説明

電子機器

【課題】回路基板の実装面に、記録媒体などの部材を収納する収納部及び検査信号を送信するための検査部が設けられた電子機器において、回路基板における実装効率を向上させることができる電子機器を提供すること。
【解決手段】回路を有する回路基板80を備え、回路基板80の実装面80aに、第1の部材を収納する収納部81と、収納部81に収納された該第1の部材と回路基板80の前記回路とを電気的に接続する接続部83と、収納部81に収納された前記第1の部材が実装面80aの面方向にずれることを規制する規制壁部84と、収納部81に収納された前記第1の部材へ検査信号を送信するための検査部85とが設けられた電子機器であって、検査部85は、接続部83と規制壁部84との間に配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話機などの電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機などの電子機器の筐体には、回路が配線された回路基板などが内蔵されている。回路基板の実装面には、これに実装された電子部品に検査信号を送信するための検査部(検査用ランド、テストランド、テストポイント等と呼ばれることもある。)が複数配列して設けられることが多い。検査部に対して検査を行う検査機は、プローブピンを備えていることが一般的であり、このプローブピンを検査部に接触させて、電子部品に検査信号を送信して検査を行うことができる(例えば、下記特許文献1,2参照)。
【0003】
また、回路基板の実装面には、SDカード等の記録媒体を収納するための収納部を備えたコネクタが設けられていることがある。また、回路基板の実装面には、収納部に収納された記録媒体が実装面の面方向にずれることを規制する規制壁部が、実装面から起立して設けられていることが多い。このような収納部及び規制壁部が設けられた回路基板を備えた携帯電話機においても、前述のプローブピンを用いた検査が行われる。
【0004】
【特許文献1】特開2006−237522号公報
【特許文献2】特開平7−43419号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来においては、(1)検査機を用いた検査の際に、プローブピンが、回路基板に実装された電子部品などに接触すると、電子部品が破壊される虞があること、(2)プローブピンの位置出し精度が検査機の精度に依存していること、等の理由から、検査部の配列ピッチを小さくすることは困難であった。従って、検査部の配列ピッチは大き目に設定されており、検査部が回路基板の実装面に効率的に配置されておらず、回路基板における実装効率が低かった。
【0006】
このような問題点は、携帯電話機以外の携帯電子機器にも生じる場合があり、また携帯電子機器以外の電子機器においても生じる場合がある。
【0007】
従って、本発明は、回路基板の実装面に、記録媒体などの部材を収納する収納部及び検査信号を送信するための検査部が設けられた電子機器において、回路基板における実装効率を向上させることができる電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の電子機器は、回路を有する回路基板を備え、前記回路基板の実装面に、第1の部材を収納する収納部と、該収納部に収納された該第1の部材と前記回路基板の前記回路とを電気的に接続する接続部と、前記収納部に収納された前記第1の部材が前記実装面の面方向にずれることを規制する規制壁部と、前記収納部に収納された前記第1の部材へ検査信号を送信するための検査部とが設けられた電子機器であって、前記検査部は、前記接続部と前記規制壁部との間に配置されている電子機器に関する。
【0009】
また、前記収納部は、板金部材から形成されると共に該収納部に収納された前記第1の部材における前記実装面とは反対側に配置されるカバーを備えることが好ましい。
【0010】
また、前記第1の部材は記録媒体であることが好ましい。
【0011】
また、前記回路基板における前記実装面の反対側の第2実装面には、該実装面における前記収納部が設けられた領域と対応する領域に、第2の部材が搭載されていることが好ましい。
【0012】
また、前記第2の部材はCPUであることが好ましい。
【0013】
また、前記検査部は、前記回路基板の前記実装面における、該検査部に対して検査を行う検査機が備える接触検査部の位置精度が最も高くなる部分の近傍に配置されていることが好ましい。
【0014】
また、前記検査部は検査用ランドであることが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明の電子機器によれば、回路基板の実装面に、記録媒体などの部材を収納する収納部及び検査信号を送信するための検査部が設けられた電子機器において、回路基板における実装効率を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明を実施するための好ましい一実施形態について、図面を参照しながら説明する。まず、本発明の電子機器の一実施形態である携帯電話機1の基本構造について、図1から図2を参照しながら説明する。
