説明

電子装置、携帯電話機、スピーカ位置案内方法、スピーカ音量制御方法

【課題】携帯電話機等のスピーカに耳を当てて使用する電子装置において、スピーカから出力される音声を適切に聴取できる電子装置を提供する。
【解決手段】対象物を像検知する像検知部11と、該像検知部11の近傍に設けられた第1スピーカ部908aとを備える。操作者の耳に上記第1スピーカ部908aを近づけた状態で、上記像検知部11により、上記操作者の耳近傍の領域を対象物として像検知して得られた像検知データを取得する像検知データ取得部801と、上記像検知データ取得部801が取得した像検知データに、耳画像の少なくとも一部が含まれているか否かを判定する像検知データ判定部802と、上記像検知データ判定部802による判定結果に対応付けられた内容の音声データを、上記第1スピーカ部908aとは異なる第2スピーカ部に出力する音声データ出力部803とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固定電話の受話器や携帯電話機等の、スピーカを直接耳に当てて音声等の音を聴取するための電子装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、スピーカを直接耳に当てて音声等の音を聴取するための電子装置としては、固定電話における受話器や、携帯電話機が知られている。
【0003】
近年、固定電話や携帯電話機における利便性向上のために、種々の技術が開発されている。
【0004】
例えば、特許文献1には、赤外線の反射を利用して受話器が使用者の顔に近づいているか否かを判断し、電話機の保留等の制御を行なう技術が開示されている。
【0005】
また、特許文献2には、受話器を持った使用者の耳を検出して、ダイアリングを行う技術が開示されている。
【0006】
さらに、特許文献3には、赤外線の反射を利用して携帯電話機と使用者の耳との距離を測定し、測定した距離に応じて、受話器が使用者の耳に当てた状態での通話モードと、受話器を使用者の耳から遠くに離した状態での通話モードとを切り替える技術が開示されている。
【0007】
また、特許文献4には、使用者が携帯電話機を持った状態で、該使用者と携帯電話機との距離を測定して、測定距離に応じて受話音量を制御する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開昭61−258550号公報(1986年11月15日公開)
【特許文献2】特開平2−29054号公報(1990年1月31日公開)
【特許文献3】特開平6−46123号公報(1994年2月18日公開)
【特許文献4】特開平9−247260号公報(1997年9月19日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、一般的な固定電話における受話器では、スピーカが設けられている部位は、人の耳に合せ易い形状となっているので、初めて使用する人であっても、スピーカの位置に自分の耳を合せることは容易である。
【0010】
これに対して、携帯電話機の場合、通常、固定電話の受話器よりも小さく、また、デザイン的にスピーカが設けられている位置が把握し難い。つまり、使用者は、携帯電話機による通話時にはスピーカが見えないので、携帯電話機のスピーカの位置を予測してスピーカの位置を探す必要がある。従って、高齢者や初めて使用する携帯電話機の扱いに慣れない人の場合、携帯電話機のスピーカの位置を耳の位置に合せることが難しいという問題が生じる。
【0011】
このように、スピーカの位置と耳の位置との関係を正確に把握しないと、スピーカから出力される音声を適切に聴取することができないという問題が生じる。
【0012】
本発明は、上記の課題に鑑みなされたものであって、その目的は、携帯電話機等のスピーカに耳を当てて使用する電子装置において、スピーカから出力される音声を適切に聴取できる電子装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の課題を解決するために、本発明は、対象物を像検知する像検知手段と、該像検知手段の近傍に設けられた第1スピーカとを備えた電子装置において、上記像検知手段により得られた像検知データを取得する像検知データ取得部と、上記像検知データ取得部が取得した像検知データに、操作者の耳画像の少なくとも一部が含まれているか否かを判定する像検知データ判定部と、上記像検知データ判定部による判定結果に対応付けられた内容の音声データを上記操作者に通知する通知手段に出力する音声データ出力部とを備えていることを特徴としている。
【0014】
上記の構成によれば、上記像検知手段により得られた像検知データに、操作者の耳画像の少なくとも一部が含まれているか否かを判定した結果に対応付けられた内容の音声が通知手段から通知されるので、操作者は、自分の耳の位置と、該耳近傍を像検知する像検知手段の近傍に設けられた第1スピーカの位置との状態を知ることが可能となる。
【0015】
例えば、像検知データ判定部による判定結果が、上記像検知データ取得部により取得した像検知データに耳画像データの少なくとも一部が含まれているという結果であれば、像検知手段の近傍に操作者の耳が存在していることになり、さらに、この像検知手段の近傍に設けられた第1スピーカの近傍に操作者の耳が存在している可能性が高いことを示す内容を含んだ音声データを通知手段から通知するようにし、また、像検知データ判定部による判定結果が、上記像検知データ取得部により取得した像検知データに耳画像が全く含まれていないという結果であれば、像検知手段の近傍に操作者の耳が存在しないことになり、さらに、この像検知手段の近傍に設けられた第1スピーカの近傍に操作者の耳が存在していない可能性が高いことを示す内容を含んだ音声データを通知手段から通知するようにする。
【0016】
従って、操作者は、電子装置の第1スピーカを自分の耳に近づけたときに、通知手段から通知される音声によって、自分の耳と第1スピーカとの位置関係を容易に知ることができるので、第1スピーカから出力される音声を適切に聴取するために、次にどのような動作を行うべきかを容易に知ることができる。この動作としては、像検知データに耳画像データの少なくとも一部が含まれている場合に、操作者は、第1スピーカから出力される音声が聞き取れるものと判断して、電子装置をそのままの状態で維持し、像検知データに耳画像が全く含まれていない場合に、操作者は、第1スピーカから出力される音声が聞き取れないものと判断して、電子装置を動かして自分の耳に第1スピーカが近づくようにすることが考えられる。
【0017】
このような操作を行うことにより、第1スピーカの位置と耳の位置との関係が適切になるように導ければ、第1スピーカから出力される音声を適切に聴取できるという効果を奏する。
【0018】
また、上記像検知手段が第1スピーカよりも下側となるように配置された場合、上記音声データ出力部は、上記像検知データ判定部による判定結果が、上記像検知データ取得部により取得した像検知データに耳画像が含まれていないという結果であれば、操作者に対して、電子装置を上に持っていくように促す内容を含んだ音声データを上記通知手段に出力することが好ましい。
【0019】
通常、第1スピーカが像検知手段よりも電子装置における端部側に設けられ、操作者の耳に上記第1スピーカの一つを近づけた状態のときに、上記像検知手段が第1スピーカよりも下側となるように配置された場合には、像検知データ取得部により取得した像検知データに耳画像が含まれていない状態とは、操作者が第1スピーカを自分の耳に対して下側に持っている状態が多い。
【0020】
従って、上記のように、像検知データ取得部により取得した像検知データに耳画像データが含まれていないという結果であれば、操作者に対して、電子装置を上に持っていくように促す内容を含んだ音声データを通知手段に出力するようにすることで、操作者の耳と第1スピーカとの位置関係が適正となるように導くことが可能となる。
【0021】
さらに、上記像検知データ判定部は、上記像検知データ取得部が取得した像検知データに含まれている耳画像の割合が予め設定した割合未満の場合に、操作者の耳と第1スピーカとの位置が適正でないと判定した結果に対応付けられた内容の音声データを上記音声データ出力部に出力することが好ましい。
【0022】
一般に、スピーカの性能は、指向性、感度などの特性で示されるが、これら特性が高い場合には、スキャンした画像に少しだけ耳画像が含まれていれば多少スピーカと耳の位置とが離れていても音声を適切に聴取することができるが、上記の各特性が低い場合には、スキャンした画像に占める耳画像の割合が高い場合、すなわちスピーカと耳の位置とが近くにある場合であっても音声を適切に聴取することができない。
【0023】
従って、スキャンした画像に占める耳画像の割合によって、操作者の耳と第1スピーカの位置とが適正であると判定する場合には、第1スピーカの性能に応じて、上記の割合を変更する必要がある。
【0024】
上記の構成によれば、上記像検知データ取得部が取得した像検知データに含まれている耳画像の割合が予め設定した割合未満の場合に、操作者の耳と第1スピーカとの位置が適正でないと判定した結果を上記音声データ出力部に出力する際に、上記の割合を第1スピーカの性能に応じて設定すれば、正確な判定結果を得ることができ、その結果、正確な判定結果に対応付けられた内容の音声データを出力することが可能となる。
【0025】
また、上記第1スピーカの音量を制御する音量制御部をさらに備え、上記音量制御部は、上記像検知データ判定部による判定結果が、上記像検知データ取得部により取得した像検知データに耳画像が含まれていないという結果であれば、上記第1スピーカの音量を上げるように制御することが好ましい。
【0026】
上記の構成によれば、上記像検知データ判定部による判定結果が、上記像検知データ取得部により取得した像検知データに耳画像が含まれていないという結果であれば、操作者の耳の近くに第1スピーカが無い状態と考えられるので、このような状態において、上記第1スピーカの音量を上げるように制御すれば、操作者は第1スピーカから出力される音声を適切に聴取することが可能となる。
【0027】
さらに、上記像検知データ判定部は、上記像検知データ取得部が取得した像検知データに含まれている耳画像の割合が予め設定した割合未満の場合に、操作者の耳と第1スピーカとの位置が適正でないと判定した結果に対応付けられた音量データを上記音量制御部に出力することが好ましい。
【0028】
