電子部品付き配線基板及びその製造方法
【課題】端子パッドに電子部品を接合する際の接合信頼性を高めるとともに、配線基板の強度不足や反りの発生の防止、更には半田の再溶融によるショートを防止できる電子部品付き配線基板及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】積層基板5上に凸状に設けられたコンデンサ用端子パッド45の全表面が半田によって隙間無く覆われており、この半田がコンデンサ端子51にも接合している。そのため、コンデンサ用端子パッド45と半田とが(従ってコンデンサ用端子パッド45とチップコンデンサ9とが)確実に接合されるとともに、導通が十分に確保されている。つまり、半田とコンデンサ用端子パッド45の接合信頼性、ひいてはコンデンサ用端子パッド45とチップコンデンサ9との接合信頼性が極めて高い。
【解決手段】積層基板5上に凸状に設けられたコンデンサ用端子パッド45の全表面が半田によって隙間無く覆われており、この半田がコンデンサ端子51にも接合している。そのため、コンデンサ用端子パッド45と半田とが(従ってコンデンサ用端子パッド45とチップコンデンサ9とが)確実に接合されるとともに、導通が十分に確保されている。つまり、半田とコンデンサ用端子パッド45の接合信頼性、ひいてはコンデンサ用端子パッド45とチップコンデンサ9との接合信頼性が極めて高い。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、導体層と樹脂絶縁層とが交互に積層されたコアレス基板等の積層基板の端子パッドに、半田と電気絶縁材とを含む接合材によってチップコンデンサ等の電子部品が実装された電子部品付き配線基板及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、例えばチップコンデンサー(CP)の様な電子部品を例えば半導体パッケージの様な配線基板に実装する方法として、配線基板に形成された端子パッドに、電子部品に設けられた端子やバンプを半田によって接合する方法が広く知られている。
【0003】
この半田接合による電子部品の実装方法としては、熱硬化性樹脂中に半田粒子を混入した接合材を用いる方法が知られている。この方法では、電子部品の搭載に先立って、端子パッドに予め接合材を供給しておき、電子部品の搭載後に配線基板を加熱することによって、半田粒子を溶融・固化させて半田接合部を形成するとともに、熱硬化性樹脂を軟化・硬化させて樹脂層を形成している。これによって、電子部品の端子やバンプを配線基板の端子パッドと半田接合により導通させるとともに、硬化した熱硬化性樹脂によって半田接合部を覆って補強している(特許文献1、2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−140924号公報
【特許文献2】特開2010−161419号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来技術の場合には、端子パッドに半田が接合する場合の接合信頼性が十分ではなく、従って、電子部品が半田によって端子パッドに接合する場合の接合信頼性が十分でないという問題があった。特に端子パッドが配線基板の表面上に凸状に張り出している場合の半田の接合信頼性や電子部品の接合信頼性については、十分な検討がなされていないのが現状である。
【0006】
更に、端子パッドが基板表面から張り出している場合には、配線基板と電子部品との間の間隔が大きく、接合材を溶融して電子部品を配線基板に実装する際に 電子部品と配線基板との間に隙間が生じ易いという問題もあった。
【0007】
つまり、隙間に樹脂が十分に入り込まない場合には、配線基板の強度不足や反りが発生する恐れがあり、また、電子部品を実装した後に再加熱する工程がある場合には、半田が再溶融して前記隙間に入ると、ショートが発生する恐れがある。
【0008】
本発明は、こうした問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、端子パッドに電子部品を接合する際の接合信頼性を高めるとともに、配線基板の強度不足や反りの発生の防止、更には半田の再溶融によるショートを防止できる電子部品付き配線基板及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)本発明は、請求項1に記載の様に、導体層と樹脂絶縁層とが交互に積層されてなる積層基板上の端子パッドに、半田と樹脂製の電気絶縁材とを含む接合材によって、電子部品が実装された電子部品付き配線基板において、前記端子パッドは前記積層基板の表面に凸状に設けられ、前記端子パッドと前記電子部品の端子とが、前記半田によって接合されるとともに、前記端子パッドの全表面が前記半田で覆われており、且つ、前記半田の表面が、前記電気絶縁材で覆われているとともに、前記積層基板と前記電子部品との間の間隙が、前記電気絶縁材によって充填されていることを特徴とする。
【0010】
本発明では、積層基板上に凸状に設けられた端子パッドの全表面(例えば層状の端子パッドの場合には側面や上面)が半田によって隙間無く覆われており、この半田が電子部品の端子にも接合している。そのため、端子パッドと半田とが(従って端子パッドと電子部品とが)確実に接合されるとともに、導通が十分に確保されている。つまり、本発明では、半田と端子パッドの接合信頼性、ひいては端子パッドと電子部品との接合信頼性が極めて高いという顕著な効果を奏する。
【0011】
なお、ここで、接合信頼性とは、例えば端子パッドや電子部品に外力が加わった場合や長期間にわたる使用の場合においても、(端子パッドと半田との)接合面が剥がれ難く、長期間に渡り確実な導電性及び接合性を確保できることをいう。
【0012】
また、本発明では、半田の表面が、電気絶縁材で覆われているとともに、積層基板と電子部品との間の間隙が、電気絶縁材によって充填されているので、つまり、積層基板と電子部品との間に隙間が無いように、電気絶縁材によって充填されているので、配線基板の強度が高く、しかも、配線基板に反りが発生し難いという効果がある。
【0013】
更に、電子部品を実装した後に、加熱によって半田が再溶融した場合でも、積層基板と電子部品との間に隙間が無いように、電気絶縁材が充填されているので、隙間に半田が流入することはなく、よって、ショートが発生し難いという利点がある。
【0014】
なお、積層基板と電子部品との間の隙間には、微細なボイドが含まれる場合もある。しかし、積層基板と電子部品との間の隙間のうち90%以上の体積が電気絶縁材で充填されていれば、ショートの発生を防止できる。
【0015】
ここで、前記積層基板としては、(コア基板を取り除いた)コアレス基板を採用できる。
前記電子部品としては、チップコンデンサ(CP)、インダクタ、フィルタ、抵抗などが挙げられる。
【0016】
前記導体層及び前記端子パッドの形成材料としては、銅、銅合金、ニッケル、ニッケル合金、スズ、スズ合金などを採用できる。この導体層及び端子パッドは、サブトラクティブ法、セミアディティブ法、フルアディティブ法などといった公知の手法によって形成することができる。例えば、銅箔のエッチング、無電解銅メッキあるいは電解銅メッキなどの手法が適用される。なお、スパッタやCVD等の手法により薄膜を形成した後にエッチングを行うことで導体層や端子パッドを形成したり、導電性ペースト等の印刷により導体層や端子パッドを形成することもできる。
【0017】
前記樹脂絶縁層は、絶縁性、耐熱性、耐湿性等を考慮して適宜選択することができる。この樹脂絶縁層を形成するための高分子材料の好適例としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂などの熱硬化性樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリプロピレン樹脂などの熱可塑性樹脂等が挙げられる。そのほか、これらの樹脂とガラス繊維(ガラス織布やガラス不織布)やポリアミド繊維等の有機繊維との複合材料、あるいは、連続多孔質PTFE等の三次元網目状フッ素系樹脂基材にエポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂を含浸させた樹脂−樹脂複合材料等を使用してもよい。
【0018】
前記接合材中の半田の材料としては、90Pb−10Sn、95Pb−5Sn、40Pb−60SnなどのPb−Sn系半田、Sn−Bi系半田、Sn−Sb系半田、Sn−Ag系半田、Sn−Ag−Cu系半田、Au−Ge系半田、Au−Sn系半田などの半田が挙げられる。
【0019】
前記接合材中の電気絶縁材としては、熱硬化性樹脂が挙げられる。この熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂が好適に使用でき、エポキシ樹脂の種類としては、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、多官能型、脂環式型、ビフェニル型などを採用できる。なお、熱硬化性樹脂として、エポキシ樹脂以外にも、アクリル樹脂、オキセタン樹脂、ポリイミド樹脂、イソシアネート樹脂などを用いてもよい。
【0020】
(2)本発明では、請求項2に記載の様に、積層基板の表面において、積層基板の強度を高める板状のスティフナ(補強板)を、電子部品の外周側に接合することが好ましい。
これにより、配線基板の強度が高まるという効果があり、特に配線基板がコアレス基板の場合に好適である。
【0021】
前記スティフナは、積層基板を構成する材料よりも高剛性であることが好ましい。その理由は、スティフナ自体に高い剛性が付与されていれば、それを面接合することで配線基板に高い剛性を付与することができ、外部から加わる応力に対していっそう強くなるからである。また、高い剛性を有するスティフナであれば、スティフナを薄くしても配線基板に十分高い剛性を付与することができるため、スティフナ付きの配線基板全体の薄肉化を阻害しないからである。