【0017】
図1は、本発明の一実施形態の携帯電話機1について、操作部側筐体2と表示部側筐体3とを開いた状態で示す斜視図である。図2は、図1に示す携帯電話機1を折り畳んだ状態で表示部側筐体3のリアケース30b側から視た斜視図である。図3は、図1に示す携帯電話機1を操作部側筐体2のリアケース22側から視た斜視図である。
【0018】
本実施形態における携帯電話機1は、図1から図3に示すように、折り畳み型の携帯電話機1であり、略直方体形状の操作部側筐体2と、略直方体形状の表示部側筐体3と、操作部側筐体2と表示部側筐体3とを連結する連結部4と、を備える。
【0019】
操作部側筐体2の上端部と表示部側筐体3の下端部とは、連結部4を介して開閉可能に連結されている。つまり、連結部4は、表示部側筐体3と操作部側筐体2とを開閉軸Xを中心に開閉可能に連結している。
携帯電話機1は、連結部4を介して連結された操作部側筐体2と表示部側筐体3とを相対的に回転(回動)することにより、操作部側筐体2と表示部側筐体3とを互いに開いた状態(開放状態)にしたり、操作部側筐体2と表示部側筐体3とを折り畳んだ状態(折畳み状態)にすることができる。
【0020】
次に、表示部側筐体3の詳細について説明する。表示部側筐体3は、図1から図3に示すように、その外面が、フロントケース30a及びリアケース30bを主体として構成される。
【0021】
表示部側筐体3の前面3aは、フロントケース30a及びキャップ33を主体として構成されている。前面3aは、携帯電話機1を折り畳んだ状態で操作部側筐体2と向かい合う面である。表示部側筐体3の背面3bは、リアケース30bを主体として構成されている。背面3bは、前面3aとは反対側の面である。
【0022】
表示部側筐体3内には、各種情報を表示させるメイン液晶モジュール34が配置されており、メイン液晶モジュール34は、その一方の面に設けられたメイン表示部34aが、透明部分を主体とするキャップ33を介して、フロントケース30aに形成された開口部から表示部側筐体3の前面3aに露出するように配置されている。
【0023】
また、フロントケース30aには、通話の相手側における音声を出力する音声出力部31が形成されている。音声出力部31は、表示部側筐体3の長手方向における連結部4とは反対の端部側に配置される。つまり、音声出力部31は、携帯電話機1の開状態における表示部側筐体3側の端部近傍に配置される。
【0024】
表示部側筐体3のリアケース30b側には、図2及び図3に示すように、各種情報を表示させるサブ液晶モジュール36が配置されており、サブ液晶モジュール36は、その一方の面に設けられたサブ表示部36aが、リアケース30bの透明部分を介して表示部側筐体3の背面3bに露出するように配置されている。
【0025】
メイン液晶モジュール34及びサブ液晶モジュール36は、それぞれ、メイン表示部34a及びサブ表示部36aを構成する液晶パネル、この液晶パネルを駆動する駆動回路、この液晶パネルの背面側から光を照射するバックライト等の光源部などから構成される。
【0026】
次に、操作部側筐体2の詳細について、図1から図10を参照しながら説明する。図4は、図1に示す操作部側筐体2の分解斜視図である。図5は、操作部側筐体2のリアケース22側について、蓋部24をずらして収納部81等を露出させた状態を示す図である。図6は、フロントケース21とリアケース22とを分離させて、主回路基板80の第1実装面80a側を露出させた状態を示す分解斜視図である。図7は、収納部81等を示す図で、(a)は斜視図、(b)は平面図である。図8は、収納部81にSDカード82が収納された状態を示す平面図である。図9は、接続部83と検査用ランド85との位置関係などを示す模式的平面図である。図10は、主回路基板80の模式的断面図である。
【0027】
操作部側筐体2は、図1から図5に示すように、その外面が、フロントケース21及びリアケース22を主体として構成されている。フロントケース21は、操作部側筐体2の前面2a側を構成する。操作部側筐体2の前面2aは、携帯電話機1を折り畳んだ状態で表示部側筐体3と向かい合う面である。リアケース22は、前面2aと反対側の面である背面2b側を構成する。
【0028】
フロントケース21は、操作キー群11が前面2aに露出するように構成されている。操作キー群11は、各種設定や電話帳機能やメール機能等の各種機能を作動させるための機能設定操作キー13と、電話番号の数字やメール等の文字等を入力するためのテンキー等の入力操作キー14と、各種操作における決定や上下左右方向のスクロール等を行う決定操作キー15と、から構成されている。
