説明

電子鍵盤楽器

【課題】 組み立て作業性および配線作業性が良く、且つ点検や修理などの作業を容易に行うことができるほか、演奏中に楽音を良好に制御できる電子鍵盤楽器を提供する。
【解決手段】 楽器本体1の外部に楽器全体を電気的に制御するための回路基板20を配置し、この回路基板20に、発光素子と受光素子とを有し、前記発光素子で発光した光の反射光を前記受光素子で受光する際にその受光量の変化に基づいて楽音を制御するための光学センサ26を設けた。従って、楽器本体1内に鍵盤部7およびスピーカ8を組み付け、この状態で鍵盤部7およびスピーカ8を楽器本体1の外部において回路基板20と電気的に接続することができる。このため、接続された回路基板20を楽器本体1内に組み込む必要がないので、組み立て作業性および配線作業性が良く、且つ点検や修理などの作業を容易に行うことができるほか、光学センサ26によって演奏中でも楽音を良好に制御できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電子ピアノや電子オルガンなどの電子鍵盤楽器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子ピアノなどの電子鍵盤楽器においては、特許文献1に記載されているように、楽器本体が、脚部を兼ねる一対の側板と、この一対の側板間における上部に設けられた棚板と、この棚板の後部に設けられた後板と、この後板の上部および一対の側板における後部側の上部に設けられた上板とによって構成されたものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平07−244486号公報
【0004】
このような電子鍵盤楽器においては、楽器本体内に鍵盤部およびスピーカが配置されていると共に、鍵盤部の後部上方にコントロールパネルが設けられ、この楽器本体の内部、例えばコントロールパネルの内面に楽器全体を電気的に制御するための回路基板が設けられ、この回路基板にコントロールパネルの各種のスイッチや、スピーカ、鍵盤部のスイッチ基板が接続部材によってそれぞれ電気的に接続されるように構成されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このような従来の電子鍵盤楽器では、楽器本体内に鍵盤部およびスピーカを組み付けると共に、鍵盤部の後部上方にコントロールパネルを取り付け、この状態でコントロールパネルの各種のスイッチや、スピーカ、鍵盤部のスイッチ基板をそれぞれ接続部材によって回路基板に電気的に接続した後、この回路基板を楽器本体内におけるコントロールパネルの内面に組み込まなければならないため、組み立て作業が面倒であるという問題がある。
【0006】
また、このような電子鍵盤楽器では、楽器全体の電気的な点検や修理をする場合に、コントロールパネルの内面に設けられた回路基板を楽器本体の内部から外部に取り出し、この状態で回路基板の点検や修理をしなければならないため、点検や修理などの作業が煩雑で面倒であるという問題もある。
【0007】
さらに、このような電子鍵盤楽器では、コントロールパネルに設けられた各種のスイッチを操作することにより、予め楽音を制御するための情報を入力するだけであり、演奏中にその演奏状態に応じて楽音を制御することができないため、演奏の表現力に乏しいという問題もある。
【0008】
この発明が解決しようとする課題は、組み立て作業性および配線作業性が良く、且つ点検や修理などの作業を容易に行うことができるほか、演奏中でも楽音を良好に制御することができる電子鍵盤楽器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明は、上記課題を解決するために、次のような構成要素を備えている。
請求項1に記載の発明は、複数の鍵が鍵盤シャーシ上に配列された鍵盤部、およびこの鍵盤部の押鍵操作に応じて楽音を放音するスピーカを収容する楽器本体を備えた電子鍵盤楽器において、前記楽器本体の外部に、楽器全体を電気的に制御するための回路基板を配置し、この回路基板に、発光素子と受光素子とを有し、前記発光素子で発光した光の反射光を前記受光素子で受光する際にその受光量の変化に基づいて楽音を制御するための光学センサを設けたことを特徴とする電子鍵盤楽器である。
【0010】
請求項2に記載の発明は、前記楽器本体の下面に、前記回路基板を収納する部品収納ケースが着脱可能に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の電子鍵盤楽器である。
【0011】
請求項3に記載の発明は、前記鍵盤シャーシの下面には、前記回路基板を収納する部品収納ケースが、前記楽器本体の下側に突出した状態で着脱可能に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の電子鍵盤楽器である。
【0012】
請求項4に記載の発明は、前記光学センサが、演奏者の膝における上下方向の高さを検出することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の電子鍵盤楽器である。
【0013】
