説明

電子部品の実装装置及び実装方法

【課題】この発明は液晶セルにTCPを本圧着する前に、異方性導電部材が溶融硬化することがないようにした実装装置を提供することにある。
【解決手段】液晶セル4の側辺部に熱硬化性樹脂の異方性導電部材によって仮圧着されたTCP6を本圧着するTCPの実装装置であって、
上面に液晶セルをTCPが仮圧着された側辺部を外方へ突出させて保持して搬送する搬送テーブル47と、上下方向に駆動可能に設けられ搬送テーブルによって搬送位置決めされた液晶セルのTCPが仮圧着された側辺部の下面を支持するバックアップツール19と、バックアップツールの上昇方向の駆動と同期して下降方向に駆動され液晶セルのTCPが仮圧着された部分の下面をバックアップツールが支持すると同時にTCPを加圧して本圧着する加圧ツール16を具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は基板の側辺部に仮圧着された電子部品を本圧着する電子部品の実装装置及び実装方法に関する。
【背景技術】
【0002】
たとえば、基板としての液晶セルには接着材料としての熱硬化性樹脂に金属粒子を混入してなる異方性導電部材を介して電子部品であるTCP(Tape Carrier Package)が圧着される。上記液晶セルは、2枚のガラス板をシール剤によって所定の間隔で接着し、これらガラス板間に液晶を封入するとともに、各ガラス板の外面にそれぞれ偏光板を貼着して構成される。そして、上記構成の液晶セルには、側辺部の上面に上記異方性導電部材を貼着し、この異方性導電部材上に上記TCPを仮圧着した後、本圧着するようにしている。
【0003】
上記液晶セルの側辺部の上面にTCPを本圧着する場合、まず、一側部にTCPが仮圧着された液晶セルを搬送テーブルに供給載置する。ついで、上記液晶セルを搬送テーブルによって搬送し、TCPが仮圧着された一側部をバックアップツール上に位置決め載置したならば、バックアップツールの上方に配置された加圧ツールを下降させ、上記TCPを加圧するようにしている。
【0004】
上記バックアップツールと加圧ツールにはヒータが設けられている。それによって、液晶セルの一側部をバックアップツール上に位置決めして加圧ツールによって加圧すれば、液晶セルの一側部に貼着された異方性導電部材が加圧されながら加熱されるから、この異方性導電部材が溶融してから硬化する。
【0005】
それによって、上記TCPが上記液晶セルの一側部に接続固定される。つまり、上記TCPが上記液晶セルに本圧着されることになる。このような先行技術は特許文献1に示されている。
【特許文献1】特開2005−116883号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、このようにしてTCPを液晶セルに本圧着する場合、まず、TCPが異方性導電部材によって仮圧着された液晶セルの一側部がバックアップツール上に載置される。ついで、仮圧着されたTCPが加圧ツールによって加圧されることになる。
【0007】
そのため、バックアップツールがヒータによって高温度に加熱されていると、TCPが加圧ツールによって加圧される前に、上記異方性導電部材が上記バックアップツールからの熱影響を受けて部分的に硬化してしまうということになる。
【0008】
異方性導電部材が加圧ツールによって加圧される前に硬化すると、TCPを加圧ツールによって加圧したときに、異方性導電部材の溶融変形が制限されるから、異方性導電部材に混入された金属粒子によるTCPのリードと液晶セルのリードとの電気接続が確実に行われなくなるということがある。
【0009】
そこで、従来はバックアップツールの加熱温度を加圧ツールの加熱温度よりも十分に低くし、バックアップツール上に載置された液晶セルの一側部に設けられた異方性導電部材が加圧ツールによって本圧着される前に硬化することがないようにしている。たとえば、加圧ツールの加熱温度を500℃程度に設定し、バックアップツールの加熱温度を100℃程度に設定するということが行われている。
【0010】
しかしながら、最近では生産性の向上を図るために本圧着時における異方性導電部材の溶融硬化を短時間で行うようにするため、比較的低い加熱温度で溶融硬化する異方性導電部材が用いられるようになってきている。
【0011】
そのため、バックアップツールの加熱温度を加圧ツールに比べて十分に低い温度に設定しても、本圧着が開始される前に異方性導電部材が溶融硬化してしまうため、TCPと液晶セルとのリードの接続不良を招くということがある。
【0012】
バックアップツールの加熱温度を、異方性導電部材が溶融硬化しない温度まで十分に低下させ、本圧着が開始される前に異方性導電部材は溶融硬化するのを防止するということも考えられる。しかしながら、バックアップツールの加熱温度を低くし過ぎると、本圧着時に異方性導電部材が溶融硬化するまでに時間が掛かり過ぎることになるから、生産性が低下するということになる。
