説明

電気光学装置、電子機器、及びカメラ

【課題】適用するレンズが制限されず高い汎用性を得ることができるようにする。
【解決手段】画素電極9aを備えるTFT基板10と、TFT基板10に対向すると共に対向電極21を備える対向基板20と、両基板10,20間に挟持されて画素電極9aと対向電極21との間に印加される電圧に応じて屈折率が変化する液晶50とを備え、画素電極9aがTFT基板10に対してマトリクス状に形成されており、各画素電極9aに電圧を印加し、液晶50の屈折率を変化させてレンズとして機能させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気光学装置の屈折率を変化させてレンズとして機能させることのできる電気光学装置、電子機器、及びカメラに関する。
【背景技術】
【0002】
電気光学物質の一例である液晶は、液体のような流動性を有し、電気的光学的特性に異方性を示し、かつ分子配向状態を種々制御できるという特徴を有している。かかる液晶の特徴を使用した液晶装置は、薄型軽量の平板型表示素子として、近年、目覚ましい発展を続けている。
【0003】
液晶分子の配向状態は、液晶装置を構成する、2枚の透明導電膜を付したガラス基板の表面の処理や、外部印加電圧により容易に制御することができる。従って、液晶は、電圧印加により実効的な屈折率を異常光に対する値から常光に対する値まで連続的に可変できるという、他の光学材料にないすぐれた特性を有している。
【0004】
このような液晶を代表とする電気光学物質を用いた光学素子は、通常の受動型の光学素子とは異なり、媒質である液晶の屈折率を電圧印可により比較的容易に可変制御できる。そのため、焦点距離を可変できる液晶レンズとしても採用されている。
【0005】
例えば特許文献1(特開2004−264549号公報)には、液晶分子層の屈折率の変調領域の2次曲線変調領域を用いて液晶光変調装置を凹レンズとして動作させる技術が開示されている。
【特許文献1】特開2004−264549号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上述した文献に開示されている技術は、一方のガラス基板に形成されている画素電極が、予め必要とするレンズに対応するパターン(レンズパターン)、すなわち、球面凸レンズ或いは球面凹レンズであれば同心円状のレンズパターンに形成されているため、適用するレンズが限定され、汎用性に欠ける問題がある。
【0007】
更に、上述した文献に開示されている技術では、駆動回路が液晶装置とは別構成になっているため、外部から制御電圧を印加する必要があり、装置全体の構成が大型化してしまうばかりでなく、焦点距離等の微調整を行うことができず、使い勝手が悪いという問題がある。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑み、適用するレンズが制限されず高い汎用性を得ることができると共に、装置の小型化が実現でき、更に焦点距離等の微調整を容易に行うことのできる電気光学装置、電子機器、及びカメラを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため本発明による第1の電気光学装置は、第1の電極を備える第1の基板と、前記第1の基板に対向すると共に第2の電極を備える第2の基板と、前記両基板間に挟持されて、前記第1の電極と前記第2の電極との間に印加される電圧に応じて屈折率が変化する電気光学物質とを備え、前記第1の電極が前記第1の基板に対してマトリクス状に形成されており、該各第1の電極に電圧を印加して前記電気光学物質の屈折率を変化させてレンズとして機能させることを特徴とする。
【0010】
このような構成では、電気光学物質の屈折率を変化させてレンズとして機能させるようにしたので、適用するレンズが制限されず、高い汎用性を得ることができるばかりでなく、装置の小型化を実現することができる。更に、電圧を調整することで焦点距離等の微調整を容易に行うことができる。
【0011】
第2の電気光学装置は、第1の電気光学装置において、前記電気光学物質の屈折率分布が、中心から外周へ移行するに従い大きくなるように前記電圧が設定されていることを特徴とする。このような構成では、電気光学装置を凸レンズとして機能させることができる。
【0012】
第3の電気光学装置は、第1の電気光学装置において、前記電気光学物質の屈折率分布が、中央から外周方向へ移行するに従い次第に小さくなるように前記電圧が設定されていることを特徴とする。このような構成では、電気光学装置を凹レンズとして機能させることができる。
【0013】
