説明

電子部品

【課題】放熱特性を向上できる電子部品を提供する。
【解決手段】LED素子等の回路素子7に接続されるリードフレームにより形成された配線電極4と、回路素子7に熱接続された高熱伝導性を有する放熱部11と、配線電極4及び放熱部11と一体成形される絶縁基板3と、回路素子7の周囲を囲む高熱伝導性を有した枠体6とを備え、枠体6から突出して放熱部11に直接接する突起部6bを設け、突起部6bの周囲に形成される隙間6cに固着材19を充填して枠体6を絶縁基板3に固着した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LED素子等の発熱を伴う回路素子を有した電子部品に関する。
【背景技術】
【0002】
図17は従来の電子部品を示す斜視図である。図18、図19は図17をA−Aで切断した斜視図及び断面図を示している。図20、図21は図17をB−Bで切断した斜視図及び断面図を示している。電子部品1はLED素子から成る回路素子7R、7G、7B(以下、「回路素子7」という場合がある)を有した表面実装型LEDを構成する。回路素子7R、7G、7Bはそれぞれ赤色光、緑色光、青色光を出射する。
【0003】
電子部品1は開口部6aを中央に有した枠体6が絶縁基板3上に一体成形される。絶縁基板3はリードフレームから成る配線電極4及び放熱部11がインサート成形によって一体化されている。放熱部11は平面視H字型に形成され、両端を橋架する中央部11aに回路素子7R、7G、7Bが熱伝導率の高い接着剤15により固着される。
【0004】
回路素子7R、7G、7Bは枠体6の開口部6a内に配され、枠体6によって周囲が囲まれる。開口部6aの壁面は反射率の高い金属等がコーティングされた傾斜面から成り、回路素子7R、7G、7Bの出射光を反射して集光する。
【0005】
配線電極4は開口部6a内に配された素子接続端子部4aと絶縁基板3の側面に配された外部接続端子部4cとを有している。回路素子7R、7G、7Bはそれぞれ対応した配線電極4R、4G、4Bの素子接続端子部4aにリード線8によって接続される。これにより、外部接続端子部4cを介して回路素子7に電力が供給される。
【0006】
上記構成の電子部品1において、外部接続端子部4cを介して外部から電力が供給されると回路素子7が発光して光が出射される。回路素子7の出射光は枠体6の開口部6aの壁面で反射して集光され、発光効率の高い電子部品1を得ることができる。また、回路素子7の発熱は放熱部11に伝えられて放熱される。
【0007】
また、金属等の高熱伝導性を有する材料によって絶縁基板3と別部材から成る枠体6を備えた電子部品が知られている。枠体6は接着剤等の固着材を挟んで放熱部11上に固着される。これにより、回路素子7の発熱は放熱部11を介して枠体6から放熱され、電子部品1の放熱効率を向上することができる。
【0008】
【特許文献1】特開2002−374007号公報(第2頁−第6頁、第4図)
【特許文献2】特開2006−93435号公報(第6頁−第9頁、第2図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
LED素子は高輝度を得るために駆動電流を増加させると電力損失も増大して高温になる。また、LED素子は温度が低いほど光電変換効率が高いため、高温になると輝度が低下する。加えて、LED素子は高温になると寿命が短縮され、信頼性が低下する。このため、高輝度の回路素子7の発熱を更に放熱できる放熱効率のより高い電子部品1が求められている。
【0010】
しかしながら、上記の後者の電子部品によると、枠体6と放熱部11との間に接着層が形成されるため、枠体6と放熱部11との間の伝熱量が低下する。このため、回路素子7の発熱を十分放熱できない問題があった。尚、LED素子に限られず、発熱を伴う回路素子を有した電子部品において同様の問題がある。
【0011】
本発明は、放熱特性を向上できる電子部品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために本発明は、回路素子に接続されるリードフレームにより形成された配線電極と、前記回路素子に熱接続された高熱伝導性を有する放熱部と、前記配線電極及び前記放熱部と一体成形される絶縁基板と、前記回路素子の周囲を囲んで前記放熱部に直接接して配されるとともに高熱伝導性を有する枠体とを備えたことを特徴としている。