【0013】
この発明は、本圧着前にバックアップツールの熱で異方性導電部材を溶融硬化させずに、生産性の向上を図ることができるようにした電子部品の実装装置及び実装方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
この発明は、基板の側辺部に熱硬化性樹脂の異方性導電部材によって仮圧着された電子部品を本圧着する電子部品の実装装置であって、
上面に上記基板を上記電子部品が仮圧着された側辺部を外方へ突出させて保持して搬送する搬送テーブルと、
上下方向に駆動可能に設けられ上記搬送テーブルによって搬送位置決めされた上記基板の上記電子部品が仮圧着された側辺部の下面を支持するバックアップツールと、
上記バックアップツールの上昇方向の駆動と同期して下降方向に駆動され上記基板の上記電子部品が仮圧着された部分の下面を上記バックアップツールが支持すると同時に上記電子部品を加圧して本圧着する加圧ツールと
を具備したことを特徴とする電子部品の実装装置にある。
【0015】
上記搬送テーブルによって上記基板が位置決めされたときに、この基板の上記電子部品が仮圧着された側辺部が水平になるよう、その側辺部の下面の上記バックアップツールによって支持される部分よりも内方の部分の下面を支持する支持部材が設けられていることが好ましい。
【0016】
上記搬送テーブルは上下方向に駆動可能となっていて、上記基板を上昇位置から下降方向に駆動して上記基板の上記電子部品が仮圧着された側辺部の内方の部分を上記支持部材の上端面によって支持させることが好ましい。
【0017】
この発明は、基板の側辺部に熱硬化性の異方性導電部材によって仮圧着された電子部品をバックアップツールと加圧ツールとで本圧着する電子部品の実装方法であって、
上記基板を搬送して上記電子部品が仮圧着された側辺部を上記バックアップツールと加圧ツールとの間に位置決めする工程と、
バックアップツールの上昇と加圧ツールの下降を同期させて行い、上記基板の上記電子部品が仮圧着された側辺部の下面を上記バックアップツールによって支持すると同時に上記側辺部の上記電子部品が仮圧着された部分の上面を上記加圧ツールで加圧する工程と
を具備したことを特徴とする電子部品の実装方法にある。
【0018】
上記基板の側辺部を上記バックアップツールと加圧ツールとの間に位置決めするときに、上記基板の側辺部を水平に支持する工程を有することが好ましい。
【発明の効果】
【0019】
この発明によれば、バックアップツールの上昇と加圧ツールの下降を同期させ、バックアップツールによる基板の側辺部の下面の支持と、加圧ツールによる電子部品の加圧を同時に行わせるようにした。
【0020】
そのため、本圧着が開始される前に、異方性導電部材がバックアップツールによって加熱されることがないから、電子部品の接続を確実に、しかも溶融硬化温度の低い異方性導電部材を用いて生産性を向上させることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、この発明の一実施の形態を図面を参照しながら説明する。
【0022】
図1は実装装置の概略的構成を示す。この実装装置では、図4に示す基板としてのガラス製の液晶セル4の周縁部に、接着材料としてのテープ状の異方性導電部材5によって仮圧着された電子部品としての複数のTCP6が本圧着されるようになっている。
【0023】
図1に示すように、上記実装装置は加圧手段としての圧着ユニット11及び液晶セル4を水平方向(X、Y方向)、回転方向(θ方向)及び上下方向(Z方向)に駆動する位置決めユニット12を備えている。上記圧着ユニット11は架台13を有し、この架台13の上端に設けられた支持部14には上部シリンダ15が軸縁を垂直にして設けられている。この上部シリンダ15のロッド15aには加圧ツール16が設けられている。それによって、加圧ツール16は上下方向に駆動可能となっている。
【0024】
上記加圧ツール16には第1のヒータ16aが設けられている。この第1のヒータ16aは上記加圧ツール16を、たとえば500℃に加熱するようになっている。
上記加圧ツール16の下方にはベース部材17が設けられている。このベース部材17の上端面には下部シリンダ18が軸線を垂直にして設けられている。この下部シリンダ18のロッド18aにはバックアップツール19が設けられている。それによって、バックアップツール19は上下方向に駆動可能となっている。
【0025】
上記バックアップツール19には第2のヒータ19aが設けられている。この第2のヒータ19aはバックアップツール19を、たとえば100℃に加熱するようになっている。
