説明

電子装置及びその消費電力制御方法

【課題】 複数の電子機器の複合製品の消費電力を適切に管理できるようにする。
【解決手段】 それぞれが異なる機能を備えた複数の電子機器で構成される電子機器群101の各電子機器毎に、所定時間使用しない場合に自動的に動作電源の供給を遮断するように動作電源の供給を制御するための情報と、各機器毎の消費電力値とをメモリ113に記憶させておき、使用している機器毎に、前記消費電力値をメモリ113から読み出して表示手段114で表示させると共に、使用している機器の電源供給制御情報を読み出して、その情報に基づいて、動作電源の供給を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えばそれぞれ異なる記録媒体にコンテンツを記録し再生することが可能な複数の記録再生機器を搭載した装置等、それぞれ異なる機能を実行する複数の機器の複合体としての電子装置に関する。
【0002】
また、この発明は、搭載した複数の機器の消費電力を適切に管理できるようにした電子装置の消費電力制御方法に関する。
【背景技術】
【0003】
昨今、商品化されている記録再生機器としては、例えばDVD(Digital Versatile Disk)レコーダを主体に、さらに記録媒体としてHDD(Hard Disk Drive)を搭載したり、あるいはVTR(Video Tape Recorder)の機能をそのまま搭載して、異なる複数の記録媒体へのコンテンツの記録再生を可能としたいわゆる複合的な装置が主力になってきている。
【0004】
さらに、そのような記録媒体へ記録するコンテンツとしては、各記録再生機器の記録媒体の再生信号として提供されるいわゆるダビング場合の他、放送信号で提供されるのが一般的であり、アナログ放送用チューナあるいはデジタル放送用チューナで放送を受信してコンテンツを取得するように構成される。
【0005】
あるいはまた、ブロードバンドのインターネットを使って画像データを含むコンテンツを取得することも広く普及しつつある。
【0006】
したがって、記録再生装置としても、それらコンテンツを入手するための、例えばアナログチューナ、デジタルチューナ、あるいはLAN(Local Area Network)アダプタを備えたものとして構成されることになる。
【0007】
このように、記録再生装置を例にとってその中身を見てみると、異なる記録媒体に対する複数の記録再生機器の他、コンテンツを取得するための手段としても複数の機器で構成されていることが解る。
【0008】
このような複数の電子機器を搭載した電子装置において、全ての機器を同時に動作させるということは、稀であり、動作させていない機能まで、電力を供給することは無駄であり、特に装置がバッテリで駆動されるような構成のものにおいては、動作していない機器に関しては電力の供給を停止する等、きめ細かい管理をする必要がある。
【0009】
加えて、各機器を動作させた際に、消費電力がどのようになるかを、目視できればユーザにとって消費電力を管理し易くなるものであるが、従来それを実現した装置は存在していなかった。
【0010】
例えば、特許文献1には、未使用回路の電源を切断し、それを表示させるようにした提案がなされているが、消費電力を提示することまでは開示されていない。
【特許文献1】特開平5−233088号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
以上説明したように、それぞれ異なる機能を実現する複数の電子機器を搭載した電子装置において、各機器毎の動作電力供給の適切な制御と、それによる消費電力の提示を実現した機能の提供が強く要望されている。
【0012】
この発明は、以上の点に対処してなされたものであり、各機器毎に、一定時間使用されない場合に、自動的に電力の供給を遮断することができるように構成すると共に、使用中の機器の消費電力値を表示するようにして、無駄な電力の消費を抑制することを可能にした電子装置及びその消費電力制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この発明に係わる電子装置は、それぞれ異なる機能を実行する複数の機器を含む電子機器群と、前記電子機器群の複数の機器に動作電力を提供する電源供給手段と、表示手段と、メモリ手段と、このメモリ手段に予め記憶された、前記電源供給手段から前記電子機器群の前記複数の機器への動作電力の供給を制御する条件を示す情報と、前記各電子機器の消費電力を示す情報を読み出して、前記条件を示す情報に基づいて前記動作電力の供給を制御すると共に、前記動作電力が供給されている機器の消費電力を前記表示手段で表示させる制御手段と、を具備したことを特徴とする。
