説明

電子部品実装機

【課題】全部品取出順序を遵守しつつ、実装時間を短縮化することが可能な電子部品実装機を提供することを課題とする。
【解決手段】電子部品実装機1は、複数の供給位置f1〜f9を有する部品供給装置5と、複数の吸着ノズルn1〜n8により、供給位置f1〜f9から装着座標a1〜a8まで、所定の搬送数の電子部品Pを一度に搬送する装着ヘッド32と、制御装置7と、を備える。全ての電子部品Pの供給位置f1〜f9からの取出順序である全部品取出順序L1は、予め設定されている。制御装置7は、全部品取出順序L1を遵守すると共に、搬送数内において、一度に搬送する電子部品Pの、供給位置f1〜f9からの取出順序を、任意に設定可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板に電子部品を装着する電子部品実装機に関する。
【背景技術】
【0002】
電子部品実装機は、装着ヘッドと部品供給装置とを備えている。部品供給装置のトレイには、複数の電子部品が並べられている。装着ヘッドは、水平方向に移動可能である。装着ヘッドは、吸着ノズルを備えている。電子部品を基板に装着する際は、まず、吸着ノズルでトレイの電子部品を吸着する。次いで、部品供給装置から基板まで、装着ヘッドを移動する。最後に、吸着ノズルで基板に電子部品を装着する。装着の際、複数の吸着ノズルを有する装着ヘッドを用いると、複数の電子部品を一度に部品供給装置から基板まで搬送することができる。このため、実装時間を短縮化することができる。
【0003】
ところで、トレイ上の全ての電子部品の取出順序(全部品取出順序)は、予め所定の順序に決定されている。図9に、トレイ上に並べられた電子部品の模式図を示す。図9に示すように、トレイ100には、35個(=左右5列×前後7列)の電子部品101が並べられている。電子部品101は、右前隅の供給位置(・で示す)を開始点S100、左後隅の供給位置を終了点G100とする、一筆書き状の全部品取出順序L100で、順番に吸着ノズルによりトレイ100から取り出される。このように、所定の全部品取出順序L100を遵守して電子部品101を取り出すと、基板の生産終了時において、余った電子部品101が、全部品取出順序L100に連なった状態で、トレイ100上に残存することになる。このため、別の種類の基板の生産に、そのままトレイ100を利用することができる。
【0004】
特許文献1には、トレイからの電子部品の取出順序を最適化する電子部品実装機が開示されている。同文献の電子部品実装機によると、トレイからの電子部品の取出時間を短縮すると実装時間が短くなる場合は、基板に近い供給位置から電子部品が供給される。一方、トレイからの電子部品の取出時間を長くしても実装時間に影響を及ぼさない場合は、基板から遠い供給位置から電子部品が供給される。同文献記載の電子部品実装機によると、実装時間を短縮化することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−152252号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、同文献記載の電子部品実装機の場合、図9に示す全部品取出順序L100が無視されてしまう。このため、基板の生産終了時において、余った電子部品101が、全部品取出順序L100に連なった状態で、トレイ100上に残存しなくなる。つまり、トレイ100上に、余った電子部品101が散在することになる。このため、別の種類の基板の生産に、そのままトレイ100を利用することができない。
【0007】
本発明の電子部品実装機は、上記課題に鑑みて完成されたものである。本発明は、全部品取出順序を遵守しつつ、実装時間を短縮化することが可能な電子部品実装機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)上記課題を解決するため、本発明の電子部品実装機は、電子部品が配置される複数の供給位置を有する部品供給装置と、該電子部品を吸着、解放する複数の吸着ノズルを有し、複数の該吸着ノズルにより、該供給位置から基板の装着座標までの搬送経路を辿って、二つ以上の所定の搬送数の該電子部品を、一度に搬送する装着ヘッドと、該装着ヘッドを制御する制御装置と、を備える電子部品実装機であって、全ての前記電子部品の前記供給位置からの取出順序である全部品取出順序は、予め設定されており、前記制御装置は、該全部品取出順序を遵守すると共に、前記搬送数内において、一度に搬送する該電子部品の、該供給位置からの取出順序を、任意に設定可能であることを特徴とする。
【0009】
ここで、「全部品取出順序を遵守する」とは、一度に搬送する電子部品の取出順序の如何によらず、一度に搬送する電子部品が部品供給装置から搬出された後に、全部品取出順序が維持されていることをいう。
【0010】
本発明の電子部品実装機によると、全部品取出順序を乱さずに、搬送数内において、一度に搬送する電子部品の取出順序を任意に設定することができる。
【0011】