【0026】
上記ベース部材17には上記バックアップツール19よりも上記位置決めユニット12側に支持部材20が立設されている。この支持部材20の高さは上端面が下降位置にある上記バックアップツール19の上端面よりも高い位置になるよう設定されている。
【0027】
そして、後述するように本圧着時に上記支持部材20の上端面によって上記液晶セル4のTCP6が仮圧着された側辺部の下面を支持すると、上昇限にある加圧ツール16の下端面から液晶セル4の上面までの距離と、下降限にある上記バックアップツール19の上端面から上記液晶セル4の下面までの距離が同じになるようになっている。
【0028】
上記上部シリンダ15と下部シリンダ18は、図2に示すようにそれぞれ第1の制御弁21と、第2の制御弁22を介して圧縮空気が供給される。上記制御弁21,22は制御装置23によって開閉が制御されるようになっている。それによって、各シリンダ15,18のロッド18a,15aが進退駆動されるようになっている。
【0029】
この実施の形態では、上記第1の制御弁21と第2の制御弁22は上記制御装置23によって同期して駆動が制御される。それによって、加圧ツール16の下降とバックアップツール19の上昇が同時に行われるようになっている。
【0030】
なお、上記加圧ツール16とバックアップツール19は、上記液晶セル4の側辺部に異方性導電部材5によって仮圧着された複数のTCP6を同時に本圧着することができる長さ寸法に設定され、上記支持部材20も液晶セル4の側辺部の全長を支持することができる長さに設定されている。
【0031】
上記位置決めユニット12は上記圧着ユニット11の側方に配置されている。この位置決めユニット12はXテーブル28を有し、このXテーブル28にはX駆動源29によってX方向に駆動されるX可動体30が設けられている。なお、上記圧着ユニット11と平行な方向をX方向とする。
【0032】
上記X可動体30の上面にはYテーブル31が一体的に設けられている。このYテーブル31の上面にはY可動体32が設けられている。このY可動体32は上記Yテーブル31の一端に設けられたY駆動源33によって矢印で示すY方向に沿って駆動されるようになっている。
【0033】
上記Y可動体32には側面形状がクランク状の支持体35が立設されている。この支持体35の上端に設けられた支持部36と上記Y可動体32との間にはねじ軸37とガイド軸38とが軸線を垂直にして設けられている。ねじ軸37は回転可能に設けられ、ガイド軸38は固定的に設けられている。
【0034】
上記ねじ軸37にはZ可動体39が螺合され、このZ可動体39には上記ガイド軸38がスライド可能に挿通されている。したがって、ねじ軸37を回転させれば、上記Z可動体39は回転することなく、上記ガイド軸38に沿って上下動するようになっている。
【0035】
上記ねじ軸37の上端部は上記支持部36の上面から突出し、その突出端には従動歯車40が嵌着されている。この従動歯車40には駆動歯車41が噛合している。この駆動歯車41は上記支持体35に設けられたZ駆動源42の駆動軸42aに嵌着されている。したがって、Z駆動源42が作動してその駆動軸42aが回転すれば、噛合した一対の歯車40、41を介してねじ軸37が回転されるから、上記Z可動体39が矢印で示すZ方向に駆動されることになる。
【0036】
上記Z可動体39にはL字状の取付け部材44の一辺が固着されている。この取付け部材44の水平となった他辺の上面にはθ駆動源45によって垂直軸線を中心にして回転駆動されるθ可動体46が設けられている。
【0037】
上記θ可動体46の上面には平面形状が矩形状の搬送テーブル47が設けられている。この搬送テーブル47は上記液晶セル4をたとえば真空吸着などによって保持できるようになっている。
【0038】
なお、搬送テーブル47に吸着保持された液晶セル4は、TCP6が仮圧着された側辺部を、搬送テーブル47のY方向に沿う側縁から外方へ突出させている。
【0039】
図1に示すように、Yテーブル31の上面にはレーザセンサなどからなる高さセンサ48が設けられている。この高さセンサ48は上記搬送テーブル47に吸着支持された液晶セル4の下面の高さ、つまりTCP6が仮圧着された側辺部の下面の高さを検出するようになっている。
【0040】
上記搬送テーブル47の上方には、搬送テーブル47に吸着保持された液晶セル4を撮像する撮像カメラ49が配設されている。図2に示すように、上記高さセンサ48の検出信号と、上記撮像カメラ49の撮像信号は上記制御装置23に入力される。
【0041】
