電気光学装置、電気光学装置の製造方法、及び電子機器
【課題】破損しにくい基板構造を有する電気光学装置、電気光学装置の製造方法、及び電子機器を提供する。
【解決手段】本適用例の電気光学装置は、複数の有機EL素子と、複数の有機EL素子に電気的に接続された複数の端子からなる端子部16a〜16cと、を有する第1基板と、複数の有機EL素子が設けられた表示領域15の周囲、及び端子部16a〜16cの周囲の少なくとも一部に設けられたシール材26と、シール材26を介して第1基板に対向配置され、平面的に端子部16a〜16cと重なる領域に開口孔71a〜71cが設けられた第2基板と、を備えた表示パネル12を有する。
【解決手段】本適用例の電気光学装置は、複数の有機EL素子と、複数の有機EL素子に電気的に接続された複数の端子からなる端子部16a〜16cと、を有する第1基板と、複数の有機EL素子が設けられた表示領域15の周囲、及び端子部16a〜16cの周囲の少なくとも一部に設けられたシール材26と、シール材26を介して第1基板に対向配置され、平面的に端子部16a〜16cと重なる領域に開口孔71a〜71cが設けられた第2基板と、を備えた表示パネル12を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気光学装置、電気光学装置の製造方法、及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
電気光学装置の1つとして、例えば、有機EL(エレクトロルミネッセンス)装置が知られている(特許文献1)。上記有機EL装置は、一対の基板間において陽極と陰極との間に発光層などの有機膜が挟持された有機EL素子を備えると共に、一方の基板の端部に外部と電気的に接続するための端子部を有する。端子部には、外部と繋がる中継基板が実装されることから、一方の基板が他方の基板より端子部の領域分、張り出した構造となっている。一対の基板を貼り合わせるためのシール材は、端子部にはみ出さないように、複数の有機EL素子が設けられた発光領域を囲んで設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−301072号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記基板の厚みを薄くすると、有機EL装置の強度が弱くなり、特に端子部の領域のコーナーや端面に割れや欠けが発生し易いという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
【0006】
[適用例1]本適用例に係る電気光学装置は、電気光学素子と、前記電気光学素子に電気的に接続された端子からなる端子部と、を有する第1基板と、前記電気光学素子が設けられた素子領域の周囲、及び前記端子部の周囲の少なくとも一部に設けられたシール材と、前記シール材を介して前記第1基板に対向配置され、平面的に前記端子部と重なる領域に開口部又は切り欠き部が設けられた第2基板と、を備えた電気光学パネルを有することを特徴とする。
【0007】
この構成によれば、第2基板において端子部と平面的に重なる領域に開口部又は切り欠き部が設けられているので、端子部を有する第1基板に第2基板を重ねたとしても、端子部に例えば中継基板を接続することができる。また、素子領域の周囲に加えて、端子部の周囲の少なくとも一部にシール材を設けることにより、端子部の周辺の強度を向上させることができる。
【0008】
[適用例2]上記適用例に係る電気光学装置において、前記第1基板と前記第2基板とが略同じ大きさであることが好ましい。
【0009】
この構成によれば、両基板の大きさが同じ大きさなので、第1基板が端子部の領域分、第2基板よりはみ出す場合に比べて、接合後の端子部の領域においてコーナー部の強度を向上させることができる。
【0010】
[適用例3]上記適用例に係る電気光学装置において、前記シール材は、前記素子領域の周囲、及び前記端子部が設けられた前記第1基板のコーナー部に設けられていることが好ましい。
【0011】
この構成によれば、端子部が設けられた第1基板のコーナー部にシール材が設けられているので、一対の基板における端子部が設けられた領域のコーナー部の強度を向上させることができる。
【0012】
[適用例4]上記適用例に係る電気光学装置において、前記第1基板には、端子部が設けられており、前記シール材は、前記端子部を囲むように設けられていることが好ましい。
【0013】
この構成によれば、端子部間の領域にもシール材が設けられているので、第2基板における端子部と重なる領域に開口部や切り欠き部が設けられていても、端子部の周辺の強度を向上させることができる。
【0014】
[適用例5]上記適用例に係る電気光学装置において、前記第1基板には、複数の端子部が設けられており、前記シール材は、前記複数の端子部のうち少なくとも2つを囲むように設けられていることが好ましい。
【0015】
この構成によれば、少なくとも2つの端子部を囲むようにシール材が設けられているので、端子部毎にシール材を囲んで設けることと比較して、シール材の塗布量を少なくすることができる。
【0016】
[適用例6]上記適用例に係る電気光学装置において、前記開口部又は前記切り欠き部は、平面視で前記複数の端子部のうち少なくとも2つを囲むように設けられていることが好ましい。
【0017】
この構成によれば、少なくとも2つの端子部を囲むように開口部又は切り欠き部を設けるので、1つの端子部毎に開口部又は切り欠き部を設ける場合と比較して、加工しやすくすることができる。また、中継基板と接続しやすくすることができる。
【0018】
[適用例7]上記適用例に係る電気光学装置において、前記電気光学パネルの厚みが100μm以下で構成され、前記電気光学パネルは、少なくとも一方が透明な一対の樹脂フィルムで挟まれてラミネートされていることが好ましい。
【0019】
この構成によれば、電気光学パネルが樹脂フィルムでラミネートされているので、電気光学パネルの強度を補強することができる。また、樹脂フィルムでラミネートされているので、電気光学パネルが破損した場合の破材が飛び散ることを防ぐことができる。
【0020】
[適用例8]本適用例に係る電気光学装置の製造方法は、電気光学素子及び端子部が設けられた第1基板と、前記第1基板にシール材を介して対向配置された第2基板と、を備えた電気光学パネルを有する電気光学装置の製造方法であって、前記第1基板における前記電気光学素子が設けられた素子領域の周囲、及び、前記端子部の周囲の少なくとも一部にシール材を塗布する塗布工程と、前記シール材を介して前記第1基板に前記第2基板を対向配置して貼り付ける貼付工程と、前記第2基板において前記端子部と平面的に重なる領域を切断して前記端子部を露出させる切断工程と、を有することを特徴とする。
【0021】
この方法によれば、切断工程において第2基板における端子部と平面的に重なる領域を切断するので、貼付工程によって端子部を有する第1基板に第2基板を重ねたとしても、端子部に中継基板を接続することができる。また、塗布工程によって素子領域の周囲に加えて、端子部の周囲の少なくとも一部にシール材を塗布するので、端子部の周辺の強度を向上させることができる。
【0022】
[適用例9]上記適用例に係る電気光学装置の製造方法において、前記塗布工程は、前記素子領域の周囲、及び前記端子部が設けられた前記第1基板のコーナー部に前記シール材を塗布することが好ましい。
【0023】
この方法によれば、端子部が設けられた第1基板のコーナー部にシール材を塗布するので、一対の基板における端子部が設けられた領域のコーナー部の強度を向上させることができる。
【0024】
[適用例10]上記適用例に係る電気光学装置の製造方法において、前記塗布工程は、前記第1基板における前記端子部を囲むように前記シール材を塗布することが好ましい。
【0025】
この方法によれば、端子部を囲むようにシール材を塗布するので、第2基板における端子部と重なる領域が切断されていても、端子部の周辺の強度を向上させることができる。
【0026】
[適用例11]上記適用例に係る電気光学装置の製造方法において、前記第1基板には、端子部が設けられており、前記塗布工程は、前記端子部を囲むように前記シール材を塗布することが好ましい。
【0027】
この方法によれば、端子部間の領域にもシール材を塗布するので、第2基板における端子部の領域に開口部や切り欠き部が設けられていても、端子部の周辺の強度を向上させることができる。
【0028】
[適用例12]上記適用例に係る電気光学装置の製造方法において、前記第1基板には、複数の端子部が設けられており、前記塗布工程は、前記複数の端子部のうち少なくとも2つを囲むように前記シール材を塗布することが好ましい。
【0029】
この方法によれば、少なくとも2つの端子部を囲むようにシール材を塗布するので、端子部毎にシール材を囲んで塗布する場合と比較して、シール材の塗布量を少なくすることができる。
【0030】
[適用例13]上記適用例に係る電気光学装置の製造方法において、前記切断工程は、平面視で前記複数の端子部のうち少なくとも2つが露出するように切断することが好ましい。
【0031】
この方法によれば、少なくとも2つの端子部を囲むように開口部又は切り欠き部を形成するので、1つの端子部毎に開口部又は切り欠き部を形成する場合と比較して、加工しやすくすることができる。また、中継基板と接続しやすくすることができる。
【0032】
[適用例14]上記適用例に係る電気光学装置の製造方法において、前記電気光学パネルの厚みが100μm以下で構成され、少なくとも一方が透明な一対の樹脂フィルムで前記電気光学パネルを挟んでラミネートするラミネート工程を有することが好ましい。
【0033】
この方法によれば、電気光学パネルを樹脂フィルムでラミネートするので、電気光学パネルの強度を補強することができる。また、樹脂フィルムでラミネートするので、電気光学パネルが破損した場合の破材が飛び散ることを防ぐことができる。
【0034】
[適用例15]本適用例に係る電子機器は、上記に記載の電気光学装置を備えることを特徴とする。
【0035】
この構成によれば、破損しにくい電気光学装置を備える電子機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】第1実施形態の電気光学装置としての有機EL装置の構成を示す模式平面図。
【図2】図1に示す有機EL装置のA−A'線に沿う模式断面図。
【図3】有機EL装置の電気的な構成を示す等価回路図。
【図4】有機EL装置を構成する表示パネルの構造を示す模式断面図。
【図5】表示パネルの構造を示す模式平面図。
【図6】図5に示す表示パネルのB−B'線に沿う模式断面図。
【図7】第2実施形態の有機EL装置の製造方法を示すフローチャート。
【図8】有機EL装置の製造方法の一部を示す模式平面図。
【図9】有機EL装置の製造方法の一部を示す模式平面図。
【図10】有機EL装置の製造方法の一部を示す模式平面図。
【図11】有機EL装置の製造方法の一部を示す模式図。
【図12】第3実施形態の表示パネルを備える電子機器の一例としてディスプレイと情報携帯端末の構成を模式的に示す概略斜視図。
【図13】表示パネルの変形例の構造を示す模式平面図。
【図14】表示パネルの変形例の構造を示す模式平面図。
【図15】表示パネルの変形例の構造を示す模式平面図。
【図16】表示パネルの変形例の構造を示す模式平面図。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、本発明を具体化した実施形態について図面に従って説明する。なお、使用する図面は、説明する部分が認識可能な状態となるように、適宜拡大または縮小して表示している。
【0038】
(第1実施形態)
<電気光学装置>
図1は、電気光学装置としての有機EL装置の構成を示す模式平面図である。図2は、図1に示す有機EL装置のA−A'線に沿う模式断面図である。以下、有機EL装置の構成を、図1及び図2を参照しながら説明する。
【0039】
図1に示すように、有機EL装置11は、外形が矩形状の電気光学パネルとしての表示パネル12を内包した表示部13を備えている。表示パネル12は、R(赤)、G(緑)、B(青)、3色の色表示が可能な複数の画素14が設けられた素子領域としての表示領域15を有している。複数の画素14は、表示領域15において3色のうち同色の画素14が短辺に沿った方向に配列した所謂ストライプ状の配列となっている。なお、画素14の配列はこれに限定されるものではない。
【0040】
表示パネル12の長辺に沿って設けられた複数の端子からなる3つの端子部16a,16b,16cには、表示パネル12を駆動制御する表示制御部(図示せず)との電気的な接続を図るべく、複数(例えば、3つ)の中継基板17a,17b,17cが実装されている。中継基板17a,17b,17cは、例えばフレキシブル回路基板(FPC)であって、その表面に表示パネル12を駆動する駆動回路の一部を構成する、例えばドライバーICなどの電子部品を実装したものも採用することができる。
【0041】
図2に示すように、有機EL装置11の表示部13は、中継基板17aが実装された表示パネル12を樹脂フィルム21と樹脂フィルム22との間に挟んでラミネートされた構造となっている。
【0042】
表示パネル12は、画素14ごとに対応して設けられた電気光学素子としての有機エレクトロルミネッセンス素子23(以降、「有機EL素子23」と称する)を有する第1基板31と、同じく画素14ごとに対応して設けられた着色層を具備するカラーフィルター24を有する第2基板32とを、可視光透過性を有する封止樹脂25を介してシール材26により接合したものである。有機EL素子23は白色光を発するものであり、白色光がカラーフィルター24を透過して第2基板32側から射出することにより、カラー表示を可能とする所謂トップエミッション構造となっている。