【0022】
このスティフナとしては、積層基板の熱膨張率や要求される剛性を勘案して材質や寸法を決定すればよく、例えば、剛性の高い金属材料やセラミック材料を用いて形成することが好ましく、また、樹脂材料や樹脂材料中に無機材料を含有させた複合材料によって形成するものでもよい。
【0023】
前記スティフナを構成する金属材料としては、鉄、金、銀、銅、銅合金、鉄ニッケル合金、珪素、ガリウム砒素などがある。また、セラミック材料としては、例えばアルミナ、ガラスセラミック、結晶化ガラス等の低温焼成材料、窒化アルミニウム、炭化珪素、窒化珪素などがある。更に、樹脂材料としては、エポキシ樹脂、ポリブテン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリイミド樹脂、ビスマレイミド・トリアジン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体(ABS樹脂)などがある。
【0024】
また、スティフナは、積層基板の主面に接合されるが、接合の手法は特に限定されることはなく、スティフナを形成している材料の性質、形状等に合った周知の手法を採用することができる。例えば、スティフナの接合面を、積層基板主面に対して接着剤を介して接合することが好ましい。このようにすれば、積層基板に対してスティフナを確実かつ容易に接合することができる。なお、接着剤としては、アクリル系接着剤、エポキシ系接着剤、シアノアクリレート系接着剤、ゴム系接着剤などが挙げられる。
【0025】
(3)本発明では、請求項3に記載の様に、電気絶縁材として、熱硬化性樹脂からなり、そのガラス転移温度が半田の融点以下の材料を採用できる。
これにより、加熱によって半田が溶融する前に、熱硬化性樹脂を軟化させることができる。よって、軟化した熱硬化性樹脂中で半田を溶融させて、積層基板の端子パッドや電子部品の端子に接合させることができる。
【0026】
前記熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂が好適であり、それ以外に、アクリル樹脂、オキセタン樹脂、ポリイミド樹脂、イソシアネート樹脂等を採用できる。
前記ガラス転移点としては、80〜220℃の範囲が挙げられ、半田の融点としては、120〜230℃の範囲が挙げられる。
【0027】
(4)本発明では、請求項4に記載の様に、導体層と樹脂絶縁層とが交互に積層されてなる積層基板上の端子パッドに、半田と樹脂製の電気絶縁材とを含む接合材を用いて、電子部品を実装する電子部品付き配線基板の製造方法において、前記端子パッドは前記積層基板の表面に凸状に設けられたものであり、前記端子パッドと前記電子部品の端子との間に前記接合材を配置し、加熱することによって、前記半田を溶融させるとともに前記電気絶縁材を軟化させ、前記半田によって、前記端子パッドと前記電子部品の端子とを接合するとともに、前記端子パッドの全表面を覆い、且つ、前記電気絶縁材によって、前記半田の表面を覆うとともに、前記積層基板と前記電子部品との間の間隙を充填することを特徴とする。
【0028】
本発明では、端子パッドと電子部品の端子との間に例えばペースト状の接合材を配置し、加熱することによって、接合材中の半田が溶融し(その後固化して)、半田によって、端子パッドと電子部品の端子とを接合するとともに、端子パッドの全表面を覆うことができる。また、加熱によって、接合材中の電気絶縁材が軟化し(その後硬化して)、半田の表面を覆うことができる。
【0029】
従って、この製造方法によって製造された配線基板は、端子パッドと電子部品とが確実に接合されるとともに、導通が十分に確保されている。即ち、接合信頼性が高いという効果がある。また、(固化した)半田の表面が電気絶縁材で覆われているので、半田の外部との絶縁性が高いという利点がある。
【0030】
更に、本発明では、接合材を加熱することによって、接合材中の電気絶縁材を軟化させ、この電気絶縁材によって、半田の表面を覆うとともに、積層基板と電子部品との間の間隙を充填することができる。
【0031】
従って、この製造方法によって製造された配線基板は、積層基板と電子部品との間に隙間が無いように電気絶縁材によって充填されているので、配線基板の強度が高く、しかも、配線基板に反りが発生し難いという効果がある。更に、電子部品を実装した後に、加熱によって半田が再溶融した場合でも、隙間に半田が流入することはなく、よって、ショートが発生し難いという利点がある。
【0032】
ここで、前記接合材としては、熱硬化性樹脂等の樹脂に半田(半田粒子等)を含有させたペースト状のものを採用できる。また、この接合材中には、樹脂や半田以外に、各種の成分を含んでいてもよい。例えば、樹脂として熱硬化性樹脂を用いる場合には、熱硬化性樹脂及び半田以外に、熱硬化性樹脂の硬化剤、半田の酸化膜を除去する活性作用付与する活性剤、ペーストのチクソ性を調整するチクソ剤、その他の添加剤が添加されているものを採用できる。これらの配合量は、接合材に含有される半田の含有量、半田の粒径および接合対象の酸化の進行度合いなどに応じて適宜調整される。
【0033】
前記熱硬化性樹脂としては、上述の様に、エポキシ樹脂が好適に使用され、エポキシ樹脂の種類としては、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、多官能型、脂環式型、ビフェニル型などを採用できる。
【0034】
前記硬化剤は、使用される熱硬化性樹脂に対応した種類のものが選定され、エポキシ樹脂の場合には、イミダゾール類、酸無水物類、アミン類、ヒドラジド類、マイクロカプセル型硬化剤などが選定される。前記活性剤としては、無機ハライド、アミン、有機酸など、一般的なクリーム半田に使用されるものを採用できる。前記チクソ剤としては、一般的に電子材料用の接着剤に使用される無機系微粉末が配合される。
【0035】
さらに、添加剤として、シランカップリング剤、有機溶剤、可撓材、顔料、触媒などが、必要に応じて配合される。シランカップリング剤は密着性を向上させる目的で配合され、有機溶剤は接合材の粘度を調整するために用いられる。
【0036】
(5)本発明では、請求項5に記載の様に、ペースト状の接合材のうち、加熱後の冷却によって固体となる成分として、半田が50〜95重量%、樹脂製の電気絶縁材が5〜50重量%の構成を採用でき、さらに好ましくは、半田が80〜90重量%、樹脂製の電気絶縁体が10〜20重量%の構成を採用できる。
【0037】
この構成により、半田によって容易に端子パッドの全表面を覆うとともに、端子パッドと電子部品とを強固に接合することができる。また、電気絶縁材によって容易に半田の表面を覆うことができるとともに、積層基板と電子部品との間の間隙を充填することができる。
【0038】
(6)本発明では、請求項6に記載の様に、接合材の粘度として、25℃で50Pa・s以上500Pa・s以下のものを採用でき、更に好ましくは、25℃で200Pa・s以上250Pa・s以下のものを採用できる。
【0039】
この粘度であれば、接合材は適度な流動性及び接合性を有するので、端子パッド上に配置した接合材上に電子部品を載置した場合に、接合材が好適に電子部品の周囲に広がって、その後の加熱の際に、溶融した半田や軟化した電気絶縁材が好適に流動するという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】配線基板の断面図(図2のA−A断面)である。
【図2】配線基板の第1主面側を示す平面図である。
【図3】積層基板の第1主面側を示す平面図である。
【図4】スティフナを示す平面図である。
【図5】積層基板の第2主面側を示す底面図である。
【図6】積層基板の縦断面(主面に垂直な断面)の一部を拡大して示す断面図である。
【図7】チップコンデンサ及びその周囲の縦断面を示す説明図である。
【図8】(a)、(b)、(c)、(d)、(e)は、配線基板の製造方法の手順を各部材を縦方向に破断して示す説明図である。
【図9】(a)、(b)、(c)は、配線基板の製造方法の手順を各部材を縦方向に破断して示す説明図である。
【図10】(a)、(b)は、配線基板の製造方法の手順を各部材を縦方向に破断して示す説明図である。
【図11】(a)、(b)は、配線基板の製造方法の手順を各部材を縦方向に破断して示す説明図である。
【図12】(a)、(b)、(c)、(d)、(e)は、チップコンデンサを接合する際の手順を示す説明図である。
【図13】スティフナの接合方法を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下、本発明が適用される実施例について図面を用いて説明する。
【実施例】
【0042】
ここでは、コアレス基板の一方の主面に、チップコンデンサを実装するとともにスティフナを接合した電子部品付き配線基板を例に挙げて説明する。
a)まず、本実施例の電子部品付き配線基板(以下単に配線基板と記す)の構成について、図1〜図7に基づいて説明する。
【0043】
図1に示す様に、本実施例の配線基板1は、ICチップ3を実装するための半導体パッケージであり、この配線基板1は、主として、コア基板を含まずに形成されたコアレス基板(積層基板)5を備えている。この積層基板5の一方の主面側(第1主面:図1上側)には、即ちICチップ3が実装される側には、ICチップ3の実装領域7の周囲に、多数のチップコンデンサ(CP)9が実装されるとともに、補強板(スティフナ)11が接合されている。
【0044】
以下、各構成について詳しく説明する。
図2及び図3に示す様に、積層基板5の第1主面側には、その中央に、略正方形の実装領域7が設けられており、この実装領域7には、ICチップ3を積層基板5に接合するための半田バンプ13(図1参照)が形成されるICチップ用端子パッド15がアレイ状に複数形成されている。