【0014】
またこの発明に係わる電子装置の消費電力制御方法は、それぞれ異なる機能を実行する複数の機器を含む電子機器群の各機器に対して、動作電力を供給する電子装置の動作電力制御方法であって、前記各電子機器毎に、前記動作電力の供給を制御する条件を示す情報と、消費電力情報をメモリ手段に予め記憶させるステップと、このメモリ手段に予め記憶された、前記電子機器群の前記複数の機器への動作電力の供給を制御する条件を示す情報と、前記各機器群の消費電力を示す情報を読み出して、前記条件に基づいて前記動作電力の供給を制御すると共に、前記動作電力が供給されている機器の消費電力を表示手段で表示させるステップと、を具備したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、ユーザが、各機器に毎に所定時間使用しない場合に、自動的に電力の供給を遮断するように設定することができるため、電力の無駄な消費を抑制することができるものである。
【0016】
また、使用中の機器の消費電力の合計が表示されるので、ユーザにとって使い勝手のよい電子装置を提供することができるものである。
【0017】
さらに、使っていない機器は電源が遮断されているため、他の機器へ妨害となる信号を放射することなく信号の品位を高く保つことが可能となるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、この発明に係わる電子装置の一実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、この発明に係わる電子装置100の概略構成を示す回路ブロック図である。図1の電子装置100は、複数の電子機器で構成される電子機器群101を備える。電子機器群101は、DVDドライブ102と、ハードディスクドライブ(HDD)103と、ビデオカセットレコーダ104と、アナログチューナ105と、デジタルチューナ106と、ゴースト除去回路107と、LAN(Local Area Network)アダプタ108と、EPG(Electronic Program Guide)回路109とで構成される。
【0019】
電子機器群101の各機器102〜109には、電源供給部110から、機器別電源供給手段111を介して、個々に電源が供給されるものであるが、その電源供給については、制御部112によって制御される。
【0020】
制御部112は、例えばMPU(Micro Processing Unit)で構成され、メモリ113が接続されている。メモリ113は、機器別電源供給手段を制御するためのプログラムが保存されているROM(Read Only Memory)領域と、作業エリアとしてのRAM(Random Access Memory)領域と、ユーザが設定したデータを保存する不揮発性メモリ領域を備える。
【0021】
さらに、制御部112には、機能操作設定表示部114が接続されている。この機能操作設定表示部114は、電子機器群101の各機器毎に、電源供給の設定をするためにユーザに提供されるGUI(Graphical User Interface)形式の画像を表示するように構成されるものであるが詳細については追って説明する。
【0022】
さらに、制御部112には、赤外線を受光する受光部115が接続され、リモートコントローラ116から送信される信号を受け、これを制御信号として制御部112に導出する。リモートコントローラ116は、機能操作設定表示部114に表示される制御項目に対して、ユーザが設定し登録するための機能を備えており、機能操作設定表示部114と対で用いられる。
【0023】
機能操作設定表示部114は、電子機器群101から出力される映像コンテンツを表示するために用いられる映像モニタとして構成することも可能であるが、単に制御項目の設定にのみ適用される小型の表示手段で構成することもできる。
【0024】
さらに、制御部112には、電子機器群101から、各機器102〜109の動作状態を示す信号が入力されている。
【0025】
