説明

電子部品バスバー接合構造

【課題】 冷熱サイクルに対する信頼性に優れ、かつ、製造が容易な電子部品バスバー接合構造を提供すること。
【解決手段】 電子回路部品の両側の端子4ははんだ6によりバスバー3A、3Bに接合される。バスバー3Aはねじ7Aにより、バスバー3Bはねじ7Bにより基板2に支持される。ねじ7Bは、バスバー3Bの長手方向に長い長孔9を貫通して基板2の雌ねじ穴21に締結される。このようにすれば、バスバー3A、3Bと基板2との線膨張係数差により生じるバスバー3の長手方向への応力によりはんだ6が破損するのを防止することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品バスバー接合構造に関し、特に電子回路部品の端子がバスバーにはんだ接合される電子部品バスバー接合構造に関する。
【背景技術】
【0002】
ICなどの電子回路部品では、側面から多数のリード端子が列状に突出するSIP、DIP、ZIPなどのパッケージ構造が一般的となっている。以下、このようなパッケージ構造の電子回路部品をリード付き電子回路部品とも言うものとする。また、パッケージの底面両端部にそれぞれ露出する端子をもつチップ状電子回路部品も知られている。
【0003】
これらの電子回路部品の実装では、リード付き電子回路部品のリード端子やチップ状電子回路部品の端子をプリント基板の導体パターンにはんだ付けするのが一般的であるが、これらの端子をバスバーにはんだ付けすることも公知となっている。以下、バスバーに電子回路部品をはんだ接合した構造を電子部品バスバー接合構造と称するものとする。この種の電子部品バスバー接合構造が、下記の特許文献1に記載されている。
【特許文献1】特開2002−93995
【発明の開示】
【0004】
(発明の目的)
しかしながら、上記した従来の電子部品バスバー接合構造では、電子回路部品の端子とバスバーとの間のはんだ接合部に掛かる熱応力によりその長期信頼性が低下するという問題があった。この発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、製造性に優れかつはんだ接合部の熱サイクル寿命に優れた電子部品バスバー接合構造を提供することをその目的としている。
【0005】
(発明の要約)
上記課題を解決するためになされた各発明は、基板上に絶縁シートを介して延設される複数のバスバー及び電子回路部品を備え、電子回路部品の端子が、バスバーにはんだにより接合される電子部品バスバー接合構造に適用される。
【0006】
第1発明の特徴は、電子回路部品の一方側に配置されて先端部が電子回路部品の端子に接合されるバスバーが基板に固定され、電子回路部品の両側面の少なくとも一方側に配置されて先端部が電子回路部品の端子に接合されるバスバーが、バスバーの長手方向へ長く形成された長孔を貫通してねじによりバスバーの長手方向へ変位可能に基板に締結されている点にある。
【0007】
すなわち、この発明では、先端部が電子回路部品の端子にはんだ接合されて電子回路部品の両側面の少なくとも一方側に延在するバスバーが基板に対して相対変位可能に締結される。このようにすれば、電子回路部品のリード端子とバスバーとの間のはんだ接合部に掛かるその単位面積あたりの熱応力すなわちストレスを低減し、その結果としてこのはんだ接合部の長期信頼性を大幅に改善できることがわかった。
【0008】
以下、更に具体的に説明する。
【0009】
電子回路部品の端子にはんだ接合されるバスバーは、通常は電子回路部品から離れる向きに長く延設される。バスバーの所定の固定領域は、ねじ等により好適には金属製の基板(ケースでもよい)に機械的に固定される。基板へのバスバーの固定は、電子回路部品の端子に接合されるバスバーの端子接合領域からかなり離れて設けられる。なお、バスバーの端子接合領域は通常はバスバーの先端部とされる。固定領域と端子接合領域との間のバスバーの部分は、温度変化によりバスバーの長手方向に伸縮する。しかし、バスバーが固定される基板とバスバーとは異なる材料により構成されるのが通常であるため、バスバーと基板との線膨張係数差によりバスバーと電子回路部品の端子とを接合するはんだ接合部には主としてバスバーの長手方向へ熱応力が加えられ、その耐久性が低下するという問題が発生する。バスバーには電気抵抗低減の観点から銅が通常用いられ、基板には経済的他の観点からアルミニウム(樹脂でもよい)が通常用いられる。
【0010】