【0043】
第1基板31には、画素14ごとに有機EL素子23を駆動するための駆動回路(図示せず)が設けられており、有機EL素子23は駆動回路上に形成されている。駆動回路は薄膜トランジスターなどのスイッチング素子やこれに繋がる配線等を含むものであって、公知の構成を採用することができる。
【0044】
このように、有機EL素子23を有する自発光型の表示パネル12において、第1基板31は透明なガラス基板または、例えば不透明なシリコン基板を用いることができる。一方、有機EL素子23からの発光が取り出される側の第2基板32は透明なガラス基板を用いる。
【0045】
本実施形態では、第1基板31と第2基板32とを接合した後に、その表面を機械的または化学的な研磨を施すことにより、それぞれの基板の厚みを薄くする加工が施されている。例えば、それぞれの基板の元の厚みは、およそ0.5mmである。そして、加工後の総厚がおよそ100μm以下(例えば、80μm程度)となるように研磨されている。したがって、表示パネル12自体がある程度の可撓性を有する構成となっている。
【0046】
よって、表示パネル12自体では外部からの衝撃に対して弱い、また衝撃で破損したときの飛散を防ぐ必要がある。また、有機EL素子23を封着した密封構造とし、外部からの水分等の浸入を防ぎ、より長い発光寿命を確保したいなどの理由から、同じく可撓性を有する樹脂フィルム21,22でラミネートしている。
【0047】
ラミネートに用いられる樹脂フィルム21は、ガス透過性が低い透明な基材フィルム21aの一方の表面に接着剤を均一に塗布して形成された接着層21bを有する。同様に樹脂フィルム22は、ガス透過性が低い透明な基材フィルム22aの一方の表面に透明な接着剤を均一に塗布して形成された接着層22bを有する。
【0048】
基材フィルム21a,22aとしては、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムやポリカーボネートフィルムなどが挙げられる。接着層21b,22bは、例えば、熱硬化型のエポキシ樹脂を用いることができる。また、粘着性を有する粘着剤としてもよい。粘着剤を用いればリペア性を実現できる。
【0049】
接着層21b,22bが相対するように表示パネル12を挟んで2つの樹脂フィルム21,22によりラミネートする。また、有機EL素子23の防湿性、言い換えれば封止性を確保するために、ラミネート時に表示パネル12の周辺に発生するおそれがある空間27,28を封止樹脂により埋めた構造となっている。すなわち、封止樹脂と一緒に表示パネル12を挟んでラミネートしており、はみ出した封止樹脂の一部29が樹脂フィルム21,22の端面に盛り上がった状態となっている。
【0050】
第2基板32には、第1基板31の端子部16aを露出させる開口部71aが設けられている。第1基板31の端子部16aには、異方性導電膜(ACF)33が配設され、第2基板32の上記開口部71aを介して中継基板17aが実装されている。中継基板17aの接続部を除く表面は絶縁性を有する、例えばポリイミドやソルダーレジストなどの保護膜で覆われており、樹脂フィルム21,22の接着層21b,22bと上記保護膜との接着性を確保するために、双方の界面に接着性を示す中間接着層34,35が設けられている。
【0051】
このような構成の表示部13は所謂シート状(板状)であって、外部応力にある程度追随して表示面を湾曲させることができる。
【0052】
なお、表示パネル12がトップエミッション構造の有機EL素子23を有しているため、第1基板31側から光を取り出す必要がない。したがって、第1基板31側を覆う樹脂フィルム22は透明性を有する必要はなく、ラミネートが可能な金属薄膜などの熱伝導体を備えた不透明な樹脂フィルムでもよい。熱伝導体により有機EL素子23の発光に伴う発熱を放熱することが可能となる。
【0053】
図3は、有機EL装置の電気的な構成を示す等価回路図である。以下、有機EL装置の電気的な構成を、図3を参照しながら説明する。
【0054】
図3に示すように、有機EL装置11は、複数の走査線41と、走査線41に対して交差する方向に延びる複数の信号線42と、信号線42に並行に延びる複数の電源線43とが、それぞれ格子状に配線されている。そして、走査線41と信号線42とにより区画された領域が画素領域として構成されている。信号線42は、信号線駆動回路44に接続されている。また、走査線41は、走査線駆動回路45に接続されている。
【0055】
各画素領域には、走査線41を介して走査信号がゲート電極に供給されるスイッチング用TFT(Thin Film Transistor)46と、このスイッチング用TFT46を介して信号線42から供給される画素信号を保持する保持容量47と、保持容量47によって保持された画素信号がゲート電極に供給される駆動用TFT48(以下、「TFT素子48」と称する。)とが設けられている。更に、各画素領域には、TFT素子48を介して電源線43に電気的に接続したときに、電源線43から駆動電流が流れ込む陽極51と、陰極52と、この陽極51と陰極52との間に挟持された機能層53とが設けられている。
【0056】
有機EL装置11は、陽極51と陰極52と機能層53とにより構成される有機EL素子23を複数備えている。また、有機EL装置11は、複数の有機EL素子23で構成される表示領域を備えている。
【0057】
この構成によれば、走査線41が駆動されてスイッチング用TFT46がオン状態になると、そのときの信号線42の電位が保持容量47に保持され、保持容量47の状態に応じて、TFT素子48のオン・オフ状態が決まる。そして、TFT素子48のチャネルを介して、電源線43から陽極51に電流が流れ、更に、機能層53を介して陰極52に電流が流れる。機能層53は、ここを流れる電流量に応じた輝度で発光する。
【0058】
図4は、有機EL装置を構成する表示パネルの構造を示す模式断面図である。以下、表示パネルの構造を、図4を参照しながら説明する。なお、構成をわかりやすく示すため、各構成要素の層厚や寸法の比率、角度等は適宜異ならせてある。
【0059】
図4に示すように、本実施形態における表示パネル12は、機能層53で発する光を陰極52側から射出させる、いわゆるトップエミッション構造である。この表示パネル12は、第1基板31と、第1基板31に対向配置された第2基板32とを有する。
【0060】
第1基板31としては、ガラス基板等が挙げられる。本実施形態では、第1基板31の材料として無アルカリガラスを用いている。第1基板31の厚さは、例えば、30μm程度である。本実施形態では、第1基板31は、材料として厚さが、例えば、0.5mm程度のガラス基板を用い、第2基板32と接着された後にエッチングにより上述の厚さに加工される。
【0061】
なお、表示パネル12がトップエミッション型であることから、第1基板31の材料として、光透過性を有する材料および光透過性を有していない材料のいずれを用いてもよい。
【0062】
第1基板31上には、回路素子層61が設けられている。回路素子層61は、下地保護膜(図示せず)やTFT素子48、配線等を含んでいる。TFT素子48は、画素14に対応して設けられている。
【0063】
回路素子層61上には、平坦化層62が設けられている。平坦化層62は、TFT素子48や配線等による表面の凹凸を緩和している。平坦化層62には、陽極51に平面的に重なるように、反射層63が内装されている。反射層63は、光反射性を有する金属材料等からなり、例えばアルミニウム合金等からなる。
【0064】
平坦化層62上には、陽極51が設けられている。陽極51は、例えば、ITO(Indium Thin Oxide:インジウム錫酸化物)等の光透過性を有する金属酸化物導電膜からなる。陽極51の材料は、IZO(Indium Zinc Oxide)(登録商標)であってもよい。陽極51は、画素14毎に回路素子層61のTFT素子48のドレイン端子と電気的に接続されている。
【0065】
なお、表示パネル12がトップエミッション型であることから、陽極51の材料は必ずしも光透過性を有していなくてもよい。例えば、アルミニウム等からなる金属電極を用いるようにしてもよい。また、陽極51の材料として光透過性を有していない材料を用いる場合は、反射層63は設けなくてよい。
【0066】
また、平坦化層62上には、隔壁64が設けられている。隔壁64は、例えば、アクリル樹脂等からなり、画素14の領域を区画している。
【0067】
陽極51及び隔壁64上には、機能層53が設けられている。本実施形態の機能層53は、正孔注入層と、正孔輸送層と、発光層と、電子輸送層とが順に積層されて構成されている(図4では、1層で図示)。正孔注入層は、例えば、トリアリールアミン(ATP)多量体で形成されている。正孔輸送層は、例えば、トリフェニルアミン誘導体(TPD)で形成されている。
【0068】
発光層の発光色は白色である。白色発光材料としては、スチリルアミン系発光材料、アントラセン系ドーパミント(青色)、あるいはスチリルアミン系発光材料、ルブレン系ドーパミント(黄色)等が用いられる。電子輸送層は、例えばアルミニウムキノリノール錯体(Alq3)で形成されている。機能層53の各層は、例えば、真空蒸着法を用いて順次形成される。
【0069】
機能層53上には、陰極52が設けられている。陰極52は、本実施形態のようにトップエミッション構造である場合、光透過性を有する材料である、例えば、ITO等の透明導電材料が用いられる。また、陰極52は、マグネシウムと銀との合金(Mg−Ag合金)で構成するようにしてもよい。なお、陰極52の下層に、フッ化リチウム(LiF)等からなる電子注入バッファー層が設けられていてもよい。
【0070】
陰極52及び隔壁64上には、電極保護層65が設けられている。電極保護層65は、光透過性、密着性、耐水性、ガスバリアー性等を考慮して、例えば、珪素酸化物や珪素酸窒化物等の珪素化合物で構成される。また、電極保護層65の厚さは100nm以上が好ましく、隔壁64を被覆することで発生する応力によるクラック発生を防ぐため、厚さの上限は200nm以下とすることが好ましい。電極保護層65は、PVD(物理気相成長法)、CVD(化学気相成長法)、またはイオンプレーティング法等を用いて形成される。
【0071】
電極保護層65上には、有機緩衝層66が形成されている。この有機緩衝層66は、隔壁64の形状の影響により凹凸状に形成された電極保護層65の凹凸部分を埋めるように設けられ、その上面は略平坦に形成される。
【0072】
有機緩衝層66としては、例えば、熱硬化性のエポキシ樹脂等からなる。有機緩衝層66は、第1基板31及び回路素子層61等の反りや堆積膨張により発生する応力を緩和し、不安定な形状の隔壁64から電極保護層65が剥離することを防止する機能を有する。
【0073】
また、有機緩衝層66の上面が略平坦化されるので、有機緩衝層66上に形成される硬い被膜からなる後述するガスバリアー層67も平坦化される。したがって、応力が集中する部位がなくなり、これにより、ガスバリアー層67でのクラックの発生を防止する。
【0074】
有機緩衝層66の厚さは、3μm〜5μm程度が好ましい。有機緩衝層66は、例えば、真空スクリーン印刷法、スリットコート法、インクジェット法等を用いて形成される。
【0075】
有機緩衝層66上には、有機緩衝層66を被覆し、かつ電極保護層65の終端部まで覆うような広い範囲で、ガスバリアー層67が形成されている。ガスバリアー層67は、酸素や水分が浸入するのを防止するためのもので、これにより酸素や水分による有機EL素子23の劣化等を抑えることができる。ガスバリアー層67は、透明性、ガスバリアー性、耐水性を考慮して、好ましくは窒素を含む珪素化合物、すなわち珪素窒化物や珪素酸窒化物などによって形成される。なお、本実施形態では、第1基板31からガスバリアー層67までを、「素子基板36」と称する。また、第2基板32とカラーフィルター24とを合わせて、「封止基板37」と称する。
【0076】
素子基板36の有機EL素子23が形成された面側、すなわちガスバリアー層67が形成された面側には、封止基板37が対向して配置されている。封止基板37は、シール材26および封止樹脂25を介して、素子基板36のガスバリアー層67と接着されている。封止基板37を構成する第2基板32は、例えば、光透過性を有する無機ガラスからなる。本実施形態では、第2基板32の材料として無アルカリガラスを用いている。
【0077】
第2基板32の厚さは、例えば、30μm程度である。表示パネル12では、第1基板31および第2基板32に、プラスチック基板に比べてガスバリアー性の高いガラス基板を用い、これらのガラス基板の厚さを薄くすることにより可撓性が付与されている。
【0078】
シール材26は、第1基板31と第2基板32との間の非表示領域に配置され、第1基板31(第2基板32)の外周に沿って枠状に設けられている。シール材26は、水分透過率が低い材料からなる。シール材26の材料としては、例えば、エポキシ系樹脂に硬化剤として酸無水物を添加し、促進剤としてシランカップリング剤を添加した高接着性の接着剤を用いることができる。
【0079】
封止樹脂25は、素子基板36と封止基板37とシール材26とで囲まれた領域に隙間なく充填されるように設けられている。封止樹脂25は、例えば、アクリル系、エポキシ系、ウレタン系等の光透光性の高い樹脂からなる。耐熱性や耐水性を考慮すると、封止樹脂25の材料として、エポキシ系樹脂を用いることが好ましい。
