説明

電気システム

高周波AC電力を、例えばLED又はOLED負荷に分配するための配電システム(1a)を備える、電気システム。該電気システムは、LED又はOLED用の照明器具(1c)と、この照明器具(1c)で使用されるようなLED又はOLEDに電力を供給するための電源装置とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で記載する発明は、電気システムに関し、具体的には、従来技術に比して効率の向上した電気システムに関するものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
[配電システム]
本発明は、配電システムに関し、具体的には、高周波交流(HFAC)を分配するための配電システムに関する。
【0003】
従来の「商用」電源は、通常、50又は60Hzの周波数で、AC110V又は240Vで、電気を供給している。白熱電球など、ほとんどの電気機器は、商用電源から直接、電力の供給を受ける。
【0004】
従来の商用電源には、数多くの問題がある。例えば、建物内に一旦設置されると、商用電源の再配置は容易ではない。商用電源システムに接続される電源ソケット(コンセント)は、固定配線で電源に接続されなければならず、これは、専門の電気技師が行なわないと、困難で時間がかかり、また、危険である場合がある。
【0005】
固定配線された商用電源ソケットが使いやすい場所にない場合は、延長コードを用いることができる。しかしながら、延長コードによると、固定配線された電源ソケットから、電力供給を受けている商用電源使用機器まで、電気が流れるケーブルが這ったままの状態になるので、延長コードはこの問題の良い解決策ではない。この電源ケーブルは、ケーブルの上に何かが落下するか、或いは切断されることによって破損し、電気が流れる電源配線がむき出しとなる恐れがある。また、延長コードの自由端にあるソケットが水や湿気にさらされると、そのソケットは危険なものとなり得る。従って、普通は、電源延長コードは、浴室など湿気の多い場所あるいは濡れた場所で用いるのには適していない。
【0006】
商用電源(コンセント)電圧を、所要の電圧に上げたり下げたりするために、変圧器がしばしば用いられる。従来の商用電源変圧器は、かさばるものであり、ほとんどの場合、非効率的なものである。
【0007】
これまでにも、上記の問題をいくらか軽減するために、従来の商用電源の代わりに高周波AC電源を提供することが提案されていた。これまでに提案された高周波AC電源は、例えば、10kHz超の動作周波数で、最も好ましくは60kHzの周波数で、150Vから1kVの間の電圧を提供するものである。
【0008】
高周波AC電力を変換するための変圧器及び整流器は、その動作周波数が高いために、従来の商用電源の変圧器及び整流器よりかさばらず、かつより効率的である。
【0009】
従来の商用電源の代わりに高周波ACを用いることで、従来の商用電源の問題をいくらか解消することができるが、一方で、高周波ACを使用することにより、いくつかの新しい問題が生じる可能性がある。高周波ACの最も顕著な問題は、高周波ACが、特別な予防措置を取らない限り、無線機器と干渉することがある電波干渉を生じることである。この望ましくない電波干渉は、公式の国際電源規格に反するものである。
【0010】
本発明は、改良された配電システムを提供することを目指している。
【0011】
[電源装置]
本発明は、電源装置に関し、具体的には、発光ダイオード(LED)又は有機発光ダイオード(OLED)に電力を供給する電源装置に関する。
【0012】
従来のダイオード整流器は、整流した低電圧出力を提供するときに、効率的に動作しない。例えば、従来のダイオード整流器は、3.5Vの整流電圧を出力するときに、入力電力の15〜20%を浪費することがある。
【0013】
高効率で低電圧出力を伝達するためには、従来のダイオード整流に代えて同期整流を用いることが知られている。同期整流は、能動スイッチングを利用することで、電力損失を1%前後にまで低減する。このような高効率を達成するために、従来の同期整流回路では、スイッチ制御用の高度な制御回路を組み入れていることによって、しばしば複雑となる。このように、従来の同期整流回路は、高価な部品及び効率を低下させる部品を多数組み込んでいることがよくある。
【0014】
LEDに電力供給するための電源装置は、通常は、電源装置の出力において測定された電流に応じて、電源装置の入力電圧源をサーボ制御するように構成されている。このサーボ制御技術は、非効率的かつ複雑であって、同期整流回路の性能を損なうものである。例えば、サーボ制御により回路内の複数の整流スイッチが同時に入るという危険性があり、これによって、(最初は制限されていない)有害な電流が生じて回路内を流れる可能性がある。
【0015】
これまでには、従来のサーボ制御電源装置の性能を向上させるため、さらに制御回路を追加することが提案されている。しかしながら、この更なる回路によって、回路の複雑さがさらに増大し、準最適スイッチングとなることで、効率が低下する。
【0016】
従来の同期整流回路1bを、添付図面の図1bに示す。回路1bには、MOSFETスイッチQ1b及びQ2bを制御する駆動回路2bが組み込まれている。Q1b及び/又はQ2bの電流を監視することにより、交差導通がチェックされる。
【0017】
回路1は、図2bに波形で示すように、Q1bとQ2bの両方がオフであるときのデッドバンドで動作する。
【0018】
この従来の同期整流回路には、いくつかの問題がある。
1.デッドバンドでは、Q1b及びQ2bのボディダイオードが最大電流で導通することになって、電力を浪費する。
2.検出抵抗体R1b、R2b、及びR3bは、エネルギーを浪費し、また、高価である。
3.駆動回路2bは、スイッチQ1b及びQ2bを効率的に駆動するために、複雑なものとなる。駆動回路2bが複雑であるということは、回路2bが高価で、かつ実装が難しいことを意味する。
【0019】
本発明は、改良された電源装置を提供することを目指している。
【0020】
[照明器具]
本発明は、照明器具に関し、具体的には、発光ダイオード(LED)照明器具又は有機発光ダイオード(OLED)照明器具に関する。
【0021】
LEDエミッタは、コンパクトで、かつ特性が均一であり、これによって、コストが低く非常に効率の高い小型照明光学部品が可能となる。LEDエミッタは、優れたスポットライト、及び狭い範囲を照らす光源を構成するが、より一般的なダウンライトに適用する場合は、小型光学部品によってグレア効果及び点光源が生じるので、それほど簡単に製作することはできない。
【0022】
天井取付けの照明器具については、天井において程よい照明効果を得られるものは殆ど無く、その心理的効果は、暗い空間に対するもの、つまり心地よくない、又は見て美しくない、というものである。壁取付けの照明器具の場合、同じ欠点が当てはまる。
【0023】
LED照明についてのさらに別の問題は、LEDエミッタを適切に機能させるように十分に冷却した状態に維持するために、それらが大がかりなヒートシンクを必要とすることである。ヒートシンクは、発熱体であるエミッタの近くにある必要があるが、市場では、ヒートシンクは、視覚的なディスプレイには適さないと見なされている。
【0024】
ダウンライトは、通常、コンパクトな設計にはなっていない。ダウンライトは、その上方にスペースを必要とすることなく、天井面に取り付けられることが望ましい。同様に、壁取付けの照明器具は、その照明器具の本体の一部が壁面の内部又は裏側に取り付けられることを必要とすることなく、壁面にフィットするものであることが望ましい。
【0025】
本発明は、改良された照明器具を提供することを目指している。
【0026】
[電源装置]
本発明は、電源装置に関し、具体的には、LED又はOLEDに電力を供給する電源装置に関する。
【0027】
「位相カット調光器」は、従来の調光器を言い表すのに用いられる用語であって、それは、商用電源のAC波形の立ち上がりエッジの導通を、操作部で決定した導通角まで遅延させるものである。それらは、トライアック半導体デバイスを用いていることが多く、これは、導通を維持するための最小電流、すなわち「保持電流」を必要とするものである。このようなタイプの調光器は、通常、接続負荷(負荷を受ける電気機器)への微小な漏れ電流によって、それらの内部回路への供給を行うものであって、標準的なスイッチモード電源装置ではうまく機能しない。「立ち上がりエッジ型位相カット」は、このような調光器を言い表すのに用いられるもう1つの用語である。
【0028】
「位相角導通」調光器は、操作部で決定した導通角までAC波形の導通を許可するものである。それらは、トランジスタ型デバイスを用いていることが多く、これは、普通は、最小電流を必要としないものである。このタイプの調光器は、通常、内部制御回路への供給用に別の接続を要する。「立ち下がりエッジ型位相カット」は、このような調光器を言い表すのに用いられるもう1つの用語である。
【0029】
ほとんどの立ち上がりエッジ型調光器は保持電流を必要とするものであり、電源装置の入力部は、入力のAC電圧がゼロから立ち上がると直ちに導通が可能になる必要がある。これは、入力に負荷が恒常的に存在するか、あるいは、AC入力がゼロのときに後続の電力段が導通するまで存在するか、どちらかを意味する。いくつかの設計では、この目的のために抵抗体を用いており、それはトランジスタで切り替えられるものである。
【0030】
本発明は、改良された電源装置を提供することを目指している。
【課題を解決するための手段】
【0031】
本発明の一態様では、電流制限電源からの高周波AC電力を分配するための配電システムが提案されている。このシステムは、上記電源に接続されるように構成された長尺の導体からなるツイストペアを備えており、これらの導体の上記電源から最も遠い端部は互いに接続されており、ツイストペアの隣接する一巻き(ターン)の間で上記導体は互いから離れるように可動であることによって、それらの間に開口部を形成している。システムは、さらに、上記開口部から少なくとも部分的に挿入される電力分岐素子を備えており、これにより電力を上記導体から該電力分岐素子に誘導結合できるようになっている。
【0032】
一実施形態では、電力分岐素子は、分割可能なフェライト部材である。
【0033】
別の実施形態では、電力分岐素子は、2つの離間したフェライト部材を含むものである。
【0034】
一方のフェライト部材は、ツイストペアの開口部から少なくとも部分的に挿入されるように構成され、他方のフェライト部材は、ツイストペアの第2の開口部から少なくとも部分的に挿入されるように構成されているとよい。
【0035】
上記とは別の導体が、上記電力分岐素子の、少なくとも一部周囲に巻回されて、これにより電力を電力分岐素子からこの導体に誘導結合することができるようになっているとよい。
【0036】
同期整流回路が上記導体に接続されて、これにより、この導体における高周波AC電力を、負荷に電力供給するための安定化DC電圧に変換するようなっていると効果的である。
【0037】
好ましくは、負荷はLEDである。
【0038】
当該システムは、上記整流回路を短絡させて、負荷に伝送されている電力を停止させるための短絡スイッチをさらに備えているとよい。
【0039】
短絡スイッチは、電子スイッチであると効果的である。
【0040】
短絡スイッチは、同期整流回路の中の整流器であることが好ましい。
【0041】
電子スイッチは、ツイストペアからの電力を動力にしているものであるとよい。
【0042】
当該システムは、このシステムからの電力出力を変調するためのパルス密度変調装置が組み込まれていると効果的である。
【0043】
好ましくは、当該システムは、複数の電力分岐素子を含んでおり、これらの各々は、ツイストペアからの電力を分岐するためにツイストペアに取り付けられるように構成されたものである。
【0044】
当該システムは、ツイストペアに接続される、電流制限された高周波AC電源をさらに備えているとよい。
【0045】
上記電源は、商用電力(コンセントまで来ている電気)を高周波AC電力に変換するように構成されたものであると効果的である。
【0046】
本発明の別の態様で提案されている電源装置は、制限電流変化率で交流変化する高周波・高インピーダンスの電源と、第1MOSFETスイッチと、第2MOSFETスイッチと、を備え、第1及び第2のスイッチは、全波整流器を形成するように接続されている。この電源装置は、負荷に定電流を出力するように構成されており、負荷が当該電源装置の出力電圧を制限することで、上記スイッチを駆動する制御電圧が、これらのスイッチに適した範囲内に維持される。第1スイッチのゲートは、第2スイッチのドレインにより駆動され、第2スイッチのゲートは、第1スイッチのドレインにより駆動される。