【0013】
この構成によると、配線電極を介して回路素子に電力が供給される。回路素子は放熱部上に配されて放熱部に熱接続される。放熱部には回路素子の周囲を囲む枠体が接着層を介することなく直接接して配される。電力供給による回路素子の発熱は放熱部を介して枠体に伝えられ、放熱部及び枠体から放熱される。
【0014】
また本発明は、上記構成の電子部品において、前記枠体及び前記放熱部の一方から突出して他方に直接接する突起部を設け、前記突起部の周囲に形成される隙間に固着材を充填して前記枠体を前記絶縁基板に固着したことを特徴としている。この構成によると、例えば、枠体の下面に形成される突起部が放熱部に直接接し、突起部の周囲の隙間に固着材が充填される。回路素子の発熱は放熱部から突起部を介して枠体に伝えられる。
【0015】
また本発明は、上記構成の電子部品において、前記放熱部が前記絶縁基板の前記枠体を設置する面の対向面に配されるとともに、前記放熱部まで延びる孔部を前記絶縁基板に形成し、前記孔部に嵌合して前記放熱部に直接接する突起部を前記枠体に設けたことを特徴とことを特徴としている。
【0016】
この構成によると、枠体に設けた突起部を絶縁基板の孔部に挿通して絶縁基板の表面に枠体が配される。枠体は突起部の座面と絶縁基板との間や孔部と突起部との隙間等に設けた固着材により絶縁基板に取り付けられる。突起部の先端は絶縁基板の裏面に配された放熱部に直接接する。回路素子の発熱は放熱部から突起部を介して枠体に伝えられる。
【0017】
また本発明は、上記構成の電子部品において、前記絶縁基板に孔部を形成するとともに前記孔部に嵌合する突起部を前記枠体に設け、前記突起部の座面が前記放熱部に直接接し、前記孔部に固着材を充填して前記枠体を前記絶縁基板に固着したことを特徴としている。
【0018】
この構成によると、枠体に設けた突起部を絶縁基板の孔部に挿通して絶縁基板の表面に枠体が配される。枠体は孔部に充填される固着材により絶縁基板に取り付けられる。突起部の座面は絶縁基板の表面に配された放熱部に直接接する。回路素子の発熱は放熱部から突起部を介して枠体に伝えられる。
【0019】
また本発明は、上記構成の電子部品において、前記放熱部がリードフレームから成り、前記放熱部により前記絶縁基板の側面が覆われることを特徴としている。
【0020】
また本発明は、上記構成の電子部品において、前記放熱部が前記絶縁基板の表裏に亙って中実な金属板から成り、金属から成る前記枠体を前記放熱部に溶接したことを特徴としている。この構成によると、金属製の枠体及び放熱部が接した状態でスポット溶接や超音波溶接により接合される。
【0021】
また本発明は、回路素子に接続されるリードフレームにより形成された配線電極と、前記回路素子に熱接続されたリードフレームから成る放熱部と、前記配線電極及び前記放熱部と一体成形される絶縁基板と、前記回路素子の周囲を囲んで固着材により前記絶縁基板に固着される高熱伝導性を有した枠体とを備えた電子部品において、前記枠体と前記放熱部との間に隙間を形成する高熱伝導性を有したスペーサ部を設け、前記固着材が前記隙間に充填されることを特徴としている。
【0022】
この構成によると、配線電極を介して回路素子に電力が供給される。回路素子は放熱部上に配されて放熱部に熱接続される。放熱部には枠体が固着材により固着される。放熱部と枠体との間にはスペーサ部が接して設けられ、固着材はスペーサ部による隙間に充填される。電力供給による回路素子の発熱は放熱部からスペーサ部を介して枠体に伝えられ、放熱部及び枠体から放熱される。
【0023】
また本発明は、上記構成の電子部品において、前記回路素子がLED素子から成り、傾斜面から成る前記枠体の内面によって前記回路素子の出射光を反射させることを特徴としている。
【0024】