【0080】
カラーフィルター24は、第2基板32の有機EL素子23側に設けられている。カラーフィルター24は、赤色(R)光に対応するカラーフィルター24Rと、緑色(G)光に対応するカラーフィルター24Gと、青色(B)光に対応するカラーフィルター24Bとを有している(対応する色を区別しない場合には単にカラーフィルター24とも呼ぶ)。カラーフィルター24は、平面視で有機EL素子23に重なるように設けられている。
【0081】
カラーフィルター24R,24G,24Bを区画するように、遮光層68が設けられている。遮光層68は、隔壁64に対応するように配置されている。遮光層68は、遮光性を有する材料からなり、例えばCr(クロム)等からなる。なお、カラーフィルター24と遮光層68とを覆うように、オーバーコート層が設けられていてもよい。
【0082】
表示パネル12は、赤色光を射出する画素14Rと、緑色光を射出する画素14Gと、青色光を射出する画素14Bとを有している(対応する色を区別しない場合には単に画素14とも呼ぶ)。カラーフィルター24R,24G,24Bは、画素14R,14G,14Bに対応して配置されている。
【0083】
有機EL素子23により発せられる白色光がカラーフィルター24R,24G,24Bを透過することで、画素14R,14G,14BにおいてR、G、Bの3つの異なる色の光が射出される。画素14R,14G,14Bから一つの画素群が構成され、それぞれの画素群において画素14R,14G,14Bのそれぞれの輝度を適宜変えることで、種々の色の表示を行うことができる。したがって、フルカラー表示またはフルカラー発光が可能な表示パネルを提供できる。
【0084】
表示パネル12では、機能層53から陰極52側に発せられた光は、観察側に射出される。また、機能層53から陽極51側に発せられた光は、反射層63により反射されて、観察側に射出される。
【0085】
<電気光学パネルの構造>
図5は、有機EL装置を構成する電気光学パネルとしての表示パネルの構造を示す模式平面図である。図6は、図5に示す表示パネルのB−B'線に沿う模式断面図である。以下、表示パネルの構成を、図5及び図6を参照しながら説明する。
【0086】
図5及び図6に示すように、表示パネル12は、略同じ大きさの第1基板31と第2基板32とが、シール材26を介して貼り合わされている。シール材26は、表示領域15の周囲を囲むように設けられている。更に、シール材26は、端子部16(16a,16b,16c)の周囲を囲むように設けられている。言い換えれば、一対の基板(第1基板31、第2基板32)間は、表示領域15及び端子部16の領域以外、シール材26が設けられていることになる。
【0087】
上述したように、第1基板31の一端側には、第1端子部16aと、第2端子部16bと、第3端子部16cとが設けられている。そして、第2基板32における各端子部16a〜16cと平面的に重なる領域には、端子部16a〜16cの領域を囲むように開口する開口部としての開口孔71(71a,71b,71c)が設けられている。つまり、第2基板32側から平面視した場合、第1基板31に設けられた各端子部16a〜16cが露出するようになっている。これにより、各端子部16a〜16cは、開口孔71a〜71cを介して中継基板17a〜17cと接続することが可能となっている。
【0088】
このように、第2基板32が第1基板31と略同じ大きさで構成されており、シール材26が表示領域15の周囲に加えて端子部16a〜16cの周囲にも設けられている。つまり、一対の基板31,32間の周囲にシール材26が設けられているので、シール材26が表示領域15の周囲のみ、かつ、第1基板31上の端子部16の領域が第2基板32の端面から張り出している場合と比較して、表示パネル12の強度を向上させることができる。特に、表示パネル12における端子部16が設けられている領域のコーナー部72a,72bの強度を向上させることができる。
【0089】
また、シール材26は、第1基板31と第2基板32との間において、各基板31,32の端面まで設けられていることが望ましい。端面までシール材26が設けられていることにより、基板31,32間に隙間が発生しないことから、不純物などが表示領域15などに入り込むことを抑えることができる。
【0090】
以上詳述したように、第1実施形態の有機EL装置11によれば、以下に示す効果が得られる。
【0091】
(1)第1実施形態によれば、第2基板32において端子部16a〜16cと平面的に重なる領域を含む周囲に開口孔71a〜71cが設けられているので、端子部16を有する第1基板31に第2基板32を重ねたとしても、端子部16a〜16cに中継基板17a〜17cを接続することができる。また、表示領域15の周囲に加えて、端子部16a〜16cの周囲にシール材26を設けることにより、端子部16の周辺の強度を向上させることができる。
【0092】
(2)第1実施形態によれば、第1基板31と第2基板32の大きさが同じ大きさなので、第1基板31が端子部16の領域分、第2基板32よりはみ出す場合に比べて、接合後の端子部16の領域においてコーナー部72a,72bや端面の強度を向上させることができる。
【0093】
(3)第1実施形態によれば、表示パネル12が樹脂フィルム21,22でラミネートされているので、表示パネル12の強度を補強することができる。また、樹脂フィルム21,22でラミネートされているので、表示パネル12が破損した場合の破材が飛び散ることを防ぐことができる。
【0094】
(第2実施形態)
<電気光学装置の製造方法>
図7は、電気光学装置の製造方法としての有機EL装置の製造方法を示すフローチャートである。図8〜図10は、有機EL装置の製造方法の一部を示す模式平面図である。図11は、有機EL装置の製造方法の一部を示す模式図である。以下、有機EL装置の製造方法を、図7〜図11を参照しながら説明する。なお、本実施形態では、マザー基板から1つの表示パネルを切り出す方法を説明する。
【0095】
図7に示すように、ステップS11では、第1基板31上に画素14を形成する。詳しくは、図4に示すように、第1基板31上に、回路素子層61、隔壁64、陽極51、発光層を含む機能層53、陰極52等を形成する。なお、図4においては、これらの構成要素のいくつかを省略して描いている。
【0096】
ステップS12では、第1基板31上の画素14に対して薄膜封止を行う(図4参照)。詳しくは、画素14を覆うようにして、電極保護層65、有機緩衝層66、ガスバリアー層67を形成する。この工程は、プラズマCVD法、スパッタ法、蒸着法、液滴吐出法、各種エッチング法等の種々の成膜方法、パターニング方法を用いて行うことができる。
【0097】
ステップS13(塗布工程)では、第1基板31上の画素14が形成された側にシール材26を形成する。具体的には、図8を参照しながら説明する。なお、上記した画素14などは、第1マザー基板12a’に形成されている。まず、図8に示すように、第1マザー基板12a’における表示領域15の周囲及び端子部16a〜16cの周囲にシール材26を塗布する。これにより、第1基板31となる領域の周囲全体に亘ってシール材26が塗布される。なお、図8における破線は、後に表示パネル12(第1基板31)となる外周形状を示している。
【0098】
シール材26としては、例えば、エポキシの接着剤が用いられる。シール材26の形成方法としては、例えば、第1マザー基板12a’上に、ディスペンサー塗布法(スクリーン印刷法)等により、紫外線硬化性樹脂からなるシール材26を塗布することによって行う。また、シール材26にはスペーサーを混入させておく。
【0099】
ステップS14では、第1マザー基板12a’上のシール材26で囲まれた領域(表示領域15)に、封止樹脂25を塗布する。詳しくは、第1マザー基板12a’上に、ディスペンサー塗布法又は液滴吐出法により熱硬化性樹脂からなる封止樹脂25を塗布することによって行う。また、封止樹脂25は、硬化後に透明となるものを用いる。以上により、素子基板36側が完成する。
【0100】
ステップS21では、第2基板32が面付けされたマザー基板(第2マザーガラス基板)上にカラーフィルター24及び遮光層68を形成して、封止基板37側が完成する。
【0101】
ステップS31(貼付工程)では、素子基板36(マザー基板)と封止基板37(マザー基板)とをシール材26及び封止樹脂25を介して貼り合わせる。詳しくは、減圧環境下において素子基板36と封止基板37との間でアライメント(位置合わせ)をした状態で接触、圧着させる。このとき、素子基板36と封止基板37とは、シール材26に含まれるスペーサーによって支持され、一定の間隔を有した状態で貼り合わされる。
【0102】
ステップS32では、シール材26を硬化させる。詳しくは、紫外線硬化性樹脂からなるシール材26に対し、封止基板37側から紫外線を照射することにより、シール材26を硬化させる。
【0103】
ステップS33では、封止樹脂25を硬化させる。詳しくは、熱硬化性樹脂からなる封止樹脂25に対し熱処理を行うことにより、封止樹脂25を硬化させる。熱処理の方法としては、例えば、貼り合わせ後の素子基板36及び封止基板37を焼成炉内で加熱する方法を用いることができる。
【0104】
ステップS34では、第1基板31及び第2基板32をエッチングして、所定の厚さ、例えば、それぞれ30μm程度まで薄くする。エッチング液としては、例えば、フッ酸(フッ化水素酸)を希釈した水溶液を用いる。エッチング液は、塩酸、硫酸、硝酸、燐酸等の水溶液であってもよい。エッチング方法は、第1基板31および第2基板32をエッチング液に浸漬してもよいし、エッチング液をシャワー(吹き付け)してもよい。なお、この状態の基板を、表示パネル前駆体12aと称する。
【0105】
ステップS35(切断工程)では、表示パネル前駆体12aを表示パネル12の形状に相当する切断ラインに沿って切断し個片化する(表示パネル12を切り出す)と共に、第2基板32における端子部16a〜16cと重なる領域の周囲を切断する。具体的には、図9を参照しながら説明する。まず、図9に示すように、表示パネル前駆体12aから表示パネル12となる外周形状に沿って切断する。切断する方法としては、例えば、レーザー切断法が用いられる。その後、第2基板32における、第1基板31に設けられた端子部16a〜16cと平面的に重なる領域の周囲を切断し、第1開口孔71a〜第3開口孔71cを形成する。
【0106】
レーザー切断法による切断条件は、例えば、次の通りである。レーザーは、UVレーザー(波長:266nm)である。また、光源は、エキシマレーザーである。周波数は50kHzである。レーザー出力は、1Wである。走査速度は、30mm/sである。なお、第2基板32における第1開口孔71a〜第3開口孔71cを切断する場合、レーザー出力は、例えば、0.75Wである。以上により、表示パネル前駆体12aから、図10に示すような表示パネル12が切り出される。
【0107】
このように、第1基板31上の表示領域15の周囲にシール材26を塗布すると共に、端子部16a〜16cの周囲の領域にもシール材26を塗布し、第1基板31と同じ大きさの第2基板32を貼り合わせるので、端子部16a〜16c周囲の領域を一対の基板31,32によって挟持することが可能となり、端子部16a〜16c周辺の強度を向上させることができる。
【0108】
ステップS36では、第1基板31に設けられた端子部16a,16b,16cに、中継基板17a,17b,17cを接続する(図1、図2参照)。詳述すると、端子部16a〜16cと中継基板17a〜17cとの接続は、第2基板32に形成された開口孔71a〜71cの中に異方性導電膜33を配置し、異方性導電膜33を介して行われる。
【0109】
ステップS37(ラミネート工程)では、表示パネル12をラミネートする。具体的には、例えば、図11(a)に示すように、各部材を重ね合わせた状態とし、ラミネート装置75にセットする。詳しくは、樹脂フィルム22上に、表示パネル12と、樹脂フィルム21(いずれも図2参照)とを重ねてラミネート装置75にセットする。なお、図11では、ラミネート装置75の加圧ローラー76のみを図示している。
【0110】
次に、図11(b)に示すように、矢印で示す側から加圧し、80℃〜120℃の範囲で加熱して圧着する。加圧ローラー76に挟持された部分では、ローラーの熱によって樹脂フィルム21,22が溶解し、更に加圧されて相互に接着される。加熱圧着の方法は、ホットプレート型の並行板や一対の熱加圧ローラーを用いる方法が好ましい。また、真空圧着装置を用いてもよい。以上により、有機EL装置11が完成する。
【0111】
以上詳述したように、第2実施形態の有機EL装置11の製造方法によれば、以下に示す効果が得られる。
【0112】
(4)第2実施形態によれば、切断工程(ステップS35)において第2基板32における端子部16a〜16cと平面的に重なる領域を切断するので、貼り合わせ工程(ステップS31)によって端子部16を有する第1基板31に第2基板32を重ねたとしても、端子部16a〜16cに中継基板17a〜17cを接続することができる。また、シール材形成工程(ステップS13)によって表示領域15の周囲に加えて、端子部16a〜16cの周囲にシール材26を塗布するので、端子部16a〜16cの周辺の強度を向上させることができる。
【0113】
(第3実施形態)
<電子機器>
図12は、本発明に係る表示パネルを備える電子機器の一例としてディスプレイと情報携帯端末の構成を模式的に示す概略斜視図である。以下、ディスプレイ及び情報携帯端末の構成を、図12を参照しながら説明する。
