説明

電子画像鑑賞装置

【課題】横長画像と横長画像を快適に表示できる電子画像観賞装置を提供する。
【解決手段】横長画像と縦長画像のいずれにも覆われないスペースに時計等の共通画像を常時表示させる。共通画像と対角線上反対側にある画像の隅の位置を一致させる。横長画像と縦長画像が切換わる場合にはアニメ効果を加えて違和感を緩和する。縦長画像の画像コメントの表示を分割してスペースに合わせる。45度回転した正方形は円形など縦横に等方性を持つ表示画面の中央に横長画像または縦長画像のいずれか一方を一つ表示する。通常表示デバイスを45度傾けて45度回転した正方形表示画面を作る。電子ペーパーを用い、夜間就寝時に書換えて速度が遅いことに対処する。モノクロ画像の書換速度をカラー画像に合わせて混在時の違和感を緩和する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子画像鑑賞装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタル画像の観賞のための電子写真立てが提案され、一般化している。写真画像は矩形であり、被写体に応じ横長または縦長で撮影されるため、その表示については古くから種々の提案がなされている。例えば正方形の表示画面に横長画像または横長画像を表示できるようにした電子写真立てが提案されている。また、正方形の表示画面に横長画像または横長画像を表示する際に生じる余白領域に撮影情報を表示するようにしたデジタルカメラなども提案されている。
【特許文献1】特開2007−135156号公報
【特許文献2】特開2008−236395号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、横長画像と横長画像の表示のためには種々検討すべき課題が多い。
【0004】
本発明の課題は、上記に鑑み、横長画像と横長画像を快適に表示できる電子画像観賞装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を達成するため、本発明は、横長画像および縦長画像のいずれをも表示可能な表示画面と、この表示画面に横長画像または縦長画像のいずれか一方を一つ表示させるとともに横長画像および縦長画像のいずれを表示する際にもこれにも覆われない空きスペースに共通画像を常時表示させる表示制御部とを有する電子画像観賞装置を提供する。これによって横長画像と縦長画像との切換わりの違和感が緩和される。このような共通画像の好適な例は時計等の時間情報表示である。
【0006】
上記本発明の特徴は、表示画面自体は縦横の回転ができないよう保持されるとともに、制御部が縦長画像を表示する際、画像の大きさ変更およびトリミングを伴わずに画像を相対的に90度回転させて表示する場合に特に有用である。
【0007】
本発明の具体的な特徴によれば、表示制御部は、横長画像および縦長画像の隅の一つが表示される位置が一致するよう制御する。これによって、これによって横長画像と縦長画像の共通部分が増え、両者間の切換わりの違和感がさらに緩和される。上記の実施においては、共通画像が表示される位置と対角線上反対側にある画像の隅の位置を一致させるのが望ましい。
【0008】
本発明の他の具体的な特徴によれば、表示制御部は、横長画像と縦長画像が切換わる場合と横長画像同士または縦長画像同士が切換わる場合とで画像の切換わり態様を異ならしめる。これによっても、横長画像と縦長画像との切換わりの違和感が緩和される。
【0009】
本発明の他の具体的な特徴によれば、表示制御部は、さらに撮影日付やタイトルなどの画像コメントを表示画面に表示するとともに、縦長画像を表示する際には画像コメントの表示を分割する。これによって空きスペース存在の違和感を軽減できる。
【0010】
本発明の他の特徴によれば、横長画像および縦長画像のいずれをも表示可能であるとともに縦横に等方性を持ち、表示される画像の辺と対抗する縁が画像の辺と平行でない表示画面と、このような表示画面の中央に横長画像または縦長画像のいずれか一方を一つ表示させる表示制御部とを有する電子画像観賞装置が提供される。これによって横長画像と縦長画像の表示が容易となる。
【0011】
上記本発明の特徴は、表示画面自体は縦横の回転ができないよう保持されるとともに、制御部が縦長画像を表示する際、画像の大きさ変更およびトリミングを伴わずに画像を相対的に90度回転させて表示する場合に特に有用である。
【0012】
上記本発明の具体的な特徴によれば表示制御部は、さらに画像コメントを前記表示画面に表示するとともに、縦長画像を表示する際には画像コメントの表示を分割する。より具体的には、分割された画像コメントの表示を縦長画像左右に振り分けて表示する。これによって空きスペースの意匠として積極的に活用できる。
【0013】
