説明

電子部品の検査装置、測定装置、包装装置およびシステム

【課題】工程の形態に合わせて柔軟に構成の変更が容易な電子部品の検査装置、測定装置、包装装置およびシステムを提供すること。
【解決手段】電子部品を検査する検査部4aと、検査部4aに供給する複数の電子部品を貯留する供給貯留部12と、検査部4aにて検査された後の複数の電子部品を貯留する排出貯留部22と、排出貯留部22に貯留された複数の電子部品を、次工程の別の下流側装置からの信号を受けて当該下流側装置に送り出すエジェクタ装置30と、前工程の別の上流側装置に対して電子部品を送り出すように信号を送る制御装置60と、を有する検査装置である。供給貯留部12は、上流側装置から送り出される電子部品を受け取るための受取接続部44を有し、排出貯留部22は、下流側装置へ電子部品を送り出すための送出接続部34を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工程の形態に合わせて柔軟に構成の変更が容易な電子部品の検査装置、測定装置、包装装置およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
電子部品を製造して出荷する過程においては、電子部品の外観検査工程および/または測定工程および包装工程が必要とされる。これらの工程を単一の装置で行うシングル搬送連結装置は、従来から知られている。
【0003】
しかしながら、このような従来の装置では、電子部品の外観検査工程、測定工程および包装工程を単一の装置で行うために、その工程の順序が固定されている。そのために、測定工程の後に外観検査を行いたい要請がある電子部品に対しては、装置を改造する必要があり、その改造作業が煩雑である。あるいは、新たに装置を作り直す必要が生じる。
【0004】
また、電子部品の種類によっては、電子部品の測定および外観検査を行った後に、熱処理してから包装すべき要請があり、そのような要請に対応するためには、やはり、装置を改造する必要があり、その改造作業が煩雑である。あるいは、新たに装置を作り直す必要が生じる。
【0005】
なお、下記の特許文献1では、複数種類のハンドリングモジュールと複数種類のテストモジュールとの組合せを自由に選択できるように、これらのモジュールを交換自在に構成した電子部品試験装置が提案されている。
【0006】
しかしながら、この装置では、モジュールを独立な試験装置として用いる発想がない。そのため、たとえば各モジュールが実現している各工程の間に、全く新たな工程(たとえば表面処理工程や熱処理工程)を入れたい場合などには対応することができず、装置構成を作り直す必要があるという課題を有している。
【0007】
また、下記の特許文献2では、複数種類の部品供給装置を、単一の選別装置に対して交換自在としたシステムが提案されている。しかしながら、このシステムでは、各工程を実現するための装置の順序を入れ替えることはできない。そのため、外観検査工程の後に測定工程を行いたい場合や、その逆の順序としたい場合には、やはり装置構成を作り直す必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】WO2006/009253号公報
【特許文献2】特開2002−357633号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、このような実状に鑑みてなされ、その目的は、工程の形態に合わせて柔軟に構成の変更が容易な電子部品の検査装置、測定装置、包装装置およびシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明に係る電子部品の検査装置は、
電子部品を検査する検査部と、
前記検査部に供給する複数の電子部品を貯留する供給貯留部と、
前記検査部にて検査された後の複数の電子部品を貯留する排出貯留部と、
前記排出貯留部に貯留された複数の電子部品を、次工程の別の下流側装置からの信号を受けて当該下流側装置に送り出す送出手段と、
前工程の別の上流側装置に対して電子部品を送り出すように信号を送る制御手段と、を有し、