以下、本発明の電子部品実装機の作用を説明するために、図9に示すように、トレイ100に35個の電子部品101が並べられており、右前隅の開始点(供給位置)S100〜左後隅の終了点(供給位置)G100間に全部品取出順序L100が設定されており、装着ヘッドが8個の吸着ノズルを持っている場合を想定する。
【0012】
ただし、以下の説明は、トレイ100の電子部品101の数、配置、形状、寸法、全部品取出順序L100の形状、開始点S100、終了点G100の位置、装着ヘッドの有する吸着ノズルの数、部品供給装置の型式(トレイタイプ、テープタイプなど)などを、何等限定するものではない。
【0013】
図9に示すように、装着ヘッドは8個ごと電子部品101を搬送する。すなわち、電子部品は、各々8個の電子部品101からなるバッチB100〜B103ごとに、まとめて搬送される。なお、バッチB104においては、トレイ100に最後まで残った3個の電子部品101が、一度に搬送される。
【0014】
ここで、任意のバッチB100に着目すると、バッチB100内における8個の電子部品101の取出順序をどのように変更しても、バッチB100の8個の電子部品101を取り出した後の全部品取出順序L100(つまり、バッチB101〜B104)は、遵守されている。他のバッチB101〜B104についても同様である。
【0015】
この点に着目して、本発明の電子部品実装機は、一回の搬送数内(つまり単一のバッチB100〜B104内)における、電子部品の取出順序を任意に設定可能としている。本発明の電子部品実装機によると、一回の搬送数内における取出順序を最適化することにより、電子部品取出から電子部品装着までの実装サイクルに要する実装サイクルタイム、延いては実装時間を短縮化することができる。
【0016】
また、本発明の電子部品実装機によると、全部品取出順序を遵守することができる。このため、特許文献1の電子部品実装機のように、基板の生産終了時において、余った電子部品が散在するおそれがない。したがって、別の種類の基板の生産に、そのまま部品供給装置を利用することができる。
【0017】
(2)好ましくは、上記(1)の構成において、前記部品供給装置は、複数の前記供給位置を有するトレイを有する構成とする方がよい。つまり、本構成は、トレイタイプの部品供給装置を有する電子部品実装機として、本発明の電子部品実装機を具現化するものである。
【0018】
トレイには、同じ部品種の複数の電子部品が、供給座標に対応して配置されている。このため、トレイタイプの部品供給装置は、一回の搬送数内における取出順序を任意に設定する本発明の電子部品実装機に組み込むのに好適である。
【0019】
(3)好ましくは、上記(1)または(2)の構成において、前記装着ヘッドは、前記部品供給装置と前記基板とが並ぶ部品供給方向と、該部品供給方向に交差する交差方向と、に移動可能であり、さらに、移動中の該装着ヘッドの前記吸着ノズルに対する前記電子部品の吸着状態を撮像可能な部品撮像装置を前記搬送経路内に備え、前記制御装置は、該部品撮像装置を通過する際に、該装着ヘッドの該部品供給方向の速度変化が最小になるように、前記取出順序を設定する構成とする方がよい。
【0020】
部品撮像装置は、移動中の吸着ノズルに対する電子部品の吸着状態を撮像可能である。部品供給装置の供給位置から基板の装着座標までの搬送時間を短縮化するためには、部品供給方向の吸着ノズルの速度変化が最小になる方がよい。本構成によると、装着ヘッドの加速、減速の回数が少なくなる。また、加速度、減速度が小さくなる。このため、実装サイクルタイム、延いては実装時間を短縮化することができる。
【0021】
(3−1)好ましくは、上記(3)の構成において、少なくとも一つの前記供給位置と前記部品撮像装置とは、前記交差方向に並んでいる構成とする方がよい。本構成によると、全ての供給位置と部品撮像装置とが部品供給方向に並んでいる場合と比較して、供給位置を、基板に近づけることができる。このため、電子部品を搬送する際の装着ヘッドの移動ストロークを短縮化することができる。
【0022】
しかしながら、少なくとも一つの供給位置と部品撮像装置とが交差方向に並んでおり、かつ電子部品の取出順序の最後の供給位置が当該供給位置の場合、装着ヘッドは、まず供給位置から部品撮像装置まで交差方向だけに移動し(部品供給方向には移動しない)、次に部品撮像装置から基板まで部品供給方向(または、部品供給方向と交差方向)に移動することになる。この場合、部品撮像装置を通過する際に、装着ヘッドの部品供給方向の速度が0になってしまう。このため、実装サイクルタイム、延いては実装時間が長期化してしまう。
【0023】
この点、本構成によると、部品撮像装置を通過する際に、装着ヘッドの部品供給方向の速度が0にならないように、電子部品の取出順序を設定することができる。このため、上述した装着ヘッドの移動ストロークが短いことによる効果とも相俟って、実装サイクルタイム、延いては実装時間を、より一層短縮化することができる。このように、本発明の電子部品実装機は、少なくとも一つの供給位置と部品撮像装置とが交差方向に並ぶ電子部品実装機として具現化するのに好適である。
【0024】