本発明の他の特徴によれば、水平方向に対し傾けて配置した表示デバイスを有する表示画面と、この表示画面に横長画像または縦長画像のいずれか一方をそれぞれ異なった角度回転させて表示させる表示制御部とを有する電子画像観賞装置が提供される。これによって、通常の表示デバイスを活用して横長画像または縦長画像を違和感なくレイアウトすることが可能となる。具体的には、表示デバイスは水平方向に対し45度傾けて配置するとともに、表示制御部が、横長画像または縦長画像のいずれか一方をそれぞれ上下方向が正立するよう異なった角度回転させて表示させるよう構成するのが好適である。
【0014】
本発明の他の特徴によれば、電子ペーパーを有する表示画面と、この表示画面に表示される画像の書換部と、この書換部による書換の実行が表示画面が観賞されないタイミングで行われるよう制御する表示制御部とを有する電子画像観賞装置が提供される。このような制御は具体的には未明の時間帯を検知することや、部屋の照明が落とされて暗くなったことを検出することで可能となる。このように表示画面が観賞されないタイミングで画像の書換を実行することにより、書換速度の遅い電子ペーパーの採用が可能となる。
【0015】
本発明の他の特徴によれば、電子ペーパーを有する表示画面と、この記表示画面に表示される画像がカラーかモノクロを検知する検知部と、検知部によって画像がモノクロであることが検知されたときその書換速度をカラー画像の書き換え速度に合わせるよう制御する表示制御部とを有する電子画像観賞装置が提供される。これによってモノクロ画像とカラー画像が混在する場合の書換の違和感を軽減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図1は、本発明の実施の形態に係る電子写真立ての第1実施例を示すブロック図である。電子写真立て2は、正方形の電子ペーパーからなる表示画面4を有し、記憶部6などに記憶されている画像データが制御部8の制御によって表示される。記憶部6は画像データを記憶するとともに制御部8の機能に必要なプログラムおよび制御に必要な臨時データを記憶する。制御部6は、記憶部6のプログラムに従って記憶部6から画像データを読出し、ドライバ10によって表示画面4に表示されている画像を書き換える。表示画面4は電子ペーパーからなるので画像書き換え後は電源供給を断っても画像を維持して表示を継続する。これによって、電子写真立て2は電池5の電源駆動で長時間画像データを表示することができる。
【0017】
記憶部6に記憶される画像データは、画像は無線LANやBluetooth(商標)などによる無線通信部12によってカメラ14などから受信することができる。無線通信部12は携帯電話からも画像データを受信することが可能である。制御部8は、記憶媒体スロット16に挿入された外部記憶媒体に記憶される画像データを表示することもできる。また、記憶媒体スロット16から出力される画像データを記憶部6に取り込んだ上で記憶部6から読み取ることも可能である。
【0018】
計時部18は表示画面4に表示される時計に時間データを提供するとともに表示画面4に表示される画像の書き換えタイミングを決めるタイマーとしても機能する。画像の書き換えはタイマーによる自動書き換えの他、操作部20の操作によって任意のタイミングで行うことができる。操作部20は電子写真立て2に設けられた手動操作スイッチおよびリモコン操作を受ける赤外線受光部を含む。この赤外線受光部は、カメラ14からの操作信号を受信することが可能であり、この場合、電子写真立て2は、カメラ14の操作によってカメラ14の画像を表示画面4で表示する大画面画像観賞装置となる。
【0019】
電子写真立て2は保持台座部20の上に固定的に保持されており、向きを縦横に変えることはできない構成となっている。画像データには横長および縦長の画像が混在するが、表示画面4は画像の長手方向をカバーする辺の長さを持つ正方形となっているので、電子写真立て2または表示画面4自体を回転させなくても、表示画像の大きさを変えずかつトリミングも行わずに横長画像および縦長画像のいずれも全画面表示できる。但し、表示画面4には画像の短手方向に画像が表示されない空きスペースが生じる。本発明は、この空きスペースの存在および横長画像と縦長画像の切換わりに違和感がないよう制御する。
【0020】
図2は、図1の表示画面4の表示内容を示す画面正面図であり、写真画像が表示されない空きスペースの存在および横長画像と縦長画像の切換わりに違和感が制御の様子を具体的に示すものである。図2(A)は、表示画面4に横長画像22が表示されているものであり、空きスペース23には写真画像の撮影日付およびタイトルなどの画像コメント24、および時計26が表示されている。この時計26は写真画像が縦長であっても横長であってもこれによって覆われない空きスペースに設けられている。つまり、横長画像と縦長画像の切換わりに係らず同じ位置に時計26を常時表示することにより、表示画面4の一体感および統一感を演出するようにしている。また、空きスペース23の背景部分は適当な壁紙デザインとすることにより、表示画面4全体が無駄のない一体感を保つよう演出するのが望ましい。