【0047】
高インピーダンス電源の電流の最小変化率は、電流のピーク間振幅の2倍を、電流波の周期で除算したものであることが好ましい。
【0048】
高インピーダンス電源の電流の最大変化率は、電流のピーク間振幅の10倍を、電流波の周期で除算したものであるとよい。
【0049】
第1スイッチのソースは、第2スイッチのソースに接続されていると効果的である。
【0050】
好ましくは、第1及び第2のスイッチのドレインは、変圧器の二次巻線の各端にそれぞれ接続されており、変圧器の一次巻線は電源に接続されている。
【0051】
負荷は、変圧器の二次巻線のセンタータップに接続されているとよい。
【0052】
本発明のさらなる態様で提案されている電源装置は、制限電流変化率で交流変化する高周波・高インピーダンスの電源と、変圧器とを備え、この変圧器の一次巻線は電源に接続されており、この変圧器の二次巻線のセンタータップが負荷に接続されている。電源装置は、さらに、第1MOSFETスイッチと、第2MOSFETスイッチと、を備え、第1及び第2のスイッチは、全波整流器を形成するように接続されている。この電源装置は、負荷に定電流を出力するように構成されており、その負荷により出力電圧が制限される。第1スイッチのゲートと第2スイッチのゲートは、変圧器の駆動巻線の各端にそれぞれ接続されていて、これにより、これらのスイッチは変圧器からの電力によって駆動される。
【0053】
変圧器の駆動巻線の巻数は、変圧器の二次巻線の巻数よりも少なくなっていることが好ましく、これによって、上記スイッチのゲートへの電圧入力が適切なレベルに制限される。
【0054】
変圧器の二次巻線のセンタータップと、変圧器の駆動巻線のセンタータップとの間に、抵抗体が接続されているとよい。
【0055】
変圧器の駆動巻線のセンタータップは、これらスイッチのソースに接続されていると効果的である。
【0056】
当該電源装置は、上記スイッチのゲートにバイアスをかけて、これらスイッチのボディダイオードの導通を十分に排除するためのバイアス回路をさらに備えていることが好ましい。
【0057】
第1及び第2のスイッチが同時に入り、負荷への電力をゲートでコントロール(ゲーティング)するように構成されているとよい。
【0058】
当該電源装置は、電源を変調するためのパルス密度変調(PDM)回路をさらに備えていると効果的である。
【0059】
好ましくは、負荷はLED光源である。
【0060】
LED照明装置は、LEDと、上記のような電源装置とを備えたものであるとよい。
【0061】
本発明のさらに別の態様では、光と熱を発生するLED光源用の照明器具が提案されている。この照明器具は、LED光源を受容する取付具と、このLED取付具と熱的に接触して、発生した熱をLED取付具から奪う1つ以上のヒートシンク要素と、光マスクと、を備える。光マスクは、LED取付具から離間して配置されることにより、使用時に取付具に取り付けられるLED光源からの光の一次部分を、該マスクで大幅に遮断することなく通過させることが可能であり、また、そのLED光源からの光の二次部分を遮断して、その遮断された光は、該光マスクを通して分散される。1つ以上のヒートシンク要素は、上記マスクの背後に配置され、これによって、マスクとこのマスクからの光とにより、見えないように遮られている。
【0062】
好ましくは、光マスクは開口部を有し、そこを、LED光源からの光の一次部分が大幅に遮断されることなく通過する。
【0063】
上記マスクは、光導体又は導波路であるとよい。
【0064】
当該照明器具は、上記取付具に受容されるLED又はLEDコンパクトアレイと組み合わせて用いると効果的である。
【0065】
好ましくは、当該照明器具の空間エンベロープの周辺部に通気口が設けられている。
【0066】
1つ以上のヒートシンク要素は、上記通気口と直線状に並び、これにより、空気流を上記開口部から通気口まで導くものであるとよい。
【0067】
当該照明器具は、天井取付けの照明器具であると効果的である。
【0068】
照明器具の構造は、LED取付具の付近から、1つ以上のヒートシンク要素に沿って照明器具の外に繋がる空気流路を備えていることが好ましい。
【0069】
照明器具の構造は、LED取付具の真向かいにある外気への開口部から、1つ以上のヒートシンク要素に沿って照明器具の外に繋がる空気流路を備えているとよい。
【0070】
本発明のさらに別の態様でも、光と熱を発生するLED光源用の照明器具が提案されている。この照明器具は、LED光源を受容する取付具と、このLED取付具と熱的に接触して、発生した熱をLED取付具から奪う1つ以上のヒートシンク要素と、光マスクと、を備える。光マスクは、LED取付具から離間して配置されることにより、使用時に取付具に取り付けられるLED光源からの光の一次部分を、該マスクで大幅に遮断することなく通過させることが可能であり、また、そのLED光源からの光の二次部分を遮断して、その遮断された光は、該光マスクを通して分散される。照明器具の構造は、光マスクを通り抜けて、1つ以上のヒートシンク要素に沿って照明器具の外に繋がる空気流路を備えている。
【0071】
本発明のさらに別の態様においても、光と熱を発生するLED光源用の照明器具が提案されている。この照明器具は、LED光源を受容する取付具と、このLED取付具と熱的に接触して、発生した熱をLED取付具から奪う1つ以上のヒートシンク要素と、光マスクと、を備える。光マスクは、LED取付具から離間して配置されることより、使用時に取付具に取り付けられるLED光源からの光の一次部分を、該マスクで大幅に遮断することなく通過させることが可能であり、また、そのLED光源からの光の二次部分を遮断して、その遮断された光は、該光マスクを通して分散される。照明器具の構造は、LED取付具の真向かいにある外気への開口部から、1つ以上のヒートシンク要素に沿って照明器具の外に繋がる空気流路を備えている。
【0072】
本発明の別の態様では、AC電力をDC電力に変換し、安定化DC電流を出力するように構成された電源装置が提案されている。この電源装置は、当該電源装置へのAC電力入力を受け取る可変出力の力率補正回路と、当該電源装置へのAC電圧入力の導通位相角を検出するように構成された導通位相角検出器と、上記力率補正回路からの電力出力を、対称デューティサイクルを有する高周波AC信号に逆変換するように構成されたインバータと、を備える。高周波AC信号の振幅が導通位相角に応じて変化するように、力率補正回路は、自身の出力を変化させるように構成されている。電源装置は、さらに、上記高周波AC信号を安定化するためのインダクタと、上記インバータに接続された整流回路であって、当該電源装置の出力にDC電力を提供するために、高周波AC信号を整流する整流回路と、を備える。
【0073】
本発明の別の態様でも、AC電力をDC電力に変換し、安定化DC電流を出力するように構成された電源装置が提案されている。この電源装置は、当該電源装置へのAC電力入力を受け取る可変出力の力率補正回路と、当該電源装置へのAC電圧入力の導通位相角を検出するように構成された導通位相角検出器と、上記力率補正回路からの電力出力を、対称デューティサイクルを有する高周波AC信号に逆変換するように構成されたインバータと、を備える。高周波AC信号の周波数が導通位相角に応じて変化するように、力率補正回路は、自身の出力を変化させるように構成されている。電源装置は、さらに、上記高周波AC信号を安定化するためのインダクタと、上記インバータに接続された整流回路であって、当該電源装置の出力にDC電力を提供するために、高周波AC信号を整流する整流回路と、を備える。
【0074】
照明器具は、上記のような電源装置を備えたLED光源を有している。
【0075】
好ましくは、当該照明器具は、筐体(ハウジング)又は空間エンベロープを有し、電源装置は、この照明筐体又は空間エンベロープ内に配置されている。
【0076】
電源装置は、照明器具の中に組み込まれているとよい。
【0077】
電源装置は、照明筐体に機械的に連結されていると効果的である。
【0078】
本発明の別の態様では、DC電源出力を提供する方法が提案されている。この方法は、電源装置へのAC電圧入力の導通位相角を測定すること、電力信号を提供するため、可変出力の力率補正回路を用いて、電源装置へのAC電力入力に力率補正を適用すること、高周波の対称デューティサイクルを有するAC信号を提供するため、上記電力信号を逆変換すること、高周波AC信号の振幅を変化させるため、電源装置へのAC電圧入力の導通位相角に応じて、力率補正回路の出力を変化させること、また、DC電源出力を提供するため、高周波AC信号を安定化し整流すること、を含んでいる。
【0079】
本発明の他の態様では、DC電源出力を提供する別の方法が提案されている。この方法は、電源装置へのAC電圧入力の導通位相角を測定すること、電力信号を提供するため、可変出力の力率補正回路を用いて、電源装置へのAC電力入力に力率補正を適用すること、高周波の対称デューティサイクルを有するAC信号を提供するため、上記電力信号を逆変換すること、高周波AC信号の周波数を変化させるため、電源装置へのAC電圧入力の導通位相角に応じて、力率補正回路の出力を変化させること、また、DC電源出力を提供するため、高周波AC信号を安定化し整流すること、を含んでいる。
【0080】
本発明の別の態様によれば、電源装置と、この電源装置により電力供給される少なくとも2つの負荷とを備える電気的装置が提案されている。電源装置は、所定の調整高周波交流のRMS波形の形式で中間電力を生成するように構成されており、上記電流は、少なくとも2つの結合変圧器それぞれの一次巻線を流れ、また、それら変圧器の二次巻線は互いに独立しており、各二次巻線はそれぞれ上記負荷の1つに接続され、1つ以上の整流器を介して各負荷に所定の電流を供給するように構成されている。
【0081】
本発明の別の態様では、電源装置と、この電源装置により電力供給される少なくとも2つの負荷とを収容する筐体を有する電気的装置が提案されている。電源装置は、所定の調整高周波交流のRMS波形の形式で中間電力を生成するように構成されており、上記電流は、少なくとも2つの結合変圧器それぞれの一次巻線を流れ、また、それら変圧器の二次巻線は互いに独立しており、各二次巻線はそれぞれ上記負荷の1つに接続され、1つ以上の整流器を介して各負荷に所定の電流を供給するように構成されている。
【0082】
本発明の別の態様でも、電源装置と、この電源装置により電力供給される少なくとも2つの負荷とを収容している筐体を有する照明装置が提案されている。電源装置は、所定の調整高周波交流のRMS波形の形式で中間電力を生成するように構成されており、上記電流は、少なくとも2つの結合変圧器それぞれの一次巻線を流れ、また、それら変圧器の二次巻線は互いに独立しており、各二次巻線はそれぞれ上記負荷の1つに接続され、1つ以上の整流器を介して各負荷に所定の電流を供給するように構成されている。
【0083】
上記高周波電流の周波数は、10kHzから1MHzであることが好ましい。
【0084】
上記高周波電流の周波数は、20kHzから200kHzであるとよい。
【0085】
上記高周波電流の周波数は、50kHzから100kHzであると効果的である。
【0086】
好ましくは、1つ又は複数の上記負荷が、短絡スイッチの周期的動作によって、より低い平均出力に調整される。
【0087】
上記短絡スイッチの周期的動作は、パルス幅変調信号でスイッチを駆動することを含むものであるとよい。
【0088】
上記整流器又は各整流器は、同期整流器であると効果的である。
【0089】
好ましくは、短絡スイッチの周期的動作は、複数の同期整流器の同時導通によって提供される。
【0090】
上記結合変圧器は、軟磁性コアを有するものであるとよい。これを十分に高磁束で機能させることによって、その負荷に開回路故障が生じたときに、コアが飽和して、上記中間電流及び別の負荷が実質的には故障による影響を受けないようにする。
【0091】
高磁束とは、いずれかの結合変圧器のコアの飽和磁束密度の3分の1を超えていることとすると効果的である。
【0092】
負荷のうちの1つに開回路故障が生じると、これによって、上記短絡スイッチが作動するようになっていることが好ましい。
【0093】
負荷の故障によって、上記複数の同期整流器が同時導通するようになっているとよい。
【0094】
