説明

電気エネルギー貯蔵の充電装置、供給ステーション、および、電気エネルギー貯蔵を充電する方法

本発明における電気エネルギー貯蔵のための充電装置は、1つまたは複数のエネルギー貯蔵、好ましくは車輌の充電式電気エネルギー貯蔵に適合するように設計・装備された保持装置と、保持装置内に適合した電気エネルギー貯蔵を制御された方式で充電するように設計・装備された充電制御装置と、前記保持装置内の温度を制御するように設計・装備された空調装置と、を備え、かつ、空調装置は、露点に関して保持装置内の空気を周辺状態に合わせるように設計・構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
電気エネルギー貯蔵の充電装置、電気エネルギー貯蔵を備える車両に供給する供給ステーション、および、電気エネルギー貯蔵を充電する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車、オートバイ、およびボートなどの車両を駆動するために電流を使用することが知られている。電流は、バッテリーまたは充電式バッテリー(自動車産業において充電式バッテリーは口語的にバッテリーとしても広く称される)において車両に載せられ、電気モータによって駆動されるように使用される。最近では、リチウムイオン蓄電池が、大容量で頑丈な電気車両駆動システムの基本として定着している。このような車両の包括的な供給に対する最初の問題は、車両のバッテリーが車両に充電できるセルフ充電ステーションのネットワークに関するものだった。このようなネットワークは、現在評価および開発段階にある。
【0003】
引用文献1から、レンタル・システムまたはネットワークの形態において、レンタル・ステーションで使用者がバイクを運転するためのストックパイル・バッテリーが既知である。これらのバッテリーレンタルステーションにおいて、同一のサイズのバッテリーは、断熱され、温度管理された隔室に収容され、そこでバッテリーは貯蔵され、充電される。温度管理セクションは、温度コントローラの制御信号を算出するために上限値と下限値との差、隔室内の温度、およびステーションの外の温度を計算する。温度コントローラは、加熱装置および冷却装置を備え、制御信号に応じて、隔室に冷気または暖気を供給する。温度の制限値は、季節に応じてなど、随意的に特定され得る。
【0004】
「Better Place」プロジェクトは、バッテリー充電ステーションとバッテリー交換ステーションとからなる電気充填ステーションの包括的なネットワークを想定する(非特許文献1)。これによると、交換ステーションは、ストックパイリング、充電、多種の車両バッテリーの充電メンテナンス、および、短時間での寿命切れの車両バッテリーの完全に充電されたバッテリーへの交換を供給する。
【0005】
充電式バッテリーの在庫および充電式バッテリーの充電状態の物流および管理は、このような充電式バッテリー交換ステーションのインフラの実現性の決定的要因である。充電式バッテリーの容量上で様々な必要条件を有する様々なタイプの車両が存在することを留意しなくてはいけない。大きな課題は、様々なタイプの車両のための交換用として、手元に新しく充電されたバッテリーを常に有することである。
【0006】
また、車両の電気モータは、通常数百ボルトの高電圧を使用して作動することに留意する必要があり、このような駆動を備える電機車両の充電式バッテリーユニットは、相応の高端子電圧を有する。このようなユニットを充電するためには、特に短い充電時間を確約するための相応の高出力および大量の電流の取り込みを有する充電ステーションを実現する必要がある。多数の異なる充電式バッテリーのタイプが存在すると、それぞれの充電式バッテリータイプ用に適切な充電ステーションを設ける必要がある。
【0007】
最後に、充電式バッテリーが充電される際に多量の熱が放出されることを留意する必要がある。通常、この熱は、損失なだけでなく、状態が好ましくない場合、特に、使用済みの充電式バッテリーを交換し、充電装置でそれらを充電して、新しく充電された充電式バッテリーを供給するように装備されたファイリングステーションでの場合がなり得る、狭い場所で多数の充電式バッテリーが充電される場合、充電式バッテリーに大いにストレスを与え、安全性および火災のリスクをもたらし得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】欧州特許0902348号明細書
【非特許文献】
【0009】
【特許文献2】manager−magazine.de, 2007年10月30日,「Das SAP−Wunderkind kehrt zurueck」, www.manager−magazin.de/it/artike/0,2828,514273,00.html
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従って、本発明によって示される課題は、充電ステーション、その運営方法、および、上述の問題を十分に解決する、特に、充電式バッテリーの充電および貯蔵に関連する熱管理を改善する、供給ステーションを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述の課題は、独立項の特徴よって解消される。本発明の有利な発展は、従属項の内容による。
【0012】
本発明において、電気エネルギー貯蔵のための充電装置は、1つまたは複数のエネルギー貯蔵、好ましくは車輌の充電式電気エネルギー貯蔵に適合するように設計・装備された保持装置と、保持装置内に適合した電気エネルギー貯蔵を制御された方式で充電するように設計・装備された充電制御装置と、前記保持装置内の温度を制御するように設計・装備された空調装置と、を備え、かつ、空調装置は、露点に関して保持装置内の空気を周辺状態に合わせるように設計・構成されている。
【0013】
本発明の範囲内の電気エネルギー貯蔵は、電気エネルギーを出力するようにも設計・装備された装置のことを言い、エネルギーは1つ以上の貯蔵セル内に貯蔵され得る。貯蔵セルは、特に、しかし限るわけではないが、二次電池である(完全または部分的に放電された際に例えば電気エネルギーなどの電気充電を供給することによって電気化学反応によって再充電される充電式バッテリーと称される)電気化学またはガルバーニ電池を含み得る。本発明の範囲内の蓄電池は、特に充電および放電工程、付随的に電気エネルギー変換工程がその中で起こり得る活性部品を備え得、この活性部品は、例えば好ましくは気密かつ流体タイプの方式でフィルム状の筐体に収容される。活性部品は、電気化学的に活性材、導電体、および剥離材から作られる積層またはフィルム層から成り得る。いわゆる電流コレクタは、活性部品の内部から外に突出し、電流コレクタは、セルの外側に向けた筐体を通じて電極領域に導電接続され、互いにまたは消費物へのセルの活性部品の接続を許容する。また自動車技術において一般的であるように、バッテリーは、本願に範囲において、充電式バッテリー、例えば二次(充電式)バッテリーを意味すると解される。
【0014】
本願の範囲内の「適合する」は、ある物体、この場合特に電気エネルギー貯蔵が設置されかつ恒久的または一時的に所定の位置に留まる工程または状態を意味する。適合または貯蔵の所定位置への割り当てが実現され得る。適合は、例えば、シェルフ、隔室または別の貯蔵場所、好ましくは囲まれた空間内の中または上で起こる。保持装置は、全体が断熱され得る。
【0015】
本発明の範囲内の「電気エネルギー貯蔵を充電する」とは、電荷の形をとるエネルギーが電気エネルギー貯蔵に供給され、これにより、電荷の形をとるエネルギーが電気消費物に連結することによってもう一度消費され得るように、特に電気化学反応によって電気エネルギー貯蔵または蓄電池内で電荷移動が起こる工程を意味することと理解される。
【0016】
本発明の範囲内の「制御された方式で充電する」とは、受電電圧、充電電流、および同類物のなどの特定されたまたは特定可能な充電パラメータを守りながら充電することを意味することと理解され、温度、電圧、電気エネルギー貯蔵または蓄電池の充電状態などの状態パラメータがモニタリングされ、付随的に考慮され、かつ必要に応じて保持される。「制御」との用語は「制限」を意味することもできる。
【0017】
本発明の範囲内の「空調」とは、空気の状態値を変えることを意味することを目的とする。好ましくは、状態値は、特定のまたは特定可能な設定値に制御または制限される。
【0018】
本発明の範囲内の「温度制御」とは、温度を変える、または、特定のまたは特定可能な温度を設定することを意味することを目的とする。
【0019】
本発明の範囲内の「内側」とは、囲われた空間の内部を意味することを目的とし、この囲いは、輪郭と好ましくは周辺に対する断熱とを備え得る。囲いは、必須ではないが、全面的であり、全ての側面を含む。別のやり方で断熱された貯蔵空間の場合、例えば、囲い内に隙間を形成する開口が、電気エネルギー貯蔵の積み込みおよび取り出しのために設けられ得る。電気エネルギー貯蔵を積み込むための所定開口と、取り出すための所定開口とを設けることも可能である。このような開口は、周囲との激しい空気交換を防ぐために、例えば、ストリップ式(strip-type)カーテンによって周囲から分離され得る。別の方法で全周囲が断熱された区分化されたシェルフ・システムでは、例えば、所定の電気エネルギー貯蔵を積み込むまたは取り出すために前面上に開口を設けることも可能である。後者の場合、例えばフラップが、隔室が未使用時に周囲からの分離を提供し得る。