【0021】
図2(B)は、表示画面4の表示内容が横長画像22から横長画像28および画像コメント30に書き換えられたものである。この書き換えは、画像22がフェードアウトするとともに画像28がフェードインするように行われる。なお、時計26の表示は不変である。図2(A)と図2(B)の比較から明らかなように、横長画像同士の書き換えの場合は全体的なレイアウトに変化はない。
【0022】
図2(C)および図2(D)は、次に縦長画像32が表示される場合の書き換えの様子を示したものである。まず図2(C)に矢印34で示すように、横長画像28を右端から順次左側に消していく。同時に横長画像28のフェードアウトを開始する。一方、縦長画像32についてもフェードインを開始するが、図2(D)に示すように下端は最初表示せず、矢印36に示すようにアニメーション効果により順次下端側に表示していく。
【0023】
このとき注意すべきは、横長画像と縦長画像の書き換えにおいても、両者の左上隅が一致するようレイアウトされ、図2(C)と図2(D)の比較から明らかなように両画像の共通部分のレイアウトが変化しないことである。これによって、イメージの統一を図り、スライドショーにおける横長画像と縦長画像との切換わりにおける違和感を軽減している。なお、画像コメント38は、横長画像28の右端近辺が完全に消えてから表示する。また、これと連動して横長画像28の画像コメント30が消える。
【0024】
なお、縦長画像32の画像コメント38は、日付とタイトルを分割改行することで、横書きを維持してイメージを統一しながら幅の狭いスペースに表示できるようにする。図2(E)は以上のようにして縦長画像32が完全に書き換わった状態を示す。この間、図2(B)から図2(E)に示すように、時計26の表示は不変である。なお、図2(E)の状態における空きスペース23は図2(A)の空きスペース23と同じ壁紙デザインの一体的な背景となっており、表示画面の同一性のイメージを維持している。空きスペース23の一体性は、図2(C)や図2(D)のように表示画面4の右側と下側に空きスペース23が一時的に同時に現れたときに顕著となり、時計26の表示と相まって横長画像と縦長画像の切換わり時の違和感を軽減する。
【0025】
図2(F)は、表示画面4の表示内容が縦長画像32から縦長画像40および画像コメント42に書き換えられたものである。この書き換えは、画像32がフェードアウトするとともに画像40がフェードインするように行われる。なお、ここでも時計26の表示は不変である。図2(E)と図2(F)の比較から明らかなように、縦長画像同士の書き換えの場合も全体的なレイアウトに変化はない。なお、縦長画像から横長画像への書き換えの様子は図2(E)から図2(B)の経過を逆にたどることによって理解できる。このとき矢印36および矢印34の向きはそれぞれ逆方向として理解するものとする。
【0026】
なお、時計26を設ける位置は右下に限らず、他の右上、左上、左下のいずれでも構わない。これらに伴って当然画像を表示する位置も変更することになる。例えば時計を左上に設ける場合、縦長画像は表示画面4の右端に寄せるとともに横長画像は表示画面4の下端に寄せて表示することになる。この際、それぞれの画像の右下隅が一致させられる。また、表示画像が縦長であっても横長であっても写真画像によって覆われない空きスペースに常時表示するものは時計26に限らず、日付やその月のカレンダーなどの他の時間情報、さらには時間情報に関係のない花や動物など、任意の意匠であってよい。但し、並存することで写真画像の印象を薄くせず、かつ常時表示があることの印象も明確となるものとすることが望ましい。
【0027】
図3は、図1の第1実施例における制御部8の機能を示すフローチャートである。フローは電子写真立て2への電池10の装着でスタートし、以後、電池10からの給電が続く限り機能を継続する。フローがスタートするとステップS10で共通画像、すなわち時計26の表示が開始され、以後表示が継続する。次いでステップS4で就寝中自動書換モードに設定されているかどうかがチェックされる。この就寝中自動書換モードとは、一日に一度、未明等の就寝中の時間帯に写真画像の書換が自動的に行われるモードである。これは、電子ペーパー、特にカラー電子ペーパーにおいて書換速度の性能が不充分なものが採用された場合に有用であり、就寝前には写真画像に変化がなく、人目に触れる翌朝には写真画像の書き換えが完了しているモードである。
【0028】
