説明

電気光学装置、電子機器、および電気光学装置の製造方法

【課題】 補助容量を設けた場合でも、画素の開口率が低下することのない電気的光学装置、電子機器、および電気光学装置の製造方法を提供すること。
【解決手段】 液晶装置において、二端子型非線形素子14が形成された第1基板10には、さらに、補助容量線17と、補助容量18と、補助容量18および二端子型非線形素子14の上層側に形成された層間絶縁膜とが形成されている。第2電極133と二端子型非線形素子14の第2導電層131は一体の導電パターン139から構成されている。画素電極16は、層間絶縁膜19の上層側に形成され、かつ、層間絶縁膜19のコンタクトホール191を介して第2電極133に電気的接続している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気光学装置、電子機器、および電気光学装置の製造方法に関するものである。さらに詳しくは、二端子型非線形素子および補助容量を利用して電気光学物質を駆動する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電気光学物質の挙動を制御するためにTFD(Thin Film Diode)素子などの二端子型非線形素子を使用したアクティブマトリクス型の電気光学装置が提案されている。この種の電気光学装置においては、電極間に電極光学物質を介挿してなる容量(以下、画素容量という)と二端子型非線形素子とが走査線とデータ線とに印加された電圧に応じて二端子型非線形素子の抵抗値が変化し、その抵抗値に応じた電荷が画素容量に蓄積されることにより、電気光学物質の光学的な特性が画素毎に制御される。ここで、走査線とデータ線との間に印加された電圧は、二端子型非線形素子に寄生する容量と画素容量とによって容量分割される。従って、画素容量が二端子型非線形素子に寄生する容量に比して十分、大きければ、二端子型非線形素子の抵抗値を迅速、かつ確実に低下させて画素容量に十分な電荷を蓄積することができる。
【0003】
しかしながら、画素容量を大きくするには、画素面積を増大させればよいが、画素面積の増大は、表示画像の高精細化の要求に反する結果を招いてしまう。そこで、各画素に幅広の補助容量線を設け、この補助容量線に対して誘電体膜を介して画素電極を対向させることにより、画素容量と並列に補助容量を設けることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平05−19302号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の技術のように、各画素に幅広の補助容量線を設け、それを補助容量の電極として用いると、その分、画素の開口率(各画素において表示に直接、寄与する部分が占める面積の割合)が小さくなってしまう。このような問題は、特許文献1に記載の液晶装置に限らず、従来の液晶装置において、各画素に補助容量を設けた場合に避けることができない問題である。
【0005】
このような開口率の問題を解消する方法として、各画素サイズを一定にしたまま、画素内における画素電極の面積を拡張する方法がある。しかしながら、特許文献1に記載の構成において、例えば、画素電極を二端子型非線形素子と平面的に重なる領域まで形成すると、画素電極も誘電体膜を介して二端子型非線形素子の下電極や信号線に対向してしまう。また、液晶装置の構成によっては、信号線と画素電極が短絡することもある。
【0006】
ここに、本願出願人は、二端子型非線形素子および補助容量の上層側に層間絶縁膜を形成し、層間絶縁膜の表面に画素電極を形成することにより、画素電極の拡張を可能とすることを提案するものである。しかしながら、二端子型非線形素子および補助容量の上層側に層間絶縁膜を形成した場合には、画素電極を層間絶縁膜のコンタクトホールを介して二端子型非線形素子に接続させ、かつ、層間絶縁膜のコンタクトホールを介して補助容量とも接続させる必要があり、結局、画素の開口率が小さくなってしまうという問題点がある。
【0007】
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、補助容量を設けた場合でも、画素の開口率が低下することのない電気的光学装置、この電気光学装置を用いた電子機器、および電気光学装置の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、本発明では、電気光学物質を保持する基板上に、信号線と、下層側から第1導電層、絶縁層および第2導電層がこの順に形成された二端子型非線形素子を介して前記信号線に電気的接続された画素電極とを有する電気光学装置において、前記基板上には、補助容量線と、該補助容量線に電気的接続する第1電極、誘電体膜、および前記第2電極が下層側からこの順に積層された補助容量と、前記補助容量および前記二端子型非線形素子の上層側に形成された層間絶縁膜とを有し、前記第2電極と前記第2導電層は一体の導電パターンから構成され、前記画素電極は、前記層間絶縁膜の上層側に形成され、かつ、当該層間絶縁膜において前記第2電極と平面的に重なる領域に形成されたコンタクトホールを介して当該第2電極に電気的接続されていることを特徴とする。
【0009】