一般に、スピーカの性能は、指向性、感度などの特性で示されるが、これら特性が高い場合には、スキャンした画像に少しだけ耳画像が含まれていれば多少スピーカと耳の位置とが離れていても音声を適切に聴取することができるが、上記の各特性が低い場合には、スキャンした画像に占める耳画像の割合が高い場合、すなわちスピーカと耳の位置とが近くにある場合であっても音声を適切に聴取することができない。
【0029】
従って、スキャンした画像に耳画像が含まれる割合によって、操作者の耳と第1スピーカの位置とが適正であると判定する場合には、第1スピーカの性能に応じて、上記の割合を変更する必要がある。
【0030】
上記の構成によれば、上記像検知データ取得部が取得した像検知データに含まれている耳画像の割合が予め設定した割合未満の場合に、操作者の耳と第1スピーカとの位置が適正でないと判定した結果を上記音量制御部に出力する際に、上記の割合を第1スピーカの性能に応じて設定すれば、正確な判定結果を得ることができ、その結果、正確な判定結果に対応付けられた音量データを出力することが可能となる。
【0031】
上記構成の電子装置を携帯電話機に適用してもよい。
【0032】
すなわち、本発明の携帯電話機は、通話用スピーカと通話用マイクとをそれぞれ装置本体に配置した携帯電話機において、上記通話用スピーカは、上記構成の電子装置が備えた第1スピーカであり、上記装置本体の上記通話用スピーカと通話用マイクとの間に、上記構成の像検知手段が設けられたことを特徴としている。
【0033】
上記の構成によれば、携帯電話機の装置本体に配置された通話用スピーカと通話用マイクとの間に像検知手段が設けられているので、通話時に、操作者が自分の耳を携帯電話機の通話用スピーカに近づけた状態のとき、上記像検知手段によって操作者の耳近傍の画像を容易に検知することができる。この検知されたデータ(像検知データ)から通話用スピーカと操作者の耳との位置関係を把握することが可能となるので、操作者に対して、通話用スピーカと自分の耳の位置との関係を通知することが可能となる。
【0034】
操作者は通知された内容から自分の耳を携帯電話機の通話用スピーカに対する適正な位置に導くことが可能となる。
【0035】
上記像検知手段は、通話状態になったことを検知したときに、対象物の像検知を行うようにしてもよい。
【0036】
上記の構成によれば、携帯電話機を使用する際に、通話状態にするだけで、すなわち通話用スピーカの近傍に操作者の耳を当てるだけで、通話用スピーカの位置と操作者の耳の位置との関係を判定することができる。
【0037】
この判定結果に基づいて、上述した音声ガイドや音量制御を行うことで、通話音声を適切に聴取できるようになるので、携帯電話機の操作に慣れない人(老人、初めての機種を操作する人)にとっての利便性を向上させることができる。
【0038】
本発明のスピーカ位置案内方法は、対象物を像検知する像検知手段と、該像検知手段の近傍に設けられた第1スピーカとを備えた電子装置におけるスピーカ位置案内方法において、上記像検知手段により像検知する第1ステップと、上記第1ステップにより得られた像検知データを取得する第2ステップと、上記第2ステップにより取得した像検知データに、操作者の耳画像の少なくとも一部が含まれているか否かを判定する第3ステップと、上記第3ステップによる判定結果に対応付けられた内容の音声データを、上記操作者に通知する第4ステップとを含むことを特徴としている。
【0039】
上記の構成によれば、電子装置の扱いに慣れていない操作者であっても、自分の耳の近傍に上記第1スピーカを当てるようにするだけで、自分の耳の位置と第1スピーカの位置との関係を容易に把握することができ、その後、適切な位置関係に無い場合であっても、案内通りにすれば、容易に適切な位置関係にすることができる。
【0040】
上記第4ステップにより、操作者に対して、電子装置を上に持っていくように促す内容を含んだ音声データを出力した後、再度、上記第3ステップによる判定を行い、判定結果が、像検知データに、耳画像の少なくとも一部が含まれている結果の場合にスピーカ位置案内を終了するようにしてもよい。
【0041】
この場合、不要なスピーカ位置案内を無くすことができる。
【0042】
また、本発明のスピーカ音量制御方法は、対象物を像検知する像検知手段と、該像検知手段の近傍に設けられた第1スピーカとを備えた電子装置におけるスピーカ音量制御方法において、上記像検知手段により像検知する第1ステップと、上記第1ステップにより得られた像検知データを取得する第2ステップと、上記第2ステップにより取得した像検知データに、操作者の耳画像の少なくとも一部が含まれているか否かを判定する第3ステップと、上記第3ステップによる判定結果に対応付けられた音量データで、上記第1スピーカの音量を制御する第4ステップとを含み、上記第4ステップでは、上記第3ステップによる判定結果が、上記第2ステップにより取得した像検知データに耳画像が含まれていないという結果であれば、上記第1スピーカの音量を上げるように制御することを特徴としている。
【0043】
上記の構成によれば、電子装置の扱いに慣れていない操作者であっても、自分の耳の近傍に上記第1スピーカを当てるようにするだけで、自分の耳の位置と第1スピーカの位置との関係を容易に把握することができ、その後、把握位置関係に対応付けられた音量で第1スピーカから音声が出力されるので、第1スピーカから出力される音声を適切に聴取することができる。
【0044】
上記第4ステップにより、操作者に対して、電子装置を上に持っていくように促す内容を含んだ音声データを出力した後、再度、上記第3ステップによる判定を行い、判定結果が、像検知データに、耳画像の少なくとも一部が含まれている結果の場合にスピーカ位置案内を終了するようにしてもよい。
【0045】
この場合、不要なスピーカ音量制御を無くすことができる。
【発明の効果】
【0046】
本発明は、対象物を像検知する像検知手段と、該像検知手段の近傍に設けられた第1スピーカとを備えた電子装置において、上記像検知手段により得られた像検知データを取得する像検知データ取得部と、上記像検知データ取得部が取得した像検知データに、操作者の耳画像の少なくとも一部が含まれているか否かを判定する像検知データ判定部と、上記像検知データ判定部による判定結果に対応付けられた内容の音声データを、上記操作者に通知する通知手段に出力する音声データ出力部とを備えていることで、操作者は、自分の耳の位置と、該耳近傍を像検知する像検知手段の近傍に設けられた第1スピーカの位置との状態を容易に知ることが可能となり、その結果、第1スピーカから出力される音声を適切に聴取できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の電子装置の概略構成ブロック図である。
【図2】上記データ表示/センサ装置が備えるセンサ内蔵液晶パネルの断面を模式的に示す図である。
【図3】同図(a)は、上記データ表示/センサ装置が備えるセンサ内蔵液晶パネルにて反射像を検知することにより、ユーザがタッチした位置を検出する様子を示す模式図であり、同図(b)は、上記データ表示/センサ装置が備えるセンサ内蔵液晶パネルにて影像を検知することにより、ユーザがタッチした位置を検出する様子を示す模式図である。
【図4】上記データ表示/センサ装置の要部構成を示すブロック図である。
【図5】上記データ表示/センサ装置で用いられるコマンドのフレーム構造の一例を模式的に示す図である。
【図6】上記コマンドに含まれる各フィールドに指定可能な値の一例、および、その概要を説明する図である。
【図7】同図(a)は、上記データ表示/センサ装置にて、対象物がセンサ内蔵液晶パネル上に置かれていないときに、センサ内蔵液晶パネル全体をスキャンした結果として得られる画像の一例を示す図であり、同図(b)は上記データ表示/センサ装置にて、ユーザが指でセンサ内蔵液晶パネルをタッチしているときに、スキャンした結果として得られる画像の一例を示す図である。
【図8】上記データ表示/センサ装置が備えるセンサ内蔵液晶パネルの構成およびその周辺回路の構成を示すブロック図である。
【図9】操作者の耳をスキャンした画像を上記データ表示/センサ装置に表示させた表示例を示し、同図(a)は、データ表示/センサ装置のスピーカの音声出力部位と操作者の耳とが適正な位置関係にある例を示す図であり、同図(b)は、データ表示/センサ装置のスピーカの音声出力部位と操作者の耳とが適正な位置関係から少しずれた状態の例を示す図である。
【図10】操作者がデータ表示/センサ装置のスピーカの音声出力部位を自分の耳に当たるように移動させている状態を示す表示例を示し、同図(a)は、データ表示/センサ装置のスピーカの音声出力部位と操作者の耳とが適正な位置関係にある例を示す図であり、同図(b)は、データ表示/センサ装置のスピーカの音声出力部位と操作者の耳とが適正な位置関係から少しずれた状態の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
本発明の一実施形態について図1から図10に基づいて説明すると以下の通りである。
【0049】
なお、本実施形態に係るデータ表示/センサ装置(電子装置)100は、少なくとも、操作者に対して音声を出力するための第1スピーカ部908a、第2スピーカ部(通知手段)908bが設けられた音声出力部908と、画像を表示するとともに、近傍の像を検知することができる画面としてのセンサ内蔵液晶パネル301及びセンサ内蔵液晶パネル301の背面に配設された、輝度の制御が可能なバックライト307を含む表示/光センサ部(表示部)300とを備えているものとして説明する。
【0050】
また、本実施形態では、データ表示/センサ装置100は、表示/光センサ部300を1つ備えるものとして説明するが、2つ以上の表示/光センサ部300を備える構成であっても本発明を適用可能である。
【0051】
なお、本明細書において、「表示/光センサ部300に(画像等を)表示する」と表記する場合は、「表示/光センサ部300の備えるセンサ内蔵液晶パネル301に(画像等を)表示する」ことを意味するものとする。
【0052】
また、上記データ表示/センサ装置100は、携帯電話機としての機能を有しており、通話を行うときには、上記音声出力部908の第1スピーカ部908aを使用し、その他の音声(以降説明するガイド用の音声等)は、上記第2スピーカ部908bを使用するものとする。なお、ここで音声出力部908においては、上記のように、2つのスピーカ部を設けた例を示しているが、これに限定されるものではく、例えば、一つのスピーカ部により兼用するようにしてもよい。
【0053】
(発明の要点)
本実施形態に係るデータ表示/センサ装置100は、図9(a)(b)に示すように、第1スピーカ部908a、音声入力部909、表示/光センサ部300が同一面上に配置され、当該データ表示/センサ装置100の操作者が通話体勢を取ったときに、表示/光センサ部300が該操作者の耳側に対向するようになる。
