列順に対応する前記音声情報入力手段により入力された音声情報を前記音声認識手段により音声認識処理した結果得られた文字及び前記キー入力手段によりキー入力された文字から構成される文字列とを記憶するパスワード情報記憶手段と、
前記パスワード情報の入力の際、前記音声情報入力手段による音声情報の入力と前記キー入力手段によるキー入力の入力順と、前記パスワード情報記憶手段に記憶されたパスワード情報における音声情報とキー入力情報の配列順を比較し、さらに前記音声情報入力手段により入力された音声情報を前記音声情報認識手段により音声認識処理した結果得られた文字と前記キー入力手段によるキー入力により得られた文字とから構成された入力文字列と、前記パスワード情報記憶手段に記憶されたパスワード情報における前記文字列を比較し、前記入力順と前記配列順並びに前記入力文字列と前記文字列が一致しているか否かを判別する判別手段と、
前記判別手段により、前記入力順と前記配列順並びに前記入力文字列と前記文字列が一致していることに基づいて、所定の処理を行う制御手段と、
を備えることを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、音声情報とキー入力情報の組み合わせにより構成されるパスワード情報のうち、音声情報を入力する音声情報入力手段と、
前記パスワード情報のうち、キー入力情報をキー入力するためのキー入力手段と、
前記パスワード情報における前記音声情報と前記キー入力情報の配列順を記憶するパスワード情報記憶手段と、
前記パスワード情報の入力の際、前記音声情報入力手段による音声情報の入力と前記キー入力手段によるキー入力の入力順と、前記パスワード情報記憶手段に記憶されたパスワード情報における音声情報とキー入力情報の配列順を比較し、前記入力順と前記配列順が一致しているか否かに基づいて、前記パスワード情報記憶手段に記憶されたパスワード情報と一致するか否かを判別する判別手段と、
前記判別手段により、前記入力順と前記配列順が一致していることに基づいて、所定の処理を行う制御手段と、
を備えることを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、
前記音声情報入力手段により入力された音声情報を音声認識処理する音声認識手段をさらに備え、
前記パスワード情報記憶手段は、前記パスワード情報における前記音声情報と前記キー入力情報の配列順に加え、当該配列順に対応する前記音声情報入力手段により入力された音声情報を前記音声認識手段により音声認識処理した結果得られた文字及び前記キー入力手段によりキー入力された文字から構成される文字列を記憶し、
前記判別手段は、前記パスワード情報の入力の際、前記音声情報入力手段による音声情報の入力と前記キー入力手段によるキー入力の入力順と、前記パスワード情報記憶手段に記憶されたパスワード情報における音声情報とキー入力情報の配列順を比較し、さらに前記音声情報入力手段により入力された音声情報を前記音声情報認識手段により音声認識処理した結果得られた文字と前記キー入力手段によるキー入力により得られた文字から構成された入力文字列と、前記パスワード情報記憶手段に記憶されたパスワード情報における前記文字列を比較し、前記入力順と前記配列順並びに前記入力文字列と前記文字列が一致しているか否かを判別し、
前記制御手段は、前記判別手段により、前記入力順と前記配列順並びに前記入力文字列と前記文字列が一致していることに基づいて、所定の処理を行うことを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、
ユーザを識別する識別情報と、音声信号の周波数パターンに関する音響モデルパターンとを対応付けて記憶する音響モデルパターン記憶手段と、
ユーザによる識別情報の入力に基づいて、当該識別情報に対応する音響モデルパターンを前記音響モデルパターン記憶手段から取得する音響モデルパターン取得手段と、
をさらに備え、