第4の電気光学装置は、第1の電気光学装置において、前記電気光学物質の屈折率分布が、四角い領域内に設定されていると共に、該屈折率分布が、中央から外周の四面方向へ移行するに従い次第に大きくなるように前記電圧が設定されていることを特徴とする。このような構成では、電気光学装置を四角い凸レンズとして機能させることができる。
【0014】
第5の電気光学装置は、第1の電気光学装置において、前記電気光学物質の屈折率分布が、一方向の中央が大きく、そこから両側へ移行するに従い小さくなるように前記電圧が設定されていることを特徴とする。このような構成では、電気光学装置を2焦点レンズ或いは円筒形レンズとして機能させることができる。
【0015】
第6の電気光学装置は、第1の電気光学装置において、前記電気光学物質の屈折率分布が、複数の点で最も小さく、この各点を中心としてそれぞれ外周方向へ移行するに従い次第に大きくなるように前記電圧が設定されていることを特徴とする。このような構成では、電気光学装置を凸レンズアレーとして機能させることができる。
【0016】
第7の電気光学装置は、前記電圧は前記第1の電極の電極電位が設定電圧に達したとき非通電とし、該電極電圧が設定値以下に達したとき通電することを特徴とする。このような構成では、電圧を常時通電する必要がないので電力消費量を削減することができる。
【0017】
本発明による電子機器は、第1〜7の何れかの電気光学装置を備えて構成されていることを特徴とする。このような構成では、電子機器に組み込まれた電気光学装置を、高い汎用性を有するレンズとして機能させることができる。
【0018】
本発明によるカメラは、撮像光学系と、前記撮像光学系から入射する光を受光する撮像素子と、前記撮像光学系と前記撮像素子との間に配置される前記第1の電気光学装置と、前記撮像素子の出力信号が入力され、前記第1の電気光学装置に補正信号を出力するコントロールユニットとを備え、前記第1の電気光学装置の電気光学物質の屈折率分布が、前記コントロールユニットの補正信号によって、前記撮像素子において受光した被写体像の歪を補正するように変化することを特徴とする。
【0019】
このような構成では、本発明による第1の電気光学装置を、カメラに設けられている撮像光学系と撮像素子との間に配置し、コントロールユニットから補正信号により第1の電気光学装置の屈折率分布を補正するようにしたので、撮像光学系から入射した被写体像の像ぶれやゆがみを自動補正することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、図面に基づいて本発明の一実施形態を説明する。
【0021】
[第1実施形態]
図1〜図10に本発明の第1実施形態を示す。尚、以下においては、薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor;TFT)を画素スイッチング素子として備えたアクティブマトリクス型の液晶装置を例に挙げて説明する。
【0022】
図1は電気光学装置である液晶装置をその上に形成された各構成要素と共に対向基板側から見た平面図、図2はTFT基板と対向基板とを貼り合わせて液晶を封入する組立工程終了後の液晶装置であって、図1のH-H'断面図、図3は液晶装置の画像表示領域においてマトリクス状に形成された複数の画素における各種素子、配線等の等価回路図である。尚、各図においては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材毎に縮尺を異ならしめてある。
【0023】
先ず、一般的な液晶装置100の全体構成について説明する。図1、図2に示すように、液晶装置100は、第1の基板としてのTFT基板10と、これに対向配置される第2の基板としての対向基板20とを有し、両基板10,20の対向面間の画像表示領域10aの周囲に設けたシール領域がシール材52を介して貼り合わされている。更に、この両基板10,20の対向面間とシール材52とで囲まれた領域内に、電気光学物質としての液晶50が封入れている。対向基板20の4隅には、上下導通材106が設けられており、TFT基板10に設けられた上下導通端子107と対向基板20に設けられた第2の電極としての対向電極21との間で電気的に導通されている。
【0024】
又、シール材52が配置されたシール領域の内側に並行して、画像表示領域10aを規定する遮光性の周辺遮光膜53が対向基板20側に設けられている。又、画像表示領域の周辺に広がる周辺領域のうち、シール材52が配置されたシール領域の外側部分には、データ線駆動回路101及び外部回路接続端子102がTFT基板10の一辺に沿って設けられており、走査線駆動回路104が、この一辺に隣接する2辺に沿って設けられている。
【0025】
更に、TFT基板10の残る一辺には、画像表示領域10aの両側に設けられた走査線駆動回路104間を電気的に接続するための複数の配線105が設けられている。尚、走査線駆動回路104、及び配線105は、シール材52の内側の周辺遮光膜53に対向する位置に配設されている。