【0020】
本発明の範囲内の「周囲」とは、考慮する空間、好ましくは、自由大気、または考慮する空間が位置する空間の外側に位置する、全てのものを意味する。例えば、電気エネルギー貯蔵の保持装置複数の温湿度室または区分化されたシェルフ・システムは、より大きな建屋内に位置し得る。このとき、建屋の内部は、気候室または区分化されたシェルフ・システムの周囲、あるいは建屋自体の周囲であることが理解され得る。
【0021】
本発明の範囲内の「露点」とは、大気内の水の露点であると理解される。それは、凝縮物が湿った大気に露出された物体上に初めに形成する状態である。従って、露点は、正確に、100%の相対湿度(大気湿度)が達成される点である。温度と相対湿度との一対の値それぞれに、露点を示す気圧および温度の対の所定値が独立して存在する。しかし厳密に言うと、露点は、温度および気圧の対の値であり、この場合、露点は、露点の温度、一般的に普通な露点温度と等しい。この関係は、テーブル形式で示されるか、ダイアグラム形式でプロットされ得る。図4は、曲線郡を示し、相対湿度はX軸で選択され、気温はY軸で選択され、各曲線は、露点温度の一定の値に対応する。
【0022】
本発明において提供されるように、空調装置が、露点に関連して保持装置の内部の空気を周囲環境に合わせるように設計・構成される場合、露点が過ぎてしまうこと、および、それに関連した問題を防ぐことが可能である。
【0023】
空調装置は、空気を供給するように設計・装備された給気装置を備え得る。本発明の範囲内の「給気装置」とは、保持装置の方向に空気を運ぶことともできる装置であると解される。種々のタイプのベンチレータのような空気運搬装置の例は、空調技術において周知である。空調装置は、供給された空気を冷却かつ/または加熱するように設計・装備された温度制御装置を備え得る。本発明の範囲内の「温度調整装置」とは、空気、特に流動する空気を加熱または冷却、あるいはどちらも可能な装置であると解される。加熱装置および冷却装置、ならびに種々の複合装置例は、空調技術において周知である。空調装置は、供給された空気を加湿かつ/または除湿するように設計・装備された調整装置を含む。本発明の範囲の「調整装置」とは、空気、特に流動する空気を加湿または除湿、あるいはどちらも可能な装置であるとも解される。加湿装置および除湿装置、ならびに種々の複合装置例は、空調技術において周知である。空調装置は、給気装置、温度制御装置、および調整装置を制御するように設計・整備れた制御装置を備え得る。本発明の範囲の「制御装置」は、入力されたデータを処理し、そのデータで基づいて外部装置を制御する、すなわち、ある動作を引き起こすことも可能装置を意味すると解される。この装置のアクチュエータは、直接影響され得る、または、この装置によって達成される設定値が、この装置に供給され得る。少なくとも1つの演算部と1つの入出力部を備える任意のデータ処理装置が、制御装置として使用可能である。この設計によって、特定の空調、すなわち、空気の運搬、温度制御、および空調を効果的に達成することも可能である。給気装置、温度制御装置、および調整装置、ならびに付随的に制御装置は、共通の筐体内に適合し、コンパクトな設計が確約され得る。
【0024】
充電装置は測定装置を備え得、測定装置は、周辺空気および/または空調装置内に導入される空気の温度および湿度と、保持装置内の室内空気および/または保持装置の外に向けた空気の温度および湿度と、を測定し、制御装置へそれぞれの測定信号を出力するように設計・装備された複数のセンサを備え、制御装置は、測定信号の少なくとも一部に基づいて、保持装置内の室内空気が所定の設定温度を維持し、かつ、保持装置内の室内空気の露点温度が周辺空気の露点温度と一致するように、そこに供給される空気を調整するようにそこに供給される空気の温度を制御するように供給装置、温度制御装置、および調整装置を制御するように設計・装備される。本発明の範囲内の「センサ」とは、一媒体に限らないが、物理的特性を検出することができる部本であると解される。本発明の範囲内では特に、しかし限定することなく、温度センサおよび湿度センサを意味する。それらは、室内センサ、室外センサ、ダクトセンサ、または容器センサであり得る。本発明の範囲内で、測定信号とは、物理的特性の測定値が推定されることを可能にする情報を運ぶ、電気的、光学的、または別の知覚できる信号であると解される。このような設計によって、保持装置内の空気の状態変数を効果的に制限することも可能である。
【0025】
充電装置は、温度、湿度、量に関して保持装置の内部に供給される空気の設定値を決定し、保持装置の内部に供給される空気が決められた設定値を有するように、設計・装備され、測定装置は、好ましくは、保持装置の内部に供給される空気の温度および湿度を測定し、それぞれの測定信号を前記制御装置へ出力する。本発明の範囲内の「決定する」とは、計算、比較、外部入力、データベースからのクエリーまたは、別の方式で決定される情報を解明する工程であると解される。
【0026】
センサは、保持装置内の様々な場所に設けられ、保持装置内の様々な場所の空気の温度および湿度を測定し、制御装置に対応する測定信号を出力することができる。このように、一貫してかつ決定的にセンサの測定を確認することが可能であり、適切な平均値を計算可能であり、制御効果は、保持装置の内部全体の域を超えて、決定された、測定変数の環境勾配に基づいて判断され得、また、保持装置の内部全体に亘った特定温度の順守が確認され得、かつ、随意的に、特に温度および/かつ空気量の設定値が適応され得る。
【0027】
制御装置は、保持装置内に収容される電気エネルギー貯蔵のタイプに基づいて温度の最適値を自動的に決定するように、かつ、保持装置内部の室内空気の温度の設定値としての最適値を決めるように設計・装備され得る。本発明の範囲内で、エネルギー貯蔵のタイプは、産業標準、すなわち、特定に製造者、型シリーズ、製造ロットなどからの電気エネルギー貯蔵への参照によって確立される固有の指定であると解され、または、本発明の範囲内で、エネルギー貯蔵のタイプは、例えば、電気化学充放電反応のタイプ、使用される材量、セル数、セル電圧、必要または許容電荷電流、必要または許容電荷電圧、許容温度範囲などを含むエネルギー貯蔵の特性およびパラメータのコード化された情報であると解される。温度の最適値が、保持装置内の収容される電気エネルギー貯蔵のタイプに基づいて自動的に決定され、保持装置内の室内空気の温度の設定値としての最適値が決められた場合、次いで、保持装置内の温度プロファイルの柔軟かつ操作的に信頼性の高い制御が、特に容易な方式において可能であり、充電装置の運転パラメータが、状況に応じて全範囲に亘って利用され得る。
【0028】
本発明の一実施形態では、保持装置は、熱的に、好ましくは特に耐火性に対して、互いから分離される複数の隔室を備え、測定装置のセンサは、各隔室内部の少なくとも1箇所の空気の温度および湿度を測定し、制御装置へ対応する測定信号を出力するために各隔室内に設けられる。このように、充電装置全体の操作的な信頼性をさらに高めることができる。
【0029】
各隔室が、前もって特定されたタイプの電気エネルギー貯蔵、または、同一の最適温度および同様の許容温度範囲が割り当てられた複数の電気エネルギー貯蔵のタイプに適合するように設計・装備され場合、それは利点になり得る。このような設計によって、保持装置内に温度プロファイルを一定にすることも可能である。例えば、低い許容充電温度を有する電気エネルギー貯蔵を収容する隔室は、調整空気の流入領域付近に位置し、一方で、より高い許容充電温度を有する電気エネルギー貯蔵を収容する隔室は、調整空気の排気の流出口のより近くに位置することが実施可能である。従って、保持装置内の流路のコース内の温度勾配を有利に利用することも可能である。
【0030】
制御装置および空調装置が、複数の隔室それぞれを、または、お互いグループごと別々に空調するように設計・装備されるところの、複数の隔室それぞれが分離した給気を有する場合は特に有利であり得る。このように、充電装置の運転パラメータは、より的を絞った方式において最適化され得る。
【0031】
保持装置内で生成された熱が貯蔵、使用、または直接利用される場合、システム全体のエネルギーバランスに関して特に有利である。例えば、これは、限定するわけではないが、保持装置内で生成された熱が地域加熱ネットワークに供給されることで実施可能であり、保持装置内で生成された熱は、熱交換器に供給され、保持装置内に生成された熱は、用水を過熱するため、または、局部加熱システムを作動または支持するために使用される、あるいは、
【0032】
保持装置内に生成された熱は、保持装置から外に向けられた排気から特に効果的に回収可能である。
【0033】
本発明のさらなる態様は、上述のタイプの充電装置を有する、充電式電気エネルギー貯蔵を備える少なくとも部分的に電気で作動する車輌に供給するために供給ステーションに関する。本発明の範囲の「供給ステーション」とは、消耗したエネルギー貯蔵が降ろされ、充電された電気エネルギー貯蔵が拾われ得る、施設を意味すると解される。また、供給ステーションは、これは必要ではないが、車輌内に残したままの電気エネルギー貯蔵を充電する装置を備え得る。
【0034】