請求項5に記載の発明は、前記楽器本体の下部に、複数のペダルを有するフットペダル部が設けられており、前記光学センサは、前記フットペダル部における前記複数のペダルの傾きをそれぞれ検出することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の電子鍵盤楽器である。
【0014】
請求項6に記載の発明は、前記部品収納ケースが、前記楽器本体の前後方向にスライド可能に取り付けられていることを特徴とする請求項2〜請求項5のいずれかに記載の電子鍵盤楽器である。
【発明の効果】
【0015】
この発明によれば、楽器本体内に鍵盤部およびスピーカを組み付け、この状態で鍵盤部およびスピーカを楽器本体の外部において回路基板と電気的に接続することができる。このため、接続された回路基板を楽器本体内に組み込む必要がないので、組み立て作業性および配線作業性が良く、且つ点検や修理などの作業を容易に行うことができるほか、光学センサによって、演奏中でもその演奏状態に応じて楽音を良好に制御することができ、これにより演奏の表現力を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】この発明を適用した電子鍵盤楽器の実施形態1を示した正面図である。
【図2】図1の電子鍵盤楽器の平面図である。
【図3】図1の電子鍵盤楽器の側面図である。
【図4】図1の電子鍵盤楽器のA−A矢視における要部の拡大断面図である。
【図5】図4の電子鍵盤楽器のB−B矢視における要部の拡大断面図である。
【図6】図4および図5に示された回路基板と部品収納ケースとを示した分解斜視図である。
【図7】図4における楽器本体の底板を下側から見た要部の拡大裏面図である。
【図8】図4の状態で身長の高い演奏者が演奏する状態を示した要部の拡大断面図である。
【図9】図4の状態で身長の低い演奏者が演奏する状態を示した要部の拡大断面図である。
【図10】この発明を適用した電子鍵盤楽器の実施形態2において要部を示した拡大断面図である。
【図11】図10の電子鍵盤楽器のC−C矢視における要部の拡大断面図である。
【図12】図10の状態で身長の高い演奏者が演奏する状態を示した要部の拡大断面図である。
【図13】図10の状態で身長の低い演奏者が演奏する状態を示した要部の拡大断面図である。
【図14】この発明を適用した電子鍵盤楽器の実施形態3を示した正面図である。
【図15】図14の電子鍵盤楽器の側面図である。
【図16】図14の電子鍵盤楽器におけるフットペダル部を示した斜視図である。
【図17】図16のペダルを示した斜視図である。
【図18】図10の電子鍵盤楽器のD−D矢視において一部を省略して示した拡大断面図である。
【図19】図18においてペダルを少し踏み込んだ状態における光学センサの検出状態を示した図である。
【図20】図18においてペダルを最も踏み込んだ状態における光学センサの検出状態を示した図である。
【図21】実施形態3のペダルに設けられた反射面の各変形例を示し、(a)はその第1変形例を示した図、(b)はその第2変形例を示した図、(c)はその第3変形例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(実施形態1)
以下、図1〜図9を参照して、この発明を適用した電子鍵盤楽器の実施形態1について説明する。
この電子鍵盤楽器は、図1〜図3に示すように、楽器本体1を備えている。この楽器本体1は、脚部を兼ねる一対の側板2と、この一対の側板2の後部に設けられた後板3と、一対の側板2間における上側部に設けられた棚板である底板4と、この底板4の前端部に起立して設けられた前板5と、一対の側板2の後部側の上端部および後板3の上端部に設けられたコンソールパネルである上板6とを備えている。
【0018】
これにより、楽器本体1の上側部には、図1〜図3に示すように、鍵盤部7およびスピーカ8を収容する鍵盤ボックス部9が設けられている。また、この楽器本体1の後側上部には、鍵盤ボックス9の上部を覆う鍵盤蓋10が開閉支持部材12によって上下方向に回転可能に取り付けられている。この場合、楽器本体1のコンソールパネルである上板6には、図2に示すように、電源スイッチ、音量スイッチ、および音色スイッチなどの各種のスイッチを有するスイッチ部13が設けられている。
【0019】
ところで、鍵盤部7は、図1〜図4に示すように、複数の鍵15が鍵盤シャーシ16上に上下方向に回転可能に取り付けられた状態で配列された構成になっている。この場合、鍵盤シャーシ16は、鍵盤ボックス部9内の底板4上に配置されている。この鍵盤シャーシ16には、図4に示すように、複数の鍵15がそれぞれ押鍵された際に、各鍵15によってそれぞれ押圧されてスイッチ信号を各鍵ごとに出力する鍵スイッチ基板17が設けられている。
【0020】
一方、楽器本体1の底板4の下面における中間部の後部には、図1および図3に示すように、部品収納ケース18が鍵盤ボックス部9の下側に突出した状態で取り付けられている。この部品収納ケース18は、図4〜図6に示すように、上部が開放された深さの浅い箱状に形成されており、その内部には複数の支持ボス19が設けられている。この複数の支持ボス19上には、回路基板20がビス21によって取り付けられている。
【0021】