ステップS4で就寝中自動書換モードに設定されている場合はステップS6に進み、設定されている書換時刻(例えば午前2時)になったかどうかがチェックされる。書換時刻になったことが検出されるとステップS8に進む。一方、ステップS6で書換時刻への到達が検出されない場合はステップS4に戻り、以下、ステップS4で就寝中自動書換モードの設定解除が検出されるか、またはステップS6で書換時刻になったことが検出されない限り、ステップS4とステップS6を繰り返す。
【0029】
ステップS8では、次画像が記憶部6または記憶媒体スロットの記憶媒体から読み出される。そして読み出した画像データファイルのヘッダ部よりその画像が縦長画像かどうかのチェックが次のステップS10で行われる。縦長画像であったときはステップS12に進み、読み出した画像を90度回転させる処理が行われる。これは、図2(E)のように縦長画像を縦に表示するためのものである。次いでステップS14で画像コメントの有無がチェックされ、コメントがあればステップS16に進んで画像コメントを分割配置する処理が行われる。これは図2(D)のように画像コメント38を分割改行するためのものである。以上の後、ステップS18に進む。なお、ステップS14で画像コメントがなければ直接ステップS18に進む。一方、ステップS10で縦長画像でなかったときは、直ちにステップS18に進む。これは、図2(A)などのように写真画像22を画像データどおり横長に配置するとともに、画像コメント24については画像データどおり連続して一行に配置することを意味する。
【0030】
ステップS18では、以上の処理に基づいて表示画面書換処理を行う。この処理は、ステップS8からステップS16によりレイアウトが決められた画像データで表示画面4の電子ペーパーを所定の動作に基づいて書き換えていく処理およびこの処理が完了したかどうかを監視する処理を含む。画像が書き換えられてステップS18が完了するとステップS4に戻り、以下、ステップS4で就寝中自動書換モードの解除が検出されない限り、ステップS4からステップS18が繰り返される。
【0031】
ステップS4で就寝中書換モードが検出されない場合はスライドショーモードなのでステップS20に進み、スライドショー書換時刻になったかどうかがチェックされる。そして書換時刻になったことが検出されない場合はステップS24に進み操作部20の手動操作(リモコン操作を含む)があったかどうかチェックする。そして操作が検出されるとステップS24のスライドショー処理に移行する。また、ステップS20でスライドショー書換時刻となったことが検出された場合は、直ちに自動的にステップS24のスライドショー処理に移行する。一方、ステップS22で手動書換操作が検出されなかったときは、ステップS4に戻り、ステップS4で就寝中自動書換モードへのモード変更が検出されない限り、ステップS4、ステップS20およびステップS22を繰り返してスライドショー書換時刻への到来、または手動操作を待つ。
【0032】
図4は、図3のステップS24におけるスライドショー処理の詳細を示すフローチャートである。このフローは、基本的に図3のステップS8から18に該当するが、人が観賞中の画像書換なので、違和感のないよう、よりきめ細かい処理が付加されている。フローがスタートすると、ステップS32で 次画像が記憶部6または記憶媒体スロットの記憶媒体から読み出される。そして読み出した画像データファイルのヘッダ部よりその画像が縦長画像かどうかのチェックが次のステップS34で行われる。縦長画像であったときはステップS36に進み、読み出した画像を90度回転させる処理が行われる。これは、図2(E)のように縦長画像を縦に表示するためのものである。次いでステップS38では、回転した縦長画像の隅位置合わせを行う。これは、図2(D)における縦長画像32の左上隅位置を横長画像28の左上隅位置と合わせる処理である、横長画像と縦長画像の切換わりの違和感を軽減するためのものである。
【0033】
次いでステップS40で画像コメントの有無がチェックされ、コメントがあればステップS42に進んで画像コメントを分割配置する処理が行われる。これは図2(D)のように画像コメント38を分割改行するためのものである。以上の後、ステップS44に進む。なお、ステップS40で画像コメントがなければ直接ステップS44に進む。一方、ステップS34で縦長画像でなかったときは、直ちにステップS44に進む。これは、図2(A)などのように写真画像22を画像データどおり横長に配置するとともに、画像コメント24については画像データどおり連続して一行に配置することを意味する。
【0034】