また本発明は、上記構成の電子部品において、前記回路素子の周囲を囲んで前記枠体よりも内側に突設される樹脂製の突設部を前記絶縁基板と一体成形し、前記突設部が前記枠体よりも高さが低いことを特徴としている。この構成によると、枠体と絶縁基板とを固着する固着材が絶縁基板上に流出した際に突設部により堰き止められる。また、回路素子の出射光が突設部で乱反射する。
【0025】
また本発明は、上記構成の電子部品において、前記回路素子を複数設け、一の前記回路素子と他の前記回路素子との発光色が異なることを特徴としている。この構成によると、回路素子の出射光が突設部で乱反射して混色される。
【発明の効果】
【0026】
本発明によると、回路素子に熱接続される放熱部と枠体とが高熱伝導性を有して直接接するので、回路素子の発熱を熱ロスが少なく枠体に伝えることができる。従って、電子部品の放熱効率を向上することができる。
【0027】
また本発明によると、枠体または放熱部から突出する突起部を設け、突起部の周囲に形成される隙間に充填した固着材により枠体を絶縁基板に固着したので、突起部によって放熱部と枠体とを容易に直接接触させることができる。
【0028】
また本発明によると、枠体の設置面の対向面に配された放熱部まで延びる孔部に嵌合する突起部を枠体に設けたので、突起部によって放熱部と枠体とを容易に直接接触させることができる。
【0029】
また本発明によると、絶縁基板に形成した孔部に嵌合する突起部を枠体に設け、孔部に固着材を充填したので、突起部の座面によって放熱部と枠体とを容易に直接接触させることができる。
【0030】
また本発明によると、放熱部がリードフレームから成り、放熱部により絶縁基板の側面が覆われるので、放熱部の放熱面積を大きくして放熱効率をより向上することができる。
【0031】
また本発明によると、放熱部が絶縁基板の表裏に亙って中実な金属板から成り、金属から成る枠体を放熱部に溶接したので、放熱部と枠体とを容易に直接接触させることができる。また、放熱部の熱容量を大きくして放熱効率をより向上することができる。
【0032】
また本発明によると、放熱部と枠体との間にスペーサ部を設け、スペーサ部による隙間に充填した固着材により枠体を絶縁基板に固着したので、スペーサ部によって放熱部と枠体とを容易に直接接触させることができる。
【0033】
また本発明によると、回路素子がLED素子から成り、傾斜面から成る枠体の内面によって回路素子の出射光を反射させるので、LED素子の出射光を集光して発光効率の高い電子部品を得ることができる。また、枠体と放熱部とが直接またはスペーサ部を介して接することによって枠体と放熱部との間の接着層を介した光漏れが防止される。従って、光の利用効率を向上することができる。
【0034】
また本発明によると、枠体よりも内側に高さの低い樹脂製の突設部を突設したので、複数色のLED素子の出射光が突設部で拡散して混色される。従って、発色の均一な光を出射する電子部品を得ることができる。また、放熱部と枠体との間の固着材が流動しても突設部で堰き止められ、固着材による導通不良や短絡を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
以下に本発明の実施形態を図面を参照して説明する。説明の便宜上、前述の図17〜図21に示す従来例と同一の部分は同一の符号を付している。図1、図2は第1実施形態の電子部品を示す斜視図及び分解斜視図である。
【0036】
電子部品1はLED素子から成る回路素子7R、7G、7Bを有した表面実装型LEDを構成する。回路素子7R、7G、7Bはそれぞれ赤色光、緑色光、青色光を出射する。回路素子7R、7G、7Bは銅・42アロイ合金等のリードフレームから成る配線電極4及び放熱部11と一体にインサート成形される絶縁基板3上に配される。
【0037】
また、絶縁基板3上にはアルミダイカスト等の金属や高熱伝導性セラミック等の高熱伝導性を有する枠体6が接着剤等の固着材19によって固着される。枠体6は中央に円形の開口部6aを有し、開口部6aの壁面が傾斜面になっている。
【0038】
絶縁基板3の表面は放熱部11によって開口部6aの外側の略全面が覆われる。放熱部11は周部間に橋架される中央部11aを開口部6a内に有し、中央部11aに回路素子7R、7G、7Bが熱伝導率の高い接着剤15(図3参照)により固着される。これにより、回路素子7R、7G、7Bは放熱部11に熱接続され、回路素子7R、7G、7Bの発熱が放熱部11から放熱される。