この回路基板20は、楽器全体を電気的に制御するためのものであり、図6に示すように、その上面に大規模集積回路(LSI)や接続端子などの各種の電子部品20aが搭載されている。また、この回路基板20は、スイッチ部13、スピーカ8、および鍵盤部7の鍵スイッチ基板17がフレキシブルな配線基板や接続ケーブルなどの接続部材22によってそれぞれ電気的に接続されるように構成されている。この場合、部品収納ケース18が取り付けられる楽器本体1の底板4の下面には、図4、図5および図7に示すように、複数の接続部材22が挿通する開口部4aが設けられている。
【0022】
また、部品収納ケース18は、図4〜図6に示すように、その上部外周に設けられた鍔部18aが楽器本体1の底板4の下面にビス23によって着脱可能に取り付けられるように構成されている。この場合、部品収納ケース18が取り付けられる楽器本体1の底板4の下面には、図7に示すように、楽器本体1の前側から後側に向けて徐々に上昇する(図7では徐々に降下する状態を示している)傾斜取付部24が設けられている。この傾斜取付部24の左右の両側部には、複数のビス孔24aが楽器本体1の前後方向に沿って4個ずつ設けられている。
【0023】
これにより、部品収納ケース18は、図5に示すように、傾斜取付部24にビス23によって取り付けられ、この状態で楽器本体1の前後方向(図5では紙面の表裏面方向)に高低差をもってスライドするように構成されている。すなわち、部品収納ケース18は、図4〜図7に示すように、その鍔部18aに複数の長孔25が楽器本体1の前後方向に沿って細長く設けられ、この複数の長孔25にそれぞれ1本のビス23が挿入して楽器本体1の底板4の傾斜取付部24の各ビス孔24aに螺入することにより、傾斜取付部24にスライド可能に取り付けられている。
【0024】
このため、この部品収納ケース18は、図4および図5に示すように、複数の長孔25内をそれぞれ1本のビス23が相対的に移動しながら、部品収納ケース18の鍔部18aが底板4の傾斜取付部24の傾斜面に沿ってスライドすることにより、図8および図9に示すように、楽器本体1の前後方向に高低差をもって移動するように構成されている。すなわち、この部品収納ケース18は、楽器本体1の後部側にスライドさせると、徐々に上側に変位し、また楽器本体1の前部側にスライドさせると、徐々に下側に変位するように構成されている。
【0025】
ところで、回路基板20の下面には、図4〜図9に示すように、演奏者の膝Hの上下方向における高さを検出する複数の光学センサ26が楽器本体1の左右方向に沿って設けられている。この複数の光学センサ26は、それぞれ発光素子と受光素子とを備え、発光素子によって赤外線などの光を発光し、その発光した光の反射光を受光素子で受光することにより、観測物である演奏者の膝Hまでの距離を検出する反射型のものである。
【0026】
すなわち、この光学センサ26は、図8および図9に示すように、発光素子で発光した光を部品収納ケース18に設けられたセンサ窓部27を通して演奏者の膝Hに照射し、この照射された光の反射光を再びセンサ窓部27から採り込んで受光素子によって受光することにより、演奏者の膝Hの高さを検出するように構成されている。
【0027】
この場合、光学センサ26は、発光素子の光が演奏者の膝Hに照射されて反射され、その反射光を受光素子で受光する際に、演奏者の膝の高によって受光素子が受光する反射光の受光量が異なることにより、演奏者の膝Hが上下方向に変化する高さを検出するように構成されている。回路基板20の制御部は、光学センサ26からの検出データに基づいてスピーカ8から放音される楽音の音量や音色を演奏者の膝Hの上下方向の動作に応じて制御するように構成されている。
【0028】
このため、部品収納ケース18は、例えば演奏者が背の高い人であると、一般に膝Hから下の長さが長いため、図8に示すように、演奏者の膝Hが楽器本体1の後部側に位置すると共に、床から膝Hまでの高さが高くなることにより、部品収納ケース18を楽器本体1の後部側にスライドさせて、複数の光学センサ26を演奏者の膝Hの先端上部にほぼ一定の間隔Sで対応させるように構成されている。
【0029】
また、この部品収納ケース18は、例えば演奏者が背の低い人であると、一般に膝Hから下の長さが短いため、場合に、図9に示すように、演奏者の膝Hが楽器本体1の前部側に位置すると共に、床から膝Hまでの高さが低くなることにより、部品収納ケース18を楽器本体1の後部側にスライドさせて、複数の光学センサ26を演奏者の膝Hの先端上部にほぼ一定の間隔Sで対応させるように構成されている。
【0030】
さらに、回路基板20に設けられた複数の光学センサ26は、演奏者の膝Hを楽器本体1の左右方向つまり鍵盤部7の鍵15の配列方向に移動させた際に、その演奏者の膝Hにおける左右方向の動作を検出するように構成されている。すなわち、この複数の光学センサ26は、これらの中間に位置する光学センサ26によって演奏者の膝Hを検出している状態で、膝Hが右側に移動すると、右側に位置する光学センサ26が膝Hを検出し、また膝Hが左側に移動すると、左側に位置する光学センサ26が膝Hを検出するように構成されている。
【0031】
このように、この電子鍵盤楽器によれば、楽器本体1の外部に楽器全体を電気的に制御するための回路基板20を配置したことにより、楽器本体1内に鍵盤部7およびスピーカ8を組み付けると共に、楽器本体1の上板6にスイッチ部13を取り付け、この状態で鍵盤部7の鍵スイッチ基板17、スピーカ8、およびスイッチ部13を楽器本体1の外部において回路基板20と電気的に接続することができる。