本発明のさらな態様は、充電式電気エネルギー貯蔵を充電する方法であって、保持装置内の1つまたは複数の車輌用の電気エネルギー貯蔵、好ましくは、充電式車輌用電気エネルギー貯蔵に適合するステップと、保持装置内の適合した前記電気エネルギー貯蔵を制御された方式で充電するステップと、保持装置の内部の温度を制御するステップと、を備え、保持装置内の空気は、露点に関して周辺状態に合わせられることを特徴とする電気エネルギー貯蔵を充電する方法に関する。
【0035】
本発明のさらな態様は、充電式電気エネルギー貯蔵を充電する方法であって、保持装置内の1つまたは複数の車輌用の電気エネルギー貯蔵、好ましくは、充電式車輌用電気エネルギー貯蔵に適合するステップと、保持装置内の適合した前記電気エネルギー貯蔵を制御された方式で充電するステップと、保持装置の内部の温度を制御するステップと、を備え、保持装置内に生成された熱は、貯蔵、使用、または直接利用されることを特徴とする電気エネルギー貯蔵を充電する方法に関する。
【0036】
本発明の前述の、かつ、さらなる、特徴、目的および利点は、添付図を参照する下記の説明によりはるかにより明確になるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明における、車両に充電式および交換可能バッテリーを供給するインフラの概略図である。
【図2】本発明における充填ステーションの概略図である。
【図3】本発明の第1実施形態におけるバッテリー充電器の概略図である。
【図4】本発明における気温制御および調整工程を示す概略図である。
【図5】空調装置を含む、本発明における第2実施形態におけるバッテリー充電器の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
図の描写は概略的であり、本発明の理解するために最も重要な特徴を示すように限定されていることに留意されたい。また、図に描写された寸法およびサイズ比は、単に描写を明確にするように与えられたものであり、下記の説明に基づいて示されたものでない限り、決して限定する、または、強制するものとして理解されるべきではない。特に、一空間方向の寸法は、図の他の空間方向に対して部分的に誇張されるように描写され得る。
【0039】
図1は、本発明が有利に利用され得る例としてのインフラの構成を概略的に示す。多数の車両の代表として、車両2は、公道ネットワーク1上を走行する。多数の充填ステーション「T」は、図2および関連する図における描写において実質的に説明される公道ネットワーク1上に配置される。インフラはまた、(外部の供給業者によって設けられ得る衛星通信ネットワークのサテライト60と、管理センター「Z」とを含む。
【0040】
充填ステーション「T」は、充電式バッテリー充電ステーションと、下記に詳細に説明される充電式バッテリー交換ステーションとを備え、従来燃料ためのガソリンポンプも設けられ得る。
【0041】
図1の概略図によると、車両2は4つの車輪4、電気モータ6、および、バッテリー8を備える。車輪4のうち少なくとも2つ(この場合前輪)は、電気モータ6によって駆動され得る。バッテリーまたは充電式バッテリー8は、駆動するための電気エネルギーを供給する。車両制御装置(V−ECU)10によって電気モータ6に送達される。電気モータ6は、走行によって発生する電流とそれを充電電流としてバッテリー8に供給する電動発電機の形であり得る。電気モータ6に付随して、車両が走行し、かつ/または、発電機としての機能する電気モータ6によってバッテリーを充電するための内燃エンジンが存在し得る。
【0042】
この場合、充電式バッテリー8は、リチウムイオン蓄電池、リチウムポリマー蓄電池、または同類物として設計されるべきである。異なる電気化学的原理を有する充電式バッテリーのタイプは、リードゲル(lead-gel)蓄電池、ニッケル・カドミウム蓄電池、または他のものも適している。また、2つ以上の充電式バッテリーを設けることを可能である。充電式バッテリー8は、複数の部品を備え得る。
【0043】
充電式バッテリー8は、交換可能なように設計されている。充電式バッテリー8を、手動で、または付随的にモジュールとして、または自動的に全体として取り外すことができ、または、またはモジュール式で取り外す、または挿入することができる。好ましくは、取り付け上の一操作ステップにおいてぴったり合う方式で接触が起こる。また同時に、モジュールの接触領域内などの機械的、電気的、または他のフューズが取り外され、これにより、充電式バッテリー8が、例えば、充電式バッテリー部品が、充電ステーションによってテストされ、不良であることが分かった場合に(下記参照)、システムから安全に取り外され、安全および輸送必要条件に従って発送されることを可能にする。
【0044】
充電式バッテリー8は、充電システムがより高次なマスターによって、または車両のエネルギー管理の手段としてモジュールレベルにおける適切なバッテリー管理システムを有するにもかかわらず、充電システムを伴うことなく充電される。
【0045】
充填ステーションTそれぞれは、少なくとも1つのサービスパイロン28と少なくとも1つの充電式バッテリー充電および貯蔵建屋42を備え、そのデザインおよび機能は、任意の点でより詳細に説明される。
【0046】
車両制御装置(V−ECU)10は、車両2のアンテナ62と充填ステーションTのアンテナ64とを経由して充填ステーションTの無線装置56と通信できる。
【0047】
通信は、中継の役割を果たすサテライト60を経由しても起こり得る。V−ECU10と充填ステーションTの無線装置56とは、同様に衛星中継を経由して管理センターZと通信できる。この方法において、車両の位置と、車両のバッテリー8の充電状態と、充填ステーションおよびその在庫とが交換され、充填ステーションなどの貯蔵および充電手配のためにその車両または多数の車両を案内するために使用され得る。
【0048】
図2は、本発明における充填ステーションのデザインの概略図である。充填ステーションTは、セルフ充電ゾーン12、交換ゾーン14、貯蔵ゾーン16、およびエネルギー管理ゾーン18に分けられる。
【0049】
セルフ充電ゾーン12は、新入路20と複数の充電ステーション22とを備える。自動充電装置24が各充電ステーションに設置される。自動充電装置24は、例えば、段やボックスなどの形であり、充電ケーブルまたは常設の充電ケーブルのための少なくとも1つの出力ボックスを備える。自動充電装置24は、高出力の急速充電用に設計されるが、穏やかな充電用に低い充電出力を管理することもできる。車両2が充電ステーション22に位置すると、その充電式バッテリーまたは交換管理システムが、ケーブルを介して関連する自動充電装置24に接続される。充電工程のタイプが、充電式バッテリーのタイプを基に自動充電装置24において選択または自動判定される。支払は、自動充電装置または別の支払箇所にて現金またはチェックやクレジットカードによって直接できる、または、提携口座からの自動引き落としが、自動充電装置24にて実施されるユーザーIDを基になされ得る。
【0050】
交換または取替えゾーン14は、2車線の進入路26とサービスパイロン28とを備える。全部で4つの制御装置30がサービスパイロン28上に配置される。セルフサービス制御装置30が、サービスパイロン28のどちらか側に設けられる4つの交換ステーション32のうちに1つにそれぞれ設置される(一変形において、複数の交換ステーション32に1つだけセルフサービス装置30を設けることが可能である)。
【0051】
各交換ステーション32は、2つの駐車マーク34と1つの交換ピット36を有する。交換ピット36は、地下に位置し、安全上の理由で、車両が交換ステーション32上に位置しない場合、落としこみまたはスライド・ドア(詳細は図示せず)を使用して閉じられる。充電式バッテリーを交換するために、車両2は、開いている交換ステーション32の駐車マーク34上に移動され、下から一度、保持装置、接続、および付随的にカバーを外して、車両の充電式バッテリー8を取り外す。次いで、充電式バッテリー8は、コンベヤ38を利用して貯蔵ゾーンに運ばれる。貯蔵ゾーンから同様にコンベヤ38を利用して、フル充電された充電式バッテリー8が交換ピット38に運ばれ、ロボットを使って車両2に取り付けられる。
【0052】
駐車マーク34は、この場合、単に床にペイントされたマークである。しかしながら、一変形において、駐車マーク34は、例えば、自動洗車システムの場合にそれ知られるような、交換ステーション32上の車両2を位置決めするための搬送装置を備えることもできる。車両は、このような搬送装置の方法で交換工程のために自動的に配置され得る。
【0053】
セルフサービス制御装置30は複数の機能を有する。この場合、一人の操作者が、本人確認を提出し、交換工程を承認することができる。支払もここでできる。また、セルフサービス制御装置30は、本人確認および交換工程の進捗、成功、または、失敗を表示する。
【0054】
交換工程が失敗した場合、全ての交換ステーション32の充電接続40が、サービスパイロン28上に配置される。充電接続40は、セルフサービス制御装置30を介して制御される。充電ゾーンの自動充電装置24とは対照的に、急速充電工程のみが、交換ゾーン14の充電接続40で行われ得、交換ステーションを長時間占領されることを防止する。
【0055】
区分化されたシェルフ・システム44およびテストステーション46が、貯蔵建屋42内の貯蔵ゾーン16内に設けられる。
【0056】
区分化されたシェルフ・システム44は、複数のタイプの充電式バッテリー8A〜8E用の複数の隔室A〜Eと、多目的用途の1つの隔室Fとを備える。テストステーション46は、充電式バッテリー8をチェックし、それらを区分化されたシェルフ・システム44に貯蔵するために送るか、補修を頼むか、運び去って分離するのに役立つ。