前記供給貯留部は、前記上流側装置から送り出される電子部品を受け取るための受取接続部を有し、
前記排出貯留部は、前記下流側装置へ電子部品を送り出すための送出接続部を有することを特徴とする。
【0011】
本発明に係る電子部品の測定装置は、
電子部品を測定する測定部と、
前記測定部に供給する複数の電子部品を貯留する供給貯留部と、
前記測定部にて測定された後の複数の電子部品を貯留する排出貯留部と、
前記排出貯留部に貯留された複数の電子部品を、次工程の別の下流側装置からの信号を受けて当該下流側装置に送り出す送出手段と、
前工程の別の上流側装置に対して電子部品を送り出すように信号を送る制御手段と、を有し、
前記供給貯留部は、前記上流側装置から送り出される電子部品を受け取るための受取接続部を有し、
前記排出貯留部は、前記下流側装置へ電子部品を送り出すための送出接続部を有することを特徴とする。
【0012】
本発明に係る包装装置は、
電子部品を包装するする包装部と、
前記包装部に供給する複数の電子部品を貯留する供給貯留部と、
前記包装部にて包装された後の電子部品の包装物を貯留する排出貯留部と、
前工程の別の上流側装置に対して電子部品を送り出すように信号を送る制御手段と、を有し、
前記供給貯留部は、前記上流側装置から送り出される電子部品を受け取るための受取接続部を有することを特徴とする。
【0013】
本発明に係る検査・測定・包装システムは、上記検査装置と、上記測定装置と、上記包装装置とを有する。
【0014】
本発明に係る検査装置、測定装置、包装装置およびこれらのシステムでは、たとえば検査装置、測定装置および包装装置の順序で、これらの装置を容易に連結して単一の装置として機能させることができる。あるいは、測定装置、検査装置および包装装置の順序で、これらの装置を容易に連結して単一の装置として機能させることができる。
【0015】
あるいは、測定装置と検査装置のみを連結して、包装装置は単独で機能させても良い。その場合には、たとえば検査装置の検査工程と包装装置の包装工程との間に、電子部品の熱処理工程を行うことも容易である。あるいは、電子部品の種類によっては、たとえば測定装置と包装装置のみを連結して、検査装置は用いないようにすることもできる。あるいは、検査装置による検査工程と、測定装置による測定工程との間に、他の工程を入れることも容易である。
【0016】
本発明の装置およびシステムによれば、電子部品の種類や客先の要請などに合わせて、検査装置、測定装置、包装装置の連結の順序、連結の組合せ、あるいはそれぞれ別々に独立して使用することも可能である。ただし、包装装置は、検査装置または測定装置の下流側装置とはなり得るが、上流側装置になることは一般的にはない。ただし、電子部品の包装後に検査工程や測定工程を入れたい要請がある場合には、本発明では、そのような順序で各装置を連結することも可能である。
【0017】
本発明の電子部品の検査装置、測定装置、包装装置およびシステムによれば、工程の形態に合わせて柔軟に構成の変更が容易である。したがって、工程変更の度に、新たな装置を制作、購入あるいは改造する必要がなく、電子部品の製造コストを低減することができる。
【0018】
前記排出貯留部および送出手段は、前記検査部または測定部に対して着脱自在に接続してもよい。たとえば排出貯留部および送出手段を取り外して、検査部または測定部の後に、直接に、下流側装置の一例として包装装置の包装部を連結しても良い。排出貯留部および送出手段を外した状態では、検査部または測定部から直接にチップ部品を、1つずつ取り出されることが可能になる。そのため、チップ部品が特定の姿勢であることを保ったまま下流側装置へ搬送することが可能になる。なお、排出貯留部では、チップ部品を貯留可能であるが、姿勢がバラバラになる。
【0019】
また、前記供給貯留部および排出貯留部は、それぞれ前記包装部に対して着脱自在に接続してしてもよい。たとえば供給貯留部を取り外して、検査装置または測定装置の排出貯留部に包装装置の包装部を取り付けても良い。また、包装された電子部品で満杯になった排出貯留部は、そのまま取り外して搬送または輸送しても良い。満杯の排出貯留部が取り外された部分には、空の排出貯留部を取り付けることができる。