ステップS44では、以上の処理に基づいて表示画面書換を開始させる。次いでステップS46において書換開始した画像は現画像から縦横変更のあったものかどうかチェックする。この変更には、縦位置から横位置への変更および横位置から縦位置への変更の両者を含む。また、変庫のない場合とは、縦位置画像から縦位置画像または横位置画像から横位置画像への書換を意味する。縦横変更があったことが検知された場合は、ステップS48において現画像のアニメーションアウトを開始する。これは例えば図2(C)において、矢印34で示すように、横長画像28を右端から順次左側に消していくアニメーション動作の開始を意味する。さらにステップS50では、次画像のアニメーションインを開始する。これは、例えば、図2(D)に示すように縦長画像32の下端を最初表示せず、矢印36に示すようにアニメーション効果により順次下端側に表示していく動作の開始を意味する。
【0035】
以上のようなアニメーション動作が開始するとステップS52に移行する。一方、ステップS46で縦横変更が検知されないときは、直接ステップS52に移行する。ステップS52では、現画像のフェードアウトを開始するとともに、ステップS54で次画像のフェードインを開始し、ステップS56に至る。以上のように、縦横変更があった場合はアニメーションを伴うフェードイン/アウトを行うとともに、縦横変更がなかったときはフェードイン/アウトのみを行う。これらは、それぞれ、図2(B)から図2(E)への経過又はその逆の経過、および図2(A)から図2(B)への経過または図2(E)から図2(F)への経過に該当する。次いでステップS56に移行し書換が完了したかどうかの監視に入り、完了が検出されるとフローを終了する。
【0036】
図5は、本発明の実施の形態に係る電子写真立ての第2実施例を示す外観正面図である。電子写真立て102は、45度傾けられた正方形の電子ペーパーからなる表示画面104を有し、支柱202、204により保持台座部120に固定的に指示されている。従って、第2実施例でも、表示画面104の向きを縦横に変えることはできない構成となっている。このように、図5の第2実施例は、表示画面104が45度傾けられていることを除き、内部の構成ブロックは、図1の第1実施例と共通なので図示と説明は省略する。
【0037】
表示画面104は、上記のように45度傾けられているので、表示画面104の表示デバイスとしての上方向は矢印206の方向である。従って、表示デバイスとしての表示素子の横配列方向は矢印208の方向となる。このようにして、横長画面22は、表示デバイスとしての表示画面104に対し45度回転して表示されることによりその長辺が水平方向に表示されることになる。このように、縦横に等方性を持ち、かつ写真画像の辺と対抗する縁が写真画像の辺と平行でない表示画面104を採用すれば、その中央に写真画像をレイアウトすることにより、短辺周囲にも長辺周囲におけるものと似た自然な形状の空きスペースが生じ、違和感が軽減される。そして、第1実施例と同様、横長画像が縦長画像かに係らず画像の大きさおよびトリミングなしに画像を相対的に90度回転するだけで表示画面104内への表示が可能となる。
【0038】
図6は、上記のような図5の表示画面104の表示内容を示す画面正面図であり、横長画像であるか縦長画像であるかに係らず、空きスペースの存在に互いに違和感がないことを具体的に示すものである。図6(A)は、表示画面104に横長画像22が表示されているものであり、横長画像22の長辺の上下にそれぞれ三角の空きスペース210、210が生じている。また、横長画像22の短辺の左右にもそれぞれ近似した三角の空きスペース214、216が生じている。一列の画像コメント30が空きスペース212にレイアウトされている。
【0039】
一方、図6(B)は、表示画面104に縦長画像32が表示されているものであり、この場合は、縦長画像32の長辺の左右にそれぞれ三角の空きスペース214、216が生じている。また、縦長画像32の短辺の上下にもそれぞれ近似した三角の空きスペース210、212が生じている。図6(B)における画像コメントが分割され、それぞれ日付218およびタイトル220として縦長画像32の両側に振り分けられている。これによって横書きの画像コメントを維持したまま空きスペースを自然に活用することができる。
【0040】
以上のようにして、大小関係は異なるものの、図6(A)の横長画像28の場合でも、図6(B)の縦長画像32の場合でも、周囲にイメージの近似した三角形の空きスペース210、212、214、および216が生じており、横長画像と縦長画像の切換えにおける違和感が軽減されている。そして、元の画像の大きさが同じならば、横長画像であっても縦長画像であっても、その中心が表示画面104の中心に来るようレイアウトするだけで、画像の大きさの調整やトリミングなしには不要となる。なお、第2実施例においても、空きスペース210、212、214、および216の背景部分は適当な壁紙デザインとすることにより、表示画面104全体が無駄のない一体感を保つよう演出するのが望ましい。
【0041】