【0039】
図3、図4は図1をC−Cで切断した斜視図及び断面図を示している。図5、図6は図1をD−Dで切断した斜視図及び断面図を示している。放熱部11は断面C字型に形成され、絶縁基板3の側面を覆って裏面に延びて形成される。これにより、放熱部11の放熱面積を増加させることができる。
【0040】
配線電極4の両端部には素子接続端子部4a及び外部接続端子部4cが設けられる。素子接続端子部4aは開口部6a内で絶縁基板3の表面に配される。外部接続端子部4cは絶縁基板3の側面に配される。素子接続端子部4aと外部接続端子部4cとの間の配線電極4は折曲によって絶縁基板3の裏面に配される。
【0041】
回路素子7R、7G、7Bはそれぞれ対応した配線電極4R、4G、4Bの素子接続端子部4aにリード線8(図1参照)によって接続される。これにより、外部接続端子部4cを介して回路素子7に電力が供給される。
【0042】
枠体6の底面には開口部6a側に突起部6bが形成される。突起部6bは放熱部11に接着層を介することなく直接接する。固着材19は突起部6bによって枠体6と放熱部11との間に形成される隙間6cに充填され、枠体6と放熱部11とが固着される。これにより、放熱部11と枠体6との間の伝熱量の低下を防止し、回路素子7の発熱を熱ロスが少なく枠体6に伝えることができる。固着材19として熱伝導性の高い樹脂、金属ペースト、ハンダ等を用いるとより望ましい。
【0043】
絶縁基板3の表面には開口部6aの内側に環状の突設部13が突設される。突設部13は絶縁基板3と一体成形される樹脂から成り、枠体6よりも高さが低く形成される。また、突設部13の内面13aは傾斜面から成っている。
【0044】
上記構成の電子部品1において、外部接続端子4bを介して外部から電力が供給されると回路素子7が発光して光が出射される。回路素子7R、7G、7Bの出射光は突設部13の内面13aで乱反射して混色され、枠体6の開口部6aの壁面で反射して集光される。これにより、発色が均一で発光効率の高い電子部品1を得ることができる。
【0045】
回路素子7の発熱は放熱部11から突起部6bを介して枠体6に伝えられ、放熱部11及び枠体6から放熱される。
【0046】
本実施形態によると、回路素子7に熱接続される放熱部11と枠体6とが直接接するので、回路素子7の発熱を熱ロスが少なく枠体6に伝えることができる。従って、電子部品1の放熱効率を向上することができる。放熱部11及び枠体6は金属から成るが高熱伝導性を有した部材であればよく、高熱伝導性セラミックやグラファイト等を用いることができる。
【0047】
また、枠体6と放熱部11とが直接接することによって枠体6と放熱部11との間の接着層を介した光漏れが防止される。従って、電子部品1の光の利用効率を向上することができる。
【0048】
また、枠体6よりも内側に高さの低い樹脂製の突設部13を突設したので、複数色のLED素子の出射光が突設部13で拡散して混色される。従って、発色の均一な光を出射する電子部品1を得ることができる。尚、突起部6bを枠体6の周部に設け、固着材19を開口部6aの周縁に充填してもよい。この時、固着材19が流動しても突設部13で堰き止められ、絶縁性の固着材19による導通不良や導電性の固着材19による短絡を防止することができる。本実施形態に限られず、開口部6aを有した枠体6が絶縁基板3上に配される電子部品において突設部13を設けることによって上記の効果を奏することができる。
【0049】
本実施形態において、突起部6bを枠体6に設けているが、放熱部11に設けてもよい。また、枠体6と放熱部11との間に別部材から成る高熱伝導性を有したスペーサ部を設けて隙間6cを形成してもよい。スペーサ部は隙間6cに充填される固着材19によって枠体6及び放熱部11とともに固着される。
【0050】
これにより、枠体6とスペーサ部が直接接して放熱部11とスペーサ部が直接接する。従って、回路素子7の発熱を熱ロスが少なく枠体6に伝えることができる。スペーサ部としてアルミニウム、銅、銀等の金属や、セラミック、グラファイト等の材料を用いることができる。
【0051】