本発明では、二端子型非線形素子および補助容量の上層側に層間絶縁膜を形成し、この層間絶縁膜の上層側に画素電極を形成するため、画素電極を拡張した場合でも、画素電極が信号線と短絡した状態、あるいは二端子型非線形素子の絶縁層を介して二端子型非線形素子の第1電極や信号線と対向する状態になることを回避できる。また、画素電極を層間絶縁膜を介して二端子型非線形素子および補助容量と電気的接続させるにあたって、補助容量の第2電極と二端子型非線形素子の第2導電層とを一体の導電パターンから構成し、かつ、層間絶縁膜の一部除去部分で第2電極と画素電極とを電気的接続されているため、画素電極と二端子型非線形素子の第2導電層とを接続させる必要がなく、コンタクトホールが一ヶ所で済む。また、補助容量の第2電極が形成されている領域はもともと、画素開口率に寄与しない部分であるため、第2電極と平面的に重なる領域にコンタクトホールを形成した場合でも、コンタクトホールの形成に起因して画素開口率が低下することもない。
【0010】
本発明において、前記画素電極は、前記二端子型非線形素子の少なくとも一部分と平面的に重なるほど、広い領域にわたって形成されていることが好ましい。
【0011】
本発明において、前記信号線は、前記絶縁層の上層側に前記第1導電層と平面的に重なる領域を通っており、前記基板上には、前記二端子型非線形素子としての第1の二端子型非線形素子と、前記第1導電層、前記絶縁層および前記信号線の重なり部分によって構成された第2の二端子型非線形素子とが形成されている場合があり、この場合、前記画素電極は、少なくとも前記第1の二端子型非線形素子と平面的に重なる領域にわたって形成すればよい。
【0012】
本発明において、前記補助容量線は、前記第2電極と同一材料から形成され、かつ、当該補助容量線と前記第1電極との重なり部分では、前記第1電極の上層に形成された絶縁膜の除去部分で前記第1電極が露出している部分に対して前記補助容量線が接触している構成を採用することができる。二端子型非線形素子では、第1導電層としてはタンタルやタンタル合金が用いられ、第2導電層としてはクロムなどが用いられることが多い。従って、補助容量線も、第2導電層や第2電極と同様、クロムなどで形成した方が補助容量線の配線抵抗を小さくすることができる。この場合には、第1電極と補助容量線が異なる層間に形成されることになるので、コンタクトホールあるいは以下に説明するエッジコンタクト構造などを利用して、前記補助容量線と前記第1電極との重なり部分で前記第1電極を前記誘電体膜から露出させ、その露出部分に補助容量線を接触させればよい。
【0013】
このような接続を行うにあたって、エッジコンタクト構造を採用する場合には、前記補助容量線と前記第1電極との重なり部分では、前記絶縁膜とともに前記第1電極も部分的に除去することにより、前記第1電極の切断面を当該絶縁膜から露出させる。このような構成を採用すれば、絶縁膜のみを除去してコンタクトホールを形成する場合と違って、第1の電極をパターニングする工程を利用して第1電極を露出させることができるので、工程数を減らすことができる。
【0014】
本発明において、前記第1電極は前記第1導電層と同一材料から構成され、前記誘電体膜は前記絶縁層と同一材料から形成され、かつ、当該誘電体膜は前記絶縁層の膜厚よりも厚いことが好ましい。
【0015】
本発明を適用した電気光学装置は、例えば、携帯電話機やモバイルコンピュータなどといった電子機器において表示部を形成するのに利用できる。
【0016】
本発明では、電気光学物質を保持する基板上に、信号線と、下層側から第1導電層、絶縁層および第2導電層がこの順に形成された二端子型非線形素子を介して前記信号線に電気的接続された画素電極とを有する電気光学装置の製造方法において、少なくとも前記第1導電層を含む第1導電パターンを形成する第1導電パターン形成工程と、前記第1導電パターンに陽極酸化を施して前記絶縁層を形成する絶縁層形成工程と、前記第1導電パターンを前記第1導電層と該第1導電層から分離した第2導電パターンとにパターニングする第1導電層形成工程と、前記第2導電パターンに陽極酸化を施して誘電体膜を形成する誘電体膜形成工程と、前記第2の導電パターンをパターニングして上層側に前記誘電体膜を備えた補助容量形成用の第1電極を形成する第1電極形成工程と、前記第1電極に前記誘電体膜を介して対向する補助容量形成用の第2電極を前記第2導電層と一体の導電パターンとして形成する第2電極および第2導電層の形成工程と、前記第2電極が一部露出する層間絶縁膜を形成する層間絶縁膜形成工程と、前記層間絶縁膜の表面側に対して前記第2電極の前記層間絶縁膜からの露出部分で電気的接続する前記画素電極を形成する画素電極形成工程とを行うことを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
添付図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
【0018】
(全体構成)
図1および図2は、本発明の電気光学装置の一例である液晶装置の電気的な構成を示すブロック図、および画素の等価回路図である。図3および図4はそれぞれ、液晶装置の平面的な構成を模式的に示す説明図、および液晶装置1のうち、表示領域1bの構成を模式的に示す断面図である。
【0019】
図1において、本形態の液晶装置1は、液晶に印加される電圧を制御するための非線形素子として二端子型非線形素子(TFD素子)を用いたアクティブマトリクス型表示装置であり、X方向に延在する複数の走査線21と、X方向に直交するデータ線13とを有している。データ線13は、データ線駆動回路33に接続されている。複数の走査線21のうち、図1における上方から数えて偶数行目の走査線は走査線駆動回路31(31a)に接続されている一方、奇数行目の走査線は走査線駆動回路31(31b)に接続されている。
【0020】