(4)好ましくは、上記(1)または(2)の構成において、前記制御装置は、前記搬送経路の経路長が最短になるように、前記取出順序を設定する構成とする方がよい。本構成によると、搬送経路が冗長である場合と比較して、実装サイクルタイム、延いては実装時間を短縮化することができる。
【0025】
(5)好ましくは、上記(1)または(2)の構成において、前記装着ヘッドは、前記部品供給装置と前記基板とが並ぶ部品供給方向と、該部品供給方向に交差する交差方向と、に移動可能であり、該装着ヘッドが移動する際の、該部品供給方向の速度が最高速度に維持されている時間を最高速度維持時間として、前記制御装置は、前記供給位置まで前記電子部品を取りに行く際の方が、該供給位置から前記装着座標まで前記搬送経路を移動する際よりも、該最高速度維持時間が長くなるように、前記取出順序を設定する構成とする方がよい。
【0026】
装着ヘッドの最高速度維持時間が長い方が、実装サイクルタイム、延いては実装時間を短縮化することができる。しかしながら、電子部品搬送中においては、吸着ノズルに対する電子部品の吸着状態が悪化する(例えば位置ずれが発生する)おそれがある。このため、電子部品搬送中においては、最高速度維持時間を長く設定しにくい。
【0027】
この点、本構成によると、電子部品を取りに行く際の方が、電子部品を搬送する際よりも、装着ヘッドの最高速度維持時間が長くなるように、電子部品の取出順序を設定することができる。本構成によると、吸着ノズルに対する電子部品の吸着状態を良好に保ちつつ、実装サイクルタイム、延いては実装時間を短縮化することができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明によると、全部品取出順序を遵守しつつ、実装時間を短縮化することが可能な電子部品実装機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】第一実施形態の電子部品実装機の斜視図である。
【図2】同電子部品実装機の上面図である。
【図3】同電子部品実装機の右側面図である。
【図4】同電子部品実装機のブロック図である。
【図5】図2の枠V内の拡大図である。
【図6】図5の枠VI内の拡大図である(従来の電子部品の取出順序)。
【図7】図5の枠VI内の拡大図である(本実施形態の電子部品の取出順序)。
【図8】第二実施形態の電子部品実装機の部分拡大上面図である。
【図9】トレイ上に並べられた電子部品の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の電子部品実装機の実施の形態について説明する。
【0031】
<<第一実施形態>>
<電子部品実装機の機械的構成>
まず、本実施形態の電子部品実装機の機械的構成について説明する。図1に、本実施形態の電子部品実装機の斜視図を示す。図2に、同電子部品実装機の上面図を示す。図3に、同電子部品実装機の右側面図を示す。
【0032】
図1においては、モジュール3のハウジングを透過して示す。図2においては、モジュール3のハウジングを削除して示す。また、Y方向スライダ310、Y方向ガイドレール312、X方向ガイドレール313、吸着ノズルn1〜n8を一点鎖線で示す。また、部品供給装置5を断面図で示す。図3においては、モジュール3のハウジングを透過して示す。図1〜図3に示すように、電子部品実装機1は、ベース2と、モジュール3と、部品供給装置5と、を備えている。
【0033】
[ベース2]
ベース2は、直方体箱状を呈している。ベース2は、工場のフロアFに配置されている。ベース2の前部には、デバイスパレット20が装着されている。デバイスパレット20は、例えば部品供給装置5やディップフラックスユニットや部品廃棄コンベアなど、様々な機器が目的に応じて交換可能に取り付けられる、アタッチメント取付部材としての機能を有している。
【0034】
[モジュール3]
モジュール3は、ベース2の上面に配置されている。モジュール3は、基板搬送装置30と、XYロボット31と、装着ヘッド32と、パーツカメラ33と、基板昇降装置35と、制御装置(図略)と、画像処理装置(図略)と、を備えている。パーツカメラ33は、本発明の「部品撮像装置」の概念に含まれる。
【0035】
(基板搬送装置30、パーツカメラ33)
基板搬送装置30は、手前側クランプ部302fと、奥側クランプ部302rと、手前側搬送部303fと、奥側搬送部303rと、を備えている。手前側搬送部303f、奥側搬送部303rは、各々、前後一対のコンベアベルトを備えている。合計四つのコンベアベルトは、左右方向に延在している。手前側搬送部303fには、基板Bfが架設されている。奥側搬送部303rには、基板Brが架設されている。
【0036】
手前側クランプ部302f、奥側クランプ部302rは、各々、前後一対のクランプ片を備えている。合計四つのクランプ片は、左右方向に延在している。手前側クランプ部302fは、手前側搬送部303fの上方に配置されている。奥側クランプ部302rは、奥側搬送部303rの上方に配置されている。手前側クランプ部302f、奥側クランプ部302rは、各々、電子部品装着時に基板Bf、Brを固定する、基板固定部材としての機能を有している。