【0045】
また、同第1主面側には、実装領域7の周囲(四方)に、各辺に沿って多数のチップコンデンサ9が実装されている。
更に、同第1主面側には、ICチップ3の実装領域7及びチップコンデンサ9の長方形状の実装領域17以外を覆うように、例えば銅からなる正方形のスティフナ11が接合されている。つまり、図4に示す様に、スティフナ11の中央には、ICチップ3の実装領域7に対応して正方形の第1開口部19が設けられているとともに、この第1開口部19の周囲には、チップコンデンサ9の実装領域17に対応して複数の長方形の第2開口部21が設けられている。
【0046】
一方、図5に示す様に、積層基板5の裏側(第2主面側)には、図示しないマザーボード(母基板)を接合するためのLGA(ランドグリッドアレイ)が形成される母基板用端子パッド23がアレイ状に複数形成されている。
【0047】
また、図6に一部を拡大して示す様に、前記積層基板5は、同じ樹脂絶縁材料(電気絶縁材)を主体とした複数層(例えば4層)の樹脂絶縁層25、27、29、31と銅からなる導体層33とを交互に積層した配線積層部35を有している。
【0048】
前記樹脂絶縁層25〜31は、光硬化性を付与していない樹脂絶縁材料、具体的には、熱硬化性エポキシ樹脂の硬化体を主体としたビルドアップ材を用いて形成されている。
この樹脂絶縁層25〜31には、それぞれビア穴37及びビア導体39が設けられている。ビア導体39は、第1主面側が拡大する形状を有し、導体層33、ICチップ用端子パッド15、母基板用端子パッド23を、相互に電気的に接続している。
【0049】
配線積層部35の第1主面側において、最外層の樹脂絶縁層31には、複数の表面開口部41が形成されるとともに、表面開口部41内には、樹脂絶縁層31の外側表面よりも低くなるようにICチップ用端子パッド15が形成されている。なお、ICチップ用端子パッド15は、主体の銅層の上面のみを銅以外のメッキ層(ニッケル−金メッキ)43で覆った構造を有している。
【0050】
また、前記積層基板5の第1主面側には、チップコンデンサ9が接合されるコンデンサ用端子パッド45が形成されており、このコンデンサ用端子パッド45は、銅層を主体に構成されており、その上面の高さが樹脂絶縁層31の表面より高くなるように凸状(板状)に形成されている。
【0051】
前記コンデンサ用端子パッド45は、主体の銅層の上面及び側面を銅以外のメッキ層(ニッケル−金メッキ)47で覆った構造を有しており、このコンデンサ用端子パッド45には、図7に拡大して示す様に、チップコンデンサ9が接続されている。
【0052】
つまり、チップコンデンサ9は、中央部49の両端にコンデンサ端子51を備えたものであり、このコンデンサ端子51とコンデンサ用端子パッド45とは半田からなる半田接合部53によって接合されている。
【0053】
詳しくは、コンデンサ用端子パッド45の側面及び上面(即ち全表面)は、例えばSn−Bi系半田からなる半田によって覆われているとともに、コンデンサ端子51の底面及び側面の大部分も半田によって覆われている。これによって、コンデンサ用端子パッド45とチップコンデンサ9とが、電気的に接続されるとともに、強固に一体に接合されている。なお、半田接合部53は、コンデンサ端子51の側面から積層基板5の表面に到るように、即ち積層基板5側ほど面積が広がるようなフィレット形状となっている。
【0054】
また、半田接合部53の表面全体は、例えばエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂からなる電気絶縁材55よって覆われているとともに、熱硬化性樹脂は、半田接合部53の外周側の積層基板5の表面にも接合している。更に、チップコンデンサ9の底面と積層基板5の上面との間にある間隙57にも、隙間無く熱硬化性樹脂が充填されている。これによって、積層基板5とチップコンデンサ9とが、強固に接合されるとともに、外部に対して高い絶縁性を有している。
【0055】
つまり、上述した半田接合部53と電気絶縁材55との構成(固化した接合材56の構成)によって、コンデンサ用端子パッド45とチップコンデンサ9との電気的導通が確保されるとともに、積層基板5とチップコンデンサ9とが強固に接合されている。
【0056】
なお、ここでは、熱硬化性樹脂として、そのガラス転移温度が半田の融点以下の材料を用いている。例えばガラス転移点としては、80〜220℃の範囲の例えば95℃のものを用い、半田の融点としては、120〜230℃の範囲の例えば139℃のSn−Bi系半田を用いている。
【0057】
前記図6に戻り、前記配線積層部35の下面側(第2主面側)において、最外層の樹脂絶縁層25には、複数の裏側開口部59が形成されるとともに、それらの裏側開口部59に対応して母基板用端子パッド23が配置されている。具体的には、母基板用端子パッド23は、裏側開口部59内に位置する下段金属導体部61と、下段金属導体部61及びその周囲を覆う上段金属導体部63との2段構造を有している。なお、母基板用端子パッド23は、主体の銅層の上面及び側面を銅以外のメッキ層(ニッケル−金メッキ)64で覆った構造を有している。
【0058】
b)次に、本実施例の配線基板1の製造方法、図8〜図13に基づいて説明する。
<積層基板製造工程>
まず、十分な強度を有する支持基板(ガラスエポキシ基板など)を準備し、その支持基板上に、樹脂絶縁層25〜31及び導体層33をビルドアップして、配線積層部35を形成する
詳しくは、図8(a)に示す様に、支持基板65上に、エポキシ樹脂からなるシート状の絶縁樹脂基材を貼り付けて下地樹脂絶縁層67を形成することにより、基材69を作製する。
【0059】
次に、図8(b)に示す様に、基材69の上面に、積層金属シート体71を配置する。この積層金属シート体71は、2枚の銅箔73、75を剥離可能に密着させたものである。
【0060】
次に、図8(c)に示す様に、積層金属シート体71の上面に、下段金属導体部61を形成するために、下段金属導体部61の形状に対応したメッキレジスト77を形成する。
具体的には、積層金属シート体71の上面に、メッキレジスト77形成用のドライフィルムをラミネートし、このドライフィルムの露光及び現像を行って、メッキレジスト77を形成する。
【0061】
次に、図8(d)に示す様に、メッキレジスト77を形成した状態で、選択的に電解銅メッキを行って、積層金属シート体71上に下段金属導体部61を形成した後、メッキレジスト77を剥離する。
【0062】
次に、図8(e)に示す様に、下段金属導体部61が形成された積層金属シート体71を包むようにシート状の樹脂絶縁層25を配置し、樹脂絶縁層25を下段金属導体部61及び積層金属シート体71に密着させる。
【0063】
次に、図9(a)に示す様に、例えばエキシマレーザやUVレーザやCO2レーザなどを用いたレーザ加工によって、樹脂絶縁層25の所定の位置(下段金属導体部61の上部)にビア穴37を形成する。次いで、過マンガン酸カリウム溶液などのエッチング溶液やO2プラズマを用いて、ビア穴37内のスミアを除去する。
【0064】
次に、図9(b)に示す様に、従来公知の手法に従って、無電解銅メッキ及び電解銅メッキを行うことにより、各ビア穴37内にビア導体39を形成する。更に、従来公知の手法(例えばセミアディティブ法)によってエッチングを行うことにより、樹脂絶縁層25の上に導体層33をパターン形成する。
【0065】
次に、図9(c)に示す様に、他の樹脂絶縁層27〜31及び導体層33についても、上述した樹脂絶縁層25及び導体層33と同様な手法によって順次形成する。そして、最外層の樹脂絶縁層31に対して、レーザ加工によって複数の表面開口部41を形成する。次いで、過マンガン酸カリウム溶液やO2プラズマを用いて、各表面開口部41内のスミアを除去する。
【0066】
次に、樹脂絶縁層25の上面に無電解銅メッキを行い、樹脂絶縁層31の表面開口部41内及び各樹脂絶縁層25〜31を覆う全面メッキ層(図示せず)を形成する。そして、配線積層部35の上面に、コンデンサ用端子パッド45の対応箇所に開口部を有する前記と同様なメッキレジスト(図示せず)を形成する。
【0067】
その後、メッキレジストを形成した基板表面に、選択的にパターンメッキを行うことで、図10(a)に示す様に、複数の表面開口部41の一部の内部に、ビア導体79を形成するとともに、ビア導体79の上部にコンデンサ用端子パッド45を形成する。その後、セミアディティブ法でパターニングすることによって、ビア導体79及びコンデンサ用端子パッド45を残しつつ、前記全面メッキ層を除去する。
【0068】
次に、配線積層部35をダイシング装置(図示せず)により、矢印部分で切断し、配線積層部35の周囲部分を除去する。
次に、図10(b)に示す様に、積層金属シート体71の一対の銅箔73、75を、その界面にて剥離することで、配線積層部35から基材69を除去して、銅箔73を露出させる。
【0069】
次に、図11(a)に示す様に、配線積層部35の下面側(第2主面側)において、下段金属導体部61を残しつつ銅箔73を部分的にエッチング除去することによって、上段金属導体部63を形成する。
【0070】
次に、図11(b)に示す様に、ICチップ用端子パッド15、コンデンサ用端子パッド45、母基板用端子パッド23の表面に対し、無電解ニッケルメッキ、無電解金メッキを順次施すことにより、ニッケル−金メッキ層43、47、64を形成し、積層基板5を完成する。
【0071】
<チップコンデンサ接合工程>
ここでは、積層基板5上のコンデンサ用端子パッド45にチップコンデンサ9を接合する方法について説明する。
【0072】
まず、図12(a)に要部を拡大して示す様に、上述した製造方法によって製造した積層基板5の上に、半田印刷用マスク81を配置する。この半田印刷用マスク81には、コンデンサ用端子パッド45に対応する位置に、コンデンサ用端子パッド45の平面形状と同様な形状の開口部83が形成してある。