【0020】
好ましくは、本発明の検査装置または測定装置は、前記供給貯留部および/または前記排出貯留部に貯留してある電子部品が満杯になったか否か、あるいは満杯になりそうか否かを検出する満杯検出センサをさらに有する。
【0021】
好ましくは、本発明の包装装置は、前記供給貯留部に貯留してある電子部品が満杯になったか否か、あるいは満杯になりそうか否かを検出する満杯検出センサをさらに有する。
【0022】
好ましくは、前記供給貯留部に貯留してある電子部品が満杯になったことを前記満杯検出センサが検出した場合には、前記制御手段は、前記上流側装置に対して電子部品を送り出さないように信号を送る。このように制御することで、満杯になった供給貯留部に電子部品が送り込まれることを防止することができる。
【0023】
排出貯留部に貯留してある電子部品が満杯になったことを前記満杯検出センサが検出した場合には、前記制御手段は、検査部または測定部による検査または測定を停止または遅らせるように制御する制御信号を出してもよい。あるいは、前記制御手段は、下流側装置に対して、下流側装置の処理速度を高めるように制御信号を出すようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】図1は本発明の一実施形態に係る電子部品の検査装置、測定装置、包装装置およびシステムの概略図である。
【図2】図2は図1に示す各装置をさらに概念的に示す概略図である。
【図3】図3は図1および図2に示す連結部の要部を示す概略図である。
【図4】図4(A)および図4(B)は図3に示す送出機構の概念図である。
【図5】図5(A)〜図5(C)は図1に示す装置の組合せの一例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明を、図面に示す実施形態に基づき説明する。
図1に示すように、本発明の一実施形態に係る電子部品の検査・測定・包装システム2は、電子部品の検査装置4と、電子部品の測定装置6と、電子部品の包装装置8とを有する。
【0026】
電子部品の検査装置4は、本実施形態では、電子部品の外観検査装置であり、電子部品の外観を検査するための回転テーブルからなる検査部4aと、検査部4aに電子部品の方向を揃えて供給するパーツフィーダ4bとを有する。
【0027】
検査装置4は、上流側装置としての測定装置6の下流側連結部20と着脱自在に連結される上流側連結部10と、下流側装置としての包装装置8の上流側連結部10と着脱自在に連結される下流側連結部20とを有する。
【0028】
上流側連結部10からパーツフィーダ4bに向けて電子部品が搬送されるようになっている。また、検査部4aにおいて検査された電子部品は、下流側連結部へ搬送されるようになっている。
【0029】
検査装置4の検査部4aにおいて検査される検査対象としては、電子部品の外観に限らず、はんだボール、回路基板、インターポーザなどが例示される。
【0030】
電子部品の測定装置6は、本実施形態では、マルチ処理を行う測定装置であり、電子部品の測定を行う測定部6aを有する。なお図示省略してあるが、この測定装置6においても、検査装置4と同様なパーツフィーダが具備されていても良い。この測定装置6は、検査装置4と同様な上流側連結部10と下流側連結部20とを有する。
【0031】
上流側連結部10からパーツフィーダまたは測定部6aに向けて電子部品が搬送されるようになっている。また、測定部6aにおいて検査された電子部品は、下流側連結部20へ搬送されるようになっている。下流側連結部20へ搬送された電子部品は、その下流側連結部20に対して着脱自在に連結してある下流側装置としての検査装置4の上流側連結部10に搬送されるようになっている。
【0032】
測定装置6の測定部6aにおいて測定される測定対象としては、電子部品の電気特性、たとえば静電容量、絶縁耐性、漏れ電流、直流重畳特性などが例示される。
【0033】