前記音声認識手段は、前記音響モデルパターン取得手段により取得された音響モデルパターンを用いて、音声情報の音声認識を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に記載の発明によれば、音声情報入力手段によって、音声情報とキー入力情報の組み合わせにより構成されるパスワード情報のうち、音声情報を入力することができ、音響モデルパターン記憶手段によって、ユーザを識別する識別情報と、音声信号の周波数パターンに関する音響モデルパターンとを対応付けて記憶することができ、音響モデルパターン取得手段によって、ユーザによる識別情報の入力に基づいて、音響モデルパターン記憶手段に記憶された当該識別情報に対応する音響モデルパターンを音響モデルパターン記憶手段から取得することができ、音声認識手段によって、音響モデルパターン取得手段により取得された音響モデルパターンを用いて、音声情報の音声認識を行うことができ、キー入力手段によって、パスワード情報のうち、キー入力情報をキー入力することができ、パスワード情報記憶手段によって、パスワード情報における音声情報とキー入力情報の配列順と、当該配列順に対応する音声情報入力手段により入力された音声情報を音声認識手段により音声認識処理した結果得られた文字及びキー入力手段によりキー入力された文字から構成される文字列とを記憶することができ、判別手段によって、パスワード情報の入力の際、音声情報入力手段による音声情報の入力とキー入力手段によるキー入力の入力順と、パスワード情報記憶手段に記憶されたパスワード情報における音声情報とキー入力情報の配列順を比較し、さらに音声情報入力手段により入力された音声情報を音声情報認識手段により音声認識処理した結果得られた文字とキー入力手段によるキー入力により得られた文字から構成された入力文字列と、パスワード情報記憶手段に記憶されたパスワード情報における文字列を比較し、入力順と配列順並びに入力文字列と文字列が一致しているか否かを判別することができ、判別手段により、入力順と配列順並びに入力文字列と文字列が一致していることに基づいて、制御手段によって、所定の処理を行うことができる。
従って、一のパスワード情報を、音声情報及びキー入力情報の混合により構成し、パスワードの照合を、音声情報の入力とキー入力の入力順により照合できることとなって、より簡易に複数の入力形式によるパスワードの入力ができる。
また、パスワードの照合を、音声情報の入力とキー入力の入力順に加え、音声情報及びキー入力により入力された文字列を照合できることとなって、より見破られにくいパスワード機能を利用することができる。
さらに、音響モデルパターン記憶手段に記憶された音響モデルパターンを用いて、音声情報の音声認識を行うため、当該音響モデルパターン記憶手段に記憶された音響モデルパターンを有するユーザ以外の者が、パスワード情報の入力の際、音声情報を入力しても音声認識されにくくなることとなって、さらに見破られにくいパスワード機能を利用することができる。
【0012】
請求項2に記載の発明によれば、音声情報入力手段によって、音声情報とキー入力情報の組み合わせにより構成されるパスワード情報のうち、音声情報を入力することができ、キー入力手段によって、パスワード情報のうち、キー入力情報をキー入力することができ、パスワード情報記憶手段によって、パスワード情報における音声情報とキー入力情報の配列順を記憶することができ、判別手段によって、パスワード情報の入力の際、音声情報入力手段による音声情報の入力とキー入力手段によるキー入力の入力順と、パスワード情報記憶手段に記憶されたパスワード情報における音声情報とキー入力情報の配列順を比較し、入力順と配列順が一致しているか否かに基づいて、パスワード情報記憶手段に記憶されたパスワード情報と一致するか否かを判別することができ、判別手段により、入力順と前記配列順が一致していることに基づいて、制御手段によって、所定の処理を行うことができる。
従って、一のパスワード情報を、音声情報及びキー入力情報の混合により構成し、パスワードの照合を、音声情報の入力とキー入力の入力順により照合できることとなって、より簡易に複数の入力形式によるパスワードの入力ができる。
【0013】
請求項3に記載の発明によれば、請求項2に記載の発明と同様の効果が得られることは無論のこと、音声認識手段によって、音声情報入力手段により入力された音声情報を音声認識処理することができ、パスワード情報記憶手段によって、パスワード情報における音声情報とキー入力情報の配列順に加え、当該配列順に対応する音声情報入力手段により入力された音声情報を音声認識手段により音声認識処理した結果得られた文字及びキー入力手段によりキー入力された文字から構成される文字列を記憶することができ、判別手段によって、パスワード情報の入力の際、音声情報入力手段による音声情報の入力とキー入力手段によるキー入力の入力順と、パスワード情報記憶手段に記憶されたパスワード情報における音声情報とキー入力情報の配列順を比較し、さらに音声情報入力手段により入力された音声情報を音声情報認識手段により音声認識処理した結果得られた文字とキー入力手段によるキー入力により得られた文字から構成された入力文字列と、パスワード情報記憶手段に記憶されたパスワード情報における文字列を比較し、入力順と配列順並びに入力文字列と文字列が一致しているか否かを判別することができ、判別手段により、入力順と配列順並びに入力文字列と文字列が一致していることに基づいて、制御手段によって、所定の処理を行うことができる。