本発明では、電子回路部品の一方側のバスバーは、バスバーの長手方向に長い長孔をもち、この長孔を貫通するねじにより基板に締結される。これにより、上記した基板とバスバーとの線膨張係数差によりバスバーがその長手方向へ伸縮しても、それに応じてバスバーの固定領域が基板に対してバスバーの長手方向へ相対変位することができる。その結果、バスバーの伸縮が上記はんだ接合部に熱応力を与えることがなく、このはんだ接合部の熱サイクル寿命(冷熱サイクル寿命とも言う)を大幅に向上することができる。
【0011】
バスバーを銅製、基板をアルミニウムとした場合における基板とバスバーとの線膨張係数差による基板に対するバスバーの長手方向への相対的な伸縮現象について、なお、通常の銅製のバスバーやリード端子の線膨張係数は、樹脂やアルミニウム製の基板のそれよりも小さい。
【0012】
バスバーを基板に室温で相対変位不能に固定し、更にバスバーに電子回路部品の端子をはんだ接合した場合、高温となるとアルミ(又は樹脂)製の基板はバスバーよりもバスバーの長手方向へ大きく膨張する。なお、バスバーは、電子回路部品とのはんだ接合部よりもバスバーの長手方向へ離れた固定領域にて基板に固定されているものとする。その結果、電子回路部品とバスバーとのはんだ接合部はバスバーが固定領域側に引っ張られることになり、はんだ接合部には剪断応力が発生する。温度が低下すると、この状態は解消される。この冷熱サイクルが長期にわたって繰り返されると、はんだ接合部は繰り返し加えられる上記剪断応力ストレスにより破損する。
【0013】
本発明では、バスバーが基板に対してバスバーの長手方向に相対変位することができるため、上記応力が生じることがなく、その結果、はんだ接合部の熱サイクル寿命は大幅に向上する。なお、上記温度変化の繰り返しは、電子回路部品やバスバーなどの発生熱により生じたり、電子回路部品の環境温度により発生する。電子回路部品の環境温度は特にこの電子回路部品がエンジンルームに配置されたり、モータなどの大発熱部品に実装されたりする場合に特に顕著となる。
【0014】
また、長孔は、従来の円孔と同様に、銅板からのバスバーのプレス打ち抜きやプレス成形時に同時に形成することができ、かつ、はんだ接合の邪魔となることもないため、従来に比較して生産性が低下することもない。
【0015】
好適な態様において、電子回路部品の一方側に配置されて先端部が電子回路部品の端子に接合されるバスバーは、ねじにより前記基板に対して相対変位不能に固定され、電子回路部品の他方側に配置されて先端部が電子回路部品の端子に接合されるバスバーは、バスバーの長手方向へ長く形成された長孔を貫通してねじによりバスバーの長手方向へ変位可能に基板に締結されている。つまり、この態様では、電子回路部品の両側に配置される一対のバスバーのうち、一方側のバスバーをねじにより固定領域に固定し、他方側のバスバーを長孔により基板に対して相対変位可能に保持する構成を採用している。このようにすれば、電子回路部品に対してはんだ接合されて全体として一体となっているこれら一対のバスバーが、温度変化により基板に対して固定領域を支点として伸縮することができるため、バスバー及び電子回路部品の一体物と基板との線膨張係数差によりこの一体物に応力が掛かることがない。したがって、すべてのバスバーを基板に固定する従来構造に比べて、熱サイクル寿命を大幅に向上することができる。また、一部のバスバーは従来通り、ねじにより基板に固定できるため、バスバーの機械的安定性の低下を抑止することができる。
【0016】
好適な態様において、電子回路部品の一方側に配置されて先端部が電子回路部品の端子に接合される複数のバスバーは、ねじにより基板に対して相対変位不能に固定され、電子回路部品の他方側に配置されて先端部が電子回路部品の端子に接合される複数のバスバーは、バスバーの長手方向へ長く形成された長孔を貫通してねじによりバスバーの長手方向へ変位可能に基板に締結されている。すなわち、この態様では、電子回路部品の一方側のすべてのバスバーをねじにより固定領域に固定し、他方側のすべてのバスバーを長孔により基板に対して相対変位可能に保持する構成を採用している。このようにすれば、各バスバーの伸縮により電子回路部品はバスバーの長手方向へ平行移動することができるため、はんだ接合部にねじれ応力が生じることを抑止して、その熱サイクル寿命を向上することができる。また、電子回路部品の一方側のすべてのバスバーは従来通り、ねじにより基板に固定できるため、バスバーの機械的安定性の低下を抑止することができる。
【0017】
好適な態様において、電子回路部品は、両側面から突出して両側のバスバーに個別にはんだ接合される少なくとも一対のバスバーを有するDIP構造をもつ。このようにすれば、バスバーと基板との線膨張係数差に加えて、電子回路部品のリード端子と基板との線膨張係数差も吸収することができる。