【0114】
図12(a)に示すように、ディスプレイ81は、上記した第1実施形態の有機EL装置11を表示部である電子ペーパー82,83として用いたブック型のディスプレイである。このディスプレイ81には、本の綴じ代に相当する部分に、有機EL装置11の配線部に接続可能なコネクター(図示しない)を備えたヒンジ部84が設けられている。
【0115】
ヒンジ部84には、コネクターが回転軸を中心に回転可能に取り付けられており、接続された電子ペーパー82,83を通常の紙のように捲ることができる構成となっている。複数の電子ペーパー82,83がヒンジ部84に対して着脱可能に接続されていてもよい。これにより、(ルーズリーフのように)必要な枚数だけ電子ペーパー82,83を持ち運べるディスプレイ81を提供できる。
【0116】
図12(b)に示すように、携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistants)91は、複数の操作ボタン92や表示部93を有する本体94を備えている。本体94は手のひらに収まる大きさであって、表示部93には、上記第1実施形態の電気光学装置としての有機EL装置11が搭載されている。複数の操作ボタン92を操作することにより、例えば住所録やスケジュール帳といった各種の情報を表示部93に表示することができる。薄型で自発光型の表示装置である有機EL装置11が搭載されているので、本体94をより薄型な構成とすることができる。すなわち、小型で薄型な携帯情報端末91を提供することができる。
【0117】
また、表示パネル12が樹脂フィルム21,22により封着されているので、例えば、携帯情報端末91を誤って落としたとしても外部からの衝撃で表示パネル12が破損し難い。たとえ破損しても表示パネル12の破片が飛び散らない安全な携帯情報端末91が実現される。
【0118】
なお、有機EL装置11を搭載可能な電子機器は、上述したブック型のディスプレイ81や携帯情報端末91に限らず、種々の電子機器に搭載することができる。例えば、パーソナルコンピューター、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ、DVDビューワー、カーナビゲーション装置などの車載用ディスプレイ、電子手帳、POS端末、オーディオ機器、デジタルサイネージと呼ばれる電子広告媒体等が挙げられる。
【0119】
以上詳述したように、第3実施形態の電子機器によれば、以下に示す効果が得られる。
【0120】
(5)第3実施形態によれば、上記した有機EL装置11を備えることによって、破損しにくい基板構造を有する電子機器を提供することができる。
【0121】
なお、実施形態は上記に限定されず、以下のような形態で実施することもできる。
【0122】
(変形例1)
上記したように、端子部16a〜16cの周囲を囲むようにシール材26を設けることに限定されない。図13〜図15は、変形例の表示パネルの構造を示す模式平面図である。例えば、図13〜図15に示す表示パネル112,212,312のようにシール材126,226,326を設けてもよい。
【0123】
図13に示す表示パネル112は、第1実施形態と同様に、表示パネル112の一端側に3つの端子部16a〜16cが並んで配置されている。なお、シール材126は、表示領域15の周囲に設けられていると共に、3つの端子部16a〜16c全体を囲むように設けられている。また、端子部16の領域に設けられたシール材126の形状に沿って、第2基板32に開口孔171が設けられている。これによれば、端子部16a〜16c間にシール材126が設けられていないものの、3つの端子部16a〜16c全体を囲むように表示パネル112の第1辺112a、第2辺112b、第3辺112cまでシール材126が配置されているので、表示パネル112の端面(辺112a〜112c)及びコーナー部172a,172bの強度を向上させることができる。また、第1実施形態の表示パネル12と比較して、シール材126の塗布量を少なくすることができる。
【0124】
図14に示す表示パネル212は、第1実施形態と同様に、表示パネル212の一端側に3つの端子部16a〜16cが並んで配置されている。なお、シール材226は、表示領域15の周囲に設けられていると共に、各端子部16a〜16cにおける三辺の周囲に設けられている。具体的には、各端子部16a〜16cの一辺から表示パネル212の第1辺212aに亘って、シール材226の無い領域となっている。つまり、各端子部16a〜16cに接続される中継基板17a〜17cの形状に沿ってシール材226が設けられている。また、端子部16a〜16cの領域に設けられたシール材226の形状に沿って、第2基板32に3つの切り欠き部271a,271b,271cが設けられている。
【0125】
これによれば、表示パネル212の第1辺212aのコーナー部272a,272b、及び、各端子部16a〜16c間にシール材226が設けられているので、表示領域15の周囲のみにシール材が設けられている場合と比較して、表示パネル212のコーナー部272a,272b及び端面(第1辺212a)の強度を向上させることができる。更に、中継基板17a〜17cの形状に沿ってシール材226及び切り欠き部271a〜271cが設けられており、第1基板31に直接中継基板17a〜17cを配置して接合できるので、端子部16a〜16cに中継基板17a〜17cを接続しやすくすることができる。
【0126】
図15に示す表示パネル312は、第1実施形態と同様に、表示パネル312の一端側に3つの端子部16a〜16cが並んで配置されている。なお、シール材326は、表示領域15の周囲に設けられていると共に、端子部16が設けられている領域の第2辺312bと第3辺312cに沿って設けられている。また、端子部16の周辺に設けられたシール材326の形状に沿って、第2基板32に切り欠き部371が設けられている。
【0127】
これによれば、表示パネル312における第2辺312bと第3辺312cに沿ってシール材326が設けられているので、表示領域15の周囲のみにシール材が設けられている場合と比較して、表示パネル312のコーナー部372a,372b及び端面(辺312b,312c)の強度を向上させることができる。更に、第2基板32における端子部16と平面的に重なる領域から第1辺312aまで大きく切り欠き部371が設けられているので、端子部16a〜16cに中継基板17a〜17cを接続しやすくすることができる。加えて、シール材326の塗布量を少なくすることができる。
【0128】
(変形例2)
上記したように、表示パネル12に3つの中継基板17a〜17cを接続させることに限定されない。図16は、変形例の有機EL装置の構成を示す模式平面図である。例えば、図16に示す有機EL装置(表示パネル412)の2つの端子部16a,16bのそれぞれに表示パネル412を駆動するためのICチップ417a,417bを実装し(COG:Chip On Glass)、残りの1つの端子部16cに中継基板17cを接続するようにしてもよい。これによれば、外部(表示制御部など)との接続を1つの中継基板17cで行うことができる。
【0129】
(変形例3)
上記したように、トップエミッション型の有機EL装置に適用することに限定されず、例えば、ボトムエミッション型の有機EL装置に適用するようにしてもよい。
【0130】
(変形例4)
本発明が適用される電気光学装置は、上記した有機EL装置11であることに限定されず、例えば、液晶装置、プラズマディスプレイ、電子ペーパー等であってもよい。
【符号の説明】
【0131】
11…電気光学装置としての有機EL装置、12,112,212,312,412…電気光学パネルとしての表示パネル、12a…表示パネル前駆体、12a’…第1マザー基板、13…表示部、14,14R,14G,14B…画素、15…素子領域としての表示領域、16,16a,16b,16c…端子部、17a,17b,17c…中継基板、21,22…樹脂フィルム、21a,22a…基材フィルム、21b,22b…接着層、23…電気光学素子としての有機EL素子、24,24R,24G,24B…カラーフィルター、25…封止樹脂、26,126,226,326…シール材、27,28…空間、29…封止樹脂の一部、31…第1基板、32…第2基板、33…異方性導電膜、34,35…中間接着層、36…素子基板、37…封止基板、41…走査線、42…信号線、43…電源線、44…信号線駆動回路、45…走査線駆動回路、46…スイッチング用TFT、47…保持容量、48…TFT素子、51…陽極、52…陰極、53…機能層、61…回路素子層、62…平坦化層、63…反射層、64…隔壁、65…電極保護層、66…有機緩衝層、67…ガスバリアー層、68…遮光層、71,71a,71b,71c,171…開口部としての開口孔、72a,72b,172a,172b,272a,272b,372a,372b…コーナー部、75…ラミネート装置、76…加圧ローラー、81…ディスプレイ、82,83…電子ペーパー、84…ヒンジ部、112a,112b,112c,212a,312a,312b,312c…辺、271a,271b,271c,371…切り欠き部、417a,417b…ICチップ。
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気光学装置、電気光学装置の製造方法、及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
電気光学装置の1つとして、例えば、有機EL(エレクトロルミネッセンス)装置が知られている(特許文献1)。上記有機EL装置は、一対の基板間において陽極と陰極との間に発光層などの有機膜が挟持された有機EL素子を備えると共に、一方の基板の端部に外部と電気的に接続するための端子部を有する。端子部には、外部と繋がる中継基板が実装されることから、一方の基板が他方の基板より端子部の領域分、張り出した構造となっている。一対の基板を貼り合わせるためのシール材は、端子部にはみ出さないように、複数の有機EL素子が設けられた発光領域を囲んで設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−301072号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記基板の厚みを薄くすると、有機EL装置の強度が弱くなり、特に端子部の領域のコーナーや端面に割れや欠けが発生し易いという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
【0006】
[適用例1]本適用例に係る電気光学装置は、電気光学素子と、前記電気光学素子に電気的に接続された端子からなる端子部と、を有する第1基板と、前記電気光学素子が設けられた素子領域の周囲、及び前記端子部の周囲の少なくとも一部に設けられたシール材と、前記シール材を介して前記第1基板に対向配置され、平面的に前記端子部と重なる領域に開口部又は切り欠き部が設けられた第2基板と、を備えた電気光学パネルを有することを特徴とする。
【0007】
この構成によれば、第2基板において端子部と平面的に重なる領域に開口部又は切り欠き部が設けられているので、端子部を有する第1基板に第2基板を重ねたとしても、端子部に例えば中継基板を接続することができる。また、素子領域の周囲に加えて、端子部の周囲の少なくとも一部にシール材を設けることにより、端子部の周辺の強度を向上させることができる。
【0008】
[適用例2]上記適用例に係る電気光学装置において、前記第1基板と前記第2基板とが略同じ大きさであることが好ましい。
【0009】
この構成によれば、両基板の大きさが同じ大きさなので、第1基板が端子部の領域分、第2基板よりはみ出す場合に比べて、接合後の端子部の領域においてコーナー部の強度を向上させることができる。
【0010】
[適用例3]上記適用例に係る電気光学装置において、前記シール材は、前記素子領域の周囲、及び前記端子部が設けられた前記第1基板のコーナー部に設けられていることが好ましい。
【0011】
この構成によれば、端子部が設けられた第1基板のコーナー部にシール材が設けられているので、一対の基板における端子部が設けられた領域のコーナー部の強度を向上させることができる。
【0012】
[適用例4]上記適用例に係る電気光学装置において、前記第1基板には、端子部が設けられており、前記シール材は、前記端子部を囲むように設けられていることが好ましい。
【0013】
この構成によれば、端子部間の領域にもシール材が設けられているので、第2基板における端子部と重なる領域に開口部や切り欠き部が設けられていても、端子部の周辺の強度を向上させることができる。
【0014】
[適用例5]上記適用例に係る電気光学装置において、前記第1基板には、複数の端子部が設けられており、前記シール材は、前記複数の端子部のうち少なくとも2つを囲むように設けられていることが好ましい。
【0015】
この構成によれば、少なくとも2つの端子部を囲むようにシール材が設けられているので、端子部毎にシール材を囲んで設けることと比較して、シール材の塗布量を少なくすることができる。
【0016】
[適用例6]上記適用例に係る電気光学装置において、前記開口部又は前記切り欠き部は、平面視で前記複数の端子部のうち少なくとも2つを囲むように設けられていることが好ましい。
【0017】
この構成によれば、少なくとも2つの端子部を囲むように開口部又は切り欠き部を設けるので、1つの端子部毎に開口部又は切り欠き部を設ける場合と比較して、加工しやすくすることができる。また、中継基板と接続しやすくすることができる。