本発明に係わる電子装置100を構成する各部の機能についてさらに説明する。制御部112は、メモリ113に蓄積された設定データに基づいて電子機器群101の各機器102〜109の電源のオンあるいは切断(オフ)を制御するもので、具体的には、その電子機器を使用する(電源をオンする)か、使用しない(電源をオフする)かの制御と、所定時間その機器を使用しない場合に、電源を自動的に切断する制御、及び電源を自動的に切断する場合に、ユーザに通知を行うか行わないかの制御を行い、さらに制御部112は、電源を遮断するまでの時間の制御を行う。
【0026】
さらに制御部112は、使用しないと設定された機器に対して何らかの操作が行われた場合に、電源を自動的にオンさせるかあるいは、電源をオフしたままとするかの制御を行う。
【0027】
それら制御の各項目の設定データは、機能操作設定表示部114に表示されるGUI形式の画面に基づいて、ユーザが設定し、メモリ113に登録される。この目的のため、ユーザは機能操作設定表示部114の画面を見ながらリモートコントローラ116を操作して、それら設定項目の設定を行う。さらにリモートコントローラ116によって、各機器102〜109の消費電力値を数値として入力することも可能である。
【0028】
さらに制御部112は機器別電源供給手段111を制御すると同時に機能操作設定表示部114に、各機器の消費電力値を図形、絵、記号、文字のうち少なくとも一つを用いて表示するように制御する。同様に制御部112は、ユーザが各機器102〜109毎の設定内容を変更するときや、現設定での消費電力の表示要求があった際に、その現設定での消費電力値を表示するように制御する。メモリ113はユーザが設定した項目データの他、各機器102〜109の消費電力値を格納する。
【0029】
また、制御部112は、電子機器群101の各機器102〜109の使用状況を監視しており、特定の機能が一定時間使用されない場合に該当機器への電源供給を遮断するよう機器別電源供給手段111を制御し、機能操作設定表示部114を通じて電源供給を遮断したことをユーザに通知することができる。
【0030】
電子機器群101の各機器102〜109は、それぞれ周知の機器であり、ここでは簡単にその機能を説明する。
【0031】
DVDドライブ102は、DVDを記録媒体として、映像及び音声データを所定のフォーマットで記録し、これを再生する機能を有する。
【0032】
また、ハードディスクドライブ103は、例えばデジタルチューナ106から得られるMPEG(Moving Picture Experts Group)2のTS(Transport Stream)をそのまま記録し、再生する機能を有する。
【0033】
ビデオカセットレコーダ104は、いわゆるVHS(Video Home System)(登録商標)方式のテープレコーダであり、例えばアナログチューナ105から出力されるアナログ映像信号及び音声信号を変調して記録し、再生する機能を有する。
【0034】
アナログチューナ105は、アナログ放送を受信してベースバンドのテレビジョン信号を出力する。
【0035】
デジタルチューナ106は、デジタル放送を受信して、例えばMPEG2フォーマットのTS信号を出力する他、データ放送のデータを分離抽出して出力したり、さらにはEPGデータを分離抽出する機能を備える。
【0036】
ゴースト除去回路107は、放送信号を受信するアンテナに、放送信号が時間的にずれた状態で到達するような受信環境にある場合、その時間的ずれを解消して画面表示の品位を高める機能を有する。通常は、時間のずれを修正するため遅延手段としてのメモリを含む。
【0037】
LANアダプタ108は、いわゆるインターネットに接続するためのアダプタであり、例えば電話回線を介して外部のサーバに接続されるものである。
【0038】
さらに、EPG回路は、デジタルチューナ106から抽出されたEPGデータを復号して、表示のための放送番組表を構築する機能を有する。
【0039】
さて、次に、機能操作設定表示部114を用いて、電子機器群101の各機器毎に、電源供給の制御の条件を設定する手順について説明する。図2は、能操作設定表示部114によって表示されるGUI形式の画面表示例を示すものであり、画面201の左上位置に、設定を行う機器名202が表示される。図2の例では、DVDドライブ102が選択されていることを示している。この選択は、例えば電子機器群101のリストを画面201に表示して、ユーザがリモートコントローラ116を操作することで選択することが可能である。