【0054】
なお、上記データ表示/センサ装置100は、上述のように、第1スピーカ部908a、音声入力部909、表示/光センサ部300が同一面上に配置されているので、操作者は、通話をする際に、データ表示/センサ装置100の第1スピーカ部908aを自分の耳の正確な位置に近づけるために、当該第1スピーカ部908aの位置を予測して第1スピーカ部908aと自分の耳との位置合わせを行う必要があり、少し慣れが必要となる。
【0055】
しかしながら、本実施形態において開示しているデータ表示/センサ装置100では、操作者が初めてデータ表示/センサ装置100を使用したとしても第1スピーカ部908aの位置を自分の耳に導くことができるので、上記のような操作の慣れを必要としない。
【0056】
すなわち、本実施形態に係るデータ表示/センサ装置100は、操作者が自分の耳近傍に上記音声出力部908の第1スピーカ部908aによる音声を出力する部位の近傍に当てた状態で、上記センサ内蔵液晶パネル301により当該操作者の耳を像検知(スキャン)して、得られた画像データから、スキャンした耳位置と、上記第1スピーカ部908aによる音声を出力する部位(以下、単に、第1スピーカ部908の位置と称する)との位置関係が適正な位置関係にあるか否かを判定し、判定結果を操作者に音声により通知する機能を有している。この通知の音声は、上述のように、第2スピーカ部908bから出力されるものとする。
【0057】
上記の適正な位置関係とは、操作者がデータ表示/センサ装置100を用いて通話を行う際に、当該操作者が、データ表示/センサ装置100の通話時に使用する第1スピーカ部908aからの音声を適切に聴取できるような、該操作者の耳と上記第1スピーカ部908aとの位置関係になることを言う。但し、聴取能力には、個人差があるので、平均的な聴取能力を想定して、上記の位置関係を設定するのが好ましい。
【0058】
上記データ表示/センサ装置100は、上記の判定結果が、適正な位置関係に無い結果のときに、適正な位置関係になるように操作者に対して音声によりガイドする機能を有している。このガイド機能の詳細については後述する。この音声ガイドは、上述のように、第2スピーカ部908bから出力されるものとする。
【0059】
以上のようなガイド機能により、操作者が初めてデータ表示/センサ装置100を使用したとしても第1スピーカ部908aの位置を、慣れを必要とせずに自分の耳に導くことを可能としている。
【0060】
なお、上記の判定結果を操作者に通知する手段として、上記第2スピーカ部908bを用いるのではなく、第1スピーカ部908aを用いて、上記判定結果を操作者に音声により通知するようにしてもよい。つまり、通話用スピーカである第1スピーカ部908aが、通知手段を兼用することになる。この場合、実際に通話に用いる第1スピーカ部908aが音声ガイドを行うことになるので、操作者はより適切に自分の耳に第1スピーカ部908aを導くことができるというメリットを有する。
【0061】
また、上記のようなガイド機能によるガイドを省略して直ぐに通話を行う必要のある場合には、上記データ表示/センサ装置100は、上記の判定結果が、適正な位置関係に無い結果のときに、通話時に使用する第1スピーカ部908aの音量を上げるようにする。上記の構成によれば、通話を迅速に開始することができる。この場合の音量制御の詳細については後述する。
【0062】
以下で、まず、データ表示/センサ装置100が備えるセンサ内蔵液晶パネル301の概要、および、データ表示/センサ装置100の要部構成について説明する。
【0063】
(センサ内蔵液晶パネルの概要)
上記データ表示/センサ装置100が備えるセンサ内蔵液晶パネル301は、データの表示に加え、対象物の画像検出が可能な液晶パネルである。ここで、対象物の画像検出とは、例えば、ユーザが指やペンなどでポインティング(タッチ)した位置の検出や、印刷物等の画像の読み取り(スキャン)である。なお、表示に用いるデバイスは、液晶パネルに限定されるものではなく、有機EL(Electro Luminescence)パネルなどであってもよい。
【0064】
図2を参照しながら、センサ内蔵液晶パネル301の構造について説明する。図2は、センサ内蔵液晶パネル301の断面を模式的に示す図である。なお、ここで説明するセンサ内蔵液晶パネル301は一例であり、表示面と読取面とが共用されているものであれば、任意の構造のものが利用できる。
【0065】
図示のとおり、センサ内蔵液晶パネル301は、背面側に配置されるアクティブマトリクス基板51Aと、表面側に配置される対向基板51Bとを備え、これら基板の間に液晶層52を挟持した構造を有している。アクティブマトリクス基板51Aには、画素電極56、データ信号線57、光センサ回路32(図示せず)、配向膜58、偏光板59などが設けられる。対向基板51Bには、カラーフィルタ53r(赤)、53g(緑)、53b(青)、遮光膜54、対向電極55、配向膜58、偏光板59などが設けられる。また、センサ内蔵液晶パネル301の背面には、バックライト307が設けられている。
【0066】
なお、光センサ回路32に含まれるフォトダイオード6は、青のカラーフィルタ53bを設けた画素電極56の近傍に設けられているが、この構成に限定されるものではない。赤のカラーフィルタ53rを設けた画素電極56の近傍に設けてもよいし、緑のカラーフィルタ53gを設けた画素電極56の近傍に設けてもよい。
【0067】
次に、図3(a)および図3(b)を参照しながら、ユーザが、指やペンで、センサ内蔵液晶パネル301上をタッチした位置を検出する2種類の方法について説明する。
【0068】
図3(a)は、反射像を検知することにより、ユーザがタッチした位置を検出する様子を示す模式図である。バックライト307から光63が出射されると、フォトダイオード6を含む光センサ回路32は、指などの対象物64により反射された光63を検知する。これにより、対象物64の反射像を検知することができる。このように、センサ内蔵液晶パネル301は、反射像を検知することにより、タッチした位置を検出することができる。
【0069】
また、図3(b)は、影像を検知することにより、ユーザがタッチした位置を検出する様子を示す模式図である。図3(b)に示すように、フォトダイオード6を含む光センサ回路32は、対向基板51Bなどを透過した外光61を検知する。しかしながら、ペンなどの対象物62がある場合は、外光61の入射が妨げられるので、光センサ回路32が検知する光量が減る。これにより、対象物62の影像を検知することができる。このように、センサ内蔵液晶パネル301は、影像を検知することにより、タッチした位置を検出することもできる。
【0070】
上述のように、フォトダイオード6は、バックライト307より出射された光の反射光(影像)を検知してもよいし、外光による影像を検知してもよい。また、上記2種類の検知方法を併用して、影像と反射像とを両方を同時に検知するようにしてもよい。
【0071】
(データ表示/センサ装置の要部構成)
次に、図4を参照しながら、上記データ表示/センサ装置100の要部構成について説明する。図4は、データ表示/センサ装置100の要部構成を示すブロック図である。図示のように、データ表示/センサ装置100は、1または複数の表示/光センサ部300、回路制御部600、データ処理部700、主制御部800、記憶部901、一次記憶部902、操作部903、外部通信部907、音声出力部908、および音声入力部909を備えている。ここでは、データ表示/センサ装置100は、単一の表示/光センサ部300を備えているものとして説明するが、複数備えていてもかまわない。
【0072】
表示/光センサ部300は、いわゆる光センサ内蔵液晶表示装置である。表示/光センサ部300は、センサ内蔵液晶パネル301、バックライト307、それらを駆動するための周辺回路309を含んで構成される。
【0073】
センサ内蔵液晶パネル301は、マトリクス状に配置された複数の画素回路31および光センサ回路32を含んで構成される。センサ内蔵液晶パネル301の詳細な構成については後述する。
【0074】
周辺回路309は、液晶パネル駆動回路304、光センサ駆動回路305、信号変換回路306、バックライト駆動回路308を含む。
【0075】
液晶パネル駆動回路304は、回路制御部600の表示制御部601からのタイミング制御信号(TC1)およびデータ信号(D)に従って、制御信号(G)およびデータ信号(S)を出力し、画素回路31を駆動する回路である。画素回路31の駆動方法の詳細については後述する。
【0076】
光センサ駆動回路305は、回路制御部600のセンサ制御部602からのタイミング制御信号(TC2)に従って、信号線(R)に電圧を印加し、光センサ回路32を駆動する回路である。光センサ回路32の駆動方法の詳細については後述する。
【0077】
信号変換回路306は、光センサ回路32から出力されるセンサ出力信号(SS)をデジタル信号(DS)に変換し、該変換後の信号をセンサ制御部602に送信する回路である。
【0078】
バックライト307は、複数の白色LED(Light Emitting Diode)を含んでおり、センサ内蔵液晶パネル301の背面に配置される。そして、バックライト駆動回路308から電源電圧が印加されると、バックライト307は点灯し、センサ内蔵液晶パネル301に光を照射する。なお、バックライト307は、白色LEDに限らず、他の色のLEDを含んでいてもよい。また、バックライト307は、LEDに代えて、例えば、冷陰極管(CCFL:Cold Cathode Fluorescent Lamp)を含むものであってもよい。
【0079】
バックライト駆動回路308は、回路制御部600のバックライト制御部603からの制御信号(BK)がハイレベルであるときは、バックライト307に電源電圧を印加し、逆に、バックライト制御部603からの制御信号がローレベルであるときは、バックライト307に電源電圧を印加しない。
【0080】
次に、回路制御部600について説明する。回路制御部600は、表示/光センサ部300の周辺回路309を制御するデバイスドライバとしての機能を備えるものである。回路制御部600は、表示制御部601、センサ制御部602、バックライト制御部603、および表示データ記憶部604を備えている。
【0081】
表示制御部601は、データ処理部700の表示データ処理部701から表示データを受信するとともに、表示データ処理部701からの指示に従って、表示/光センサ部300の液晶パネル駆動回路304に、タイミング制御信号(TC1)およびデータ信号(D)を送信し、上記受信した表示データをセンサ内蔵液晶パネル301に表示させる。