【0029】
操作キー群11を構成する各キーそれぞれには、操作部側筐体2と表示部側筐体3との開閉状態や、起動されているアプリケーションの種類に応じて所定の機能が割り当てられる(キー・アサイン)。携帯電話機1において、操作キー群11を構成する各キーが使用者により押圧されることで、各キーに割り当てられている機能に応じた動作が実行される。
【0030】
操作部側筐体2の前面2aには、携帯電話機1の使用者が通話時に発した音声が入力される音声入力部12が形成されている。音声入力部12は、操作部側筐体2の長手方向における連結部4とは反対側の端部近傍に配置される。つまり、音声入力部12は、携帯電話機1の開状態において長手方向の一方の端部側に配置される。
【0031】
操作部側筐体2は、図4に示すように、回路基板である主回路基板80と、縦長のシールドケース70と、キー基板60と、キー部材50と、バッテリQとを備えている。
主回路基板80の第1実装面80a側(操作部側筐体2の背面2b側)及び第2実装面80b側(操作部側筐体2の前面2a側)には複数の電子部品が実装されている。第2実装面80bは、第1実装面80aの反対側の実装面である。主回路基板80には、所定位置に回路(図示せず)が配線されており、複数の電子部品は、所定の組み合わせにより回路ブロック(図示せず)などを形成する。
【0032】
なお、図4及び図6においては、複数の電子部品のうち、コネクタK、CPU86、電子部品88a、電子部品88bのみを図示している。コネクタKは、主回路基板80の第1実装面80aに設けられ、収納部81、接続部83、規制壁部84、検査部である検査用ランド85等から構成されている。コネクタKの詳細については後述する。
CPU86は、主回路基板80の第2実装面80bに設けられる。
【0033】
主回路基板80の長さは、シールドケース70の全長の約半分であり、例えばシールドケース70の全長の30〜70%であり、好ましくはシールドケースの40〜60%である。シールドケース70の約半分の長さを有する主回路基板80は、シールドケース70における連結部4寄りの約半分の領域に配設される。従って、シールドケース70における操作部側筐体2の連結部4とは反対側の約半分の領域には、主回路基板80は配設されていない。
【0034】
シールドケース70は、主回路基板80の第2実装面80b側に実装された複数の電子部品(CPU86等)を覆う部材である。シールドケース70は、導電性の部材からなり、主回路基板80における回路ブロックを遮蔽するために設けられる。また、シールドケース70は操作部側筐体2の強度を向上させる役目も果たす。
【0035】
シールドケース70の上面70a側(操作部側筐体2の前面2a側)には、上面70a側に起立する上面側リブ71が設けられている。また、シールドケース70の下面側(操作部側筐体2の背面2b側)には、下面側に起立する下面側リブ73が形成されている。
シールドケース70は、強度を確保する観点から金属から形成されていることが好ましいが、インサート成形により部分的に合成樹脂から形成することもできる。
【0036】
キー基板60は、シールドケース70の上面70a側に積層配置され、複数のキースイッチ61〜63を有する。キー基板60は、複数の絶縁層(絶縁フィルム)の間に配線を挟み込んで形成されているフレキシブル基板である。キー基板60は、キー部材50側に、キートップとしての機能設定操作キー13、入力操作キー14及び決定操作キー15にそれぞれ対応して、複数のキースイッチ61、62、63を備える。キースイッチ61、62、63は、椀状に湾曲して立体的に形成された金属板のメタルドームを有する。メタルドームは、その椀状形状の頂点が押圧されると、キー基板60の表面に印刷された電気回路(図示せず)に形成されるスイッチ端子に接触して、電気的に導通するように構成される。
【0037】
キー部材50は、キー基板60に積層配置され、複数のキースイッチ61、62、63を押圧可能な押し子と、操作面を有するキートップとが、弾性を有するシリコンなどで構成されたシートに設けられて構成されている。
【0038】
キー部材50は、シリコンゴム製の基体シート51の表面に操作キー群11のキートップが接着剤により貼り付けられて構成される。キー部材50における操作キー群11を構成する機能設定操作キー13、入力操作キー14及び決定操作キー15は、キー基板60におけるキースイッチ61、62、63と対向する位置に配置されると共に、フロントケース21に形成されるキー孔13a、14a、15aから露出するように配置される。
【0039】