【0073】
次に、図12(b)に示す様に、半田印刷用マスク81と印刷用の材料であるペースト状の接合材(接合用ペースト)85とを用いて周知の印刷を行って、接合体ペースト85を半田印刷用マスク81の開口部83に充填する。
【0074】
ここで、接合用ペースト85について説明する。
本実施例で用いる接合用ペースト85には、半田及び熱硬化性樹脂以外にペースト化するための成分など各種の成分(例えば有機溶剤、添加剤)が含まれている。ここでは、接合用ペーストの組成として、例えばSn−Bi系半田86重量%、熱硬化性樹脂である例えばエポキシ樹脂11重量%、その他の成分3重量%を採用できる。
【0075】
このうち、接合後の固体成分(即ち半田と熱硬化性樹脂)において、半田と熱硬化性樹脂との割合は、半田が50〜95重量%の範囲の内の例えば96重量%、熱硬化性樹脂が5〜50重量%の範囲内の例えば14重量%である。また、接合用ペースト85の粘度は、25℃で50Pa・s以上500Pa・s以下の範囲内の例えば250Pa・sである。
【0076】
次に、図12(c)に示す様に、半田印刷用マスク81を積層基板5から剥がす。これにより、コンデンサ用端子パッド45上に、接合用ペースト85が層状に配置された状態となる。
【0077】
次に、図12(d)に示す様に、一対のコンデンサ用端子パッド45上の接合用ペースト85の上に、チップコンデンサ9を載置して押圧する。詳しくは、チップコンデンサ9の一方(同図左側)のコンデンサ端子51を一方の接合用ペースト85に載置するとともに、他方(同図右側)のコンデンサ端子51を他方の接合用ペースト85に載置する。
【0078】
次に、図12(e)に示す様に、接合用ペースト85上にチップコンデンサ9を載置した状態で加熱することにより、チップコンデンサ9をコンデンサ用端子パッド45に接合する。
【0079】
詳しくは、例えば140〜230℃の範囲の加熱温度、5〜300秒の範囲の加熱時間に基づき設定された加熱プロファイルが適用される。ここでは、例えば180℃の加熱温度、180秒の加熱時間が設定される。なお、この加熱温度は、前述の半田の溶融温度及び熱硬化性樹脂のガラス転移温度よりも高くなるように設定されている。
【0080】
従って、本実施例では、接合用ペースト85中のエポキシ樹脂は、そのガラス転移点以上の温度(例えば120℃)に加熱されると軟化し、この軟化したエポキシ樹脂は、チップコンデンサ9の底面と積層基板5の間の間隙57の90%以上の体積を充填するように、間隙57に入り込む。
【0081】
その後、更に半田が溶融する温度(例えば140℃)に加熱されと、軟化したエポキシ樹脂中で半田が溶融して一体化し、この半田がコンデンサ用端子パッド45の全表面を覆って接触するとともに、コンデンサ端子51の底面の全面や側面の半分以上を覆って接触する(なお、冷却後に、この接触している箇所にて接合する)。それとともに、(冷却後)半田接合部53となる部分の外側全体がエポキシ樹脂で覆われる。そして、更に温度が上昇すると、その状態でエポキシ樹脂が硬化する。
【0082】
その後、温度が常温に下げられると、前記図12(e)に示した様に、半田接合部53の周囲が電気絶縁材55で覆われた様なチップコンデンサ9の接合構造が得られる。
<スティフナ接合工程>
ここでは、スティフナ11を積層基板5の第1主面に接合する方法について説明する。
【0083】
例えば銅からなる厚さ1mm金属板を、パンチング等によって前記図4に示す形状に加工して、スティフナ11を作製する。
そして、図13に示す様に、このスティフナ11を積層基板5の第1主面側に接合する。具体的には、例えばスティフナ11の裏側(積層基板5に接合する側)に、例えばアクリル系樹脂からなる接着剤を塗布し、この接着剤を塗布したスティフナ11を、積層基板5の第1主面に押圧して接合する。
【0084】
これにより、前記図1に示す様に、積層基板5の第1主面側に、チップコンデンサ9が接合されるとともに、チップコンデンサ9を避けて、接着剤層91によってスティフナ11が接合された配線基板1が得られる。
【0085】
c)この様に、本実施例では、積層基板5上に凸状に設けられたコンデンサ用端子パッド45の全表面が半田によって隙間無く覆われており、この半田がコンデンサ端子51にも接合している。そのため、コンデンサ用端子パッド45と半田とが(従ってコンデンサ用端子パッド45とチップコンデンサ9とが)確実に接合されるとともに、導通が十分に確保されている。つまり、半田とコンデンサ用端子パッド45の接合信頼性、ひいてはコンデンサ用端子パッド45とチップコンデンサ9との接合信頼性が極めて高いという顕著な効果を奏する。
【0086】
また、本実施例では、半田の表面が、(電気絶縁性を有する)エポキシ樹脂で覆われているとともに、積層基板5とチップコンデンサ9との間の間隙57が、エポキシ樹脂によって充填されているので、つまり、積層基板5とチップコンデンサ9との間に隙間が無いように、エポキシ樹脂によって充填されているので、配線基板1の強度が高く、しかも、配線基板1に反りが発生し難いという効果がある。
【0087】
更に、チップコンデンサ9を実装した後に、加熱によって半田が再溶融した場合でも、積層基板5とチップコンデンサ9との間に隙間が無いようにエポキシ樹脂が充填されているので、隙間に半田が流入することはなく、よって、ショートが発生し難いという利点がある。
【0088】
しかも、本実施例では、積層基板5の表面において、板状のスティフナ11がチップコンデンサ9の外周側に接合されている。これにより、配線基板1の強度が高まるという効果があり、特に配線基板1がコアレス基板の場合に好適である。
【0089】
その上、本実施例では、接合用ペースト5の成分として用いるエポキシ樹脂のガラス転移温度が半田の融点以下である。これにより、加熱によって半田が溶融する前に、エポキシ樹脂を軟化させることができるので、軟化したエポキシ樹脂中で半田を溶融させて、積層基板5のコンデンサ用端子パッド45やコンデンサ端子51に接合させることができる。
【0090】
また、上述した構成の配線基板1を製造する場合には、コンデンサ用端子パッド45とコンデンサ端子51との間に接合用ペースト85を配置し、加熱することによって、接合用ペースト85中の半田が溶融するので(そしてその後固化するので)、半田によって、コンデンサ用端子パッド45とコンデンサ端子51とを接合するとともに、コンデンサ用端子パッド45の全表面を覆うことができる。また、加熱によって、接合用ペースト85中のエポキシ樹脂が軟化し(その後固化して)、半田の表面を覆うことができる。
【0091】
更に、本実施例では、接合用ペースト85の成分の5〜50重量%である。よって、半田によって容易にコンデンサ用端子パッド45の全表面を覆うとともに、コンデンサ用端子パッド45とチップコンデンサ9とを強固に接合することができる。また、エポキシ樹脂によって容易に半田の表面を覆うことができるとともに、積層基板5とチップコンデンサ9との間の間隙57を充填することができる。
【0092】
しかも、この接合用ペースト85の粘度は、25℃で50Pa・s以上500Pa・s以下であるので、適度な流動性及び接合性を有する。よって、コンデンサ用端子パッド45上に配置した接合用ペースト85上にチップコンデンサ9を載置した場合に、接合用ペースト85が好適にチップコンデンサ9の周囲に広がって、その後の加熱の際に、溶融した半田や軟化したエポキシ樹脂が好適に流動するという利点がある。
【0093】
なお、本発明は、前記実施例に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。
【符号の説明】
【0094】
1…電子部品付き配線基板
3…ICチップ
5…積層基板
11…スティフナ
25、27、29、31…樹脂絶縁層
33…導体
45…コンデンサ用端子パッド
53…半田接合部
55…電気絶縁材
56…接合材
57…間隙
85…接合用ペースト
【技術分野】
【0001】
本発明は、導体層と樹脂絶縁層とが交互に積層されたコアレス基板等の積層基板の端子パッドに、半田と電気絶縁材とを含む接合材によってチップコンデンサ等の電子部品が実装された電子部品付き配線基板及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、例えばチップコンデンサー(CP)の様な電子部品を例えば半導体パッケージの様な配線基板に実装する方法として、配線基板に形成された端子パッドに、電子部品に設けられた端子やバンプを半田によって接合する方法が広く知られている。
【0003】
この半田接合による電子部品の実装方法としては、熱硬化性樹脂中に半田粒子を混入した接合材を用いる方法が知られている。この方法では、電子部品の搭載に先立って、端子パッドに予め接合材を供給しておき、電子部品の搭載後に配線基板を加熱することによって、半田粒子を溶融・固化させて半田接合部を形成するとともに、熱硬化性樹脂を軟化・硬化させて樹脂層を形成している。これによって、電子部品の端子やバンプを配線基板の端子パッドと半田接合により導通させるとともに、硬化した熱硬化性樹脂によって半田接合部を覆って補強している(特許文献1、2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−140924号公報
【特許文献2】特開2010−161419号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来技術の場合には、端子パッドに半田が接合する場合の接合信頼性が十分ではなく、従って、電子部品が半田によって端子パッドに接合する場合の接合信頼性が十分でないという問題があった。特に端子パッドが配線基板の表面上に凸状に張り出している場合の半田の接合信頼性や電子部品の接合信頼性については、十分な検討がなされていないのが現状である。
【0006】