電子部品の包装装置8は、本実施形態では、テーピングにより電子部品の包装を行う装置であり、電子部品の包装を行う包装部8aを有する。なお図示省略してあるが、この包装装置8においても、検査装置4と同様なパーツフィーダが具備されていても良い。この包装装置8は、検査装置4と同様な上流側連結部10と、検査装置4の下流側連結部20とは異なる排出貯留部20aとを有する。
【0034】
上流側連結部10からパーツフィーダまたは包装部8aに向けて電子部品が搬送されるようになっている。包装部8aでは、測定および/または検査済みの電子部品がテーピングにより包装される。包装部8aにおいて包装された電子部品は、排出貯留部20aへ搬送されるようになっている。
【0035】
排出貯留部20aでは、たとえば電子部品が包装されているテープを巻き取るリールが具備してあり、電子部品が包装されているテープが満杯になった場合には、リールなどで構成してある排出貯留部20a毎、包装装置8から取り出し、外部に搬送しても良い。その場合には、空の排出貯留部20aを、新たに包装装置8に取り付けて、電子部品が包装されているテープを巻き取り、新たに貯留すれば良い。
【0036】
包装装置8の包装部8aにおいて電子部品を包装するための手段としては、テーピングに限らず、たとえばバルクケース、収納トレイなどが例示される。
【0037】
図1に示す本実施形態のシステム2は、各装置4,6,8の境界部70において、着脱自在な連結部10および20を用いて着脱自在に連結してある。しかも図2に示すように、本実施形態のシステム2においては、検査装置4、測定装置6および包装装置8は、連結部10および20の部分において分離可能であり、それぞれ独立の装置として機能するようになっている。
【0038】
本実施形態においては、各装置4,6,8において、連結部10および20の高さ位置Hは、好ましくは略同一であるが、必ずしも同一である必要はない。各装置4,6,8において、連結部10および20の連結は、下述するように、たとえばホースや電気配線の連結あるいは接続であり、連結部10および20の高さ位置Hが異なっていてもホースの連結や電気配線の接続が可能だからである。
【0039】
図3に示すように、着脱自在に構成してある連結部10および20の内の下流側連結部20は、検査部にて検査された後の複数の電子部品、あるいは測定部で測定された後の複数の電子部品を貯留する排出貯留部22を有する。排出貯留部22には、満杯検出センサ24が具備してあっても良い。
【0040】
満杯検出センサ24は、排出貯留部22に貯留してある電子部品が満杯になったか否か、あるいは満杯になりそうか否かを検出するセンサであり、その検出信号は、排出貯留部22を有する上流側装置の図示省略してある制御装置に入力される。その制御装置は、上流側装置が連結される次工程の別の下流側装置の図3に示す制御装置60と同様な装置であり、その説明については後述する。
【0041】
また、排出貯留部22の底部付近には、次工程の別の下流側装置の制御装置60からの信号を受けて当該下流側装置へ、排出貯留部22の内部に貯留してある電子部品を送り出す送出手段の一部としてのエジェクタ装置30が装着してある。エジェクタ装置30には、噴出チューブ52を介して電磁弁50が連結してある。
【0042】
電磁弁50には、空圧チューブ54が接続してある。空圧チューブ54は、たとえば生産工場における圧力空気流通配管に着脱自在に接続され、そこから、電磁弁50に向けて圧力空気の圧力が作用し、電磁弁50を開閉することで、所定圧力の空気を噴出チューブ52に流すことが可能になっている。
【0043】
噴出チューブ52は、たとえば図4(A)に示すように、エジェクタ装置30の送出チューブ32における貯留部出口22a近くの噴出孔31で送出チューブ32に接続してある。送出チューブ32に比較して小径の噴出チューブ52から噴出孔31を通して送出チューブ32の内部で貯留部出口22aとは反対側の送り出し方向に向けて噴出した圧力空気は、その静圧が低くなり、貯留部出口22a近くの送出チューブ32の内部に負圧を発生させる。そのため、排出貯留部22の内部に貯留してある電子部品を貯留部出口22aから送出チューブ32の内部に引き込み、送出チューブ32の送り出し方向に沿って電子部品を搬送することができる。
【0044】