また、本形態の液晶装置1は、各走査線21と対をなす複数(走査線21と同数)の補助容量線17を有しており、これらの補助容量線17は各々、各走査線21と同様、X方向に延在する配線であり、対をなす走査線21に電気的接続されている。従って、補助容量線17は、対応する走査線21と同電位となる。
【0021】
走査線21とデータ線13とが交差する位置に対応して画素1aが配置されている。従って、画素1aは、X方向およびY方向において画像表示領域1b内にマトリクス状に配置されている。これらの画素1aは各々、二端子型非線形素子14、画素容量1dおよび補助容量18を備えている。二端子型非線形素子14は、両端間に印加された電圧に応じて抵抗値が非線形に変化する素子であり、一端がデータ線13に接続されている。画素容量1dは、二端子型非線形素子14に対して直列に接続された容量であり、画素1a毎に形成された画素電極と走査線21との間隙に液晶を介在させた構成になっている。補助容量18は、二端子型非線形素子14および画素容量1dの接続線1cと、補助容量線17との間に介在する。
【0022】
図2において、各画素1aは、容量CTFDおよび可変抵抗RTFDを並列接続してなる二端子型非線形素子14と、容量CLCDおよび抵抗RLCDを並列に接続してなる画素容量1dとがデータ線13および走査線21との間に直列に接続され、かつ、補助容量18(容量Cs)が画素容量1dに対して並列に接続された回路として把握できる。この構成においては、走査線21とデータ線13との間に印加される電圧が容量CTFDと、容量CLCDと容量Csとの合成容量とに容量分割される。ここで、二端子型非線形素子14に十分な電圧を印加するためには、接続点1cからみて、走査線21側の容量と、二端子型非線形素子14の容量CTFDとの容量日比αを大きく確保する必要がある。ここに本形態では、補助容量18を設けたため、その容量比α(=(CLC+DCs)/CTFD)は、補助容量を設けない場合の容量比(=CLC/CTFD)と比較して大きいので、本形態によれば、二端子型非線形素子14に十分な電圧を印加することができる。それ故、二端子型非線形素子14を迅速、かつ確実にオン状態に変化させることができるので、画素容量1dに対して所定の電荷を精度よく蓄積することができ、その結果、表示品位(とりわけコントラスト)の向上を図ることができる。
【0023】
図3および図4において、液晶装置1は、枠上のシール材35(図3に斜線を付した領域)を介して対向する状態に貼り合わされた第1基板10と第2基板20とを有している。第1基板10および第2基板20は、ガラスなどの光透過性を備えた板状部材である。図4に示すように、第1基板10、第2基板20およびシール材35によって囲まれた空間内には電気光学物質としての液晶36が封止されている。走査線21は第2の基板20のうち、液晶356と対向する表面上に形成されている。これらの走査線21は、ITOなどの光透過性を有する導電性材料からなる帯状の電極である。一方、データ線13、第1基板10のうち、液晶36と対向する表面上に形成されている。なお、実際には、第1基板10または第2基板20の表面には、複数色のカラーフィルタや各画素1aの間隙を遮光するブラックマトリクスが形成され、かつ、第1基板10および第2基板20の表面には配向膜が形成されるが、図4や以下に示す各図にはこれらの要素の図示が省略されている。
【0024】
図3において、第1基板10は第2基板20よりも外形寸法が大きい。第1基板10のうち、第2基板20の端部から張り出した張出領域10aには、走査線駆動回路31(31a、31b)を構成するICがCOG実装され、また、データ線駆動回路33を構成するICがCOG実装されている。
【0025】
このように構成した液晶装置1では、第1基板10および第2基板20の側に偏光板(図示せず)などが配置されて表示装置として用いられる。すなわち、図4に矢印L1で示すように、第1基板10の側から入射したバックライト装置(図示せず)からの光は、各画素1a毎に液晶36によって光変調されて第2基板20の側から出射されて透過モードで画像を表示する。また、図4に矢印L2で示すように、第2基板20の側から入射したバックライト装置(図示せず)からの光は、各画素1a毎に液晶36によって光変調されて第1板10の側から出射されて透過モードで画像を表示する。
【0026】
また、第2基板20の側に反射膜(図示せず)を形成しておけば、図4に矢印L3で示すように、第1基板10の側から入射した外光が第2基板20の側で反射して第1基板10の側から出射される間に各画素1a毎に液晶36によって光変調されて反射モードで画像を表示する。
【0027】
さらに、第2基板20の側に形成した反射膜(図示せず)に光透過部を形成した構造、あるいは反射膜(図示せず)を薄い半透過反射膜として形成し、かつ、第2基板20の側にバックライト装置(図示せず)を配置すれば、図4に矢印L2で示すような透過モードでの画像表示、および図4に矢印L3で示すような反射モードでの画像表示が可能となる。
【0028】
(各画素の構成)
図5は、第1の基板10のうち、液晶36に対向する表面上に形成された要素の構成を模式的に示す平面図である。図6、図7および図8はそれぞれ、図5のVI−VI′線における断面図、図5のVII−VII′線における断面図、および図5のVIII−VIII′線における断面図である。なお、図5には、多数の画素1aのうちの1つの画素1aに係る要素のみが図示されている。
【0029】