【0040】
さらに、画面201では、使用時の消費電力の表示202がなされ、DVDドライブ102の使用時の消費電力が5Wであることを示している。この消費電力表示202で表示される数値は、ユーザがリモートコントローラ116を操作して入力することができる。なお、この消費電力の表示は、値を正確に表示するものではなく、概略値で表示させるようにしてもよい。このため数字で示すことの他に、特定の記号、図形等で表示することも可能である。
【0041】
さらに、画面201では、使用状況203と、電源自動制御設定204と時間設定205が表形式で表示されている。
【0042】
使用状況203は、DVDドライブ102を使用するか使用しないかを設定する項目であり、図2の例では「使用する」に斜線で示すフォーカスが位置しており、DVDドライブ102が使用されるように設定されていることを示している。すなわち、DVDドライブ102は電源がオンとなっており、使用中である。
【0043】
さらに、電源自動制御設定204は、当該機器(この場合DVDドライブ102)を所定時間使わないでいた場合に、電源を自動的に遮断するか否か、及び電源を切断する前にユーザに通知するか否かを設定する項目である。また、時間設定205は、電源を切断するまでの時間を設定する項目である。
【0044】
電源自動制御設定204は、選択項目として3つの項目を有しており、
「自動切断し通知しない」は時間設定205で設定された時間、未使用の場合には、ユーザに通知することなく自動的に電源を切断することを意味している。また、「自動切断し通知する」は時間設定205で設定された時間、未使用の場合には、ユーザに通知してから電源を切断することを意味している。また、「自動切断しない」は、常に電源をオンさせるように設定することを意味している。
【0045】
図2の例では、「自動切断し通知しない」にフォーカスが位置しており、自動切断するが通知は行わないように設定されている状態を示している。
【0046】
さらに、時間設定205として「30分」にフォーカスが位置しているため、30分全く動作しなかった場合に、その機器(DVDドライブ102)の電源を切断するように設定されていることを示している。
【0047】
また、「使用しない」が選択された場合に、使用時に自動的に電源をオンさせることを許可するか、全く使用を禁止するかを設定できるように構成されており、図2の例では、使用時に自動的に電源をオンさせるように設定されていることを示している。
【0048】
したがって、図2の例では、DVDドライブ102が現在使用中であり、その消費電力はおよそ5Wで、30分間全く使用しなかった場合には、ユーザに通知することなく自動的に電源が遮断される。さらに、電源が遮断された後、再び何らかの操作を行った場合には自動的に電源がオンするように設定されていることを示している。
【0049】
さらに画面201には、電子機器群101の他の使用中の機器の消費電力を含めた全体の消費電力の表示206がなされており、この例の場合では、合計で30Wの電力が消費されていることを示している。
図2の画面201で設定された項目のデータは、メモリ113に記憶される。
【0050】
また、図2の画面201は、電子機器群101の機器の使用、不使用を選択切換えするために使用することも可能である。すなわち、使用していない機器の設定画面を表示させて、リモートコントローラ116を操作して「使用する」に切換えれば、その機器に電力が供給されることになり、逆に使用中の機器の設定画面を表示させて「使用しない」に切換えれば、電源の供給を停止させることが可能である。
【0051】
当然ながら、全体の消費電力表示206は、機器の「使用する」「使用しない」の切換えで、その値が変化するものである。例えば、DVDドライブ102を「使用しない」に切換えた場合、5W分が差し引かれて表示される。
【0052】
図3に、図2の消費電力表示206で表示される合計消費電力の計算フローチャートを示す。
電子機器群101の各機器102〜109の消費電力をそれぞれw1,w2,…wnとする(ステップS301)。この値は、図2の画面201で、消費電力値表示202としてユーザによって入力されメモリ113に蓄積されていたものである。
【0053】
