説明

電子機器

【課題】不要な電池残量測定の回数を減らし、消費電力を削減することができる電子機器を提供する。
【解決手段】電子機器に電源を供給する電池101の電圧を検出する電圧検出部112と、電池101の内部抵抗を検出する内部抵抗検出部113と、予め定められた一定の電流を流す擬似負荷回路111とを備える。また、内部抵抗検出部113で検出した電池101の内部抵抗の値が閾値を超えた場合に、擬似負荷回路111を駆動し電圧検出部112により電池101の電圧を検出する制御を行うシステム制御部103を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器を動作させる前に、電池に電子機器が正常動作できる残量があるか否かを測定する電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子機器の電池の残量警告を行う技術として、電池電圧を測定し、電池の電圧が規定値以下か、電池の直流抵抗が大きくなったら残量警告を表示する技術がある。
【0003】
しかし、電池は、アルカリ電池、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池などの様々な種類があり、電池電圧の監視のみでは、電池の種類によっては、電池残量不足の警告が出てからも、十分に使用し続けられる場合がある。
【0004】
即ち、リチウムイオン1セル4.2Vに対し、アルカリ電池は1セル1.5Vであり、電池の種類によっても電圧や放電特性が異なるため、電圧を監視するだけでは、電池残量がどれだけあるのか正確に測定することができない。
【0005】
これらの問題を解決するために、擬似負荷回路を設けて電池電圧の残量を測定する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
しかし、上記従来技術では、残量測定時の不要な消費電力が大きくなってしまう。
【0007】
これに鑑み、電池電圧が規定の電圧を下回ると擬似負荷回路を動作させ、残量測定を行う技術も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特公昭63−3538号公報
【特許文献2】特開2004−37170号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記特許文献2記載の技術では、電池残量が十分あるにも関わらず、電池の種類や内部抵抗の変化によって擬似負荷回路を駆動し電池残量を測定してしまう場合がある。
【0009】
これは、複数の動作モードを持つ携帯機器において、各動作モードにおける消費電流が異なり、さらに、同動作モードにおいて選択される動作の種類に応じても消費電流が異なるためである。
【0010】
このため、一様に電圧で規定した閾値によって擬似負荷回路を駆動して電池残量の測定を行う場合、消費電流の比較的小さな動作に対しても規定した電圧を超えると擬似負荷回路を駆動せねばならず、不要な電力を消費してしまう。
【0011】
また、内部抵抗値が大きくばらついた電池では、電圧閾値で残量測定の開始時期を規定すると、大電流を流す動作の場合に、内部抵抗による電圧ドロップで、残量測定を行うことなく電子機器の動作下限電圧にかかってしまう問題がある。
【0012】
本発明の目的は、不要な電池残量測定の回数を減らし、消費電力を削減することができる電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために、本発明の電子機器は、電源を供給する電池の電圧を検出する電圧検出手段と、前記電池の内部抵抗を検出する内部抵抗検出手段と、予め定められた一定の電流を流す擬似負荷回路と、前記内部抵抗検出手段で検出した前記電池の内部抵抗の値が閾値を超えた場合に、前記擬似負荷回路を駆動し、前記電圧検出手段により前記電池の電圧を検出する制御を行うシステム制御手段とを備えることを特徴とする。
【0014】
本発明の電子機器は、電源を供給する電池の電圧を検出する電圧検出手段と、前記電池の内部抵抗を検出する内部抵抗検出手段と、予め定められた一定の電流を流す擬似負荷回路と、各動作時の消費電流値を記憶する記憶手段と、前記内部抵抗検出手段で検出した前記電池の内部抵抗の値と前記記憶手段に記憶した前記消費電流値から動作時の電圧値を予測し、前記予測された電圧値が閾値を下回った場合に、前記擬似負荷回路を駆動し前記電圧検出手段により前記電池の電圧を検出する制御を行うシステム制御手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明の電子機器によれば、不要な電池残量測定の回数を減らし、消費電力を削減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
【0017】
但し、本実施の形態に記載する構成要素、組み合わせ、種類、形状、その相対配置などは特定的な記載が無い限り、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではない。