負荷の相対光度は、1つの負荷又は各負荷における短絡スイッチの周期的スイッチングによって調整され、及び/又は、全体的な光度は、上記中間定電流の高周波交流波形の大きさの調節によって調整されると効果的である。
【0095】
本発明がより容易に理解されるように、また、本発明のさらなる特徴が理解されるようにするため、以下の添付図面を参照して、本発明の実施形態について、例を用いて説明する。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1a】図1aは、本発明の好ましい実施形態による配電システムの概略図である。
【図2a】図2aは、図1aに示す配電システムの部分斜視図である。
【図3a】図3aは、本発明の別の実施形態による配電システムの部分概略図である。
【図4a】図4aは、同期整流回路の回路図である。
【図5a】図5aは、さらなる同期整流回路の回路図である。
【図6a】図6aは、パルス密度変調を表す波形を示す図である。
【図1b】図1bは、従来の同期整流回路を示す回路図である。
【図2b】図2bは、図1bに示す従来の回路の動作時のデッドバンド期間を示すタイミング図である。
【図3b】図3bは、本発明の好ましい実施形態による同期整流回路の回路図である。
【図4b】図4bは、本発明のさらなる実施形態による同期整流回路を示す回路図である。
【図5b】図5bは、本発明のさらに別の実施形態による同期整流回路を示す回路図である。
【図6b】図6bは、図3bに示す同期整流回路の動作時のMOSFETのドレイン電圧波形を示す波形図である。
【図7b】図7bは、図4bに示す同期整流回路の動作時のMOSFETのドレイン電圧波形を示す波形図である。
【図1c】図1cは、本発明を具体化した照明器具の概略側面図である。
【図2c】図2cは、図1cの照明装置のための光通路を示す概略側面図である。
【図3c】図3cは、本発明を具体化した照明器具の分解斜視図である。
【図4c】図4cは、照明器具で用いるヒートシンクの図である。
【図5c】図5cは、照明器具で用いるヒートシンクの図である。
【図6c】図6cは、照明器具で用いるヒートシンクの図である。
【図7c】図7cは、照明器具で用いるヒートシンクの図である。
【図8c】図8cは、照明器具で用いる光学部品の図である。
【図9c】図9cは、照明器具で用いる光学部品の図である。
【図10c】図10cは、照明器具で用いる光学部品の図である。
【図1d】図1dは、本発明の第1の実施形態の回路図である。
【図2d】図2dは、図1dに示す実施形態のリンク電圧に応じた出力電流を示すグラフである。
【図3d】図3dは、図1dに示す実施形態におけるセンス電流を示すグラフである。
【図4d】図4dは、本発明の第2の実施形態の回路図である。
【図5d】図5dは、図4dに示す実施形態の周波数に応じた出力電流を示すグラフである。
【図6d】図6dは、本発明の第3の実施形態の回路図であり、後述の例3及び4で使用されるものである。
【図7d】図7dは、図6dに示す実施形態の入力電圧及び入力電流を示すグラフであり、後述の例3に対応するものである。
【図8d】図8dは、図6dに示す実施形態の入力電圧及び入力電流を示すグラフであり、後述の例4に対応するものである。
【図8.1d】図8.1dは、図8dに示す例4のグラフに対応するグラフである。
【図9d】図9dは、例3及び4について周波数対電流挙動を示すグラフである。
【図10d】図10dは、図6dに示す実施形態の例3及び4について、電圧に応じた周波数を示すグラフである。
【図11d】図11dは、図6dに示す実施形態の入力電圧に応じた発振周波数を示すグラフである。
【図12d】図12dは、本発明の好ましい実施形態の簡略化した回路図である。
【図13d】図13dは、本発明の好ましい実施形態の回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0097】
[配電システム]
まず、添付図面の図1aを参照する。本発明の好ましい実施形態による配電システム1aはツイストペア2aを包含し、これは長尺導体3a、4aのツイストペアを含む。導体3a、4aは、絶縁線を半分に折り、ツイストペア2aを形成するようにねじった、単ループにより形成されている。導体3a、4aの自由端5a、6aは、互いに隣接して位置し、高周波AC電源7aに接続されている。
【0098】
高周波AC電源7aは、好ましくは、50Hz又は60Hzの周波数で、AC110V又は240Vの商用電気を、およそ50kHzで、およそ1.34Aの高周波AC電力に変換するものである。この高周波AC電源は、電流制限されたものである。
【0099】
高周波AC電源は、好ましくは、10kHz超の動作周波数で、最も好ましくは60kHzの周波数で、150Vから1kVの間の電圧を提供するものである。ツイストペア2aにより形成されるループは、高周波AC電源7aに接続される変圧器コイルの一連の巻線に相当するものである。
【0100】
配電システム1aは、分割可能なフェライト素子である電力分岐素子8aを包含する。図1では、同一の第2及び第3の電力分岐素子9a、10aを示しているが、本発明の好ましい実施形態が、単に1つの電力分岐素子8aを含むものであることは理解されるべきである。本発明のさらなる実施形態では、ツイストペア2aに沿った複数の箇所において電力を分岐するために、任意の数の電力分岐素子を設けることができる。
【0101】
次に、添付図面の図2aを参照する。電力分岐素子8aは鉄鋼材製である。電力分岐素子8aは、矩形の平面ベース11aと、同一の矩形の平面上板12aとを含んでいる。2つの離間した直立円柱形のフェライト部材13a、14aが、ベース11aの上面に取り付けられている。フェライト部材13a、14aの上端部は、上板12aの下面に係合して付着するように構成されており、これによって、電力分岐素子8aが組み立てられた状態では、フェライト部材13a、14aはベース11aと上板12aとの間に挟まれる。
【0102】
図2aに示すように、上板12aはフェライト部材13a、14aに対し着脱可能であり、上板12aを取り外すことができる。電力分岐素子8aは、そのフェライト部材13a、14aをツイストペア2aの隣接する一巻き(ターン)の間に押し入れることにより、ツイストペア2aに装着される。このように、導体3a、4aは、ツイストペア2aの隣接する一巻きの間で互いから引き離されて、それらの間に開口を形成しており、そこに電力分岐素子8aの少なくとも一部を受け入れる。フェライト部材13a、14aがツイストペア2aの開口部15a、16aを通るように配置されたら、上板12aがフェライト部材13a、14aに取り付けられて、これにより、電力分岐素子8aがツイストペア2aに装着される。
【0103】
電力分岐素子8aは、変圧器のコアを形成し、フェライト素子13a、14aの周囲を通るツイストペア2aのループは、変圧器の一次コイル17aを形成している。追加の導体18aが、電力分岐素子8aに、好ましくは上板12aに、巻回されている。この追加の導体は、変圧器の二次コイルを形成している。これによって、電力分岐素子8aは、高周波AC電力をツイストペア2aから追加の導体18aに分岐することができる。
【0104】
追加の導体18aは、好ましくは、AC−DCコンバータ19aに接続されており、これは、高周波AC電力をDC電圧に変換して、LED D1a又はOLEDといった定電流負荷に供給する。AC−DCコンバータは、好ましくは後述する種類の同期コンバータである。
【0105】
電力分岐素子によって、導体3a、4aを破断することなく、あるいは導体3a、4aの絶縁体を破壊することなく、ツイストペア2aに沿った任意の位置で、ツイストペア2aから電力を分岐することができる。この配電システムは、負荷への非接触接続を提供する。このため、ツイストペア2aの長さ方向のどの位置でも、容易にツイストペア2aからの電力を負荷D1aに接続することができる。
【0106】
ツイストペア2aにおける導体3a、4aのねじれによって、一方の導体3aの電界が他方の導体4aの電界により相殺されることになり、これによって、システム1aから放出される電磁放射(EMI)が最小限に抑えられる。
【0107】
電力分岐素子8aにより提供される均衡のとれた電力の取り出しによって、電界が最小限に抑えられる。ツイストペアとAC−DCコンバータ19aとの間の結合効率は、97%超である。電力分岐素子8aとツイストペア2aの一連の巻線により形成される変圧器と、追加の導体18aは、体積およそ10cmの非常に小さな変圧器を形成する。小型にもかかわらず、この変圧器の電力定格は15Wである。
【0108】
この配電システム1aの電力分岐装置は、1つのユニットで変圧器とコネクタの機能を果たすものであるため、非常にコスト効率に優れている。
【0109】
本発明の他の実施形態では、電力分岐素子は、図3aに示すように、分割可能なフェライト素子20aである。この実施形態では、上記のように2つのフェライト部材13a、15aがツイストペア2aの2つの開口部15a、16aを通るのではなく、フェライト素子20aの一方のフェライト部材21aが、ツイストペア2aの開口部22aを通っている。この実施形態では、フェライト部材21aの周囲に広がる導体3a、4aのループにより、電力分岐変圧器の一次コイルの一巻きを形成している。
【0110】
追加の導体23aをフェライト素子20aに巻回することで、電力をAC−DCコンバータ24aに接続しており、そして、これによって負荷D2aに電力が供給される。
【0111】
本発明のこの実施形態では、短絡ループ導体25aがフェライト部材20aに巻回されている。短絡スイッチ26aが、短絡ループ25aと直列に設けられている。短絡スイッチ26aが開いているときは、短絡ループ25aは誘導効果を示さず、電力がツイストペア2aから負荷回路に接続される。短絡スイッチ26aが閉じているときは、電力がフェライト部材20aを介して負荷回路に誘導接続されることが、短絡ループ25aにより阻止され、これによって負荷回路がオフになる。短絡ループ25a及び短絡スイッチ26aを利用して負荷回路がオフになると、電力がツイストペア2aからの負荷回路に誘導接続されず、ツイストペア2aからごく少量のエネルギー損失がある。一部の実施形態においては、短絡スイッチ26aは、ツイストペア2aのループとの誘導結合により電力を引き出す電子スイッチである。
【0112】
次に、添付図面の図4aを参照する。本発明の実施形態においてAC−DCコンバータとして用いる同期整流回路は、第1MOSFETスイッチQ1aと、第2MOSFETスイッチQ2aとを含む。スイッチQ1a及びQ2aのドレインは、変圧器TXの二次コイルの各端にそれぞれ接続されている。
【0113】
変圧器TXの一次巻線はツイストペア2aのループに相当し、これらは、制限電流変化率で交流変化する、高周波、高インピーダンスのAC電源に接続されている。
【0114】
スイッチQ1a及びQ2aのドレインは、変圧器TXの二次コイルの各端にそれぞれ接続されている。変圧器TXの二次巻線は、配電装置1aにおける追加の導体18aに相当する。変圧器TXのコアは、電力分岐部材8aに相当する。
【0115】
高インピーダンス電源の電流の最小変化率は、電流のピーク間振幅の2倍を、電流波の周期で除算したものである。これは、三角波の傾きに相当する。
【0116】
高インピーダンス電源の電流の最大変化率は、電流のピーク間振幅の10倍を、電流波の周期で除算したものである。これは、その全周期の10%で遷移する方形波に相当する。
【0117】
高周波AC電源は、好ましくは10kHz超の動作周波数で、最も好ましくは60kHzの周波数で、150Vから1kVの間の電圧を提供するものである。
【0118】
第1スイッチQ1aのゲート端子は、第2スイッチQ2aのドレイン端子に接続されている。第2スイッチQ2aのゲート端子は、第1スイッチQ1aのドレイン端子に接続されている。
【0119】
スイッチQ1a及びQ2aのソース端子は、互いに接続されて、出力端子の1つである低電圧レール0Vに接続されている。
【0120】
インダクタLaの一方の端子は、変圧器TXの二次コイルのセンタータップに接続されている。インダクタLaの他方の端子は、正のDC電圧出力レールVoを形成している。LEDの形態をした負荷Daが、出力端子Voと0Vの間に接続されている。電源装置3aは、負荷Daに定電流を出力する。負荷Daによって出力電圧Voが制限されることで、スイッチQ1a、Q2aのゲートを駆動する制御電圧が、スイッチQ1a、Q2aに適した範囲、例えば10〜15V未満に維持される。
【0121】
電源装置3aは、各スイッチQ1a、Q2aのゲートが他方のスイッチQ1a、Q2aのドレインにより駆動されるので、駆動回路を必要としない。