【0018】
好適な態様において、電子回路部品は、底面両端部に露出してバスバーの上面にはんだにより接合されるチップ状部品からなる。この態様においても上記と同様の効果を奏することができる。
【0019】
第2発明の特徴は、ねじは、鍔付き絶縁スリーブによりバスバーに対して電気絶縁されつつバスバーの遊孔を貫通してバスバーが相対変位可能に前記基板の雌ねじ孔に螺入され、遊孔の内径とねじの外径との寸法差が所定の使用環境における温度変化によるバスバーの長手方向の最大伸縮量と鍔付き絶縁スリーブの筒厚との合計よりも大きく設定されている点にある。
【0020】
すなわち、この発明では、バスバーの遊孔の内径とねじの外径との寸法差が所定の使用環境における温度変化によるバスバーの長手方向の最大伸縮量と鍔付き絶縁スリーブの筒厚との合計よりも大きく設定されているので、バスバーと基板との線膨張係数差に起因して生じる基板に対するバスバーの長手方向への相対伸縮により、バスバーと電子回路部品の端子との間のはんだ接合部に応力がほとんど生じることがない。このため、各バスバーが基板に完全固定される従来技術に比べて、はんだ接合部の熱サイクル寿命を大幅に延長することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明の電子部品バスバー接合構造の好適実施形態を図面を参照して説明する。なお、本発明は下記の実施形態に限定解釈されるべきではなく、その他の公知技術の組み合わせにより本発明を技術思想を実現してもよいことは当然である。
【0022】
(実施形態1)
この実施形態の電子部品バスバー接合構造を図1、図2を参照して説明する。図1はバスバーの長手方向へ切断した模式縦断面図、図2は図1の模式平面図である。
【0023】
(全体構成)
図1において、1は本発明で言う電子回路部品をなすDIP構造の樹脂モールドIC、2は金属厚板からなる基板、3A、3Bは樹脂モールドICの各リード端子4に接続されるバスバーである。この実施形態では、バスバー3A、3B及びリード端子4は銅製であり、基板2はアルミ合金製である。リード端子4は、樹脂モールドIC1の両側面から水平に突出した後、斜め下に延在している。その後、リード端子4の先端部は更に水平に延在し、樹脂モールドIC1の両側のバスバー3A、3Bに個別にはんだ付けされている。5は電気絶縁用の樹脂フィルムであり、基板2の表面に設けられている。6はリード端子4の先端部とバスバー3A、3Bの先端部とを接合するはんだである。バスバー3Aは、ねじ7Aにより樹脂フィルム5を挟んで基板2に完全にあるいはバスバー3A、3Bの長手方向へ固定されている。バスバー3Bは、ねじ7Bにより樹脂フィルム5を挟んで基板2に基板2に対して長手方向へ相対変位可能に保持されている。樹脂モールドIC1は、基板2に樹脂フィルム5を挟んで配置されたバスバー3Cにはんだ層を介して接合されている。
【0024】
(バスバー3Aの固定)
8Aはバスバー3Aを締結するためのねじ7Aに嵌着された樹脂製の鍔付き絶縁スリーブであり、図示を簡単化するために、鍔付き絶縁スリーブ8Aは、図1において黒く塗りつぶされている。
【0025】
バスバー3A及び樹脂フィルム5は、互いに連通する断面円形の貫通孔を有し、これらの貫通孔に連通して基板2には雌ねじ穴21が形成されている。これらの貫通孔を貫通して雌ねじ穴21にねじ7Aを螺入することにより、バスバー3Aは基板2に固定される。ねじ7Aに嵌着された樹脂製の鍔付きのスリーブ8Aは、ねじ7Aをバスバー3Aから電気絶縁している。
【0026】
(バスバー3Bの固定)
8Bはバスバー3Bを締結するためのねじ7Bに嵌着された樹脂製の鍔付き絶縁スリーブであり、図示を簡単化するために、鍔付き絶縁スリーブ8Bは、図1において黒く塗りつぶされている。
【0027】
バスバー3Bには長孔9が形成され、この長孔9は、樹脂フィルム5に設けられた貫通孔及び基板2に設けられた雌ねじ穴22に連通している。長孔9及び樹脂フィルム5の貫通孔を貫通して雌ねじ穴22にねじ7Bを螺入することにより、バスバー3Bは基板2に支持されている。ねじ7Bに嵌着された樹脂製の鍔付きのスリーブ8Bは、ねじ7Bをバスバー3Bから電気絶縁している。長孔9は、図2に示すようにバスバー3Bの長手方向に長く形成されており、ねじ7Bの螺入は、基板2に対してバスバー3Bがその長手方向に相対変位が可能な範囲にて行われている。
【0028】