なお、図4に示すように、噴出チューブ52の先端に噴出ノズル52aを設けて、噴出ノズル52aの噴出孔31を、貯留部出口22aのさらに近くに配置してエジェクタ装置30aを構成しても良い。この場合においても、排出貯留部22の内部に貯留してある電子部品を貯留部出口22aから送出チューブ32の内部に引き込み、送出チューブ32の送り出し方向に沿って電子部品を搬送することができる。
【0045】
上流側装置の送出チューブ32は、柔軟性のあるチューブで構成され、下流側装置の供給貯留部12へ電子部品を送り出すための供給チューブ42の受取接続部44に着脱自在に接続される送出接続部34を有する。
【0046】
なお、図3に示す実施形態では、上流側装置と下流側装置との境界部70に、受取接続部44と送出接続部34との接続部を配置したが、これに限定されない。たとえば供給チューブ42を用いることなく、受取接続部44を、供給貯留部12の供給口12bに直接に装着し、その受取接続部44に対して、送出チューブ32の送出接続部34を着脱自在に接続するように構成しても良い。あるいは逆に、送出チューブ32を用いることなく、送出接続部34をエジェクタ装置30に直接に装着し、その送出接続部34に対して、供給チューブ42の受取接続部44を着脱自在に接続するように構成しても良い。
【0047】
上流側装置におけるエジェクタ装置30の電子弁50を、下流側装置の制御装置60からの制御信号に基づき制御するために、電磁弁50には、配線36が接続してあると共に、制御装置60にも配線46が接続してある。これらの両配線36および46は、着脱可能な配線コネクタ38および48により接続してある。
【0048】
なお、図3に示す実施形態では、上流側装置と下流側装置との境界部70に、配線コネクタ38および48を配置したが、これに限定されず、たとえば配線46を用いることなく、配線コネクタ48を制御装置60に装着し、その配線コネクタ48に対して、上流側装置の配線36のコネクタ38を着脱自在に接続するように構成しても良い。
【0049】
あるいは、たとえば配線36を用いることなく、配線コネクタ38を電磁弁50に装着し、その配線コネクタ38に対して、下流側装置の配線46のコネクタ48を着脱自在に接続するように構成しても良い。あるいは、下流側装置の制御装置60からの制御信号は、配線を介することなく、無線を通じて上流側装置の制御装置に制御信号を送り、エジェクタ装置30などの送出手段を制御するようにしても良い。
【0050】
下流側装置の上流側連結部10に配置してある供給貯留部12には、排出貯留部22の満杯検出センサ24と同様な満杯検出センサ14が具備してある。満杯センサ14は、供給貯留部12に貯留してある電子部品が満杯になったか否か、あるいは満杯になりそうか否かを検出するセンサであり、その検出信号は、下流側装置の制御装置60に入力される。
【0051】
制御装置60では、供給貯留部12に貯留してある電子部品が満杯になったか否か、あるいは満杯になりそうか否かをセンサ14が検出した場合に、制御装置60は、上流側装置の電磁弁50を制御し、電子部品を送り出さないように制御することができる。このように制御することで、満杯になった供給貯留部12に電子部品が送り込まれることを防止することができる。制御装置60は、連結部10に配置することなく、各装置4,6,8の全体を制御するために装置本体の内部に配置してあることが好ましい。
【0052】
なお、図3において、排出貯留部に貯留してある電子部品が満杯になったことを満杯検出センサ24が検出した場合には、その上流側装置が有する図示省略してある制御装置は、検査部または測定部による検査または測定を停止または遅らせるように制御する制御信号を出してもよい。あるいは、その上流側の制御装置は、下流側装置の制御装置60に対して信号を送り、下流側装置の処理速度を高めるように制御信号を出すようにしても良い。制御装置間の制御信号のやりとりは、有線方式でも無線方式でも良い。
【0053】
供給貯留部12の貯留部出口12aには、排出貯留部22におけるエジェクタ装置30と同様なエジェクタ装置40、あるいはその他の電子部品の送出手段が具備してあり、供給貯留部12内に貯留してある電子部品を、一つずつ、あるいは複数個まとめて、下流側装置の検査部、測定部あるいは包装部に直接に、あるいはパーツフィーダなどを介して搬送可能になっている。