【0018】
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る、電子機器としてのデジタルカメラの概略構成図である。
【0019】
デジタルカメラ100は、各電源ブロックへ電力を供給する電源回路102、一定電流負荷を電池101に対してかけることができる擬似負荷回路111、電池電圧を検出する電圧検出部112、電池101の内部抵抗を検出する内部抵抗検出部113を備える。これらのユニットは、電池101に対して並列に接続されている。
【0020】
また、デジタルカメラ100は、システム制御部103、検出した電池電圧及び、電池内部抵抗値や電池電圧閾値を記憶しておく記憶部110を備える。
【0021】
電源回路102は、システム制御部103、撮影を行う撮影部104、撮影時のスルー表示及び撮影後の再生画像を表示する表示部105へ、各回路に設定された電圧に電池電圧を昇圧または降圧して供給している。
【0022】
また、電源回路102は、鏡筒部や手ぶれ補正装置を駆動するメカ駆動部106、ストロボ発光を行う閃光装置107、撮影画像の転送及びプリント出力を行う通信部108へ、各回路に設定された電圧に電池電圧を昇圧または降圧して供給している。
【0023】
操作部109は、レリーズスイッチや動作モードを選択するためのモードスイッチなどの動作指示をするためのスイッチである。
【0024】
操作部109の操作スイッチが操作されると、スイッチ状態をシステム制御部103が検出し、各動作部104〜109へ制御信号が送られる。
【0025】
電圧検出部112によって、検出された電池電圧は、分圧され、不図示のA/D変換部によってデジタル値に変換されて、システム制御部103に送られる。擬似負荷回路111は、システム制御部103からの制御信号に基きオン/オフの制御を行っている。
【0026】
システム制御部103から駆動信号が送られると、予め定められた一定電流が擬似負荷回路111に流され、擬似負荷回路111に流れる負荷電流に応じて電池電圧が変化する。
【0027】
図2は、図1のデジタルカメラによって実行される電池残量測定処理の手順を示すフローチャートである。
【0028】
本処理は、図1のシステム制御部103の制御の下に実行される。
【0029】
図2において、操作部109よりカメラ動作が指示されると(ステップS101)、システム制御部103は、内部抵抗検出部113を介して電池101の内部抵抗値Rbを取得(算出)する(ステップS102)。
【0030】
内部抵抗Rbを取得後、記憶部110に格納されている予め定められた抵抗値Rthとの比較を行う(ステップS103)。
【0031】
記憶部111には、カメラ動作モード毎に比較する抵抗値Rthを予め記憶しておく。また、電池残量測定を行う必要のあるカメラ動作を記憶しておき、測定した電池残量試験の結果に応じて、抵抗値Rthは逐次更新されることとなる。
【0032】
ここでは一例として、カメラ起動動作時とカメラモードの変更時に比較する抵抗値をRth1とし、閃光装置107の充電動作時、メカ駆動部106のズーム動作時に比較する抵抗値をRth2とする。
【0033】
そして、表示部105のオン・オフ、操作部109レリーズボタンを押しての静止画撮影時に比較する抵抗値はRth3とする。
【0034】
比較を行った結果、RbがRth以下の場合は、指示されたカメラ動作が実行可能と判断し、カメラ動作を行う。
【0035】
RbがRthを超えていると判断されると(ステップS103〜ステップS105)、擬似負荷回路111を駆動し電池電圧試験を行う動作項目が決定される(ステップS106〜ステップS108)。
【0036】
システム制御部103は、電圧検出部112を介して電池電圧V0を取得する。電池電圧V0を取得後、擬似負荷回路111を駆動して(ステップS109、ステップS110)、予め定められた負荷電流を電池から流す。この時の電池電圧V1を、電圧検出部112を介してシステム制御部103は取得する。V1の取得後、システム制御部103は、擬似負荷回路111の駆動を停止させる。
【0037】
システム制御部103は、取得した電圧値を基に電池残量を式(1)で算出し、電池残量が十分か否か判断する(ステップS111)。
Vth < V0−K*(V0−V1) 式(1)
ここで、Vthは記憶部110に格納されたカメラ動作可能な下限電圧である。この電圧閾値は電池の放電終止電圧をVthとして記憶部110に格納してもよい。
【0038】
Kは予めカメラ動作毎に設定された任意の係数であり、記憶部110に格納されている。
【0039】
電池残量試験を行った結果、演算された電池の予測垂下値がVth以下の場合、システム制御部103は指示された動作を実行不可能と判断する。
【0040】
動作実行不可能と判断されると、表示部105に電池交換を促す残量警告表示を出す(ステップS112)。続いてカメラ動作を終了させる。