従って、パスワードの照合を、音声情報の入力とキー入力の入力順に加え、音声情報及びキー入力により入力された文字列を照合できることとなって、より見破られにくいパスワード機能を利用することができる。
【0014】
請求項4に記載の発明によれば、請求項3に記載の発明と同様の効果が得られることは無論のこと、音響モデルパターン記憶手段によって、ユーザを識別する識別情報と、音声信号の周波数パターンに関する音響モデルパターンとを対応付けて記憶することができ、音響モデルパターン取得手段によって、ユーザによる識別情報の入力に基づいて、当該識別情報に対応する音響モデルパターンを音響モデルパターン記憶手段から取得することができ、音声認識手段によって、音響モデルパターン取得手段により取得された音響モデルパターンを用いて、音声情報の音声認識を行うことができる。
従って、音響モデルパターン記憶手段に記憶された音響モデルパターンを用いて、音声情報の音声認識を行うため、当該音響モデルパターン記憶手段に記憶された音響モデルパターンを有するユーザ以外の者が、パスワード情報の入力の際、音声情報を入力しても音声認識されにくくなることとなって、さらに見破られにくいパスワード機能を利用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
なお、本実施の形態では、電子機器として、ディジタルテレビ受像機を例に説明する。しかし、電子機器はこれに限られることなく、例えば、ビデオやエアコン等の家電機器であっても良い。
【0016】
まず、図1を参照しながら、機器全体の構成及び要部構成について説明する。
本実施形態のディジタルテレビ受像機100は、例えば、テレビジョン放送信号(以下、放送信号という。)を受信し、受信した放送信号を、所定の出力信号に変換し、映像/音声データを出力する機器本体部1と、ユーザが音声情報を機器本体部1に無線で出力することができるマイク付きリモートコントロール装置(以下、マイク付きリモコンという。)2と、を備えて構成されている。
【0017】
次に、ディジタルテレビ受像機100の要部構成について説明する。
機器本体部1は、放送信号を受信するアンテナ3と、アンテナ3により受信された放送信号から所定の放送チャンネルの放送信号を選局するチューナ4と、チューナ4から出力された放送信号の復調及び誤り訂正処理を行う復調部5と、復調部5で復調された放送信号から各データを分離抽出することで、映像/音声データを取得するデマルチクサ6と、デマルチクサ6で取得された映像/音声データに伸張処理を行うデコーダ7と、デコーダ7で伸張された映像データにOSDデータを付加するOSD(On-Screen Display)処理部8と、デコーダ7、OSD処理部8で処理された映像/音声データを出力する表示手段としての受像部9と、音声情報を入力する音声情報入力部10と、キー入力情報を入力するとともに、当該入力操作信号を制御部12に出力するキー入力部11と、機器本体部1全体を統括制御する制御部12と、各部を接続する制御バス13と、を備えて構成されている。
【0018】
音声情報入力部10は、例えば、マイクロホンが用いられ、音声をそのまま音声情報として取得する。
なお、音声情報入力部10は、音声をそのまま音声情報として取得する場合に限らず、音声が音声信号に変換された後に、当該音声信号を音声情報として取得する設計であっても良い。
【0019】
キー入力部11は、機器本体部1に備わる各種キーがユーザにより押下操作されることにより、キー入力された入力操作信号を制御部12に出力する。
【0020】
制御部12は、例えば、図1に示すように、CPU(Central Processing Unit)121と、RAM(Random Access Memory)122と、記憶部123と、などを備えている。
【0021】
CPU121は、記憶部123に記憶された音響モデルパターンテーブル、コマンドテーブル及び各種処理プログラムに従って各種の制御動作を行う。
【0022】
RAM122は、CPU121によって実行される処理プログラムなどを展開するためのプログラム格納領域や、入力データや上記処理プログラムが実行される際に生じる処理結果などを格納するデータ格納領域などを備える。
【0023】
