説明

電子部品支持部材および電子機器

【課題】 筐体内で電子部品を支持する電子部品支持部材で、安定した高い緩衝性能を得る。
【解決手段】 電子部品支持部材3は、筐体1に固定される第1の固定部5と、電子部品2に対して第1の固定部5とは反対側の位置で電子部品2に固定される第2の固定部6と、第1の固定部5に接続され、第1の固定部5と第2の固定部6とを結ぶ直線60の電子部品2から遠い側に設けられる第1の中立軸9に関して湾曲する第1の湾曲部7と、第1の湾曲部7および第2の固定部6に接続され、前記直線60および第1の中立軸9を含む平面内で、かつ前記直線の電子部品2から遠い側に設けられる第2の中立軸10に関して湾曲する第2の湾曲部8と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品を筐体内で支持する緩衝装置である電子部品支持部材およびこれを用いた電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
情報処理機器、計測機器、記録・再生機器、通信機器などの電子機器には、運搬中や取り扱い中の衝突または落下による衝撃から電子部品である内蔵ユニットを保護するために、緩衝装置が備えられる場合が多い(たとえば特許文献1〜4参照)。このような緩衝装置には衝撃を緩和すると同時に、内蔵ユニットに伝わる振動を低減する性能も要求される。
【0003】
上述の従来の典型的な電子機器の緩衝装置は、筐体内に設けられた収納部の内壁と、この収納部内に配置される電子部品との間に挿入される。緩衝装置は、衝撃を受けたときに、主に圧縮変形を起こし、衝撃エネルギーの一部を変形エネルギーに変えて内部に吸収するとともに、減衰性によって衝撃エネルギーの一部を熱に変えて消費する。これにより、電子部品に与えられる衝撃が緩和される。緩衝装置は、たとえば、ゴムなどの粘弾性材料で形成された部材、あるいはバネとダンパの組合せなどで構成される。
【特許文献1】特開2001−345565号公報
【特許文献2】特開2002−358140号公報
【特許文献3】特許3408771号公報
【特許文献4】特許2941050号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の従来の緩衝装置は、電子機器が受けた衝撃力が比較的小さい場合では緩衝効果が発揮できるが、衝撃力が大きい場合は緩衝装置の変形が大きくになるにつれて粘弾性材料で形成された部材あるいはバネが硬くなり、吸収・消費できる衝撃エネルギーが飽和してしまう。その結果、大きな衝撃力が内蔵ユニットに伝わり、損傷を生じさせる恐れがある。
【0005】
また、上述の従来の緩衝装置は、内蔵ユニットの外壁から収納部の上記外壁に対向する内壁まで延伸するゆえに、加工精度の限界、組立誤差によって、収納部の内壁と緩衝装置との間の境界条件、また、内蔵ユニットの外壁と緩衝装置との間の境界条件が不安定になりやすく、緩衝性能が低下する恐れがある。その結果、たとえば、衝撃中に緩衝装置の剛性が急峻に上がり、内蔵ユニットに伝わる加速度が急に増加する恐れがある。特に、内蔵ユニットが多くの場所で緩衝装置と接し、また、緩衝装置が収納部の内壁と多くの場所で接する例では、上記境界条件が不安定になる確率が大きく、緩衝性能の低下が発生しやすい。これは、衝撃に限らず、振動あるいは衝撃後の残留振動に対する防振性能の低下についても同じである。
【0006】
さらに、上述の従来の緩衝装置は、衝撃エネルギーを吸収、消費する部分である緩衝装置が内蔵ユニットと直接に多くの場所で接するため、内蔵ユニットに発生する熱によって緩衝装置の特性が変わり、緩衝装置の緩衝性能、防振性能が劣化する恐れがある。
【0007】
また、他の公知例として、上記のような構成の緩衝装置に一定以上の衝撃力が加わった場合に、破壊あるいは塑性変形が生じる緩衝装置で構成する場合もある(たとえば特許文献1、2参照)。すなわち、破壊あるいは塑性変形を利用して衝撃エネルギーを消費し、内蔵ユニットに伝わる衝撃力を減らす方法である。