上記制御装置23は、図2に示すように上記撮像カメラ49からの撮像信号を画像処理して搬送テーブル47に吸着保持された液晶セル4のX、Y、θ方向の位置を算出し、その算出に基づいてX駆動源29、Y駆動源33及びθ駆動源45を駆動して、上記液晶セル4のTCP6が仮圧着された側辺部を上記加圧ツール16と上記バックアップツール19とに平行になるよう位置決めするようになっている。
【0042】
さらに、上記制御装置23は、上記高さセンサ48からの検出信号によって液晶セル4の一側部の下面が図1に鎖線で示すように上記支持部材20の上端面に支持される高さになるようZ駆動源42を駆動して上記搬送テーブル47を下降方向に位置決めするようになっている。
【0043】
つぎに、上記構成の実装装置によって液晶セル4の一辺部上面にTCP6を本圧着する手順を図3(a),(b)を参照しながら説明する。
まず、側辺部の上面に複数のTCP6が異方性導電部材5によって仮圧着された液晶セル4が図示しない受け渡し機構によって搬送テーブル47に供給される。搬送テーブル47に供給されて吸着保持された液晶セル4は、高さセンサ48の検出信号及び撮像カメラ49の撮像信号に基づいてX、Y、Z及びθ方向に位置決めされる。
【0044】
つまり、液晶セル4は、図3(a)に示すように、TCP6が仮圧着された側辺部がバックアップツール19の上方に対向するようX、Y及びθ方向に位置決めされ、ついで、下降方向に駆動されてその側辺部の下面のTCP6が仮圧着された部分よりも内方の部分が支持部材20の上端面に支持される高さになるようZ方向下方に駆動される。それによって、液晶セル4の側辺部は下方へ撓むことなく、水平に支持されることになる。
【0045】
液晶セル4の側辺部が支持部材20によって支持されたとき、上昇限にある加圧ツール16の下面から液晶セル4の上面までの距離L1と、下降限にあるバックアップツール19の上面から液晶セル4の下面までの距離L2が同じになるよう、上記支持部材20の上端面の高さに対し、上記加圧ツール16の上昇限と上記バックアップツール19の下降限の高さが設定されている。
【0046】
液晶セル4が支持部材20に対して位置決めされると、制御装置23によって上部シリンダ15と下部シリンダ18が同期して駆動される。それによって、図3(b)に示すように、加圧ツール16が下降し、バックアップツール19が上昇し、液晶セル4のTCP6が仮圧着された側辺部の下面がバックアップツール19によって支持されると同時に、上面が加圧ツール16によって加圧される。
【0047】
加圧ツール16とバックアップツール19が駆動されると、液晶セル4にTCP6を仮圧着した異方性導電部材5は、加圧ツール16に設けられた第1のヒータ16aと、バックアップツール19に設けられた第2のヒータ19aとによって加熱されながら加圧される。それによって、上記異方性導電部材5が溶融硬化してTCP6が本圧着されることになる。
【0048】
このように、TCP6を本圧着するに際し、液晶セル4のTCP6が仮圧着された側辺部の上面と下面を、加圧ツーツ16とバックアップツール19によって同時に加圧加熱するようにしたから、TCP6を液晶セル4に仮圧着した異方性導電部材5が加圧ツール19によって加圧加熱される前に、バックアップツール19に設けられた第2のヒータ19aによって加熱されて部分的に溶融硬化するのを防止できる。
【0049】
そのため、本圧着時には異方性導電部材5が加圧ツーツ16とバックアップツール19との両者によって同時に溶融されて硬化することになるから、液晶セル4とTCP6のリードの電気的接続を確実に行うことができる。
【0050】
しかも、異方性導電部材5がバックアップツール19によって先に加熱されることがないから、低温度で溶融硬化する異方性導電部材5を用いることができる。それによって、本圧着時における異方性導電部材5の溶融硬化を短時間で行うことが可能となるから、本圧着に要するタクトタイムを短縮し、生産性を向上させることができる。
【0051】
液晶セル4の側辺部を加圧ツール16とバックアップツール19で本圧着する前に、液晶セル4の側辺部のTCP6が仮圧着された部分よりも内方の部分の下面を支持部材20によって支持するようにした。
【0052】
それによって、液晶セル4の側辺部は上記支持部材20によって下方へ撓むことなく水平に支持されるから、液晶セル4の側辺部に仮圧着されたTCP6を位置ずれが生じることなく精密に本圧着することができる。
【0053】
液晶セル4の側辺部の下面を支持部材20の上面に支持するとき、搬送テーブル47をZ方向上方から下降させるようにした。そのため、支持部材20に支持される前に液晶セル4の側辺部が下方に撓んでいても、その側辺部を上記支持部材20の上面に確実に支持することができる。
【0054】