【0018】
[適用例7]上記適用例に係る電気光学装置において、前記電気光学パネルの厚みが100μm以下で構成され、前記電気光学パネルは、少なくとも一方が透明な一対の樹脂フィルムで挟まれてラミネートされていることが好ましい。
【0019】
この構成によれば、電気光学パネルが樹脂フィルムでラミネートされているので、電気光学パネルの強度を補強することができる。また、樹脂フィルムでラミネートされているので、電気光学パネルが破損した場合の破材が飛び散ることを防ぐことができる。
【0020】
[適用例8]本適用例に係る電気光学装置の製造方法は、電気光学素子及び端子部が設けられた第1基板と、前記第1基板にシール材を介して対向配置された第2基板と、を備えた電気光学パネルを有する電気光学装置の製造方法であって、前記第1基板における前記電気光学素子が設けられた素子領域の周囲、及び、前記端子部の周囲の少なくとも一部にシール材を塗布する塗布工程と、前記シール材を介して前記第1基板に前記第2基板を対向配置して貼り付ける貼付工程と、前記第2基板において前記端子部と平面的に重なる領域を切断して前記端子部を露出させる切断工程と、を有することを特徴とする。
【0021】
この方法によれば、切断工程において第2基板における端子部と平面的に重なる領域を切断するので、貼付工程によって端子部を有する第1基板に第2基板を重ねたとしても、端子部に中継基板を接続することができる。また、塗布工程によって素子領域の周囲に加えて、端子部の周囲の少なくとも一部にシール材を塗布するので、端子部の周辺の強度を向上させることができる。
【0022】
[適用例9]上記適用例に係る電気光学装置の製造方法において、前記塗布工程は、前記素子領域の周囲、及び前記端子部が設けられた前記第1基板のコーナー部に前記シール材を塗布することが好ましい。
【0023】
この方法によれば、端子部が設けられた第1基板のコーナー部にシール材を塗布するので、一対の基板における端子部が設けられた領域のコーナー部の強度を向上させることができる。
【0024】
[適用例10]上記適用例に係る電気光学装置の製造方法において、前記塗布工程は、前記第1基板における前記端子部を囲むように前記シール材を塗布することが好ましい。
【0025】
この方法によれば、端子部を囲むようにシール材を塗布するので、第2基板における端子部と重なる領域が切断されていても、端子部の周辺の強度を向上させることができる。
【0026】
[適用例11]上記適用例に係る電気光学装置の製造方法において、前記第1基板には、端子部が設けられており、前記塗布工程は、前記端子部を囲むように前記シール材を塗布することが好ましい。
【0027】
この方法によれば、端子部間の領域にもシール材を塗布するので、第2基板における端子部の領域に開口部や切り欠き部が設けられていても、端子部の周辺の強度を向上させることができる。
【0028】
[適用例12]上記適用例に係る電気光学装置の製造方法において、前記第1基板には、複数の端子部が設けられており、前記塗布工程は、前記複数の端子部のうち少なくとも2つを囲むように前記シール材を塗布することが好ましい。
【0029】
この方法によれば、少なくとも2つの端子部を囲むようにシール材を塗布するので、端子部毎にシール材を囲んで塗布する場合と比較して、シール材の塗布量を少なくすることができる。
【0030】
[適用例13]上記適用例に係る電気光学装置の製造方法において、前記切断工程は、平面視で前記複数の端子部のうち少なくとも2つが露出するように切断することが好ましい。
【0031】
この方法によれば、少なくとも2つの端子部を囲むように開口部又は切り欠き部を形成するので、1つの端子部毎に開口部又は切り欠き部を形成する場合と比較して、加工しやすくすることができる。また、中継基板と接続しやすくすることができる。
【0032】
[適用例14]上記適用例に係る電気光学装置の製造方法において、前記電気光学パネルの厚みが100μm以下で構成され、少なくとも一方が透明な一対の樹脂フィルムで前記電気光学パネルを挟んでラミネートするラミネート工程を有することが好ましい。
【0033】
この方法によれば、電気光学パネルを樹脂フィルムでラミネートするので、電気光学パネルの強度を補強することができる。また、樹脂フィルムでラミネートするので、電気光学パネルが破損した場合の破材が飛び散ることを防ぐことができる。
【0034】
[適用例15]本適用例に係る電子機器は、上記に記載の電気光学装置を備えることを特徴とする。
【0035】
この構成によれば、破損しにくい電気光学装置を備える電子機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】第1実施形態の電気光学装置としての有機EL装置の構成を示す模式平面図。
【図2】図1に示す有機EL装置のA−A'線に沿う模式断面図。
【図3】有機EL装置の電気的な構成を示す等価回路図。
【図4】有機EL装置を構成する表示パネルの構造を示す模式断面図。
【図5】表示パネルの構造を示す模式平面図。
【図6】図5に示す表示パネルのB−B'線に沿う模式断面図。
【図7】第2実施形態の有機EL装置の製造方法を示すフローチャート。
【図8】有機EL装置の製造方法の一部を示す模式平面図。
【図9】有機EL装置の製造方法の一部を示す模式平面図。
【図10】有機EL装置の製造方法の一部を示す模式平面図。
【図11】有機EL装置の製造方法の一部を示す模式図。
【図12】第3実施形態の表示パネルを備える電子機器の一例としてディスプレイと情報携帯端末の構成を模式的に示す概略斜視図。
【図13】表示パネルの変形例の構造を示す模式平面図。
【図14】表示パネルの変形例の構造を示す模式平面図。
【図15】表示パネルの変形例の構造を示す模式平面図。
【図16】表示パネルの変形例の構造を示す模式平面図。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、本発明を具体化した実施形態について図面に従って説明する。なお、使用する図面は、説明する部分が認識可能な状態となるように、適宜拡大または縮小して表示している。
【0038】
(第1実施形態)
<電気光学装置>
図1は、電気光学装置としての有機EL装置の構成を示す模式平面図である。図2は、図1に示す有機EL装置のA−A'線に沿う模式断面図である。以下、有機EL装置の構成を、図1及び図2を参照しながら説明する。
【0039】
図1に示すように、有機EL装置11は、外形が矩形状の電気光学パネルとしての表示パネル12を内包した表示部13を備えている。表示パネル12は、R(赤)、G(緑)、B(青)、3色の色表示が可能な複数の画素14が設けられた素子領域としての表示領域15を有している。複数の画素14は、表示領域15において3色のうち同色の画素14が短辺に沿った方向に配列した所謂ストライプ状の配列となっている。なお、画素14の配列はこれに限定されるものではない。
【0040】
表示パネル12の長辺に沿って設けられた複数の端子からなる3つの端子部16a,16b,16cには、表示パネル12を駆動制御する表示制御部(図示せず)との電気的な接続を図るべく、複数(例えば、3つ)の中継基板17a,17b,17cが実装されている。中継基板17a,17b,17cは、例えばフレキシブル回路基板(FPC)であって、その表面に表示パネル12を駆動する駆動回路の一部を構成する、例えばドライバーICなどの電子部品を実装したものも採用することができる。
【0041】
図2に示すように、有機EL装置11の表示部13は、中継基板17aが実装された表示パネル12を樹脂フィルム21と樹脂フィルム22との間に挟んでラミネートされた構造となっている。
【0042】
表示パネル12は、画素14ごとに対応して設けられた電気光学素子としての有機エレクトロルミネッセンス素子23(以降、「有機EL素子23」と称する)を有する第1基板31と、同じく画素14ごとに対応して設けられた着色層を具備するカラーフィルター24を有する第2基板32とを、可視光透過性を有する封止樹脂25を介してシール材26により接合したものである。有機EL素子23は白色光を発するものであり、白色光がカラーフィルター24を透過して第2基板32側から射出することにより、カラー表示を可能とする所謂トップエミッション構造となっている。
【0043】
第1基板31には、画素14ごとに有機EL素子23を駆動するための駆動回路(図示せず)が設けられており、有機EL素子23は駆動回路上に形成されている。駆動回路は薄膜トランジスターなどのスイッチング素子やこれに繋がる配線等を含むものであって、公知の構成を採用することができる。
【0044】
このように、有機EL素子23を有する自発光型の表示パネル12において、第1基板31は透明なガラス基板または、例えば不透明なシリコン基板を用いることができる。一方、有機EL素子23からの発光が取り出される側の第2基板32は透明なガラス基板を用いる。
【0045】
本実施形態では、第1基板31と第2基板32とを接合した後に、その表面を機械的または化学的な研磨を施すことにより、それぞれの基板の厚みを薄くする加工が施されている。例えば、それぞれの基板の元の厚みは、およそ0.5mmである。そして、加工後の総厚がおよそ100μm以下(例えば、80μm程度)となるように研磨されている。したがって、表示パネル12自体がある程度の可撓性を有する構成となっている。
【0046】
よって、表示パネル12自体では外部からの衝撃に対して弱い、また衝撃で破損したときの飛散を防ぐ必要がある。また、有機EL素子23を封着した密封構造とし、外部からの水分等の浸入を防ぎ、より長い発光寿命を確保したいなどの理由から、同じく可撓性を有する樹脂フィルム21,22でラミネートしている。
【0047】
ラミネートに用いられる樹脂フィルム21は、ガス透過性が低い透明な基材フィルム21aの一方の表面に接着剤を均一に塗布して形成された接着層21bを有する。同様に樹脂フィルム22は、ガス透過性が低い透明な基材フィルム22aの一方の表面に透明な接着剤を均一に塗布して形成された接着層22bを有する。
【0048】
基材フィルム21a,22aとしては、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムやポリカーボネートフィルムなどが挙げられる。接着層21b,22bは、例えば、熱硬化型のエポキシ樹脂を用いることができる。また、粘着性を有する粘着剤としてもよい。粘着剤を用いればリペア性を実現できる。
【0049】
接着層21b,22bが相対するように表示パネル12を挟んで2つの樹脂フィルム21,22によりラミネートする。また、有機EL素子23の防湿性、言い換えれば封止性を確保するために、ラミネート時に表示パネル12の周辺に発生するおそれがある空間27,28を封止樹脂により埋めた構造となっている。すなわち、封止樹脂と一緒に表示パネル12を挟んでラミネートしており、はみ出した封止樹脂の一部29が樹脂フィルム21,22の端面に盛り上がった状態となっている。
【0050】
第2基板32には、第1基板31の端子部16aを露出させる開口部71aが設けられている。第1基板31の端子部16aには、異方性導電膜(ACF)33が配設され、第2基板32の上記開口部71aを介して中継基板17aが実装されている。中継基板17aの接続部を除く表面は絶縁性を有する、例えばポリイミドやソルダーレジストなどの保護膜で覆われており、樹脂フィルム21,22の接着層21b,22bと上記保護膜との接着性を確保するために、双方の界面に接着性を示す中間接着層34,35が設けられている。
【0051】
このような構成の表示部13は所謂シート状(板状)であって、外部応力にある程度追随して表示面を湾曲させることができる。
【0052】
なお、表示パネル12がトップエミッション構造の有機EL素子23を有しているため、第1基板31側から光を取り出す必要がない。したがって、第1基板31側を覆う樹脂フィルム22は透明性を有する必要はなく、ラミネートが可能な金属薄膜などの熱伝導体を備えた不透明な樹脂フィルムでもよい。熱伝導体により有機EL素子23の発光に伴う発熱を放熱することが可能となる。
【0053】
図3は、有機EL装置の電気的な構成を示す等価回路図である。以下、有機EL装置の電気的な構成を、図3を参照しながら説明する。
【0054】
図3に示すように、有機EL装置11は、複数の走査線41と、走査線41に対して交差する方向に延びる複数の信号線42と、信号線42に並行に延びる複数の電源線43とが、それぞれ格子状に配線されている。そして、走査線41と信号線42とにより区画された領域が画素領域として構成されている。信号線42は、信号線駆動回路44に接続されている。また、走査線41は、走査線駆動回路45に接続されている。
【0055】
各画素領域には、走査線41を介して走査信号がゲート電極に供給されるスイッチング用TFT(Thin Film Transistor)46と、このスイッチング用TFT46を介して信号線42から供給される画素信号を保持する保持容量47と、保持容量47によって保持された画素信号がゲート電極に供給される駆動用TFT48(以下、「TFT素子48」と称する。)とが設けられている。更に、各画素領域には、TFT素子48を介して電源線43に電気的に接続したときに、電源線43から駆動電流が流れ込む陽極51と、陰極52と、この陽極51と陰極52との間に挟持された機能層53とが設けられている。
【0056】
有機EL装置11は、陽極51と陰極52と機能層53とにより構成される有機EL素子23を複数備えている。また、有機EL装置11は、複数の有機EL素子23で構成される表示領域を備えている。