なお、図2では、2×6個のリード端子4をもつ樹脂モールドIC1を例示しているが、リード端子4の個数はこれに限定されないことや、セラミックパッケージICなどでもよいことはもちろんである。更に、基板2、バスバー3A、3B及びリード端子4の素材としては、上記に限定されないことも当然である。
【0029】
(作用)
この電子部品バスバー接合構造の温度変化時の応力状態を以下に説明する。ただし、バスバー3A、3Bを銅製、基板2をアルミニウムと仮定する。
【0030】
高温となると、基板2がバスバー3A、3Bよりもバスバー3A、3Bの長手方向へ伸びる。これにより、基板2に締結されたねじ7B及び鍔付き絶縁スリーブ8Bは、バスバー3A、3Bの長手方向においてねじ7Aから遠ざかる向き移動する。しかし、長孔9の長径は、想定される最大温度変化時の基板2に対するねじ7Bの最大変位量以上とされているため、このねじ7Bの相対変位がバスバー3A、3Bにその長手方向に引っ張り応力や圧縮応力を与えることがない。このため、電子回路部品1のリード端子4とバスバー3A、3Bとを接合するはんだ6に剪断応力が発生することがなく。このはんだ6の熱サイクル寿命は大幅に向上する。
【0031】
なお、図2は模式平面図であり、鍔付き絶縁スリーブ8A、8Bの図示は省略されている。
【0032】
(変形態様)
上記実施形態では、鍔付き絶縁スリーブ8Bの筒部は円筒形状としたが、その代わりにバスバー3Bの長孔9に嵌入される長孔としてもよい。この場合には温度変化により鍔付き絶縁スリーブ8Bに対してねじ7Bがバスバー3A、3Bの長手方向へ変位することになるが、上記と同様の効果を奏することができる。
【0033】
(変形態様)
上記実施形態では、ねじ7A、7Bは金属製としたが、電気絶縁性の樹脂によりねじ7A、7Bを作成してもよい。この場合には、鍔付き絶縁スリーブ8A、8Bを省略することができる。
【0034】
(変形態様)
変形態様を図3に示す。この態様は、図1に示すリード付き電子回路部品である樹脂モールドIC1を、チップ状部品1Aに変更したものである。このチップ状部品1Aの底面には、図3の左右方向両端部に位置して端子が露出しており、これら一対の端子は、はんだ6Aにより直下のバスバー3A、3Bに個別に接合されている。この場合においても、上記実施形態1と同様の効果を奏することができる。また、この態様でも、ねじ7A、7Bを樹脂ねじとすることができることは当然である。
【0035】
(実施形態2)
この実施形態の電子部品バスバー接合構造を図4、図5を参照して説明する。図4はバスバーの長手方向へ切断した模式縦断面図、図5は図4の模式平面図である。ただし、図5では、図2と同様、鍔付き絶縁スリーブの図示は省略されている。
【0036】
この実施形態は、図1に示す実施形態1において、バスバー3Bに長孔9を設ける代わりに、バスバー3Bにバスバー3Aと同様に断面円形の貫通孔31を設けた点をその特徴としている。したがって、バスバー3Bの貫通孔31は、樹脂フィルム5に設けられた貫通孔及び基板2に設けられた雌ねじ穴22に連通している。貫通孔31及び樹脂フィルム5の貫通孔を貫通して雌ねじ穴21にねじ7Bを螺入することにより、バスバー3Bは基板2に支持されている。また、貫通孔31及び樹脂フィルム5の貫通孔を貫通して雌ねじ穴21にねじ7Aを螺入することにより、バスバー3Aは基板2に支持されている。つまり、バスバー3Bは、バスバー3Aと同じように基板2に締結されている。
【0037】
ただし、この実施形態では、バスバー3A、3Bの貫通孔31は遊孔とされている。バスバー3Aに設けられた貫通孔(遊孔)31の内径と、ねじ7Aの外径及び鍔付き絶縁スリーブ8Aの筒厚との合計との寸法差は、想定する最大温度変化によるバスバー3Aの基板2に対する長手方向における最大相対伸縮量(はんだ6の位置における)よりも大きく設定されている。同様に、バスバー3Bに設けられた貫通孔(遊孔)31の内径と、ねじ7Bの外径及び鍔付き絶縁スリーブ8Bの筒厚との合計との寸法差は、想定する最大温度変化によるバスバー3Bの基板2に対する長手方向における最大相対伸縮量(はんだ6の位置における)よりも大きく設定されている。
【0038】
更に、ねじ7A、7Bの螺入量は、バスバー3A、3Bがねじ7A、7Bに対してバスバー3A、3Bの長手方向へ相対変位(伸縮)可能な範囲に設定される。
【0039】
このようにすれば、上記実施形態1と同様、バスバー3A、3Bと基板2との線膨張係数差によるはんだ6の応力を低減し、その熱サイクル寿命を大幅に延長することができる。
【0040】