【0122】
電源装置3aは、電流検出抵抗体を包含していない。よって、このような高価で非効率的な構成要素が排除されている。
【0123】
電源装置3aにより、デッドバンドでの動作の必要がない。このため、電源装置3aは、デッドバンドでの動作を必要とする従来の同期整流電源装置よりも効率的である。
【0124】
スイッチQ1a及びQ2aの交差導通は、ほんの微小な電流に制限されており、これによって、電源装置3aの効率がさらに向上する。
【0125】
スイッチQ1a及びQ2aのボディダイオードの導通は最小限に抑えられており、これによって、スイッチQ1a及びQ2aのボディダイオードの導通により流れる電流をほんの微小なものとすることができるので、エネルギー損失が最小限となる。
【0126】
添付図面の図5aを参照する。修正同期整流回路は、ORゲートロジックにより駆動されるゲートをそれぞれ有するスイッチQ1a、Q2aを包含する。各ORゲートの一方の入力は、二次巻線TXS1の各端にそれぞれ接続されており、この二次巻線は、電力分岐素子8aのフェライト部材13a、14aの一方を取り囲むツイストペア2aの2つの巻線のうちの一方である。各ORゲートの他方の入力は、スイッチに接続されている。このスイッチは、変圧器TXの二次巻線を短絡させることができるオン/オフ・トグル(切り替え)を提供するものである。これによると、負荷のオンとオフの切り替えをゼロ交差において行なうことが可能であり、これによって、ツイストペア2a沿いの電気妨害が低減される。スイッチQ1a、Q2aにおける2つのMOSFETの損失はあるが、変圧器TXにおけるコア損失はない。従って、整流スイッチは、DC負荷の切り替えを高効率で行なうことができる。
【0127】
本発明の実施形態において電力タップオフ装置により形成される結合変圧器は、どのような要求負荷電流にも適合させることができる。例えば図5aに示すような整流器を用いて、誘導電力タップオフを短絡させるだけで、配電システム1aに沿った各負荷を独立に制御することができる。
【0128】
この配電システムを用いて、複数の異なる調節性負荷に電力供給する単一の電源装置を作ることができる。これは、異なる調節性負荷に電力を供給するためには多くのスイッチングインバータが必要である従来のアプローチに比して、改善されている。例えば、この配電システム1aは、色の異なる光や異なるビームパターンを出力する多くの異なる設計のLED照明器具に電力を供給するために用いることができる。
【0129】
この配電システム1aは、低電圧区分及び/又は耐故障性を維持したまま、多数のLED又はOLEDを有する照明器具に電力を供給することが可能である。
【0130】
配電システム1aは、図6aに示すように、ある期間28aに渡ってパルスを中断させるように電流波形27aを変調するための、パルス密度変調(PDM)装置を採用することができる。PDMは、配電システム1に接続されたLED又はOLEDの調光に用いることができる。PDM装置によって、LED点滅速度が200Hzである場合に250段階の明るさに調節可能である。
【0131】
ツイストペア2aの電流ループ電力は、ループの長さ方向に配置された多くのLED照明器具に分配されることが可能である。
【0132】
変圧器結合負荷を直列に接続することにより、単一の電流ループ電源装置を共有することができる。
【0133】
定電流ループは、ループの電圧降下には無関係である。負荷電流が、ループ電流により調整された状態に維持される。
【0134】
各照明器具の明るさは、局部調整を必要とすることなく、広い領域で一定に維持される。
【0135】
[電源装置]
次に、添付図面の図3bを参照する。本発明の好ましい実施形態による電源装置は、第1MOSFETスイッチQ1bと、第2MOSFETスイッチQ2bとを包含する。スイッチQ1b及びQ2bのドレインは、変圧器TXの二次コイルの各端にそれぞれ接続されている。変圧器TXの一次コイルは、制限電流変化率で交流変化する、高周波、高インピーダンスのAC電源に接続されている。
【0136】
高インピーダンス電源の電流の最小変化率は、電流のピーク間振幅の2倍を、電流波の周期で除算したものである。これは、三角波の傾きに相当する。
【0137】
高インピーダンス電源の電流の最大変化率は、電流のピーク間振幅の10倍を、電流波の周期で除算したものである。これは、その全周期の10%で遷移する方形波に相当する。
【0138】
高周波AC電源は、好ましくは10kHz超の動作周波数で、最も好ましくは60kHzの周波数で、150Vから1kVの間の電圧を提供する。
【0139】
第1スイッチQ1bのゲート端子は、第2スイッチQ2bのドレイン端子に接続されている。第2スイッチQ2bのゲート端子は、第1スイッチQ1bのドレイン端子に接続されている。
【0140】
スイッチQ1b及びQ2bのソース端子は、互いに接続されて、電源装置3bからの出力端子の1つである低電圧出力0Vに接続されている。
【0141】
インダクタLbの一方の端子は、変圧器TXの二次コイルのセンタータップに接続されている。インダクタLbの他方の端子は、電源装置3bの出力において正のDC電圧出力レールVoを形成している。LEDの形態をした負荷Dbが、電源装置3bの出力端子0VとVoの間で接続されている。電源装置3bは、負荷Dbに定電流を出力する。負荷Dbによって出力電圧Voが制限されることで、スイッチQ1b、Q2bを駆動する制御電圧が、スイッチQ1b、Q2bに適した範囲、例えば10〜15V未満に維持される。
【0142】
電源装置3bは、各スイッチQ1b、Q2bのゲートが他方のスイッチQ1b、Q2bのドレインにより駆動されるので、駆動回路を必要としない。このように、電源装置3bは、図1bに示す従来の電源回路1bに比して複雑さが軽減している。
【0143】
電源装置3bは、電流検出抵抗体を包含していない。よって、このような高価で非効率的な構成要素が排除されている。
【0144】
電源装置3bにより、デッドバンドでの動作の必要がない。このため、電源装置3bは、デッドバンドでの動作を必要とする従来の同期整流電源装置よりも効率的である。
【0145】
スイッチQ1b及びQ2bの交差導通は、ほんの微小な電流に制限されており、これによって、電源装置3bの効率がさらに向上している。
【0146】
スイッチQ1b及びQ2bのボディダイオードの導通は最小限に抑えられており、これによって、スイッチQ1b及びQ2bのボディダイオードの導通により流れる電流をほんの微小なものとすることができるので、エネルギー損失が最小限となる。
【0147】
添付図面の図4bを参照する。本発明の別の実施形態による電源装置4bは、上記の好ましい実施形態の構成要素と同じ構成要素を一部含んでいる。ただし、スイッチQ1b、Q2bのゲート端子の接続の仕方が異なっている。
【0148】
第1スイッチQ1bのゲート端子は、変圧器の独立した駆動巻線TXS1の一端に接続されており、第2スイッチQ2bのゲート端子は、駆動巻線TXS1の他端に接続されている。駆動巻線TXS1のセンタータップは、抵抗体R4bを介して、変圧器TXの二次コイルのセンタータップに接続されている。駆動巻線TXS1のセンタータップは、スイッチQ1b、Q2bのソースに接続されている。
【0149】
駆動巻線TXS1がスイッチQ1b、Q2bのゲートに許容レベルで駆動電圧を供給するように、例えば、10〜15V未満の電圧を供給するように、駆動巻線TXS1の巻数が選択される。駆動巻線TXS1の巻数は、変圧器TXからの電圧をスイッチQ1b、Q2bのゲートを駆動するのに適したレベルに下げるためには、変圧器TXの二次巻線の巻数未満であることが好ましい。これによって、出力負荷電圧Voを、スイッチQ1b、Q2bに入力されるゲート駆動電圧よりも高くすることができる。
【0150】
添付図面の図5bを参照する。本発明のさらに別の実施形態による電源装置5bは、図4bに示した上記の実施形態と類似している。しかしながら、この実施形態の電源装置5bでは、駆動巻線TXS1のセンタータップがスイッチQ1b、Q2bのソースに接続されるのではなく、自動バイアス回路6bに接続されている。
【0151】
自動バイアス回路6bは、トランジスタQ3bと、2つのコンデンサC1b、C2bと、抵抗体R5bと、ダイオードD2bを包含する。バイアス回路6bは、スイッチQ1b、Q2bにおけるボディダイオードの導通を検出して、除去する。これによって、電源装置4bは、理論上の最大効率をほぼ達成することが可能であり、電源装置4bを、より高い負荷電圧Voに適応させることが可能である。
【0152】
次に、添付図面の図6bを参照する。上記の好ましい実施形態の電源装置3bについて、スイッチQ1b、Q2bのうち一方のドレイン電圧波形が示されている。ボディダイオードの導通に起因する小さな下向きスパイクを、導通モードの各端に見ることができる。これは、ボディダイオードの導通時に少量の電力が浪費されることを表している。
【0153】
添付図面の図7bを参照する。上記の実施形態の電源装置5bでは、ボディダイオードの導通によるスパイクが、自動バイアス回路6bにより排除されている。これによって、電源装置5bの効率が最大化される。
【0154】
本発明の実施形態の電力装置では、スイッチQ1b及びQ2bの両方を同時にオンにすることにより、変圧器TXから負荷D1bへの電力をゲートでコントロールすることができる。このようにして高インピーダンス電源となり、これは変圧器TXに通じる電圧を完全に崩壊させるものであり、その結果、電源装置における電力損失が最小限に抑えられる。
【0155】
両方のスイッチQ1b及びQ2bをオンにすることによる、損失のない、名目上無損失での、負荷D1bへの電力のゲーティングによって、電源装置の出力に接続されて同一の高インピーダンス電源からの供給を受ける複数の負荷を個別に制御することが可能である。例えば、それら複数の負荷は、単一のユニットに含まれるものであるかもしれないし、あるいは別々に離散したユニットに分散した負荷であるかもしれない。それら複数の負荷は、例えば、色の異なるLED光源とすることができる。
【0156】
出力負荷への電力のゲーティングでは、パルス密度変調(PDM)を利用して、負荷への有効電力出力を変化させることができる。これによって、例えば、出力LEDの明るさを変化させる負荷調光が可能である。これによって、複数の調節性出力が必要とされる場合に非常に複雑になるという、従来のLED電源における問題が解消される。
【0157】
[照明器具]
図1c〜10cを参照する。本発明の実施形態による照明器具1cは、コンパクトなLED又はOLED光学部品の効率性及び費用有効性を利用したものであり、大きなヒートシンク2cが設けられていて、これは、側部を取り囲んで覆い隠すトリム3cと光学部品であるマスク4cとによって見えないように覆われている。一実施形態では、マスク4cはガラス板であって、これはLED 5c(ダウンライトの主要部分を担う)からの中心ビームの光の一部を捉えて、それを用いて、程よく照らされた広い表面を作り出す。
【0158】
図示の実施形態では、LED 5cからのビームは、円盤状光学部品4cの中心に示されている。LED光源5c(又は光源のコンパクトアレイ)は、線形構成で設けることもできる。しかしながら、LED光源5cからの光の一次部分が、光学部品4cにより大幅に遮断されないことが重要である。この実施形態では、光の一次部分は、光学部品4cの開口部を通り抜ける。LED光源5cからの光の二次部分は、何気なく見た人からは背後のヒートシンク2cが見えないように覆い隠すマスクの一部をなす光学部品4cを、意図的に通る。この意味で、LED光源5cからの光の二次部分は、光学部品4cにより遮断されている。
【0159】
ディフューザ6cを、LED光源5c上に、光学部品4cの開口部と並べて設けることができる。
【0160】
LED光源5cからの光の二次部分は、光の一次部分の周辺領域に位置している。マスクにおける極めて均一な光の分散を提供する中心構成では、光の一次部分が光学性円板4cの中心にあって、円板は光の一次部分がマスクを通過することを可能にする開口部を備えている。(一次部分周辺の)光の二次部分は、LED 5cから光学性円板付属のバッキング面7cを経て該円板の中へと屈折する。ガラス製円板4cが、光導体又は導波路として機能し、全内部反射を利用して、円板4cの外側領域に向かって光を跳ね返す。光は、付属の白いバッキング材7c(これは円板にスクリーン印刷されたものとすることができる)に当たり、あらゆる方向に分散されることで、漏れ出る。バッキング材7cがこの機能のために用いられる場合は、光学性円板4cとバッキング材7cとの間に空隙があってはならず、そうでないと、光はガラスの中に閉じ込められることになる。