次に、図7、図8は第2実施形態の電子部品を示す斜視図及び分解斜視図である。説明の便宜上、前述の図1〜図6に示す第1実施形態と同様の部分は同一の符号を付している。本実施形態はリードフレームから成る放熱部11が中央部11aで絶縁基板3の表面(枠体6の設置面)に配され、屈曲により両側部で絶縁基板3の裏面(枠体6の設置面の対向面)側に配される。また、絶縁基板3には裏面側の放熱部11に到達する複数の孔部14が形成される。その他の部分は第1実施形態と同様である。
【0052】
図9、図10は図7をE−Eで切断した斜視図及び断面図を示している。枠体6の下面には孔部14に嵌合する突起部6dが形成される。突起部6dは裏面側の放熱部11に直接接している。孔部14と突起部6dとの隙間に接着剤等の固着剤19を充填して枠体6が絶縁基板3に固着されている。枠体6の座面6eと絶縁基板3との間に固着剤19を充填して枠体6を絶縁基板3に固着してもよい。
【0053】
回路素子7の発熱は放熱部11から突起部6dを介して枠体6に伝えられ、放熱部11及び枠体6から放熱される。従って、第1実施形態と同様に、回路素子7に熱接続される放熱部11と枠体6とが直接接するので、回路素子7の発熱を熱ロスが少なく枠体6に伝えることができる。従って、電子部品1の放熱効率を向上することができる。
【0054】
本実施形態において、突起部6dの座面6eが表面側の放熱部11に直接接していれば突起部6dを裏面側の放熱部11に届かない長さに形成してもよい。この時、孔部14に固着剤19を充填して枠体6が絶縁基板3に固着される。このようにしても回路素子7の発熱を熱ロスが少なく枠体6に伝えることができる。また、第1実施形態と同様の突設部13(図3参照)を設けてもよい。
【0055】
次に、図11、図12は第3実施形態の電子部品を示す斜視図及び分解斜視図である。説明の便宜上、前述の図1〜図6に示す第1実施形態と同様の部分は同一の符号を付している。本実施形態は絶縁基板3の表裏に亙って中実な金属板から成る放熱部12を備えている。絶縁基板3は放熱部12及びリードフレームから成る配線電極4と一体にインサート成形される。その他の部分は第1実施形態と同様である。
【0056】
放熱部12は平面視H字型のブロック状に形成され、両端部を橋架する中央部12a上に回路素子7R、7G、7Bが設置される。枠体6はアルミダイカスト等の金属から成り、放熱部12に直接接して配される。枠体6はスポット溶接や超音波溶接等によって放熱部12に溶接される。枠体6の上面から放熱部12の下面まで金属から成るため、枠体6を容易に溶接することができる。
【0057】
回路素子7の発熱は放熱部12を介して枠体6に伝えられ、放熱部12及び枠体6から放熱される。従って、第1実施形態と同様に、回路素子7に熱接続される放熱部12と枠体6とが直接接するので、回路素子7の発熱を熱ロスが少なく枠体6に伝えることができる。従って、電子部品1の放熱効率を向上することができる。尚、第1実施形態と同様の突設部13(図3参照)を設けてもよい。
【0058】
第1〜第3実施形態において、回路素子7がLED素子から成っているが、発熱を伴う他の素子であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本発明によると、発熱を伴う回路素子を有した電子部品に利用することができる。また本発明は、スイッチ内照明、バックライト光源、光プリンターヘッド、カメラフラッシュ、LEDディスプレイ、電飾装置等の発光装置に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の第1実施形態の電子部品を示す斜視図
【図2】本発明の第1実施形態の電子部品を示す分解斜視図
【図3】図1をC−Cで切断した斜視図
【図4】図1をC−Cで切断した断面図
【図5】図1をD−Dで切断した斜視図
【図6】図1をD−Dで切断した断面図
【図7】本発明の第2実施形態の電子部品を示す斜視図
【図8】本発明の第2実施形態の電子部品を示す分解斜視図
【図9】図7をE−Eで切断した斜視図
【図10】図7をE−Eで切断した断面図
【図11】本発明の第3実施形態の電子部品を示す斜視図