フロントケース21における操作部側筐体2の前面2a側には、キー孔13a、14a、15aが形成されている。キー孔13a、14a、15aのそれぞれからは、機能設定操作キー13の押圧面、入力操作キー14の押圧面、及び決定操作キー15の押圧面が露出する。この露出した機能設定操作キー13の押圧面、入力操作キー14の押圧面及び決定操作キー15の押圧面を押し下げるように押圧することで、対応するキースイッチ61、62、63それぞれに設けられるメタルドームにおける椀状形状の頂点は、押圧されて、スイッチ端子に接触して電気的に導通する。
【0040】
フロントケース21及びリアケース22は操作部側筐体2の外面を形成する。フロントケース21とリアケース22とは、互いの凹状の内側面が向き合うように配置され、互いの外周縁が重なり合うようにして結合される。また、フロントケース21とリアケース22との間には、キー部材50、キー基板60、シールドケース70及び主回路基板80が挟まれるようにして内蔵される。つまり、主回路基板80を覆うようにしてシールドケース70が積層配置され、また、シールドケース70にキー基板60が積層配置され、キー基板60にキー部材50が積層配置される。
【0041】
リアケース22の一端側には、その厚み方向(背面から前面に向かう方向)に貫通したバッテリ収納空間23が形成されている。操作部側筐体2が形成された状態において、バッテリ収納空間23における前面側(シールドケース70の側)は、シールドケース70の下面によって封鎖される。また、バッテリ収納空間23における背面側は、リアケース22と取り外し可能な蓋部24によって開放又は封鎖自在となっている。バッテリQは、リアケース22のバッテリ収納空間23に背面側から収納され、バッテリ収納空間23が蓋部24によって封鎖されることにより、操作部側筐体2に装着される。
【0042】
主回路基板80とバッテリQとは、操作部側筐体2を平面視した状態(操作部側筐体2を厚み方向に視た状態)において互いに重なることなく、操作部側筐体2の長手方向に配列している。バッテリQは、シールドケース70の下面における主回路基板80が配置されていない領域に対向するように、配置される。
【0043】
図4及び図5に示すように、リアケース22には、バッテリ収納空間23の主回路基板80側に、バッテリ収納空間23に隣接して、開口部25が形成されている。開口部25は、主回路基板80の第1実装面80aにおけるコネクタK(収納部81等)に対応する位置に設けられる。従って、コネクタKは、開口部25を通じてリアケース22から露出する。また、開口部25は、バッテリ収納空間23と共に蓋部24によって封鎖される。
【0044】
次に、収納部81等から構成されるコネクタKについて、図6から図10を参照しながら詳述する。
図6に示すように、主回路基板80の第1実装面80aには、コネクタKが設けられている。図7に示すように、コネクタKは、収納部81と、接続部83と、規制壁部84と、検査用ランド85とを主体として構成されている。
【0045】
図8に示すように、コネクタKには、UIMカード、SIMカード、外部メモリカード等の各種カードが装着される。本実施形態におけるカードは、SDカード82である。コネクタKによれば、SDカード82の内部のメモリ部等と、主回路基板80上の電子部品(CPU86等)とが、接続部83を介して接続される。
【0046】
収納部81は、第1の部材であるSDカード82を収納する。第1の部材は、SDカード82以外の記録媒体でもよい。図8及び図9に示すように、収納部81は、カバー81aを備える。本実施形態におけるカバー81aは、板金部材から形成される。カバー81aは、収納部81に収納されたSDカード82における第1実装面80aとは反対側に配置される。収納部81は、主回路基板80の第1実装面80a及びカバー81aを主体として構成されていると視ることもできる。
【0047】
カバー81aは、収納部81を補強する部材として機能する。従って、収納部81に収納されたSDカード82は、カバー81aによって保護されることになる。
図7に示すように、カバー81aは、検査用ランド85を覆わないように主回路基板80に設けられる。このようにカバー81aが検査用ランド85を覆わないように構成されていると、カバー81aが主回路基板80に取り付けられた状態において、検査用ランド85を利用して検査を行うことができる。
【0048】
接続部83は、収納部81に収納されたSDカード82と収納部81の前記回路とを電気的に接続するものある。図7に示すように、接続部83は、収納部81に近接して、複数配列して設けられている。接続部83は、例えば主回路基板80の第1実装面80aに、印刷により形成される。
【0049】
規制壁部84は、収納部81に収納されたSDカード82が第1実装面80aの面方向にずれることを規制する。「第1実装面80aの面方向」とは、第1実装面80aが広がる方向である。