更に、端子パッドが基板表面から張り出している場合には、配線基板と電子部品との間の間隔が大きく、接合材を溶融して電子部品を配線基板に実装する際に 電子部品と配線基板との間に隙間が生じ易いという問題もあった。
【0007】
つまり、隙間に樹脂が十分に入り込まない場合には、配線基板の強度不足や反りが発生する恐れがあり、また、電子部品を実装した後に再加熱する工程がある場合には、半田が再溶融して前記隙間に入ると、ショートが発生する恐れがある。
【0008】
本発明は、こうした問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、端子パッドに電子部品を接合する際の接合信頼性を高めるとともに、配線基板の強度不足や反りの発生の防止、更には半田の再溶融によるショートを防止できる電子部品付き配線基板及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)本発明は、請求項1に記載の様に、導体層と樹脂絶縁層とが交互に積層されてなる積層基板上の端子パッドに、半田と樹脂製の電気絶縁材とを含む接合材によって、電子部品が実装された電子部品付き配線基板において、前記端子パッドは前記積層基板の表面に凸状に設けられ、前記端子パッドと前記電子部品の端子とが、前記半田によって接合されるとともに、前記端子パッドの全表面が前記半田で覆われており、且つ、前記半田の表面が、前記電気絶縁材で覆われているとともに、前記積層基板と前記電子部品との間の間隙が、前記電気絶縁材によって充填されていることを特徴とする。
【0010】
本発明では、積層基板上に凸状に設けられた端子パッドの全表面(例えば層状の端子パッドの場合には側面や上面)が半田によって隙間無く覆われており、この半田が電子部品の端子にも接合している。そのため、端子パッドと半田とが(従って端子パッドと電子部品とが)確実に接合されるとともに、導通が十分に確保されている。つまり、本発明では、半田と端子パッドの接合信頼性、ひいては端子パッドと電子部品との接合信頼性が極めて高いという顕著な効果を奏する。
【0011】
なお、ここで、接合信頼性とは、例えば端子パッドや電子部品に外力が加わった場合や長期間にわたる使用の場合においても、(端子パッドと半田との)接合面が剥がれ難く、長期間に渡り確実な導電性及び接合性を確保できることをいう。
【0012】
また、本発明では、半田の表面が、電気絶縁材で覆われているとともに、積層基板と電子部品との間の間隙が、電気絶縁材によって充填されているので、つまり、積層基板と電子部品との間に隙間が無いように、電気絶縁材によって充填されているので、配線基板の強度が高く、しかも、配線基板に反りが発生し難いという効果がある。
【0013】
更に、電子部品を実装した後に、加熱によって半田が再溶融した場合でも、積層基板と電子部品との間に隙間が無いように、電気絶縁材が充填されているので、隙間に半田が流入することはなく、よって、ショートが発生し難いという利点がある。
【0014】
なお、積層基板と電子部品との間の隙間には、微細なボイドが含まれる場合もある。しかし、積層基板と電子部品との間の隙間のうち90%以上の体積が電気絶縁材で充填されていれば、ショートの発生を防止できる。
【0015】
ここで、前記積層基板としては、(コア基板を取り除いた)コアレス基板を採用できる。
前記電子部品としては、チップコンデンサ(CP)、インダクタ、フィルタ、抵抗などが挙げられる。
【0016】
前記導体層及び前記端子パッドの形成材料としては、銅、銅合金、ニッケル、ニッケル合金、スズ、スズ合金などを採用できる。この導体層及び端子パッドは、サブトラクティブ法、セミアディティブ法、フルアディティブ法などといった公知の手法によって形成することができる。例えば、銅箔のエッチング、無電解銅メッキあるいは電解銅メッキなどの手法が適用される。なお、スパッタやCVD等の手法により薄膜を形成した後にエッチングを行うことで導体層や端子パッドを形成したり、導電性ペースト等の印刷により導体層や端子パッドを形成することもできる。
【0017】
前記樹脂絶縁層は、絶縁性、耐熱性、耐湿性等を考慮して適宜選択することができる。この樹脂絶縁層を形成するための高分子材料の好適例としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂などの熱硬化性樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリプロピレン樹脂などの熱可塑性樹脂等が挙げられる。そのほか、これらの樹脂とガラス繊維(ガラス織布やガラス不織布)やポリアミド繊維等の有機繊維との複合材料、あるいは、連続多孔質PTFE等の三次元網目状フッ素系樹脂基材にエポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂を含浸させた樹脂−樹脂複合材料等を使用してもよい。
【0018】
前記接合材中の半田の材料としては、90Pb−10Sn、95Pb−5Sn、40Pb−60SnなどのPb−Sn系半田、Sn−Bi系半田、Sn−Sb系半田、Sn−Ag系半田、Sn−Ag−Cu系半田、Au−Ge系半田、Au−Sn系半田などの半田が挙げられる。
【0019】
前記接合材中の電気絶縁材としては、熱硬化性樹脂が挙げられる。この熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂が好適に使用でき、エポキシ樹脂の種類としては、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、多官能型、脂環式型、ビフェニル型などを採用できる。なお、熱硬化性樹脂として、エポキシ樹脂以外にも、アクリル樹脂、オキセタン樹脂、ポリイミド樹脂、イソシアネート樹脂などを用いてもよい。
【0020】
(2)本発明では、請求項2に記載の様に、積層基板の表面において、積層基板の強度を高める板状のスティフナ(補強板)を、電子部品の外周側に接合することが好ましい。
これにより、配線基板の強度が高まるという効果があり、特に配線基板がコアレス基板の場合に好適である。
【0021】
前記スティフナは、積層基板を構成する材料よりも高剛性であることが好ましい。その理由は、スティフナ自体に高い剛性が付与されていれば、それを面接合することで配線基板に高い剛性を付与することができ、外部から加わる応力に対していっそう強くなるからである。また、高い剛性を有するスティフナであれば、スティフナを薄くしても配線基板に十分高い剛性を付与することができるため、スティフナ付きの配線基板全体の薄肉化を阻害しないからである。
【0022】
このスティフナとしては、積層基板の熱膨張率や要求される剛性を勘案して材質や寸法を決定すればよく、例えば、剛性の高い金属材料やセラミック材料を用いて形成することが好ましく、また、樹脂材料や樹脂材料中に無機材料を含有させた複合材料によって形成するものでもよい。
【0023】
前記スティフナを構成する金属材料としては、鉄、金、銀、銅、銅合金、鉄ニッケル合金、珪素、ガリウム砒素などがある。また、セラミック材料としては、例えばアルミナ、ガラスセラミック、結晶化ガラス等の低温焼成材料、窒化アルミニウム、炭化珪素、窒化珪素などがある。更に、樹脂材料としては、エポキシ樹脂、ポリブテン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリイミド樹脂、ビスマレイミド・トリアジン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体(ABS樹脂)などがある。
【0024】
また、スティフナは、積層基板の主面に接合されるが、接合の手法は特に限定されることはなく、スティフナを形成している材料の性質、形状等に合った周知の手法を採用することができる。例えば、スティフナの接合面を、積層基板主面に対して接着剤を介して接合することが好ましい。このようにすれば、積層基板に対してスティフナを確実かつ容易に接合することができる。なお、接着剤としては、アクリル系接着剤、エポキシ系接着剤、シアノアクリレート系接着剤、ゴム系接着剤などが挙げられる。
【0025】
(3)本発明では、請求項3に記載の様に、電気絶縁材として、熱硬化性樹脂からなり、そのガラス転移温度が半田の融点以下の材料を採用できる。
これにより、加熱によって半田が溶融する前に、熱硬化性樹脂を軟化させることができる。よって、軟化した熱硬化性樹脂中で半田を溶融させて、積層基板の端子パッドや電子部品の端子に接合させることができる。
【0026】
前記熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂が好適であり、それ以外に、アクリル樹脂、オキセタン樹脂、ポリイミド樹脂、イソシアネート樹脂等を採用できる。
前記ガラス転移点としては、80〜220℃の範囲が挙げられ、半田の融点としては、120〜230℃の範囲が挙げられる。
【0027】
(4)本発明では、請求項4に記載の様に、導体層と樹脂絶縁層とが交互に積層されてなる積層基板上の端子パッドに、半田と樹脂製の電気絶縁材とを含む接合材を用いて、電子部品を実装する電子部品付き配線基板の製造方法において、前記端子パッドは前記積層基板の表面に凸状に設けられたものであり、前記端子パッドと前記電子部品の端子との間に前記接合材を配置し、加熱することによって、前記半田を溶融させるとともに前記電気絶縁材を軟化させ、前記半田によって、前記端子パッドと前記電子部品の端子とを接合するとともに、前記端子パッドの全表面を覆い、且つ、前記電気絶縁材によって、前記半田の表面を覆うとともに、前記積層基板と前記電子部品との間の間隙を充填することを特徴とする。
【0028】
本発明では、端子パッドと電子部品の端子との間に例えばペースト状の接合材を配置し、加熱することによって、接合材中の半田が溶融し(その後固化して)、半田によって、端子パッドと電子部品の端子とを接合するとともに、端子パッドの全表面を覆うことができる。また、加熱によって、接合材中の電気絶縁材が軟化し(その後硬化して)、半田の表面を覆うことができる。