【0008】
しかしながら、上記収納部の内壁と緩衝装置との間の境界条件、また、内蔵ユニットの外壁と緩衝装置との間の境界条件が不安定になる恐れがあるゆえに、上記緩衝装置の破壊あるいは塑性変形が発生する衝撃レベルと場所を正確に、安定的に管理することは難しい。したがって、上記のような構成の緩衝装置は、粘弾性材料で形成された部材あるいはバネとダンパの組合せでの構成に比べて、さらに性能が不安定になる確率が大きく、緩衝性能の低下が発生しやすい。
【0009】
上記のような方法は、変形して衝撃エネルギーを吸収・消費する緩衝装置を内蔵ユニットと収納部の両方に接するように配置するため、衝撃力が大きい場合は緩衝装置の変形が大きくになるにつれて粘弾性材料で形成された部材あるいはバネが硬くなり、吸収・消費できる衝撃エネルギーが飽和してしまう。その結果、大きな衝撃力が内蔵ユニットに伝わり、損傷を生じさせる恐れがある。
【0010】
また、収納部と緩衝装置との間の境界条件、内蔵ユニットと緩衝装置との間の境界条件が不安定になりやすく、緩衝性能が低下する恐れがある。さらに、内蔵ユニットで発生する熱が緩衝装置に伝わり、緩衝装置の特性が変わりやすく、緩衝性能が低下する恐れもある。
【0011】
本発明は、上記した課題を解決し、安定した高い緩衝性能が得られる電子部品支持部材およびこれを利用した電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために、本発明では、筐体内で電子部品を支持する電子部品支持部材において、前記筐体に固定される第1の固定部と、前記電子部品に対して前記第1の固定部とは反対側の位置で前記電子部品に固定される第2の固定部と、前記第1の固定部に接続され、前記第1の固定部と前記第2の固定部とを結ぶ直線の前記電子部品から遠い側に設けられる第1の中立軸に関して湾曲する第1の湾曲部と、前記第1の湾曲部および前記第2の固定部に接続され、前記直線および前記第1の中立軸を含む平面内で、かつ前記直線の前記電子部品から遠い側に設けられる第2の中立軸に関して湾曲する第2の湾曲部と、を有することを特徴とする。
【0013】
さらに、本発明では、筐体と、電子部品と、前記筐体内で前記電子部品を支持する電子部品支持部材と、を有する電子機器において、前記電子部品支持部材は、前記筐体に固定される第1の固定部と、前記電子部品に対して前記第1の固定部とは反対側の位置で前記電子部品に固定される第2の固定部と、前記第1の固定部に接続され、前記第1の固定部と前記第2の固定部とを結ぶ直線の前記電子部品から遠い側に設けられる第1の中立軸に関して湾曲する第1の湾曲部と、前記第1の湾曲部および前記第2の固定部に接続され、前記直線および前記第1の中立軸を含む平面内で、かつ前記直線の前記電子部品から遠い側に設けられる第2の中立軸に関して湾曲する第2の湾曲部と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、衝撃力が大きく緩衝装置の変形が大きい場合でも、緩衝装置の緩衝性能にかかわる部分が硬くならず、吸収・消費できる衝撃エネルギーが飽和してしまうことはない。その結果、大きな衝撃力から内蔵ユニットを保護できる。また、収納部と緩衝装置との間の境界条件、内蔵ユニットと緩衝装置との間の境界条件が不安定になる恐れがなくなる。さらに、内蔵ユニットが発生する熱が緩衝装置に伝わり、緩衝装置の緩衝性能が低下する恐れもなくなる。その結果、安定した高い緩衝性能が得られる電子部品支持部材およびこれを利用した電子機器を実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明に係る電子部品支持部材(緩衝装置)を含む電子機器の様々な実施形態について、図面を参照して説明する。ここで、同一または類似の部分には共通の符号を付し、重複説明は省略する。