次に、メモリ113に記憶された、各機器102〜109毎の使用状況の設定値を取り込む(ステップS302)。次に、各機器102〜109毎に、使用状況が「使用する」になっているか否かを判定(ステップS303)し、「使用する」機器をWn=|wn|とし、「使用しない」となっている機能に関してはWn=0とする(ステップS304,S305)。
【0054】
次に、合計消費電力W=W1+W2+…Wnを計算(ステップS306)し、Wを図2で示す消費電力値202として表示する(ステップS307)。さらに使用状況が変更されたか否かの判定を行って、変更された場合にはステップS302に戻る。
【0055】
制御部112は、機能操作設定表示部114を用いて、電子機器群101の各機器102〜109毎の使用状況の一覧表示をさせることができるものであり、図4にその表示例を示す。
【0056】
図4において、画面401左に、使用している機器のリスト402が表示され、画面右に使用していない機器のリスト403が表示され、画面401の中央上部に、使用している機器の消費電力の合計値404が表示されている。
【0057】
制御部112は、電子装置100の電源投入時や機能操作設定表示部114で設定を変更したときに、メモリ113に格納されている使用状況の情報を、図4に示す一覧画面401として一定時間表示させることができる。
【0058】
さらに、制御部112は、機器の使用状況を変更した場合、その変更情報を、図4に示す画面401に反映させて表示させる。例えば、DVDドライブ102の使用状況の設定を「使用する」から「使用しない」に変更した後で使用機器一覧画面401を呼び出すと、DVDドライブは使用している機器のリスト402ではなく、使用していない機器のリスト403に表示される。その場合、DVDドライブの消費電力を約5Wとすると、消費電力の合計値は約25Wと表示されることになる。
【0059】
図5に各機器102〜109の使用状況の一覧表示の他の例を示す。図5において、画面501には、図4と同様に、画面左に使用している機器のリスト502が表示され、画面右には使用していない機器のリスト503が表示されている。さらに、画面501上部には、「使用する」と設定されている機器の各消費電力の合計が、グラフ状にアナログ表示504されている。
【0060】
表示504は、0Wから最大消費電力値の目安である50Wが表示されており、斜線部分は「使用する」と設定されている機器の各消費電力の合計をその面積として示している。
【0061】
例えば、ユーザがDVDドライブ102の使用状況の設定を「使用する」から「使用しない」に変更した後で、図5に示す使用状況一覧画面501を呼び出すと、DVDドライブは、使用している機器のリスト502ではなく、使用していない機器のリスト503に表示される。
【0062】
DVDドライブの消費電力の分、合計消費電力が小さくなるので、表示504の斜線部の先端が0W側に近付くことになる。使用する機器を減らせば減らすほど、斜線部分の先端は0Wに近付くことになる。逆に、使用していないリスト503に表示されている機器の使用状況の設定を「使用しない」から「使用する」に変更すれば斜線部分の先端は50Wに近付いていく。
【0063】
全ての機器の使用状況を「使用する」にした場合、消費電力合計54が50Wになっているのであれば斜線部分の先端が50Wの位置で表示されるようになるが、消費電力合計が50Wより低い値(例えば45W)となっていれば、その分50Wよりも0Wに近い位置に斜線部分の先端が表示されることになる。
【0064】
図6は、制御部112によって、各機器毎に設定された使用しない時間によってその電源を自動的に遮断する処理をフローチャートで示すものである。処理としてはまず、制御部112は、メモリ113に蓄積されている各機器の電源自動制御設定情報を読み込み(ステップS601)、設定が自動切断するになっているか否かの判定がなされ(ステップS602)、自動切断しないと設定されていた場合には処理を終了する。
【0065】
自動切断すると設定されていた場合には、時間計測手段を初期化して時間の計測を開始する(ステップS603)。
【0066】
次に、機器が操作されたか否かの判定を行い(ステップS604)、機器が操作された場合には、ステップS603に戻る。機器の操作がない場合、電源切断を通知する設定になっているか否かの判定が行われ(ステップS605)、通知しないと設定されている場合には、計測時間が設定値になったか否かの判定がなされ(ステップS606)、設定値に到達していない場合には、ステップS604に戻り、設定値に到達したら機器の電源を遮断する(ステップS607)。