【0037】
パーツカメラ33は、ベース2の上面に配置されている。パーツカメラ33は、手前側クランプ部302fの前方右側に配置されている。パーツカメラ33は、上方に撮像エリアを有している。
【0038】
(基板昇降装置35)
基板昇降装置35は、手前側昇降部350fと、奥側昇降部350rと、を備えている。手前側昇降部350fは、手前側搬送部303fの下方に配置されている。奥側昇降部350rは、奥側搬送部303rの下方に配置されている。手前側昇降部350f、奥側昇降部350rは、各々、上下方向に移動可能である。図3に示すように、電子部品が装着される際、基板Bfは、手前側クランプ部302fと手前側昇降部350fとにより、上下方向から挟持、固定される。基板Brは、奥側クランプ部302rと奥側昇降部350rとにより、上下方向から挟持、固定される。
【0039】
(XYロボット31)
X方向は左右方向に、Y方向は前後方向に、Z方向は上下方向に、各々、対応している。XYロボット31は、Y方向スライダ310と、X方向スライダ311と、左右一対のY方向ガイドレール312と、上下一対のX方向ガイドレール313と、を備えている。XYロボット31は、装着ヘッド32を水平方向に駆動する、ヘッド駆動部材としての機能を有している。
【0040】
左右一対のY方向ガイドレール312は、モジュール3のハウジング内部空間の上面に配置されている。Y方向スライダ310は、左右方向に長いブロック状を呈している。Y方向スライダ310は、左右一対のY方向ガイドレール312に、前後方向に摺動可能に取り付けられている。上下一対のX方向ガイドレール313は、Y方向スライダ310の前面に配置されている。X方向スライダ311は、長方形板状を呈している。X方向スライダ311は、上下一対のX方向ガイドレール313に、左右方向に摺動可能に取り付けられている。
【0041】
(装着ヘッド32)
装着ヘッド32は、X方向スライダ311に取り付けられている。このため、装着ヘッド32は、XYロボット31により、前後左右方向に移動可能である。装着ヘッド32は、8個の吸着ノズルn1〜n8を備えている。8個の吸着ノズルn1〜n8は、交換可能に、装着ヘッド32の下面に配置されている。8個の吸着ノズルn1〜n8は、8個の吸着ノズルn1〜n8の中心同士を結ぶ仮想円の中心C1の軸周りに、水平面内において回転可能である。吸着ノズルn1〜n8は、上下方向に移動可能である。吸着ノズルn1〜n8には、電子部品を吸着する際は負圧が、電子部品を解放する際は正圧が、切替可能に供給される。
【0042】
[部品供給装置5]
部品供給装置5は、デバイスパレット20の前方に配置されている。部品供給装置5は、多数のトレイ50と、マガジン51と、マガジン昇降装置52と、トレイ搬送コンベア53と、ハウジング54と、左右一対のアーム55L、55Rと、を備えている。
【0043】
(ハウジング54、マガジン51)
ハウジング54は、上下方向に長い、直方体箱状を呈している。ハウジング54は、台車9の上面に搭載されている。ハウジング54の後壁(トレイ50を搬出する方向の壁)には、パレット搬出口540が開設されている。ハウジング54の左壁右面と右壁左面とには、各々、ガイドレール541が配置されている。左右一対のガイドレール541は、各々、上下方向(マガジン51の移動方向)に延在している。
【0044】
マガジン51は、角筒状を呈している。マガジン51には、前壁と後壁とが配置されていない。マガジン51は、ハウジング54の内部に収容されている。マガジン51の左壁右面と右壁左面とには、各々、多数のガイドリブ510が配置されている。ガイドリブ510は、前後方向(トレイ50の移動方向)に延在している。多数のガイドリブ510は、上下方向(トレイ50の積層方向)に並んで配置されている。左右一対のガイドリブ510間には、トレイ50が架設されている。すなわち、マガジン51には、多数のガイドリブ510の上下方向間隔だけ離間して、多数のトレイ50が、上下方向に積層された状態で収容されている。トレイ50は、左右一対のガイドリブ510を、前後方向に摺動可能である。マガジン51の左壁左面と右壁右面とには、各々、被ガイド凹部(図略)が形成されている。左右一対の被ガイド凹部は、各々、上下方向に延在している。被ガイド凹部は、ガイドレール541に摺接している。
【0045】
(マガジン昇降装置52、アーム55L、55R、トレイ搬送コンベア53)
マガジン昇降装置52は、ボールねじ部を備えている。マガジン昇降装置は、マガジン51を上下方向に駆動している。
【0046】
左右一対のアーム55L、55Rは、ハウジング54の後壁後面から、後方に向かって突設されている。左右一対のアーム55L、55Rは、パレット搬出口540の左右両側に配置されている。アーム55L、55Rの後端は、デバイスパレット20の上縁を経由して、パーツカメラ33の左横にまで延在している。
【0047】
トレイ搬送コンベア53は、左右一対のコンベアベルト530L、530Rを備えている。コンベアベルト530L、530Rは、各々、前後方向に延在している。搬出対象のトレイ50は、コンベアベルト530L、530R間に架設される。コンベアベルト530L、530Rにより、トレイ50は前後方向に移動可能である。