【0082】
なお、表示制御部601は、表示データ処理部701から受信した表示データを、表示データ記憶部604に一次記憶させる。そして、当該一次記憶させた表示データに基づいて、データ信号(D)を生成する。表示データ記憶部604は、例えば、VRAM(video random access memory)などである。
【0083】
センサ制御部602は、データ処理部700のセンサデータ処理部703からの指示に従って、表示/光センサ部300の光センサ駆動回路305に、タイミング制御信号(TC2)を送信し、センサ内蔵液晶パネル301にてスキャンを実行させる。
【0084】
また、センサ制御部602は、信号変換回路306からデジタル信号(DS)を受信する。そして、センサ内蔵液晶パネル301に含まれる全ての光センサ回路32から出力されたセンサ出力信号(SS)に対応するデジタル信号(DS)に基づいて、画像データを生成する。つまり、センサ内蔵液晶パネル301の読み取り領域全体で読み取った画像データを生成する。そして、該生成した画像データをセンサデータ処理部703に送信する。
【0085】
バックライト制御部603は、表示データ処理部701およびセンサデータ処理部703からの指示に従って、表示/光センサ部300のバックライト駆動回路308に制御信号(BK)を送信し、バックライト307を駆動させる。
【0086】
なお、データ表示/センサ装置100が、複数の表示/光センサ部300を備える場合、表示制御部601は、データ処理部700から、どの表示/光センサ部300にて表示データを表示するかの指示を受けたとき、当該指示に応じた表示/光センサ部300の液晶パネル駆動回路304を制御する。また、センサ制御部602は、データ処理部700から、どの表示/光センサ部300にて対象物のスキャンを行なうかの指示を受けたとき、当該指示に応じた表示/光センサ部300の光センサ駆動回路305を制御するとともに、当該指示に応じた表示/光センサ部300の信号変換回路306からデジタル信号(DS)を受信する。
【0087】
次に、データ処理部700について説明する。データ処理部700は、主制御部800から受信する「コマンド」に基づいて、回路制御部600に指示を与えるミドルウェアとしての機能を備えるものである。なお、コマンドの詳細については後述する。
【0088】
データ処理部700は、表示データ処理部701およびセンサデータ処理部703を備えている。そして、データ処理部700が、主制御部800からコマンドを受信すると、該受信したコマンドに含まれる各フィールド(後述する)の値に応じて、表示データ処理部701およびセンサデータ処理部703の少なくとも一方が動作する。
【0089】
表示データ処理部701は、主制御部800から表示データを受信するとともに、データ処理部700が受信したコマンドに従って、表示制御部601およびバックライト制御部603に指示を与え、上記受信した表示データをセンサ内蔵液晶パネル301に表示させる。なお、コマンドに応じた、表示データ処理部701の動作については、後述する。
【0090】
センサデータ処理部703は、データ処理部700が受信したコマンドに従って、センサ制御部602およびバックライト制御部603に指示を与える。
【0091】
また、センサデータ処理部703は、センサ制御部602から画像データを受信し、当該画像データをそのまま画像データバッファ704に格納する。そして、センサデータ処理部703は、データ処理部700が受信したコマンドに従って、画像データバッファ704に記憶されている画像データに基づいて、「全体画像データ」、「部分画像データ(部分画像の座標データを含む)」、および「座標データ」の少なくともいずれか1つを、主制御部800に送信する。なお、全体画像データ、部分画像データ、および座標データについては、後述する。また、コマンドに応じた、センサデータ処理部703の動作については、後述する。
【0092】
次に、主制御部800は、アプリケーションプログラムを実行するものである。主制御部800は、記憶部901に格納されているプログラムを、例えばRAM(Random Access Memory)等で構成される一次記憶部902に読み出して実行する。
【0093】
主制御部800で実行されるアプリケーションプログラムは、センサ内蔵液晶パネル301に表示データを表示させたり、センサ内蔵液晶パネル301にて対象物のスキャンを行なわせるために、データ処理部700に対して、コマンドおよび表示データを送信する。また、コマンドに「データ種別」を指定した場合は、当該コマンドの応答として、全体画像データ、部分画像データ、および座標データの少なくともいずれか1つを、データ処理部700から受信する。
【0094】
なお、回路制御部600、データ処理部700、および主制御部800は、それぞれ、CPU(Central Processing Unit)およびメモリ等で構成することができる。また、データ処理部700は、ASIC(application specific integrate circuit)などの回路で構成されていてもよい。
【0095】
次に、記憶部901は、図示のように、主制御部800が実行するプログラムおよびデータを格納するものである。なお、主制御部800が実行するプログラムは、アプリケーション固有のプログラムと、各アプリケーションが共用可能な汎用プログラムとに分離されていてもよい。
【0096】
次に、操作部903は、データ表示/センサ装置100のユーザの入力操作を受けつけるものである。操作部903は、例えば、スイッチ、リモコン、マウス、キーボードなどの入力デバイスで構成される。そして、操作部903は、データ表示/センサ装置100のユーザの入力操作に応じた制御信号を生成し、該生成した制御信号を主制御部800へ送信する。
【0097】
なお、上記スイッチの例としては、電源のオンとオフとを切り替える電源スイッチ905、予め所定の機能が割り当てられているユーザスイッチ906などのハードウェアスイッチを想定している。
【0098】
その他、データ表示/センサ装置100は、携帯電話機である場合、装置本体に、無線/有線通信によって外部装置と通信を行なうための外部通信部907、音声を出力するためのスピーカ等の音声出力部908、音声信号を入力するためのマイク(携帯電話機であれば通話用マイク)等の音声入力部909などを適宜備えていてもよい。
【0099】
(コマンドの詳細)
次に、図5および図6を参照しながら、主制御部800からデータ処理部700に送信されるコマンドの詳細について説明する。図5は、コマンドのフレーム構造の一例を模式的に示す図である。また、図6は、コマンドに含まれる各フィールドに指定可能な値の一例、および、その概要を説明する図である。
【0100】
図5に示すように、コマンドは、「ヘッダ」、「データ取得タイミング」、「データ種別」、「スキャン方式」、「スキャン画像階調」、「スキャン解像度」、「スキャンパネル」、「表示パネル」、および「予備」の各フィールドを含んでいる。そして、各フィールドには、例えば、図6に示す値が指定可能である。
【0101】
「ヘッダ」フィールドは、フレームの開始を示すフィールドである。「ヘッダ」フィールドであることが識別可能であれば、「ヘッダ」フィールドの値は、どのような値であってもよい。
【0102】
次に、「データ取得タイミング」フィールドは、データを主制御部800へ送信すべきタイミングを指定するフィールドである。「データ取得タイミング」フィールドには、例えば、“00”(センス)、“01”(イベント)、および“10”(オール)という値が指定可能である。
【0103】
ここで、“センス”は、最新のデータを直ちに送信すること指定するものである。よって、センサデータ処理部703は、「データ取得タイミング」フィールドの値が“センス”であるコマンドを受信すると、「データ種別」フィールドにて指定されている最新のデータを、直ちに、主制御部800に送信する。
【0104】
また、“イベント”は、センサ制御部602から受信する画像データに変化が生じたタイミングで送信すること指定するものである。よって、センサデータ処理部703は、「データ取得タイミング」フィールドの値が“イベント”であるコマンドを受信すると、「データ種別」フィールドにて指定されているデータを、センサ制御部602から受信する画像データに、所定の閾値より大きい変化が生じたタイミングで、主制御部800に送信する。
【0105】
また、“オール”は、所定周期でデータを送信すること指定するものである。よって、センサデータ処理部703は、「データ取得タイミング」フィールドの値が“オール”であるコマンドを受信すると、「データ種別」フィールドにて指定されているデータを、所定周期で、主制御部800に送信する。なお、上記所定周期は、光センサ回路32にてスキャンを行なう周期と一致する。
【0106】
次に、「データ種別」フィールドは、センサデータ処理部703から取得するデータの種別を指定するフィールドである。なお、「データ種別」フィールドには、例えば、“001”(座標)、“010”(部分画像)、および“100”(全体画像)という値が指定可能である。さらに、これらの値を加算することによって、“座標”と、“部分画像”/“全体画像”とを、同時に指定可能である。例えば、“座標”と“部分画像”とを同時に指定する場合、“011”と指定することができる。
【0107】
センサデータ処理部703は、「データ種別」フィールドの値が“全体画像”であるコマンドを受信すると、画像データバッファ704に記憶している画像データそのものを主制御部800に送信する。画像データバッファ704に記憶している画像データそのものを、「全体画像データ」と称する。
【0108】
また、センサデータ処理部703は、「データ種別」フィールドの値が“部分画像”であるコマンドを受信すると、センサ制御部602から受信する画像データから、所定の閾値より大きい変化が生じた部分を含む領域を抽出し、該抽出した領域の画像データを主制御部800に送信する。ここで、当該画像データを、「部分画像データ」と称する。なお、上記部分画像データが複数抽出された場合、センサデータ処理部703は、該抽出されたそれぞれの部分画像データを主制御部800に送信する。
【0109】
さらに、センサデータ処理部703は、「データ種別」フィールドの値が“部分画像”であるコマンドを受信したとき、部分画像データにおける代表座標を検出し、当該代表座標の部分画像データにおける位置を示す座標データを主制御部800に送信する。なお、上記代表座標とは、例えば、上記部分画像データの中心の座標、上記部分画像データの重心の座標などが挙げられる。