【0161】
浅い角度の光だけが、光学部品4cにおいて全内部反射(TIR)されるので、中央に入力される光は、(メインビームの最も広角な部分が)浅い場合にTIRとなる。急傾斜角の光は、光学部品4cの開口部の斜端面(ベベル面)に全内部反射して、適度に浅い角度となり、ガラス製円板の縁に向かってさらに進む。バッキングからの散乱光のうち、およそ半分はさらに全内部反射され、半分は下方に抜け出る。
【0162】
LEDのメインビームの脱出を可能にしている光学部品4cの中心にある開口部では、光学部品4cの上方で覆い隠されたヒートシンクのフィン8cを冷却するための空気流の進入が可能になっている。フィン8cで熱くなった空気は、その後、マスキングトリム3cの上縁付近で抜け出ることが可能になっている。フィン8cは、放射状に並んでおり、これによって、熱流が放射状に、LED光源5c及び熱源から径方向外側に抜けるように促される。
【0163】
全体的な視覚上の効果として、コンパクト蛍光灯のダウンライトと類似した視覚的特性の照明器具を作り出しているが、しかし、光学的効率に優れた極めて薄型のパッケージの中に、LED光源、更に、図3cにおいて楔形プリント回路板9cに実装された一連のコンポーネントとして示されているような電源装置により発生する熱を処理するための優れたヒートシンク特性を備えている。
【0164】
ヒートシンクの放射状フィン8cは、楔形電源装置10cがぴったりと嵌るように非常に都合のよい区画を提供するものであり、さらには光学部品4cで覆い隠される。
【0165】
LED受け板9cは、その上にLED光源5c又はLEDコンパクトアレイ光源が取り付けられるものであって、優れた熱伝導のためのヒートシンク・アセンブリの一部とすることができ、あるいは、図示のようにヒートシンク2cと熱的に接触するものとすることができる。
【0166】
外側の隠蔽トリム3cの上端と天井(又は、壁)との間には意図的に設けられた隙間があって、これにより通気口を提供しており、ここを通って熱い空気が流れることができる。照明器具1cの最下部(天井取付け装置の場合)において光学性円板4cの中心に設けられた開口部と、照明器具1cの上部外周において径方向に離間して設けられた通気口とからなる構成によって、いくぶん煙突効果がある。中央下部の開口部により冷却用空気が吸い込まれ、吸い込まれた空気は、放射状に並んだフィン8cの長さ方向に、フィン8cから熱を奪いながらトリムに向かって進み、さらに上方に進んで通気口から外に出る。
【0167】
図示の照明器具1cは、およそ200mmの外径を有する。円板の開口部の直径は、およそ37〜45mmである。
【0168】
ディフューザ6cは、開口部の上方でLEDチェンバの前面に(また、空気の流れを増加させるため開口部から離間させて)設けられるものであって、ランダム粗面のディフューザ6c、あるいはレンチキュラー(屈折によりビームを広げる)ディフューザとすることができる。ディフューザ6cは、完全に省くこともできる。
【0169】
光学部品4cのバッキング7cは、ガラス製円板上にスクリーン印刷されたものとすることができ、及び/又は、その表面の見掛け照度の均一化のためにパターンが追加されたものとすることができる。
【0170】
光学部品4cの開口部は、円形のものとして図示されているが、任意の形状とすることができ、あるいはマスクの側部又は縁部に設けられた切り取り部とすることができる。
【0171】
[電源装置]
〔概要〕
AC−DC電源装置は、その出力が安定化DC電流の形式のものあって、例えば発光ダイオードなど、名目上、定電圧特性を持つDC負荷に電力を供給するのに適しており、上記定電圧特性は小幅の変動を伴うが、その出力電流は実質的には不変のままである。また、上記安定化電流の大きさは、AC入力電圧の導通位相角に応じて、100%から25%未満(10%、5%、1%)までの範囲で可変である。上記DC出力電流の調整は、インダクタによる対称方形波の安定化と、それに続く、比較的高インピーダンスのAC電流源の全波整流及び平滑化によって、達成される。
【0172】
受入AC電力は、整流され、その導通位相角が評価される。このようにして得られたDCは、20kHzから100kHz、又は250kHzから2MHzの高周波数の対称方形波に逆変換される。方形波がインダクタにより安定化されるときに生成される電流の大きさは、方形波の振幅、又はその周波数、又はその両方を組み合わせて制御することにより、調整される。
【0173】
広範囲の所要の出力電流を達成する(低いレベルに下げる)ために、負荷の電圧閾値特性を利用し、これにより、電源の実効電圧が負荷の公称動作電圧に近づくにつれて、その動作電流を略ゼロにまで低下させることができる。出力電流制御は、入力の導通位相角に応じて行なわれ、これによって、常に、出力電力が、上記入力導通角の範囲内で供給される電力よりも少なくなる。
【実施例1】
【0174】
添付図面の図1d〜3dを参照する。本発明の第1の実施形態では、標準的な力率補正(PFC)入力回路を用いる。これによって、入力部は、簡単な位相角コントローラをより良く機能させる簡易抵抗体の特性を有することが見て取れる。
【0175】
DCリンク電圧(PFCモジュールの出力の電圧)は、常にAC入力の最大ピーク電圧よりも高い電圧になるように調整される。この最小レベル以上のレベルは、必要に応じて、選択されたDC出力電流の範囲に限定するように調整することができる。このDCリンク電圧の最小レベルとは、出力電流がゼロ又は略ゼロになるレベルである。負荷は、変圧器を介してバラストインダクタに結合されている。変圧器の巻数比を適切に選択することによって、二次側の負荷の閾値電圧を、許容最小DCリンク電圧と同等の電圧として、一次側に反映させることができる。
【0176】
最小許容リンク電圧は、米国の120Vのライン/商用電源の場合、191ボルトDC(135V×ルート2)とすることができる。負荷閾値電圧(導通が始まる電圧)は20ボルトとすることができる。図1dの回路では、変圧器の巻数比は5対1(一次側対二次側)であり、従って、負荷において導通を開始することが可能になるまでに、一次側に200ボルトの方形波が必要である。
【0177】
ハーフブリッジインバータに供給されるDCリンク電圧の値を変化させることにより、一次側におけるHFAC方形波の振幅を、その200ボルトのカットオフ値から、それより高い値、例えば300ボルトに変化させることができる。(電圧は、関連するコンポーネントのコストを考えて、高くなり過ぎないようにすることが望ましい。)こうして、インダクタの値を設定することができる。二次側の最大電流、例えば500mAの場合、一次側の最大電流は100mAである必要がある。インダクタのリアクタンスは、一次側において動作周波数で電流が生成されるように選択され、インダクタを通した最大ピーク間電圧は100ボルト(300−200ボルト)となる。
【実施例2】
【0178】
次に、添付図面の図4d及び5dを参照する。本発明の第2の実施形態では、やはりPFCを用いてDCリンク電圧を提供している。今回はその値が固定である。バラストインダクタを流れる電流を変化させるために、インバータの周波数が変更される。電流は単に周波数に反比例して変化するので、制御の有効範囲を得るのに、要求範囲を達成するためには広い範囲の周波数が必要となる。
【0179】
インダクタを、変圧器の一次側に並列に接続されたコンデンサと共振又は部分共振させることによって、その効果を高めることができる。共振周波数は、選択された最低動作周波数より低く、或いは少し低くなるように選択される。
【0180】
最低周波数として50kHzを選択し、バラストインダクタと46kHzの共振コンデンサとの組み合わせを選択すると、50から80kHzまでの範囲で、100%から下は2%までの制御範囲を得ることができる。
【0181】
先と同じように、入力位相角を利用して、インバータの周波数を適切に調整することにより、出力電流が限定される。
【実施例3】
【0182】
次に、添付図面の図6d、7d、9d、及び10dを参照する。本発明の第3の実施形態では、PFC段は完全に省かれており、また、DCリンク・レールは、平滑化はされておらず、ゼロと最大値との間で、入力電力周波数の2倍で変化する。インバータは、上記のような共振装置を作動させる。インバータが、共振周波数で又は共振周波数付近で動作する場合、インバータへの入力電流は、入力電圧が変化しても一定に保たれる傾向がある。共振バラスト装置により生成される電流は、負荷においてその入力電圧に比例して変化する。(共振すると、たとえ入力電圧が最低であっても「リングアップ」して、(定電圧)負荷の駆動を開始する。)結果として、負荷への電力は、その閾値にかかわらず、名目上、正弦波となる。入力電圧が正弦波であると、バラスト装置は名目上無損失であるので、入力電流は一定となるはずである。
【0183】
負荷の力率は均一ではないものの驚くほど高く、それに加えて、商用電源サイクルの開始時に圧倒的に高い入力電流を供給できるという利点があるので、これは非常に魅力的な状態である。
【0184】
この初期電流が高いことによって、LED照明器具のバラストの、一般的に低電力であって標準的な位相制御調光器をうまく作動させるには低すぎるという主要な問題が、解消される。このような調光器は、そのサイリスタ制御素子の導通を維持するには最小負荷を必要とする。電圧波面の始まりの入力電流を大きくすることで、サイリスタの保持電流を補助することになり、想定よりも低い電力で正常に動作する。
【0185】
この例では、導通位相角それ自体によって電力をかなり調整するが、動作周波数を少し調整することによって、追加的制御が可能となる。
【0186】
留意すべきことは、共振による動作は、自励発振装置以外では不可能であるということである。共振よりも少し高めでの動作が最も安定する装置であり、入力電流波形は、方形波と正弦波の間に近似する。
【実施例4】
【0187】
次に、添付図面の図6d、8d、9d、及び10dを参照する。実施例4は、上記の実施例3を変形したものであり、高い初期電流の効果を高めるために、実施形態3の近似入力方形波電流を、さらに「四角くする」ことができる。これは、図8dに示すように、入力周波数の半周期を通して動作の周波数を変化させることにより行なわれる。従って、入力電圧波形が低いときには、ユニットは共振に近い動作をする。入力電圧が上昇するにつれて、インバータの周波数も高くなり、上昇した入力電圧の負荷電流に対する影響が若干弱まる。図8.1dを見ると、負荷の電流は、(入力電力周波数に関して調べたときに)正方形により近くなっており、これは、定電力を提供する。また、出力DC電流は、入力電力周波数のゼロ交差領域で一時的に低下するが名目上一定となって、平滑化がより簡単となる。
【0188】
こうして、実際にはあまり共振に近い動作をすることなく、入力電流を、よりフラットに近くすることができる。さらには、(図9dに示すように、始めと終わりが真ん中よりも高い)「ドッグボーン効果」を持たせることもでき、これによって位相制御機能をさらに強化することができる。
【0189】
[ダウンライト用電源装置]
つぎに、本発明の好ましい実施形態による電源装置について、添付図面の図13dを参照して説明する。
【0190】
図12dは、図13dの回路の簡略図である。照明器具用電源装置と、少なくとも2つのLED又はOLEDを含む照明器具の負荷とは、単一のユニットとしてパッケージ化されて供給されており、この単一のユニット内に電源装置の要素が「分散配置」されている。
【0191】
この電源装置要素の分散配置によって、照明器具の多くのLED/OLED負荷のうちの1つ又は複数が故障した場合に、優れた冗長性を提供する。二次巻線は互いに独立しており、それぞれ各負荷に電力を供給する。
【0192】
二次巻線は、互いに独立しているが、同じ一次巻線に結合されている。これによって、各二次巻線を介して供給される一定のDC電流は、それぞれの巻線につながる負荷に応じて調整される。従って、2つの二次巻線の巻数が異なる場合、それぞれの負荷に供給される一定のDC電流の値も異なる。
【0193】
大まかには、本発明の実施形態は、照明器具筐体と、照明器具内の個々の照明要素からなる負荷とを含んでいる。照明器具は、さらに、電源装置のすべての要素を含んでいる。このように、本発明の実施形態は、電源装置と、この電源装置により電力供給される少なくとも2つの負荷とを有する電気的装置を含んでいる。電源装置は、所定の調整高周波交流のRMS波形の形式で中間電力を生成するように構成されている。上記電流は、少なくとも2つの結合変圧器それぞれの一次巻線を流れ、それら変圧器の二次巻線は互いに独立していて、各二次巻線はそれぞれ負荷の1つに接続され、1つ又は複数の整流器を介して各負荷に所定の電流を供給するように構成されている。