【0048】
(トレイ50)
トレイ50は、長方形板状を呈している。トレイ50の上面の供給位置には、35個(=左右5列×前後7列)の電子部品Pが配置されている。電子部品Pの部品種は全て同じである。
【0049】
<電子部品実装機の電気的構成>
次に、本実施形態の電子部品実装機の電気的構成について説明する。図4に、本実施形態の電子部品実装機のブロック図を示す。図4に示すように、本実施形態の電子部品実装機1は、上述した装置などの他に、制御装置7と画像処理装置8とを備えている。
【0050】
制御装置7は、コンピュータ70と複数の駆動回路とを備えている。コンピュータ70は、入出力インターフェイス700と演算部701と記憶部702とを備えている。
【0051】
入出力インターフェイス700には、各々、駆動回路を介して、部品供給装置5のマガジン昇降モータ52a、トレイ搬送コンベアモータ53a、基板搬送装置30の搬送幅変更モータ303a、搬送コンベアモータ303b、テーブル昇降モータ350a、XYロボット31のX軸モータ311a、Y軸モータ310a、装着ヘッド32のZ軸(上下方向に対応)モータ320a、θ軸(水平回転方向に対応)モータ320bが電気的に接続されている。
【0052】
マガジン昇降モータ52aはマガジン51を、トレイ搬送コンベアモータ53aはトレイ搬送コンベア53を、搬送幅変更モータ303aは前後方向に手前側搬送部303f、奥側搬送部303rを、搬送コンベアモータ303bは左右方向に手前側搬送部303f、奥側搬送部303rを、テーブル昇降モータ350aは手前側昇降部350f、奥側昇降部350rを、X軸モータ311aはX方向スライダ311を、Y軸モータ310aはY方向スライダ310を、Z軸モータ320aは上下方向に吸着ノズルn1〜n8を、θ軸モータ320bは回転方向に吸着ノズルn1〜n8を、各々駆動している。
【0053】
また、入出力インターフェイス700には、画像処理装置8が電気的に接続されている。画像処理装置8には、パーツカメラ33が電気的に接続されている。
【0054】
コンピュータ70には、電子部品実装機1の各装置などからの信号が、集中的に伝送される。記憶部702には、図2に示すトレイ50の35個の電子部品Pの全部品取出順序L1が格納されている。また、記憶部702には、電子部品Pの取出順序を設定する取出順序設定プログラムが格納されている。演算部701は、取出順序設定プログラムを基に、装着ヘッド32(つまり吸着ノズルn1〜n8)が一度に搬送する8個の電子部品Pの取出順序を設定する。
【0055】
<電子部品実装機の動き>
次に、本実施形態の電子部品実装機の動きについて説明する。図5に、図2の枠V内の拡大図を示す。図5に示すように、トレイ50の35個の電子部品Pには、供給位置f1〜f9を辿る、全部品取出順序L1(一点鎖線)が設定されている。電子部品Pは、装着ヘッド32の吸着ノズルn1〜n8の数に応じて、一回につき8個ずつ、基板Bfに搬送される。
【0056】
以下に説明するのは、搬送一回目のバッチB1(点線)における電子部品Pの取出順序である。搬送二回目以降の電子部品Pの取出順序も、搬送一回目のバッチB1と同様に設定される。
【0057】
搬送一回目のバッチB1においては、吸着ノズルn1〜n8により、8個の電子部品Pが基板Bfの装着座標a1〜a8に装着される。図4に示す制御装置7の演算部701は、記憶部702の取出順序設定プログラムを基に、バッチB1内の電子部品Pの取出順序を設定する。
【0058】
[従来の取出順序]
まず、従来の電子部品Pの取出順序について説明する。図6に、図5の枠VI内の拡大図を示す。なお、図6に示すのは、従来の電子部品の取出順序である。図6に示すように、従来は、図4に示す記憶部702の全部品取出順序L1だけに従って、制御装置7は、吸着ノズルn1〜n8を用いて、開始点である供給位置f1から順に、各供給位置の電子部品Pを取り出す。
【0059】
すなわち、図中、白抜き矢印で示すように、図5に示す吸着ノズルn1で供給位置f1の電子部品Pを、吸着ノズルn2で供給位置f2の電子部品Pを、吸着ノズルn3で供給位置f3の電子部品Pを、吸着ノズルn4で供給位置f4の電子部品Pを、吸着ノズルn5で供給位置f5の電子部品Pを、吸着ノズルn6で供給位置f6の電子部品Pを、吸着ノズルn7で供給位置f7の電子部品Pを、吸着ノズルn8で供給位置f8の電子部品Pを、順番に取り出す。
【0060】
この際、図4に示す制御装置7は、図5に示す装着ヘッド32を、まず開始点である供給位置f1の電子部品Pを取り出すために、35個の電子部品Pの右前隅まで移動させる。次いで、制御装置7は、装着ヘッド32を、35個の電子部品Pの最右列に沿って、供給位置f1→f2→f3→f4→f5→f6→f7の順に、前方から後方(基板方向)に向かって、移動させる。それから、制御装置7は、装着ヘッド32を、最後列から最前列まで、つまり供給位置f7→f8に、移動させる。このようにして、制御装置7は、装着ヘッド32の吸着ノズルn1〜n8により、供給位置f1〜f8から電子部品Pを搬出する。