【0032】
このため、接続された回路基板20を楽器本体1内に組み込む必要がないので、組み立て作業性および配線作業性が良く、且つ点検や修理などの作業を容易に行うことができるほか、回路基板20に設けられた光学センサ26によって、演奏中でもその演奏状態に応じて楽音を良好に制御することができ、これにより演奏の表現力を向上させることができる。
【0033】
この場合、楽器本体1の下面には、回路基板20を収納する部品収納ケース18が着脱可能に設けられていることにより、鍵盤部7の鍵スイッチ基板17、スピーカ8、およびスイッチ部13がそれぞれ接続部材22によって電気的に接続された回路基板20を楽器本体1の外部において部品収納ケース18に取り付けることができると共に、この回路基板20が取り付けられた部品収納ケース18を楽器本体1の下面である底板4の下面に簡単に取り付けることができる。
【0034】
このため、この電子鍵盤楽器では、楽器全体の電気的な点検および修理をする際に、楽器本体1の底板4の下面から部品収納ケース18を取り外すだけで、簡単に且つ容易に回路基板20を楽器本体1の外部に露出させることができる。このため、回路基板20を楽器本体1の外部に露出させた状態で、回路基板20を点検および修理ができるので、点検や修理の作業が容易にできる。
【0035】
また、この電子鍵盤楽器では、回路基板20に演奏者の膝Hの上下方向における高さを検出する光学センサ26が設けられているので、楽器本体1にフットペダルが設けられていなくても、光学センサ26によって演奏者の膝Hの高さを検出することにより、その検出データに基づいて回路基板20の制御部がスピーカ8から放音される楽音の音量や音色を演奏者の膝Hの上下方向における動作に応じて制御することができる。
【0036】
この場合、部品収納ケース18は、楽器本体1の前後方向に高低差をもってスライド可能に取り付けられていることにより、演奏者の膝Hから下の長さに応じて光学センサ26を演奏者の膝Hに正確に対応させることができる。すなわち、楽器本体1の下面には、楽器本体1の前側から後側に向けて徐々に上昇する傾斜取付部24が設けられており、部品収納ケース18は、傾斜取付部24に楽器本体1の前後方向にスライド可能に取り付けられているので、部品収納ケース18を傾斜取付部24に沿ってスライドさせるだけで、簡単に演奏者の膝Hから下の長さに応じて光学センサ26を演奏者の膝Hに正確に対応させることができる。
【0037】
例えば、演奏者が背の高い人で、膝Hから下の長さが長い場合には、図8に示すように、演奏者の膝Hが楽器本体1の後部側に位置すると共に、床から膝Hまでの高さが高くなるので、部品収納ケース18を楽器本体1の後部側にスライドさせて、複数の光学センサ26を後部上方に移動させることができ、これにより複数の光学センサ26を演奏者の膝Hの先端上部にほぼ一定の間隔Sで対応させることができるので、演奏者の膝Hの高さを光学センサ26によって正確に検出することができる。
【0038】
また、演奏者が背の低い人で、膝Hから下の長さが短い場合には、図9に示すように、演奏者の膝Hが楽器本体1の前部側に位置すると共に、床から膝Hまでの高さが低くなるので、部品収納ケース18を楽器本体1の後部側にスライドさせて、複数の光学センサ26を前部下方に移動させることができ、これにより複数の光学センサ26を演奏者の膝Hの先端上部にほぼ一定の間隔Sで対応させることができるので、演奏者の膝Hの高さを光学センサ26によって正確に検出することができる。
【0039】
さらに、回路基板20には、複数の光学センサ26が鍵盤部7の鍵15の配列方向である楽器本体1の左右方向に沿って設けられていることにより、その演奏者の膝Hにおける左右方向の動作を検出することができる。すなわち、この複数の光学センサ26のうち、中間に位置する光学センサ26によって演奏者の膝Hを検出している状態で、膝Hが右側に移動すると、右側に位置する光学センサ26によって膝Hを検出することができ、また膝Hが左側に移動すると、左側に位置する光学センサ26によって膝Hを検出することができる。このため、演奏者の膝Hの左右方向における動作を検出して、スピーカ8から放音される楽音の音量や音色を制御することができるので、演奏の表現力を更に向上させることができる。
【0040】
(実施形態2)
次に、図10〜図13を参照して、この発明を適用した電子鍵盤楽器の実施形態2について説明する。なお、図1〜図9に示された実施形態1と同一部分には同一符号を付して説明する。
この電子鍵盤楽器は、楽器本体1内に配置された鍵盤部7の鍵盤シャーシ16の下面に、部品収納ケース18を着脱可能に取り付けた構成であり、これ以外は実施形態1とほぼ同じ構成になっている。
【0041】
この場合、楽器本体1の底板4の下面における中間部の後部には、図10および図11に示すように、部品収納ケース18が挿入して下側に突出するケース挿入孔30が設けられている。部品収納ケース18は、実施形態1と同様、上部が開放された深さの浅い箱状に形成されており、その内部には、複数の支持ボス19が設けられている。この複数の支持ボス19上には、実施形態1と同じ回路基板20がビス21によって取り付けられている。
【0042】