【0026】
更に、TFT基板10上には、後述する画素スイッチング用のTFT素子や走査線、データ線等の配線が形成された後の画素電極9a上に配向膜16が形成されている。他方、対向基板20上には、対向電極21の他、最上層部分に配向膜22が形成されており、これら一対の配向膜16,22間で、所定の配向状態が設定される。
【0027】
又、図3に示すように、画像表示領域10aには、複数のドット150がマトリクス状に形成され、当該ドット150毎に、第1の電極としての画素電極9aとTFT素子40とが形成されている。又、画像表示領域10aには、複数の走査線13と、この走査線13と交差する複数のデータ線9とが設けられ、走査線13は走査線駆動回路104により、データ線9はデータ線駆動回路101により駆動される。各ドット150において、TFT素子40は走査線13を介して供給される走査信号によりON状態となり、これによりデータ線9からの画像信号が画素電極9aに供給される。
【0028】
ところで、画素電極9aと対向電極21との間に駆動交流電圧(例えば数kHzの矩形波)を印加すると、複屈折率(分子の長軸と短軸の屈折率差)を持つネマティック液晶分子は、電場に沿って傾く。つまり、液晶分子(長軸の向き)と平行な方向の直線偏光を有する単色光では、液晶層が電圧分布に応じて局所的に異なった屈折率分布を有する媒質と等価になる。従って、液晶50を通過した光の波面には、液晶50の印加電圧の面内分布に応じた空間的な位相変調(或いは波面変調)が加わることになる。
【0029】
電気光学特性の形状は、液晶50の弾性定数、誘電率異方性や電圧無印加時の液晶分子の初期配向角から決定される。小さなプレチルト角(5°以下)を有する液晶素子は、電気光学特性の低電圧領域で急峻な立下り(しきい値)が見られるが、電圧を増加するにつれて線形に近い応答を示し、その後、一定値に飽和する特性を有している。一方、大きなプレチルト角を有する液晶素子では、しきい値は消失し、低電圧領域の曲線を二乗曲線で近似できる特性となる。
【0030】
従って、画素電極9aと対向電極21との間に印加する駆動交流電圧を変化させることで、様々なレンズを作り出すことができる。図4〜図9に液晶装置100を液晶レンズとして用いた場合の態様について例示する。
【実施例1】
【0031】
図4には液晶装置100を凸レンズとして機能させた態様が示されている。同図(a)は画像表示領域10aの座標軸が示されている。尚、本実施形態では、便宜的に画像表示領域10aの左下を原点としている。同図(a)に示す濃淡は、液晶50の屈折率分布を示す。薄い方から濃い方へ移行するに従い大きくなる。この屈折率分布は、画素電極9a毎の印加電圧によって決定される。
【0032】
このように、画像表示領域10aの中心から外周へ移行するに従い大きくなるように駆動交流電圧を設定することで、液晶装置100は、図4(b)に示す凸レンズと同じ機能が発揮される。
【実施例2】
【0033】
図5には液晶装置100を凹レンズとして機能させた態様が示されている。同図(a)に示すように、画像表示領域10aにおける液晶50の屈折率分布を、中央から外周方向へ移行するに従い次第に小さくなるように、駆動交流電圧を設定することで、液晶装置100は、図5(b)に示す凹レンズと同じ機能が発揮される。
【実施例3】
【0034】
図6には液晶装置100を四角の凸レンズとして機能させた態様が示されている。同図(a)に示すように、画像表示領域10aにおける液晶50の屈折率分布を四角い領域内に設定し、その周辺を遮光する。更に、屈折率分布を中央から外周の四面方向へ移行するに従い次第に大きくなるように、駆動交流電圧を設定する。その結果、液晶装置100は、図6(b)に示す四角の凸レンズと同じ機能が発揮される。
【実施例4】
【0035】
図7には液晶装置100を2焦点レンズとして機能させた態様が示されている。同図(a)に示すように、画像表示領域10aにおける液晶50の屈折率分布を、X軸の中央を大きく、そこからX軸方向に沿って両側へ移行するに従い次第に小さくなるように、駆動交流電圧を設定する。その結果、液晶装置100は、図7(b)に示す2焦点レンズ
と同じ機能が発揮される。
【実施例5】
【0036】
図8には液晶装置100を3連の円筒形レンズとして機能させた態様が示されている。同図(a)に示すように、画像表示領域10aにおける液晶50の屈折率分布をX軸方向の中央と、その両側を最も低く、そこからX軸に沿って両側へ移行するに従い次第に高くなるように、駆動交流電圧を設定する。
【0037】
その結果、図8(b)に示す三連の円筒レンズと同じ機能を液晶装置100で発揮させることができる。
【実施例6】
【0038】