【0057】
区分化されたシェルフ・システム44の隔室内で、充電式バッテリー8は、充電システムに接続される。区分化されたシェルフ・システム44の隔室は、この目的のために、充電式バッテリーの電極に適合し、そこに置く上で好ましくはぴったり合う方式で、そこでの接触を確立する出力口を備える。従って、充電式バッテリー8は、区分化されたシェルフ・システム44内で充電される。充電制御装置(L−ECU)65が、適切な充電プログラムを実施するように設けられ、充電システムに接続される。充電工程は、エネルギー効率、安全性、および貯蔵物流の側面に従って自動的に実行される。
【0058】
安全性の理由で、区分化されたシェルフ・システム42の隔室A〜Fと、付随的により小さな部分ともが、耐火性に対して互いに遮蔽されている。さらに、貯蔵ゾーン16全体と、コンベヤ38およびタブシステムを備える交換ピット36の全領域とが、充電式バッテリーから生じ得る任意の流体が通過しないように絶縁されている。
【0059】
エネルギー管理ゾーン18では、中央エネルギー制御装置(P−ECU)48が、充填ステーションT内の全工程を制御し、分配ネットワーク50を介して特定の消費物、特に、充電ゾーンの自動充電装置24、交換ゾーン14の充電接続40、および、貯蔵ゾーン42のL−ECU65に電気エネルギーを分配する。また、L−ECU65は、P−ECU48に統合され得る。
【0060】
変圧器53は、独自のエネルギーネットワーク「N」から電気エネルギーを与えられ、それを利用可能な電圧へ変換する。電気エネルギーは、中間貯蔵プラント54でバッファされる。風車56は、発電機「G」によって風エネルギーから電流を発生する。
【0061】
風車56は、電気エネルギーの現地発電の一例に過ぎない。地理的な場所によって、再生エネルギー源を活用するために、太陽発電ファーム、潮または波力プラント、水貯蔵力プラント、水流発電、地熱発電などを利用することが同様に可能である。現地で再生エネルギー源から作られたエネルギーも、それは通常常に利用可能でないため、すぐに使用されない場合は中間貯蔵プラント54内にバッファされる。再生電力発電に加えて、通常の電力プラントまたはエネルギーに基づく1つの発電機を設けることも可能である。
【0062】
アンテナ64を備える無線装置58は、上述のように、管理センターZ、他の充填ステーションT、衛星ネットワーク(サテライト60として図2示す)、または車両2と通信可能にするめに設けられる。
【0063】
貯蔵建屋42は、区分化されたシェルフ・システム44を空調する空調装置66と、外部排気するための排気ベンチレータ68とを備える。空調装置の操作モードは、下記に詳細に説明される。
【0064】
図3は、貯蔵建屋42と区分化されたシェルフ・システム44と空調装置66との機能的関係を概略的に示す。簡易化するために、区分化されたシェルフ・システム44は、図2の充電式バッテリー8A〜8Eを代表し、電荷伝導ネットワーク67を介して適切な充電プログラムを実行するL−ECU65に接続される、2つの充電式バッテリー8を受容する1つの隔室70のみで描写される。
【0065】
区分化されたシェルフ・システム44は、その環境に対して区分化されたシェルフ・システム44の内部を断熱する壁断熱72を有する。空調装置66は、貯蔵建屋42の外に設置され、接続ライン74によって区分化されたシェルフ・システム44の内部に接続される。空調装置66は、吸気として外気を引き込み、それを所望の状態値までもっていき、その空気を調整された空気として区分化されたシェルフ・システム44の内部に送る。排気ベンチレータ68は、区分化されたシェルフ・システム44の壁の中に組み込まれ、また、排気ライン76が貯蔵建屋42の壁の開口に接続されることによって、区分化されたシェルフ・システム44の内部のから外の大気に排気する。
【0066】
空調装置66は、共通筐体内に収容される、吸気ダクト78、ベンチレータ80、過熱ユニット82、冷却ユニット84、加湿ユニット86、および、除湿ユニット88を備える。各ユニット82、84、86、88は、複数の個々の装置または部品を備え、複数のユニットが1つの部品内に一体化され得る。当業者であれば、この適用範囲内でより深い説明を必要とせずに、彼らの知識および能力に従って適切な方式で、選択、設計、位置づけ、接続、および設置できる。温または冷水、蒸気、電流、適切な搬送要素、供給および保持容器、制御および制限装置を有する個々の構成要素を制御し供給するさらなる装置が描写から省略され、必要性および適性によって使用される。
【0067】
空調装置66は、一般的なワークステーションコンピュータまたは特別なコンピュータ装置である温湿度制御装置(K−ECU)90によって制御される。最重要構成として、それは、中央処理ユニット(CPU)92、読み出し専用メモリ(ROM)、メインメモリ(RAM)96、磁気または光学ドライブ(LW)98(オプション)、および、温湿度制御装置90の構成要素を互いに接続する内部バス100を備える。ハードドライブまたは、適切なフラッシュメモリがメモリを拡張するために設けられ得る。内部バス100に接続される外部インターフェース(入出力インターフェース)は、温湿度制御装置90の境界に示される。外部インターフェースは、ケーブルを接続する接続ソケットまたは同類物と、入出力データまたは信号を処理する適切なバスとによってまとめられる。キーボード、マウス、モニタ、制御ライトなどのような外部入出力装置が設けられるが、それらは簡易化のために描写から省略される。
【0068】
温湿度制御装置90は、信号ライン(図に点線で描写される)を介して空調装置66および排気ベンチレータ68と、多数のセンサに接続される。外気温度センサ102は、区分化されたシェルフ・システム44の外に位置し、外気の温度νを測定するために設けられる。湿度センサ104は、区分化されたシェルフ・システム44の外に位置し、外気との相対湿度νを測定するために設けられる。部屋温度センサ106は、区分化されたシェルフ・システム44の内側に位置し、区分化されたシェルフ・システム44の内部の温度νを測定するために設けられる。部屋湿度センサ108は、区分化されたシェルフ・システム44の内側に位置し、区分化されたシェルフ・システム44の内部の湿度νを測定するために設けられる。
【0069】
空調装置66を制御するルーチンは、CPU92によって実行される温湿度制御装置90のメモリ領域に保存される。
【0070】
空調の第1の目的は、区分化されたシェルフ・システム44内の所定の最適温度νoptを維持することである。最適温度は、充電式バッテリーの所定のタイプ用に特定される、または、多数の充電式バッテリータイプの平均値として規定される。最適温度は、手作業で入力され得る、または、温湿度制御装置または制御ルーチンの一部品のRAMまたはROMに予め保存され得る。温湿度装置が充電式バッテリーのパラメータ、充電状態または充電プログラム、季節、または、他のパラメータをさらに活用して最適温度を算出することが実行可能である。このように、温湿度制御装置90は、区分化されたシェルフ・システム44内の温度を適切な方式で空調装置66を制御することによって最適温度νoptに制御する。
【0071】
温度制御に加えて、制御ルーチンは、湿度制御と露点制御も実行し、それをする上で図4に示す関係を活用する。図4に示すグラフでは、空気の相対湿度φがX軸上にプロットされ、気温νが、Y軸上にプロットされる。相対湿度および温度の各対の値にとって、湿度の高い空気に露出された物体上に凝縮物が形成される正確に1つの温度が存在し、それは正確に100%の相対湿度に届くところである。この温度が、露点温度τである。図4に示す表では、一定の露点温度を有する複数の線が、パラメータτとともに一群の曲線として示されている。この関係は理論上知られており、方程式によって表される。
【0072】
(1) τ=f(ν,φ) または
【0073】
(1a) φ=f−1(τ,ν)
【0074】
ここで、φは相対湿度%であり、νは気温℃であり、τは露点温度℃であり、さらに、fはν、φが与えられる際のτの値を導く関数であり、f−1は、関数fの逆関数である。この関数の関係は、関数または値テーブルとして制御ルーチンまたは分離したメモリ領域内に保存される。
【0075】
露点制御の目的は、区分化されたシェルフ・システム44内の空気が、露点(より具体的には、露点温度τ)について外気に対する調整がされることを確約することである。この調整は以下のように実行される。
【0076】
センサ102、104で測定された外気温度および湿度ν、φに基づいて、温湿度制御装置90はまず、方程式に従って外気の露点温度τを決定する。
【0077】
(2) τ=f(ν,φ
【0078】
次の条件を有する
(3) νR,soll=νopt
【0079】
(4) τR,soll=τ
【0080】
ここで、νR,sollは区分化されたシェルフ・システム44内の気温の設定値であり、τR,sollは、区分化されたシェルフ・システム44内の露点湿度の設定値であり、温湿度制御装置90は、次の方程式を使って区分化されたシェルフ・システム44内の相対湿度の設定値φR,sollを決定する。
【0081】
(5) φR,soll=f−1(τR,soll,νR,soll
=f−1(τ,νopt
=f−1(f(ν,φ),νopt).