記憶部123は、機器本体部1で実行可能なシステムプログラム、当該システムプログラムで実行可能な各種処理プログラム、これら各種処理プログラムを実行する際に使用されるデータ、CPU121によって演算処理された処理結果のデータ、予め登録されたパスワード情報などを記憶する。具体的に、パスワード情報は、音声情報とキー入力情報の組み合わせにより構成されており、記憶部123には当該音声情報とキー入力情報の配列順と当該音声情報とキー入力情報に基づく文字列が記憶されている。
記憶部123は、かかるパスワード情報を記憶することにより、パスワード情報記憶手段として機能する。
なお、プログラムは、コンピュータが読み取り可能なプログラムコードの形で記憶部123に記憶されている。
具体的には、記憶部123には、例えば、図1に示すように、音響モデルパターンテーブル123a、音響モデルパターン取得プログラム123b、音声認識プログラム123c、判別プログラム123d、制御プログラム123e、などが記憶されている。
【0024】
音響モデルパターンテーブル123aは、ユーザを識別する識別情報と、音声信号の周波数パターンに関する音響モデルパターンとを対応付けて記憶したテーブルである。
具体的には、音響モデルパターンテーブル123aには、例えば、図2に示すように、ユーザID−1は、「一郎」からなる識別情報を有し、かかる識別情報に対して音響モデルパターン「A」、又ユーザID−2は、「花子」からなる識別情報を有し、かかる識別情報に対して音響モデルパターン「B」が対応付けられて記憶されている。
記憶部123は、かかる音響モデルパターンテーブル123aを記憶することで、音響モデルパターン記憶手段として機能する。
【0025】
音響モデルパターン取得プログラム123bは、CPU121に、ユーザによる識別情報の入力に基づいて、当該識別情報に対応する音響モデルパターンを音響モデルパターンテーブル123aから取得する機能を実現させるプログラムである。
具体的には、例えば、ユーザがキー入力部11に備わる各種キーのうち、方向指示キー(図示省略)や決定キー(図示省略)を押下操作することにより、識別情報「一郎」がキー入力された場合、CPU121は、音響モデルパターン取得プログラム123bを実行することにより、かかる識別情報「一郎」に対応する音響モデルパターン「A」を取得する。
CPU121は、かかる音響モデルパターン取得プログラム123bを実行することにより、音響モデルパターン取得手段として機能する。
【0026】
音声認識プログラム123cは、CPU121に、音声情報入力部10に入力された音声情報に対して音声認識処理を行う機能を実現させるプログラムである。
ここで、音声認識は、例えば、Juliusという音声認識ソフトウェアが用いられ、膨大な音声パターンと言語パターンの統計データを集積することにより実現される。音声認識の基本原理は、音響モデル(音素(ローマ字1文字にほぼ相当)や音節(かな1文字に相当))の周波数パターンを保持し、単語辞書を参照しながら、入力された音声の音声波形信号から単音節部分を切出した音節列信号とマッチングを行い、音声の認識を行う。
具体的には、CPU121は、音声認識プログラム123cを実行することより、CPU121が音響モデルパターン取得プログラム123cを実行することにより取得された音響モデルパターンを用いて、音声情報入力部10に入力された音声情報の音声認識を行う。
CPU121は、かかる音声認識プログラム123cを実行することにより、音声認識手段として機能する。
【0027】
判別プログラム123dは、CPU121に、記憶部123に記憶されたパスワード情報と、音声情報の入力及びキー入力によるパスワード情報が一致しているか否かを判別する機能を実現させるプログラムである。
具体的には、パスワード情報の入力の際、音声情報入力部10による音声情報の入力とキー入力部11によるキー入力の入力順と、記憶部123に記憶されたパスワード情報における音声情報とキー入力情報の配列順を比較し、さらに音声情報入力部10により入力された音声情報を、CPU121が音声認識プログラム123cを実行することにより音声認識処理した結果得られた文字とキー入力部11によるキー入力により得られた文字から構成された入力文字列と、記憶部123に記憶されたパスワード情報における文字列とを比較し、入力順と配列順並びに入力文字列と文字列が一致しているか否かを判別する。
CPU121は、かかる判別プログラム123dを実行することにより、判別手段として機能する。
【0028】
制御プログラム123eは、CPU121に、判別プログラム123dの実行によりパスワード情報が一致している判別されたことに基づいて、所定の処理を行う機能を実現させるプログラムである。