【0057】
この構成によれば、走査線41が駆動されてスイッチング用TFT46がオン状態になると、そのときの信号線42の電位が保持容量47に保持され、保持容量47の状態に応じて、TFT素子48のオン・オフ状態が決まる。そして、TFT素子48のチャネルを介して、電源線43から陽極51に電流が流れ、更に、機能層53を介して陰極52に電流が流れる。機能層53は、ここを流れる電流量に応じた輝度で発光する。
【0058】
図4は、有機EL装置を構成する表示パネルの構造を示す模式断面図である。以下、表示パネルの構造を、図4を参照しながら説明する。なお、構成をわかりやすく示すため、各構成要素の層厚や寸法の比率、角度等は適宜異ならせてある。
【0059】
図4に示すように、本実施形態における表示パネル12は、機能層53で発する光を陰極52側から射出させる、いわゆるトップエミッション構造である。この表示パネル12は、第1基板31と、第1基板31に対向配置された第2基板32とを有する。
【0060】
第1基板31としては、ガラス基板等が挙げられる。本実施形態では、第1基板31の材料として無アルカリガラスを用いている。第1基板31の厚さは、例えば、30μm程度である。本実施形態では、第1基板31は、材料として厚さが、例えば、0.5mm程度のガラス基板を用い、第2基板32と接着された後にエッチングにより上述の厚さに加工される。
【0061】
なお、表示パネル12がトップエミッション型であることから、第1基板31の材料として、光透過性を有する材料および光透過性を有していない材料のいずれを用いてもよい。
【0062】
第1基板31上には、回路素子層61が設けられている。回路素子層61は、下地保護膜(図示せず)やTFT素子48、配線等を含んでいる。TFT素子48は、画素14に対応して設けられている。
【0063】
回路素子層61上には、平坦化層62が設けられている。平坦化層62は、TFT素子48や配線等による表面の凹凸を緩和している。平坦化層62には、陽極51に平面的に重なるように、反射層63が内装されている。反射層63は、光反射性を有する金属材料等からなり、例えばアルミニウム合金等からなる。
【0064】
平坦化層62上には、陽極51が設けられている。陽極51は、例えば、ITO(Indium Thin Oxide:インジウム錫酸化物)等の光透過性を有する金属酸化物導電膜からなる。陽極51の材料は、IZO(Indium Zinc Oxide)(登録商標)であってもよい。陽極51は、画素14毎に回路素子層61のTFT素子48のドレイン端子と電気的に接続されている。
【0065】
なお、表示パネル12がトップエミッション型であることから、陽極51の材料は必ずしも光透過性を有していなくてもよい。例えば、アルミニウム等からなる金属電極を用いるようにしてもよい。また、陽極51の材料として光透過性を有していない材料を用いる場合は、反射層63は設けなくてよい。
【0066】
また、平坦化層62上には、隔壁64が設けられている。隔壁64は、例えば、アクリル樹脂等からなり、画素14の領域を区画している。
【0067】
陽極51及び隔壁64上には、機能層53が設けられている。本実施形態の機能層53は、正孔注入層と、正孔輸送層と、発光層と、電子輸送層とが順に積層されて構成されている(図4では、1層で図示)。正孔注入層は、例えば、トリアリールアミン(ATP)多量体で形成されている。正孔輸送層は、例えば、トリフェニルアミン誘導体(TPD)で形成されている。
【0068】
発光層の発光色は白色である。白色発光材料としては、スチリルアミン系発光材料、アントラセン系ドーパミント(青色)、あるいはスチリルアミン系発光材料、ルブレン系ドーパミント(黄色)等が用いられる。電子輸送層は、例えばアルミニウムキノリノール錯体(Alq3)で形成されている。機能層53の各層は、例えば、真空蒸着法を用いて順次形成される。
【0069】
機能層53上には、陰極52が設けられている。陰極52は、本実施形態のようにトップエミッション構造である場合、光透過性を有する材料である、例えば、ITO等の透明導電材料が用いられる。また、陰極52は、マグネシウムと銀との合金(Mg−Ag合金)で構成するようにしてもよい。なお、陰極52の下層に、フッ化リチウム(LiF)等からなる電子注入バッファー層が設けられていてもよい。
【0070】
陰極52及び隔壁64上には、電極保護層65が設けられている。電極保護層65は、光透過性、密着性、耐水性、ガスバリアー性等を考慮して、例えば、珪素酸化物や珪素酸窒化物等の珪素化合物で構成される。また、電極保護層65の厚さは100nm以上が好ましく、隔壁64を被覆することで発生する応力によるクラック発生を防ぐため、厚さの上限は200nm以下とすることが好ましい。電極保護層65は、PVD(物理気相成長法)、CVD(化学気相成長法)、またはイオンプレーティング法等を用いて形成される。
【0071】
電極保護層65上には、有機緩衝層66が形成されている。この有機緩衝層66は、隔壁64の形状の影響により凹凸状に形成された電極保護層65の凹凸部分を埋めるように設けられ、その上面は略平坦に形成される。
【0072】
有機緩衝層66としては、例えば、熱硬化性のエポキシ樹脂等からなる。有機緩衝層66は、第1基板31及び回路素子層61等の反りや堆積膨張により発生する応力を緩和し、不安定な形状の隔壁64から電極保護層65が剥離することを防止する機能を有する。
【0073】
また、有機緩衝層66の上面が略平坦化されるので、有機緩衝層66上に形成される硬い被膜からなる後述するガスバリアー層67も平坦化される。したがって、応力が集中する部位がなくなり、これにより、ガスバリアー層67でのクラックの発生を防止する。
【0074】
有機緩衝層66の厚さは、3μm〜5μm程度が好ましい。有機緩衝層66は、例えば、真空スクリーン印刷法、スリットコート法、インクジェット法等を用いて形成される。
【0075】
有機緩衝層66上には、有機緩衝層66を被覆し、かつ電極保護層65の終端部まで覆うような広い範囲で、ガスバリアー層67が形成されている。ガスバリアー層67は、酸素や水分が浸入するのを防止するためのもので、これにより酸素や水分による有機EL素子23の劣化等を抑えることができる。ガスバリアー層67は、透明性、ガスバリアー性、耐水性を考慮して、好ましくは窒素を含む珪素化合物、すなわち珪素窒化物や珪素酸窒化物などによって形成される。なお、本実施形態では、第1基板31からガスバリアー層67までを、「素子基板36」と称する。また、第2基板32とカラーフィルター24とを合わせて、「封止基板37」と称する。
【0076】
素子基板36の有機EL素子23が形成された面側、すなわちガスバリアー層67が形成された面側には、封止基板37が対向して配置されている。封止基板37は、シール材26および封止樹脂25を介して、素子基板36のガスバリアー層67と接着されている。封止基板37を構成する第2基板32は、例えば、光透過性を有する無機ガラスからなる。本実施形態では、第2基板32の材料として無アルカリガラスを用いている。
【0077】
第2基板32の厚さは、例えば、30μm程度である。表示パネル12では、第1基板31および第2基板32に、プラスチック基板に比べてガスバリアー性の高いガラス基板を用い、これらのガラス基板の厚さを薄くすることにより可撓性が付与されている。
【0078】
シール材26は、第1基板31と第2基板32との間の非表示領域に配置され、第1基板31(第2基板32)の外周に沿って枠状に設けられている。シール材26は、水分透過率が低い材料からなる。シール材26の材料としては、例えば、エポキシ系樹脂に硬化剤として酸無水物を添加し、促進剤としてシランカップリング剤を添加した高接着性の接着剤を用いることができる。
【0079】
封止樹脂25は、素子基板36と封止基板37とシール材26とで囲まれた領域に隙間なく充填されるように設けられている。封止樹脂25は、例えば、アクリル系、エポキシ系、ウレタン系等の光透光性の高い樹脂からなる。耐熱性や耐水性を考慮すると、封止樹脂25の材料として、エポキシ系樹脂を用いることが好ましい。
【0080】
カラーフィルター24は、第2基板32の有機EL素子23側に設けられている。カラーフィルター24は、赤色(R)光に対応するカラーフィルター24Rと、緑色(G)光に対応するカラーフィルター24Gと、青色(B)光に対応するカラーフィルター24Bとを有している(対応する色を区別しない場合には単にカラーフィルター24とも呼ぶ)。カラーフィルター24は、平面視で有機EL素子23に重なるように設けられている。
【0081】
カラーフィルター24R,24G,24Bを区画するように、遮光層68が設けられている。遮光層68は、隔壁64に対応するように配置されている。遮光層68は、遮光性を有する材料からなり、例えばCr(クロム)等からなる。なお、カラーフィルター24と遮光層68とを覆うように、オーバーコート層が設けられていてもよい。
【0082】
表示パネル12は、赤色光を射出する画素14Rと、緑色光を射出する画素14Gと、青色光を射出する画素14Bとを有している(対応する色を区別しない場合には単に画素14とも呼ぶ)。カラーフィルター24R,24G,24Bは、画素14R,14G,14Bに対応して配置されている。
【0083】
有機EL素子23により発せられる白色光がカラーフィルター24R,24G,24Bを透過することで、画素14R,14G,14BにおいてR、G、Bの3つの異なる色の光が射出される。画素14R,14G,14Bから一つの画素群が構成され、それぞれの画素群において画素14R,14G,14Bのそれぞれの輝度を適宜変えることで、種々の色の表示を行うことができる。したがって、フルカラー表示またはフルカラー発光が可能な表示パネルを提供できる。
【0084】
表示パネル12では、機能層53から陰極52側に発せられた光は、観察側に射出される。また、機能層53から陽極51側に発せられた光は、反射層63により反射されて、観察側に射出される。
【0085】
<電気光学パネルの構造>
図5は、有機EL装置を構成する電気光学パネルとしての表示パネルの構造を示す模式平面図である。図6は、図5に示す表示パネルのB−B'線に沿う模式断面図である。以下、表示パネルの構成を、図5及び図6を参照しながら説明する。
【0086】
図5及び図6に示すように、表示パネル12は、略同じ大きさの第1基板31と第2基板32とが、シール材26を介して貼り合わされている。シール材26は、表示領域15の周囲を囲むように設けられている。更に、シール材26は、端子部16(16a,16b,16c)の周囲を囲むように設けられている。言い換えれば、一対の基板(第1基板31、第2基板32)間は、表示領域15及び端子部16の領域以外、シール材26が設けられていることになる。
【0087】
上述したように、第1基板31の一端側には、第1端子部16aと、第2端子部16bと、第3端子部16cとが設けられている。そして、第2基板32における各端子部16a〜16cと平面的に重なる領域には、端子部16a〜16cの領域を囲むように開口する開口部としての開口孔71(71a,71b,71c)が設けられている。つまり、第2基板32側から平面視した場合、第1基板31に設けられた各端子部16a〜16cが露出するようになっている。これにより、各端子部16a〜16cは、開口孔71a〜71cを介して中継基板17a〜17cと接続することが可能となっている。
【0088】
このように、第2基板32が第1基板31と略同じ大きさで構成されており、シール材26が表示領域15の周囲に加えて端子部16a〜16cの周囲にも設けられている。つまり、一対の基板31,32間の周囲にシール材26が設けられているので、シール材26が表示領域15の周囲のみ、かつ、第1基板31上の端子部16の領域が第2基板32の端面から張り出している場合と比較して、表示パネル12の強度を向上させることができる。特に、表示パネル12における端子部16が設けられている領域のコーナー部72a,72bの強度を向上させることができる。
【0089】
また、シール材26は、第1基板31と第2基板32との間において、各基板31,32の端面まで設けられていることが望ましい。端面までシール材26が設けられていることにより、基板31,32間に隙間が発生しないことから、不純物などが表示領域15などに入り込むことを抑えることができる。
【0090】
以上詳述したように、第1実施形態の有機EL装置11によれば、以下に示す効果が得られる。
【0091】
(1)第1実施形態によれば、第2基板32において端子部16a〜16cと平面的に重なる領域を含む周囲に開口孔71a〜71cが設けられているので、端子部16を有する第1基板31に第2基板32を重ねたとしても、端子部16a〜16cに中継基板17a〜17cを接続することができる。また、表示領域15の周囲に加えて、端子部16a〜16cの周囲にシール材26を設けることにより、端子部16の周辺の強度を向上させることができる。
【0092】
(2)第1実施形態によれば、第1基板31と第2基板32の大きさが同じ大きさなので、第1基板31が端子部16の領域分、第2基板32よりはみ出す場合に比べて、接合後の端子部16の領域においてコーナー部72a,72bや端面の強度を向上させることができる。
【0093】
(3)第1実施形態によれば、表示パネル12が樹脂フィルム21,22でラミネートされているので、表示パネル12の強度を補強することができる。また、樹脂フィルム21,22でラミネートされているので、表示パネル12が破損した場合の破材が飛び散ることを防ぐことができる。