また、部品収納ケース18は、実施形態1と同様、その上部外周に設けられた鍔部18aが鍵盤シャーシ16の下面にビス23によって取り付けられるように構成されている。この場合、部品収納ケース18が取り付けられる鍵盤シャーシ16の下面には、図10に示すように、楽器本体1の前側から後側に向けて徐々に上昇する傾斜取付部31が設けられている。
【0043】
これにより、部品収納ケース18は、図11に示すように、傾斜取付部31にビス23によって取り付けられ、この状態で鍵盤シャーシ16の前後方向(図11では紙面の表裏面方向)に高低差をもってスライドするように構成されている。すなわち、部品収納ケース18は、実施形態1と同様、その鍔部18aに複数の長孔25が鍵盤シャーシ16の前後方向に沿って細長く設けられ、この複数の長孔25内にそれぞれ1本のビス23が挿入して鍵盤シャーシ16の傾斜取付部31に螺着することにより、傾斜取付部31にスライド可能に取り付けられている。
【0044】
このため、この部品収納ケース18は、図10および図11に示すように、複数の長孔25内をそれぞれ1本のビス23が相対的に移動しながら、部品収納ケース18の鍔部18aが鍵盤シャーシ16の傾斜取付部24の傾斜面に沿ってスライドすることにより、図12および図13に示すように、鍵盤シャーシ16の前後方向、つまり楽器本体1の前後方向に高低差をもって移動するように構成されている。すなわち、この部品収納ケース18は、楽器本体1の後部側にスライドさせると、徐々に上側に変位し、また楽器本体1の前部側にスライドさせると、徐々に下側に変位するように構成されている。
【0045】
この場合にも、回路基板20の下面には、演奏者の膝Hの上下方向における高さを検出する複数の光学センサ26が楽器本体1の左右方向に沿って設けられている。この複数の光学センサ26も、実施形態1と同様、発光素子で発光した光を部品収納ケース18に設けられたセンサ窓部27を通して演奏者の膝Hに照射し、この照射された光の反射光を再びセンサ窓部27から採り込んで受光素子によって受光することにより、演奏者の膝Hの高さを検出するように構成されている。
【0046】
このため、部品収納ケース18は、実施形態1と同様、例えば演奏者が背の高い人であると、一般に膝Hから下の長さが長いため、図12に示すように、演奏者の膝Hが鍵盤シャーシ16の後部側に位置すると共に、床から膝Hまでの高さが高くなることにより、部品収納ケース18を鍵盤シャーシ16の後部側にスライドさせて、複数の光学センサ26を演奏者の膝Hの先端上部にほぼ一定の間隔Sで対応させるように構成されている。
【0047】
また、この部品収納ケース18は、例えば演奏者が背の低い人であると、一般に膝Hから下の長さが短いため、図13に示すように、演奏者の膝Hが楽器本体1の前部側に位置すると共に、床から膝Hまでの高さが低くなることにより、部品収納ケース18を楽器本体1の後部側にスライドさせて、複数の光学センサ26を演奏者の膝Hの先端上部にほぼ一定の間隔Sで対応させるように構成されている。
【0048】
さらに、回路基板20に設けられた複数の光学センサ26においても、演奏者の膝Hを楽器本体1の左右方向つまり鍵盤部7の鍵15の配列方向に移動させた際に、その演奏者の膝Hにおける左右方向の動作を検出するように構成されている。すなわち、この複数の光学センサ26は、これらの中間に位置する光学センサ26によって演奏者の膝Hを検出している状態で、膝Hが右側に移動すると、右側に位置する光学センサ26が膝Hを検出し、また膝Hが左側に移動すると、左側に位置する光学センサ26が膝Hを検出するように構成されている。
【0049】
このような電子鍵盤楽器においても、実施形態1と同様、楽器本体1の外部に楽器全体を電気的に制御するための回路基板20を配置しているので、楽器本体1内に鍵盤部7およびスピーカ8を組み付けると共に、楽器本体1の上板6にスイッチ部13を取り付け、この状態で鍵盤部7の鍵スイッチ基板17、スピーカ8、およびスイッチ部13を楽器本体1の外部において回路基板20と電気的に接続することができる。
【0050】
このため、接続された回路基板20を楽器本体1内に組み込む必要がないので、組み立て作業性および配線作業性が良く、且つ点検や修理などの作業を容易に行うことができるほか、回路基板20に設けられた光学センサ26によって、演奏中でもその演奏状態に応じて楽音を良好に制御することができ、これにより演奏の表現力を向上させることができる。
【0051】
この場合、鍵盤シャーシ16の下面には、回路基板20を収納する部品収納ケース18が、楽器本体1の底板4に設けられたケース挿入孔30を通して楽器本体1の下側に突出した状態で、着脱可能に設けられていることにより、鍵盤部7の鍵スイッチ基板17、スピーカ8、およびスイッチ部13がそれぞれ接続部材22によって電気的に接続された回路基板20を楽器本体1の外部において部品収納ケース18に取り付けることができると共に、この回路基板20が取り付けられた部品収納ケース18を楽器本体1の底板4に設けられたケース挿入孔30を通して鍵盤シャーシ16の下面に簡単に取り付けることができる。
【0052】