図3および図5に示すように、第1基板10において、複数の画素1aの各々に画素電極16が形成され、複数の画素電極16がX方向およびY方向にマトリクス状に配置されている。ここで、画素電極16は、走査線21と同様、ITOなどの光透過性材料によって形成された略矩形形状の電極である。データ線13は、各画素電極16の間隙においてY方向に延在しており、各画素電極16は、一方側で隣接する位置を通るデータ線13に二端子型非線形素子14を介して電気的接続している。なお、第2基板20上の走査線21(図5には外形が二点鎖線で示してある)は、X方向に並ぶ1行分の画素電極16に液晶36を挟んで対向している。
【0030】
図5および図6に示すように、二端子型非線形素子14は、X方向を長さ方向としてデータ線13と交差する長尺状の第1導電層141と、この第1導電層141の表面を陽極酸化することによって形成された絶縁層145と、絶縁層145の表面に形成された第2導電層131とを備えている。データ線13は、絶縁層145の上層側を通っており、絶縁層145を介して第1導電層141と対向している。従って、二端子型非線形素子14は、第1導電層141、絶縁層145および第2導線層131の重なり部分によって構成された第1の二端子型非線形素子14aと、第1導電層141、絶縁層145および信号線13の重なり部分によって構成された第2の二端子型非線形素子14bとから構成され、これらの二端子型非線形素子14a、14bは直列に接続されている。従って、二端子型非線形素子14は、正負双方向にダイオードスイッチング特性を示し、かつ、電流−電圧の非線形性が正負双方向において対称化されている。
【0031】
ここで、第1導電層141は、例えば、タングステン(W)などの金属を含有するタンタル膜(Ta)などから形成されており、絶縁層145は、厚さがD1のタンタルの陽極酸化膜(酸化タンタル/TaOX)から構成されている。信号線13および第2導電層131はクロム(Cr)、アルミニウム(Al)、その他の単体金属あるいは合金から構成され、本形態ではクロム膜が用いられている。
【0032】
また、図5、図7および図8に示すように、本形態では、第1基板10において、液晶36と対向する表面上には、各画素電極16のX方向に延在する間隙に沿って補助容量線17が形成されている。ここで、補助容量線17は、データ線13と同一の工程で同一材料、例えばクロム膜から形成されている。従って、補助容量線17とデータ線13とは、交差する方向に延びている。そこで、本形態では、補助容量線17が通る部分でデータ線13を切断し、切断したデータ線13については、その端部同士をそれらの下層側に形成された中継層142で電気的接続している。従って、補助容量線17は、中継層142を跨ぐように延在している。中継層142は、第1導電層141と同一工程で形成されたタンタル膜であり、その表面には厚い陽極酸化膜146(絶縁膜)が形成されている。なお、陽極酸化膜146の厚さはD2であり、二端子型非線形素子14の絶縁層145の厚さD1に対してかなり厚く、例えば、陽極酸化膜146の厚さD2は、二端子型非線形素子14の絶縁層145の厚さD1の5倍程度である。
【0033】
ここで、データ線13と中継層142との重なり部分においては、中継層142の端部で中継層142および陽極酸化膜146が部分的に除去され、中継層142の切断面は、陽極酸化膜146から露出している。従って、データ線13と中継層142は、中継層142の切断面で接触し、電気的接続している。このような接続工程を本願明細書ではエッジコンクト構造という。
【0034】
なお、本形態では、データ線13を切断して中継層142で電気的接続したが、補助容量線17を切断して中継層で電気的接続してもよい。
【0035】
図5、図6および図8において、本形態では、第1基板10において、液晶36と対向する表面上には、画素1a内に補助容量18の下電極を構成するための第1電極143が形成され、その表面には、陽極酸化膜146と同時形成された誘電体膜147が形成されている。誘電体膜147の表面には、補助容量18の上電極を構成するための第2電極133が形成されている。第1電極143は、第1導電層141と同一工程で形成されたタンタル膜であり、その表面に厚い陽極酸化膜146からなる誘電体膜147(絶縁膜)が形成されている。第2電極133は、信号線13や第2導電層131と同一工程で同一材料(クロム膜)から形成されている。ここで、誘電体膜147の厚さは、陽極酸化膜146と同じくD2であり、二端子型非線形素子14の絶縁層145の厚さD1の5倍程度である。
【0036】
本形態において、第1電極143は、補助容量線17と重なる位置まで形成されており、第1電極143と補助容量線17との重なり部分においては、第1電極143、および陽極酸化膜146(誘電体膜147)からなる絶縁膜が部分的に除去され、第1電極143の切断面は、陽極酸化膜146から露出している。従って、補助容量線17と第1電極143は、第1電極143の切断面で接触し、電気的接続している。また、第1電極143および陽極酸化膜146は、補助容量線17の長さ方向に沿って部分的に除去されて補助容量線17の長さ方向に延びた突起143aが形成されている。従って、第1電極143の切断面は、補助容量線17の長さ方向に沿って陽極酸化膜146から露出していることになり、補助容量線17と第1電極143との接触面積が広い。それ故、本形態で採用したエッジコンタクト構造によれば、補助容量線17と第1電極143との接続抵抗が低い。
【0037】
本形態において、補助容量18の第2電極133と、二端子型非線形素子14の第2導電層131は、一体の導電パターン139から構成されている。