【0194】
好ましくは、高周波電流の周波数は、10kHzから1MHz、20kHzから200kHz、50kHzから100kHzである。
【0195】
1つ又は複数の負荷は、短絡スイッチの周期的動作によって、より低い平均出力に調整されている。短絡スイッチの周期的動作によって、パルス幅変調信号でスイッチを駆動することが可能であり、これによって、LED/OLED負荷の調光が可能となる。
【0196】
該整流器あるいは各整流器は、同期整流器であるとよい。複数の同期整流器の同時導通により、短絡スイッチの周期的動作を提供することができる。
【0197】
結合変圧器は、軟磁性コアを有しており、これを十分に高磁束で機能させることによって、その負荷に何らかの開回路故障が生じたときに、コアが飽和して、中間電流及び別の負荷が実質的には故障による影響を受けないようになる。
【0198】
高磁束とは、いずれかの結合変圧器のコアの飽和磁束密度の3分の1を超えているものとする。
【0199】
負荷のうちの1つに開回路故障が生じた場合には、これによって短絡スイッチが作動する。また、負荷の故障によって、複数の同期整流装置が同時導通する。
【0200】
負荷の調光あるいは相対光度の調整は、1つの負荷又は各負荷における短絡スイッチの周期的なスイッチングにより行なわれ、及び/又は、全体的な光度の調整は、中間定電流の高周波交流波形の大きさの調節によって行なわれる。
【0201】
[回路の目的]
1.「瞬時オン」性能を達成する。
2.定格負荷点あたりで一定の最大出力電力を生成する。
3.位相カット調光器又は位相角導通調光器の設定に応じて調整される、可変定電流をLED負荷の中に生成する。
4.調光器を用いたときの最大の明るさが、直接接続を用いているときと同じであるようにする。
5.「分離隔壁を越えての」信号伝達を回避する。
6.極めて高い変換効率を達成する。
【0202】
このアプローチは消散的であるため、ダウンライト設計は昇圧型力率補正回路を用いており、これによって、AC電圧が存在しているときには常に入力電流が取り出されるようにしている。
【0203】
[出力インバータ]
出力インバータは、絶縁変圧器を用いる自励発振型ハーフブリッジ設計のものである。
【0204】
図13dに示す回路図L35SS4Fを参照する。
【0205】
Q1/Q2は、NPN/PNPトランジスタの相補的ペアである。理想的には、これらは、高利得・高電圧性能を持つもので、「蓄積」時間が適度なものである。超高速トランジスタは、この設計にはあまり適してない。
【0206】
Q1/Q2は、C2/L2、C5、R1、R2、D8、D9、R3、R4を備えるベース駆動回路を共有する。
【0207】
C2、L2は、共振タンク回路を形成しており、その定数は、共振周波数が所望の動作周波数の3/4となるように選択される。
【0208】
L2で観測されるピーク電流は、Q1及びQ2で観測されるピーク・コレクタ電流のおよそ半分である。
【0209】
R1、R2は、回路の順方向ベース電流の適切な振幅を与えるように選択される。
【0210】
D8、D9は、ベース・ターンオフ・スピードアップ・ダイオードであり、これは、Q1、Q2のエミッタ電圧に関して、C5/R1/R2接合部の電圧がゼロボルトまで下降すると、導通する。
【0211】
C5は、最終発振周波数を「トリミング」し、Q1とQ2の導通時間が等しくなるように選択されるDCブロッキング・コンデンサである。
【0212】
R3、R4は、Q1、Q2を発振させるために、微小な「ブリーダ」電流を供給するもので、この目的を達成するために回路リークを当てにしないものである。
【0213】
バイポーラトランジスタは、高周波スイッチとして使用すると、下記の様ないくつかの望ましくない特性を示す。
・「動的飽和」: 誘導負荷又は定電流をスイッチングする場合は、導通の最初の数マイクロ秒は、コレクタ−エミッタ間電圧が、定常状態の値を大きく超えることがある(18Vほどの高さになることがある)。これによって、適度な周波数で用いた場合でも、平均散逸が高くなることがある。
・「蓄積時間」: ベース電流がゼロまで低下したときに、トランジスタは、ゆっくりとコレクタ−エミッタ間の電圧を発生させながら、あるマイクロ秒の期間、導通し続けることがある。これは非効率的である。
・「リーク」: ブロッキング状態であっても、トランジスタは、少量の電流を通すことができる。それらを通した電圧が高いときには、これは微小電流であるにもかかわらず、いくらかの(わずかとは言えない)散逸を示すことがある。トランジスタを迅速にターンオフすることで、準最適にではあるが、高速スイッチングが可能であるけれども、リークが大きい。最小散逸となるスイッチング方式は、ベース電流を、そのDC導通レベルからターンオフするときに、公称蓄積時間に渡って一定の速度で、コレクタ電流の半分に等しい負のレベルにすることである。これによって、高速のコレクタ―エミッタ間のターンオフが、最小限のリークで行なわれて、結果的に、全体としてのスイッチング効率が最高となる。
【0214】
このベース駆動回路は、最小数の構成要素で、理想に近いものにする。
【0215】
駆動回路への電源電圧は、後続の回路要素から導出される電圧の方形波であり、このため、Q1及びQ2に周波数ロックされる。最大電圧振幅は、トランジスタQ1及びQ2の逆ベース電圧能力を超えないように選択される。
【0216】
インダクタL1が、絶縁変圧器TX1の一次側の経路に配置される。これによって、トランジスタQ1及びQ2は、制御された速度でゼロから導通を開始し、その結果、動的飽和損失が最小限に抑えられる。
【0217】
D5、D6は、Q1及びQ2の逆導通を防止する整流ダイオードである。これらは、それらのスイッチングデバイスにおける散逸をさらに低減するように作用する。
【0218】
TX1は、従来のような単一セクションからなる一次巻線を有しており、さらに、センタータップを備えた二次巻線構成を有しており、これはD15、D16により提供される半波整流を用いている。C7は、出力フィルタ・コンデンサであって、TX1からの非DC波形に起因して生じる出力リップル電圧を最小化するように選択されるものである。
【0219】
TX1からの出力電流は、三角波の形式のものであって、ピーク値の半分の平均値を持つものである。電流は、半周期ごとに自ずとゼロを通過し、変圧器の電圧が反転する。これによって、電気的に静穏なダイオード・スイッチングとなり、スイッチング損失は最小限となる。
【0220】
C6は、通常のハーフブリッジ・スプリッタ・コンデンサである。その目的は、DCリンク電圧の半分にほぼ等しい電位を提供することであり、また、Q1とQ2のスイッチング時間の不均衡に起因するTX1の飽和を防ぐことである。D11、D12、及びR25は、半波整流監視回路を形成しており、R25の平均電圧は、TX1の一次側において観測される平均電流を表している。
【0221】
出力電流は、L1を通して観測される電圧に比例している。回路定数は、特定のLED負荷について、その全出力時の電圧が、Q1/Q2とC6の間の電圧に半分になるように選択される。この動作点によって出力電力が極大となることが、分析により明らかになっている。変曲点で動作しているときには、LED電圧の変動に起因する電力の理想値からの偏差は小さいが、熱安定性につながる減少をもたらす。
【0222】
[力率補正回路]
力率補正回路は、典型的な「臨界モード・昇圧コンバータ」型のものであり、当業者であればよく知っているであろう。それは、STマイクロエレクトロニクスのL6562集積回路に基づくもの、IC2であり、これには、回路が非常に低い入力電圧で導通する能力を高めるための機能が組み込まれている。
【0223】
L3とD7は、それぞれ昇圧インダクタとダイオードであって、高電圧コンデンサC1に電力を供給する。C1の電圧は、R8、R10、R11、R17〜19、及びIC2に含まれるフィードバック回路の作用によって制御される。
【0224】
[出力制御]
出力電流は、L1を通した目標電圧に比例するので、C1でのDCリンク電圧の変動によって、TX1からの出力電流が変動することになり、このとき、LEDの電流に対する電圧(動的抵抗)の変化、すなわちTX1の電圧の変化は小さい。
【0225】
Q4は、整流された入力電圧波形からR20〜R22及びR33により得られるゲート電圧によって、オン・オフを切り替えられる。それらの値は、Q4が非常に低い入力電圧で作動するように選択されており、ゲートは、10VツェナーダイオードZD2によって過電圧から保護されている。Q4のドレインは、基準電圧からR32及びR23により得られる電位をスイッチングし、従って、入力導通のデューティサイクルを厳密に表している。Q4の作用により、基準はAC電源電圧のピーク値に大きくは依存せず、一部の調光器の特性に適合する。
【0226】
このドレイン電圧は、低域通過特性を持つ不平衡反転増幅器IC1bに伝えられる。増幅器の出力は、スケーリングされて、入力導通角によって変化する電圧基準が提供され、これは、AC負荷が完全な抵抗体であると仮定して、入力から利用可能となる(であろう)電力の線形近似として提供されるものである。出力電圧は基本的に一定であるので、この電力基準は、電流基準ということになる。R25で観測される平均電圧は、変圧器の一次側電流を表すものであって、IC1aによりこの基準と比較され、その差分電圧が、適当なフィードバック及びフィルタリングのコンポーネントにより修正されて、Q5のゲートを制御するために用いられる。変圧器の作用によって、TX1の一次側の電流は、出力巻線の電流の一部であり、従って、R25の平均電圧は、出力電流を表している。つまり、Q5のゲートでの制御動作は、出力電流を制御するためのものである。
【0227】
基準電圧を生成する別の可能な方法は、導通位相角に関係なく、入力電圧を平均することである。異なる回路定数の選択によって、適切な電流基準を生成することが可能になる。これによって、回路は、入力AC波形のピーク値の影響を受けるようになるが、しかし、一部の調光器に、より適合することになる。
【0228】
Q5は、IC2のフィードバック経路内に配置されており、その作用は、R8を徐々に短絡させることである。
【0229】
Q5がまったく導通していないときには、C1の電圧は最小であり、Q5が完全に導通しているときには、C1の電圧は最大である。このように、C1の電圧は、2つの限界値の間に制限されている。これによって、調光器と一緒に用いられていないときのLED電流は、名目上全出力に設定されている設計の調光器と一緒に用いたときと同じとなる。Q5は、「論理レベルで」小信号・エンハンスメントモードMOSFETであるように選択される。そのゲートで完全な導通のために必要とされる電圧は非常に低く、それがゼロであるときは、ユニットはその最小出力電流で動作している。これによって、調光制御の動きに良好に反応して、過渡的な指示されていない明るさレベルの大きさ及び持続時間を最小限に抑える。
【0230】
[補助電源装置]
集積回路IC1及びIC2は、TX1から電力の供給を受けており、これを提供するのは出力部とは別個の巻線であるが、しかしD13及びD14を整流器として用いる同一の構成のものである。供給電流はパルス状ではないので、補助電源のフィルタリングに用いられる蓄積コンデンサC15は小さいものとすることができる。
【0231】
変圧器の出力は、LED電圧によって効果的に固定電圧にクランプされるので、補助電源も電圧で適切に制御される。巻数の選択は、LEDの導通が開始する前にPFC回路が起動するように、しかし、LEDが完全に導通したときにIC2の最大許容電圧近くまで上昇しないように、行なわれる。追加の調整は必要ないので、効率面での節約につながる。IC1は、供給電圧の許容範囲がIC2よりも広いので、供給電圧範囲の選択に影響を及ぼさない。制御回路のための基準電圧は、電源及び温度の変動に対して電圧が最も安定する点で作動するツェナーダイオードである。
【0232】
[出力保護]
回路の一実施形態では、電源装置をLED負荷から切断することが可能である。原理的には、これによって出力電圧は公称出力電圧の2倍まで上昇することになるが、実際には、ダイオードD15及びD16が故障して短絡する。これを防ぐため、シリコン制御整流器を出力間に配置して、これを、出力が公称動作点を超えて上昇したら導通させて、出力コンデンサの出力間に短絡を生じさせる。
【0233】