【0110】
次に、センサデータ処理部703は、「データ種別」フィールドの値が“座標”であるコマンドを受信すると、上記代表座標の全体画像データにおける位置を示す座標データを主制御部800に送信する。なお、上記部分画像データが複数抽出された場合、センサデータ処理部703は、該抽出された、それぞれの部分画像データの、全体画像データにおける代表座標を検出し、当該代表座標を示す座標データのそれぞれを主制御部800に送信する(多点検出)。
【0111】
なお、全体画像データ、部分画像データ、および座標データの具体例については、模式図を参照しながら後述する。
【0112】
次に、「スキャン方式」フィールドは、スキャン実行時に、バックライト307を点灯するか否かを指定するフィールドである。「スキャン方式」フィールドには、例えば、“00”(反射)、“01”(透過)、および“10”(反射/透過)という値が指定可能である。
【0113】
“反射”は、バックライト307を点灯した状態でスキャンを行なうこと指定するものである。よって、センサデータ処理部703は、「スキャン方式」フィールドの値が“反射”であるコマンドを受信すると、光センサ駆動回路305とバックライト駆動回路308とが同期して動作するように、センサ制御部602とバックライト制御部603とに指示を与える。
【0114】
また、“透過”は、バックライト307を消灯した状態でスキャンを行なうことを指定するものである。よって、センサデータ処理部703は、「スキャン方式」フィールドの値が“透過”であるコマンドを受信すると、光センサ駆動回路305を動作させ、バックライト駆動回路308と動作させないようにセンサ制御部602とバックライト制御部603とに指示を与える。なお、“反射/透過”は、“反射”と“透過”とを併用してスキャンを行なうことを指定するものである。
【0115】
次に、「スキャン画像階調」フィールドは、部分画像データおよび全体画像データの階調を指定するフィールドである。「スキャン画像階調」フィールドには、例えば、“00”(2値)、および“01”(多値)という値が指定可能である。
【0116】
ここで、センサデータ処理部703は、「スキャン画像階調」フィールドの値が“2値”であるコマンドを受信すると、部分画像データおよび全体画像データをモノクロデータとして、主制御部800に送信する。
【0117】
また、センサデータ処理部703は、「スキャン画像階調」フィールドの値が“多値”であるコマンドを受信すると、部分画像データおよび全体画像データを多階調データとして、主制御部800に送信する。
【0118】
次に、「スキャン解像度」フィールドは、部分画像データおよび全体画像データの解像度を指定するフィールドである。「解像度」フィールドには、例えば、“0”(高)および“1”(低)という値が指定可能である。
【0119】
ここで、“高”は、高解像度を指定するものである。よって、センサデータ処理部703は、「スキャン解像度」フィールドの値が“高”であるコマンドを受信すると、部分画像データおよび全体画像データを高解像度で主制御部800に送信する。例えば、画像認識などの画像処理を行なう対象の画像データ(指紋などの画像データ)には、“高”を指定することが望ましい。
【0120】
また、“低”は、低解像度を指定するものである。よって、センサデータ処理部703は、「スキャン解像度」フィールドの値が“低”であるコマンドを受信すると、部分画像データおよび全体画像データを低解像度で主制御部800に送信する。例えば、タッチした位置等が分かる程度でよい画像データ(タッチした指や手の画像データなど)には、“低”を指定することが望ましい。
【0121】
次に、「スキャンパネル」フィールドは、データ表示/センサ装置100が、複数の表示/光センサ部300を備えているときに、どの表示/光センサ部300にて対象物のスキャンを行なうかを指定するフィールドである。「スキャンパネル」フィールドには、例えば、“001”(一番目の表示/光センサ部300)、“010”(二番目の表示/光センサ部300)という値が指定可能である。なお、これらの値を加算することによって、複数の表示/光センサ部300を同時に指定可能である。例えば、一番目と二番目の両方の表示/光センサ部300を同時に指定する場合、“011”と指定することができる。
【0122】
ここで、センサデータ処理部703は、受信したコマンドの「スキャンパネル」フィールドの値に従って、指定された表示/光センサ部300の光センサ駆動回路305およびバックライト駆動回路308を制御するように、センサ制御部602およびバックライト制御部603に指示を与える。
【0123】
次に、「表示パネル」フィールドは、データ表示/センサ装置100が、複数の表示/光センサ部300を備えているときに、どの表示/光センサ部300にて表示データを表示させるかを指定するフィールドである。「スキャン画像階調」フィールドには、例えば、“001”(一番目の表示/光センサ部300)、“010” (二番目の表示/光センサ部300)という値が指定可能である。なお、これらの値を加算することによって、複数の表示/光センサ部300を同時に指定可能である。例えば、一番目と二番目の両方の表示/光センサ部300を同時に指定する場合、“011”と指定することができる。
【0124】
ここで、表示データ処理部701は、例えば、「表示パネル」フィールドの値が表示/光センサ部300であるコマンドを受信すると、表示/光センサ部300に表示データを表示させるために、表示/光センサ部300の液晶パネル駆動回路304およびバックライト駆動回路308を制御するように、表示制御部601およびバックライト制御部603に指示を与える。
【0125】
次に、「予備」フィールドは、上述したフィールドにて指定可能な情報以外の情報をさらに指定する必要がある場合に、適宜指定されるフィールドである。
【0126】
なお、主制御部800にて実行されるアプリケーションは、コマンドを送信するにあたり、上述したフィールドを全て使用する必要はなく、使用しないフィールドには無効値(NULL値など)を設定しておけばよい。
【0127】
また、ユーザが指やペンなどでタッチした位置の座標データを取得したいときは、「データ種別」フィールドに“座標”を指定したコマンドをデータ処理部700に送信することとなるが、指やペンなどは動きがあるため、さらに、当該コマンドの「データ取得タイミング」フィールドに“オール”を指定し、座標データを取得するようにすることが望ましい。また、タッチした位置の座標データが取得できればよいため、スキャンの精度は高くなくてもよい。したがって、上記コマンドの「解像度」フィールドの値は“低”を指定しておけばよい。
【0128】
また、コマンドの「データ種別」フィールドに“座標”を指定した場合において、例えば、ユーザが、複数の指やペンなどでセンサ内蔵液晶パネル301を同時にタッチした場合は、該タッチした位置の座標データのそれぞれを取得することができる(多点検出)。
【0129】
また、原稿などの対象物の画像データを取得する場合、「データ種別」フィールドに“全体画像”を指定したコマンドをデータ処理部700に送信することとなるが、原稿などの対象物は、通常、静止させた状態でスキャンを実行することが一般的であるため、周期的にスキャンを実行する必要はない。従って、この場合は、「データ取得タイミング」フィールドに“センス”または“イベント”を指定することが望ましい。なお、原稿などの対象物をスキャンするときは、ユーザが文字を読みやすいように、スキャン精度は高い方が望ましい。したがって、「解像度」フィールドには“高”を指定することが望ましい。
【0130】
(全体画像データ/部分画像データ/座標データ)
次に、図7(a)(b)を参照しながら、全体画像データ、部分画像データ、および座標データについて、例を挙げて説明する。図7(a)に示す画像データは、対象物がセンサ内蔵液晶パネル301上に置かれていないときに、センサ内蔵液晶パネル301全体をスキャンした結果として得られる画像データである。また、図7(b)に示す画像データは、ユーザが指でセンサ内蔵液晶パネル301をタッチしているときに、センサ内蔵液晶パネル301全体をスキャンした結果として得られる画像データである。
【0131】
ユーザが指でセンサ内蔵液晶パネル301をタッチしたとき、当該タッチした近傍の光センサ回路32が受光する光量が変化するため、当該光センサ回路32が出力する電圧に変化が生じ、その結果として、センサ制御部602が生成する画像データのうち、ユーザがタッチした部分の画素値の明度に変化が生じることとなる。
【0132】
図7(b)に示す画像データでは、図7(a)に示す画像データと比べると、ユーザの指に該当する部分の画素値の明度が高くなっている。そして、図7(b)に示す画像データにおいて、明度が所定の閾値より大きく変化している画素値を全て含む最小の矩形領域(領域PP)が、“部分画像データ”である。
【0133】
なお、領域APで示される画像データが、“全体画像データ”である。
【0134】
また、部分画像データ(領域PP)の代表座標Zの、全体画像データ(領域AP)における座標データは(Xa,Ya)であり、部分画像データ(領域PP)における座標データは(Xp,Yp)である。
【0135】
(センサ内蔵液晶パネルの構成)
次に、図8を参照しながら、センサ内蔵液晶パネル301の構成、および、センサ内蔵液晶パネル301の周辺回路309の構成について説明する。図8は、表示/光センサ部300の要部、特に、センサ内蔵液晶パネル301の構成および周辺回路309の構成を示すブロック図である。
【0136】
センサ内蔵液晶パネル301は、光透過率(輝度)を設定するための画素回路31、および、自身が受光した光の強度に応じた電圧を出力する光センサ回路32を備えている。なお、画素回路31は、赤色、緑色、青色のカラーフィルタのそれぞれに対応するR画素回路31r、G画素回路31g、B画素回路31bの総称して用いる。
【0137】
画素回路31は、センサ内蔵液晶パネル301上の列方向(縦方向)にm個、行方向(横方向)に3n個配置される。そして、R画素回路31r、G画素回路31g、およびB画素回路31bの組が、行方向(横方向)に連続して配置される。この組が1つの画素を形成する。
【0138】
画素回路31の光透過率を設定するには、まず、画素回路31に含まれるTFT(Thin Film Transistor)33のゲート端子に接続される走査信号線Giにハイレベル電圧(TFT33をオン状態にする電圧)を印加する。その後、R画素回路31rのTFT33のソース端子に接続されているデータ信号線SRjに、所定の電圧を印加する。同様に、G画素回路31gおよびB画素回路31bについても、光透過率を設定する。そして、これらの光透過率を設定することにより、センサ内蔵液晶パネル301上に画像が表示される。