【0038】
このように構成した第1基板10において、本形態では、補助容量18および二端子型非線形素子14の上層側には、アクリル樹脂などの有機絶縁膜やシリコン酸化膜などの無機絶縁膜からなる層間絶縁膜19が形成されており、この層間絶縁膜19の表面に画素電極16が形成されている。
【0039】
ここで、層間絶縁膜19には、補助容量18の第2電極133と平面的に重なる領域にコンタクトホール191が形成されており、画素電極16は、コンタクトホール191内で層間絶縁膜19から露出する第2電極133の表面に接触し、電気的接続している。また、補助容量18の第2電極133と二端子型非線形素子14の第2導電層131は、一体の導電パターン139から構成されているので、画素電極16はコンタクトホール191および第2電極133を介して第2導電層131にも電気的接続している。
【0040】
このように本形態では、二端子型非線形素子14および補助容量18の上層側に層間絶縁膜19を形成し、この層間絶縁膜19の上層側に画素電極16を形成するため、画素電極16を二端子型非線形素子14の一部(第1の二端子型非線形素子14a)と平面的に重なる領域まで拡張した場合でも、画素電極16がデータ線13と短絡した状態や、画素電極16が二端子型非線形素子14の絶縁層145を介して二端子型非線形素子14の第1電極141と対向する状態になることを回避できる。
【0041】
また、画素電極16を層間絶縁膜19を介して二端子型非線形素子14および補助容量18と電気的接続させるにあたって、補助容量14の第2電極14と二端子型非線形素子14の第2導電層131とを一体の導電パターン139から構成し、かつ、層間絶縁膜19のコンタクトホール191で第2電極133と画素電極16とが電気的接続されている。このため、画素電極16と二端子型非線形素子14の第2導電層131とを直接、接続させる必要がなく、コンタクトホール191が一ヶ所で済む。また、補助容量18の第2電極133はもともと、画素開口率に寄与しない部分であるため、第2電極133と平面的に重なる領域にコンタクトホール191を形成した場合でも、コンタクトホール191の形成に起因して画素開口率が低下することもない。
【0042】
それ故、本形態によれば、画素電極16を二端子型非線形素子14の少なくとも一部分、すなわち、第2の二端子型非線形素子14bと平面的に重なるほど、広い領域にわたって形成することができ、補助容量18を形成した場合でも、高い開口率を確保することができる。
【0043】
さらに、補助容量線17をデータ線13と同じクロム膜で形成したので、補助容量線17の低抵抗化を図ることができる。それ故、補助容量線17の電気的低抗に起因する表示品位の低下(特に、表示諧調のばらつき)を防止することができる。
【0044】
(走査線21と補助容量線17との接続構造)
図9および図10はそれぞれ、本形態の液晶装置において、第2基板20に形成された走査線13と第1基板10に形成された補助容量線17との電気的接続構造を示す平面図、および断面図である。なお、図9および図10には、図3において破線で囲まれた領域Aを拡大して示す説明図であり、図10は、図9におけるX−X′線からみた断面図である。図9および図10には、偶数行目の走査線21の近傍のみを示してあるが、奇数行目の走査線も同様な構成を有しているので、その図示および説明を省略する。
【0045】
図9および図10に示すように、補助容量線17は、第1基板10のうち、シール材35によって覆われた領域(以下、シール被覆領域という)に至るように引き回されている。このシール被覆領域に至った端部17bは、補助容量線17の他の部分と比較して幅広に形成されており、この部分において、図3および図9に示す配線(以下、引き回し配線41という)に接続されている。この引き回し配線41は、データ線13や補助容量線17と同一の工程で同一の材料から形成された配線である。引き回し配線41は、特に図3に示すように。シール被覆領域内に位置する端部411からシール材35の内側の量イ意内でシール35の一辺に沿うようにY方向に延在され、張出領域10aに到達した端部が走査線駆動回路31の出力端に接続されている。
【0046】
また、図9および図10に示すように、第2基板20のシール被覆領域に至った走査線21の端部は、引き回し配線41の端部411(補助容量線17の端部17b)と対向する位置にある。従って、第1基板10と第2基板20とをシール材35で貼り合わせると、シール材35に含まれていた導電性粒子351は、走査線21の端部と、引き回し配線41の端部411(補助容量線17の端部17b)とに接触し、走査線21と補助容量線17とを電気的接続する。それにより、走査線21および補助容量線17の双方が引き回し配線41を介して走査線駆動回路31(図1参照)に接続され、走査線21および補助容量線17は同電位となる。ないお、シール材35に含まれている導電性粒子351は、第1基板10と第2基板20との間隙を制御するスペーサとしても機能する。
【0047】
(液晶装置1の製造方法)
図5〜図8および図11(a)〜(d)を参照して、本発明を適用した液晶装置1の製造工程のうち、第1基板10に画素電極16を形成するまでの工程を説明する。
【0048】