(制御ルーチンは、方程式(5)の1つ目の式のみを参照し、方程式(5)の2つ目および3つ目の式は、φR,sollが最終的に従うパラメータを示すだけの役割を果たす。)
【0082】
そこから始まり、温湿度制御装置90は、温度νoptが区分化されたシェルフ・システム44の内部に達するように空調装置66を制御し、区分化されたシェルフ・システム44内の空気が、露点について外気に対して調整される、これらのプロセスは、以下により詳細に説明される。
【0083】
図3に示すように、空気は、空調装置66から、温度νおよび相対湿度φを有しながらdV/dtの体積流速で放たれ、調整空気として区分化されたシェルフ・システム44内に供給される。この調整空気は、気流ガイドに応じて、そこに存在する部屋の空気と少なくとも部分的に混ざり、内部空間内に存在する室内空気を部分的に取り代わる。さらに、異なる箇所xに位置し、異なる充電状態を有する充電式バッテリー8からの熱流dQ(x,t)/dtがこの混合空気に供給される。結果として、温度νおよび相対湿度φを有する新しい室内空気の状態となる。
【0084】
制御技術の視点からすると、放熱する充電式バッテリー8を含む、区分化されたシェルフ・システム44内の空間は、伝達関数UFRを有するシステムを形成し、区分化されたシェルフ・システム44の伝達関数UFRは、温度νKおよび相対湿度φを有する調整空気が、区分化されたシェルフ・システム44内の空間に体積流速dV/dtで供給された際に、どの温度区分化されたシェルフ・システム44内で達成されたかを示す。区分化されたシェルフ・システム44の伝達関数UFRは、任意の時点で分からない。(しかしながら、調整空気内に含まれる水分を除いて区分化されたシェルフ・システム44内の空間に湿気が供給されないとみなし、かつ、排気内に含まれる水分以外に湿気が引き出されないとみなすと、暖気は冷気より多くの湿気を吸収することができるという物理法則により、必然的に、区分されたシェルフ・システム44内の空間の相対湿度φは、そこで達した温度νと室内空気内に含まれる全水分量とに基づいた結果になる。)
従って、次のように形式的に表す。
【0085】
(6) (ν,φ)=UFR(ν,φ,dV/dt,ν,φ
【0086】
前述のように、区分されたシェルフ・システム44内に空間の伝達関数UFRは、任意の時点で分からない。しかしながら、区分されたシェルフ・システム44内の温度νおよび相対湿度φの現行値に基づいて、区分されたシェルフ・システム44の伝達関数UFRを推測することは可能である。特に、区分化されたシェルフ・システム44の伝達関数UFRのおよその逆関数UFR−1を定義し、それに基づいて、区分化されたシェルフ・システム44内の所定設定状態に達するように、温度νK,soll、湿度φK,soll、および、調整空気の体積流速(dV/dt)sollの適切な設定値を決定することは可能である。この関係は次のように表される。
【0087】
(7) ((dV/dt)soll,νK,soll,φK,soll)=UFR−1(ν,φ,νR,soll,φR,soll
【0088】
方程式(7)に基づいて、温湿度調整装置9は、区分化されたシェルフ・システム44に供給される調整空気の設定パラメータ(dV/dt)soll, νK,soll,φK,sollを算出する。
【0089】
体積流速dV/dtは、温度状態およびエネルギーバランスを最適にするために使用される変数パラメータを形成する。
【0090】
変化しないように特定されたスピードnを有するベンチレータ80は、空調装置66内で使用され、次いでベンチレータ90が起動されると、生じ得る空調装置66の体積流速(dV/dt)Einは基本的に不変である。この場合、最適化のための体積流速dV/dtを使用することが省かれ、これにより、他の装置および空調装置66の部品、特に過熱ユニット82および冷却ユニット84が、より広い制御範囲をカバーする必要があるかもしれない。
【0091】
しかしながら、体積流速dV/dtに基づいた最適化が、空調装置66の特定の固定された体積流速(dV/dt)Einで省かれない場合、任意(平均)の体積流速dV/dtはベンチレータ90を付けたり消したりすることによって得ることができる。開始気流が、ただ1つの特定の最大値(スイッチオン)と0(スイッチオフ)を有する方形波信号としてベンチレータ80に供給される場合、開始気流の負荷サイクルと称されるgが次のように定義される。
【0092】
(8) g=tEin/T
【0093】
ここで、ベンチレータ80のtEinは起動周期であり、Tは方形波信号の周期である。次いで、所望の負荷比は、次のように決定される。
【0094】
(9) gsoll=(dV/dt)soll/(dV/dt)Ein
【0095】
この場合で、方程式(7)が使用される際は、次の条件が考慮される必要がある。
【0096】
(10) (dV/dt)soll≦(dV/dt)Ein
【0097】
言い換えると、負荷制御によって全体的に達成される体積流速は、空調装置66の起動体積流速より大きくてはいけない。
【0098】
空調装置66は、伝達関数UKGを有するシステムも形成し、空調装置66の伝達関数UKGは、温度νおよび相対湿度φを有する外気が空調装置66に入り、体積流速dV/dtでそこを通過する際に、どの温度νおよび相対湿度φを調整空気が有するかを示す。
【0099】
空調装置66の伝達関数UKGは、空調装置66の装置および部品の全てに関連する状態として理論上は知られており、装置および部品の状態は、その作動装置の操作された変数によって決定される。空調装置66の装置および部品の全ての状態変数および操作された変数が、状態ベクトルKGにおいて組み合わされる場合、次の式が適用される。
【0100】
(11) (ν,φ)=UKGKG,ν,φ
【0101】
温湿度制御装置66は、外気の状態空調装置66を調整するための適切な調整ルーチンを有する。調整ルーチンは、伝達関数適切な逆関数を有し、空調装置66の調整パラメータが変化した際に、伝達関数を数値的に評価できる。UKG−1が逆数であり、または、UKGが空調装置66の伝達関数UKGの数値的評価である場合、次の式が適用される。
【0102】
(11a) KG=UKG−1(νK,soll,φK,soll,ν,φ) または、
【0103】
(11b) KG=UKG(νK,soll,φK,soll,ν,φ).
【0104】
体積流速dV/dtは、運転状態によって与えられ、例えば、変化する開始気流または負荷サイクルgおよび固定的に特定されたベンチレータ80の最大開始気流は、つまり、空調装置66の状態ベクトルKG内に黙示的に含まれる。
【0105】
言い換えると、温湿度制御装置90は、空調装置66が外気から供給される調整空気を送るように空調装置66を制御し、そのパラメータdV/dt,ν,φが、区分化されたシェルフ・システム44内の露点温度τが、外気の露点温度τと一致する要件とともに、所望の温度ν=νR,soll=νoptと、所望の湿度φ=φR,sollが区分化されたシェルフ・システム内で達成されるように調整される。
【0106】
示す実施形態では、室外センサ102、104が、外気の温度νおよび相対湿度φを送る。室外センサ102、104の代わりに、またはこれらに足して、空調装置66の吸気ダクト78内の吸気の温度νおよび相対湿度φZを測定するために吸気ダクトセンサ114、116を設けることができる。
吸気の状態パラメータν,φが、外気の状態パラメータν,φの代わりに上記方程式(2)〜(11)に従って制御において使用され得る。
【0107】
室内センサ106、108は、区分化されたシェルフ・システム44内の適切な箇所に配置される。空気の状態変数、特に区分化されたシェルフ・システム44の温度νRと、従って相対湿度φRは、熱を射出する複数の受電式バッテリー8を通過する過程で変化するので、複数の室内センサ106、108が、測定値を検証する、および/または平均化するために設けられ得る
【0108】
室内センサ106、108に追加して、または代わりに、排気ダクトセンサ118、120が、排気エアダクト76内の空気の温度νFおよび相対湿度φを測定するために設けられ得る。排気の状態パラメータν,φは、例えばさらなる検証または平均化を達成するために、区分化されたシェルフ・システム44内の状態パラメータν,φに追加してまたは代わりに上記方程式(2)〜(11)に従って制御において使用され得る。
【0109】
区分かれたシェルフ・システム44内の空気ガイドは、調整空気および排気の状態が、区分化されたシェルフ・システム44内の室内空気の境界状態を指し示すように設計される。従って、次の式が適用される。
【0110】
(12) ν≦ν(x)≦ν および
【0111】
(13) φ≧φ(x)≧φ
【0112】
従って次のように、区分化されたシェルフ・システム内の平均温度および平均相対湿度をかなり正確に予測することができる。
【0113】
(14) ν(x=l/2)=(ν+ν)/2
【0114】
(15) φ(x=l/2)=(φ+φ)/2
【0115】
ここで、lは連結チャネル74から排気ダクト75までの区分化されたシェルフ・システム44内の気流経路xの全長である。このタイプの平均化が、実験を介して、または理論的に決定される適切な重み付けを付随的に伴って実行される場合、室内空気センサの使用は、ある環境のもとでは省かれる。
【0116】
最適な温度νoptに基づいて制御することに加えて、または代わりに、空調は、対応する充電式バッテリー8の特定の、または別々に決められた温度限界が維持され得るように実効され得る。