【0139】
次に、光センサ回路32は、一画素毎に配置される。なお、R画素回路31r、G画素回路31g、およびB画素回路31bのそれぞれの近傍に1つずつ配置されてもよい。
【0140】
光センサ回路32にて光の強度に応じた電圧を出力させるためには、まず、コンデンサ35の一方の電極に接続されているセンサ読み出し線RWiと、フォトダイオード36のアノード端子に接続されているセンサリセット線RSiとに所定の電圧を印加する。この状態において、フォトダイオード36に光が入射されると、入射した光量に応じた電流がフォトダイオード36に流れる。そして、当該電流に応じて、コンデンサ35の他方の電極とフォトダイオード36のカソード端子との接続点(以下、接続ノードV)の電圧が低下する。そして、センサプリアンプ37のドレイン端子に接続される電圧印加線SDjに電源電圧VDDを印加すると、接続ノードVの電圧は増幅され、センサプリアンプ37のソース端子からセンシングデータ出力線SPjに出力される。そして、当該出力された電圧に基づいて、光センサ回路32が受光した光量を算出することができる。
【0141】
次に、センサ内蔵液晶パネル301の周辺回路である、液晶パネル駆動回路304、光センサ駆動回路305、およびセンサ出力アンプ44について説明する。
【0142】
液晶パネル駆動回路304は、画素回路31を駆動するための回路であり、走査信号線駆動回路3041およびデータ信号線駆動回路3042を含んでいる。
【0143】
走査信号線駆動回路3041は、表示制御部601から受信したタイミング制御信号TC1に基づいて、1ライン時間毎に、走査信号線G1〜Gmの中から1本の走査信号線を順次選択し、該選択した走査信号線にハイレベル電圧を印加するとともに、その他の走査信号線にローレベル電圧を印加する。
【0144】
データ信号線駆動回路3042は、表示制御部601から受信した表示データD(DR、DG、およびDB)に基づいて、1ライン時間毎に、1行分の表示データに対応する所定の電圧を、データ信号線SR1〜SRn、SG1〜SGn、SB1〜SBnに印加する(線順次方式)。なお、データ信号線駆動回路3042は、点順次方式で駆動するものであってもよい。
【0145】
光センサ駆動回路305は、光センサ回路32を駆動するための回路である。光センサ駆動回路305は、センサ制御部602から受信したタイミング制御信号TC2に基づいて、センサ読み出し信号線RW1〜RWmの中から、1ライン時間毎に1本ずつ選択したセンサ読み出し信号線に所定の読み出し用電圧を印加するとともに、その他のセンサ読み出し信号線には、所定の読み出し用電圧以外の電圧を印加する。また、同様に、タイミング制御信号TC2に基づいて、センサリセット信号線RS1〜RSmの中から、1ライン時間毎に1本ずつ選択したセンサリセット信号線に所定のリセット用電圧を印加するとともに、その他のセンサリセット信号線には、所定のリセット用電圧以外の電圧を印加する。
【0146】
センシングデータ出力信号線SP1〜SPnはp個(pは1以上n以下の整数)のグループにまとめられ、各グループに属するセンシングデータ出力信号線は、時分割で順次オン状態になるスイッチ47を介して、センサ出力アンプ44に接続される。センサ出力アンプ44は、スイッチ47により接続されたセンシングデータ出力信号線のグループからの電圧を増幅し、センサ出力信号SS(SS1〜SSp)として、信号変換回路306へ出力する。
【0147】
以下に、上記データ表示/センサ装置100を用いた場合のガイド機能及び音量制御について、図1、図9及び図10を用いて説明する。
【0148】
(データ表示/センサ装置の要部構成の詳説)
上記データ表示/センサ装置100は、図1に示すように、対象物を像検知する像検知部11(像検知手段)と、音声データに応じた音声を出力する音声出力部908(音声出力手段)と、各種制御を行う主制御部800と、主制御部800で実行するプログラム及び各種データを格納している記憶部901とを備えている。
【0149】
上記主制御部800は、上記像検知部11により、上記データ表示/センサ装置100を操作している操作者の耳近傍の領域を上記対象物として像検知して得られた像検知データを取得する像検知データ取得部801と、上記像検知データ取得部801が取得した像検知データに、耳画像データの少なくとも一部が含まれているか否かを判定する像検知データ判定部802と、上記像検知データ判定部802による判定結果に応じた内容の音声データを上記音声出力部908に出力する音声データ出力部803と、後段の音声出力部908の出力音声の音量を制御する音量制御部804とを備えている。
【0150】
上記像検知部11は、対象物をスキャンして、得られた画像データを後段の主制御部800で使用するデータ形式に変換するまでの処理を行うものとする。従って、本実施形態では、上記像検知部11を、図4において示した、表示/光センサ部300、回路制御部600、データ処理部700を含んだものとして定義する。これら各部については既に説明済みなので、詳細な説明は省略する。
【0151】
(像検知部による対象物の像検知処理)
ここで、操作者による通話姿勢では、携帯電話機における像検知部11は、通話用スピーカである第1スピーカ部908aよりも下側になるように配置されている。
【0152】
操作者が、データ表示/センサ装置100の音声出力部908が備える第1スピーカ部908aの位置付近に、自身の耳を当てた状態で、まず、像検知部11による耳付近の画像の像検知が行われる。以下に、図4を参照しながら処理の流れを説明する。
【0153】
表示/光センサ部300内のセンサ内蔵液晶パネル301の光センサ回路32により、操作者の耳付近の画像をスキャンして得られたセンサ出力信号(SS)に対応するデジタル信号(DS)が、回路制御部600内のセンサ制御部602に出力される。このセンサ制御部602では、信号変換回路306からデジタル信号(DS)を受信する。そして、センサ内蔵液晶パネル301に含まれる全ての光センサ回路32から出力されたセンサ出力信号(SS)に対応するデジタル信号(DS)に基づいて、画像データを生成する。つまり、センサ内蔵液晶パネル301の読み取り領域全体で読み取った画像データを生成する。そして、該生成した画像データをセンサデータ処理部703に送信する。
【0154】
また、センサデータ処理部703は、センサ制御部602から画像データを受信し、当該画像データをそのまま画像データバッファ704に格納する。そして、センサデータ処理部703は、データ処理部700が受信したコマンドに従って、画像データバッファ704に記憶されている画像データに基づいて、「全体画像データ」、「部分画像データ(部分画像の座標データを含む)」、および「座標データ」の少なくともいずれか1つを、像検知データとして主制御部800の像検知データ取得部801に送信する。
【0155】
像検知部11への像検知要求は、主制御部800から上記データ処理部700に対して、コマンドおよび表示データを送信することにより行われる。つまり、主制御部800は、送信するコマンドに「データ種別」を指定してデータ処理部700に送信し、当該コマンドの応答として、全体画像データ、部分画像データ、および座標データの少なくともいずれか1つを、データ処理部700から受信するようになっている。
(主制御部による像検知データの判定処理)
次に、主制御部800による像検知データの判定が行われる。以下に、図1を参照しながら処理の流れを説明する。
【0156】
上記主制御部800の像検知データ取得部801は、データ処理部700から送信された像検知データを取得し、取得した像検知データを後段の像検知データ判定部802に送信する。ここで、像検知データ取得部801は、取得した像検知データの種類(全体画像データ、部分画像データ、座標データ)に関わらず、像検知データ判定部802に送信する。
【0157】
上記像検知データ判定部802は、受信した像検知データに、操作者の耳画像が含まれているか否かを判定する。具体的には、取得した像検知データに予め登録した耳画像の一部または全部に対応する画像が含まれているか否かを判定する。予め登録した耳画像は、上述した記憶部901にデータとして格納されており、像検知データ判定部802から参照要求に応じてデータが取り出されるようになっている。この登録した耳画像は、一般的な人の耳の形状を統計的に算出して得られた画像である。なお、登録した耳画像は、一種類だけでなく、例えば、成人男性、成人女性、子供の三種類に分けて、データ表示/センサ装置100において通話する際、あるいは予め操作者自身によって成人男性、成人女性、子供の何れかを選択(例えば予め設定したキーの押圧操作による選択)しておいてもよい。
【0158】
上記像検知データ判定部802は、像検知データに耳画像の一部あるいは全部が含まれているか否かを示す判定結果を後段の音声データ出力部803に送信する。
【0159】
ここで、判定結果が耳画像の少なくとも一部が含まれていることを示す場合を判定結果Aとし、判定結果が耳画像が含まれていないことを示す場合を判定結果Bとする。
【0160】
判定結果Aの場合、操作者の耳とデータ表示/センサ装置100の第1スピーカ部908aとの距離が近く、通話による音声が操作者にとって聞き取れるものとする。
【0161】
これに対して、判定結果Bの場合、操作者の耳とデータ表示/センサ装置100の第1スピーカ部908aとの距離が遠く、通話による音声が操作者にとって聞き取り難い、あるいは聞き取れないものとする。
【0162】
つまり、上記音声データ出力部803は、上記像検知データ判定部802から送信される判定結果が判定結果AまたはBの何れかを受信し、これら判定結果に応じた音声データを後段の音声出力部908に送信するようになっている。
【0163】
以下では、音声データ出力部803における上記判定結果に基づいて実行される2つの機能について説明する。
【0164】
図9(a)(b)は、操作者がデータ表示/センサ装置100による通話体勢に入ったときに、耳近傍の領域を像検知部11によりスキャンした像検知データに対応する画像の表示例を示している。なお、図9(a)(b)では、説明のため、スキャンした画像を表示する例を示しているが、実際にはスキャンした画像を表示する必要はない。
【0165】
図9(a)は、図10(a)に示すように、操作者1000の耳1001に、データ表示/センサ装置100の表示/光センサ部300側を当てた状態での像検知画像の表示例を示し、図9(b)は、図10(b)に示すように、操作者1000の耳1001に、データ表示/センサ装置100の表示/光センサ部300側を当てた状態での像検知画像の表示例を示す。