【0061】
それから、制御装置7は、搬送経路L2に示すように、装着ヘッド32を、パーツカメラ33の真上を通過させ、図5に示す基板Bfの装着座標a1〜a8まで搬送する。装着ヘッド32がパーツカメラ33の真上を通過する際、吸着ノズルn1〜n8に対する8個の電子部品Pの画像が、パーツカメラ33により撮像される。画像は、図4に示す画像処理装置8に伝送される。画像処理装置8は、画像から、吸着ノズルn1〜n8に対する8個の電子部品Pの吸着状態の良否を判別する。
【0062】
[本実施形態の取出順序]
次に、本実施形態の電子部品Pの取出順序について説明する。図7に、図5の枠VI内の拡大図を示す。なお、図7に示すのは、本実施形態の電子部品の取出順序である。図7に示すように、本実施形態の場合、図4に示す記憶部702の全部品取出順序L1を遵守しながら、制御装置7は、バッチB1内の電子部品Pの取出順序を、装着ヘッド32の速度変化を基に設定する。具体的には、パーツカメラ33の真上を通過する際の、図5に示す装着ヘッド32の前後方向の速度変化が最小になるように、電子部品Pの取出順序を設定する。なお、前後方向(部品供給装置5と基板Bfとが並ぶ方向)は本発明の「部品供給方向」に、左右方向(基板Bfの搬送方向)は本発明の「交差方向」に、それぞれ対応する。
【0063】
すなわち、図中、白抜き矢印で示すように、図5に示す吸着ノズルn1で供給位置f7の電子部品Pを、吸着ノズルn2で供給位置f6の電子部品Pを、吸着ノズルn3で供給位置f5の電子部品Pを、吸着ノズルn4で供給位置f4の電子部品Pを、吸着ノズルn5で供給位置f3の電子部品Pを、吸着ノズルn6で供給位置f2の電子部品Pを、吸着ノズルn7で供給位置f8の電子部品Pを、吸着ノズルn8で供給位置f1の電子部品Pを、順番に取り出す。
【0064】
この際、図4に示す制御装置7は、図5に示す装着ヘッド32を、まず供給位置f7の電子部品Pを取り出すために、35個の電子部品Pの右後隅まで移動させる。次いで、制御装置7は、装着ヘッド32を、35個の電子部品Pの最右列に沿って、供給位置f7→f6→f5→f4→f3→f2の順に、後方から前方に向かって、移動させる。それから、制御装置7は、装着ヘッド32を、左前方向に、つまり供給位置f2→f8に、移動させる。最後に、制御装置7は、装着ヘッド32を、右方向に、つまり供給位置f8→f1に、移動させる。このようにして、制御装置7は、装着ヘッド32の吸着ノズルn1〜n8により、供給位置f1〜f8から電子部品Pを搬出する。
【0065】
それから、制御装置7は、搬送経路L2に示すように、装着ヘッド32を、パーツカメラ33の真上を通過させ、電子部品Pの吸着状態を確認し、図5に示す基板Bfの装着座標a1〜a8まで搬送する。
【0066】
ここで、装着ヘッド32がパーツカメラ33の真上を通過する際、装着ヘッド32の左右方向の速度は0である。一方、装着ヘッド32の前後方向の速度は、パーツカメラ33の前縁から後縁を通過する間、最高速度を維持している。
【0067】
<作用効果>
次に、本実施形態の電子部品実装機1の作用効果について説明する。図7に示すように、本実施形態の電子部品実装機1によると、一回の搬送数内(つまり単一のバッチB1内)における、電子部品Pの取出順序を任意に設定することができる。このため、一回の搬送数内における取出順序を最適化することにより、電子部品Pの取出から装着までの実装サイクルに要する実装サイクルタイム、延いては実装時間を短縮化することができる。
【0068】
具体的には、電子部品Pを取り出す際、図6では最前列→最後列→再び最前列という軌跡で動く装着ヘッド32が、図7では、最後列→最前列という軌跡で動いている。このため、搬送経路L2を短縮化することができる。したがって、実装サイクルタイム、延いては実装時間を短縮化することができる。
【0069】
また、図7では、パーツカメラ33の真上を通過する際、前後方向(部品供給方向)における、装着ヘッド32(吸着ノズルn1〜n8)の速度変化が最小になるように、取出順序が設定されている。このため、装着ヘッド32の加速、減速の回数が少なくなる。また、加速度、減速度が小さくなる。したがって、実装サイクルタイム、延いては実装時間を短縮化することができる。
【0070】
また、図6に示す従来の取出順序であっても、図7に示す本実施形態の取出順序であっても、図5に示すバッチB1完了後のトレイ50上の電子部品Pの配置形状は変わらない。すなわち、本実施形態の電子部品実装機1によると、全部品取出順序L1を遵守することができる。このため、基板Bf、Brの生産終了時において、余った電子部品Pがトレイ50上に散在するおそれがない。したがって、別の種類の基板Bf、Brの生産に、そのままトレイ50を利用することができる。
【0071】
また、図5に示すように、本実施形態の電子部品実装機1によると、トレイ50の最後列〜後方から3列目までの供給位置(例えば、供給位置f5〜f7)と、パーツカメラ33と、が左右方向に並んでいる。つまり、トレイ50が基板Bf、Brに近接して配置されている。このため、実装サイクル時の装着ヘッド32の移動ストロークが短くなる。したがって、実装サイクルタイム、延いては実装時間を短縮化することができる。