このため、この電子鍵盤楽器においても、楽器全体の電気的な点検および修理をする際に、鍵盤シャーシ16の下面から部品収納ケース18を取り外すだけで、簡単に且つ容易に回路基板20を楽器本体1の外部に露出させることができる。このため、回路基板20を楽器本体1の外部に露出させた状態で、回路基板20を点検および修理ができるので、点検や修理の作業が容易にできる。
【0053】
また、この電子鍵盤楽器でも、実施形態1と同様、回路基板20に演奏者の膝Hの上下方向における高さを検出する光学センサ26が設けられているので、楽器本体1にフットペダルが設けられていなくても、光学センサ26によって演奏者の膝Hの高さを検出することにより、その検出データに基づいて回路基板20の制御部がスピーカ8から放音される楽音の音量や音色を演奏者の膝Hの上下方向における動作に応じて制御することができる。
【0054】
この場合にも、部品収納ケース18が楽器本体1の前後方向に高低差をもってスライド可能に取り付けられているので、実施形態1と同様、演奏者の膝Hから下の長さに応じて光学センサ26を演奏者の膝Hに正確に対応させることができる。すなわち、鍵盤シャーシ16の下面には、鍵盤シャーシ16の前側から後側に向けて徐々に上昇する傾斜取付部31が設けられており、部品収納ケース18は、傾斜取付部31に鍵盤シャーシ16の前後方向にスライド可能に取り付けられているので、部品収納ケース18を傾斜取付部31に沿ってスライドさせるだけで、簡単に演奏者の膝Hから下の長さに応じて光学センサ26を演奏者の膝Hに正確に対応させることができる。
【0055】
例えば、演奏者が背の高い人で、膝Hから下の長さが長い場合には、図12に示すように、演奏者の膝Hが楽器本体1の後部側に位置すると共に、床から膝Hまでの高さが高くなるので、部品収納ケース18を鍵盤シャーシ16の後部側にスライドさせて、複数の光学センサ26を後部上方に移動させることができ、これにより複数の光学センサ26を演奏者の膝Hの先端上部にほぼ一定の間隔Sで対応させることができるので、演奏者の膝Hの高さを光学センサ26によって正確に検出することができる。
【0056】
また、演奏者が背の低い人で、膝Hから下の長さが短い場合には、図13に示すように、演奏者の膝Hが鍵盤シャーシ16の前部側に位置すると共に、床から膝Hまでの高さが低くなるので、部品収納ケース18を楽器本体1の後部側にスライドさせて、複数の光学センサ26を前部下方に移動させることができ、これにより複数の光学センサ26を演奏者の膝Hの先端上部にほぼ一定の間隔Sで対応させることができるので、演奏者の膝Hの高さを光学センサ26によって正確に検出することができる。
【0057】
さらに、この電子鍵盤楽器においても、回路基板20に複数の光学センサ26が鍵盤部7の鍵15の配列方向である楽器本体1の左右方向に沿って設けられていることにより、実施形態1と同様、その演奏者の膝Hにおける左右方向の動作を検出することができる。このため、演奏者の膝Hの左右方向における動作を検出して、スピーカ8から放音される楽音の音量や音色を制御することができるので、演奏の表現力を更に向上させることができる。
【0058】
なお、上述した実施形態2では、鍵盤シャーシ16の下面に、傾斜取付部31を一体に形成した場合について述べたが、必ずしも傾斜取付部31を鍵盤シャーシ16に一体に形成する必要はなく、傾斜取付部材を別に形成して鍵盤シャーシ16の下面に取り付けるように構成しても良い。
【0059】
(実施形態3)
次に、図14〜図20を参照して、この発明を適用した電子鍵盤楽器の実施形態3について説明する。この場合にも、図1〜図9に示された実施形態1と同一部分には同一符号を付して説明する。
この電子鍵盤楽器は、楽器本体1の下部に設けられたフットペダル部35のペダル38の傾きを光学センサ36で検出する構成であり、これ以外は実施形態1とほぼ同じ構成になっている。
【0060】
フットペダル部35は、図14〜図17に示すように、後板3の内面における下部に取り付けられたペダルボックス部36と、このペダルボックス部36内に設けられたペダルシャーシ37と、このペダルシャーシ37に上下方向に回転可能に取り付けられて各前端部38aがペダルボックス部36の前側に突出する複数のペダル38とを備えている。
【0061】
この場合、ペダルボックス部36は、図14に示すように、後板3の内面における下部に、鍵盤部7の鍵15の配列方向である楽器本体1の左右方向における取付位置が調整可能に取り付けられている。ペダル38は、図16〜図18に示すように、その後端部38bがペダルシャーシ37に支持軸40によって上下方向に回転自在に取り付けられ、この状態で前端部38aがペダルボックス部36の開口部36aを通してペダルボックス部37の前側に突出している。また、このペダル38は、ペダルシャーシ37上に設けられたコイルばね41によって上方に付勢されている。
【0062】
これにより、ペダル38は、図18に示すように、ペダル38の前端部38aを演奏者が足で踏むことにより、支持軸40を中心に上下方向に回転するように構成されている。この場合、ペダル38は、その上面がペダルボックス部36の開口部36aの上縁部に当接することにより、上限位置が規制されていると共に、ペダル38の下面がペダルボックス部36の開口部36aの下縁部に当接することにより、下限位置が規制されている。
【0063】