【0054】
本実施形態に係る検査装置4、測定装置6、包装装置8およびこれらのシステム2では、たとえば図5(A)に示すように、検査装置4、測定装置6および包装装置8の順序で、これらの装置を容易に連結して単一の装置として機能させることができる。
【0055】
あるいは、図1に示すように、測定装置6、検査装置4および包装装置8の順序で、これらの装置を容易に組み替えて連結して単一の装置として機能させることもできる。
【0056】
あるいは、図5(C)に示すように、測定装置6と検査装置4のみを連結して、包装装置8は単独で機能させても良い。その場合には、たとえば検査装置4の検査工程と包装装置8の包装工程との間に、電子部品の表面処理工程や熱処理工程を行うことも容易である。
【0057】
あるいは、電子部品の種類によっては、たとえば図5(B)に示すように、測定装置6と包装装置8のみを連結して、検査装置4は用いないようにすることもできる。あるいは、検査装置4による検査工程と、測定装置6による測定工程との間に、他の工程を入れることも容易である。
【0058】
さらには、図2に示すように、検査装置4、測定装置6、包装装置8を別々の装置として用いることもできる。
【0059】
本実施形態の装置4,6,8およびシステム2によれば、電子部品の種類や客先の要請などに合わせて、検査装置4、測定装置6、包装装置8の連結の順序、連結の組合せ、あるいはそれぞれ別々に独立して使用することも可能である。ただし、包装装置8は、検査装置4または測定装置6の下流側装置とはなり得るが、上流側装置になることは一般的にはない。しかしながら、電子部品の包装後に検査工程や測定工程を入れたい要請がある場合には、本発明では、そのような順序で各装置を連結することも可能である。
【0060】
本実施形態の電子部品の検査装置4、測定装置6、包装装置8およびシステム2によれば、工程の形態に合わせて柔軟に構成の変更が容易である。したがって、工程変更の度に、新たな装置を製作、購入あるいは改造する必要がなく、電子部品の製造コストを低減することができる。
【0061】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変することができる。
【0062】
たとえば、排出貯留部22およびそれに付属しているエジェクタ装置30などを含む下流側連結部20は、検査部4aまたは測定部6aに対して着脱自在に接続してもよい。たとえば下流側連結部20を取り外して、検査部4aまたは測定部6aの後に、直接に、下流側装置の一例として包装装置8の包装部8aを連結しても良い。排出貯留部22およびその付属装置から成る下流側連結部20を外した状態では、検査部4aまたは測定部6aから直接にチップ部品を、1つずつ取り出されることが可能になる。そのため、チップ部品が特定の姿勢であることを保ったまま下流側装置へ搬送することが可能になる。なお、排出貯留部22では、チップ部品を貯留可能であるが、姿勢がバラバラになる。
【0063】
また、包装装置8において、供給貯留部12を含む上流側連結部10に関しても、それぞれ包装部8aに対して着脱自在に接続してしてもよい。たとえば供給貯留部12を含む上流側連結部10を取り外して、検査装置4または測定装置6の排出貯留部22に包装装置8の包装部8aを取り付けても良い。
【符号の説明】
【0064】
2… システム
4… 検査装置
6… 測定装置
8… 包装装置
10… 上流側連結部
12… 供給貯留部
14… 満杯検出センサ
20… 下流側連結部
20a… 排出貯留部
22… 排出貯留部
24… 満杯検出センサ
30… エジェクタ装置
32… 送出チューブ
34… 送出接続部
40… エジェクタ装置
42… 供給チューブ
44… 受取接続部
60… 制御装置
70… 境界部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子部品を検査する検査部と、
前記検査部に供給する複数の電子部品を貯留する供給貯留部と、