(音声ガイド機能)
以下に、上記構成の携帯電話機を用いたスピーカ位置案内方法について説明する。
【0166】
上記音声データ出力部803が判定結果Aを受信した場合、操作者の耳とデータ表示/センサ装置100の第1スピーカ部908aとの距離が近く、通話による音声が操作者にとって聞き取れる状態にあるので、ガイド用の音声として、「耳の位置とスピーカの位置の関係が適切です。」と出力される音声データを音声出力部908に送信する。
【0167】
また、上記音声データ出力部803が判定結果Bを受信した場合、操作者の耳とデータ表示/センサ装置100の第1スピーカ部908aとの距離が遠く、通話による音声が操作者にとって聞き取り難い、あるいは聞き取れない状態にあるので、電子装置である携帯電話機を上側に持っていくように操作者に促す内容のガイド用の音声として、「スピーカをもう少し上に移動させてください。」と出力される音声データを音声出力部908に送信する。
【0168】
ここでは、図9(a)(b)に示すような第1スピーカ部908a、表示/光センサ部300、音声入力部909の位置関係、すなわち、通話状態で、第1スピーカ部908aが像検知部11を構成する表示/光センサ部300よりも上方にある場合を想定して説明しているので、判定結果Bの場合に、「スピーカ(データ表示/センサ装置100)をもう少し上に移動させてください。」とガイドしている。これは、一般に第1スピーカ部908aと耳の位置とが離れている場合には、第1スピーカ部908aの位置が耳よりも低いことが多いためである。無論、耳の画像が検出されない場合のガイド内容は、これに限定されるものではなく、第1スピーカ部908aと表示/光センサ部300との位置関係等により、ガイド内容を変えるようにすればよい。
【0169】
なお、図9(a)(b)に示すような第1スピーカ部908aと表示/光センサ部300との位置関係であっても、操作者の通話状態によっては、上記のガイド内容が適切でない場合も考えられるが、通常、操作者の耳とデータ表示/センサ装置100の第1スピーカ部908aとの距離が遠く、通話による音声が操作者にとって聞き取り難い、あるいは聞き取れない状態では、第1スピーカ部908aの位置が操作者の耳の位置よりも下方にある場合が多いので、「スピーカ(データ表示/センサ装置100)をもう少し上に移動させてください。」とガイドしている。
【0170】
上記ガイド音声は、音声出力部908の第2スピーカ部908bにおいて出力される。なお、このガイド音声は、第2スピーカ部908bを設けずに、通話用に使用している第1スピーカ部908aを兼用して出力するようにしてもよい。
【0171】
また、第1スピーカ部908aと表示/光センサ部300との位置関係は、図9(a)(b)に示すような位置関係に限定されるものではないので、第1スピーカ部908aと表示/光センサ部300との位置関係により、判定結果Bの場合のガイド内容を変えるようにすればよい。
【0172】
上記ガイド内容は、記憶部901のデータ格納部において、像検知データ判定部802における判定結果と対応付けられて格納されており、音声データ出力部803からの要求により必要に応じて読み出されるようになっている。
【0173】
なお、像検知データ判定部802による判定結果Aの場合、必ずしも耳の位置とスピーカの位置の関係が適切であるとは限らない。つまり、像検知データに耳画像がどの程度含まれているかによって、操作者の耳の位置がデータ表示/センサ装置100の第1スピーカ部908aの位置から離れすぎて聞き取り難い場合が考えられる。データ表示/センサ装置100の像検知部11による像検知結果により、図9(a)に示すように、操作者の耳1001が表示/光センサ部300上にほぼ全体が映し出されるような場合には、第1スピーカ部908aからの音声が聞き取り易い状態と考えられるが、上記像検知結果により、図9(b)に示すように、操作者の耳1001の下(耳たぶ)の一部しか表示/光センサ部300に映し出されないような場合には、第1スピーカ部908aが耳の位置から離れて、音声が聞き取り難い状態と考えられる。
【0174】
このように、像検知データ判定部802による判定結果Aの場合であってもさらなるガイドが必要な場合もあるので、像検知データ判定部802では、判定結果が耳画像の一部あるいは全部が含まれているか否かを判定して、判定結果Bの場合には、その結果を音声データ出力部803に送信する一方、判定結果Aの場合には、像検知データに耳画像が含まれている割合を含めた判定結果を音声データ出力部803に送信する。
【0175】
例えば、像検知データ判定部802では、像検知データに耳画像が含まれていると判定し、さらに、耳画像が像検知データに対して含まれている割合を面積比等から演算によって求める。求めた演算値を判定結果に含ませて音声データ出力部803に送信する。
【0176】
上記音声データ出力部803は、受信した演算値に対応付けられたガイド内容を音声として出力するための音声データを音声出力部908に出力する。
【0177】
音声出力部908が受信する演算値は、全体のスキャン画像に耳画像の殆どが含まれている例えば図9(a)に示す状態を100とした場合に、スキャン画像にどの程度の割合で耳画像が含まれているかを示す割合を示すものとする。例えば図9(b)に示す状態では、約10%の割合で耳画像が含まれているものとする。
【0178】
従って、上記の演算値は、100%が好ましいが、本実施形態に係るデータ表示/センサ装置100において、80%を越えれば、第1スピーカ部908aからの音声が操作者の耳に適切に届くものとする。
【0179】
つまり、像検知データ判定部802による判定結果がAの場合であっても、スキャン画像に含まれる耳画像の割合が80%未満であれば、音声データ出力部803は、判定結果Bの場合と同じように、「スピーカ(データ表示/センサ装置100)をもう少し上に移動させてください。」とガイドする内容の音声データを音声出力部908に出力する。
【0180】
なお、上記の音声ガイド機能の実行開始は、データ表示/センサ装置100が通話を行う際のオン・フック状態(通話状態)になったときとし、音声ガイド機能の実行終了は、データ表示/センサ装置100による通話が終了した際のオフ・フック状態になったときとする。但し、音声ガイドの開始終了のタイミングに限定されない。例えば、音声ガイドの終了は、耳の位置がスピーカ位置に正しく当てられていることを画像にて確認できたときであってもよい。具体的には、像検知した耳近傍の画像と、予め登録している、耳の位置がスピーカ位置に正しく当てられた状態の画像とが一致した場合、耳の位置がスピーカ位置に正しく当てられていると判断し、音声ガイドを終了する。ここで、一致とは、ある程度の幅を持たせており、完全一致でなくてもよい。
【0181】
上記構成のデータ表示/センサ装置100によれば、操作者の耳に上記第1スピーカ部908aを近づけた状態で、上記像検知部11により、上記操作者の耳近傍の領域を対象物として像検知して得られた像検知データに、耳画像の少なくとも一部が含まれているか否かを判定した結果に対応付けられた内容の音声が第2スピーカ部908bから出力されるので、操作者は、自分の耳の位置と、該耳近傍を像検知する像検知手段の近傍に設けられた第1スピーカ部908aの位置との状態を知ることが可能となる。
【0182】
そして、上記のように、第1スピーカの位置と耳の位置との関係が適切になるように導ければ、第1スピーカから出力される音声を適切に聴取できるという効果を奏する。
【0183】
以上の説明では、像検知データ判定部802による判定結果から、音声ガイド機能により、操作者に対してデータ表示/センサ装置100を移動させるようにガイドすることで、操作者の耳の位置とデータ表示/センサ装置100の第1スピーカ部908aの位置との関係を適切にして、通話音を適切に聴取できるようにした例について述べたが、以下では、像検知データ判定部802の判定結果から、上記第1スピーカ部908aの通話音量を制御する例について述べる。
(通話音量制御)
以下に、上記構成の携帯電話機を用いたスピーカ音量制御方法について説明する。
【0184】
ここでは、上記主制御部800に備えられた音量制御部804によって通話音量が制御される例について説明する。また、音量を20段階で設定できることを想定し、既定の音量を5段階目の音量として説明する。
【0185】
上記音量制御部804が判定結果Aを受信した場合、操作者の耳とデータ表示/センサ装置100の第1スピーカ部908aとの距離が近く、通話による音声が操作者にとって聞き取れる状態にあるので、通話音量を既定の音量とするための制御データを音声出力部908に送信する。
【0186】
一方、上記音量制御部804が判定結果Bを受信した場合、操作者の耳とデータ表示/センサ装置100の第1スピーカ部908aとの距離が遠く、通話による音声が操作者にとって聞き取り難い、あるいは聞き取れない状態にあるので、通話音量を既定の音量から上げて10段階目の音量とするための制御データを音声出力部908に送信する。
【0187】
音声出力部908では、受信した制御データに応じて通話音量で第1スピーカ部908aが音声出力するようにする。
【0188】
なお、この通話音量制御の場合においても、ガイド機能で説明した場合と同様に、像検知データ判定部802による判定結果がAの場合であっても、必ずしも耳の位置とスピーカの位置の関係が適切であるとは限らない。つまり、像検知データに耳画像がどの程度含まれているかによって、操作者の耳の位置がデータ表示/センサ装置100の第1スピーカ部908aの位置から離れすぎて聞き取り難い場合が考えられる。このような場合においても、音声出力部908の第1スピーカ部908aの音量を制御するようにすればよい。
【0189】
従って、像検知データ判定部802では、判定結果が耳画像の一部あるいは全部が含まれているか否かを判定して、判定結果Bの場合には、その結果を音声データ出力部803に送信する一方、判定結果Aの場合には、像検知データに耳画像が含まれている割合を含めた判定結果を音量制御部804に送信する。
【0190】
例えば、像検知データ判定部802では、像検知データに耳画像が含まれていると判定し、さらに、耳画像が像検知データに対して含まれている割合を面積比等から演算によって求める。求めた演算値を判定結果に含ませて音量制御部804に送信する。
【0191】
上記音量制御部804は、受信した演算値に対応付けられた音量となるように制御データを音声出力部908に出力する。
【0192】