【0016】
図1〜図3は、本発明に係る電子機器の一実施の形態の要部を示す。すなわち、図1は緩衝装置を含む電子機器の一実施の形態を示す要部立断面図、図2は図1のA−A線矢視平断面図、図3は図1の要部を拡大して示す模式的立断面図である。
【0017】
携帯用電子計算機などの電子機器の筐体1の収納部4内に、ディスクドライブ装置などの内蔵ユニット(電子部品)2が収容され、内蔵ユニット2は、緩衝装置3によって保持されている。図示の例では、内蔵ユニット2は直方体であって、収納部4は、この内蔵ユニット2よりも若干大きな直方体である。緩衝装置3は収納部4の天井面30の4隅に取り付けられ、内蔵ユニット2の底面の4隅を支持している。
【0018】
緩衝装置3はたとえばゴムなどの粘弾性材料で形成され、収納部4の天井面30に固定される第1の固定部5と、内蔵ユニット2の底面に固定される第2の固定部6と、第1の固定部5と第2の固定部6の間に接続される第1の湾曲部7および第2の湾曲部8とを有する。第1の湾曲部7は第1の固定部5からほぼ鉛直下方に繋がっている。第1の湾曲部7に対してほぼ直角に、すなわちほぼ水平に第2の湾曲部8が繋がっている。第2の湾曲部8はさらに第2の固定部6に繋がっている。
【0019】
第2の固定部6は、電子部品2に対して第1の固定部5とは反対側の位置で電子部品2に固定されている。また、第1の湾曲部7は、第1の固定部5と第2の固定部6とを結ぶ直線60の電子部品2から遠い側に設けられ、第1の中立軸9に関して湾曲している。また、第2の湾曲部8は、前記直線60および第1の中立軸9を含む平面内で、かつ前記直線の電子部品2から遠い側に設けられる第2の中立軸10に関して湾曲している。
【0020】
第1の湾曲部7と第2の湾曲部8の接続部は互いに固定的に接続されている。また、第1の固定部5と第1の湾曲部7も互いに固定的に接続されており、第2の固定部6と第2の湾曲部8も互いに固定的に接続されている。
【0021】
第1の湾曲部7および第2の湾曲部8は、電子機器が衝撃荷重を受けたときに、それぞれ、第1の中立軸9および第2の中立軸10を中心として曲げ変形を起こし、衝撃を吸収する。第1の湾曲部7および第2の湾曲部8は、これらが曲げ変形を起したときに収納部4および内蔵ユニット2に当たらないように配置される。つまり、第2の湾曲部8は、予め定められた量の曲げ変形を第1の湾曲部7がしても内蔵ユニット2に接触しないだけの長さを、少なくとも有する。ここで予め定められた量の曲げ変形とは、例えば、筐体1の公称耐衝撃加速度が筐体1に加わったときに生じる曲げ変形量である。なお、中立軸とは、曲げ変形の場合に、外側の伸び領域と内側の縮み領域の間にあって、伸びも縮みも生じない点を結んだ軸である。
【0022】
図2に示すように、緩衝装置3は、平面図上で長方形の収納部4および内蔵ユニット2の4隅で各辺に沿ってそれぞれ2方向に延びるL字形となっている。すなわち、緩衝装置3は第2の固定部6を1つに対して2つの第2の湾曲部8が直交する方向に繋がり、2つの第2の湾曲部8それぞれに第1の湾曲部7が1つずつ繋がる。また、緩衝装置3は内蔵ユニット2の1隅周辺で、内蔵ユニット2の底面に対して第2の固定部6が固定され、内蔵ユニット2の直交しあう2つの側面に対してほぼ第2の湾曲部8の長さだけ離れて第1の湾曲部7が1つずつ対向する。
【0023】
図1に示すように、内蔵ユニット2の底面部には2枚の強化板12が緩衝装置3の第2の固定部6を上下にはさむように配置されている。強化板12は内蔵ユニット2の底面に沿って延びて、対向する緩衝装置3の第2の固定部6同士を連絡し、内蔵ユニット2の底面に過度の荷重が集中してかかるのを防ぐように機能する。
【0024】