【0094】
(第2実施形態)
<電気光学装置の製造方法>
図7は、電気光学装置の製造方法としての有機EL装置の製造方法を示すフローチャートである。図8〜図10は、有機EL装置の製造方法の一部を示す模式平面図である。図11は、有機EL装置の製造方法の一部を示す模式図である。以下、有機EL装置の製造方法を、図7〜図11を参照しながら説明する。なお、本実施形態では、マザー基板から1つの表示パネルを切り出す方法を説明する。
【0095】
図7に示すように、ステップS11では、第1基板31上に画素14を形成する。詳しくは、図4に示すように、第1基板31上に、回路素子層61、隔壁64、陽極51、発光層を含む機能層53、陰極52等を形成する。なお、図4においては、これらの構成要素のいくつかを省略して描いている。
【0096】
ステップS12では、第1基板31上の画素14に対して薄膜封止を行う(図4参照)。詳しくは、画素14を覆うようにして、電極保護層65、有機緩衝層66、ガスバリアー層67を形成する。この工程は、プラズマCVD法、スパッタ法、蒸着法、液滴吐出法、各種エッチング法等の種々の成膜方法、パターニング方法を用いて行うことができる。
【0097】
ステップS13(塗布工程)では、第1基板31上の画素14が形成された側にシール材26を形成する。具体的には、図8を参照しながら説明する。なお、上記した画素14などは、第1マザー基板12a’に形成されている。まず、図8に示すように、第1マザー基板12a’における表示領域15の周囲及び端子部16a〜16cの周囲にシール材26を塗布する。これにより、第1基板31となる領域の周囲全体に亘ってシール材26が塗布される。なお、図8における破線は、後に表示パネル12(第1基板31)となる外周形状を示している。
【0098】
シール材26としては、例えば、エポキシの接着剤が用いられる。シール材26の形成方法としては、例えば、第1マザー基板12a’上に、ディスペンサー塗布法(スクリーン印刷法)等により、紫外線硬化性樹脂からなるシール材26を塗布することによって行う。また、シール材26にはスペーサーを混入させておく。
【0099】
ステップS14では、第1マザー基板12a’上のシール材26で囲まれた領域(表示領域15)に、封止樹脂25を塗布する。詳しくは、第1マザー基板12a’上に、ディスペンサー塗布法又は液滴吐出法により熱硬化性樹脂からなる封止樹脂25を塗布することによって行う。また、封止樹脂25は、硬化後に透明となるものを用いる。以上により、素子基板36側が完成する。
【0100】
ステップS21では、第2基板32が面付けされたマザー基板(第2マザーガラス基板)上にカラーフィルター24及び遮光層68を形成して、封止基板37側が完成する。
【0101】
ステップS31(貼付工程)では、素子基板36(マザー基板)と封止基板37(マザー基板)とをシール材26及び封止樹脂25を介して貼り合わせる。詳しくは、減圧環境下において素子基板36と封止基板37との間でアライメント(位置合わせ)をした状態で接触、圧着させる。このとき、素子基板36と封止基板37とは、シール材26に含まれるスペーサーによって支持され、一定の間隔を有した状態で貼り合わされる。
【0102】
ステップS32では、シール材26を硬化させる。詳しくは、紫外線硬化性樹脂からなるシール材26に対し、封止基板37側から紫外線を照射することにより、シール材26を硬化させる。
【0103】
ステップS33では、封止樹脂25を硬化させる。詳しくは、熱硬化性樹脂からなる封止樹脂25に対し熱処理を行うことにより、封止樹脂25を硬化させる。熱処理の方法としては、例えば、貼り合わせ後の素子基板36及び封止基板37を焼成炉内で加熱する方法を用いることができる。
【0104】
ステップS34では、第1基板31及び第2基板32をエッチングして、所定の厚さ、例えば、それぞれ30μm程度まで薄くする。エッチング液としては、例えば、フッ酸(フッ化水素酸)を希釈した水溶液を用いる。エッチング液は、塩酸、硫酸、硝酸、燐酸等の水溶液であってもよい。エッチング方法は、第1基板31および第2基板32をエッチング液に浸漬してもよいし、エッチング液をシャワー(吹き付け)してもよい。なお、この状態の基板を、表示パネル前駆体12aと称する。
【0105】
ステップS35(切断工程)では、表示パネル前駆体12aを表示パネル12の形状に相当する切断ラインに沿って切断し個片化する(表示パネル12を切り出す)と共に、第2基板32における端子部16a〜16cと重なる領域の周囲を切断する。具体的には、図9を参照しながら説明する。まず、図9に示すように、表示パネル前駆体12aから表示パネル12となる外周形状に沿って切断する。切断する方法としては、例えば、レーザー切断法が用いられる。その後、第2基板32における、第1基板31に設けられた端子部16a〜16cと平面的に重なる領域の周囲を切断し、第1開口孔71a〜第3開口孔71cを形成する。
【0106】
レーザー切断法による切断条件は、例えば、次の通りである。レーザーは、UVレーザー(波長:266nm)である。また、光源は、エキシマレーザーである。周波数は50kHzである。レーザー出力は、1Wである。走査速度は、30mm/sである。なお、第2基板32における第1開口孔71a〜第3開口孔71cを切断する場合、レーザー出力は、例えば、0.75Wである。以上により、表示パネル前駆体12aから、図10に示すような表示パネル12が切り出される。
【0107】
このように、第1基板31上の表示領域15の周囲にシール材26を塗布すると共に、端子部16a〜16cの周囲の領域にもシール材26を塗布し、第1基板31と同じ大きさの第2基板32を貼り合わせるので、端子部16a〜16c周囲の領域を一対の基板31,32によって挟持することが可能となり、端子部16a〜16c周辺の強度を向上させることができる。
【0108】
ステップS36では、第1基板31に設けられた端子部16a,16b,16cに、中継基板17a,17b,17cを接続する(図1、図2参照)。詳述すると、端子部16a〜16cと中継基板17a〜17cとの接続は、第2基板32に形成された開口孔71a〜71cの中に異方性導電膜33を配置し、異方性導電膜33を介して行われる。
【0109】
ステップS37(ラミネート工程)では、表示パネル12をラミネートする。具体的には、例えば、図11(a)に示すように、各部材を重ね合わせた状態とし、ラミネート装置75にセットする。詳しくは、樹脂フィルム22上に、表示パネル12と、樹脂フィルム21(いずれも図2参照)とを重ねてラミネート装置75にセットする。なお、図11では、ラミネート装置75の加圧ローラー76のみを図示している。
【0110】
次に、図11(b)に示すように、矢印で示す側から加圧し、80℃〜120℃の範囲で加熱して圧着する。加圧ローラー76に挟持された部分では、ローラーの熱によって樹脂フィルム21,22が溶解し、更に加圧されて相互に接着される。加熱圧着の方法は、ホットプレート型の並行板や一対の熱加圧ローラーを用いる方法が好ましい。また、真空圧着装置を用いてもよい。以上により、有機EL装置11が完成する。
【0111】
以上詳述したように、第2実施形態の有機EL装置11の製造方法によれば、以下に示す効果が得られる。
【0112】
(4)第2実施形態によれば、切断工程(ステップS35)において第2基板32における端子部16a〜16cと平面的に重なる領域を切断するので、貼り合わせ工程(ステップS31)によって端子部16を有する第1基板31に第2基板32を重ねたとしても、端子部16a〜16cに中継基板17a〜17cを接続することができる。また、シール材形成工程(ステップS13)によって表示領域15の周囲に加えて、端子部16a〜16cの周囲にシール材26を塗布するので、端子部16a〜16cの周辺の強度を向上させることができる。
【0113】
(第3実施形態)
<電子機器>
図12は、本発明に係る表示パネルを備える電子機器の一例としてディスプレイと情報携帯端末の構成を模式的に示す概略斜視図である。以下、ディスプレイ及び情報携帯端末の構成を、図12を参照しながら説明する。
【0114】
図12(a)に示すように、ディスプレイ81は、上記した第1実施形態の有機EL装置11を表示部である電子ペーパー82,83として用いたブック型のディスプレイである。このディスプレイ81には、本の綴じ代に相当する部分に、有機EL装置11の配線部に接続可能なコネクター(図示しない)を備えたヒンジ部84が設けられている。
【0115】
ヒンジ部84には、コネクターが回転軸を中心に回転可能に取り付けられており、接続された電子ペーパー82,83を通常の紙のように捲ることができる構成となっている。複数の電子ペーパー82,83がヒンジ部84に対して着脱可能に接続されていてもよい。これにより、(ルーズリーフのように)必要な枚数だけ電子ペーパー82,83を持ち運べるディスプレイ81を提供できる。
【0116】
図12(b)に示すように、携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistants)91は、複数の操作ボタン92や表示部93を有する本体94を備えている。本体94は手のひらに収まる大きさであって、表示部93には、上記第1実施形態の電気光学装置としての有機EL装置11が搭載されている。複数の操作ボタン92を操作することにより、例えば住所録やスケジュール帳といった各種の情報を表示部93に表示することができる。薄型で自発光型の表示装置である有機EL装置11が搭載されているので、本体94をより薄型な構成とすることができる。すなわち、小型で薄型な携帯情報端末91を提供することができる。
【0117】
また、表示パネル12が樹脂フィルム21,22により封着されているので、例えば、携帯情報端末91を誤って落としたとしても外部からの衝撃で表示パネル12が破損し難い。たとえ破損しても表示パネル12の破片が飛び散らない安全な携帯情報端末91が実現される。
【0118】
なお、有機EL装置11を搭載可能な電子機器は、上述したブック型のディスプレイ81や携帯情報端末91に限らず、種々の電子機器に搭載することができる。例えば、パーソナルコンピューター、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ、DVDビューワー、カーナビゲーション装置などの車載用ディスプレイ、電子手帳、POS端末、オーディオ機器、デジタルサイネージと呼ばれる電子広告媒体等が挙げられる。
【0119】
以上詳述したように、第3実施形態の電子機器によれば、以下に示す効果が得られる。
【0120】
(5)第3実施形態によれば、上記した有機EL装置11を備えることによって、破損しにくい基板構造を有する電子機器を提供することができる。
【0121】
なお、実施形態は上記に限定されず、以下のような形態で実施することもできる。
【0122】
(変形例1)
上記したように、端子部16a〜16cの周囲を囲むようにシール材26を設けることに限定されない。図13〜図15は、変形例の表示パネルの構造を示す模式平面図である。例えば、図13〜図15に示す表示パネル112,212,312のようにシール材126,226,326を設けてもよい。
【0123】
図13に示す表示パネル112は、第1実施形態と同様に、表示パネル112の一端側に3つの端子部16a〜16cが並んで配置されている。なお、シール材126は、表示領域15の周囲に設けられていると共に、3つの端子部16a〜16c全体を囲むように設けられている。また、端子部16の領域に設けられたシール材126の形状に沿って、第2基板32に開口孔171が設けられている。これによれば、端子部16a〜16c間にシール材126が設けられていないものの、3つの端子部16a〜16c全体を囲むように表示パネル112の第1辺112a、第2辺112b、第3辺112cまでシール材126が配置されているので、表示パネル112の端面(辺112a〜112c)及びコーナー部172a,172bの強度を向上させることができる。また、第1実施形態の表示パネル12と比較して、シール材126の塗布量を少なくすることができる。
【0124】
図14に示す表示パネル212は、第1実施形態と同様に、表示パネル212の一端側に3つの端子部16a〜16cが並んで配置されている。なお、シール材226は、表示領域15の周囲に設けられていると共に、各端子部16a〜16cにおける三辺の周囲に設けられている。具体的には、各端子部16a〜16cの一辺から表示パネル212の第1辺212aに亘って、シール材226の無い領域となっている。つまり、各端子部16a〜16cに接続される中継基板17a〜17cの形状に沿ってシール材226が設けられている。また、端子部16a〜16cの領域に設けられたシール材226の形状に沿って、第2基板32に3つの切り欠き部271a,271b,271cが設けられている。
【0125】
これによれば、表示パネル212の第1辺212aのコーナー部272a,272b、及び、各端子部16a〜16c間にシール材226が設けられているので、表示領域15の周囲のみにシール材が設けられている場合と比較して、表示パネル212のコーナー部272a,272b及び端面(第1辺212a)の強度を向上させることができる。更に、中継基板17a〜17cの形状に沿ってシール材226及び切り欠き部271a〜271cが設けられており、第1基板31に直接中継基板17a〜17cを配置して接合できるので、端子部16a〜16cに中継基板17a〜17cを接続しやすくすることができる。
【0126】