【0029】
従って、この製造方法によって製造された配線基板は、端子パッドと電子部品とが確実に接合されるとともに、導通が十分に確保されている。即ち、接合信頼性が高いという効果がある。また、(固化した)半田の表面が電気絶縁材で覆われているので、半田の外部との絶縁性が高いという利点がある。
【0030】
更に、本発明では、接合材を加熱することによって、接合材中の電気絶縁材を軟化させ、この電気絶縁材によって、半田の表面を覆うとともに、積層基板と電子部品との間の間隙を充填することができる。
【0031】
従って、この製造方法によって製造された配線基板は、積層基板と電子部品との間に隙間が無いように電気絶縁材によって充填されているので、配線基板の強度が高く、しかも、配線基板に反りが発生し難いという効果がある。更に、電子部品を実装した後に、加熱によって半田が再溶融した場合でも、隙間に半田が流入することはなく、よって、ショートが発生し難いという利点がある。
【0032】
ここで、前記接合材としては、熱硬化性樹脂等の樹脂に半田(半田粒子等)を含有させたペースト状のものを採用できる。また、この接合材中には、樹脂や半田以外に、各種の成分を含んでいてもよい。例えば、樹脂として熱硬化性樹脂を用いる場合には、熱硬化性樹脂及び半田以外に、熱硬化性樹脂の硬化剤、半田の酸化膜を除去する活性作用付与する活性剤、ペーストのチクソ性を調整するチクソ剤、その他の添加剤が添加されているものを採用できる。これらの配合量は、接合材に含有される半田の含有量、半田の粒径および接合対象の酸化の進行度合いなどに応じて適宜調整される。
【0033】
前記熱硬化性樹脂としては、上述の様に、エポキシ樹脂が好適に使用され、エポキシ樹脂の種類としては、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、多官能型、脂環式型、ビフェニル型などを採用できる。
【0034】
前記硬化剤は、使用される熱硬化性樹脂に対応した種類のものが選定され、エポキシ樹脂の場合には、イミダゾール類、酸無水物類、アミン類、ヒドラジド類、マイクロカプセル型硬化剤などが選定される。前記活性剤としては、無機ハライド、アミン、有機酸など、一般的なクリーム半田に使用されるものを採用できる。前記チクソ剤としては、一般的に電子材料用の接着剤に使用される無機系微粉末が配合される。
【0035】
さらに、添加剤として、シランカップリング剤、有機溶剤、可撓材、顔料、触媒などが、必要に応じて配合される。シランカップリング剤は密着性を向上させる目的で配合され、有機溶剤は接合材の粘度を調整するために用いられる。
【0036】
(5)本発明では、請求項5に記載の様に、ペースト状の接合材のうち、加熱後の冷却によって固体となる成分として、半田が50〜95重量%、樹脂製の電気絶縁材が5〜50重量%の構成を採用でき、さらに好ましくは、半田が80〜90重量%、樹脂製の電気絶縁体が10〜20重量%の構成を採用できる。
【0037】
この構成により、半田によって容易に端子パッドの全表面を覆うとともに、端子パッドと電子部品とを強固に接合することができる。また、電気絶縁材によって容易に半田の表面を覆うことができるとともに、積層基板と電子部品との間の間隙を充填することができる。
【0038】
(6)本発明では、請求項6に記載の様に、接合材の粘度として、25℃で50Pa・s以上500Pa・s以下のものを採用でき、更に好ましくは、25℃で200Pa・s以上250Pa・s以下のものを採用できる。
【0039】
この粘度であれば、接合材は適度な流動性及び接合性を有するので、端子パッド上に配置した接合材上に電子部品を載置した場合に、接合材が好適に電子部品の周囲に広がって、その後の加熱の際に、溶融した半田や軟化した電気絶縁材が好適に流動するという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】配線基板の断面図(図2のA−A断面)である。
【図2】配線基板の第1主面側を示す平面図である。
【図3】積層基板の第1主面側を示す平面図である。
【図4】スティフナを示す平面図である。
【図5】積層基板の第2主面側を示す底面図である。
【図6】積層基板の縦断面(主面に垂直な断面)の一部を拡大して示す断面図である。
【図7】チップコンデンサ及びその周囲の縦断面を示す説明図である。
【図8】(a)、(b)、(c)、(d)、(e)は、配線基板の製造方法の手順を各部材を縦方向に破断して示す説明図である。
【図9】(a)、(b)、(c)は、配線基板の製造方法の手順を各部材を縦方向に破断して示す説明図である。
【図10】(a)、(b)は、配線基板の製造方法の手順を各部材を縦方向に破断して示す説明図である。
【図11】(a)、(b)は、配線基板の製造方法の手順を各部材を縦方向に破断して示す説明図である。
【図12】(a)、(b)、(c)、(d)、(e)は、チップコンデンサを接合する際の手順を示す説明図である。
【図13】スティフナの接合方法を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下、本発明が適用される実施例について図面を用いて説明する。
【実施例】
【0042】
ここでは、コアレス基板の一方の主面に、チップコンデンサを実装するとともにスティフナを接合した電子部品付き配線基板を例に挙げて説明する。
a)まず、本実施例の電子部品付き配線基板(以下単に配線基板と記す)の構成について、図1〜図7に基づいて説明する。
【0043】
図1に示す様に、本実施例の配線基板1は、ICチップ3を実装するための半導体パッケージであり、この配線基板1は、主として、コア基板を含まずに形成されたコアレス基板(積層基板)5を備えている。この積層基板5の一方の主面側(第1主面:図1上側)には、即ちICチップ3が実装される側には、ICチップ3の実装領域7の周囲に、多数のチップコンデンサ(CP)9が実装されるとともに、補強板(スティフナ)11が接合されている。
【0044】
以下、各構成について詳しく説明する。
図2及び図3に示す様に、積層基板5の第1主面側には、その中央に、略正方形の実装領域7が設けられており、この実装領域7には、ICチップ3を積層基板5に接合するための半田バンプ13(図1参照)が形成されるICチップ用端子パッド15がアレイ状に複数形成されている。
【0045】
また、同第1主面側には、実装領域7の周囲(四方)に、各辺に沿って多数のチップコンデンサ9が実装されている。
更に、同第1主面側には、ICチップ3の実装領域7及びチップコンデンサ9の長方形状の実装領域17以外を覆うように、例えば銅からなる正方形のスティフナ11が接合されている。つまり、図4に示す様に、スティフナ11の中央には、ICチップ3の実装領域7に対応して正方形の第1開口部19が設けられているとともに、この第1開口部19の周囲には、チップコンデンサ9の実装領域17に対応して複数の長方形の第2開口部21が設けられている。
【0046】
一方、図5に示す様に、積層基板5の裏側(第2主面側)には、図示しないマザーボード(母基板)を接合するためのLGA(ランドグリッドアレイ)が形成される母基板用端子パッド23がアレイ状に複数形成されている。
【0047】
また、図6に一部を拡大して示す様に、前記積層基板5は、同じ樹脂絶縁材料(電気絶縁材)を主体とした複数層(例えば4層)の樹脂絶縁層25、27、29、31と銅からなる導体層33とを交互に積層した配線積層部35を有している。
【0048】
前記樹脂絶縁層25〜31は、光硬化性を付与していない樹脂絶縁材料、具体的には、熱硬化性エポキシ樹脂の硬化体を主体としたビルドアップ材を用いて形成されている。
この樹脂絶縁層25〜31には、それぞれビア穴37及びビア導体39が設けられている。ビア導体39は、第1主面側が拡大する形状を有し、導体層33、ICチップ用端子パッド15、母基板用端子パッド23を、相互に電気的に接続している。
【0049】
配線積層部35の第1主面側において、最外層の樹脂絶縁層31には、複数の表面開口部41が形成されるとともに、表面開口部41内には、樹脂絶縁層31の外側表面よりも低くなるようにICチップ用端子パッド15が形成されている。なお、ICチップ用端子パッド15は、主体の銅層の上面のみを銅以外のメッキ層(ニッケル−金メッキ)43で覆った構造を有している。
【0050】
また、前記積層基板5の第1主面側には、チップコンデンサ9が接合されるコンデンサ用端子パッド45が形成されており、このコンデンサ用端子パッド45は、銅層を主体に構成されており、その上面の高さが樹脂絶縁層31の表面より高くなるように凸状(板状)に形成されている。
【0051】
前記コンデンサ用端子パッド45は、主体の銅層の上面及び側面を銅以外のメッキ層(ニッケル−金メッキ)47で覆った構造を有しており、このコンデンサ用端子パッド45には、図7に拡大して示す様に、チップコンデンサ9が接続されている。
【0052】
つまり、チップコンデンサ9は、中央部49の両端にコンデンサ端子51を備えたものであり、このコンデンサ端子51とコンデンサ用端子パッド45とは半田からなる半田接合部53によって接合されている。
【0053】
詳しくは、コンデンサ用端子パッド45の側面及び上面(即ち全表面)は、例えばSn−Bi系半田からなる半田によって覆われているとともに、コンデンサ端子51の底面及び側面の大部分も半田によって覆われている。これによって、コンデンサ用端子パッド45とチップコンデンサ9とが、電気的に接続されるとともに、強固に一体に接合されている。なお、半田接合部53は、コンデンサ端子51の側面から積層基板5の表面に到るように、即ち積層基板5側ほど面積が広がるようなフィレット形状となっている。
【0054】