図11(a)〜(d)は、本発明を適用した液晶装置1の第1基板10の製造工程の一部を示す平面図である。まず、図11(a)に示すように、第1導電パターン形成工程では、必要に応じて酸化タンタルなどの絶縁膜からなる下地膜(図示せず)を形成した第1基板10の表面に、少なくとも第1導電層141、中継層142、第1電極143および給電線148を含む第1導電パターン140を形成する。より具体的には、スパッタ法などの成膜技術を用いて第1基板10の表面にタンタル膜を形成した後、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を用いてタンタル膜をパターニングして第1導電パターン10を形成する。この状態では、第1導電層141、中継層142、第1電極143および給電線148が繋がっている。
【0049】
次に、絶縁層形成工程において、給電線148を介して第1導電パターン140に給電しながら第1回目の陽極酸化を行い、第1導電パターン140の表面全体に厚さがD1の陽極酸化膜を形成する。より具体的には、第1基板10を電解液中に浸漬した状態で、第1導電パターン140を陽極にして陽極酸化を行った後、所定に雰囲気中でアニール処理を行う。この工程により第1導電層141に形成された陽極酸化膜が絶縁層145として利用される。
【0050】
次に、図11(b)に示すように、第1導電層形成工程では、第1導電パターン140を第1導電層141と、この第1導電層141から分離した第2導電パターン140aとにパターニングする。より具体的には、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を用いて第1導電パターン140をパターニングして第1導電層141を切り離す。
【0051】
次に、誘電体膜形成工程において、給電線148を介して第2導電パターン140aに給電しながら第2回目の陽極酸化を行い、第2導電パターン140aの表面全体に厚さがD2の陽極酸化膜を形成する。より具体的には、第1基板10を電解液中に浸漬した状態で、第1回目の陽極酸化よりも高い印加電圧を第2導電パターン140aに印加しながら陽極酸化を行った後、所定に雰囲気中でアニール処理を行う。この工程により中継層142には、補助容量線17との層間絶縁膜として利用される厚い陽極酸化膜146が形成され、第1電極143の表面には誘電体膜147が形成される。
【0052】
次に、図11(c)に示すように、第1電極形成工程において、第2の導電パターン140aを誘電体膜147や陽極酸化膜146とともにパターニングして、上層側に誘電体膜147を備えた補助容量形成用の第1電極143と、上層側に陽極酸化膜146を備えた中継層142を形成する。より具体的には、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を用いて第2導電パターン140aをパターニングして第1電極143および中継層142を切り離す。その際、第1電極143には、補助容量線17との重なり部分に突起143aを形成する。その結果、第1電極143は、補助容量線17との重なり部分において、切断面が陽極酸化膜146(誘電体膜147)から露出することになる。また、中継層42については長さ方向の両端部を切断する。その結果、中継層42は、データ線13との重なり部分において、切断面が陽極酸化膜146から露出することになる。
【0053】
次に、図11(d)に示すように、第2電極および第2導電層の形成工程において、第1電極143に誘電体膜147を介して対向する補助容量形成用の第2電極133を二端子型非線形素子14の第2導電層131と一体の導電パターン139として形成する。また、データ線13および補助容量線17なども形成する。より具体的には、スパッタ法などの成膜技術を用いて第1基板10の表面にクロム膜を形成した後、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を用いてクロム膜をパターニングして、導電パターン139(第2電極133および第2導電層131)、データ線13および補助容量線17を形成する。その結果、データ線13は、中継層142の切断面と電気的接続し、補助容量線17は第1電極143の切断面と電気的接続する。
【0054】
次に、図5〜図8に示すように、層間絶縁膜形成工程において、第2電極133が一部露出するように層間絶縁膜19を形成する。ここで、層間絶縁膜19をアクリル樹脂などといった感光性樹脂により形成する場合には、スピンコート法などにより第1基板10の表面全体にアクリル樹脂を形成した後、露光マスクを介して露光、現像し、コンタクトホール191を備えた層間絶縁膜19を形成する。これに対して、アクリル樹脂などの有機絶縁膜、あるいはシリコン酸化膜などの無機絶縁膜からなる層間絶縁膜19を第1基板10の全面に形成した後、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を用いて層間絶縁膜19をパターニングしてコンタクトホール191を形成してもよい。
【0055】
しかる後には、画素電極形成工程において、層間絶縁膜19の表面に画素電極16を形成する。より具体的には、スパッタ法などの成膜技術を用いて第1基板10の表面にITO膜を形成した後、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を用いてITO膜をパターニングして画素電極16を形成する。その結果、画素電極16は、層間絶縁膜19のコンタクトホール191を介して第2電極133に電気的接続することになる。
【0056】
このように本形態では、補助容量18の各層と二端子型非線形素子14の各層が共通の工程において同一の材料から形成されるので、補助容量18と二端子型非線形素子14とを別個の工程で形成する場合と比較して製造工程の簡素化、および製造コストの低減を図ることができる。また、第1回目の陽極酸化によって第1導電パターン140の表面全体に膜厚D1の陽極酸化膜を形成した後、第2回目の陽極酸化によって膜厚D2の陽極酸化膜を形成するので、絶縁層145と、誘電体膜147を別々に形成する場合と比較して、第2回目の陽極酸化に要する時間を短縮できる。