コンデンサが放電すると、TX1の電圧がクランプされて、回路内の補助電源はゼロ近くまで降下し、IC2は動作を停止する。C1の電圧は、ダイオード電圧降下分を引いて、入力で観測されるピーク値まで低下する。回路定数が適切に選択されていると、これによって、出力電流が短絡し、定格全負荷電流に近くなる。このようにして、フィードバックなしで、回路は開回路及び短絡から保護されている。
【0234】
[作動時のシーケンス]
・電圧が入力に印加される。
・C1が、D1〜D4、L3、及びD7からなる整流ブリッジを介し、入力電圧のピーク値まで充電される。
・直ちに、Q1、Q2が発振を開始する。
・電流が出力コンデンサに供給される。
・出力電圧が上昇を開始し、これによって、IC1及びIC2への供給電圧が上昇する。
・IC1が、直ちに変圧器電流の監視を開始する。
・およそ12Vの出力で、IC2が動作を開始して、C1の電圧を上昇させる。
・TX1からの出力電流が上昇し始める。
・LEDのカットイン電圧で、負荷が導通を開始して、出力電圧のさらなる上昇が回避される。
・IC1及びIC2への供給が安定する。
・C1の電圧が、調光設定の結果として制御回路が要求したレベルに調整される。
【0235】
「備える」及び“「備えている」という用語、及びその変化形が本明細書及び請求項において用いられるときには、特定の特徴、ステップ、又は構成要素が含まれることを意味している。これらの用語は、その他の特徴、ステップ、又は構成要素の存在を除外していると解釈されるべきではない。
【0236】
上記明細書、又は以下の請求項、又は添付図面で開示された特徴であって、その特定の形態で示されたもの、あるいは開示の機能を実行するための手段、あるいは開示の結果を達成するための方法又はプロセスという観点から示されたものは、必要に応じて、個別に、又はそのような機能の任意の組み合わせで、本発明を様々な形態で実現するために利用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電流制限電源からの高周波AC電力を分配するための配電システムであって、
電流制限電源に接続されるように構成された長尺の導体からなるツイストペアであって、これら導体の該電源から最も遠い端部は互いに接続されており、該ツイストペアの隣接する一巻き(ターン)の間で前記導体は互いから離れるように可動であることによって、それらの間に開口部を形成する、ツイストペアと、
前記開口部から少なくとも部分的に挿入される電力分岐素子であって、これにより電力を導体から該電力分岐素子に誘導結合できるようになっている、電力分岐素子と、
を備える配電システム。
【請求項2】
電力分岐素子が分割可能なフェライト部材である、請求項1に記載の配電システム。
【請求項3】
電力分岐素子が2つの離間したフェライト部材を備える、請求項1に記載の配電システム。
【請求項4】
一方のフェライト部材は、ツイストペアの開口部から少なくとも部分的に挿入されるように構成されており、他方のフェライト部材は、ツイストペアの第2の開口部から少なくとも部分的に挿入されるように構成されている、請求項3に記載の配電システム。
【請求項5】
別の導体が、電力分岐素子の、少なくとも一部周囲に巻回されており、これにより電力を電力分岐素子からこの導体に誘導結合することができるようになっている、請求項1〜4のいずれかに記載の配電システム。
【請求項6】
同期整流回路が前記導体に接続されており、これによって、該導体における高周波AC電力を負荷に電力供給するための安定化DC電圧に変換する、請求項5に記載の配電システム。
【請求項7】
負荷がLEDである、請求項6に記載の配電システム。
【請求項8】
整流回路を短絡させて、負荷に伝送されている電力を停止させるための短絡スイッチをさらに備える、請求項6又は請求項7に記載の配電システム。
【請求項9】
短絡スイッチが電子スイッチである、請求項8に記載の配電システム。
【請求項10】
短絡スイッチが、同期整流回路の中の整流器である、請求項9に記載の配電システム。
【請求項11】
電子スイッチは、ツイストペアからの電力を動力とする、請求項9又は請求項10に記載の配電システム。
【請求項12】
配電システムからの電力出力を変調するためのパルス密度変調装置が組み込まれている、請求項1〜11のいずれかに記載の配電システム。
【請求項13】
ツイストペアから電力を分岐するため、各々がツイストペアに取り付けられるように構成された複数の電力分岐素子を包含する、請求項1〜12のいずれかに記載の配電システム。
【請求項14】
ツイストペアに接続され、電流制限された高周波AC電源をさらに備える、請求項1〜13のいずれかに記載の配電システム。
【請求項15】
商用電力を高周波AC電力に変換するように構成されている、請求項14に記載の配電システム。
【請求項16】
添付図面の図1a及び図2aを用いて明細書で説明されたような、また、図1a及び図2aに示されるような、配電システム。
【請求項17】
添付図面の図3aを用いて明細書で説明されたような、また、図3aに示されるような、配電システム。
【請求項18】
添付図面の図4aを用いて明細書で説明されたような、また、図4aに示されるような、配電システム。
【請求項19】
添付図面の図5aを用いて明細書で説明されたような、また、図5aに示されるような、配電システム。
【請求項20】
添付図面の図6aを用いて明細書で説明されたような、また、図6aに示されるような、配電システム。
【請求項21】
電源装置であって、
制限電流変化率で交流変化する高周波・高インピーダンスの電源と、
第1MOSFETスイッチと、
第2MOSFETスイッチと、を備え、
第1及び第2のスイッチは、全波整流器を形成するように接続されており、
電源装置は負荷に定電流を出力するように構成されており、負荷が該電源装置の出力電圧を制限することで、前記スイッチを駆動する制御電圧が、これらのスイッチに適した範囲内に維持され、
第1スイッチのゲートは、第2スイッチのドレインにより駆動され、第2スイッチのゲートは、第1スイッチのドレインにより駆動される、電源装置。
【請求項22】
高インピーダンス電源の電流の最小変化率は、電流のピーク間振幅の2倍を、電流波の周期で除算したものである、請求項21に記載の電源装置。
【請求項23】
高インピーダンス電源の電流の最大変化率は、電流のピーク間振幅の10倍を、電流波の周期で除算したものである、請求項21又は請求項22に記載の電源装置。
【請求項24】
第1スイッチのソースは、前記第2スイッチのソースに接続されている、請求項21〜23のいずれかに記載の電源装置。
【請求項25】
第1及び第2のスイッチのドレインは、変圧器の二次巻線の各端にそれぞれ接続されており、変圧器の一次巻線は電源に接続されている、請求項21〜24のいずれかに記載の電源装置。
【請求項26】
負荷は、変圧器の二次巻線のセンタータップに接続されている、請求項25に記載の電源装置。
【請求項27】
電源装置であって、
制限電流変化率で交流変化する高周波・高インピーダンスの電源と、
変圧器の一次巻線は電源に、そして二次巻線のセンタータップは負荷に接続されている、変圧器と、
第1MOSFETスイッチと、
第2MOSFETスイッチと、を備え、
第1及び第2のスイッチは、全波整流器を形成するように接続されており、
電源装置は、該装置の出力電圧を制限する負荷に定電流を出力するように構成されており、
第1スイッチのゲートと第2スイッチのゲートは、変圧器の駆動巻線の各端にそれぞれ接続されていて、これにより、これらのスイッチは変圧器からの電力によって駆動される、電源装置。
【請求項28】
変圧器の駆動巻線の巻数は、変圧器の二次巻線の巻数よりも少なくなっており、これによって、これらスイッチのゲートへの電圧入力を適切なレベルに制限する、請求項27に記載の電源装置。
【請求項29】
変圧器の二次巻線のセンタータップと、変圧器の駆動巻線のセンタータップとの間に、抵抗体が接続されている、請求項27又は請求項28に記載の電源装置。
【請求項30】
変圧器の駆動巻線のセンタータップは、これらスイッチのソースに接続されている、請求項29に記載の電源装置。
【請求項31】
これらスイッチのゲートにバイアスをかけて、該スイッチのボディダイオードの導通を十分に排除するためのバイアス回路をさらに備える、請求項29に記載の電源装置。
【請求項32】
第1及び第2のスイッチが同時に入り、負荷への電力をゲートでコントロール(ゲーティング)するように構成されている、請求項27〜31のいずれかに記載の電源装置。
【請求項33】
電源を変調するためのパルス密度変調(PDM)回路をさらに備える、請求項21〜32のいずれかに記載の電源装置。
【請求項34】
負荷がLED光源である、請求項21〜33のいずれかに記載の電源装置。
【請求項35】
LEDと、請求項21〜34のいずれかに記載の電源装置を備える、LED照明装置。
【請求項36】
添付図面の図3b及び図6bを用いて明細書で説明されたような、また、図3b及び図6bに示されるような、電源装置。
【請求項37】
添付図面の図4b及び図7bを用いて明細書で説明されたような、また、図4b及び図7bに示されるような、電源装置。
【請求項38】
添付図面の図5bを用いて明細書で説明されたような、また、図5bに示されるような、電源装置。
【請求項39】
光と熱を発生するLED光源用の照明器具であって、
LED光源を受容する取付具と、
LED取付具と熱的に接触して、発生した熱を該LED取付具から奪う、1つ以上のヒートシンク要素と、
光マスクと、を備え、
光マスクは、LED取付具から離間して配置されることにより、使用時に取付具に取り付けられるLED光源からの光の一次部分を、該マスクで大幅に遮断することなく通過させることが可能であり、且つ、LED光源からの光の二次部分を遮断して、その遮断された光は、該マスクを通して分散される、
また、1つ以上のヒートシンク要素は、光マスクの背後に配置され、これによって、光マスクとこのマスクからの光とにより、見えないように遮られている、照明器具。
【請求項40】
光マスクは開口部を有し、そこを、LED光源からの光の一次部分が大幅に遮断されることなく通過する、請求項39に記載の照明器具。
【請求項41】
光マスクが光導体又は導波路である、請求項39又は請求項40に記載の照明器具。
【請求項42】
取付具に受容されるLED又はLEDコンパクトアレイと組み合わせて用いられる、請求項39〜41のいずれかに記載の照明器具。
【請求項43】
照明器具の空間エンベロープの周辺部に通気口が設けられている、請求項39〜42のいずれかに記載の照明器具。
【請求項44】
1つ以上のヒートシンク要素は、通気口と直線状に並び、これにより、空気流を開口部から通気口まで導いている、請求項43に記載の照明器具。
【請求項45】
天井取付けの照明器具である、請求項39〜44のいずれかに記載の照明器具。
【請求項46】
照明器具の構造が、LED取付具の付近から、1つ以上のヒートシンク要素に沿って照明器具の外に繋がる空気流路を備える、請求項39〜45のいずれかに記載の照明器具。
【請求項47】
照明器具の構造が、LED取付具の真向かいにある外気への開口部から、1つ以上のヒートシンク要素に沿って照明器具の外に繋がる空気流路を備える、請求項39〜46のいずれかに記載の照明器具。
【請求項48】
光と熱を発生するLED光源用の照明器具であって、
LED光源を受容する取付具と、
LED取付具と熱的に接触して、発生した熱を該LED取付具から奪う、1つ以上のヒートシンク要素と、
光マスクと、を備え、
光マスクは、LED取付具から離間して配置されることより、使用時に取付具に取り付けられるLED光源からの光の一次部分を、該マスクで大幅に遮断することなく通過させることが可能であり、且つ、LED光源からの光の二次部分を遮断して、その遮断された光は、該マスクを通して分散される、
また、照明器具の構造が、光マスクを通り抜けて、1つ以上のヒートシンク要素に沿って照明器具の外に繋がる空気流路を備える、照明器具。
【請求項49】
光と熱を発生するLED光源用の照明器具であって、
LED光源を受容する取付具と、
LED取付具と熱的に接触して、発生した熱を該LED取付具から奪う、1つ以上のヒートシンク要素と、
光マスクと、を備え、
光マスクは、LED取付具から離間して配置されることにより、使用時に取付具に取り付けられるLED光源からの光の一次部分を、該マスクで大幅に遮断することなく通過させることが可能であり、且つ、LED光源からの光の二次部分を遮断して、その遮断された光は、該マスクを通して分散される、
また、照明器具の構造が、LED取付具の真向かいにある外気への開口部から、1つ以上のヒートシンク要素に沿って照明器具の外に繋がる空気流路を備える、照明器具。
【請求項50】