音声出力部908が受信する演算値は、全体のスキャン画像に耳画像の殆どが含まれている例えば図9(a)に示す状態を100とした場合に、スキャン画像にどの程度の割合で耳画像が含まれているかを示す割合を示すものとする。例えば図9(b)に示す状態では、約10%の割合で耳画像が含まれているものとする。
【0193】
従って、上記の演算値は、100%が好ましいが、本実施形態に係るデータ表示/センサ装置100において、80%を越えれば、第1スピーカ部908aからの音声が操作者の耳に適切に届く音量であるとする。
【0194】
つまり、像検知データ判定部802による判定結果がAの場合であっても、スキャン画像に含まれる耳画像の割合が80%未満であれば、音量制御部804は、判定結果Bの場合と同じように、音量を大きくするための制御データを音声出力部908に出力する。
【0195】
なお、上記の音量制御の実行開始は、データ表示/センサ装置100が通話を行う際のオン・フック状態(通話状態)になったときとし、音量制御の実行終了は、データ表示/センサ装置100による通話が終了した際のオフ・フック状態になったときとする。但し、音量制御の開始終了のタイミングに限定されない。例えば、音量制御の終了は、耳の位置がスピーカ位置に正しく当てられていることを画像にて確認できたときであってもよい。具体的には、像検知した耳近傍の画像と、予め登録している、耳の位置がスピーカ位置に正しく当てられた状態の画像とが一致した場合、耳の位置がスピーカ位置に正しく当てられていると判断し、音量制御を終了する。ここで、一致とは、ある程度の幅を持たせており、完全一致でなくてもよい。
【0196】
上記の構成のデータ表示/センサ装置100によれば、上記像検知データ判定部802による判定結果が、上記像検知データ取得部801により取得した像検知データに耳画像が含まれていないという結果であれば、操作者の耳の近くに第1スピーカ部908aが無い状態と考えられるので、このような状態において、上記第1スピーカ部908aの音量を上げるように制御すれば、操作者は第1スピーカ部908aから出力される音声を適切に聴取することが可能となる。
【0197】
一般に、スピーカの性能は、指向性、感度などの特性で示されるが、これら特性が高い場合には、スキャンした画像に少しだけ耳画像が含まれていれば多少スピーカと耳の位置とが離れていても音声を適切に聴取することができるが、上記の各特性が低い場合には、スキャンした画像に多くの耳画像が含まれて、スピーカと耳の位置とが近くにあっても音声を適切に聴取することができない。
【0198】
従って、スキャンした画像に耳画像が含まれる割合によって、操作者の耳と第1スピーカ部908aの位置とが適正であると判定する場合には、第1スピーカ部908aの性能に応じて、像検知データ判定部802において使用する判定の割合を変更する必要がある。
【0199】
これにより、像検知データ判定部802によって、像検知データ取得部801が取得した像検知データに含まれている耳画像の割合が予め設定した割合以上の場合に、操作者の耳と第1スピーカ部908aとの位置が適正であると判定し、上記像検知データ取得部801が取得した像検知データに含まれている耳画像の割合が予め設定した割合未満の場合に、操作者の耳と第1スピーカ部908aとの位置が適正でないと判定した結果を上記音量制御部804に出力する際に、上記の割合を第1スピーカ部908aの性能に応じて設定すれば、正確な判定結果を得ることができ、その結果、正確な判定結果に対応付けられた音量データを出力することが可能となる。
【0200】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0201】
本発明は、携帯電話機、固定電話の受話器、PDA(Personal Digital Assistant)等の、スピーカを直接耳に当てて音声等の音を聴取するための電子装置であればどのような装置にも利用することができる。
【符号の説明】
【0202】
11 像検知部(像検知手段)
31 画素回路
31b B画素回路
31g G画素回路
31r R画素回路
32 光センサ回路
33 TFT
35 コンデンサ
36 フォトダイオード
37 センサプリアンプ
44 センサ出力アンプ
47 スイッチ
51A アクティブマトリクス基板
51B 対向基板
52 液晶層
53b カラーフィルタ
53g カラーフィルタ
53r カラーフィルタ
54 遮光膜
55 対向電極
56 画素電極
57 データ信号線
58 配向膜
59 偏光板
61 外光
62 対象物
64 対象物
100 データ表示/センサ装置
300 表示/光センサ部
301 センサ内蔵液晶パネル
304 液晶パネル駆動回路
3041 走査信号線駆動回路
3042 データ信号線駆動回路
305 光センサ駆動回路
306 信号変換回路
307 バックライト
308 バックライト駆動回路
309 周辺回路
600 回路制御部
601 表示制御部
602 センサ制御部
603 バックライト制御部
604 表示データ記憶部
700 データ処理部
701 表示データ処理部
703 センサデータ処理部
704 画像データバッファ
800 主制御部
801 像検知データ取得部
802 像検知データ判定部
803 音声データ出力部
804 音量制御部
901 記憶部
902 一次記憶部
903 操作部
905 電源スイッチ
906 ユーザスイッチ
907 外部通信部
908 音声出力部
908a 第1スピーカ部(第1スピーカ)
908b 第2スピーカ部(第2スピーカ)
909 音声入力部
1000 操作者
1001 耳

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物を像検知する像検知手段と、該像検知手段の近傍に設けられた第1スピーカとを備えた電子装置において、
上記像検知手段により得られた像検知データを取得する像検知データ取得部と、
上記像検知データ取得部が取得した像検知データに、操作者の耳画像の少なくとも一部が含まれているか否かを判定する像検知データ判定部と、
上記像検知データ判定部による判定結果に対応付けられた内容の音声データを上記操作者に通知する通知手段に出力する音声データ出力部とを備えていることを特徴とする電子装置。
【請求項2】
上記像検知手段が第1スピーカよりも下側となるように配置された場合、
上記音声データ出力部は、
上記像検知データ判定部による判定結果が、上記像検知データ取得部により取得した像検知データに耳画像が含まれていないという結果であれば、操作者に対して、電子装置を上側に持っていくように促す内容を含んだ音声データを上記通知手段に出力することを特徴とする請求項1に記載の電子装置。
【請求項3】
上記像検知データ判定部は、
上記像検知データ取得部が取得した像検知データにおいて耳画像が占める割合が予め設定した割合未満の場合に、
操作者の耳と第1スピーカとの位置が適正でないと判定した結果に対応付けられた内容の音声データを上記音声データ出力部に出力することを特徴とする請求項1または2に記載の電子装置。
【請求項4】
上記第1スピーカの音量を制御する音量制御部をさらに備え、
上記音量制御部は、
上記像検知データ判定部による判定結果が、上記像検知データ取得部により取得した像検知データに耳画像が含まれていないという結果であれば、上記第1スピーカの音量を上げるように制御することを特徴とする請求項1に記載の電子装置。
【請求項5】
上記像検知データ判定部は、
上記像検知データ取得部が取得した像検知データにおいて耳画像が占める割合が予め設定した割合未満の場合に、
操作者の耳と第1スピーカとの位置が適正でないと判定した結果に対応付けられた音量データを上記音量制御部に出力することを特徴とする請求項4に記載の電子装置。
【請求項6】
通話用スピーカと通話用マイクとをそれぞれ装置本体に配置した携帯電話機において、
上記通話用スピーカは、請求項1〜5の何れか1項に記載の電子装置が備えた第1スピーカであり、
上記装置本体の上記通話用スピーカと通話用マイクとの間に、請求項1〜5の何れか1項に記載の像検知手段が設けられたことを特徴とする携帯電話機。
【請求項7】
上記像検知手段は、通話状態になったことを検知したときに、対象物の像検知を行うことを特徴とする請求項6に記載の携帯電話機。
【請求項8】
対象物を像検知する像検知手段と、該像検知手段の近傍に設けられた第1スピーカとを備えた電子装置におけるスピーカ位置案内方法において、
上記像検知手段により像検知する第1ステップと、
上記第1ステップにより得られた像検知データを取得する第2ステップと、
上記第2ステップにより取得した像検知データに、操作者の耳画像の少なくとも一部が含まれているか否かを判定する第3ステップと、
上記第3ステップによる判定結果に対応付けられた内容の音声データを、上記操作者に通知する第4ステップとを含むことを特徴とするスピーカ位置案内方法。
【請求項9】
上記第4ステップにより、操作者に対して、電子装置を上に持っていくように促す内容を含んだ音声データを出力した後、再度、上記第3ステップによる判定を行い、判定結果が、像検知データに、耳画像の少なくとも一部が含まれている結果の場合にスピーカ位置案内を終了することを特徴とする請求項8に記載のスピーカ位置案内方法。
【請求項10】
対象物を像検知する像検知手段と、該像検知手段の近傍に設けられた第1スピーカとを備えた電子装置におけるスピーカ音量制御方法において、
上記像検知手段により像検知する第1ステップと、
上記第1ステップにより得られた像検知データを取得する第2ステップと、
上記第2ステップにより取得した像検知データに、操作者の耳画像の少なくとも一部が含まれているか否かを判定する第3ステップと、
上記第3ステップによる判定結果に対応付けられた音量データで、上記第1スピーカの音量を制御する第4ステップとを含み、
上記第4ステップでは、
上記第3ステップによる判定結果が、上記第2ステップにより取得した像検知データに耳画像が含まれていないという結果であれば、上記第1スピーカの音量を上げるように制御することを特徴とするスピーカ音量制御方法。
【請求項11】
上記第4ステップにより、操作者に対して、電子装置を上に持っていくように促す内容を含んだ音声データを出力した後、再度、上記第3ステップによる判定を行い、判定結果が、像検知データに、耳画像の少なくとも一部が含まれている結果の場合にスピーカ位置案内を終了することを特徴とする請求項10に記載のスピーカ音量制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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