【0117】
示す実施形態では、温湿度制御装置90は、空調装置66から分離して位置する。しかしながら、温湿度装置90が、空調装置66の一構成要素であってもよい。
さらなる変形において、温湿度制御装置90は、状態ベクトル設定値SKG,sollの代わりに、調整空気の設定値パラメータ(dV/dt,ν,φ)K,soll(選択的にdV/dtの代わりにg)のみを算出し、それらを空調装置66に供給することが可能であり、一方、空調装置66内のさらなる制御装置(詳細は図示せず)が、空調装置66が必要な設定値パラメータを有する調整空気を送るように空調装置66の構成要素を制御する(例えば、その調整値KGを算出する)役割を有する。また、温湿度制御装置90は、充電制御装置(L−ECU)65またはエネルギー制御装置(P−ECU)48の一部、あるいはその反対であることができる。
【0118】
示す実施形態では、空調装置66は、貯蔵建屋42の外に設置され、連結ライン74によって区分化されたシェルフ・システム44の内部に連結される。しかしながら、空調装置66の位置は、本発明の有効性に対して重要なことではない。また、空調装置は、貯蔵建屋42の中、区分かされたシェルフ・システム44の外壁に直接、または、区分化されたシェルフ・システム44自体の中に配置され得る。区分化されたシェルフ・システム44またはその隔室は、周囲の貯蔵建屋なしに瀬一致され得る。
【0119】
複数の手動搭載可能隔室を備える充電ステーションが、図2に示す充填ステーションから独立して飲料自販機の方式で道路の片側に設置されることも可能であり、充電ステーションから充電された充電式バッテリーをとり、そこで放電された充電式バッテリーを降ろすことが可能である。この受電ステーションは、交換された充電式バッテリーを識別/照合する適切な手段と、銀行カード読み取りおよび照合機または同類物などの適切な在庫管理機構とを備え得る。
【0120】
示す実施形態では、排気ベンチレータ68は、区分化されたシェルフ・システム44の壁内に設置され、貯蔵建屋42の壁の開口内に入る排気管76によって周囲に連結される。排気ベンチレータ68は、区分化されたシェルフ・システム44内の所定の流路を実現するために必要ではあるが、選択的なものである。空調装置66内のベンチレータ80の代わりに、排気ベンチレータ68の吸引効果のみを利用することも可能である。
【0121】
示す実施形態では、図3において区分化されたシェルフ・システム44の壁は、断熱材72を備え、区分化されたシェルフ・システム44は、貯蔵建屋42内に位置する。代替または追加で、貯蔵建屋42の壁自体が断熱材を備え得る。
【0122】
示す実施形態では、図2において、区分化されたシェルフ・システム44は、充電式バッテリーの複数のタイプA〜F用のキャビネットまたは隔室を装備し、区分化されたシェルフ・システム全体には、空調装置66による調整空気が供給される。さらに、区分化されたシェルフ・システム44は、図3では、2つの充電式バッテリー用の1つの受容隔室70のみが、図2における受電式バッテリー8A〜8Eの代表として描写される。特に多数のキャビネットや、異なる充電式バッテリーのタイプのための隔室の仕切りなどに対する、区分化されたシェルフ・システムの棚44内の仕切りは、本発明にとって重要ではない。ある変形では、区分化されたシェルフ・システム44の各隔室には、他の隔室から断熱され、別々の空調装置または空調装置の別々の吸気経路によって調整空気が供給されることも可能である。
【0123】
図5は、本発明の第2の実施形態を示す。この実施形態は、次に説明される逸脱点以外は上述の実施形態と同一である。従って、前記実施形態および本実施形態に対するにその変形に提供された説明を次に説明する逸脱点に矛盾しない範囲で最大限に適用することが可能である。特に、符号は、同一または類似の構成要素を参照する前述の実施形態で使用されたものと同一である。前述の実施形態の内容において名付けられ、説明された構成要素は、簡略化のために、省かれ、述べられないままであることが可能であるが、このことにより構成要素の存在を除外されることはない。下述される実施形態に対する考慮および変形が、技術的に妥当であれば、前の実施形態およびその変形に適用され得る。
【0124】
図5は、異なる充電式バッテリーのタイプ8Aおよび8B用の2つの隔室AおよびBを有する区分化されたシェルフ・システム44を示す。隔室AおよびBは、熱的かつ耐火性に対して互いに分離される。隔室への分割は、異なる充電式バッテリーのタイプを割り当てる、または火災の危険性をより良好に扱うために使用され得る。
【0125】
分離した空調装置66は、隔室AおよびBそれぞれに割り当てられる。各空調装置66は、温室度制御装置90によって制御される。特定の調整空気の状態パラメータ(ν,φまたは(ν,φを決定するダクトセンサは、空調装置66内に一体化される。両方の空調装置66は、分離した吸気管78を有する。状態パラメータダクトセンサ118、120を備える吸気管は、排気ベンチレータ68内に入る共通吸気管内に入る。一般性の喪失なしに、調整空気の温度νK,A/B,sollおよび相対湿度φK,A/B,sollと、負荷サイクルgA/B,sollとは、設定値パラメータとして、それらが送られると、測定された温度νK,A/Bおよび相対湿度φK,A/Bと体積流速(dV/dt)A/Bとが実際のパラメータとして、空調装置に供給される。
【0126】
この実施形態では、空調装置66は、一変形として上述の実施形態に対して前述のように、区分化されたシェルフ・システム44の壁上に直接それぞれ取り付けられる。この実施形態では、前記実施形態に関連して述べたダクトセンサ114〜120は、例えば、吸気および排気の状態パラメータを検出するために設けられる。室内空気および室外空気センサの使用は、結果的に除外されるべきではない。
【0127】
第1の実施形態と対照的に、この場合、全てのセンサおよび全ての装置は、別々のデータまたは信号ラインによって温湿度制御装置90に個別に接続されない。代わりに、温湿度制御装置90および全てのセンサ、装置、コントローラおよび同類物に接続されるデータバス121が設けられる。データバス121は、ローカルエリア・ネットワーク(LAN)内に設置される。例えば、接続された構成要素は、適切なプロトコル、または別々に作られたプロトコルを含む、HTTP, TCP/IP, UDP, ICMP, MPLS, wLAN, dLAN(登録商標)などの複数のプロトコルの組み合わせを使って互いに通信することができ、図には2重点線で描写される。
【0128】
さらに、排気熱交換器122は、排気ベンチレータ68の下流に接続される。排気熱交換器122は、前進ライン124および戻りライン126によって熱貯蔵128に結合される。熱貯蔵124は、熱貯蔵媒体(一般的には水)が充填された容器である。熱伝導ライン130は、熱伝導面が可能な限り大きくなる方法(熱伝導ラインので、曲がりくねった、または螺旋形の経路によって有利に実現される)で、その冷たい側K(底側)上の熱貯蔵128を通過して延在し、前進ライン124と戻りライン126が接続される2つのコネクタを備える。熱伝導媒体(一般的には水)が、排気熱交換器、前進ライン124、戻りライン126、および熱貯蔵128の熱伝導ライン130によって形成される熱回収回路中をポンプ132によって循環する。熱回収回路は、遮断弁134によって遮断することが可能である。ポンプ132および遮断弁134は、コントローラ(全てのコントローラは、明細書では「R」と付せられ、下記でもさらなる符号は使用されない)によってそれぞれ制御可能である。コントローラはデータバス121に接続され、これにより、コントローラを温湿度制御装置90によって操作可能にする。
【0129】
この方式では、排気からの余分な使用可能熱が、排気熱交換器122によって熱回収回路内を循環する熱伝導媒体に出され、また、熱伝導ライン130によって熱貯蔵128内に位置する熱貯蔵媒体に出される。濃度差のため、重力効果が、低温側が熱貯蔵128の下方領域に画定され、高温側Wが熱貯蔵128の上方領域に画定されるように温度成層を設置させる。
【0130】
熱貯蔵128は、それ自体が既知の方式で熱利用回路に接続される。熱貯蔵媒体は、熱貯蔵128から複数個所(この場合では3箇所)で回収可能であり、熱貯蔵128のレベルに沿って分配される遮断弁136、138、140によって各箇所で遮断可能である。熱貯蔵内にその時点で存在する温度成層は、遮蔽弁136、138、140のどの弁を開くかを決定する。熱貯蔵内にその時点で存在する温度成層は、データバス121によって温湿度制御装置90に接続される温度センサ142、144によって決定される。温度センサ142は、熱貯蔵の情報領域に配置され、高温領域νB,W,内の容器温度を検出する一方、温度センサ144は、熱貯蔵128の底領域に配置され、低温領域νB,K,内の容器温度を検出する
【0131】
遮断弁136、138、140の排気口が、熱利用回路の熱共通前進ライン146に入る。1つ以上のユーザー回路の提供後、排気口は、低温側面上の熱貯蔵128内に入る熱利用回路の共通戻りライン148に合流する。ユーザー回路の例として、図5は、熱核150、ポンプ152、およびサーモスタット・アングル弁154を有する加熱回路と、熱交換器156、ポンプ158、および遮断弁160を備える温水回路を示す。熱交換器156は貫流原理に従って作動し、用水または飲料水を過熱する。
【0132】