また、加圧ツール16とバックアップツール19との質量を同じにすれば、液晶セル4の本圧着を上記加圧ツール16とバックアップツール19とで同時に行うとき、液晶セル4とTCP6に上下方向から加わる荷重をほぼ同じにすることができる。それによって、本圧着時に液晶セル4が反るのが防止されるから、本圧着の精度を向上させることができる。
【0055】
上記一実施の形態では高さセンサによって搬送テーブルに支持された液晶セルの一側部の下面の高さを検出し、その検出に基づいて液晶セルの一側部の下面が支持部材の上面に支持されるようZ方向下方に駆動するようにしたが、支持部材の上面の高さは既知であるから、搬送テーブルが液晶セルを受け取るときの高さが予め分かっていれば、高さセンサがなくても、液晶セルの側辺部が支持部材の上面に支持されるよう、搬送テーブルをZ方向下方に駆動することができる。
【0056】
液晶セルが大型化し、加圧ツールとバックアップツールが長尺となる場合、加圧ツールとバックアップツールをそれぞれ複数のシリンダによって上下駆動する構成としてもよい。
【0057】
また、加圧ツールとバックアップツールを上下駆動する手段はシリンダに限られず、サーボモータによってねじ軸を回転駆動し、このねじ軸の回転によって上下動させるようにしてもよく、その手段は限定されるものでない。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】この発明の一実施の形態を示す実装装置の全体構造の概略図。
【図2】制御系統のブロック図。
【図3】(a)は液晶セルの一側部を支持部材によって支持したときの図、(b)は液晶セルを支持部材によって支持した後、液晶セルに仮圧着されたTCPを本圧着するときの図。
【図4】液晶セルの平面図。
【符号の説明】
【0059】
4…液晶セル(基板)、5…異方性導電部材、6…TCP(部品)、11…圧着ユニット、12…位置決めユニット、15…上部シリンダ、16…加圧ツール、18…下部シリンダ、19…バックアップツール、23…制御装置、47…搬送テーブル。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の側辺部に熱硬化性樹脂の異方性導電部材によって仮圧着された電子部品を本圧着する電子部品の実装装置であって、
上面に上記基板を上記電子部品が仮圧着された側辺部を外方へ突出させて保持して搬送する搬送テーブルと、
上下方向に駆動可能に設けられ上記搬送テーブルによって搬送位置決めされた上記基板の上記電子部品が仮圧着された側辺部の下面を支持するバックアップツールと、
上記バックアップツールの上昇方向の駆動と同期して下降方向に駆動され上記基板の上記電子部品が仮圧着された部分の下面を上記バックアップツールが支持すると同時に上記電子部品を加圧して本圧着する加圧ツールと
を具備したことを特徴とする電子部品の実装装置。
【請求項2】
上記搬送テーブルによって上記基板が位置決めされたときに、この基板の上記電子部品が仮圧着された側辺部が水平になるよう、その側辺部の下面の上記バックアップツールによって支持される部分よりも内方の部分の下面を支持する支持部材が設けられていることを特徴とする請求項1記載の電子部品の実装装置。
【請求項3】
上記搬送テーブルは上下方向に駆動可能となっていて、上記基板を上昇位置から下降方向に駆動して上記基板の上記電子部品が仮圧着された側辺部の内方の部分を上記支持部材の上端面によって支持させることを特徴とする請求項2記載の電子部品の実装装置
【請求項4】
基板の側辺部に熱硬化性の異方性導電部材によって仮圧着された電子部品をバックアップツールと加圧ツールとで本圧着する電子部品の実装方法であって、
上記基板を搬送して上記電子部品が仮圧着された側辺部を上記バックアップツールと加圧ツールとの間に位置決めする工程と、
バックアップツールの上昇と加圧ツールの下降を同期させて行い、上記基板の上記電子部品が仮圧着された側辺部の下面を上記バックアップツールによって支持すると同時に上記側辺部の上記電子部品が仮圧着された部分の上面を上記加圧ツールで加圧する工程と
を具備したことを特徴とする電子部品の実装方法。
【請求項5】
上記基板の側辺部を上記バックアップツールと加圧ツールとの間に位置決めするときに、上記基板の側辺部を水平に支持する工程を有することを特徴とする請求項5記載の電子部品の実装方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−81311(P2009−81311A)
【公開日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−250246(P2007−250246)
【出願日】平成19年9月26日(2007.9.26)
【出願人】(000002428)芝浦メカトロニクス株式会社 (907)
【Fターム(参考)】