【0067】
また、電源切断を通知する設定になっていた場合には、設定時間の所定時間前になったか否かの判定がなされ(ステップS608)、未だ所定時間前にならない場合には、ステップS604に戻る。設定時間の所定時間前になったことが判定されたら、所定時間後に機器の電源を遮断することを、機能操作設定部114で表示させる(ステップS609)。
【0068】
このとき、ユーザが設定を変更したか否かの判定がなされ(ステップS610)、変更した場合にはステップS601に戻り、設定を変更しない場合には、計測時間が設定時間になった際に機器の電源を遮断する(ステップS606,607)。
【0069】
以上説明した各処理を、各電子機器それぞれについて実行することで、設定した時間に基づいて、機器の電源を自動的に遮断することが可能となるものである。
【0070】
図7は、機能操作設定部114で表示される、電源が遮断されることをユーザに通知するためのメッセージの例を示す。すなわち、図7に示すように、画面701には、機器電源切断警告の表示の下、アナログチューナの電源がおよそ1分後に切断されることを示すメッセージ702が表示されている。ユーザはこの表示を確認して、アナログチューナの電源をオンのままにしておきたい場合には、例えば、設定を変更することで対応可能である。あるいは、アナログチューナに対して何らかの操作を行うことで、電源をオンに保持することも可能である。
【0071】
図8は、この発明に係わる電子装置の他の実施の形態を示す回路ブロック図であり、図1に示す回路ブロックと同一構成部分に同一符号を付す。図8の回路ブロックにおいては、電子装置800は、電子機器群101の内に、外部入力選択回路801が追加されていることを特徴としている。この外部入力選択回路801は、外部の例えば衛星放送受信用のチューナから供給されるコンテンツを選択して、各記録媒体に記録すべく導出することが可能であり、他の機器と同様に、使用状況、電源自動制御設定、時間設定及び使用時に自動的に電源をオンさせるかあるいは使用禁止にするかの設定ができるものである。
【0072】
図9は、図8に示す実施の形態も含めて、電子機器群101の各機器毎の設定の内容と消費電力をリストにして表示したものである。図9に示すように、画面901の最も左の列902には、機器名が表示され、次の列903には、使用状況が表示されている。すなわち使用中か、不使用かを表示している。
【0073】
次の3列904,905,906は、電源自動切断に関する情報が表示されている。すなわち、列904は、電源自動切断を実施するか否かを示すデータが表示され、次の列905は、機器が使用されなかった場合の電源遮断までの時間データを示し、次の列906は、電源遮断時にユーザに通知するか否かのデータが表示されている。
【0074】
さらに、次の列907は、使用していない状態で、機器に何らかの操作を加えた場合に、自動的に電源をオンさせる否かのデータが表示され、最後の列708は、各機器の消費電力が表示されている。
【0075】
以上説明したように、本発明の電子機器によれば、電源自動切断に関する設定情報に基づいて、設定した時間経過しても使用実績がない機器においては、設定情報に基づいてユーザに通知するかあるいは通知しないで当該機器の電源を遮断するように構成し、さらに使用中の機器の総合消費電力を表示するようにしたので、使い勝手が向上するものである。
【0076】
さらに、動作を必要としない機器については、その動作電力の供給を遮断するようにしたので、必要な信号がノイズによる悪影響を受けるのを抑制することができるものである。
【0077】
なお、本発明は以上説明した実施の形態に限定されるものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で種々変形可能である。例えば、機器を所定時間使わなかった場合に動作電力を遮断する場合、前もってユーザに通知するものとして説明したが、遮断した後で通知するように構成することもできるものである。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】この発明に係わる電子装置の一実施の形態を概略的に示す回路ブロック図。
【図2】この発明に係わる電子装置の動作を説明するために示す図。
【図3】この発明に係わる電子装置の動作を説明するために示すフローチャート。