前記検査部にて検査された後の複数の電子部品を貯留する排出貯留部と、
前記排出貯留部に貯留された複数の電子部品を、次工程の別の下流側装置からの信号を受けて当該下流側装置に送り出す送出手段と、
前工程の別の上流側装置に対して電子部品を送り出すように信号を送る制御手段と、を有し、
前記供給貯留部は、前記上流側装置から送り出される電子部品を受け取るための受取接続部を有し、
前記排出貯留部は、前記下流側装置へ電子部品を送り出すための送出接続部を有することを特徴とする電子部品の検査装置。
【請求項2】
前記排出貯留部および送出手段は、前記検査部に対して着脱自在に接続してある請求項1に記載の検査装置。
【請求項3】
前記供給貯留部および/または前記排出貯留部に貯留してある電子部品が満杯になったか否か、あるいは満杯になりそうか否かを検出する満杯検出センサをさらに有する請求項1または2に記載の検査装置。
【請求項4】
前記供給貯留部に貯留してある電子部品が満杯になったことを前記満杯検出センサが検出した場合には、前記制御手段は、前記上流側装置に対して電子部品を送り出さないように信号を送る請求項3に記載の検査装置。
【請求項5】
電子部品を測定する測定部と、
前記測定部に供給する複数の電子部品を貯留する供給貯留部と、
前記測定部にて測定された後の複数の電子部品を貯留する排出貯留部と、
前記排出貯留部に貯留された複数の電子部品を、次工程の別の下流側装置からの信号を受けて当該下流側装置に送り出す送出手段と、
前工程の別の上流側装置に対して電子部品を送り出すように信号を送る制御手段と、を有し、
前記供給貯留部は、前記上流側装置から送り出される電子部品を受け取るための受取接続部を有し、
前記排出貯留部は、前記下流側装置へ電子部品を送り出すための送出接続部を有することを特徴とする電子部品の測定装置。
【請求項6】
前記排出貯留部および送出手段は、前記測定部に対して着脱自在に接続してある請求項5に記載の測定装置。
【請求項7】
前記供給貯留部および/または前記排出貯留部に貯留してある電子部品が満杯になったか否か、あるいは満杯になりそうか否かを検出する満杯検出センサをさらに有する請求項5または6に記載の測定装置。
【請求項8】
前記供給貯留部に貯留してある電子部品が満杯になったことを前記満杯検出センサが検出した場合には、前記制御手段は、前記上流側装置に対して電子部品を送り出さないように信号を送る請求項7に記載の測定装置。
【請求項9】
電子部品を包装するする包装部と、
前記包装部に供給する複数の電子部品を貯留する供給貯留部と、
前記包装部にて包装された後の電子部品の包装物を貯留する排出貯留部と、
前工程の別の上流側装置に対して電子部品を送り出すように信号を送る制御手段と、を有し、
前記供給貯留部は、前記上流側装置から送り出される電子部品を受け取るための受取接続部を有することを特徴とする電子部品の包装装置。
【請求項10】
前記供給貯留部および排出貯留部は、それぞれ前記包装部に対して着脱自在に接続してある請求項9に記載の包装装置。
【請求項11】
前記供給貯留部に貯留してある電子部品が満杯になったか否か、あるいは満杯になりそうか否かを検出する満杯検出センサをさらに有する請求項8または9に記載の包装装置。
【請求項12】
前記供給貯留部に貯留してある電子部品が満杯になったことを前記満杯検出センサが検出した場合には、前記制御手段は、前記上流側装置に対して電子部品を送り出さないように信号を送る請求項11に記載の包装装置。
【請求項13】
請求項1〜4のいずれかに記載の検査装置と、請求項5〜8のいずれかに記載の測定装置と、請求項9〜12のいずれかに記載の包装装置とを有する検査・測定・包装システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−63842(P2013−63842A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−204708(P2011−204708)
【出願日】平成23年9月20日(2011.9.20)
【出願人】(000003067)TDK株式会社 (7,238)
【Fターム(参考)】