なお、バスバー3Aの貫通孔31の内径と、バスバー3Bの貫通孔31の内径とを一致させることは必須でないことはもちろんである。
【0041】
(変形態様)
ねじ7A、7Bとして、樹脂ねじを採用してもよく、この場合には、上記した鍔付き絶縁スリーブ8A、7Bの筒厚を0とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】実施形態1の電子部品バスバー接合構造を示す模式縦断面図である。
【図2】図1の電子部品バスバー接合構造の模式平面図である。
【図3】実施形態1の変形態様を示す電子部品バスバー接合構造の模式縦断面図である。
【図4】実施形態2の電子部品バスバー接合構造を示す模式縦断面図である。
【図5】図4の電子部品バスバー接合構造の模式平面図である。
【符号の説明】
【0043】
1A チップ状部品
1 樹脂モールドIC(電子回路部品)
2 基板
3A バスバー
3B バスバー
3C バスバー
4 リード端子(端子)
5 樹脂フィルム
6 はんだ
7A ねじ
7B ねじ
8A 鍔付き絶縁スリーブ
8B 鍔付き絶縁スリーブ
9 長孔
21 雌ねじ穴
22 雌ねじ穴
31 貫通孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に絶縁シートを介して延設される複数のバスバー及び電子回路部品を備え、
前記電子回路部品の端子は、前記バスバーにはんだにより接合される電子部品バスバー接合構造において、
前記電子回路部品の一方側に配置されて先端部が前記電子回路部品の端子に接合される前記バスバーは、前記基板に固定され、
前記電子回路部品の両側面の少なくとも一方側に配置されて先端部が前記電子回路部品の端子に接合される前記バスバーは、前記バスバーの長手方向へ長く形成された長孔を貫通してねじにより前記バスバーの長手方向へ変位可能に前記基板に締結されていることを特徴とする電子部品バスバー接合構造。
【請求項2】
請求項1記載の電子部品バスバー接合構造において、
前記電子回路部品の一方側に配置されて先端部が前記電子回路部品の端子に接合される前記バスバーは、ねじにより前記基板に対して相対変位不能に固定され、
前記電子回路部品の他方側に配置されて先端部が前記電子回路部品の端子に接合される前記バスバーは、前記バスバーの長手方向へ長く形成された長孔を貫通してねじにより前記バスバーの長手方向へ変位可能に前記基板に締結されていることを特徴とする電子部品バスバー接合構造。
【請求項3】
請求項1記載の電子部品バスバー接合構造において、
前記電子回路部品の一方側に配置されて先端部が前記電子回路部品の端子に接合される複数の前記バスバーは、ねじにより前記基板に対して相対変位不能に固定され、
前記電子回路部品の他方側に配置されて先端部が前記電子回路部品の端子に接合される複数の前記バスバーは、前記バスバーの長手方向へ長く形成された長孔を貫通してねじにより前記バスバーの長手方向へ変位可能に前記基板に締結されていることを特徴とする電子部品バスバー接合構造。
【請求項4】
請求項1記載の電子部品バスバー接合構造において、
前記電子回路部品は、両側面から突出して両側の前記バスバーに個別にはんだ接合される少なくとも一対のバスバーを有するDIP構造をもつ電子部品バスバー接合構造。
【請求項5】
請求項1記載の電子部品バスバー接合構造において、
前記電子回路部品は、底面両端部に露出して前記バスバーの上面にはんだにより接合されるチップ状部品からなる電子部品バスバー接合構造。
【請求項6】
基板上に絶縁シートを介して延設される複数のバスバー及び電子回路部品を備え、
前記電子回路部品の端子は、前記バスバーにはんだにより接合される電子部品バスバー接合構造において、
前記ねじは、前記鍔付き絶縁スリーブにより前記バスバーに対して電気絶縁されつつ前記バスバーの遊孔を貫通して前記バスバーが相対変位可能に前記基板の雌ねじ孔に螺入され、
前記遊孔の内径と前記ねじの外径との寸法差は、所定の使用環境における温度変化による前記バスバーの長手方向の最大伸縮量と前記鍔付き絶縁スリーブの筒厚との合計よりも大きく設定されていることを特徴とする電子部品バスバー接合構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−71068(P2009−71068A)
【公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−238439(P2007−238439)
【出願日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】