規制壁部84は、第1壁部84aと第2壁部84bとから形成され、平面視で、カタカナの「コ」字形状を有している。第1壁部84aは、接続部83の配列方向と平行な方向に延びている。第2壁部84bは、第1壁部84aそれぞれから略垂直に収納部81側に延びている。
【0050】
図8に示すように、収納部81にSDカード82が収納された状態において、第1壁部84a及び第2壁部84bは、それぞれSDカード82の周縁に沿うことになる。なお、規制壁部84は、収納部81に収納されたSDカード82と必ずしも接触しなくてもよい。
【0051】
検査用ランド85は、収納部81に収納されたSDカード82へ検査信号を送信するためのランドである。図7に示すように、検査用ランド85は、接続部83と規制壁部84との間に配置されている。検査用ランド85は、接続部83に近接して、複数配列して設けられている。検査用ランド85は、例えば主回路基板80の第1実装面80aに、印刷により形成される。
【0052】
図9に示すように、複数の検査用ランド85の配列ピッチP1は、複数の接続部83の配列ピッチP1’と略等しい。「略等しい」とは、配列ピッチP1/配列ピッチP1’が0.995〜1.005であることをいう。
【0053】
図7及び図9に示すように、接続部83と検査用ランド85との間には、半田レジスト87が設けられている。
接続部83と検査用ランド85との間隔P2は、例えば0.1mm以上、0.2mm以下である。この間隔P2は、半田レジスト87を形成可能な最小幅である。
【0054】
図10に示すように、主回路基板80における第2実装面80bには、第1実装面80aにおける収納部81が設けられた領域と対応する領域に、CPU86が搭載されている。
【0055】
検査用ランド85は、主回路基板80の第1実装面80aにおける、検査機(図示せず)が備える接触検査部(図示せず)の位置精度が最も高くなる部分の近傍に配置されている。前記検査機は、検査用ランド85に対して検査を行うものである。接触検査部は、一般的にプローブピン等と呼ばれるもので、検査用ランド85に当接させて検査信号を送信する。
「接触検査部の位置精度が最も高くなる部分」は、主回路基板80によって異なるが、例えば、主回路基板80における、検査機の位置決めピンが挿入される挿入孔(図示せず)の付近である。
【0056】
本実施形態の携帯電話機1によれば、以下に示す各効果が奏される。
本実施形態の携帯電話機1においては、収納部81及び規制壁部84は、接続部83、検査用ランド85等と比べて十分に強度が高いため、検査機のプローブピンが接触したとしても、物理的に破壊される虞がほとんどない。また、検査用ランド85が接続部83と規制壁部84との間に配置されている。そのため、検査用ランド85の配列ピッチを狭くすることができ、主回路基板80における実装効率を向上させることができる。
【0057】
また、収納部81は、板金部材から形成されるとカバー81aを備えている。カバー81aは、収納部81に収納されたSDカード82における第1実装面80aとは反対側に配置される。収納部81において、検査機のプローブピンに最も接触しやすいカバー81aの強度が高いので、検査用ランド85を収納部81により接近させて配置することができ、実装効率を更に向上することができる。
【0058】
また、主回路基板80における第2実装面80bには、第1実装面80aにおける収納部81が設けられた領域と対応する領域に、CPU86が搭載されている。そのため、CPU86の剛性によって、主回路基板80における収納部81が設けられた領域の剛性が向上し、例えば主回路基板80の反り等を防止することができる。従って、検査用ランド85の位置精度が向上し、各検査用ランド85の配列ピッチを更に狭くすることできる。例えば、図9に示すように、検査用ランド85の配列ピッチP1を、接続部83の配列ピッチP1’と略等しくすることができる。
【0059】
また、検査用ランド85は、主回路基板80の第1実装面80aにおける、前記プローブピンの位置精度が最も高くなる部分の近傍に配置されている。そのため、各検査用ランド85の配列ピッチを更に狭くすることできる。
【0060】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。
例えば、収納部81に収納される第1の部品は、記録媒体に制限されない。
本発明は、前記実施形態においては操作部側筐体2に適用されているが、これに制限されず、例えば表示部側筐体3に適用することもできる。
【0061】
前記実施形態における連結部4は、表示部側筐体3と操作部側筐体2とを開閉軸Xを中心に開閉可能に連結しているが、連結部4は、表示部側筐体3と操作部側筐体2とを開閉軸Xを中心に開閉可能に連結すると共に、開閉軸Xに直交する回動軸を中心に回動可能に連結するいわゆる2軸ヒンジ機構を備えていてもよい。
【0062】