図7は、図5の第2実施例における制御部8(ブロック図のハード構成は図1の第1実施例と共通)の機能を示すフローチャートである。第1実施例と同様、フローは電子写真立て102への電池10の装着でスタートし、以後、電池10からの給電が続く限り機能を継続する。フローがスタートするとステップS62で壁紙などの共通画像の表示が開始され、以後表示が継続する。次いでステップS64で就寝中自動書換モードに設定されているかどうかがチェックされる。該当すれば、ステップS66に進み、設定されている書換時刻になったかどうかがチェックされる。書換時刻になったことが検出されるとステップS68に進む。一方、ステップS66で書換時刻への到達が検出されない場合はステップS64に戻り、以下、ステップS64で就寝中自動書換モードの設定解除が検出されるか、またはステップS66で書換時刻になったことが検出されない限り、ステップS64とステップS66を繰り返す。
【0042】
一方ステップS64で就寝中自動書換モードであることが検出されなかった場合はスライドショーモードなのでステップS70に進み、スライドショー書換時刻となっているかどうかチェックする。そして該当すればステップS68に移行する。一方ステップS70でスライドショー書換時刻となっていることが検出されなければステップS72に進み、手動書換操作が行われたかどうかチェックする。そして操作が検出されればステップS68に移行する。一方操作が検出されなければステップS64に戻り、以下、ステップS64で就寝中自動書換モードへの設定変更が検出されない限り、ステップS64、ステップS70およびステップS72を繰り返して、スライドショー書換時刻の到来または手動操作を待つ。
【0043】
ステップS68では、次画像が記憶部6または記憶媒体スロットの記憶媒体から読み出される。そして読み出した画像データファイルのヘッダ部よりその画像が縦長画像かどうかのチェックが次のステップS74で行われる。縦長画像であったときはステップS76に進み、読み出した画像を135度回転させる処理を行ってステップS78に移行する。これは、図6(B)のように縦長画像の短辺を水平に表示するためのものである。一方、ステップS74で縦長画像であることが検出されなければ横長画像であることを意味するので、ステップS80に進み、読み出した画像を45度回転させる処理を行ってステップS78に移行する。これは、図6(A)のように横長画像の長辺を水平に表示するためのものである。
【0044】
ステップS78では、画像コメントの有無がチェックされ、コメントがあればステップS82に進んで縦長画像かどうかのチェックが行われる。そして縦長画像であれば、ステップS84で画像コメントを分割振分配置する処理が行われる。これは、例えば図6(B)のように画像コメントを分割し、日付218とタイトル220として縦長画像の左右に振り分けレイアウトするためのものである。以上の後、ステップS86に進む。一方、ステップS82で縦長画像であることが検出されない場合は横長画像なので直接ステップS86に進む。これは、図6(A)などのように、写真画像28の画像コメント30を分割せずに連続して一行に配置することを意味する。
【0045】
ステップS84では、以上の処理を経た画像コメントデータを45度回転させ、ステップS88に移行する。この処理はステップS84のコメント分割振分配置の処理を経るか否かに係らず行われるもので、図6のように横長画像か縦長画像かに係らず画像コメントを横書きで統一して両者の間の違和感を軽減するためである。なお、ステップS78で画像コメントの存在が検出されない場合は、直接ステップS88に移行する。
【0046】
ステップS88では、画像がモノクロであるかどうかチェックし、該当すればステップS90で表示画像を書き換える速度に遅延を付与する設定してステップS92に移行する。これは、電子ペーパーにおけるモノクロ画像については、より情報量の多いカラー画像に比べて書換を速やかに行うことが可能であるところ、モノクロ画像の書換速度に意図的に遅延を付与し、書換速度をカラー画像の書換速度に合わせるためのものである。これによって、カラー画像とモノクロ画像が混在する場合のスライドショーの画像切換わり速度に差が出て違和感が生じるのを防止することができる。なお、ステップS88でモノクロ画像であることが検出されない場合は、カラー画像なので直接ステップS92に移行する。
【0047】
ステップS92では、表示画面書換処理を行う。この処理は、ステップS68からステップS80によりレイアウトが決められた画像データで表示画面104の電子ペーパーを、ステップS90の設定情報も加味した所定の動作に基づいて書き換えていく処理、およびこの処理が完了したかどうかを監視する処理を含む。画像が書き換えられてステップS92が完了するとステップS64に戻り、以下、ステップS64からステップS92が繰り返される。
【0048】
図8は、本発明の実施の形態に係る電子写真立ての第3実施例を示す外観正面図である。この第3実施例は、第2実施例と同様にして縦横に等方性を持ち、かつ写真画像の辺と対抗する縁が写真画像の辺と平行でない表示画面を有する電子写真立ての他の例を示すものである。具体的に言うと、電子写真立て302の表示画面304は円形であり、縦横に等方性を持っているとともに、写真画像の辺と対抗する縁は弧状であって写真画像の辺と平行ではない。この結果、表示画面304の中央に写真画像をレイアウトすることにより、短辺周囲にも長辺周囲におけるものと似た形状の自然な空きスペースが生じ、違和感が軽減される。そして、第1実施例および第2実施例と同様、横長画像か縦長画像かに係らず画像の大きさおよびトリミングなしに画像を相対的に90度回転するだけで表示画面304内への表示が可能となる。
【0049】
図8(A)は、表示画面304中央に横長画像22を表示するとともにその下に画像コメント24を表示したものである。なお、図8には表示画面304の空きスペースに設けられ、表示画面304全体が無駄のない一体感を保つよう演出するための背景の壁紙306の例を図示している。図8(B)は、表示画面304中央に縦長画像40を表示するとともに、その画像コメントを日付308とタイトル310に分離し、縦長画像40の左右に振り分けて表示したものである。
【0050】
第3実施例の電子写真立て302も、底面312によって設置方向が決まっており、表示画面304の向きを縦横に変えることはできない構成となっている。なお、第3実施例も、表示画面304の形状を除き、内部の構成ブロックは、図1の第1実施例と共通なので図示と説明は省略する。また、第3実施例の制御部の機能は、第2実施例と同様であり、図7のフローチャートに準じて理解することができる。を示すフローチャートである。但し、第3実施例にあっては、図7のステップS76の「135度」を「90度」に読み替えるとともに、ステップS80およびステップS86を除去して理解するものとする。
【0051】
本発明の種々の特徴は、上記の実施例に限らず実施できる。例えば、第2実施例や第3実施例のように表示画面の中央に写真画像をレイアウトするものにおいても、第1実施例と同様にして横長画像および縦長画像のいずれを表示する際にもこれにも覆われない空きスペースに共通画像を常時表示させるようにしてもよい。また、第2実施例や第3実施例においても、第1実施例と同様にして、横長画像と縦長画像が切換わる場合と横長画像同士または縦長画像同士が切換わる場合とで画像の切換わり態様を異ならしめるよう構成してもよい。
【0052】
また、上記実施例における就寝中自動書換モードにおいて、書換タイミングの検出は未明に設定された書換時刻が到来したかどうかによっているが、本発明の実施はこれに限るものではない。例えば図1において明るさ検知部を設け、この明るさ検知部が部屋の明るさが所定以下となったことを検知したとき部屋の照明が消されて家人が就寝したものと見なし、書換の実行を行うよう構成してもよい。この場合、図3のステップS6および図7のステップS66はそれぞれ「所定以下の暗さ検出?」と読み替えて理解するものとする。また、明るさ検知部に変えて電子写真立て2が部屋の照明スイッチのオンオフ情報を取得するよう構成し、この情報によって家人の就寝を検出するようにしてもよい。この場合、図3のステップS6および図7のステップS66はそれぞれ「照明スイッチオフ?」と読み替えて理解するものとする。
【0053】
さらに、上記実施例の表示画面は省電力とコードレス使用を考慮して電子ペーパーで構成されているが、本発明の種々の特徴のいくつかは液晶表示装置など他の表示デバイスを採用して本発明を実施する場合においても有用である。また、電源についても電池駆動に限らず、商用電源による駆動も可能である。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の実施の形態に係る電子写真立ての第1実施例を示すブロック図である。
【図2】第1実施例の表示画面の表示内容を示す画面正面図である。
【図3】第1実施例における制御部の機能を示すフローチャートである。
【図4】図3のステップS24の詳細を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施の形態に係る電子写真立ての第2実施例を示す外観正面図である。
【図6】第2実施例の表示画面104の表示内容を示す画面正面図である。
【図7】第2実施例における制御部の機能を示すフローチャートである。
【図8】本発明の実施の形態に係る電子写真立ての第3実施例を示す外観正面図である。
【符号の説明】
【0055】
4、104、304 表示画面
22、28 横長画像
32、40 縦長画像
26 共通画像
8 表示制御部
104 傾けた配置した表示デバイス
4、104、304 電子ペーパー
8、18 検知部
10 書換部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