具体的には、CPU121が判別プログラム123dを実行することにより、パスワード情報が一致していると判別された場合、CPU121は、制御プログラム123eを実行することにより、例えば、ディジタルテレビ受像機100による番組視聴制限の設定を行うV−Chip設定画面を受像部9に表示させる。
CPU121は、かかる制御プログラム123eを実行することにより、制御手段として機能する。
【0029】
次に、本発明の機器本体部1におけるパスワード情報の入力動作について、本発明の実施形態であるディジタルテレビ受像機を例に図3を用いて説明する。なお、ユーザである「一郎」が、4桁のパスワード情報を入力する場合を想定して説明する。
【0030】
まず、ステップS1において、ユーザは、当該機器本体部1における処理の実行を行うべく、パスワード入力画面へ移行する。
【0031】
次いで、ステップS2において、ユーザは、キー入力部11に備わる各種キーのうち、方向指示キー(図示省略)や決定キー(図示省略)を押下操作することにより、識別情報「一郎」がキー入力された場合、CPU121は、音響モデルパターン取得プログラム123bを実行することにより、かかる識別情報「一郎」に対応する音響モデルパターン「A」を取得する。
【0032】
次いで、ステップS3において、ユーザは、パスワード情報の入力を行う。具体的には、例えば、入力するパスワード情報における入力順が、音声情報入力、キー入力、音声情報入力、キー入力の入力順であり、入力するパスワード情報に係る文字列が「1072」であるとすると、まず、1桁目で、ユーザは、音声情報「1」を発声することにより音声情報の入力を行い(ステップS3;音声入力)、ステップS4へ進み、CPU121は、音声認識プログラム123cを実行することにより、音声情報入力部10に入力された音声情報「1」の音声認識を行う。また、2桁目で、ユーザは、キー入力により数字キー「0」を押下操作した場合(ステップS3;キー入力)、ステップS5へ進み、CPU121は、入力されたキー入力情報を判別する。
【0033】
次いで、ステップS6において、CPU121は、パスワード情報が4桁入力されたか否かを判断し、パスワード情報が4桁入力されたと判断すると(ステップS6;Yes)、ステップS7へ進む。一方、ステップS6において、CPU121が、パスワード情報が4桁入力されていないと判断した場合(ステップS6;No)、パスワード情報が4桁入力されるまで、ステップS3以降の動作を繰り返す。
【0034】
次いで、ステップS7において、CPU121は、判別プログラム123dを実行することにより、記憶部123に記憶されたパスワード情報と、キー入力及び音声情報の入力によるパスワード情報が一致しているか否かを判別し、パスワード情報が一致すると判別された場合(ステップS7;Yes)、ステップS8へ進む。一方、ステップS7において、CPU121が判別プログラム123eを実行することにより、パスワード情報が一致しないと判別した場合(ステップS7;No)、ステップS8をスキップして、本処理を終了する。
【0035】
次いで、ステップS8において、CPU121は、制御プログラム123eを実行することによって、例えば、V−Chip設定画面を表示させ、視聴制限設定処理を行い、本処理を終了する。
【0036】
以上説明した本発明にかかるディジタルテレビ受像機100によれば、音声情報入力部10によって、音声情報とキー入力情報の組み合わせにより構成されるパスワード情報のうち、音声情報を入力することができ、音響モデルパターンテーブル123aによって、ユーザを識別する識別情報と、音声信号の周波数パターンに関する音響モデルパターンとを対応付けて記憶することができ、CPU121が、音響モデルパターン取得プログラム123bを実行することによって、ユーザによる識別情報の入力に基づいて、音響モデルパターンテーブル123aに記憶された当該識別情報に対応する音響モデルパターンを音響モデルパターンテーブル123aから取得することができ、CPU121が、音声認識プログラム123cを実行することによって、CPU121が音響モデルパターン取得プログラム123bを実行することにより取得された音響モデルパターンを用いて、音声情報の音声認識を行うことができ、キー入力部11によって、パスワード情報のうち、キー入力情報をキー入力することができ、記憶部123によって、パスワード情報における音声情報とキー入力情報の配列順と、当該配列順に対応する音声情報入力部10に入力された音声情報をCPU121が音声認識プログラム123cを実行することにより音声認識処理した結果得られた文字及びキー入力部11によりキー入力された文字から構成される文字列とを記憶することができ、CPU121が、判別プログラム123dを実行することによって、パスワード情報の入力の際、音声情報入力部10による音声情報の入力とキー入力部11によるキー入力の入力順と、記憶部123に記憶されたパスワード情報における音声情報とキー入力情報の配列順を比較し、さらに音声情報入力部10に入力された音声情報をCPU121が音声認識プログラム123cを実行することにより音声認識処理した結果得られた文字とキー入力部11によるキー入力により得られた文字から構成された入力文字列と、記憶部123に記憶されたパスワード情報における文字列を比較し、入力順と配列順並びに入力文字列と文字列が一致しているか否かを判別することができ、CPU121が判別プログラム123dを実行することにより、入力順と配列順並びに入力文字列と文字列が一致していることに基づいて、CPU121が、制御プログラム123eを実行することによって、所定の処理を行うことができる。
従って、一のパスワード情報を、音声情報及びキー入力情報の混合により構成し、パスワードの照合を、音声情報の入力とキー入力の入力順により照合できることとなって、より簡易に複数の入力形式によるパスワードの入力ができる。
また、パスワードの照合を、音声情報の入力とキー入力の入力順に加え、音声情報及びキー入力により入力された文字列を照合できることとなって、より見破られにくいパスワード機能を利用することができる。
さらに、音響モデルパターンテーブル123aに記憶された音響モデルパターンを用いて、音声情報の音声認識を行うため、当該音響モデルパターンテーブル123aに記憶された音響モデルパターンを有するユーザ以外の者が、パスワード情報の入力の際、音声情報を入力しても音声認識されにくくなることとなって、さらに見破られにくいパスワード機能を利用することができる。
【0037】
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改良並びに設計の変更を行っても良い。
例えば、キー入力手段は、機器本体部に備わるキー入力部に限らず、リモコンに備わる各種キーを押下操作することにより出力された赤外線信号等の操作信号を、機器本体部に備わるリモコン信号受光部に入力し、当該入力操作信号を制御部へ出力する設計であっても良い。
また、制御手段は、判別手段により、入力されたパスワード情報と記憶部に記憶されたパスワード情報が一致していないと判別されたことに基づいて、受像部にパスワード情報が正しくない旨を表示させるなど、パスワード情報が不一致であることに応じた処理が実行される設計であっても良い。
また、音響モデルパターンを取得する際、識別情報の入力は、キー入力手段によるキー入力及び音声情報入力手段への音声情報入力のどちらでも行うことができる設計であっても良い。
また、パスワード情報が一致した場合に行われる処理は、V−CHIP設定のみならず、例えば、画質の設定等、任意の処理である。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明にかかるディジタルテレビ受像機の要部構成を示すブロック図である。
【図2】本発明における音響モデルパターンテーブルの1例を示す図である。
【図3】本発明における機器本体部のパスワード情報入力動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0039】
100 ディジタルテレビ受像機(電子機器)
1 機器本体部
10 音声情報入力部(音声情報入力手段)
11 キー入力部(キー入力手段)
121 CPU(音響モデルパターン取得手段、音声認識手段、判別手段、制御手段)
123a 音響モデルパターンテーブル(音響モデルパターン記憶手段)
123b 音響モデルパターン取得プログラム(音響モデルパターン取得手段)
123c 音声認識プログラム(音声認識手段)
123d 判別プログラム(判別手段)
123e 制御プログラム(制御手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
音声情報とキー入力情報の組み合わせにより構成されるパスワード情報のうち、音声情報を入力する音声情報入力手段と、
ユーザを識別する識別情報と、音声信号の周波数パターンに関する音響モデルパターンとを対応付けて記憶する音響モデルパターン記憶手段と、
ユーザによる識別情報の入力に基づいて、前記音響モデルパターン記憶手段に記憶された当該識別情報に対応する音響モデルパターンを前記音響モデルパターン記憶手段から取得する音響モデルパターン取得手段と、
前記音響モデルパターン取得手段により取得された音響モデルパターンを用いて、音声情報の音声認識を行う音声認識手段と、