また、本発明の電子機器は、前記実施形態のような折り畳み式ではなく、操作部側筐体2と表示部側筐体3とを重ね合わせた状態から一方の筐体を一方向にスライドさせるようにしたスライド式の電子機器であってもよい。また、操作部側筐体2と表示部側筐体3との重ね合せ方向に沿う軸線を中心に一方の筐体を回転させるようにした回転式(リボルバ)の電子機器であってもよい。
【0063】
本発明は、携帯電話機以外の携帯電子機器に適用することができ、また携帯電子機器以外の電子機器にも適用することができる。
携帯電話機以外の携帯電子機器としては、例えば、PHS(登録商標:Personal Handy phone System)、ポータブルゲーム機、ポータブルナビゲーション装置、PDA(Personal Digital Assistant)、ノートパソコン、操作部を備えるELディスプレイ又は液晶ディスプレイが挙げられる。
【0064】
また、携帯電子機器以外の電子機器としては、例えば、電子辞書、電卓、電子手帳、デジタルカメラ、ビデオカメラ、ラジオ等が挙げられるが、これらのみに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の一実施形態の携帯電話機1について、操作部側筐体2と表示部側筐体3とを開いた状態で示す斜視図である。
【図2】図1に示す携帯電話機1を折り畳んだ状態で表示部側筐体3のリアケース30b側から視た斜視図である。
【図3】図1に示す携帯電話機1を操作部側筐体2のリアケース22側から視た斜視図である。
【図4】図1に示す操作部側筐体2の分解斜視図である。
【図5】操作部側筐体2のリアケース22側について、蓋部24をずらして収納部81等を露出させた状態を示す図である。
【図6】フロントケース21とリアケース22とを分離させて、主回路基板80の第1実装面80a側を露出させた状態を示す分解斜視図である。
【図7】収納部81等を示す図で、(a)は斜視図、(b)は平面図である。
【図8】収納部81にSDカード82が収納された状態を示す平面図である。
【図9】接続部83と検査用ランド85との位置関係などを示す模式的平面図である。
【図10】主回路基板80の模式的断面図である。
【符号の説明】
【0066】
1 携帯電話機(電子機器)
2 操作部側筐体
3 表示部側筐体
4 連結部
80 主回路基板(回路基板)
80a 第1実装面(実装面)
80b 第2実装面
81 収納部
81a カバー
82 SDカード(記録媒体、第1の部材)
83 接続部
84 規制壁部
85 検査用ランド(検査部)
86 CPU(第2の部材)
K コネクタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路を有する回路基板を備え、
前記回路基板の実装面に、
第1の部材を収納する収納部と、
該収納部に収納された該第1の部材と前記回路基板の前記回路とを電気的に接続する接続部と、
前記収納部に収納された前記第1の部材が前記実装面の面方向にずれることを規制する規制壁部と、
前記収納部に収納された前記第1の部材へ検査信号を送信するための検査部とが設けられた電子機器であって、
前記検査部は、前記接続部と前記規制壁部との間に配置されている電子機器。
【請求項2】
前記収納部は、板金部材から形成されると共に該収納部に収納された前記第1の部材における前記実装面とは反対側に配置されるカバーを備える請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記第1の部材は記録媒体である請求項1又は2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記回路基板における前記実装面の反対側の第2実装面には、該実装面における前記収納部が設けられた領域と対応する領域に、第2の部材が搭載されている請求項1から3のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項5】
前記第2の部材はCPUである請求項4に記載の電子機器。
【請求項6】
前記検査部は、前記回路基板の前記実装面における、該検査部に対して検査を行う検査機が備える接触検査部の位置精度が最も高くなる部分の近傍に配置されている請求項1から5のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項7】
前記検査部は検査用ランドである請求項1から6いずれか1項に記載の電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−182557(P2009−182557A)
【公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−18577(P2008−18577)
【出願日】平成20年1月30日(2008.1.30)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】