図に示す回路および使用方法は、例であり、いかようにも潜在用途を制限することはない。排気の散逸された熱は、例えば、(充填ステーションに付属する小売または管理建屋などの)直接的な室内空気の加熱、または、別の方式による使用で、地域加熱ネットワーク内に貯蔵され得る。また、熱貯蔵は、地域熱、太陽熱、地熱、太陽または風力流、エネルギーに基づく発生器などの他の熱源によって過熱され得る。空調装置66の吸気の再生加熱は、排気内の熱によって行われ得る。
【0133】
該明細書の範囲内で、体積流を切り替えるまたは制限する全ての流動力学的な制御動作パネルは、その機構に関わらず、弁と称される。従って、タップ、滑動要素、フラップ、閉鎖バッフル、および同類物は、該明細書の範囲内で用語「弁」に含まれる。前記実施形態に関連すて説明された閉鎖弁は、例えば、電磁気作動スイッチング弁または、オンオフ弁(2/2方向制御弁)、電気モータ作動ボール弁、あるいは空気圧、油圧、またはモータおよびラックによって作動するロッキングスライドなどであってよい。遮断弁の代わりに、特に加熱回路のサーモスタット・アングル弁154でのみでなく、制御弁または比例弁を使用することも可能である。
【0134】
空調装置66の機構の詳細は、本願に説明されなかった。空調装置66は、多数の個々の構成要素を備え得、それぞれが、順に、例えば、関連する容器、導管、弁、ポンプおよびその制御および作動要素、電気加熱アセンブリ、関連する蒸気発生器を含む蒸発器などなどを含む温水および/または冷水回路を含むことができる制御回路の構成要素であり得、各構成要素は、温湿度制御装置またはそれぞれが関連する制御装置によって制御される。
【0135】
空調装置の構成要素の一部は、特に必要ではないが例えば、複数フリップシャッター、エアフィルター、集水器を備える表面冷却器、水回路によって排気流内の排気熱交換器に接続される水予熱のための外気熱交換器、および吸音器を備え得るプレ空調部分内に組み合わせられる。ポスト空調部分は、特に必要ではないが例えば、ベンチレータ、ラジエータ、スプレー加湿器、ミスト収拾器、過熱器、およびさらなる吸音器を備えることができる。区分化されたシェルフ・システム44の複数の互いに断熱された隔室を備える前述の実施形態に対して、ポスト空調システムは、多種多様、すなわち、入口は共通のプレ空調部分に作られる一方、区分化されたシェルフ・システム44の各隔室に1つ存在し得る。
【0136】
システムへの捕捉として、タイプ検知装置が、区分化されたシェルフ・システム44またはテストステーション46またはコンベヤ38または交換ピット36または他の適切な任意場所に設けられもよく、タイプ検知装置は、保持器内に収容される充電式バッテリー8のタイプを検知するように設計・装備される。このタイプ検知は、適切な充電プログラムを使用すること可能にし、温湿度制御装置(K−ECU)90が、そこに収容される充電式バッテリー8のタイプに基づいて区分化されたシェルフ・システム44内の温度の最適値νoptを決定することが可能になる。この目的のために、ROM94、RAM96、またはディスクドライブ98内のデータ貯蔵装置内にテーブルを保存することができ、このことが、最適な値を充電式バッテリーの所定タイプに割り当てることを可能にし、テーブルに記載される複数のタイプは、好ましくは、区分かされたシェルフ・システム44内に収容され得る充電式バッテリーのタイプを含む。複数の充電式バッテリーのタイプ(8A〜8E)が区分化されたシェルフ・システム44内に収容さされ得る場合、収容されるタイプに対応する最適値の平均値が、最適な温度νoptとして算出され得る。さらには、テーブルによって、充電式バッテリーのタイプの許容される温度を割り当てることが可能であり、温湿度制御装置66は、保持器に収容される充電式バッテリーの許容される温度範囲が維持されるように、テーブルを参照することによって区分化されたシェルフ・システム44内の温度の近似最適値を決めるように設計・装備され得る。
【0137】
また、空調装置(66)の体積流速の測定は、このパラメータの固持を容易にすることができる。
【0138】
さらなるシステムへの捕捉として、所定装置が設けられ、電気エネルギー貯蔵装置をモジュールに解体するように設けられ得、この解体は、操作者によって手動で、あるいは、半自動または全自動方式で実行され得る。このタイプの解体は、充電式バッテリー8A〜8Fの多数のサイズおよびモデルを検討する代わりに、それぞれが様々な車輌モデルに適合し、より管理し易い数のモジュールのサイズおよびモジュールの形状が考慮される必要がある点で有利である。従って、より少ない数の異なる隔室の形状が、区分化されたシェルフ・システム内に設けられる必要がある。より小さなモジュールの取り扱いおよび冷却が、大きなブロックの場合に比べてより簡単になり得る。
【0139】
図1および図2に示す無線通信を、(特に、衛星通信システムに使用なしに)有線通信優先通信システムによって置き換えることが可能である。例えば、必要とされる次の充電式バッテリーの要求が車輌2との通信によって決定された場合、貯蔵された充電式バッテリーの充電プログラムを調整する意味があるが、車輌2との通信は選択的である。
【0140】
充電式バッテリー8は、車輌タイプの要件および利用可能な空間に基づいて適切な方法で組み立てられ、相互接続される複数のモジュールを備えることが可能である。充電式バッテリーモジュールは、複数の二次電池をそれぞれ備え得る。二次電池は、特に限るわけではないが、両狭側面上に外向きに突出するフラット電流コレクタ(ポール)を有するフラット電池であり得る。限らないが有利に、二次電池は、リチウムを含む電気化学的に活物質(リチウムイオン蓄電池と称される)を備えることができる。
【0141】
本発明は、公道ネットワークの4輪車輌の車輌バッテリーとの関連で上述された。
本発明の有用性は、車両のタイプまたは車輪、車軸、駆動車輪の数、あるいは駆動車輌の機構自体に依存するものではない。代案として、全ての車輪4が、電気モータ4によって駆動可能であり得る。また、各駆動可能車輪が、選択的に車輪内またはハブ筐体内に取り付けられる別々の電気モータを有することも可能である。本発明は、2つまたは3つの車軸を有する乗用車、2つ、3つまたはそれ以上の車軸を有するトラック、前後に配置されたまたは隣同士に配置された車輪を有するオートバイ、無限軸動車、船、または、飛行機に同様に適用可能である。本発明は、電気充電式バッテリーまたは高性能コンデンサなど別のエネルギー貯蔵が充電される場合に、産業システムと関連して適用可能である。
【0142】
貯蔵領域12に配置された装置(図2参照)は、本発明において全体的または部分的に充電装置として理解され得る。本明細書で言うところの充電式バッテリーまたはバッテリー8、8A〜8E、または、選択的にバッテリーモジュールは、本発明において電気エネルギー貯蔵である。区分化されたシェルフ・システム44はまたは貯蔵建屋42全体は、本発明において保持装置である。空調装置66は、本発明において一空調装置である。充電制御装置65および電荷伝導ネットワーク67は、本発明における充電および充電制御装置である。空調装置80は、本発明において一空調装置である。加熱装置82および冷却装置84は、本発明において温度制御装置を形成する。加湿器86および除湿器88は、本発明において一調整装置を形成する。調整装置および温度制御装置の機能は、本願では抽象的に分離され、その空調関連構成要素の機能は、温度制御装置および調整装置と重複し、割り当て可能である。温湿度制御装置90は、本発明において一制御装置である。温度センサ102、106、110、114、118および湿度センサ104、108、112、116、120は、本発明において測定センサであり、本発明において部分的または全体的に測定装置を形成する。室内温度νR,sollの設定値は、本発明において設定温度である。外気は、本発明において周囲空気である。選択的に外気と同一である吸気は、本発明において空調装置に導入される空気である。調整空気は、本発明において保持装置の内部に供給される空気である。体積流速は、本発明おいて空気量を測定したものである。受容隔室70、受容隔室70(図3または図5参照)内の充電式バッテリー8の位置、隔室A〜F(図2参照)、その全ての個々の隔室、または区分化されたシェルフ・システム44内の任意位置は、本発明において保持装置内の一場所であり得る。
【0143】
参照記号、式記号、および指標のリストが、明細書のなくてはならない一部であることが明示される。
【0144】
[指標の説明]
τ 露点温度(℃)
φ 相対湿度(%)
ν 温度(℃)
d.../dt ...電流に対する導関数
f 関数(この場合では特に露点関数)
g 負荷サイクル(または、パルス制御因子もしくは負荷比)
l 気流経路の全長
n 速度
t 時間
x 気流経路長
状態ベクトル(または、一般的には操作された変数の状態マトリックス)
T 方形波信号の周期
U 伝達関数
V 容積
−1 逆数関数 (上付き記号のみ)
A 外気
B 容器
On スイッチオン状態
F 排気
FR 区分化されたシェルフ・システム
K 調整空気、低温側
KG 空調装置
opt 最適値
N 関数の数値評価(上付き記号のみ)
R 室内空気
soll 設定値
W 高温側
Z 吸気
【符号の説明】
【0145】
1 公道ネットワーク
2 車輌
4 車輪
6 電気モータ(M/G)
8、 8’ 充電式バッテリー
10 車輌制御装置(V−ECU)
12 セルフ充電ゾーン
14 交換ゾーン
16 貯蔵ゾーン
18 エネルギー管理ゾーン
20 セルフ充電ゾーンの進入路
22 充電ステーション
24 自動充電装置
26 交換ゾーンの進入路
28 サービスパイロン
30 セルフサービス制御装置