また、半田接合部53の表面全体は、例えばエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂からなる電気絶縁材55よって覆われているとともに、熱硬化性樹脂は、半田接合部53の外周側の積層基板5の表面にも接合している。更に、チップコンデンサ9の底面と積層基板5の上面との間にある間隙57にも、隙間無く熱硬化性樹脂が充填されている。これによって、積層基板5とチップコンデンサ9とが、強固に接合されるとともに、外部に対して高い絶縁性を有している。
【0055】
つまり、上述した半田接合部53と電気絶縁材55との構成(固化した接合材56の構成)によって、コンデンサ用端子パッド45とチップコンデンサ9との電気的導通が確保されるとともに、積層基板5とチップコンデンサ9とが強固に接合されている。
【0056】
なお、ここでは、熱硬化性樹脂として、そのガラス転移温度が半田の融点以下の材料を用いている。例えばガラス転移点としては、80〜220℃の範囲の例えば95℃のものを用い、半田の融点としては、120〜230℃の範囲の例えば139℃のSn−Bi系半田を用いている。
【0057】
前記図6に戻り、前記配線積層部35の下面側(第2主面側)において、最外層の樹脂絶縁層25には、複数の裏側開口部59が形成されるとともに、それらの裏側開口部59に対応して母基板用端子パッド23が配置されている。具体的には、母基板用端子パッド23は、裏側開口部59内に位置する下段金属導体部61と、下段金属導体部61及びその周囲を覆う上段金属導体部63との2段構造を有している。なお、母基板用端子パッド23は、主体の銅層の上面及び側面を銅以外のメッキ層(ニッケル−金メッキ)64で覆った構造を有している。
【0058】
b)次に、本実施例の配線基板1の製造方法、図8〜図13に基づいて説明する。
<積層基板製造工程>
まず、十分な強度を有する支持基板(ガラスエポキシ基板など)を準備し、その支持基板上に、樹脂絶縁層25〜31及び導体層33をビルドアップして、配線積層部35を形成する
詳しくは、図8(a)に示す様に、支持基板65上に、エポキシ樹脂からなるシート状の絶縁樹脂基材を貼り付けて下地樹脂絶縁層67を形成することにより、基材69を作製する。
【0059】
次に、図8(b)に示す様に、基材69の上面に、積層金属シート体71を配置する。この積層金属シート体71は、2枚の銅箔73、75を剥離可能に密着させたものである。
【0060】
次に、図8(c)に示す様に、積層金属シート体71の上面に、下段金属導体部61を形成するために、下段金属導体部61の形状に対応したメッキレジスト77を形成する。
具体的には、積層金属シート体71の上面に、メッキレジスト77形成用のドライフィルムをラミネートし、このドライフィルムの露光及び現像を行って、メッキレジスト77を形成する。
【0061】
次に、図8(d)に示す様に、メッキレジスト77を形成した状態で、選択的に電解銅メッキを行って、積層金属シート体71上に下段金属導体部61を形成した後、メッキレジスト77を剥離する。
【0062】
次に、図8(e)に示す様に、下段金属導体部61が形成された積層金属シート体71を包むようにシート状の樹脂絶縁層25を配置し、樹脂絶縁層25を下段金属導体部61及び積層金属シート体71に密着させる。
【0063】
次に、図9(a)に示す様に、例えばエキシマレーザやUVレーザやCO2レーザなどを用いたレーザ加工によって、樹脂絶縁層25の所定の位置(下段金属導体部61の上部)にビア穴37を形成する。次いで、過マンガン酸カリウム溶液などのエッチング溶液やO2プラズマを用いて、ビア穴37内のスミアを除去する。
【0064】
次に、図9(b)に示す様に、従来公知の手法に従って、無電解銅メッキ及び電解銅メッキを行うことにより、各ビア穴37内にビア導体39を形成する。更に、従来公知の手法(例えばセミアディティブ法)によってエッチングを行うことにより、樹脂絶縁層25の上に導体層33をパターン形成する。
【0065】
次に、図9(c)に示す様に、他の樹脂絶縁層27〜31及び導体層33についても、上述した樹脂絶縁層25及び導体層33と同様な手法によって順次形成する。そして、最外層の樹脂絶縁層31に対して、レーザ加工によって複数の表面開口部41を形成する。次いで、過マンガン酸カリウム溶液やO2プラズマを用いて、各表面開口部41内のスミアを除去する。
【0066】
次に、樹脂絶縁層25の上面に無電解銅メッキを行い、樹脂絶縁層31の表面開口部41内及び各樹脂絶縁層25〜31を覆う全面メッキ層(図示せず)を形成する。そして、配線積層部35の上面に、コンデンサ用端子パッド45の対応箇所に開口部を有する前記と同様なメッキレジスト(図示せず)を形成する。
【0067】
その後、メッキレジストを形成した基板表面に、選択的にパターンメッキを行うことで、図10(a)に示す様に、複数の表面開口部41の一部の内部に、ビア導体79を形成するとともに、ビア導体79の上部にコンデンサ用端子パッド45を形成する。その後、セミアディティブ法でパターニングすることによって、ビア導体79及びコンデンサ用端子パッド45を残しつつ、前記全面メッキ層を除去する。
【0068】
次に、配線積層部35をダイシング装置(図示せず)により、矢印部分で切断し、配線積層部35の周囲部分を除去する。
次に、図10(b)に示す様に、積層金属シート体71の一対の銅箔73、75を、その界面にて剥離することで、配線積層部35から基材69を除去して、銅箔73を露出させる。
【0069】
次に、図11(a)に示す様に、配線積層部35の下面側(第2主面側)において、下段金属導体部61を残しつつ銅箔73を部分的にエッチング除去することによって、上段金属導体部63を形成する。
【0070】
次に、図11(b)に示す様に、ICチップ用端子パッド15、コンデンサ用端子パッド45、母基板用端子パッド23の表面に対し、無電解ニッケルメッキ、無電解金メッキを順次施すことにより、ニッケル−金メッキ層43、47、64を形成し、積層基板5を完成する。
【0071】
<チップコンデンサ接合工程>
ここでは、積層基板5上のコンデンサ用端子パッド45にチップコンデンサ9を接合する方法について説明する。
【0072】
まず、図12(a)に要部を拡大して示す様に、上述した製造方法によって製造した積層基板5の上に、半田印刷用マスク81を配置する。この半田印刷用マスク81には、コンデンサ用端子パッド45に対応する位置に、コンデンサ用端子パッド45の平面形状と同様な形状の開口部83が形成してある。
【0073】
次に、図12(b)に示す様に、半田印刷用マスク81と印刷用の材料であるペースト状の接合材(接合用ペースト)85とを用いて周知の印刷を行って、接合体ペースト85を半田印刷用マスク81の開口部83に充填する。
【0074】
ここで、接合用ペースト85について説明する。
本実施例で用いる接合用ペースト85には、半田及び熱硬化性樹脂以外にペースト化するための成分など各種の成分(例えば有機溶剤、添加剤)が含まれている。ここでは、接合用ペーストの組成として、例えばSn−Bi系半田86重量%、熱硬化性樹脂である例えばエポキシ樹脂11重量%、その他の成分3重量%を採用できる。
【0075】
このうち、接合後の固体成分(即ち半田と熱硬化性樹脂)において、半田と熱硬化性樹脂との割合は、半田が50〜95重量%の範囲の内の例えば96重量%、熱硬化性樹脂が5〜50重量%の範囲内の例えば14重量%である。また、接合用ペースト85の粘度は、25℃で50Pa・s以上500Pa・s以下の範囲内の例えば250Pa・sである。
【0076】
次に、図12(c)に示す様に、半田印刷用マスク81を積層基板5から剥がす。これにより、コンデンサ用端子パッド45上に、接合用ペースト85が層状に配置された状態となる。
【0077】
次に、図12(d)に示す様に、一対のコンデンサ用端子パッド45上の接合用ペースト85の上に、チップコンデンサ9を載置して押圧する。詳しくは、チップコンデンサ9の一方(同図左側)のコンデンサ端子51を一方の接合用ペースト85に載置するとともに、他方(同図右側)のコンデンサ端子51を他方の接合用ペースト85に載置する。
【0078】
次に、図12(e)に示す様に、接合用ペースト85上にチップコンデンサ9を載置した状態で加熱することにより、チップコンデンサ9をコンデンサ用端子パッド45に接合する。
【0079】
詳しくは、例えば140〜230℃の範囲の加熱温度、5〜300秒の範囲の加熱時間に基づき設定された加熱プロファイルが適用される。ここでは、例えば180℃の加熱温度、180秒の加熱時間が設定される。なお、この加熱温度は、前述の半田の溶融温度及び熱硬化性樹脂のガラス転移温度よりも高くなるように設定されている。
【0080】
従って、本実施例では、接合用ペースト85中のエポキシ樹脂は、そのガラス転移点以上の温度(例えば120℃)に加熱されると軟化し、この軟化したエポキシ樹脂は、チップコンデンサ9の底面と積層基板5の間の間隙57の90%以上の体積を充填するように、間隙57に入り込む。
【0081】
その後、更に半田が溶融する温度(例えば140℃)に加熱されと、軟化したエポキシ樹脂中で半田が溶融して一体化し、この半田がコンデンサ用端子パッド45の全表面を覆って接触するとともに、コンデンサ端子51の底面の全面や側面の半分以上を覆って接触する(なお、冷却後に、この接触している箇所にて接合する)。それとともに、(冷却後)半田接合部53となる部分の外側全体がエポキシ樹脂で覆われる。そして、更に温度が上昇すると、その状態でエポキシ樹脂が硬化する。
【0082】
その後、温度が常温に下げられると、前記図12(e)に示した様に、半田接合部53の周囲が電気絶縁材55で覆われた様なチップコンデンサ9の接合構造が得られる。
<スティフナ接合工程>
ここでは、スティフナ11を積層基板5の第1主面に接合する方法について説明する。
【0083】