前記パスワード情報のうち、キー入力情報をキー入力するためのキー入力手段と、
前記パスワード情報における前記音声情報と前記キー入力情報の配列順と、当該配列順に対応する前記音声情報入力手段により入力された音声情報を前記音声認識手段により音声認識処理した結果得られた文字及び前記キー入力手段によりキー入力された文字から構成される文字列とを記憶するパスワード情報記憶手段と、
前記パスワード情報の入力の際、前記音声情報入力手段による音声情報の入力と前記キー入力手段によるキー入力の入力順と、前記パスワード情報記憶手段に記憶されたパスワード情報における音声情報とキー入力情報の配列順を比較し、さらに前記音声情報入力手段により入力された音声情報を前記音声情報認識手段により音声認識処理した結果得られた文字と前記キー入力手段によるキー入力により得られた文字とから構成された入力文字列と、前記パスワード情報記憶手段に記憶されたパスワード情報における前記文字列を比較し、前記入力順と前記配列順並びに前記入力文字列と前記文字列が一致しているか否かを判別する判別手段と、
前記判別手段により、前記入力順と前記配列順並びに前記入力文字列と前記文字列が一致していることに基づいて、所定の処理を行う制御手段と、
を備えることを特徴とする電子機器。
【請求項2】
音声情報とキー入力情報の組み合わせにより構成されるパスワード情報のうち、音声情報を入力する音声情報入力手段と、
前記パスワード情報のうち、キー入力情報をキー入力するためのキー入力手段と、
前記パスワード情報における前記音声情報と前記キー入力情報の配列順を記憶するパスワード情報記憶手段と、
前記パスワード情報の入力の際、前記音声情報入力手段による音声情報の入力と前記キー入力手段によるキー入力の入力順と、前記パスワード情報記憶手段に記憶されたパスワード情報における音声情報とキー入力情報の配列順を比較し、前記入力順と前記配列順が一致しているか否かに基づいて、前記パスワード情報記憶手段に記憶されたパスワード情報と一致するか否かを判別する判別手段と、
前記判別手段により、前記入力順と前記配列順が一致していることに基づいて、所定の処理を行う制御手段と、
を備えることを特徴とする電子機器。
【請求項3】
前記音声情報入力手段により入力された音声情報を音声認識処理する音声認識手段をさらに備え、
前記パスワード情報記憶手段は、前記パスワード情報における前記音声情報と前記キー入力情報の配列順に加え、当該配列順に対応する前記音声情報入力手段により入力された音声情報を前記音声認識手段により音声認識処理した結果得られた文字及び前記キー入力手段によりキー入力された文字から構成される文字列を記憶し、
前記判別手段は、前記パスワード情報の入力の際、前記音声情報入力手段による音声情報の入力と前記キー入力手段によるキー入力の入力順と、前記パスワード情報記憶手段に記憶されたパスワード情報における音声情報とキー入力情報の配列順を比較し、さらに前記音声情報入力手段により入力された音声情報を、前記音声情報認識手段により音声認識処理した結果得られた文字と前記キー入力手段によるキー入力により得られた文字から構成された入力文字列と、前記パスワード情報記憶手段に記憶されたパスワード情報における前記文字列を比較し、前記入力順と前記配列順並びに前記入力文字列と前記文字列が一致しているか否かを判別し、
前記制御手段は、前記判別手段により、前記入力順と前記配列順並びに前記入力文字列と前記文字列が一致していることに基づいて、所定の処理を行うことを特徴とする請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
ユーザを識別する識別情報と、音声信号の周波数パターンに関する音響モデルパターンとを対応付けて記憶する音響モデルパターン記憶手段と、
ユーザによる識別情報の入力に基づいて、当該識別情報に対応する音響モデルパターンを前記音響モデルパターン記憶手段から取得する音響モデルパターン取得手段と、
をさらに備え、
前記音声認識手段は、前記音響モデルパターン取得手段により取得された音響モデルパターンを用いて、音声情報の音声認識を行うことを特徴とする請求項3に記載の電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−323290(P2007−323290A)
【公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−151800(P2006−151800)
【出願日】平成18年5月31日(2006.5.31)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】