【図12】本発明の第3実施形態の電子部品を示す分解斜視図
【図13】図11をF−Fで切断した斜視図
【図14】図11をF−Fで切断した断面図
【図15】図11をG−Gで切断した斜視図
【図16】図11をG−Gで切断した断面図
【図17】従来の電子部品を示す斜視図
【図18】図17をA−Aで切断した斜視図
【図19】図17をA−Aで切断した断面図
【図20】図17をB−Bで切断した斜視図
【図21】図17をB−Bで切断した断面図
【符号の説明】
【0061】
1 電子部品
3 絶縁基板
4 配線電極
4a 素子接続端子
4b 外部接続端子
6 枠体
6a 開口部
6b、6d 突起部
6c 隙間
7 回路素子
8 リード線
11、12 放熱部
13 突設部
14 孔部
15、19 固着材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路素子に接続されるリードフレームにより形成された配線電極と、前記回路素子に熱接続された高熱伝導性を有する放熱部と、前記配線電極及び前記放熱部と一体成形される絶縁基板と、前記回路素子の周囲を囲んで前記放熱部に直接接して配されるとともに高熱伝導性を有する枠体とを備えたことを特徴とする電子部品。
【請求項2】
前記枠体及び前記放熱部の一方から突出して他方に直接接する突起部を設け、前記突起部の周囲に形成される隙間に固着材を充填して前記枠体を前記絶縁基板に固着したことを特徴とする請求項1に記載の電子部品。
【請求項3】
前記放熱部が前記絶縁基板の前記枠体を設置する面の対向面に配されるとともに、前記放熱部まで延びる孔部を前記絶縁基板に形成し、前記孔部に嵌合して前記放熱部に直接接する突起部を前記枠体に設けたことを特徴とする請求項1に記載の電子部品。
【請求項4】
前記絶縁基板に孔部を形成するとともに前記孔部に嵌合する突起部を前記枠体に設け、前記突起部の座面が前記放熱部に直接接し、前記孔部に固着材を充填して前記枠体を前記絶縁基板に固着したことを特徴とする請求項1に記載の電子部品。
【請求項5】
前記放熱部がリードフレームから成り、前記放熱部により前記絶縁基板の側面が覆われることを特徴とする請求項2〜請求項4のいずれかに記載の電子部品。
【請求項6】
前記放熱部が前記絶縁基板の表裏に亙って中実な金属板から成り、金属から成る前記枠体を前記放熱部に溶接したことを特徴とする請求項1に記載の電子部品。
【請求項7】
回路素子に接続されるリードフレームにより形成された配線電極と、前記回路素子に熱接続されたリードフレームから成る放熱部と、前記配線電極及び前記放熱部と一体成形される絶縁基板と、前記回路素子の周囲を囲んで固着材により前記絶縁基板に固着される高熱伝導性を有した枠体とを備えた電子部品において、前記枠体と前記放熱部との間に隙間を形成する高熱伝導性を有したスペーサ部を設け、前記固着材が前記隙間に充填されることを特徴とする電子部品。
【請求項8】
前記回路素子がLED素子から成り、傾斜面から成る前記枠体の内面によって前記回路素子の出射光を反射させることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれかに記載の電子部品。
【請求項9】
前記回路素子の周囲を囲んで前記枠体よりも内側に突設される樹脂製の突設部を前記絶縁基板と一体成形し、前記突設部が前記枠体よりも高さが低いことを特徴とする請求項8に記載の電子部品。
【請求項10】
前記回路素子を複数設け、一の前記回路素子と他の前記回路素子との発光色が異なることを特徴とする請求項9に記載の電子部品。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate


【公開番号】特開2009−21385(P2009−21385A)
【公開日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−182729(P2007−182729)
【出願日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)三洋電機コンシューマエレクトロニクス株式会社 (1,582)
【出願人】(503344252)
【Fターム(参考)】