【0041】
ステップS111で、Vth <V0−K*(V0−V1)と判断された時は、ステップS101で指示されたカメラ動作が実行可能と判断し、システム制御部103は各動作部へ動作開始の制御信号を送る(ステップS113)。
【0042】
一度、電池残量試験が必要と判断された動作項目は、記憶部110に記憶される。電池101が交換されるか、あるいは再度充電されるまで電池残量試験が必要と判断された動作項目は記憶部110に保持され続ける。
【0043】
その間、該当する動作項目が選択される毎にシステム制御部103は、擬似負荷回路111を駆動し、電池残量の測定を行う。
【0044】
以上により、電池残量が残り少なくなり、電池内部抵抗値が増加するのを検出してから擬似負荷回路111を駆動した電池残量測定を行う。
【0045】
図3は、本発明の第2の実施の形態に係る、電子機器としてのデジタルカメラの概略構成図である。
【0046】
図3において、図1と同一の番号が付加されているものは同じ構成要素を示すものであり、ここでは説明を省略する。
【0047】
システム制御部103の内部の構成を動作と併せて説明する。
【0048】
電圧検出部112によって検出された電池電圧検出信号がA/D変換部201に接続されており、A/D変換部201によって電池の電圧情報がデジタル値に変換される。デジタル値に変換された電池電圧値は、CPU202で処理され、記憶部110に保持(記憶)される。
【0049】
また、内部抵抗演算部203は、A/D変換部201からの電池電圧値と記憶部110に保持された、擬似負荷回路111で流す負荷電流値を基に、電池内部抵抗値を演算し、記憶部110に逐次記憶する。
【0050】
CPU202は、検出した操作部109のスイッチ状態情報を基に、制御部204へ擬似負荷回路111のオン/オフを行うための制御信号を送っている。
【0051】
制御部204は、擬似負荷回路111を駆動し、電池残量測定を行うかどうかを、内部抵抗演算部203からの電池内部抵抗値と電圧検出部112からの電池電圧情報と予め記憶部110に記録された各カメラ動作の消費電流値を基に決定する。
【0052】
また、電池残量は、A/D変換部201から送られてくる電池電圧情報と記憶部110に記憶されているカメラ動作モード毎に設けられた基準電圧値によって測定され、電池残量情報は表示部105で表示される。
【0053】
図4は、図3のデジタルカメラによって実行される電池残量測定処理の手順を示すフローチャートである。
【0054】
本処理は、図3のシステム制御部103の制御の下に実行される。
【0055】
図4において、操作者によって操作部109の起動スイッチが押されると電源回路102からシステム制御部103へ最低限の電力が供給される(ステップS201)。
【0056】
続いて、選択された動作項目について、擬似負荷回路111を駆動した電池残量測定が必要かどうか判断される。カメラ起動動作のように、電池交換の直後に行われる可能性のある動作項目は、記憶部110に予め記憶されており、常に、擬似負荷回路111を駆動させ、動作可能かの判断を行う。
【0057】
まず、CPU202が制御信号を送り、電圧検出部112を駆動し、現在の電池電圧V0を検出(取得)する(ステップS202)。
【0058】
続いて、擬似負荷回路111を駆動した電池残量試験を行う必要があるかを式(2)で判定する(ステップS203)。Rb_n‐1は前回測定した電池内部抵抗値であり、Icameraはカメラシステムを駆動するのに必要な消費電流参照値である。
V0 − Rb_n‐1×Icamera > Vth’ 式(2)
カメラ起動時には、電池内部抵抗を測定し直す必要があるため、ステップS203の判定はYESとなる。同一のカメラ動作モードで擬似負荷回路111の駆動が必要と判定された場合、対象となるカメラ動作を記憶部110に記憶する(ステップS204)。
【0059】
次に、擬似負荷回路111を駆動する制御信号を送り、予め定めた一定電流負荷I0を流す(ステップS205)。
【0060】
続いて、擬似負荷回路111の駆動によって一定電流負荷I0が印加されている時の電池電圧値が電圧検出部112で検出され(ステップS206)、A/D変換部でデジタル値に変換されてシステム制御部103へ送られる。一定電流負荷IO印加時の電池電圧の測定が終了すると、一定電流負荷I0の印加を停止する(ステップ207)。
【0061】
検出した電圧値と予め定めた擬似負荷回路111の一定電流負荷I0から式(3)の電池内部抵抗値Rbが内部抵抗検出部113で算出される(ステップS208)。
Rb = (V0-V1)/I0 式(3)
算出された電池内部抵抗値は、記憶部110に電池電圧値とともに保持される(ステップS209)。
【0062】
続いてカメラの起動に必要な電力が電池にあるかを判定する(ステップS210)。
【0063】