添付図面の図1cから10cを用いて明細書で説明されたような、また、図1cから10cに示されるような、照明器具。
【請求項51】
AC電力をDC電力に変換し、安定化DC電流を出力するように構成された電源装置であって、
電源装置へのAC電力入力を受ける、可変出力の力率補正回路と、
電源装置へのAC電圧入力の導通位相角を検出するように構成された導通位相角検出器と、
高周波AC信号の振幅が導通位相角に応じて変化するように自身の出力を変化させるよう構成されている力率補正回路からの電力出力を、対称デューティサイクルを有する高周波AC信号に逆変換するように構成された、インバータと、
高周波AC信号を安定化するためのインダクタと、
高周波AC信号を整流して電源装置の出力にDC電力を提供する、インバータに接続された整流回路と、を備える、電源装置。
【請求項52】
AC電力をDC電力に変換し、安定化DC電流を出力するように構成された電源装置であって、
電源装置へのAC電力入力を受け取る、可変出力の力率補正回路と、
電源装置へのAC電圧入力の導通位相角を検出するように構成された導通位相角検出器と、
高周波AC信号の周波数が導通位相角に応じて変化するように自身の出力を変化させるよう構成されている力率補正回路からの電力出力を、対称デューティサイクルを有する高周波AC信号に逆変換するように構成された、インバータと、
高周波AC信号を安定化するためのインダクタと、
高周波AC信号を整流して電源装置の出力にDC電力を提供する、インバータに接続された整流回路と、を備える、電源装置。
【請求項53】
請求項51又は請求項52に記載の電源装置を備えたLED光源を有する、照明器具。
【請求項54】
筐体(ハウジング)又は空間エンベロープを有し、電源装置が照明筐体又は空間エンベロープ内に配置されている、請求項53に記載の照明器具。
【請求項55】
電源装置が照明器具の中に組み込まれている、請求項53又は54に記載の照明器具。
【請求項56】
電源装置が照明筐体に機械的に連結されている、請求項11に記載の照明器具。
【請求項57】
DC電源出力を提供する方法であって、
電源装置へのAC電圧入力の導通位相角を測定すること、
可変出力の力率補正回路を用いて、電源装置へのAC電力入力に対して力率補正を行い、電力信号を提供すること、
電力信号を逆変換して、高周波の対称デューティサイクルを有するAC信号を提供すること、
電源装置へのAC電圧入力の導通位相角に応じて、力率補正回路の出力を変化させ、高周波AC信号の振幅を変化させることと、
高周波AC信号を安定させて整流し、DC電源出力を提供することと、を含む方法。
【請求項58】
DC電源出力を提供する方法であって、
電源装置へのAC電圧入力の導通位相角を測定すること、
可変出力の力率補正回路を用いて、電源装置へのAC電力入力に対して力率補正を行い、電力信号を提供すること、
電力信号を逆変換して、高周波の対称デューティサイクルを有するAC信号を提供すること、
電源装置へのAC電圧入力の導通位相角に応じて、力率補正回路の出力を変化させ、高周波AC信号の周波数を変化させること、
高周波AC信号を安定させて整流し、DC電源出力を提供することと、を含む方法。
【請求項59】
電源装置と、この電源装置により電力供給される少なくとも2つの負荷とを備える電気的装置であって、
電源装置は、所定の調整高周波交流のRMS波形の形式で中間電力を生成するように構成されており、
前記電流は、少なくとも2つの結合変圧器それぞれの一次巻線を流れ、また、それら変圧器の二次巻線は互いに独立しており、各二次巻線はそれぞれ負荷の1つに接続され、1つ以上の整流器を介して各負荷に所定の電流を供給するように構成されている、電気的装置。
【請求項60】
電源装置と、この電源装置により電力供給される少なくとも2つの負荷とを収容している筐体を備える電気的装置であって、
電源装置は、所定の調整高周波交流のRMS波形の形式で中間電力を生成するように構成されており、
前記電流は、少なくとも2つの結合変圧器それぞれの一次巻線を流れ、また、それら変圧器の二次巻線は互いに独立しており、各二次巻線はそれぞれ負荷の1つに接続され、1つ以上の整流器を介して各負荷に所定の電流を供給するように構成されている、電気的装置。
【請求項61】
電源装置と、この電源装置により電力供給される少なくとも2つの負荷とを収容している筐体を有する照明装置であって、
電源装置は、所定の調整高周波交流のRMS波形の形式で中間電力を生成するように構成されており、
前記電流は、少なくとも2つの結合変圧器それぞれの一次巻線を流れ、また、それら変圧器の二次巻線は互いに独立しており、各二次巻線はそれぞれ負荷の1つに接続され、1つ以上の整流器を介して各負荷に所定の電流を供給するように構成されている、照明装置。
【請求項62】
高周波電流の周波数が10kHzから1MHzである、請求項59〜61のいずれかに記載の装置。
【請求項63】
高周波電流の周波数が20kHzから200kHzである、請求項62に記載の装置。
【請求項64】
高周波電流の周波数が50kHzから100kHzである、請求項62又は請求項63に記載の装置。
【請求項65】
1つ又は複数の負荷は、短絡スイッチの周期的動作によって、より低い平均出力に調整される、請求項59〜64のいずれかに記載の装置。
【請求項66】
短絡スイッチの周期的動作が、パルス幅変調信号によるスイッチの駆動を含む、請求項65に記載の装置。
【請求項67】
該整流器又は各整流器が同期整流器である、請求項59〜65のいずれかに記載の装置。
【請求項68】
短絡スイッチの周期的動作は、複数の同期整流器の同時導通によって提供される、請求項65に従属する請求項67に記載の装置。
【請求項69】
結合変圧器が軟磁性コアを有し、これを十分に高磁束で機能させることによって、負荷に開回路故障が生じたときに、該コアが飽和して、中間電流及び別の負荷が実質的には故障による影響を受けない、請求項59〜68のいずれかに記載の装置。
【請求項70】
高磁束とは、いずれかの結合変圧器のコアの飽和磁束密度の3分の1を超えていることである、請求項69に記載の装置。
【請求項71】
負荷のうちの1つに開回路故障が生じると、これによって、短絡スイッチが作動する、請求項65に記載の装置。
【請求項72】
負荷の故障によって、複数の同期整流器が同時導通する、請求項67に記載の装置。
【請求項73】
負荷の相対光度は、1つの負荷又は各負荷における短絡スイッチの周期的スイッチングによって調整され、及び/又は、全体的な光度は、中間定電流の高周波交流波形の大きさの調節によって調整される、請求項65に記載の装置。
【請求項74】
添付図面の図1dから3dを用いて明細書で説明されたような、また、図1dから3dに示されるような、電気的装置。
【請求項75】
添付図面の図4d及び図4dを用いて明細書で説明されたような、また、図4d及び図4dに示されるような、電気的装置。
【請求項76】
添付図面の図8dから11d及び図8.1dを用いて明細書で説明されたような、また、図8dから11d及び図8.1dに示されるような、電気的装置。
【請求項77】
添付図面の図12d及び図13dを用いて明細書で説明されたような、また、図12d及び図13dに示されるような、電気的装置。
【請求項78】
本書で開示された特徴のうち、いずれかの新規な特徴又はその組み合わせ。

【図1a】
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【図1b】
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【図1c】
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【図1d】
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【図2a】
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【図2b】
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【図2c】
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【図2d】
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【図3a】
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【図3b】
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【図3c】
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【図3d】
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【図4a】
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【図4b】
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【図4c】
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【図4d】
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【図5a】
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【図5b】
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【図5c】
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【図5d】
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【図6a】
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【図6b】
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【図6d】
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【図7b】
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【図7c】
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【図7d】
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【図8c】
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【図8d−8.1d】
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【図9】
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【図9d】
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【図10c】
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【図10d】
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【図11d】
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【図12d】
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【図13d】
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【公表番号】特表2012−521085(P2012−521085A)
【公表日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−500321(P2012−500321)
【出願日】平成22年3月19日(2010.3.19)
【国際出願番号】PCT/GB2010/050472
【国際公開番号】WO2010/106375
【国際公開日】平成22年9月23日(2010.9.23)
【出願人】(511228366)ジュース・テクノロジー・リミテッド (1)
【Fターム(参考)】