例えば銅からなる厚さ1mm金属板を、パンチング等によって前記図4に示す形状に加工して、スティフナ11を作製する。
そして、図13に示す様に、このスティフナ11を積層基板5の第1主面側に接合する。具体的には、例えばスティフナ11の裏側(積層基板5に接合する側)に、例えばアクリル系樹脂からなる接着剤を塗布し、この接着剤を塗布したスティフナ11を、積層基板5の第1主面に押圧して接合する。
【0084】
これにより、前記図1に示す様に、積層基板5の第1主面側に、チップコンデンサ9が接合されるとともに、チップコンデンサ9を避けて、接着剤層91によってスティフナ11が接合された配線基板1が得られる。
【0085】
c)この様に、本実施例では、積層基板5上に凸状に設けられたコンデンサ用端子パッド45の全表面が半田によって隙間無く覆われており、この半田がコンデンサ端子51にも接合している。そのため、コンデンサ用端子パッド45と半田とが(従ってコンデンサ用端子パッド45とチップコンデンサ9とが)確実に接合されるとともに、導通が十分に確保されている。つまり、半田とコンデンサ用端子パッド45の接合信頼性、ひいてはコンデンサ用端子パッド45とチップコンデンサ9との接合信頼性が極めて高いという顕著な効果を奏する。
【0086】
また、本実施例では、半田の表面が、(電気絶縁性を有する)エポキシ樹脂で覆われているとともに、積層基板5とチップコンデンサ9との間の間隙57が、エポキシ樹脂によって充填されているので、つまり、積層基板5とチップコンデンサ9との間に隙間が無いように、エポキシ樹脂によって充填されているので、配線基板1の強度が高く、しかも、配線基板1に反りが発生し難いという効果がある。
【0087】
更に、チップコンデンサ9を実装した後に、加熱によって半田が再溶融した場合でも、積層基板5とチップコンデンサ9との間に隙間が無いようにエポキシ樹脂が充填されているので、隙間に半田が流入することはなく、よって、ショートが発生し難いという利点がある。
【0088】
しかも、本実施例では、積層基板5の表面において、板状のスティフナ11がチップコンデンサ9の外周側に接合されている。これにより、配線基板1の強度が高まるという効果があり、特に配線基板1がコアレス基板の場合に好適である。
【0089】
その上、本実施例では、接合用ペースト5の成分として用いるエポキシ樹脂のガラス転移温度が半田の融点以下である。これにより、加熱によって半田が溶融する前に、エポキシ樹脂を軟化させることができるので、軟化したエポキシ樹脂中で半田を溶融させて、積層基板5のコンデンサ用端子パッド45やコンデンサ端子51に接合させることができる。
【0090】
また、上述した構成の配線基板1を製造する場合には、コンデンサ用端子パッド45とコンデンサ端子51との間に接合用ペースト85を配置し、加熱することによって、接合用ペースト85中の半田が溶融するので(そしてその後固化するので)、半田によって、コンデンサ用端子パッド45とコンデンサ端子51とを接合するとともに、コンデンサ用端子パッド45の全表面を覆うことができる。また、加熱によって、接合用ペースト85中のエポキシ樹脂が軟化し(その後固化して)、半田の表面を覆うことができる。
【0091】
更に、本実施例では、接合用ペースト85の成分の5〜50重量%である。よって、半田によって容易にコンデンサ用端子パッド45の全表面を覆うとともに、コンデンサ用端子パッド45とチップコンデンサ9とを強固に接合することができる。また、エポキシ樹脂によって容易に半田の表面を覆うことができるとともに、積層基板5とチップコンデンサ9との間の間隙57を充填することができる。
【0092】
しかも、この接合用ペースト85の粘度は、25℃で50Pa・s以上500Pa・s以下であるので、適度な流動性及び接合性を有する。よって、コンデンサ用端子パッド45上に配置した接合用ペースト85上にチップコンデンサ9を載置した場合に、接合用ペースト85が好適にチップコンデンサ9の周囲に広がって、その後の加熱の際に、溶融した半田や軟化したエポキシ樹脂が好適に流動するという利点がある。
【0093】
なお、本発明は、前記実施例に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。
【符号の説明】
【0094】
1…電子部品付き配線基板
3…ICチップ
5…積層基板
11…スティフナ
25、27、29、31…樹脂絶縁層
33…導体
45…コンデンサ用端子パッド
53…半田接合部
55…電気絶縁材
56…接合材
57…間隙
85…接合用ペースト
【特許請求の範囲】
【請求項1】
導体層と樹脂絶縁層とが交互に積層されてなる積層基板上の端子パッドに、半田と樹脂製の電気絶縁材とを含む接合材によって、電子部品が実装された電子部品付き配線基板において、
前記端子パッドは前記積層基板の表面に凸状に設けられ、該端子パッドと前記電子部品の端子とが、前記半田によって接合されるとともに、前記端子パッドの全表面が前記半田で覆われており、
且つ、前記半田の表面が、前記電気絶縁材で覆われているとともに、前記積層基板と前記電子部品との間の間隙が、前記電気絶縁材によって充填されていることを特徴とする電子部品付き配線基板。
【請求項2】
前記積層基板の表面において、前記積層基板の強度を高める板状のスティフナが前記電子部品の外周側で接合されてなることを特徴とする請求項1に記載の電子部品付き配線基板。
【請求項3】
前記電気絶縁材は、熱硬化性樹脂からなり、そのガラス転移温度が前記半田の融点以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子部品付き配線基板。
【請求項4】
導体層と樹脂絶縁層とが交互に積層されてなる積層基板上の端子パッドに、半田と樹脂製の電気絶縁材とを含む接合材を用いて、電子部品を実装する電子部品付き配線基板の製造方法において、
前記端子パッドは前記積層基板の表面に凸状に設けられたものであり、
該端子パッドと前記電子部品の端子との間に前記接合材を配置し、加熱することによって、前記半田を溶融させるとともに前記電気絶縁材を軟化させ、
前記半田によって、前記端子パッドと前記電子部品の端子とを接合するとともに、前記端子パッドの全表面を覆い、
且つ、前記電気絶縁材によって、前記半田の表面を覆うとともに、前記積層基板と前記電子部品との間の間隙を充填することを特徴とする電子部品付き配線基板の製造方法。
【請求項5】
前記接合材はペースト状であり、該接合材のうち、前記加熱後の冷却によって固体となる成分は、前記半田が50〜95重量%、前記樹脂製の電気絶縁材が5〜50重量%であることを特徴とする請求項4に記載の電子部品付き配線基板の製造方法。
【請求項6】
前記接合材の粘度は、25℃で50Pa・s以上500Pa・s以下であることを特徴とする請求項4に記載の電子部品付き配線基板の製造方法。
【請求項1】
導体層と樹脂絶縁層とが交互に積層されてなる積層基板上の端子パッドに、半田と樹脂製の電気絶縁材とを含む接合材によって、電子部品が実装された電子部品付き配線基板において、
前記端子パッドは前記積層基板の表面に凸状に設けられ、該端子パッドと前記電子部品の端子とが、前記半田によって接合されるとともに、前記端子パッドの全表面が前記半田で覆われており、
且つ、前記半田の表面が、前記電気絶縁材で覆われているとともに、前記積層基板と前記電子部品との間の間隙が、前記電気絶縁材によって充填されていることを特徴とする電子部品付き配線基板。
【請求項2】
前記積層基板の表面において、前記積層基板の強度を高める板状のスティフナが前記電子部品の外周側で接合されてなることを特徴とする請求項1に記載の電子部品付き配線基板。
【請求項3】
前記電気絶縁材は、熱硬化性樹脂からなり、そのガラス転移温度が前記半田の融点以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子部品付き配線基板。
【請求項4】
導体層と樹脂絶縁層とが交互に積層されてなる積層基板上の端子パッドに、半田と樹脂製の電気絶縁材とを含む接合材を用いて、電子部品を実装する電子部品付き配線基板の製造方法において、
前記端子パッドは前記積層基板の表面に凸状に設けられたものであり、
該端子パッドと前記電子部品の端子との間に前記接合材を配置し、加熱することによって、前記半田を溶融させるとともに前記電気絶縁材を軟化させ、
前記半田によって、前記端子パッドと前記電子部品の端子とを接合するとともに、前記端子パッドの全表面を覆い、
且つ、前記電気絶縁材によって、前記半田の表面を覆うとともに、前記積層基板と前記電子部品との間の間隙を充填することを特徴とする電子部品付き配線基板の製造方法。
【請求項5】
前記接合材はペースト状であり、該接合材のうち、前記加熱後の冷却によって固体となる成分は、前記半田が50〜95重量%、前記樹脂製の電気絶縁材が5〜50重量%であることを特徴とする請求項4に記載の電子部品付き配線基板の製造方法。
【請求項6】
前記接合材の粘度は、25℃で50Pa・s以上500Pa・s以下であることを特徴とする請求項4に記載の電子部品付き配線基板の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−104557(P2012−104557A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−249871(P2010−249871)
【出願日】平成22年11月8日(2010.11.8)
【出願人】(000004547)日本特殊陶業株式会社 (2,912)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月8日(2010.11.8)
【出願人】(000004547)日本特殊陶業株式会社 (2,912)
【Fターム(参考)】
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