横長画像および縦長画像のいずれをも表示可能な表示画面と、前記表示画面に横長画像または縦長画像のいずれか一方を一つ表示させるとともに横長画像および縦長画像のいずれを表示する際にもこれにも覆われない空きスペースに共通画像を常時表示させる表示制御部とを有することを特徴とする電子画像観賞装置。
【請求項2】
前記表示画面自体は縦横の回転ができないよう保持されるとともに、前記制御部は縦長画像を表示する際、画像の大きさ変更およびトリミングを伴わずに画像を相対的に90度回転させて表示することを特徴とする請求項1記載の電子画像観賞装置。
【請求項3】
前記表示制御部は、横長画像および縦長画像の隅の一つが表示される位置が一致するよう制御することを特徴とする請求項1または2記載の電子画像鑑賞装置。
【請求項4】
前記表示制御部は、前記共通画像が表示される位置と対角線上反対側にある画像の隅の位置を一致させることを特徴とする請求項3記載の電子画像鑑賞装置。
【請求項5】
前記表示制御部は、横長画像と縦長画像が切換わる場合と横長画像同士または縦長画像同士が切換わる場合とで画像の切換わり態様を異ならしめることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の電子画像観賞装置。
【請求項6】
前記共通画像は、時間情報であることを特徴とする表請求項1から5のいずれかに記載の電子画像鑑賞装置。
【請求項7】
前記表示制御部は、さらに画像コメントを前記表示画面に表示するとともに、縦長画像を表示する際には画像コメントの表示を分割することを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の電子画像鑑賞装置。
【請求項8】
横長画像および縦長画像のいずれをも表示可能であるとともに縦横に等方性を持ち、表示される画像の辺と対抗する縁が画像の辺と平行でない表示画面と、前記表示画面の中央に横長画像または縦長画像のいずれか一方を一つ表示させる表示制御部とを有することを特徴とする電子画像観賞装置。
【請求項9】
前記表示画面自体は縦横の回転ができないよう保持されるとともに、前記制御部は縦長画像を表示する際、画像の大きさ変更およびトリミングを伴わずに画像を相対的に90度回転させて表示することを特徴とする請求項8記載の電子画像観賞装置。
【請求項10】
前記表示制御部は、さらに画像コメントを前記表示画面に表示するとともに、縦長画像を表示する際には画像コメントの表示を分割することを特徴とする請求項8または9記載の電子画像鑑賞装置。
【請求項11】
前記表示制御部は、分割された画像コメントの表示を縦長画像左右に振り分けて表示することを特徴とする請求項10記載の電子画像鑑賞装置。
【請求項12】
前記表示画面は、水平方向に対し45度傾いたほぼ正方形状であることを特徴とする請求項8から11のいずれかに記載の電子画像鑑賞装置。
【請求項13】
水平方向に対し傾けて配置した表示デバイスを有する表示画面と、前記表示画面に横長画像または縦長画像のいずれか一方をそれぞれ異なった角度回転させて表示させる表示制御部とを有することを特徴とする電子画像観賞装置。
【請求項14】
前記表示デバイスは水平方向に対し45度傾けて配置されるとともに、前記表示制御部は、横長画像または縦長画像のいずれか一方をそれぞれ上下方向が正立するよう異なった角度回転させて表示させることを特徴とする請求項13記載の電子画像鑑賞装置。
【請求項15】
電子ペーパーを有する表示画面と、前記表示画面に表示される画像の書換部と、前記書換部による書換の実行が前記表示画面が観賞されないタイミングで行われるよう制御する表示制御部とを有することを特徴とする電子画像観賞装置。
【請求項16】
前記表示制御部は未明の時間帯を検知することを特徴とする請求項15記載の電子画像鑑賞装置。
【請求項17】
電子ペーパーを有する表示画面と、前記表示画面に表示される画像がカラーかモノクロを検知する検知部と、前記検知部によって画像がモノクロであることが検知されたときその書換速度をカラー画像の書き換え速度に合わせるよう制御する表示制御部とを有することを特徴とする電子画像観賞装置。

【図1】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図7】
image rotate

【図2】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2010−152218(P2010−152218A)
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−332260(P2008−332260)
【出願日】平成20年12月26日(2008.12.26)
【出願人】(000116024)ローム株式会社 (3,539)
【Fターム(参考)】