【0072】
また、図7に示すように、バッチB1における電子部品Pの取出順序の最後の供給位置f1と、パーツカメラ33と、は左右方向に並んでいない(前後方向にずれている)。このため、パーツカメラ33を通過する際に、装着ヘッド32の前後方向の速度が0にならない。したがって、実装サイクルタイム、延いては実装時間を短縮化することができる。
【0073】
<<第二実施形態>>
本実施形態の電子部品実装機と第一実施形態の電子部品実装機との相違点は、電子部品の取出順序だけである。ここでは、相違点についてのみ説明する。図8に、本実施形態の電子部品実装機の部分拡大上面図を示す。なお、図7と対応する部位については、同じ符号で示す。
【0074】
図8に示すように、本実施形態の場合、前出図4、図5に示す記憶部702の全部品取出順序L1を遵守しながら、制御装置7は、バッチB1内の電子部品Pの取出順序を、搬送経路L2の経路長が最短になるように、設定する。
【0075】
すなわち、図中、白抜き矢印で示すように、前出図5に示す吸着ノズルn1で供給位置f8の電子部品Pを、吸着ノズルn2で供給位置f1の電子部品Pを、吸着ノズルn3で供給位置f2の電子部品Pを、吸着ノズルn4で供給位置f3の電子部品Pを、吸着ノズルn5で供給位置f4の電子部品Pを、吸着ノズルn6で供給位置f5の電子部品Pを、吸着ノズルn7で供給位置f6の電子部品Pを、吸着ノズルn8で供給位置f7の電子部品Pを、順番に取り出す。
【0076】
この際、図4に示す制御装置7は、図5に示す装着ヘッド32を、まず供給位置f8の電子部品Pを取り出すために、35個の電子部品Pの最前列まで移動させる。次いで、制御装置7は、装着ヘッド32を、右方向に、つまり供給位置f8→f1に、移動させる。それから、制御装置7は、装着ヘッド32を、35個の電子部品Pの最右列に沿って、供給位置f1→f2→f3→f4→f5→f6→f7の順に、前方から後方に向かって、移動させる。このようにして、制御装置7は、装着ヘッド32の吸着ノズルn1〜n8により、供給位置f1〜f8から電子部品Pを搬出する。
【0077】
それから、制御装置7は、搬送経路L2に示すように、装着ヘッド32を、パーツカメラ33の真上を通過させ、電子部品Pの吸着状態を確認し、図5に示す基板Bfの装着座標a1〜a8まで搬送する。
【0078】
本実施形態の電子部品実装機と、第一実施形態の電子部品実装機とは、構成が共通する部分に関しては、同様の作用効果を有する。本実施形態の電子部品実装機の電子部品Pの取出順序によると、図6に示す従来の取出順序と比較して、搬送経路の経路長が短い。具体的には、電子部品Pを取り出す際、図6では最前列→最後列→再び最前列という軌跡で動く装着ヘッド32が、図8では、最前列→最後列という軌跡で動いている。このため、実装サイクルタイム、延いては実装時間を短縮化することができる。
【0079】
また、本実施形態の電子部品実装機の電子部品Pの取出順序によると、図5に示す装着ヘッド32が移動する際の、前後方向の速度が最高速度に維持されている時間を最高速度維持時間として、図4に示す制御装置7は、供給位置f8まで電子部品Pを取りに行く際の方が、供給位置f7から搬送経路L2を移動する際よりも、最高速度維持時間が長くなるように、取出順序を設定している。つまり、図4に示す制御装置7は、空送中の方が、電子部品P搬送中よりも、図5に示す装着ヘッド32の最高速度維持時間が長くなるように、取出順序を設定している。このため、図5に示す吸着ノズルn1〜n8に対する電子部品Pの吸着状態を良好に保ちつつ、実装サイクルタイム、延いては実装時間を短縮化することができる。
【0080】
また、本実施形態の電子部品実装機の電子部品Pの取出順序によると、最初に取り出される電子部品Pが配置されている供給位置f8が、基板から最も遠い最前列に配置されている。このため、空送中の方が、電子部品P搬送中よりも、最高速度維持時間が長くなるように、取出順序を設定しやすい。
【0081】
<<その他>>
以上、本発明の電子部品実装機の実施の形態について説明した。しかしながら、実施の形態は上記形態に特に限定されるものではない。当業者が行いうる種々の変形的形態、改良的形態で実施することも可能である。
【0082】
上記実施形態の電子部品実装機1においては、図1に示すように、トレイタイプの部品供給装置5を用いたが、複数のテープ(複数の電子部品Pが封入されている)を備えるテープタイプの部品供給装置5を用いてもよい。
【0083】
上記実施形態の電子部品実装機1においては、図5に示すように、一回のバッチB1において同じ部品種の複数の電子部品Pを搬送したが、異なる部品種の複数の電子部品Pを搬送してもよい。
【0084】
上記実施形態の電子部品実装機1においては、図2に示すように、パーツカメラ33をベース2の上面に固定したが、パーツカメラ33をXYロボット31や装着ヘッド32に配置してもよい。この場合、図2に示すパーツカメラ33の位置を経由しないで、図5に示す搬送経路L2を設定することができる。