本実施形態の構成によれば、電子機器が衝撃荷重を受けたときに、緩衝装置3の第1の湾曲部7および第2の湾曲部8が曲げ変形を起こし、衝撃を吸収する。特に、内蔵ユニット2と収納部4との間の近接した部分同士をほぼ直線的に連絡する場合に比べて、本実施形態では緩衝装置3が内蔵ユニット2と収納部4との間を迂回して連絡するので曲げ変形を大きくとることができ、大きな衝撃エネルギーを吸収・消費することができる。
【0025】
また、強化板12で第2の固定部6をはさみ込んで第2の固定部6の剛性を強化することができるので、内蔵ユニット2と緩衝装置3との間の境界条件が不安定になる恐れがなくなる。
【0026】
図4は、上記実施形態の第2の固定部6における強化板12の取り付け方法の具体例を示す。この図の例では、緩衝装置3の第2の固定部6の先端に厚肉部15が形成され、この厚肉部15の根元にくびれ部(薄肉部)16が形成されている。2枚の強化板12の先端にはそれぞれ、第2の固定部6に向かって突出する突出部17が形成され、さらにその先端に第2の固定部6から離れる方向に開いた逃げ部18が形成されている。緩衝装置3の第2の固定部6を2枚の強化板12で上下にはさみ込んで固定するとき、強化板12の突出部17が緩衝装置3の第2の固定部6のくびれ部16に入り込んで、第2の固定部6の厚肉部15を2枚の強化板12がはさみ込むので、緩衝装置3の第2の固定部6と強化板12とがしっかり固定される。
【0027】
図4には示さないが、内蔵ユニット2と2枚の強化板12と緩衝装置3の第2の固定部6は、ボルトなどにより互いに固定される。
【0028】
図5は、第2の固定部6と強化板12の取り付け方法の他の例を示す。図5の例は図4の例の一部変形であって、第2の固定部6の厚肉部15の下面にくぼみ21が設けられている。そして、2枚の強化板12のうちの下側の1枚のくぼみ21に対応する位置に突起部20が設けられて、突起部20がくぼみ21に入り込むようになっている。このような構成にすることにより、緩衝装置3の第2の固定部6と強化板12との固定がさらにしっかりしたものになる。
【0029】
図6は、第2の固定部6と強化板12の取り付け方法のさらに他の例を示す。図6の例では、強化板12の先端に、緩衝装置3の第2の固定部6から離れる向きに突出するリブ22が形成されている。このリブ22によって強化板12の剛性が増し、内蔵ユニット2の耐衝撃性能が向上する。
【0030】
図7は、上記実施形態における第1の固定部5の構造の具体例を示す。この図の例では、緩衝装置3の第1の固定部5は、筐体1の収納部4の天井面30に沿って延び、第1の固定部5の下方に押え板25が配置され、収納部4の天井面30と押え板25との間に第1の固定部5がはさみ込まれる。収納部4の天井面30と押え板25とは、たとえば図示しないボルトなどにより互いに締め付けられる。このような構成とすることにより、第1の固定部5がしっかりと固定される。
【0031】
図8は、第1の固定部5の固定方法の他の例を示す。この例は図7の例の一部変形である。図8の例では、収納部4の天井面30に突起31があって、第1の固定部5から第1の湾曲部7が垂直に下がる部分の内側面が突起31の側面に接している。これにより、第1の固定部5の水平方向の移動が止められる。さらに、第1の固定部5の下面にくぼみ32が形成され、このくぼみ32に対応する位置の押さえ板25の上面に突起33が形成されて、突起33がくぼみ32内に入って安定するように構成されている。押さえ板25と、第1の固定部5と収納部4の天井面30とが、ボルト34によって締め付けられ、互いに固定される。ここに示した構成によれば、第1の固定部5がさらにしっかりと固定される。
【0032】