図9には液晶装置100を4個の凸レンズから成るレンズアレーとして機能させた態様が示されている。同図(a)に示すように、画像表示領域10aにおける液晶50の屈折率分布を対角線上の4点で最も小さく、この4点を中心にそれぞれ外周方向へ移行するに従い次第に大きくなるように、駆動交流電圧を設定して、液晶装置100を4個の凸レンズを集合させたレンズアレーとして機能させる。又、この液晶装置100は1つの光を4分割するビームスプリッタとして使用することもできる。
【0039】
尚、上述した実施例1〜6において、駆動交流電圧の強弱により焦点距離を変えることができる。更に、電圧分布を変えることでレンズ収差を調整することも可能となる。
【0040】
ところで、液晶50は電界によって屈折率が変化されるが、液晶50の焼きつき現象を利用することで、電圧の印加時間を減少させることができる。すなわち、図10に示すように、電極電位が所定電圧に達するまで駆動交流電圧を通電し、所定電圧に達したとき駆動交流電圧を遮断する。駆動交流電圧の供給を遮断しても、焼き付き現象により所定時間電位が保持される。従って、この電極電位が所定に減衰した際に、駆動交流電圧を印加するように駆動交流電圧の供給を断続的に行うことで電力消費量を低減させることができる。
【0041】
このように、本実施形態によれば、液晶装置100には既に駆動回路が設けられているため、駆動回路を別途設ける必要が無く、装置の小型化を実現することができる。又、駆動回路が既に設けられているため、この液晶装置100を液晶レンズとして使用した場合の制御が容易になる。更に、画素電極9aごとに屈折率を設定することができるので、あらゆるレンズに適用させることができ、高い汎用性を得ることができる。更に、駆動交流電圧を調整することで焦点距離を容易に微調整することが可能となり、又、電圧分布を変えることでレンズ収差を個別に調整する個度ができる。
【0042】
[第2実施形態]
図11、図12に本発明の第2実施形態を示す。本実施形態では、液晶レンズとして用いる液晶装置100を光ファイバの中途に介装したものであり、液晶装置100と光ファイバとで電子機器が構成されている。
【0043】
図11に示す液晶装置100は、一方の光ファイバ121から出射された光信号を平行光に戻して他方の光ファイバ122へ出射させるようにしたものである。尚、この場合、液晶装置100の出射側に偏光角を検出する光電センサを配設し、液晶装置100から出射される光信号が常に平行光となるように、液晶装置100に供給する駆動交流電圧をフィードバック制御するようにしても良い。
【0044】
又、図12に示す液晶装置100は、入射光を2分割するビームスプリッタとして機能させるようにしたものである。
【0045】
[第3実施形態]
図13、図14に本発明の第3実施形態を示す。本実施形態では、液晶装置100を電子機器としてのカメラのレンズとして用いたものである。
【0046】
すなわち図11に示すカメラ141では、液晶装置100を撮像レンズとして用いた態様が示されている。液晶装置100を撮像レンズとて用いることで、広角やズームを、機械的な駆動系を用いることなく電気的に行うことができるため、カメラ141の軽量、小型化を実現することができる。
【0047】
又、図14に示すカメラ151では、液晶装置100を補正レンズとして用い、撮像光学系152から入射した被写体像の像ぶれやゆがみを自動補正するようにしたものである。すなわち、撮像素子141aにて受光した被写体像の電気信号をカメラコントロールユニット153へ出力し、ここで像ぶれやゆがみの有無を検出する。そして、像ぶれやゆがみが検出された場合、液晶装置100に補正信号を出力し、像ぶれやゆがみを自動的に補正する。
【0048】
[第4実施形態]
図15に本発明の第5実施形態を示す。本実施形態では、液晶装置100を眼鏡レンズとして用いるものである。電子機器としての眼鏡161に取付けられている液晶装置100は、検眼時に調整することができる。従って、眼鏡度数が適合しなくなった場合には、直ちに再調整が可能であり、買い換える必要が無く経済的である。
【0049】
又、液晶装置100に遠視時の度数と近視時の度数とを記憶させておくことで、1つの眼鏡161で遠視用と近視用とを兼用させることができ、更に多焦点レンズにも対応できるため、使い勝手がよい。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明における電気光学装置は、TFTアクティブマトリクス駆動方式の液晶装置以外に、パッシブマトリックス型の液晶装置、TFD(薄型ダイオード)をスイッチング素子として備えた液晶装置であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】第1実施形態による液晶装置をその上に形成された各構成要素と共に対向基板側から見た平面図
【図2】同、図1のH-H'断面図