32 交換ステーション
34 駐車マーク
36 交換ピット
38 コンベヤ
40 充電接続
42 充電式バッテリー充電および貯蔵建屋
44 区分化されたシェルフ・システム
46 テストステーション
48 エネルギー制御装置(P−ECU)
50 分配ネットワーク
52 変圧器
54 中間貯蔵プラント
56 風車
58 無線装置
60 サテライト
62、64 アンテナ
65 充電制御装置(L−ECU)
66 空調装置
67 電荷伝導ネットワーク
68 排気ベンチレータ
70 受容隔室
72 壁断熱
74 連結ライン
76 排気ダクト
78 吸気ダクト
80 ベンチレータ
82 加熱ユニット
84 冷却ユニット
86 加湿ユニット
88 除湿ユニット
90 温湿度制御装置
92 CPU
94 ROM
96 RAM
98 ディスクドライブ(LW)
100 内部バス
102 室外温度センサ
104 室外温度センサ
106 室内温度センサ
108 室内湿度センサ
110、114、118 ダクト温度センサ
112、116、120 ダクト湿度センサ
121 外部バス(LAN)
122 外気熱交換器
124 前進ライン
126 戻りライン
128 熱貯蔵
130 熱伝導ライン
132 ポンプ
134〜140 遮断弁
142、144 容器温度センサ
146 熱回路前進ライン
148 熱回路戻りライン
150 核熱
152、158 ポンプ
154 サーモスタット・アングル弁
156 温水熱交換器、熱交換器
160 遮断弁
A〜F 区分化されたシェルフ・システム44の隔室
CPU 中央演算処理装置
CTR 制御装置
ECU 電気制御装置またはユニット
G 発電機
K 低温側
K−ECU 温湿度制御装置
L−ECU 充電制御装置
LAN ローカルエリア・ネットワーク
LW ディスクドライブ(磁気、光学等、内部または外部)
M モータ
N ネットワーク
P−ECU エネルギー制御装置
R コントローラ
RAM メインメモリ
ROM 読み出し専用メモリ
T 充填ステーション
V−ECU 車輌制御装置
W 高温側
Z 中央ステーション

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気エネルギー貯蔵のための充電装置であって、
1つまたは複数のエネルギー貯蔵、好ましくは車輌の充電式電気エネルギー貯蔵に適合するように設計・装備された保持装置と、
前記保持装置内に適合した電気エネルギー貯蔵を制御された方式で充電するように設計・装備された充電制御装置と、
前記保持装置内の温度を制御するように設計・装備された空調装置と、
を備え、
前記空調装置は、露点に関して前記保持装置内の空気を周辺状態に合わせるように設計・構成されていることを特徴とする電気エネルギー貯蔵のための充電装置。
【請求項2】
前記空調装置は、空気を供給するように設計・装備された給気装置と、前記供給された空気を冷却かつ/または加熱するように設計・装備された温度制御装置と、供給された空気を加湿かつ/または除湿するように設計・装備された調整装置と、前記給気装置、前記温度制御装置、および、前記調整装置を制御するように設計・装備された制御装置と、を備えること特徴とする請求項1に記載の充電装置。
【請求項3】
さらに、測定装置によって特徴付けられ、前記測定装置は、周辺空気および/または前記空調装置内に導入される空気の温度および湿度と、前記保持装置内の室内空気および/または前記保持装置の外に向けた空気の温度および湿度と、を測定し、前記制御装置へそれぞれの測定信号を出力するように設計・装備された複数のセンサを備え、
前記制御装置は、前記測定信号の少なくとも一部に基づいて、前記保持装置内の室内空気が所定の設定温度を維持し、かつ、前記保持装置内の室内空気の露点温度が前記周辺空気の露点温度と一致するように、そこに供給される空気を調整するようにそこに供給される空気の温度を制御するように前記供給装置、温度制御装置、および前記調整装置を制御するように設計・装備されることを特徴とする請求項2に記載の充電装置。
【請求項4】
前記制御装置は、温度、湿度、量に関して前記保持装置の内部に供給される空気の設定値を決定し、前記保持装置の内部に供給される空気が決められた設定値を有するように、設計・装備され、
前記測定装置は、好ましくは、前記保持装置の内部に供給される空気の温度および湿度を測定し、それぞれの測定信号を前記制御装置へ出力することを特徴とする請求項3に記載の充電装置。
【請求項5】
前記保持装置内の様々な箇所で空気の温度および湿度を測定し、それぞれの測定信号を前記制御装置へ出力するために前記保持装置内の各所にセンサが設けられることを特徴とする請求項3または4に記載の充電装置。
【請求項6】
前記制御装置は、前記保持装置内に収容される前記電気エネルギー貯蔵のタイプに基づいて温度の最適値を自動的に判別し、前記保持装置内の室内空気の温度の設定値としての最適値を決めるように設計・装備されることを特徴とする請求項2〜5いずれか一項に記載の充電装置。
【請求項7】
前記保持装置は、特に防火に対して、好ましくは熱的に互いから離間する複数の隔室を備え、
前記測定装置の前記センサは、前記隔室それぞれ内の少なくとも1箇所で空気の温度および湿度を測定し、これらが示す測定装置を前記制御装置へ出力することを特徴とする請求項3〜6のいずれか一項に記載の充電装置。
【請求項8】
前記隔室それぞれは、予め特定されたタイプの前記電気エネルギー貯蔵、または同じ最適温度および/または同じ許容温度範囲があら得られた複数のタイプの前記電気エネルギー貯蔵に適合するように設計・装備されることを特徴とする請求項7に記載の充電装置。
【請求項9】
複数の前記隔室それぞれは、別々の給気を有し、前記制御装置および前記空調装置は、複数の前記隔室を個々に、または、お互い別々にグループで空調するように設計・装備されることを特徴とする請求項7または8に記載の充電装置。
【請求項10】
前記保持装置内に生成された熱は、貯蔵、使用、または直接利用されることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の充電装置。
【請求項11】
電気エネルギー貯蔵のための充電装置であって、
1つまたは複数のエネルギー貯蔵、好ましくは車輌の充電式電気エネルギー貯蔵に適合するように設計せれ、装備された保持装置と、
制御された方式で前記保持装置内に適合した電気エネルギー貯蔵を充電するように設計・装備された充電制御装置と、
前記保持装置の内部の空調するように設計・装備された空調装置と、
を備え、
前記保持装置内に生成された熱は、貯蔵、使用、または直接利用されることを特徴とする電気エネルギー貯蔵のための充電装置。
【請求項12】
前記保持装置内に生成された熱は、地域加熱ネットワークに供給されることを特徴とする請求項10または11に記載の充電装置。
【請求項13】
前記保持装置内に生成された熱は、熱貯蔵に供給されることを特徴とする請求項10〜12のいずれか一項に記載の充電装置。
【請求項14】
前記保持装置内に生成された熱は、用水を過熱するため、または、局部加熱システムを作動または支持するために使用されることを特徴とする請求項10〜13のいずれか一項に記載の充電装置。
【請求項15】
前記保持装置内に生成された熱は、前記空調装置に供給される空気を予熱するために使用されることを特徴とする請求項10〜14のいずれか一項に記載の充電装置。
【請求項16】
前記保持装置内に生成された熱は、前記保持装置の外に向けられた排気から回収されることを特徴とする請求項10〜15のいずれか一項に記載の充電装置。
【請求項17】
充電式電気エネルギー貯蔵を備える少なくとも部分的に電気で作動する車輌に供給する供給ステーションであって、請求項1〜16のいずれか一項に記載の充電装置を有する供給ステーション。
【請求項18】
電気エネルギー貯蔵を充電する方法であって、
保持装置内の1つまたは複数の車輌用の前記電気エネルギー貯蔵、好ましくは、充電式車輌用電気エネルギー貯蔵に適合するステップと、
前記保持装置内の適合した前記電気エネルギー貯蔵を制御された方式で充電するステップと、
前記保持装置の内部の温度を制御するステップと、
を備え、
前記保持装置内の空気は、露点に関して周辺状態に合わせられることを特徴とする電気エネルギー貯蔵を充電する方法。
【請求項19】
電気エネルギー貯蔵を充電する方法であって、
保持装置内の1つまたは複数の車輌用の前記電気エネルギー貯蔵、好ましくは、充電式車輌用電気エネルギー貯蔵に適合するステップと、
前記保持装置内の適合した前記電気エネルギー貯蔵を制御された方式で充電するステップと、
前記保持装置の内部の温度を制御するステップと、
を備え、
前記保持装置内に生成された熱は、貯蔵、使用、または直接利用されることを特徴とする電気エネルギー貯蔵を充電する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2012−533978(P2012−533978A)
【公表日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−520953(P2012−520953)
【出願日】平成22年7月21日(2010.7.21)
【国際出願番号】PCT/EP2010/004472
【国際公開番号】WO2011/009609
【国際公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【出願人】(511173550)リ−テック・バッテリー・ゲーエムベーハー (85)
【Fターム(参考)】