図9は、第1の固定部5の固定方法のさらに他の例を示す。この例は図8の例の一部変形である。図9の例では、収納部4の天井面30に、第1の固定部5を囲むような受容部35が形成されている。受容部35の内側にはさらに穴あき突起36が形成され、第1の固定部5にはこの穴あき突起36を囲む位置に開口37が形成されている。第1の固定部5を収納部4に固定するに当たっては、まず、受容部35に対して第1の固定部5を上向きに差し込み、その後、第1の固定部5の下方から押え板25を上向きに被せる。押え板25は、天井面30に固定された受容部35の穴あき突起36の内側に挿入される突起40が設けられている。この突起40には上下に延びる割れ目42が形成され、突起40が穴あき突起36に挿入された後に横方向に広がることにより、押え板25および第1の固定部5が収納部4の天井面30から落下するのが防止される。
【0033】
図10は、第1の固定部5の固定方法のさらに他の例を示す。この例は図9の例の一部変形である。図10で、図9と同様に、収納部4の天井面30に設けられた受容部35に第1の固定部5を挿入した後に、第1の固定部5の下方から押え板25を上向きに被せる。さらに、図9と同様に、押え板25の突起40を、天井面30に固定された受容部35の穴あき突起36の内側に挿入する。
【0034】
図10の例では、押え板25が、一つの緩衝装置の第1の固定部5を固定してその下方を覆うのみならず、内蔵ユニット2の下方をとおり反対側の他の緩衝装置3のとも連絡している。さらに、筐体1の一部と押え板25がボルト45によって締結されており、押え板25が筐体の一部をなしている。
【0035】
このような構成とすることにより、内蔵ユニットおよび緩衝装置を含む電子機器全体を単純な構造とすることができる。
【0036】
以上、本発明の種々の実施形態について説明したが、これらは単なる例示であって、本発明はこれらに限定されるものではない。たとえば、上記実施形態では緩衝装置が第2の固定部を1つに対して2つの第2の湾曲部が直交する方向に繋がり、2つの第2の湾曲部それぞれに第1の湾曲部が1つずつ繋がるような立体的(3次元的)な形状であるとしたが、たとえば、第2の固定部を1つに対して1つの第2の湾曲部が直交する方向に繋がり、1つの第2の湾曲部に第1の湾曲部が1つずつ繋がるような平面状の板を折り曲げたようなあるいは接続したような形状とすることもできる。この場合は板が曲がり変形を起こしやすく、柔らかな支持とすることができる。
【0037】
また、例えば、上記実施形態では内蔵ユニットと強化板と緩衝装置の第2の固定部がボルトなどによって互いに固定されるとしたが、ボルトに加えて、強化板と緩衝装置の第2の固定部、また、内蔵ユニットと強化板が接着性の材料によって接着されるとすることもできる。この場合、緩衝装置の第2の固定部と内蔵ユニットとの結合はさらに確実なものになる。さらに、接着強度が充分であれば、ボルトがなくてもよい。
【0038】
また、例えば、上記実施形態では収納部の天井面と押え板と緩衝装置の第1の固定部がボルトなどによって互いに固定されるとしたが、ボルトに加えて、押え板と緩衝装置の第1の固定部、また、収納部の天井面と緩衝装置の第1の固定部が接着性の材料によって接着されるとすることもできる。この場合、緩衝装置の第1の固定部と収納部の天井面との結合はさらに確実なものになる。さらに、接着強度が充分であれば、ボルトがなくてもよい。
【0039】
また、上記実施形態では、緩衝装置が、筐体収納部の天井面で支持され、内蔵ユニットの底面を支持するものとしたが、上下を逆転させた構造でも良く、また、筐体収納部の側面で支持してもさらに、これを横倒ししたような構造とすることもできる。また、筺体収納部は、緩衝装置の第1の固定部を固定できる平面部分さえあれば、直方体の空間でなくてもよく、更に、密閉空間である必要はない。また、内蔵ユニットは、緩衝装置の第2の固定部を固定できる平面部分さえあれば、形状が直方体でなくともよい。
【0040】
また、強化板はなくとも、内蔵ユニット自体の剛性が高ければ問題ない。また、第1の湾曲部と第2の湾曲部は異なる方向を向いていれば、必ずしも互いに垂直でなくともよい。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明に係る電子部品支持部材(緩衝装置)を含む電子機器の一実施形態の要部の立断面図。