カメラの起動に必要な電力が電池101にあると判断された場合は、カメラ動作を開始する。即ち、CPU202は各カメラ動作回路へ制御指令を送る(ステップS211)。カメラの起動に必要な電力が電池101にないと判断された場合は、電池残量警告を表示部105に表示し電池交換を促す(ステップS212)。
【0064】
カメラ起動時及びカメラ動作モードの変更時には、常に、擬似負荷回路111を駆動し内部抵抗の算出を行う。
【0065】
長時間連続起動する際には、予め、記憶部110に保持した規定時間を超える度にカメラ内部抵抗値を算出し、記憶部110に保持した抵抗値を更新してもよい。
【0066】
本実施の形態では、カメラ動作毎に擬似負荷回路111を駆動した電池残量測定を行うかどうかを、1つ前の擬似負荷回路駆動時に取得した電池内部抵抗値を用いて行う。
【0067】
消費電流の大きな動作ほど、電池残量が多い状態から擬似負荷回路111を駆動させる必要が生じる。
【0068】
電池内部抵抗の変化は、電池残量の現象と共に増大していく。電池残量が少なくなるほど、電池電圧は低下し、内部抵抗が大きくなる。そして、擬似負荷回路111を駆動しなければならない動作項目もそれに伴い増加することとなる。
【0069】
これにより、電池残量が少なくなるほど、電池内部抵抗の測定が頻繁に行われることとなり、より精度の高い残量検出が可能となる。
【0070】
以上により、擬似負荷回路111を駆動した電池残量測定の実施を電池残量が僅かになるまで行わないことで、各動作を実行する前の擬似負荷回路111の駆動回数を減らし、消費電力の低減を図ることができる。
【0071】
また、電池電圧が低くなってから擬似負荷回路111を駆動することで、擬似負荷回路111の許容損失の少ない部品を使うことが可能となり、回路の構成面積も小さくすることが可能となる。
【0072】
図5は、本発明の第3の実施の形態に係る、電子機器としてのデジタルカメラの概略構成図である。
【0073】
図5において、図1と同一の番号が付加されているものは同じ構成要素を示すものであり、ここでは説明を省略する。
【0074】
本実施の形態では、擬似負荷回路111を電池パック300内に構成している。
【0075】
電池パック300は、最小限の構成として、保護回路301、外部から書き換え制御可能な記憶部302、電池部(セル)303を備える。制御部204、擬似負荷回路111、電圧検出部112は、カメラ本体に持ってもよい。
【0076】
図6は、図5のデジタルカメラによって実行される電池残量測定処理の手順を示すフローチャートである。
【0077】
本処理は、図5のシステム制御部103の制御の下に実行される。
【0078】
電池パック300がデジタルカメラ100と接続されると、電池端子を介して電源回路102へ電源が供給される(ステップS301)。
【0079】
電池パック300がデジタルカメラ100に接続された時点で、システム制御部103は、制御部204を介して記憶部302に保持された内部抵抗情報を得る(ステップS302)。
【0080】
記憶部302には、同電池パック300が前回使用されていた時の動作モード及び電池電圧毎の内部抵抗値が格納されている。
【0081】
記憶部302に保持された前回の内部抵抗情報とカメラ起動時に測定する内部抵抗値を比較することにより、電池の劣化状態を確認することができる。
【0082】
ここで、制御部204を介さずにシステム制御部103は、直接記憶部302に格納された電池情報を取得してもよい。
【0083】
操作部109よりカメラ動作が指示されると(ステップS303)、システム制御部103は、操作部109のスイッチ状態を検出し、制御部204へ電池電圧取得の制御信号を送る。
【0084】
制御部204は、電圧検出部112からの電池電圧値V0をデジタル値に変換してシステム制御部103へ送る(ステップS304)。
【0085】
続いて事前に記憶部110に格納したVth’と選択した動作で予測される電池電圧の垂下値V0-Rbn‐1×Icamera の比較を行う(ステップS305)。
【0086】
Vth’は、擬似負荷回路111を駆動するための閾値電圧である。この値はカメラを駆動可能な下限電圧より若干高めに設定する。Rbn−1は記憶部302に保持されていた電池内部抵抗値である。
【0087】
選択した動作によって予測される電圧垂下量が事前に定めた閾値電圧Vth’に達しない、V0 - Rb0×Icamera が Vth’以上の時、電池残量は充分あると判断し、システム制御部103は、メカ駆動部106へ制御信号を送り選択した動作を行う(ステップS313)。
【0088】
ここでV0 - Rbn−1×Icamera < Vth’となった場合は、電池残量が残り僅かであると判断し、擬似負荷回路111を駆動し再度電池残量の測定を行う。
【0089】
ステップS306で、動作判定を記録し、システム制御部103部からの制御信号を制御部204へ送り、擬似負荷回路111を駆動し(ステップS307)、V1を測定する(ステップS308)。
【0090】
ステップS309では、定電流負荷をオフする。
【0091】