図15に示す表示パネル312は、第1実施形態と同様に、表示パネル312の一端側に3つの端子部16a〜16cが並んで配置されている。なお、シール材326は、表示領域15の周囲に設けられていると共に、端子部16が設けられている領域の第2辺312bと第3辺312cに沿って設けられている。また、端子部16の周辺に設けられたシール材326の形状に沿って、第2基板32に切り欠き部371が設けられている。
【0127】
これによれば、表示パネル312における第2辺312bと第3辺312cに沿ってシール材326が設けられているので、表示領域15の周囲のみにシール材が設けられている場合と比較して、表示パネル312のコーナー部372a,372b及び端面(辺312b,312c)の強度を向上させることができる。更に、第2基板32における端子部16と平面的に重なる領域から第1辺312aまで大きく切り欠き部371が設けられているので、端子部16a〜16cに中継基板17a〜17cを接続しやすくすることができる。加えて、シール材326の塗布量を少なくすることができる。
【0128】
(変形例2)
上記したように、表示パネル12に3つの中継基板17a〜17cを接続させることに限定されない。図16は、変形例の有機EL装置の構成を示す模式平面図である。例えば、図16に示す有機EL装置(表示パネル412)の2つの端子部16a,16bのそれぞれに表示パネル412を駆動するためのICチップ417a,417bを実装し(COG:Chip On Glass)、残りの1つの端子部16cに中継基板17cを接続するようにしてもよい。これによれば、外部(表示制御部など)との接続を1つの中継基板17cで行うことができる。
【0129】
(変形例3)
上記したように、トップエミッション型の有機EL装置に適用することに限定されず、例えば、ボトムエミッション型の有機EL装置に適用するようにしてもよい。
【0130】
(変形例4)
本発明が適用される電気光学装置は、上記した有機EL装置11であることに限定されず、例えば、液晶装置、プラズマディスプレイ、電子ペーパー等であってもよい。
【符号の説明】
【0131】
11…電気光学装置としての有機EL装置、12,112,212,312,412…電気光学パネルとしての表示パネル、12a…表示パネル前駆体、12a’…第1マザー基板、13…表示部、14,14R,14G,14B…画素、15…素子領域としての表示領域、16,16a,16b,16c…端子部、17a,17b,17c…中継基板、21,22…樹脂フィルム、21a,22a…基材フィルム、21b,22b…接着層、23…電気光学素子としての有機EL素子、24,24R,24G,24B…カラーフィルター、25…封止樹脂、26,126,226,326…シール材、27,28…空間、29…封止樹脂の一部、31…第1基板、32…第2基板、33…異方性導電膜、34,35…中間接着層、36…素子基板、37…封止基板、41…走査線、42…信号線、43…電源線、44…信号線駆動回路、45…走査線駆動回路、46…スイッチング用TFT、47…保持容量、48…TFT素子、51…陽極、52…陰極、53…機能層、61…回路素子層、62…平坦化層、63…反射層、64…隔壁、65…電極保護層、66…有機緩衝層、67…ガスバリアー層、68…遮光層、71,71a,71b,71c,171…開口部としての開口孔、72a,72b,172a,172b,272a,272b,372a,372b…コーナー部、75…ラミネート装置、76…加圧ローラー、81…ディスプレイ、82,83…電子ペーパー、84…ヒンジ部、112a,112b,112c,212a,312a,312b,312c…辺、271a,271b,271c,371…切り欠き部、417a,417b…ICチップ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気光学素子と、前記電気光学素子に電気的に接続された端子からなる端子部と、を有する第1基板と、
前記電気光学素子が設けられた素子領域の周囲、及び前記端子部の周囲の少なくとも一部に設けられたシール材と、
前記シール材を介して前記第1基板に対向配置され、平面的に前記端子部と重なる領域に開口部又は切り欠き部が設けられた第2基板と、
を備えた電気光学パネルを有することを特徴とする電気光学装置。
【請求項2】
請求項1に記載の電気光学装置であって、
前記第1基板と前記第2基板とが略同じ大きさであることを特徴とする電気光学装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の電気光学装置であって、
前記シール材は、前記素子領域の周囲、及び前記端子部が設けられた前記第1基板のコーナー部に設けられていることを特徴とする電気光学装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の電気光学装置であって、
前記第1基板には、端子部が設けられており、
前記シール材は、前記端子部を囲むように設けられていることを特徴とする電気光学装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の電気光学装置であって、
前記第1基板には、複数の端子部が設けられており、
前記シール材は、前記複数の端子部のうち少なくとも2つを囲むように設けられていることを特徴とする電気光学装置。
【請求項6】
請求項5に記載の電気光学装置であって、
前記開口部又は前記切り欠き部は、平面視で前記複数の端子部のうち少なくとも2つを囲むように設けられていることを特徴とする電気光学装置。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の電気光学装置であって、
前記電気光学パネルの厚みが100μm以下で構成され、
前記電気光学パネルは、少なくとも一方が透明な一対の樹脂フィルムで挟まれてラミネートされていることを特徴とする電気光学装置。
【請求項8】
電気光学素子及び端子部が設けられた第1基板と、前記第1基板にシール材を介して対向配置された第2基板と、を備えた電気光学パネルを有する電気光学装置の製造方法であって、
前記第1基板における前記電気光学素子が設けられた素子領域の周囲、及び、前記端子部の周囲の少なくとも一部にシール材を塗布する塗布工程と、
前記シール材を介して前記第1基板に前記第2基板を対向配置して貼り付ける貼付工程と、
前記第2基板において前記端子部と平面的に重なる領域を切断して前記端子部を露出させる切断工程と、
を有することを特徴とする電気光学装置の製造方法。
【請求項9】
請求項8に記載の電気光学装置の製造方法であって、
前記塗布工程は、前記素子領域の周囲、及び前記端子部が設けられた前記第1基板のコーナー部に前記シール材を塗布することを特徴とする電気光学装置の製造方法。
【請求項10】
請求項8又は請求項9に記載の電気光学装置の製造方法であって、
前記塗布工程は、前記第1基板における前記端子部を囲むように前記シール材を塗布することを特徴とする電気光学装置の製造方法。
【請求項11】
請求項8乃至請求項10のいずれか一項に記載の電気光学装置の製造方法であって、
前記第1基板には、端子部が設けられており、
前記塗布工程は、前記端子部を囲むように前記シール材を塗布することを特徴とする電気光学装置の製造方法。
【請求項12】
請求項8乃至請求項10のいずれか一項に記載の電気光学装置の製造方法であって、
前記第1基板には、複数の端子部が設けられており、
前記塗布工程は、前記複数の端子部のうち少なくとも2つを囲むように前記シール材を塗布することを特徴とする電気光学装置の製造方法。
【請求項13】
請求項12に記載の電気光学装置の製造方法であって、
前記切断工程は、平面視で前記複数の端子部のうち少なくとも2つが露出するように切断することを特徴とする電気光学装置の製造方法。
【請求項14】
請求項8乃至請求項13のいずれか一項に記載の電気光学装置の製造方法であって、
前記電気光学パネルの厚みが100μm以下で構成され、
少なくとも一方が透明な一対の樹脂フィルムで前記電気光学パネルを挟んでラミネートするラミネート工程を有することを特徴とする電気光学装置の製造方法。
【請求項15】
請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の電気光学装置を備えることを特徴とする電子機器。
【請求項1】
電気光学素子と、前記電気光学素子に電気的に接続された端子からなる端子部と、を有する第1基板と、
前記電気光学素子が設けられた素子領域の周囲、及び前記端子部の周囲の少なくとも一部に設けられたシール材と、
前記シール材を介して前記第1基板に対向配置され、平面的に前記端子部と重なる領域に開口部又は切り欠き部が設けられた第2基板と、
を備えた電気光学パネルを有することを特徴とする電気光学装置。
【請求項2】
請求項1に記載の電気光学装置であって、
前記第1基板と前記第2基板とが略同じ大きさであることを特徴とする電気光学装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の電気光学装置であって、
前記シール材は、前記素子領域の周囲、及び前記端子部が設けられた前記第1基板のコーナー部に設けられていることを特徴とする電気光学装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の電気光学装置であって、
前記第1基板には、端子部が設けられており、
前記シール材は、前記端子部を囲むように設けられていることを特徴とする電気光学装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の電気光学装置であって、
前記第1基板には、複数の端子部が設けられており、
前記シール材は、前記複数の端子部のうち少なくとも2つを囲むように設けられていることを特徴とする電気光学装置。
【請求項6】
請求項5に記載の電気光学装置であって、
前記開口部又は前記切り欠き部は、平面視で前記複数の端子部のうち少なくとも2つを囲むように設けられていることを特徴とする電気光学装置。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の電気光学装置であって、
前記電気光学パネルの厚みが100μm以下で構成され、
前記電気光学パネルは、少なくとも一方が透明な一対の樹脂フィルムで挟まれてラミネートされていることを特徴とする電気光学装置。
【請求項8】
電気光学素子及び端子部が設けられた第1基板と、前記第1基板にシール材を介して対向配置された第2基板と、を備えた電気光学パネルを有する電気光学装置の製造方法であって、
前記第1基板における前記電気光学素子が設けられた素子領域の周囲、及び、前記端子部の周囲の少なくとも一部にシール材を塗布する塗布工程と、
前記シール材を介して前記第1基板に前記第2基板を対向配置して貼り付ける貼付工程と、
前記第2基板において前記端子部と平面的に重なる領域を切断して前記端子部を露出させる切断工程と、
を有することを特徴とする電気光学装置の製造方法。
【請求項9】
請求項8に記載の電気光学装置の製造方法であって、
前記塗布工程は、前記素子領域の周囲、及び前記端子部が設けられた前記第1基板のコーナー部に前記シール材を塗布することを特徴とする電気光学装置の製造方法。
【請求項10】
請求項8又は請求項9に記載の電気光学装置の製造方法であって、
前記塗布工程は、前記第1基板における前記端子部を囲むように前記シール材を塗布することを特徴とする電気光学装置の製造方法。
【請求項11】
請求項8乃至請求項10のいずれか一項に記載の電気光学装置の製造方法であって、
前記第1基板には、端子部が設けられており、
前記塗布工程は、前記端子部を囲むように前記シール材を塗布することを特徴とする電気光学装置の製造方法。
【請求項12】
請求項8乃至請求項10のいずれか一項に記載の電気光学装置の製造方法であって、
前記第1基板には、複数の端子部が設けられており、
前記塗布工程は、前記複数の端子部のうち少なくとも2つを囲むように前記シール材を塗布することを特徴とする電気光学装置の製造方法。
【請求項13】
請求項12に記載の電気光学装置の製造方法であって、
前記切断工程は、平面視で前記複数の端子部のうち少なくとも2つが露出するように切断することを特徴とする電気光学装置の製造方法。
【請求項14】
請求項8乃至請求項13のいずれか一項に記載の電気光学装置の製造方法であって、
前記電気光学パネルの厚みが100μm以下で構成され、
少なくとも一方が透明な一対の樹脂フィルムで前記電気光学パネルを挟んでラミネートするラミネート工程を有することを特徴とする電気光学装置の製造方法。
【請求項15】
請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の電気光学装置を備えることを特徴とする電子機器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2011−128481(P2011−128481A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−288743(P2009−288743)
【出願日】平成21年12月21日(2009.12.21)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年12月21日(2009.12.21)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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