【図2】図1のA−A線矢視平断面図。
【図3】図1の要部を拡大して示す模式的立断面図。
【図4】図1の実施形態の第2の固定部付近の具体例を示す部分拡大立断面図。
【図5】図1の実施形態の第2の固定部付近の他の具体例を示す部分拡大立断面図。
【図6】図1の実施形態の第2の固定部付近のさらに他の具体例を示す部分拡大立断面図。
【図7】本発明に係る電子部品支持部材(緩衝装置)を含む電子機器の他の実施形態の要部立断面図。
【図8】図7の実施形態の第1の固定部付近の他の具体例を示す部分拡大立断面図。
【図9】図7の実施形態の第1の固定部付近のさらに他の具体例を示す部分拡大立断面図。
【図10】図7の実施形態の第1の固定部付近のさらに他の具体例を示す部分拡大立断面図。
【符号の説明】
【0042】
1…筐体、2…内蔵ユニット(電子部品)、3…緩衝装置、4…収納部、5…第1の固定部、6…第2の固定部、7…第1の湾曲部、8…第2の湾曲部、9…第1の中立軸、10…第2の中立軸、12…強化板、15…厚肉部、16…くびれ部、17…突出部、18…逃げ部、20…突起部、21…くぼみ、22…リブ、25…押え板、30…天井面、31…突起、32…くぼみ、33…突起、34…ボルト、35…受容部、36…穴あき突起、37…開口、40…突起、42…割れ目、45…ボルト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体内で電子部品を支持する電子部品支持部材において、
前記筐体に固定される第1の固定部と、
前記電子部品に対して前記第1の固定部とは反対側の位置で前記電子部品に固定される第2の固定部と、
前記第1の固定部に接続され、前記第1の固定部と前記第2の固定部とを結ぶ直線の前記電子部品から遠い側に設けられる第1の中立軸に関して湾曲する第1の湾曲部と、
前記第1の湾曲部および前記第2の固定部に接続され、前記直線および前記第1の中立軸を含む平面内で、かつ前記直線の前記電子部品から遠い側に設けられる第2の中立軸に関して湾曲する第2の湾曲部と、
を有することを特徴とする、電子部品支持部材。
【請求項2】
前記第1の湾曲部と第2の湾曲部とが固定接続されていることを特徴とする請求項1に記載の電子部品支持部材。
【請求項3】
前記第1の固定部と前記第1の湾曲部とが固定接続されており、前記第2の固定部と前記第2の湾曲部とが固定接続されていることを特徴とする請求項1に記載の電子部品支持部材。
【請求項4】
前記第1の中立軸と第2の中立軸とが互いにほぼ直角に交差していること、を特徴とする請求項1に記載の電子部品支持部材。
【請求項5】
筐体と、電子部品と、前記筐体内で前記電子部品を支持する電子部品支持部材と、を有する電子機器において、
前記電子部品支持部材は、
前記筐体に固定される第1の固定部と、
前記電子部品に対して前記第1の固定部とは反対側の位置で前記電子部品に固定される第2の固定部と、
前記第1の固定部に接続され、前記第1の固定部と前記第2の固定部とを結ぶ直線の前記電子部品から遠い側に設けられる第1の中立軸に関して湾曲する第1の湾曲部と、
前記第1の湾曲部および前記第2の固定部に接続され、前記直線および前記第1の中立軸を含む平面内で、かつ前記直線の前記電子部品から遠い側に設けられる第2の中立軸に関して湾曲する第2の湾曲部と、
を有することを特徴とする、電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−251988(P2006−251988A)
【公開日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−65340(P2005−65340)
【出願日】平成17年3月9日(2005.3.9)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】