【0085】
上記実施形態の電子部品実装機1においては、図7、図8に示すように、一回のバッチB1における電子部品Pの取出順序を実装時間が短くなるように最適化したが、一回のバッチB1における電子部品Pの装着順序(具体的には装着座標a1〜a8に対する装着順序)を実装時間が短くなるように最適化してもよい。
【0086】
上記実施形態の電子部品実装機1においては、図7、図8に示すように、一回のバッチB1における電子部品Pの取出順序を実装時間が短くなるように最適化したが、一回のバッチB1における電子部品Pの取出順序を、電子部品実装機1の消費電力が小さくなるように最適化してもよい。また、一回のバッチB1における電子部品Pの取出順序を装着ヘッド32の負荷が小さくなるように最適化してもよい。すなわち、一回のバッチB1における電子部品Pの取出順序は、あらゆる目的に応じて、自由に最適化することができる。
【符号の説明】
【0087】
1:電子部品実装機、2:ベース、3:モジュール、5:部品供給装置、7:制御装置、8:画像処理装置、9:台車。
20:デバイスパレット、30:基板搬送装置、31:XYロボット、32:装着ヘッド、33:パーツカメラ(部品撮像装置)、35:基板昇降装置、50:トレイ、51:マガジン、52:マガジン昇降装置、52a:マガジン昇降モータ、53:トレイ搬送コンベア、53a:トレイ搬送コンベアモータ、54:ハウジング、55L:アーム、55R:アーム、70:コンピュータ。
302f:手前側クランプ部、302r:奥側クランプ部、303a:搬送幅変更モータ、303b:搬送コンベアモータ、303f:手前側搬送部、303r:奥側搬送部、310:Y方向スライダ、310a:Y軸モータ、311:X方向スライダ、311a:X軸モータ、312:Y方向ガイドレール、313:X方向ガイドレール、320a:Z軸モータ、320b:θ軸モータ、350a:テーブル昇降モータ、350f:手前側昇降部、350r:奥側昇降部、510:ガイドリブ、530L:コンベアベルト、530R:コンベアベルト、540:パレット搬出口、541:ガイドレール、700:入出力インターフェイス、701:演算部、702:記憶部。
B1:バッチ、Bf:基板、Br:基板、F:フロア、L1:全部品取出順序、L2:搬送経路、P:電子部品、a1〜a8:装着座標、f1〜f9:供給位置、n1〜n8:吸着ノズル。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子部品が配置される複数の供給位置を有する部品供給装置と、
該電子部品を吸着、解放する複数の吸着ノズルを有し、複数の該吸着ノズルにより、該供給位置から基板の装着座標までの搬送経路を辿って、二つ以上の所定の搬送数の該電子部品を、一度に搬送する装着ヘッドと、
該装着ヘッドを制御する制御装置と、
を備える電子部品実装機であって、
全ての前記電子部品の前記供給位置からの取出順序である全部品取出順序は、予め設定されており、
前記制御装置は、該全部品取出順序を遵守すると共に、前記搬送数内において、一度に搬送する該電子部品の、該供給位置からの取出順序を、任意に設定可能であることを特徴とする電子部品実装機。
【請求項2】
前記部品供給装置は、複数の前記供給位置を有するトレイを有する請求項1に記載の電子部品実装機。
【請求項3】
前記装着ヘッドは、前記部品供給装置と前記基板とが並ぶ部品供給方向と、該部品供給方向に交差する交差方向と、に移動可能であり、
さらに、移動中の該装着ヘッドの前記吸着ノズルに対する前記電子部品の吸着状態を撮像可能な部品撮像装置を前記搬送経路内に備え、
前記制御装置は、該部品撮像装置を通過する際に、該装着ヘッドの該部品供給方向の速度変化が最小になるように、前記取出順序を設定する請求項1または請求項2に記載の電子部品実装機。
【請求項4】
前記制御装置は、前記搬送経路の経路長が最短になるように、前記取出順序を設定する請求項1または請求項2に記載の電子部品実装機。
【請求項5】
前記装着ヘッドは、前記部品供給装置と前記基板とが並ぶ部品供給方向と、該部品供給方向に交差する交差方向と、に移動可能であり、
該装着ヘッドが移動する際の、該部品供給方向の速度が最高速度に維持されている時間を最高速度維持時間として、
前記制御装置は、前記供給位置まで前記電子部品を取りに行く際の方が、該供給位置から前記装着座標まで前記搬送経路を移動する際よりも、該最高速度維持時間が長くなるように、前記取出順序を設定する請求項1または請求項2に記載の電子部品実装機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−227426(P2012−227426A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−95150(P2011−95150)
【出願日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【出願人】(000237271)富士機械製造株式会社 (775)
【Fターム(参考)】