【図3】同、液晶装置の画像表示領域を示す回路図
【図4】同、(a)は実施例1による凸レンズに対応する屈折率分布を示す概念図、(b)は凸レンズの側面図
【図5】同、(a)は実施例2による凹レンズに対応する屈折率分布を示す概念図、(b)は凹レンズの側面図
【図6】同、(a)は実施例3による四角の凸レンズに対応する屈折率分布を示す概念図、(b)は四角の凸レンズの側面図
【図7】同、(a)は実施例4による2焦点レンズに対応する屈折率分布を示す概念図、(b)は2焦点レンズの側面図
【図8】同、(a)は実施例5による3連の円筒レンズに対応する屈折率分布を示す概念図、(b)は3連の円筒レンズの側面図
【図9】同、レンズアレーに対応する屈折率分布を示す概念図
【図10】同、駆動交流電圧の通電或いは非通電と電極電圧との関係を示すタイムチャート
【図11】第2実施形態による液晶装置の概略側面図
【図12】同、別態様による液晶装置の概略側面図
【図13】第3実施形態による液晶装置をカメラのレンズとして適用した状態の概略側面図
【図14】同、別態様による液晶装置をカメラのレンズとして適用した状態の概略側面図
【図15】第4実施形態による液晶装置を眼鏡レンズとして適用した状態の概略側面図
【符号の説明】
【0052】
9a…画素電極、10…TFT基板、10a…画像表示領域、20…対向基板、21…対向電極、40…TFT素子、50…液晶、100…液晶装置、101…データ線駆動回路、104…走査線駆動回路、121…光ファイバ、141,151…カメラ、141a…撮像素子、152…撮像光学系、153…カメラコントロールユニット、161…眼鏡

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の電極を備える第1の基板と、前記第1の基板に対向すると共に第2の電極を備える第2の基板と、前記両基板間に挟持されて、前記第1の電極と前記第2の電極との間に印加される電圧に応じて屈折率が変化する電気光学物質とを備え、
前記第1の電極が前記第1の基板に対してマトリクス状に形成されており、該各第1の電極に電圧を印加して前記電気光学物質の屈折率を変化させてレンズとして機能させる
ことを特徴とする電気光学装置。
【請求項2】
前記電気光学物質の屈折率分布が、中心から外周へ移行するに従い大きくなるように前記電圧が設定されている
ことを特徴とする請求項1記載の電気光学装置。
【請求項3】
前記電気光学物質の屈折率分布が、中央から外周方向へ移行するに従い次第に小さくなるように前記電圧が設定されている
ことを特徴とする請求項1記載の電気光学装置。
【請求項4】
前記電気光学物質の屈折率分布が、四角い領域内に設定されていると共に、該屈折率分布が、中央から外周の四面方向へ移行するに従い次第に大きくなるように前記電圧が設定されている
ことを特徴とする請求項1記載の電気光学装置。
【請求項5】
前記電気光学物質の屈折率分布が、一方向の中央が大きく、そこから両側へ移行するに従い小さくなるように前記電圧が設定されている
ことを特徴とする請求項1記載の電気光学装置。
【請求項6】
前記電気光学物質の屈折率分布が、複数の点で最も小さく、この各点を中心としてそれぞれ外周方向へ移行するに従い次第に大きくなるように前記電圧が設定されている
ことを特徴とする請求項1記載の電気光学装置。
【請求項7】
前記電圧は前記第1の電極の電極電位が設定電圧に達したとき非通電とし、該電極電圧が設定値以下に達したとき通電する
ことを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の電気光学装置。
【請求項8】
請求項1〜7の何れか1項に記載の電気光学装置を備えて構成されている
ことを特徴とする電子機器。
【請求項9】
請求項1に記載の電気光学装置を備えたカメラであって、
撮像光学系と、
前記撮像光学系から入射する光を受光する撮像素子と、
前記撮像光学系と前記撮像素子との間に配置される前記電気光学装置と、
前記撮像素子の出力信号が入力され、前記電気光学装置に補正信号を出力するコントロールユニットとを備え、
前記電気光学装置の電気光学物質の屈折率分布が、前記コントロールユニットの補正信号によって、前記撮像素子において受光した被写体像の歪を補正するように変化する
ことを特徴とするカメラ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−310101(P2008−310101A)
【公開日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−158355(P2007−158355)
【出願日】平成19年6月15日(2007.6.15)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】