【図4】この発明に係わる電子装置の動作を説明するために示す図。
【図5】この発明に係わる電子装置の他の実施の形態の動作を説明するために示す図。
【図6】この発明に係わる電子装置の動作を説明するために示すフローチャート。
【図7】この発明に係わる電子装置の動作を説明するために示す図。
【図8】この発明に係わる電子装置の他の実施の形態を概略的に示す回路ブロック図。
【図9】図8に示す電子装置の動作を説明するために示す図。
【符号の説明】
【0079】
100,800…電子装置
101…電子機器群
102…DVDドライブ
103…ハードディスクドライブ
104…ビデオカセットレコーダ
105…アナログチューナ
106…デジタルチューナ
107…ゴースト除去回路
108…LANアダプタ
109…EPG回路
110…電源供給部
111…機器別電源供給手段
112…制御部
113…メモリ
114…機能操作設定表示部
115…受光部
116…リモートコントローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ異なる機能を実行する複数の機器を含む電子機器群と、
前記電子機器群の複数の機器に動作電力を提供する電源供給手段と、
表示手段と、
メモリ手段と、
このメモリ手段に予め記憶された、前記電源供給手段から前記電子機器群の前記複数の機器への動作電力の供給を制御する条件を示す情報と、前記各電子機器の消費電力を示す情報を読み出して、前記条件を示す情報に基づいて前記動作電力の供給を制御すると共に、前記動作電力が供給されている機器の消費電力を前記表示手段で表示させる制御手段と、
を具備したことを特徴とする電子装置。
【請求項2】
前記動作電力の供給を制御する条件は、所定時間当該機器を使用しなかった場合にその動作電源の供給を自動的に遮断することを含むものであることを特徴とする請求項1に記載の電子装置。
【請求項3】
前記動作電力の供給を制御する条件は、前記動作電源の供給を自動的に遮断した場合に、遮断したことを通知することを含むものであることを特徴とする請求項2に記載の電子装置。
【請求項4】
前記動作電力の供給を制御する条件は、各機器毎に当該機器を使用するか否かの条件を含み、前記制御手段は、使用すると条件が付された機器に動作電力を供給すると共に、その消費電力の合計を前記表示手段で表示するものであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の電子装置。
【請求項5】
前記動作電力の供給を制御する条件を示す情報は、所定時間当該機器を使用しなかった場合に前記動作電力の供給を自動的に遮断するか否かを示す情報と、自動的に遮断する場合に、遮断することを通知するか否かを示す情報を含むものであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の電子装置。
【請求項6】
それぞれ異なる機能を実行する複数の機器を含む電子機器群の各機器に対して、動作電力を供給する電子装置の動作電力制御方法であって、
前記各電子機器毎に、前記動作電力の供給を制御する条件を示す情報と、消費電力情報をメモリ手段に予め記憶させるステップと、
このメモリ手段に予め記憶された、前記電子機器群の前記複数の機器への動作電力の供給を制御する条件を示す情報と、前記各機器群の消費電力を示す情報を読み出して、前記条件に基づいて前記動作電力の供給を制御すると共に、前記動作電力が供給されている機器の消費電力を表示手段で表示させるステップと、
を具備したことを特徴とする電子装置の消費電力制御方法。
【請求項7】
前記動作電力の供給を制御する条件を示す情報は、所定時間当該機器を使用しなかった場合に前記動作電力の供給を自動的に遮断するか否かを示す情報と、自動的に遮断する場合に、遮断することを通知するか否かを示す情報を含むものであることを特徴とする請求項6に記載の電子装置の消費電力制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−236532(P2006−236532A)
【公開日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−53707(P2005−53707)
【出願日】平成17年2月28日(2005.2.28)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】