このフットペダル部35の上方に位置する楽器本体1の底板4の下面には、実施形態1と同様、部品収納ケース18が鍵盤ボックス9の下側に突出した状態で、着脱可能に取り付けられる。この部品収納ケース18は、実施形態1と同様、楽器本体1の底板4の下面に設けられた傾斜取付部24にビス23によって取り付けられ、この状態で楽器本体1の前後方向(図5では紙面の表裏面方向)に高低差をもってスライドするように構成されている。この部品収納ケース18内には、図18に示すように、回路基板20が支持ボス19上に配置された状態で、ビス21によって取り付けられている。
【0064】
この回路基板20も、実施形態1と同様、楽器全体を電気的に制御するためのものであり、図16に示すように、スイッチ部13、スピーカ8、および鍵盤部7の鍵スイッチ基板17がそれぞれ接続部材22によって電気的に接続されるように構成されている。この場合にも、部品収納ケース18が取り付けられる楽器本体1の底板4の下面には、接続部材22が挿通する開口部4aが設けられている。
【0065】
この回路基板20の下面には、図18に示すように、フットペダル部35に設けられた複数のペダル38の傾きを検出する複数の光学センサ42が複数のペダル38にそれぞれ対応して設けられている。この複数の光学センサ42は、それぞれ発光素子と受光素子とを備え、発光素子によって赤外線などの光を発光し、その発光した光の反射光を受光素子で受光することにより、フットペダル部35の各ペダル38の傾きを検出する反射型のものである。
【0066】
すなわち、この光学センサ42は、発光素子で発光した光を部品収納ケース18に設けられたセンサ窓部27を通して観測物であるペダル38の上面に照射し、この照射された光の反射光を再びセンサ窓部27から採り込んで受光素子によって受光したか否かによって、ペダル38の傾きを検出するように構成されている。
【0067】
この場合、ペダルボックス部36の上面には、図16に示すように、各ペダル38に対応して複数の光透過窓部39がそれぞれ設けられている。また、複数のペダル38の上面には、図17に示すように、光反射面43がペダルボックス部36の光透過窓部39にそれぞれ対応して設けられている。この光反射面43は、ペダル38の上面を鏡面仕上げしたものでも良く、またペダル38の上面に設けられた反射板であっても良い。
【0068】
これにより、光学センサ42は、図18に示すように、ペダル38が踏まれていない水平な状態で、発光素子の光がペダルボックス部36の光透過窓部39を通して水平なペダル38の光反射面43に照射されると、その照射された光がほぼ真上に向けて反射され、その反射光が再びペダルボックス部36の光透過窓部39を通して受光素子に受光されるように構成されている。
【0069】
また、この光学センサ42は、図19に示すように、ペダル38が少し踏まれて少し傾いた状態で、発光素子の光がペダルボックス部36の光透過窓部39を通して少し傾いたペダル38の光反射面43に照射されると、その照射された光が少し傾いた方向に反射され、この少し傾いた方向に反射された光の一部が再びペダルボックス部36の光透過窓部39を通して受光素子に受光されるように構成されている。
【0070】
さらに、この光学センサ42は、図20に示すように、ペダル38が最も踏まれて傾いた状態で、発光素子の光がペダルボックス部36の光透過窓部39を通して最も傾いたペダル38の光反射面43に照射されると、その照射された光が最も傾いた方向に反射され、その反射光がペダルボックス部36の光透過窓部39を透過せず、受光素子に受光されないように構成されている。
【0071】
これにより、光学センサ42は、発光素子からの光がペダル38の光反射面43に照射され、その反射光を受光素子で受光する際に、ペダル38の傾きによって受光素子が受光する反射光の受光量が異なることにより、ペダル38の踏み込み操作によって変化する傾きを検出するように構成されている。回路基板20の制御部は、光学センサ42からの検出データに基づいてスピーカ8から放音される楽音の音量や音色をペダル38の踏み込み操作に応じて制御するように構成されている。
【0072】
次に、この部品収納ケース18内の回路基板20に設けられた複数の光学センサ42をフットペダル部35の各ペダル38の光反射面43に対して位置合わせする場合について説明する。この場合には、まず、楽器本体1の後板3における内面の下部に対するペダルボックス部36の取付位置を調整する。このときには、ペダルボックス部36を鍵盤部7の鍵15の配列方向である左右方向に位置をずらして、ペダルボックス部36の各光透過窓部39を部品収納ケース18の各センサ窓部27に対応させる。
【0073】
これにより、各ペダル38に設けられた各光反射面43を部品収納ケース18内に設けられた複数の光学センサ42に対する左右方向の位置を決める。この後、部品収納ケース18を楽器本体1の前後方向にスライドさせて、各ペダル38に設けられた各光反射面43に対する複数の光学センサ42の前後方向の位置を調節する。これにより、複数の光学センサ42を複数のペダル38に設けられた各光反射面43に対応させることができる。
【0074】