続いて、擬似負荷回路111によって印加された負荷電流I0と負荷電流を印加する直前の電圧V0及び印加後の電圧V1から式(2)に示す電池内部抵抗を算出する(ステップS310)。
【0092】
導出された電池内部抵抗Rbは、電池内部の記憶部302に格納され(ステップS311)、予め記憶部110に保持したカメラ動作毎の消費電流値を基に電池残量が測定される。
【0093】
ステップS312で、駆動電圧閾値Vthと選択した動作で予測される電池の垂下電圧値V0- Rb×Icameraを比較した結果、V0 - Rb×Icamera> Vthの場合は、起動に充分な電池残量があると判断し、ステップS313へ進む。
【0094】
ステップS313で、システム制御部103は、制御指令をメカ駆動部106へ送りズーム動作を行う。そして、処理を終了する。
【0095】
ステップS312で、起動に充分な電池残量がないと判断した場合は、操作者に対して電池残量警告を表示部105に表示し、電池交換を促す(ステップS314)。そして、処理を終了する。
【0096】
ここで、電池内部抵抗の測定は、擬似負荷回路111を駆動して測定せずに、別途電池内部抵抗検出部を設けて行っても構わない。
【0097】
電池パック300の内部に記憶部302を持つことで、電池パック毎の内部抵抗値を保持し区別することが可能となる。
【0098】
特に、前回使用時の電池残量に応じた内部抵抗値の変化をテーブルとして保持しておくことで、電池の使用状態に応じてどの電池残量状態から内部抵抗が著しく増加するかが判り、より精度の高い残量測定が可能となる。
【0099】
さらに、必要最小限まで擬似負荷回路111を駆動した電池残量測定の回数を減らすことが可能となる。
【0100】
以上により、電池残量が残り少なくなるまで擬似負荷回路を用いた負荷試験の回数を軽減することで、消費電力の低減を可能とすることができる。
【0101】
また、電池残量が少なくなるまで駆動させないため、定格の低い回路素子を用いることが可能となり、実装面積の低減も可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0102】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る、電池残量測定装置を搭載する電子機器としてのデジタルカメラの概略構成図である。
【図2】図1のデジタルカメラによって実行される電池残量測定処理の手順を示すフローチャートである。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係る、電池残量測定装置を搭載する電子機器としてのデジタルカメラの概略構成図である。
【図4】図3のデジタルカメラによって実行される電池残量測定処理の手順を示すフローチャートである。
【図5】本発明の第3の実施の形態に係る、電池残量測定装置を搭載する電子機器としてのデジタルカメラの概略構成図である。
【図6】図5のデジタルカメラによって実行される電池残量測定処理の手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0103】
100 デジタルカメラ
101 電池
102 電源回路
103 システム制御部
104 撮影部
105 表示部
106 メカ駆動部
107 閃光装置
108 通信部
109 操作部
110 記憶部
111 擬似負荷回路
112 電圧検出部
113 内部抵抗検出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源を供給する電池の電圧を検出する電圧検出手段と、
前記電池の内部抵抗を検出する内部抵抗検出手段と、
予め定められた一定の電流を流す擬似負荷回路と、
前記内部抵抗検出手段で検出した前記電池の内部抵抗の値が閾値を超えた場合に、前記擬似負荷回路を駆動し、前記電圧検出手段により前記電池の電圧を検出する制御を行うシステム制御手段と、
を備えることを特徴とする電子機器。
【請求項2】
電源を供給する電池の電圧を検出する電圧検出手段と、
前記電池の内部抵抗を検出する内部抵抗検出手段と、
予め定められた一定の電流を流す擬似負荷回路と、
各動作時の消費電流値を記憶する記憶手段と、
前記内部抵抗検出手段で検出した前記電池の内部抵抗の値と前記記憶手段に記憶した前記消費電流値から動作時の電圧値を予測し、前記予測された電圧値が閾値を下回った場合に、前記擬似負荷回路を駆動し前記電圧検出手段により前記電池の電圧を検出する制御を行うシステム制御手段と、
を備えることを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−38775(P2010−38775A)
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−203178(P2008−203178)
【出願日】平成20年8月6日(2008.8.6)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】