【0057】
[他の実施の形態]
本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能であり、実施形態で挙げた具体的な材料や構成などは一例に過ぎず、適宜変更が可能である。
【0058】
例えば、図12〜図14に示すように構成してもよい。なお、以下に説明する変形例は、上記実施の形態と基本的な構成が共通するので、共通する部分には同一の符号を付して図示することにして、それらの説明を省略する。
【0059】
図12に示す変形例1のように、データ線13と補助容量線17との交差部分において、中断したクロム膜からなるデータ線13の端部とタンタル膜からなる中継層142との電気的接続には、エッジコンタクト構造に代えて、陽極酸化膜146に形成したコンタクトホール146a、146bを用いてもよい。また、クロム膜からなる補助容量線17とタンタル膜からなる第1電極143との電気的接続には、エッジコンタクト構造に代えて、誘電体膜147に形成したコンタクトホール147aを用いてもよい。さらに、画素電極16と第2電極133との接続にもエッジコンタクト構造を採用してもよい。すなわち、大きな開口からなるコンタクトホール192において層間絶縁膜19および第2電極133を除去し、層間絶縁膜19から露出する第2電極133の切断面と画素電極16とを電気的接続させてもよい。
【0060】
また、図13に示す変形例2のように、タンタル膜からなる下層側補助容量線17aと、データ線13との交差部を避けるように形成したクロム膜からなる上層側補助容量線17bとを積層し、下層側補助容量線17aと上層側補助容量線17bとをコンタクトホールあるいはエッジコンタクト構造によって電気的に接続させて補助容量線17′を形成してもよい。
【0061】
さらに、図14に示す変形例2のように、データ線13に沿ってタンタル膜を形成し、このタンタル膜から側方に突き出た部分を第1導電層141として、1組の二端子型非線形素子14′を用いた場合に本発明を適用してもよい。この場合、データ線13がタンタル膜のみでは電気的抵抗が高いので、タンタル膜にクロム膜を積層したものをデータ線13とすればよい。なお、タンタル膜とクロム膜とを積層したものをデータ線13とした構造は、2組の二端子型非線形素子14a、14bを用いて二端子型非線形素子14として用いた構造にも適用することができる。
【0062】
さらにまた、上記構成では、二端子型非線形素子14がデータ線13に接続され、画素容量1dが走査線21に接続された構成を説明したが、図15に示す変形例4のように、画素容量1dがデータ線13に接続され、二端子型非線形素子14が走査線21に接続された構成の液晶装置1に本発明を適用してもよい。この場合には、補助容量線17がデータ線17に電気的接続されることにより、補助容量18と画素容量1dとが並列に接続されることになる。
【0063】
なお、補助容量線と第1電極とが別の層間に形成されている場合に、それらを接続するためのエッジコンタクト用の第1電極の露出については、前記したように、導電パターンから二端子型非線形素子14を分離するための工程を利用して行ってもよいが、それとは別の工程によって、エッジコンタクト用の第1電極の露出やコンタクトホールの形成を行ってもよい。
【0064】
[電子機器]
図15は、本発明に係る電気光学装置を表示装置として備えた電子機器の説明図である。図16に示す電子機器は、携帯電話機1200であり、この携帯電話機1200は、利用者によって操作される複数の操作ビタン1202、他の端末装置から受信した音声を出力する受話口1204、および他の端末装置に送信される音声を入力する送話口1206を有するとともに、各種画像を表示す液晶装置1(電気光学装置)を備えている。
【0065】
なお、本発明に係る電気光学装置が利用される電子機器としては、携帯電話機の他、ノート型のパーソナルコンピュータ、液晶テレビ、ビューファインダ型(またはモニタ直視型)のビデオレコーダ、デキタルカメラ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた機器などがある。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の電気光学装置の一例である液晶装置の電気的な構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示す液晶装置の画素の等価回路図である。
【図3】図1に示す液晶装置の平面的な構成を模式的に示す説明図である。
【図4】図1に示す液晶装置の表示領域の構成を模式的に示す断面図である。
【図5】図1に示す液晶装置において、第1の基板に形成された要素構成を模式的に示す平面図である。
【図6】図5のVI−VI′線における断面図である。
【図7】図5のVII−VII′線における断面図である。
【図8】図5のVIII−VIII′線における断面図である。
【図9】図1に示す液晶装置において、走査線と補助容量線との電気的接続構造を示す平面図である。
【図10】図1に示す液晶装置において、走査線と補助容量線との電気的接続構造を示す平面図である。
【図11】図1に示す液晶装置第1基板の製造工程の一部を示す平面図である。
【図12】本発明の変形例1に係る液晶装置において、第1の基板に形成された要素構成を模式的に示す平面図である。