このような電子鍵盤楽器においても、実施形態1と同様、鍵盤部7の鍵スイッチ基板17、スピーカ8、およびスイッチ部13を楽器本体1の外部において回路基板20と電気的に接続することができる。このため、接続された回路基板20を楽器本体1内に組み込む必要がないので、組み立て作業性および配線作業性が良く、且つ点検や修理などの作業を容易に行うことができるほか、回路基板20に設けられた複数の光学センサ42によって、演奏中でもその演奏状態に応じて楽音を良好に制御することができ、これにより演奏の表現力を向上させることができる。
【0075】
この場合、楽器本体1の下部にフットペダル部35を設けても、複数の光学センサ42によってフットペダル部35の複数のペダル38の各傾きを検出して、スピーカ8から放音される楽音の音量や音色を制御することができると共に、フットペダル部35を回路基板20と電気的に接続する必要がないので、回路基板20に対する配線作業を簡素化することができる。
【0076】
すなわち、光学センサ42は、発光素子からの光がペダル38の光反射面43に照射され、その反射光を受光素子で受光する際に、ペダル38の傾きによって受光素子が受光する反射光の受光量が異なることにより、ペダル38の踏み込み操作によって変化する傾きを検出することができるので、この検出データに基づいてスピーカ8から放音される楽音の音量や音色をペダル38の踏み込み操作に応じて良好に制御することができる。
【0077】
なお、上述した実施形態3では、ペダル38の上面に鏡面または反射板からなる光反射面43を設けた場合について述べたが、これに限らず、例えば図21(a)〜図21(c)にそれぞれ示す第1〜第3の変形例のように構成しても良い。すなわち、図21(a)に示す第1変形は、光反射面43の上にプリズム板45を設け、このプリズム板45でペダル38の傾きに応じて光の反射角度を大きくことにより、ペダル38の傾きに対する受光素子の感度を上げることができる。
【0078】
また、図21(b)の第2変形例は、光反射面43の上に偏光フィルタ46を設け、この偏光フィルタ46で発光素子から光のうち、特定偏光成分の光を選択し、この選択した特定偏光成分の光を受光素子で受光することにより、選択した特定偏光成分の光に応じてペダル38の傾きを検出するように構成されている。これにより、受光素子に対する外部光の影響を軽減することができるので、正確にペダル38の傾きを検出することができる。
【0079】
さらに、図21(c)の第3変形例は、光反射面43の上にカラーフィルタ47を設け、このカラーフィルタ47で発光素子から光のうち、カラーフィルタ47で特定波長の光を選択し、この選択した特定波長の光を受光素子で受光することにより、選択した特定波長の光に応じてペダル38の傾きを検出するように構成されている。これにより、受光素子に対する外部光の影響を軽減することができるので、正確にペダル38の傾きを検出することができる。
【符号の説明】
【0080】
1 楽器本体
2 側板
3 後板
4 底板
6 上板
7 鍵盤部
8 スピーカ
13 スイッチ部
15 鍵
16 鍵盤シャーシ
17 鍵スイッチ基板
18 部品収納ケース
20 回路基板
22 接続部材
23 ビス
24、31 傾斜取付部
25 長孔
26、42 光学センサ
27 センサ窓部
30 ケース挿入孔
35 フットペダル部
36 ペダルボックス部
38 ペダル
39 光透過窓部
43 光反射面


【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の鍵が鍵盤シャーシ上に配列された鍵盤部、およびこの鍵盤部の押鍵操作に応じて楽音を放音するスピーカを収容する楽器本体を備えた電子鍵盤楽器において、
前記楽器本体の外部に、楽器全体を電気的に制御するための回路基板を配置し、この回路基板に、発光素子と受光素子とを有し、前記発光素子で発光した光の反射光を前記受光素子で受光する際にその受光量の変化に基づいて楽音を制御するための光学センサを設けたことを特徴とする電子鍵盤楽器。
【請求項2】
前記楽器本体の下面には、前記回路基板を収納する部品収納ケースが着脱可能に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の電子鍵盤楽器。
【請求項3】
前記鍵盤シャーシの下面には、前記回路基板を収納する部品収納ケースが、前記楽器本体の下側に突出した状態で着脱可能に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の電子鍵盤楽器。
【請求項4】
前記光学センサは、演奏者の膝における上下方向の高さを検出することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の電子鍵盤楽器。
【請求項5】
前記楽器本体の下部には、複数のペダルを有するフットペダル部が設けられており、前記光学センサは、前記フットペダル部における前記複数のペダルの傾きをそれぞれ検出することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の電子鍵盤楽器。
【請求項6】
前記部品収納ケースは、前記楽器本体の前後方向にスライド可能に取り付けられていることを特徴とする請求項2〜請求項5のいずれかに記載の電子鍵盤楽器。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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