【図13】本発明の変形例2に係る液晶装置において、第1の基板に形成された要素構成を模式的に示す平面図である。
【図14】本発明の変形例3に係る液晶装置において、第1の基板に形成された要素構成を模式的に示す平面図である。
【図15】本発明の変形例4に係る液晶装置の電気的な構成を示すブロック図である。
【図16】本発明の電子機器の一例としての携帯電話機の構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0067】
1 液晶装置(電気光学装置)、1a 画素、1d 画素容量、10 第1の基板、13 データ線、14 2端子型非線形素子、17 補助容量線、18 補助容量、20 第2基板、21 走査線、131 第2導電層、133 第2電極、141 第1導電層、143 第1電極、145 絶縁層、146 陽極酸化膜(絶縁膜)、147 誘電体膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気光学物質を保持する基板上に、信号線と、下層側から第1導電層、絶縁層および第2導電層がこの順に形成された二端子型非線形素子を介して前記信号線に電気的接続された画素電極とを有する電気光学装置において、
前記基板上には、補助容量線と、該補助容量線に電気的接続する第1電極、誘電体膜、および前記第2電極が下層側からこの順に積層された補助容量と、前記補助容量および前記二端子型非線形素子の上層側に形成された層間絶縁膜とを有し、
前記第2電極と前記第2導電層は一体の導電パターンから構成され、
前記画素電極は、前記層間絶縁膜の上層側に形成され、かつ、当該層間絶縁膜において前記第2電極と平面的に重なる領域に形成されたコンタクトホールを介して当該第2電極に電気的接続されていることを特徴とする電気光学装置。
【請求項2】
請求項1において、前記画素電極は、前記二端子型非線形素子の少なくとも一部分と平面的に重なる領域にわたって形成されていることを特徴とする電気光学装置。
【請求項3】
請求項1または2において、前記信号線は、前記絶縁層の上層側に前記第1導電層と平面的に重なる領域を通っており、
前記基板上には、前記二端子型非線形素子としての第1の二端子型非線形素子と、前記第1導電層、前記絶縁層および前記信号線の重なり部分によって構成された第2の二端子型非線形素子とが形成され、
前記画素電極は、少なくとも前記第1の二端子型非線形素子と平面的に重なる領域にわたって形成されていることを特徴とする電気光学装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかおいて、前記補助容量線は、前記第2電極と同一材料から形成され、かつ、
当該補助容量線と前記第1電極との重なり部分では、前記第1電極の上層に形成された絶縁膜の除去部分で前記第1電極が露出している部分に対して前記補助容量線が接触していることを特徴とする電気光学装置。
【請求項5】
請求項4において、前記補助容量線と前記第1電極との重なり部分では、前記絶縁膜とともに前記第1電極も部分的に除去されていることにより、前記第1電極の切断面が当該絶縁膜から露出していることを特徴とする電気光学装置。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれかにおいて、前記第1電極は前記第1導電層と同一材料から構成され、前記誘電体膜は前記絶縁層と同一材料から形成され、かつ、当該誘電体膜は前記絶縁層の膜厚よりも厚いことを特徴とする電気光学装置。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれかに規定する電気光学装置を有することを特徴とする電子機器。
【請求項8】
電気光学物質を保持する基板上に、信号線と、下層側から第1導電層、絶縁層および第2導電層がこの順に形成された二端子型非線形素子を介して前記信号線に電気的接続された画素電極とを有する電気光学装置の製造方法において、
少なくとも前記第1導電層を含む第1導電パターンを形成する第1導電パターン形成工程と、
前記第1導電パターンに陽極酸化を施して前記絶縁層を形成する絶縁層形成工程と、
前記第1導電パターンを前記第1導電層と該第1導電層から分離した第2導電パターンとにパターニングする第1導電層形成工程と、
前記第2導電パターンに陽極酸化を施して誘電体膜を形成する誘電体膜形成工程と、
前記第2の導電パターンをパターニングして上層側に前記誘電体膜を備えた補助容量形成用の第1電極を形成する第1電極形成工程と、
前記第1電極に前記誘電体膜を介して対向する補助容量形成用の第2電極を前記第2導電層と一体の導電パターンとして形成する第2電極および第2導電層の形成工程と、
前記第2電極が一部露出する層間絶縁膜を形成する層間絶縁膜形成工程と、
前記層間絶縁膜の表面側に対して前記第2電極の前記層間絶縁膜からの露出部分で電気的接続する前記画素電極を形成する画素電極形成工程と
を有することを特徴とする電気光学装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2006−178137(P2006−178137A)
【公開日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−370568(P2004−370568)
【出願日】平成16年12月22日(2004.12.22)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】